説明

被覆されたフォトニック結晶ファイバー

【課題】フォトニック結晶ファイバーの強度及び統合性を、適切に保護するコーティングを提供。
【解決手段】フォトニック結晶ファイバー及び前記フォトニック結晶ファイバーを取り囲む保護コーティング、ここで前記保護コーティングが1.45より低い屈折率を有する、を含む被覆されたフォトニック結晶ファイバーであって、前記保護コーティングが組成物を硬化させることにより得られたものであり、前記組成物が、少なくとも1のエチレン性不飽和基を有するオリゴマー;アルコキシ化アルキル置換されたフェノールアクリレートを含む反応性希釈剤;及び少なくとも1つの光開始剤を含む、被覆されたフォトニック結晶ファイバー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被覆されたフォトニック結晶ファイバーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ファイバー技術はいわゆるフォトニック結晶ファイバーの発展を見てきた。これらのファイバーは光信号を伝播するブラッグ反射に依存し、慣用の光ファイバーよりマイクロベンドに対する感度が低い。そのようなフォトニック結晶ファイバーは、最近の米国特許の課題となっている。例えば米国特許第6、243、522号、第6、301、420号及び第6、334、017号を参照されたい。しかし、フォトニック結晶ファイバーが例えばマイクロベンド耐性を付与するという利点を保護しながら、あるいは改善しながらフォトニック結晶ファイバーの強度及び統合性を、適切に保護するコーティングを提供することにはほとんどあるいは全く注意が払われてこなかった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は被覆されたフォトニック結晶ファイバーに関する。
【0004】
1つの実施態様において、本発明は
(i)フォトニック結晶ファイバー;及び
(ii)樹脂組成物を硬化させることにより得られた少なくとも1のコーティング
を含む被覆されたフォトニック結晶ファイバーを提供する。
【0005】
本発明により提供されるもう1つの実施態様の例は、
(i)フォトニック結晶ファイバー;及び
(ii)1.45より低い屈折率を有する少なくとも1のコーティング
を含む被覆されたフォトニック結晶ファイバーである。
【0006】
本発明は被覆されたフォトニック結晶ファイバーに関する。
【0007】
フォトニック結晶ファイバーは例えば米国特許第6,243,522号、第6,301,420号及び第6,334,017号に開示されており、該3つの特許は、参照することにより完全に本明細書に取り込まれる。フォトニック結晶ファイバーの工業的供給者はオムニガイド(Omniguide)(米国)、クリスタルファイバー(Crystal Fibre)(デンマーク)、及びブレイズフォトニクス(Blaze Photonics)(イギリス)を含む。
【0008】
本発明に従うと、フォトニック結晶ファイバーは少なくとも1のコーティングを有する。好ましい(結晶ファイバーと接触している)コーティングは、樹脂を硬化させることにより得られ、かつ1.45より低い屈折率、例えば1.43より低い、1.40より低い、1.37より低い、あるいは1.35より低い屈折率を有するフォトニック結晶ファイバーを含む。
【0009】
留意されたように、本発明の少なくとも1のコーティングは、コーティング樹脂組成物を硬化させること、好ましくは硬化可能な樹脂組成物を熱又は照射に暴露することにより得られ得る。好ましくは、樹脂組成物は少なくとも照射、例えば電子線照射又は紫外照射により硬化可能である。
【0010】
好ましくは、フォトニック結晶ファイバーは、以下の性質:
(a)少なくとも25%の破断時伸び(例えば>50%、>75%、又は>100%);
(b)100MPaより低い割線モジュラス(例えば<75MPa、<50MPa、<10MPa、又は<2.5MPa)、
(c)少なくとも0.2Nの、50%RHにおけるガラスへの接着力(例えば>0.30N、>0.40N、又は>0.50N)、
(d)少なくとも0.02Nの、95%RHにおけるガラスへの接着力(例えば>0.05N、>0.15N、又は>0.35N)、及び
(e)10重量%未満の水感度(例えば.<7重量%、<4重量%、<2重量%、又は<1重量%)
の1つ以上、より好ましくは3つ以上、最も好ましくは5つ全部有するコーティングを少なくとも1つ有する。
【0011】
1つの実施態様において、光ファイバーは、樹脂組成物を硬化させることにより得られる少なくとも2つのコーティング、例えばクラッドに直接被覆されている、可撓性のある樹脂(低い弾性率及び低いTg)のソフトな1次コーティング層及び1次コーティング層の上に付与された固い樹脂(より高い弾性率及びより高いTg)の2次コーティング層により取り囲まれていることが好ましい。識別の目的のためにインクコーティングを2次コーティングの上にさらに付与すること、又は硬化の前に2次コーティング自身に着色剤を添加することが有益である。
【0012】
好まれる1次コーティングは以下の性質:
(i)少なくとも75%の破断時伸、例えば少なくとも100%、又は少なくとも150%、及び一般的に400%より低い;
(ii)高くても10℃のガラス転移温度(Tg)、例えば0℃未満、−10℃未満、−20℃未満、又は−40℃未満、そして一般的に120℃より高い;及び
(iii)高くても10MPaの割線モジュラス、例えば5MPa、2MPa未満、又は1.5MPa未満、そして一般的に0.1MPaより上
の1以上を有するものを含む。
【0013】
好まれる2次コーティングは、以下の性質:
(i)高くても60%の破断時伸、例えば高くても40%、そして一般的には3%より上、
(ii)少なくとも30℃のガラス転移温度(Tg)、例えば少なくとも40℃、少なくとも50℃、少なくとも70℃、又は少なくとも90℃、そして一般的には200℃より下;及び
(iii)少なくとも100MPaの割線モジュラス、例えば少なくとも300MPa、少なくとも500MPa、又は少なくとも750MPa、そして一般的には2000MPaより下、
の1以上を有するものを含む。
【0014】
被覆されたフォトニック結晶ファイバーは1550nmにおいて好ましくは0.3dB/km未満例えば1550nmにおいて0.25未満、0.2未満、0.15未満、0.10未満、0.05未満、又は1550nmにおける0.01dB/kmの損失の増加を有する。
【0015】
1つの実施態様において、樹脂組成物はオリゴマーを含み、任意的1以上の希釈剤及び光開始剤を含んでいてもよい。好まれるオリゴマーは、少なくとも1のエチレン性不飽和基を含むオリゴマー、例えば1以上の(メタ)アクリレート基を含むオリゴマーを含む。
【0016】
1つの実施態様において、該組成物はウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、即ち(メタ)アクリレート基、ウレタン基及び骨格を含むオリゴマーを含む。骨格はポリオール残基であり得、オリゴマーは、1以上のポリオールを1以上のポリイソシアネート(例えばジイソシアネート)及び1以上のヒドロキシ官能性アルキルアクリレートと反応させることによって得られ得る。しかし、ウレタンを含まないエチレン性不飽和オリゴマーもまた使用され得る。
【0017】
適するポリオールの例は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、アクリルポリオール、弗素化ポリオールなどである。これらのポリオールは個別に又は2以上の組み合わせにおいて使用され得る。これらのポリオールにおける構造単位の重合化の方法に特別な制限はない。ランダム重合化、ブロック重合化、又はグラフト重合化の任意のものが例えば受け入れ可能である。
【0018】
ポリエーテルポリオールの例として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール‐エチレングリコール共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコール、及び2以上のイオン重合化可能な環状化合物の開環共重合により得られたポリエーテルジオールが与えられる。ここで、イオン重合化可能な環状化合物の例として、環状エーテル例えばエチレンオキシド、イソブテンオキシド、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、及びグリシジルベンゾエートが与えられる。
【0019】
2以上のイオン重合化可能な環状化合物の組み合わせの例は、2元の共重合体を製造するための組み合わせ、例えばテトラヒドロフラン及び2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン及び3−メチルテトラヒドロフラン、及びテトラヒドロフラン及びエチレンオキシド;及び3元の共重合体製造するための組み合わせ、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、及びエチレンオキシドの組み合わせ、テトラヒドロフラン、ブテン−1−オキシド、及びエチレンオキシドの組み合わせ等を含む。これらのイオン重合化可能な環状化合物の開環共重合体は、ランダムコポリマー又はブロックコポリマーのいずれかであり得る。これらのポリエーテルポリオールに、例えばPTMG1000、PTMG2000(三菱化成製)、PEG#1000(日本油脂製)、PTG650(SN)、PTG1000(SN)、PTG2000(SN)、PTG3000、PTGL1000、PTGL2000(保土ヶ谷化学製.)、PEG400、PEG600、PEG1000、PEG1500、PEG2000、PEG4000、PEG6000(第一工業製薬製)、アクレーム(Acclaim)4200及びアクレーム4200N(ライオンデル(Lyondell)社製)、及びプルロニクス(Pluronics)(BASF製)の商標で市販入手可能な製品が含まれる。
【0020】
ポリヒドリックアルコール及び多塩基酸を反応させることにより得られたポリエステルジオールは、ポリエステルポリオールの例として与えられる。ポリヒドリックアルコールの例としてエチレングリコール、ポリエチレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、3−メチル−1、5−ペンタンジオール、1、9−ノナンジオール、2−メチル−1、8−オクタンジオールなどが与えられうる。多塩基酸の例としてフタル酸、二量体酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸、などが与えられうる。これらのポリエステルポリオール化合物は商標、例えばMPD/IPA500、MPD/IPA1000、MPD/IPA2000、MPD/TPA500、MPD/TPA1000、MPD/TPA2000、クラポール(Kurapol)A−1010、A−2010、PNA−2000、PNOA−1010、及びPNOA−2010(クラレ社製.)で市販入手可能な化合物である。
【0021】
ポリカーボネートポリオールの例として、ポリテトラヒドロフランのポリカーボネート、ポリ(ヘキサンジオールカーボネート)、ポリ(ノナンジオールカーボネート)、ポリ(3−メチル−1、5−ペンタンメチレンカーボネート)などが与えられうる。これらのポリカーボネートポリオールの市販入手可能な製品として、DN−980、DN−981(日本油脂製)、プリプアスト(Priplast)3196、3190、2033(ユニケマ社製)、PNOC−2000、PNOC−1000(クラレ製)、プラセル(PLACCEL)CD220、CD210、CD208、CD205(ダイセル化学工業製)、PC−THF−CD(BASF製)などが与えられうる。
【0022】
ε−カプロラクトン及びジオール化合物を反応させることにより得られたポリカプロラクトンジオールが、0℃以上の融点を有するポリカプロラクトンポリオールの例として与えられる。本明細書において、ジオール化合物の例として、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオールなどが与えられる。これらのポリカプロラクトンポリオールの市販入手可能な製品は、プラセル240、230、230ST、220、220ST、220NP1、212、210、220N、210N、L230AL、L220AL、L220PL、L220PM、L212AL(すべてダイセル化学工業社製)、ラウカルブ(Rauccarb)107(エニケム(Enichem)社製)、などを含む。
【0023】
弗素化されたポリオールの例は例えば米国特許第6,391,459号に記載されており、該米国特許第6,391,459号は参照することにより本明細書に完全に取り込まれる。アクリル骨格を有するオリゴマーの例は例えば米国特許第6,309,747号に開示され、該米国特許第6,309,747号は、参照することにより、本明細書にそっくりとりこまれる。
【0024】
適するポリイソシアネートの例は、例えば芳香族ポリイソシアネート、例えばm−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネートなど;及びポリイソシアネート例えばトリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトラジイソシアネートなどを含む。芳香族脂肪族ポリイソシアネートの例は、ジイソシアネート例えば1,3−又は1,4−キシレンジイソシアネート又はそれらの混合物、1,3−又は1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン又はそれらの混合物、など;及びポリイソシアネート例えば1,3,5−トリイソシアネートメチルベンゼン、などを含む。脂環式ポリイソシアネートの例は1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−又は1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、など;及びポリイソシアネート例えば1,3,5−トリイソシアネートシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアネートシクロヘキサン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,6−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル)−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、などを含む。
【0025】
脂肪族ポリイソシアネートの例は、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、2,4,4-又は2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエート、など;及びポリイソシアネート例えばリジンエステルトリイソシアネート、1,4,8-トリイソシアネートオクタン、1,6,11-トリイソシアネートウンデカン、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアネートメチルラクトン、1,3,6-トリイソシアネートヘキサン、2,5,7-トリメチル-1,8-イソシアネート-5-イソシアネートメチルオクタン、などを含む。
【0026】
適するヒドロキシ官能性(メタ)アクリレートの例は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルホスフェート、4-ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、などを含む。その上、グリシジル基含有化合物と(メタ)アクリル酸、の付加反応により得られ得る化合物、例えばアルキルグリシジルエーテルとグリシジル(メタ)アクリレートが使用され得る。
【0027】
ウレタン(メタ)アクリレートを製造するために使用されるポリオール、ジ-又はポリイソシアネート(国際公開00/18696号において開示されている、該国際公開00/18696号は参照することにより完全に取り込まれる)、及びヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートの比は、ポリオールに含まれる1当量のヒドロキシル基に対して、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基、約1.1〜約3当量、及びヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートに含まれるヒドロキシル基、約0.1〜約1.5当量が使用されるように一般的に決定される
【0028】
これら3つの成分の反応において、ウレタン化触媒、例えば銅ナフトエート、コバルトナフトエート、亜鉛ナフトエート、ジ-n-ブチルチンジラウレート、トリエチルアミン、及びトリエチレンジアミン、2-メチルトリエチレンアミンが反応物の合計量の約0.01〜約1重量%の量において通常使用される。
【0029】
反応は約10〜約90℃、好ましくは約30〜約80℃の温度において行われ得る
【0030】
好まれるオリゴマーは、少なくとも500g/モルの数平均分子量を有するものを含む。相対的にソフトなコーティングの場合(例えば1次コーティング)、組成物は少なくとも1750g/モル、例えば少なくとも2000g/モル、少なくとも2500g/モル、又は少なくとも3500g/モルの分子量を有するオリゴマーを含むことが一般的に好まれる。相対的に固いコーティング(例えば単層コーティング(single coating)、又は特に2次コーティング)の場合、組成物は1750g/モルより下、例えば1500g/モルより下、1250g/モルより下、又は1000g/モルより下の分子量を有するオリゴマーを含むことが一般的に好まれる。
【0031】
フォトニック結晶ファイバーを被覆するための本発明の組成物は、好ましくは組成物の合計量に対して少なくとも20%、例えば少なくとも35%、少なくとも50%、又は少なくとも75%の1以上のオリゴマーを含む。該組成物は一般的に99重量%未満、例えば95重量%未満又は90重量%未満のオリゴマーを含む。
【0032】
組成物の性質をさらに調整するため、例えば組成物の粘度を調節するために、反応性希釈剤が任意的に本発明の組成物に添加されてもよい。適する反応性希釈剤は、ビニル基又は(メタ)アクリレート基を含有する重合化可能なモノマーを含む。単官能性モノマー及び多官能性モノマーはそのような重合化可能なモノマーに含まれる。適する単官能性モノマーの例は、ビニル基含有モノマー、例えばN-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン;イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、カプロラクトンアクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、t-オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7-アミノ-3,7-ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル;及び以下の式(2)により表される化合物

CH=C(R)−COO(RO)−R (2)

ここでRは水素原子又はメチル基である;Rは基2〜8、好ましくは2〜5の炭素原子を含むアルキレン基である;そしてmは0〜12、そして好ましくは1〜8の整数である;Rは水素原子又は1〜12、好ましくは1〜9の炭素原子を含むアルキル基である;又はRは4〜20の炭素原子を有するテトラヒドロフラン基−含有アルキル基、任意的に1〜2の炭素原子を有するアルキル基で置換されていてもよい;又はRは4〜20炭素原子を有するジオキサン基含有アルキル基であり、任意的にメチル基で置換されていてもよい;又はRは芳香族基であり、任意的にC−C12アルキル基、好ましくはC−Cアルキル基で置換されていてもよい、そしてアルコキシ化脂肪族単官能性モノマー、例えばエトキシ化イソデシル(メタ)アクリレート、エトキシ化ラウリル(メタ)アクリレート、などを含む。
【0033】
多官能性モノマーの例は、(メタ)アクリロイル基含有モノマー例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチルジ(メタ)アクリレート、及び水素化ビスフェノールAへのエチレンオキシド又はプロピレンオキシドのアダクトであるジオールのジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールAへのエチレンオキシド又はプロピレンオキシドのアダクトであるジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルへの(メタ)アクリレートアダクトであるエポキシ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキル化ビスフェノールAのジアクリレート、及びトリエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルアクリレート、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシエチルアクリレートのアダクト(HIH)、ヒドロキシエチルアクリレート、トルエンジイソシアネート及びヒドロキシエチルアクリレートのアダクト(HTH)、及びアミドエステルアクリレートを含む。
【0034】
好ましい反応性希釈剤は、アルコキシ化アルキル置換されたフェノールアクリレート、例えばエトキシ化ノニルフェノールアクリレート、プロポキシ化ノニルフェノールアクリレート;ビニルモノマー例えばビニルカプロラクタム;イソデシルアクリレート;及びアルコキシ化ビスフェノールAジアクリレート例えばエトキシ化ビスフェノールAジアクリレートを含む。1つの実施態様において、1以上のアルコキシ化脂肪族ポリアクリレート、例えばアルコキシ化脂肪族ジアクリレート例えばアルコキシ化(例えばプロポキシ化)ネオペンチルグリコールジアクリレートを含むことが好まれる。別の態様において1以上の芳香環を含む1以上の希釈剤を含むことが好ましい。
【0035】
本組成物は、一般的に組成物の合計重量に対して75重量%未満の希釈剤、例えば65重量%未満、又は50重量%未満、又は25重量%未満の希釈剤を含む。
【0036】
適する光開始剤は、フリーラジカル光開始剤を含む。フリーラジカル光開始剤は、開始ラジカルが生成されるところのプロセスに従って一般的に2つの種類に分類される。照射により単分子の結合開列が起きる化合物はI型又はホモリチック光開始剤と呼ばれる。もし励起状態光開始剤が第2の分子(共開始剤)と相互作用して、2分子反応においてラジカルを生成するならば、該開始系はII型光開始剤と呼ばれる。一般的にII型の光開始剤の2つの主要な反応経路は、励起された開始剤による水素引き抜き又は光誘起された電子移動、続く分解である。適するフリーラジカル光開始剤の例は、国際公開00/18696号において開示され、該公報は参照することにより完全に本明細書に取り込まれる。1つの実施態様において、コーティング組成物はリン、硫黄、又は窒素原子を有する光開始剤少なくとも1を含む。もう1つの実施態様において、コーティング組成物はリン原子を含む光開始剤及び硫黄原子を含む光開始剤の組み合わせを含む。もう1つの実施態様において、該組成物は少なくとも1つのオリゴマー状又はポリマー状光開始剤を含む。
【0037】
本組成物は、該組成物の合計重量に対して一般的に10重量%未満、例えば8重量%、6重量%、4重量%の光開始剤を含む。
【0038】
上述された成分に加えて、種々の添加剤、例えば抗酸化剤、UV吸収剤、光安定化剤、シランカップリング剤、(例えばメルカプト官能性シランカップリング剤を0.25〜10重量%、例えば0.5〜5重量%又は約1重量%の量において)、コーティング表面改質剤、熱重合化阻害剤、エポキシ官能性成分、レベリング剤、界面活性剤、着色料、保存剤、可塑剤、潤滑剤、溶媒、フィラー、老化防止剤、及び湿潤性改質剤が必要に応じて本発明の液状の硬化可能な樹脂組成物において使用され得る。該組成物がエポキシ官能性成分を含むのであれば、さらに1以上のカチオン性光開始剤(例えば1以上のオニウム塩)を含むことがしばしば好まれる。
【0039】
フォトニック結晶ファイバーをコーティングするための組成物は、25℃において15,000cps未満、例えば10,000cpsより下、8,000cpsより下、又は6,000cpsより下の粘度を有することが好ましい。粘度は一般的に25℃において少なくとも500cps、例えば少なくとも1,000cps、少なくとも2,000cps、又は少なくとも3,000cpsである。
【0040】
被覆され、そしてフォトニックなファイバーは、複数の該ファイバーを含むリボンにおいて、一般的にパラレル配置において使用される。複数のファイバーは、リボンを得るためにさらに1以上のマトリックス物質で被覆される。本発明は従って、一般的にはパラレル配置において複数の被覆されたフォトニック結晶ファイバーを含むリボンにさらに関する。
【実施例】
【0041】
以下の実施例は、本発明の操作と利点を示すために、本発明の特定の実施態様として与えられる。実施例は実例として与えられ、明細書又は特許請求の範囲を制限することを意図されない。
【0042】
実施例1:一次コーティング
表1に列挙された成分を混合することにより組成物が製造された。該組成物は次に紫外照射で硬化され、その物理的性質が測定された(これもまた表1に示される)。
【0043】
【表1】

【0044】
実施例2:二次コーティング
表2に列挙された成分を混合することにより組成物が製造された。該組成物は次に紫外照射で硬化され、その物理的性質が測定された(これもまた表2に示される)。
【0045】
【表2】

【0046】
実施例3:一次コーティング
表3に列挙された成分を混合することにより組成物が製造された。該組成物は次に紫外照射で硬化され、その物理的性質が測定された(これもまた表3に示される)。
【0047】
【表3】

【0048】
実施例4:二次コーティング
表4に列挙された成分を混合することにより組成物が製造された。該組成物は次に紫外照射で硬化され、その物理的性質が測定された(これもまた表4に示される)。
【0049】
【表4】

【0050】
実施例5:単層コーティング
表5に列挙された成分を混合することにより組成物が製造された。該組成物は次に紫外照射で硬化され、その物理的性質が測定された(これもまた表5に示される)。
【0051】
【表5】

【0052】
実施例6:単層コーティング
表4に列挙された成分を混合することにより組成物が製造された。該組成物は次に紫外照射で硬化され、その物理的性質が測定された(これもまた表6に示される)。
【0053】
【表6】

【0054】
実施例7:耐マイクロベンド性
約9ミクロンのフィールド径を有するフォトニック結晶ファイバーが、実施例1の1次コーティング組成物及び実施例2の2次コーティング組成物を用いて被覆される。1550nmにおけるマイクロベンド損失の増加(下の試験方法を参照のこと)が測定され、0.2dB/kmである。
【0055】
試験方法
引張強度、伸び、及び弾性率試験方法
硬化された試料の引張特性(引張強さ、破断時伸%、及び弾性率)がインストロン(Instron)社の4201型ユニバーサル試験装置を用いて測定された。試料はFusion社のUVプロセッサーを用いて物質の75μmフィルムを硬化することにより試験のために製造された。試料は窒素雰囲気下、1.0J/cmにおいて硬化された。0.5インチの幅及び5インチの長さを有する試験片が、フィルムから切り取られた。各片の正確な厚さはマイクロメーターで測定された。
【0056】
ソフトコーティングの場合(例えば約10MPa未満の弾性率を有するもの)、コーティングがドローダウンされ、ガラス板の上で硬化され、個々の片が外科用メスで該ガラス板から切り取られた。2lbのロードセルがインストロンにおいて使用され、弾性率は応力―歪プロットの最小二乗フィットを用いて2.5%伸びにおいて計算された。硬化されたフィルムは、試験の前、最小で1時間、23±1℃及び50±5%の相対湿度においてコンディションニングされた。
【0057】
より固いコーティングの場合、コーティングはマイラーフィルム(Mylar film)の上にドローダウンされ、試験片がThwing Albert社製の0.5インチ精度のサンプルカッターを用いて切り取られた。20lbのロードセルがインストロンにおいて使用され、弾性率が2.5%の伸びにおいて、その点における割線から計算された。硬化されたフィルムは試験の前、16時間23±1℃及び50±5%の相対湿度においてコンディションニングされた。
【0058】
試験片の場合、ゲージ長さは2インチであり、クロスヘッド速度は1.00インチ/分であった。すべての試験は23±1℃及び50±5%の相対湿度において行われた。すべての測定は少なくとも6の試験片の平均から決定された。
【0059】
DMA試験方法
レオメトリックサイエンティフィック社(Rheometric Scientific Inc.)により製造されたRSA−II装置を用いて、動的粘弾性分析(DMA)が試験試料について行われた。自由フィルム片(典型的には約36mmの長さ、12mmの幅、及び0.075mmの厚さ)が装置のグリップに搭載され、温度は始め80℃に至り、そこで約5分間保たれた。80℃における後半の保持期間の間に、試料はその元の長さの約2.5%だけ伸ばされた。この時間の間にもまた、試料の識別(identity)、その大きさ、及び具体的な試験方法に関する情報が、付属のパーソナルコンピューターに備わっているソフトウェア(RSIオーケストレーター)に入力された。
【0060】
すべての試験は1.0ラジアンの周波数において、2℃のステップを有する動的温度ステップ、5〜10秒の保持時間(soak time)、約0.001の初期歪、(ΔL/L)で、及びオートテンション(autotension)及びオートストレイン(autostrain)オプションを稼動させて行われた。オートテンションは、試験の間を通して試料が引張強度下に留まることを確実にするように設定され、オートストレインは試料がガラス転移点を通り越して柔らかくなるにつれ歪が増加されることを許すように設定された。5分間の保持時間の後、試料オーブン中の温度は、開始温度、典型的には−80℃又は−60℃に到達するまで20℃の段階で下げられた。試料のデータが、ガラス様の領域から転移領域を経てゴム状領域まで十分に達するように、試験を開始する前に試験の最終的な温度がソフトウェアに入力された。
【0061】
試験は開始され、完了まで進行することを許された。試験の完了後、E’、E’’及びtanデルタ、すべての温度に対するグラフはコンピュータのスクリーン上に現れた。それぞれの曲線上のデーターポイントは、ソフトウェア中のプログラムを用いて平滑化された。このプロット上で、ガラス転移点を示す3点:1)E’=1000MPaにおける温度;2)E’=100MPaにおける温度;3)tanデルタ曲線のピークの温度が識別された。もしtanデルタ曲線が1より多いピークを含むならば、各ピークの温度が測定された。グラフから得られたもう1つの値は、ゴム状領域のE’の最小値であった。この値は平衡弾性率E0として報告された。
【0062】
乾燥接着力及び湿潤接着力の測定
乾燥接着力及び湿潤接着力の測定がインストロン社の4201型万能試験装置を用いて行われた。75μmのフィルムが、磨かれたTLCガラス板の上にドローダウンされ、フュージョン社のUVプロセッサーを用いて硬化された。試料窒素雰囲気下、1.0J/cmにおいて硬化された。
【0063】
試料は23±1℃、及び50±5%の相対湿度において7日間コンディショニングされた。コンディションニング後、8枚の片がドローダウンの方向にメスで長さ6インチ、幅1インチで切り取られた。タルクの薄層が該片の4枚に施与された。各試料の始めの1インチはガラスからめくられた。試験片の張られた端が、支持台に接続されクロスヘッドの真下に置かれた滑車の隣にくるように、ガラスが、インストロンの上の水平な支持台に固定された。ワイヤが試料のめくられた端に取り付けられ、試験片に沿って走り、次に滑車を通して試験片に垂直の方向に走る。ワイヤの自由端はインストロンの上部ジョーに固定され、そしてインストロンが稼動された。試験はグラムフォース/インチで表された平均の力の値が相対的に一定になるまで続けられた。クロスヘッドの速度は10インチ/分であった。乾燥接着力は4つの試験片の平均であった。
【0064】
残った4つの試験片は、次に23±1℃及び95±5%の相対湿度において24時間コンディションニングされた。ポリエチレン/水のスラリーの薄層が試験片の表面に施与された。次に試験が前の段落におけるように行われた。湿潤接着力は4枚の試験片の平均であった。
【0065】
水感性
組成物の層が硬化されて、UV硬化されたコーティング試験片(1.5インチ×1.5インチ×6ミル)を与えた。該試験片は秤量され脱イオン水を含むバイアルに入れられ、それは次に3週間23℃において貯蔵された。定期的に、例えば30分、1時間、2時間、3時間、6時間、1日、2日、3日、7日、14日、及び21日に試験片はバイアルから取り出され、ペーパータオルで静かに水気を切り、そして再秤量された。水吸収パーセントは100×(浸漬後の重量−浸漬前の重量)/(浸漬前の重量)として報告された。ピーク水吸収は3週間の浸漬期間の間に到達された最も高い水吸収の値であった。3週間の期間の最後に、試験片は60℃のオーブン中で1時間乾燥され、デシケーター中で15分間冷却され、そして再秤量された。抽出可能な水のパーセントは100×(浸漬前の重量−乾燥後の重量)/(浸漬前の重量)として報告された。水感性は|ピーク水吸収|+|抽出可能な水|として報告された。3枚の試験片が試験されて、試験の精度を改善した。
【0066】
屈折率
硬化された組成物の屈折率がベッケ線法で決定され、該方法は、硬化された組成物の細かく切断された片の屈折率を公知の屈折の性質を有する浸漬液体と合わせることを伴う。試験は23℃において顕微鏡の下において589nmの波長を有する光で行われた。
【0067】
粘度
粘度はフィジカ社(Physica)のMC10粘度計を用いて測定された。試験試料は検査され、もし過剰量の泡が存在するならば、該泡の大部分を除去する工程がとられた。この段階ですべての泡が除去される必要はない、なぜなら試料搭載の作業はいくらかの泡を導入するからである。
【0068】
装置は慣用のZ3系のために設定され、それが使用された。試料は使い捨てのアルミニウムカップへシリンジを用いて入れられ、17ccが量り取られた。カップの中の試料は検査され、もし過剰量の泡を含んでいたら、直接的な方法、例えば遠心分離により除かれるか、あるいは液体の大部分から泡を出ていかせるために十分な時間が経つことが許された。液体のトップの表面の泡は受け入れ可能である。
【0069】
ボブが静かに測定用カップ中の液体の中へと沈められ、カップとボブは装置に取り付けられた。試料温度は、5分待つことにより循環する液体の温度と平衡になることを許された。それから、回転速度は、望まれるせん断速度を与える望まれる値に設定された。せん断速度の望まれる値は、試料の期待される粘度範囲から当業者により容易に決定される。せん断速度は典型的には50〜100秒−1である。
【0070】
装置のパネルは粘度の値を読み、もし粘度値が15秒間少し変動するのみであれば(2%未満の相対変動)、測定は終了した。もしそうでなければ、温度がまだ平衡値に到達していないか、あるいは物質はせん断のために変化している可能性がある。もし後者の場合であれば、異なるせん断速度におけるさらなる試験が試料の粘度特性を規定するために必要であろう。報告された結果は3枚の試験試料の平均の粘度値である。
【0071】
耐マイクロベンド性
被覆されたフォトニック結晶ファイバーの耐マイクロベンド性はサンドペーパー(3Mによる40μmアロックス(Alox)グレード)で覆われたドラム(直径600mm)の周りにファイバーを巻きつける前及び後の被覆されたフォトニック結晶ファイバーの損失増加を決定することにより測定される。巻きつける力は4Nにおいて一定に保たれる。損失(巻きつけの前及びあとの差)は1550nmにおいて決定される。
【0072】
本発明の具体的な実施態様を記載すれば、その多くの変形が当業者にとって容易に明らかであることが理解され、従って本発明は以下のクレームの精神及び範囲によってのみ制限されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)フォトニック結晶ファイバー;及び
(ii)前記フォトニック結晶ファイバーを取り囲む保護コーティング、ここで前記保護コーティングが1.45より低い屈折率を有する、を含む被覆されたフォトニック結晶ファイバーであって、
前記保護コーティングが組成物を硬化させることにより得られたものであり、前記組成物が、
少なくとも1のエチレン性不飽和基を有するオリゴマー;
アルコキシ化アルキル置換されたフェノールアクリレートを含む反応性希釈剤;及び
少なくとも1つの光開始剤を含む、
被覆されたフォトニック結晶ファイバー。
【請求項2】
請求項1に記載の被覆されたフォトニック結晶ファイバーを複数含む光ファイバーリボン。

【公開番号】特開2010−222246(P2010−222246A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90648(P2010−90648)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【分割の表示】特願2004−522856(P2004−522856)の分割
【原出願日】平成15年7月18日(2003.7.18)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】