説明

表示装置

【課題】 タッチスクリーンを有する表示装置に用いるタッチ入力デバイスを提供する。
【解決手段】 タッチ入力デバイスを有する表示装置であって、表示装置は、複数のサブピクセルのグループを有する表示画素アレイ、または表示サブピクセルアレイを含み、表示画素アレイと表示サブピクセルアレイは、それぞれの表示画素を共同して定義し、表示装置は、表示層、表示層の上方に位置されて表示装置にタッチ入力させ、第1電極アレイと第2電極アレイを含み、第1電極アレイの電極が第2電極アレイの電極と直交するタッチセンサ入力素子、及びタッチ入力とともに変化する電極容量信号を検出する容量センサ配列構造を含む表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチスクリーンを有する表示装置に用いるタッチ入力デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば携帯電話、PDAまたはカメラなどの液晶ディスプレイを有するデバイスの家電製品用アプリケーションでは、タッチスクリーンがますます普及している。使用者はタッチスクリーンを通して操作することで、キー入力のスペースをセーブすることができ、それによって固定したサイズの装置に、より大きな表示面積を持たせることができる。タッチスクリーンは、2次元(2D)の位置検出の機能を提供する。タッチスクリーンは通常、装置を制御、または装置と相互作用する装置として用いられている。
【0003】
タッチスクリーン上の “タッチ”位置を位置付けるのに用いられる可能な物理的影響で、タッチスクリーンは、既存の製造プロセスに容易に組み込まれながら最高の解像度を有することを保障している。上述のタッチスクリーンは、直交(orthogonal)の電極セット間、または接地されたスタイラスと個々の電極間に発生された容量変化を検出する。
【0004】
通常、高解像度の2D容量センサの電極は、図1の電極10aと10bに示されたような直交の電極のアレイパターンに配置されている。電極は、例えばインジウムスズ酸化物(ITO)などの2つの隔離された透明導電材料層を用いて形成されることができる。物体が電極の上方に移動された時、電極と物体間の容量値と電極間の容量値は変化する。電極に接続したセンサ回路は、これらの交差した設置で物体の位置を測定する容量の変化を検出することができる。
【0005】
通常、位置センサは、オーバーレイ方式でディスプレイと結合してタッチ、またはスタイラス入力を提供する。容量値を検出するセンサは、電極のセットで構成される。上述の電極セットは、接続されて回路を駆動または/及び検出する。例えばスタイラスまたは指の物体の位置は、容量または物体の容量変化を測定することで得られることができる。
【0006】
図1では、電極は、細線で表示される。しかし、電極の外形は、センサの操作とともに変わることができる。例えば、センサ電極と物体間の容量値を増加するために、例えば図2で示された幅がより広い電極を用いることができる。
【0007】
本例では、電極は頂点で接続されたひし形で構成され、水平と垂直の線さ電極を形成する。
【0008】
上述の電極は、直線電極線20aと20bを形成し、電極線に沿ったひし形部分22aと22bを含む。ひし形部分22aと22bのピッチ(即ちひし形部分中心の間の距離)と他のアレイの電極線のピッチは同じであり、均一なアレイを定義する。
【0009】
上述の電極の面積は実質的に図1より大きいため、より高く、より測定され易い容量値になる。
【0010】
本例では、センサがマトリクス表示装置と結合された場合、センサ電極の数は、表示装置の画素の行と列の数量より低い可能性があるが、物体がセンサ電極中心の間の中間位置に位置された時、補間技術(interpolation technique)を用いて物体の位置を測定することができる。
【0011】
センサ電極構造がマトリクス表示装置の光路(optical path)に位置された時、表示装置の表面の上方に位置されたセンサ電極のパターンは、光度により変化して、パターンが目に見える問題が生じる可能性がある。例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)の導電層は、一般的に95%の透過率を有することができる。肉眼で見られるのは1%の光度変化のみである。そのため、センサ電極のパターンが線性または反復の構造の状況では、ユーザーが画面を見ている時、センサ電極のパターンを見ることができる。特に移動している画像を見ている時、センサ電極の存在は表示画像の品質を低下させる。
【0012】
もう1つの問題は、検出された物体がセンサ電極のピッチより明らかに小さい時、物体の位置の容量値変化に影響し、物体がセンサ電極の中の1つの中心に位置した時に物体の位置の確定を難しくする。
【0013】
例えば図3は、センサ電極のレイアウトの一部分を表示しており、図4は、その断面図を表示している。
【0014】
図3は、一列の電極列の中心に沿った線X−Xを表示している。40が図4に示された線X−Xの中心に位置された時(列方向のセンサ電極32bと30bの中の1つのひし形部分の中間位置に位置する)、列方向(水平方向)のセンサ電極32bと30b(以下B電極という)の容量値に対する影響が大きくなるが、隣接の行方向(垂直方向)のセンサ電極30aと32a(以下A電極という)の容量値に対する影響は小さくなる。スタイラスが他の1セットのセンサ電極(例えばB電極)上の中間位置に位置された時、1セットのセンサ電極(例えばA電極)上に位置されたスタイラスの位置を検出することが難しくなる。行方向に沿ったスタイラスの移動は、列方向沿ったスタイラスの移動より、容量値に対する影響はずっと小さくなる。
【0015】
図5は、スタイラスが線X−Xの中心のいずれか側に移動した時のスタイラスとセンサ電極間の容量見積もりを表示している。曲線50は、スタイラスとB(列)電極間の容量値を表しており、曲線52と54は、スタイラスと両側に位置するA(行)電極間の容量値を表している。
【0016】
図5で言えば、スタイラス40の先端の直径は1mmであり、ひし形状のセンサ電極構造の側辺の長さは、4.2mm(図3に示された寸法L)である。
【0017】
図5では、x軸は、線X−Xに沿った位置を表示している。位置0は、ひし形部分32b(図4に図示)の中間位置の列方向のセンサ電極(30a)に対応する。よって、この位置は、列方向のセンサ電極30bと32bに対して最大容量値を有する。1つ側に移動した時、列方向のセンサ電極に対する容量値は下降(曲線50)するが、その中の1つの行方向のセンサ電極に対する容量値は上昇(曲線52と54)する。
【0018】
スタイラス40が線X−Xの中間位置に位置された時、スタイラスと隣接のA電極間の容量は、低い容量値に下降し、大部分の電場がスタイラスとセンサ電極の間に位置し、Bセンサ電極で終了する。これは、そのA電極に最も近接した物体を検出することを難しくする。
【0019】
物体の位置とともに変化するセンサ電極の容量値は、センサ電極の形状と寸法によって決まる。しかし、望みのセンサの特性に合うように要求される電極パターンは、センサ電極の可視度を最小化するように要求される電極パターンと異なる。センサ電極とディスプレイが結合される時、センサ電極の可視度を低下することが特に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
タッチスクリーンを有する表示装置に用いるタッチ入力デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の実施例は、タッチ入力デバイスを有する表示装置を提供する。表示装置は、表示画素アレイ、または複数のサブピクセルのグループを有する表示サブピクセルアレイを含み、前記表示画素アレイと前記表示サブピクセルアレイは、それぞれの表示画素を共同して定義する。前記表示装置は、表示層、前記表示層の上方に位置され、前記表示装置にタッチ入力させ、第1電極アレイと第2電極アレイを含み、前記第1電極アレイの電極が前記第2電極アレイの電極と直交するタッチセンサ入力素子と、現在の前記タッチ入力とともに変化する電極容量信号を検出する容量センサ配列構造を含み、それぞれの単独のセンサ信号を得るために、各1つの前記電極アレイの電極グループ内の前記電極容量信号を組み合わせる。前記第1電極アレイと前記第2電極アレイのピッチと前記表示装置の画素のピッチ、またはサブピクセルのピッチは等しい。
【0022】
これらの配列方式は、電極にセンサ解像度がより細かい解析度を持たせる。各1つのセンサ電極はそれぞれの電極の組み合わせからなる。センサ電極配列構造がより小さな幾何形状を有し、且つ一緒に接続された電極を挿入することでセンサ電極を定義する方式で上述のセンサ電極構造を形成することができる。このような方式では、センサ電極配列構造と物体間で検出された電場は、センサ電極配列構造間でより均一に分布する。センサ電極配列構造は、物体がセンサの表面の特定領域に接近した時の位置を検出する。
【0023】
本発明は、タッチ入力の位置をより容易に確認することができる。
【0024】
センサ電極配列構造の可視度を最小化するために、センサ電極のピッチとディスプレイの画素、またはサブピクセルのピッチを適合する方式で、サブピクセルのピッチの重複周期を選び、それをディスプレイの画素のピッチの重複周期と等しくする。
【0025】
好ましくは、いくつかの電極(1つまたは2つの電極アレイに位置する)は、仮想電極となる。上述の仮想電極は、どの電極グループにも用いられないため、いずれかのそれぞれのセンサ信号を得るように用いられない。これらの方式では、望みの電極の組み合わせを選択してセンサ信号を形成することができる。よって、センサ電極が生じる視覚影響は、小さければ小さいほどよく、上述の望みの電極の組み合わせは、センサ電極の一定のパターンにダメージを与えることはない。
【0026】
1つの実施例では、各1つの電極グループは、隣接の電極のグループを含む。これは、物理的には各センサ電極の電極配列構造は、効果的に延伸し、高解析度電極アレイ領域となる。よって、高解析度の電極は、サブ電極として見なすことができる。これらのサブ電極は、センサ解析度がより細かい解析度(例えば、検出される物体の寸法より細かい解析度)を有するため、入力された物体が移動した時、1つのセンサ電極から次のセンサ電極には、徐々に容量値変化を有する。しかし、上述のセンサ電極配列構造は、小さい面積を占めるため、タッチセンサの下方の表示装置の画像出力でタッチセンサの効果を最小化することができる。入力位置がセンサ電極配列構造のある位置の間に位置された時、より強いタッチセンサ容量信号を有する。
【0027】
もう1つの実施例では、各1つの電極グループは、隣接の電極のブロックのない電極グループを含む。本例では、サブピクセルを一緒に接続してセンサ電極を形成し、センサ電極と物体の検出位置で望みの容量関係を発生させることができる。本例では、センサ電極の出力信号を最適化することができる。
【0028】
例えば、異なる電極により異なるセンサ信号を得ることができる。いくつかの電極は、いずれかのそれぞれのセンサ信号を得るのに用いられないことができる。しかし、これらの用いられない電極を提供して、サブピクセルに均一なアレイを定義させることができる。
【0029】
例えば、各1つの電極アレイは、直線電極線を含むことができ、上述の電極線は、電極線に沿った拡大部分を有する。上述の拡大距離のピッチは、他のアレイの電極線間のピッチに対応する。上述のピッチは拡大部分のアレイを定義し、且つ容量値を増加する。上述の拡大部分はひし形であることができる。2つの電極アレイは、同じピッチを有することができる。
【0030】
本発明の実施例の表示装置は、カラーフィルター配列構造を含み、且つ電極のピッチは、カラーフィルターのパターンのピッチ(サブピクセルに対応するピッチ)と等しいことができる。
【0031】
よって、カラーフィルターのアクティブマトリクスディスプレイの実施例では、サブピクセルの重複周期とカラーフィルターのパターンの重複周期は等しい。カラーフィルターアレイは表示層とタッチセンサ入力素子の間に位置されることができる。
【0032】
上述のタッチセンサ入力素子は、第1電極アレイと第2電極アレイの間に位置するガラス基板と、第2電極アレイの上方に位置した耐磨耗層を含むことができる。上述の第2電極アレイは、ガラス基板と表示層の互いに隣接する側の反対側に位置される。上述の表示層は液晶層を含むことができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、容量センサ電極が接続された電極のグループで配列されることで、個別の電極がセンサ解像度より小さいピッチを有するタッチセンサ入力デバイスを提供する。これは、全ての位置でのタッチ入力の位置を検出する機能を改善する。また、より小さい電極のピッチがディスプレイの設計に適合するため、センサ電極構造によって生じる画像アーチファクトが低減される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】従来のタッチセンサの電極の第1配列構造である。
【図2】もう1つの従来のタッチセンサの電極の第2配列構造である。
【図3】図2の一部分であり、図2の配列構造の問題を解釈するのに用いられる。
【図4】入力装置とタッチセンサがどう相互作用するかを表しており、図2の配列構造の問題を解釈するのに用いられる。
【図5】図2の配列構造の問題を解釈するのに用いられる。
【図6】本発明の実施例に用いられることができるタッチセンサ入力素子を有する従来の表示装置の構造である。
【図7】本発明の実施例のタッチセンサの電極の第1配列構造である。
【図8】本発明の実施例のタッチセンサの電極の第2配列構造である。
【図9】図8の一部分であり、本発明の利点を解釈するのに用いられる。
【図10】入力装置とタッチセンサがどう相互作用するかを表しており、本発明の利点を解釈するのに用いられる。
【図11】本発明の利点を解釈するのに用いられる。
【図12】本発明の実施例のセンサ電極のピッチを定義している。
【図13】本発明の実施例のセンサ電極のピッチがどのようにカラーフィルターの配列構造と適合するかを表している。
【図14】スタイラスと単一基板間の容量がどのようにスタイラスとサブ電極の中心の距離とともに変化するかを表している。
【図15】隣接のサブ電極グループに基づいていない、本発明の実施例のサブ電極グループを表している。
【図16】スタイラスの位置の容量の目標曲線と図15に示されたサブ電極グループを用いて測定した容量の近似曲線である。
【図17】1セットのセンサ電極を形成するために、図15に示されたいくつかのサブ電極グループが互いに平行した方式で設置されることができるかを表している。
【図18】図17の3つの隣接したセンサ電極の物体の位置特性と容量の関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明についての目的、特徴、長所が一層明確に理解されるよう、以下に実施形態を例示し、図面を参照にしながら、詳細に説明する。
【実施例】
【0036】
本発明を詳細に説明する前に、本発明の実施例に応用できる表示装置が提供される。図6は、本発明の実施例に用いられることができる静電容量式タッチセンサ入力素子を有する従来の表示装置の構造である。
【0037】
符号60は、一部の表示装置を表示しており、一部の表示装置60は、少なくとも1つの表示層を含む。本発明の実施例では、表示パネルの精密な設計は本発明の重要な技術特徴ではないため、ここでは、詳細な説明をしない。通常、上述の表示装置の構造は、基板の間に接地された液晶材料層を含む液晶ディスプレイである。アクティブマトリクスディスプレイで言えば、上述の基板は、下方の薄膜トランジスタアレイ基板と情報のカラーフィルター基板を含む。例えばカラーフィルター基板は、共通電極62を含む。共通電極62は、透明導電層を用いて形成された共通接地面であり、カラーフィルター層64上に位置される。共通電極62の下方に位置された液晶層61は、薄膜トランジスタアレイの上に設置される。
【0038】
平面誘電体層66とタッチセンサに用いられるYセンサ電極配列構造68は、カラーフィルター層64の上方に位置される。
【0039】
実際、共通電極62、カラーフィルター64、平面誘電体層66と、Yセンサ電極配列構造68は、基板70上に設置される。よって、上述の(上)基板70は、液晶ディスプレイの支持構造のカラーフィルター基板と同じで、タッチセンサの支持構造となることができる。
【0040】
Xセンサ電極配列構造72は、Yセンサ電極配列構造68に隣接した側と反対側の基板70上に位置され、且つ偏光層−耐磨耗層74は、上表面として用いられる。上述の素子(耐磨耗層74)は、液晶ディスプレイのタッチスクリーンに用いられる従来の層であり、耐磨耗層の表面をタッチするユーザータッチインタラクション(interaction)となることができ、ユーザーは、スタイラス76または指76でタッチすることができる。
【0041】
よって、図6は、上方にタッチセンサを有する表示装置の構造を表している。例えば、ガラス基板70、偏光層−耐磨耗層74と、カラーフィルター64の表示構造のいくつかの素子は、タッチセンサと統合することができる。よって、上述の表示装置の構造は、個別に定義した表示部分とタッチセンサ部分を有さない。しかし、一般的な表示機能(光の発生または光の調節)は、一般のタッチセンサ機能の下方に位置される説明書の説明と請求項の範囲を理解することができる。
【0042】
図6は、1つの可能な統合構造だけを表示している。より進んだ統合は、Xセンサ電極配列構造72をディスプレイ内に移し入れる。しかし、上述のより進んだ統合は、スタイラスがXセンサ電極とYセンサ電極の容量に対する影響の程度を低下させる。図6は、タッチセンサを表示装置構造内に統合する第1ステップを表している。本発明は同じ設計を用いているが、タッチセンサの機能と表示機能に更に進んだ統合をしている。
【0043】
図7と図8は、図1と図2に示されたセンサ電極構造に用いられた提案の配列方法を表す第1配列構造である。上述の実施利では、4つのサブ電極で接続されて形成されたグループを各1つのセンサ電極の構造としているが他の実施例では、より多くの数のサブ電極で接続されて形成されたグループを各1つのセンサ電極の構造とすることもできる。図7と図8に示された電気的接続の方式を用いて、グループ内のサブ電極間の接続方式とすることができる。
【0044】
図7と図8に示されたサブ電極の構造は、元のセンサ電極に類似するが、元のセンサ電極は、本実施例に用いる必要はない。電気的接続の方式によってセンサ領域の周囲に位置する近接のサブ電極でセンサ電極を形成することができる。物体の位置は、垂直A電極84aと84bの容量値で物体の水平位置を検出し、水平B電極80aと80bの容量値で物体の垂直位置を検出する方式を用いて得ることができる。
【0045】
図7は、個別のバー状の水平(列)電極80aを表しており、上述の水平電極80aは、接続されてグループ82aを形成する。各1つの水平電極は、サブ電極と見なすことができる。各1つのグループ82aは、組み合わされたセンサ電極の配列構造と見なすことができる。同様に、個別の垂直(行)電極84bは、接続されてグループ86aを形成する。
【0046】
図8は、個別のひし形(図2に図示された)を有するバー状の水平(列)電極80bを表しており、上述の水平電極80bは、接続されてグループ82bを形成する。個別のひし形(図2に図示された)を有するバー状の垂直(行)電極84bは、接続されてグループ86bを形成する。
【0047】
図9、10、11は、サブ電極を用いた利点を表示している。
【0048】
図9は、図8のセンサ電極の配列構造の拡大部分と、模擬スタイラスの移動経路に沿った線X−Xを表示している。図10は、センサ電極の配列構造の断面図であり、スタイラス40と個別の水平電極80aと垂直(行)電極84bを表示している。
【0049】
図11は、スタイラス40とセンサ電極の配列構造間の測定された容量がどのように図9に示された線X−Xに沿ったスタイラス40(図10に図示された)の位置とともに変化するかを表している。
【0050】
スタイラスが線X−Xに沿って位置を変えた時、曲線110に示されるようにスタイラスと水平電極で形成されたグループ82b(列センサ電極の配列構造)間の容量値は、著しい変化がない。また、3つの連続した垂直電極で形成されたグループ86b(垂直センサ電極の配列構造)の容量値は、緩やかに変化し、且つ上述の垂直電極で形成されたグループ86bの少なくとも1つは、全ての位置でかなりの容量値を有する。曲線112、114と、116は、上述の3つの隣接した垂直電極で形成されたグループ86b(垂直センサ電極の配列構造)の容量値を示している。
【0051】
図12は、サブ電極パターンの水平方向の繰り返しピッチPSUB_Aとサブ電極パターンの垂直方向の繰り返しピッチPSUB_Bを表示している。電極が表示装置の前方に形成された時、サブ電極のピッチは、表示装置の画素の繰り返しピッチと適合する。よって、全ての画素に対して同じ影響を及ぼすため、画像アーチファクト(image artifact)の発生を低減する。
【0052】
図13は、アクティブマトリクスディスプレイのカラー画素の可能なレイアウトを表示しており、水平方向の繰り返しピッチPRGBHと垂直方向の繰り返しピッチPRGBVを有する。上述のカラー画素は、赤色(R)画素行、緑色(G)画素行と、青色(B)画素行の方式で配列される。容量センサ電極の可視度を最小化するために、サブ電極パターンと表示装置の画素の繰り返しピッチを適合させなければならない。よって、PSUB_A=PRGBH、且つPRGBV=PSUB_Bとなる。
【0053】
上述の実施例では、隣接のサブ電極は、グループを形成する。他の実施例では、容量センサの特性を調整するために、サブ電極のグループの形成方法を変えることができる。即ち、容量センサが測定した容量は、例えば寸法と位置などの検出される物体の特性とともに変わる。
【0054】
上述の他の実施例を説明するために、センサは、センサ電極と例えばスタイラスまたは指などの検出される物体間の容量の測定に基づいているものと考えられる。上述のサブ電極は、図1と図2に示された格子パターンで配列されることができる。例えば接地された導電スタイラスの物体がその中の1つのセンサ電極に接近した時、センサ電極と物体間の容量値を増加する。図14は、スタイラスと単一のサブ電極間の容量がどのように、スタイラスとサブ電極に垂直な軸線上に位置するサブ電極の中心の相対位置とともに変化するかを表している。
【0055】
スタイラスがサブ電極に向かって移動した時、容量値は増加する。スタイラスがサブ電極の真上に位置した時、容量値は、ピークに達する。本例では、サブ電極の幅は約0.1mmであり、スタイラスの直径は1.5mmである。
【0056】
隣接のサブ電極では、ある距離シフトしたスタイラスの位置に対応した容量値は、類似の変化を有し、シフトした距離は、サブ電極の間隔に対応する。各1つのセンサ電極は、電気的接続を用いて上述のサブ電極グループをそれぞれ形成することができる。続いて、グループ内のサブ電極の容量値の合計を計算することでセンサ電極とスタイラス間の容量値の変化を得ることができる。スタイラスとセンサ電極の中心は、相対位置を有する。
【0057】
図15は、本発明の実施例のサブ電極のグループを表しており、上述のサブ電極のグループは、近接しないサブ電極のグループに基づいており、1セットのサブ電極に置き換えて望みの容量値を得ている。図15のサブ電極は、中心に位置されたサブ電極に対応して番号付けされており、右側に位置したサブ電極は正指数で標示され、左側に位置したサブ電極は負指数で標示されている。
【0058】
サブ電極0に位置された中心のセンサ電極は、サブ電極+3、−3、+19、−19、+20、−20、+22と、−22に接続することで形成される。図16に示されるように、センサ電極とスタイラス間の容量の変化は、スタイラスとサブ電極0の相対位置によって決まる。
【0059】
図16では、曲線160は、スタイラスの位置の容量値の目標曲線を表示しており、曲線162は、図15に示されたサブ電極のグループを用いて検出された容量の近似曲線を表示している。上述より分かるように、サブ電極を適当にグループ分けする方式で、センサ電極の特性を実質的に調整することができる。
【0060】
物体を領域の情報の位置で検出するために、マルチセンサ電極(multiple sense electrode)を用いなければならない。図17は、1セットのセンサ電極を形成するために、いくつかのサブ電極のグループが互いに平行な方式で設置できるかを表している。本例では、センサ電極のピッチは、サブ電極のピッチの30倍である。よって、サブ電極のピッチは、センサ解像度よりかなり狭くなる。センサ電極のピッチは、センサ解像度を決める。また、サブ電極電極のグループは部分的に重複する。図17より明確に見られるように、各1つのセンサ電極は、複数のサブ電極を用いて一定の幅にまたがり、且つ上述の幅はセンサ電極間の距離より大きい。
【0061】
これらの特定のサブ電極の負ループパターンとセンサ電極のピッチには、1つ以上のグループの一部分となる必要がない。
【0062】
しかし、他の実施例では、異なるグループ間のサブ電極を時分割多重化することで、またはサブ電極から伝送されたデータを結合することで、信号処理段階で仮想グループを形成する方式で、サブ電極をマルチセンサ電極に用いることができる。詳細は後に述べる。これらの測定は、サブ電極2つの異なるセンサ電極の一部分であることができ、異なる時間のサブ電極信号を結合して異なるセンサ電極信号を形成したからではなく、信号処理方式を用いてセンサ電極信号を得たからであることを表している(詳細は後に述べる)。
【0063】
図18は、図17に示された3つの隣接するセンサ電極が物体の位置とともに変化した容量測定結果を表示している。各1つのセンサ容量の容量値曲線180a、180bと、180cの形状は同じであるが、水平軸線の位置に沿ってシフトし、そのシフト量は、センサ容量のピッチと等しい。
【0064】
サブ電極をグループ化することで発生される物体の位置とともに変化する容量曲線の実施例は、単に説明のためのものである。実際には、例えばセンサ電極が得た信号の信号雑音比(signal to noise ratio)を最大化、またはセンサ電極データを物体位置に変換するのに必要な信号処理を簡易化するなどの基準によって容量曲線の選択とサブ電極のグループ化ができる。
【0065】
サブ電極のグループ化の実施例では、グループを形成するサブ電極のパターンは、その中心で対称をなしている。しかし他の実施例では、グループを形成するサブ電極のパターンは、対称をなさないこともできる。例えば、センサの領域上方のサブ電極グループのパターンを変えるのは、有益である。例えば、センサ領域のエッジの切断されたセンサ電極のグループが安定した性能を有することを保証するために、エッジに近接したサブ電極のグループは、異なるパターンを用いることができる。
【0066】
物体をセンサするのに用いられないいくつかのサブ電極がある可能性があり、これは上述のサブ電極がセンサ電極のグループに含まれないためである。これらのサブ電極はセンサに用いられないがこれらのサブ電極は存在している。これは、センサによって各領域の電極パターンを均一にし、センサ電極の可視度を低下させるためである。これらのサブ電極は、ダミー電極となることができる。
【0067】
上述に述べたように、ディスプレイと結合したセンサの位置に位置された均一且つ繰り返しのパターンは、ディスプレイと適合する。しかし、センサに用いられるサブ電極測定する時に発生する干渉、または破壊を最小化するために、上述の使用されていないサブ電極を電気的に処理しなければならない。ほとんどの状況では、この意味は、上述の使用されていないサブ電極は、低インピーダンスに接続されなければならない。例えば、上述の使用されていないサブ電極は、接地されることができる。
【0068】
隣接のグループ、または隣接していないグループを有するサブ電極のグループの両方で言えば、上述の実施例は、例えば金属線または導線の導体を用いてサブ電極のハードワイヤード(hard wired)間の接続とし、サブ電極をグループに接続することを表している。他の実施例では、容量によって、または電荷をグループ内のサブ電極間の他の電子素子に通過させることで、グループ内のサブ電極を間接接続する。
【0069】
また、仮想のセンサ電極を仮想の方法で接続してグループのサブ電極を形成することもできる。本例では、グループ内のサブ電極間は、直接的な電気的接続がない。それぞれのサブ電極またはサブ電極の小さいグループ(センサ電極を形成するのに必要な数より小さいサブ電極の数を含むグループ)から代わりのデータを得ることができ、且つ上述の代わりのデータは、信号処理動作で結合されて、サブ電極の全てのグループのデータから表すことのできる信号を得ることができる。よって、重要な点は、サブ電極のグループの信号を結合してセンサ電極の信号を形成し、且つ直接接続または信号処理の方式によってこれらの結合を得ることができることである。よって、グループの全てのサブ電極が全て直接一緒に接続されないように上述の素子を配列し、且つ上述の電極信号の結合は、少なくとも一部、信号処理に用いられることができる。
【0070】
好ましくは、サブ電極またはサブ電極のグループの容量値を同時に測定して、全ての測定時間を減少する。他の実施例では、時間順序(time sequential)の方式を用いてサブ電極またはサブ電極のグループの容量値を測定することができる。
【0071】
既に存在する従来の配列構造を用いることができるため、上述のセンサ容量の配列構造は、ここでは詳細を省く。上述のセンサ容量の配列構造は、一対の電極間の容量値を測定するのに用いられるのではなく、電極と接地されたスタイラス間の容量値を測定するのに用いられ、各1つのセンサ電極ペアの1つの電極が各1つの電極アレイに属している。
【0072】
本発明の実施例は、容量センサを用いたタッチセンサ入力素子の容量値測定を応用し、特に例えばアクティブマトリクス型液晶ディスプレイ(AMLCDs)またはアクティブマトリクス型有機発光ダイオードディスプレイ(AMOLEDs)のマトリクスディスプレイに応用される。
【0073】
上述の電極のピッチは、サブピクセルのピッチ(赤色(R)、緑色(G)と、青色(B)サブピクセルのピッチ)と同じであることが好ましい。しかし、上述の電極のピッチは全ての画素のピッチと同じであることができ、各1つの画素に均一に影響する。当然ながらいくつかのディスプレイはサブピクセルがないことができる。例えば、カラーカラーシーケンシャルディスプレイは、時間順序の方式で異なるカラーに同じ画素を用いることができる。
【0074】
いくつかの実施例では、センサ線を形成する電極のグループは、多数のサブ電極、例えば、中心のサブ電極線の各1つ側に少なくとも3つ、5つ、または8つのサブ電極をまたがって延伸することができる。
【0075】
以上、本発明の好適な実施例を例示したが、図または説明書の説明では、類似または同一の部分は、同一の符号を用いている。また、図では、実施例の形状または厚さは拡大することができ、標示を簡易化することができる。また、図中の各素子の部分はそれぞれ説明されるが注意するのは、これは本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限りにおいては、当業者であれば行い得る少々の変更や修飾を付加することが可能である。従って、本発明が請求する保護範囲は、特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0076】
10a、10b 電極
20a、20b、30a、30b 直線電極線
22a、22b、32a、32b ひし形部分
40 スタイラス
60 一部の表示装置
62 共通電極
64 カラーフィルター
66 平面誘電体層
68 Yセンサ電極配列構造
70 基板
72 Xセンサ電極配列構造
74 偏光層−耐磨耗層
76 スタイラス
80aと80b 水平B電極
84aと84b 垂直A電極
82a、82b、86a、86b グループ
50、52、54、110、112、114、116、160、162、180a、180b、180c 曲線
SUB_A、PSUB_B、PRGBH、PRGBV ピッチ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ入力デバイスを有する表示装置であって、前記表示装置は、複数のサブピクセルのグループを有する表示画素アレイ、または表示サブピクセルアレイを含み、前記表示画素アレイと前記表示サブピクセルアレイは、それぞれの表示画素を共同して定義し、前記表示装置は、
表示層、
前記表示層の上方に位置されて前記表示装置にタッチ入力させ、第1電極アレイと第2電極アレイを含み、前記第1電極アレイの電極が前記第2電極アレイの電極と直交するタッチセンサ入力素子、及び
前記タッチ入力とともに変化する電極容量信号を検出する容量センサ配列構造を含み、
それぞれの単独のセンサ信号を得るために、各1つの前記電極アレイの電極グループ内の前記電極容量信号を組み合わせ、且つ
前記第1電極アレイと前記第2電極アレイのピッチと前記表示装置の画素のピッチ、またはサブピクセルのピッチは等しい表示装置。
【請求項2】
前記第1電極アレイと第2電極アレイの中の1つまたは2つのいくつかの前記電極は仮想電極とされ、前記仮想電極はどの前記電極グループにも用いられないため、前記仮想電極は、いずれかのセンサ信号を得るように用いられない請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
各1つの前記電極グループは、隣接の電極グループを含む請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
各1つの前記電極グループは、隣接の電極のブロックのない電極グループを含む請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
異なる前記電極から前記異なるセンサ信号を得て、電極が多重の異なるセンサ信号を得るように用いられない請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記電極グループの前記電極は、互いに接続する請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記電極グループの全ての前記電極が互いに接続されるものでなく、物理的に互いに電気的接続される前記電極グループの少なくとも一部分は、信号処理に用いられる請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
各1つの前記電極アレイは、複数の垂直電極線を含み、前記電極線に沿って複数の拡大部分を有し、前記複数の拡大部分の間はピッチを有し、且つ前記ピッチは他の電極アレイの前記電極線のピッチに対応し、1つの前記電極アレイの前記複数の拡大部分と他の前記電極アレイの前記複数の拡大部分の寸法は異なる請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記拡大部分はひし形である請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1電極アレイと前記第2電極アレイのピッチは同じである請求項1に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−271923(P2009−271923A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111347(P2009−111347)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(503141075)統寶光電股▲ふん▼有限公司 (155)
【Fターム(参考)】