説明

表面改質方法

【課題】 フッ素樹脂の表面をぬれ性の高い表面に改質することができる表面改質方法を提供すること。
【解決手段】 大気圧又はその近傍の圧力下でプラズマを生成して管状部材(フッ素樹脂部材)12の開口端(被処理表面)12Aを改質する表面改質方法であって、開口端12Aが、プラズマ生成領域18を越えてプラズマ生成領域18の周囲10mm未満の距離で囲まれる処理領域17内に配されて行われることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素樹脂の表面改質方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フッ素樹脂はその表面エネルギーが低いという化学的安定性から、耐熱性、耐薬品性、摺動性等に優れ、医療、化学、電子等の様々な分野で活用されている。
しかし、その表面エネルギーが低いため、一方で接着剤や塗料等のぬれ性、密着性が非常に悪い。そこで、フッ素樹脂の使用に際してはぬれ性を向上させる前処理が不可欠である。
【0003】
従来、フッ素樹脂のぬれ性を向上させるための手段として、ナトリウム−ナフタレン等の薬液処理が知られているが、近年ではより簡便でクリーンな改質方法として、大気圧プラズマに被処理物を晒すことによる表面改質が研究されている。
【0004】
このような方法として、被処理物を電極間の放電部分から10mm以上離れた位置に配置して処理を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特に、チューブ内面を処理する方法としては、チューブ内にプラズマ生成ガスを導入し、チューブ外に設置した電極によってチューブ内にプラズマを発生して改質する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
これらの方法は、プラズマ中のイオンやラジカルといった粒子が、その運動エネルギーによって被処理物表面の化学結合を切断したり、或いは、結合解離エネルギーの差によって原子を引き抜き、そこに活性な官能基を導入する作用によって表面を改質するものである。
【0006】
しかしながら、上記従来の改質方法は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の材料には極めて大きな効果を発揮するが、フッ素樹脂の場合、C(炭素)−F(フッ素)結合の結合解離エネルギーが128kcal/molと高いため、Fの引き抜きや置換効率がそもそも低いことから、フッ素樹脂には効果が低く、特にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)に対しては実用的な効果を得ることができない。即ち、プラズマ中に被処理物を晒す方法や、上記特許文献2に記載の方法のように、外部電極によってチューブ内にプラズマを発生させる方法では、プラズマ中において官能基自体の再引き抜きやFの再結合等が発生しやすくなる。そのため、被処理物表面における官能基の置換効率と置換した官能基の再引き抜き効率との差と考えられる表面改質効率が極端に低くなる。
【0007】
また、上記特許文献1に記載の方法では、イオンや電子衝突により置換した官能基の引き抜きを抑制するために、被処理物をプラズマ生成領域から10mm以上離して処理を行うため、上述のように置換効率が極めて低いフッ素樹脂に適用しても改質効果がほとんど期待できない。
【特許文献1】特開平7−132554号公報
【特許文献2】特開平8−183107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、フッ素樹脂の表面をぬれ性の高い表面に改質することができる表面改質方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る表面改質方法は、大気圧又はその近傍の圧力下でプラズマを生成してフッ素樹脂部材の被処理表面を改質する表面改質方法であって、前記被処理表面が、前記プラズマの生成領域を越えて該生成領域の周囲10mm未満の距離で囲まれる処理領域内に配されて行われることを特徴とする。
【0010】
この表面改質方法は、プラズマイオンは存在しないがラジカルが濃度の高い状態で存在する処理領域で処理を行うので、非常に活性なラジカルによってフッ素樹脂表面からF(フッ素)やC−Fといった原子、分子或いは分子鎖を引き抜き又はC−C結合を切断して、官能基に容易に置換させることができる。このとき、被処理表面がプラズマ生成領域に直接接していないので、イオンや電子の衝突による置換された官能基の再引き抜きを抑えることができる。
【0011】
また、本発明に係る表面改質方法は、前記表面改質方法であって、前記フッ素樹脂部材が管状部材とされ、前記プラズマが前記管状部材の管内に向かって形成され、前記管状部材の開口端が、前記被処理表面として前記処理領域内に配されていることを特徴とする。
【0012】
この表面改質方法は、改質に必要なラジカルを被処理面である管状部材の内面に高濃度で誘導することができる。その結果、開口端及びその近傍の管状部材内面までFやC−Fといった原子、分子或いは分子鎖を引き抜き又はC−C結合を切断して、高い効率で官能基に置換させることができる。
【0013】
また、本発明に係る表面改質方法は、前記表面改質方法であって、前記フッ素樹脂部材が管状部材とされ、前記プラズマの生成領域が、前記管状部材の内径よりも小さい外径にて前記管状部材の管内に形成され、前記管状部材の内面が、前記被処理表面として前記処理領域内に配されていることを特徴とする。
【0014】
この表面改質方法は、プラズマの生成領域の外径を管状部材の内径よりも小さく形成させるので、改質に必要なラジカルを被処理面である管状部材の内面にわたって高濃度で誘導することができ、プラズマの生成領域を管状部材の内部で移動することができる。従って長尺の管状部材であっても、連続的にプラズマを生成することによってその内面を連続的に処理することができ、かつ、断続的に生成することによって部分的な改質を行うことができる。また、プラズマイオンが管状部材の内面に直接接触することがないので、置換された官能基の再引き抜きを抑え、表面改質効率を高めることができる。
【0015】
また、本発明に係る表面改質方法は、前記表面改質方法であって、前記プラズマを生成するための供給ガスが、水素及び酸素のうちの少なくとも一つを備えて供給されることを特徴とする。
【0016】
この表面改質方法は、C−F結合の結合解離エネルギーが128kcal/molであるのに対し、H(水素)−F結合の結合解離エネルギーが135kcal/molであるため、ラジカルによって引き抜き又は切断されたFが、プラズマを生成するガス中に含まれるHとより強力な結合を形成することができ、Fのフッ素樹脂への再結合を抑えることができる。また、プラズマを生成するガス中に含まれるO(酸素)が、FやC−Fが引き抜かれた後の未結合手と結合を形成することができる。そこへ大気圧プラズマに含まれる水分中のOやOHが結合してOH基やCOOH基を形成することができ、より効率的に親水化を図ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、フッ素樹脂中のFやC−Fと官能基との置換効率を向上して、ぬれ性の高い表面に改質することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係る第1の実施形態について、図1を参照して説明する。
本実施形態に係る表面改質方法は、図1に示す処理装置1によって行う。
この処理装置1は、プラズマ生成ガスを導入するガス導入口10と内部で発生したプラズマの少なくとも一部を外部に放出するプラズマ開口3とが配されたプラズマ発生部5と、プラズマ発生部5に電気的に接続される電源6とを備えている。
【0019】
プラズマ発生部5のプラズマ開口3には、フッ素樹脂のPTFEからなる管状部材(フッ素樹脂部材)12を装着可能な接続部13が配されている。なお、プラズマ発生部5内は、ガス導入口10とプラズマ開口3とによって大気開放状態とされる。
接続部13は、内径が管状部材12の外径と略同一とされて円筒状に突出して形成されている。
この接続部13の突出高さは、表面を改質する処理領域17をプラズマ生成領域(生成領域)18を越えてプラズマ生成領域18の周囲10mm未満の距離で囲まれる領域とするとき、管状部材12の開口端12Aとその近傍の内表面(被処理表面)12Bとが処理領域17内に配されるように調整されている。
【0020】
次に、この処理装置1により、例えば、内径4.4mm、外径5.3mmの管状部材12の内表面を改質する方法、及び、作用・効果について説明する。
まず、ガス導入口10からAr(アルゴン)ガスを、例えば、3l/minの流量で連続的に導入し、続いて、大気圧近傍の圧力下で電源6からプラズマ発生部5に例えば10kHzの交流電圧を印加する。
【0021】
これにより、プラズマ発生部5内で放電が安定的に生じ、管状部材12の管内に向かうプラズマが形成される。
このとき、プラズマ生成領域18の周囲の処理領域17には、大気中の水分が分解されて生じるH(水素)原子やO(酸素)原子等を有するラジカルが生じる。
【0022】
この際、管状部材12の開口端12Aとその近傍の内表面12Bが配される処理領域17のラジカルは非常に活性であるので、管状部材12のフッ素樹脂表面からFやC−Fといった原子、分子或いは分子鎖が引き抜かれ又はC−C結合が切断されて、H基やOH基を含む官能基と置換する。一方、被処理表面がプラズマ生成領域18に直接接していないので、イオンや電子の衝突による上記置換された官能基の再引き抜きは抑えられる。
【0023】
こうして、例えば、上記交流電圧を10分間印加することによって、表面が改質された管状部材12が得られる。
この表面改質方法によれば、プラズマ生成領域18内に大量に見られるプラズマイオンが存在せず、かつ、プラズマ生成領域18から10mm未満の濃度の高い状態のラジカルが存在する処理領域17で処理を行うので、非常に活性なラジカルによって管状部材12の内表面を官能基に容易に置換させることができる。このとき、開口端12Aがプラズマ生成領域18に直接接していないので、イオンや電子の衝突による置換された官能基の再引き抜きを抑えることができる。
【0024】
なお、上述の条件にて表面改質した管状部材12に対して、水との接触角、及び、エポキシ系接着剤を用いて10mm長の接着長にてSUS棒と接着したものを引張り試験機に保持して鉛直方向に引っ張った際の引張り強度とを測定した。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】

【0026】
プラズマ生成領域18内、或いは、これから10mm以上離間した位置での処理に比べて、接触角を減少させ、引張り強度を向上させることができ、被処理表面の親水化を確認することができた。
【0027】
次に、第2の実施形態について図2を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る表面改質方法を行う処理装置20が、Arガスと他のガスとを混合したガスを導入可能な混合ガス配管21を備えているとした点である。
【0028】
混合ガス配管21は、Arガスが流通される第一ガス配管22とその他のガスが流通される第二ガス配管23とを備えており、それぞれ第一流量調整機構25と第二流量調整機構26とによって流量が調整される。
この際、供給するその他のガスとして、水素及び酸素のうちの少なくとも一つを備えるガスを供給する。
【0029】
この処理装置20にて表面改質を行う場合、上記第1の実施形態と同様の方法によって行う。
この際、第一流量調整機構25及び第二流量調整機構26のそれぞれを操作することによって、混合ガス配管21にて所定の割合でArガスと上述のその他のガスとを混合し、得られた混合ガスをガス導入口10からプラズマ発生部5内に導入する。
【0030】
こうして、第1の実施形態と同様に改質された管状部材12を得る。
この表面改質方法によれば、第1の実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。
ここで、C−F結合の結合解離エネルギーが128kcal/molであるのに対し、H−F結合の結合解離エネルギーが135kcal/molであるため、プラズマを生成するガス中にHを第1の実施形態の場合よりも多く含ませることによって、ラジカルによって引き抜き又は切断されたFが、プラズマを生成するガス中に含まれるHとより強力な結合を形成することができ、Fの管状部材12への再結合を抑えることができる。
【0031】
また、プラズマを生成するガス中にOを第1の実施形態の場合よりも多く含ませることによって、FやC−Fが引き抜かれた後の未結合手と大気圧プラズマに含まれる水分中のOやOHが結合してOH基やCOOH基を形成することができ、より効率的に親水化を図ることができる。
【0032】
なお、混合ガスとして(1)空気ガスにArガスを混合して10l/minとした混合ガス、(2)Arガス(3l/min)と空気(4l/min)にHOガスを供給したガスとの混合ガスを供給して混合したガス、及び、(3)空気(6l/min)と空気(4l/min)にHOガスを供給したガスとの混合ガスをそれぞれガス導入口10から導入してプラズマ生成して処理を行ったそれぞれの管状部材12に対して、水との接触角及びエポキシ系接着剤を用いて10mm長の接着長にてSUS棒と接着したものを引張り試験機に保持して鉛直方向に引っ張った際の引張り強度とを測定した。結果を表1に示す。
【0033】
第1の実施形態の場合よりも接触角を減少させ、引張り強度を向上させることができ、被処理表面の親水化を確認することができた。
なお、内径0.6mm、外径1.5mmの内視鏡用部品で用いられるPTFEチューブを上記と同様の条件にて処理した結果をそれぞれ表2に示す。
この場合も上述と同様の結果を得ることができた。
【0034】
【表2】

【0035】
次に、第3の実施形態について図3を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第3の実施形態と第2の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る表面改質方法を行う処理装置30により生じるプラズマ生成領域31が管状部材12の内径よりも小さい外径にて管状部材32の管内に形成され、かつ、管状部材32の内表面32A全体が被処理表面として処理領域33内に配されるように、プラズマ発生部35の外径が管状部材32の内径よりも小さく形成されて管状部材32内に挿入可能とされている点である。
【0036】
この場合、プラズマ発生部35には第2の実施形態にあるような接続部13は配されておらず、管状部材32は、管状部材操作機構36によって中心軸線方向に移動可能とされている。
【0037】
この処理装置30にて、上記第1の実施形態と同様の条件による改質処理を行う。
この際、管状部材操作機構36を操作してプラズマ発生部35に対して管状部材32を先端32Bから末端32Cまでプラズマ生成を行いながら移動する。
【0038】
この処理装置30にて、例えば、20cmの長さの管状部材32を管状部材操作機構36によって5mm/分の速度で移動して改質を行い、処理後の管状部材32と水との接触角の測定を行った。未処理の場合との比較結果を表3に示す。
この結果、接触角の減少が見られ、親水化を確認することができた。
【0039】
【表3】

【0040】
この表面改質方法によれば、プラズマ生成領域31の外径を管状部材32の内径よりも小さく形成させるので、改質に必要なラジカルを管状部材32の内表面32A全体にわたって高濃度で誘導することができ、プラズマ生成領域31を管状部材32の内部で移動することができる。従って長尺の管状部材32であっても、連続的にプラズマを生成することによってその内面を連続的に処理することができ、かつ、断続的に生成することによって部分的な改質を行うことができる。
【0041】
次に、第4の実施形態について図4を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第4の実施形態と第2の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る表面改質方法が、シート状部材(フッ素樹脂部材)40の表面(被処理表面)40Aを被処理面表面として改質処理するものとした点である。
【0042】
この場合、処理装置41における接続部42の突出高さは、処理領域17をプラズマ生成領域18を越えてプラズマ生成領域18の周囲10mm未満の距離で囲まれる領域とするとき、シート状部材40の表面40Aが処理領域17内に配されるように調整されている。
【0043】
この接続部42の先端42Aにシート状部材40を近づけて上記第1の実施形態の場合と同様の条件にて改質処理を行う。
例えば、シート状部材40を25mm×100mm、厚さ0.4mmのものとして表面40Aの改質処理を行い、処理後のシート状部材40と水との接触角の測定を行った。未処理の場合との比較結果を表4に示す。
この結果、接触角の減少が見られ、親水化を確認することができた。
【0044】
【表4】

【0045】
この表面改質方法によれば、シート状部材40であっても、管状部材12と同様に表面の改質を行うことができ、上記他の実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。
【0046】
次に、第5の実施形態について図5を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第5の実施形態と第4の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る表面改質方法を行う処理装置50におけるプラズマ発生部51が、内部で陽極52と陰極53とが互いに対向して平行に配された硝子管54を備えているとした点である。
【0047】
この処理装置50にて、例えば、上記第4の実施形態と同様のシート状部材40の表面を改質する方法、及び、作用・効果について説明する。
まず、上記第1の実施形態と同様の条件にて、第一流量調整機構25及び第二流量調整機構26を開閉操作してガス導入口10からArガス又は混合ガスを連続的に導入し、続いて、電源6から交流電圧を印加する。
【0048】
これにより、陽極52と陰極53との間で放電が安定的に生じ、プラズマが形成される。
このとき、ガス導入口10から硝子管54内に流れるガスの流れによってプラズマ生成領域18の周囲の処理領域17が、接続部42の方向に向かって流れてプラズマ開口3から硝子管54の外へ放出され、処理領域17内のラジカルにて改質を行う。
【0049】
この処理装置50にて、上記第4の実施形態と同様の条件による改質処理を行う。
そして、処理後のシート状部材40と水との接触角の測定を行った。未処理の場合との比較結果を表5に示す。
この結果、上記他の実施形態と同様に接触角の減少が見られ、親水化を確認することができた。
【0050】
【表5】

【0051】
次に、第6の実施形態について図6を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第6の実施形態と第5の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る表面改質方法を管状部材12に対して行うとした点である。
この場合、処理装置55の接続部13は、第1の実施形態に係る処理装置1のものと同様とされている。
【0052】
この表面改質方法を第5の実施形態と同様の条件にて行い、処理後の管状部材12と水との接触角の測定を行った。未処理の場合との比較結果を表6に示す。
この結果、上記他の実施形態と同様に接触角の減少が見られ、親水化を確認することができた。
【0053】
【表6】

【0054】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、フッ素樹脂をPTFEとしているが、これに限らず他のフッ素系樹脂であっても構わない。また、管状部材やシート状部材の大きさは、上記のものに限らず、他の大きさを有するものでも構わない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表面改質方法を行う処理装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る表面改質方法を行う処理装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る表面改質方法を行う処理装置を示す概略構成図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る表面改質方法を行う処理装置を示す概略構成図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る表面改質方法を行う処理装置を示す概略構成図である。
【図6】本発明の第6の実施形態に係る表面改質方法を行う処理装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0056】
12、32 管状部材(フッ素樹脂部材)
12A 開口端(被処理表面)
12B、32A 内表面(被処理表面)
17、33 処理領域
18、31 プラズマ生成領域(生成領域)
40 シート状部材(フッ素樹脂部材)
40A 表面(被処理表面)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気圧又はその近傍の圧力下でプラズマを生成してフッ素樹脂部材の被処理表面を改質する表面改質方法であって、
前記被処理表面が、前記プラズマの生成領域を越えて該生成領域の周囲10mm未満の距離で囲まれる処理領域内に配されて行われることを特徴とする表面改質方法。
【請求項2】
前記フッ素樹脂部材が管状部材とされ、
前記プラズマが前記管状部材の管内に向かって形成され、
前記管状部材の開口端が、前記被処理表面として前記処理領域内に配されていることを特徴とする請求項1に記載の表面改質方法。
【請求項3】
前記フッ素樹脂部材が管状部材とされ、
前記プラズマの生成領域が、前記管状部材の内径よりも小さい外径にて前記管状部材の管内に形成され、
前記管状部材の内面が、前記被処理表面として前記処理領域内に配されていることを特徴とする請求項1に記載の表面改質方法。
【請求項4】
前記プラズマを生成するための供給ガスが、水素及び酸素のうちの少なくとも一つを備えて供給されることを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載の表面改質方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−249195(P2006−249195A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−66053(P2005−66053)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】