説明

被シール体把持装置

【課題】内容物が収容された被シール体の開口部を開口させるに際して、作業者の手作業を極力排除すると共に、確実に開口動作をさせる。
【解決手段】開口部Aの左右両側に夫々配置され、包装袋Pの裏面側・表面側に位置する第1把持ローラ63、第2把持ローラ64と、把持ローラ63,64を把持状態と開放状態に切り換える状態切換機構と、把持ローラ63,64の駆動を制御する把持部材制御手段100aと、を備え、把持部材制御手段100aは、把持ローラ63,64により包装袋Pの左右両側を把持した後、開口部Aが緊密に閉じた状態になるように、把持ローラ63,64を第1の方向に駆動し、その後、把持ローラ64のみを第2の方向に駆動して開口部Aの幅方向中央部を開口させて、包装袋P内部の空気排出を行なうためのノズル43を開口を介して挿入可能にし、ノズル43の挿入後、再び把持ローラ63,64を第1の方向に駆動して開口部Aが緊密に閉じた状態になるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物が収容された被シール体の開口部をヒートシール装置によりシールする際に用いられ、前記開口部を把持するための被シール体把持装置、及び、これらヒートシール装置と被シール体把持装置を備えたヒートシールシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
内容物を収容した樹脂製フィルムの包装袋(被シール体の一例)の開口部をシールするのに、簡便性、確実性などの利点を有することからヒートシール装置が多用されている(例えば、下記特許文献1,2に開示されるインパルス式ヒートシーラーを参照)。
【0003】
上記の包装袋の中に収容される内容物としては、食品、医療用器具、食品、機械部品、薬、など種々のものが例としてあげられる。
【0004】
【特許文献1】特開2007−176598号公報
【特許文献1】特開2007−022602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記において、開口部のシールを行うに際して、包装袋内部の空気を排出して真空にしてからシールを行なう場合がある。あるいは、包装袋内部に窒素ガスなどを導入してからシールを行なう場合がある。その場合は、作業者により開口部を開く動作を行ない、包装袋の内部にノズルを挿入させた状態にして、空気の排出や導入を行った後に、ヒートシール装置により開口部をシールする。
【0006】
しかしながら、かかる作業を包装袋の1つ1つについて行うのは煩雑な作業であり、改善が望まれていた。また、開口部を開く動作を機械により行う場合には、確実に開口させる動作を行なわせる必要がある。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、内容物が収容された被シール体の開口部を開口させるに際して、作業者の手作業を極力排除すると共に、確実に開口動作をさせることが可能な被シール体把持装置、及び、この被シール体把持装置を備えたヒートシールシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明に係る被シール体把持装置は、
内容物が収容された被シール体の開口部をヒートシール装置によりシールする際に用いられ、前記開口部を把持するための被シール体把持装置であって、
開口部の近傍における左右両側に夫々配置され、被シール体の裏面側に位置する第1把持部材と、被シール体の表面側に第1把持部材に対向して配置される第2把持部材と、把持状態と開放状態に前記第1・第2把持部材を切り換えるための状態切換機構と、
前記第1・第2把持部材の駆動を制御する把持部材制御手段と、を備え、
この把持部材制御手段は、第1・第2把持部材により被シール体の前記左右両側を把持した後、開口部が緊密に閉じた状態になるように、第1・第2把持部材を第1の方向に駆動し、その後、第1・第2把持部材のうちの少なくとも一方を第2の方向に駆動して開口部の幅方向中央部を開口させて、被シール体内部の気体排出あるいは内部への気体導入を行なうためのノズルを前記開口を介して被シール体内へ挿入可能にし、前記ノズルの挿入後、再び第1・第2把持部材を第1の方向に駆動して開口部が緊密に閉じた状態になるように、第1・第2把持部材に対する制御を行なうことを特徴とするものである。
【0009】
かかる構成による被シール体把持装置の作用・効果を説明する。まず、被シール体の開口部の近傍において、左右両側に夫々把持部材が配置されている。把持部材は、被シール体の裏面側と表面側に夫々、第1把持部材と第2把持部材が配置される。すなわち、開口部近傍の左側に第1・第2把持部材が、開口部近傍の右側に第1・第2把持部材が配置される。これら第1把持部材と第2把持部材により、被シール体を把持することができる。
【0010】
上記の第1・第2把持部材の駆動は、把持部材制御手段により制御される。開口部を開口させる場合、直ちに開く動作を行なうのではなく、一旦は、開口部を緊密に閉じた状態になるように第1・第2把持部材を第1の方向に駆動する。具体的には、開口部の近傍の左右両側を互いに遠ざかる方向に(引っ張るように)動作させることで、開口部を緊密に閉じた状態にさせることができる。開口部が中途半端に開いた状態で把持すると、開口部の開口動作が確実に行なわれない可能性があるので、上記のような動作をさせる。
【0011】
引き続いて、第1・第2把持部材のうちの少なくとも一方を上記第1の方向とは異なる第2の方向に駆動する。具体的には、左右両側が互いに近づく方向に動作させることで、開口部を確実に開かせることができる。これにより、ノズルを開口から挿入可能な状態になる。ノズルが被シール体内に挿入されると、再び、第1・第2把持部材を上記第1の方向に駆動することで、再び、開口部を緊密に閉じることができる。
【0012】
上記のような構成によれば、開口部を開口させるのに手作業は不要であり、作業の煩雑性を改善することができる。また、上記のごとく第1・第2把持部材の動作を制御することで確実に開口動作をさせることが可能になる。
【0013】
本発明において、前記第1把持部材及び第2把持部材は、少なくとも表面が弾性を有する把持ローラであり、前記第1の方向と第2の方向とで回転方向が互いに逆になるように設定されていることが好ましい。
【0014】
かかる弾性を有する把持ローラにより被シール体を把持することで、大きな摩擦力を確保することができ、把持部が不用意に滑らないように把持できるので開口動作も確実に行なうことができる。また、把持ローラの回転方向を変えるのみであるから、第1の方向と第2の方向の切換制御を簡単・確実に行なうことができる。
【0015】
本発明において前記第1の方向に駆動を行う場合、第1・第2把持部材の両方を回転させると共に、第1・第2把持部材の一方は、トルクリミッタを介して駆動源により回転させるように構成されていることが好ましい。
【0016】
第1の方向に駆動して被シール体の開口部を緊密に閉じさせる場合、大きなトルクを作用させれば、上記動作の確実性は上がるが、必要以上に大きなトルクが作用すると、被シール体に傷を付けたり破断させたりする可能性がある。そこで、トルクリミッタを設けることで、所定以上の力が被シール体に作用することを防止し、被シール体の開口部を緊密に閉じる動作を不具合を生じさせることなく確実に行なうことができる。
【0017】
本発明において、前記第2の方向に駆動を行う場合、第1・第2把持部材のうち、一方のみを駆動することが好ましい。
【0018】
かかる構成によれば、被シール体の表面側あるいは裏面側の一方は動かないようにし、他方側のみを第2の方向に駆動する。仮に表面側と裏面側の両方を駆動させた場合、被シール体の表面側と裏面側が同じ形状に変形してしまい、うまく開口できない可能性がある。そこで、一方のみを駆動することで、確実に開口できるように動作させることができる。
【0019】
本発明に係る前記第1・第2把持部材の一方は、一方向クラッチを介して駆動源により駆動されることが好ましい。
【0020】
第2の方向に駆動させる場合、一方向クラッチが切れた状態になるようにすれば、駆動源からの動力伝達は、第1・第2把持部材の一方に対しては行なわれない。第1・第2把持部材の他方については、一方向クラッチはなく、駆動源からの動力がそのまま伝達される。これにより、一方の把持部材のみを駆動させる構成を実現することができる。また、第1の方向に駆動する場合には、一方向クラッチがロックされるため、第1・第2把持部材の両方が駆動されることになる。
【0021】
本発明において、被シール体の開口部近傍が載置される第1載置部材と、
開口部以外の箇所が載置される第2載置部材と、
これら第1載置部材と第2載置部材とを連結軸を介して連結する連結手段と、
ヒートシールを行なう前に、被シール体の底部側が開口部に対して持ち上がるように、第2載置部材を連結軸周りに強制的に回転させる載置部材回転機構と、を備えていることが好ましい。
【0022】
被シール体を載置するための載置機構として、第1載置部材と第2載置部材とを連結手段により連結している。そして、第2載置部材は、連結軸周りに回転可能に構成されており、被シール体の底部側が持ち上がるように、第2載置部材を強制的に回転させる載置部材回転機構が設けられている。被シール体に内容物を収容する場合、被シール体の開口部が上になるようにして持つと、内容物が底部の方に偏って移動することがある。かかる状態のまま、被シール体の内部を真空にしてシールすることは好ましくないと考えられる。そこで、シール動作を行なう前段階において、被シール体の底部を持ち上げさせることで、内容物が被シール体内にできるだけ均等に分散するようにし、シール品質を高めることができる。
【0023】
本発明において、第1・第2載置部材の姿勢を切り換えるための姿勢切換機構を備え、被シール体が夫々の載置面に安定した状態で載置される平行姿勢と、被シール体が載置面から滑り落ちることを許容する傾斜姿勢とに切換可能に構成したことが好ましい。
【0024】
かかる姿勢切換機構を設けることで、被シール体のシール動作を行なう時には載置面を平行姿勢とすることで、安定した状態でシール動作を行なうことができる。また、シールを終了した被シール体を別途設けた集積部に集積させる場合等は、載置面を傾斜姿勢にすることで、集積部にシール済みの被シール体を集積させることができる。
【0025】
上記課題を解決するため本発明に係るヒートシールシステムは、上記本発明に係る被シール体把持装置と、開口部のシールを行なうためのヒートシール装置と、を備えており、
前記ヒートシール装置は、開口部近傍を押圧する押圧部、及び、開口部をシールするためのヒーターを有するシール圧着部を備えた圧着作動部と、この圧着作動部と、前記ノズルの動作を制御する圧着制御手段と、を備え、
この圧着制御手段は、前記ノズルが被シール体内に挿入された後、押圧部により開口部近傍を押圧すると共に、ノズルによる気体の排出あるいは導入を行なわせた後にノズルを被シール体内から脱出させる動作を行なわせ、更にシール圧着部により開口部を圧着して開口部のシールをヒーターにより行なうように、制御を行うことを特徴とするものである。
【0026】
かかるヒートシールシステムの作用・効果を説明する。前述の被シール体把持装置により、被シール体の開口部を開口させて、内部にノズルを挿入した後に、再び、開口部を緊密な状態に閉じさせる。この状態で、ヒートシール装置の圧着作動部を動作させて、まず、押圧部により開口部の近傍を押圧する。この状態でノズルにより、被シール体内の気体を排出させる動作や、被シール体内へ気体を導入する動作を行なわせる。押圧部により開口部近傍を押圧した状態であるから、外気と遮断した状態で確実にノズルによる動作を行なわせることができる。
【0027】
ノズルの動作が終了した後は、ノズルを被シール体内から脱出させる。更に、シール圧着部による開口部を圧着し、ヒーターにより熱融着を行いシールを行なう。これにより、ノズルによる動作に引き続くシール動作を確実に行ない、所望のシール品質を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明に係るヒートシールシステムの好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、ヒートシールシステム全体の外観構成を示す斜視図である。図2は、包装袋の構成を示す図である。
【0029】
図2に示すような包装袋P(被シール体に相当)内に適宜の内容物が収容されると、その開口部Aがシールされて密封される。開口部Aに隣接した内側は、把持領域Sに相当する箇所であり、開口部Aをシールする際には、この場所が押圧されて包装袋Pが不用意に移動しないように保持する。包装袋P内に収容される内容物としては、食品、機械部品、注射器等の医療用器具、各種日用品などが例としてあげられるが、特定のものに限定されるものではない。
【0030】
図1のように、ヒートシールシステムは、包装袋Pの開口部Aをシールするためのヒートシール装置Hと、包装袋Pの把持領域Sを把持する被シール体把持装置Mと、筐体部Bにより構成されている。筐体部B内にヒートシール装置Hと被シール体把持装置Mとが収納されており、ヒートシール装置Hは固定され、被シール体把持装置Mは不図示の駆動機構により筐体部B内を移動することができる。
【0031】
図1において、ヒートシール装置Hは、装置の下部側に位置する基台部1を備えており、この基台部1に主要な機構が収容されている。基台部1の上部には上部カバー部材2が設けられている。基台部1の手前側には、開口部Aをシールすべき包装袋Pを載置し、挟持するための袋挟持部3が設けられている。基台部1の上部手前側には、圧着レバー部4(圧着作動部に相当)が設けられており、シールを行う時は、この圧着レバー部4が押し下げられる。
【0032】
袋挟持部3には、第1受け部30と第2受け部31が配置されている。これに対応して、圧着レバー部4には、第1押圧部40と第2押圧部41が配置されている。第1押圧部40と第1受け部30は、包装袋Pの把持領域Sを押圧する機能を有し、その表面はゴムなどの弾性材料により形成される。第2押圧部41と第2受け部31は、包装袋Pの開口部A(被シール箇所)を押圧・挟持する機能を有する。また、第1押圧部40と第2押圧部41は、独立して動くことが可能である。圧着レバー部4の左右両側には、一対の駆動レバー4aが設けられており、第2押圧部41と一体的に連結されている。また、駆動レバー4aには、駆動軸4bが連結されており、不図示のシリンダーにより駆動される。圧着レバー部4は、基台部1の奥側に設定された所定の軸芯周りに回転可能に支持されている。
【0033】
第2受け部31は、その上部に不図示の線状ヒーターが内蔵されており、その表面部はフッ素樹脂シートにより被覆されている。これにより、樹脂製の包装袋Pの融着片が付着しにくく、たとえ付着したとしてもはがれ易いようになっている。線状ヒーターは、包装袋Pの開口部Aの長さをカバーできるに十分な長さを有している。
【0034】
第2押圧部41は、操作手前側に2箇所、第1押圧部40を支持するための支持部41aを備えている。第1押圧部40には、第1押圧部支持軸42が一体的に結合されており、第1押圧部支持軸42は、支持部41aに沿ってスライド自在に取り付けられている。また、第1押圧部支持軸42の周囲にはコイルバネが設けられており、第2押圧部41に対して相対的に第1押圧部40を下方向に付勢している。
【0035】
基台部1の上面側には、前後方向に移動可能なノズル43が設けられており、ノズル43を、基台部1の奥側から第1押圧部40と第1受け部30との間の空間まで移動することで、包装袋P内へ挿入することが可能である。ノズル43は、包装袋P内部の気体を排出したり、内部へ気体を導入したりすることができる。
【0036】
被シール体把持装置Mについて図を用いて詳しく説明する。図3は、被シール体把持装置Mの外観構成を示す斜視図である。被シール体把持装置Mは、袋載置部5と袋把持部6とにより構成されている。袋載置部5には、載置台50が設けられており、包装袋Pを載置することができる。載置台50は箱状をしており、筐体部Bに固定されている。載置台50には2つの側板50aが形成されており、側板50aの間隔は、包装袋Pの幅より少し大きくなっている。また、載置台50には当接板50bが形成されており、当接板50bに包装袋Pの底部D側の端部が当接するように包装袋Pを載置した際に、包装袋Pの把持領域Sが袋把持部6の位置となるようにしている。
【0037】
また、袋載置部5には、包装袋Pを持ち上げるための第2袋支持プレート51(第2載置部材に相当)が設けられている。第2袋支持プレート51は、袋把持部6の連結軸60aに軸支されており、第2袋支持プレート51のみが連結軸60a周りに回転運動することができる。また、第2袋支持プレート51は傾斜面51aを有しており、包装袋Pに内容物を入れて膨らんだ状態であっても、袋載置部5に載置した際に把持領域Sを袋把持部6の位置に配置しやすくなっている。第2袋支持プレート51は、図のようにU字状をしており、第2袋支持プレート51が水平の状態では、上記のW字状をした載置台50とともに全体として包装袋Pを載置するための箱状となる。
【0038】
袋把持部6には、第2袋支持プレート51と連続するように第1袋支持プレート(第1載置部材に相当)60が設けられている。これらにより、包装袋Pを載置する載置面が形成される。第2袋支持プレート51と第1袋支持プレート60は、左右それぞれに設けられた連結軸60aによって連結されており、第1袋支持プレート60および第2袋支持プレート51は一体に連結軸60a周りに回転可能である。また、作動板70が水平方向にスライド可能に設けられている。作動板70には、2本の作動軸71が突設されており、この作動軸71は、袋把持部6に設けられた孔71aを貫通し、傾斜面51aの裏側に当接している。作動板70は、不図示のバネにより突出方向に付勢されている。作動板70は、被シール体把持装置Mがヒートシール装置Hに接近しシールを行なう際には、ヒートシール装置Hの当接面30aに当接する。
【0039】
袋把持部6について、図4を用いてさらに詳しく説明する。図4は、袋把持部6の構成を示す斜視図であり、内部構成の説明のために一部が省略してある。
【0040】
袋把持部6は主として、把持本体部61と、把持本体部61の両側にそれぞれ設けられ、把持本体部61に対して回転することにより開放状態と把持状態に切り換え可能なローラ支持プレート62とから構成される。把持本体部61の両側にはそれぞれ、2枚の連結プレート61aが固定されており、この連結プレート61aの上部に第2連絡ローラ64aが2枚の連結プレート61aに挟み込まれるように設けられている。ローラ支持プレート62は、第2連絡ローラ64aの回転軸周りを回転可能に構成されている。ローラ支持プレート62の端部にはシリンダー連結軸62aが設けられており、このシリンダー連結軸62aに連結された第1シリンダー62bの先端62cが上下することにより、ローラ支持プレート62は回転可能となっている。また、左右のローラ支持プレート62には、それぞれ第2把持ローラ64R,64Lが設けられている。
【0041】
把持本体部61には、左右対称の位置にそれぞれ、第1把持ローラ63R,63L、第1連絡ローラ63aR,63aL、分配ローラ66R,66L、および伝達ローラ65aR,65aLが回転可能に設けられている。さらに、一方の伝達ローラ65aRの下方には、ローラ駆動モータ(駆動源に相当)65bの駆動軸と同軸の駆動ローラ65が設けられている。ローラ駆動モータ65bとしては、例えばステッピングモーターが用いられる。また、把持本体部61の下部には、第1袋支持プレート60および第2袋支持プレート51を一体に連結軸60aの周りに回転させ、平行姿勢と傾斜姿勢に切り換えるための第2シリンダー67がリンク構造を介して設けられている。リンク構造の先端67aは、第1袋支持プレート60の裏側と連結されており、第2シリンダー67の作用により先端67aが上下することで、第1袋支持プレート60の姿勢を切り換えることができる。
【0042】
次に、袋把持部6の各ローラの駆動機構を図4および図5を用いて説明する。図5は、袋把持部6の上方からの断面図である。駆動ローラ65と伝達ローラ65aRは図4のようにベルト65cにより連結されている。伝達ローラ65aRと分配ローラ66Rはベルト68により連結されている。分配ローラ66Rには同軸に第1中間ギア66aRが一体成形されている。また、分配ローラ66Rと同軸に第2中間ギア66bRが設けられている。なお、第2中間ギア66bRと分配ローラ66Rは独立して回転可能である。
【0043】
隣接する第1中間ギア66aR,66aL同士は噛み合っている。また、隣接する第2中間ギア66bR,66bL同士も噛み合っている。第2中間ギア66bLは、分配ローラ66Lと同軸に設けられ、第2中間ギア66bRと分配ローラ66Rとの関係と同様に独立して回転可能である。しかし、通常は、分配ローラ66Lと第2中間ギア66bLとの間には、トルクリミッタ66cが設けられており、互いは連結されて一体的に回転し、所定以上のトルクが発生した際には両者の連結が切れるように構成されている。例えば、トルクリミッタ66cとしては、所定の付勢力を持ったスプリングを、分配ローラ66Lと第2中間ギア66bLとの間に互いを近付ける方向に付勢するように設けることができる。
【0044】
第2中間ギア66bR,66bLは、第1連絡ローラ63aR,63aLと同軸に一体成形された第3中間ギア63bR,63bLと噛み合っている。また、第1連絡ローラ63aR,63aLと第1把持ローラ63R,63Lはベルト69,69により連結されている。
【0045】
上記の構成により、ローラ駆動モータ65bの回転運動が、第1、第2把持ローラに伝達される。伝達される様子を図7に示す。図7において、Mはモータ、Rはローラ、Gはギア、Tはトルクリミッタ、Cはクラッチを示している。すなわち、図7に示すように、ローラ駆動モータ65bの回転運動が、伝達ローラ65aR、分配ローラ66R、第1中間ギア66aR、第1中間ギア66aL、分配ローラ66L、第2中間ギア66bL、第2中間ギア66bR、第3中間ギア63bR、一方向クラッチ63cR、第1連絡ローラ63aR、第1把持ローラ63Rの順に伝達される。同時に、分配ローラ66Lの回転運動が、第2中間ギア66bL、第3中間ギア63bL、一方向クラッチ63cL、第1連絡ローラ63aL、第1把持ローラ63Lの順に伝達される。なお、第1連絡ローラ63aR,63aLと第3中間ギア63bR,63bLの内側には、一方向クラッチ63cR,63cLが設けられており、第1把持ローラ63R,63Lは一方向にしか回転しない。
【0046】
また、図4のように、伝達ローラ65aR,65aLと第2連絡ローラ64a,64aがベルト64c、64cにより連結され、さらに、第2連絡ローラ64a,64aと第2把持ローラ64R,64Lがベルト64b,64bにより連結されている。すなわち、図7に示すように、ローラ駆動モータ65bの回転運動が、伝達ローラ65aR、第2連絡ローラ64a、第2把持ローラ64Rの順に伝達される。また、伝達ローラ65aLは、分配ローラ66Lとベルト68により連結されており、分配ローラ66Lの回転運動が伝達ローラ65aL、第2連絡ローラ64a、第2把持ローラ64Lの順に伝達される。
【0047】
被シール体把持装置Mの開放状態と把持状態について、図6を用いて説明する。図6(a)が開放状態、図6(b)が把持状態である。開放状態では、ローラ支持プレート62はほぼ垂直姿勢に保たれており、把持状態では、シリンダー62bの作用によりローラ支持プレート62が回転しほぼ水平姿勢となる。把持状態では、包装袋Pの開口部A近傍が第1袋支持プレート60に載置された際に、包装袋Pの裏側の第1把持ローラ63R,63Lと包装袋Pの表側の第2把持ローラ64R,64Lにより包装袋Pの左右両側が把持される。
【0048】
<システムの機能ブロック図>
次に、本実施形態に係るヒートシールシステムの機能に関して、図8のブロック図により説明する。制御部100は、ヒートシールシステムを構成するヒートシール装置H及び被シール体把持装置Mを制御するものであり、CPU、メモリ、制御プログラム等により構成される。
【0049】
把持部材制御手段100aは、第1・第2把持ローラ63,64の駆動を制御するものであり、ローラ駆動モータに対して予めプログラムで定められたシーケンスに従って、第1・第2把持ローラ63,64の回転制御を行う。把持ローラ63,64の回転量に関しては、モーター駆動量検出手段101によりモーターの駆動量を検出することで検出することができる。把持ローラ63,64の回転量については、時間により制御してもよい。
【0050】
また、把持部材制御手段100aは、ローラ支持プレート62を駆動する第1シリンダー62bに対する駆動指令を行なう。第1シリンダー62bがOFFのときは、ローラ支持プレート62は垂直姿勢であり、第2把持ローラ64は開放状態にある。また、第1シリンダー62bをONにすると、ローラ支持プレート62は水平姿勢となり、第2把持ローラ64は第1把持ローラ63と圧着した把持状態Sになる。すなわち、包装袋Pの把持領域Sを把持可能な状態になる。
【0051】
第1シリンダー62bの状態については、第1シリンダー動作完了検出手段102により検出することができる。例えば、第1シリンダー62bに対する通電状態や、ローラ支持プレート62の姿勢を検知するセンサーからの信号に基づいて、検出することができる。以上の通り、ローラ支持プレート62と、第1シリンダー62b、これらを連結する駆動機構は、第1・第2把持ローラ63,64を把持状態と開放状態に切り換えるための状態切換機構として機能するものである。
【0052】
載置部材制御手段100bは、第1・第2袋支持プレート(第1・第2載置部材)60,51に対する駆動制御を行なう。具体的には、第1・第2袋支持プレート60,51の姿勢を包装袋Pを安定して載置する平行姿勢と、包装袋Pが載置面から滑り落ちることを許容する傾斜姿勢とを切り換える。第2シリンダー67がOFFのときは水平姿勢を維持し、ONにすると傾斜姿勢に切り換えられる。
【0053】
第2シリンダー67の状態については、第2シリンダー動作完了検出手段103により検出することができる。例えば、第2シリンダー67に対する通電状態や、第1・第2袋支持プレート60,51の姿勢を検知するセンサー(不図示)からの信号に基づいて、検出することができる。
【0054】
圧着制御手段100cは、被シール体把持装置Mにより把持された包装袋Pの開口部Aをシールするための制御機能を提供する。圧着レバー部4を押し下げ駆動制御することで、包装袋Pの開口部A近傍の把持領域Sを押圧・圧着し、また、開口部Aに第2押圧部41(シール圧着部に相当)を押圧・圧着させる。圧着レバー部4の駆動は、不図示のシリンダーにより行なわれ、このシリンダーに対する駆動指令信号を出す。
【0055】
圧着レバー作動量検出手段104は、圧着レバー部4の動作状態を検出する。圧着レバー部4の動作状態は、圧着を行なわない開放位置、第1押圧部40(開口部近傍を押圧する押圧部に相当)により把持領域Sのみの押圧を行う第1押圧位置、この第1押圧位置よりも更に押圧して第2押圧部41による圧着も行われる第2押圧位置の3段階の状態を検出する。作動量の検出は、シリンダーの通電状態や、圧着レバー部4の位置を検出するセンサー信号などに基づいて行うことができる。
【0056】
また、圧着制御手段100cは、ヒーター108やノズル43に対する駆動制御を行なう。ヒーター108への加熱時間・加熱タイミング・冷却時間などは、予め設定されたプログラムにより行うことができる。ノズル43の作動時間・作動タイミングなどについても同様である。ヒーター108やノズル43の作動状態も、ヒーター動作完了検出手段105やノズル動作完了検出手段106の機能により行なうことができる。
【0057】
被シール体把持装置制御手段100dは、被シール体把持装置Mに対する駆動制御を行う。被シール体把持装置Mは、原点位置・シール位置・排出位置などの各位置に移動制御する必要がある。原点位置は、包装袋Pを被シール体把持装置Mにセットする位置である。シール位置は、包装袋Pの開口部Aをシールする位置である。排出位置は、シールされた包装袋Pを被シール体把持装置Mから排出させる位置である。被シール体把持装置Mの位置は、位置検出手段107の機能により検出することができる。
【0058】
<作動フローチャート>
次に、本実施形態に係るヒートシールシステムの動作を図9のフローチャートと、図6、図10、図11に示す動作図に基づいて説明する。
【0059】
まず、被シール体把持装置Mを原点位置にセットする(S1)。この状態は図1に示されるように、包装袋Pを袋支持プレートの上に載置可能な状態である。次に、シールすべき包装袋Pを袋支持プレートの上にセットする(S2)。包装袋Pの内部には、所定の内容物が収容された状態である。
【0060】
次に、不図示のスタートスイッチをONにする(S3)。これにより、第1シリンダー62bが通電され、ローラ支持プレート62が垂直姿勢から水平姿勢に変換させられる。すなわち、第2把持ローラ64が開放状態から把持状態に変換させられて、包装袋Pの左右両側が夫々第1・第2把持ローラ63,64により把持される(S4)。また、包装袋Pを把持した状態は図6(b)、図10(a)、図11(a)に示される。
【0061】
次に、この把持した状態のまま、被シール体把持装置Mを原点位置からシール位置へと移動させる(S5)。所定のシール位置に移動すると、作動板70がヒートシール装置Hの当接面30aに押されて、作動軸71の先端が第2袋支持プレート51の傾斜面51aの裏面を押す。これにより、第2袋支持プレート51は、連結軸60a周りに回転させられ、持ち上げられる(S6)(図10(b))。
【0062】
この動作により、包装袋Pの開口部Aとは反対側の底部D(図2参照)が持ち上げられる。包装袋Pの内部には、多数の内容物が収容されるが、包装袋Pがセットされた時点で、内容物が底部Dの方に偏って収容されている場合がある(図10(a)参照)。この状態のまま、包装袋Pの内部を真空引きするのは外観上・品質上も好ましくない。そこで、上記のように底部Dを持ち上げることで、底部Dに内容物が偏っていた場合に、できるだけ均等に内容物が分散するようにすることができる。
【0063】
次に、ローラ駆動モータ65bを駆動して、第1・第2把持ローラ63,64を第1の方向に回転させる(S7)。この状態を図11(b)に示す。包装袋Pをセットして、第1・第2把持ローラ63,64で把持した直後は、図11(a)に示すように、開口部Aが完全に閉じた状態になっているとは限らず、部分的に歪みが生じて開いている箇所が存在しうる。まず、この状態を解消するために、上記のように第1・第2把持ローラ63,64を第1の方向に回転させる。
【0064】
この回転方向は、開口部Aの近傍の左右両側を外側に引っ張るように作用するため、開口部Aをピンと張らせた状態にすることができる。これにより、開口部Aが緊密に閉じた状態にすることができる。
【0065】
なお、この時の動作では、第1・第2把持ローラ63,64とも同じように回転駆動される。ただし、トルクリミッタを介して駆動しているので、必要以上に大きなトルクが作用した場合、トルクリミッタが滑ることで、動力の伝達を切るようにしている。従って、包装袋Pが不用意に損傷したりすることを防止することができる。
【0066】
第1・第2把持ローラ63,64を所定量回転した後、第1・第2把持ローラ63,64の回転を停止させる(S8)。所定量については、ローラ駆動モータ65bの回転量の検出などにより行なうことができる。
【0067】
次に、第2把持ローラ64を第2の方向に回転させる(S9)。このとき、ローラ駆動モータ65bの回転方向は、第1の方向の場合とは逆回転となる。この場合、一方向クラッチを設けているため、このローラ駆動モータ65bの動力は、第1把持ローラ63には伝達されない。従って、第1把持ローラ63は停止したまま、第2把持ローラ64のみが回転する状態になる。
【0068】
この状態は、図11(c)に示される。すなわち、包装袋Pの開口部Aの表面側のみが内側に寄せられる形になるので、開口部Aの中央部に開口が形成させられる。第2把持ローラ64のみを駆動するため、包装袋Pの表面側のみが図示するように上に凸になるように変形させられるので、確実に開口を形成することができる。仮に、第1把持ローラ63も同じように第2の方向に回転させると、包装袋Pの表面側も裏面側も上に凸に変形する可能性があり、そうすると、うまく開口が形成されないことになる。
【0069】
第2把持ローラ64を所定量回転した後、第2把持ローラ64の回転を停止させる(S10)。所定量については、ローラ駆動モータ65bの回転量の検出などにより行なうことができる。
【0070】
次に、ノズル43を上記開口が形成された開口部Aを介して、包装袋Pの内部に挿入する(S11)。この状態を図11(d)に示す。
【0071】
次に、再び、第1・第2把持ローラ63,64を第1の方向に回転させる(S12)。図11(d)にも示すように、ノズル43と開口の間には隙間が形成されているので、この隙間を解消するために、把持ローラ63,64を駆動するものである。
【0072】
第1・第2把持ローラ63,64を所定量回転した後、把持ローラ63,64の回転を停止させる(S13)。この状態を図11(e)に示すが、ノズル43の周囲の隙間が解消されて密着した状態になっている。
【0073】
次に、圧着レバー部4を駆動し、第1押圧部40を押し下げて、開口Aの近傍を押圧する(S14)。この押圧状態により、包装袋Pの内部と外気が完全に遮断される。次に、ノズル43を作動させて、包装袋P内の空気を排出し、真空にする(S15)。ノズル43の作動が完了すると、ノズル43を包装袋P内から脱出させる(S16)(図11(f))。
【0074】
更に圧着レバー部4を動作させて、第2押圧部41を押し下げる(S17)。これにより、第2押圧部41により開口部Aが圧着される。ついて、ヒーター108を加熱し、開口部Aを熱溶着することで開口部Aがシールされる(S18)。
【0075】
ヒーター108による所定時間の加熱が完了すると、圧着レバー部4を開放する(S19)。そして、被シール体把持装置Mをシール位置から排出位置へと移動させる(S20)。排出位置は、原点位置以外の適宜の場所に設定することができる。
【0076】
排出位置への移動が完了すると、第1シリンダー62bを駆動して、第2把持ローラ64を把持状態から開放状態へと切り換える(S21)。これにより、包装袋Pの把持状態が解除される。次に、第2シリンダー67を駆動する(S22)。これにより、第1・第2袋支持プレート60,51が傾斜状態に姿勢変更され、シール済みの包装袋Pは、載置面を滑って落ちて、所定の場所に集積される(S23)(図10(c))。引き続いて別の包装袋Pのシール動作を行なう場合には、ステップS1に戻り、同様の動作を繰り返せばよい。
【0077】
<別実施形態>
本実施形態では、開口部Aの近傍の左右両側に設けられた把持ローラ63,64を夫々駆動するような構成を採用しているが、例えば、左側の第1・第2把持ローラ63,64は回転しないように固定し、右側の第1・第2把持ローラ63R,64Rのみを駆動するように構成してもよい。
【0078】
本実施形態では、1つの駆動源(ローラ駆動モータ)で第1・第2把持ローラ63,64を駆動しているが、第1把持ローラ63の駆動モータと、第2把持ローラ64の駆動モータを別々に設けて制御してもよい。
【0079】
本実施形態では、把持ローラ63,64により包装袋Pを把持した後、直ちにシール位置へと移動しているが、これに限定されるものではない。例えば、図9におけるステップS10までの把持ローラ63,64に関する動作を原点位置で行なってからシール位置に移動してもよい。
【0080】
本実施形態ではノズル43により包装袋P内の空気を排出しているが、包装袋P内に気体を導入する場合においても、本発明は適用できるものである。気体を導入するケースとしては、例えば、酸化防止、変退色の防止、香気保存などのために、空気中の酸素を除去する目的で窒素ガスなどを導入する例があげられる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】ヒートシール装置の外観構成を示す斜視図
【図2】包装袋の構成を示す図
【図3】被シール体把持装置の外観構成を示す斜視図
【図4】袋把持部の内部構成を示す斜視図
【図5】袋把持部の内部構成を示す断面図
【図6】袋把持部の状態切換状態を示す図
【図7】把持ローラまでの伝達系の構成を示す模式図
【図8】ヒートシールシステムの機能を示すブロック図
【図9】シールを行なうときの動作を示すフローチャート
【図10】袋支持プレートの動作を示す図
【図11】把持ローラの動作と包装袋の開口部の状態を示す図
【符号の説明】
【0082】
A 開口部
C 一方向クラッチ
D 底部
P 包装袋
H ヒートシール装置
M 被シール体把持装置
T トルクリミッタ
4 圧着レバー部
40 第1押圧部
41 第2押圧部
43 ノズル
51 第2袋支持プレート
60 第1袋支持プレート
62 ローラ支持プレート
62b 第1シリンダー
63,63R,63L 第1把持ローラ
64,64R,64L 第2把持ローラ
100 制御部
100a 把持部材制御手段
100b 載置部材制御手段
100c 圧着制御手段
108 ヒーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容された被シール体の開口部をヒートシール装置によりシールする際に用いられ、前記開口部を把持するための被シール体把持装置であって、
開口部の近傍における左右両側に夫々配置され、被シール体の裏面側に配置される第1把持部材と、
被シール体の表面側に第1把持部材に対向して配置される第2把持部材と、
把持状態と開放状態に前記第1・第2把持部材を切り換えるための状態切換機構と、
前記第1・第2把持部材の駆動を制御する把持部材制御手段と、を備え、
この把持部材制御手段は、第1・第2把持部材により被シール体の前記左右両側を把持した後、開口部が緊密に閉じた状態になるように、第1・第2把持部材を第1の方向に駆動し、その後、第1・第2把持部材のうちの少なくとも一方を第2の方向に駆動して開口部の幅方向中央部を開口させて、被シール体内部の気体排出あるいは内部への気体導入を行なうためのノズルを前記開口を介して被シール体内へ挿入可能にし、前記ノズルの挿入後、再び第1・第2把持部材を第1の方向に駆動して開口部が緊密に閉じた状態になるように、第1・第2把持部材に対する制御を行なうことを特徴とする被シール体把持装置。
【請求項2】
前記第1把持部材及び第2把持部材は、少なくとも表面が弾性を有する把持ローラであり、前記第1の方向と第2の方向とで回転方向が互いに逆になるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の被シール体把持装置。
【請求項3】
前記第1の方向に駆動を行う場合、第1・第2把持部材の両方を回転させると共に、第1・第2把持部材の一方は、トルクリミッタを介して駆動源により回転させるように構成されている請求項2に記載の被シール体把持装置。
【請求項4】
前記第2の方向に駆動を行う場合、第1・第2把持部材のうち、一方のみを駆動することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の被シール体把持装置。
【請求項5】
前記第1・第2把持部材の一方は、一方向クラッチを介して駆動源により駆動されることを特徴とする請求項4に記載の被シール体把持装置。
【請求項6】
被シール体の開口部近傍が載置される第1載置部材と、
開口部以外の箇所が載置される第2載置部材と、
これら第1載置部材と第2載置部材とを連結軸を介して連結する連結手段と、
ヒートシールを行なう前に、被シール体の底部側が開口部に対して持ち上がるように、第2載置部材を連結軸周りに強制的に回転させる載置部材回転機構と、を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の被シール体把持装置。
【請求項7】
第1・第2載置部材の姿勢を切り換えるための姿勢切換機構を備え、被シール体が夫々の載置面に安定した状態で載置される平行姿勢と、被シール体が載置面から滑り落ちることを許容する傾斜姿勢とに切換可能に構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の被シール体把持装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の被シール体把持装置と、
前記開口部のシールを行なうためのヒートシール装置と、を備えたヒートシールシステムであって、
前記ヒートシール装置は、
開口部近傍を押圧する押圧部、及び、開口部をシールするためのヒーター108を有するシール圧着部を備えた圧着作動部と、
この圧着作動部と、前記ノズルの動作を制御する圧着制御手段と、を備え、
この圧着制御手段は、前記ノズルが被シール体内に挿入された後、押圧部により開口部近傍を押圧すると共に、ノズルによる気体の排出あるいは導入を行なわせた後にノズルを被シール体内から脱出させる動作を行なわせ、更にシール圧着部により開口部を圧着して開口部のシールをヒーター108により行なうように、制御を行うことを特徴とするヒートシールシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−132448(P2009−132448A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95183(P2008−95183)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 2007日本国際包装機械展(ジャパンパック2007)、社団法人日本包装機械工業会、平成19年10月16日から10月20日「5日間」
【出願人】(000236964)富士インパルス株式会社 (35)
【Fターム(参考)】