説明

表示装置

【課題】表示器の前面側の立体感を強調しつつ、斬新な見映えが得られる表示装置を提供する。
【解決手段】目盛リング3に設けた目盛31を、液晶パネル2の画面21からの光によってではなく、専用に設けた発光ダイオード4からの光によって照明して発光表示される構成としている。すなわち、目盛31は、目盛リング3内を液晶パネル2の画面21沿い方向に進行する発光ダイオード4からの光を斜面31a、31bにより反射することにより視認される。このため、目盛リング3の領域において、目盛31のみが発光表示され、それらの背景部分は照明されないので、目盛31をはっきりと際立たせて視認させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計器等を備えた表示装置に関するものであり、たとえば自動車に用いて好適である。
【背景技術】
【0002】
従来の表示装置としては、たとえば、バックライトにより透過照明される液晶パネルの前面側に透光性材質からなる装飾リングを配置し、この装飾リングを液晶パネルからの光により透過照明する構成のものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この表示装置では、液晶パネルの前面側に装飾リングを重ねて配置することにより、標示装置の見映えを立体感に富むものとすることを狙っている。
【0004】
この従来の表示装置では、装飾リングに、液晶パネルに形成された画像に関連した表示意匠を設けている。
【特許文献1】特開2006−201038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来の車両用表示装置において、装飾リングは液晶パネルからの光のみによって照明されている。すなわち、装飾リングを照明する光の装飾リングへの入射方向が一定方向に限定されている。このため、装飾リングの見映が、変化に乏しい単調なものとなり易いという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、表示器の前面側の立体感を強調しつつ斬新な見映えが得られる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成する為、以下の技術的手段を採用する。
【0008】
本発明の請求項1に記載の表示装置は、画面上に各種情報を画像として形成し発光表示する表示器と、表示器の前面側に表示器に重ねて配置された透光性材質からなる意匠部材とを備え、表示器の一部は意匠部材を透過して視認される表示装置であって、画像に対応して意匠部材に設けられた表示意匠と、意匠部材の端部から意匠部材内に光を入射可能に配置された光源とを備え、意匠部材は画像の形状に関連した形状に形成され、表示意匠は意匠部材内を進行する光源からの光を反射して発光表示されることを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、視認者は、表示装置を見たときに、意匠部材に覆われず露出している表示器の画面と、表示器の画面上に重ねて配置された意匠部材とを同時に視認する。このとき、意匠部材の表面は表示器の画面よりも視認者側に突出して視認される、言い換えると、立体的に視認される。したがって、本発明の請求項1に記載の表示装置によれば、表示器のみが視認される従来の表示装置と比べて、立体感が強調され且つ斬新な見映えを得ることが可能になる。
【0010】
ここで、意匠部材に設けられた表示意匠は、意匠部材内を表示器の画面沿い方向に進行する光源からの光により照射されて発光表示される。一方、表示意匠の周囲の部分は表示器から発せられた光、すなわち表示器の画面垂直方向に進行する光により透過照明される。これにより、意匠部材の見映えを変化に富んだものとすることができる。したがって、立体感に富み且つ斬新な見映えの表示装置を実現することができる。
【0011】
本発明の請求項2に記載の表示装置は、画像は指示図形を備え、指示図形はその指示する情報の変化を動きにより指示し、表示器の指示図形の延長上且つ意匠部材と重なる部分に点状または線状且つ周囲より輝度の高い高輝度部が形成され、高輝度部は指示図形の動きと連動して移動することを特徴としている。
【0012】
上述の構成とすれば、視認者は、表示器の画面上に現れた指示図形の動きと、意匠部材を透過して見える高輝度部の動きの両方を視認する。したがって、指示図形が指示する情報の視認性を向上することができる。同時に、指示図形に加えて高輝度部を表示することにより、表示装置の見映えを斬新なものとすることができる。
【0013】
本発明の請求項3に記載の表示装置は、表示器の画像は指針の回動角度位置により物理量を指示する指針計器であり、指示図形は指針であり、意匠部材は指針の回転中心と同心上の環状に形成され且つ指針の先端から離れた位置に配置されることを特徴としている。
【0014】
この場合、指針の先端の延長上且つ指針先端から離れたところに高輝度部が形成され、この高輝度部は、指針の回動に連動してあたかも指針と一体であるかの如くに回動するので、請求項2に記載の発明の効果を確実に実現することができる。

本発明の請求項4に記載の表示装置は、表示器の画像はナビゲーションシステムの進路指示表示画像であり、指示図形は進路指示矢印であることを特徴としている。
【0015】
この場合、指針の先端の延長上且つ指針先端から離れたところに高輝度部が形成され、この高輝度部は、指針の回動に連動してあたかも指針と一体であるかの如くに回動するので、請求項2に記載の発明の効果を確実に実現することができる。
【0016】
本発明の請求項5に記載の表示装置は、表示器の前面側に意匠部材に隣接して装飾部材を設け、装飾部材は意匠部材側から光不透過部、光透過部、光不透過部の順番で並んで構成され、表示器からの光が光透過部を透過して前面側に出射して視認されることを特徴としている。
【0017】
上述の構成によれば、意匠部材と相接して配置された装飾部材の光透過部も、意匠部材と同様に表示器からの光によって透過照明される。このとき、光透過部の意匠部材側および反意匠部材側には光不透過部が配置されている。この構成によれば、光透過部と意匠部材とは光不透過部により視覚的に区切られている。すなわち、両光不透過部は、は光透過部の縁取りとしての機能を果たしている。これにより、表示器の見映えにアクセントを加えることができるので、表示装置の見映えを斬新なものとすることができる。
【0018】
本発明の請求項6に記載の表示装置は、表示器の画面上に光透過部に対応した位置に意匠画像部が形成され、意匠画像部からの光が光透過部を透過して光透過部の前面側に出射して視認されることを特徴としている。
【0019】
上述の構成によれば、表示器に光透過部発光表示専用の光源の役割を果たす意匠画像部を設けることにより、光透過部の表示演出をより斬新なものとすることができる。
【0020】
本発明の請求項7に記載の表示装置は、表示器は液晶表示器であることを特徴としている。これにより、画像を容易に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明による表示装置を、自動車に搭載されるコンビネーションメータ1に適用した場合を例に、図面に基づいて説明する。
【0022】
(第1実施形態)
コンビネーションメータ1は、自動車車室内運転席前方のインストルメントパネル内に配置され、自動車の運転に必要な情報や自動車各部の作動状態に関する情報を液晶パネル2の画面21上に画像として形成して、運転者に視認させるものである。本発明の第1実施形態によるコンビネーションメータ1においては、図1に示すように、当該自動車の走行速度を指示する速度計Sおよび目的地までの進路を指示するナビゲーションガイドNが、液晶パネル2の画面21上に画像として形成されている。
【0023】
以下に、本発明の第1実施形態によるコンビネーションメータ1の構成について説明する。
【0024】
本発明の第1実施形態によるコンビネーションメータ1においては、表示器として液晶表示器が用いられている。詳しくは、TFT(Thin Film Transistor)型のドットマトリクスタイプが用いられている。液晶パネル2は、図2に示すように、その背後(図2の右側)に配置されたバックライト(図示せず)により透過照明されて発光表示される。液晶パネル2においては、その画面21上に、上述した速度計SおよびナビゲーションガイドNが画像として形成されている。
【0025】
はじめに、速度計Sの構成について説明する。
【0026】
速度計Sは指針計器として形成されている。すなわち、図1に示すように、数字22、指示図形である指針23、および文字24が画面21上に画像として形成されている。さらに、液晶パネル2上に重ねて配置された、後述する目盛リング3に目盛31が形成されている。指針23は、自動車の走行速度に対応して画面21上において仮想中心Cの回りに回転して表示される。指示図形としての指針23が数字22および目盛31を指示することにより、走行速度が表示される。ここで、数字22は、図1に示すように、仮想中心Cを中心とした同一円弧上に沿い且つ放射状に配列されている。
【0027】
液晶パネル2の前面側(図2において左側)には、意匠部材である目盛リング3が液晶パネル2に重ねて配置されている。目盛リング3は、透光性材質、たとえば無色透明のポリカーボネート樹脂あるいはアクリル樹脂から形成されている。目盛リング3は、速度計Sの形状に関連した形状、すなわち、図1に示すように、一部が切れた円環状に形成され、液晶パネル2上に指針23の回転中心である仮想中心Cと同軸上に配置されている。目盛リング3は、液晶パネル2上において、図1に示すように、液晶パネル2の画面21に形成される指針23の先端よりも離れた位置、つまり指針23よりも外周側に配置されている。目盛リング3は、画像である速度計Sに対応した表示意匠としての目盛31を備えている。
【0028】
目盛31は、目盛リング3の裏側(図2において、右側)に細長い凹部を設けることにより形成されている。目盛31としての凹部の断面形状は、図3に示すように、逆V字状であり、2つの斜面31a、31bから構成されている。目盛31は、目盛リング3に仮想中心Cを中心とする放射状に設けられている。目盛リング3の両端面32には、それぞれに目盛リング3内に光を入射可能に光源である発光ダイオード4が配置されている。目盛リング3内を進行する発光ダイオード4からの光は、図3に示すように、斜面31a、31bで反射して目盛リング3からコンビネーションメータ1の前面側、つまり運転者側に出射する。この反射光が目盛31として視認される。各端面32から目盛リング3内に入射した発光ダイオード4からの光は、目盛リング3の各面において反射を繰り返しながら目盛リング3内を進行して、それぞれ反対側の端面32付近まで到達する。その間に、途中にある斜面31a、31bに入射しそこで反射される。これにより、目盛リング3に設けられたすべての目盛31は、ほぼ同じ明るさで発光表示される。
【0029】
液晶パネル2の画面21には、指針23の延長上且つ目盛リング3と重なる部分に、図1に示すように、点状で周囲よりも輝度が高い高輝度部である指針インジケータ26が画像として形成される。指針インジケータ26は常に指針23と一体的に仮想中心Cを中心として回転する。すなわち、線状の指針23と高輝度の点状の指針インジケータ26とが協働して走行速度を指示している。これにより、速度計Sの見映えを斬新なものとしつつ速度計Sの視認性を高めることができる。
【0030】
次に、ナビゲーションガイドNの構成について説明する。
【0031】
ナビゲーションガイドNは、図1に示すように、液晶パネル2上に画像として形成された指示図形である進路矢印25により、目的地に到る進路を指示するものである。自動車が交差点に接近すると、図1に示すように、その交差点の模式図が表示されるとともに、自車が進むべき方向が交差点の模式図上に重ねて表示される。図1の場合、交差点は五叉路であり、自車の進むべき方向は右約45°方向であることを指示している。これらの表示は、自動車に搭載されているナビゲーションシステム装置14からの表示信号に基づいて行われている。ナビゲーションシステム装置14としては、衛星からの位置信号および内蔵する慣性航法装置からの信号に基づいて自車の位置を算出する公知のものである。現在走行中の道路をそのまま進めばよいときには、ナビゲーションガイドNには、進路矢印25のみが表示され、進路矢印25は図1中において上方を指している。
【0032】
さらに、液晶パネル2の画面21には、進路矢印25の延長上且つ目盛リング3と重なる部分に、図1に示すように、線状で周囲よりも輝度が高い高輝度部である進路矢印インジケータ27が画像として形成される。進路矢印インジケータ27は、目盛リング3の周方向に長さを有する直線状または目盛リング3に沿った円弧状に形成される。すなわち、進路矢印25と高輝度の線状の進路矢印インジケータ27とが協働して進むべき進路を指示している。これにより、ナビゲーションガイドNの見映えを斬新なものとしつつナビゲーションガイドNの視認性を高めることができる。
【0033】
液晶パネル2の裏側には、図2に示すように、プリント基板5が配置されている。プリント基板5は、たとえばガラスエポキシ基板等からなりからなりコンビネーションメータ1の電気回路を形成している。プリント基板5には、上述した液晶パネル2、発光ダイオード4が電気的に接続されている。液晶パネル2とプリント基板5との接続には、たとえば図示しないFPC(Flexible Printed Circuit)が用いられている。プリント基板5には、液晶パネル2の表示作動を制御するコントローラ10が実装されている。コントローラ10は、外部からの電気信号、すなわち車速センサ13からの検出信号に基づいて自動車の走行速度を算出しそれを表示させるべく液晶パネル2を駆動するとともに、ナビゲーションシステム装置14からの位置信号に基づいて、ナビゲーションガイドN上に進路矢印25を表示するように液晶パネル2を駆動する。コントローラ10は、たとえばマイクロコンピュータ等から構成されている。また、コントローラ10は、発光ダイオード4の点灯・消灯制御も行っている。
【0034】
液晶パネル2の前面側には見返し板7が装着されている。見返し板7は、たとえば樹脂材料等から略枠状に形成されて、液晶パネル2の外周部に密着して配置されている。見返し板7の視認者側(図2の左側)端部には透明カバー8が取り付けられている。透明カバー8は、透光性材料、たとえばアクリル樹脂またはポリカーボネート樹脂等の薄板から形成され、コンビネーションメータ1内への異物(塵埃、水滴等)の侵入を防ぎ液晶パネル2表面を清浄に維持している。
【0035】
見返し板7の背後(図2の右側)には、ケーシング6が配置されている。ケーシング6は、たとえば樹脂材料等から形成され、上述した液晶パネル2、プリント基板5等を収容固定している。
【0036】
ケーシング6の背後(図2の右側)には、ロアカバー9が配置されている。ロアカバー9は、ケーシング6の後端側開口を覆ってケーシング6内部への埃、水分等の侵入を防止している。
【0037】
次に、本発明の第1実施形態によるコンビネーションメータ1の電気回路構成について、図3に基づき説明する。
【0038】
本発明の第1実施形態によるコンビネーションメータ1において、図4に示すように、
コントローラ10には、バッテリ12から電力が常時供給されている。また、コントローラ10には、イグニッションスイッチ11が、その作動状態(ONまたはOFF)を検出可能に接続されている。コントローラ10には、液晶パネル2および発光ダイオード4が接続されている。コントローラ10には、当該自動車の走行速度を検出する車速センサ13が検出信号を入力可能に接続されている。車速センサ13は、たとえば変速機の出力軸の回転数、たとえばプロペラシャフトの回転数を検出している。コントローラ10には、ナビゲーションシステム装置14が進路指示情報信号を入力可能に接続されている。
【0039】
運転者によりイグニッションスイッチ11がONされると、コントローラ10は、それを検知してコンビネーションメータ1を作動状態に制御する。先ず、コントローラ10は、液晶パネル2を作動状態とし発光ダイオード4を点灯させるとともに、車速センサ13からの検出信号に基づいて自動車の走行速度を算出し、液晶パネル2を駆動してその画面21上の速度計Sにおいて走行速度を表示する。同時に、コントローラ10は、ナビゲーションシステム装置14からの進路指示情報信号に基づいて、ナビゲーションガイドNに進路矢印25を表示する。
【0040】
このとき、コントローラ10は液晶パネル2を駆動して、速度計Sの指針23の延長上に指針インジケータ26を、ナビゲーションガイドNの進路矢印25の延長上に進路矢印インジケータ26を、それぞれ画面21上に形成する。
【0041】
次に、本発明の第1実施形態によるコンビネーションメータ1の特徴である、意匠部材である目盛リング3の作用効果、および高輝度部である指針インジケータ26および進路矢印インジケータ26を設けたことによる作用効果、すなわち、コンビネーションメータ1の見映え向上等に及ぼす効果について説明する。
【0042】
本発明の第1実施形態によるコンビネーションメータ1では、目盛リング3に設けた目盛31を、液晶パネル2の画面21からの光によってではなく、専用に設けた発光ダイオード4からの光によって照明して発光表示される構成としている。すなわち、目盛31は、目盛リング3内を液晶パネル2の画面21沿い方向に進行する発光ダイオード4からの光を斜面31a、31bにより反射することにより視認される。このため、目盛リング3の領域において、目盛31のみが発光表示され、それらの背景部分は照明されないので、目盛31をはっきりと際立たせて視認させることができる。
【0043】
ところで、従来の表示装置の場合、目盛リング背後の液晶パネル画面からの光により目盛を透過照明しているため、目盛の周囲も同時に照明され、目盛の見映えが単調になる可能性がある。あるいは、液晶パネルの画面の目盛に対応した位置にのみ目盛照明用の明るい画像を形成してそれにより目盛を照明する場合、液晶パネル上に目盛リングを重ねる構成のため、照明用の画像と目盛との位置ずれが生じて目盛の見映えが低下する可能性がある。
【0044】
これに対して、本発明の第1実施形態によるコンビネーションメータ1では、上述したように、目盛31をはっきりと際立たせて視認させることができる。したがって、斬新な見映えのコンビネーションメータ1を実現することができる。
【0045】
また、本発明の第1実施形態によるコンビネーションメータ1では、液晶パネル2の画面21の視認方向において目盛リング3と重なる部分に、2つの高輝度部を形成している。すなわち速度計Sの指針23の延長上に指針インジケータ26を、ナビゲーションガイドNの進路矢印25の延長上に進路矢印インジケータ26を、それぞれ形成している。指針インジケータ26は指針23の回転に連動して指針23と一体的に移動し、進路矢印インジケータ26も進路矢印25の指示方向の変化に連動して進路矢印25と一体的に移動する。これにより、運転者は、走行速度および自車の進路を確実に読取ることができる。さらに、速度計SおよびナビゲーションガイドNの見映えを斬新なものとすることができる。
【0046】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態によるコンビネーションメータ1は、図5に示すように、目盛リング3の外周側に装飾部材15を追加配置したものである。装飾部材15以外の部分の構成は、先に説明した本発明の第1実施形態によるコンビネーションメータ1と同一である。したがって、装飾部材15の構成およびその作用効果を中心に説明する。
【0047】
装飾部材15は、全体としては、図5に示すように、目盛リング3と同軸上の円弧状に形成されている。装飾部材15は、目盛リング3と同様に、図6に示すように、液晶パネル2の表面に密着させて重ねて配置されている。装飾部材15は、目盛リング3側からその外周側に向かって、光不透過部であるトリムリング15b、光透過部である透明リング15a、光不透過部であるトリムリング15cを順番に配列し互いに密着させて構成されている。
【0048】
透明リング15aは、無色透明のアクリル樹脂あるいはポリカーボネート樹脂等から形成されている。トリムリング15b、15cは、遮光性を備えるように、たとえばABS樹脂にクロムめっきを施して形成されている。透明リング15a、トリムリング15bおよびトリムリング15cはそれぞれの界面全域を密着させて固定されている。
【0049】
液晶パネル2の画面21には、図7に示すように、透明リング15aと重なる部分、あるいは透明リング15aと重なる部分よりわずかに広い部分に照明用画像Aが形成されている。透明リング15aは、照明用画像Aから発せられた光により透過照明されて発光表示される。つまり、照明用画像Aは、装飾リング15の透明リング15aを発光表示させるための光源の役割を果たしている。これにより、装飾部材15は、円弧状に発光表示される透明リング15aの両側に金属光沢調のトリムリング15b、15cが縁取りのように配されて視認される。
【0050】
以上により、本発明の第2実施形態によるコンビネーションメータ1においては、目盛リング3の外周側の装飾部材15を配置することにより、より斬新な見映えのコンビネーションメータ1を提供することができる。
【0051】
ここで、照明用画像Aから発せられた光は、透明リング15a内に入射し、その光の一部は、図7に示すように透明リング15aの壁面で反射を繰り返しながら進行して、透明リング15aから出射する。このように、照明用画像Aから発せられた光を透明リング15aの壁面15aaで反射を繰り返しながら進行させることにより、透明リング15aの液晶パネル2からの突き出し長さ(図7中におけるH)を長くしても、透明リング15a内に入射した照明用画像Aからの光を高効率で透明リング15aの前面へ導いて出射させて、透明リング15aの発光輝度を高めることができる。これにより、透明リング15aの液晶パネル2からの突き出し長さを長くして装飾リング15の立体感を強調しつつ、透明リング15aを明るく発光表示させて、コンビネーションメータ1の見映えを斬新なものにできる。
【0052】
以上説明した本発明の第1実施形態および第2実施形態によるコンビネーションメータ1においては、液晶パネル2の画面上に形成される画像を、速度計SおよびナビゲーションガイドNとしているが、この組合せに限る必要はなく、これらのうちの少なくとも一方を他の種類の表示画像、たとえば、当該自動車のエンジン回転速度を指示するタコメータ、燃料タンク内の残存燃料量を指示する燃料計等に置き換えてもよい。
【0053】
また、以上説明した本発明の第1実施形態および第2実施形態によるコンビネーションメータ1においては、意匠部材である目盛リング3に設けられた表示意匠を目盛31としているが、これに替えて数字を設けてもよい。
【0054】
また、以上説明した本発明の第1実施形態および第2実施形態によるコンビネーションメータ1においては、目盛リング3を無色透明としているが、透光性に着色してもよい。
【0055】
また、以上説明した、本発明の第1実施形態および第2実施形態によるコンビネーションメータ1では、速度計Sの形状を円形とし、それに対応して目盛リング3の平面形状を円形としているが、円形に限定する必要はなく、他の形状としてもよい。たとえば、両者を楕円形としてもよい。
【0056】
また、以上説明した本発明の第1実施形態および第2実施形態によるコンビネーションメータ1においては、目盛リング3を照明するための光源を発光ダイオード4としているが、発光ダイオード4に限定する必要はなく、他の種類の光源、たとえば電球、放電管、ELパネル等を用いてもよい。
【0057】
また、以上説明した本発明の第1実施形態および第2実施形態においては、表示装置を、自動車に搭載されるコンビネーションメータ1に適用した場合を例に説明したが、車両用の表示装置に限定する必要は無く、他の民生用機器等に組み込まれている表示装置に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1実施形態による表示装置であるコンビネーションメータ1の部分正面図である。
【図2】図1中のII−II線断面図である。
【図3】図1中のIII−III線断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態によるコンビネーションメータ1の電気回路構成を説明する模式図である。
【図5】本発明の第2実施形態による表示装置であるコンビネーションメータ1の部分正面図である。
【図6】図5中のVI−VI線断面図である。
【図7】図6中のVII−VII線断面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 コンビネーションメータ(表示装置)
2 TFT液晶パネル(表示器、液晶表示器)
21 画面
22 数字(画像)
23 指針(画像)
24 文字(画像)
25 進路指示矢印(画像)
26 指針インジケータ(高輝度部)
27 進路矢印インジケータ(高輝度部)
3 目盛リング(意匠部材)
31 目盛(表示意匠)
32 端面
4 発光ダイオード(光源)
5 プリント基板
6 ケーシング
7 見返し板
8 透明カバー
9 ロアカバー
10 コントローラ
11 イグニッションスイッチ
12 バッテリ
13 車速センサ
14 ナビゲーションシステム装置
15 装飾リング(装飾部材)
15a 透明リング(光透過部)
15b トリムリング(光不透過部)
15c トリムリング(光不透過部)
A 照明用画像
C 中心
H 長さ
N ナビゲーションガイド(画像)
S 速度計(画像)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上に各種情報を画像として形成し発光表示する表示器と、
前記表示器の前面側に前記表示器に重ねて配置された透光性材質からなる意匠部材とを備え、
前記表示器の一部は前記意匠部材を透過して視認される表示装置であって、
前記画像に対応して前記意匠部材に設けられた表示意匠と、
前記意匠部材の端部から前記意匠部材内に光を入射可能に配置された光源とを備え、
前記意匠部材は前記画像の形状に関連した形状に形成され、
前記表示意匠は前記意匠部材内を進行する前記光源からの光を反射して発光表示されることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記画像は指示図形を備え、
前記指示図形はその指示する情報の変化を動きにより指示し、
前記表示器の前記指示図形の延長上且つ前記意匠部材と重なる部分に点状または線状且つ周囲より輝度の高い高輝度部が形成され、
前記高輝度部は前記指示図形の動きと連動して移動することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示器の前記画像は指針の回動角度位置により物理量を指示する指針計器であり、
前記指示図形は前記指針であり、
前記意匠部材は前記指針の回転中心と同心上の環状に形成され且つ前記指針の先端から離れた位置に配置されることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示器の前記画像はナビゲーションシステムの進路指示表示画像であり、
前記指示図形は進路指示矢印であり、
前記意匠部材は前記進路指示表示画像の外側に形成され且つ前記進路指示矢印の先端から離れた位置に配置されることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示器の前面側に前記意匠部材に隣接して装飾部材を設け、
前記装飾部材は前記意匠部材側から光不透過部、光透過部、光不透過部の順番で並んで構成され、
前記表示器からの光が前記光透過部を透過して前面側に出射して視認されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示器の前記画面上に前記光透過部に対応した位置に意匠画像部が形成され、
前記意匠画像部からの光が前記光透過部を透過して前記光透過部の前面側に出射して視認されることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示器は液晶表示器であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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