説明

表示装置

【課題】 投射型表示器から表示光を投影可能な所定領域のアウトラインが目立たない表示装置を提供する。
【解決手段】 第一の投影手段10は、スクリーン60の第一の所定領域61に表示光L1を投影可能である。第二の投影手段20は、スクリーン60の第二の所定領域62に表示光L2を投影可能である。制御手段70は、第一の投影手段10に第一の映像P1を投影させると共に、第二の投影手段20に第二の映像P2を投影させる。制御手段70は、第一の投影手段10及び第二の投影手段20に、第一の所定領域61内の周辺部と第二の所定領域62内の周辺部を黒表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーンに映像を投影する投射型表示器を備えた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、投射型表示器からスクリーンに映像を投影する表示装置が提案されており、例えば特許文献1,特許文献2に開示されている。斯かる表示装置は、1個のスクリーンに複数の投射型表示器から映像を投影するものであり、各投射型表示器から投影される映像は、各々、スクリーンの所定領域に投影される。前記所定領域は、横方向に並設されるか、若しくは、マトリクス状に配設される。このような表示装置は、大きなスクリーンに高精細な映像を表示することができるという利点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−343962号公報
【特許文献2】特開2002−277958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、投射型表示器が投影する映像のアウトライン(即ち、前記所定領域のアウトライン)が目立つため、表示品位が低いという問題を有していた。特に、複数の投射型表示器を備えた表示装置においては、各投射型表示器から投影された各々の映像の間に隙間が生じたり、映像が重なったりするため、見栄えが良好ではないという問題を有していた。
本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、投射型表示器から表示光を投影可能な所定領域のアウトラインが目立たない表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項1に記載したように、スクリーン60と、前記スクリーン60の所定領域61,62,63に表示光L1,L2,L3を投影可能な投影手段10,20,30と、前記投影手段10,20,30に映像P1,P2,P3を投影させる制御手段70と、を備えた表示装置100であって、前記制御手段70は、前記投影手段10,20,30に、前記所定領域61,62,63内の周辺部を黒表示させるものである。
【0006】
また、本発明は、請求項2に記載したように、前記投影手段10,20,30は、液晶表示パネル11,21,31と、前記液晶表示パネル11,21,31を照明する発光素子12,22,32と、を有するものである。
【0007】
また、本発明は、請求項3に記載したように、スクリーン60と、前記スクリーン60の第一の所定領域61に表示光L1を投影可能な第一の投影手段10と、前記スクリーン60の第二の所定領域62に表示光L2を投影可能な第二の投影手段20と、前記第一の投影手段10に第一の映像P1を投影させると共に前記第二の投影手段20に第二の映像P2を投影させる制御手段70と、を備えた表示装置100であって、前記制御手段70は、前記第一の投影手段10及び前記第二の投影手段20に、前記第一の所定領域61内の周辺部と前記第二の所定領域62内の周辺部を黒表示させるものである。
【0008】
また、本発明は、請求項4に記載したように、前記第一の投影手段10及び前記第二の投影手段20は、液晶表示パネル11,21と、前記液晶表示パネル11,21を照明する発光素子12,22と、を有するものである。
【発明の効果】
【0009】
スクリーンの所定領域内の周辺部を黒表示させることにより、所定領域のアウトラインが目立たなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態を示す側面図。
【図2】同上実施形態を示す模式図。
【図3】同上実施形態を示すブロック図。
【図4】同上実施形態を示す液晶表示パネルの正面図。
【図5】同上実施形態を示す透過型スクリーンの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面に基づいて、本発明の一実施形態を説明する。なお、図面が煩雑になることを防止するため、図2は、反射ミラー40,50を省略した模式図になっている。
【0012】
表示装置100は、投射型表示器(第一の投影手段)10と、投射型表示器(第二の投影手段)20と、投射型表示器(第三の投影手段)30と、反射ミラー40,50と、透過型スクリーン(スクリーン)60と、制御部(制御手段)70とを備えている。
【0013】
投射型表示器10は、液晶表示パネル11及び発光素子12を有しており、表示光L1を発する。投射型表示器20は、液晶表示パネル21及び発光素子22有しており、表示光L2を発する。投射型表示器30は、液晶表示パネル31及び発光素子32を有しており、表示光L3を発する。液晶表示パネル11,21,31は、TFT(Thin Film Transistor)型のLCDパネルからなるものであり、夫々、多数の画素が配列された矩形の表示領域11a,21a,31aを有している(図4参照)。発光素子12,22,32は、発光ダイオードからなるものであり、夫々、液晶表示パネル11,21,31を透過照明する。
【0014】
反射ミラー40は、平面鏡からなるものであり、投射型表示器10,20,30が発した表示光L1,L2,L3を反射ミラー50向けて反射させる。反射ミラー50は、平面鏡からなるものであり、反射ミラー40で反射された表示光L1,L2,L3を透過型スクリーン60の背面に向けて反射させる。
【0015】
透過型スクリーン60は、横方向に並設された矩形の第一の所定領域61,第二の所定領域62,第三の所定領域63を有している。透過型スクリーン60の第一の所定領域61,第二の所定領域62,第三の所定領域63は、視認できるような境界線を有するものではなく、投射型表示器10,20,30が、反射ミラー40,50を介して、表示光L1,L2,L3を投影可能な所定範囲である。
【0016】
制御部70は、マイコン71及びメモリ部72からなるものであり、予め記憶されたプログラムに基づいて、液晶表示パネル11,21,31及び発光素子12,22,32を駆動制御する。制御部70のメモリ部72には、液晶表示パネル11,21,31に表示させる画像データが記憶されている。
【0017】
制御部70は、液晶表示パネル11,21,31の表示領域11a,21a,31aの中央部に、夫々、画像M1,M2,M3を表示させる。制御部70は、画像M1,M2,M3を除いて、液晶表示パネル11,21,31の表示領域11a,21a,31aを略遮光状態にさせる。即ち、表示領域11a,21a,31a内の周辺部は黒表示になっている。これにより、投射型表示器10,20,30は、透過型スクリーン60の第一の所定領域61内、第二の所定領域62内、第三の所定領域63内の中央部に映像P1,P2,P3を表示すると共に、透過型スクリーン60の第一の所定領域61内、第二の所定領域62内、第三の所定領域63内の周辺部を黒表示することができる。
【0018】
本実施形態の如く、透過型スクリーン60の第一の所定領域61内、第二の所定領域62内、第三の所定領域63内の周辺部を黒表示することにより、第一の所定領域61,第二の所定領域62,第三の所定領域63のアウトラインを目立たなくすることができ、図5に示すように、スクリーン60に映像P1,P2,P3が浮かび上がっているような表示ができる。
【0019】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本実施形態の投射型表示器10,20,30は、液晶表示パネル11,21,31及び発光素子12,22,32を有するものであったが、DMD(Digital Micro mirror Device)プロジェクタであっても良い。また、本実施形態は3個の投射型表示器10,20,30を備えたものであったが、投射型表示器は少なくとも1個あれば良い。
【符号の説明】
【0020】
10 照射型表示器(投影手段)
11 液晶表示パネル
12 発光素子
20 照射型表示器(投影手段)
21 液晶表示パネル
22 発光素子
30 照射型表示器(投影手段)
31 液晶表示パネル
32 発光素子
60 スクリーン
61 第一の所定領域(所定領域)
62 第二の所定領域(所定領域)
63 第三の所定領域(所定領域)
70 制御部(制御手段)
P1 第一の映像
P2 第二の映像
P3 第三の映像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーンと、前記スクリーンの所定領域に表示光を投影可能な投影手段と、前記投影手段に映像を投影させる制御手段と、を備えた表示装置であって、
前記制御手段は、前記投影手段に、前記所定領域内の周辺部を黒表示させることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記投影手段は、液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルを照明する発光素子と、を有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
スクリーンと、前記スクリーンの第一の所定領域に表示光を投影可能な第一の投影手段と、前記スクリーンの第二の所定領域に表示光を投影可能な第二の投影手段と、前記第一の投影手段に第一の映像を投影させると共に前記第二の投影手段に第二の映像を投影させる制御手段と、を備えた表示装置であって、
前記制御手段は、前記第一の投影手段及び前記第二の投影手段に、前記第一の所定領域内の周辺部と前記第二の所定領域内の周辺部とを黒表示させることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
前記第一の投影手段及び前記第二の投影手段は、液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルを照明する発光素子と、を有することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−242430(P2012−242430A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109281(P2011−109281)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】