説明

被乾燥物の乾燥方法及びその装置

【課題】被乾燥物の乾燥作業に用いた高沸点溶剤を沸騰蒸発させて、被乾燥物の表面から除去することにより、装置からの被乾燥物の安全な取り出しを可能とするとともに高沸点溶剤の回収を可能とし、環境への負荷を軽減し、ランニングコストを低くすることを可能とする。
【解決手段】沸点が水より高い高沸点溶剤2を導入した溶剤導入槽1内で、被乾燥物25を、水の沸点以上に加熱した高沸点溶剤2に接触させて被乾燥物25に付着した水分を沸騰蒸発させる。その後、真空乾燥槽10まで被乾燥物25を密閉空間内で移送し、溶剤導入槽1と真空乾燥槽10との連通を遮断した状態で、真空乾燥槽10内を減圧するとともに高沸点溶剤2の沸点以上に加熱し、被乾燥物25の表面に付着した高沸点溶剤2を蒸発させて被乾燥物25を乾燥する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品、プリント基板、機械部品等の被乾燥物に付着した水分を除去するための、被乾燥物の乾燥方法及びこの方法に用いる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品、プリント基板、機械部品等の被乾燥物に洗浄作業によって付着した水分を除去するための方法としては、遠心力により水分を分離する方法、被乾燥物に熱風を吹き付けて水分を蒸発させる方法、水と比重の異なる水分分離液中に被乾燥物を浸漬して水分を分離する方法等が公知となっている。
【0003】
しかし、上記の遠心力による方法や熱風を被乾燥物に吹き付ける方法は、被乾燥物が凹部や空洞を有する場合に、上記凹部や空洞内に水分が残存してしまうものとなり、水分を完全に除去することが困難であった。また、上記の水分分離液を用いる方法は、水分分離液と水分とが混合しないため、被乾燥物からの水分の除去や分離に、確実性がなかった。
【0004】
そこで、特許文献1に示す如き被乾燥物の乾燥方法が公知となっている。この方法は、水分の付着した被乾燥物を、沸点が水より高い高沸点溶剤中に浸漬するとともに、この高沸点溶剤を水の沸点以上で高沸点溶剤の沸点未満に加熱することにより、被乾燥物に付着した水分を沸騰蒸発させるものである。このような方法を用いることにより、被乾燥物が凹部や空洞を有する場合であっても、この凹部や空洞に高沸点溶剤が入り込むため、被乾燥物に付着した水分を確実に沸騰蒸発させて除去することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−7611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の方法に於いては、被乾燥物に付着した水分を高沸点溶剤の加熱により上述の如く蒸発除去させた後、被乾燥物の表面に高沸点溶剤が残留するものとなるが、この被乾燥物の表面に残留した高沸点溶剤の除去については記載されていない。そのため、高沸点溶剤を付着させたままの状態で被乾燥物を装置から取り出す場合には外気に曝すものとなり、高沸点溶剤が大気中に拡散し、環境に悪影響を与える可能性が生じる。また、上述の如き取り扱いをした場合は、高沸点溶剤が大気中に拡散するため、次の乾燥作業時には上記拡散分の高沸点溶剤を補充しなければならず、ランニングコストが高いものとなっていた。
【0007】
また、上述の如き取り扱いをした場合には、被乾燥物を装置から取り出す際に、装置内の高沸点溶剤が外気と接触するものとなるため、この外気との接触により高沸点溶剤が酸化劣化するものとなる。そのため、高沸点溶剤を頻繁に交換しなければならず、この点に於いてもランニングコストが高いものとなっていた。また、高沸点溶剤として可燃性のものを使用する場合には、高沸点溶剤が大気中に拡散すると、可燃性の高沸点溶剤が洗浄槽外の火気、静電気等に反応して引火する可能性があった。
【0008】
そこで、本願発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、被乾燥物の乾燥作業に用いた高沸点溶剤を真空乾燥槽内で沸騰蒸発させて、被乾燥物の表面から除去することにより、装置からの被乾燥物の安全な取り出しを可能とするとともに高沸点溶剤の回収を可能とし、環境への負荷を軽減し、ランニングコストを低くすることを可能にしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の如き課題を解決するため、本願第1発明は、被乾燥物の乾燥方法であって、沸点が水より高い高沸点溶剤を導入した溶剤導入槽内において、水分の付着した被乾燥物を、水の沸点以上に加熱した前記高沸点溶剤に接触させて被乾燥物に付着した水分を沸騰蒸発させる。なお、上述の水の沸点以上への高沸点溶剤の加熱は、高沸点溶剤の沸点未満まで加熱するものであっても良いし、高沸点溶剤の沸点以上まで加熱するものであっても良い。また、請求項及び本明細書中に於いて、「水分の付着した被乾燥物」には、「水分のみが付着した被乾燥物」と、「水分と、加工油、界面活性剤等の液体との混合液が付着した被乾燥物」の両方を含むものである。
【0010】
そして、上述の如く被乾燥物に付着した水分を沸騰蒸発させた後、上記溶剤導入槽との連通を遮断可能な真空乾燥槽まで被乾燥物を密閉空間内で移送する。そして、溶剤導入槽と真空乾燥槽との連通を遮断した状態で、真空乾燥槽内を減圧するとともに高沸点溶剤の沸点以上に加熱し、被乾燥物の表面に付着した高沸点溶剤を蒸発させて被乾燥物を乾燥するものである。
【0011】
また、本願第2発明は、上記方法を具現化した装置であって、水分の付着した被乾燥物を、水の沸点以上に加熱した沸点が水より高い高沸点溶剤に接触させて被乾燥物に付着した水分を沸騰蒸発させる溶剤導入槽と、上記水分の沸騰蒸発後の被乾燥物を導入し、槽内を減圧機構により減圧するとともに加熱機構により高沸点溶剤の沸点以上に加熱して、被乾燥物の表面に付着した高沸点溶剤を蒸発させて被乾燥物を乾燥可能とする、上記溶剤導入槽との連通を遮断可能な真空乾燥槽と、上記溶剤導入槽から真空乾燥槽へと被乾燥物を密閉空間内で移送する上下動機構と、を備えたものである。
【0012】
また、溶剤導入槽は、槽内を減圧可能としたものであっても良い。このように形成することにより、溶剤導入槽内に於いて、水の沸点以上に加熱した高沸点溶剤に被乾燥物を接触させて、被乾燥物に付着した水分を沸騰蒸発させたり、高沸点溶剤に被乾燥物を浸漬させて被乾燥物の浸漬洗浄を行う場合に、これらの作業を減圧状態で行うことが可能となる。そして、減圧状態に於いては、常圧と比較して酸素が少ないため、上記作業による高沸点溶剤の酸化劣化を抑制することが可能となる。そのため、高沸点溶剤の耐用期間を長くすることが可能となり、高沸点溶剤の交換頻度を少なくして、ランニングコストを低くすることが可能となる。また、上述の如く減圧では酸素が少ないため、高沸点溶剤として可燃性の溶剤を使用する場合であっても、引火のおそれを少なくすることができ、装置の安全な使用が可能となる。
【0013】
また、真空乾燥槽は、蒸気発生槽と接続し、被乾燥物の蒸気洗浄を可能としたものであっても良い。このように形成することにより、減圧した真空乾燥槽内に於いて、被乾燥物の真空乾燥だけでなく、被乾燥物の減圧蒸気洗浄も行うことが可能となり、装置の使用性を高めることが可能となる。また、真空乾燥槽と蒸気洗浄槽を別個に設ける場合と比較して、省スペース化が可能となるとともに、装置の製造コストを安くすることが可能となる。
【0014】
また、密閉空間は、溶剤導入槽と真空乾燥槽とで形成したものであっても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上述の如く構成したものであって、溶剤導入槽内に於いて、水分の付着した被乾燥物を、水の沸点以上に加熱した沸点が水より高い高沸点溶剤と接触させて被乾燥物に付着した水分を沸騰蒸発させるものであり、被乾燥物が凹部や空洞を有する場合であっても、この凹部や空洞に高沸点溶剤が入り込むため、被乾燥物に付着した水分を確実に沸騰蒸発させて除去することが可能となる。また、水分は上述の如く沸騰蒸発するため、水分が高沸点溶剤に溶解して新たな廃液が発生するおそれがなく、環境への負荷を小さくすることが可能となる。また、上述の如く高沸点溶剤に水分が混入しないため、高沸点溶剤を繰り返して使用することが可能となり、ランニングコストを低くすることが可能となる。
【0016】
また、上述の方法により溶剤導入槽内に於いて水分を沸騰蒸発させた被乾燥物を、上記溶剤導入槽との連通を遮断可能な真空乾燥槽まで「密閉空間」内で移送するため、被乾燥物の移送過程に於いて、被乾燥物及び被乾燥物の表面に付着した高沸点溶剤が外気と接触するおそれがない。また、上記の移送が完了したら、上記真空乾燥槽内に於いて被乾燥物の表面に付着した高沸点溶剤を蒸発させて被乾燥物を乾燥するため、被乾燥物を、水分及び高沸点溶剤が表面に付着していない完全に乾燥した状態で装置から取り出すことが可能となる。即ち、装置からの被乾燥物の取り出しの際にも、高沸点溶剤が外気と接触するおそれがない。
【0017】
本願発明に於いてはこのように、被乾燥物からの水分の除去、被被乾燥物の移送、乾燥及び装置からの取り出しという全過程に於いて、高沸点溶剤が大気と接触せず、高沸点溶剤が大気中に拡散するおそれがないため、環境への悪影響のおそれもないものとなる。また、大気中への拡散に伴う高沸点溶剤の補充の必要もないものとなり、ランニングコストを低くすることが可能となる。また、高沸点溶剤として可燃性の溶剤を使用する場合であっても、高沸点溶剤が外気と接触せず、装置外の火気、静電気等に反応して引火するおそれもないため、装置の安全な使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1に於いて、被乾燥物を溶剤導入槽内に配置した状態を示す断面図。
【図2】「第1の移送」の完了状態を示す実施例1の断面図。
【図3】「第2の移送」の完了状態を示す実施例1の断面図。
【実施例1】
【0019】
本発明の実施例1を図1〜3において説明すると、(1)は耐圧製の溶剤導入槽で、沸点が水より高い高沸点溶剤(2)を導入可能としている。上記高沸点溶剤(2)は、フッ素系溶剤、シリコーン系溶剤、炭化水素系溶剤等の非水系溶剤、高級アルコール、N−メチル−2−ピロリドン、3−メチル−3−メトキシブタノール等の親水性溶剤を用いることができる。
【0020】
また、上記溶剤導入槽(1)内の下端には、上記高沸点溶剤(2)を加熱するための第1加熱機構(3)を配置している。この第1加熱機構(3)及び後述の第2加熱機構(4)には、電気ヒーター、高圧蒸気流通管等の適宜の加熱装置を用いることが可能である。また、上記溶剤導入槽(1)の上部一側には、外気と連通する真空解除用の第1開閉弁(5)を、外気連通管(6)を介して接続している。
【0021】
また、上記溶剤導入槽(1)の上方には、図1に示す如く、上端の出入口(7)を蓋体(8)で開閉可能に密閉した耐圧製の真空乾燥槽(10)を配置している。そして、この真空乾燥槽(10)の内部と溶剤導入槽(1)の内部とを、溶剤導入槽(1)の天板(11)に開口した上端開口部(12)及び真空乾燥槽(10)の底板(13)に開口した下端開口部(14)を介して連通している。また、真空乾燥槽(10)の底板(13)の下面と溶剤導入槽(1)の天板(11)の上面との間には、溶剤導入槽(1)の上端開口部(12)及び真空乾燥槽(10)の下端開口部(14)の外周に沿って、Oリングにより形成した第1シール部材(15)を介装し、真空乾燥槽(10)と溶剤導入槽(1)の接続部分の気密性を保持している。また、溶剤導入槽(1)の天板(11)の下面には、前記上端開口部(12)の外周に沿って、Oリングにより形成した第2シール部材(16)を固定配置している。
【0022】
なお、本実施例に於いてはこのように、溶剤導入槽(1)と真空乾燥槽(10)とを別体に形成しているが、他の異なる実施例に於いては、溶剤導入槽(1)と真空乾燥槽(10)を一体に形成することも可能である。この場合には、溶剤導入槽(1)と真空乾燥槽(10)の間を被覆するための第1シール部材(15)が不要となるため、溶剤導入槽(1)と真空乾燥槽(10)を別体に形成する場合と比較して、装置の構成を簡易なものとすることが可能となる。
【0023】
また、上記溶剤導入槽(1)の天板(11)には、外部と連通する挿通穴(17)を貫通形成し、この挿通穴(17)に支持体(18)を挿通している。また、前記溶剤導入槽(1)の天板(11)の上面には、上記挿通穴(17)の外周に沿って、環状のハウジング(20)を密着固定している。また、このハウジング(20)の内部には、上記支持体(18)の上下動に対応して溶剤導入槽(1)内の気密性を保持する第3シール部材(21)を配置している。そのため、後述の如く溶剤導入槽(1)内及び真空乾燥槽(10)内を減圧した状態で支持体(18)を上下動させる場合に、気密性を保ち、溶剤導入槽(1)と外気との連通を遮断することが可能となる。なお、上記第3シール部材(21)は、前記第1、第2シール部材(15)(16)と同様、Oリングにより形成している。
【0024】
また、上記支持体(18)の上端を接続杆(22)を介して油圧シリンダー(23)のシリンダーロッド(24)に接続し、上記支持体(18)の下端に被乾燥物(25)の載置台(26)を直角に連結固定して、被乾燥物(25)の上下動機構(27)を構成している。そして、この上下動機構(27)は、上記油圧シリンダー(23)を稼働してシリンダーロッド(24)を上下動させることにより、接続杆(22)を介して支持体(18)及び載置台(26)を上下動可能としている。なお、本実施例に於いては上下動機構(27)として油圧シリンダー(23)を用いているが、他の異なる実施例に於いては、空圧シリンダー、スクリューねじ、チェーンブロック等の適宜の構成を用いることが可能である。
【0025】
また、上記載置台(26)の上面には、被乾燥物(25)を載置するための載置部(28)を固定配置している。そして、この載置部(28)に被乾燥物(25)を載置した状態で、上下動機構(27)の油圧シリンダー(23)を稼働してシリンダーロッド(24)を上下動させることにより、接続杆(22)、支持体(18)、載置台(26)、載置部(28)及びこの載置部(28)に載置した被乾燥物(25)を上下動させ、図1〜図3に示す如く、被乾燥物(25)を溶剤導入槽(1)から真空乾燥槽(10)まで移送することを可能としている。なお、上記載置部(28)の形成幅は、溶剤導入槽(1)の上端開口部(12)の内径及び真空乾燥槽(10)の下端開口部(14)の内径よりも狭いものとし、被乾燥物(25)の真空乾燥槽(10)への導入を妨げないものとしている。また、上記の載置台(26)は、図3に示す如く、溶剤導入槽(1)の天板(11)の下面に、上面外周を前記第2シール部材(16)を介して押圧することにより上端開口部(12)を密閉し、上記溶剤導入槽(1)と真空乾燥槽(10)との連通を遮断可能としている。
【0026】
また、上記真空乾燥槽(10)は、エゼクター、バキュームポンプ等で構成した減圧機構(30)と接続しており、溶剤導入槽(1)と真空乾燥槽(10)との連通を上記載置台(26)により遮断している場合には真空乾燥槽(10)のみを上記減圧機構(30)により減圧可能とし、遮断していない場合には真空乾燥槽(10)及び溶剤導入槽(1)の両方を上記減圧機構(30)により減圧可能としている。真空乾燥槽(10)と減圧機構(30)との接続は、真空乾燥槽(10)の上部一側に、第2開閉弁(31)を設けた真空配管(32)の一端を接続している。また、この真空配管(32)には、真空乾燥槽(10)と第2開閉弁(31)との間に、外気と連通する真空解除用の第3開閉弁(33)を設けている。
【0027】
また、図1〜図3に示す如く、上記真空配管(32)の他端を分岐して、水分冷却器(34)と溶剤冷却器(35)とに、それぞれ第4、第6開閉弁(36)(38)を介して接続している。また、水分冷却器(34)は、第5開閉弁(37)を介して減圧機構(30)に接続し、溶剤冷却器(35)は、第7開閉弁(40)を介して減圧機構(30)に接続している。そして、第1、第3、第6、第7開閉弁(5)(33)(38)(40)を閉止するとともに第2、第4、第5開閉弁(31)(36)(37)を開放した状態で減圧機構(30)を稼働することにより、真空乾燥槽(10)内及び溶剤導入槽(1)内を、水分冷却器(34)を介して減圧可能としている。また、第1、第3、第4、第5開閉弁(5)(33)(36)(37)を閉止するとともに第2、第6、第7開閉弁(31)(38)(40)を開放した状態で上記減圧機構(30)を稼働することにより、真空乾燥槽(10)内及び溶剤導入槽(1)内を、溶剤冷却器(35)を介して減圧可能としている。
【0028】
また、前記水分冷却器(34)の下端には、真空解除用の第8開閉弁(41)を設けた水分回収槽(42)を接続し、この水分回収槽(42)には、水分排出用の第9開閉弁(43)を設けている。また、前記溶剤冷却器(35)の下端には、第10開閉弁(44)を介して、外気と連通可能な第11開閉弁(45)を設けた溶剤回収槽(46)を接続し、この溶剤回収槽(46)を、第12開閉弁(47)及び第13開閉弁(48)を介して溶剤導入槽(1)に接続して、溶剤戻しライン(50)を構成している。
【0029】
また、前記溶剤導入槽(1)は、溶剤戻しライン(50)との接続位置よりも低い位置に、第14開閉弁(51)を設けたオーバーフロー管(52)を介してリザーブ槽(53)を接続しており、溶剤導入槽(1)内の高沸点溶剤(2)が一定水位を超えた場合には、溶剤導入槽(1)内の高沸点溶剤(2)を、オーバーフロー管(52)を介してリザーブ槽(53)に導入可能としている。また、リザーブ槽(53)は、高沸点溶剤(2)の不足を感知するための第1液位センサー(54)を下端部に設けている。
【0030】
また、上記リザーブ槽(53)は、第15開閉弁(55)を介して耐圧製の蒸気発生槽(56)と接続し、この蒸気発生槽(56)を、第16開閉弁(57)を介して真空乾燥槽(10)と接続している。そして、第16開閉弁(57)を開放した状態で減圧機構(30)を稼働することにより、蒸気発生槽(56)内を減圧可能としている。また、このように蒸気発生槽(56)内を減圧した状態で、第14、第15開閉弁(51)(55)を開放することにより、蒸気発生槽(56)内の負圧を利用して、リザーブ槽(53)内の高沸点溶剤(2)を蒸気発生槽(56)内に導入可能としている。
【0031】
また、前記蒸気発生槽(56)内には、第2加熱機構(4)を下部に配置するとともに、高沸点溶剤(2)の空炊きを防止するための第2液位センサー(58)を、上記第2加熱機構(4)よりも高い位置に配置している。そして、減圧機構(30)により減圧した蒸気発生槽(56)内に於いて、第2加熱機構(4)により高沸点溶剤(2)を加熱して発生させた溶剤蒸気を、第16開閉弁(57)を開弁した状態で真空乾燥槽(10)内に導入可能としている。これにより、真空乾燥槽(10)内に於いて、被乾燥物(25)の常圧蒸気洗浄又は減圧蒸気洗浄を行うことを可能としている。
【0032】
上述の如く構成したものに於いて、水分の付着した被乾燥物(25)の乾燥作業を行う方法について以下に説明する。なお、本実施例に於いては、上述の被乾燥物(25)の乾燥作業と並行して、被乾燥物(25)の減圧浸漬洗浄及び減圧蒸気洗浄を行うものとする。まず、図3に示す如く載置部(28)を真空乾燥槽(10)内に配置した状態で、真空乾燥槽(10)に設けた蓋体(8)を開放し、載置部(28)に水分の付着した被乾燥物(25)を載置して、上記蓋体(8)を閉止する。この状態では、載置台(26)は、溶剤導入槽(1)の天板(11)の下面に、上面外周を前記第2シール部材(16)を介して押圧し、上記溶剤導入槽(1)と真空乾燥槽(10)との連通を遮断している。そのため、溶剤導入槽(1)から真空乾燥槽(10)への溶剤蒸気の流入を防止することができる。
【0033】
そして、上記蓋体(8)により出入口(7)を密閉した後、上下動機構(27)の油圧シリンダー(23)を稼働し、載置部(28)に載置した被乾燥物(25)を下降させることにより、図1に示す如く、予め溶剤導入槽(1)内に充填しておいた高沸点溶剤(2)内に、被乾燥物(25)を浸漬させる。
【0034】
そして、第1、第3、第6〜第16開閉弁(5)(33)(38)(40)(41)(43)(44)(45)(47)(48)(51)(55)(57)を閉止するとともに第2、第4、第5開閉弁(31)(36)(37)を開放し、減圧機構(30)を稼働して、溶剤導入槽(1)及び真空乾燥槽(10)の内部を一定の減圧度まで減圧する。そして、溶剤導入槽(1)内に配置した前記第1加熱機構(3)を稼働し、溶剤導入槽(1)内の高沸点溶剤(2)を、上記の減圧状態における水の沸点以上で高沸点溶剤(2)の沸点未満まで加熱する。これにより、被乾燥物(25)の表面に付着した水分を沸騰蒸発させる。
【0035】
本実施例に於いてはこのように、減圧した溶剤導入槽(1)内に於いて、水分の付着した被乾燥物(25)を、水の沸点以上に加熱した沸点が水より高い高沸点溶剤(2)と接触させて被乾燥物(25)に付着した水分を沸騰蒸発させるものであり、被乾燥物(25)が凹部や空洞を有する場合であっても、減圧状態ではこの凹部や空洞に存在する空気を排除し、高沸点溶剤(2)が入り込むため、被乾燥物(25)に付着した水分を確実に沸騰蒸発させて除去することが可能となる。また、水分は上述の如く沸騰蒸発するため、水分が高沸点溶剤(2)に溶解して新たな廃液が発生するおそれがなく、環境への負荷を小さくすることが可能となる。また、上述の如く水分は蒸発し、高沸点溶剤(2)に水分が混入しないため、高沸点溶剤(2)を繰り返して使用することが可能となり、ランニングコストを低くすることが可能となる。
【0036】
また、本実施例に於いては前述の如く、水の沸点以上に加熱した高沸点溶剤(2)に被乾燥物(25)を接触させて、被乾燥物(25)に付着した水分を沸騰蒸発させる作業を、耐圧製の溶剤導入槽(1)内に於いて減圧状態で行うから、常圧と比較して酸素が少ないため、上記作業による高沸点溶剤(2)の酸化劣化を抑制することが可能となる。そのため、高沸点溶剤(2)の耐用期間を長くすることが可能となり、高沸点溶剤(2)の交換頻度を少なくして、ランニングコストを低くすることが可能となる。また、上述の如く減圧では酸素が少ないため、高沸点溶剤(2)として炭化水素系溶剤、親水性溶剤の如き可燃性の溶剤を使用する場合であっても、引火のおそれを少なくすることができ、装置の安全な使用が可能となる。
【0037】
なお、本実施例に於いてはこのように、被乾燥物(25)からの水分の除去作業を、耐圧製の溶剤導入槽(1)内を減圧して行っているが、他の異なる実施例に於いては、常圧用の溶剤導入槽(1)を用いて、被乾燥物(25)からの水分の除去作業を常圧で行うことも可能である。この場合には、溶剤導入槽(1)及び真空乾燥槽(10)の双方を耐圧製とする場合と比較して、装置の製造コストを安くすることが可能となるが、前述の如き減圧による効果は得られないものとなる。
【0038】
また、水分の付着した被乾燥物(25)を水の沸点以上に加熱した高沸点溶剤(2)に浸漬させて、被乾燥物(25)に付着した水分の沸騰蒸発作業を上述の如く行うと、これに伴って、被乾燥物(25)の浸漬洗浄を行うことが可能となる。即ち、被乾燥物(25)の表面に、研削屑、切削屑等の固形物や切削油、研削油、プレス油等の液体が水分とともに付着している場合に、被乾燥物(25)を加熱した高沸点溶剤(2)と前述の如く接触させることで、これらの固形物や液体を、被乾燥物(25)から除去することが可能となる。特に、前述の親水性溶剤を高沸点溶剤(2)として用いる場合には、水分に溶解した界面活性剤、炭化水素系溶剤等の液体を、上記親水性溶剤に溶解させて洗い落とすことが可能となるため、上記の洗浄効果を一層高めることが可能となる。
【0039】
また、上述の如く被乾燥物(25)の表面から沸騰蒸発させた水分を、減圧機構(30)により水分冷却器(34)に吸引導入し、この水分冷却器(34)で凝縮液化する。この凝縮液化した水分は、自重により、水分回収槽(42)内に流入する。そして、上述の水分の沸騰蒸発作業が終了した後には、第4、第5開閉弁(36)(37)を閉止するとともに第8開閉弁(41)を開放して水分回収槽(42)内の真空状態を解除した後、第9開閉弁(43)を開放することにより、前述の如く水分回収槽(42)内に流入した水分を排出可能としている。
【0040】
また、被乾燥物(25)の表面に付着した水分を前述の如く沸騰蒸発させた後、本実施例では、前記真空乾燥槽(10)内に於いて被乾燥物(25)の減圧蒸気洗浄を行う。この減圧蒸気洗浄を行うには、上下動機構(27)の油圧シリンダー(23)を稼働させて、図2に示す如く、載置台(26)の上面と第2シール部材(16)とが一定の対向間隔(60)を介して対向する位置まで、載置部(28)及び被乾燥物(25)を上昇させて、被乾燥物(25)を真空乾燥槽(10)内に移送する(以下、これを「第1の移送」という)。その際、前述の如く、支持体(18)と溶剤導入槽(1)の挿通穴(17)との接触部分の気密性を第3シール部材(21)で保持しているため、支持体(18)の上下動に伴って気密性が損なわれるおそれがなく、上記「第1の移送」を、溶剤導入槽(1)と真空乾燥槽(10)により構成する密閉空間内で行うことができる。そのため、溶剤導入槽(1)及び真空乾燥槽(10)の減圧状態が維持されるものとなる。
【0041】
そして、蒸気発生槽(56)内に配置した第2加熱機構(4)を稼働し、蒸気発生槽(56)内の高沸点溶剤(2)をその沸点以上まで加熱し、溶剤蒸気を発生させる。なお、蒸気発生槽(56)内の高沸点溶剤(2)が不足した場合には、この不足を前記第2液位センサー(58)で感知し、前記リザーブ槽(53)から蒸気発生槽(56)に高沸点溶剤(2)を導入する。そして、上述の如く発生させた溶剤蒸気を、第16開閉弁(57)を開放して真空乾燥槽(10)内に導入し、被乾燥物(25)に接触させることにより、被乾燥物(25)の減圧蒸気洗浄を行う。この減圧蒸気洗浄に用いられた溶剤蒸気は、被乾燥物(25)との接触により凝縮液化されて、前記対向間隔(60)を介して自重により溶剤導入槽(1)内に復元する。
【0042】
本実施例に於いてはこのように、真空乾燥槽(10)を蒸気発生槽(56)と接続し、減圧した真空乾燥槽(10)内に於いて、被乾燥物(25)の減圧蒸気洗浄を行うことを可能としている。そのため、真空乾燥槽(10)内に於いて後述の被乾燥物(25)の真空乾燥のみを行う場合と比較して、装置の使用性を高めることが可能となる。また、真空乾燥槽(10)と蒸気洗浄を行うための槽を別個に設ける場合と比較して、省スペース化が可能となるとともに、装置の製造コストを安くすることが可能となる。
【0043】
また、本実施例に於いては、被乾燥物(25)の表面から水分を沸騰蒸発させるのに伴い前述の如く被乾燥物(25)の浸漬洗浄を行い、上記水分の沸騰蒸発作業の完了後に、上述の如く被乾燥物(25)の蒸気洗浄を行うものである。そのため、上述の被乾燥物(25)の浸漬洗浄及び蒸気洗浄により、被乾燥物(25)の洗浄度を一層高めることが可能となる。
【0044】
また、上述の被乾燥物(25)の蒸気洗浄作業は、高沸点溶剤(2)の蒸留再生作業を兼ねるものである。即ち、蒸気発生槽(56)に導入した高沸点溶剤(2)に、切削油、研削油、プレス油等の加工油や、切削屑、研削屑等の固形汚物が混入している場合に、高沸点溶剤(2)を蒸気発生槽(56)内に於いて沸点以上まで加熱することで、上記混入物を蒸気発生槽(56)内に残留させたまま、高沸点溶剤(2)の溶剤蒸気のみを真空乾燥槽(10)内に導入することができる。そのため、高沸点溶剤(2)の再利用が可能となり、ランニングコストを低くすることが可能となるとともに、環境への負荷を小さくすることが可能となる。
【0045】
そして、上述の被乾燥物(25)の蒸気洗浄作業が完了した後、上記被乾燥物(25)の真空乾燥作業を行う。そのためには、まず、前記上下動機構(27)の油圧シリンダー(23)を稼働することにより、シリンダーロッド(24)、接続杆(22)、支持体(18)、載置台(26)、載置部(28)及びこの載置部(28)の上に載置された被乾燥物(25)を上昇させて、第2シール部材(16)の下面と載置台(26)の上面を、図3に示す如く密着させ、溶剤導入槽(1)と真空乾燥槽(10)との連通を遮断する(以下、これを「第2の移送」とする)。このように、溶剤導入槽(1)と真空乾燥槽(10)との連通を遮断することで、後述の被乾燥物(25)の真空乾燥時に於いて、溶剤導入槽(1)内の高沸点溶剤(2)が真空乾燥槽(10)内に流入し、被乾燥物(25)に接触するのを防止することが可能となる。なお、前述の如く、支持体(18)と溶剤導入槽(1)の挿通穴(17)との接触部分の気密性を第3シール部材(21)で保持しているため、上記の第2の移送を、第1の移送と同様に、溶剤導入槽(1)と真空乾燥槽(10)により構成する密閉空間内で行うことが可能となる。そのため、溶剤導入槽(1)及び真空乾燥槽(10)の減圧状態を維持することが可能となる。
【0046】
そして、第4、第5開閉弁(36)(37)を閉止するとともに第6、第7開閉弁(38)(40)を開放して減圧機構(30)を稼働し、真空乾燥槽(10)内の減圧度を高める。これにより、被乾燥物(25)の表面に付着した高沸点溶剤(2)の沸点を低下させて、上記高沸点溶剤(2)を沸騰蒸発させ、被乾燥物(25)を乾燥させる。この真空乾燥作業が完了したら、第2開閉弁(31)を閉止するとともに第3開閉弁(33)を開放して真空乾燥槽(10)内の真空状態を解除するとともに、真空乾燥槽(10)の上端に設けた蓋体(8)を開放し、前記真空乾燥槽(10)の出入口(7)から被乾燥物(25)を取り出す。
【0047】
本願発明に於いてはこのように、真空乾燥槽(10)内に於いて被乾燥物(25)の表面に付着した高沸点溶剤(2)を蒸発させて被乾燥物(25)を乾燥させるため、被乾燥物(25)を、水分及び高沸点溶剤(2)が表面に付着していない完全に乾燥した状態で装置から取り出すことが可能となる。即ち、装置からの被乾燥物(25)の取り出しの際に、高沸点溶剤(2)が外気と接触するおそれがない。また、溶剤導入槽(1)内に於ける水分の沸騰蒸発作業及び前記第1、第2の移送についても、前述の如く、溶剤導入槽(1)と真空乾燥槽(10)とで構成される密閉空間内で行うため、これらの作業の過程において、高沸点溶剤(2)が外気と接触するおそれがない。
【0048】
即ち、被乾燥物(25)からの水分の除去、被乾燥物(25)の移送、乾燥及び装置からの取り出しという全過程に於いて、高沸点溶剤(2)が大気と接触せず、高沸点溶剤(2)が大気中に拡散するおそれがないものとなる。そのため、環境への悪影響のおそれがないものとなるとともに、大気中への拡散に伴う高沸点溶剤(2)の補充の必要もないものとなり、ランニングコストを低くすることが可能となる。また、高沸点溶剤(2)として、炭化水素系溶剤、親水性溶剤等の可燃性の溶剤を使用する場合であっても、高沸点溶剤(2)が外気と接触せず、装置外の火気、静電気等に反応して引火するおそれもないため、装置の安全な使用が可能となる。
【0049】
また、上述の如く被乾燥物(25)の表面から沸騰蒸発させた高沸点溶剤(2)は、減圧機構(30)により第6開閉弁(38)を介して溶剤冷却器(35)に吸引導入し、凝縮液化する。この凝縮液化した高沸点溶剤(2)は、自重により、第10開閉弁(44)を介して溶剤回収槽(46)内に流入する。そして、上述の高沸点溶剤(2)の沸騰蒸発作業が終了した後には、第10開閉弁(44)を閉止し、第11開閉弁(45)を開放して溶剤回収槽(46)内の真空状態を解除した後、第12、第13開閉弁(47)(48)を開放することにより、前述の如く溶剤回収槽(46)内に流入した高沸点溶剤(2)を、溶剤戻しライン(50)を介して溶剤導入槽(1)内に環流させる。これにより、高沸点溶剤(2)の再利用が可能となる。
【0050】
本実施例に於いてはこのように、真空乾燥槽(10)内の加熱温度を高沸点溶剤(2)の沸点以上に高めて高沸点溶剤(2)を沸騰蒸発させる際には、第4開閉弁(36)を閉止するとともに第6開閉弁(38)を開放して、上記の沸騰蒸発した高沸点溶剤(2)を溶剤冷却器(35)に回収する。また、前述の如く、溶剤導入槽(1)に於いて高沸点溶剤(2)を水の沸点以上で高沸点溶剤(2)の沸点未満まで加熱し、被乾燥物(25)に付着した水分を沸騰蒸発させる際には、第6開閉弁(38)を閉止するとともに第4開閉弁(36)を開放して、上記の沸騰蒸発した水分を水分冷却器(34)に回収する。このように、真空乾燥槽(10)内で沸騰蒸発させた水分と高沸点溶剤(2)とをそれぞれ別々に回収することが可能となるため、回収効率を高め、装置の使用性を向上させることが可能となる。
【0051】
なお、本実施例に於いてはこのように、水分冷却器(34)と溶剤冷却器(35)とを別個に形成しているが、高沸点溶剤(2)として非水系の溶剤を用いる場合には、水分冷却器(34)と溶剤冷却器(35)とを別個に設けずに、水分と高沸点溶剤(2)を単一の冷却器で凝縮し、この凝縮後に水分分離器(図示せず)を用いて、水分と高沸点溶剤(2)をその比重差を利用して分離するものであっても良い。この場合には、水分冷却器(34)と溶剤冷却器(35)とを別個に形成する場合と比較して、装置の構成を簡易なものとし、装置の製造コストを低く抑えることが可能となる。
【0052】
一方で、上記高沸点溶剤(2)として親水性の溶剤を用いる場合には、水分と高沸点溶剤(2)を同一の凝縮器で凝縮すると、水分が高沸点溶剤(2)に溶解してしまうため、その後に水分と高沸点溶剤(2)とを水分分離器を用いて分離することはできず、新たな廃液が大量に発生してしまうおそれがある。従って、この場合には、本実施例の如く水分冷却器(34)と溶剤冷却器(35)とを別々に設けて、水分と高沸点溶剤(2)とを別々の冷却器で凝縮して回収することが必要となる。
【符号の説明】
【0053】
1 溶剤導入槽
2 高沸点溶剤
3、4 加熱機構
10 真空乾燥槽
25 被乾燥物
27 上下動機構
30 減圧機構
56 蒸気発生槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
沸点が水より高い高沸点溶剤を導入した溶剤導入槽内において、水分の付着した被乾燥物を、水の沸点以上に加熱した前記高沸点溶剤に接触させて被乾燥物に付着した水分を沸騰蒸発させた後、上記溶剤導入槽との連通を遮断可能な真空乾燥槽まで被乾燥物を密閉空間内で移送し、溶剤導入槽と真空乾燥槽との連通を遮断した状態で、真空乾燥槽内を減圧するとともに高沸点溶剤の沸点以上に加熱し、被乾燥物の表面に付着した高沸点溶剤を蒸発させて被乾燥物を乾燥することを特徴とする被乾燥物の乾燥方法。
【請求項2】
水分の付着した被乾燥物を、水の沸点以上に加熱した沸点が水より高い高沸点溶剤に接触させて被乾燥物に付着した水分を沸騰蒸発させる溶剤導入槽と、上記水分の沸騰蒸発後の被乾燥物を導入し、槽内を減圧機構により減圧するとともに加熱機構により高沸点溶剤の沸点以上に加熱して、被乾燥物の表面に付着した高沸点溶剤を蒸発させて被乾燥物を乾燥可能とする、上記溶剤導入槽との連通を遮断可能な真空乾燥槽と、上記溶剤導入槽から真空乾燥槽へと被乾燥物を密閉空間内で移送する上下動機構と、を備えたことを特徴とする被乾燥物の乾燥装置。
【請求項3】
溶剤導入槽は、槽内を減圧可能としたことを特徴とする請求項1に記載の被乾燥物の乾燥方法。
【請求項4】
溶剤導入槽は、槽内を減圧可能としたことを特徴とする請求項2に記載の被乾燥物の乾燥装置。
【請求項5】
真空乾燥槽は、蒸気発生槽と接続し、被乾燥物の蒸気洗浄を可能としたことを特徴とする請求項1に記載の被乾燥物の乾燥方法。
【請求項6】
真空乾燥槽は、蒸気発生槽と接続し、被乾燥物の蒸気洗浄を可能としたことを特徴とする請求項2に記載の被乾燥物の乾燥装置。
【請求項7】
密閉空間は、溶剤導入槽と真空乾燥槽とで形成したことを特徴とする請求項1に記載の被乾燥物の乾燥方法。
【請求項8】
密閉空間は、溶剤導入槽と真空乾燥槽とで形成したことを特徴とする請求項2に記載の被乾燥物の乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−47570(P2011−47570A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195911(P2009−195911)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【特許番号】特許第4575513号(P4575513)
【特許公報発行日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(390019884)ジャパン・フィールド株式会社 (28)
【Fターム(参考)】