説明

装置を遠隔設定するための方法およびシステム

遠隔自動設定サーバ(ACS)を使いネットワークを介して装置を遠隔設定するための方法であって、設定は、新たなデータを作成すること、または装置の書込み可能データを修正しもしくは削除することを含み、好ましくは、ACSと装置との間で通信するためにTR−069 CPE WAN管理プロトコルが使用され、前述の遠隔管理プロトコルは、トランザクションからなるセッションを使用し、トランザクションは単一の要求とその後に続く単一の応答であり、セッション内で書込み可能データがACSにより作成され、修正され、または削除されなければならない場合、少なくともその作成され、削除され、または修正される書込み可能データが、トランザクションレベルで他の管理エージェントに対して書込みロックされ、その書込みロックは、設定に成功した後および/または失敗した後に前述のセッション内で解除される、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置を設定するための遠隔自動設定サーバ(ACS)を使用して、装置を遠隔設定するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、セットアップボックス、ボイスオーバIP装置、ラップトップ、モデム、ルータ、ゲートウェイなど、CPEのような装置を、自動設定サーバを使いネットワークを介して設定できるようにすることが一般的になっている。例えばTR−069やSNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)など、遠隔管理を行うためのいくつかのプロトコルが存在する。
【0003】
TR−069とは、テクニカルレポート069の略称であり、CPE WAN管理プロトコル(CWMP)と題されたDSLフォーラムの技術仕様である。このプロトコルはCPEと自動設定サーバ(ACS)との間の通信を対象とし、エンドユーザ装置を遠隔管理するためのアプリケーション層プロトコルを定義する。CWMPは、統合的なフレームワーク内で安全に自動設定すること、および他のCPE管理機能を制御することの両方を含む。TR−069遠隔管理プロトコルは、CPE装置とACSとの間の双方向通信のために遠隔手続き呼出し(RPC)が呼び出される、オブジェクトモデルからなる。
【0004】
TR−069 CPE WAN管理プロトコルでは、セッションまたはトランザクションセッションが、CPEとACSとの間の連続したCWMPトランザクションの配列として定義され、1つのセッションは複数のTCP接続にまたがることができる。トランザクションは、CPEによりまたはACSにより開始される、単一の要求とその後に続く単一の応答からなる、CPEとACSとの間のメッセージ交換として定義される。
【0005】
あるセッションが開始されてからそのセッションが終了するときまで、CPEは、CWMPによってアクセス可能なすべてのパラメータについてトランザクションの完全性を保証しなければならない。セッションの過程において、CPEの設定可能なすべてのパラメータが、ACSによってのみ修正される整合性のある組としてACSには見えなければならない。言い換えれば、セッションの全体を通して、CPEは、他のエンティティによって実行されるパラメータの任意の更新をACSが見ることを遮らなければならない。これには、設定可能なパラメータの値ならびに設定可能なパラメータおよびオブジェクトの有無の両方が含まれる。セッションのトランザクションの完全性を保証するために、例えば例外的事例において、CWMPセッションの確立要件を満たすために、CPEがSNMPセッションやCLIセッションなどのLAN側管理セッションを終了する必要がある場合がある。
【0006】
例えば、ホームネットワーク管理の場合、ホームネットワーク内の様々な装置を複数の管理アクタ/エージェントが管理する。上記に述べたTR−069プロトコルの制約が原因で、TR−069プロトコルを使用したほぼリアルタイムの管理は問題をはらむようになり、それはTR−069管理エージェントがこのトランザクションの完全性をセッションレベルで要求するからである。TR−069セッション中に他の管理エージェントが装置の状態を変更することができるので、そうした問題は、他の管理エージェントが装置を管理することを除外し、またはセッション中に他の管理インターフェイスが装置を設定するので、TR−069管理エージェントには実際の装置状態とは一致しない装置状態のビューが提示される。
【0007】
装置内の様々な管理エージェントを複数の管理アクタによって同時に管理できるようにするために、従来技術で提唱される解決策は、TR−069セッションとTR−069トランザクションとの間に1対1対応を有することである。しかし、この解決策には、セッションを確立し、トランザクションを実行し、セッションをクリアする著しいオーバヘッドがあり、これは、実行される必要があるすべてのトランザクションについてである。さらに、トランザクションを正しく実行するために、セッション中、管理されるデータについての現在のビューがACSによって取得されなければならない。この解決策は、CPEおよびACSの両方において著しい処理オーバヘッドを引き起こす。
【0008】
本出願では、非限定的な例としてTR−069プロトコルについて言及するが、既に存在しまたは将来開発される、本発明を適用することができる任意の等価のプロトコルを除外するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、従来技術によって提供される解決策と比べて改善された方法により、様々な管理エージェントが同時に装置を設定することを可能にする、導入部に記載した方法およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、遠隔自動設定サーバ(ACS)を使いネットワークを介して装置を遠隔設定するための方法は、新たなデータを作成すること(例えば新たなオブジェクトを作成すること)や、その装置の書込み可能データを修正しまたは削除すること(例えば、オブジェクトを削除することや特定のパラメータを修正すること)など、装置を設定することを含み、ACSと装置との間で通信するためにアプリケーション層遠隔管理プロトコルが使用され、前述の遠隔管理プロトコルは、トランザクションからなるセッションを使用し、トランザクションは単一の要求とその後に続く単一の応答であり、セッション内で書込み可能データがACSにより作成され、修正され、または削除されなければならない場合、少なくともその作成され、削除され、または修正される書込み可能データが、トランザクションレベルで他の管理エージェントに対して書込みロックされ、その書込みロックは、設定に成功した後および/または失敗した後に前述のセッション内で解除される。本発明の方法を使用することにより、トランザクションの完全性はセッションレベルではなく、トランザクションレベルにある。
【0011】
好ましくは、ACSと装置との間で通信するためにTR−069 CPE WAN管理プロトコルが使用され、前述の遠隔管理プロトコルは、トランザクションからなるセッションを使用し、トランザクションは単一の要求とその後に続く単一の応答である。
【0012】
書込み可能データは、パラメータやオブジェクトなど、アプリケーション層遠隔管理プロトコルを使用して修正し、作成し、または削除することができる任意形式のデータとすることができる。当業者は、TR−069プロトコルに将来追加され得る他の任意の種類の書込み可能データも、特許請求の範囲によって決定される保護範囲に含まれることを理解されよう。
【0013】
本発明の方法の可能な実施形態によれば、セッション内でACSによりBeginTransaction呼出しが装置に送信され、他の管理エージェントに対して書込み可能データをその装置に書込みロックさせると、新たなデータを作成するための呼出し、または書込み可能データを削除しもしくは修正するための呼出しが実行される。データが修正されなければならない場合、装置の書込みロックの後に、まず1組のデータの現在値がACSによって得られ、次いで、この1組のデータを設定するための呼出しがACSにより装置に送信されることが好ましい場合がある。好ましくは、書込みロックを解除することは、トランザクションが終了したことを知らせるための呼出しを装置からACSに送信することと対になる。
【0014】
別の可能な実施形態によれば、セッション内で、新たなデータを作成するための呼出し、または書込み可能データを削除しもしくは修正するための呼出しがACSから装置に送信され、他の管理エージェントに対して書込み可能データをその装置に書込みロックさせると、その新たなデータが作成されまたは書込み可能データが削除されもしくは修正される。
【0015】
さらに別の可能な実施形態によれば、ACSが書込み可能データの1組の現在値ならびに設定される1組の新たな値を装置に送信すると、その装置が設定を許可する場合、その装置は書込みロックを実行し、設定を進める。好ましくは、その装置は、送信される1組の現在値が書込み可能データの実際値と一致する場合、書込みロックを実行し、設定を進める。装置が設定を進める場合、かつその設定に成功する場合、ACSには設定が成功したことが好ましくは知らされると、装置は書込みロックを直ちに解除する。装置が設定を進めない場合、ACSにはその旨知らされ、ロールバックが実行され、装置が書込みロックを解除する。
【0016】
本発明は、装置を遠隔設定するための自動設定サーバにも関する。本発明の一実施形態によれば、このACSは、装置内で新たなデータが作成されなければならない場合、またはACSにより装置の書込み可能データが修正されもしくは削除されなければならない場合、少なくともその作成され、修正され、または削除される書込み可能データを、トランザクションレベルで他の管理エージェントに対して書込みロックするように、セッション内で装置に命令するようになされる。好ましくは、このACSは、ACSと装置との間で通信するためにTR−069 CPE WAN管理プロトコルを使用するようになされる。
【0017】
可能な実施形態によれば、このACSは、トランザクションの開始を知らせるための呼出しを装置に送信し、他のエージェントに対して書込み可能データの書込みロックを引き起こすようになされる。さらに、このACSは、書込み可能データの1組の現在値ならびに設定される1組の新たな値を伴う呼出しを、その装置に送信するように好ましくはなされる。
【0018】
最後に、本発明は、書込み可能データを有する装置に関する。一実施形態によれば、この装置は、ACSを使いネットワークを介して遠隔的に設定されるようになされ、前述の装置は、
− 書込み可能データが作成され、修正され、または削除されなければならない場合、ACSとのセッション内で書込み可能データを書込みロックし、
− 書込み可能データの設定に成功した後または失敗した後に、トランザクションレベルにおいて、セッション内で書込みロックを解除する
ようにさらになされる。好ましくは、この装置は、ACSとの間で通信するためにTR−069 CPE WAN管理プロトコルを使用するようになされる。
【0019】
本発明の、現在好ましい非限定的な例示的実施形態を示すために添付図面を使用する。以下の詳細な説明を添付図面と併せて読めば、本発明の上記のおよび他の利点、特徴、および目的がより明らかになり、本発明がよりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】ACSによって遠隔的に管理することができるいくつかのCPEを備えるホームネットワークを有するアーキテクチャの概略図である。
【図2】CPEがいくつかの異なる管理エージェントにより同時に設定される状況を概略的に示す図である。
【図3】本発明の方法の第1の実施形態によるメッセージ交換を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による、ACSとCPEとの間のメッセージ交換を示す図である。
【図5】本発明のより基本的なメッセージ交換の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、ネットワーク内にあり、加入者の構内の装置を管理するようになされる1つまたは複数の自動設定サーバ1、1’を備える通信システムを示す。ここでは、その装置はルーティングゲートウェイ(RG)2、および他の3つの装置3、4、5からなる。装置3、4、5は、例えば無線ネットワークとすることができるホームネットワーク6を介し、ルーティングゲートウェイ2に結合される。装置がACSと通信したい場合、またはその逆の場合、TR−069セッション7a、7bが開始される。管理エージェントまたは管理クライアント8a、8bは、バンドルまたはソフトウェアアプリケーションとACS1との間のインターフェイスとしての機能を果たし、管理可能なパラメータを装置内の管理プラットフォームがACSにさらすことを可能にする。図1の例では、ACS1とRG2との間に第1のセッション7aを図示し、管理エージェント8aによりRG2の管理可能な部分9aの管理が行われる。さらに、ACS1と装置3との間に第2のセッション7bを図示し、管理エージェント8bにより装置3の管理可能な部分9bの管理が行われる。
【0022】
図2は、様々な管理アクタ1、1’、1”が様々な管理エージェント、ここではTR−069エージェント8、SNMPエージェント10、およびCLIエージェント11のそれぞれを管理する状況を示し、これらのエージェントは装置3を同時に設定しているところである。ACS1と装置3との間のセッション7のトランザクションの完全性を保証しながら、そのような同時通信を可能にするために、本発明の方法を使用することができる。
【0023】
次に、図3および図4に関して、本発明の方法の2つの実施形態を示す。
【0024】
図3に示す第1の実施形態によれば、装置(CPE)の書込みロックが導入され、この書込みロック中は値の設定のロックが行われ、トランザクションが終了するとCPEの書込みロックが解除される。
【0025】
TR−069プロトコルは、TR−069トランザクションのレベルにおいて、サポートし、コミットし、ロールバックするための所要のプロトコル定義を既に提供する。
【0026】
しかし、CPEが、トランザクションの完全性を従来技術に見られるようにTR−069セッションレベルの代わりに、TR−069トランザクションのレベルにおいて実行しなければならないことをCPEに知らせるために、拡張が必要である。
【0027】
図3に示す実施形態によれば、この拡張は、トランザクションの開始およびオプションの終了を表す1組の追加の遠隔手続き呼出し(RPC)を設けることによって実現する(図3のRPC34の「BeginTransaction」、およびRPC40の「EndTransaction」を参照されたい)。RPC34の「BeginTransaction」は、setWriteLock35を始動させて、装置の書込み可能データのすべてまたは一部を書込みロックし、RPC40の「EndTransaction」は、その書込みロックをクリアする(「clearWriteLock」41)。
【0028】
この装置は、装置の書込み可能データ(パラメータ、オブジェクト等)の作成時、修正時、または削除時に書込みロックを自動的にクリアするように設定することもできることから、「EndTransaction」40はオプションとすることができることに留意されたい。RPCが、例えば「SetParameterValues」や「CreateObject」等の場合、パラメータ値が設定された後、またはオブジェクトが作成された後、書込みロックをそれぞれ自動的に終了することができる。
【0029】
図3の実施形態では、いくつかの決まったRPC30、31、32、33を交換した後、本発明の方法の一実施形態が実行され:
− BeginTransaction34(CPEを書込みロックする、ブロック35参照)
− GetParameterValues36
− 値を返す37
− SetParameterValues38、このRPCは「CreateObject」、「DeleteObject」など、別のRPCでもよいことに留意されたい
− 成功を示す、SetParameterValuesResponse39a、または失敗を示す、SOAPフォルトコード39bのいずれかを受信し、「CreateObject」RPC、「DeleteObject」RPCの後にも同様の応答が送信されることに留意されたい
− EndTransaction40(CPEに対する書込みロックを解除41する)、のメッセージが交換される。
【0030】
交換される呼出し36および37は、必ずしも必要とは限らないことに留意されたい。現在のパラメータ値を知る必要がないときもある。新たなオブジェクトを作成するための呼出しなど、特定のRPCではパラメータの現在値を最初に求める必要はない。
【0031】
RPC38が正しく行われていない場合、例えばパラメータの一部しか正しく設定できない場合、パラメータを以前の値にリセット(ロールバック)する必要がある。ロールバックするための最初の方法は、パラメータを以前の値に復元することができるように、装置3の中に以前の値のコピーを常に記憶しておくことである。別の可能性は、ACSの中に以前の値を記憶し、以前の値のコピーを得るためにACSとメッセージを交換することであり、その結果、復元を行うことができる。
【0032】
本発明のさらなる態様によれば、CPEをロックされた状態のままにしておく、ACSによる無期限のロッキングに対し、何らかの保護を行うことが可能である。可能な実施形態によれば、このロッキングは例えばタイマによって監視することができる。
【0033】
図4にその一例を示す本発明の第2の実施形態によれば、管理エージェントが現在値ならびに設定される必要がある新たな値を提供し、CPEは、変化した値がないかをまずチェックし、
− 管理エージェントによって送られる現在値が実際値と一致し、または
− 新たな設定がCPEの内部状態を危険にさらすことがないので、その新たな設定をCPEが許可する
場合にのみ、新たな値について自らの設定を進めることを可能にする。
【0034】
CPEが新たな値の設定を認める場合、管理エージェントは知らされる必要があり、それは例えば図4に示すように、SetParameterValuesResponse60aを使用して行うことができる。拒否される場合、管理エージェントは、例えばSOAP フォルトエレメントメッセージ60bによって知らされ得る。
【0035】
第2の実施形態による方法を実行するために、オブジェクトの作成/削除/修正ならびにパラメータの修正に関係するすべてのRPCを拡張し、それにより、以前の値を新たな値とともに引数(argument)として渡すことができる。そのようにして、CPEにおいて受信し次第、CPEは以前の値が今もなお有効かどうか(すなわち、以前の値のリスト内で渡されたパラメータについて、データに対するACSのビューが今もなお正しいかどうか)をチェックすることができ、次いで、続行して新たな値の設定を処理することができる。この拡張を有することにより、CPEは、トランザクションの完全性をTR−069セッションレベルの代わりに、TR−069トランザクションのレベルにおいて実行しなければならないことを知り、CPEが、セッションの代わりにトランザクションの持続時間にわたり、トランザクションの完全性を保つことを可能にする。
【0036】
図4に示す実施形態によれば、ACS1とCPE3との間でまずいくつかの決まったRCPメッセージ50、51、52、53が交換される。SetParameterValuesを実行するために、オプションで、ACS1とCPE3との間でまずGetParameterValuesメッセージ54、およびReturnValuesメッセージ55が交換される。次いで、以下のメッセージ交換が行われる:
− SetParameterValues56、従来技術による引数リストは、ParameterValueStructアレイ型のParameterList、およびString32のParameterKey引数を有する。その引数リストは、例えばParameterValueStructアレイ型のOldParameterListを使って拡張することができる。その場合には、ParameterList内で入手可能なパラメータのすべてが、OldParameterListの中にあるべきである。
− CPE3において受信し次第、CPE3は、そのRPCによって与えられるOldParameterValuesが、CPE3の現在の状態に見られる値と同じかどうかをチェックする。ACSによって送られる値が自らの実際の状態と一致するとCPEが判定する場合、新たな値に関するSetParameterValuesRPCが実行され、
− 成功した場合は、SetParameterValues応答60aが使用され、
− 失敗した場合は、フォルトコード、フォルトString、およびSetParameterValuesFaultエレメントを含む、SOAPフォルトエレメント60bが使用される。例えば、「FaultCode 9020:OldParameterが修正されている」を定義することができる。このフォルトコードは、設定/設定しようとするパラメータが、外部の管理エージェント/アクタ等により他方で修正されていることをACSに知らせる。
【0037】
いくつかのパラメータの設定に失敗し、またはオブジェクトの作成に失敗した場合、以前の状態を復元するために、ブロック62で示すロールバック手続きが実行されなければならない。このロールバック手続きは、図3に関して説明したのと同じ方法で行うことができる。
【0038】
最後に、図5は本発明のより基本的な実施形態を示し、この実施形態では、書込み可能データ(パラメータ、オブジェクト等)の現在値に関係なく、書込み可能データの作成、削除、または修正が行われなければならないと仮定する。
【0039】
図4に示す実施形態によれば、ACS1とCPE3との間でまずいくつかの決まったRCPメッセージ(不図示)が交換される。次いで、以下のメッセージ交換が行われる:
− 書込み可能データを修正/作成/削除するための呼出し70、例えばSetParameterValuesやCreateObject。この呼出しは、少なくとも問題となっている書込み可能データの書込みロック71を始動すると、書込み可能データが修正/作成/削除され(ステップ72参照)、失敗した場合はその後にロールバック手続き73が続き、成功した場合は書込みロックが直ちにクリアされ(ステップ74参照)、
− 成功した場合は、関連する応答75aがACS1に送信され、
− 失敗した場合は、フォルト応答75bが使用される。
【0040】
本発明の原理を特定の実施形態に関連して上記に述べてきたが、この説明は特許請求の範囲によって決定される保護範囲を限定するものとしてではなく、単に例として行ったに過ぎないことを明確に理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔自動設定サーバ(ACS)を使いネットワークを介して装置を遠隔設定するための方法であって、設定は、新たなデータを作成すること、または装置の書込み可能データを修正しもしくは削除することを含み、
好ましくは、ACSと装置との間で通信するためにTR−069 CPE WAN管理プロトコルが使用され、前記遠隔管理プロトコルは、トランザクションからなるセッションを使用し、トランザクションは単一の要求とその後に続く単一の応答であり、
セッション内で書込み可能データがACSにより作成され、修正され、または削除されなければならない場合、少なくともその作成され、削除され、または修正される書込み可能データが、トランザクションレベルで他の管理エージェントに対して書込みロックされ、その書込みロックは、設定に成功した後および/または失敗した後に前記セッション内で解除される、
方法。
【請求項2】
セッション内でACSによりBeginTransaction呼出しが装置に送信され、他の管理エージェントに対して書込み可能データをその装置に書込みロックさせると、新たなデータを作成するための呼出し、または書込み可能データを削除しもしくは修正するための呼出しが実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
装置の書込みロックの後に、1組の書込み可能データの現在値がACSによって得られ、次いで、この1組の書込み可能データを設定するための呼出しがACSにより装置に送信される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
セッション内で、新たなデータを作成するための呼出し、または書込み可能データを削除しもしくは修正するための呼出しがACSから装置に送信され、他の管理エージェントに対して書込み可能データをその装置に書込みロックさせると、その新たなデータが作成されまたは書込み可能データが削除されもしくは修正される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
書込みロックを解除することが、トランザクションが終了したことを知らせるための呼出しを装置からACSに送信することと対になる、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
ACSが、書込み可能データの1組の現在値ならびに設定される1組の新たな値を装置に送信すると、その装置が設定を許可する場合、その装置は書込みロックを実行し、設定を進める、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
その装置は、送信される1組の現在値が書込み可能データの実際値と一致する場合、書込みロックを実行し、設定を進める、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
装置が設定を進める場合、かつその設定に成功する場合、ACSには設定が成功したことが知らされ、装置は書込みロックを直ちに解除する、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
装置が設定を進めない場合、ACSにはその旨知らされ、ロールバックが実行され、装置が書込みロックを解除する、請求項6または7に記載の方法。
【請求項10】
装置を遠隔設定するための、具体的には請求項1から9のいずれかに記載の方法で使用するための自動設定サーバであって、
装置内で新たなデータが作成されなければならない場合、または前記ACSにより装置の書込み可能データが修正されもしくは削除されなければならない場合、少なくともその作成され、修正され、または削除される書込み可能データを、トランザクションレベルで他の管理エージェントに対して書込みロックするように、セッション内で装置に命令するようになされる、自動設定サーバ。
【請求項11】
ACSが、ACSと装置との間で通信するためにTR−069 CPE WAN管理プロトコルを使用するようになされる、請求項10に記載の自動設定サーバ。
【請求項12】
ACSが、トランザクションの開始を知らせるための呼出しを装置に送信し、他のエージェントに対して書込み可能データの書込みロックを引き起こすようになされる、請求項10または11に記載の自動設定サーバ。
【請求項13】
ACSが、書込み可能データの1組の現在値ならびに設定される1組の新たな値を伴う呼出しを、その装置に送信するようになされる、請求項10または11に記載の自動設定サーバ。
【請求項14】
書込み可能データを有し、ACSを使いネットワークを介して遠隔的に設定されるようになされる、具体的には請求項1から10のいずれかに記載の方法で使用するための装置であって、
書込み可能データが作成され、修正され、または削除されなければならない場合、ACSとのセッション内で書込み可能データを書込みロックし、
書込み可能データの設定に成功した後または失敗した後に、トランザクションレベルにおいて、セッション内で書込みロックを解除する
ようにさらになされる、装置。
【請求項15】
装置が、ACSと装置との間で通信するためにTR−069 CPE WAN管理プロトコルを使用するようになされる、請求項14に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−519921(P2012−519921A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553383(P2011−553383)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052328
【国際公開番号】WO2010/102902
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】