表示装置及びプログラム
【課題】或る第1の画像を既に表示しているときに、それとは異なる第2の画像を表示するよう指示された場合に、新たに表示するよう指示された第2の画像の内容を迅速に利用者に提示する。
【解決手段】表示装置10はページを切り替えて画像を表示するときには、現ページの画像Aの表示を維持したまま、次ページの画像Bを表示するための書換処理を開始する。すなわち、制御部は、第1の画像が記憶性表示体15に表示されている場合に、第1の画像と異なる第2の画像を表示する指示を受け付けたときには、第2の画像を表示するための書換処理を開始した後に、第1の画像を消去するための書換処理を開始する。これにより、第1の画像を消去する書換処理を後回しにする分だけ、第2の画像が迅速にユーザに提示される。
【解決手段】表示装置10はページを切り替えて画像を表示するときには、現ページの画像Aの表示を維持したまま、次ページの画像Bを表示するための書換処理を開始する。すなわち、制御部は、第1の画像が記憶性表示体15に表示されている場合に、第1の画像と異なる第2の画像を表示する指示を受け付けたときには、第2の画像を表示するための書換処理を開始した後に、第1の画像を消去するための書換処理を開始する。これにより、第1の画像を消去する書換処理を後回しにする分だけ、第2の画像が迅速にユーザに提示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ペーパーと呼ばれる可搬型の表示装置やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯型の表示装置等において、複数のページからなる画像を、ユーザのページ送り/ページ戻り操作に従ってページを切り替えながら表示する技術が知られている。例えば、特許文献1には、各ページの画像を最上位の行から順に表示していき、その表示の最中にページを切り替える操作が指示された場合には、そのページの表示を中止して次ページの画像を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−108722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
可搬型や携帯型の表示装置は、パーソナルコンピュータ等の固定型の情報処理装置に比べれば処理性能が劣ることが多く、ページの切り替えに要する時間が長くなって、これがユーザにとってストレスとなることがあった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、或る第1の画像を既に表示しているときに、それとは異なる第2の画像を表示するよう指示された場合に、新たに表示するよう指示された第2の画像の内容を迅速に利用者に提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明は、書換処理が施される期間に応じた色に書き換えられる複数の表示素子を有する表示手段と、前記表示手段に画像を表示する指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた前記指示に応じて、表示素子に前記書換処理を施して当該表示素子の色を書き換える書換手段であって、第1の画像が前記表示手段に表示されているときに、当該第1の画像とは異なる第2の画像を表示する指示を前記受付手段が受け付けた場合には、前記第2の画像を表示するための前記書換処理を開始した後に、前記第1の画像を消去するための前記書換処理を開始する書換手段とを備えることを特徴とする表示装置を提供する。これにより、或る第1の画像を既に表示しているときに、それとは異なる第2の画像を表示するよう指示された場合に、新たに表示するよう指示された第2の画像の内容を迅速に利用者に提示することができる。
【0006】
本発明の好ましい態様において、前記書換手段は、前記第2の画像を表示するための前記書換処理を開始して完了した後に、前記第1の画像を消去するための前記書換処理を開始する。これにより、第2の画像を表示するための書換処理と、第1の画像を消去するための書換処理とを同時に行うことができない場合であっても、新たに表示するよう指示された第2の画像の内容を迅速に利用者に提示することができる。
本発明の別の好ましい態様において、前記書換手段は、前記第1の画像を表示するための前記書換処理を実行している期間において、前記第2の画像を表示する指示を前記受付手段が受け付けた場合には、実行している当該書換処理を中止して、前記第2の画像を表示するための前記書換処理を施した後に、前記第1の画像を消去するための前記書換処理を施す。これにより、第1の画像を表示するための書換処理を施しているときに、第2の画像を表示するよう指示された場合に、新たに表示するよう指示された第2の画像の内容を迅速に利用者に提示することができる。
【0007】
また、本発明の別の好ましい態様において、前記書換手段は、前記表示手段に表示された複数の前記第1の画像を、表示された順序が先のものから順に消去する場合に、消去対象となる前記第1の画像がそれ以外の前記第1の画像と互いに重なるときには、その重なった領域に対応する表示素子を特定する特定手段を備え、前記消去対象となる前記第1の画像に対応する前記表示素子のうち、前記特定手段により特定された前記表示素子以外の表示素子に前記書換処理を施して、当該第1の画像を消去する。これにより、複数の第1の画像を消去する場合に、表示された順序が先の第1の画像から順にそれらを消去することができる。
また、本発明の別の好ましい態様において、前記書換手段は、前記第1の画像の表示位置と前記第2の画像の表示位置とが重なる場合に、その重なった領域に対応する表示素子を特定する特定手段を備え、前記第1の画像に対応する前記表示素子のうち、前記特定手段により特定された前記表示素子以外の表示素子に対して前記書換処理を施して、当該第1の画像を消去する。これにより、第1の画像の表示位置と前記第2の画像の表示位置とが重なった領域に対応する表示素子に書換処理を施さなくて済む。
また、本発明の別の好ましい態様において、前記書換手段は、前記第1の画像の表示位置と前記第2の画像の表示位置とが重なる領域が、前記第2の画像の全体が前記表示手段の表示領域に収まる範囲内で小さくなるように、当該第2の画像の表示位置を変更して表示する。これにより、第1の画像の内容及び第2の画像の内容を、利用者に認識しやすいようにして提示することができる。
【0008】
また、本発明の別の好ましい態様において、画像データを記憶する複数のバッファを備え、前記書換手段は、前記受付手段が複数の画像を表示する指示を受け付けた場合に、各々の当該画像を表す画像データをそれぞれ異なる前記バッファに記憶させ、各々の当該バッファから前記画像データを順次読み出して当該画像データに応じた前記書換処理を施し、表示するよう指示されたすべての画像を表す画像データを複数の前記バッファに記憶させることができない場合には、表示するよう指示された複数の画像を合成した合成画像を表す合成画像データを生成して前記バッファに記憶させる。これにより、表示するよう指示されたすべての画像を表す画像データをバッファに記憶させることができない場合であっても、表示が指示されたすべての画像を表示することができる。
【0009】
また、本発明は、書換処理が施される期間に応じた色の画像を表示する表示手段を有する表示装置を制御するコンピュータを、前記表示手段に画像を表示する指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた前記指示に応じて、表示素子に前記書換処理を施して当該表示素子の色を書き換える書換手段であって、第1の画像が前記表示手段に表示されているときに、当該第1の画像とは異なる第2の画像を表示する指示を前記受付手段が受け付けた場合には、前記第2の画像を表示するための前記書換処理を開始した後に、前記第1の画像を消去するための前記書換処理を開始する書換手段として機能させるためのプログラムを提供する。これにより、或る第1の画像を既に表示しているときに、それとは異なる第2の画像を表示するよう指示された場合に、新たに表示するよう指示された第2の画像の内容を迅速に利用者に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】表示装置の外観を示す図である。
【図2】表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】記憶性表示体の構造を模式的に示した図である。
【図4】動作例1の動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。
【図5】動作例2の動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。
【図6】動作例3の動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。
【図7】変形例1の動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。
【図8】変形例2の動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。
【図9】変形例2の動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。
【図10】変形例3の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(A)構成
図1は、表示装置10の外観を示す図である。表示装置10は、電子ペーパーなどと呼ばれる可搬型の表示装置である。同図に示すように、表示装置10の前面には、操作部16及び表示領域Fが設けられている。表示領域Fは矩形領域となるように構成され、表示装置10は、ユーザによる操作部16の操作に応じた画像を表示領域Fに表示する。
【0012】
図2は、表示装置10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、表示装置10が備える各構成は、バス18を介して接続されている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等を有しており、CPUがメモリに記憶されているプログラムを実行して表示装置10の各部を制御する。電源部12は、例えばNi−Cd系電池やリチウムイオン系電池などの充電可能な2次電池を備え、表示装置10の作動に要する電力を図示せぬ電力線を介して各部に供給する。バッファ13A,13B,13Cはそれぞれ、1ページ(1画面)分の画像を表す画像データを記憶する。なお、以下の説明においてバッファ13A〜13Cを区別する必要のないときは、これらを「バッファ13」と総称する。表示コントローラ14は、制御部11の制御の下、記憶性表示体15に駆動電圧を印加して(後述する「書換処理」を施して)、バッファ13に記憶されている画像データに応じた画像を表示させる。記憶性表示体15は、表示コントローラ14の制御に従って、電気泳動方式で画像を表示する表示手段である。
【0013】
操作部16は、図1に示すように、前ページへの切り替えを指示する操作を受け付けるページ戻りボタン16aと、次ページへの切り替えを指示する操作を受け付けるページ送りボタン16bとを有しており、ユーザによる操作を受け付けてその操作内容に応じて操作信号を制御部11に供給する。制御部11は、ユーザによる操作部16の操作に応じて、記憶性表示体15に画像を表示する指示を受け付ける受付手段である。記憶部17は、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶手段であり、画像データ等の表示の対象となる各種のデータを記憶する。
【0014】
図3は、記憶性表示体15の構造を模式的に示した図である。同図に示すように、記憶性表示体15は、第1基板151、電気泳動素子である複数の表示素子152,152,・・・、及び第2基板153を有する。第1基板151はガラス基板であり、その図中上方の表面側には画素電極PE,PE,・・・が配列されている。第1基板151に対向する第2基板153は、透明なガラス基板であり、その図中下方の裏面側には共通電極CEが設けられている。画素電極PE,PE,・・・と共通電極CEとの間に、複数の表示素子152,152,・・・が並べられている。表示素子152はマイクロカプセル化されており、内部にマイナス(−)に帯電した黒色顔料粒子BG及びプラス(+)に帯電した白色顔料粒子WGを分散させた液体として分散媒DMが封入されている。黒色顔料粒子BGおよび白色顔料粒子WGの位置は、表示コントローラ14が施す「書換処理」に応じて駆動電圧が印加されて、外部から与えられる電界により規定される。表示素子152に黒を表示させるときには、表示コントローラ14は、裏面側から表面側(表示領域F側)へと向かう電界を与えるように書換処理(以下、「黒書換処理」という。)を施し、白を表示しようとするときには、表示コントローラ14は、表面側から裏面側へと向かう電界を与えるように書換処理(以下、「白書換処理」という。)を施す。
【0015】
表示素子152の表示する色が書換処理により書き換えられるときには、書き換え前の色から書き換え後の色へと徐々に遷移する。よって、書換処理が施される期間が十分に長い場合には、黒色顔料粒子BG及び白色顔料粒子WGの移動が完了した状態となるため、表示素子は黒又は白を表示する。一方で、書換処理が施される期間が十分でない場合には、黒色顔料粒子BGと白色顔料粒子WGとが移動して白黒が切り替わる途中の状態となり、表示素子152は、黒よりも明度の高いグレーのような色を表示する。ここでは、表示コントローラ14は、100msの書換処理を複数回(例えば、3回)行うものとし、これら複数回の書換処理が完了すると、表示領域Fへの画像の表示が完了する。また、黒色顔料粒子BG及び白色顔料粒子WGの位置は、電圧の印加がなくてもその状態が維持される。これを、表示の記憶性という。つまり、記憶性表示体15は、画像を表示した後は、電圧が印加されなくても表示した画像を保持する。このように、記憶性表示体15は、書換処理が施される期間に応じた色に書き換えられる複数の表示素子152,152,・・・を有する。
【0016】
制御部11は、記憶性表示体15に画像を表示する指示を受け付けた場合には、その指示に応じた画像を表す画像データをバッファ13に記憶させてその内容を更新し、バッファ13から画像データを読み出して画像データに応じた書換処理を施して、記憶性表示体15に画像を表示する。複数の画像の表示指示を受け付けた場合には、制御部11は、各画像を表す画像データを、それぞれ異なるバッファ13に記憶させる。表示装置10が表示する画像は、人間がその内容を認識し得るように背景画像とは異なる色で表示され、ここでは、背景画像が「白」で表示され、各ページの内容を表す画像(すなわち、「画」(え))が「黒」で表示されるものとする。表示装置10は、記憶性表示体15に画像を表示するときには黒書換処理を施し、記憶性表示体15に表示された画像を消去するときには白書換処理を施す。
また、一般的な電子ペーパーと同等の装置構成(ハードウェア構成)を有する表示装置10は、書換処理時に生じさせる画素電極PE−共通電極CE間の電位差と、画素電極PEの耐圧との関係を理由として、或る表示素子に黒書換処理を実行している期間には、その他の表示素子に白書換処理を実行することができない。つまり、表示コントローラ14は、黒書換処理及び白書換処理を同時に(並列的に)実行することができない。以下の説明では、特に断りのない限り、表示装置10にはこのような前提が存在するものとする。
【0017】
(B)動作
次に、表示装置10が複数のページからなる画像データに基づいて、各ページを切り替えながら画像を表示するときに実行する動作について、図を参照しつつ説明する。後述する説明で用いる図4〜6は、ページの切り替えに係る動作の時系列的な遷移の様子を説明する図であり、図中左側から右側に向かう矢印方向に時刻tが遷移する。また、これら各図の上段に示す記憶性表示体15の表示内容を説明する図において、外側の矩形は表示領域Fの範囲を表し、その内部に描かれる各画像(図形画像)が各ページの画像を表す。また、線画の内部がハッチングがなされているものは、書換処理が完了した後に表示される画像であり、ハッチングがなされていないものは、書換処理の途中段階で表示される画像である。また、図4〜6の中段及び下段に示すバッファ13A〜13Cに記憶される画像データを表す図は、その画像データに基づいて表示される画像と、表示領域Fにおける表示位置とに対応している。
【0018】
(B−1)動作例1
まず、表示装置10が、第1ページの画像として「画像A」(第1の画像)を表示し、その表示を完了した後に、第2ページの画像として「画像B」(第2の画像)の表示がユーザにより指示されたときに実行する動作について、図4を参照しつつ説明する。
時刻t=t1にユーザによりページ送りボタン16bのページ送り操作が行われ、制御部11が画像Aの表示の指示を受け付けると、画像Aを表示するための画像データDaを記憶部17から読み出す。制御部11は、読み出した画像データDaをバッファ13Aに記憶させる。次に、制御部11は、バッファ13Aに記憶された画像データDaに応じた画像Aを記憶性表示体15に表示させるよう、表示コントローラ14を制御する。このとき、表示コントローラ14は、バッファ13Aに記憶された画像データDaに基づいて、画像Aに対応する表示素子152に黒書換処理を施す。この黒書換処理は、図4に示す時刻t=t2よりも前の時刻に完了して、画像Aの表示が完了する。
【0019】
記憶性表示体15の画像Aの表示が完了して、時刻t=t2にユーザによりページ送りボタン16bのページ送り操作が行われ、制御部11が画像Bを表示する指示を受け付けると、制御部11は記憶部17から画像Bを表示するための画像データDbを読み出す。制御部11は、読み出した画像データDbをバッファ13Bに記憶させる。なお、制御部11は、バッファ13Aに画像データDaを記憶させたままにし、記憶性表示体15への画像Aの表示を維持する。そして、制御部11は、バッファ13Bに記憶された画像データDbに応じた画像Bを記憶性表示体15に表示させるよう、表示コントローラ14を制御する。このとき、表示コントローラ14は、画像Bに対応する表示素子152に黒書換処理を施す。この書換処理により、時刻t=t3に、画像Aと画像Bの一部が重なり合うようにして2ページ分の画像A,Bの表示が完了する。
【0020】
時刻t=t3に画像Bを表示するための書換処理が完了すると、次に、制御部11は、記憶性表示体15に表示された画像Bの表示を維持したまま、画像Aを消去するための制御を開始する。まず、制御部11は、画像Aの表示位置と画像Bの表示位置とが重なる領域(以下、「重複領域」という。)Rabを特定する。そして、制御部11は、画像Aに対応する表示素子のうち、重複領域Rabに対応する表示素子以外の表示素子に対して白書換処理を施すよう、画像データD(a−b)をバッファ13Aに記憶させる。そして、制御部11は、表示コントローラ14によって、バッファ13Aに記憶された画像データD(a−b)に基づいて白書換処理を施す。これにより、時刻t=t3以降は、画像Bの表示が維持されたまま、画像Aに対応する表示素子が黒から白へと書き換えられる。そして、時刻t=t4に白書換処理が完了して、画像Aの消去が完了する。画像Aの消去が完了すると、制御部11は、バッファ13Aから画像データD(a−b)を消去し、次の画像の表示に備える。このように、制御部11は、ページを切り替えて画像を表示するときには、まず次ページの画像(第2の画像)を表示するための書換処理を開始してこれが完了してから、現ページの画像(第1の画像)を消去するための書き換え処理を開始する。これにより、前ページの画像を消去する書換処理を後回しにする分だけ、次ページの画像の内容が迅速に利用者に提示される。
【0021】
(B−2)動作例2
次に、表示装置10が、第1ページの画像Aを表示するための書換処理を実行している期間に、第2ページの画像Bの表示がユーザにより指示されたときに実行する動作について、図5を参照しつつ説明する。
制御部11は、時刻t=t11にユーザによりページ送りボタン16bのページ送り操作が行われ、画像Aを表示する指示を受け付けると、記憶部17から画像データDaを読み出してバッファ13Aに記憶させる。そして、制御部11は、表示コントローラ14を制御して、記憶性表示体15に画像Aを表示させるための黒書換処理を施す。ここで、画像Aを表示するための書換処理を実行している期間である時刻t=t12に、ユーザによりページ送りボタン16bのページ送り操作が行われ、制御部11が画像Bを表示する指示を受け付けたとする。この場合、制御部11は、実行中の画像Aを表示するための黒書換処理を中止するよう、表示コントローラ14を制御する。上述したように、表示コントローラ14は、複数回の書換処理を行って画像を表示するから、制御部11は、画像Aを表示するための後続する書換処理を行わないよう表示コントローラ14を制御する。そして、制御部11は、記憶部17から画像Bを表す画像データDbを読み出してバッファ13Bに記憶させ、表示コントローラ14により、記憶性表示体15に画像Bを表示させるための黒書換処理を行う。
【0022】
時刻t=t13に画像Bを表示するための黒書換処理を完了すると、制御部11は、動作例1と同じようにして、画像Aの表示位置と画像Bの表示位置とが重なる重複領域Rabを特定して、画像Aに対応する表示素子のうち、重複領域Rabに対応する表示素子以外の表示素子に対して白書換処理を施すよう、バッファ13A及び表示コントローラ14を制御する。時刻t=t14に画像Aを消去するための白書換処理が完了すると、制御部11は、バッファ13Aから画像データD(a−b)を消去する。
このように、表示装置10が現ページの画像(第1の画像)を表示するための書換処理を実行している期間であって、書換処理の完了していない画像Aが表示されている期間に、ユーザにより次ページに切り替える操作が行われた場合、実行中の書換処理を中止して、次ページの画像(第2の画像)を表示するための書換処理を開始する。これにより、表示装置10は、実行中の書換処理を最後まで行う場合と比べて、次ページの画像の内容を迅速にユーザに提示することができる。
【0023】
(B−3)動作例3
次に、表示装置10が、3ページ分の画像を記憶性表示体15に表示するときに実行する動作について、図6を参照しつつ説明する。
ここで、時刻t=t21に第1ページの「画像A」の表示が指示され、その表示が完了した後の時刻t=t22に第2ページの「画像B」の表示が指示され、制御部11が画像Bを表示するための書換処理を実行している期間である時刻t=t23に第3ページの「画像C」の表示が指示されると、制御部11は、図6に示すような手順でバッファ13A〜13Cの内容を更新しつつ表示コントローラ14を制御して、記憶性表示体15に画像を表示する。制御部11が画像A〜Cを表示するときに実行する制御の内容は、上述した動作例1,2と同じであるから、その詳細な説明を省略する。時刻t=t24に画像Cを表示するための黒書換処理が完了すると、制御部11は、現ページの画像Cの表示を維持したまま、前々ページの画像A、及び前ページの画像Bを消去するための制御を開始する。
【0024】
まず、制御部11は、画像Aに対応する表示素子のうち、画像Cとの重複領域Racに対応する表示素子以外の表示素子に対して白書換処理を施すよう、画像データをバッファ13Aに記憶させる。ここで重複領域Racを除くようにしているのは、制御部11が画像Aを消去するための白書換処理を施すときに、画像Cの表示を維持するためである。ここでは画像Aと画像Cとは互いに重なっていないから、制御部11は画像データDaをバッファ13Aに記憶させる。次に、制御部11は、画像Bに対応する表示素子のうち、画像Aとの重複領域Rab、及び画像Cとの重複領域Rbcに対応する表示素子以外の表示素子に対して白書換処理を施すよう、画像データD(b−a−c)をバッファ13Bに記憶させる。ここでも、画像Cの表示を維持するために、制御部11は重複領域Rbcを除いている。また、バッファ13Aに記憶された画像データDaに基づいて重複領域Rabに対応する表示素子に白書換処理が施されるから、制御部11は重複領域Rabを除くようにしている。
【0025】
次に、制御部11は、バッファ13Aに記憶された画像データDa、及びバッファ13Bに記憶されたD(b−a−c)に基づいて白書換処理を施す。これにより、時刻t=t24以降では、画像Cが残ったまま、画像A、及び画像Bに対応する表示素子が黒から白へと書き換えられる。画像Aに対応する表示素子には、その表示が完了した状態で白書換処理が開始され、画像Bに対応する表示素子には、その表示のための黒書換処理の途中で白書換処理が開始されたから、時刻t=t25ではまず画像Bの消去が完了する。画像Bの消去が完了すると、制御部11はバッファ13Bから画像データD(b−a−c)を消去し、バッファ13Aの画像データDaに基づいて白書換処理を継続する。そして、時刻t=t26に画像Aの消去が完了すると、制御部11は、バッファ13Aから画像データDaを消去する。
このように、3ページ分の画像が記憶性表示体15に表示される場合には、制御部11は、最後に表示が指示された画像(第2の画像)を表示するための黒書換処理を施して、この黒書換処理が完了すると、それよりも先に表示した前ページ以前に対応する複数の画像(複数の第1の画像)を消去するための白書換処理を開始する。
【0026】
以上説明したように、表示装置10はページを切り替えて画像を表示するときには、現ページの画像の表示を維持したまま、次ページの画像を表示するための書換処理を開始する。すなわち、制御部11は、第1の画像が記憶性表示体15に表示されている場合に、第1の画像と異なる第2の画像を表示する指示を受け付けたときには、第2の画像を表示するための書換処理を開始した後に、第1の画像を消去するための書換処理を開始する。これにより、第1の画像を消去する書換処理を後回しにする分だけ、第2の画像が迅速にユーザに提示される。特に、第2の画像を表示するための書換処理と、第1の画像を消去するための書換処理とを同時に行うことができない表示装置であっても、第1の画像を表示したままで第2の画像を表示して、その内容を迅速に利用者に提示する。
【0027】
(C)変形例
なお、上記実施形態を次のように変形してもよい。具体的には、例えば以下のような変形が挙げられる。これらの変形は、各々を適宜に組み合わせることも可能である。
(C−1)変形例1
上述した実施形態の動作例3では、画像Cを表示するための黒書換処理を開始してこれが完了すると、制御部11は、その前々ページの画像A、及び前ページの画像Bを消去するための白書換処理を同時に開始していた。この構成に代えて、制御部11は、記憶性表示体15に表示された順序が先のものから順に各ページの画像(複数の第1の画像)を消去するようにしてもよい。
【0028】
図7は、この変形例1のページ切り替えに係る動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。制御部11が「画像A」、「画像B」及び「画像C」を表示するときの動作は動作例3と同じであるから、その説明を省略する。時刻t=t24に画像Cの表示が完了すると、制御部11は画像A及び画像Bを消去対象として、これらを消去するための制御を開始する。
【0029】
制御部11は、消去対象となる画像Aに対応する表示素子のうち、画像Bとの重複領域Rabに対応する表示素子、及び画像Cとの重複領域Racに対応する表示素子以外の表示素子に対して白書換処理を施すよう、画像データD(a−b−c)をバッファ13Aに記憶させる。なお、ここでは、画像Aと画像Bとは重なり合っているが、画像Aと画像Cとは重なり合っていない。ここで、重複領域Rac及び重複領域Rabに対応する表示素子を除くようにしているのは、画像Aに対応する表示素子のみに対して白書換処理が施されるようにするためである。そして、制御部11は、バッファ13Aに記憶された画像データD(a−b−c)に基づいて、画像Aを消去するための白書換処理を開始する。時刻t=t25に画像Aを消去するための白書換処理が完了すると、制御部11はバッファ13Aから画像データD(a−b−c)を消去する。
【0030】
続いて、制御部11は、消去対象となる画像Bに対応する表示素子のうち、画像Cとの重複領域Rbcに対応する表示素子以外の表示素子に対して白書換処理を施すよう、画像データD(b−c)をバッファ13Bに記憶させる。ここで重複領域Rbcを除いているのは、画像Bを表示する表示素子のみに対して白書換処理が施されるようにするためである。そして、制御部11は、バッファ13Bに記憶された画像データD(b−c)に基づいて、画像Bを消去するための白書換処理を開始する。これにより、時刻t=t25以降では、画像Cの表示が維持されたまま、画像Bが徐々に消去されていき、時刻t=t26に画像Bの消去が完了する。このようにすれば、表示順序が先のものから順に画像が消去されることとなり、視覚的な訴求効果も得られる。
なお、記憶性表示体15に表示された順序が先のものから順に各ページの画像を消去することができれば、制御部11は上述した以外の処理の態様を採ってもよい。
【0031】
(C−2)変形例2
上述した実施形態では、制御部11が3ページ分の画像を表すそれぞれの画像データを、バッファ13A〜13Cのそれぞれ異なるものに記憶させていたが、ユーザによるページ送り/戻り操作が高速に行われた場合等には、制御部11が、4ページ分以上の画像を記憶性表示体15に表示する必要が生じることがある。すなわち、バッファの数が、表示装置10に画像を表示するページ数を超えることがある。この場合に、表示装置10は以下に説明する制御を行うようにしてもよい。
【0032】
(C−2−1)複数ページの画像を合成する。
図8は、表示装置10が実行するページ切り替えに係る動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。
例えば、制御部11が画像Aを表す画像データDaをバッファ13Aに記憶させ、画像Bを表す画像データDbをバッファ13Bに記憶させ、画像Cを表す画像データDcをバッファ13Cに記憶させ、これらの各画像データがそれぞれバッファ13に記憶されているときに、画像Dを表示するためのページ送り操作が行われたとする。この場合、制御部11は、最後にバッファ13に画像データを記憶させた画像Cと、最後に表示の指示を受け付けた画像Dとを合成した合成画像を表す合成画像データDcdを生成する。そして、制御部11は、画像Cを表す画像データDcに代えて、合成画像データDcdをバッファ13Cに記憶させる。以降、制御部11は、上述した実施形態の動作例3と同じ手順で、ページの切り替えに係る制御を行う。このようにして、制御部11は、表示するよう指示を受け付けたすべての画像を表す画像データをバッファ13に記憶させることができない場合には、複数ページの画像を合成した合成画像を表す合成画像データを生成して、これをバッファ13に記憶させる。このようにすれば、同時に画像を表示するべきページ数がバッファの数を超えてしまっても、制御部11は、表示するよう指示を受け付けたすべての画像を表示することができる。
なお、この構成において、制御部11は、画像Dと画像Aとを合成してもよいし、画像Dと画像Bとを合成してもよく、先に表示の指示を受け付けたいずれかの画像を特定して、特定した画像と最後に表示の指示を受け付けた画像とを合成して合成画像データを生成すればよい。また、さらに多数のページの画像を表示することを要した場合には、制御部11は、3ページ分以上の画像を合成して合成画像データを生成してもよい。
【0033】
(C−2−2)特定のページを表示しない。
図9は、表示装置10が実行するページ切り替えに係る動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。
ページ送り/戻り操作が高速に行われる場合、その操作が行われている最中のページの画像は、ユーザが見ることを目的としていないページと捉えることができる。例えば、制御部11が画像Aを表す画像データDaをバッファ13Aに記憶させ、画像Bを表す画像データDbをバッファ13Bに記憶させた後に、画像C及び画像Dを表示するためのページ送り操作が連続して行われたとする。この場合、ユーザが画像Cを見ることを目的としていないと言える。そこで、制御部11が画像Cを表す画像データをバッファ13Cに記憶させた後に、続けて画像Dを表示する指示を受け付けると、バッファ13Cには、画像データDcを消去して、画像Dを表す画像データDdを記憶させる。このようにすれば、同時に画像を表示するべきページ数がバッファの数を超えてしまっても、制御部11は、ユーザが視認することを目的としたすべての画像を表示することができる。この構成において、制御部11は、画像データDcをバッファ13Cに記憶させる前であれば、その記憶自体を中止して、画像データDcを記憶させてもよい。
なお、制御部11は、最も先に画像を表示したページに代えて画像データを記憶させてもよく(ここでは、バッファ13A)、制御部11はどのページ(バッファ)に代えて画像データを記憶させてもよい。
【0034】
(C−3)変形例3
制御部11は、複数ページの画像を記憶性表示体15に表示する場合に、重複領域を小さくするよう画像の表示位置を変更してもよい。図10は、この変形例3において、表示装置10が実行するページ切り替えに係る動作を説明する図である。
例えば、制御部11は、図10(a)に示すようなレイアウトに従って各ページの画像を表示するものとする。ここでは、表示装置10が表示する画像は、電子書籍等のような文章を表す文字画像が含まれるものとする。図10において、「X」や「Y」は文字画像が配置される領域を表し、複数ページからなる各画像がこれと同じレイアウトで構成されている。
制御部11は、ユーザにより操作部16が操作されて次ページの画像を表示する指示を受け付けると、現ページの画像を表す画像データに基づいて、空白領域を特定する。換言すれば、制御部11は、現ページの画像を表示しているときに、表示領域Fのうち背景画像(白)を表示する表示素子を空白領域として特定する。この空白領域の特定に際して、画像データがPDF(Portable Document Format)形式や、各種のページ記述言語で記述されたものであれば、制御部11は、その記述内容を解析して空白領域を特定し、ビットマップ形式等の画像データであれば、その画像データを解析して各画素の階調値に基づいて空白領域を特定すればよく、要するに背景画像を表示する領域を特定すればよい。
【0035】
ここで、制御部11が、各行の文字列の間である、図10(b)に示す複数の行間領域Lを空白領域として特定する。制御部11は空白領域を特定すると、特定した空白領域の寸法や位置に基づいて次ページの画像の表示位置を特定する。例えば、制御部11は、現ページの画像と次ページの画像とが重なる重複領域の大きさが、次ページの画像の全体が表示領域Fに収まる範囲内で最小となるような表示位置を特定する。そして、制御部11は、特定した表示位置に次ページの画像の表示位置を変更して、その画像を表示するための黒書換処理を開始する。ここでは、制御部11は、図10(c)に示すように、次ページに含まれる文字画像が行間領域Lに配置されるよう次ページの画像の位置を変更する。このようにすれば、各ページで文字画像が配置される位置が大きく変化することがなくなるので、ユーザにとって表示内容を見やすくなる。制御部11が次ページの画像の表示位置を特定するに際して、重複領域の大きさが閾値以下となる表示位置のうち、次ページの画像の位置の変更量が最小となるような表示位置を特定してもよく、少なくとも重複領域が小さくなるように表示位置を変更すればよい。
このようにすれば、複数ページでレイアウト構成が同じである場合のように、画像の重なり領域が大きくなる場合であっても、制御部11は、各ページの画像の内容がユーザにとって見やすいように各ページの画像を表示することができる。なお、画像のレイアウトが決まっているような場合には、制御部11が画像データを解析することなく、決められたアルゴリズムに従って表示位置を順次変更する構成としてもよい。
【0036】
(C−4)変形例4
上述した実施形態では、表示装置10は黒書換処理及び白書換処理を同時に実行できないことを前提としていたが、黒書換処理及び白書換処理を同時に実行できるのであれば、これらの書換処理を同時に行ってもよい。このようにすれば、制御部11は、次ページの画像(第2の画像)を表示するための黒書換処理を実行しながら、現ページ以前の画像(第1の画像)を消去するための白書換処理を実行することもできる。この構成によると、現ページの画像の消去を完了する時刻を早めることができるし、視覚的な訴求効果も得ることができる。要は、表示装置が、次ページの画像(第2の画像)を表示するための書換処理を開始した後に、現ページの画像(第1の画像)を消去するための書換処理を施すようにすれば、実施形態と同等の作用効果を奏する。
上述した実施形態において、制御部11は、ページの切り替えを行うときに、定期的に示面Dの全体を黒色にする「黒表示」、表示領域Fの全体を白色にする「白表示」をリセット処理として行うことが好ましい。このリセット処理は、前ページ以前に表示された画像の内容を完全に消去するためのものであり、これにより着色顔料粒子BG,WGの位置が初期化され、残像等を発生を抑制することができる。
【0037】
(C−5)変形例5
上述した実施形態において、表示装置10は、バッファ13A〜13Cの3つを有していたが、それよりも多くの数のバッファを有してもよいし、少なくとも2以上のバッファを有していればよい。また、複数のバッファ13はそれぞれ別個のものであってもよいし、バッファ13の記憶領域が論理的に複数に分割されて、実施形態と同等の機能を実現するものであってもよい。
【0038】
(C−6)変形例6
本発明の表示装置は、複数ページからなる画像を表示するものに限らず、画像を表示する指示を受け付けると、その指示に応じて画像を切り替えて表示するものであればよい。なお、実施形態のページ送り操作やページ戻り操作は一例にすぎず、ページを切り替える操作であればよいのはもちろんである。
また、上述した実施形態では、記憶性表示体15は黒書換処理により画像を表示し、白書換処理により画像を消去していたが、これらの色が逆であってもよいし、白及び黒以外の色を用いて画像を表示してもよい。また、実施形態では、電気泳動方式で画像を表示する表示体を用いていたが、記憶性液晶による液晶層を有する表示体であってもよく、これ以外の駆動方式の表示素子によって表示領域が構成される表示体を用いてもよい。また、表示装置10は、さらに多色の画像を表示してもよい。
また、表示装置10が表示する画像(画)は、文字や記号、図形、線、点、写真画、絵画等のように、人間がその内容を認識し得るように背景画像とは異なる色で描かれた画像であれば、その内容はどのようなものであってもよい。
【0039】
(C−7)変形例7
上述した実施形態では、表示装置10は薄型で可搬性の高い電子ペーパーと呼ばれる表示装置であったが、実施形態で説明したような情報処理を行うことができればよく、PDAや、携帯電話機等の表示装置であってもよい。
【0040】
(C−8)変形例8
上述した実施形態において、制御部11が実行していた制御の一部が他のハードウェアとの協働により行われてもよいし、制御部11以外の1又は複数のハードウェアが行うようにしてもよい。また、制御部11がプログラムを実行して各制御を実行する場合、そのプログラムは、複数のプログラムの組み合わせによって実現されてもよく、そのプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスク(CD、DVD)など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録した状態で提供し得る。また、インターネット等の通信網経由でダウンロードさせることも可能である。
【符号の説明】
【0041】
10…表示装置、11…制御部、12…電源部、13,13A,13B,13C…バッファ、14…表示コントローラ、15…記憶性表示体、16…操作部、17…記憶部、18…バス。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ペーパーと呼ばれる可搬型の表示装置やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯型の表示装置等において、複数のページからなる画像を、ユーザのページ送り/ページ戻り操作に従ってページを切り替えながら表示する技術が知られている。例えば、特許文献1には、各ページの画像を最上位の行から順に表示していき、その表示の最中にページを切り替える操作が指示された場合には、そのページの表示を中止して次ページの画像を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−108722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
可搬型や携帯型の表示装置は、パーソナルコンピュータ等の固定型の情報処理装置に比べれば処理性能が劣ることが多く、ページの切り替えに要する時間が長くなって、これがユーザにとってストレスとなることがあった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、或る第1の画像を既に表示しているときに、それとは異なる第2の画像を表示するよう指示された場合に、新たに表示するよう指示された第2の画像の内容を迅速に利用者に提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明は、書換処理が施される期間に応じた色に書き換えられる複数の表示素子を有する表示手段と、前記表示手段に画像を表示する指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた前記指示に応じて、表示素子に前記書換処理を施して当該表示素子の色を書き換える書換手段であって、第1の画像が前記表示手段に表示されているときに、当該第1の画像とは異なる第2の画像を表示する指示を前記受付手段が受け付けた場合には、前記第2の画像を表示するための前記書換処理を開始した後に、前記第1の画像を消去するための前記書換処理を開始する書換手段とを備えることを特徴とする表示装置を提供する。これにより、或る第1の画像を既に表示しているときに、それとは異なる第2の画像を表示するよう指示された場合に、新たに表示するよう指示された第2の画像の内容を迅速に利用者に提示することができる。
【0006】
本発明の好ましい態様において、前記書換手段は、前記第2の画像を表示するための前記書換処理を開始して完了した後に、前記第1の画像を消去するための前記書換処理を開始する。これにより、第2の画像を表示するための書換処理と、第1の画像を消去するための書換処理とを同時に行うことができない場合であっても、新たに表示するよう指示された第2の画像の内容を迅速に利用者に提示することができる。
本発明の別の好ましい態様において、前記書換手段は、前記第1の画像を表示するための前記書換処理を実行している期間において、前記第2の画像を表示する指示を前記受付手段が受け付けた場合には、実行している当該書換処理を中止して、前記第2の画像を表示するための前記書換処理を施した後に、前記第1の画像を消去するための前記書換処理を施す。これにより、第1の画像を表示するための書換処理を施しているときに、第2の画像を表示するよう指示された場合に、新たに表示するよう指示された第2の画像の内容を迅速に利用者に提示することができる。
【0007】
また、本発明の別の好ましい態様において、前記書換手段は、前記表示手段に表示された複数の前記第1の画像を、表示された順序が先のものから順に消去する場合に、消去対象となる前記第1の画像がそれ以外の前記第1の画像と互いに重なるときには、その重なった領域に対応する表示素子を特定する特定手段を備え、前記消去対象となる前記第1の画像に対応する前記表示素子のうち、前記特定手段により特定された前記表示素子以外の表示素子に前記書換処理を施して、当該第1の画像を消去する。これにより、複数の第1の画像を消去する場合に、表示された順序が先の第1の画像から順にそれらを消去することができる。
また、本発明の別の好ましい態様において、前記書換手段は、前記第1の画像の表示位置と前記第2の画像の表示位置とが重なる場合に、その重なった領域に対応する表示素子を特定する特定手段を備え、前記第1の画像に対応する前記表示素子のうち、前記特定手段により特定された前記表示素子以外の表示素子に対して前記書換処理を施して、当該第1の画像を消去する。これにより、第1の画像の表示位置と前記第2の画像の表示位置とが重なった領域に対応する表示素子に書換処理を施さなくて済む。
また、本発明の別の好ましい態様において、前記書換手段は、前記第1の画像の表示位置と前記第2の画像の表示位置とが重なる領域が、前記第2の画像の全体が前記表示手段の表示領域に収まる範囲内で小さくなるように、当該第2の画像の表示位置を変更して表示する。これにより、第1の画像の内容及び第2の画像の内容を、利用者に認識しやすいようにして提示することができる。
【0008】
また、本発明の別の好ましい態様において、画像データを記憶する複数のバッファを備え、前記書換手段は、前記受付手段が複数の画像を表示する指示を受け付けた場合に、各々の当該画像を表す画像データをそれぞれ異なる前記バッファに記憶させ、各々の当該バッファから前記画像データを順次読み出して当該画像データに応じた前記書換処理を施し、表示するよう指示されたすべての画像を表す画像データを複数の前記バッファに記憶させることができない場合には、表示するよう指示された複数の画像を合成した合成画像を表す合成画像データを生成して前記バッファに記憶させる。これにより、表示するよう指示されたすべての画像を表す画像データをバッファに記憶させることができない場合であっても、表示が指示されたすべての画像を表示することができる。
【0009】
また、本発明は、書換処理が施される期間に応じた色の画像を表示する表示手段を有する表示装置を制御するコンピュータを、前記表示手段に画像を表示する指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた前記指示に応じて、表示素子に前記書換処理を施して当該表示素子の色を書き換える書換手段であって、第1の画像が前記表示手段に表示されているときに、当該第1の画像とは異なる第2の画像を表示する指示を前記受付手段が受け付けた場合には、前記第2の画像を表示するための前記書換処理を開始した後に、前記第1の画像を消去するための前記書換処理を開始する書換手段として機能させるためのプログラムを提供する。これにより、或る第1の画像を既に表示しているときに、それとは異なる第2の画像を表示するよう指示された場合に、新たに表示するよう指示された第2の画像の内容を迅速に利用者に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】表示装置の外観を示す図である。
【図2】表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】記憶性表示体の構造を模式的に示した図である。
【図4】動作例1の動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。
【図5】動作例2の動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。
【図6】動作例3の動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。
【図7】変形例1の動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。
【図8】変形例2の動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。
【図9】変形例2の動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。
【図10】変形例3の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(A)構成
図1は、表示装置10の外観を示す図である。表示装置10は、電子ペーパーなどと呼ばれる可搬型の表示装置である。同図に示すように、表示装置10の前面には、操作部16及び表示領域Fが設けられている。表示領域Fは矩形領域となるように構成され、表示装置10は、ユーザによる操作部16の操作に応じた画像を表示領域Fに表示する。
【0012】
図2は、表示装置10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、表示装置10が備える各構成は、バス18を介して接続されている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等を有しており、CPUがメモリに記憶されているプログラムを実行して表示装置10の各部を制御する。電源部12は、例えばNi−Cd系電池やリチウムイオン系電池などの充電可能な2次電池を備え、表示装置10の作動に要する電力を図示せぬ電力線を介して各部に供給する。バッファ13A,13B,13Cはそれぞれ、1ページ(1画面)分の画像を表す画像データを記憶する。なお、以下の説明においてバッファ13A〜13Cを区別する必要のないときは、これらを「バッファ13」と総称する。表示コントローラ14は、制御部11の制御の下、記憶性表示体15に駆動電圧を印加して(後述する「書換処理」を施して)、バッファ13に記憶されている画像データに応じた画像を表示させる。記憶性表示体15は、表示コントローラ14の制御に従って、電気泳動方式で画像を表示する表示手段である。
【0013】
操作部16は、図1に示すように、前ページへの切り替えを指示する操作を受け付けるページ戻りボタン16aと、次ページへの切り替えを指示する操作を受け付けるページ送りボタン16bとを有しており、ユーザによる操作を受け付けてその操作内容に応じて操作信号を制御部11に供給する。制御部11は、ユーザによる操作部16の操作に応じて、記憶性表示体15に画像を表示する指示を受け付ける受付手段である。記憶部17は、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶手段であり、画像データ等の表示の対象となる各種のデータを記憶する。
【0014】
図3は、記憶性表示体15の構造を模式的に示した図である。同図に示すように、記憶性表示体15は、第1基板151、電気泳動素子である複数の表示素子152,152,・・・、及び第2基板153を有する。第1基板151はガラス基板であり、その図中上方の表面側には画素電極PE,PE,・・・が配列されている。第1基板151に対向する第2基板153は、透明なガラス基板であり、その図中下方の裏面側には共通電極CEが設けられている。画素電極PE,PE,・・・と共通電極CEとの間に、複数の表示素子152,152,・・・が並べられている。表示素子152はマイクロカプセル化されており、内部にマイナス(−)に帯電した黒色顔料粒子BG及びプラス(+)に帯電した白色顔料粒子WGを分散させた液体として分散媒DMが封入されている。黒色顔料粒子BGおよび白色顔料粒子WGの位置は、表示コントローラ14が施す「書換処理」に応じて駆動電圧が印加されて、外部から与えられる電界により規定される。表示素子152に黒を表示させるときには、表示コントローラ14は、裏面側から表面側(表示領域F側)へと向かう電界を与えるように書換処理(以下、「黒書換処理」という。)を施し、白を表示しようとするときには、表示コントローラ14は、表面側から裏面側へと向かう電界を与えるように書換処理(以下、「白書換処理」という。)を施す。
【0015】
表示素子152の表示する色が書換処理により書き換えられるときには、書き換え前の色から書き換え後の色へと徐々に遷移する。よって、書換処理が施される期間が十分に長い場合には、黒色顔料粒子BG及び白色顔料粒子WGの移動が完了した状態となるため、表示素子は黒又は白を表示する。一方で、書換処理が施される期間が十分でない場合には、黒色顔料粒子BGと白色顔料粒子WGとが移動して白黒が切り替わる途中の状態となり、表示素子152は、黒よりも明度の高いグレーのような色を表示する。ここでは、表示コントローラ14は、100msの書換処理を複数回(例えば、3回)行うものとし、これら複数回の書換処理が完了すると、表示領域Fへの画像の表示が完了する。また、黒色顔料粒子BG及び白色顔料粒子WGの位置は、電圧の印加がなくてもその状態が維持される。これを、表示の記憶性という。つまり、記憶性表示体15は、画像を表示した後は、電圧が印加されなくても表示した画像を保持する。このように、記憶性表示体15は、書換処理が施される期間に応じた色に書き換えられる複数の表示素子152,152,・・・を有する。
【0016】
制御部11は、記憶性表示体15に画像を表示する指示を受け付けた場合には、その指示に応じた画像を表す画像データをバッファ13に記憶させてその内容を更新し、バッファ13から画像データを読み出して画像データに応じた書換処理を施して、記憶性表示体15に画像を表示する。複数の画像の表示指示を受け付けた場合には、制御部11は、各画像を表す画像データを、それぞれ異なるバッファ13に記憶させる。表示装置10が表示する画像は、人間がその内容を認識し得るように背景画像とは異なる色で表示され、ここでは、背景画像が「白」で表示され、各ページの内容を表す画像(すなわち、「画」(え))が「黒」で表示されるものとする。表示装置10は、記憶性表示体15に画像を表示するときには黒書換処理を施し、記憶性表示体15に表示された画像を消去するときには白書換処理を施す。
また、一般的な電子ペーパーと同等の装置構成(ハードウェア構成)を有する表示装置10は、書換処理時に生じさせる画素電極PE−共通電極CE間の電位差と、画素電極PEの耐圧との関係を理由として、或る表示素子に黒書換処理を実行している期間には、その他の表示素子に白書換処理を実行することができない。つまり、表示コントローラ14は、黒書換処理及び白書換処理を同時に(並列的に)実行することができない。以下の説明では、特に断りのない限り、表示装置10にはこのような前提が存在するものとする。
【0017】
(B)動作
次に、表示装置10が複数のページからなる画像データに基づいて、各ページを切り替えながら画像を表示するときに実行する動作について、図を参照しつつ説明する。後述する説明で用いる図4〜6は、ページの切り替えに係る動作の時系列的な遷移の様子を説明する図であり、図中左側から右側に向かう矢印方向に時刻tが遷移する。また、これら各図の上段に示す記憶性表示体15の表示内容を説明する図において、外側の矩形は表示領域Fの範囲を表し、その内部に描かれる各画像(図形画像)が各ページの画像を表す。また、線画の内部がハッチングがなされているものは、書換処理が完了した後に表示される画像であり、ハッチングがなされていないものは、書換処理の途中段階で表示される画像である。また、図4〜6の中段及び下段に示すバッファ13A〜13Cに記憶される画像データを表す図は、その画像データに基づいて表示される画像と、表示領域Fにおける表示位置とに対応している。
【0018】
(B−1)動作例1
まず、表示装置10が、第1ページの画像として「画像A」(第1の画像)を表示し、その表示を完了した後に、第2ページの画像として「画像B」(第2の画像)の表示がユーザにより指示されたときに実行する動作について、図4を参照しつつ説明する。
時刻t=t1にユーザによりページ送りボタン16bのページ送り操作が行われ、制御部11が画像Aの表示の指示を受け付けると、画像Aを表示するための画像データDaを記憶部17から読み出す。制御部11は、読み出した画像データDaをバッファ13Aに記憶させる。次に、制御部11は、バッファ13Aに記憶された画像データDaに応じた画像Aを記憶性表示体15に表示させるよう、表示コントローラ14を制御する。このとき、表示コントローラ14は、バッファ13Aに記憶された画像データDaに基づいて、画像Aに対応する表示素子152に黒書換処理を施す。この黒書換処理は、図4に示す時刻t=t2よりも前の時刻に完了して、画像Aの表示が完了する。
【0019】
記憶性表示体15の画像Aの表示が完了して、時刻t=t2にユーザによりページ送りボタン16bのページ送り操作が行われ、制御部11が画像Bを表示する指示を受け付けると、制御部11は記憶部17から画像Bを表示するための画像データDbを読み出す。制御部11は、読み出した画像データDbをバッファ13Bに記憶させる。なお、制御部11は、バッファ13Aに画像データDaを記憶させたままにし、記憶性表示体15への画像Aの表示を維持する。そして、制御部11は、バッファ13Bに記憶された画像データDbに応じた画像Bを記憶性表示体15に表示させるよう、表示コントローラ14を制御する。このとき、表示コントローラ14は、画像Bに対応する表示素子152に黒書換処理を施す。この書換処理により、時刻t=t3に、画像Aと画像Bの一部が重なり合うようにして2ページ分の画像A,Bの表示が完了する。
【0020】
時刻t=t3に画像Bを表示するための書換処理が完了すると、次に、制御部11は、記憶性表示体15に表示された画像Bの表示を維持したまま、画像Aを消去するための制御を開始する。まず、制御部11は、画像Aの表示位置と画像Bの表示位置とが重なる領域(以下、「重複領域」という。)Rabを特定する。そして、制御部11は、画像Aに対応する表示素子のうち、重複領域Rabに対応する表示素子以外の表示素子に対して白書換処理を施すよう、画像データD(a−b)をバッファ13Aに記憶させる。そして、制御部11は、表示コントローラ14によって、バッファ13Aに記憶された画像データD(a−b)に基づいて白書換処理を施す。これにより、時刻t=t3以降は、画像Bの表示が維持されたまま、画像Aに対応する表示素子が黒から白へと書き換えられる。そして、時刻t=t4に白書換処理が完了して、画像Aの消去が完了する。画像Aの消去が完了すると、制御部11は、バッファ13Aから画像データD(a−b)を消去し、次の画像の表示に備える。このように、制御部11は、ページを切り替えて画像を表示するときには、まず次ページの画像(第2の画像)を表示するための書換処理を開始してこれが完了してから、現ページの画像(第1の画像)を消去するための書き換え処理を開始する。これにより、前ページの画像を消去する書換処理を後回しにする分だけ、次ページの画像の内容が迅速に利用者に提示される。
【0021】
(B−2)動作例2
次に、表示装置10が、第1ページの画像Aを表示するための書換処理を実行している期間に、第2ページの画像Bの表示がユーザにより指示されたときに実行する動作について、図5を参照しつつ説明する。
制御部11は、時刻t=t11にユーザによりページ送りボタン16bのページ送り操作が行われ、画像Aを表示する指示を受け付けると、記憶部17から画像データDaを読み出してバッファ13Aに記憶させる。そして、制御部11は、表示コントローラ14を制御して、記憶性表示体15に画像Aを表示させるための黒書換処理を施す。ここで、画像Aを表示するための書換処理を実行している期間である時刻t=t12に、ユーザによりページ送りボタン16bのページ送り操作が行われ、制御部11が画像Bを表示する指示を受け付けたとする。この場合、制御部11は、実行中の画像Aを表示するための黒書換処理を中止するよう、表示コントローラ14を制御する。上述したように、表示コントローラ14は、複数回の書換処理を行って画像を表示するから、制御部11は、画像Aを表示するための後続する書換処理を行わないよう表示コントローラ14を制御する。そして、制御部11は、記憶部17から画像Bを表す画像データDbを読み出してバッファ13Bに記憶させ、表示コントローラ14により、記憶性表示体15に画像Bを表示させるための黒書換処理を行う。
【0022】
時刻t=t13に画像Bを表示するための黒書換処理を完了すると、制御部11は、動作例1と同じようにして、画像Aの表示位置と画像Bの表示位置とが重なる重複領域Rabを特定して、画像Aに対応する表示素子のうち、重複領域Rabに対応する表示素子以外の表示素子に対して白書換処理を施すよう、バッファ13A及び表示コントローラ14を制御する。時刻t=t14に画像Aを消去するための白書換処理が完了すると、制御部11は、バッファ13Aから画像データD(a−b)を消去する。
このように、表示装置10が現ページの画像(第1の画像)を表示するための書換処理を実行している期間であって、書換処理の完了していない画像Aが表示されている期間に、ユーザにより次ページに切り替える操作が行われた場合、実行中の書換処理を中止して、次ページの画像(第2の画像)を表示するための書換処理を開始する。これにより、表示装置10は、実行中の書換処理を最後まで行う場合と比べて、次ページの画像の内容を迅速にユーザに提示することができる。
【0023】
(B−3)動作例3
次に、表示装置10が、3ページ分の画像を記憶性表示体15に表示するときに実行する動作について、図6を参照しつつ説明する。
ここで、時刻t=t21に第1ページの「画像A」の表示が指示され、その表示が完了した後の時刻t=t22に第2ページの「画像B」の表示が指示され、制御部11が画像Bを表示するための書換処理を実行している期間である時刻t=t23に第3ページの「画像C」の表示が指示されると、制御部11は、図6に示すような手順でバッファ13A〜13Cの内容を更新しつつ表示コントローラ14を制御して、記憶性表示体15に画像を表示する。制御部11が画像A〜Cを表示するときに実行する制御の内容は、上述した動作例1,2と同じであるから、その詳細な説明を省略する。時刻t=t24に画像Cを表示するための黒書換処理が完了すると、制御部11は、現ページの画像Cの表示を維持したまま、前々ページの画像A、及び前ページの画像Bを消去するための制御を開始する。
【0024】
まず、制御部11は、画像Aに対応する表示素子のうち、画像Cとの重複領域Racに対応する表示素子以外の表示素子に対して白書換処理を施すよう、画像データをバッファ13Aに記憶させる。ここで重複領域Racを除くようにしているのは、制御部11が画像Aを消去するための白書換処理を施すときに、画像Cの表示を維持するためである。ここでは画像Aと画像Cとは互いに重なっていないから、制御部11は画像データDaをバッファ13Aに記憶させる。次に、制御部11は、画像Bに対応する表示素子のうち、画像Aとの重複領域Rab、及び画像Cとの重複領域Rbcに対応する表示素子以外の表示素子に対して白書換処理を施すよう、画像データD(b−a−c)をバッファ13Bに記憶させる。ここでも、画像Cの表示を維持するために、制御部11は重複領域Rbcを除いている。また、バッファ13Aに記憶された画像データDaに基づいて重複領域Rabに対応する表示素子に白書換処理が施されるから、制御部11は重複領域Rabを除くようにしている。
【0025】
次に、制御部11は、バッファ13Aに記憶された画像データDa、及びバッファ13Bに記憶されたD(b−a−c)に基づいて白書換処理を施す。これにより、時刻t=t24以降では、画像Cが残ったまま、画像A、及び画像Bに対応する表示素子が黒から白へと書き換えられる。画像Aに対応する表示素子には、その表示が完了した状態で白書換処理が開始され、画像Bに対応する表示素子には、その表示のための黒書換処理の途中で白書換処理が開始されたから、時刻t=t25ではまず画像Bの消去が完了する。画像Bの消去が完了すると、制御部11はバッファ13Bから画像データD(b−a−c)を消去し、バッファ13Aの画像データDaに基づいて白書換処理を継続する。そして、時刻t=t26に画像Aの消去が完了すると、制御部11は、バッファ13Aから画像データDaを消去する。
このように、3ページ分の画像が記憶性表示体15に表示される場合には、制御部11は、最後に表示が指示された画像(第2の画像)を表示するための黒書換処理を施して、この黒書換処理が完了すると、それよりも先に表示した前ページ以前に対応する複数の画像(複数の第1の画像)を消去するための白書換処理を開始する。
【0026】
以上説明したように、表示装置10はページを切り替えて画像を表示するときには、現ページの画像の表示を維持したまま、次ページの画像を表示するための書換処理を開始する。すなわち、制御部11は、第1の画像が記憶性表示体15に表示されている場合に、第1の画像と異なる第2の画像を表示する指示を受け付けたときには、第2の画像を表示するための書換処理を開始した後に、第1の画像を消去するための書換処理を開始する。これにより、第1の画像を消去する書換処理を後回しにする分だけ、第2の画像が迅速にユーザに提示される。特に、第2の画像を表示するための書換処理と、第1の画像を消去するための書換処理とを同時に行うことができない表示装置であっても、第1の画像を表示したままで第2の画像を表示して、その内容を迅速に利用者に提示する。
【0027】
(C)変形例
なお、上記実施形態を次のように変形してもよい。具体的には、例えば以下のような変形が挙げられる。これらの変形は、各々を適宜に組み合わせることも可能である。
(C−1)変形例1
上述した実施形態の動作例3では、画像Cを表示するための黒書換処理を開始してこれが完了すると、制御部11は、その前々ページの画像A、及び前ページの画像Bを消去するための白書換処理を同時に開始していた。この構成に代えて、制御部11は、記憶性表示体15に表示された順序が先のものから順に各ページの画像(複数の第1の画像)を消去するようにしてもよい。
【0028】
図7は、この変形例1のページ切り替えに係る動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。制御部11が「画像A」、「画像B」及び「画像C」を表示するときの動作は動作例3と同じであるから、その説明を省略する。時刻t=t24に画像Cの表示が完了すると、制御部11は画像A及び画像Bを消去対象として、これらを消去するための制御を開始する。
【0029】
制御部11は、消去対象となる画像Aに対応する表示素子のうち、画像Bとの重複領域Rabに対応する表示素子、及び画像Cとの重複領域Racに対応する表示素子以外の表示素子に対して白書換処理を施すよう、画像データD(a−b−c)をバッファ13Aに記憶させる。なお、ここでは、画像Aと画像Bとは重なり合っているが、画像Aと画像Cとは重なり合っていない。ここで、重複領域Rac及び重複領域Rabに対応する表示素子を除くようにしているのは、画像Aに対応する表示素子のみに対して白書換処理が施されるようにするためである。そして、制御部11は、バッファ13Aに記憶された画像データD(a−b−c)に基づいて、画像Aを消去するための白書換処理を開始する。時刻t=t25に画像Aを消去するための白書換処理が完了すると、制御部11はバッファ13Aから画像データD(a−b−c)を消去する。
【0030】
続いて、制御部11は、消去対象となる画像Bに対応する表示素子のうち、画像Cとの重複領域Rbcに対応する表示素子以外の表示素子に対して白書換処理を施すよう、画像データD(b−c)をバッファ13Bに記憶させる。ここで重複領域Rbcを除いているのは、画像Bを表示する表示素子のみに対して白書換処理が施されるようにするためである。そして、制御部11は、バッファ13Bに記憶された画像データD(b−c)に基づいて、画像Bを消去するための白書換処理を開始する。これにより、時刻t=t25以降では、画像Cの表示が維持されたまま、画像Bが徐々に消去されていき、時刻t=t26に画像Bの消去が完了する。このようにすれば、表示順序が先のものから順に画像が消去されることとなり、視覚的な訴求効果も得られる。
なお、記憶性表示体15に表示された順序が先のものから順に各ページの画像を消去することができれば、制御部11は上述した以外の処理の態様を採ってもよい。
【0031】
(C−2)変形例2
上述した実施形態では、制御部11が3ページ分の画像を表すそれぞれの画像データを、バッファ13A〜13Cのそれぞれ異なるものに記憶させていたが、ユーザによるページ送り/戻り操作が高速に行われた場合等には、制御部11が、4ページ分以上の画像を記憶性表示体15に表示する必要が生じることがある。すなわち、バッファの数が、表示装置10に画像を表示するページ数を超えることがある。この場合に、表示装置10は以下に説明する制御を行うようにしてもよい。
【0032】
(C−2−1)複数ページの画像を合成する。
図8は、表示装置10が実行するページ切り替えに係る動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。
例えば、制御部11が画像Aを表す画像データDaをバッファ13Aに記憶させ、画像Bを表す画像データDbをバッファ13Bに記憶させ、画像Cを表す画像データDcをバッファ13Cに記憶させ、これらの各画像データがそれぞれバッファ13に記憶されているときに、画像Dを表示するためのページ送り操作が行われたとする。この場合、制御部11は、最後にバッファ13に画像データを記憶させた画像Cと、最後に表示の指示を受け付けた画像Dとを合成した合成画像を表す合成画像データDcdを生成する。そして、制御部11は、画像Cを表す画像データDcに代えて、合成画像データDcdをバッファ13Cに記憶させる。以降、制御部11は、上述した実施形態の動作例3と同じ手順で、ページの切り替えに係る制御を行う。このようにして、制御部11は、表示するよう指示を受け付けたすべての画像を表す画像データをバッファ13に記憶させることができない場合には、複数ページの画像を合成した合成画像を表す合成画像データを生成して、これをバッファ13に記憶させる。このようにすれば、同時に画像を表示するべきページ数がバッファの数を超えてしまっても、制御部11は、表示するよう指示を受け付けたすべての画像を表示することができる。
なお、この構成において、制御部11は、画像Dと画像Aとを合成してもよいし、画像Dと画像Bとを合成してもよく、先に表示の指示を受け付けたいずれかの画像を特定して、特定した画像と最後に表示の指示を受け付けた画像とを合成して合成画像データを生成すればよい。また、さらに多数のページの画像を表示することを要した場合には、制御部11は、3ページ分以上の画像を合成して合成画像データを生成してもよい。
【0033】
(C−2−2)特定のページを表示しない。
図9は、表示装置10が実行するページ切り替えに係る動作の時系列的な遷移の様子を説明する図である。
ページ送り/戻り操作が高速に行われる場合、その操作が行われている最中のページの画像は、ユーザが見ることを目的としていないページと捉えることができる。例えば、制御部11が画像Aを表す画像データDaをバッファ13Aに記憶させ、画像Bを表す画像データDbをバッファ13Bに記憶させた後に、画像C及び画像Dを表示するためのページ送り操作が連続して行われたとする。この場合、ユーザが画像Cを見ることを目的としていないと言える。そこで、制御部11が画像Cを表す画像データをバッファ13Cに記憶させた後に、続けて画像Dを表示する指示を受け付けると、バッファ13Cには、画像データDcを消去して、画像Dを表す画像データDdを記憶させる。このようにすれば、同時に画像を表示するべきページ数がバッファの数を超えてしまっても、制御部11は、ユーザが視認することを目的としたすべての画像を表示することができる。この構成において、制御部11は、画像データDcをバッファ13Cに記憶させる前であれば、その記憶自体を中止して、画像データDcを記憶させてもよい。
なお、制御部11は、最も先に画像を表示したページに代えて画像データを記憶させてもよく(ここでは、バッファ13A)、制御部11はどのページ(バッファ)に代えて画像データを記憶させてもよい。
【0034】
(C−3)変形例3
制御部11は、複数ページの画像を記憶性表示体15に表示する場合に、重複領域を小さくするよう画像の表示位置を変更してもよい。図10は、この変形例3において、表示装置10が実行するページ切り替えに係る動作を説明する図である。
例えば、制御部11は、図10(a)に示すようなレイアウトに従って各ページの画像を表示するものとする。ここでは、表示装置10が表示する画像は、電子書籍等のような文章を表す文字画像が含まれるものとする。図10において、「X」や「Y」は文字画像が配置される領域を表し、複数ページからなる各画像がこれと同じレイアウトで構成されている。
制御部11は、ユーザにより操作部16が操作されて次ページの画像を表示する指示を受け付けると、現ページの画像を表す画像データに基づいて、空白領域を特定する。換言すれば、制御部11は、現ページの画像を表示しているときに、表示領域Fのうち背景画像(白)を表示する表示素子を空白領域として特定する。この空白領域の特定に際して、画像データがPDF(Portable Document Format)形式や、各種のページ記述言語で記述されたものであれば、制御部11は、その記述内容を解析して空白領域を特定し、ビットマップ形式等の画像データであれば、その画像データを解析して各画素の階調値に基づいて空白領域を特定すればよく、要するに背景画像を表示する領域を特定すればよい。
【0035】
ここで、制御部11が、各行の文字列の間である、図10(b)に示す複数の行間領域Lを空白領域として特定する。制御部11は空白領域を特定すると、特定した空白領域の寸法や位置に基づいて次ページの画像の表示位置を特定する。例えば、制御部11は、現ページの画像と次ページの画像とが重なる重複領域の大きさが、次ページの画像の全体が表示領域Fに収まる範囲内で最小となるような表示位置を特定する。そして、制御部11は、特定した表示位置に次ページの画像の表示位置を変更して、その画像を表示するための黒書換処理を開始する。ここでは、制御部11は、図10(c)に示すように、次ページに含まれる文字画像が行間領域Lに配置されるよう次ページの画像の位置を変更する。このようにすれば、各ページで文字画像が配置される位置が大きく変化することがなくなるので、ユーザにとって表示内容を見やすくなる。制御部11が次ページの画像の表示位置を特定するに際して、重複領域の大きさが閾値以下となる表示位置のうち、次ページの画像の位置の変更量が最小となるような表示位置を特定してもよく、少なくとも重複領域が小さくなるように表示位置を変更すればよい。
このようにすれば、複数ページでレイアウト構成が同じである場合のように、画像の重なり領域が大きくなる場合であっても、制御部11は、各ページの画像の内容がユーザにとって見やすいように各ページの画像を表示することができる。なお、画像のレイアウトが決まっているような場合には、制御部11が画像データを解析することなく、決められたアルゴリズムに従って表示位置を順次変更する構成としてもよい。
【0036】
(C−4)変形例4
上述した実施形態では、表示装置10は黒書換処理及び白書換処理を同時に実行できないことを前提としていたが、黒書換処理及び白書換処理を同時に実行できるのであれば、これらの書換処理を同時に行ってもよい。このようにすれば、制御部11は、次ページの画像(第2の画像)を表示するための黒書換処理を実行しながら、現ページ以前の画像(第1の画像)を消去するための白書換処理を実行することもできる。この構成によると、現ページの画像の消去を完了する時刻を早めることができるし、視覚的な訴求効果も得ることができる。要は、表示装置が、次ページの画像(第2の画像)を表示するための書換処理を開始した後に、現ページの画像(第1の画像)を消去するための書換処理を施すようにすれば、実施形態と同等の作用効果を奏する。
上述した実施形態において、制御部11は、ページの切り替えを行うときに、定期的に示面Dの全体を黒色にする「黒表示」、表示領域Fの全体を白色にする「白表示」をリセット処理として行うことが好ましい。このリセット処理は、前ページ以前に表示された画像の内容を完全に消去するためのものであり、これにより着色顔料粒子BG,WGの位置が初期化され、残像等を発生を抑制することができる。
【0037】
(C−5)変形例5
上述した実施形態において、表示装置10は、バッファ13A〜13Cの3つを有していたが、それよりも多くの数のバッファを有してもよいし、少なくとも2以上のバッファを有していればよい。また、複数のバッファ13はそれぞれ別個のものであってもよいし、バッファ13の記憶領域が論理的に複数に分割されて、実施形態と同等の機能を実現するものであってもよい。
【0038】
(C−6)変形例6
本発明の表示装置は、複数ページからなる画像を表示するものに限らず、画像を表示する指示を受け付けると、その指示に応じて画像を切り替えて表示するものであればよい。なお、実施形態のページ送り操作やページ戻り操作は一例にすぎず、ページを切り替える操作であればよいのはもちろんである。
また、上述した実施形態では、記憶性表示体15は黒書換処理により画像を表示し、白書換処理により画像を消去していたが、これらの色が逆であってもよいし、白及び黒以外の色を用いて画像を表示してもよい。また、実施形態では、電気泳動方式で画像を表示する表示体を用いていたが、記憶性液晶による液晶層を有する表示体であってもよく、これ以外の駆動方式の表示素子によって表示領域が構成される表示体を用いてもよい。また、表示装置10は、さらに多色の画像を表示してもよい。
また、表示装置10が表示する画像(画)は、文字や記号、図形、線、点、写真画、絵画等のように、人間がその内容を認識し得るように背景画像とは異なる色で描かれた画像であれば、その内容はどのようなものであってもよい。
【0039】
(C−7)変形例7
上述した実施形態では、表示装置10は薄型で可搬性の高い電子ペーパーと呼ばれる表示装置であったが、実施形態で説明したような情報処理を行うことができればよく、PDAや、携帯電話機等の表示装置であってもよい。
【0040】
(C−8)変形例8
上述した実施形態において、制御部11が実行していた制御の一部が他のハードウェアとの協働により行われてもよいし、制御部11以外の1又は複数のハードウェアが行うようにしてもよい。また、制御部11がプログラムを実行して各制御を実行する場合、そのプログラムは、複数のプログラムの組み合わせによって実現されてもよく、そのプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスク(CD、DVD)など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録した状態で提供し得る。また、インターネット等の通信網経由でダウンロードさせることも可能である。
【符号の説明】
【0041】
10…表示装置、11…制御部、12…電源部、13,13A,13B,13C…バッファ、14…表示コントローラ、15…記憶性表示体、16…操作部、17…記憶部、18…バス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
書換処理が施される期間に応じた色に書き換えられる複数の表示素子を有する表示手段と、
前記表示手段に画像を表示する指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記指示に応じて、表示素子に前記書換処理を施して当該表示素子の色を書き換える書換手段であって、第1の画像が前記表示手段に表示されているときに、当該第1の画像とは異なる第2の画像を表示する指示を前記受付手段が受け付けた場合には、前記第2の画像を表示するための前記書換処理を開始した後に、前記第1の画像を消去するための前記書換処理を開始する書換手段と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記書換手段は、前記第2の画像を表示するための前記書換処理を開始して完了した後に、前記第1の画像を消去するための前記書換処理を開始することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記書換手段は、前記第1の画像を表示するための前記書換処理を実行している期間において、前記第2の画像を表示する指示を前記受付手段が受け付けた場合には、実行している当該書換処理を中止して、前記第2の画像を表示するための前記書換処理を施した後に、前記第1の画像を消去するための前記書換処理を施すことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記書換手段は、
前記表示手段に表示された複数の前記第1の画像を、表示された順序が先のものから順に消去する場合に、消去対象となる前記第1の画像がそれ以外の前記第1の画像と互いに重なるときには、その重なった領域に対応する表示素子を特定する特定手段を備え、
前記消去対象となる前記第1の画像に対応する前記表示素子のうち、前記特定手段により特定された前記表示素子以外の表示素子に前記書換処理を施して、当該第1の画像を消去することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記書換手段は、前記第1の画像の表示位置と前記第2の画像の表示位置とが重なる場合に、その重なった領域に対応する表示素子を特定する特定手段を備え、
前記第1の画像に対応する前記表示素子のうち、前記特定手段により特定された前記表示素子以外の表示素子に対して前記書換処理を施して、当該第1の画像を消去する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記書換手段は、前記第1の画像の表示位置と前記第2の画像の表示位置とが重なる領域が、前記第2の画像の全体が前記表示手段の表示領域に収まる範囲内で小さくなるように、当該第2の画像の表示位置を変更して表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
画像データを記憶する複数のバッファを備え、
前記書換手段は、前記受付手段が複数の画像を表示する指示を受け付けた場合に、各々の当該画像を表す画像データをそれぞれ異なる前記バッファに記憶させ、各々の当該バッファから前記画像データを順次読み出して当該画像データに応じた前記書換処理を施し、
表示するよう指示されたすべての画像を表す画像データを複数の前記バッファに記憶させることができない場合には、表示するよう指示された複数の画像を合成した合成画像を表す合成画像データを生成して前記バッファに記憶させる
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
書換処理が施される期間に応じた色の画像を表示する表示手段を有する表示装置を制御するコンピュータを、
前記表示手段に画像を表示する指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記指示に応じて、表示素子に前記書換処理を施して当該表示素子の色を書き換える書換手段であって、第1の画像が前記表示手段に表示されているときに、当該第1の画像とは異なる第2の画像を表示する指示を前記受付手段が受け付けた場合には、前記第2の画像を表示するための前記書換処理を開始した後に、前記第1の画像を消去するための前記書換処理を開始する書換手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
書換処理が施される期間に応じた色に書き換えられる複数の表示素子を有する表示手段と、
前記表示手段に画像を表示する指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記指示に応じて、表示素子に前記書換処理を施して当該表示素子の色を書き換える書換手段であって、第1の画像が前記表示手段に表示されているときに、当該第1の画像とは異なる第2の画像を表示する指示を前記受付手段が受け付けた場合には、前記第2の画像を表示するための前記書換処理を開始した後に、前記第1の画像を消去するための前記書換処理を開始する書換手段と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記書換手段は、前記第2の画像を表示するための前記書換処理を開始して完了した後に、前記第1の画像を消去するための前記書換処理を開始することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記書換手段は、前記第1の画像を表示するための前記書換処理を実行している期間において、前記第2の画像を表示する指示を前記受付手段が受け付けた場合には、実行している当該書換処理を中止して、前記第2の画像を表示するための前記書換処理を施した後に、前記第1の画像を消去するための前記書換処理を施すことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記書換手段は、
前記表示手段に表示された複数の前記第1の画像を、表示された順序が先のものから順に消去する場合に、消去対象となる前記第1の画像がそれ以外の前記第1の画像と互いに重なるときには、その重なった領域に対応する表示素子を特定する特定手段を備え、
前記消去対象となる前記第1の画像に対応する前記表示素子のうち、前記特定手段により特定された前記表示素子以外の表示素子に前記書換処理を施して、当該第1の画像を消去することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記書換手段は、前記第1の画像の表示位置と前記第2の画像の表示位置とが重なる場合に、その重なった領域に対応する表示素子を特定する特定手段を備え、
前記第1の画像に対応する前記表示素子のうち、前記特定手段により特定された前記表示素子以外の表示素子に対して前記書換処理を施して、当該第1の画像を消去する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記書換手段は、前記第1の画像の表示位置と前記第2の画像の表示位置とが重なる領域が、前記第2の画像の全体が前記表示手段の表示領域に収まる範囲内で小さくなるように、当該第2の画像の表示位置を変更して表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
画像データを記憶する複数のバッファを備え、
前記書換手段は、前記受付手段が複数の画像を表示する指示を受け付けた場合に、各々の当該画像を表す画像データをそれぞれ異なる前記バッファに記憶させ、各々の当該バッファから前記画像データを順次読み出して当該画像データに応じた前記書換処理を施し、
表示するよう指示されたすべての画像を表す画像データを複数の前記バッファに記憶させることができない場合には、表示するよう指示された複数の画像を合成した合成画像を表す合成画像データを生成して前記バッファに記憶させる
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
書換処理が施される期間に応じた色の画像を表示する表示手段を有する表示装置を制御するコンピュータを、
前記表示手段に画像を表示する指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記指示に応じて、表示素子に前記書換処理を施して当該表示素子の色を書き換える書換手段であって、第1の画像が前記表示手段に表示されているときに、当該第1の画像とは異なる第2の画像を表示する指示を前記受付手段が受け付けた場合には、前記第2の画像を表示するための前記書換処理を開始した後に、前記第1の画像を消去するための前記書換処理を開始する書換手段
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−185972(P2010−185972A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28954(P2009−28954)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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