説明

表示装置

【課題】複数種類のマークを点灯表示する表示装置において、光源の個数を減らすこと。
【解決手段】表面が表示面となる文字板20には貫通孔24〜26が形成される。その文字板20の裏側には、表面に、複数種類の可動マーク532等のそれぞれが円状に配置されて記された光透過性を有する円盤回転文字板50が設けられる。また、円盤回転文字板50の裏側には、文字板20に形成された貫通孔24〜26に対応する位置に配置され、円盤回転文字板50に光を照らすインジケータ用LED70が設けられる。さらに、円盤回転文字板50を動かして、円盤回転文字板50に記された複数種類のマークのいずれかを貫通孔24〜26に対応する位置に設定するステッピングモータ65が、円盤回転文字板50の中心点と接続されて設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両用計器として使用される表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用計器としての表示装置には、その表示面に、スピードメータやエンジン回転数メータ等、各種メータが表示されるとともに、車両に備わる機能の作動状態を報知したり、車両の異常を警告報知したりする等、車両の各種状態を報知する各種インジケータのマークが必要に応じて点灯表示されるものがある(例えば特許文献1の図7参照)。インジケータのマークとしては、例えば、シートベルトの未装着を報知するマーク、ヘッドライトの向きが上向き(アッパー)になっていることを報知するマーク、バッテリ切れを報知するマークなどがある。
【0003】
この種の表示装置においては、表面に各インジケータのマークが予め記された光透過性を有する文字板を備えている。また、その文字板の裏側には、文字板の裏側から各インジケータのマークに光を照らすための光源が、各インジケータごとに配置されている。そして、マークを点灯させるときには、点灯させたいマークに対応する光源を点灯させる。こうすることで、光が文字板を透過して、透過した位置に記されたマークを点灯させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−68858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の表示装置では、各マークごとに光源を設ける必要があるので、表示装置の部品点数が多くなる、光源の設置場所を確保するのが困難、設置場所を確保しようとすると表示装置のデザイン上の自由度を奪う等の問題点があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数種類のマークを点灯表示する表示装置において、光源の個数を減らすことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の表示装置は、所定の複数種類のマークのいずれかが表示される部分に貫通孔が形成された主パネルと、
その主パネルの裏側に配置され、表面に、前記複数種類のマークのそれぞれが記された光透過性を有する副パネルと、
その副パネルの裏側の前記主パネルに形成された前記貫通孔に対応する位置に配置され、前記副パネルに光を照らす光源と、
前記副パネルを動かして、前記副パネルに記された前記複数種類のマークのいずれかを前記貫通孔に対応する位置に設定するマーク設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
これによれば、マーク設定手段が、副パネルを動かして、副パネルに記された複数種類のマークのいずれかを主パネルに形成された貫通孔に対応する位置に設定する。そのため、光源からの光が副パネルを透過して、透過した位置にあるマーク、すなわちマーク設定手段で設定されたマークを点灯させて貫通孔から視認させることができる。よって、点灯させたいマークを適宜マーク設定手段で位置設定すればよく、マークのそれぞれに光源を設ける必要がないので、光源の個数を減らすことができる。
【0009】
また、本発明の表示装置において、前記複数種類のマークは、前記副パネルに仮想的な円を設定したときに、その円周上となるように配置されて記されており、
前記マーク設定手段は、前記円の中心で前記副パネルと接続されたステッピングモータである。
【0010】
これによれば、マーク設定手段としてのステッピングモータで副パネルを回転させることで、仮想的に設定された円周上に配置されたマークのいずれかを貫通孔に設定することができる。
【0011】
また、本発明の表示装置において、前記貫通孔は、前記主パネルの、前記仮想的な円と対応した円周上で複数形成されており、
前記光源は、前記貫通孔ごとに配置されている。
【0012】
これにより、複数の位置で、マークを点灯させることができる。
【0013】
また、本発明の表示装置において、前記複数種類のマークは、前記仮想的な円として、同心の複数の円を設定したときに、その複数の仮想的な円周上となるように配置されて記されている。
【0014】
このように、同心の複数の円周上となるように複数種類のマークを配置した場合においても、複数の位置で、マークを点灯させることができる。
【0015】
また、本発明の表示装置において、前記貫通孔ごとに配置された前記光源は、それぞれ発光色が異なるとしてもよい。
【0016】
これによれば、貫通孔ごとで点灯させたときのマークの色を異ならせることができる。
【0017】
また、本発明の表示装置は、車両に搭載されるものであり、
前記複数種類のマークは、車両の各種状態を報知するインジケータのマークであるとするのが好適である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】車両用計器1の平面図(同図(a))及びA−A断面図(同図(b))である。
【図2】車両用計器1を、図1(a)中のB矢視方向から見たときのB矢視図である。
【図3】車両用計器1のケース10の平面図である。
【図4】車両用計器1の文字版20の平面図である。
【図5】車両用計器1の円盤回転文字板50の平面図である。
【図6】可動マーク531〜538、541〜544の点灯状態を例示した図である。
【図7】複数の可動マーク531〜538、541〜544を点灯させる方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る表示装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。この実施形態は、本発明の表示装置を、車両用計器として実現したものである。図1は、本実施形態の車両用計器1の平面図(同図(a))及びA−A断面図(同図(b))である。また、図2は、車両用計器1の文字板20、円盤回転文字板50、インジケータ用LED70等の配置関係を示した、図1(a)中のB矢視方向から見たときのB矢視図である。また、図3は、車両用計器1のケース10の平面図である。また、図4は、車両用計器1の文字版20の平面図である。また、図5は、車両用計器1の円盤回転文字板50の平面図である。
【0020】
車両用計器1は、例えば車室内運転席前方のインストルメントパネル内に配置され、車両の運転に必要な情報や車両各部の作動状態に関する情報を表示するものである。
【0021】
その車両用計器1は、図1に示すように、ケース10、文字板20、LCD30、LCD照明用バックライト31、LCD導通ピン32、基板40、円盤回転文字板50、円盤回転文字板軸60、ステッピングモータ65、インジケータ用LED70及びリフレクター751〜753を備えている。ケース10は、箱形形状をしており、車両用計器1の正面部を構成する板状のフロントカバー11と、そのフロントカバー11の周囲端部で直角に接続し、車両用計器1の側面部を構成する板状のサイドカバー12とを含んで構成される。そのケース10は、その内部に、車両用計器1を構成する文字板20や基板40等の各部品が収容される。
【0022】
また、ケース10のフロントカバー11は、図3に示すように、その表面に、楕円状の加飾印刷面111が設けられる。その加飾印刷面111内には車両の運転に必要な各種情報が表示される表示面が定められ、その表示を補助するための各種印刷(例えば、エンジン回転数の目盛り等)が加飾印刷面111に施される。また、フロントカバー11は、加飾印刷面111の内部の中央付近において、円状に開口された開口部112が形成される。そして、その開口部112に、文字板20が嵌め込まれる(図1参照)。
【0023】
文字板20は、本発明の「主パネル」に相当し、光透過性を有する無色透明のポリカーボネイト樹脂あるいはアクリル樹脂等から形成される。そして、文字板20は、ケース10のフロントカバー11に形成された開口部112と同じ大きさの円を外形とする円盤形状の板である。その文字板20は、その表面201が車両の運転に必要な各種情報の表示面となる。具体的には、図4に示すように、表面201には、後述するLCD30の表示がそのまま表示される領域であるLCD表示領域23が定められている。
【0024】
また、文字板20には、その表面201に、車両に備わる機能の作動状態を報知したり、車両の異常を警告報知したりする等、車両の各種状態を報知する各種インジケータの円形マークが記されている。具体的には、図4に示すように、文字板20の表面201には、方向指示器(図示外)の作動状態を示す方向指示マーク21や、その他インジケータのマーク22(以下、固定マークと言う)が複数記されている。本実施形態では、図4に示すように、文字板20の左右両側に、それぞれ2個の固定マーク22が配置されて記されている。なお、図4では、右下の固定マーク22において、エンジン水温が低下していることを示したマークを記しているが、これに限られるわけではない。また、その他の固定マーク22についても、対応するインジケータのマークが記されている。
【0025】
さらに、文字板20は、図4に示すように、それぞれ同じ大きさの円状の3つの貫通孔24〜26が形成される。具体的には、図4に示す基準点27を基準として、紙面に向かって左側に左貫通孔24が、紙面に向かって右側に右貫通孔25が、紙面に向かって上側に上貫通孔26が形成される。また、左貫通孔24と右貫通孔25は、文字板20の表面201に基準点27を中心とした仮想的な円28を設定したときに、その仮想的な円28の周上に配置されて形成される。また、上貫通孔26は、上記円28よりも小さい、基準点27を中心とした仮想的な円29を設定したときに、その仮想的な円29の周上に配置されて形成される。これら貫通孔24〜26は、後述する円盤回転文字板50に記されたマークのいずれかが設定されるものである。
【0026】
図1に示すLCD30は、液晶ディスプレイであり、文字板20のLCD表示領域23(図1(a)参照)に合わせて、文字板20の裏側に設置される。また、LCD30に裏から光を照射するLCD照明用バックライト31が基板40に設けられる。また、基板40に設けられたCPU41からの信号をLCD30に伝達するLCD導通ピン32が、基板40とLCD30とを接続して設けられる(図1(b)参照)。そして、これらLCD照明用バックライト31やLCD導通ピン32を利用することで、LCD30は各種情報をすることができ、具体的には、例えば車両の速度や残燃料量など、値が変化する量の計測値をデジタル表示する。上述したように、文字板20は無色透明であるので、LCD30の表示は、文字板20のLCD表示領域23にそのまま表示される。よって、ユーザは、LCD表示領域23を視認することで、現在の車両の速度等を把握することができる。なお、本実施形態では、デジタル表示をするLCD30を採用しているが、アナログ式に表示する指針表示器を採用してもよい。
【0027】
円盤回転文字板50は、本発明の「副パネル」に相当し、光透過性を有する無色透明のポリカーボネイト樹脂あるいはアクリル樹脂等から形成された、円盤形状の板である(図5参照)。その円盤回転文字板50は、文字板20の裏側で、円盤回転文字板50の中心点52が円盤回転文字板軸60に固定されて設置される(図1(b)参照)。この際、文字板20の基準点27(図4参照)が円盤回転文字板軸60の軸線上にくるように、円盤回転文字板50及び円盤回転文字板軸60が設置される。つまり、文字板20の基準点27、円盤回転文字板50の中心点52及び円盤回転文字板軸60が一直線上になるように配置される。
【0028】
その円盤回転文字板50は、文字板20と同様に各種インジケータの円形マークが記されるものである。具体的には、図5に示すように、円盤回転文字板50の表面51には、複数種類のマーク531〜538、541〜544が記されている。そのうちのマーク531〜538は、円盤回転文字板50の中心点52を中心とした仮想的な円53を設定したときに、その円53の周上に順番に配置されて記されている。また、マーク541〜544は、円53よりも小さい、円盤回転文字板50の中心点52を中心とした仮想的な円54を設定したときに、その円54の周上に順番に配置されて記されている。すなわち、マーク541〜544は、マーク531〜538の内側に配置されて記されている。これらマーク531〜538、541〜544は、固定マーク22と同様に、車両の各種状態を示したインジケータのマークとされ、例えば、ABS(アンチロックブレーキングシステム)が作動していることを示したマークや、ヘッドライトの向きが上向きとなっていることを示したマークとされる。
【0029】
また、円盤回転文字板50の外側の円53と文字板20の外側の円28(図4参照)とは同じ大きさとされ、円盤回転文字板50の内側の円54と文字板20の内側の円29とは同じ大きさとされる。また、各マーク531〜538、541〜544の大きさと文字板20に形成された貫通孔24〜26の大きさは略同じとされる。よって、円盤回転文字板50を上記のように文字板20の裏側に設置したときに、円盤回転文字板50に記されたマーク531〜538、541〜544のいずれかを貫通孔24〜26を介して視認できるようにすることができる。本実施形態では、後述するように、円盤回転文字板50は、その中心点52を中心として回転するので、貫通孔24〜26を介して視認できるマーク531〜538、541〜544を変えることができる。そして、本実施形態では、マーク531〜534は左貫通孔24に割り当てられており、マーク535〜538は右貫通孔25に割り当てられており、マーク541〜544は上貫通孔26に割り当てられている。よって、左貫通孔24からはマーク531〜534のいずれかが、右貫通孔25からはマーク535〜538のいずれかが、上貫通孔26からはマーク541〜544のいずれかが視認されることになる。なお、図1では、左貫通孔24からマーク531(「ECO」のマーク)が、右貫通孔25からマーク536(車両ドアが開いていることを示すマーク)、上貫通孔26からマーク541(ABSが作動していることを示すマーク)が見えている。なお、マーク531〜538、541〜544は、円盤回転文字板50の回転にともなって可動することから、以下これらを可動マークと言う。
【0030】
図1の説明に戻り、ステッピングモータ65は、円盤回転文字板50の裏側で、円盤回転文字板軸60の他端(円盤回転文字板50と接続されていない側の端部)と接続され、その円盤回転文字板軸60を、その軸周りに一定角度ごとに回転させるモータである。つまり、中心点52を中心として円盤回転文字板50を回転させて、可動マーク531〜538、541〜544を、貫通孔24〜26の位置に設定するためのモータである。なお、ステッピングモータ65が本発明の「マーク設定手段」に相当する。
【0031】
基板40は、図1(b)に示すように、LCD30や円盤回転文字板50の裏側に配置され、車両用計器1の制御を司るCPU41や、LCD照明用バックライト31等が実装された基板である。さらに、基板40には、文字板20に記された方向指示マーク21や固定マーク22を点灯させるためのLED(図示外)が、マーク21、22ごとに設けられる。それらLEDは、各マーク21、22の直下に設けられ、CPU41からの点灯信号に基づいて点灯し、文字板20の裏側から各マーク21、22に光を照らすものである。また、それらLEDは、必要に応じた色を発光するものを採用することができ、例えば赤色に発光するLEDを用いることができる。そして、文字板20は無色透明であるので、それらLEDからの光は文字板20を透過して対応するマーク21、22を点灯させることができる。これによって、ユーザは、例えば方向指示器の指示方向を把握したり、エンジン水温が低下していることを把握したりできる。
【0032】
また、基板40には、円盤回転文字板50に記された可動マーク531〜538、541〜544を点灯させるためのインジケータ用LED70も設けられる。さらに詳細には、図2に示すように、インジケータ用LED70として、貫通孔24〜26ごとの計3つのインジケータ用LED71〜73が設けられ、インジケータ用LED71は左貫通孔24の直下に、インジケータ用LED72は右貫通孔25の直下に、インジケータ用LED73は上貫通孔26の直下に設けられる。なお、文字板20とインジケータ用LED70との間には、円盤回転文字板50が設けられることになる。また、これらインジケータ用LED71〜73は、それぞれ発光色が異なり、具体的には、左貫通孔24に対応するインジケータ用LED71は緑色に発光し、右貫通孔25に対応するインジケータ用LED72は青色に発光し、上貫通孔25に対応するインジケータ用LED73は橙色に発光するものである。これらインジケータ用LED71〜73は、CPU41からの点灯信号に基づいて点灯し、円盤回転文字板50にその裏側から光を照らす。そして、円盤回転文字板50は無色透明であるので、インジケータ用LED71〜73からの光は、円盤回転文字板50を透過して貫通孔24〜26から放出されることになる。なお、インジケータ用LED71〜73が本発明の「光源」に相当する。
【0033】
また、各インジケータ用LED71〜73からの光を効率的に貫通孔24〜26から放出させるために、図2に示すように、筒状のリフレクター751〜753が、各インジケータ用LED71〜73と円盤回転文字板50との間の空間を囲むように設けられる。なお、図2では、リフレクター751〜753の断面を示している。
【0034】
上記の構成を有する車両用計器1において、可動マーク531〜538、541〜544の点灯させるときには、CPU41は、(1)ステッピングモータ65で円盤回転文字板50を回転させて、点灯させたい可動マークを、対応する貫通孔24〜26の位置に合わせる。具体的には、可動マーク531〜534のいずれかを点灯させる場合には、その可動マーク531〜534を左貫通孔24に合わせる。また、可動マーク535〜538のいずれかを点灯させる場合には、その可動マーク535〜538を右貫通孔25に合わせる。また、可動マーク541〜544のいずれかを点灯させる場合には、その可動マーク541〜544を上貫通孔26に合わせる。その後、CPU41は、(2)対応するインジケータ用LED71〜73を点灯させる。これにより、左貫通孔24においては、可動マーク531〜534のいずれかを緑色に点灯させることができる。また、右貫通孔25においては、可動マーク535〜538のいずれかを青色に点灯させることができる。また、上貫通孔26においては、可動マーク541〜544のいずれかを橙色に点灯させることができる。
【0035】
ここで、図6は、図1(a)の貫通孔24〜26付近を切り出した図であり、可動マーク531〜538、541〜544の点灯状態を例示している。同図(a)では、可動マーク532(「ECO」のマーク)が点灯している。なお、可動マーク532を左貫通孔24に合わせると、同時に可動マーク536が右貫通孔25に、可動マーク541が上貫通孔26に合わさる。この場合、可動マーク536、可動マーク541を点灯させる必要がないときには、インジケータ用LED72、73を消灯しておけばよい。一方、可動マーク536、可動マーク541も点灯させる必要があるときには、インジケータ用LED72、73を点灯させることで、同時に複数の可動マーク532、536、541を点灯させることができる。図6(b)では、可動マーク532と可動マーク536を同時に点灯させた例である。これにより、ユーザは、複数の車両の状態を同時に把握できる。なお、同時に貫通孔24〜26に合わせることができる可動マーク531〜538、541〜544の組み合わせは、次のとおりである。(マーク531、マーク535)、(マーク532、マーク536、マーク541)、(マーク533、マーク537)、(マーク534、マーク538、マーク542)。
【0036】
また、複数の可動マーク531〜538、541〜544を点灯させる場合において、同時に貫通孔24〜26に合わせることができない可動マークを点灯させるときには、時間差を設けて点灯させるようにすればよい。例えば、マーク532(「ECO」のマーク)とマーク535(「4WD」のマーク)を点灯させる場合を考える。この場合、可動マーク532と可動マーク535とは、同時に貫通孔24、25に合わせることができない。この場合、例えば、図7(a)に示すように、先ず、可動マーク532を左貫通孔24に合わせ、インジケータ用LED271を点灯させて、可動マーク532を点灯させる。その後、一定時間経過後(例えば、30秒経過後)に、図7(b)に示すように、可動マーク535を右貫通孔25に合わせ、インジケータ用LED272を点灯させて、可動マーク535を点灯させる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態の車両用計器1によれば、必要に応じて、可動マーク531〜538、541〜544を貫通孔24〜26に合わせて点灯させることで、可動マークの点灯用のLEDの個数を減らすことができる。
【0038】
また、円盤回転文字板50に円状に可動マーク531〜538、541〜544を配置して記すことで、ステッピングモータ65で簡易にそれらの位置を設定することができる。
【0039】
また、複数の貫通孔24〜26を設けてインジケータ用LED71〜73の発光色を異ならせることにより、可動マーク531〜538、541〜544を複数の位置、色で点灯させることができる。また、本実施形態では、同時に複数の可動マーク531〜538、541〜544も点灯させることができる。
【0040】
なお、本発明の表示装置は上記実施形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲を逸脱しない限りにおいて変形することができる。例えば、上記実施形態では、円盤回転文字板50に2つの仮想的な円53、54を設定して、それら円周上に可動マーク531〜538、541〜544を配置していたが、仮想的な円の個数は適宜設定することができる。例えば、可動マークの個数を多くしたければ、円盤回転文字板50を大きくするとともに、配置する仮想的な円の個数及び文字板20の貫通孔の個数を多くすればよい。
【0041】
また、本実施形態では、固定マーク22と可動マーク531〜538、541〜544の種類の違いについては特に述べなかったが、固定マーク22のほうが可動マーク531〜538、541〜544よりも報知頻度が高い情報や緊急度合いが高いインジケータのマークとするのが好ましい。可動マーク531〜538、541〜544は、ステッピングモータ65で位置を設定するのに時間を要するからである。
【符号の説明】
【0042】
1 車両用計器(表示装置)
20 文字板(主パネル)
24〜26 貫通孔
50 円盤回転文字板(副パネル)
52 円53、54の中心
53、54 仮想的な円
60 円盤回転文字板軸
65 ステッピングモータ(マーク設定手段)
70、71〜73 インジケータ用LED(光源)
531〜538、541〜544 可動マーク
751〜753 リフレクター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の複数種類のマークのいずれかが表示される部分に貫通孔が形成された主パネルと、
その主パネルの裏側に配置され、表面に、前記複数種類のマークのそれぞれが記された光透過性を有する副パネルと、
その副パネルの裏側の前記主パネルに形成された前記貫通孔に対応する位置に配置され、前記副パネルに光を照らす光源と、
前記副パネルを動かして、前記副パネルに記された前記複数種類のマークのいずれかを前記貫通孔に対応する位置に設定するマーク設定手段と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記複数種類のマークは、前記副パネルに仮想的な円を設定したときに、その円周上となるように配置されて記されており、
前記マーク設定手段は、前記円の中心で前記副パネルと接続されたステッピングモータであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記貫通孔は、前記主パネルの、前記仮想的な円と対応した円周上で複数形成されており、
前記光源は、前記貫通孔ごとに配置されていることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数種類のマークは、前記仮想的な円として、同心の複数の円を設定したときに、その複数の仮想的な円周上となるように配置されて記されていることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記貫通孔ごとに配置された前記光源は、それぞれ発光色が異なることを特徴とする請求項3又は4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示装置は、車両に搭載されるものであり、
前記複数種類のマークは、車両の各種状態を報知するインジケータのマークであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−180399(P2011−180399A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44962(P2010−44962)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】