説明

表示装置

【課題】覗き込み型の表示部とタッチセンサとを併用した表示装置において、ユーザが表示部を覗き込んだ場合のタッチセンサの操作性を向上することが可能な表示装置を提供すること。
【解決手段】AF動作時において、ユーザがファインダ用モニタ211を覗き込んでいることがアイセンサ212の出力によって検出された場合に、ボディCPU2201は、ファインダタッチ処理を実行する。このファインダタッチ処理において、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209の出力として検出される、背面モニタ214上のユーザの指の動きに従ってファインダ用モニタ211におけるAFターゲット枠の表示位置を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、覗き込み型の表示部を有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置において、覗き込み型の表示部(ファインダ)を備えたものが多く知られている。このような覗き込み型のファインダを用いることにより、ユーザは、撮像装置をしっかりと把持しつつ、被写体の観察を行うことが可能である。
一方、近年の撮像装置においては、例えば撮像装置の背面のモニタ上にタッチセンサを設けたものも知られている。このようなタッチセンサを用いることにより、ユーザは、撮像装置の操作を直感的に行うことが可能である。
【0003】
ここで、覗き込み型のファインダとタッチセンサとを併用した場合、タッチセンサが撮像装置の背面側に設けられていると、ファインダを覗いた際にユーザの鼻等がタッチセンサに接触してタッチセンサが誤動作してしまう可能性がある。このため、特許文献1では、ユーザがファインダを覗き込んでいると推定された場合には、鼻等が接触しない一部の領域でのみタッチセンサを用いたタッチ操作を有効とするようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−134077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、タッチ操作可能な領域を制限することにより、例えばオートフォーカス(AF)時のAFターゲットの指定等、画面内の全域を直接指定する必要があるタッチ操作が困難となる。ユーザがファインダを覗き込んでいる場合もファインダを覗き込んでいない場合と同様の操作性でタッチセンサを操作できることが望ましい。
【0006】
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたもので、覗き込み型の表示部とタッチセンサとを併用した表示装置において、ユーザが表示部を覗き込んだ場合のタッチセンサの操作性を向上することが可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するために、本発明の一態様の表示装置は、操作者によって覗き込まれた状態で画像が視認される第1の表示部と、操作者によって覗き込まれることなく画像が視認される第2の表示部と、前記第2の表示部の少なくとも一部の領域に設けられ、前記操作者の指の接触及び指の移動を検出する入力検出部と、前記入力検出部によって前記操作者の指の接触が検出された場合に、前記第1の表示部に当該表示装置の設定に係る指標の表示を開始させ、前記入力検出部によって前記操作者の指の移動が検出された場合に、該指の移動の状態に従って前記指標の表示位置を移動させる制御部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、覗き込み型のファインダとタッチセンサとを併用した表示装置において、ユーザがファインダを覗き込んだ場合のタッチセンサの操作性を向上することが可能な表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の一例としてのデジタルカメラの外観背面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの内部の構成を示すブロック図である。
【図3】デジタルカメラのメイン動作について示すフローチャートである。
【図4】AF動作に係る背面モニタタッチ処理の詳細を示したフローチャートである。
【図5】AF動作に係るファインダタッチ処理の詳細を示したフローチャートである。
【図6】パラメータ設定に係る背面モニタタッチ処理の詳細を示したフローチャートである。
【図7】パラメータ設定に係るファインダモニタタッチ処理の詳細を示したフローチャートである。
【図8】ファインダタッチ処理時における画面表示を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置を備えた撮像装置の一例としてのデジタルカメラ(以下、カメラと言う)の外観背面図である。ここで、図1(a)は第1の例のカメラの外観背面図を示し、図1(b)は第2の例のカメラの外観背面図を示している。図1(a)及び図1(b)に示すカメラは、それぞれ、レンズ交換式のカメラを例示している。しかしながら、以下で説明する本実施形態の技術は、レンズ交換式のカメラにのみ適用されるものではない。
【0011】
図1(a)及び図1(b)に示すカメラ10は、交換レンズ100と、カメラボディ200とを有している。交換レンズ100は、カメラボディ200に設けられた図示しないレンズマウントを介してカメラボディ200に着脱自在に構成されている。交換レンズ100がカメラボディ200に装着されることによって、交換レンズ100とカメラボディ200とが通信自在に接続される。
【0012】
図1(a)に示すカメラボディ200の背面には、接眼レンズ213と、アイセンサ212と、背面モニタ214とが配置されている。また、カメラボディ200の上面には、電源スイッチ2161と、シャッタボタン2162と、が操作部として配置されている。さらに、カメラボディ200の背面には、設定ボタン2163と、操作ダイヤル2164と、が操作部として配置されている。また、図1(b)に示すに示すカメラボディ200の背面には、接眼レンズ213と、アイセンサ212と、背面モニタ214とが配置されている。また、カメラボディ200の上面には、電源スイッチ2161と、シャッタボタン2162と、が操作部として配置されている。
【0013】
図2は、カメラ10の内部の構成を示すブロック図である。図2に示すように、交換レンズ100は、撮影レンズ101と、絞り機構102と、フォーカス駆動機構103と、絞り駆動機構104と、レンズCPU105と、を有している。
撮影レンズ101は、図示しない被写体からの光を、カメラボディ200の内部の撮像素子204に結像させるための光学系である。この撮影レンズ101は、フォーカスレンズを有している。フォーカスレンズは、図の一点鎖線で示す光軸方向に駆動されて撮影レンズ101のフォーカスを調整する。絞り機構102は、撮影レンズ101を介して撮像素子204に入射する被写体からの光の量を調整する。
【0014】
フォーカス駆動機構103は、モータ等を有し、レンズCPU105の制御のもと、フォーカスレンズをその光軸方向に駆動させる。絞り駆動機構104は、モータ等を有し、レンズCPU105の制御のもと、絞り機構102を開閉駆動させる。
レンズCPU105は、交換レンズ100がカメラボディ200に装着された際に通信端子106を介してカメラボディ内のシーケンスコントローラ(ボディCPU)2201と通信自在に接続される。このレンズCPU105は、ボディCPU2201からの制御に従ってフォーカス駆動機構103や絞り駆動機構104の動作を制御する。
【0015】
カメラボディ200は、フォーカルプレーンシャッタ(シャッタ)201と、シャッタ駆動機構202と、フィルタ群203と、撮像素子204と、撮像素子駆動回路205と、前処理回路206と、SDRAM207と、フラッシュメモリ208と、記録媒体209と、モニタ駆動回路210と、ファインダ用モニタ211と、接眼レンズ213と、アイセンサ212と、背面モニタ214と、タッチセンサ215と、操作部216と、着脱検知スイッチ217と、電源供給回路218と、電池219と、制御回路220と、を有している。
【0016】
シャッタ201は、撮像素子204の光電変換面に対して進退自在に配置されている。このシャッタ201は、シャッタ駆動機構202によって駆動されて撮像素子204の光電変換面を露出状態又は遮光状態とする。シャッタ駆動機構202は、ボディCPU2201の制御に従ってシャッタ201を開閉駆動させる。このようなシャッタ201の駆動によって撮像素子204の露光時間が調整される。
【0017】
フィルタ群203は、撮影レンズ101を介して入射してくる光の赤外成分を除去する赤外カットフィルタや撮影レンズ101を介して入射してくる光の高周波成分を除去するローパスフィルタといった複数のフィルタを有している。
撮像素子204は、複数の画素が配置された光電変換面を有し、撮影レンズ101を介して光電変換面上に結像された被写体からの光を電気信号(画像信号)に変換する。撮像素子駆動回路205は、入出力回路2211を介したボディCPU2201からの指示に従って撮像素子204を駆動制御するとともに、撮像素子204で得られた画像信号の読み出しを制御する。前処理回路206は、撮像素子駆動回路205を介して撮像素子204から読み出された画像信号に対してノイズ除去や増幅等のアナログ処理や、アナログ処理した画像信号をデジタル信号(画像データ)に変換する処理といった前処理を行う。
【0018】
SDRAM207は、前処理回路206において得られたデータ等を一時格納しておくためのバッファメモリである。フラッシュメモリ208は、ボディCPU2201によって読み出される制御プログラムやカメラボディ200の各種の設定値等を記憶するメモリである。記録媒体209は、例えばカメラボディ200に対して着脱自在に構成されたメモリカードであり、圧縮伸長回路2207において圧縮された画像データを記録する。
【0019】
モニタ駆動回路210は、ビデオ信号出力回路2208から入力されたビデオ信号に従ってファインダ用モニタ211や背面モニタ214を駆動してそれぞれのモニタの画面上に画像を表示させる。
第1の表示部として機能するファインダ用モニタ211は、覗き込み型のファインダ用のモニタである。即ち、ファインダ用モニタ211は、ユーザによって覗き込まれた状態で画像が視認される。このファインダ用モニタ211としては例えば液晶モニタが用いられる。ファインダ用モニタ211は、モニタ駆動回路210によって駆動されて、撮像素子204を介して得られる被写体観察用の画像を表示する。また、後述するが、本実施形態におけるファインダ用モニタ211は、被写体観察中のAF(オートフォーカス)設定を行うための表示やパラメータ設定を行うための画面の表示も行う。接眼レンズ213は、ファインダ用モニタ211の画面上に表示されている画像をユーザの眼に結像させるための接眼光学系である。アイセンサ212は、ユーザがファインダ用モニタ211を覗いているか否かを検出するためのセンサである。このアイセンサ212としては、例えば赤外線センサを用いることが可能である。
【0020】
第2の表示部として機能する背面モニタ214は、図1で示したようにカメラボディ200の背面に露出するように配置されている。この背面モニタ214は、モニタ駆動回路210によって駆動されて、圧縮伸長回路2207で伸長された画像等の各種の画像を表示する。この背面モニタ214は、ファインダ用モニタ211と異なり、ユーザによって覗き込まれることなく、画像が視認される。また、後述するが、本実施形態における背面モニタ214は、被写体観察中のAF設定を行うための表示やパラメータ設定を行うための画面の表示も行う。タッチセンサ215は、背面モニタ214と一体的に設けられており、ユーザの指の接触をユーザからの操作として検出する。ここで、タッチセンサ215として、抵抗膜方式や静電容量方式等、各種の方式のタッチセンサを用いることが可能である。
【0021】
操作部216は、図1で示した電源スイッチ2161、シャッタボタン2162、設定ボタン2163、操作ダイヤル2164、といった各種の操作部である。電源スイッチ2161は、ユーザがカメラボディ200の電源のオンオフを指示するための操作部である。シャッタボタン2162は、ユーザが撮影実行の指示をするための操作部である。設定ボタン2163は、ユーザが各種のパラメータ設定等を行うための操作部群である。操作ダイヤル2164は、ダイヤル式の操作部である。この操作ダイヤル2164も各種のパラメータ設定等に用いられる。
【0022】
ここで、図1(b)に示すカメラボディ200の背面には、設定ボタン2163と操作ダイヤル2164とが設けられていない。図1(b)に示すカメラ10においては、設定ボタン2163と操作ダイヤル2164の機能がタッチセンサ215に割り当てられているものである。
【0023】
着脱検知スイッチ217は、カメラボディ200に交換レンズ100が装着された際にオンするスイッチであり、オンすることによって、カメラボディ200に交換レンズ100が装着されたことを示す信号を操作入力検知回路2210に出力する。
電源供給回路218は、電池219の電圧をカメラボディ200の各ブロックが必要とする電圧に変換する。そして、電源供給回路218は、変換した電池219の電圧をカメラボディ200の各ブロックに供給する。電池219は、例えば2次電池であって、カメラボディ200の電源として機能する。
【0024】
制御回路220は、カメラボディ200の各種の動作を制御する。この制御回路220は、シーケンスコントローラ(ボディCPU)2201と、コントラストAF回路2202と、SDRAM制御回路2203と、フラッシュメモリ制御回路2204と、記録媒体制御回路2205と、画像処理回路2206と、圧縮伸長回路2207と、ビデオ信号出力回路2208と、タッチセンサ入力回路2209と、操作入力検知回路2210と、入出力回路2211と、通信回路2212と、データバス2213と、を有している。
【0025】
ボディCPU2201は、制御回路220内の各回路の動作を統括して制御する。また、本実施形態におけるボディCPU2201は、制御部としての機能も有し、タッチセンサ入力回路2209からの出力に従ってファインダ用モニタ211や背面モニタ214における指標の表示位置の更新も行う。この指標は、後述するカメラ10の設定を変更したり確定したりするために用いられる。
【0026】
コントラストAF回路2202は、撮像素子204を介して得られる画像データから画像のコントラストを評価するための評価値を算出する。ボディCPU2201は、この評価値に従ってフォーカスレンズのAF制御を行う。
SDRAM制御回路2203は、SDRAM207へのデータの書き込み及び読み出しを制御する。フラッシュメモリ制御回路2204は、フラッシュメモリ208へのデータの書き込み及び読み出しを制御する。記録媒体制御回路2205は、記録媒体209へのデータの書き込み及び読み出しを制御する。
【0027】
画像処理回路2206は、前処理回路206において得られ、SDRAM207に格納された画像データに対して各種の画像処理を施す。この画像処理は、画像の色バランスを補正するホワイトバランス補正処理、画像の色を補正する色補正処理、画像の階調を補正する階調補正処理等が含まれる。画像処理回路2206において画像処理された画像データはSDRAM207に再び格納される。圧縮伸長回路2207は、画像処理後の画像データを読み出し、読み出した画像データをJPEG方式等の所定の圧縮形式で圧縮する。また、圧縮伸長回路2207は、画像の再生時には、圧縮済みの画像データを読み出し、読み出した画像データを伸長することも行う。
【0028】
ビデオ信号出力回路2208は、SDRAM207から画像データを読み出し、読み出した画像データをビデオ信号に変換してモニタ駆動回路210に出力する。タッチセンサ215とともに入力検出部として機能するタッチセンサ入力回路2209は、タッチセンサ215からの信号から、タッチセンサ215上におけるユーザの指のタッチ位置や指の動きを解析し、解析した結果をボディCPU2201に出力する。
【0029】
操作入力検知回路2210は、操作部216の各操作部の操作状態を検知し、検知結果をボディCPU2201に通知する。操作入力検知回路2210を介して操作部の操作が検知された場合に、ボディCPU2201は、操作された操作部の操作内容に応じた制御を実行する。
【0030】
入出力回路2211は、撮像素子駆動回路205やシャッタ駆動機構202の制御を行うための信号を制御回路220から出力するためのインターフェース回路である。通信回路2212は、カメラボディ200のボディCPU2201と交換レンズ100のレンズCPU105との通信を行うための各種処理を行う。データバス2213は、前処理回路206において得られた画像データや画像処理回路2206で処理された画像データ等の種々のデータを転送するための転送路である。
【0031】
以下、図1及び図2に示したカメラ10の動作について説明する。本実施形態におけるカメラ10は、ユーザがファインダ用モニタ211を覗き込んだ状態で各種のカメラ10の設定を行うことが可能である。
【0032】
図3は、カメラ10のメイン動作について示すフローチャートである。この図3の処理は、カメラ10が撮影モードで起動された場合に実行される。カメラ10が撮影モードで起動された場合に、ボディCPU2201は、アイセンサ212の出力から、ユーザがファインダ用モニタ211を利用した撮影(以下、ファインダ撮影と言う)を行おうとしているか否か、即ちユーザがファインダ用モニタ211を覗き込んでいるか否かを判定する(ステップS101)。
【0033】
ステップS101の判定において、ユーザがファインダ撮影を行おうとしている場合に、ボディCPU2201は、ビデオ信号出力回路2208を介してモニタ駆動回路210を制御し、ファインダ用モニタ211の表示をオンさせる(ステップS102)。この際、ボディCPU2201は、入出力回路2211を介して撮像素子駆動回路205を制御することによって撮像素子204を駆動させる。そして、撮像素子204を介して得られた画像データを画像処理回路2206において処理し、その後、処理した画像データに基づく被写体観察用の画像をファインダ用モニタ211に表示させる。このような画像表示により、ユーザは、ファインダ用モニタ211を用いて被写体の観察を行うことが可能である。
【0034】
ファインダ用モニタ211の表示をオンさせた後、ボディCPU2201は、ビデオ信号出力回路2208を介してモニタ駆動回路210を制御し、背面モニタ214の表示をオフさせる(ステップS103)。その後、ボディCPU2201は、ファインダタッチ処理を開始する(ステップS104)。このファインダタッチ処理の詳細については後述する。ファインダタッチ処理の後、ボディCPU2201は、図3の処理を終了させる。
【0035】
また、ステップS101の判定において、ユーザがファインダ撮影を行おうとしていない場合、即ちユーザがファインダ用モニタ211を覗き込んでいない場合に、ボディCPU2201は、ビデオ信号出力回路2208を介してモニタ駆動回路210を制御し、背面モニタ214の表示をオンさせる(ステップS105)。この際、ボディCPU2201は、入出力回路2211を介して撮像素子駆動回路205を制御することによって撮像素子204を駆動させる。そして、撮像素子204を介して得られた画像データを画像処理回路2206において処理し、その後、処理した画像データに基づく被写体観察用の画像を背面モニタ214に表示させる。
【0036】
背面モニタ214の表示をオンさせた後、ボディCPU2201は、ビデオ信号出力回路2208を介してモニタ駆動回路210を制御し、ファインダ用モニタ211の表示をオフさせる(ステップS106)。その後、ボディCPU2201は、背面モニタタッチ処理を開始する(ステップS107)。この背面モニタタッチ処理の詳細については後述する。背面モニタタッチ処理の後、ボディCPU2201は、図3の処理を終了させる。
【0037】
図4は、AF動作に係る背面モニタタッチ処理の詳細を示したフローチャートである。図4の背面モニタタッチ処理において、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209からの出力により、ユーザの指が背面モニタ214の画面上に接触したか否かを検出している。そして、ユーザの指が背面モニタ214の画面上に接触したとき、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209からの信号に従って、ユーザの指のタッチ位置を検出する。さらに、ボディCPU2201は、タッチ位置の時間変化から、指の移動方向、移動距離、移動速度を検出する(ステップS201)。
【0038】
指のタッチ位置の検出後、ボディCPU2201は、今回の指のタッチが背面モニタタッチ処理の実行後の最初のタッチ(ファーストタッチ)であったか否かを判定する(ステップS202)。ステップS202の判定において、今回の指のタッチが最初のタッチであった場合、ボディCPU2201は、ビデオ信号出力回路2208を介してモニタ駆動回路210を制御して背面モニタ214の画面上のユーザの指のタッチ位置に対応した位置に指標としてのAFターゲット枠を表示させる(ステップS203)。その後、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209の出力から、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をタップ(1回叩く)したことが検出されたか否かを判定する(ステップS204)。
【0039】
ステップS204の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をタップしたことが検出された場合に、ボディCPU2201は、その時点でAFターゲット枠が位置している被写体にフォーカスレンズが合焦されるようにAF動作を実行する(ステップS205)。AF動作においては、例えばコントラストAFを用いることができる。コントラストAFにおいては、フォーカスレンズを駆動しつつ、コントラストAF回路2202において得られる評価値に従って画像データのコントラストを評価する。そして、AFターゲット枠が位置している被写体のコントラストが最大となるようにフォーカスレンズの位置を制御する。AF動作の終了後、ボディCPU2201は、図4の処理を終了させる。その後は、ユーザのシャッタボタン2162の操作を受けて撮影動作を実行する。撮影動作については従来周知の手法が適用されるので詳細な説明は省略する。また、新たなタッチが検出された場合には図4の処理が再度実行される。
【0040】
また、ステップS201の判定において今回の指のタッチが最初のタッチでない場合又はステップS204の判定においてユーザの指が背面モニタ214の画面上をタップしたことが検出されていない場合に、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209の出力から、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスライド(移動)したことが検出されたか否かを判定する(ステップS206)。ステップS206の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスライドしたことが検出された場合に、ボディCPU2201は、ステップS201で検出した指の移動方向(スライド方向)に従ってAFターゲット枠の表示位置を移動させる(ステップS207)。これにより、AF対象の被写体が変更される。AFターゲット枠の表示位置を移動させた後、ボディCPU2201は、図4の処理を終了させる。
【0041】
また、ステップS206の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスライドしたことが検出されていない場合に、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209の出力から、ユーザの指のタッチが解除(リリース)されたことが検出されたか否かを判定する(ステップS208)。ステップS208の判定において、ユーザの指のリリースが検出された場合に、ボディCPU2201は、ステップS205のAF動作を実行する。一方、ステップS208の判定において、ユーザの指のリリースが検出された場合に、ボディCPU2201は、図4の処理を終了させる。
【0042】
図5は、AF動作に係るファインダタッチ処理の詳細を示したフローチャートである。ここで、図5の説明においては、図8を併用して説明を行う。図5のファインダタッチ処理において、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209からの出力により、ユーザの指が背面モニタ214の画面上に接触したか否かを検出している。そして、ユーザの指が背面モニタ214の画面上に接触したとき、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209からの信号に従って、ユーザの指のタッチ位置を検出する。さらに、ボディCPU2201は、タッチ位置の時間変化から、指の移動方向、移動距離、移動速度を検出する(ステップS301)。
【0043】
指のタッチ位置の検出後、ボディCPU2201は、今回の指のタッチがファインダタタッチ処理の実行後の最初のタッチ(ファーストタッチ)であったか否かを判定する(ステップS302)。ステップS302の判定において、今回の指のタッチが最初のタッチであった場合、ボディCPU2201は、図8に示す初期位置設定を行う。この際、ボディCPU2201は、ビデオ信号出力回路2208を介してモニタ駆動回路210を制御してファインダ用モニタ211の画面上の所定位置、例えば中央位置に指標としてのAFターゲット枠211aを表示させる(ステップS303)。その後、ボディCPU2201は、図5の処理を終了させる。ここでは初期位置をファインダ用モニタ211の画面上の中央位置としたが、これに限るものではない。背面モニタ214上のタッチ位置に応じて初期位置を設定するようにしても良い。
【0044】
また、ステップS302の判定において、今回の指のタッチが最初のタッチでなかった場合、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209の出力から、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスライド(移動)したことが検出されたか否かを判定する(ステップS304)。
【0045】
ステップS304の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスライドしたことが検出された場合に、ボディCPU2201は、スライドの結果、ユーザの指の位置が背面モニタ214の画面外となったか否か、即ち図8に示すようなユーザの指のスライドアウトが検出されたか否かを判定する(ステップS305)。ステップS305の判定において、ユーザの指のスライドアウトが検出された場合に、ボディCPU2201は、図8に示すように、ファインダ用モニタ211におけるAFターゲット枠の表示を終了させる(ステップS306)。そして、ボディCPU2201は、AFターゲット枠の位置を初期化する(ステップS307)。その後、ボディCPU2201は、図5の処理を終了させる。
【0046】
また、ステップS305の判定において、ユーザの指のスライドアウトが検出されていない場合、即ち背面モニタ214上でのユーザの指のスライド(図8に示す単純なスライドやスライド軌跡がJ字状の「Jスライド」やスライド軌跡がL字状の「Lスライド」等)が検出されている場合に、ボディCPU2201は、AFターゲット枠211aの表示を移動中表示211bに変更する(ステップS308)。その後、ボディCPU2201は、ユーザの指の移動速度(スライド速度)が所定速度より高速であるか否かを判定する(ステップS309)。ステップS309の判定において、ユーザの指の移動速度が所定速度よりも高速である場合に、ボディCPU2201は、図8に示すように、指の移動方向に従って移動中表示211bを高速で移動させる、即ち単位時間当たりの移動中表示211bの位置の移動幅を大きくする(ステップS310)。その後、ボディCPU2201は、図5の処理を終了させる。また、ステップS309の判定において、ユーザの指の移動速度が所定速度よりも高速でない場合に、ボディCPU2201は、指の移動方向に従って移動中表示211bを低速で移動させる、即ち単位時間当たりの移動中表示211bの位置の移動幅を小さくする(ステップS311)。
【0047】
また、ステップS304の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスライドしたことが検出されていない場合に、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209の出力から、ユーザの指が背面モニタ214の画面上を弾いた(スナップ)したことが検出されたか否かを判定する(ステップS312)。ステップS312の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスナップしたことが検出された場合に、ボディCPU2201は、図8に示すようにしてAFターゲット枠211aを移動中表示211bとし、この移動中表示211bを別の被写体の顔位置に移動させるようにファインダ用モニタ211の表示を更新する(ステップS313)。その後、ボディCPU2201は、図5の処理を終了させる。ここで、ファインダ用モニタ211の画面内の顔の位置は、周知の顔検出技術によって検出することが可能である。このようにしてファインダ用モニタ211の画面内の離散的に複数定められた位置に移動中表示211bを順次移動させることにより、ユーザは指のスライド操作によってAFターゲット枠を顔位置まで移動させる必要はない。
【0048】
また、ステップS312の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスナップしたことが検出されていない場合に、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209の出力から、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をダブルタップ(2回叩く)したことが検出されたか否かを判定する(ステップS314)。ステップS314の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をダブルタップしたことが検出された場合に、ボディCPU2201は、その時点でAFターゲット枠が位置している被写体にフォーカスレンズが合焦されるようにAF動作を実行する(ステップS315)。その後、ボディCPU2201は、図5の処理を終了させる。AF動作については、先の背面モニタタッチ処理で説明したものと同様に行われる。
【0049】
また、ステップS314の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をダブルタップしたことが検出されていない場合に、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209の出力から、ユーザの指が背面モニタ214の画面上で停止(ストップ)していることが検出されたか否かを判定する(ステップS316)。ステップS316の判定において、ユーザの指のストップが検出された場合に、ボディCPU2201は、図8に示すように、AFターゲット枠211aの表示を現在のまま保持する(ステップS317)。または、移動中表示211bのまま保持しておくようにする。その後、ボディCPU2201は、図5の処理を終了させる。
【0050】
また、ステップS316の判定において、ユーザの指のストップが検出されていない場合に、ボディCPU2201は、ファインダ用モニタ211の画面内にAFターゲット枠211aを再表示する(ステップS318)。その後、ボディCPU2201は、図5の処理を終了させる。
【0051】
以上説明したようなファインダタッチ処理においては、背面モニタ214の画面上で各種のタッチ操作がなされることによってファインダ用モニタ211上でのAFターゲット枠の表示が更新される。これにより、ユーザは、覗き込み型のファインダ用モニタ211を覗き込んで被写体の状態を観察しつつ、AF動作に関する設定を行うことが可能である。即ち、本実施形態におけるファインダタッチ処理においてはタッチ操作が行われる部分とタッチ操作に伴って表示の更新が行われる部分とを別体とすることでタッチセンサ215の操作性を維持しつつ、覗き込み型のファインダ用モニタ211上でのAF動作に関する設定を行えるようにしている。
【0052】
また、上述したように、ファインダタッチ処理は、ユーザがファインダ用モニタ211を覗き込んでいる場合に実行される。この場合、ユーザは構図決定のためにカメラボディ200を構えた状態であることが想定される。このようなカメラボディ200を構えた状態では背面モニタ214上で指を長距離移動させることが困難であり、背面モニタ214の任意の位置を指で直接的に指定するのは困難である。このため、本実施形態では指のスライド操作等を検出してAFターゲット枠の表示位置を順次移動させる等している。このように、本実施形態では、背面モニタ214上での指の動きをファインダ用モニタ211上でのAFターゲット枠の動きに変換しているので、タッチセンサ215の検出領域を背面モニタ214の一部領域のみのとしても良い。
【0053】
ここで、図5で示した各種のタッチ操作とそれによって実行される表示との関係は一例である。例えば、タップ操作はタッチ操作であっても良い。また、ストップ操作をリリース操作としたり、ダブルタップ操作を所定の角位置をタップする操作(アザーコーナータップ操作)としたりしても良い。
【0054】
また、図5の例は、AF動作時のファインダタッチ処理を例示しているが、例えば自動露出制御(AE)の目標被写体の選択やコンティニュアスAFにおける追尾被写体の選択、顔検出の対象の選択等にも図5の処理を適用可能である。
【0055】
図6は、パラメータ設定に係る背面モニタタッチ処理の詳細を示したフローチャートである。パラメータ設定に係る背面モニタタッチ処理もAF動作における背面モニタタッチ処理と同様に、ユーザがファインダ用モニタ211を覗き込んでいない場合に実行される。また、パラメータ設定に係る背面モニタタッチ処理は、例えばユーザによってパラメータ設定画面の表示指示がなされた場合に行う。パラメータ設定画面の表示指示がなされていない間は、AF動作に係る背面モニタタッチ処理を行う。
図6の背面モニタタッチ処理において、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209からの出力により、ユーザの指が背面モニタ214の画面上に接触したか否かを検出している。そして、ユーザの指が背面モニタ214の画面上に接触したとき、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209からの信号に従って、ユーザの指のタッチ位置を検出する。さらに、ボディCPU2201は、タッチ位置の時間変化から、指の移動方向、移動距離、移動速度を検出する(ステップS401)。
指のタッチ位置の検出後、ボディCPU2201は、今回の指のタッチが背面モニタタッチ処理の実行後の最初のタッチ(ファーストタッチ)であったか否かを判定する(ステップS402)。ステップS402の判定において、今回の指のタッチが最初のタッチであった場合、ボディCPU2201は、ビデオ信号出力回路2208を介してモニタ駆動回路210を制御して背面モニタ214の画面上にカメラ10のパラメータ設定画面を表示させる(ステップS403)。このパラメータ設定画面においては、プログラム露出モードの設定やホワイトバランス設定、撮像素子204の感度(ISO感度)設定といったカメラ10の各種の設定項目を表示させる。その後、ボディCPU2201は、背面モニタ214に表示させたパラメータ設定画面において現在選択されている項目上に指標としてのカーソルを表示させる(ステップS404)。
【0056】
また、ステップS402の判定において、今回の指のタッチが最初のタッチでない場合、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209の出力から、ユーザの指が背面モニタ214の画面上を接触(タッチ)したことが検出されたか否かを判定する(ステップS405)。ステップS405の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をタッチしたことが検出された場合に、ボディCPU2201は、ステップS401で検出した指のタッチ位置にカーソルの表示位置を移動させる(ステップS406)。
【0057】
また、ステップS405の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をタッチしたことが検出されていない場合に、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209の出力から、ユーザの指が背面モニタ214の画面上を移動(スライド)したことが検出されたか否かを判定する(ステップS407)。ステップS407の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスライドしたことが検出された場合に、ボディCPU2201は、ステップS401で検出した指の移動方向(スライド方向)に従ってカーソルの表示位置を移動させる(ステップS408)。これによって、項目の選択が行われる。
【0058】
また、ステップS407の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスライドしたことが検出されていない場合に、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209の出力から、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスナップしたことが検出されたか否かを判定する(ステップS409)。ステップS409の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスナップしたことが検出された場合に、ボディCPU2201は、ステップS401で検出した指の移動方向(スナップ方向)に従ってカーソルの表示位置を移動させる(ステップS410)。この際、スナップ方向の端部位置にカーソルの表示位置を移動させる。
【0059】
また、ステップS409の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスナップしたことが検出されていない場合に、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209の出力から、ユーザの指が背面モニタ214の画面上の所定位置(例えば画面端や所定の表示終了ボタンの表示位置)をタッチしたことが検出されたか否かを判定する(ステップS411)。ステップS411の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上の所定位置をタッチしたことが検出された場合に、ボディCPU2201は、ビデオ信号出力回路2208を介してモニタ駆動回路210を制御してパラメータ設定画面の表示を終了させる(ステップS412)。
【0060】
また、ステップS404、S406、S408、S410、S412の後、ボディCPU2201は、その時点でカーソルが位置している項目に従ってカメラ10の設定パラメータを確定する(ステップS413)。その後、ボディCPU2201は、図6の処理を終了させる。
【0061】
図7は、パラメータ設定に係るファインダモニタタッチ処理の詳細を示したフローチャートである。パラメータ設定に係るファインダタッチ処理もAF動作におけるファインダタッチ処理と同様に、ユーザがファインダ用モニタ211を覗き込んでいる場合に実行される。また、パラメータ設定に係るファインダタッチ処理は、例えばユーザによってパラメータ設定画面の表示指示がなされた場合に行う。パラメータ設定画面の表示指示がなされていない間は、AF動作に係るファインダタッチ処理を行う。
図7のファインダタッチ処理において、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209からの出力により、ユーザの指が背面モニタ214の画面上に接触したか否かを検出している。そして、ユーザの指が背面モニタ214の画面上に接触したとき、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209からの信号に従って、ユーザの指のタッチ位置を検出する。さらに、ボディCPU2201は、タッチ位置の時間変化から、指の移動方向、移動距離、移動速度を検出する(ステップS501)。
【0062】
指のタッチ位置の検出後、ボディCPU2201は、今回の指のタッチが背面モニタタッチ処理の実行後の最初のタッチ(ファーストタッチ)であったか否かを判定する(ステップS502)。ステップS502の判定において、今回の指のタッチが最初のタッチであった場合、ボディCPU2201は、ビデオ信号出力回路2208を介してモニタ駆動回路210を制御してファインダ用モニタ211の画面上にカメラ10のパラメータ設定画面を表示させる(ステップS503)。図8にファインダタッチ処理におけるパラメータ設定画面について示す。図8に示すように、ファインダタッチ処理においては、ファインダ用モニタ211の画面上の周辺部領域にパラメータ設定画面を表示させる。そして、この周辺部領域に表示させたパラメータ設定画面上に指標としてのカーソル211c、211dを表示させる。これは、覗き込み型のファインダ用モニタ211に対するタッチ操作の操作性を考慮したものである。なお、図8ではパラメータ設定画面を画面右端から画面下端にかけて表示させているが、これに限るものではない。例えばユーザが左利きの場合にはパラメータ設定画面を画面左端から画面下端にかけて表示させるようにしても良い。このような表示位置の設定はユーザが適宜行えるものとする。
【0063】
また、ステップS502の判定において、今回の指のタッチが最初のタッチでない場合、ボディCPU2201は、ユーザの指が背面モニタ214の画面上を移動(スライド)したことが検出されたか否かを判定する(ステップS504)。ステップS504の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスライドしたことが検出された場合に、ボディCPU2201は、ステップS501で検出した指の移動方向(スライド方向)に従ってカーソル211c又はカーソル212dの表示位置を移動させる(ステップS505)。この際、先にカーソル211cの項目が確定されていた場合には、カーソル212dの表示位置を移動させる。このようなカーソルの表示位置の移動によって、項目の選択が行われる。ファインダ用モニタ211では直接的にカーソル211cやカーソル211dの位置を指定するのが困難であるので、背面モニタタッチ処理のステップS405及びS406に対応した処理は省略されている。
【0064】
また、ステップS504の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスライドしたことが検出されていない場合に、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209の出力から、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスナップしたことが検出されたか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスナップしたことが検出された場合に、ボディCPU2201は、ステップS501で検出した指の移動方向(スナップ方向)に従ってカーソル211cやカーソル211dの表示位置を移動させる(ステップS507)。この際、スナップ方向の端部位置にカーソル211c又はカーソル211dの表示位置を移動させる。
【0065】
また、ステップS506の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をスナップしたことが検出されていない場合に、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209の出力から、ユーザの指が背面モニタ214の画面上の所定位置(例えば画面端)をタッチしたことが検出されたか否かを判定する(ステップS508)。ステップS508の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上の所定位置をタッチしたことが検出された場合に、ボディCPU2201は、ビデオ信号出力回路2208を介してモニタ駆動回路210を制御してパラメータ設定画面の表示を終了させる(ステップS509)。また、ステップS508の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上の所定位置をタッチしたことが検出されていない場合に、ボディCPU2201は、タッチセンサ入力回路2209の出力から、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をダブルタップ(2回叩く)したことが検出されたか否かを判定する(ステップS510)。ステップS510の判定において、ユーザの指が背面モニタ214の画面上をダブルタップしたことが検出された場合に、ボディCPU2201は、ステップS509の処理を行う。即ち、ボディCPU2201は、パラメータ設定画面の表示を終了させる。
【0066】
また、ステップS503、S505、S507、S509の後、又はステップS510においてユーザの指が背面モニタ214の画面上をダブルタップしたことが検出されていない場合に、ボディCPU2201は、その時点でカーソル211cやカーソル211dが位置している項目に従ってカメラ10の設定パラメータを確定する(ステップS511)。その後、ボディCPU2201は、図7の処理を終了させる。
【0067】
以上説明したようなファインダタッチ処理においては、背面モニタ214の画面上で各種のタッチ操作がなされることによってカメラ10のパラメータ設定画面におけるカーソルの表示が更新される。これにより、ユーザは、覗き込み型のファインダ用モニタ211を覗き込んで被写体の状態を観察しつつ、カメラ10に関する各種のパラメータ設定を行うことが可能である。
【0068】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。例えば、上述の例ではAF動作時のファインダタッチ処理とパラメータ設定時のファインダタッチ処理について説明したが、この他の各種のカメラ10の設定に本実施形態の技術を適用することが可能である。また、上述の例は、表示装置が撮像装置に搭載されている例を示したが、本実施形態の技術は覗き込み型の表示部とタッチセンサとを備えた各種の表示装置に適用可能である。
さらに、前記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0069】
10…カメラ、100…交換レンズ、101…撮影レンズ、102…絞り機構、103…フォーカス駆動機構、104…絞り駆動機構、105…レンズCPU、106…通信端子、200…カメラボディ、201…フォーカルプレーンシャッタ(シャッタ)、202…シャッタ駆動機構、203…フィルタ群、204…撮像素子、205…撮像素子駆動回路、206…前処理回路、207…SDRAM、208…フラッシュメモリ、209…記録媒体、210…モニタ駆動回路、211…ファインダ用モニタ、212…アイセンサ、213…接眼レンズ、214…背面モニタ、215…タッチセンサ、216…操作部、217…着脱検知スイッチ、218…電源供給回路、219…電池、220…制御回路、2161…電源スイッチ、2162…シャッタボタン、2163…設定ボタン、2164…操作ダイヤル、2201…シーケンスコントローラ(ボディCPU)、2202…コントラストAF回路、2203…SDRAM制御回路、2204…フラッシュメモリ制御回路、2205…記録媒体制御回路、2206…画像処理回路、2207…圧縮伸長処理回路、2208…ビデオ信号出力回路、2209…タッチセンサ入力回路、2210…操作入力検知回路、2211…入出力回路、2212…通信回路、2213…データバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者によって覗き込まれた状態で画像が視認される第1の表示部と、
操作者によって覗き込まれることなく画像が視認される第2の表示部と、
前記第2の表示部の少なくとも一部の領域に設けられ、前記操作者の指の接触及び指の移動を検出する入力検出部と、
前記入力検出部によって前記操作者の指の接触が検出された場合に、前記第1の表示部に当該表示装置の設定に係る指標の表示を開始させ、前記入力検出部によって前記操作者の指の移動が検出された場合に、該指の移動の状態に従って前記指標の表示位置を移動させる制御部と、
を具備することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記入力検出部によって検出された前記指の接触位置に応じた前記第1の表示部上の位置から前記指標の表示を開始させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記入力検出部によって検出された前記指の接触位置によらない前記第1の表示部上の第1の所定の位置から前記指標の表示を開始させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記入力検出部によって前記指の非接触が検出された場合又は前記第2の表示部上の第2の所定の位置への前記指の移動が検出された場合に、前記指標の表示を終了させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記入力検出部によって前記指の非接触が検出された後、再度、前記入力検出部によって前記指の接触が検出された場合に、該指の接触位置に応じた前記第1の表示部上の位置から前記指標の表示を再開することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記入力検出部によって前記指の非接触が検出された後、再度、前記入力検出部によって前記指の接触が検出された場合に、該指の接触位置によらない前記第1の表示部上の第1の所定の位置から前記指標の表示を再開することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記入力検出部によって特定の指の移動の状態が検出された場合に、前記指標が位置している当該表示装置の設定を確定することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記入力検出部によって検出された前記指の移動に応じて前記第1の表示部上の離散的に複数定められた位置に前記指標の表示位置を順次移動させることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記入力検出部によって検出された前記指の移動の速度に応じて前記指標の移動幅を変更することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第2の表示部の少なくとも一部の領域が変更されることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記指標は、AF目標枠、AE目標枠、被写体の追尾枠、顔選択枠、前記表示装置が備えられた撮像装置の撮影条件の設定枠、当該表示装置のモード設定枠、の少なくとも何れかを含むことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−203143(P2012−203143A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66719(P2011−66719)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】