説明

表面の分析のためのサンプリング方法および装置

【課題】微生物を含み得る表面におけるサンプリング状態を向上させること。
【解決手段】方法は、分析する表面(45)に物質(7)を施与するステップを含み、この物質は、微生物との親和性を有し、前記施与するステップ中に運ばれた微生物を同定し、計数するために培養されるように適合されており、この物質は、少なくとも施与するステップの最後において、水または食塩水などの水性液体で湿潤される親水性合成材料の、微生物学的分析のための微多孔膜(7)である。
装置は、表面(45)に存在し得る微生物との親和性を有する物質(7)と、前記物質(7)を水または食塩水などの水性液体で湿潤するための手段(6)と、前記物質(7)を前記表面(45)に施与するための手段(12)とを備え、前記物質は、親水性合成材料の、微生物学的分析のための微多孔膜(7)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面の微生物学的分析のためのサンプリングに関する。
【背景技術】
【0002】
サンプリングの知られた方法は、ゲル成長培地を含有するコンタクト皿またはペトリ皿を用いることからなる。そのゲル成長培地のわずかに凸状の表面は、表面に対して施与されて所定の期間分析される。ゲル成長培地が施与される表面上に存在し得る微生物は、その粘性特性により、ゲル成長培地に運ばれる。
【0003】
次いで、このゲル成長培地は、微生物が同定可能となり、計数できるようになるまで、これには数日かかることもあるが、微生物の成長に適合された温度で培養される。
【0004】
ゲル成長培地の痕跡は、その除去後、サンプリングされた表面上に残存し、痕跡の栄養特性によって、微生物の増殖が促進されやすくなる。このため、サンプリングが行われた後すぐに、その表面は、殺菌した湿潤パッドまたは殺菌剤で洗浄される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、微生物を含み得る表面におけるサンプリング状態を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のため、第1の態様によれば、これは、表面上に存在し得る微生物との親和性を有する物質を前記表面に施与するステップであって、その物質が、前記施与するステップの後、前記施与するステップにおいて前記表面から前記物質に運ばれた潜在する前記微生物を暴露すべく処理されるように適合される、ステップを含む、前記表面の微生物学的分析のためのサンプリング方法であって、前記物質が、前記施与するステップの少なくとも最後において水または食塩水などの水性液体で湿潤される親水性合成材料の、微生物学的分析のための微多孔膜であることを特徴とする、サンプリング方法を提供する。
【0007】
本発明による方法は、親水性合成材料の従来の微多孔膜で直接サンプリングを実施することを可能にする。
【0008】
驚くべきことに、水を用いることを含めて、施与するステップの少なくとも最後にそのような膜を湿潤するという簡単なことにより、膜は、分析する表面上に存在し得る微生物との十分な親和性を有することができ、それにより、微生物が膜に運ばれるようになることが判明している。
【0009】
この親和性は、恐らく、膜と、分析する表面上にある水分子との間で作用する毛管力によるものである。
【0010】
したがって、微生物をサンプリングするために、(ゲル成長培地などの)粘性物質を使用することは全く必要がない。
【0011】
さらに、微生物学的分析のためにサンプリング物質として合成微多孔膜を使用するということにより、液体の分析に関して現在知られている全ての技術を使用することが可能になる。
【0012】
したがって、微生物のサンプリング後、膜は、栄養ゲル成長培地で培養することによって従来の方法で分析されてよく、あるいは、迅速な微生物学によって分析されよい。
【0013】
製造および使用の両方に関して、簡潔さ、便宜性、および経済性という理由で好まれる特徴によれば、
前記膜は、水性液体の水分を吸収することによって湿潤され、
前記膜は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、繊維素エステル(CE)、およびポリエーテルスルホン(PES)によって形成された群から選択された合成ポリマーであり、
前記膜は、0.1と1μmの間の孔径を有し、
前記施与するステップは、前記膜の第1の面を前記表面と接触させて置くステップと、水性液体で水分を吸収させた吸収性の基材を、前記第1の面の裏面である前記膜の第2の面に対して押さえ付けるステップとを含み、
前記吸収性の基材は、弾性的に変形可能であり、
前記吸収性の基材は、スポンジであり、
前記押さえ付けるステップは、少なくとも5秒相当の所定の時間の間行われ、
前記所定の時間は、10秒と20秒の間であり、
前記押さえ付けるステップは、手動で実施され、
前記施与するステップは、水性液体、および前記表面からサンプリングされた潜在する前記微生物を移す(lifting)ために、前記押さえ付けるステップの後、前記基材に及ぼされた圧力を放出するステップを含み、
前記サンプリング方法が、前記施与するステップに先立って、前記表面を水性液体で湿潤するステップを含み、ならびに/あるいは
前記表面を湿潤する前記ステップは、水性液体を噴霧することによって行われる。
【0014】
第2の態様によれば、本発明は、表面上に存在し得る微生物との親和性を有し、前記サンプリング後、前記サンプリングにおいて前記表面から前記物質に運ばれた潜在する前記微生物を暴露すべく処理されるように適合された物質を備え、前記物質を前記表面に施与するための手段を備える、前記表面の微生物学的分析のためのサンプリング装置であって、前記物質が、親水性合成材料の、微生物学的分析のための微多孔膜であり、前記装置が、水または食塩水などの水性液体で前記微多孔膜を湿潤するための手段を備えることを特徴とする、サンプリング装置を提供する。
【0015】
製造および使用の両方に関して、簡潔さ、便宜性、および経済性という理由で好まれる特徴によれば、
前記施与する手段は、ベルト内で摺動するように適合されたプランジャを備え、
前記ベルトは、足部から突出する剛性の円筒状の側壁を備え、前記円筒状の側壁および前記プランジャは、前記プランジャの摺動中に変形するように適合されたU字形の断面を備えた環状のチャネル部材によって結合されており、
前記足部は、前記サンプリング中、液体に対する障壁を形成するために前記表面に接して載置するように適合された円形縁を含み、
前記ベルト、前記プランジャおよび前記チャネル部材は、一体型成形品として形成されたプラスチック材料製のものであり、
前記湿潤化する手段は、前記膜と接触する、水性液体で水分を吸収させたスポンジを備え、前記スポンジが、前記ベルトによって部分的に区切られた空洞内に配設され、
前記サンプリング装置は、前記スポンジ内に含有された水性液体の蒸発を回避するために前記スポンジが流体密封のエンベロープ内に封入されるパッキング構成と、前記スポンジが外部空気と連通状態で使用するための構成とを有し、
前記エンベロープは、前記プランジャと前記スポンジの間に配設されたアルミニウム製のシートと、前記スポンジに面する面の裏面である前記膜の面に面して配設されたプラスチックフィルムとを備え、
前記プランジャは、前記アルミニウムシートに向かって延びる複数の歯を備え、前記歯は、前記プランジャの摺動中、前記アルミニウムシートを貫通するように適合され、
前記プランジャは、剛性ディスクを備え、前記歯は、前記ディスクの平面に対して直角に延び、その周囲にわたって規則的に分布されており、
前記プランジャは、剛性化する手段を備え、ならびに/あるいは
前記剛性化する手段は、星形の配置で延びる4つのフラットなリブを備える。
【0016】
次に、本発明の開示は、添付の図を参照して、例示的であるが非限定的な例を用いて以下で与えられた実施形態の詳細な説明によって続けられる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による装置の部分的に切り取られた斜視図である。
【図2】サンプリングユニット単独の正面における対応する断面図である。
【図3】サンプリングユニットが備える成形プラスチック材料から形成された本体の別の角度からの部分的に切り取られた斜視図である。
【図4】所定の位置に押し込められ、微生物を含み得る表面に装着されたサンプリングユニットの、図1の角度に類似する角度からの部分的に切り取られた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
パッケージング化構成の、図1に示される微生物をサンプリングするための装置1は、サンプリングユニット2および皿3を備える。
【0019】
サンプリングユニット2(図2)は、成形プラスチック材料の本体4と、シート5と、スポンジ6と、親水性の微多孔膜7と、フィルム8とを備える。
【0020】
本体4は、足部11から突出する剛性の円筒状の側壁10によって形成されたベルト9と、プランジャ12と、壁10をプランジャ12に結合させるU字形の断面を備えた環状のチャネル部材13とを備える。
【0021】
環状のチャネル部材13および側壁10は、同心であり、環状のチャネル部材13の外壁13Aの自由縁は、環状の外側13Aの円周の全体を覆う壁10の内側面から突出するリブ14を介して側壁10に連結されている。
【0022】
チャネル部材13は、壁10の自由縁15に向かって延び、ここでは半円形であるその中間壁13Cは、その自由縁15に対してわずかに窪んで位置している。
【0023】
プランジャ12は、星形の配置で、中央スタッド19から延びる4つのフラットなリブ18によって囲まれたディスク17を備え、スタッド19およびリブ18は、ディスク17の平面に対して直角に延びている。
【0024】
環状のくぼみ20(図1)が、ディスク17の周囲において、リブ18をそこから突出させる面の裏面であるディスク17の面21で形成される。このくぼみ20は、ディスク17の自由縁まで延びており、ディスク17の自由縁は、ディスク17が側壁10に対して直角に延びるように、チャネル部材13の内側壁13Bの自由縁に対して直角に連結されている。
【0025】
チャネル部材13の内側壁13Bは、その外側壁13Aよりわずかに短いので、ディスク17の面21は、リブ14の面23に対してわずかに隆起している(リブ18をそこから突出させる面の裏面である面)。
【0026】
ディスク17の自由縁において、複数の歯25が、チャネル部材13の内側壁13Bの反対方向に、ディスク17の平面に対して直角に延びている。これらの歯25は、ディスク17の周囲全体にわたって規則的に分布され、各々は、そのディスク17の中央に向かって向けられた傾斜面を有しており(図3)、そのそれぞれの端部は、面21によって形成された平面と面23によって形成された面の中間にある同じ平面内に配設される(図2)。
【0027】
足部11は、ここでは矩形の断面を有する環状のヒール部30を備え、このヒール部には、側壁10、ならびに自由縁15からわずかに外方向に傾きながら、本体4から外向きに延びる周囲リム31が載置している。
【0028】
周囲リム31の2つの円錐台状の面32および33(図2)は交わって、サンプリング作動中、微生物を含み得る表面45(図4)に載置するように設けられる円形縁34を形成する。
【0029】
シート5は、側壁10の内側面の直径と合致する直径を有する円形の外形を有する。シート5は、溶接(または接合)継手によってリブ14の面23の周囲に固定され、それにより、わずかなギャップが、シート5と、シート5に面するディスク17の歯25とを分離する(図2)。このシート5は、以下で詳細が開示されるサンプリング方法を実施する際、歯25によるその貫通を容易にするために、ここではアルミニウム製のものである。
【0030】
殺菌水で水分を事前に吸収させたスポンジ6は、アルミニウムシート5の直径と同じ直径の円形の外形を有する。スポンジ6は、シート5ならびに側壁10およびヒール部30の内側面によって区切られた空洞内に配設される。スポンジ6は、シート5から遠隔にある端部が、壁10から遠隔にあるヒール部30の面36と同一平面で配置されるような所定の厚さを有するものである。
【0031】
親水性膜7は、合成ポリマーから、好ましくはポリフッ化ビニリデン(PVDF)から、繊維素エステル(CE)から、またはポリエーテルスルホン(PES)から形成され、その孔の直径は、0.1と1μmの間である。
【0032】
膜7はまた、環状のヒール部30の外径と等しい(したがってシート5およびスポンジ6の直径より大きい)直径を有するが円形の外形を有する。
【0033】
膜7の第1の面38(図1)は、溶接(または接合)継手によって、環状のヒール部30の面36の周囲に固定され、それにより、スポンジ6は、膜7とアルミニウムシート5の間に挟まれる。
【0034】
フィルム8は、これが溶接または接合の継手によって固定された円形縁34の直径と等しい直径を有する円形の外形を有する。したがって、このフィルム8は、スポンジ6に面する面の裏面である膜7の第2の面39に面する。
【0035】
装置1のパッケージ化構成において、溶接継手によって本体4に固定されたシート5およびフィルム8は、スポンジ6および膜7を外部環境から絶縁する流体密封のエンベロープを形成し、それにより、その中に含有された精製水は、大気に蒸発できなくなることに留意されよう。
【0036】
フィルム8は、ここでは、サンプリング方法を実施する前の予想外の貫通のリスクを抑えるために、軟質プラスチック製のものである。
【0037】
皿3は、本体4の円形縁34の直径よりごくわずかだけ大きい直径を有する円形の底壁40と、底壁40から広がる円錐台状の側壁41とを備える。
【0038】
この円錐台状の壁41は、円形リブ42を形成するように、底壁40をわずかに超えて延びている。
【0039】
図1で理解されるように、サンプリングユニット2は、膜7を含む側部によって皿3内に部分的に配設される。
【0040】
この配設は、オペレータがサンプリング作動を実施することを決定するまで、外部の衝撃に対して壊れやすいこの膜7を保護することを可能にする。
【0041】
ユニット2と皿3の間の暫定的な保持を確実にするために、皿3には、保持する手段、ここでは(図では見えない)畝部が設けられる。
【0042】
次に先ほど説明されたサンプリング装置1を使用して実施される方法のさまざまなステップについて説明が行われる。
【0043】
第1の段階では、オペレータは、保護皿3からサンプリングユニット2を取り出し、次いで、プラスチックフィルム8を、たとえば引っ張る目的のために設けられた小さな突出タブを用いて引っ張ることによって本体4から取り外す。ここで、装置1は、スポンジ6および膜7が外気と連通した状態で使用するための構成となる。
【0044】
次に、オペレータは、本体4の足部11を、収集する微生物が局在し得る表面45に置き、次いで、自らの指でプランジャ12のディスク17を表面45に向かって押さえ付ける。
【0045】
プランジャ12は、ベルト9内で摺動し、この移動には、チャネル部材13の弾性変形が伴われる。
【0046】
アルミニウムシート5に向かって配向されたプランジャ12の歯25は、非常にすばやく入りこんでアルミニウムシート5と接触し、その周囲においてこれを貫通する。
【0047】
移動を続けることにより、アルミニウムシート5が引き裂かれ、スポンジ6(図4)が膜7に押し付けられて圧縮され、この膜は、弾性的に変形し、面39が表面45に接して載置するようになる。リブ18が存在することにより、ある程度の剛性をディスク17に与え、それによってスポンジ6に均一な圧力をかけることが可能になる。
【0048】
次いで、スポンジ6は、最初に含有された水が部分的に流出し、この水は、親水性膜7の孔を通り抜けることによって、表面45に向かって排出される。
【0049】
表面45に接して載置する足部11の円形縁34は、液体に対する障壁を形成しており、それにより、スポンジ6から排出する水は、縁34の内側において含有されたままである。
【0050】
次いで、サンプリングユニット2は、図4に示される押し込まれた位置になる。
【0051】
オペレータによってプランジャ12に及ぼされた力は、少なくとも5秒、好ましくは10秒と20秒の間、維持される。
【0052】
この時間の間、潜在する微生物は、表面45に存在する水分子によって浸漬され、円形縁34によって、その微生物がサンプリングゾーン内に含有されることが可能になる。
【0053】
次に、オペレータはプランジャ12を放し、このプランジャ12は、その元の位置に次第に戻っていき(図2)、同様にスポンジ6も戻っていく。最初の容積を取り戻すことにより、このスポンジは、水分子およびサンプリングされた微生物の移動を引き起こす毛管現象に加えて作用する吸引力を及ぼす。
【0054】
膜7の孔より大きい直径を有するこれらの微生物は、その湿潤した膜7の表面に堆積されるようになり、一方で水分子は、スポンジ6の大部分で再吸収される。
【0055】
膜7での潜在する微生物の回収率を向上させるために、プランジャ12を押し出し、次いで放すステップが、数回繰り返されてよい。
【0056】
膜7は、サンプリングユニット2から分離された後、表面45からその膜7に運ばれた可能性がある潜在する微生物を暴露し、計数するために直接的に培養され得る。
【0057】
このため、膜7の面38(すなわち微生物がその上に局在する面39の裏面)が、栄養ゲル成長培地に直接置かれ、次いで、これらの微生物の成長に適合された温度条件の下、インキュベーション状態に置かれる。
【0058】
サンプリングは、たとえば膜7の表面上に存在する微生物のATPを検出することによって、迅速な微生物学による対象になってよい。
【0059】
サンプリング方法の図示されない変形形態では、オペレータは、膜7に類似するが乾燥した膜を、微生物を含み得る表面45に堆積することによって開始する。
【0060】
次いで、オペレータは、膜を湿潤したスポンジ(または湿潤したパッド)で覆い、次いで、(オペレータの指で直接的に、またはプランジャを介して)そのスポンジ(またはそのパッド)を少なくとも5秒間、好ましくは10秒と20秒の間、押さえ付ける。
【0061】
このステップはまた、所定の時間、スポンジまたはパッド上で均一な圧力を維持する駆動システムが設けられた電動アプリケータを介して実施されてもよいことに留意されたい。
【0062】
本発明によるサンプリング方法の別の変形形態では、オペレータは、たとえば殺菌水を噴射することによって表面45を湿潤することによって開始し、次いで膜7に類似するがが乾燥した膜を、微生物を含み得る表面45に置く。
【0063】
オペレータは、次いで、膜を乾燥したスポンジ(または乾燥したパッド)で覆い、その後、上記で開示された同じ方法で、そのスポンジ(またはそのパッド)を少なくとも5秒間、好ましくは10秒と20秒の間、押さえ付ける。
【0064】
図示されないが、本発明による方法のさらに別の変形形態によれば、膜7に類似するが湿潤した膜が、単に、表面45に堆積され、次いで1分を超える所定の時間後に除去される。
【0065】
膜はまた、事前に湿潤された表面45に、乾燥した状態で置かれてもよく、ならびに/あるいは水以外の水性液体、たとえば食塩水が膜を湿潤するために使用されてよい。
【0066】
数多くの変形形態が状況によって可能になり、これに関連して、本発明は、説明され図示された例となる実施形態に限定されないことに留意されたい。
【符号の説明】
【0067】
1 装置
2 サンプリングユニット
3 皿
4 本体
5 シート
6 スポンジ
7 親水性の微多孔膜
8 フィルム
9 ベルト
10 円筒状の側壁
11 足部
12 プランジャ
13 チャネル部材(A:外壁、B:内側壁、C:中間壁)
14、18 リブ
15 自由縁
17 ディスク
19 中央スタッド
20 環状のくぼみ
21 ディスク7の面
23 リブ14の面
25 歯
30 環状のヒール部
31 周囲リム
32、33 円錐台状の面
34 円形縁
36 環状のヒール部30の面
38 膜7の第1の面
39 膜7の第2の面
40 円形の底壁
41 円錐台状の側壁
42 円形リブ
45 表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面(45)に存在し得る微生物との親和性を有する物質を前記表面(45)に施与するステップであって、前記物質が、前記施与するステップの後、前記施与するステップにおいて前記表面(45)から前記物質に運ばれた潜在する前記微生物を暴露すべく処理されるように適合される、ステップを含む、前記表面(45)の微生物学的分析のためのサンプリング方法であって、前記物質が、前記施与するステップの少なくとも最後において水または食塩水などの水性液体で湿潤される親水性合成材料の、微生物学的分析のための微多孔膜(7)であることを特徴とする、サンプリング方法。
【請求項2】
前記膜(7)が、水性液体の水分を吸収することによって湿潤されることを特徴とする、請求項1に記載のサンプリング方法。
【請求項3】
前記膜(7)が、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、繊維素エステル(CE)、およびポリエーテルスルホン(PES)によって形成された群から選択された合成ポリマー製のものであることを特徴とする、請求項1または2に記載のサンプリング方法。
【請求項4】
前記膜(7)が、0.1と1μmの間の孔径を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のサンプリング方法。
【請求項5】
前記施与するステップが、前記膜(7)の第1の面(39)を前記表面(45)と接触させて置くステップと、水性液体で水分を吸収させた吸収性の基材(6)を、前記第1の面の裏面である前記膜(7)の第2の面(38)に対して押さえ付けるステップとを含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のサンプリング方法。
【請求項6】
前記吸収性の基材(6)が、弾性的に変形可能であることを特徴とする、請求項5に記載のサンプリング方法。
【請求項7】
前記吸収性の基材が、スポンジ(6)であることを特徴とする、請求項6に記載のサンプリング方法。
【請求項8】
前記押さえ付けるステップが、少なくとも5秒相当の所定の時間の間行われることを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載のサンプリング方法。
【請求項9】
前記所定の時間が、10秒と20秒の間であることを特徴とする、請求項8に記載のサンプリング方法。
【請求項10】
前記押さえ付けるステップが、手動で実施されることを特徴とする、請求項5から9のいずれか一項に記載のサンプリング方法。
【請求項11】
前記施与するステップが、水性液体、および前記表面(45)からサンプリングされた潜在する前記微生物を移すために、前記押さえ付けるステップの後、前記基材(6)に及ぼされた圧力を放出するステップを含むことを特徴とする、請求項5から10のいずれか一項に記載のサンプリング方法。
【請求項12】
前記施与するステップに先立って、前記表面(45)を水性液体で湿潤するステップを含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のサンプリング方法。
【請求項13】
前記表面(45)を湿潤する前記ステップが、水性液体を噴霧することによって行われることを特徴とする、請求項12に記載のサンプリング方法。
【請求項14】
前記表面(45)に存在し得る微生物との親和性を有し、前記サンプリング後、前記サンプリングにおいて前記表面(45)から前記物質に運ばれた潜在する前記微生物を暴露すべく処理されるように適合された物質を備え、前記物質を前記表面(45)に施与するための手段(12)を備える、前記表面(45)の微生物学的分析のためのサンプリング装置であって、前記物質が、親水性合成材料の、微生物学的分析のための微多孔膜であり、前記装置が、水または食塩水などの水性液体で前記微多孔膜(7)を湿潤するための手段(6)を備えることを特徴とする、サンプリング装置。
【請求項15】
前記施与する手段は、ベルト(9)内で摺動するように適合されたプランジャ(12)を備えることを特徴とする、請求項14に記載のサンプリング装置。
【請求項16】
前記ベルト(9)が、足部(11)から突出する剛性の円筒状の側壁(10)を備え、前記円筒状の側壁(10)および前記プランジャ(12)が、前記プランジャ(12)の摺動中に変形するように適合されたU字形の断面を備えた環状のチャネル部材(13)によって結合されることを特徴とする、請求項15に記載のサンプリング装置。
【請求項17】
前記足部(11)が、前記サンプリング中、液体に対する障壁を形成するために前記表面(45)に接して載置するように適合された円形縁(34)を含むことを特徴とする、請求項16に記載のサンプリング装置。
【請求項18】
前記ベルト(9)、前記プランジャ(12)および前記チャネル部材(13)が、一体型成形品として形成されたプラスチック材料製のものであることを特徴とする、請求項16または17に記載のサンプリング装置。
【請求項19】
前記湿潤化する手段が、前記膜(7)と接触する、水性液体で水分を吸収させたスポンジ(6)を備え、前記スポンジ(6)が、前記ベルト(9)によって部分的に区切られた空洞内に配設されることを特徴とする、請求項15から18のいずれか一項に記載のサンプリング装置。
【請求項20】
前記スポンジ(6)内に含有された水性液体の蒸発を回避するために、前記スポンジ(6)が流体密封のエンベロープ(5、8)内に封入されるパッキング構成と、前記スポンジ(6)が外部空気と連通状態で使用するための構成とを有することを特徴とする、請求項19に記載のサンプリング装置。
【請求項21】
前記エンベロープが、前記プランジャ(12)と前記スポンジ(6)の間に配設されたアルミニウム製のシート(5)と、前記スポンジ(6)に面する面の裏面である前記膜(7)の面(39)に面して配設されたプラスチックフィルム(8)とを備えることを特徴とする、請求項20に記載のサンプリング装置。
【請求項22】
前記プランジャ(12)が、前記アルミニウムシート(5)に向かって延びる複数の歯(25)を備え、前記歯(25)が、前記プランジャ(12)の摺動中、前記アルミニウムシート(5)を貫通するように適合されることを特徴とする、請求項21に記載のサンプリング装置。
【請求項23】
前記プランジャ(12)が、剛性のディスク(17)を備え、前記歯(25)が、前記ディスク(17)の平面に対して直角に延び、その周囲にわたって規則的に分布されることを特徴とする、請求項22に記載のサンプリング装置。
【請求項24】
前記プランジャ(12)が、剛性化する手段(18)を備えることを特徴とする、請求項15から23のいずれか一項に記載のサンプリング装置。
【請求項25】
前記剛性化する手段が、星形の配置で延びる4つのフラットなリブ(18)を備えることを特徴とする、請求項24に記載のサンプリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−53217(P2011−53217A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−196497(P2010−196497)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(390019585)ミリポア・コーポレイション (212)
【氏名又は名称原語表記】MILLIPORE CORPORATION
【Fターム(参考)】