説明

表示装置の画面表示システム

【課題】表示装置で最適なフォントサイズで表示できるかどうかを判断し、表示装置の論理フォントと物理フォントの対応を最適な対応に変更して既存の画面表示プログラムを変更することなく、システム内の表示装置の文字列リソースを同じフォントサイズで合わせることができるシステムを提供する。
【解決手段】グラフィックユーザインターフェースを備える表示装置において、表示装置1上で使用可能な論理フォント70と物理フォント30の対応を定義するフォントプロパティ情報を変更するフォントプロパティ情報変更手段100を設けた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、グラフィック・ユーザ・インターフェース(Graphic User Interface:以下GUIという)を備える表示装置で、文字列リソースをGUIの表示領域上に表示する画面表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画面表示システムでは、使用可能な論理フォントと物理フォントの対応が異なる表示装置で文字列リソースをGUIの表示領域上に表示する場合、プログラム内で表示装置に応じて使用可能な物理フォントを直接指定したり、プログラムで使用する文字列リソースがGUIの表示領域内に納まるように、文字列リソースの表示に使用するフォントサイズを従来のものから変更したりしていた。(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−5082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の画面表示システムは上記のように構成されていたため、文字列リソースはGUIの表示領域内に納まるものの、論理フォントを指定して文字列リソースを表示するプログラムを実行する際、論理フォントに対応する物理フォントにプロポーショナルフォントを使用する表示装置と、等幅フォントを使用する表示装置とでは、文字列リソースが異なるフォントサイズで表示されたりするなどの問題点があった。また、論理フォントを指定している個所を物理フォント指定に置き換える場合には、既存システムのフォントの指定個所を変更する必要があった。
【0005】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、表示装置で最適なフォントサイズで表示できるかどうかを判断し、表示装置の論理フォントと物理フォントの対応を最適な対応に変更して、既存の画面表示プログラムを変更することなく、画面表示システム内の表示装置の文字列リソースを同じフォントサイズで合わせることができる表示装置の画面表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る表示装置の画面表示システムは、グラフィック・ユーザ・インターフェースを備える表示装置において、表示装置上で使用可能な論理フォントと物理フォントの対応を定義するフォントプロパティ情報を変更するフォントプロパティ情報変更手段を設けたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る表示装置の画面表示システムは、表示装置のフォントプロパティ情報を画面表示プログラムの実行に最適なフォントに変更できるようにしたので、表示装置は文字列を最適なフォントサイズで表示することができるものなので、フォントプロパティ情報を画面表示プログラムの実行に最適なフォントに変更すれば、表示装置は文字列を最適なフォントサイズで表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。図1は、実施の形態1の構成を示す機能ブロック図である。図1において、表示装置1は表示装置1が画面出力に使用する物理フォント30と、表示装置1上でプログラムが指定できる論理フォント70と、論理フォント70と物理フォント30との対応を定義するフォントプロパティ情報40と、フォントプロパティ情報を参照して指定された論理フォント70に対する物理フォント30を使用して文字列リソースを画面出力する画面出力手段20と、論理フォント70を指定して文字列リソースを画面出力手段20により画面出力する画面表示プログラム10と、フォントプロパティ情報40を画面表示プログラム10の実行に最適なフォントプロパティ情報110に変更するフォントプロパティ情報変更手段100を有するフォントプロパティ情報変更プログラム50とを備えている。
【0009】
表示装置1のフォントプロパティ情報40を画面表示プログラム10の実行に最適なフォントに変更できるようにしたので、そのようなフォントに変更することにより表示装置1は画面表示プログラム10を変更せずに文字列を最適なフォントサイズで表示することができる。
【0010】
次に実施の形態1の動作を図2および図3のフローチャートにもとづいて説明する。
まず、図2に示すようにステップ100でフォントプロパティ情報変更手段100を動作させ、ステップ210でフォントプロパティ情報40にフォントプロパティ情報(最適)110の内容をコピーする。
【0011】
その後、図3に示すようにステップ320で画面表示動作を立ち上げ、従来どおり、画面表示プログラム10を実行させて論理フォント70を指定し、ステップ330で文字列リソースを表示するため画面出力手段20を動作させる。画面出力手段20はステップ340で変更された最適なフォントプロパティ情報40を参照し、画面表示プログラムが指定した論理フォント70に対応する最適な物理フォント30を取得する。その後、ステップ350で画面出力手段20によって取得した物理フォントを使用して、文字列リソースを画面出力することになる。
【0012】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2を図にもとづいて説明する。図4は、実施の形態2の構成を示す機能ブロック図である。この図において、図1と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。図1と異なる点は、変更前のフォントプロパティ情報60を表示装置1上に保存するためのフォントプロパティ情報保存手段120と、表示装置1上に保存したフォントプロパティ情報を変更前のフォントプロパティ情報60に戻すためのフォントプロパティ情報復元手段130を設け、変更前のフォントプロパティ情報を保存したり、保存したフォントプロパティ情報を復元することができるようにした点である。従って、フォントプロパティ情報変更手段100によりフォントプロパティ情報を変更した後にフォントプロパティ情報40を変更前の状態に戻すことができるものである。
【0013】
次に、実施の形態2の動作を図5、図6のフローチャートにもとづいて説明する。
フォントプロパティ情報の変更に際しては、まず、図5のステップ120でフォントプロパティ情報保存手段120を動作させ、ステップ220でフォントプロパティ情報40を変更前のフォントプロパティ情報60に保存する。次に、フォントプロパティ情報変更手段100を動作させてフォントプロパティ情報(最適)110をフォントプロパティ情報40にコピーする形でフォントプロパティ情報を変更する。
【0014】
フォントプロパティ情報40を変更前の情報に復元する場合は、図6のステップ130でフォントプロパティ情報復元手段130を動作させ、ステップ230で保存されている変更前のフォントプロパティ情報60をフォントプロパティ情報40にリストアする。
【0015】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3を図にもとづいて説明する。図7は、実施の形態3の構成を示す機能ブロック図である。この図において、図1、図4と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。図4と異なる点は、フォントプロパティ情報変更プログラム50に、表示装置1のフォントプロパティ情報が最適なフォントプロパティ情報であるかどうかを確認するフォントプロパティ情報確認手段140を設けて、フォントプロパティ情報40が最適であるかどうかを確認することができるようにした点である。
【0016】
次に、実施の形態3の動作を図8のフローチャートにもとづいて説明する。まず、ステップ140でフォントプロパティ情報確認手段140を動作させ、ステップ240でフォントプロパティ情報40から論理フォント70と物理フォント30の組を取得した後、ステップ250で物理フォント指定の確認用文字列の幅を取得し、ステップ260で論理フォント指定の確認用文字列の幅を取得する。その後、ステップ270で確認用文字列の幅を比較し、不一致の場合は最適でないと判断して処理を終了する。一致の場合は、ステップ280でフォントプロパティ情報に定義する全てのフォントの比較が完了するまで繰り返し、全て一致していた場合は最適であると判断して処理を終了する。
【0017】
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4について説明する。この実施の形態はフォントプロパティ情報確認手段140を動作させた後にフォントプロパティ情報変更手段100を動作させるようにしたものである。このようにすれば、フォントプロパティ情報40を変更する前にフォントプロパティ情報40が最適かどうかを確認することができるため、フォントプロパティ情報40が最適でない場合にのみ、フォントプロパティ情報変更手段100を動作させるようにすることができる。
【0018】
次に、実施の形態4の動作を図9のフローチャートにもとづいて説明する。ステップ310におけるフォントプロパティ情報の確認・変更において、ステップ140でフォントプロパティ情報確認手段140を動作させ、ステップ290でフォントプロパティ情報確認の実施結果を確認する。実施結果が一致の場合は何もせずに終了し、不一致の場合はステップ110でフォントプロパティ情報変更手段を動作させて変更を行なった後に終了する。
【0019】
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5について説明する。この実施の形態は実施の形態4で説明した図9に示すフローチャートにおけるステップ110の手順を行うかどうかを自動で判断するようにしたものである。このようにすることで、人手を必要とせず、フォントプロパティ情報40を最適なものに変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の実施の形態1の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】実施の形態1におけるフォントプロパティ変更手順を示すフローチャート図である。
【図3】実施の形態1における画面表示プログラムによる画面出力手段を使用した文字列リソース表示のフローチャート図である。
【図4】この発明の実施の形態2の構成を示す機能ブロック図である。
【図5】実施の形態2におけるフォントプロパティ保存手順を示すフローチャート図である。
【図6】実施の形態2におけるフォントプロパティ復元手順を示すフローチャート図である。
【図7】この発明の実施の形態3、4、5の構成を示す機能ブロック図である。
【図8】実施の形態3におけるフォントプロパティ確認手順を示すフローチャート図である。
【図9】実施の形態4におけるフォントプロパティ情報の保存・変更手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0021】
1 表示装置、 10 画面表示プログラム、 20 画面出力手段、 30 物理フォント、 40 フォントプロパティ情報、 50 フォントプロパティ情報変更プログラム、 60 フォントプロパティ情報(変更前)、 70 論理フォント、 100 フォントプロパティ情報変更手段、 110 フォントプロパティ情報(最適)、
120 フォントプロパティ情報保存手段、 130 フォントプロパティ情報復元手段、 140 フォントプロパティ情報確認手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラフィックユーザインターフェースを備える表示装置において、表示装置上で使用可能な論理フォントと物理フォントの対応を定義するフォントプロパティ情報を変更するフォントプロパティ情報変更手段を設けたことを特徴とする表示装置の画面表示システム。
【請求項2】
上記フォントプロパティ情報変更手段により変更したフォントプロパティ情報を変更前の情報に戻すフォントプロパティ情報復元手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の表示装置の画面表示システム。
【請求項3】
上記表示装置のフォントプロパティ情報が最適なものかどうかを確認するフォントプロパティ情報確認手段を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の表示装置の画面表示システム。
【請求項4】
上記フォントプロパティ情報確認手段により、論理フォントと物理フォントとの対応が最適な組合せであるかどうかを確認した後、上記フォントプロパティ情報変更手段により、フォントプロパティ情報を変更し得るようにしたことを特徴とする請求項3記載の表示装置の画面表示システム。
【請求項5】
上記フォントプロパティ情報確認手段の確認結果にもとづいて、上記フォントプロパティ情報変更手段を動作させるかどうかを自動で判断して、上記フォントプロパティ情報を自動で最適なものにすることを特徴とする請求項3または請求項4記載の表示装置の画面表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−116021(P2009−116021A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288539(P2007−288539)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】