説明

被検体容器、位相差顕微鏡の調整方法およびプログラム

【課題】 位相差顕微鏡の観察条件の調整をより容易に行うことのできる被検体容器を提供する。
【解決手段】 被検体容器は、入射光を透過させる底面部と、側壁部とを備える。側壁部は、底面部に立設され、上面側が開口された容器を底面部とともに形成する。そして、底面部は、入射光の光路長を変化させる位相変調領域を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相差顕微鏡の観察条件の調整に使用できる被検体容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、透明な生物標本を染色することなく透過観察するために位相差顕微鏡が使われている。かかる位相差顕微鏡では、位相差の検出限界や分解能などの性能評価や、透過観察時における生物標本の微細構造の大きさを測定するために、位相標本を基準として用いている。なお、特許文献1には、上記の位相標本の一例が開示されている。
【特許文献1】特開2000−275535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来は、生物標本を収容する被検体容器と上記の位相標本とがそれぞれ独立していた。そのため、位相差顕微鏡を好ましい観察条件に調整するときには、被検体容器と位相標本とを入れ替えて観察を行う必要が生じ、その調整作業が煩雑となる点で改善の余地があった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、位相差顕微鏡の観察条件の調整をより容易に行うことのできる被検体容器と、この被検体容器を使用した位相差顕微鏡の調整方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明に係る被検体容器は、入射光を透過させる底面部と、側壁部とを備える。側壁部は、底面部に立設され、上面側が開口された容器を底面部とともに形成する。そして、底面部は、入射光の光路長を変化させる位相変調領域を有する。
【0006】
第2の発明は、第1の発明の被検体容器を用いた位相差顕微鏡の調整方法であって、位相差顕微鏡が、被検体容器を照射する光源と、被検体容器の位相変調領域を撮像して画像のデータを生成する撮像部と、画像の焦点位置を調整する合焦位置調整部と、位相変調領域を所望の撮像条件で撮像した第1画像と、第1画像から求めた第1位相差値との対応関係を予め記録したメモリと、制御部とを備えるときに、以下のステップを実行するものである。
【0007】
第1のステップでは、撮像部が、第1画像に対応する前記位相変調領域を撮像して第2画像を生成する。第2のステップでは、制御部が、第2画像のデータに基づいて第2位相差値を求める。第3のステップでは、制御部が、第1位相差値と第2位相差値との差に基づいて、光源の光量、焦点位置、撮像部の撮像感度の少なくとも1つのパラメータを変更し、第2位相差値を第1位相差値に近づける調整値を求める。
【0008】
なお、上記第2の発明を、コンピュータプログラムや位相差顕微鏡の構成などに変換して表現したものも本発明の具体的態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の被検体容器によれば、容器の底面部にある位相変調領域を用いて位相差顕微鏡の観察条件を容易に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(被検体容器の構成の説明)
図1は、本実施形態の被検体容器の一例を示す平面図である。図2は、本実施形態の被検体容器の断面図である。
【0011】
被検体容器1は、容器本体2と、蓋体3とで構成される。なお、容器本体2および蓋体3は、いずれもプラスチックまたはガラスなどの透光性材料で形成されている。そのため、被検体容器1の内部にある標本は、位相差顕微鏡で観察することができる。
【0012】
容器本体2は、底面部2aと、側壁部2bと、隔壁部2cとを有している。底面部2aは長方形状の平板であって、その外周を囲むように側壁部2bが立設されている。そのため、容器本体2の全体形状は、上面が開口された矩形の薄箱状をなしている。また、隔壁部2cは上面からみて底面部2aに十字状に配置されており、容器本体2の内部空間を4つの領域に区切っている。この隔壁部2cで区切られた各領域は、それぞれが独立した小容器4を構成する。そして、小容器4のうちの1つには、後述の位相変調領域5が底面部2aに設けられる。また、他の3つの小容器4は、位相差顕微鏡の観察対象となる生物標本6(生体細胞や細菌など)の培養に用いられる。また、容器本体2内の各々の小容器4は底面部2aが共通するため、その底面部2aの位置は一定の高さに揃えられている。
【0013】
蓋体3は、容器本体2よりも若干大きな長方形状に形成されている。この蓋体3は、容器本体2の上面を閉塞し、細胞培養時に容器内と外部とのコンタミネーションを防止する。
【0014】
また、図1における容器本体2の右下の小領域には位相変調領域5が設けられている。この位相変調領域5には、複数の突起部が凹凸をなすように所定のパターンで配置されている。そして、上記の凹凸状の構造によるパターンは、入射光のうちの透過光と回折光との光路長を変化させて、光の位相に変化を生じさせる位相差基準7をなしている。なお、位相差基準7の入射光の波長がλで、位相差基準7の高さがh、Δnの屈折率差を有する場合、位相差基準7により生じる位相差δは(2π/λ)・h・Δnで求めることができる。
【0015】
上記の位相差基準7は、例えば、図2(a)に示すように、容器本体2の底面部2aの容器内面側に、容器本体2とは別に設けられた位相標本のパーツを接合して形成される。あるいは、図2(b)および(c)に示すように、容器本体2の底面部2aの容器内面側に凹凸加工を施すことで、容器本体2に位相差基準7を形成してもよい。なお、位相差基準7における凹凸構造は、例えば、型材を用いた樹脂の成形や、リソグラフィなどによる公知の微細加工手段で形成することができる。
【0016】
また、位相差基準7は、図2(b)に示すように凹凸状に加工された1つの材質のみで形成することもできるが、図2(a)および図2(c)に示すように屈折率の異なる2つの材質を交互に凹凸がかみ合うように積層させて形成してもよい。特に、所望の位相差δの値が小さいケースでは、2つの材質の屈折率差Δnを小さくするように調整すると、位相差基準7の高さhを調整する場合よりも所望の位相差δの値を容易に得ることができる。
【0017】
また、図3と図4とは、位相差基準7のパターンの例を示す図である。図3では、ラインアンドスペースのパターンで位相差基準7を形成している。これらの位相差基準7において、凹凸の高さ、凹凸の幅、凹凸の配列方向は任意に設定することができる。位相差顕微鏡の観察条件を精度よく調整する観点からは、一つの位相変調領域5には、各々のパターンの種類(凹凸の高さ、凹凸の幅、凹凸の配列方向)が異なる複数の位相差基準7を設けておくことが好ましい。例えば、図3(a)は、ラインアンドスペースのパターンにおいて、各々の凹凸の幅を変化させた例を示す。図3(a)のパターンでは、L1<L2になるように凹凸の幅を変化させている。図3(b)は、垂直方向および水平方向のラインアンドスペースのパターンを組み合わせた例を示す。図3(c)は、ラインアンドスペースのパターンで凹凸の高さを変化させた例を示している。図3(c)のパターンでは、h1>h2になるように凹凸の高さを変化させている。また、図4は、位相差基準7を階段状に形成した例を示している。
【0018】
(位相差顕微鏡の構成の説明)
図5は、本実施形態の位相差顕微鏡システムのブロック図である。
【0019】
位相差顕微鏡システムは、顕微観察系8と、撮像部9と、制御部10と、メモリ11と、モニタ12と、光源駆動部13およびステージ駆動部14とを備えている。ここで、撮像部9、メモリ11、モニタ12、光源駆動部13およびステージ駆動部14は、それぞれ制御部10と接続されている。
【0020】
顕微観察系8は、図5の上側から下側に向けて配置順に、照明光を照射する光源15と、リング絞り(開口絞り)16と、コンデンサレンズ17と、ステージ18と、対物レンズ19と、位相板20と、結像レンズ21とを有している。なお、光源15の光量は、光源駆動部13を介して制御部10により制御される。
【0021】
リング絞り16は、リング状の開口を有する円板であって、光源15からの照明光をリング状の絞り光とする。このリング絞り16はコンデンサレンズ17の前側焦点位置に配置されている。また、コンデンサレンズ17はリング絞り16を通過した光束を集光し、ステージ18上の被検体容器1を照射する。
【0022】
ステージ18には、上記の被検体容器1が載置される。このステージ18は、ステージ駆動部14の動作によって図中のXY方向およびZ方向に移動する。なお、位相差顕微鏡システムでは、ステージ18のZ方向位置を調整することで焦点位置を調整できる。
【0023】
対物レンズ19は、被検体容器1を透過した直接光(0次光)と、上記の被検体容器1内の位相物体に応じて発生した回折光とを透過させる。なお、図5では1本の対物レンズ19のみを示したが、本実施形態の位相差顕微鏡システムでは、倍率が異なる複数の対物レンズ19によって観察可能である。
【0024】
位相板20は、リング絞り16の開口と同形状のリング状の位相変換部20aを有する透明な円板である。位相変換部20aは、位相標本または生物標本6で生じた回折光の一部を透過して、この透過光の位相に遅れ(または進み)を生じさせるとともに、透過光量を低下させる。なお、位相板20は、対物レンズ19の後側焦点面位置であって、リング絞り16と共役な位置に配置されている。
【0025】
結像レンズ21は、上記の直接光と回折光とに基づいて、観察対象の拡大像を撮像部9に結像させる。なお、図5では結像レンズ21を便宜上1枚のレンズとして図示する。
【0026】
撮像部9は、顕微観察系8による結像を撮像して画像のデータを出力する。この撮像部9は、撮像素子と、撮像素子の出力のゲイン調整およびA/D変換を行うアナログフロントエンドと、各種の画像処理を行う画像処理部とを有している。なお、図5では、撮像部9の個々の構成要素の図示は省略する。
【0027】
制御部10は、所定のシーケンスプログラムにしたがって、位相差顕微鏡システムの統括的な制御を行うコンピュータである。例えば、制御部10は、ステージ駆動部14を駆動させてステージ18と対物レンズ19との位置関係を調整する。また、制御部10は、撮像部9のゲインを制御して撮像感度の調整を行う。
【0028】
メモリ11には、撮像部9で生成された画像のデータを記録することができる。メモリ11には、被検体容器1の位相差基準7を撮像して得た基準画像と、この基準画像の位相差値(基準画像における階調値の度数分布)との対応関係が記録されている。なお、上記の基準画像には、位相差基準7を好ましい状態で撮像した画像が一般に用いられる。また、モニタ12は、制御部10の指示に応じて画像を表示する。
【0029】
以下、図6を参照しつつ、本実施形態の位相差顕微鏡システムでの調整処理を説明する。
【0030】
ステップS1で、制御部10は撮像部9を駆動させて、被検体容器1の位相差基準7を撮像する。
【0031】
ステップS2で、制御部10は、現在の観察対象(S1で撮像した位相差基準7)に対応する基準画像のデータがメモリ11に登録されているか否かを判定する。具体的には、制御部10は、S1で撮像した画像とメモリ11に記録された基準画像とのマッチングを行い、この結果に基づいて上記の判定を実行する。基準画像のデータがメモリ11に記録されている場合(Y)には、S3に移行する。一方、基準画像のデータがメモリ11に記録されていない場合(N)には、制御部10は図6の処理を終了する。
【0032】
ステップS3で、制御部10は、現在の観察対象に対応する基準画像の位相差値のデータをメモリ11から読み出す。
【0033】
ステップS4で、制御部10は、S3で取得した基準画像の位相差値に近づくように、位相差顕微鏡システムの撮像条件(光源15の光量、撮像部9の撮像感度、焦点位置)を調整する。例えば、制御部10はS1で撮像された画像から階調値の度数分布を求める。そして、制御部10は、S1の画像に基づく階調値の度数分布と、基準画像の階調値の度数分布との差異が許容範囲内であるか否かを判定する。上記要件を満たす場合には、制御部10は現在の撮像条件が良好な状態にあるものと判定してS5に移行する。
【0034】
一方、上記要件を満たさない場合には、制御部10は、S1の画像に基づく階調値の度数分布が、基準画像の階調値の度数分布に近づくように撮像条件を変更する。その後、制御部10は変更後の撮像条件で再び位相差基準7の画像を撮像し、この画像の階調値の度数分布の形状を判定して上記の動作を繰り返す。なお、基準画像を撮像したときの撮像条件が予めメモリ11に記録されている場合、S4での制御部10は、基準画像の撮像条件と現在の撮像条件との差を第1回目の調整量としてもよい。
【0035】
ステップS5で、制御部10は、S4の調整後における撮像条件の設定値(オフセット値)をメモリ11に記録する。その後、制御部10は、撮像条件をS1の初期状態に戻してS6に移行する。
【0036】
ステップS6で、制御部10は、ステージ18を水平にシフトさせて、顕微観察系8の観察視野を被検体容器1内の所望の観察対象(他の小容器4の生物標本6)に合わせる。
【0037】
ステップS7で、制御部10は、さらに、S5で記録したオフセット値をメモリ11から読み出す。そして、制御部10は、読み出したオフセット値に基づいて、位相差顕微鏡システムの撮像条件を再調整する。これにより、被検体容器1内の他の小容器4でも、基準画像を撮像したときの合焦位置やコントラストの状態が精度良く再現される。その後、制御部10は、ユーザーの指示に応じてフォーカスの位置や照明光量などを変更し、生物標本6の観察に適した状態に観察視野を微調整する。
【0038】
ステップS8で、制御部10は、ユーザーの撮像指示に応じて撮像部9を駆動させて、生物標本6の記録画像を撮像する。その後、制御部10は、記録画像のデータをメモリ11に記録して一連の処理を終了する。以上で図6の説明を終了する。
【0039】
以下、本実施形態の作用効果を説明する。
【0040】
本実施形態の被検体容器1では、容器内に設けられた位相差基準7に基づいて位相差顕微鏡の観察条件が調整できる。そのため、容器等の入れ替えを伴うことなく位相差顕微鏡の観察条件を迅速に調整できる。
【0041】
また、本実施形態の被検体容器1では、位相差基準7を配置した領域と、生物標本6を培養する領域とが隔壁で仕切られている。そのため、位相差基準7に生物標本6が付着して調整作業の妨げとなることはない。さらに、位相差基準7を配置した領域と、生物標本6を培養する領域とは、いずれも底面部2aの高さが一定に揃えられている。そのため、位相差基準7を配置した領域における撮像条件を、生物標本6を培養する他の領域でも適用することが可能となる。
【0042】
さらに、本実施形態の位相差顕微鏡システムの調整方法によれば、基準画像の位相差データに基づいて、基準画像を撮像したときの合焦位置やコントラストの状態を精度良く再現することが可能となる。
【0043】
(実施形態の補足)
(1)上記実施形態において、容器本体2の位相変調領域5に、位相差基準7とともにアライメントマークを形成してもよい(図7参照)。この場合には、着目する生物標本6とアライメントマークとの位置関係をメモリ11に記録しておけば、着目する生物標本6のタイムラプス観察を容易に行うことができる。なお、特に限定するものではないが、アライメントマークとしては、図7(b)に示すような十字形状やF字形状が好ましい。
【0044】
(2)上記実施形態では、屈折率の異なる2つの材質で位相差基準7を構成する例を説明したが、例えば、図8に示すように、各々の屈折率の異なる3つの材質(A、B、C)を組み合わせて位相差基準7を構成してもよい。
【0045】
(3)上記実施形態のステップS6において、被検体容器1を移動させることなく、顕微観察系8をシフトさせて観察視野を移動させてもよい。
【0046】
なお、本発明は、その精神またはその主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明は、特許請求の範囲によって示されるものであって、本発明は明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本実施形態の被検体容器1の一例を示す平面図
【図2】本実施形態の被検体容器1の断面図
【図3】位相差基準のパターンの例を示す図
【図4】位相差基準を階段状に形成した例を示す図
【図5】本実施形態の位相差顕微鏡システムのブロック図
【図6】本実施形態の位相差顕微鏡システムでの調整処理を説明する流れ図
【図7】アライメントマークの一例を示す図
【図8】各々の屈折率の異なる3つの材質を組み合わせて位相差基準を構成した例を示す図
【符号の説明】
【0048】
1:被検体容器、2a:底面部、2b:側壁部、5:位相変調領域、7:位相差基準、9:撮像部、10:制御部、11:メモリ、15:光源



【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を透過させる底面部と、
前記底面部に立設され、上面側が開口された容器を前記底面部とともに形成する側壁部と、を備え、
前記底面部に、前記入射光の光路長を変化させる位相変調領域を有することを特徴とする被検体容器。
【請求項2】
請求項1に記載の被検体容器において、
前記位相変調領域は、凹凸による位相差基準が形成された位相標本を、前記底面部の容器内面側に接合して形成されることを特徴とする被検体容器。
【請求項3】
請求項1に記載の被検体容器において、
前記位相変調領域は、前記底面部の容器内面を凹凸状に加工して形成された位相差基準を有することを特徴とする被検体容器。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の被検体容器において、
前記位相差基準は、屈折率の異なる2つの材質が交互に噛み合うように積層された構造を有することを特徴とする被検体容器。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の被検体容器において、
前記位相変調領域には、前記凹凸の高さ、前記凹凸の幅、前記凹凸の配列方向の少なくとも1つが異なる複数種類の前記位相差基準が配置されることを特徴とする被検体容器。
【請求項6】
請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の被検体容器において、
前記位相差基準は、各々の高さが異なる2つの凸部を間隔をあけて配置したパターンを有することを特徴とする被検体容器。
【請求項7】
請求項1に記載の被検体容器において、
前記位相変調領域を有する第1の容器部と、前記位相変調領域を有さずかつ前記第1の容器部と前記底面部の高さが揃えられた第2の容器部とを有することを特徴とする被検体容器。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の被検体容器を用いた位相差顕微鏡の調整方法であって、
前記位相差顕微鏡は、
前記被検体容器を照射する光源と、
被検体容器の位相変調領域を撮像して画像のデータを生成する撮像部と、
前記画像の焦点位置を調整する合焦位置調整部と、
前記位相変調領域を所望の撮像条件で撮像した第1画像と、前記第1画像から求めた第1位相差値との対応関係を予め記録したメモリと、
制御部と、を備え、
前記撮像部が、前記第1画像に対応する前記位相変調領域を撮像して第2画像を生成する第1のステップと、
前記制御部が、前記第2画像のデータに基づいて第2位相差値を求める第2のステップと、
前記制御部が、前記第1位相差値と前記第2位相差値との差に基づいて、前記光源の光量、前記焦点位置、前記撮像部の撮像感度の少なくとも1つのパラメータを変更し、前記第2位相差値を前記第1位相差値に近づける調整値を求める第3のステップと、
を含むことを特徴とする位相差顕微鏡の調整方法。
【請求項9】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の被検体容器を用いた位相差顕微鏡であって、
前記位相差顕微鏡は、
前記被検体容器を照射する光源と、
被検体容器の位相変調領域を撮像して画像のデータを生成する撮像部と、
前記画像の焦点位置を調整する合焦位置調整部と、
前記位相変調領域を所望の撮像条件で撮像した第1画像と、前記第1画像から求めた第1位相差値との対応関係を予め記録したメモリと、
制御部と、を備え、
前記第1画像に対応する前記位相変調領域を前記撮像部に撮像させて第2画像を生成する第1のステップと、
前記第2画像のデータに基づいて第2位相差値を求める第2のステップと、
前記第1位相差値と前記第2位相差値との差に基づいて、前記光源の光量、前記焦点位置、前記撮像部の撮像感度の少なくとも1つのパラメータを変更し、前記第2位相差値を前記第1位相差値に近づける調整値を求める第3のステップと、
を前記制御部に実行させることを特徴とするプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−299245(P2008−299245A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−147910(P2007−147910)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】