説明

袋を形成する装置と方法

本発明は、チューブ片(13)から袋を形成する装置(1)を記述しており、前記チューブ片が、その延び方向に対して横に、移送方向(x)に前記装置(1)を通して移送可能であって、その場合に前記チューブ片(13)は、好ましくは伸張されたプラスチック小バンド(2)からなる織物を有し、かつ2つの互いに重なり合った材料層からなる。装置は、構成要素:チューブ片(13)の端部を開放する少なくともつの装置(8)であって、その開放する装置によって、前記チューブ片の前記端部の一部が、前記チューブ片の壁上へ折返し可能であるので、この開放された端部が、底になるように閉鎖可能である、前記少なくとも1つの開放する装置と、少なくとも1つのプレス手段であって、前記プレス手段によって、前記開放された端部の少なくとも一部が、折り端縁を形成しながらカウンター層に対してプレス可能である、前記少なくとも1つのプレス手段と、を有している。少なくとも1つの移送手段(30)が設けられており、前記移送手段によって前記チューブ片が、このチューブ片の端部の開放後かつプレス手段の作用前に、移送方向(x)にさらに移送可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の、袋を形成する装置であって、その袋がその延び方向に対して横方向に装置を通して移送可能である、装置と、請求項14に記載の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置は、知られており、すでにずっと以前から市場で入手できる。装置は、通常、供給されるチューブをチューブ片に個別化するために、まず個別化装置を有している。このチューブは、好ましくは、伸張された、さらにコーティングすることができる、プラスチック小バンドからなる織物を有している。個別化されたチューブ片は、互いに重なり合った2つの帯状材料からなる。個別化した後に、チューブ片は、個々の加工ステーションへ移送するために、少なくとも1つの移送装置によって引き取られる。これらの加工ステーションの1つは、いわゆる底開放ステーションである。ここで、チューブ片の少なくとも1つの端部が引き上げられるので、この引き上げられた端部に、底を形成することができる。通常、チューブ片の両端部が同じように加工される。
【0003】
この種の袋を形成可能な装置が、特許文献1に開示されている。この装置においては、チューブ片がクロック駆動で前へ送られて、その場合にその主要軸に対して横方向にフラットに横たえて移送されるので、側方に配置された加工手段が、チューブ片の両端部を加工することができる。底開放ステーション内で、チューブ片が停止される。その後、吸引器を用いて、チューブ片の端部において上方の層が持ち上げられるので、主要軸の方向に水平に摺動可能な薄板を、チューブ片の2つの材料層の間へ挿入することができる。チューブ片の下方の材料層は、テーブル(移送の間この上にチューブ片が載置される)上に負圧で固定される。上方の材料層は、薄板の挿入によって、角部タックを形成しながら、上方の材料層の外側へ折り返される。折返し後に、薄板が再び引き戻されて、袋がさらに移送される。続いて、チューブ片が次々と他の移送装置に引き取られ、その移送装置がチューブ片を均一な速度で、従って連続的に、底閉鎖装置へ供給する。
【0004】
特に、伸張されたプラスチック小バンドからなる織物を有するチューブ片においては、開放された部分が再びたたみ込まれる傾向が見られる。この効果に対処するために、上述した公開公報においては、成形ダイの形式のプレス手段が提案され、そのプレス手段は、折り線をより強く刻印して、開放された底を固定するために、角部タック上に下降することができる。そのために、この成形ダイは、開放する際に生じる角部タックの型を有している。
【0005】
しかし、上述した装置は、開放された底の固定に関して、一連の欠点を有している。その場合に、特に深刻なのは、開放ステーション内部で開放された底を固定するために、時間がかかることである。特許文献1によれば、チューブ片は、開放された底が固定された後に、初めてさらに移送される。この期間は、特に、袋を形成するための装置全体の能率の上限となり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国公開公報DE19502251A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の課題は、開放された底をより迅速に固定する、袋を形成する装置と方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1に記載の特徴を有する装置によって、かつ請求項14に記載の特徴を有する方法によって、解決される。それによれば、少なくとも1つの移送手段が設けられており、その移送手段によってチューブ片が、このチューブ片の端部の開放後かつプレス手段の作用前に、移送方向(x)にさらに移送可能である。従って、チューブ片の少なくとも1つの端部の開放直後に、チューブ片がさらに移送されるので、底開放ステーション内で迅速に再び、他のチューブ片のためのスペースを形成することができ、それによってその少なくとも1つの端部を開放することができる。最終的に、この措置によって、能率、従って単位時間当たり完成される袋の数が、著しく増大する。
【0009】
特に、少なくとも1つのプレス手段が、回転可能な圧接ローラとして形成されていると、効果的である。この種の圧接ローラは、種々の利点を有している。特許文献1は、成形ダイを下降可能かつ持ち上げ可能に形成することを、教示している。しかしそのためには、機械的に多大な費用をかけなければならない。上述した公報では、そのために圧力手段ピストンシリンダユニットが提案される。さらに、特許文献1に示す装置においては、効果的に作業するために、成形ダイが角部タックの型を持たなければならない。従ってフォーマットを変更する場合に、成形ダイの交換が必要である。これらの欠点は、圧接ローラを設けることによって、減少される。
【0010】
圧接ローラの機能方法は、以下のごとくである:開放された底が、圧接ローラの下をくぐらされる。その場合に圧接ローラは、底にプレス圧を及ぼし、それによって底を固定する。この種のローラは、もはや下降させ、あるいは上昇させる必要がなく、従って底を固定するための機械的費用を省くことができる。圧接ローラは、底開放ステーションのすぐ後ろに配置することができるので、底は、再び折りが戻る機会を持たない。底が完全に開放されるとすぐに、この底は、移送手段によってさらに移動することによって、圧接ローラへ供給することができる。
【0011】
本発明は、チューブ片が、袋を形成する装置の内部で、特許文献1に記載されるように、クロック的にではなく、連続的に移送される場合に、効果的に作用する。上述した公開公報において提案された成形ダイが、連続的な移送に適合されるとすると、機械的な費用は、さらにずっと大きくなってしまう。
【0012】
本発明の好ましい形態において、圧接ローラの回転軸は、チューブ片の延び方向に対して平行に延びている。従ってこの場合において、チューブ片の開放された底は、その移送によって圧接ローラの下を通して案内される。その場合に、冒頭で説明したように、移送方向は、チューブ片の延び方向に対して横方向になる。その場合に圧接ローラは、装置に関して固定的に軸承することができる。圧接ローラは、駆動中に、形成装置に対して摺動される必要はない。これが、機械的費用を削減する。
【0013】
本発明の特に好ましい実施形態において、圧接ローラは、少なくとも完全に、チューブ片の開放された端部の幅全体にわたって延びている。この場合において、幅というのは、チューブ片の延び方向に見て、しばしば底正方形とも称される、底矩形の幅である。それによって、圧接ローラが角部タックの折り端縁のすべての部分上を転動し、それによって角部タックと、従って開放された端部全体が、最適に固定されることが、保証される。その場合に、圧接ローラの幅は、装置上で形成可能な、最大可能な底幅を有する袋の底矩形の幅よりも大きくなければならない。特に、チューブ片の底ないし端部が開放後にチューブ片の平面内に位置している場合には、本発明と、特に最後に挙げた実施形態は、特別な利点を有する。この場合において、角部タックの折り端縁の領域だけでなく、角部タックの先端と、底中心線の領域内の折り端縁(一方の材料層が、この折り端縁を中心として折ることによって、自らの上へ折り返される)にも、プレス圧を供給することが、可能である。
【0014】
圧接ローラの最適なプレス作用を得るために、圧接ローラはカウンター層と共に、調節可能であるが、固定の間隙を形成し、その間隙を通して、開放された底の少なくとも一部を案内することができる。換言すると、間隙寸法は調節可能であるが、それが調節されている場合には、固定である。その場合に圧接ローラは、通常折り端縁を介して互いに結合されている、材料の複数の重なり合った層がプレスされるように、調節可能である。全体として、この種の固定の配置によって、極めて高い圧接力を用意することができる。
【0015】
特に、圧接ローラが少なくとも1つのレバーアーム内に回転可能に軸承されていると、効果的であって、そのレバーアーム自体は、機械架台内に、あるいは機械架台の取付け部分内に、支承されている。この配置によって、カウンター層に対する圧接ローラの間隔を、特に簡単なやり方で調節することが、可能である。そのためにレバーアームは、固定かつ回転できないように機械架台と結合することができる軸に、固定し、たとえば締付け固定することができる。
【0016】
圧接ローラは、他のやり方で寄せ掛け装置内に軸承することもでき、その寄せ掛け装置によって圧接ローラは、カウンター層に対して移動可能となる。すなわち、たとえば、圧接ローラが、レール上で摺動可能な少なくとも1つのキャリッジ内に軸承されることが、考えられる。他の寄せ掛け装置も、考えられる。
【0017】
カウンター層は、他の形態においては、様々なやり方で形成することができる。第1の実施形態において、カウンター層が載置面を有しており、その上にチューブ片が、袋を形成する装置を通して移送される間、載置される。従って開放された底は、圧接ローラと載置面の間の間隙内でプレスされ、その場合に後者は、テーブル状のプレートとすることができる。第2の実施形態において、カウンター層は、少なくとも1つのカウンター押圧ローラを有している。このカウンター押圧ローラは、開放された底の材料層が互いに対して移動することを防止するために、好ましくは回転可能である。また、上述した2つの実施形態を組み合わせて、異なる領域内に異なる数の材料層が存在する場合でも、底幅全体にわたって均一な圧接力を用意できるようにすることが、考えられる。
【0018】
本発明の他の形態において、圧接ローラの周面は、少なくとも部分的に、スチール表面またはゴム引きされた表面を有している。従ってチューブ材料と圧接ローラの間の付着摩擦を適合させることができる。少なくとも1つのカウンター押圧ローラも、この種の表面材料を有することができる。
【0019】
特に、少なくとも1つの圧接ローラおよび/または少なくとも1つのカウンター押圧ローラが、駆動可能であると、効果的である。その場合に駆動装置は、圧接ローラとカウンター押圧ローラを駆動する、モータとすることができる。しかし、圧接ローラの前段に設けられた底開放ステーションの駆動装置が、この駆動を担当することもできる。袋を形成する装置全体のメイン駆動装置も、駆動装置として利用することができる。他の駆動コンフィグレーションも、考えられる。チューブ片の両端部に圧接ローラおよび/またはカウンター押圧ローラが存在する場合に、チューブ片のそれぞれの端部に設けられたローラは、他の端部に設けられたローラとは関係なく、駆動することができる。
【0020】
本発明の他の実施例が、具体的な説明と請求項から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】織物袋を形成する装置の原理図である。
【図2】本発明に基づく装置内の底開放ステーションを示す斜視図である。
【図3】図2のIII−IIIに沿った図である。
【図4】図3のIV−IVに沿った図である。
【図5】図2のV-Vに沿った図である。
【図6】本発明に基づく装置の実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明に基づく装置の他の実施形態を示す斜視図である。
【図8】本発明に基づく装置の他の実施形態を示す斜視図である。
【図9】図5のIX−IXに沿った図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、袋形成装置1内で行われるような、織物チューブを袋に加工するための個々のステップを図式的に示している。
【0023】
まず、織物チューブ2が、袋形成装置1へ供給される。これは、好ましくは、引出し装置4内で巻物3を形成する織物チューブを引き出すことによって行われる。次にチューブ2は、分離ステーション5内で、いわゆる開放を受ける。その場合に織物チューブは、インナー工具に巻き付いて案内され、その工具が2つの層を互いに分離するので、層は、それがチューブの形成ステップのいずれかにおいて互いに接着されている場合に、分離される。層が分離されている場合にのみ、以降の製造ステップがきちんと実施され得ることを、保証することができる。次に、チューブの、互いに分離された材料層が、再び重ね合わされる。
【0024】
織物チューブは、横切断装置6へ供給され、それが織物チューブを個々のチューブ片に個別化する。
【0025】
次に、チューブないしチューブ片がその長手軸の方向に移送される、最初の移送方向zを、新しい移送方向xに変更することが行われるので、チューブ片はもはや、そのチューブ長手軸の方向zにではなく、それに対して横方向に移送されるので、底を形成する目的で、チューブ片の端部に側方で達することができる。
【0026】
次のステーション、底開放ステーション8内で、各チューブ片の両端部が開放されて、いわゆる底正方形が生じる。それに続くバルブステーション9において、2つの開放された端部の1つの上に、バルブが載置されて、固定される。開放された底は、底閉鎖ステーション10内で閉鎖され、その場合に2つのフラップが、互いに重ねられて、互いに永続的に、たとえば溶接によって、結合される。本来の袋形成プロセスの最後は、カバーシートステーション11内で底の上にそれぞれ底カバーシートを取り付けることである。そのために、カバーシートは、同様に溶接することができる。できあがった袋は、次に袋スタック12上に載置されて、そこから詳しく説明しないやり方で、搬出される。
【0027】
図2は、本発明に基づく装置内の底開放ステーション8の詳細を示している。チューブ片13が、詳しく図示されない移送装置によって、載置部14の表面上で、たとえばテーブルの表面上で、x方向に、フラットに横たえられて、好ましくは水平に移送される。チューブ片13の端部15を開放するために、この端部が、まず、水平の位置から垂直の位置へ移動される。この折り曲げを可能にするために、チューブ片にカウンター層が供給されなければならない。そのために、チューブ片13は、折り畳みバンド16の下に挿通される。この折り畳みバンドは、チューブ片に対して静止しており、従って載置部に対して移動することができる。しかし、チューブ片は、折り畳みバンド16に対して移動することもできる。折り畳みバンドは、フレキシブルであるが、強く付勢された材料からなることができる。しかし好ましくは、この折り畳みバンドは、スチール薄板からなり、それが、図示されないやり方で載置部14と、あるいは機械架台と結合されている。スチール薄板は、他の構成部品に対して、同じ負荷耐性において厚みがより小さい利点を有している。チューブ片13が挿通された場合に、チューブ片は、次に案内部材17、たとえば案内薄板を通過して案内され、それによって折り返される。
【0028】
チューブ片13の端部15が、垂直の位置へ移動された後に、このチューブ片は、この図において図式的に示されるだけの、本来の底開放装置18へ達する。この底開放装置18内に、2つの吸引器ビームが設けられており、それらが、折り上げられた端部の両側に作用して、z方向ないしそれとは逆方向に案内されるので、材料層が互いに分離される。付加的に、吸引器ビームはx方向に、従ってチューブ片の移送方向に案内されるので、チューブ片をさらに移送する間でも、開放を行うことができる。今や、チューブ片13の端部15の内部は、接近できる。この内部空間内へ、スプレッド部材が嵌入し、それが、材料層を、それらが再び水平に横たわるまで、さらに互いに離れるように押圧する。この状況が、開放された底19を用いて示されている。
【0029】
チューブ片13の第2の端部15’の開放は、同じようにして行われるが、第1の端部15の開放に対して空間的に、かつそれに伴って時間的にずれて行われる。第2の端部15’が折り畳みバンド16’の下へ挿通される間に、第1の端部はすでに底開放装置18内で開放される。案内部材17’と底開放装置18’を用いて、上述したやり方で、開放された端部19’が形成される。構成部品の変位した配置は、極めて小さい底中心間隔Aを有する袋を形成しようとする場合に、効果的である。
【0030】
底開放装置18を出る場合に、開放された底19、19’を有するチューブ片が存在し、その場合に開放された底のすべての構成要素は、実質的に載置部14の平面内に位置する。
【0031】
底開放ステーション8の特別な視点は、各底開放装置18、18’が専用の駆動装置によってトルクを供給されることに見られる。これは、底開放装置18に設けられたモータ22によって明らかにされている。底開放装置18’に設けられた同様なモータは、図示の視点では見えない。底開放装置18、18’のモータは、特に、吸引バーに駆動モーメントを供給するので、その吸引バーが材料層を互いに離れるように移動させることができる。スプレッド部材も、このモータによってトルクを供給される。
【0032】
底開放装置18の終端を形成するのは、圧接ローラ23、23’であって、その圧接ローラは、新しく開放された底をプレスして、それによってその位置に固定する目的のために用いられる。その場合に、底開放の枠内で生じた切曲端縁がこすられて、その場合に正しい折り畳み端縁が生じるので、底が再び立ち上がろうとする傾向が減少する。圧接ローラ23、23’に対するカウンター押圧部材として、載置部14か、あるいはカウンター押圧ローラ24、24’が用いられる。圧接ローラ23、23’は、図2において、移送方向xに見て、同じ高さに配置されている。これらのローラ23、23’は、互いに対して変位して配置することもでき、それによって、開放プロセスの直後に、開放された底を上述したようにプレスすることもできる。圧接ローラ23、23’とカウンター押圧ローラ24、24’は、駆動することができる。駆動トルクは、底開放ステーションのモータによって用意することができる。その代わりに、特に移送装置も駆動する、装置のメイン駆動装置を介して、それらを駆動することができる。
【0033】
図3は、図2のIII−IIIに沿った表示である。この図3において、底開放ステーション8の詳細が認識される。チューブ片13の端部15の材料層を捕捉するために、吸引バーが設けられており、そのうちの、観察者に向いた吸引バー20が見られる。吸引バー20の、観察者とは逆の側に、吸引器が配置されており、その吸引器が、チューブ片13の端部15の、観察者へ向いた側を捕捉することができる。
【0034】
本発明に基づく装置1によって、様々な底幅を有する袋が形成可能であるので、チューブ片13の折り上げられた端部15が種々の高さHを有する可能性が生じる。吸引器によって端部のきちんとした開放を達成するために、吸引器は、端部15の上方の端部に、できるだけ近傍で作用しなければならない。この目的のために、吸引バー20、20’は、ガイド21、21’に取り外し可能に固定されているので、吸引バーは、折り上げられた端部15に沿って双方向矢印yに沿って摺動され、その高さHに従って調整することができる。ガイドは、種々のやり方で形成することができる。これは、中実または中空の、丸プロフィールまたは矩形プロフィールとすることができる。
【0035】
図4は、図3のIV−IVに沿った表示を示している。前方の吸引バー20と前方のガイド21の他に、吸引バー20’とガイド21’も見られる。
【0036】
図5は、図2のV-Vに沿った表示を示している。圧接ローラ23は、レバーアーム25内、あるいはレバーアームペア内に軸承されている。レバーアーム25自体は、機械架台内に、あるいは機械架台の取付け部分26内に揺動可能に軸承されている。ある実施形態においては、レバーアーム25は、取付け部分と堅固に結合された軸27を中心に揺動可能であり、かつその軸上に固定することができる。そのために、専用の、しかし図示されていない、クランプ装置を設けることができる。レバーアーム25を軸27上に固定することによって、カウンター押圧ローラに対する、あるいは載置部14に対する、周面の間隔を、固定的に調節することができる。このようにして、開放された底は、強い圧接力を供給される。
【0037】
他の実施形態においては、レバーアームは、軸27上に回転自在に軸承されている。その代わりに、レバーアーム25を、取付け部分内に回転可能に軸承されている軸と、堅固に結合することもできる。上述した実施形態においては、圧接ローラ23は、予め定められた力、たとえば自重によって、開放された底に作用する。しかし、付加的な力を用意して、それを用いて圧接ローラが底に作用することもできる。そのために、たとえば少なくとも1つのばねまたは少なくとも1つの圧縮空気シリンダを設けることができる。単純な重りも、この目的のために役立つことができる。
【0038】
開放された底をプレスするために、圧接ローラのためのカウンター層として、図2に示す載置部14を用いることができる。他の可能性は、もちろんカウンター押圧ローラ24を設けることであって、そのカウンター押圧ローラと共に圧接ローラ23が圧延間隙を形成し、その中で、開放された底19をプレスすることができる。カウンター押圧ローラは、回転可能に、しかし架台固定で、配置することができる。
【0039】
図6は、袋形成機械の本発明に基づく実施形態を示している。個々の加工ステーションは、ここでは図式的にのみ示されている。チューブ片13は、z方向に延びるその長手軸に対して横方向に、まず操作側BSの底開放ステーション8に沿って、x方向に案内される。付属の圧接ローラ23が、形成されたばかりの袋開口部を平滑化する。チューブ片がさらにx方向に移送される間に、その第2の端部15’に、駆動側ASの底開放ステーション8’によって、底開口部19’が形成される。この底開放ステーション8’は、操作側の底開放ステーション8に対してx方向に変位して配置されている。付属の圧接ローラ23’が、同様に、開放されたばかりの底19’を平滑化する。この図6において、底開放ステーション8、8’の他に、圧接ローラ23、23’も、互いに対して変位して配置されていることが、はっきりと見られる。操作側と駆動側に底開放ステーション8、8’をこのように変位して配置することによって、たとえばこれらの加工ステーションにおけるスペースないし組込み空間の問題が回避される。その場合に、組立て長さも小さく抑えるために、圧接ローラ23は、移送方向xに見て、底開放ステーション8’と重なり合う。
【0040】
次に、チューブ片がバルブスリップステーション9へ案内され、それが底開口部19上にバルブを載置し、そのバルブによって後に、適切な充填機構を用いて、充填物を袋内へ挿入することができる。
【0041】
図6とは異なり、一方の側のみに、好ましくは操作側に、配置されているバルブスリップステーション9を、底開放ステーション8、8’の1つに対向して配置することもできる。従って好ましい実施例においては、バルブスリップステーション9は、底開放ステーション8’に対向しており、あるいは部分的に重なっている。この構成においては、極めて小さい底間隔を有する袋の形成が可能である。さらに、できるだけ小さい組立て長さを有する装置で十分である。
【0042】
その後、塞ぎステーション10、10’内で、底開口部19、19’が折り畳まれてから、底カバーシートステーション11、11’内でカバーシートが底開口部19、19’と溶接され、あるいは専用の接着剤(押出し物、冷間接着剤など)によって接着される。この2つの塞ぎステーション10、10’は、この実施例においては、対向して配置されている。2つの底カバーシートステーション11、11’についても、同じことが当てはまる。
【0043】
図7は、袋形成機械1の本発明に基づく他の実施形態を示している。チューブ片13は、まず、その長手軸に対して横方向に、x方向に、第1の移送装置30によって次々と加工ステーション8、9、10、11へ案内され、その移送装置30は、機械1の操作側BSにある。その場合に、チューブ片13に、−その端部15に−バルブを有する閉鎖された袋底が形成される。その後、半分形成された袋が、機械1の駆動側ASにある、第2の移送装置31へ引き渡される。加工ステーション8’、10’、11’によって、チューブ片13ないし半分できあがった袋の他の端部15’が、できあがった袋底になるように成形される。この実施形態は、極めて小さい袋フォーマットの形成を可能にする。この小さいフォーマットにおいては、移送装置30と30’の移送バンドは、それらが両側で、機械の広がり全体にわたってx方向に延びている場合には、重なり合うことになる。
【0044】
図8は、袋を形成する装置1の本発明に基づく他の実施形態を示している。同種の加工ステーション8、8’、10、10’、11、11’が、操作側と駆動側に交互に変位して配置されている。加工ステーション8、8’、10、10’、11、11’のこのファスナー形状の配置は、操作側BSの底開放ステーションと塞ぎステーション10との間に配置された、バルブステーション9のみによって、中断されている。この機械配置においては、チューブ片13における袋形成のためのすべての加工ステップは、交互にまず操作側BSで実施され、その後駆動側ASで実施される。この配置によって、すべての加工ステーションが、保守目的で容易に接近できる。
【0045】
図9は、図2に示す本発明に基づく装置の上面図の一部を示している。視線方向は、図5に見られる。その場合に、チューブ片13は、移送装置30と31によってx方向に移送され、その場合にチューブ片は、載置部14上に載置されている。底19、19’は、完全に開放されている。袋ボディ42に対して直交する底の開放プロセスにおいて、チューブ片13の端部の上方の層44、44’は、折り端縁43、43’を中心に袋ボディ42の表面上へ折り返され、下方の層45、45’は、再び載置面14上へ戻される。その場合に折り端縁43と43’は、装置30と31の外端縁によって定められている。これらの装置30と31が、移送装置の構成要素である場合でも、装置は、それを中心に上方の層を折り返すことができるようにするために、スチール薄板として形成することができる。層44、44’、45、45’を互いに離れるように引いて、載置面14ないし袋ボディ42の上へ、従って袋ボディ42の平面内へ倒すことによって、前方の角部タック40、40’と後方の角部タック41、41’が形成される、その場合にこれらの角部タックは、折り端縁を介して層44、44’、45、45’と結合されている。これらの折り端縁と折り端縁43、43’も、チューブ片13を圧接ローラ23の下でx方向にさらに移送することによって、圧接ローラが角部タック40、40’、41、41’および上方の層44、44’を載置部14の方向に押圧ないしプレスすることにより、より強く固定される。載置部14の代わりに、プレスのためのカウンター層として、図示されないカウンター押圧ローラを用いることもできる。圧接ローラ23および/または23’は、この図には図示されない開放ステーション8、8’のいずれかのすぐ後ろに配置することができるので、角部タック40、40’の前方の角部の少なくとも1つが、即座に圧接ローラによって捕捉されるので、できる限り直接的なプレスが行われる。プレスの品質を向上させるために、圧接ローラが加熱可能であることが、考えられる。圧接ローラ23、23’の長さLは、本発明に基づく装置によって形成することができる、引き上げられた底の最大の幅Bを上回らなければならない。端部15の高さHが、図9に記入されており、幅Bの半分に相当する。
【符号の説明】
【0046】
1 袋形成装置
2 織物チューブ
3 巻物
4 引出し装置
5 分離ステーション
6 横切断装置
7 移送方向を変化させる装置
8 底開放ステーション
9 バルブステーション
10 底閉鎖ステーション
11 カバーシートステーション
12 袋スタック
13 チューブ片
14 載置部
15、15’チューブ片の端部
16、16’折り畳みバンド
17、17’案内部材
18、18’底開放装置
19、19’開放された底
20、20’吸引バー
21、21’垂直のガイド
22 モータ
23、23’圧接ローラ
24 カウンター押圧ローラ
25 レバーアーム
26 取付け部分
27 軸
30 第1の移送装置
31 第2の移送装置
40、40’前方の角部タック
41 後方の角部タック
42 袋ボディ
43、43’折り端縁
44、44’上方の層
45、45’下方の層
A 底中心間隔
チューブ片13の開放された端部の幅
H 端部15の高さ
L 圧接ローラ23、23’の長さ
x チューブ片13の移送方向
y 移送方向xと延び方向xによって形成される平面に対して直交する方向
z チューブ片13の延び方向
AS 駆動側
BS 操作側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ片から袋を形成する装置(1)であって、前記チューブ片が、その延び方向に対して横に、移送方向(x)に前記装置を通して移送可能であって、その場合に前記チューブ片が、好ましくは伸張されたプラスチック小バンドからなる織物を有し、かつ2つの互いに重なり合った材料層からなり、かつその場合に前記装置が、少なくとも以下の構成要素:
−チューブ片の端部を開放する少なくとも1つの装置であって、前記開放する装置によって、前記チューブ片の前記端部の一部が、前記チューブ片の壁上へ折返し可能であるので、この開放された端部が、底になるように閉鎖可能である、前記少なくとも1つの開放する装置と、
−少なくとも1つのプレス手段であって、前記プレス手段によって、前記開放された端部の少なくとも一部が、折り端縁を形成しながらカウンター層に対してプレス可能である、前記少なくとも1つのプレス手段と、
を有している、前記袋を形成する装置において、
少なくとも1つの移送手段が設けられており、前記移送手段によって前記チューブ片が、このチューブ片の端部の開放後かつプレス手段の作用前に、移送方向(x)にさらに移送可能であることを特徴とする、袋を形成する装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプレス手段が、回転可能な圧接ローラ(23、23’)として形成されていることを特徴とする前記請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記圧接ローラ(23、23’)の回転軸(27)が、前記チューブ片の延び方向に対して平行に延びていることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項4】
前記圧接ローラ(23、23’)が、少なくとも完全に、前記開放された端部の幅全体にわたって延びていることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記圧接ローラ(23、23’)が、寄せ掛け装置によって、カウンター層に対して移動可能であることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記圧接ローラ(23、23’)が、前記カウンター層と共に、調節可能であるが、固定の間隙を形成し、前記間隙を通して前記開放された底の少なくとも一部が案内可能であることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記圧接ローラ(23、23’)が、レバーアーム(25)内に回転可能に軸承されており、前記レバーアーム自体は、機械架台内に、あるいは機械架台の取付け部分内に、支承されていることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記カウンター層が、載置面、たとえばテーブルプレート、を有しており、その上に前記チューブ片が、装置を通して移送される間、載置されていることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記カウンター層が、少なくとも1つのカウンター押圧ローラ(24)を有していることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記圧接ローラの周面が、少なくとも部分的にスチール表面またはゴム引きされた表面を有していることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記カウンター押圧ローラ(24)の周面が、少なくとも部分的にスチール表面またはゴム引きされた表面を有していることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
少なくとも1つの圧接ローラおよび/または少なくとも1つのカウンター押圧ローラ(24)が、駆動可能であることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記チューブ片の両方の端部領域の各々に、それぞれ少なくとも1つの圧接ローラが対応づけられていることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記1つの端部領域に対応づけられた圧接ローラが、前記第2の端部領域に対応づけられた圧接ローラに対して、前記チューブ片の移送方向(x)に互いに対して変位して配置されていることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
チューブ片から袋を形成する方法であって、前記チューブ片がその延び方向に対して横方向に前記装置を通して移送され、その場合に前記チューブ片が、好ましくは、伸張されたプラスチック小バンドからなる織物を有し、かつ、2つの互いに重なり合った材料層からなり、かつその場合に:
−前記チューブ片の端部の部分が、前記チューブ片の端部を開放するための少なくとも1つの装置によって、前記チューブ片の壁上に折り返されるので、この開放された端部は、底になるように閉鎖することができ、かつ
−前記開放された端部の少なくとも一部が、折り端縁を形成しながら、少なくとも1つのプレス手段によってカウンター層に対してプレスされる、
前記方法において、
前記チューブ片が、このチューブ片の端部の開放後かつプレス前に、移送方向(x)にさらに移送されることを特徴とするチューブ片から袋を形成する方法。
【請求項16】
前記チューブ片の開放された端部の一部が、少なくとも1つの回転可能な圧接ローラ(23、23’)として形成されたプレス手段によって、プレスされることを特徴とする前記請求項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−516305(P2011−516305A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502363(P2011−502363)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/053741
【国際公開番号】WO2009/121837
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(590002909)ヴィントメーラー ウント ヘルシャー コマンディトゲゼルシャフト (33)
【Fターム(参考)】