表示装置および電子機器
【課題】視差バリアパターンが位置ずれするのを抑制することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】この液晶表示装置(表示装置)100は、表面上に薄膜トランジスタ3が形成されたTFT基板1と、薄膜トランジスタ3を挟むように、TFT基板1と対向するように配置されたCF基板2と、CF基板2の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に直接形成された視差バリアパターン40とを備える。
【解決手段】この液晶表示装置(表示装置)100は、表面上に薄膜トランジスタ3が形成されたTFT基板1と、薄膜トランジスタ3を挟むように、TFT基板1と対向するように配置されたCF基板2と、CF基板2の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に直接形成された視差バリアパターン40とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および電子機器に関し、特に、視差バリアパターンを備える表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、視差バリアパターンを備える表示装置および電子機器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、薄膜トランジスタ(TFT)が形成されたTFT基板と、TFT基板に対向するように設けられたカウンター基板(カラーフィルター(CF)基板)と、TFT基板とカウンター基板との間に挟持された液晶層とを備えたマルチプル視野ディスプレイ(表示装置)が開示されている。また、カウンター基板の液晶層とは反対側の表面上には、偏光子が形成されている。偏光子のカウンター基板とは反対側の表面上には、立体(3D)画像や異なる2つの画像を表示するための視差バリアが配置されている。なお視差バリアは、視差バリア基板と、視差バリア基板の表面上に形成され複数の開口部(スリット)を有する視差バリアアパーチャアレイ(視差バリアパターン)とから構成されている。そして、上記特許文献1には明確に記載されていないが、カウンター基板の表面上に形成された偏光子と、視差バリアの視差バリアアパーチャアレイとが、接着材層などを用いて貼り合わせられることにより、カウンター基板と視差バリアとが固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−206089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の表示装置では、偏光子と視差バリアアパーチャアレイとが接着材層を用いて貼り合わせられた場合には、視差バリアアパーチャアレイがカウンター基板側に設けられる画素やカラーフィルターに対して位置ずれする場合があるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、視差バリアパターンが位置ずれするのを抑制することが可能な表示装置および電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における表示装置は、表面上にトランジスタ素子が形成された素子基板と、トランジスタ素子を挟むように、素子基板と対向するように配置された対向基板と、素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成された視差バリアパターンとを備える。
【0008】
この第1の局面による表示装置では、視差バリアパターンを素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成することによって、たとえば、素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面と、視差バリアパターンとの間に接着材層などの別個の層を設けて視差バリアパターンを基板に配置する場合と異なり、視差バリアパターンと基板との間に余分な層がないので、視差バリアパターンが位置ずれするのを抑制することができる。また、視差バリアパターンと素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板との間に別個に層を設ける場合と異なり、層の厚み(膜厚ムラ)に起因して、視差バリアパターンと素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板との間の間隔が不均一になるのを抑制することができる。
【0009】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、視差バリアパターンは、素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に接着材層を介さずに直接接触するように形成されている。このように構成すれば、素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に接着材層を介して視差バリアパターンを形成する場合と異なり、接着材層を設けなくてよいので、視差バリアパターンが位置ずれするのを抑制することができる。また、視差バリアパターンと素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板との間に接着材層を設ける場合と異なり、接着材層の厚み(膜厚ムラ)に起因して、視差バリアパターンと素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板との間の間隔が不均一になるのを抑制することができる。
【0010】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、視差バリアパターンの端部は、視差バリアパターンが形成される素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板の端部よりも内側に形成されている。このように構成すれば、たとえば、視差バリアパターンの端部が平面的に見て素子基板および対向基板の端部と重なる位置に形成されている場合と異なり、表示装置の製造プロセスにおいて、大板状態の素子基板および対向基板を分断する際の分断箇所を確認しやすくすることができる。
【0011】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、素子基板または対向基板のうちいずれか一方の視差バリアパターンが形成された基板の厚みは、素子基板または対向基板のうちいずれか他方の視差バリアパターンが形成されていない基板の厚みよりも小さい。このように構成すれば、素子基板または対向基板のうちいずれか一方の視差バリアパターンが形成された基板の視差バリアパターン側とは反対側の表面上に、たとえばカラーフィルターなどの層を形成した際に、視差バリアパターンとカラーフィルターとの間の距離が小さくなるので、カラーフィルターと視差バリアパターンとの間の距離が小さい2画面表示の表示装置を容易に構成することができる。
【0012】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、視差バリアパターンは、対向基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成されている。このように構成すれば、視差バリアパターンと対向基板との間に接着材層などを設ける場合と異なり、接着材層の厚み(膜厚ムラ)に起因して、たとえば、視差バリアパターンとカラーフィルターとの間の間隔が不均一になるのを抑制することができる。
【0013】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、視差バリアパターンは、素子基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成されている。このように構成すれば、視差バリアパターンと素子基板との間に接着材層などを設ける場合と異なり、接着材層の厚み(膜厚ムラ)に起因して、たとえば、視差バリアパターンとトランジスタ素子との間の間隔が不均一になるのを抑制することができる。
【0014】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、視差バリアパターンのトランジスタ素子側とは反対側の表面上に形成された保護膜と、保護膜のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に形成された偏光板とをさらに備える。このように構成すれば、表示装置の製造プロセス中に、保護膜により視差バリアパターンの表面が保護されるので、視差バリアパターンの表面がキズつくのを抑制することができるとともに、表示装置の面押し強度(機械的強度)を向上させることができる。また、保護膜を視差バリアパターンの表面上に形成することにより、視差バリアパターンが形成される基板上の表面が平坦面状になるので、偏光板を保護膜の表面上に形成しやすくすることができる。
【0015】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、視差バリアパターンのトランジスタ素子側とは反対側の表面上に形成された偏光板と、偏光板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に形成された保護膜とをさらに備える。このように構成すれば、保護膜により偏光板の表面が保護されるので、偏光板の表面がキズつくのを抑制することができるとともに、表示装置の面押し強度(機械的強度)を向上させることができる。
【0016】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、視差バリアパターンは、金属層または樹脂層のうちいずれか一方からなる。このように構成すれば、金属層からなる視差バリアパターンまたは樹脂層からなる視差バリアパターンが形成された表示装置を得ることができる。
【0017】
この場合、好ましくは、視差バリアパターンは、対向基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成された複数の開口部を有する金属層からなるとともに、素子基板側と導通している。このように構成すれば、金属層からなる視差バリアパターンにより、表示装置の外部からの静電気をシールド(遮蔽)するとともに、静電気を視差バリアパターンを介して素子基板側に逃がすことができる。これにより、対向基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に、視差バリアパターンとは別個にシールド層を設ける必要がないので、その分、部品点数を削減することができるとともに、表示装置の構造を簡素化することができる。
【0018】
上記視差バリアパターンと素子基板側とが導通している表示装置において、好ましくは、視差バリアパターンの一部分は、露出するように構成されており、視差バリアパターンの露出した部分と、素子基板側とを導通させるための導通部材をさらに備える。このように構成すれば、容易に視差バリアパターンと導通部材とを接続できるとともに、静電気を視差バリアパターンを介して素子基板側に逃がすことができる。
【0019】
この発明の第2の局面による電子機器は、上記のいずれかの構成を有する表示装置を備える。このように構成すれば、視差バリアパターンが基板に対して位置ずれするのを抑制することが可能な液晶表示装置を備えた電子機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態による液晶表示装置の平面図である。
【図2】図1の200−200線に沿った断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による視差バリアパターンが形成された液晶表示装置の画素の断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態による視差バリアパターンが形成された液晶表示装置の断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態による視差バリアパターンが形成された液晶表示装置の断面図である。
【図6】本発明の第4実施形態による視差バリアパターンが形成された液晶表示装置の断面図である。
【図7】本発明の第5実施形態による液晶表示装置の平面図である。
【図8】図7の300−300線に沿った断面図である。
【図9】本発明の第1〜第5実施形態による液晶表示装置を用いた電子機器の第1の例を説明するための図である。
【図10】本発明の第1〜第5実施形態による液晶表示装置を用いた電子機器の第2の例を説明するための図である。
【図11】本発明の第1〜第5実施形態による液晶表示装置を用いた電子機器の第3の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態による液晶表示装置100の構成について説明する。なお、第1実施形態では、FFS(Fringe Field Switching)モードの液晶表示装置100に本発明を適用した例について説明する。また、液晶表示装置100は、本発明の「表示装置」の一例である。
【0023】
本発明の第1実施形態による液晶表示装置100では、図1および図2に示すように、ガラスからなるTFT基板1と、ガラスからなるCF(カラーフィルター)基板2とが対向するように配置されている。図2に示すように、CF基板2の厚みt1は、約100μmであり、TFT基板1の厚みt2は、約600μmである。つまり、CF基板2は、TFT基板1よりも薄く形成されている。これにより、後述するカラーフィルター(CF)20と、後述する視差バリアパターン40との間の距離が小さくなるように構成されている。なお、画像(映像)を分離することにより2つの異なる画像(映像)を表示させる2画面表示を行う際には、カラーフィルター20と視差バリアパターン40との距離は、約100μmである。また、画像(映像)を分離することにより立体(3D)表示を行う際には、カラーフィルター20と視差バリアパターン40との距離は、約1mmである。つまり2画面表示を行う際は、立体表示を行う場合に比べ、カラーフィルター20と視差バリアパターン40との距離を非常に短くしなければならない。また、TFT基板1のZ1方向側の表面上には、画素選択用の薄膜トランジスタ(TFT)3と、画素電極4と、共通電極5とが形成されている。
【0024】
また、1つの画素の詳細な断面構造としては、図3に示すように、TFT基板1のZ1方向側の表面上には、ゲート電極6が設けられている。また、ゲート電極6上とTFT基板1上とには、SiN膜またはSiO2膜などからなるゲート絶縁膜7aを含む絶縁膜7が形成されている。ゲート絶縁膜7aを介してゲート電極6と平面的に見て重なるように下層のa−Si層と、上層のn型の導電性を有するn+a−Si層との2層構造(図示せず)からなる半導体層8が形成されている。
【0025】
半導体層8上には、ゲート電極6と平面的に見て重なるように、ソース電極9およびドレイン電極10が形成されている。また、平面的に見て、ソース電極9とドレイン電極10とに挟まれる半導体層8の領域は、チャネル領域8aとして機能する。そして、画素選択用の薄膜トランジスタ(TFT)3は、ゲート電極6、ゲート絶縁膜7a、半導体層8、ソース電極9、および、ドレイン電極10から構成されている。
【0026】
また、ソース電極9、ドレイン電極10および絶縁膜7を覆うように、SiN膜などからなる層間絶縁膜11が形成されている。層間絶縁膜11には、ドレイン電極10に対応する領域にコンタクトホール11aが形成されている。層間絶縁膜11の表面上には、アクリル系の樹脂などの有機膜からなる平坦化膜12が形成されている。また、平坦化膜12には、コンタクトホール12aが形成されている。また、画素電極4は、平坦化膜12の表面上にコンタクトホール11aおよびコンタクトホール12aを介してドレイン電極10と接続するように、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)やIZO(Indium Zinc Oxide:酸化亜鉛)などの透明電極から形成されている。
【0027】
また、平坦化膜12および画素電極4の表面上には、低温で形成されたSiO2やSiN膜などからなるパッシベーション膜13が形成されている。また、共通電極5は、パッシベーション膜13の表面上に、ITOやIZOなどの透明電極から形成されている。共通電極5には、複数の開口部5aが設けられており、開口部5aを介して画素電極4と共通電極5との間で電界が発生するように構成されている。上記のように、画素電極4と共通電極5との間の横方向の電界によって液晶が駆動されるFFS(Fringe Field Switching)方式の液晶表示装置100が構成されている。
【0028】
また、共通電極5上には、ポリイミドなどの有機膜からなる配向膜14が形成されている。配向膜14は、共通電極5の表面上を覆うように形成されるとともに、共通電極5の開口部5aを介して、パッシベーション膜13と接触するように形成されている。また、TFT基板1のZ2方向側の表面上には、偏光板15が設けられている。このように、薄膜トランジスタ3、層間絶縁膜11、平坦化膜12、画素電極4、パッシベーション膜13、共通電極5および配向膜14により、素子・絶縁膜形成部100aが構成されている。
【0029】
また、図2に示すように、CF基板2のZ2方向側の表面上には、赤(R)、緑(G)および青(B)のカラーフィルター20が形成されている。なお、液晶表示装置100には、複数の画素21が設けられており、画素21ごとにカラーフィルター20が設けられている。
【0030】
また、図3に示すように、CF基板2のZ2方向側の表面上には、樹脂などから形成されるブラックマトリクス22が形成されている。ブラックマトリクス22は、平面的に見て、画素21の境界上に形成されるとともに、マトリクス状に形成されている。また、ブラックマトリクス22およびカラーフィルター20のZ2方向側の表面上には、保護膜としてのオーバーコート層23が形成されている。また、オーバーコート層23のZ2方向側の表面上には、ポリイミドなどの有機膜からなる配向膜24が形成されている。このように、カラーフィルター20、ブラックマトリクス22、オーバーコート層23および配向膜24により、樹脂層形成部100bが構成されている。
【0031】
また、TFT基板1とCF基板2とは、シール材30(図2参照)により貼り合わされており、TFT基板1のZ1方向側に形成された配向膜14と、CF基板2のZ2方向側に形成された配向膜24との間には、液晶層31が封入されている。
【0032】
ここで、第1実施形態では、視差バリアパターン40は、図2に示すように、接着材層を介さずにCF基板2のZ1方向側の表面上に直接接触するように形成されている。またこの視差バリアパターン40は、薄いCF基板2の表面上に形成されているが、まず厚いCF基板2を薄く加工した後に視差バリアパターン40が形成されている。さらに、CF基板2のZ2方向側の表面上にブラックマトリクス22、カラーフィルター20、オーバーコート層23を形成し、TFT基板1と貼り合せた後、改めてCF基板2のZ1方向側の表面を薄く加工し、その後で視差バリアパターン40を形成している。このように視差バリアパターン40を最後に形成することは、視差バリアパターン40をCF基板2に最初に形成しておく場合に比べ、TFT基板1の基板厚よりも非常に薄いCF基板2において、比較的容易に形成することが可能となる。また、この視差バリアパターン40は、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)またはニッケル(Ni)などの金属層、または、樹脂層などからなるとともに、遮光性を有している。また、図1に示すように、視差バリアパターン40には、Y方向に延びるように形成される複数の略矩形状の開口部(スリット)40aが設けられている。この開口部40aと開口部40aとの間の視差バリアパターン40によって、光を遮光するように構成されている。
【0033】
また、視差バリアパターン40は、視差バリアパターン40の開口部40aからカラーフィルター20の3つの色(赤(R)、緑(G)および青(B))のうち、2つの色が視認可能に構成されている。また、視差バリアパターン40のX方向およびY方向の端部は、平面的に見て、CF基板2のX方向およびY方向の端部よりも約0.5mmの幅L分内側に形成されている。また、図2に示すように、視差バリアパターン40のZ1方向側の表面上には、偏光板41が設けられている。
【0034】
また、TFT基板1のZ2方向側の表面上に形成された偏光板15のZ2方向側の表面上には、バックライト50が設けられており、TFT基板1からCF基板2(Z1方向側)に向かってバックライト50から光が出射されるように構成されている。また、バックライト50は、LED(Light Emitting Diode)51と、LED51からの光を導くための導光板52と、導光板52のZ2方向側の表面上に設けられた反射シート53と、導光板52のZ1方向側の表面上に設けられた拡散シート54と、拡散シートのZ1方向側の表面上に設けられたプリズムシート55とを備えている。拡散シート54は、LED51から導光板52を介して照射される光をプリズムシート55に向かって均一に拡散させる機能を有する。プリズムシート55は、拡散シート54からの光をTFT基板1側に透過させるとともに、集光する機能を有する。
【0035】
第1実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40をCF基板2の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に直接形成することによって、たとえば、CF基板2の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面と、視差バリアパターン40との間に接着材層などの別個の層を設けて視差バリアパターン40をCF基板2に配置する場合と異なり、視差バリアパターン40とCF基板2との間に余分な層がないので、視差バリアパターン40が位置ずれするのを抑制することができる。また、視差バリアパターン40とCF基板2との間に別個に層を設ける場合と異なり、層の厚み(膜厚ムラ)に起因して、視差バリアパターン40とCF基板2との間の間隔が不均一になるのを抑制することができる。
【0036】
また、第1実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40を、CF基板2の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に接着材層を介さずに直接接触するように形成することによって、CF基板2の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に接着材層を介して視差バリアパターン40を形成する場合と異なり、接着材層を設けなくてよいので、視差バリアパターン40が位置ずれするのを抑制することができる。また、視差バリアパターン40とCF基板2との間に接着材層を設ける場合と異なり、接着材層の厚み(膜厚ムラ)に起因して、視差バリアパターン40とCF基板2との間の間隔が不均一になるのを抑制することができる。
【0037】
また、第1実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40の端部を、視差バリアパターン40が形成されるCF基板2の端部よりも内側に形成することによって、たとえば、視差バリアパターン40の端部が平面的に見てCF基板2の端部と重なる位置に形成されている場合と異なり、液晶表示装置100の製造プロセスにおいて、大板状態のCF基板2を分断する際の分断箇所を確認しやすくすることができる。
【0038】
また、第1実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40が形成されたCF基板2の厚みt1を、視差バリアパターン40が形成されていないTFT基板1の厚みt2よりも小さくすることによって、視差バリアパターン40とカラーフィルター20との間の距離が小さくなるので、カラーフィルター20と視差バリアパターン40との間の距離が小さい2画面表示の液晶表示装置100を容易に構成することができる。
【0039】
また、第1実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40を、CF基板2の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に直接形成することによって、視差バリアパターン40とカラーフィルター20との間の間隔が一定になるので、視差バリアパターン40と対向基板2との間に接着材層などを設ける場合と異なり、接着材層の厚み(膜厚ムラ)に起因して、視差バリアパターン40とカラーフィルター20との間の間隔が不均一になるのを抑制することができる。
【0040】
また、第1実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40を、金属層または樹脂層のうちいずれか一方にすることによって、金属層からなる視差バリアパターン40または樹脂層からなる視差バリアパターン40が形成された液晶表示装置100を得ることができる。
【0041】
(第2実施形態)
次に、図4を参照して、視差バリアパターンをCF基板のZ1方向側(液晶層とは反対側)の表面上に直接接触するように形成した上記第1実施形態とは異なり、視差バリアパターンをTFT基板のZ2方向側(液晶層とは反対側)の表面上に直接接触するように形成した。
【0042】
本発明の第2実施形態による液晶表示装置101では、視差バリアパターン40は、TFT基板1のZ2方向側(液晶層31とは反対側)の表面上に直接接触するように形成されている。また、TFT基板1の厚みt3は、約100μmであり、CF基板2の厚みt4は、約600μmである。つまり、TFT基板1は、CF基板2よりも薄く形成されている。これにより、薄膜トランジスタ3と視差バリアパターン40との間の距離が小さくなるように構成されている。また、視差バリアパターン40のZ2方向側の表面上には、偏光板15が形成されている。偏光板15のZ2方向側の表面上には、バックライト50が設けられている。なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0043】
第2実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40を、TFT基板1の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に直接形成することによって、視差バリアパターン40とTFT基板1との間に接着材層などを設ける場合と異なり、接着材層の厚み(膜厚ムラ)に起因して、視差バリアパターン40と薄膜トランジスタ3との間の間隔が不均一になるのを抑制することができる。
【0044】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0045】
(第3実施形態)
次に、図5を参照して、視差バリアパターンのZ1方向側(液晶層とは反対側)の表面上に直接偏光板を形成した上記第1実施形態とは異なり、視差バリアパターンのZ1方向側(液晶層とは反対側)の表面上に保護膜を介して偏光板を形成した。
【0046】
本発明の第3実施形態による液晶表示装置102では、CF基板2のZ1方向側(液晶層31とは反対側)の表面上に直接接触するように形成された視差バリアパターン40のZ1方向側の表面上には、樹脂などからなる保護膜42が形成されている。具体的には、保護膜42は、アクリル系の樹脂またはエポキシ系の透明樹脂などからなるとともに、塗布法などを用いて形成される。また、保護膜42のZ1方向側の表面上には、偏光板41が形成されている。なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0047】
第3実施形態では、上記のように、保護膜42を、視差バリアパターン40の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に形成し、偏光板41を、保護膜42の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に形成することによって、液晶表示装置102の製造プロセス中に、保護膜42により視差バリアパターン40の表面を保護できるので、視差バリアパターン40の表面がキズつくのを抑制することができるとともに、液晶表示装置102の面押し強度(機械的強度)を向上させることができる。また、保護膜42を視差バリアパターン40の表面上に形成することにより、視差バリアパターン40が形成される基板上の表面が平坦面状になるので、偏光板41を保護膜42の表面上に形成しやすくすることができる。
【0048】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0049】
(第4実施形態)
次に、図6を参照して、CF基板の表面上の偏光板のZ1方向側の表面上に何も形成されていない上記第1実施形態とは異なり、CF基板の表面上の偏光板のZ1方向側の表面上に保護カバーを形成した例について説明する。
【0050】
本発明の第4実施形態による液晶表示装置103では、視差バリアパターン40は、CF基板2のZ1方向側(液晶層31とは反対側)の表面上に直接接触するように形成されている。また、視差バリアパターン40のZ1方向側(液晶層31とは反対側)の表面上には、偏光板41が形成されている。また、偏光板41のZ1方向側(液晶層31とは反対側)の表面上には、ガラスなどからなる保護カバー43が形成されている。なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0051】
第4実施形態では、上記のように、偏光板41を視差バリアパターン40の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に形成し、保護カバー43を偏光板41の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に形成することによって、保護カバー43により偏光板41の表面が保護されるので、偏光板41の表面がキズつくのを抑制することができるとともに、液晶表示装置103の面押し強度(機械的強度)を向上させることができる。
【0052】
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0053】
(第5実施形態)
次に、図7および図8を参照して、CF基板の表面上に形成された視差バリアパターンとTFT基板側とが電気的に接続されていない上記第1実施形態とは異なり、CF基板の表面上に形成された視差バリアパターンとTFT基板側とを電気的に接続する例について説明する。
【0054】
本発明の第5実施形態による液晶表示装置104では、図7に示すように、CF基板2のZ1方向側の表面上に形成された視差バリアパターン40は、複数の開口部40aを有するとともに、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)またはニッケル(Ni)などの金属層からなる。また、視差バリアパターン40は、スパッタ法や蒸着法などを用いてCF基板2のZ1方向側の表面上に形成される。また、視差バリアパターン40は、図8に示すように、視差バリアパターン40の外周部の一部分が露出したバリア層露出部40bを含んでいる。なお、バリア層露出部40bのZ1方向側の表面上には、保護膜42および偏光板41は形成されていない。また、バリア層露出部40bは、導電性の接着材層または金属配線などからなる導通部材44により、TFT基板1側に設けられた配線と電気的に接続されるとともに、接地されている。また、視差バリアパターン40は、CF基板2のZ1方向側からの静電気などを遮断するためのシールド層としての機能を有しており、静電気から液晶表示装置104を保護することが可能である。また、シールド層としての視差バリアパターン40に帯電した静電気は、導通部材44を介して、液晶表示装置104の外部に逃がすように構成されている。なお、第5実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0055】
第5実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40を、CF基板2の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に直接形成された複数の開口部(スリット)40aを有する金属層にするとともに、TFT基板1側と導通させることによって、金属層からなる視差バリアパターン40により、液晶表示装置104の外部からの静電気をシールド(遮蔽)するとともに、TFT基板1側に逃がすことができる。これにより、CF基板2の薄膜トランジスタ3のZ1方向側の表面上に、視差バリアパターン40とは別個にシールド層を設ける必要がないので、その分、部品点数を削減することができるとともに、液晶表示装置104の構造を簡素化することができる。
【0056】
また、第5実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40のバリア層露出部40bと、TFT基板1側とを導通させるための導通部材44を備えることによって、容易に視差バリアパターン40と導通部材44とを接続できるとともに、静電気を視差バリアパターン40を介して容易にTFT基板1側に逃がすことができる。
【0057】
なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0058】
(応用例)
図9〜図11は、それぞれ、上記した本発明の液晶表示装置100、101、102、103および104を用いた電子機器の第1の例〜第3の例を説明するための図である。図9〜図11を参照して、本発明の第1〜第5実施形態による液晶表示装置100〜104を用いた電子機器について説明する。
【0059】
本発明の第1〜第5実施形態による液晶表示装置100〜104は、図9に示すように、第1の例としてのPC(Personal Computer)400、第2の例としての携帯電話500、および、第3の例としての情報携帯端末600(PDA:Personal Digital Assistants)などに用いることが可能である。
【0060】
図9の第1の例によるPC400においては、キーボードなどの入力部410および表示画面420などに本発明の第1〜第5実施形態による液晶表示装置100〜104を用いることが可能である。図10の第2の例による携帯電話500においては、表示画面510に本発明の第1〜第5実施形態による液晶表示装置100〜104が用いられる。図11の第3の例による情報携帯端末600においては、表示画面610に本発明の第1〜第5実施形態による液晶表示装置100〜104が用いられる。
【0061】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0062】
たとえば、上記第1〜第5実施形態では、本発明の表示装置の一例として液晶表示装置を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、本発明をEL(Electro Luminescence)装置などの表示装置に適用してもよい。
【0063】
また、上記第1〜第4実施形態では、本発明の表示装置の一例として、横電界モードの液晶表示装置を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、縦電界モードの液晶表示装置を用いてもよい。
【0064】
また、上記第5実施形態では、視差バリアパターンとTFT基板側とを導通部材により電気的に接続する例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、視差バリアの液晶層とは反対側の表面上にITOなどの透明電極を形成し、透明電極とTFT基板側とを導通部材により電気的に接続してもよい。この場合、視差バリアパターンを樹脂により形成するとともに、透明電極をシールド層として機能させてもよい。
【0065】
また、上記第1〜第5実施形態では、視差バリアパターンに複数の矩形状の開口部を設ける例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、視差バリアパターンを平面的に見て市松模様状のステップバリアパターンに形成してもよいし、視差バリアパターンに複数の円形の開口部を設けてもよいし、視差バリアパターンの開口部が階段状(斜め)に設けられた斜めストライプバリアパターンに形成してもよい。
【0066】
また、上記第1〜第4実施形態では、視差バリアパターンに略矩形形状の開口部(スリット)を設ける例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、視差バリアパターンを短冊状に形成してもよい。この場合、短冊状の視差バリアパターンによって、光が遮光される。
【0067】
また、第1〜第5実施形態では、視差バリアパターンの端部が、視差バリアパターンが形成されるCF基板または対向基板のうちいずれか一方の基板の端部よりも内側に形成する例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、視差バリアパターンの端部が、視差バリアパターンが形成されるCF基板または対向基板のうちいずれか一方の基板の端部まで形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 TFT基板(素子基板) 2 CF基板(対向基板) 3 薄膜トランジスタ(トランジスタ素子) 40 視差バリアパターン 40a 開口部 41 偏光板 42 保護膜 43 保護カバー(保護膜) 44 導通部材 100、101、102、103、104 液晶表示装置(表示装置) 400 PC(電子機器) 500 携帯電話(電子機器) 600 情報携帯端末(電子機器)
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および電子機器に関し、特に、視差バリアパターンを備える表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、視差バリアパターンを備える表示装置および電子機器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、薄膜トランジスタ(TFT)が形成されたTFT基板と、TFT基板に対向するように設けられたカウンター基板(カラーフィルター(CF)基板)と、TFT基板とカウンター基板との間に挟持された液晶層とを備えたマルチプル視野ディスプレイ(表示装置)が開示されている。また、カウンター基板の液晶層とは反対側の表面上には、偏光子が形成されている。偏光子のカウンター基板とは反対側の表面上には、立体(3D)画像や異なる2つの画像を表示するための視差バリアが配置されている。なお視差バリアは、視差バリア基板と、視差バリア基板の表面上に形成され複数の開口部(スリット)を有する視差バリアアパーチャアレイ(視差バリアパターン)とから構成されている。そして、上記特許文献1には明確に記載されていないが、カウンター基板の表面上に形成された偏光子と、視差バリアの視差バリアアパーチャアレイとが、接着材層などを用いて貼り合わせられることにより、カウンター基板と視差バリアとが固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−206089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の表示装置では、偏光子と視差バリアアパーチャアレイとが接着材層を用いて貼り合わせられた場合には、視差バリアアパーチャアレイがカウンター基板側に設けられる画素やカラーフィルターに対して位置ずれする場合があるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、視差バリアパターンが位置ずれするのを抑制することが可能な表示装置および電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における表示装置は、表面上にトランジスタ素子が形成された素子基板と、トランジスタ素子を挟むように、素子基板と対向するように配置された対向基板と、素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成された視差バリアパターンとを備える。
【0008】
この第1の局面による表示装置では、視差バリアパターンを素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成することによって、たとえば、素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面と、視差バリアパターンとの間に接着材層などの別個の層を設けて視差バリアパターンを基板に配置する場合と異なり、視差バリアパターンと基板との間に余分な層がないので、視差バリアパターンが位置ずれするのを抑制することができる。また、視差バリアパターンと素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板との間に別個に層を設ける場合と異なり、層の厚み(膜厚ムラ)に起因して、視差バリアパターンと素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板との間の間隔が不均一になるのを抑制することができる。
【0009】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、視差バリアパターンは、素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に接着材層を介さずに直接接触するように形成されている。このように構成すれば、素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に接着材層を介して視差バリアパターンを形成する場合と異なり、接着材層を設けなくてよいので、視差バリアパターンが位置ずれするのを抑制することができる。また、視差バリアパターンと素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板との間に接着材層を設ける場合と異なり、接着材層の厚み(膜厚ムラ)に起因して、視差バリアパターンと素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板との間の間隔が不均一になるのを抑制することができる。
【0010】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、視差バリアパターンの端部は、視差バリアパターンが形成される素子基板または対向基板のうちいずれか一方の基板の端部よりも内側に形成されている。このように構成すれば、たとえば、視差バリアパターンの端部が平面的に見て素子基板および対向基板の端部と重なる位置に形成されている場合と異なり、表示装置の製造プロセスにおいて、大板状態の素子基板および対向基板を分断する際の分断箇所を確認しやすくすることができる。
【0011】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、素子基板または対向基板のうちいずれか一方の視差バリアパターンが形成された基板の厚みは、素子基板または対向基板のうちいずれか他方の視差バリアパターンが形成されていない基板の厚みよりも小さい。このように構成すれば、素子基板または対向基板のうちいずれか一方の視差バリアパターンが形成された基板の視差バリアパターン側とは反対側の表面上に、たとえばカラーフィルターなどの層を形成した際に、視差バリアパターンとカラーフィルターとの間の距離が小さくなるので、カラーフィルターと視差バリアパターンとの間の距離が小さい2画面表示の表示装置を容易に構成することができる。
【0012】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、視差バリアパターンは、対向基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成されている。このように構成すれば、視差バリアパターンと対向基板との間に接着材層などを設ける場合と異なり、接着材層の厚み(膜厚ムラ)に起因して、たとえば、視差バリアパターンとカラーフィルターとの間の間隔が不均一になるのを抑制することができる。
【0013】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、視差バリアパターンは、素子基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成されている。このように構成すれば、視差バリアパターンと素子基板との間に接着材層などを設ける場合と異なり、接着材層の厚み(膜厚ムラ)に起因して、たとえば、視差バリアパターンとトランジスタ素子との間の間隔が不均一になるのを抑制することができる。
【0014】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、視差バリアパターンのトランジスタ素子側とは反対側の表面上に形成された保護膜と、保護膜のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に形成された偏光板とをさらに備える。このように構成すれば、表示装置の製造プロセス中に、保護膜により視差バリアパターンの表面が保護されるので、視差バリアパターンの表面がキズつくのを抑制することができるとともに、表示装置の面押し強度(機械的強度)を向上させることができる。また、保護膜を視差バリアパターンの表面上に形成することにより、視差バリアパターンが形成される基板上の表面が平坦面状になるので、偏光板を保護膜の表面上に形成しやすくすることができる。
【0015】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、視差バリアパターンのトランジスタ素子側とは反対側の表面上に形成された偏光板と、偏光板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に形成された保護膜とをさらに備える。このように構成すれば、保護膜により偏光板の表面が保護されるので、偏光板の表面がキズつくのを抑制することができるとともに、表示装置の面押し強度(機械的強度)を向上させることができる。
【0016】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、視差バリアパターンは、金属層または樹脂層のうちいずれか一方からなる。このように構成すれば、金属層からなる視差バリアパターンまたは樹脂層からなる視差バリアパターンが形成された表示装置を得ることができる。
【0017】
この場合、好ましくは、視差バリアパターンは、対向基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成された複数の開口部を有する金属層からなるとともに、素子基板側と導通している。このように構成すれば、金属層からなる視差バリアパターンにより、表示装置の外部からの静電気をシールド(遮蔽)するとともに、静電気を視差バリアパターンを介して素子基板側に逃がすことができる。これにより、対向基板のトランジスタ素子側とは反対側の表面上に、視差バリアパターンとは別個にシールド層を設ける必要がないので、その分、部品点数を削減することができるとともに、表示装置の構造を簡素化することができる。
【0018】
上記視差バリアパターンと素子基板側とが導通している表示装置において、好ましくは、視差バリアパターンの一部分は、露出するように構成されており、視差バリアパターンの露出した部分と、素子基板側とを導通させるための導通部材をさらに備える。このように構成すれば、容易に視差バリアパターンと導通部材とを接続できるとともに、静電気を視差バリアパターンを介して素子基板側に逃がすことができる。
【0019】
この発明の第2の局面による電子機器は、上記のいずれかの構成を有する表示装置を備える。このように構成すれば、視差バリアパターンが基板に対して位置ずれするのを抑制することが可能な液晶表示装置を備えた電子機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態による液晶表示装置の平面図である。
【図2】図1の200−200線に沿った断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による視差バリアパターンが形成された液晶表示装置の画素の断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態による視差バリアパターンが形成された液晶表示装置の断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態による視差バリアパターンが形成された液晶表示装置の断面図である。
【図6】本発明の第4実施形態による視差バリアパターンが形成された液晶表示装置の断面図である。
【図7】本発明の第5実施形態による液晶表示装置の平面図である。
【図8】図7の300−300線に沿った断面図である。
【図9】本発明の第1〜第5実施形態による液晶表示装置を用いた電子機器の第1の例を説明するための図である。
【図10】本発明の第1〜第5実施形態による液晶表示装置を用いた電子機器の第2の例を説明するための図である。
【図11】本発明の第1〜第5実施形態による液晶表示装置を用いた電子機器の第3の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態による液晶表示装置100の構成について説明する。なお、第1実施形態では、FFS(Fringe Field Switching)モードの液晶表示装置100に本発明を適用した例について説明する。また、液晶表示装置100は、本発明の「表示装置」の一例である。
【0023】
本発明の第1実施形態による液晶表示装置100では、図1および図2に示すように、ガラスからなるTFT基板1と、ガラスからなるCF(カラーフィルター)基板2とが対向するように配置されている。図2に示すように、CF基板2の厚みt1は、約100μmであり、TFT基板1の厚みt2は、約600μmである。つまり、CF基板2は、TFT基板1よりも薄く形成されている。これにより、後述するカラーフィルター(CF)20と、後述する視差バリアパターン40との間の距離が小さくなるように構成されている。なお、画像(映像)を分離することにより2つの異なる画像(映像)を表示させる2画面表示を行う際には、カラーフィルター20と視差バリアパターン40との距離は、約100μmである。また、画像(映像)を分離することにより立体(3D)表示を行う際には、カラーフィルター20と視差バリアパターン40との距離は、約1mmである。つまり2画面表示を行う際は、立体表示を行う場合に比べ、カラーフィルター20と視差バリアパターン40との距離を非常に短くしなければならない。また、TFT基板1のZ1方向側の表面上には、画素選択用の薄膜トランジスタ(TFT)3と、画素電極4と、共通電極5とが形成されている。
【0024】
また、1つの画素の詳細な断面構造としては、図3に示すように、TFT基板1のZ1方向側の表面上には、ゲート電極6が設けられている。また、ゲート電極6上とTFT基板1上とには、SiN膜またはSiO2膜などからなるゲート絶縁膜7aを含む絶縁膜7が形成されている。ゲート絶縁膜7aを介してゲート電極6と平面的に見て重なるように下層のa−Si層と、上層のn型の導電性を有するn+a−Si層との2層構造(図示せず)からなる半導体層8が形成されている。
【0025】
半導体層8上には、ゲート電極6と平面的に見て重なるように、ソース電極9およびドレイン電極10が形成されている。また、平面的に見て、ソース電極9とドレイン電極10とに挟まれる半導体層8の領域は、チャネル領域8aとして機能する。そして、画素選択用の薄膜トランジスタ(TFT)3は、ゲート電極6、ゲート絶縁膜7a、半導体層8、ソース電極9、および、ドレイン電極10から構成されている。
【0026】
また、ソース電極9、ドレイン電極10および絶縁膜7を覆うように、SiN膜などからなる層間絶縁膜11が形成されている。層間絶縁膜11には、ドレイン電極10に対応する領域にコンタクトホール11aが形成されている。層間絶縁膜11の表面上には、アクリル系の樹脂などの有機膜からなる平坦化膜12が形成されている。また、平坦化膜12には、コンタクトホール12aが形成されている。また、画素電極4は、平坦化膜12の表面上にコンタクトホール11aおよびコンタクトホール12aを介してドレイン電極10と接続するように、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)やIZO(Indium Zinc Oxide:酸化亜鉛)などの透明電極から形成されている。
【0027】
また、平坦化膜12および画素電極4の表面上には、低温で形成されたSiO2やSiN膜などからなるパッシベーション膜13が形成されている。また、共通電極5は、パッシベーション膜13の表面上に、ITOやIZOなどの透明電極から形成されている。共通電極5には、複数の開口部5aが設けられており、開口部5aを介して画素電極4と共通電極5との間で電界が発生するように構成されている。上記のように、画素電極4と共通電極5との間の横方向の電界によって液晶が駆動されるFFS(Fringe Field Switching)方式の液晶表示装置100が構成されている。
【0028】
また、共通電極5上には、ポリイミドなどの有機膜からなる配向膜14が形成されている。配向膜14は、共通電極5の表面上を覆うように形成されるとともに、共通電極5の開口部5aを介して、パッシベーション膜13と接触するように形成されている。また、TFT基板1のZ2方向側の表面上には、偏光板15が設けられている。このように、薄膜トランジスタ3、層間絶縁膜11、平坦化膜12、画素電極4、パッシベーション膜13、共通電極5および配向膜14により、素子・絶縁膜形成部100aが構成されている。
【0029】
また、図2に示すように、CF基板2のZ2方向側の表面上には、赤(R)、緑(G)および青(B)のカラーフィルター20が形成されている。なお、液晶表示装置100には、複数の画素21が設けられており、画素21ごとにカラーフィルター20が設けられている。
【0030】
また、図3に示すように、CF基板2のZ2方向側の表面上には、樹脂などから形成されるブラックマトリクス22が形成されている。ブラックマトリクス22は、平面的に見て、画素21の境界上に形成されるとともに、マトリクス状に形成されている。また、ブラックマトリクス22およびカラーフィルター20のZ2方向側の表面上には、保護膜としてのオーバーコート層23が形成されている。また、オーバーコート層23のZ2方向側の表面上には、ポリイミドなどの有機膜からなる配向膜24が形成されている。このように、カラーフィルター20、ブラックマトリクス22、オーバーコート層23および配向膜24により、樹脂層形成部100bが構成されている。
【0031】
また、TFT基板1とCF基板2とは、シール材30(図2参照)により貼り合わされており、TFT基板1のZ1方向側に形成された配向膜14と、CF基板2のZ2方向側に形成された配向膜24との間には、液晶層31が封入されている。
【0032】
ここで、第1実施形態では、視差バリアパターン40は、図2に示すように、接着材層を介さずにCF基板2のZ1方向側の表面上に直接接触するように形成されている。またこの視差バリアパターン40は、薄いCF基板2の表面上に形成されているが、まず厚いCF基板2を薄く加工した後に視差バリアパターン40が形成されている。さらに、CF基板2のZ2方向側の表面上にブラックマトリクス22、カラーフィルター20、オーバーコート層23を形成し、TFT基板1と貼り合せた後、改めてCF基板2のZ1方向側の表面を薄く加工し、その後で視差バリアパターン40を形成している。このように視差バリアパターン40を最後に形成することは、視差バリアパターン40をCF基板2に最初に形成しておく場合に比べ、TFT基板1の基板厚よりも非常に薄いCF基板2において、比較的容易に形成することが可能となる。また、この視差バリアパターン40は、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)またはニッケル(Ni)などの金属層、または、樹脂層などからなるとともに、遮光性を有している。また、図1に示すように、視差バリアパターン40には、Y方向に延びるように形成される複数の略矩形状の開口部(スリット)40aが設けられている。この開口部40aと開口部40aとの間の視差バリアパターン40によって、光を遮光するように構成されている。
【0033】
また、視差バリアパターン40は、視差バリアパターン40の開口部40aからカラーフィルター20の3つの色(赤(R)、緑(G)および青(B))のうち、2つの色が視認可能に構成されている。また、視差バリアパターン40のX方向およびY方向の端部は、平面的に見て、CF基板2のX方向およびY方向の端部よりも約0.5mmの幅L分内側に形成されている。また、図2に示すように、視差バリアパターン40のZ1方向側の表面上には、偏光板41が設けられている。
【0034】
また、TFT基板1のZ2方向側の表面上に形成された偏光板15のZ2方向側の表面上には、バックライト50が設けられており、TFT基板1からCF基板2(Z1方向側)に向かってバックライト50から光が出射されるように構成されている。また、バックライト50は、LED(Light Emitting Diode)51と、LED51からの光を導くための導光板52と、導光板52のZ2方向側の表面上に設けられた反射シート53と、導光板52のZ1方向側の表面上に設けられた拡散シート54と、拡散シートのZ1方向側の表面上に設けられたプリズムシート55とを備えている。拡散シート54は、LED51から導光板52を介して照射される光をプリズムシート55に向かって均一に拡散させる機能を有する。プリズムシート55は、拡散シート54からの光をTFT基板1側に透過させるとともに、集光する機能を有する。
【0035】
第1実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40をCF基板2の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に直接形成することによって、たとえば、CF基板2の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面と、視差バリアパターン40との間に接着材層などの別個の層を設けて視差バリアパターン40をCF基板2に配置する場合と異なり、視差バリアパターン40とCF基板2との間に余分な層がないので、視差バリアパターン40が位置ずれするのを抑制することができる。また、視差バリアパターン40とCF基板2との間に別個に層を設ける場合と異なり、層の厚み(膜厚ムラ)に起因して、視差バリアパターン40とCF基板2との間の間隔が不均一になるのを抑制することができる。
【0036】
また、第1実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40を、CF基板2の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に接着材層を介さずに直接接触するように形成することによって、CF基板2の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に接着材層を介して視差バリアパターン40を形成する場合と異なり、接着材層を設けなくてよいので、視差バリアパターン40が位置ずれするのを抑制することができる。また、視差バリアパターン40とCF基板2との間に接着材層を設ける場合と異なり、接着材層の厚み(膜厚ムラ)に起因して、視差バリアパターン40とCF基板2との間の間隔が不均一になるのを抑制することができる。
【0037】
また、第1実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40の端部を、視差バリアパターン40が形成されるCF基板2の端部よりも内側に形成することによって、たとえば、視差バリアパターン40の端部が平面的に見てCF基板2の端部と重なる位置に形成されている場合と異なり、液晶表示装置100の製造プロセスにおいて、大板状態のCF基板2を分断する際の分断箇所を確認しやすくすることができる。
【0038】
また、第1実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40が形成されたCF基板2の厚みt1を、視差バリアパターン40が形成されていないTFT基板1の厚みt2よりも小さくすることによって、視差バリアパターン40とカラーフィルター20との間の距離が小さくなるので、カラーフィルター20と視差バリアパターン40との間の距離が小さい2画面表示の液晶表示装置100を容易に構成することができる。
【0039】
また、第1実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40を、CF基板2の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に直接形成することによって、視差バリアパターン40とカラーフィルター20との間の間隔が一定になるので、視差バリアパターン40と対向基板2との間に接着材層などを設ける場合と異なり、接着材層の厚み(膜厚ムラ)に起因して、視差バリアパターン40とカラーフィルター20との間の間隔が不均一になるのを抑制することができる。
【0040】
また、第1実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40を、金属層または樹脂層のうちいずれか一方にすることによって、金属層からなる視差バリアパターン40または樹脂層からなる視差バリアパターン40が形成された液晶表示装置100を得ることができる。
【0041】
(第2実施形態)
次に、図4を参照して、視差バリアパターンをCF基板のZ1方向側(液晶層とは反対側)の表面上に直接接触するように形成した上記第1実施形態とは異なり、視差バリアパターンをTFT基板のZ2方向側(液晶層とは反対側)の表面上に直接接触するように形成した。
【0042】
本発明の第2実施形態による液晶表示装置101では、視差バリアパターン40は、TFT基板1のZ2方向側(液晶層31とは反対側)の表面上に直接接触するように形成されている。また、TFT基板1の厚みt3は、約100μmであり、CF基板2の厚みt4は、約600μmである。つまり、TFT基板1は、CF基板2よりも薄く形成されている。これにより、薄膜トランジスタ3と視差バリアパターン40との間の距離が小さくなるように構成されている。また、視差バリアパターン40のZ2方向側の表面上には、偏光板15が形成されている。偏光板15のZ2方向側の表面上には、バックライト50が設けられている。なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0043】
第2実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40を、TFT基板1の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に直接形成することによって、視差バリアパターン40とTFT基板1との間に接着材層などを設ける場合と異なり、接着材層の厚み(膜厚ムラ)に起因して、視差バリアパターン40と薄膜トランジスタ3との間の間隔が不均一になるのを抑制することができる。
【0044】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0045】
(第3実施形態)
次に、図5を参照して、視差バリアパターンのZ1方向側(液晶層とは反対側)の表面上に直接偏光板を形成した上記第1実施形態とは異なり、視差バリアパターンのZ1方向側(液晶層とは反対側)の表面上に保護膜を介して偏光板を形成した。
【0046】
本発明の第3実施形態による液晶表示装置102では、CF基板2のZ1方向側(液晶層31とは反対側)の表面上に直接接触するように形成された視差バリアパターン40のZ1方向側の表面上には、樹脂などからなる保護膜42が形成されている。具体的には、保護膜42は、アクリル系の樹脂またはエポキシ系の透明樹脂などからなるとともに、塗布法などを用いて形成される。また、保護膜42のZ1方向側の表面上には、偏光板41が形成されている。なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0047】
第3実施形態では、上記のように、保護膜42を、視差バリアパターン40の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に形成し、偏光板41を、保護膜42の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に形成することによって、液晶表示装置102の製造プロセス中に、保護膜42により視差バリアパターン40の表面を保護できるので、視差バリアパターン40の表面がキズつくのを抑制することができるとともに、液晶表示装置102の面押し強度(機械的強度)を向上させることができる。また、保護膜42を視差バリアパターン40の表面上に形成することにより、視差バリアパターン40が形成される基板上の表面が平坦面状になるので、偏光板41を保護膜42の表面上に形成しやすくすることができる。
【0048】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0049】
(第4実施形態)
次に、図6を参照して、CF基板の表面上の偏光板のZ1方向側の表面上に何も形成されていない上記第1実施形態とは異なり、CF基板の表面上の偏光板のZ1方向側の表面上に保護カバーを形成した例について説明する。
【0050】
本発明の第4実施形態による液晶表示装置103では、視差バリアパターン40は、CF基板2のZ1方向側(液晶層31とは反対側)の表面上に直接接触するように形成されている。また、視差バリアパターン40のZ1方向側(液晶層31とは反対側)の表面上には、偏光板41が形成されている。また、偏光板41のZ1方向側(液晶層31とは反対側)の表面上には、ガラスなどからなる保護カバー43が形成されている。なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0051】
第4実施形態では、上記のように、偏光板41を視差バリアパターン40の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に形成し、保護カバー43を偏光板41の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に形成することによって、保護カバー43により偏光板41の表面が保護されるので、偏光板41の表面がキズつくのを抑制することができるとともに、液晶表示装置103の面押し強度(機械的強度)を向上させることができる。
【0052】
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0053】
(第5実施形態)
次に、図7および図8を参照して、CF基板の表面上に形成された視差バリアパターンとTFT基板側とが電気的に接続されていない上記第1実施形態とは異なり、CF基板の表面上に形成された視差バリアパターンとTFT基板側とを電気的に接続する例について説明する。
【0054】
本発明の第5実施形態による液晶表示装置104では、図7に示すように、CF基板2のZ1方向側の表面上に形成された視差バリアパターン40は、複数の開口部40aを有するとともに、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)またはニッケル(Ni)などの金属層からなる。また、視差バリアパターン40は、スパッタ法や蒸着法などを用いてCF基板2のZ1方向側の表面上に形成される。また、視差バリアパターン40は、図8に示すように、視差バリアパターン40の外周部の一部分が露出したバリア層露出部40bを含んでいる。なお、バリア層露出部40bのZ1方向側の表面上には、保護膜42および偏光板41は形成されていない。また、バリア層露出部40bは、導電性の接着材層または金属配線などからなる導通部材44により、TFT基板1側に設けられた配線と電気的に接続されるとともに、接地されている。また、視差バリアパターン40は、CF基板2のZ1方向側からの静電気などを遮断するためのシールド層としての機能を有しており、静電気から液晶表示装置104を保護することが可能である。また、シールド層としての視差バリアパターン40に帯電した静電気は、導通部材44を介して、液晶表示装置104の外部に逃がすように構成されている。なお、第5実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0055】
第5実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40を、CF基板2の薄膜トランジスタ3側とは反対側の表面上に直接形成された複数の開口部(スリット)40aを有する金属層にするとともに、TFT基板1側と導通させることによって、金属層からなる視差バリアパターン40により、液晶表示装置104の外部からの静電気をシールド(遮蔽)するとともに、TFT基板1側に逃がすことができる。これにより、CF基板2の薄膜トランジスタ3のZ1方向側の表面上に、視差バリアパターン40とは別個にシールド層を設ける必要がないので、その分、部品点数を削減することができるとともに、液晶表示装置104の構造を簡素化することができる。
【0056】
また、第5実施形態では、上記のように、視差バリアパターン40のバリア層露出部40bと、TFT基板1側とを導通させるための導通部材44を備えることによって、容易に視差バリアパターン40と導通部材44とを接続できるとともに、静電気を視差バリアパターン40を介して容易にTFT基板1側に逃がすことができる。
【0057】
なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0058】
(応用例)
図9〜図11は、それぞれ、上記した本発明の液晶表示装置100、101、102、103および104を用いた電子機器の第1の例〜第3の例を説明するための図である。図9〜図11を参照して、本発明の第1〜第5実施形態による液晶表示装置100〜104を用いた電子機器について説明する。
【0059】
本発明の第1〜第5実施形態による液晶表示装置100〜104は、図9に示すように、第1の例としてのPC(Personal Computer)400、第2の例としての携帯電話500、および、第3の例としての情報携帯端末600(PDA:Personal Digital Assistants)などに用いることが可能である。
【0060】
図9の第1の例によるPC400においては、キーボードなどの入力部410および表示画面420などに本発明の第1〜第5実施形態による液晶表示装置100〜104を用いることが可能である。図10の第2の例による携帯電話500においては、表示画面510に本発明の第1〜第5実施形態による液晶表示装置100〜104が用いられる。図11の第3の例による情報携帯端末600においては、表示画面610に本発明の第1〜第5実施形態による液晶表示装置100〜104が用いられる。
【0061】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0062】
たとえば、上記第1〜第5実施形態では、本発明の表示装置の一例として液晶表示装置を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、本発明をEL(Electro Luminescence)装置などの表示装置に適用してもよい。
【0063】
また、上記第1〜第4実施形態では、本発明の表示装置の一例として、横電界モードの液晶表示装置を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、縦電界モードの液晶表示装置を用いてもよい。
【0064】
また、上記第5実施形態では、視差バリアパターンとTFT基板側とを導通部材により電気的に接続する例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、視差バリアの液晶層とは反対側の表面上にITOなどの透明電極を形成し、透明電極とTFT基板側とを導通部材により電気的に接続してもよい。この場合、視差バリアパターンを樹脂により形成するとともに、透明電極をシールド層として機能させてもよい。
【0065】
また、上記第1〜第5実施形態では、視差バリアパターンに複数の矩形状の開口部を設ける例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、視差バリアパターンを平面的に見て市松模様状のステップバリアパターンに形成してもよいし、視差バリアパターンに複数の円形の開口部を設けてもよいし、視差バリアパターンの開口部が階段状(斜め)に設けられた斜めストライプバリアパターンに形成してもよい。
【0066】
また、上記第1〜第4実施形態では、視差バリアパターンに略矩形形状の開口部(スリット)を設ける例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、視差バリアパターンを短冊状に形成してもよい。この場合、短冊状の視差バリアパターンによって、光が遮光される。
【0067】
また、第1〜第5実施形態では、視差バリアパターンの端部が、視差バリアパターンが形成されるCF基板または対向基板のうちいずれか一方の基板の端部よりも内側に形成する例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、視差バリアパターンの端部が、視差バリアパターンが形成されるCF基板または対向基板のうちいずれか一方の基板の端部まで形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 TFT基板(素子基板) 2 CF基板(対向基板) 3 薄膜トランジスタ(トランジスタ素子) 40 視差バリアパターン 40a 開口部 41 偏光板 42 保護膜 43 保護カバー(保護膜) 44 導通部材 100、101、102、103、104 液晶表示装置(表示装置) 400 PC(電子機器) 500 携帯電話(電子機器) 600 情報携帯端末(電子機器)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面上にトランジスタ素子が形成された素子基板と、
前記トランジスタ素子を挟むように、前記素子基板と対向するように配置された対向基板と、
前記素子基板または前記対向基板のうちいずれか一方の基板の前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成された視差バリアパターンとを備える、表示装置。
【請求項2】
前記視差バリアパターンは、前記素子基板または前記対向基板のうちいずれか一方の基板の前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に接着材層を介さずに直接接触するように形成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記視差バリアパターンの端部は、視差バリアパターンが形成される前記素子基板または前記対向基板のうちいずれか一方の基板の端部よりも内側に形成されている、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記素子基板または前記対向基板のうちいずれか一方の前記視差バリアパターンが形成された基板の厚みは、前記素子基板または前記対向基板のうちいずれか他方の前記視差バリアパターンが形成されていない基板の厚みよりも小さい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記視差バリアパターンは、前記対向基板の前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記視差バリアパターンは、前記素子基板の前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記視差バリアパターンの前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に形成された保護膜と、
前記保護膜の前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に形成された偏光板とをさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記視差バリアパターンの前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に形成された偏光板と、
前記偏光板の前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に形成された保護膜とをさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記視差バリアパターンは、金属層または樹脂層のうちいずれか一方からなる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記視差バリアパターンは、前記対向基板の前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成された複数の開口部を有する金属層からなるとともに、前記素子基板側と導通している、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記視差バリアパターンの一部分は、露出するように構成されており、
前記視差バリアパターンの露出した部分と、前記素子基板側とを導通させるための導通部材をさらに備える、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の表示装置を備える電子機器。
【請求項1】
表面上にトランジスタ素子が形成された素子基板と、
前記トランジスタ素子を挟むように、前記素子基板と対向するように配置された対向基板と、
前記素子基板または前記対向基板のうちいずれか一方の基板の前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成された視差バリアパターンとを備える、表示装置。
【請求項2】
前記視差バリアパターンは、前記素子基板または前記対向基板のうちいずれか一方の基板の前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に接着材層を介さずに直接接触するように形成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記視差バリアパターンの端部は、視差バリアパターンが形成される前記素子基板または前記対向基板のうちいずれか一方の基板の端部よりも内側に形成されている、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記素子基板または前記対向基板のうちいずれか一方の前記視差バリアパターンが形成された基板の厚みは、前記素子基板または前記対向基板のうちいずれか他方の前記視差バリアパターンが形成されていない基板の厚みよりも小さい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記視差バリアパターンは、前記対向基板の前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記視差バリアパターンは、前記素子基板の前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記視差バリアパターンの前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に形成された保護膜と、
前記保護膜の前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に形成された偏光板とをさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記視差バリアパターンの前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に形成された偏光板と、
前記偏光板の前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に形成された保護膜とをさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記視差バリアパターンは、金属層または樹脂層のうちいずれか一方からなる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記視差バリアパターンは、前記対向基板の前記トランジスタ素子側とは反対側の表面上に直接形成された複数の開口部を有する金属層からなるとともに、前記素子基板側と導通している、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記視差バリアパターンの一部分は、露出するように構成されており、
前記視差バリアパターンの露出した部分と、前記素子基板側とを導通させるための導通部材をさらに備える、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の表示装置を備える電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−169942(P2011−169942A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30983(P2010−30983)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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