説明

表示装置

【課題】 低コスト、簡素な構造でありながら、奥行き感のある立体的な表示が可能な表示装置を提供する。
【解決手段】 表示装置1Aは、平板状の可視情報表示体10と、この可視情報表示体10の前面側に配置された平板状の透明基板20とからなる。可視情報表示体10は、静的可視情報を表示するものであり、具体的には可視情報としてオリオン座のイラスト11が描かれた絵画である。透明基板20は、複数個(ここでは7個)のLED素子21が実装されている。7個のLED素子21は、透明基板20上においてオリオン座のイラスト11に応じた対向位置(星座位置)に実装され、各LED素子21間には星座のアウトラインを示すようにパターン22が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視情報表示体(イラスト等を描いた絵画、液晶表示器、EL表示器等)と、この可視情報表示体の前面側に配置されたLED素子実装の透明基板とを組合せ、透明基板のLED素子が可視情報表示体の可視情報に応じて動作するように構成した表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の表示器を前後方向に並べて配置し、後の表示器の画像が前の表示器を透過するように各表示器を透明構造とし、前方から見たときに各表示器の画像が1つの画像として重なり合って視認されるように構成した表示装置が従来知られている。
【0003】
例えば、複数の薄膜EL(エレクトロルミネセンス)表示器が平行に重ね合わせるように間隔を置いて配設され、各薄膜EL表示器の間隔は、観察者が各表示器の表示像を見たとき、表示像を遠近感をもって視認されるように設定され、最後列に配置される薄膜EL表示器を除く全ての薄膜EL表示器が可視光を透過させる透明構造を有した立体表示装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、発光素子が画素ごとに配置された画像表示板を(N+1)個重ねて配置し、各画像表示板の間に遮光板を配置し、各遮光板は画素ごとに遮光素子を配置したものであって、画素ごとに開閉が可能な構成である立体表示装置がある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−261677号公報
【特許文献2】特開平4−291291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載の表示装置では、複数のEL表示器を使用しているため、コストが非常に高い。しかも、各EL表示器の表示像が観察者から1つの画像として重なり合って視認されるようにするためには、各EL表示器の表示像の表示動作を正確に調整・制御する必要があり、そのためのソフトの作成にも手間やコストが掛かる。そのような問題は、使用するEL表示器の数が多くなるほど顕著になる。
【0007】
また、上記特許文献2記載の表示装置では、発光素子が画素ごとに配置された各画像表示板の間に遮光素子が画素ごとに配置された遮光板を配置する必要があるため、特許文献1記載の表示装置と同様にコストが非常に高くなる。その上、発光素子の点灯・消灯に応じて遮光素子の開閉を正確に制御する必要があり、そのためのソフトの作成にも手間やコストが掛かる。そのような問題は、使用する画像表示板の数が多くなるほど顕著である。
【0008】
この発明は、そのような問題点に着目してなされたもので、低コスト、簡素な構造でありながら、奥行き感のある立体的な表示が可能な表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の表示装置は、可視情報表示体と、この可視情報表示体の前面側に配置されるとともに、LED素子が実装された透明基板とを備え、透明基板のLED素子が可視情報表示体の可視情報に応じて動作することを特徴とする。
【0010】
この表示装置において、LED素子は、例えば可視情報表示体の可視情報に応じた対向位置に実装されている。なお、LED素子の発光色は特定されるものではなく、可視情報表示体の可視情報に応じた発光色のLED素子を適宜選定すればよい。
【0011】
また、可視情報表示体は、静的可視情報を表示するものである。これの具体例としては、イラスト等を描いた絵画、成形品等のデザインされた表示物(表面に凹凸のある物も含む)、又は立体物そのものである彫刻や人形がある。或いは、絵画や表示物等に代えて、フォトフレームのように液晶表示器やEL表示器に表示した静止画像を静的可視情報として利用しても構わない。
【0012】
又は、可視情報表示体は、動的可視情報を表示するものである。これの具体例としては、液晶表示器、EL表示器、電界放射型表示器、等があり、これらの表示器に表示される画像(動画)を動的可視情報として利用する。また、例えばEL表示器において、薄膜型のように折り曲げ可能なフィルム状の表示器も含む。
【0013】
可視情報表示体が動的可視情報を表示するものである場合、透明基板のLED素子は、可視情報表示体の動的可視情報の動作に連動してもよい。
【0014】
更に、透明基板は、可視情報表示体の動的可視情報の動作に連動して該可視情報表示体に対して移動してもよい。
【0015】
或いは、可視情報表示体は、上記静的可視情報又は動的可視情報を表示するもの以外に、前面にLED素子が実装されたものであってもよい。この場合、可視情報表示体はLED素子の点灯・消灯により可視情報を表示することになる。
【0016】
他方、可視情報表示体は、第2の透明基板の前面にLED素子が実装され、該第2の透明基板の前面側に光反射板が設けられたものであり、該可視情報表示体が第2の透明基板の後面側を透明基板に対向させて配置されることで、光反射板により反射されたLED素子の光が第2の透明基板自体を透過して透明基板に達するように構成してもよい。
【0017】
更にまた、透明基板は、可視情報表示体の前面側に並んで複数枚配置されていてもよい。
【0018】
なお、本発明において、LED素子が実装された透明基板は可視情報表示体の前面側に配置されるが、ここでいう“前面側に配置される”とは、可視情報表示体の前面側に間隔を置いて配置されることだけでなく、可視情報表示体の周囲表面に密着させて配置されることも含む。特に後者に関し、可視情報表示体がより複雑な形状のもの(彫刻や人形)である場合に、透明基板の材料として下記のPETを用いると、透明基板を薄くて可撓性のあるものにすることができるので(PETの透明基板は変形加工が容易であるので)、可視情報表示体の周囲表面に透明基板を密着させて配置することが容易となる。
【0019】
その透明基板の材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネイト)、ガラスが例示され、その性質も剛直性を有していても、又は可撓性を有していてもよい。特に可撓性の透明基板であると、可視情報表示体の形状に対応して透明基板を曲げることができ、可視情報表示体に対する適応性が増す。例えば、可視情報表示体が前方側に凸状に湾曲している場合、それに応じて透明基板も前方側に凸状に湾曲させて配置することができるし、可視情報表示体が彫刻や人形である場合、その周囲表面に透明基板を密着させて配置することが容易となる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の発明によれば、可視情報表示体と、LED素子が実装された透明基板との組合せにより、低コスト、簡素な構造でありながら、奥行き感のある立体的な表示が可能となる。また、可視情報表示体の可視情報上にLED素子が重なるので、LED素子の発光によりLED素子が可視情報上に浮き上がった感じとなり、可視情報表示体の可視情報だけでは実現不可能な多彩な表現が可能となる。
【0021】
請求項2記載の発明によれば、可視情報表示体の可視情報とLED素子の点灯・消灯の動作とによる表現の演出が容易になる。
【0022】
請求項3記載の発明によれば、可視情報表示体としてイラスト等を描いた絵画や、成形品等のデザインされた表示物を使用することができ、廉価な可視情報表示体とすることが可能である。
【0023】
請求項4記載の発明によれば、可視情報表示体として液晶表示器やEL表示器を使用することで、多彩で高精細な表現が可能となる。
【0024】
請求項5記載の発明によれば、より変化に富んだ表現が可能となる。
【0025】
請求項6記載の発明によれば、より一層変化に富んだ表現が可能となる。
【0026】
請求項7記載の発明によれば、可視情報表示体及び透明基板の双方のLED素子により、可視情報表示体が絵画や表示物或いは液晶表示器やEL表示器である場合に比べて、異なる趣の表示をすることができる。
【0027】
請求項8記載の発明によれば、第2の透明基板のLED素子の発光を光反射板により反射させてから透明基板に照射するので、可視情報表示体を光源としても使用する場合、透明基板全体に光を均一に照射することができる。
【0028】
請求項9記載の発明によれば、LED素子の光の奥行き感、立体感をより効果的に演出できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1の実施形態に係る表示装置の正面図である。
【図2】第1の実施形態に係る表示装置の概略斜視図である。
【図3】第2の実施形態に係る表示装置の正面図である。
【図4】第2の実施形態に係る表示装置の概略斜視図である。
【図5】第3の実施形態に係る表示装置の概略縦断面図である。
【図6】第3の実施形態に係る表示装置における可視情報表示体の分解斜視図である。
【図7】第3の実施形態に係る表示装置における可視情報表示体の縦断面図である。
【図8】第4の実施形態に係る表示装置の正面図である。
【図9】第4の実施形態に係る表示装置の概略斜視図である。
【図10】第4の実施形態に係る表示装置の概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、実施の形態により、この発明を更に詳細に説明する。
【0031】
第1の実施形態に係る表示装置1Aを図1及び図2に示す。この表示装置1Aは、平板状の可視情報表示体10と、この可視情報表示体10の前面側に配置された平板状の透明基板20とからなる。可視情報表示体10と透明基板20との間隔dは、サイズにも依るが、0〜50mm程度である。但し、図2(他の図も同様)では便宜上、可視情報表示体10と透明基板20との間隔dを大きくしてある。勿論、可視情報表示体10に透明基板20を密着させる場合の間隔dは0mmとなるし、またサイズによっては間隔dは50mm以上となる場合もある。
【0032】
可視情報表示体10は、ここでは静的可視情報を表示するものであり、具体的には可視情報としてオリオン座のイラスト11が描かれた絵画である。
【0033】
透明基板20は、前例の材料からなるとともに、複数個(ここでは7個)のLED素子21が実装されている。7個のLED素子21は、透明基板20上においてオリオン座のイラスト11に応じた対向位置(星座位置)に実装され、各LED素子21間には星座のアウトラインを示すようにパターン22が設けられている。このパターン22は、LED素子21の発光により輝くものであってよく、例えば蓄光材を塗布することで作製できる。勿論、LED素子21は所望の配線パターンにより接続されており、LED素子21の点灯・消灯はイラスト11に応じて適切に制御される。
【0034】
この表示装置1Aによれば、本来なら発光しない可視情報表示体10のイラスト11における星座の位置の前方に、透明基板20のLED素子21が存在することになる。このため、LED素子21を発光させることにより、表示装置1Aを正面から見ると、イラスト11上に星の光が違和感無く浮き上がって見え、イラスト11だけでは表現できない立体感のある表現が可能となる。また、この表示装置1Aを遊技機に使用し、LED素子21を点滅させることで、遊技の期待度アップ等の演出を図ることができる。
【0035】
第2の実施形態に係る表示装置1Bを図3及び図4に示す。この表示装置1Bは、平板状の可視情報表示体30と、この可視情報表示体30の前面側に配置された2枚の平板状の透明基板40,41とからなる。可視情報表示体30と透明基板40,41との間隔は、前記と同様である。
【0036】
可視情報表示体30は、ここでは動的可視情報を表示するものであり、具体的には液晶表示器である。この実施形態では、可視情報表示体30は、3種類の花火の画像31,32,33を表示している。画像31,32は大小の割物花火を表現し、画像33は枝垂れ花火を表現している。
【0037】
透明基板40,41は、ともに図示のような相似形状である。透明基板40は、可視情報表示体30に表示された画像31の前面側に間隔を置いて配置され、画像31に対して不動である。この固定式透明基板40は、画像31の花火形状に合うように複数個のLED素子42が2つの同心円上に実装され、各同心円上のLED素子42間にはそれぞれ円パターン44が設けられている。従って、透明基板40の前側から見ると、各LED素子42が割物花火の輪に沿って位置するように視認される。また、LED素子42は、画像31による花火の形状や色の変化に応じて点灯・消灯が制御される。
【0038】
一方、透明基板41は、可視情報表示体30に表示された画像33の前面側に間隔を置いて配置され、画像33に対して一定間隔を保持したまま上下(矢印方向)に移動可能に支持されている。但し、透明基板41を上下動させる機構は特定されず、周知の機構を使用すればよい。この上下動機構により、或る一定のタイミングだけ透明基板41を可視情報表示体30における透明基板41の対向画面の前側に出現させたり、可視情報表示体30における透明基板41の対向画面の画像の動きに合わせて透明基板41を上下動させたりする。
【0039】
この可動式透明基板41は、画像33の枝垂れ花火の形状に合うように複数個のLED素子43がランダムに実装されている。従って、透明基板41が画像33と正対する位置にあるときに透明基板41の前側から見ると、各LED素子42が花火の中に紛れて位置するように視認される。また、LED素子43は、画像33による枝垂れ花火の形状や色の変化に応じて点灯・消灯が制御される。
【0040】
この表示装置1Bによれば、透明基板40の前側では、画像31の表示に応じてLED素子42が発光するので、すなわち液晶表示器による画像31だけでは表現できないLED素子42の発光(生の光)が加わるので、よりリアルな花火表現の演出が可能となる。
【0041】
また、透明基板41の前側では、画像33の変化に応じて透明基板41が緩やかに下降するとともに、LED素子43が点滅するように制御されるので、画像33による枝垂れ花火の光が全体的にパチパチと光りながら落下していく様子を表現できる。このように、透明基板41を可視情報表示体30の対向画面上の画像の動きに応じて移動させることで、可視情報表示体30の対向画面上に動きのある発光物を浮き上がって視認させることができる。
【0042】
第3の実施形態に係る表示装置1Cを図5〜図7に示す。この表示装置1Cは、面光源を兼ねる可視情報表示体50と、この可視情報表示体50の前面側に配置された平板状の透明基板60とからなる。可視情報表示体50(透明基板51)と透明基板60との間隔は、前記と同様である。
【0043】
可視情報表示体50は、図6及び図7に示すように、透明基板(第2の透明基板)51と該透明基板51の前面側に取り付けられた光反射板55とからなる。透明基板51は、その前面が表示装置1Cの後側を向くように配置され、前面に多数個のLED素子52が縦横に実装されている。光反射板55は、図示のような形状であり、LED素子52の発光を拡散反射するものである。この光反射板55による反射光が透明基板51自体を透過し、透明基板51の前側の透明基板60に達する。
【0044】
この可視情報表示体50は、LED素子52の発光を光反射板55で拡散反射させることで、発光を均一化して出射するという面光源の機能も併有している。つまり、特にLED素子の発光は指向性が強いため、LED素子の発光を被照射物に直接照射する場合、LED素子と被照射物との間隔が小さいほど、LED素子の発光が被照射物に均一に照射されなくなる問題が起こる。しかしながら、可視情報表示体50のような構造であれば、光反射板55で発光を拡散反射させるので、透明基板51に達する反射光は均一になり、この均一な反射光が透明基板51を透過して被照射物である透明基板60に照射されることになる。
【0045】
反対に、同等の光均一性を得ようとすると、LED素子の発光を被照射物に直接照射する場合は、LED素子と被照射物との間隔を大きく取る必要があるが、これだと光源が大型になってしまう。しかしながら、可視情報表示体50のような構造であれば、光の均一化を獲得しつつ光源の薄型化が可能となる。
【0046】
このような可視情報表示体50は、透明基板51が該透明基板51の後面側を透明基板60に対向させて配置されることで、光反射板55により反射されたLED素子52の光が透明基板51自体を透過して透明基板60に達する。
【0047】
また、可視情報表示体50が表示する可視情報は、多数個のLED素子52の点灯・消灯により表現してもよいし、透明基板51の前面又は後面に光透過性の画像を描くか、画像を描いた光透過性のフィルムを貼付し、それらの画像を光反射板55からの反射光で照射してもよい。或いは、光反射板55の光反射面(内面)に光反射性の画像を描くか、画像を描いた光反射性のフィルムを貼付し、それらの画像をLED素子52からの光で照射してもよい。
【0048】
透明基板60は、図面には特に示されていないが、多数個のLED素子が実装されており、各LED素子は可視情報表示体50が表示する可視情報に応じて点灯・消灯が制御される。
【0049】
この表示装置1Cによれば、可視情報表示体50に表示される画像に応じて透明基板60のLED素子が点灯・消灯するので、表示装置1Cを正面から見ると、表示画像上にLED素子の点灯・消灯による画像が浮き上がって見え、可視情報表示体50による画像と透明基板60による画像とにより立体感のある表現が可能となる。
【0050】
なお、第3の実施形態において、可視情報表示体50の光反射板55は図示のような形状のものの他に、単に平板状のものであっても構わず、LED素子52の発光を均一化できるのであれば、どのような形状のものでもよい。また、可視情報表示体50は透明基板51と光反射板55とからなるが、上記のように光反射板55の光反射面に光反射性の画像を描いたり、画像を描いた光反射性のフィルムを貼付したりする場合は、光反射板55自体を可視情報表示体とすることができる。この際、透明基板51が透明基板60のような機能を担うこととし、透明基板60は省略してもよい。
【0051】
第4の実施形態に係る表示装置1Dを図8〜図10に示す。この表示装置1Dは、平板状の可視情報表示体70と、この可視情報表示体70の前面側に並んで配置された2枚の平板状の透明基板80,90とからなる。可視情報表示体70は透明基板80よりも大きく、透明基板80は透明基板90よりも大きく、表示装置1Dの正面側から透明基板90、透明基板80、可視情報表示体70が順に並置されている。なお、可視情報表示体70と透明基板80との間隔、及び透明基板80,90の間隔は、前記と同様である。
【0052】
可視情報表示体70は、多数個のLED素子71が縦横に実装された透明基板70で構成されている。透明基板80,90も、それぞれ多数個のLED素子81,91が縦横に実装されている。ここでは、透明基板80,90のサイズが異なるので、可視情報表示体70のLED素子71の発光のうち、一部は透明基板80だけを透過し、一部は透明基板80,90を透過し、残部は透明基板80,90を透過しないで、表示装置1Dの前側に出射する。透明基板80のLED素子81の発光のうち、一部は透明基板90を透過し、残部は透明基板90を透過しないで、表示装置1Dの前側に出射する。また、透明基板90のLED素子91の発光は、そのまま表示装置1Dの前側に出射する。勿論、透明基板70,80,90のLED素子71,81,91は、それぞれ所望の画像を表示するように点灯・消灯が制御される。なお、可視情報表示体70は透明基板である必要はなく、通常の不透明の基板であってもよい。
【0053】
この表示装置1Dによれば、可視情報表示体70の前側に2枚の透明基板80,90が並んでいるので、すなわち前後方向に位置が異なる3つの平面上のLED素子71,81,91の発光が重なり合うので、光(画像)の奥行き感、立体感をより一層効果的に演出できる。
【0054】
なお、上記第1の実施形態では可視情報表示体10と透明基板20との間、第2の実施形態では可視情報表示体30と透明基板40,41との間、第3の実施形態では可視情報表示体50と透明基板60との間、第4の実施形態では可視情報表示体70と透明基板80との間に間隔を置いているが、それら透明基板は可視情報表示体に密着させて配置してもよい。
【0055】
前掲の通り、PETの透明基板は変形加工が容易であるので、可視情報表示体が複雑な形状のもの(彫刻や人形)である場合、PETの透明基板を可視情報表示体の周囲表面に密着させて、或いは微小間隔を置いて配置することで、可視情報表示体に対して360°の全方位から透明基板のLED素子の発光による表現が可能となる。これにより、彫刻や人形等の立体像だけでは実現できない新たな表現が可能となる。
【符号の説明】
【0056】
1A〜1D 表示装置
10,30 可視情報表示体
50,70 可視情報表示体
20,40,41 透明基板
60,80,90 透明基板
11 可視情報
31,32,33 可視情報
21,42,43 LED素子
52 LED素子
71,81,91 LED素子
55 光反射板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視情報表示体と、この可視情報表示体の前面側に配置されるとともに、LED素子が実装された透明基板とを備え、透明基板のLED素子は、可視情報表示体の可視情報に応じて動作することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記LED素子は、前記可視情報表示体の可視情報に応じた対向位置に実装されていることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記可視情報表示体は、静的可視情報を表示するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記可視情報表示体は、動的可視情報を表示するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の表示装置。
【請求項5】
前記LED素子は、前記可視情報表示体の動的可視情報の動作に連動して動作することを特徴とする請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
前記透明基板は、前記可視情報表示体の動的可視情報の動作に連動して該可視情報表示体に対して移動することを特徴とする請求項4又は請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
前記可視情報表示体は、前面にLED素子が実装されたものであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6記載の表示装置。
【請求項8】
前記可視情報表示体は、第2の透明基板の前面にLED素子が実装され、該第2の透明基板の前面側に光反射板が設けられたものであり、該可視情報表示体が第2の透明基板の後面側を前記透明基板に対向させて配置されることで、前記光反射板により反射されたLED素子の光が前記第2の透明基板自体を透過して前記透明基板に達するように構成したことを特徴とする請求項7記載の表示装置。
【請求項9】
前記透明基板は、前記可視情報表示体の前面側に並んで複数枚配置されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7又は請求項8記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−22220(P2012−22220A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161345(P2010−161345)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(592190121)エーシック株式会社 (8)
【Fターム(参考)】