説明

表面の欠陥を修復することによって、機械的強度を改善するガラス−セラミックス処理のための組成物、対応する処理方法およびそのようにして得られた処理されたガラス−セラミックス

ガラス−セラミック、特にプレート形、平面ガラスまたは中空物、またはファイバー形のガラスの表面処理のための本組成物は、該ガラス−セラミックまたは該ガラスに薄いコーティングを適用可能である。それは、水性媒体、以下の成分(A)および(B)を含む:(A)少なくとも一つの官能基f(A)を有する少なくとも一つの化合物;および(B)該コーティングを重縮合および/又は硬化によって硬いコーティングに変えるために、ガラス−セラミックまたはガラスに適用された薄いコーティング中の成分(A)の1または複数の官能基f(A)と反応可能な、少なくとも一つの官能基f(B)を含む少なくとも一つの化合物、およびケイ素原子に結合した少なくとも一つのR−O−官能基(Rはアルキル残基を表す)(A)および(B)の定義に含まれる少なくとも一つの化合物、およびケイ素原子に結合した少なくとも一つのR−O−官能基を有し、1または複数の化合物が、水性媒体と接触する間に起こる前加水分解または自発的な加水分解の結果生ずる加水分解の形であってもよい官能基を有する、少なくともいくつかの化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その上の表面欠陥を修復することによって、それらガラスの機械的強度を改善するための、ガラス−セラミック特にプレート形、またはガラス特に平面ガラスまたは中空物(ビン類、フラスコ類等)またはファイバー形のガラス、を処理するための組成物に関する。また、本発明は、対応する処理法およびこの様に処理されたガラスにも関する。
【背景技術】
【0002】
国際出願WO98/45216には、中空物を製造するために、容器の表面に水性ベースの処理剤が適用されて、機械のアニーリング炉(lehr)の下流に放置することよる不浸透性を有する中空物の製造法が記載されており、該処理剤は以下を含む:
(I)アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、エポキシ等の官能基を有するアルコキシシランから、並びにトリアルコキシシラン類、ジアルコキシシラン類およびテトラアルコキシシラン類から選択されたアルコキシシラン類から、調製される有機ポリシロキサン含有水性ベース組成物;
(II)ワックス類、脂肪酸部分エステル類、および/又は脂肪酸から選ばれ、および界面活性剤を含む可能性がある、ケイ素を含まない組成物。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
処理剤適用の間のガラスの表面温度が、少なくとも30℃、特に30℃〜150℃の間に上昇する。本処理を通して、容器の延長された使用への耐性が改善する。国際出願WO98/45217に、第1層が、トリアルコキシシラン、および/又はジアルコキシシラン類、および/又はテトラアルコキシシラン類または加水分解、および/又は濃縮生成物を含む処理剤から得られており、第2層としての本コーティング試薬の適用が記載されている。
【0004】
米国特許出願6 403 175 Blには、表面の補強のために中空物の冷間処理のための試薬が、記載されている。本水ベースの試薬は、少なくとも以下を含む:トリアルコキシシラン類、ジアルコキシシラン類、および/又はテトラアルコキシシラン類、それらの加水分解生成物、および/又はそれらの縮合生成物;水溶性ポリオールの混合物、およびポリオールのための架橋剤、このように適用され100〜350℃の間で架橋する冷間処理剤の層。
【課題を解決するための手段】
【0005】
しかし、出願人企業は、ガラス−セラミックプレート、ガラス、特に平面ガラスまたは中空物、またはファイバー形状のガラスの、機械的強度を改善するためにさらに努力し、該組成物がガラス表面で硬化または重縮合可能である水性組成物であって、SiOHまたはSiOR官能基(R=アルキル基)の薄いフィルムを形成するための、優れた結果を与える新規のコーティング組成物が開発された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
したがって、本発明の主題は、ガラス−セラミック、特にプレート形、またはガラス特に平面ガラス、または中空物、またはファイバー形状のガラスの表面を処理するための組成物で、薄いコーティングとして、該ガラス−セラミックまたは該ガラスに、適用可能である組成物が、水性媒体で以下の成分(A)および(B)を含むことを特徴とする:
(A)少なくとも一つの官能基f(A)を有する少なくとも一つの化合物;および
(B)該コーティングを重縮合および/又は硬化によって硬いコーティングに変えるために、ガラス−セラミックまたはガラスに適用された薄いコーティング中の成分(A)の1または複数の官能基f(A)と反応可能である、少なくとも一つの官能基f(B)を含む少なくとも一つの化合物と;
ケイ素原子に結合した少なくとも一つのR−O−官能基(Rはアルキル残基を表す)を少なくとも一つ有する、(A)および(B)の定義に含まれる少なくとも一つの化合物と;
および、1または複数の化合物が、水性媒体と接触する間に起こる前加水分解または自発的な加水分解の結果生する加水分解の形であってもよい、ケイ素原子に結合した少なくとも一つのR−O−官能基を有する、少なくともいくつかの化合物と、
を含む組成物。
【0007】
Rのためのアルキル残基は、直鎖または分枝C〜Cアルキル残基である。
官能基f(A)およびf(B)は、−NH、−NH−、エポキシ、ビニル、(メタまたはア)クリル、イソシアネートおよびアルコール性官能基から特に選択されうる。
特に、成分(A)および(B)の官能基f(A)およびf(B)はそれぞれ、薄いコーティングがUV活性または熱活性硬化によって形成される、下記の表に示された群から、選択されてもよい。
【0008】
【表1】

【0009】
熱的方法に関しては、あるケースでは可能性がある、室温での硬化を含むことが、指摘されるべきである。
成分(A)および(B)の定義中の化合物の例として、以下のものがあげられる:
・メラミン、エチレンジアミンおよび2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール(でSiORまたはSiOH官能基を含まない化合物)
・ビスフェノールAの誘導体(でSiORまたはSiOH官能基を含まない化合物)
・(メタ又はア)クリレートモノマーまたはオリゴマー(でSiORまたはSiOH官能基を含まない化合物);式(I)の化合物)
【0010】
【化1】

【0011】
ここで、Aは、脂肪族または芳香族炭化水素残基を介してケイ素に直接結合する、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、エポキシ、アクリロキシ、メタクリロキシ、ビニル、アリール、シアノ、イソシアネート、ウレイド、チオシアネート、メルカプト、スルファンまたはハロゲン基から選択された、少なくとも一つの基を有する炭化水素ラジカルである;
はアルキル基、特にC〜Cまたは、上記に定義されるAを表す;
は、アルキル(ポリエチレングリコール)残基で置換されていてもよい、C〜Cアルキル基を表す;
x=0または1または2。
特に次の(A)/(B)の組み合わせがあげられる:
・メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン/ポリエチレングリコールジアクリレート;
・メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン/グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン;および
・3−アミノプロピルトリエトキシシラン/グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン。
【0012】
一つの特別な態様にしたがって、成分(A)の官能基f(a)は、−NHおよび/又は−NH−官能基、および成分(B)の官能基f(B)は、エポキシ官能基で、エポキシ官能基の数に対する成分(A)中の−NH−官能基の数の割合は、0.3/1〜3/1(上限、下限を含む)の間、特に0.5/1〜1.5/1(上限、下限を含む)の間である。
【0013】
前加水分解の状態で有利に導入された後であるが、成分(A)としての3−アミノプロピルトリエトキシシラン、および成分(B)としてのグリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン類を含む、本発明に従った一つの特別な組成物があげられる。
【0014】
一旦水性媒体に導入されると、成分(A)および(B)、すくなくとも一つが少なくとも一つの−SiOR官能基を含み、水との接触の後、比較的長い時間を掛けて、1または複数の−SiOR、官能基の−SiOHへの加水分解を受ける。あるケースでは、加水分解を触媒するために、塩酸または酢酸等の酸が加えられた。
【0015】
−SiOH官能基の−SiO−Si−へ基への縮合は、室温で開始する可能性がある。このように、これらの反応が、3次元のシロキサンネットワークの形成に参加するために、ある条件下で可能である−SiOH官能基を通して(A)/(A)、(A)/(B)および(B)/(B)反応がある可能性がある。しかし、成分(A)および(B)を選択すること、および非常に部分的な水性溶剤中で本ネットワークが形成するための条件を操作することも、好都合であろう。
【0016】
本発明に従って、組成物は、ガラス−セラミックまたはガラスに適用されること、および処理されて、成分(A)の官能基f(A)と成分(B)との官能基f(B)反応を通じた、硬化または重縮合による薄いコーティングを形成すること、を意図している。
【0017】
さらに、重縮合生成物が、SiOHおよびSiOラジカルを介して、ガラス−セラミックまたはガラスと反応して、その上の、すなわちチェック(仏:glacure)、われ、衝撃等の表面の欠陥を修復することが、この様に可能である。このように形成されたフィルムは、ガラス−セラミックまたはガラスの機械的強度を改善することが意図されている。
【0018】
本発明の組成物はさらに以下を含む:
(Cl)成分(A)および(B)のための少なくとも一つの重合または重縮合触媒;および/又は、
(C2)硬質コーティングを形成するために使用される方法に依存する、少なくとも一つのUVまたは熱ラジカル重合開始剤またはUVカチオン性重合開始剤。
【0019】
有利なことに、成分(C1)は、トリエタノールアミンおよびジエタノールアミンプロパンジオール等の第3アミンであるか、またはそれを含む。第3アミン類の例として、一般的に式(III)があげられる。
【0020】
【化2】

【0021】
ここで、RからRは、個々が独立してアルキル、ヒドロキシアルキル基を表す。少なくとも一つの触媒の存在は、ビン類又はその同様のものへのコーティングの場合では、追加的な硬化オーブンの使用によって、硬化時間と硬化温度の減少、したがって吐出を助け、下に記載するであろう様に、アニーリング炉(例えば150℃)に放置したビンの温度で、機能することを可能にする。
【0022】
例えば、ラジカル重合開始剤(C2)は、シバスペシャリティーケミカルズ社によって販売されているIrgacure(登録商標)500等のベンゾフェノンを含む混合物である。
本発明の組成物は、さらに以下を含む:
(D)ワックス類、脂肪酸部分エステル類および脂肪酸、およびポリウレタン類、およびアクリルポリマー等の、該保護機能で知られている他のポリマー類から選ばれた少なくとも一つのキズ/磨耗保護剤;および/又は
(E)エマルジョン中の少なくとも一つのポリマーで、Tgが0〜100℃の間にあるもの;および/又は
(F)アニオン系または非イオン系界面活性剤等の、少なくとも一つの界面活性剤
【0023】
ワックス類の例としては、酸化されているか否かにかかわらず、ポリエチレンワックス類があげられる。
ワックス類、脂肪酸部分エステル類、および脂肪酸が、界面活性剤と協働した状態の組成物に導入されてもよい。
【0024】
保護剤(D)は、熱可塑性であり、および弾性・滑性特性を有している。形成された薄いフィルム中にそれらを含むことは、使用および取り扱いの間、キズ/磨耗保護に寄与する。
エマルジョン(E)中のポリマーは、ノヴェオン社(Noveon)から販売されている、HYCAR(登録商標)シリーズ等のエマルジョン中のアクリルコポリマーから、特に選択されている。
【0025】
界面活性剤(F)の例としては、Brij(登録商標)97の名で知られるC1835(OCHCH)10OH等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、およびポリエチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイド/ポリエチレンオキサイドトリブロックコポリマーがあげられる。また下記実施例で使用される界面活性剤もあげられる。
【0026】
本発明に従った組成物は、重量で全100部として、この様に水性媒体を含む:
25重量部までの成分(A);
25重量部までの成分(B);
0〜25重量部の上記に定義された成分(C1);
0〜25重量部の上記に定義された成分(C2);
0〜25重量部の上記に定義された成分(D);
0〜25重量部の上記に定義された成分(E);および
0〜25重量部の上記に定義された成分(F)。
試薬が水性溶液またはエマルジョンの形で導入される時は、上記の量は乾燥物として示されており、本溶液またはエマルジョンの水の量は組成物の水性媒体の一部を形成する。
【0027】
発明に従った組成物は、有利なことに、回転円筒法(ブルックフィールド社のRheovisco LV粘度計;スピード=60rpm;低粘度用アクセサリー)によれば、室温で1〜3センチポイズの粘度を有する。
本発明の主題は、また表面欠陥を修復することによって、機械的強度を改善するための、ガラス−セラミックまたはガラス表面の処理方法であって、請求項1〜請求項15のうち一つに定義された組成物の薄いフィルムが、ガラス−セラミックまたはガラス部分に適用されて、3μmまででありうるの範囲の厚さに処理され、前記組成物が硬化または重縮合反応を受けることに特徴を有する。
【0028】
本発明に従った組成物は、一般的に使用の際に、その成分の混合によって様々な方法で、適用の観点から準備されてもよい。
本発明に従った組成物が(A)+(B)+水、の成分を含む時、最初に(A)を(B)と混合し、ついで使用の際に、水と混合物を混ぜることで準備しても良い。
また、(A)および/又は(B)を前加水分解することも可能である。
【0029】
触媒および/又は追加物が存在する時は、(A)が(B)と使用の際に混合される前に、混合される。
また、もし成分(A)または(B)の一つが加水分解を受けるのであれば、追加物を非加水分解成分に取り込むことも可能である。
有利なことに組成物はスプレーまたはディップコーティングで適用される。
【0030】
薄く硬いコーティングを形成するために、適用されたコーティングは、たとえば数秒の乾燥操作、それに続いて例えばUV処理が数秒から30間秒続く、UVランプの下の通過を受けてもよい。
熱硬化または重縮合は、例えば100〜200℃で、5〜20分間行われてもよい。しかし、処理の温度および期間は、使用される系に依存する。このように、薄くて硬いコートが、室温でほとんど即座に熱的に形成される系がある可能性がある。
【0031】
もし、中空物品がコートされるのであれば、
組成物が触媒を含まない時は、硬化オーブンを100〜220℃の温度で、数分〜10分の範囲の間、中空物を通過させることによって;および
組成物が触媒を含む時は、硬化オーブンを通らずに硬化反応を起こさせることによって、
アニーリング炉の後、中空物の温度がスプレーの間10〜150℃であって、手順は中空物の上にスプレーされた組成物を堆積させることであってもよい。
【0032】
本発明は、上記のように定義された組成物によって、上記のように定義された方法に従って、処理されるガラス−セラミック、平面ガラス、または中空物、および上記の組成物で、上記の方法に従って処理されるグラスファイバー、特に(例えば、歯科医用ランプに使用される)光学ファイバーにも関する。
本発明は、また、ガラス−セラミックまたはガラスの機械的強度を改善するために、その表面の欠陥を修復することによって、上記に定義された組成物の使用にも関する。
【0033】
以下の実施例は、本発明を示すが、その範囲に限界はない。これらの実施例で、他に示されていなければ、部および%は重量である。これらの実施例では:
SR610は、クレイバレー(Cray Valley)社から販売されている600ポリエチレングリコールジアクリレートである;
クレイバレーの化合物は、上記に定義するように、67%のSR610、およびクレイバレー社からCN132の名前で販売されている脂肪族ジアクリレートオリゴマー33%を含む化合物である。CN132は、水とほとんど混ざらないため、SR610中にあらかじめ溶解することが必要である;
ワックスGK6006は、モレルス社(Morells)から販売されている25%の固体含有量を有するポリエチレンワックスである;
ワックスOG25は、ターブエマルジョンケミーAG社(Trub Emulsion Chemie AG)から販売されている25%の固形含有量を有するポリエチレンワックスである; および
IRGACURE(登録商標)500は、50%のベンゾフェノンおよび50%の1-ヒドリキシシクロヘキシルフェニルケトンを含む、シバガイギー社から販売されているラジカル重合開始剤のブランド名である。
【実施例】
【0034】
実施例1a:乾燥に続くUV架橋によって形成されたコートフィルムを与えられた平面ガラス
(a)コーティング組成物の調製
量が重量部で与えられている以下の処方が使用された:
【0035】
【表2】

【0036】
ガラスのためのコーティング組成物が、処方のシランを水の中で24時間加水分解し、そして処方のほかの成分を加えることによって、調製された。
【0037】
(b)インデントのある(indented)平面ガラスプレート上でのコーティングの形成
この様に得られた組成物は、ダイヤモンドのピラミッド状チップが付いたビッカース圧子を、50Nの圧力で適用して、作製した欠陥が表面にある、10枚の平面ガラスプレート(寸法は70×70×3.8mm)の一群の上に堆積された。
そろった厚みを確かにするために、500mm/minのコントロールされたスピードで、ディップコーティングによってコーティングが堆積された。本コーティング操作は、われ目の伝播を安定させ、作り出された欠陥の周りのストレスを緩和するために、インデンテーション(indentation)の後24時間後に行われた。
そして、ガラスプレートは、100℃で10分間乾燥され、UV発生器の特徴が以下のようであるUV硬化を、コーティングが25秒受けて、フィルムが適用された:
ランプから基材表面までの距離:5cm;
鉄ドープ水銀ランプ(タイプFのStrahler UVH ランプ);
出力:150W/cm。
【0038】
(c)3点曲げでの破壊テスト
この様に、作られた欠陥を伸長することによって、コートされたガラスプレートの上で、3点曲げでの破壊テストが行われた。本テストでは、形成されたコーティングのUVエージングおよび環境エージングなしに行われた。
10のコートされていないガラスプレートの一群が、対照となった。
三点破面の結果は、MPaの破壊係数(MOR)で表され、組成物の補強成績を評価するために使用される。コーティングの補強の結果は、平面ガラスプレートの曲げテストでの破壊係数と、処理された平面ガラスプレートの破壊係数の差異として表される。
結果は下の表3に示されている。
【0039】
【表3】

【0040】
コーティングのないインデントのある平面ガラスプレートに比較して、本補強が実際107.8%であり、本実施例の処方は、弱められたガラスプレートの非常に明白な補強効果を示す。
図1のグラフは、破壊係数のMPaでの関数としてプロットされたパーセントとしての累積破壊を示す。10のコーティングのない平面ガラスサンプルのカーブに比較して、10のコートされた平面ガラスサンプルのカーブは、破壊係数が上方にシフトしている。したがって、本実施例の組成物から形成されたコーティングは、ガラスにより大きい機械的強度を与える。
【0041】
実施例lbおよびlc:乾燥に続くUV架橋によって形成されたコーティングフィルムを有する平面ガラスプレート
量が重量部で与えられている、以下の処方が使用された。
実施例lb
【0042】
【表4】

【0043】
実施例lc
【0044】
【表5】

【0045】
実施例1bおよび1cの処方の個々のために、架橋時間が約20秒であることを除けば、手順は実施例1aの様である。
添付された図である図2のグラフによって表されている。個々の処理は、それぞれの対照と比較されなければならない。2つの処方は、約100%の補強を与えるようである。
【0046】
実施例2:熱硬化によって形成されたコーティングフィルムを与えられた平面ガラスプレート
(a)コーティング組成物の調製
量が重量部で与えられている、以下の処方が使用された:
【0047】
【表6】

【0048】
ガラスのコーティング組成物が以下の操作方法によって調製された。
2つのシランが5分間前混合され、水が加えられ、シランは30分間の激しい攪拌で加水分解された。そしてワックスが加えられた。
(b)インデントのある平面ガラスプレートの上でのコーティングフィルムの形成
乾燥の後UV硬化の代わりに、240℃で25分間の熱処理が行われた以外は、本手順は実施例1bのようであった。
(c)3点曲げでの破壊テスト
この様にコートされたガラスプレートの上で、実施例1cと同じテストが行われた。
得られた結果は、下の表7および図3に示されている。
【0049】
【表7】

【0050】
実施例3a〜3d:熱硬化によって形成されたコーティングフィルムを備えた平面ガラスプレート
(a)コーティング組成物の調製
以下の組成物が使用された、量は重量部で与えられている。
【0051】
【表8】

【0052】
一方では、5〜7分間(実施例3a)および10分間(実施例3b、3c、3d)混合することによって、アミノプロピルトリエトキシシランおよびグリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを含む第1のドラムが準備され、他方では、ポリエチレンワックス、ポリウレタンおよび水を含む第2のドラムが準備された。そして2つのドラムの内容物は、適用の30分前に混合された。
(b)インデントのある平面ガラスプレート上でのコーティング層の形成
熱処理(硬化)が200℃で20分間行われたほかは、手順は、実施例2bのようであった。
(c)3点曲げでの破壊テスト
このように、実施例3bの組成物で、コートされたガラスプレートの上で、実施例1cと同じテストが行われた。
結果は下の表9および図4に示されている。
【0053】
【表9】

【0054】
図4のグラフ中で、カーブは、コーティングされていない10の平面ガラスサンプルのカーブに比較して、より高い破壊係数値にシフトした10のコートされた平面ガラスサンプルを示している。
したがって実施例3bの組成物から形成されたコーティングは、より大きい機械的強度を与える。
(d)実施例3bの組成物から形成されたコーティングの、UVおよび環境エージングされた、インデントのある平面ガラスプレート上での3点曲げテスト
2つのエージングテスト、すなわち平面ガラスサンプルが540時間UV露出を受けるWOM(ウエザー−O−メーター)テスト、および平面ガラスサンプルが、1サイクルが95%RHで8時間である、−10℃/90℃のサイクルを15日間受けるVE(可変環境)テストが使用された。下記の図5および表10に結果が示されている。
【0055】
【表10】

【0056】
実施例3bの組成物に基づくコーティングによって与えられる補強は、WOMおよびVEエージングテストの後でも変わらなかった。
(e)(WOMおよびVEの後の)実施例3bの組成物に基づくコーティングの外観の裸眼での観察
実施例3bの組成物に基づくコーティングを有するガラスは、540時間のUV露出の後でも、いかなる劣化も受けなかった。上記に記載のVEテストの条件下でも湿度によって損なわれなかった。
【0057】
実施例4aおよび4b少なくとも一つのシランの前加水分解を伴う発明に従った組成物の調製
15分間で全てに水によって、両シランが前加水分解され(実施例4a)、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランが前加水分解された(実施例4b)以外は、実施例3aのように組成物が調製された。
【0058】
実施例5aおよび5b触媒の導入を伴う発明に従った組成物の調製
0.15部のトリエタノールアミンが第2のドラム(実施例5a)に加えられた点以外は、実施例3aのように組成物が調製された。
0.075部のトリエタノールアミンおよび0.075部のジエタノールアミンプロパンジオールが第2のドラムに加えられた(実施例5b)以外は、実施例3cのように組成物が調製された。
【0059】
実施例6グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン前加水分解の影響
両シランの23℃での同時加水分解を伴う、実施例3aの処方のFTIRスペクトログラムは、混合の23分後のグリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの前加水分解があってもなくても、一致している。
23分後、3−アミノプロピルトリエトキシシランおよびグリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの加水分解が完了した。グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの前加水分解は、2つのシランの加水分解反応速度に影響を与えない。しかし、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの前加水分解は、時間が経てば補強に影響する。
実施例3aおよび4bの処方のための(1時間、3時間および6時間または8時間)の熟成時間の関数としての平面ガラスプレート上の補強の結果は、それぞれ図6および図7に示されている。
表11平面ガラスプレートの上に50Nでインデントをつけ、3点曲げテストに掛けられた、実施例3aおよび4bの処方を有する補強のまとめの表
【0060】
【表11】

【0061】
σ=標準偏差
50Nでインデントを付けられた平面ガラスサンプル上の補強は、時間が経つにつれて低下した。組成物の3時間の寿命の後は、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの前加水分解(=同時加水分解)がなく、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの前加水分解のある補強は低下した。しかし前加水分解は補強特性における減衰を、緩やかにする様である: (グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの前加水分解がない)実施例3aの処方を有する補強が、化合物の6時間30の熟成の後はたった14%であるのに対し、処方のエージングの8時間後には46%にとどまる。
したがって、一つの推奨される操作方法は、安定で耐久力がある補強のレベルを達成するために、最初の数分間(5〜10分間)のグリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの加水分解にある。
【0062】
実施例7;粘度の変化
グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの前加水分解があるおよびない、実施例3および4の処方の粘度は、化合物が混合される温度(20℃または40℃)に依存する。温度が上がればあがるほど、粘度はより早く変化する。処方の粘度は、また使用されるポリエチレンワックス(OG25又はGK6006)の性質(実施例3d)に依存する。処方がOG25を含む時、粘度の上昇が観察されるのに対し、GK6006が使用される時(実施例3d)は、化合物は時間にわたって安定な様である。
【0063】
実施例8第3アミン触媒で硬化(時間および温度)の最適化
トリエチルアミン第3アミンの使用は、約90%の補強レベルをまだ保つにもかかわらず、硬化時間を(20分に対し10分と)半分に縮め、硬化温度を(200℃に対し150℃と)50℃下げる。
冷めた端であるラインの下流に設置されている、硬化オーブンのさらに経済的な使用は、さらに低いエネルギーを消費するように、処方を最適化することで達成可能である。
下の表12は得られた結果をまとめた表である。
【0064】
【表12】

【0065】
実施例9:窓ガラスの端の機械的補強。自動車およびビルに適用するための平面ガラスプレートでのテスト
端沿いの欠陥は、50Nのインデント機(indenter)で作られた欠陥より厳しくない。ガラスの切断および形成は、端沿いのより小さい欠陥を作る。小さい端の欠陥をシミュレートするために、5Nの力がインデンテーションの間適用される。欠陥のサイズ(50Nまたは5Nのインデンテーション)および性質(インデンテーションまたは形)は、実施例3aのコーティングのための、異なる補強レベルとなる。
これは、5Nまたは50Nのインデンテーションでは、それぞれ55.3および177.3%が得られるのに対し、平面ガラスプレートのコーティング後、および4点曲げテストの後の、端部の補強が17.1%である理由である。
下の表13に得られた結果をまとめる。
【0066】
【表13】

【0067】
実施例10aおよび10b:ビンの上で得られた機械的補強
以下の処方が使用された:
【0068】
【表14】

【0069】
以下の操作方法によってガラスコーティング組成物が調製された。
水中でエポキシシランが10分間加水分解され、そしてGK6006ワックスが加えられた前に、アミノシランが加えられ20分間加水分解された。
テストは、300および410グラムのブルゴーニュボトルのための16区画、32モールドIS機械を使用してビン製造ライン上で行われた。
ビンは冷間処理の前に、炉に放置されたままの所から取り出され、そして以下の条件下で冷スプレー処理がされた:スピナー上でビンがさかさまで、ビンの底および側面をそれぞれ処理するための2つのノズル。側面のためのスプレーノズルは、特にビンから16cmにあって、そのスプレー軸は、同じビンの底から11cmに位置した。底のためのノズルは、底から16cmに位置して、底から3cm以内の側面をスプレーした。
【0070】
スピナーの回転スピードは、120rpmで、完全に回転するように、スプレー時間が選択された。噴霧化の空気圧は5.5気圧であった。
実施例11aの処方の約8°のスプレー角度を得るために、パラメーターが設定された:
側面ノズル:4リッター/時間;
底ノズル:4リッター/時間;
スプレー時間:2秒
取られたビンのいくつかは、(冷たいボトルの上に)スプレー処理され、15分間乾燥され、次にオーブン内で200℃で20分間熱処理された。他のビンは対照となった。個々のシリーズは320本のビン(1モールド当たり10本)であった。ビンの全表面および底も処理された。コーティングの厚みは、150〜300nmであった。
実施例10aの処方で処理されたビンは、実施例10bの処方で処理されたものが、20°のスプレー角度なのに対し、8°のスプレー角度であった。
ビンの強度は内圧テスト(AGRマシーンズ)で評価された。爆発ヒストグラムが、図8および図9および爆発圧力の平均値が下記表15に示されている。
【0071】
【表15】

【0072】
実施例11:組成物へのエマルジョン中ポリマーの追加;熱硬化により形成されたコーティング
(a)コーティング組成物の調製
量が重量部で示されている以下の処方が使用された:
【0073】
【表16】

【0074】
コーティング組成物を調製するために、エポキシシランが5分間で水に溶かされた。そしてアミノシランが加えられ15分間混合された。最後に、コポリマーエマルジョンが加えられ、3分間混合された。
エマルジョンを有さない同一の処方も調整された。
(b)インデントのある平面ガラスプレート上でのコーティングの堆積
この様に調製されたコーティング組成物は、これらのガラスプレートを、前記組成物中で50cm/minのスピードでディッピング(dipping)、それに続くサンプルの空気中での10分間の乾燥、および200℃で20分間の熱処理によって、10Nでインデントされたガラスサンプル上に、堆積された。
(c)3点曲げによる破壊テスト
実施例1a、セクション(c)のように手順が行われ、得られた結果は、下の表17および図10に示す。
【0075】
【表17】

【0076】
実施例12:ガラス−セラミック製クッキングレンジ(火口)機械的補強
内容が1.5%の代わりに2%のGK6006ワックスであることを除いて、実施例10aと変わらない組成物が、KERABLACK(ユーロケラ(Eurokera)社の登録商標)ガラス−セラミックプレートの上にスプレーされた。
さらに、水中でエポキシシランが10分間加水分解され、そしてアミノシランが追加され、GK6006ワックスが加えられる前に20分間加水分解された。
テストされたプレートは、(相補的なレリーフ(reliefs)を有するロール間でのカレンダー加工(calendering)によって、片面または両面上のスタッド(studs)またはレリーフによって機械的に補強されたプレートとは対照的に)”スムース−スムース”、すなわち両面がスムースである。それらの寸法は300 mmx300mmx3mm(厚み)であった。
【0077】
スプレーは、11リットル/時間のスピードで行われ、4並行移動で0.45m/sのノズルの変位スピードで行われた。連続したフィルムが、プレートの片側で形成され、10分間空気中で乾燥され、200℃で20分間熱せられた。
ガラス−セラミックプレートは、国内の電気器具基準NF EN-60-335-2-6に従う。
次に、本発明にしたがって処理されていないプレートのセット、および処理されたプレートのセットが、機械的強度テストに供された。
240mmx240mmの中心エリアが自由になるように、本発明に従った補強コーティングが下側にある、プレートは水平に保持された。
プレートは、NF EN 60-068-2-75基準(ノルウェーハンマー)に従った、12の衝撃エリアの上に位置する、上からの3系統の衝撃にさらされた。道具の衝撃エネルギーは0.7Jであった。
破壊割合は:
非処理プレートの場合では32%;
コートされたプレートの場合では5.5%。
【0078】
本発明にしたがって処理された別のガラス−セラミックプレートの別のセットが、プレートの下にその中心を位置させられた有効直径145mmの輻射熱源のエージングにさらされた。再度下側にある本発明のコーティングは、30分間450〜600℃サイクルで熱せられ、30分間冷ますために放置された。
先のような同じ衝撃テストが、輻射源でエージングされたプレートの上で行われた:
18時間:3%破壊した;
350時間:8.3%破壊した。
本発明によって与えられた機械的強度の改善は、標準的な使用、例えばガラス−セラミックプレートの調理器では、維持されることに注意することは重要である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
なし
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス−セラミック、特にプレート形、またはガラス、特に平面ガラスまたは中空物(hollowware)またはファイバー形のガラスの表面処理のための組成物であって、該組成物が薄いコーティングとして、ガラス−セラミックまたはガラスに適用可能であり、水性媒体中に、以下の成分(A)および(B):
(A)少なくとも一つの官能基f(A)を有する少なくとも一つの化合物;および
(B)該コーティングを重縮合および/又は硬化によって硬いコーティングに変えるために、ガラス−セラミックまたはガラスに適用された、薄いコーティング中の成分(A)の1または複数の官能基f(A)と反応可能な、少なくとも一つの官能基f(B)を含む少なくとも一つの化合物と;
ケイ素原子に結合した少なくとも一つのR−O−官能基(Rはアルキル残基を表す)を少なくとも一つ有する、(A)および(B)の定義に含まれる、少なくとも一つの化合物と;
1または複数の化合物が、水性媒体と接触する間に起こる前加水分解(prehydrolysis)または自発的な加水分解の結果生ずる加水分解の形であってもよい、ケイ素原子に結合した少なくとも一つのR−O−官能基を有する、少なくともいくつかの該化合物と、
を含む組成物。
【請求項2】
該アルキル残基Rが、直鎖または分枝C〜Cアルキル残基であることを特徴とする、請求項1に記載された組成物。
【請求項3】
該官能基f(a)およびf(b)が、−NH、−NH−、エポキシ、ビニル、(メタまたはア)クリレート、イソシアネートおよびアルコール官能基から、特に選択されうることを特徴とする、請求項1または請求項2のいずれかに記載された組成物。
【請求項4】
該成分(A)および(B)の官能基f(a)およびf(b)が、それぞれ以下の群から選択されることを特徴とする、請求項1〜請求項3のうち一つに記載された組成物:
アミン/エポキシ;
アミン/(メタまたはア)クリレート;
エポキシ/(メタまたはア)クリレート;
(メタまたはア)クリレート/(メタまたはア)クリレート;
ビニル/(メタまたはア)クリレート;
ビニル/ビニル;
エポキシ/エポキシ;
イソシアネート/アルコール。
【請求項5】
当該成分(A)および(B)が以下から選択されることを特徴とする、請求項1〜請求項4のうち一つに記載された組成物
メラミン、エチレンジアミンおよび2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール;
ビスフェノールAの誘導体;
(メタ又はア)クリレートモノマーまたはオリゴマー;
式(I)の化合物:
【化1】

ここで:
Aは、脂肪族または芳香族炭化水素残基を介してケイ素に直接結合する、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、エポキシ、アクリロキシ、メタクリロキシ、ビニル、アリール、シアノ、イソシアネート、ウレイド、チオシアネート、メルカプト、スルファンまたはハロゲン基から選択された、少なくとも一つの基を有する炭化水素ラジカルである;
はアルキル基、特にC〜Cまたは、上記に定義されるAを表す;
は、アルキル(ポリエチレングリコール)残基で置換されていてもよいC〜Cアルキル基を表す;
x=0または1または2。
【請求項6】
当該(A)/(B)の組み合わせが下記から選択されたことを特徴とする、請求項1〜5のうち一つに記載された組成物:
・メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン/ポリエチレングリコールジアクリレート;
・メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン/グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン;および
・3−アミノプロピルトリエトキシシラン/グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン。
【請求項7】
さらに、以下を含むことを特徴とする請求項1〜請求項6のうち一つに記載された組成物:
(Cl)成分(A)および(B)のための、少なくとも一つの重合または重縮合触媒;および/又は、
(C2)少なくとも一つのUVまたは熱ラジカル重合開始剤またはUVカチオン性重合開始剤。
【請求項8】
該成分(C1)は、トリエタノールアミンおよびジエタノールアミンプロパンジオール等の第3アミンであるか、またはそれを含むことを特徴とする、請求項7に記載された組成物。
【請求項9】
該ラジカル重合開始剤が、ベンゾフェノンを含む化合物であることを特徴とする、請求項7または請求項8のいずれかに記載された組成物。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のうち一つに記載された組成物であって、
さらに(D)ワックス類、脂肪酸部分エステル類、および脂肪酸類、およびポリウレタン類、およびアクリルポリマー類等の保護機能で知られた他のポリマーから選択された、少なくとも一つのキズ(scratch)/磨耗(wear)保護剤、
を含むことを特徴とする組成物。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のうち一つに記載された組成物であって、
さらに、(E)Tgが0〜100℃、特に10〜80℃の間にある、エマルジョン中の少なくとも一つのポリマーを含むことを特徴とする組成物。
【請求項12】
(F)少なくとも一つの界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項11のうち一つに記載された組成物。
【請求項13】
重量で全100部として、水性媒体中に以下を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項12のうち一つに記載された組成物であって:
25重量部までの成分(A);
25重量部までの成分(B);
0〜25重量部の請求項7に定義された成分(C1);
0〜25重量部の請求項7に定義された成分(C2);
0〜25重量部の請求項10に定義された成分(D);
0〜25重量部の請求項11に定義された成分(E);および
0〜25重量部の請求項12に定義された成分(F),
試薬が水性溶液またはエマルジョンの形で導入される時は、上記の量は乾燥物として示されており、本溶液またはエマルジョンの水の量は、組成物の水性媒体の一部を形成する、組成物。
【請求項14】
前記成分(A)の官能基f(a)が、−NHおよび/又は−NH−官能基、および成分(B)の官能基f(B)がエポキシ官能基で、エポキシ官能基の数に対する成分(A)中の−NH−官能基の数の割合は、0.3/1〜3/1(上限、下限を含む)の間、特に、0.5/1〜1.5/1(上限、下限を含む)の間であることを特徴とする、請求項1〜請求項13のうち一つに記載された組成物。
【請求項15】
回転円筒法を使用して、室温で1〜3センチポイズの粘度を有することを特徴とする、請求項1〜請求項14のうち一つに記載された組成物。
【請求項16】
表面欠陥を修復することによって、該機械的強度を改善するための、ガラス−セラミックまたはガラス表面の処理方法であって、
請求項1〜請求項15のうち一つに定義された組成物の薄いフィルムが、ガラス−セラミックまたはガラス部分に適用されて、
3μmまでの範囲であってもよい厚さに処理され、前記組成物が硬化または重縮合反応を受けることを特徴とする方法。
【請求項17】
適用された該薄いフィルムは、乾燥され、例えば数秒から30秒間処理が続く、UVランプの下の通過されることを特徴とする、請求項16に記載された方法。
【請求項18】
熱硬化または重縮合操作が行われることを特徴とする、請求項16に記載された方法。
【請求項19】
前記コートされるガラスが、中空物品である請求項16に記載された方法であって、
組成物が触媒を含まない時は、硬化オーブンに100〜220℃の温度で、数秒〜10分の範囲の間、中空物を通過させることによって;および
組成物が触媒を含む時は、硬化オーブンを通らずに、硬化反応を起こさせることによって;および
アニーリング炉の後、中空物の温度がスプレーの間10〜150℃の間であって、手順は中空物の上にスプレーにより組成物を堆積させることであることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項16〜請求項19のうち一つで定義された方法を使用して、請求項1〜請求項15のうち一つで定義された組成物によって処理された、ガラス−セラミックプレート、平面ガラスプレートまたは中空物品。
【請求項21】
請求項16〜請求項19のうち一つで定義された方法を使用して請求項1〜請求項15のうち一つで定義された組成物によって、処理された、グラスファイバー、特に光学ファイバー。
【請求項22】
表面欠陥を修復することによって、ガラス−セラミックまたはガラスの機械的強度を改善するための、請求項1〜請求項15のうち一つで定義された組成物の使用。

【公表番号】特表2008−504209(P2008−504209A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518655(P2007−518655)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【国際出願番号】PCT/FR2005/050445
【国際公開番号】WO2006/013296
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(504374919)ユーロケラ ソシエテ オン ノーム コレクティフ (16)
【Fターム(参考)】