説明

被覆光ファイバ心線の製造方法および被覆光ファイバ心線

【課題】 最外層被覆を除去して光ファイバ心線を露出することが従来以上に容易に行える被覆光ファイバ心線およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 (1)ガラスファイバ上に樹脂層を被覆した光ファイバ心線に反応性物質を前記樹脂層の外部から接触させて前記樹脂層の表面に含まれていた二重結合を有していた炭素原子と前記反応性物質またはその一部分とを結合させる。(2)前記光ファイバ心線の樹脂層の上に外層を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被覆光ファイバ心線の製造方法および被覆光ファイバ心線に関する。
【背景技術】
【0002】
最外層の被覆層を除去してそれまで内層であった被覆層が露出することで新たに最外層となる光ファイバ心線が特許文献1に開示されている。特許文献1には除去すべき最外層の被覆の線膨張係数を内層の被覆の線膨張係数よりも大きくすることによって、最外層被覆の除去を容易とするものである。
【0003】
【特許文献1】特開平9−15461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、当該文献に開示された光ファイバ心線は3cm長の最外層被覆を除去できるものであることが開示されている。
本発明では、最外層被覆を除去して光ファイバ心線を露出することが従来以上に容易に行える被覆光ファイバ心線およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る被覆光ファイバ心線の製造方法は下記の(1)および(2)の工程を含む。
(1)ガラスファイバ上に樹脂層を被覆した光ファイバ心線に反応性物質を前記樹脂層の外部から接触させて前記樹脂層の表面に含まれていた二重結合を有していた炭素原子と前記反応性物質またはその一部分とを結合させる結合工程。
(2)前記光ファイバ心線の樹脂層の上に外層を形成する形成工程。
【0006】
また、本発明は、前記(1)の工程において、反応性物質が二重結合を開裂する作用を有していて、前記反応性物質が前記二重結合を開裂して前記二重結合を有していた炭素原子と結合してもよい。
【0007】
また、本発明は、前記(1)工程の前段工程として下記(3)の工程を含み、かつ(3)の工程で生成した反応性物質が前記(1)の工程の後段工程において前記炭素原子と結合してもよい。
(3)第一物質にエネルギーを与えて前記二重結合を開裂する作用を有する前記反応性物質を生成する工程。
【0008】
また、本発明は、前記(1)の工程の前段工程として下記(4)の工程を含み、かつ(4)の工程で生成した遊離基が前記(1)の工程の後段工程において前記反応性物質またはその一部分と結合してもよい。
(4)前記光ファイバ心線の樹脂層にエネルギーを与えて前記樹脂層の表面に含まれている二重結合を有する炭素を遊離基にする工程。
【0009】
また、本発明は、前記(1)の結合工程が、前記光ファイバ心線の樹脂層の表面自由エネルギーを低下させる工程であってもよい。
【0010】
さらに、本発明は、ガラスファイバ上に被覆された樹脂層の表面で二重結合が開裂して前記樹脂層の外部から与えられた物質と前記二重結合を有していた炭素原子とが共有結合していて、さらにその上に外層が被覆された被覆光ファイバ心線に係る。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、光ファイバ心線の上に外層を被覆する前に、前記光ファイバ心線の樹脂層に含まれる二重結合が開裂され前記樹脂層の外部から与えられた反応性物質と前記二重結合を有していた炭素原子とが結合される。これにより、前記外層を除去して前記光ファイバ心線を露出することが従来以上に容易に行える。これは、通常使用される光ファイバの被覆除去器具を使用して一気に引き抜くことができる外層の長さを従来よりも長くすることができるということである。本発明では、前記外層のみを50mm以上の長さにわたって通常使用される光ファイバの被覆除去器具を使用して除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
光ファイバ心線の被覆層を形成する樹脂には、紫外線硬化型樹脂が使用される。紫外線硬化型樹脂は未硬化の状態であるときには二重結合を有するオリゴマーが存在する。未硬化の紫外線硬化型樹脂に紫外線が照射されると、前記紫外線硬化型樹脂に含まれる光重合開始剤が紫外線のエネルギーを受けて遊離基(ラジカル)を生成し、この遊離基がオリゴマーに含まれる二重結合に作用して、それらの二重結合が開裂して遊離基を生成する。この二重結合部分であった遊離基が他のオリゴマーの二重結合に作用してラジカル重合が起こる。
【0013】
硬化した前記紫外線硬化型樹脂には、未反応の二重結合が含まれている。本発明は、それらの二重結合に反応性物質を作用させて二重結合を開裂して、反応性物質と二重結合を有していた炭素原子とを結合させる。これにより、光ファイバ心線に含まれる未反応の二重結合を減らし、前記光ファイバ心線に外層を被覆するときに、前記光ファイバ心線の樹脂層に含まれる二重結合を有する炭素原子と外層に含まれる原子との間に共有結合が生じることを減少させる。この結果、前記光ファイバ心線を何も処理せずに外層を被覆する場合に比べて、前記光ファイバ心線の樹脂層と前記外層との密着力が小さくなる。そして、前記外層を除去して前記光ファイバ心線を露出することが従来以上に容易に行うことができる。
【0014】
光ファイバ心線の樹脂層に含まれる二重結合を開裂させるには、次に述べる第一形態と第二形態の二つの形態がある。
【0015】
第一形態は、二重結合を開裂する作用を有する反応性物質を前記光ファイバ心線の樹脂層に光ファイバ心線の樹脂層の外部から接触させて、前記樹脂層に含まれる二重結合を開裂して前記反応性物質と前記二重結合を有していた炭素原子とを結合させる形態である。
【0016】
第二形態は、光ファイバ心線の樹脂層にエネルギーを与えて遊離基を生成して、そこに前記樹脂層の外部から反応性物質を接触させることにより前記遊離基が前記反応性物質と結合する形態である。
【0017】
第一形態では、二重結合を開裂する作用を有する反応性物質の例に遊離基を挙げることができる。遊離基が光ファイバ心線の樹脂層に作用してラジカル反応を起こして二重結合を有していた炭素原子と結合する。
遊離基を生成させる方法には、ハロゲン化合物や水素などの気体を第一物質とし、前記第一物質にエネルギーを与えることが例示できる。ハロゲン化合物には、クロロホルム、フッ化水素ガス、塩素ガス、臭素ガスが例示できる。前記第一物質にエネルギーを与える手段には、光や電子線などの放射線を前記第一物質に照射すること、200℃以下の気体プラズマ中に前記第一物質をおくこと、前記第一物質を加熱すること、前記第一物質をグロー放電などの放電下におくことが例示できる。
【0018】
図1を参照して、クロロホルムに紫外線を照射して光ファイバ心線に塩素の遊離基またはジクロロメチルの遊離基を生成させて、それらを光ファイバ心線の樹脂層に結合させる例を説明する。
【0019】
ガラスファイバに樹脂層が被覆された光ファイバ心線1が供給ボビン2から繰り出され、ガイドローラ3aを経由して反応室4に入る。
【0020】
反応室4にはガス供給口5およびガス排出口6が設けられる。ガス供給口5は配管7によりクロロホルム供給源8に連結されている。反応室4にはクロロホルム供給源8からクロロホルムガスが供給される。反応室4内のクロロホルムガスはガス排出口6から排出される。つまり、反応室4内にはガス供給口5からガス排出口6に向かうクロロホルムガスの流れができる。
【0021】
クロロホルム供給源8にはクロロホルム液体10が貯留されている。クロロホルム10にはキャリアガスの配管11が入れられている。配管11は図示しないキャリアガス供給源に接続され、キャリアガスを液体のクロロホルム液体10に吹き込む。キャリアガスによってクロロホルム液体10が気化されてクロロホルムガスになる。すなわち、バブリング方式によりクロロホルムが気化され、配管7を通ってガス供給口5から反応室4に供給される。クロロホルム供給源8にはヒータ12を取り付け温度をクロロホルムの沸点近く(例えば60℃)に保ち、クロロホルムを安定して気化させるのが好ましい。
配管7や反応室4にはテープヒータ22を巻くなどして60℃程度に加熱してクロロホルムガスが液化しないようにするのが好ましい。
【0022】
反応室4の外には紫外線ランプ13が配置される。紫外線ランプ13から出た紫外線が反応室4に入り、反応室4内のクロロホルムガスにエネルギーを与えて塩素の遊離基とジクロロメチルの遊離基を式1に示す反応により生成する。式1に示す反応を効率よく進めるには紫外線の波長を250nm以下にすることが好ましい。このような波長の紫外線を照射可能な紫外線ランプにはフージョン社のHバルブがある。
【0023】
CHCl+hν→CHCl・+Cl・ ・・・(式1)
【0024】
反応室4は紫外線を透過する材質からなる。例えば石英からなることが好ましい。石英は250nmの紫外線の透過率が90%以上である。
紫外線ランプ13の周りには反射鏡14が配置されるのが好ましい。反射鏡14により紫外線ランプ13を出た紫外線を効率よく反応室4に照射することができる。
紫外線を遮蔽する筐体15は反応室4、反射鏡14を覆うように配置するのが好ましい。これにより紫外線が筐体15の外部に漏れて周囲の機器等を劣化させることを防ぐことができる。
【0025】
反応室4内で生成した塩素の遊離基(Cl・)やジクロロメチルの遊離基(CHCl・)は式2ないし式4に示す反応により、反応室4内を走行する光ファイバ心線の樹脂層に含まれる二重結合を開裂し、当該二重結合を有していた炭素原子に結合する。こうして光ファイバ心線の樹脂層の表面に存在する未反応の二重結合が減少する。
【0026】
【化1】

【0027】
【化2】

【0028】
【化3】

【0029】
反応室4を通過した光ファイバ心線1は外層樹脂16が充填された塗布装置17を通過する。塗布装置17を通過した光ファイバ心線には外層樹脂16が塗布されている。外層樹脂16が塗布された光ファイバ心線は硬化装置18を通過する。硬化装置18内で外層樹脂16が硬化される。硬化装置18を通過した光ファイバ心線は樹脂層の上に外層樹脂が被覆された被覆光ファイバ心線19となっている。
外層樹脂16が紫外線硬化型の樹脂であれば、硬化装置18は紫外線ランプを有する紫外線照射装置である。この場合、紫外線が硬化装置18内で外層樹脂16に照射されて外層樹脂16が硬化する。
【0030】
硬化装置18を出た被覆光ファイバ心線はガイドローラ3bによりパスラインの向きを変えられて、引取装置20により引き取られる。引取装置20を通過した被覆光ファイバは巻取装置21に巻取られる。引取装置20と巻取装置21との間には、図示していないスクリーニング手段や蓄線装置などが設けられてもよい。
【0031】
光ファイバ心線1は、図2にその断面を示すようにガラスファイバ30上に一次樹脂層31aと二次樹脂層31bとからなる樹脂層31が被覆されている。樹脂層31は、図3に示すように一層であってもよく、図4に示すように一次樹脂層31a、二次樹脂層31b、顔料を含む着色層31cの三層からなってもよい。着色層31cを有する光ファイバ心線に外層樹脂16を被覆した光ファイバ心線19の断面を図5に示す。図5に示す被覆光ファイバ心線19は合計4層の樹脂層を有する。ガラスファイバ30の直径は通常125μmであるが、80ないし125μmの直径のガラスファイバ30が使用されることもある。光ファイバ心線1の直径は通常250ないし255μmであるが、180ないし160μmの直径の光ファイバ心線1が使用されることもある。被覆光ファイバ心線19の直径は例えば400ないし900μmである。
【0032】
本発明において減少される樹脂層の表面に含まれる二重結合は、図2では二次被覆層31bの表面に含まれる二重結合であり、図3では樹脂層31の表面に含まれる二重結合であり、図4では着色層31cの表面に含まれる二重結合である。
【0033】
第二形態では、光ファイバ心線にエネルギーを与えることにより、式(5)に示すようように、光ファイバ心線の樹脂層に含まれる二重結合を開裂させて炭素の遊離基を生成させる。
【0034】
【化4】

【0035】
生成した炭素の遊離基が反応性物質に作用してラジカル反応を起こし、前記反応性物質またはその一部分と共有結合を生じる。例えば、反応性物質が四フッ化二炭素(C)ガスであると式(6)に示す反応が起こり、樹脂層の表面にあった二重結合を有していた炭素は四フッ化二炭素由来の炭素と共有結合をする。これにより、光ファイバ心線に含まれる未反応の二重結合を減らし、前記光ファイバ心線に外層を被覆するときに、前記光ファイバ心線の樹脂層に含まれる二重結合を有する炭素原子と外層に含まれる原子との間に共有結合が生じることを減少させる。
【0036】
【化5】

【0037】
第二形態において、光ファイバ心線の樹脂層にエネルギーを与える方法には、光や電子線などの放射線を前記第一物質に照射すること、200℃以下の気体プラズマ中に前記光ファイバ心線をおくこと、光ファイバ心線を加熱すること、前記光ファイバ心線をグロー放電などの放電下におくことが例示できる。
【0038】
図6を参照して、光ファイバ心線を高温の気体プラズマに通過させて前記光ファイバ心線の樹脂層にエネルギーを与えてそれに含まれる二重結合を開裂させて炭素の遊離基を生成させ、これに反応性物質である四フッ化二炭素ガスを接触させて前記樹脂層の二重結合を減少させる例を説明する。
【0039】
ガラスファイバに樹脂層が被覆された光ファイバ心線1が供給ボビン2から繰り出され、ガイドローラ3aを経由して活性化室23に入る。
【0040】
活性化室23には供給口25および排出口26が設けられる。供給口25は配管27により気体プラズマ供給源28に連結されている。活性化室23には気体プラズマ供給源28から窒素、アルゴンまたは酸素等の200℃以下の気体プラズマが供給される。活性化室23内の気体プラズマは排出口26から排出される。つまり、活性化室23内には供給口25から排出口26に向かう気体プラズマの流れができる。反応性プラズマを200℃以下とすることにより、光ファイバ心線の樹脂層に損傷を与えることがなく、製造される被覆光ファイバ心線の曲げや疲労劣化に対する耐性を維持することができる。
【0041】
活性化室23内では、気体プラズマのエネルギーが光ファイバ心線1の樹脂層の二重結合を有する炭素原子に与えられ、前記式(5)に示した反応により、炭素の遊離基が生成される。
【0042】
活性化室23の下流には反応室24が配される。
反応室24には供給口35および排出口36が設けられる。供給口35は配管37により反応性物質供給源38に連結されている。反応室24には反応性物質供給源38から反応性物質である四フッ化二炭素(C)ガスが供給される。反応室24内の四フッ化二炭素ガスは排出口36から排出される。つまり、反応室24内には供給口35から排出口36に向かう四フッ化二炭素ガスの流れができる。
【0043】
活性化室23を通過した光ファイバ心線1は反応室24に入るがその表面には活性化室23内で生成された炭素の遊離基が存在する。この炭素の遊離基が反応室24内で前記式(6)に示したように四フッ化二炭素ガスと反応する。こうして光ファイバ心線の樹脂層の表面に存在する未反応の二重結合が減少する。
【0044】
反応室24を通過した光ファイバ心線1は、第一形態と同様に外層樹脂16が充填された塗布装置17を通過して外層樹脂16が塗布され、さらに硬化装置18を通過して外層樹脂16が硬化され、外層樹脂が被覆された被覆光ファイバ心線19となる。そして、被覆光ファイバ心線19はガイドローラ3bによりパスラインの向きを変えられて、引取装置20により引き取られ、巻取装置21に巻取られる。
【0045】
図6では活性化室23と反応室24とを連続させるように示したが、図7に示すように、活性化室23と反応室24とは所定の間隔をおいて配置してもよい。
【0046】
第一形態、第二形態のいずれにおいても、二重結合を有していた炭素と結合する反応性物質は、前記二重結合と反応した後に、光ファイバ心線の樹脂層の表面自由エネルギーを低下させる物質であることが好ましい。樹脂層の表面自由エネルギーはその樹脂層と水との接触角を測定することによって大小を評価することができる。接触角が大きいほど表面自由エネルギーが少ない。
例えば、光ファイバ心線が図5に示すようにその最外層に着色層3cを有する場合、着色層3cを構成する樹脂を厚さ数百μm(例えば、200μm)程度の薄膜層として、その上に水滴を直径4ないし6mmになるように垂らして接触角を測定する。例えば、滴下30秒後の液滴を、市販の接触角計(例えば、共和界面化学社製FACE CA−D)を用いて測定する。図8に示すように、接触角αは、水滴41の頂点Tと接触点Eとを結ぶ線がシート42となす角θの2倍として求める。その後、前記薄膜層を高温気体プラズマ下において活性化させ、それから反応性物質を接触させる。その後、前回と同様に樹脂層に水滴を垂らして接触角を測定する。両者を比較して、接触角が大きくなれば、光ファイバ心線の樹脂層の表面自由エネルギーが低下したと判断する。
【0047】
反応性物質を選択するにあたり、上記したような手法により前記反応性物質が光ファイバ心線の表面自由エネルギーを低下させることが確認されたものを使用すると、光ファイバ心線の表面と外層樹脂との間の水素結合などの緩やかな結合が生じず、一層、前記外層を除去して光ファイバ心線を露出することが容易となる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は被覆光ファイバ心線に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の被覆光ファイバ心線の製造方法の一形態を示す図である。
【図2】本発明に使用可能な光ファイバ心線の断面図である。
【図3】本発明に使用可能な別の光ファイバ心線の断面図である。
【図4】本発明に使用可能な別の光ファイバ心線の断面図である。
【図5】本発明の被覆光ファイバ心線の一形態を示す断面図である。
【図6】本発明の被覆光ファイバ心線の製造方法の別の形態を示す図である。
【図7】本発明の被覆光ファイバ心線の製造方法の別の形態の要部拡大図である。
【図8】接触角を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1 光ファイバ心線
2 供給ボビン
3a ガイドローラ
3b ガイドローラ
4 反応室
5 ガス供給口
6 ガス排出口
7 配管
8 クロロホルム供給源
10 クロロホルム
11 配管
12 ヒータ
13 紫外線ランプ
14 反射鏡
15 筐体
16 外層樹脂
17 塗布装置
18 硬化装置
19 被覆光ファイバ心線
20 引取装置
21 巻取装置
22 ヒータ
23 活性化室
24 反応室
25 供給口
26 排出口
27 配管
28 気体プラズマ供給源
30 ガラスファイバ
31 樹脂層
35 供給口
36 排出口
37 配管
38 反応性物質供給源
41 水滴
42 シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスファイバ上に樹脂層を被覆した光ファイバ心線に反応性物質を前記樹脂層の外部から接触させて前記樹脂層の表面に含まれていた二重結合を有していた炭素原子と前記反応性物質またはその一部分とを結合させる結合工程および前記光ファイバ心線の樹脂層の上に外層を形成する形成工程を有する被覆光ファイバ心線の製造方法。
【請求項2】
前記結合工程において前記二重結合を開裂する作用を有する反応性物質が前記二重結合を開裂して前記二重結合を有していた炭素原子と結合する請求項1に記載の被覆光ファイバ心線の製造方法。
【請求項3】
第一物質にエネルギーを与えて前記二重結合を開裂する作用を有する前記反応性物質を生成する工程を前記結合工程の前段工程として有し、前記結合工程の後段工程において前記反応性物質が前記炭素原子と結合する請求項2に記載の被覆光ファイバ心線の製造方法。
【請求項4】
前記光ファイバ心線の樹脂層にエネルギーを与えて前記樹脂層の表面に含まれている二重結合を有する炭素を遊離基にする工程を前記結合工程の前段工程として有し、前記結合工程の後段工程において前記遊離基が前記反応性物質またはその一部分と結合する請求項1に記載の被覆光ファイバ心線の製造方法。
【請求項5】
前記結合工程が前記光ファイバ心線の樹脂層の表面自由エネルギーを低下させる請求項1ないし3のいずれかに記載の被覆光ファイバ心線の製造方法。
【請求項6】
ガラスファイバ上に被覆された樹脂層の表面で二重結合が開裂して前記樹脂層の外部から与えられた物質と前記二重結合を有していた炭素原子とが共有結合していて、さらにその上に外層が被覆された被覆光ファイバ心線。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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