説明

表示装置及び電子機器

【課題】画像表示の最小単位となるサブ画素をより密に配置して、画素の高開口率化や表示の高精細化を図ることができる有機EL表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の有機EL表示装置では、有機EL素子と、この有機EL素子を画素回路に電気的に接続するためのコンタクト部20とを含む複数のサブ画素15を素子形成用基板3上に行列状に並べて配置するとともに、サブ画素15の並び方向となる行方向及び列方向のうち、行方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置を、行方向で反転した状態に配置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び電子機器に関し、特に電気光学素子を含む画素が行列状(マトリクス状)に配置されてなる平面型(フラットパネル型)の表示装置とこれを有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像の表示を行なう表示装置の分野では、発光素子を含む画素を行列状に配置した平面型の表示装置が急速に普及している。平面型の表示装置としては、画素の発光素子として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化するいわゆる電流駆動型の電気光学素子、例えば有機薄膜に電界をかけると発光する現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)素子を用いた有機EL表示装置が開発され、商品化が進められている。
【0003】
有機EL表示装置は次のような特長を持っている。すなわち、有機EL素子が10V以下の印加電圧で駆動できるために低消費電力であり、また自発光素子であることから、液晶セルを含む画素ごとに当該液晶セルにて光源(バックライト)からの光強度を制御することによって画像を表示する液晶表示装置に比べて、画像の視認性が高く、しかも液晶表示装置には必須なバックライト等の照明部材を必要としないために軽量化や薄型化が容易である。さらに、有機EL素子の応答速度が数μsec程度と非常に高速であるため、動画を表示するときに残像が発生しない。
【0004】
有機EL表示装置では、液晶表示装置と同様、その駆動方式として単純(パッシブ)マトリクス方式とアクティブマトリクス方式を採ることができる。ただし、単純マトリクス方式の表示装置は、構造が簡単であるものの、電気光学素子の発光期間が走査線の増加によって減少するために、大型でかつ高精細な表示装置の実現が難しいなどの問題がある。
【0005】
そのため現在では、電気光学素子に流れる電流を、当該電気光学素子に対応する画素回路内に設けた能動素子、例えば絶縁ゲート型の電界効果トランジスタ(一般には、TFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ))によって制御するアクティブマトリクス方式の表示装置が主流になっている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。アクティブマトリクス方式の表示装置は、電気光学素子が1フレームの期間にわたって発光を持続するために、大型でかつ高精細な表示装置の実現が容易である。
【0006】
一般に、有機EL表示装置に用いられる有機EL素子は、有機材料からなる有機層をカソード電極とアノード電極でサンドイッチ状に挟み込んだ構造になっている。そして、有機EL素子を発光させる場合は、アノード電極に正の電圧、カソード電極に負の電圧をそれぞれ印加する。これにより、有機層に対して、アノード電極側から正孔が注入されるとともに、カソード電極側から電子が注入され、それらが有機層の内部(発光層)で再結合することにより発光する仕組みになっている。
【0007】
有機EL表示装置で画像表示の最小単位となる画素(以下、「サブ画素」と記す)は、光の三原色であるR(赤),G(緑),B(青)の色ごとに区分して設けられる。各々のサブ画素(サブピクセル)は、電気光学素子となる有機EL素子と、この有機EL素子を画素回路に電気的に接続するためのコンタクト部とを含む。画素回路とは、電気光学素子(有機EL素子)に流れる電流を制御するための回路である。通常、画素回路はサブ画素と1:1の対応関係で設けられる。
【0008】
図20は従来の有機EL表示装置における画素のレイアウトを示す概略平面図である。有機EL素子を形成するための基板(以下、「素子形成用基板」と記す)51には、透明絶縁基板として、透明なガラス基板が用いられる。素子形成用基板51上には矩形の枠状に補助電極52が形成されており、この補助電極52に囲まれた領域(以下、「画素領域」と記す)内に複数のサブ画素53が行列状に並べて配置されている。各々のサブ画素53にはコンタクト部54が設けられている。コンタクト部54は、上述のように有機層を挟むカソード電極及びアノード電極のうち、サブ画素53ごとに区画形成される電極(以下、「画素電極」と記す)を、図示しない画素回路に電気的に接続するために設けられるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−195008号公報
【特許文献2】特開2004−207217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
一般に、有機EL表示装置における画素の開口率は単位面積あたりに占めるサブ画素の面積に依存し、表示の精細度は単位面積あたりのサブ画素の数に依存したものとなる。したがって、画素の高開口率化や表示の高精細化を実現するためには、限られた画素領域内に、より広い面積で、より多くのサブ画素を配置することが必要になる。
【0011】
しかしながら、上記従来の有機EL表示装置においては、画素領域に配置されたすべてのサブ画素53に対して、同じ位置(サブ画素53の左下)にコンタクト部54を設けているため、行方向(垂直方向)で隣り合うすべてのサブ画素53の間にコンタクト部54が存在している。このため、製造プロセス上のルールや設計ルールなどにしたがって、行方向(垂直方向)で隣り合うすべてのサブ画素53の間に、コンタクト部54を形成するための領域を確保する必要があった。その結果、行方向でサブ画素53の配置が疎らな状態になっていた。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る表示装置は、電気光学素子と、前記電気光学素子を画素回路に電気的に接続するためのコンタクト部とを含む複数のサブ画素を行列状に並べて配置するとともに、 前記サブ画素の並び方向となる行方向及び列方向のうち、第1の方向で隣り合うサブ画素のコンタクト部の位置を、当該第1の方向で反転した状態に配置してなることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る表示装置とこれを有する電子機器においては、サブ画素の並び方向となる行方向及び列方向のうち、第1の方向で隣り合うサブ画素のコンタクト部の位置を、当該第1の方向で反転した状態に配置することにより、従来よりも密にサブ画素を第1の方向に配置することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、従来よりもサブ画素を密に配置することができる。このため、画素の高開口率化や表示の高精細化を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明が適用される表示装置の主要部の構成を示す断面図である。
【図2】有機EL素子の積層構造の一例を示す断面図である。
【図3】有機EL表示装置の駆動回路の構成例を示す図である。
【図4】画素回路の構成例を示す図である。
【図5】有機EL表示装置の一部断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置の画素のレイアウトを示す概略平面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る有機EL表示装置の画素のレイアウトを示す概略平面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る有機EL表示装置の画素のレイアウトを示す概略平面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る有機EL表示装置の画素のレイアウトを示す概略平面図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る有機EL表示装置の画素のレイアウトを示す概略平面図である。
【図11】本発明の実施形態における画素の色配列を示す概略図(その1)である。
【図12】本発明の実施形態における画素の色配列を示す概略図(その2)である。
【図13】本発明の第6実施形態に係る有機EL表示装置の画素のレイアウトを示す概略平面図である。
【図14】本発明の第7実施形態に係る有機EL表示装置の画素の色配列を示す概略図である。
【図15】第1適用例となるテレビを示す斜視図である。
【図16】第2適用例となるデジタルカメラを示す図である。
【図17】第3適用例となるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。
【図18】第4適用例となるビデオカメラを示す斜視図である。
【図19】第5適用例となる携帯端末装置を示す図である。
【図20】従来の有機EL表示装置における画素のレイアウトを示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
<表示装置の構成>
図1は本発明が適用される表示装置の主要部の構成を示す断面図である。ここでは、一例として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子、例えば有機EL素子(有機電界発光素子)を画素の発光素子として用いたアクティブマトリクス型の有機EL表示装置を例に挙げて説明する。
【0018】
有機EL表示装置1は複数(多数)の有機EL素子2を用いて構成されるものである。有機EL素子2は、R(赤),G(緑),B(青)の発光色の違いでサブ画素ごとに区分されている。ただし、図1では、そのうちの1つだけを示している。
【0019】
有機EL素子2は素子形成用基板3を用いて構成されている。素子形成用基板3上には、図示しない能動素子(例えば、薄膜トランジスタ)を含む画素回路とともに、下部電極4、絶縁層5、有機層6及び上部電極7が順に積層されている。さらに、上部電極7は保護層8によって覆われ、この保護層8の上に接着層9を介して対向基板10が配置されている。
【0020】
素子形成用基板3と対向基板10は、それぞれ透明なガラス基板(絶縁基板)によって構成されるものである。素子形成用基板3と対向基板10は、それら2枚の基板の間に、下部電極4、絶縁層5、有機層6、上部電極7、保護層8、接着層9を挟み込むかたちで、互いに対向する状態に配置されている。
【0021】
下部電極4及び上部電極7は、一方がアノード電極となり、他方がカソード電極となる。下部電極4は、有機EL表示装置1が上面発光型である場合には高反射性材料で構成され、有機EL表示装置1が透過型である場合は透明材料で構成される。
【0022】
ここでは、一例として、有機EL表示装置1が上面発光型で、下部電極4がアノード電極、上部電極7がカソード電極である場合を想定している。この場合、下部電極4は、サブ画素ごとに区画形成されることから、画素電極に相当するものとなる。これに対して、上部電極7は、すべてのサブ画素に共通する共通電極となる。このため、上部電極7は、有機層6を覆う状態で素子形成用基板3の全面にベタ状に形成される。下部電極4は、例えば銀(Ag)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、プラチナ(Pt)さらには金(Au)のように、反射率の高い導電性材料、又はその合金で構成される。
【0023】
なお、有機EL表示装置1が上面発光型で、下部電極4がカソード電極である場合は、下部電極4は、例えばアルミニウム(Al),インジウム(In),マグネシウム(Mg)−銀(Ag)合金,リチウム(Li)−フッ素(F)化合物、リチウム-酸素(O)化合物のように、仕事関数が小さく、かつ、光反射率の高い導電性材料で構成される。
【0024】
また、有機EL表示装置1が透過型で、下部電極4がアノード電極である場合は、下部電極4は、例えばITO(Indium−Tin−Oxide)やIZO(Inidium−Zinc−Oxide)のように、透過率の高い導電性材料で構成される。また、有機EL表示装置1が透過型で、下部電極4がカソード電極である場合は、下部電極4は、仕事関数が小さく、かつ、光透過率の高い導電性材料で構成される。
【0025】
絶縁層5は、下部電極4の周辺部を覆う状態で素子形成用基板3の上面に形成されている。絶縁層5にはサブ画素ごとに窓が形成されており、この窓の開口部分で下部電極4が露出している。絶縁層5は、例えばポリイミドやフォトレジスト等の有機絶縁材料や、酸化シリコンのような無機絶縁材料を用いて形成されるものである。
【0026】
有機層6は、例えば図2に示すように、素子形成用基板3側から順に、正孔注入層61、正孔輸送層62、発光層63(63r,63g,63b)及び電子輸送層64を積層した4層の積層構造を有するものである。
【0027】
正孔注入層61は、例えば、m−MTDATA〔4,4,4 -tris(3-methylphenylphenylamino)triphenylamine〕によって形成されるものである。正孔輸送層62は、例えば、α−NPD[4,4-bis(N-1-naphthyl-N-phenylamino)biphenyl]によって形成されるものである。なお、材料はこれに限定されず、例えばベンジジン誘導体、スチリルアミン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体などの正孔輸送材料を用いることができる。また、正孔注入層61及び正孔輸送層62は、それぞれ複数層からなる積層構造であってもよい。
【0028】
発光層63は、RGBの色成分ごとに異なる有機発光材料によって形成されるものである。具体的には、赤色発光層63rは、例えば、ホスト材料となるADNに、ドーパント材料として2,6≡ビス[(4’≡メトキシジフェニルアミノ)スチリル]≡1,5≡ジシアノナフタレン(BSN)を30重量%混合したものにより構成される。緑色発光層63gは、例えば、ホスト材料となるADNに、ドーパント材料としてクマリン6を5重量%混合したものにより構成される。青色発光層63bは、例えば、ゲスト材料となるADNに、ドーパント材料として4,4’≡ビス[2≡{4≡(N,N≡ジフェニルアミノ)フェニル}ビニル]ビフェニル(DPAVBi)を2.5重量%混合したものにより構成される。各色の発光層63r,63g,63bは、画素の色配列に応じて、サブ画素と同様の行列状、又はサブ画素の行方向に平行なスリット状に配置される。
【0029】
電子輸送層64は、例えば、8≡ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3 )によって形成されるものである。なお、有機層6については、ここで例示する4層の構造に限らず、少なくとも発光層を含む層であればよい。具体的には、有機層6は、上述した4層(正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層)の構造以外にも、図示しない電子注入層を加えた5層の構造であってもよいし、それよりも層数が少ない又は多い構造であってもよい。
【0030】
上部電極7は、有機EL表示装置1が上面発光型である場合は、透明又は半透明の導電性材料で構成され、有機EL表示装置1が透過型である場合は、高反射性材料で構成される。
【0031】
以上の素子形成用基板3、下部電極4、絶縁層5、有機層6、上部電極7により、有機EL素子2(赤色有機EL素子2r、緑色有機EL素子2g、青色有機EL素子2b)が構成されている。
【0032】
保護層8は、上部電極7や有機層6への水分の到達を防止するなどの目的で形成されるものである。このため、保護層8は、透水性及び吸水性の低い材料を用いて十分な膜厚で形成される。また、保護層8は、有機EL表示装置1が上面発光型である場合には、有機層6で発光させた光を透過させる必要があるため、例えば80%程度の光透過率を有する材料で構成される。
【0033】
また、上部電極7を金属薄膜で形成し、この金属薄膜の上に直接、絶縁性の保護層8を形成するものとすると、保護層8の形成材料として、無機アモルファス性の絶縁性材料、例えばアモルファスシリコン(α−Si)、アモルファス炭化シリコン(α−SiC)、アモルファス窒化シリコン(α−Si1-x Nx )、さらにはアモルファスカーボン(α−C)等を好適に用いることができる。このような無機アモルファス性の絶縁性材料は、グレインを構成しないため透水性が低く、良好な保護層8となる。
【0034】
接着層9は、例えばUV(紫外線)硬化型樹脂によって形成されるものである。接着層9は、対向基板10を固着させるためのものである。
【0035】
なお、ここでの図示は省略したが、このような構成の有機EL表示装置1にカラーフィルタを組み合わせて設ける場合には、RGBの各色に対応する有機EL素子2r,2g,2bから発せられる発光のスペクトルのピーク波長近傍の光のみを透過するカラーフィルタを、各色の有機EL素子2r,2g,2bの光取り出し面側に設けることになる。
【0036】
<駆動回路の構成>
図3は有機EL表示装置の駆動回路の構成例を示す図である。有機EL表示装置1の駆動回路は、素子形成用基板3上に形成されている。さらに詳述すると、素子形成用基板3上には、画素領域を含む表示領域11とその周辺領域12とが設定されている。表示領域11には、複数の走査線13と複数の信号線14とが縦横に配線されている。走査線13と信号線14の各交差部にはサブ画素15が1つずつ設けられている。表示領域11内には複数(多数)のサブ画素15が行列状に並べて配置されている。素子形成用基板3上におけるサブ画素15の並び方向は、表示画面上で垂直方向に相当する行方向(図の上下方向)と、表示画面上で水平方向に相当する列方向(図の左右方向)に分けられる。各々のサブ画素15は、上述した有機EL素子2を含むものである。周辺領域11には、走査線13を走査駆動する走査線駆動回路16と、輝度情報に応じた映像信号(すなわち入力信号)を信号線14に供給する信号線駆動回路17とが配置されている。
【0037】
<画素回路の構成>
図4は画素回路の構成例を示す図である。この画素回路18は、有機EL素子2に流れる電流を制御する回路である。ここでは一例として、駆動トランジスタTr1、書き込みトランジスタTr2及び保持容量Csを用いて、1つのサブ画素に対応する画素回路18が構成されている。この画素回路18では、走査線駆動回路16の駆動により、書き込みトランジスタTr2を介して信号線14から書き込まれた映像信号が保持容量Csに保持され、保持された信号量に応じた電流が駆動トランジスタTr1から有機EL素子2に供給され、この電流値に応じた輝度で有機EL素子2が発光する仕組みになっている。
【0038】
上記構成の画素回路18は、有機EL素子2とともに素子形成用基板3上に形成されるものである。例えば、図5に示すように、素子形成用基板3には公知の薄膜形成技術やパターニング技術等を用いて画素回路18が形成され、この画素回路18を覆う絶縁性の平坦化膜19の上に有機EL素子2が形成されている。有機EL素子2の下部電極(本形態例ではアノード電極)4はコンタクト部20を介して画素回路18に電気的に接続されている。コンタクト部20は、例えば、有機EL表示装置1の製造工程のなかで、素子形成用基板3上に画素回路18を覆うように平坦化膜19を形成した後、画素回路18に達するように平坦化膜19に接続孔を形成し、この接続孔に導電性材料を埋め込むことにより形成されるものである。
【0039】
なお、上記のような画素回路の構成は、あくまでも一例であり、必要に応じて画素回路内に容量素子を設けたり、さらに複数のトランジスタを設けたりして画素回路を構成してもよい。また、周辺領域12には、画素回路の変更に応じて必要な駆動回路を追加してもよい。
【0040】
<第1実施形態>
図6は本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置の画素のレイアウトを示す概略平面図である。
【0041】
図6においては、素子形成用基板3上に補助電極21が矩形の枠状に形成され、この補助電極21の枠内、すなわち画素領域内に複数のサブ画素15が行列状に並べて配置されている。ここでは、説明の便宜上、画素領域内に5行×5列で合計25個のサブ画素15を配置し、一番上の行を1行目、一番左端の列を1列目とする。
【0042】
補助電極21は、上記平坦化膜19の上に下部電極4と同時に形成されるものである。補助電極21と下部電極4は、電気的に絶縁された状態で同じ層に形成されている。補助電極21は、当該補助電極21の形成領域に設けられた複数のコンタクト部22によって上部電極(本形態例ではカソード電極)7に電気的に接続されている。
【0043】
各々のサブ画素15には、上記画素回路18との電気的な接続のためのコンタクト部20が1つずつ設けられている。コンタクト部20は、サブ画素15の平面的な大きさ(面積)を規定する下部電極4を平面視矩形状に形成した場合に、この矩形の一辺から部分的に突出する突出部15Aに形成されている。このようにコンタクト部20をサブ画素15の突出部15Aに形成する理由は、次のような事情による。
【0044】
すなわち、有機EL素子2に通電して発光させた場合、コンタクト部20の形成部位は所望の発光状態とならない。このため、通常はコンタクト部20の形成部位を遮蔽して非発光部としている。そうした場合、例えば突出部15Aを含むようにサブ画素15の領域を拡大して、当該サブ画素15の外形を矩形にすると、矩形の一部(コンタクト部20の形成部位)が非発光部となり、発光画素の外形が、矩形の一部を切り欠いたような、いびつな形状になってしまう。これに対して、上述のようにサブ画素15の突出部15Aにコンタクト部20を形成すれば、発光画素の外形は矩形の整った形状となり、画像表示に適したものとなる。
【0045】
ここで、サブ画素15の並び方向を行方向(垂直方向)と列方向(水平方向)に分けて考えると、上記図6に示す画素のレイアウトでは、行方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置を、行方向で反転(上下反転)した状態に配置している。
【0046】
すなわち、行方向で隣り合う1行目のサブ画素15と2行目のサブ画素15に関しては、1行目のサブ画素15のコンタクト部20が当該サブ画素15の左下に配置され、2行目のサブ画素15のコンタクト部20が当該サブ画素15の右上に配置されている。このため、1行目のサブ画素15と2行目のサブ画素15で、それぞれコンタクト部20を設ける位置が行方向で反転し、かつ列方向でも反転(左右反転)している。
【0047】
また、行方向で隣り合う2行目のサブ画素15と3行目のサブ画素15に関しては、2行目のサブ画素15のコンタクト部20が当該サブ画素15の右上に配置され、3行目のサブ画素15のコンタクト部20が当該サブ画素15の左下に配置されている。このため、2行目のサブ画素15と3行目のサブ画素15で、それぞれコンタクト部20を設ける位置が行方向で反転し、かつ列方向でも反転している。
【0048】
さらに、行方向で隣り合う3行目のサブ画素15と4行目のサブ画素15に関しては、上述した1行目のサブ画素15及び2行目のサブ画素15と同様の位置関係でコンタクト部20が設けられ、行方向で隣り合う4行目のサブ画素15と5行目のサブ画素15に関しては、上述した2行目のサブ画素15及び3行目のサブ画素15と同様の位置関係でコンタクト部20が設けられている。
【0049】
これにより、1行目と2行目のサブ画素15の各コンタクト部20は、1行目のサブ画素15と2行目のサブ画素15間の領域にまとめて配置されている。また、3行目と4行目のサブ画素15の各コンタクト部20は、3行目のサブ画素15と4行目のサブ画素15間の領域にまとめて配置されている。これに対して、2行目のサブ画素15と3行目のサブ画素15間の領域にはコンタクト部20が形成されておらず、4行目のサブ画素15と5行目のサブ画素15間の領域にもコンタクト部20が形成されていない。
【0050】
このような画素レイアウトを採用することにより、1行目のサブ画素15と2行目のサブ画素15の間には、コンタクト部20を形成するための領域を確保する必要があるが、2行目のサブ画素15と3行目のサブ画素15の間には、コンタクト部20を形成するための領域を確保する必要がなくなる。同様に、3行目のサブ画素15と4行目のサブ画素15の間には、コンタクト部20を形成するための領域を確保する必要があるが、4行目のサブ画素15と5行目のサブ画素15の間には、コンタクト部20を形成するための領域を確保する必要がなくなる。
【0051】
このため、1行目と2行目のサブ画素15は、3行目と4行目のサブ画素15と同じ間隔で配置し、2行目と3行目のサブ画素15は、4行目と5行目のサブ画素15と同じ間隔で配置している。また、2行目と3行目のサブ画素15は、1行目と2行目のサブ画素15よりも狭い間隔で配置し、4行目と5行目のサブ画素15は、3行目と4行目のサブ画素15よりも狭い間隔で配置している。
【0052】
したがって、従来(図20参照)の画素レイアウトと比較して、より密にサブ画素15を行方向に配置することができる。その結果、画素領域におけるサブ画素15(下部電極4)の占有面積を広げることができる。このため、画素の高開口率化を実現することができる。画素の高開口率化は、各々の有機EL素子2に流す単位面積あたりの電流値(電流密度)を低く抑えることができるため、有機EL素子2の長寿命化に寄与するものとなる。また、同じ画素サイズで比較した場合は、より多くのサブ画素15を画素領域内に配置することができる。このため、表示の高精細化を実現することができる。
【0053】
<第2実施形態>
図7は本発明の第2実施形態に係る有機EL表示装置の画素のレイアウトを示す概略平面図である。
【0054】
この第2実施形態においては、上記第1実施形態と比較して、行方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置を、行方向で反転(上下反転)した状態に配置する点は共通しているが、列方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置関係は異なっている。すなわち、上記第1実施形態においては、列方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置を、列方向で反転せずに(つまりサブ画素15の同じ位置)に配置しているが、本第2実施形態においては、列方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置を、列方向で反転(左右反転)した状態に配置している。
【0055】
さらに詳述すると、本第2実施形態においては、列方向で隣り合う1列目のサブ画素15と2列目のサブ画素15に関して、1列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の左下に配置され、2列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の右下に配置されている。また、1列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の右上に配置され、2列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の左上に配置されている。
【0056】
また、列方向で隣り合う2列目とサブ画素15と3列目のサブ画素15に関して、2列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の右下に配置され、3列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の左下に配置されている。また、2列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の左上に配置され、3列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の右上に配置されている。
【0057】
さらに、列方向で隣り合う3列目のサブ画素15と4列目のサブ画素15に関しては、上述した1列目のサブ画素15及び2列目のサブ画素15と同様の位置関係でコンタクト部20が設けられ、列方向で隣り合う4列目と5列目のサブ画素15に関しては、上述した2列目のサブ画素15及び3列目のサブ画素15と同様の位置関係でコンタクト部20が設けられている。
【0058】
このような画素のレイアウトを採用した場合でも、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
<第3実施形態>
図8は本発明の第3実施形態に係る有機EL表示装置の画素のレイアウトを示す概略平面図である。
【0060】
この第3実施形態においては、上記第1実施形態と比較して、行方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置を、行方向で反転(上下反転)した状態に配置する点は共通しているが、行方向で隣り合うサブ画素15の、列方向に対するコンタクト部20の位置が異なっている。
【0061】
すなわち、上記第1実施形態においては、行方向で隣り合うサブ画素15のうち、一方のサブ画素15には列方向の一方端に寄せてコンタクト部20を配置し、他方のサブ画素15には列方向の他方端にコンタクト部20を配置している。これに対して、本第3実施形態においては、行方向で隣り合うサブ画素15のうち、一方のサブ画素15には列方向の一方端よりも画素中心側に寄せてコンタクト部20を配置し、他方のサブ画素15には列方向の他方端よりも画素中心側に寄せてコンタクト部20を配置している。
【0062】
これにより、1行目のサブ画素15と2行目のサブ画素15の間の領域では、各々のサブ画素15に対応するコンタクト部20が列方向で等間隔に配置されている。また、3行目のサブ画素15と4行目のサブ画素15の間の領域でも、各々のサブ画素15に対応するコンタクト部20が列方向で等間隔に配置されている。
【0063】
このような画素のレイアウトを採用することにより、上記第1実施形態と同様の効果に加えて、列方向でコンタクト部20の間隔を最大限に広く確保して、その製造性を高めることができるといった効果が得られる。
【0064】
<第4実施形態>
図9は本発明の第4実施形態に係る有機EL表示装置の画素のレイアウトを示す概略平面図である。
【0065】
この第4実施形態においては、上記第3実施形態と比較して、列方向でコンタクト部20を等間隔に配置する点は共通しているが、列方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置関係は異なっている。すなわち、上記第3実施形態においては、列方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置を、列方向で反転せずに(つまりサブ画素15の同じ位置)に配置しているが、本第4実施形態においては、列方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置を、列方向で反転した状態に配置している。
【0066】
さらに詳述すると、上記第3実施形態においては、列方向で隣り合う1列目のサブ画素15と2列目のサブ画素15に関して、1列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の中心を通る仮想垂直軸よりも左寄りに配置され、2列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の中心を通る仮想垂直軸よりも左寄りに配置されている。また、1列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の中心を通る仮想垂直軸よりも右寄りに配置され、2列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の中心を通る仮想垂直軸よりも右寄りに配置されている。
【0067】
また、2列目のサブ画素15と3列目のサブ画素15に関しても、上記1列目のサブ画素15及び2列目のサブ画素15と同様の位置関係でコンタクト部20が設けられ、3列目のサブ画素15と4列目のサブ画素15に関しても、上記1列目のサブ画素15及び2列目のサブ画素15と同様の位置関係でコンタクト部20が設けられ、4列目のサブ画素15と5列目のサブ画素15に関しても、上記1列目のサブ画素15及び2列目のサブ画素15と同様の位置関係でコンタクト部20が設けられている。
【0068】
これに対して、本第4実施形態においては、列方向で隣り合う1列目のサブ画素15と2列目のサブ画素15に関して、1列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の中心を通る仮想垂直軸よりも左寄りに配置され、2列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の中心を通る仮想垂直軸よりも右寄りに配置されている。また、1列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の中心を通る仮想垂直軸よりも右寄りに配置され、2列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の中心を通る仮想垂直軸よりも左寄りに配置されている。
【0069】
また、列方向で隣り合う2列目のサブ画素15と3列目のサブ画素15に関して、2列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の中心を通る仮想垂直軸よりも右寄りに配置され、3列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の中心を通る仮想垂直軸よりも左寄りに配置されている。また、2列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の中心を通る仮想垂直軸よりも左寄りに配置され、3列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の中心を通る仮想垂直軸よりも右寄りに配置されている。
【0070】
また、3列目のサブ画素15と4列目のサブ画素15に関しては、上記1列目のサブ画素15及び2列目のサブ画素15と同様の位置関係でコンタクト部20が設けられ、4列目のサブ画素15と5列目のサブ画素15に関しては、上記2列目のサブ画素15及び3列目のサブ画素15と同様の位置関係でコンタクト部20が設けられている。
【0071】
このような画素のレイアウトを採用した場合でも、上記第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0072】
なお、列方向でコンタクト部20を等間隔に配置するためのレイアウトとしては、上記図8や図9に示すコンタクト部20の間隔を保ったままで、全てのコンタクト部20の位置を列方向の一方側又は他方側にずらした形態のレイアウトであってもよい。
【0073】
<第5実施形態>
図10は本発明の第5実施形態に係る有機EL表示装置の画素のレイアウトを示す概略平面図である。
【0074】
この第5実施形態においては、上記第1実施形態と比較して、行方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置を、行方向で反転した状態に配置する点は共通しているが、列方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置関係は異なっている。すなわち、上記第1実施形態においては、列方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置を、行方向及び列方向で共に反転せずに(つまりサブ画素15の同じ位置)に配置しているが、本第5実施形態においては、列方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置を、行方向及び列方向で共に反転した状態に配置している。
【0075】
すなわち、本第5実施形態においては、列方向で隣り合う1列目のサブ画素15と2列目のサブ画素15に関して、1列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の左下に配置され、2列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の右上に配置されている。また、1列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の右上に配置され、2列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の左下に配置されている。
【0076】
また、列方向で隣り合う2列目とサブ画素15と3列目のサブ画素15に関して、2列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の右上に配置され、3列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の左下に配置されている。また、2列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の左下に配置され、3列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の右上に配置されている。
【0077】
さらに、列方向で隣り合う3列目のサブ画素15と4列目のサブ画素15に関しては、上述した1列目のサブ画素15及び2列目のサブ画素15と同様の位置関係でコンタクト部20が設けられ、列方向で隣り合う4列目と5列目のサブ画素15に関しては、上述した2列目のサブ画素15及び3列目のサブ画素15と同様の位置関係でコンタクト部20が設けられている。
【0078】
このような画素のレイアウトを採用した場合は、上記第1実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果を得ることができる。すなわち、上記第1実施形態の場合は、上述したように1行目と2行目のサブ画素15の間隔に比較して、2行目と3行目のサブ画素15の間隔が狭くなっているため、RGBの色ごとにサブ画素15を並べて配置した場合の色配列は、例えば図11に示すような配列となる。この場合は、行方向でRGBの画素間隔が広くなったり狭くなったりする部分が、画素領域全体にわたって列方向に連続して存在することになる。このため、画面の一様性(ユニフォーミティ)が損なわれる懸念がある。
【0079】
これに対して、本第5実施形態の場合は、例えば1列目のサブ画素15に関しては、1行目と2行目のサブ画素15、及び3行目と4行目のサブ画素15が、それぞれ相対的に広い間隔で配置され、2行目と3行目のサブ画素15、及び4行目と5行目のサブ画素15が、それぞれ相対的に狭い間隔で配置されるのに対し、2列目のサブ画素15に関しては、2行目と3行目のサブ画素15、及び4行目と6行目のサブ画素15が、それぞれ相対的に広い間隔で配置され、1行目と2行目のサブ画素15、及び3行目と4行目のサブ画素15が、それぞれ相対的に狭い間隔で配置される。つまり、列方向で隣り合うサブ画素15に関して、一方の列のサブ画素15と、他方の列のサブ画素15は、互いに1行ずつサブ画素15の位置を相対的に列方向にずらした状態で配置されている。
【0080】
このため、RGBの色ごとにサブ画素15を並べて配置した場合の色配列は、例えば図12に示すような配列となる。この場合は、行方向でRGBの画素間隔が広くなったり狭くなったりする部分が、画素領域で列方向に連続せず、画素領域全体に均一に分散して存在することになる。このため、画面の一様性が良好なものとなる。
【0081】
<第6実施形態>
図13は本発明の第6実施形態に係る有機EL表示装置の画素のレイアウトを示す概略平面図である。
【0082】
この第6実施形態においては、上記第2実施形態と比較して、行方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置を、行方向で反転した状態に配置する点は共通しているが、列方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置関係は異なっている。すなわち、上記第2実施形態においては、列方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置を、行方向で反転せずかつ列方向で反転した状態に配置しているが、本第6実施形態においては、列方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置を、列方向で反転せずかつ行方向で反転した状態に配置している。
【0083】
さらに詳述すると、本第6実施形態においては、列方向で隣り合う1列目のサブ画素15と2列目のサブ画素15に関して、1列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の左下に配置され、2列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の左上に配置されている。また、1列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の右上に配置され、2列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の右下に配置されている。
【0084】
また、列方向で隣り合う2列目とサブ画素15と3列目のサブ画素15に関して、2列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の左上に配置され、3列目の1行目、3行目及び5行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の左下に配置されている。また、2列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の右下に配置され、3列目の2行目及び4行目に配置されたサブ画素15のコンタクト部20は、それぞれに対応するサブ画素15の右上に配置されている。
【0085】
さらに、列方向で隣り合う3列目のサブ画素15と4列目のサブ画素15に関しては、上述した1列目のサブ画素15及び2列目のサブ画素15と同様の位置関係でコンタクト部20が設けられ、列方向で隣り合う4列目と5列目のサブ画素15に関しては、上述した2列目のサブ画素15及び3列目のサブ画素15と同様の位置関係でコンタクト部20が設けられている。
【0086】
このような画素のレイアウトを採用した場合にも、上記第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0087】
<第7実施形態>
図14は本の第7実施形態に係る有機EL表示装置の画素の色配列を示す概略図である。この第7実施形態においては、RGBに対応する3つのサブ画素15を1つの組として単位画素を構成し、この単位画素を素子形成用基板3上に行列状に並べて配置している。そして、上記各実施形態と共通する構成要素として、行方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置を、行方向で反転した状態に配置したうえで、列方向で隣り合う単位画素のコンタクト部20の位置を、行方向で反転した状態に配置している。これにより、RGBの色配列が図14のような配列となる。
【0088】
この場合も、上記第5実施形態や第6実施形態と同様に、行方向でRGBの画素間隔が広くなったり狭くなったりする部分が、画素領域で列方向に連続せず、画素領域全体に均一に分散して存在することになる。このため、画面の一様性が良好なものとなる。
【0089】
なお、上記各実施形態においては、それぞれに共通する構成要素として、行方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20の位置を、行方向で反転した状態に配置しているが、本発明はこれに限らず、列方向で隣り合うサブ画素15のコンタクト部20を、列方向で反転した状態に配置してもよい。つまり、上記各実施形態においては、行方向を「第1の方向」、列方向を「第2の方向」として説明したが、これに限らず、行方向を「第2の方向」、列方向を「第1の方向」として、画素のレイアウトを設定してもよい。
【0090】
<適用例>
上記構成からなる有機EL表示装置1は、図15〜図19に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用可能である。
【0091】
図15は第1適用例となるテレビを示す斜視図である。本適用例に係るテレビは、フロントパネル102やフィルターガラス103等から構成される映像表示画面部101を含み、その映像表示画面部101に上記の有機EL表示装置1を適用可能である。
【0092】
図16は第2適用例となるデジタルカメラを示す図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。本適用例に係るデジタルカメラは、フラッシュ用の発光部111、表示部112、メニュースイッチ113、シャッターボタン114等を含み、その表示部112に上記の有機EL表示装置1を適用可能である。
【0093】
図17は第3適用例となるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータは、本体121に、文字等を入力するとき操作されるキーボード122、画像を表示する表示部123等を含み、その表示部123に上記の有機EL表示装置1を適用可能である。
【0094】
図18は第4適用例となるビデオカメラを示す斜視図である。本適用例に係るビデオカメラは、本体部131、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ132、撮影時のスタート/ストップスイッチ133、表示部134等を含み、その表示部134に上記の有機EL表示装置1を適用可能である。
【0095】
図19は第5適用例となる携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。本適用例に係る携帯電話機は、上側筐体141、下側筐体142、連結部(ここではヒンジ部)143、ディスプレイ144、サブディスプレイ145、ピクチャーライト146、カメラ147等を含み、そのディスプレイ144やサブディスプレイ145に上記の有機EL表示装置1を適用可能である。
【符号の説明】
【0096】
1…有機EL表示装置、2…有機EL素子、3…素子形成用基板、4…下部電極、5…絶縁層、6…有機層、7…上部電極、15…サブ画素、18…画素回路、20…コンタクト部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学素子と、前記電気光学素子を画素回路に電気的に接続するためのコンタクト部とを含む複数のサブ画素を行列状に並べて配置するとともに、
前記サブ画素の並び方向となる行方向及び列方向のうち、第1の方向で隣り合うサブ画素のコンタクト部の位置を、当該第1の方向で反転した状態に配置してなる
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記行方向及び列方向のうち、前記第1の方向と異なる第2の方向で隣り合うサブ画素のコンタクト部を、前記第2の方向で等間隔に配置してなる
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記行方向及び列方向のうち、前記第1の方向と異なる第2の方向で隣り合うサブ画素のコンタクト部の位置を、前記第1の方向で反転した状態に配置してなる
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数のサブ画素は、R(赤),G(緑),B(青)に対応する3つのサブ画素を1つの組として単位画素を構成し、
前記複数の単位画素を行列状に並べて配置してなり、
前記行方向及び列方向のうち、前記第1の方向と異なる第2の方向で隣り合う前記単位画素のコンタクト部の位置を、前記第1の方向で反転した状態に配置してなる
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
電気光学素子と、前記電気光学素子を画素回路に電気的に接続するためのコンタクト部とを含む複数のサブ画素を行列状に並べて配置するとともに、前記サブ画素の並び方向となる行方向及び列方向のうち、第1の方向で隣り合うサブ画素のコンタクト部の位置を、当該第1の方向で反転した状態に配置してなる表示装置を有する
ことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−215897(P2012−215897A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−139324(P2012−139324)
【出願日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【分割の表示】特願2007−278290(P2007−278290)の分割
【原出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】