表示装置
【課題】導光板を利用したパララックスバリア方式又はレンズアレイ方式の表示装置において、個々の反射散乱部での反射散乱光を異なる色にできる表示装置の提供。
【解決手段】導光板11と、この導光板11にその端面11cから光を入射する光源12と、を備えた表示装置10。導光板11には、光源12からの入射光を導光板11表面側に反射散乱させる反射散乱部15が複数形成されている。
【解決手段】導光板11と、この導光板11にその端面11cから光を入射する光源12と、を備えた表示装置10。導光板11には、光源12からの入射光を導光板11表面側に反射散乱させる反射散乱部15が複数形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイなどに用いられる表示装置に関し、詳しくは立体視可能な画像表示を実現する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を裸眼で立体視可能に表示する立体視表示方式として、パララックスバリア方式やレンズアレイ方式といった、視差を利用した方式が知られている(例えば、特許文献1参照)。パララックスバリア方式では、遮光部と開口部が交互かつ一定の繰り返しピッチで並んだマスクを用い(パララックスバリア)、その背後に複数の視点ごとの画像を分割して、上記繰り返しピッチで並べた画像(以下、分割画像とも言う)を配置する。この方式では、この構成により、視差を利用して視点ごとに異なる画像が見えるようにしている。レンズアレイ方式では、マスクに代えて、微小なレンズが一定の繰り返しピッチで並んだレンズアレイ(レンティキュラレンズ)を利用するが、視差を利用して視点ごとに異なる画像(分割画像)が見えるようにする点ではパララックスバリア方式と同じである。
【0003】
前記分割画像は、通常、紙などのシート状物(または板状物)に印刷されて表示されていたり、液晶表示画面に表示されたりする。また、導光板に切削やレーザ加工、成形等によって形成した凹凸からなる反射散乱部を設ける手法も知られている。この手法では、LED等の光源からの光を導光板を伝播させて反射散乱部で反射散乱させ、反射散乱された光がなすパターンを画像として表示する。このような導光板をマスクやレンズアレイと組み合わせることで、導光板を利用したパララックスバリア方式やレンズアレイ方式の表示装置を構築することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−295117号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の導光板を利用した表示装置では、個々の反射散乱部での反射散乱光は光源の色をそのまま反映するので、各々の反射散乱部の色を異なる色にできなかった。例えば光源として白色光源を使用し、カラーフィルターを導光板の前面に設置して反射散乱部から反射散乱される光を部分的に特定の色に着色することは可能であるが、通常反射散乱部は導光板の底面に形成されるため、導光板の厚みの効果により見る角度によっては反射散乱部とカラーフィルターとの間に位置ずれが生じて意図する色を表示できない場合があった。同じ理由により、パララックスバリア方式やレンズアレイ方式を用いて、部分的に色の異なる画像を立体視可能に表示することもできなかった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、導光板を利用した表示装置において、個々の反射散乱部での反射散乱光を異なる色にできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上述の課題を解決するべく以下の構成を提供する。
本発明は、導光板と、この導光板にその端面から光を入射する光源とを備え、前記導光板表面には、前記光源からの入射光を導光板表面側に反射散乱させる反射散乱部が複数形成されており、前記導光板の表面側に着色透光部を設け、前記反射散乱部で反射散乱し前記着色透光部を透過した光を少なくとも含む光がなす特定のパターンを表示する表示装置を提供する。
前記導光板の表面側には、特定の複数色のそれぞれで着色された前記着色透光部1以上をそれぞれ設けることができる。
前記反射散乱部は、前記光源からの入射光を導光板表面側に反射させる反射面を有することが好ましい。
前記反射散乱部は、前記導光板の表面側に形成した切り欠きであることが好ましい。
前記反射面は、前記導光板の面に対して前記光源側に40〜60度の傾斜角度で傾斜されていることが好ましい。
本発明の表示装置は、前記導光板の表面側に設けた前記着色透光部のさらに表面側に、パララックスバリアを形成するマスク又はレンズアレイを設けることができる。
前記マスクは、特定の方向に沿った短冊状の遮光部と開口部とを交互に並べて配置した構成であることが好ましい。
前記特定の複数色は、赤、緑、青であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、導光板を利用した表示装置において、導光板を利用した表示装置において、個々の反射散乱部での反射散乱光を異なる色にできる。特に、パララックスバリア方式あるいはレンズアレイ方式を用いることで、部分的に色の異なる画像を立体視可能に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る一実施形態の表示装置を示す外観斜視図である。
【図2】図1の表示装置の縦断面図である。
【図3】図1におけるカラーフィルタ付近の拡大断面図である。
【図4】ベースフィルムの片面に印刷によって着色透光部を形成した構成のカラーフィルタ(着色層付きフィルム)の一例を示す断面図である。
【図5】カラーフィルタの着色透光部と導光板の反射散乱部(ドット状凹部)との関係を説明する平面図である。
【図6】裏面に反射散乱部(ドット状凹部)を形成した導光板を採用した構成の表示装置を説明する縦断面図である。
【図7】表示装置の他の例を示す一部断面図である。
【図8】表示装置のさらに他の例を示す一部断面図である。
【図9】複数の色タイプの着色透光部を規則的に配列した構成のカラーフィルタを適用した表示装置の一例を示す縦断面図である。
【図10】反射散乱部(ドット状凹部)の平面配置の例を示す平面図である。
【図11】反射散乱部(ドット状凹部)の平面配置の他の例を示す平面図である。
【図12】反射散乱部(ドット状凹部)の平面配置のさらに他の例を示す平面図である。
【図13】レンズアレイ方式の表示装置の一例を説明する縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る表示装置について図面を参照して説明する。
図1、図2に示すように、本発明の一実施形態である表示装置10は、導光板11を用いたパララックスバリア方式の表示装置であって、導光板11と、導光板11に光を入射する光源12と、導光板11の表面11aに重ね合わせて設けられたカラーフィルタ20と、このカラーフィルタ20を介して導光板11とは反対の側にパララックスバリアを形成するマスク32とを具備して構成されている。
光源12は、導光板11の外周の一端面11cから導光板11に光を入射できるように設置されている。
図示例の表示装置10は、さらに、マスク32とカラーフィルタ20との間に符号40で示される透明板で形成されるスペーサを有し、カラーフィルタ20の表面側に重ね合わされたスペーサ40に、マスク32が重ね合わせるようにして積層されている。
【0011】
導光板11には、光源12から入射された入射光を反射、散乱させて導光板表面11aからマスク32に向けて出射させる凹凸(凹部及び/又は凸部)である反射散乱部15が形成されている。
この表示装置10は、光源12からの入射光を反射散乱部15にて反射散乱させ導光板11からマスク21側(導光板11の表面側)に出射させた光(反射散乱光)によって、画像を観察者側であるマスク32表面側(図1〜図3において上側。詳細には後述のマスク付きフィルム30表面側。以下、装置表面側とも言う)から立体視可能に表示するものである。
【0012】
図3に示すように、マスク32は、具体的には、透明のベースフィルム31の片面に、遮光部32aを、スリット状の開口部32b(遮光部32aが無い部分)を介して複数配列形成したものであり、遮光部32aと開口部32bとが交互に並ぶストライプ状(または短冊状)に構成されている。遮光部32aは、透明のベースフィルム31の片面に例えば遮光性インクの印刷、金属蒸着等によって形成される。
図示例の表示装置10は、具体的には、スペーサ40の表面側(導光板11とは反対の側。装置表面側)に、ベースフィルム31の片面にマスク32が形成されたマスク付きフィルム30を、マスク32が導光板11側の向きで積層した構成になっている。
【0013】
なお、表示装置としては、スペーサ40に代えて、例えば導光板11に対してマスク付きフィルム30外周の全周あるいは複数箇所を支持部材で支持し、マスク32とカラーフィルタ20との間の前記スペーサの部分を間隙としても良い。
【0014】
マスク32としては、帯状の遮光部32aとスリット状の開口部32bとが交互に並ぶストライプ状の構成に限定されず、孔状の開口部と遮光部とが交互に並ぶ構成のものも採用可能である。
【0015】
図1に例示した表示装置10の導光板11は矩形板状である。光源12は、導光板11の外周の4つの端面のひとつ(符号11cで示す。以下、入射端面とも言う)に沿って延在配置された細長ケース13の長手方向複数箇所に設けられ、細長ケース13の導光板11側の開口から光を導光板11に入射可能とされている。
図示例では光源12は発光ダイオードであり、これら発光ダイオードは、給電装置14から給電された電力によって点灯される。また、各発光ダイオードは、導光板11への入射光が、入射端面11cから入射端面11cとは反対側の端部に向かうように、出射光の光軸が互いに平行に揃えられている。
【0016】
なお、光源としては発光ダイオードに限定されず、例えば蛍光灯、冷陰極管、白熱電球等も採用可能である。
また、導光板11はその外周に、光源12からの出射光を入射するための端面を有する構成であれば良く、上述のように矩形状のものに限定されず、その形状に特に限定は無い。
【0017】
導光板11は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、シクロポリオレフィン樹脂等の合成樹脂材料を用いて透明な長方形の板形状に形成されている。導光板11は、背景を透かして見ることができる程度の光透過性を有することが好ましい。そのため、導光板11には、光透過性や加工性等を考慮してアクリル樹脂を適用するのが好ましい。
なお、本発明において、透明であるとは、反射散乱部からの反射光が視認できる程度の光透過性をもつことをいう。この定義は本発明において共通に用いられる。
【0018】
図1〜図3に示すように、導光板11には、入射端面11cから入射された光源12からの入射光を表面11a側に反射散乱させ表面11aから出射させる反射散乱部15として、導光板11の表面11aから裏面11b側に向けて窪む切り欠き状の凹部であるドット状凹部16が複数形成されている。
【0019】
図3に示すように、ドット状凹部16は、具体的には断面視V字状の切り欠きであり、入射端面11cに向かって前後に配置されて互いに対向する2面のうち、前側(入射端面11c側)の面が、光源12から導光板11に入射された入射光を導光板表面11a側に反射(散乱も生じる)して導光板表面11aから出射させる反射面16aとされている。この反射面16aは、光源12からの入射光を導光板表面11a側に高い反射効率を以て効率良く反射するものであるが、前記入射光も散乱も生じさせるものであり、本発明に係る反射散乱部の反射散乱面として機能する。
【0020】
ドット状凹部16は、導光板11の表面11aから裏面11bに向けて導光板11の板厚寸法Tよりも小さい高さ寸法γ1で内部に内側空間を有して凹設されている。そして、ドット状凹部16は、その内側の空気と導光板11との屈折率差によって光源12からの入射光を反射面16aによって導光板表面11a側に反射、散乱させる。
【0021】
ドット状凹部16の反射面16aは、ドット状凹部16が開口する導光板11の面(表面11a)に対して導光板裏面11b側に行くにしたがって入射端面11cに接近するように傾斜する平面となっている。ドット状凹部16の反射面16aの導光板表面11aに対する傾斜角度α1(導光板表面11aに対する鋭角の角度。導光板表面11aの反射面16aから前側に位置する部分に対する傾斜角度)は例えば40度以上60度以下である。これによりドット状凹部16の反射面16aに高い反射効率を確保でき、反射光の視認性を高めることができる。また、傾斜角度α1は45度以上55度以下であることがさらに好ましい。
【0022】
また、反射面16aは平滑な平坦面とされている。このことも、反射面16aにおける光の反射効率の向上に有効に寄与する。
【0023】
上述のドット状凹部16であれば、少ない平面視の面積(導光板表面11aに占める形成面積が小さい)でも効率的に光を反射することができるので、微細な表現でもより明るい画像を表示することが可能となる。
【0024】
反射散乱部15は、導光板表面11aの複数箇所に形成され、特定のパターンを表示する。この例では、反射散乱部15は配列パターンによって装置表面側における複数の視点ごとの分割画像を表示する。
表示装置10では、反射散乱部15の配列パターンによって、例えば文字、記号、図形、模様のうちのいずれか1つ、あるいはこれらから選択される複数の組み合わせ等である画像を、観察者側である装置表面側から立体視可能に表示する。
【0025】
反射散乱部15からの反射散乱光による画像表示は、導光板表面11aを覆う層状のカラーフィルタ20に設けられた着色透光部21を透過し、マスク32の開口部32bを通って装置表面側に出射された反射散乱光によって実現される。
図3に示すように、カラーフィルタ20は、導光板11の反射散乱部15に対応する位置に着色透光部21(フィルタ本体)を有している。カラーフィルタ20は、着色透光部21を透過した反射散乱光を、着色透光部21の波長選択性によって例えば赤、緑、青等の何等かの色に着色された着色光とする機能を果たす。
【0026】
表示装置10の光源12としては白色光を出力(出射)するものを好適に用いることができるが、これに限定されず、光源12の出射光の色は例えば青色、赤色等であっても良い。
ここで説明する表示装置10は、光源12として設けられた複数の発光ダイオードの出射光の色が互いに同じに揃えられている。ここでは発光ダイオードとして白色光を出力(出射)するものを用いている。
この表示装置10では、導光板11に光源12から入射された入射光が反射散乱部15にて反射散乱された反射散乱光をカラーフィルタ20の着色透光部21に透過させることで、着色透光部21によって着色された光をマスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射させることができる。
【0027】
図3に示すように、この例の表示装置10のカラーフィルタ20は、フィルム状の透明ベース部22の複数箇所に導光板11の各反射散乱部15に対応させて着色透光部21がドット状に形成された構成となっている。このカラーフィルタ20は全体がフィルム状に形成されている。
着色透光部21としては、例えば、周知の染色法、顔料分散法等の手法によって染料、顔料といった色材を混入した透光性の着色樹脂材料を用いて形成した樹脂層等を採用できる。
カラーフィルタ20としては、例えば図4に示すように、透明のベースフィルム23(透明ベース部)の片面に透光性の着色樹脂材料を用いて例えば印刷等によって着色透光部21を形成したもの(着色層付きフィルム20A)等も採用可能である。
【0028】
なお、カラーフィルタ20は、着色形成部21が設けられている箇所に、導光板11の反射散乱部15からの反射散乱光がカラーフィルタ20の厚みを透過可能な透光性を有する構成であれば良く、着色透光部21が設けられている箇所以外については透光性が要求されない。このため、着色透光部21が設けられていない箇所については透明ベース部22にかえて例えば黒色等に着色された遮光性の合成樹脂製フィルムを採用することも可能である。
【0029】
個々の反射散乱部15に対応して設けられた各着色透光部21は、反射散乱部15からマスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射される光が全て着色透光部21を透過するように、図5に示すように、平面視において導光板11のドット状凹部16の反射面16a全体を覆う層状に設けられている。
図5に例示した着色透光部21は、平面視において導光板11のドット状凹部16の反射面16a全体を覆うとともに反射面16aの周囲にも若干張り出す層状に形成されている。
【0030】
また、表示装置10は、カラーフィルタ20として互いに色が異なる複数タイプの着色透光部21を有するものを採用している。このため、反射散乱部15からマスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射される光の色は単一ではなく、この光が透過する着色透光部21の色の違いに応じて相違する。
つまり、この表示装置10では、反射散乱部15からの反射散乱光をカラーフィルタ20の着色透光部21を透過させることで、マスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射される光の色の制御を容易に実現できる。
よって、個々の反射散乱部15での反射散乱光を異なる色にできる。
【0031】
図示例の表示装置10のカラーフィルタ20は、反射散乱部15からの反射散乱光を赤色に着色する第1着色透光部21R、緑色に着色する第2着色透光部21G、青色に着色する第3着色透光部21Bの、色で区別される3タイプ(3つの色タイプ)の着色透光部21を有している。
着色透光部21R、21G、21Bはそれぞれ1または複数設けることができる。
この表示装置10にあっては、反射散乱部15からの反射散乱光が、3つの色タイプの着色透光部21のいずれかを透過してマスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射される構成とされている。
【0032】
カラーフィルタ20は、3つの色タイプの着色透光部21を有する構成に限定されず、2又は4以上の色タイプの着色透光部21を有する構成も採用可能である。各色の着色透光部21は、それぞれ1または複数設けることができる。
【0033】
本発明に係る表示装置10は、フィルム状のカラーフィルタ20を導光板11の表面11a側に重ね合わせて設ける構成により、装置組み立て時に、導光板11の反射散乱部15に対する着色透光部21の位置決め精度の確保が容易になるといった効果が得られる。
また、この構成であれば、導光板11の反射散乱部15にカラーフィルタ20の着色透光部21が接近配置されるため、装置表面側から見る角度が変わった場合の反射散乱部15と着色透光部21との位置ずれ(位置がずれて見える)が生じにくくなるといった利点がある。
【0034】
図4に例示したカラーフィルタ(着色層付きフィルム20A)のように、透明ベースフィルムの片面に着色透光部21を有する構成のカラーフィルタを用いる場合は、導光板11の反射散乱部15に着色透光部21の位置を接近させる点で、カラーフィルタの着色透光部21が形成されている側の面を導光板表面11aに当接させてカラーフィルタを導光板11に重ね合わせることが好ましい。
【0035】
また、カラーフィルタとしては、透明板の片面の複数箇所に着色透光部21(カラーフィルタ本体)を印刷等によって形成して構築したフィルタ層であっても良い。この場合、透明板の片面にフィルタ層が形成された構成のフィルタ層付き透明板は、そのフィルタ層が形成されている側の面を導光板表面11aに当接させて導光板11に重ね合わせて設けることが、導光板11の反射散乱部15に着色透光部21の位置を接近させる点で好ましい。
また、フィルタ層付き透明板については、透明板を、図1〜図3に例示したスペーサ40として機能させることも可能であり、表示装置の部品点数の抑制に寄与するといった利点もある。
【0036】
なお、図4に例示した着色層付きフィルム20Aも、透明ベースフィルム23(透明ベース部)の片面に、着色透光部21によって構成されたフィルタ層を有する構成とみなすことができるものである。
【0037】
カラーフィルタは、導光板11に密着しないように、導光板11に対して弱い力で接触させるか、圧接力が作用しない状態で当接させる。このことは、本発明に係る他の実施形態においても、導光板とカラーフィルタとの関係において同様に採用される。
【0038】
また、カラーフィルタとしては、導光板11の複数の反射散乱部15の個々に対応してひとつずつ設けられた着色透光部21がトッド状に点在する構成に限定されない。
例えば、導光板11に多数形成された反射散乱部15の一部が、導光板11における特定の領域(導光板11の平面視における特定の領域)に複数形成され、これら反射散乱部15からの反射散乱光を、前記特定の領域の全体に対応して延在形成したひとつの着色透光部21に透過させて同じ色にするといったことも可能である。
【0039】
また、本発明に係る表示装置としては、カラーフィルタ20の着色透光部21を導光板11の全ての反射散乱部15に対応して、反射散乱部15からマスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射される光が全て着色透光部を透過するように形成した構成に限定されず、導光板11の複数の反射散乱部15の一部について着色透光部を設けず、反射散乱部15から着色透光部21を透過することなくマスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射される反射散乱光が存在する構成も採用可能である。
【0040】
図6は、導光板11(符号11Aで示す)の表面11a側ではなく裏面11b側に反射散乱部15が形成された表示装置10Aを示す一部断面図である。導光板11Aの裏面11b側には、反射散乱部15として表面11aに向けて窪むドット状凹部18が複数形成されている。
ドット状凹部18は断面視V字状の切り欠きであって、入射光を表面11a側に反射する傾斜面である反射面18aを有する。
【0041】
装置表面側から見る角度が変わった場合の反射散乱部15と着色透光部21との位置ずれ(位置がずれて見える)が生じにくくするためには、カラーフィルタ20の着色透光部21と、導光板11の反射散乱部15とが近いことが好ましい。
この点では、導光板11Aの裏面11bに反射散乱部15がある図6の表示装置10Aに比べて、導光板11の表面11aに反射散乱部15がある図1〜図3等の表示装置10の方が有利である。
【0042】
また、図1〜図3等に示す表示装置10は、図6に示す表示装置10Aに比べて、反射散乱部15とカラーフィルタ20との間の距離が短くなるため、反射散乱部15からの反射散乱光がカラーフィルタ20に到達するまでの拡散を小さく抑えることができる。
このため、表示装置10(図1〜図3等)は、表示装置10A(図6)に比べて、カラーフィルタ20における着色透光部21のサイズ(形成範囲)を縮小しても、反射散乱部15からマスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射される光を全て着色透光部21に透過させることができ、着色透光部21の小型化の点で有利である。
【0043】
着色透光部21の小型化は、例えば互いに色が異なる複数の着色透光部21の形成密度の高密度化等、着色透光部21の形成密度の高密度化に有利である。これにより、導光板11に高密度に多数の反射散乱部15が形成された領域について個々の反射散乱部15に対応して着色透光部21を配置することが容易となり、その結果、微細な画像表示にも容易に対応できる。
【0044】
図7は、導光板11の他の例を示すもので、この導光板11(導光板11B)は、表面11aに反射散乱部15としてドット状凹部19が形成されている。
ドット状凹部19は、断面視V字状の切り欠きであり、入射端面11cに向かって前後に配置されて互いに対向する2面のうち、後側(入射端面11cとは逆側)の面が、光源12からの入射光を反射(散乱も生じる)して導光板表面11aから出射させる反射面19aとされている。
反射面19aは、導光板表面11a側に行くにしたがって入射端面11cから離隔するように傾斜する平面である。反射面19aは平滑面でなく、光の拡散が起こりやすい粗面とすることもできる。
図8は、導光板11のさらに他の例を示すもので、この導光板11(導光板11C)は、表面11aに反射散乱部15として粗面化部24が形成されている。粗面化部24は、レーザ加工、サンドブラスト等によって微細な凹凸を形成したものである。また、反射散乱部15としては、シボ加工部等も採用可能である。
【0045】
本発明に係る表示装置に使用するカラーフィルタとしては、例えば図9に示すように、複数の色タイプの着色透光部21が規則的に隙間なく配列された構成のものも採用可能である。
図9に例示した表示装置10Bは、図1〜図3等に示す表示装置10について、カラーフィルタ20にかえて上述のカラーフィルタ20Bを採用したものである。
カラーフィルタ20Bは、赤、緑、青の3種の色タイプのドット状の着色透光部21R、21G、21Bが規則的に隙間なく配列された構成になっている。
着色透光部21の平面視形状は特に限定されず、一定幅の帯状、長方形状、正方形状、楕円状、円形等とすることができる。着色透光部21の平面視形状、サイズは互いに同じとすることができる。
【0046】
カラーフィルタ20Bは、第1着色透光部21Rと、第2着色透光部21Gと、第3着色透光部21Bとが互いに平行に一定の順番の繰り返しパターンで形成された構成になっている。
なお、カラーフィルタ20Bは、例えば透明ベース部の片面に多数の着色透光部21を規則的に配列形成した構成としても良いし、例えば隣り合う着色透光部21同士が一体的に形成されたフィルム状部材自体からなり、透明ベース部を有していない構成であっても良い。
【0047】
また、この表示装置10Bの導光板11は、その表面11a側に反射散乱部15(図示例ではドット状凹部16)が複数形成されたものであり、装置表面側に画像を立体視可能に表示するための分割画像を形成する反射散乱部15の配列パターンを有する。但し、図9に例示した表示装置10Bの反射散乱部15の形成位置は、反射散乱部15からの反射散乱光をカラーフィルタ20Bの着色透光部21に透過させて所望の色に着色するべく、カラーフィルタ20Bの複数の着色透光部21から選択した一つに対応させている。
【0048】
この表示装置10Bにあっては、各ドット状凹部16は、それぞれ、平面視において反射面16aの全体がカラーフィルタ20Bの複数の着色透光部21から選択されるひとつに覆われるように、カラーフィルタ20Bの着色透光部21に対する反射面16aの位置及びサイズが調整されている。
これにより、ドット状反射部16の反射面16aにて反射散乱されマスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射させる光が全て、カラーフィルタ20Bの複数の着色透光部21から選択されるひとつを透過するように構成されている。
【0049】
カラーフィルタ20Bの着色透光部21は、例えば長辺が数百μm〜1mm、短辺が数十μm〜数百μmの平面視長方形状等の微細なドット状に形成される。
このため、カラーフィルタ20Bの着色透光部21に対する反射散乱部15の位置を、マスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射する反射散乱光が全て、カラーフィルタ20Bの複数の着色透光部21から選択したひとつを透過するように調整しても、これが分割画像の表示に与える視覚的影響は殆ど無い。
【0050】
図10は、反射散乱部15(ドット状凹部16)の平面配置の例を示す平面図である。
この例では、表示装置10の一部範囲17Aにおいて、着色透光部21の延在方向(図10の左右方向)に対し垂直な帯状領域A1〜C1のうち、マスク32の開口部32bに相当する位置にある帯状領域B1には、着色透光部21B(青色)に重なる位置に反射散乱部15B(ドット状凹部16B)が形成されている。
帯状領域B1の一方側(図10の左側)に隣接する帯状領域A1は、平面視において遮光部32aに相当する位置にあり、帯状領域A1には反射散乱部15(ドット状凹部16)は形成されていない。
帯状領域B1の他方側(図10の右側)に隣接する帯状領域C1は平面視において遮光部32aに相当する位置にあり、帯状領域C1には、着色透光部21G(緑色)に重なる位置に反射散乱部15C(ドット状凹部16C)が形成されている。
このため、開口部32bを通して帯状領域A1が視認される第1の視点では、反射散乱部15からの反射光は視認されないが、開口部32bを通して帯状領域B1が視認される第2の視点では、反射散乱部15Bからの反射光(青色)が視認され、帯状領域C1が視認される第3の視点では、反射散乱部15Cからの反射光(緑色)が視認される。
この例では、帯状領域A1〜C1に、互いに異なる着色透光部21に重なる反射散乱部15を形成することができるため、視点ごとに異なる色の表示が可能となることから、多彩な表現が可能となる。
【0051】
図11は、反射散乱部15(ドット状凹部16)の平面配置の他の例を示す平面図である。
この例では、表示装置10の一部範囲17Bにおいて、帯状領域A1には、着色透光部21B(青色)に重なる位置に3つの反射散乱部15A(ドット状凹部16A)が形成されている。帯状領域B1には、着色透光部21G(緑色)に重なる位置に9つの反射散乱部15B(ドット状凹部16B)が形成されている。帯状領域C1には、着色透光部21R(赤色)に重なる位置に1つの反射散乱部15C(ドット状凹部16C)が形成されている。
このため、開口部32bを通して帯状領域A1が視認される第1の視点では、平均的な強度の反射光(青色)が視認され、帯状領域B1が視認される第2の視点では、比較的強い反射光(緑色)が視認され、帯状領域C1が視認される第3の視点では、比較的弱い反射光(赤色)が視認される。
この例では、帯状領域A1〜C1に、互いに異なる数の反射散乱部15を形成することができるため、視点ごとに、色だけでなく光の強度も調整可能となることから、さらに多彩な表現が可能となる。
【0052】
図12は、反射散乱部15(ドット状凹部16)の平面配置のさらに他の例を示す平面図である。
この例では、帯状領域A1〜C1は着色透光部21の延在方向(図12の上下方向)に沿う領域であり、各帯状領域A1〜C1は、それぞれ一組の着色透光部21G、21B、21Rを含む。
帯状領域A1には、範囲17Cに、着色透光部21G(緑色)に重なる位置に3つの反射散乱部15A(ドット状凹部16A)が形成されている。帯状領域B1には、範囲17Dに、着色透光部21B(青色)に重なる位置に1つの反射散乱部15B(ドット状凹部16B)が形成されている。帯状領域C1には、反射散乱部15は形成されていない。
このため、開口部32bを通して帯状領域A1が視認される第1の視点では、比較的強い反射光(緑色)が視認され、帯状領域B1が視認される第2の視点では、比較的弱い反射光(青色)が視認され、帯状領域C1が視認される第3の視点では、反射散乱部15からの反射光は視認されない。
この例においても、図11に示す例と同様に、視点ごとに、色だけでなく光の強度も調整可能となることから、さらに多彩な表現が可能となる。
なお、他の帯状領域(例えば帯状領域A2〜C2)も、帯状領域A1〜C1と同様の構成とすることができる。
【0053】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されずその主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
上述の実施形態では、パララックスバリア方式の表示装置、すなわちスリット状あるいは孔状の開口部と遮光部とが交互に並ぶマスクを用いた表示装置を例示したが、本発明はこれに限定されず、前記マスクにかえてレンティキュラーレンズ(レンズアレイ)を用いたレンズアレイ方式の表示装置も採用可能である。
例えば、図13は、図1〜図3を参照して説明した表示装置10のマスク32にかえてレンティキュラーレンズ50を採用した構成の表示装置10Cを示す。
なお、本発明の表示装置は、マスクまたはレンズアレイを備えていない構成も可能である。
【符号の説明】
【0054】
10、10A、10B、10C…表示装置、11、11A…導光板、11a…表面、11b…裏面、11c…端面(入射端面)、12…光源(発光ダイオード)、15…反射散乱部、16、18、19…反射散乱部(ドット状凹部)、16a、18a…反射散乱面(ドット状凹部の反射面)、20、20A、20B…カラーフィルタ、21…着色透光部、32…マスク、32a…遮光部、32b…開口部、50…レンズアレイ(レンティキュラーレンズ)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイなどに用いられる表示装置に関し、詳しくは立体視可能な画像表示を実現する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を裸眼で立体視可能に表示する立体視表示方式として、パララックスバリア方式やレンズアレイ方式といった、視差を利用した方式が知られている(例えば、特許文献1参照)。パララックスバリア方式では、遮光部と開口部が交互かつ一定の繰り返しピッチで並んだマスクを用い(パララックスバリア)、その背後に複数の視点ごとの画像を分割して、上記繰り返しピッチで並べた画像(以下、分割画像とも言う)を配置する。この方式では、この構成により、視差を利用して視点ごとに異なる画像が見えるようにしている。レンズアレイ方式では、マスクに代えて、微小なレンズが一定の繰り返しピッチで並んだレンズアレイ(レンティキュラレンズ)を利用するが、視差を利用して視点ごとに異なる画像(分割画像)が見えるようにする点ではパララックスバリア方式と同じである。
【0003】
前記分割画像は、通常、紙などのシート状物(または板状物)に印刷されて表示されていたり、液晶表示画面に表示されたりする。また、導光板に切削やレーザ加工、成形等によって形成した凹凸からなる反射散乱部を設ける手法も知られている。この手法では、LED等の光源からの光を導光板を伝播させて反射散乱部で反射散乱させ、反射散乱された光がなすパターンを画像として表示する。このような導光板をマスクやレンズアレイと組み合わせることで、導光板を利用したパララックスバリア方式やレンズアレイ方式の表示装置を構築することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−295117号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の導光板を利用した表示装置では、個々の反射散乱部での反射散乱光は光源の色をそのまま反映するので、各々の反射散乱部の色を異なる色にできなかった。例えば光源として白色光源を使用し、カラーフィルターを導光板の前面に設置して反射散乱部から反射散乱される光を部分的に特定の色に着色することは可能であるが、通常反射散乱部は導光板の底面に形成されるため、導光板の厚みの効果により見る角度によっては反射散乱部とカラーフィルターとの間に位置ずれが生じて意図する色を表示できない場合があった。同じ理由により、パララックスバリア方式やレンズアレイ方式を用いて、部分的に色の異なる画像を立体視可能に表示することもできなかった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、導光板を利用した表示装置において、個々の反射散乱部での反射散乱光を異なる色にできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上述の課題を解決するべく以下の構成を提供する。
本発明は、導光板と、この導光板にその端面から光を入射する光源とを備え、前記導光板表面には、前記光源からの入射光を導光板表面側に反射散乱させる反射散乱部が複数形成されており、前記導光板の表面側に着色透光部を設け、前記反射散乱部で反射散乱し前記着色透光部を透過した光を少なくとも含む光がなす特定のパターンを表示する表示装置を提供する。
前記導光板の表面側には、特定の複数色のそれぞれで着色された前記着色透光部1以上をそれぞれ設けることができる。
前記反射散乱部は、前記光源からの入射光を導光板表面側に反射させる反射面を有することが好ましい。
前記反射散乱部は、前記導光板の表面側に形成した切り欠きであることが好ましい。
前記反射面は、前記導光板の面に対して前記光源側に40〜60度の傾斜角度で傾斜されていることが好ましい。
本発明の表示装置は、前記導光板の表面側に設けた前記着色透光部のさらに表面側に、パララックスバリアを形成するマスク又はレンズアレイを設けることができる。
前記マスクは、特定の方向に沿った短冊状の遮光部と開口部とを交互に並べて配置した構成であることが好ましい。
前記特定の複数色は、赤、緑、青であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、導光板を利用した表示装置において、導光板を利用した表示装置において、個々の反射散乱部での反射散乱光を異なる色にできる。特に、パララックスバリア方式あるいはレンズアレイ方式を用いることで、部分的に色の異なる画像を立体視可能に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る一実施形態の表示装置を示す外観斜視図である。
【図2】図1の表示装置の縦断面図である。
【図3】図1におけるカラーフィルタ付近の拡大断面図である。
【図4】ベースフィルムの片面に印刷によって着色透光部を形成した構成のカラーフィルタ(着色層付きフィルム)の一例を示す断面図である。
【図5】カラーフィルタの着色透光部と導光板の反射散乱部(ドット状凹部)との関係を説明する平面図である。
【図6】裏面に反射散乱部(ドット状凹部)を形成した導光板を採用した構成の表示装置を説明する縦断面図である。
【図7】表示装置の他の例を示す一部断面図である。
【図8】表示装置のさらに他の例を示す一部断面図である。
【図9】複数の色タイプの着色透光部を規則的に配列した構成のカラーフィルタを適用した表示装置の一例を示す縦断面図である。
【図10】反射散乱部(ドット状凹部)の平面配置の例を示す平面図である。
【図11】反射散乱部(ドット状凹部)の平面配置の他の例を示す平面図である。
【図12】反射散乱部(ドット状凹部)の平面配置のさらに他の例を示す平面図である。
【図13】レンズアレイ方式の表示装置の一例を説明する縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る表示装置について図面を参照して説明する。
図1、図2に示すように、本発明の一実施形態である表示装置10は、導光板11を用いたパララックスバリア方式の表示装置であって、導光板11と、導光板11に光を入射する光源12と、導光板11の表面11aに重ね合わせて設けられたカラーフィルタ20と、このカラーフィルタ20を介して導光板11とは反対の側にパララックスバリアを形成するマスク32とを具備して構成されている。
光源12は、導光板11の外周の一端面11cから導光板11に光を入射できるように設置されている。
図示例の表示装置10は、さらに、マスク32とカラーフィルタ20との間に符号40で示される透明板で形成されるスペーサを有し、カラーフィルタ20の表面側に重ね合わされたスペーサ40に、マスク32が重ね合わせるようにして積層されている。
【0011】
導光板11には、光源12から入射された入射光を反射、散乱させて導光板表面11aからマスク32に向けて出射させる凹凸(凹部及び/又は凸部)である反射散乱部15が形成されている。
この表示装置10は、光源12からの入射光を反射散乱部15にて反射散乱させ導光板11からマスク21側(導光板11の表面側)に出射させた光(反射散乱光)によって、画像を観察者側であるマスク32表面側(図1〜図3において上側。詳細には後述のマスク付きフィルム30表面側。以下、装置表面側とも言う)から立体視可能に表示するものである。
【0012】
図3に示すように、マスク32は、具体的には、透明のベースフィルム31の片面に、遮光部32aを、スリット状の開口部32b(遮光部32aが無い部分)を介して複数配列形成したものであり、遮光部32aと開口部32bとが交互に並ぶストライプ状(または短冊状)に構成されている。遮光部32aは、透明のベースフィルム31の片面に例えば遮光性インクの印刷、金属蒸着等によって形成される。
図示例の表示装置10は、具体的には、スペーサ40の表面側(導光板11とは反対の側。装置表面側)に、ベースフィルム31の片面にマスク32が形成されたマスク付きフィルム30を、マスク32が導光板11側の向きで積層した構成になっている。
【0013】
なお、表示装置としては、スペーサ40に代えて、例えば導光板11に対してマスク付きフィルム30外周の全周あるいは複数箇所を支持部材で支持し、マスク32とカラーフィルタ20との間の前記スペーサの部分を間隙としても良い。
【0014】
マスク32としては、帯状の遮光部32aとスリット状の開口部32bとが交互に並ぶストライプ状の構成に限定されず、孔状の開口部と遮光部とが交互に並ぶ構成のものも採用可能である。
【0015】
図1に例示した表示装置10の導光板11は矩形板状である。光源12は、導光板11の外周の4つの端面のひとつ(符号11cで示す。以下、入射端面とも言う)に沿って延在配置された細長ケース13の長手方向複数箇所に設けられ、細長ケース13の導光板11側の開口から光を導光板11に入射可能とされている。
図示例では光源12は発光ダイオードであり、これら発光ダイオードは、給電装置14から給電された電力によって点灯される。また、各発光ダイオードは、導光板11への入射光が、入射端面11cから入射端面11cとは反対側の端部に向かうように、出射光の光軸が互いに平行に揃えられている。
【0016】
なお、光源としては発光ダイオードに限定されず、例えば蛍光灯、冷陰極管、白熱電球等も採用可能である。
また、導光板11はその外周に、光源12からの出射光を入射するための端面を有する構成であれば良く、上述のように矩形状のものに限定されず、その形状に特に限定は無い。
【0017】
導光板11は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、シクロポリオレフィン樹脂等の合成樹脂材料を用いて透明な長方形の板形状に形成されている。導光板11は、背景を透かして見ることができる程度の光透過性を有することが好ましい。そのため、導光板11には、光透過性や加工性等を考慮してアクリル樹脂を適用するのが好ましい。
なお、本発明において、透明であるとは、反射散乱部からの反射光が視認できる程度の光透過性をもつことをいう。この定義は本発明において共通に用いられる。
【0018】
図1〜図3に示すように、導光板11には、入射端面11cから入射された光源12からの入射光を表面11a側に反射散乱させ表面11aから出射させる反射散乱部15として、導光板11の表面11aから裏面11b側に向けて窪む切り欠き状の凹部であるドット状凹部16が複数形成されている。
【0019】
図3に示すように、ドット状凹部16は、具体的には断面視V字状の切り欠きであり、入射端面11cに向かって前後に配置されて互いに対向する2面のうち、前側(入射端面11c側)の面が、光源12から導光板11に入射された入射光を導光板表面11a側に反射(散乱も生じる)して導光板表面11aから出射させる反射面16aとされている。この反射面16aは、光源12からの入射光を導光板表面11a側に高い反射効率を以て効率良く反射するものであるが、前記入射光も散乱も生じさせるものであり、本発明に係る反射散乱部の反射散乱面として機能する。
【0020】
ドット状凹部16は、導光板11の表面11aから裏面11bに向けて導光板11の板厚寸法Tよりも小さい高さ寸法γ1で内部に内側空間を有して凹設されている。そして、ドット状凹部16は、その内側の空気と導光板11との屈折率差によって光源12からの入射光を反射面16aによって導光板表面11a側に反射、散乱させる。
【0021】
ドット状凹部16の反射面16aは、ドット状凹部16が開口する導光板11の面(表面11a)に対して導光板裏面11b側に行くにしたがって入射端面11cに接近するように傾斜する平面となっている。ドット状凹部16の反射面16aの導光板表面11aに対する傾斜角度α1(導光板表面11aに対する鋭角の角度。導光板表面11aの反射面16aから前側に位置する部分に対する傾斜角度)は例えば40度以上60度以下である。これによりドット状凹部16の反射面16aに高い反射効率を確保でき、反射光の視認性を高めることができる。また、傾斜角度α1は45度以上55度以下であることがさらに好ましい。
【0022】
また、反射面16aは平滑な平坦面とされている。このことも、反射面16aにおける光の反射効率の向上に有効に寄与する。
【0023】
上述のドット状凹部16であれば、少ない平面視の面積(導光板表面11aに占める形成面積が小さい)でも効率的に光を反射することができるので、微細な表現でもより明るい画像を表示することが可能となる。
【0024】
反射散乱部15は、導光板表面11aの複数箇所に形成され、特定のパターンを表示する。この例では、反射散乱部15は配列パターンによって装置表面側における複数の視点ごとの分割画像を表示する。
表示装置10では、反射散乱部15の配列パターンによって、例えば文字、記号、図形、模様のうちのいずれか1つ、あるいはこれらから選択される複数の組み合わせ等である画像を、観察者側である装置表面側から立体視可能に表示する。
【0025】
反射散乱部15からの反射散乱光による画像表示は、導光板表面11aを覆う層状のカラーフィルタ20に設けられた着色透光部21を透過し、マスク32の開口部32bを通って装置表面側に出射された反射散乱光によって実現される。
図3に示すように、カラーフィルタ20は、導光板11の反射散乱部15に対応する位置に着色透光部21(フィルタ本体)を有している。カラーフィルタ20は、着色透光部21を透過した反射散乱光を、着色透光部21の波長選択性によって例えば赤、緑、青等の何等かの色に着色された着色光とする機能を果たす。
【0026】
表示装置10の光源12としては白色光を出力(出射)するものを好適に用いることができるが、これに限定されず、光源12の出射光の色は例えば青色、赤色等であっても良い。
ここで説明する表示装置10は、光源12として設けられた複数の発光ダイオードの出射光の色が互いに同じに揃えられている。ここでは発光ダイオードとして白色光を出力(出射)するものを用いている。
この表示装置10では、導光板11に光源12から入射された入射光が反射散乱部15にて反射散乱された反射散乱光をカラーフィルタ20の着色透光部21に透過させることで、着色透光部21によって着色された光をマスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射させることができる。
【0027】
図3に示すように、この例の表示装置10のカラーフィルタ20は、フィルム状の透明ベース部22の複数箇所に導光板11の各反射散乱部15に対応させて着色透光部21がドット状に形成された構成となっている。このカラーフィルタ20は全体がフィルム状に形成されている。
着色透光部21としては、例えば、周知の染色法、顔料分散法等の手法によって染料、顔料といった色材を混入した透光性の着色樹脂材料を用いて形成した樹脂層等を採用できる。
カラーフィルタ20としては、例えば図4に示すように、透明のベースフィルム23(透明ベース部)の片面に透光性の着色樹脂材料を用いて例えば印刷等によって着色透光部21を形成したもの(着色層付きフィルム20A)等も採用可能である。
【0028】
なお、カラーフィルタ20は、着色形成部21が設けられている箇所に、導光板11の反射散乱部15からの反射散乱光がカラーフィルタ20の厚みを透過可能な透光性を有する構成であれば良く、着色透光部21が設けられている箇所以外については透光性が要求されない。このため、着色透光部21が設けられていない箇所については透明ベース部22にかえて例えば黒色等に着色された遮光性の合成樹脂製フィルムを採用することも可能である。
【0029】
個々の反射散乱部15に対応して設けられた各着色透光部21は、反射散乱部15からマスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射される光が全て着色透光部21を透過するように、図5に示すように、平面視において導光板11のドット状凹部16の反射面16a全体を覆う層状に設けられている。
図5に例示した着色透光部21は、平面視において導光板11のドット状凹部16の反射面16a全体を覆うとともに反射面16aの周囲にも若干張り出す層状に形成されている。
【0030】
また、表示装置10は、カラーフィルタ20として互いに色が異なる複数タイプの着色透光部21を有するものを採用している。このため、反射散乱部15からマスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射される光の色は単一ではなく、この光が透過する着色透光部21の色の違いに応じて相違する。
つまり、この表示装置10では、反射散乱部15からの反射散乱光をカラーフィルタ20の着色透光部21を透過させることで、マスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射される光の色の制御を容易に実現できる。
よって、個々の反射散乱部15での反射散乱光を異なる色にできる。
【0031】
図示例の表示装置10のカラーフィルタ20は、反射散乱部15からの反射散乱光を赤色に着色する第1着色透光部21R、緑色に着色する第2着色透光部21G、青色に着色する第3着色透光部21Bの、色で区別される3タイプ(3つの色タイプ)の着色透光部21を有している。
着色透光部21R、21G、21Bはそれぞれ1または複数設けることができる。
この表示装置10にあっては、反射散乱部15からの反射散乱光が、3つの色タイプの着色透光部21のいずれかを透過してマスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射される構成とされている。
【0032】
カラーフィルタ20は、3つの色タイプの着色透光部21を有する構成に限定されず、2又は4以上の色タイプの着色透光部21を有する構成も採用可能である。各色の着色透光部21は、それぞれ1または複数設けることができる。
【0033】
本発明に係る表示装置10は、フィルム状のカラーフィルタ20を導光板11の表面11a側に重ね合わせて設ける構成により、装置組み立て時に、導光板11の反射散乱部15に対する着色透光部21の位置決め精度の確保が容易になるといった効果が得られる。
また、この構成であれば、導光板11の反射散乱部15にカラーフィルタ20の着色透光部21が接近配置されるため、装置表面側から見る角度が変わった場合の反射散乱部15と着色透光部21との位置ずれ(位置がずれて見える)が生じにくくなるといった利点がある。
【0034】
図4に例示したカラーフィルタ(着色層付きフィルム20A)のように、透明ベースフィルムの片面に着色透光部21を有する構成のカラーフィルタを用いる場合は、導光板11の反射散乱部15に着色透光部21の位置を接近させる点で、カラーフィルタの着色透光部21が形成されている側の面を導光板表面11aに当接させてカラーフィルタを導光板11に重ね合わせることが好ましい。
【0035】
また、カラーフィルタとしては、透明板の片面の複数箇所に着色透光部21(カラーフィルタ本体)を印刷等によって形成して構築したフィルタ層であっても良い。この場合、透明板の片面にフィルタ層が形成された構成のフィルタ層付き透明板は、そのフィルタ層が形成されている側の面を導光板表面11aに当接させて導光板11に重ね合わせて設けることが、導光板11の反射散乱部15に着色透光部21の位置を接近させる点で好ましい。
また、フィルタ層付き透明板については、透明板を、図1〜図3に例示したスペーサ40として機能させることも可能であり、表示装置の部品点数の抑制に寄与するといった利点もある。
【0036】
なお、図4に例示した着色層付きフィルム20Aも、透明ベースフィルム23(透明ベース部)の片面に、着色透光部21によって構成されたフィルタ層を有する構成とみなすことができるものである。
【0037】
カラーフィルタは、導光板11に密着しないように、導光板11に対して弱い力で接触させるか、圧接力が作用しない状態で当接させる。このことは、本発明に係る他の実施形態においても、導光板とカラーフィルタとの関係において同様に採用される。
【0038】
また、カラーフィルタとしては、導光板11の複数の反射散乱部15の個々に対応してひとつずつ設けられた着色透光部21がトッド状に点在する構成に限定されない。
例えば、導光板11に多数形成された反射散乱部15の一部が、導光板11における特定の領域(導光板11の平面視における特定の領域)に複数形成され、これら反射散乱部15からの反射散乱光を、前記特定の領域の全体に対応して延在形成したひとつの着色透光部21に透過させて同じ色にするといったことも可能である。
【0039】
また、本発明に係る表示装置としては、カラーフィルタ20の着色透光部21を導光板11の全ての反射散乱部15に対応して、反射散乱部15からマスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射される光が全て着色透光部を透過するように形成した構成に限定されず、導光板11の複数の反射散乱部15の一部について着色透光部を設けず、反射散乱部15から着色透光部21を透過することなくマスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射される反射散乱光が存在する構成も採用可能である。
【0040】
図6は、導光板11(符号11Aで示す)の表面11a側ではなく裏面11b側に反射散乱部15が形成された表示装置10Aを示す一部断面図である。導光板11Aの裏面11b側には、反射散乱部15として表面11aに向けて窪むドット状凹部18が複数形成されている。
ドット状凹部18は断面視V字状の切り欠きであって、入射光を表面11a側に反射する傾斜面である反射面18aを有する。
【0041】
装置表面側から見る角度が変わった場合の反射散乱部15と着色透光部21との位置ずれ(位置がずれて見える)が生じにくくするためには、カラーフィルタ20の着色透光部21と、導光板11の反射散乱部15とが近いことが好ましい。
この点では、導光板11Aの裏面11bに反射散乱部15がある図6の表示装置10Aに比べて、導光板11の表面11aに反射散乱部15がある図1〜図3等の表示装置10の方が有利である。
【0042】
また、図1〜図3等に示す表示装置10は、図6に示す表示装置10Aに比べて、反射散乱部15とカラーフィルタ20との間の距離が短くなるため、反射散乱部15からの反射散乱光がカラーフィルタ20に到達するまでの拡散を小さく抑えることができる。
このため、表示装置10(図1〜図3等)は、表示装置10A(図6)に比べて、カラーフィルタ20における着色透光部21のサイズ(形成範囲)を縮小しても、反射散乱部15からマスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射される光を全て着色透光部21に透過させることができ、着色透光部21の小型化の点で有利である。
【0043】
着色透光部21の小型化は、例えば互いに色が異なる複数の着色透光部21の形成密度の高密度化等、着色透光部21の形成密度の高密度化に有利である。これにより、導光板11に高密度に多数の反射散乱部15が形成された領域について個々の反射散乱部15に対応して着色透光部21を配置することが容易となり、その結果、微細な画像表示にも容易に対応できる。
【0044】
図7は、導光板11の他の例を示すもので、この導光板11(導光板11B)は、表面11aに反射散乱部15としてドット状凹部19が形成されている。
ドット状凹部19は、断面視V字状の切り欠きであり、入射端面11cに向かって前後に配置されて互いに対向する2面のうち、後側(入射端面11cとは逆側)の面が、光源12からの入射光を反射(散乱も生じる)して導光板表面11aから出射させる反射面19aとされている。
反射面19aは、導光板表面11a側に行くにしたがって入射端面11cから離隔するように傾斜する平面である。反射面19aは平滑面でなく、光の拡散が起こりやすい粗面とすることもできる。
図8は、導光板11のさらに他の例を示すもので、この導光板11(導光板11C)は、表面11aに反射散乱部15として粗面化部24が形成されている。粗面化部24は、レーザ加工、サンドブラスト等によって微細な凹凸を形成したものである。また、反射散乱部15としては、シボ加工部等も採用可能である。
【0045】
本発明に係る表示装置に使用するカラーフィルタとしては、例えば図9に示すように、複数の色タイプの着色透光部21が規則的に隙間なく配列された構成のものも採用可能である。
図9に例示した表示装置10Bは、図1〜図3等に示す表示装置10について、カラーフィルタ20にかえて上述のカラーフィルタ20Bを採用したものである。
カラーフィルタ20Bは、赤、緑、青の3種の色タイプのドット状の着色透光部21R、21G、21Bが規則的に隙間なく配列された構成になっている。
着色透光部21の平面視形状は特に限定されず、一定幅の帯状、長方形状、正方形状、楕円状、円形等とすることができる。着色透光部21の平面視形状、サイズは互いに同じとすることができる。
【0046】
カラーフィルタ20Bは、第1着色透光部21Rと、第2着色透光部21Gと、第3着色透光部21Bとが互いに平行に一定の順番の繰り返しパターンで形成された構成になっている。
なお、カラーフィルタ20Bは、例えば透明ベース部の片面に多数の着色透光部21を規則的に配列形成した構成としても良いし、例えば隣り合う着色透光部21同士が一体的に形成されたフィルム状部材自体からなり、透明ベース部を有していない構成であっても良い。
【0047】
また、この表示装置10Bの導光板11は、その表面11a側に反射散乱部15(図示例ではドット状凹部16)が複数形成されたものであり、装置表面側に画像を立体視可能に表示するための分割画像を形成する反射散乱部15の配列パターンを有する。但し、図9に例示した表示装置10Bの反射散乱部15の形成位置は、反射散乱部15からの反射散乱光をカラーフィルタ20Bの着色透光部21に透過させて所望の色に着色するべく、カラーフィルタ20Bの複数の着色透光部21から選択した一つに対応させている。
【0048】
この表示装置10Bにあっては、各ドット状凹部16は、それぞれ、平面視において反射面16aの全体がカラーフィルタ20Bの複数の着色透光部21から選択されるひとつに覆われるように、カラーフィルタ20Bの着色透光部21に対する反射面16aの位置及びサイズが調整されている。
これにより、ドット状反射部16の反射面16aにて反射散乱されマスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射させる光が全て、カラーフィルタ20Bの複数の着色透光部21から選択されるひとつを透過するように構成されている。
【0049】
カラーフィルタ20Bの着色透光部21は、例えば長辺が数百μm〜1mm、短辺が数十μm〜数百μmの平面視長方形状等の微細なドット状に形成される。
このため、カラーフィルタ20Bの着色透光部21に対する反射散乱部15の位置を、マスク32の開口部32bを介して装置表面側に出射する反射散乱光が全て、カラーフィルタ20Bの複数の着色透光部21から選択したひとつを透過するように調整しても、これが分割画像の表示に与える視覚的影響は殆ど無い。
【0050】
図10は、反射散乱部15(ドット状凹部16)の平面配置の例を示す平面図である。
この例では、表示装置10の一部範囲17Aにおいて、着色透光部21の延在方向(図10の左右方向)に対し垂直な帯状領域A1〜C1のうち、マスク32の開口部32bに相当する位置にある帯状領域B1には、着色透光部21B(青色)に重なる位置に反射散乱部15B(ドット状凹部16B)が形成されている。
帯状領域B1の一方側(図10の左側)に隣接する帯状領域A1は、平面視において遮光部32aに相当する位置にあり、帯状領域A1には反射散乱部15(ドット状凹部16)は形成されていない。
帯状領域B1の他方側(図10の右側)に隣接する帯状領域C1は平面視において遮光部32aに相当する位置にあり、帯状領域C1には、着色透光部21G(緑色)に重なる位置に反射散乱部15C(ドット状凹部16C)が形成されている。
このため、開口部32bを通して帯状領域A1が視認される第1の視点では、反射散乱部15からの反射光は視認されないが、開口部32bを通して帯状領域B1が視認される第2の視点では、反射散乱部15Bからの反射光(青色)が視認され、帯状領域C1が視認される第3の視点では、反射散乱部15Cからの反射光(緑色)が視認される。
この例では、帯状領域A1〜C1に、互いに異なる着色透光部21に重なる反射散乱部15を形成することができるため、視点ごとに異なる色の表示が可能となることから、多彩な表現が可能となる。
【0051】
図11は、反射散乱部15(ドット状凹部16)の平面配置の他の例を示す平面図である。
この例では、表示装置10の一部範囲17Bにおいて、帯状領域A1には、着色透光部21B(青色)に重なる位置に3つの反射散乱部15A(ドット状凹部16A)が形成されている。帯状領域B1には、着色透光部21G(緑色)に重なる位置に9つの反射散乱部15B(ドット状凹部16B)が形成されている。帯状領域C1には、着色透光部21R(赤色)に重なる位置に1つの反射散乱部15C(ドット状凹部16C)が形成されている。
このため、開口部32bを通して帯状領域A1が視認される第1の視点では、平均的な強度の反射光(青色)が視認され、帯状領域B1が視認される第2の視点では、比較的強い反射光(緑色)が視認され、帯状領域C1が視認される第3の視点では、比較的弱い反射光(赤色)が視認される。
この例では、帯状領域A1〜C1に、互いに異なる数の反射散乱部15を形成することができるため、視点ごとに、色だけでなく光の強度も調整可能となることから、さらに多彩な表現が可能となる。
【0052】
図12は、反射散乱部15(ドット状凹部16)の平面配置のさらに他の例を示す平面図である。
この例では、帯状領域A1〜C1は着色透光部21の延在方向(図12の上下方向)に沿う領域であり、各帯状領域A1〜C1は、それぞれ一組の着色透光部21G、21B、21Rを含む。
帯状領域A1には、範囲17Cに、着色透光部21G(緑色)に重なる位置に3つの反射散乱部15A(ドット状凹部16A)が形成されている。帯状領域B1には、範囲17Dに、着色透光部21B(青色)に重なる位置に1つの反射散乱部15B(ドット状凹部16B)が形成されている。帯状領域C1には、反射散乱部15は形成されていない。
このため、開口部32bを通して帯状領域A1が視認される第1の視点では、比較的強い反射光(緑色)が視認され、帯状領域B1が視認される第2の視点では、比較的弱い反射光(青色)が視認され、帯状領域C1が視認される第3の視点では、反射散乱部15からの反射光は視認されない。
この例においても、図11に示す例と同様に、視点ごとに、色だけでなく光の強度も調整可能となることから、さらに多彩な表現が可能となる。
なお、他の帯状領域(例えば帯状領域A2〜C2)も、帯状領域A1〜C1と同様の構成とすることができる。
【0053】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されずその主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
上述の実施形態では、パララックスバリア方式の表示装置、すなわちスリット状あるいは孔状の開口部と遮光部とが交互に並ぶマスクを用いた表示装置を例示したが、本発明はこれに限定されず、前記マスクにかえてレンティキュラーレンズ(レンズアレイ)を用いたレンズアレイ方式の表示装置も採用可能である。
例えば、図13は、図1〜図3を参照して説明した表示装置10のマスク32にかえてレンティキュラーレンズ50を採用した構成の表示装置10Cを示す。
なお、本発明の表示装置は、マスクまたはレンズアレイを備えていない構成も可能である。
【符号の説明】
【0054】
10、10A、10B、10C…表示装置、11、11A…導光板、11a…表面、11b…裏面、11c…端面(入射端面)、12…光源(発光ダイオード)、15…反射散乱部、16、18、19…反射散乱部(ドット状凹部)、16a、18a…反射散乱面(ドット状凹部の反射面)、20、20A、20B…カラーフィルタ、21…着色透光部、32…マスク、32a…遮光部、32b…開口部、50…レンズアレイ(レンティキュラーレンズ)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光板と、この導光板にその端面から光を入射する光源とを備え、
前記導光板表面には、前記光源からの入射光を導光板表面側に反射散乱させる反射散乱部が複数形成されており、
前記導光板の表面側に着色透光部を設け、
前記反射散乱部で反射散乱し前記着色透光部を透過した光を少なくとも含む光がなす特定のパターンを表示する表示装置。
【請求項2】
前記導光板の表面側に、特定の複数色のそれぞれで着色された前記着色透光部1以上をそれぞれ設けた請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記反射散乱部が、前記光源からの入射光を導光板表面側に反射させる反射面を有する請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記反射散乱部が、前記導光板の表面側に形成した切り欠きである請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記反射面が、前記導光板の面に対して前記光源側に40〜60度の傾斜角度で傾斜されている請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記導光板の表面側に設けた前記着色透光部のさらに表面側に、パララックスバリアを形成するマスク又はレンズアレイを設けた請求項1〜5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記マスクでは、特定の方向に沿った短冊状の遮光部と開口部とを交互に並べて配置した請求項1〜6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記特定の複数色が、赤、緑、青である請求項2〜7のうちいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項1】
導光板と、この導光板にその端面から光を入射する光源とを備え、
前記導光板表面には、前記光源からの入射光を導光板表面側に反射散乱させる反射散乱部が複数形成されており、
前記導光板の表面側に着色透光部を設け、
前記反射散乱部で反射散乱し前記着色透光部を透過した光を少なくとも含む光がなす特定のパターンを表示する表示装置。
【請求項2】
前記導光板の表面側に、特定の複数色のそれぞれで着色された前記着色透光部1以上をそれぞれ設けた請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記反射散乱部が、前記光源からの入射光を導光板表面側に反射させる反射面を有する請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記反射散乱部が、前記導光板の表面側に形成した切り欠きである請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記反射面が、前記導光板の面に対して前記光源側に40〜60度の傾斜角度で傾斜されている請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記導光板の表面側に設けた前記着色透光部のさらに表面側に、パララックスバリアを形成するマスク又はレンズアレイを設けた請求項1〜5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記マスクでは、特定の方向に沿った短冊状の遮光部と開口部とを交互に並べて配置した請求項1〜6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記特定の複数色が、赤、緑、青である請求項2〜7のうちいずれか一項に記載の表示装置。
【図5】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−128191(P2012−128191A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279710(P2010−279710)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
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