説明

装用型撮像装置

装用型撮像装置は、撮像装置本体と、撮像装置本体に取り付けられるとともに使用者の手または指に嵌合及び装着されるストラップと、前記装置の作動機能を表示する表示灯とを備え、この表示灯は前記ストラップに組み込まれる。ストラップは柔軟な材料から好適に形成される。前記表示灯は、ストラップの全長の一部または実質的に全体に形成された柔軟な発光バンドを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は装用型撮像装置に関し、詳細にはデータ収集及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
装用型装置はデータ収集及びデータ通信に関する機能の範囲でますます使用されている。このような装置は、例えば、バーコードもしくは画像の捕捉、識別、照合、及びパーセルロケーション及びトラッキング等のサービスに使用される。該サービスは、捕捉した情報に関するデータの送信を含む。このような装置は、使用者によって手の指、手のひらの表または裏、手首、或いは前腕に装着される。
【0003】
これらの装置は通常、できる限り小型かつ軽量に作られる。そして、これらの装置は、使用者が携帯する受信機、例えば大きなベルトに装着された受信機、または卓上コンピュータのような近傍端末へ、ブルートゥースのような短距離無線リンクによって通信する。卓上コンピュータは、使用者の入力及び情報の表示のためのキーボード及び表示装置を有していてもよい。
【0004】
例えばバーコードまたは静止画像に関するデータの捕捉及び通信のための公知の装置は、レンズ、結像素子のような光学的結像器、マイクロプロセッサ、短距離無線送信機、アンテナ及びバッテリを収容したハウジングまたは本体からなる。そして通常はLED(発光ダイオード)のような表示灯が本体に組み込まれる。この表示灯は、バーコードまたは画像の捕捉、及び/またはデータ送信が成功したことを示すために使用される。前記ハウジングまたは本体は、例えば使用者の二本の指に巻き付けられた状態で携行されるように設計された使用者装用型ストラップを含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
人間工学的な理由から、ハウジングまたは本体、及び前述した類の装置の構成要素の重量をできる限り減少することが望ましい。理由としては、このような装置は、ハウジング及び構成要素の重量が、装置の重心と指ストラップの中央までの距離とを通じて作用して、てこの力を形成するからである。8〜10時間という操作者の標準的な交代勤務時間に亘り、そのような力は、オペレータの疲労及び、長期的にはRSI(反復性のストレス障害)を引き起こすことがある。
【0006】
また、全ての使用モードにおいて容易に可視可能とするために、前記表示灯の位置は慎重に選択されなければならない。この要求は、多くのエネルギ消費を伴う複数のLED等の照明の使用を余儀なくさせ、これにより、重量がさらに増大する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、上記不具合が減少したデータ収集及び通信装置のような使用者装用型撮像装置を提供することにある。
本発明に従い、請求項1に係る装用型撮像装置が提供される。
【0008】
この装置は、例えばデータ収集及び通信装置であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、公知の装用型撮像装置1の斜視図であって、該装用型撮像装置1は対象物、例えば読み取られるべきバーコードを有するパッケージまたは製品の光学(可視または赤外線)画像を捕捉する。装置1は本体3を有し、該本体3は図示しない光学スキャナ及び読み取り機、電子処理回路及びRF送信機を内蔵し、これらは、捕捉した画像に関する情報を他の端末(例えば、使用者が携行するユニットまたは他の場所に設置されたユニット)に送信する。光学スキャナから発せられる放射は、本体3の前面9における窓/レンズユニット7を介して発せられるビーム5として示される。上面11にはLED表示器13が組み込まれ、該LED表示器13は画像の走査及び読み取りの正しい作動を表示するために点灯する。本体3及び本体3の収容物は、ストラップ15に支持された状態で使用者によって携行される。ストラップ15は、二つのスロット17及び19を形成するべく湾曲している。スロット17及び19には、使用者の二本の指(図示せず)が通され、本体3は使用者の指に支持された状態で保持される。
【0010】
図2は、本発明を具体化した装用型撮像装置21の斜視図である。図1と同じ参照符号が付された装置21の部材は、図1の部材と同じ機能を有する。図2において、使用者の指を本体3とストラップ15との間へ容易に収容するための、本体3の下面に形成された二つの湾曲した凹部23、25がさらに明確に示される(二つの凹部は図1の装置にも設けられている)。装置21において、本体3にはLED表示器が存在しない。代わりに、ストラップ15が、同様の形状のストラップ27に変更されている。ストラップ27には、発光表示器として機能する柔軟なバンド29が組み込まれている。バンド29は、LEDによって構成された柔軟な帯状体によって形成されてもよい。バンド29は、本体3の内部のバッテリ(図示せず)との連結部(図示せず)を有する。
【0011】
LEDの代わりに、EL(エレクトロルミネセント)、OLED(有機LED)及びレーザ・ファイバのような公知の発光技術に基づいた、柔軟な材料に組み込まれる他の光源を用いることができる。
【0012】
さらに、例えば装置21に関する異なった作動表示を示すための複数の異なった色表示を提供すべく、複数の異なった色源を用いることができ、複数の色源は、互いに平行または共に寄り合わせて用いられる。
【0013】
さらに、上記光源は、ストラップ材料に一体に組み立てられたり、例えば繊維材としてのストラップ材料と共に織られたりすることもできる。このようにして、光源及びストラップ材料は、ストラップ及び発光表示器の両方を一体で柔軟な構造に形成する。
【0014】
図2に示された実施例は指に搭載される装置に係るものであるが、同じ原理が同様に、撮像装置を携行するための手首ストラップ、手のひらストラップ及び前腕ストラップに適用し得る。
【0015】
図2に示された装置及び本発明の別例は、以下の一以上の利点を有する。
(i)使用者の指または手に作用するてこの力が減少する。したがって、RSIの虞が減少するとともに、勤務時間がさらに快適になる。
【0016】
(ii)ストラップの全長(またはストラップ長の大部分)を発光表示器として用いることができるので、使用者が表示を見落とすことがまずない。
(iii)図1のようなLED表示器は孔や開口を要しないので、装置本体3のより良い密閉が提供されるとともに、さらに強固なハウジングが提供される。
【0017】
(iv)発光帯は、スポット光源に比較して、使用者にとってより扱いやすいとともに、使用者の目に優しい。
(v)発光が広い面積に亘っているので、低レベルの発光エネルギを用いればよい。したがって、エネルギ及び電位を抑えることによって、バッテリの重量及び大きさが減少される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】公知の装用型撮像装置の斜視図。
【図2】本発明を具体化した装用型撮像装置の斜視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装用型撮像装置であって、撮像装置本体と、撮像装置本体に取り付けられるとともに使用者の手または指に嵌合及び装着されるストラップと、前記装置の作動機能を表示する表示灯とを備え、表示灯がストラップに組み込まれる装用型撮像装置。
【請求項2】
前記ストラップは柔軟な材料からなる請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記表示灯は、ストラップの全長の一部または実質的に全体に形成された柔軟な発光バンドを備える請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記表示灯は、一つ以上の発光ダイオード(LED)、一つ以上のエレクトロルミネセント装置、一つ以上の有機発光ダイオード、及び一つ以上のレーザ・ファイバまたはフィラメントのうちの一つ以上からなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記表示灯は、異なる複数色の光を発する請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記表示灯は、織物構造に組み込まれる柔軟な材料を備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記織物構造は、ストラップ材料を含む請求項6に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−515025(P2008−515025A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534718(P2007−534718)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2005/034710
【国際公開番号】WO2006/039305
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】