説明

装置固有のアイコン形成方法および無線通信装置

【課題】装置固有のアイコンをデータ処理装置のディスプレイ上に形成する方法を実現する。
【解決手段】データ処理装置と外部装置との間で情報を伝送するためにローカルエリア・リンクを確立するステップと、外部デバイスによって送信されたメッセージを、データ処理装置によって検出するステップと、問い合わせメッセージをデータ処理装置から外部装置へ送信して装置識別プロセスを開始するステップと、を備える方法は、装置識別プロセス期間中、アイコン情報の記憶場所を示すアドレスを含む回答メッセージを外部装置から受信するステップと、アドレスによって示された記憶場所からいくつかのアイコン情報をデータ処理装置によって受信するステップと、送信されたアイコン情報に基づいて、データ処理装置のディスプレイにおけるピクセルの光学的特性を、アイコン情報に従ってアイコンを形成してディスプレイ上に表示するために制御するステップと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、添付された請求項1の前置き部分に記載されている、外部装置に関連するデータ処理装置においてアイコンを作るための方法に関する。本発明は、添付された請求項8の前置き部分に記載されている無線通信装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータのオペレーティングシステムを開発するときには、ユーザインターフェースにも注意が払われる。最新のユーザインターフェースはグラフィック・ユーザインターフェース(GUI)を含んでおり、それで視覚情報を多様な方法で呈示することができる。例えば、マイクロソフト・コーポレーションはウィンドウズ(登録商標)オペレーティングシステムを作ったが、これはグラフィック・ユーザインターフェースを含んでいる。このユーザインターフェースはいわゆるウィンドウ操作も有しており、それでは、種々のアプリケーションにより呈示される情報のためにディスプレイ中に個別のスペース(“ウィンドウ”)を取っておくことができる。このスペースのサイズ及び場所は、必要に応じて変えることができる。アプリケーション・プログラムを閉じずにウィンドウを最小にしていわゆるアイコンとすることもでき、すると小さなアイコンがディスプレイで表示されて、このアプリケーション・プログラムがオンになっていることを表す。グラフィック・ユーザインターフェース・アプリケーションでは、コンピュータにインストールされているプログラムをアイコンとして表示することもでき、これを用いてアプリケーション・プログラムを始動させることができる。
【0003】
アイコンは普通は特定のサイズのスペースであり、ディスプレイにおいてその形状が変化し得る。アイコンは、ディスプレイのピクセルによって、そのアイコンについて決められている外観の種類に応じてピクセルの色及び明るさが変化するように、表示される。アイコンの情報は好適には垂直ライン及び水平ラインに編成されたアイコン・エレメントから構成されており、各アイコン・エレメントは基本サイズのアイコンにおける1ピクセルの情報に対応する。アイコンを拡大するとき、1アイコン・エレメントの情報を使って数個のピクセルの色及び明るさをそれに応じて調節することができる。周知されているように、RGBカラー・ディスプレイのピクセルは3つの色成分、即ち、赤、緑及び青、から成っている。これら3つの成分の明るさを変えることにより、多色情報(いわゆるフルカラー・ディスプレイ)を表示することができる。アイコン情報はメモリに蓄積され、各アイコン・エレメントについて各色成分に8ビットの記憶空間が取っておかれる。従って各アイコン・エレメントは24ビット、換言すれば3バイトの記憶装置を必要とする。ウィンドウズ(登録商標)オペレーティングシステムでは、1つのアイコンの情報は通常は約1キロバイトである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンピュータと、これに接続可能な他の装置との間のデータ伝送は、通常はケーブルによって実現されるので、それらの装置間にデータ伝送ケーブルが接続される。オフィスでの使用では、数台のコンピュータと、プリンタ等の他の装置とがあって、それらがローカルエリアネットワークで局所的に接続されることがある。このローカルエリアネットワークは、通常は、例えばイーサネット(登録商標)・ケーブル布線などのケーブル布線で実現される。しかし、最近は、短距離用のデータ伝送システムなどの無線結合方法が開発されていて、それは赤外線あるいは無線信号などに助けられて機能する。この様な無線データ伝送システムを用いれば、ユーザがいろいろな装置にケーブルを接続しなくてもよいので、簡単であり、必要なのは装置がデータ伝送システムの作動距離内にあることだけである。このデータ伝送システムを実現するのに使われる技術に関わらずに、通常は装置の特徴を明示して機能パラメータを設定する必要がある。コンピュータは、正しいデータ伝送モードを使用するために、自分とデータ伝送接続している装置(プリンタ、テレコピヤー、無線通信装置、モデム)のタイプに関する情報を受信する必要がある。普通は、これは、コンピュータの動作環境において当該装置を明らかにするのに必要な全ての手順がプログラムされている、コンピュータのインストレーション・プログラムをユーザが始動させることで実行される。プリンタあるいは無線通信装置などの装置は、このインストレーション・プログラムを内蔵しているフロッピー(登録商標)ディスクやCD ROMなどを伴っている。インストレーション・プログラムと関連して、普通はいわゆるアイコンに関する情報も見つけだすことができる。例えば無線通信装置がデータ処理装置の付近にあるならば、このアイコンをコンピュータ・ディスプレイ上で出力することができる。ユーザは普通はアイコンをディスプレイ上の希望する場所へ動かすことができ、またアイコンのサイズを変えることもできる。しかし、アイコンは、そのサイズ及び場所が変更されるときにも、外観は変わらない。このシステムの欠点は、例えば、インストレーション・プログラムに内蔵されているアイコンの外観を変えることができないことである。普通は、例えばパッケージ毎に個別のフロッピー(登録商標)ディスクを作るのは難しく非経済的であるという理由で、装置のどの販売パッケージにも同じ内容のフロッピー(登録商標)ディスクが同封されている。異なる製造者が異なるアイコンを持って良いけれども、各製造者は通常は自分自身の無線通信装置と関連して同じ種類のアイコンを使用する。特に、幾分異なる特性を持った数台の無線通信装置をユーザが持っている状況では、このことが混乱を引き起こすかも知れない。場合によっては異なる名前を持ってはいるけれども、それらの無線通信装置のためにコンピュータにインストールされているアプリケーション・プログラムが同じアイコンで表されていれば、大きな混乱の危険がある。ユーザは間違っているアプリケーション・プログラムを偶然に始動させるかも知れない。ユーザが無線通信装置を持っているけれども、それに対応するアプリケーション・プログラムがコンピュータにインストールされていないような可能性のある状況にも問題が起こる。従って、無線通信装置の基本機能の少なくとも一部分を利用できるようにする汎用アプリケーション・プログラムを使うことができる。しかし、そのアプリケーション・プログラムのアイコンは紛らわしいかも知れない;即ち、例えば、それは全く異なる無線通信装置を表しているのかも知れない。しかし、それが問題の無線通信装置を制御するためのアプリケーション・プログラムを作動させるアイコンであるのかどうかはユーザには必ずしも明らかでない。
【0005】
図1に描かれている無線通信装置は、全て無線通信装置ではあるけれども、それらの機能に関する限りは全く異なっていてもよい。1つの無線通信装置は、呼び出しに答えたり呼び出しをかけたりするなどの基本機能だけを含んでいてもよい。他の無線通信装置はテキスト・メッセージを送出したり受信したりする機能やデータ機能なども含んでもよい。更に、第3の無線通信装置は、電話機能に加えて、例えばカレンダー機能、ノートブック機能などのデータ処理機能も含んでもよい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的の1つは、所望の情報を表示するためにピクセルの光学的特性を変化させるようになっている、装置固有のアイコンをデータ処理装置ディスプレイ上に形成する方法をもたらすことである。そのアイコンの情報は、例えば、無線通信装置などの外部装置から検索され、あるいは外部装置からデータ処理装置へ送信された検索アドレスに基づいて検索される。本発明の方法は、主として、添付された請求項1の特徴部分に記載されていることを特徴とする。本発明の無線通信装置は、主として、添付された請求項8の特徴部分に記載されていることを特徴とする。本発明は、ホスト装置の付近にある無線通信装置などの外部装置からアイコン情報又はアイコン情報の検索アドレスを検索するという考えに基づいている。
【0007】
本発明は、従来技術の方法及び無線通信装置と比べて顕著な利点を与える。本発明の方法を使用するとき、ホスト装置の付近にある無線通信装置を制御するのに使われるアプリケーション・プログラムを種々のアイコンに基づいて識別することができる。無線通信装置の特徴が変更されるときにはアイコンを変えることもできる。また、数台の異なる無線通信装置を制御するのに使われるプログラムのためのアイコンを変更することもできる。従って、所定の時刻でデータ処理装置の付近にある無線通信装置に応じてアイコンを変えることができる。本発明に従って変更することのできるアイコンは互いに容易に識別可能であるので、混乱の危険が減少する。本発明の方法を利用するときには、種々のアプリケーション・プログラムと関連して標準的アイコンを使う必要はなく、各アプリケーション・プログラムのために個別のアイコンを動的にデザインすることが可能である。例えば、移動局は、例えば装置固有のIMEIコード(International Mobile Equipment Identity : 国際移動装置識別子)を記憶するように個別にプログラミングされるので、同時に少なくとも1つの個別アイコンの情報を有利に記憶させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
添付図面を参照して本発明を更に詳しく説明する。
【0009】
次に、短距離データ伝送システムの例としてIrDA規格に準拠する赤外線データ伝送を用いて本発明を説明する。本明細書では、以降は、この短距離データ伝送システムについてローカルエリア・リンクという用語を用いる。これに対応して、このローカルエリア・リンクを実現するデータ伝送手段についてはローカルエリア・リンクのデータ伝送手段という用語を用いるが、それは例えばローカルエリア・リンク送信機とローカルエリア・リンク受信機とを有する。ローパワーRF(LPRF)あるいはケーブル経由のデータ伝送などの、他の公知のデータ伝送システムを用いて本発明を応用し得ることは明らかである。移動通信用広域システム(GSM)に準拠する移動局などの無線通信装置は外部装置の例を与えるけれども、本発明を無線通信装置以外の装置にも応用し得ることは明らかである。
【0010】
近い範囲では、接続ケーブルを回避することができて、異なる装置を自由に置くことができるので赤外線データ伝送が比較的に有効であることが分かっている。それでも、赤外線データ伝送では、通信装置同士の間に妨げのない視程または反射面経由での光学的接続を確立できる可能性がなければならないということを考慮しなければならない。例えばIrDA規格(Infrared Data Association : 赤外線データ通信協会)など、種々の規格がこの種の赤外線データ伝送のために開発されている。図1は、種々の装置間で赤外線データ伝送を利用する方法を示している。例としてこのシステムはラップトップ形コンピュータLPCを接続することのできるデスクトップ形コンピュータPCと、プリンタと、赤外線データ伝送経由の移動局などの種々の無線通信装置とを表示している。IrDA規格に準拠する赤外線データ伝送では、このデスクトップ形コンピュータの付近のこれらの赤外線装置を識別することが可能である。図1のシステムにおけるこのデスクトップ形コンピュータは、システムを制御するための装置として機能するいわゆるホスト装置である。赤外線データ伝送のための手段を内蔵している各装置は、装置の名前、この該装置の動的に定義できるアドレス、及びこの装置により支援されるサービスを示すための状態変数などの記憶された識別データを含む。その状態変数は、例えば、問題の装置がどのサービス・クラスに属するのかを示す。その様なサービス・クラスは、例えば、パーソナルコンピュータ、プリンタPR、プラグアンドプレイタイプの装置、通信端末(電話)、等を有する。従って、通信端末の状態変数の値を調べることにより、ホスト装置の付近にある無線通信装置をこのサービス・クラス定義に基づいて確定することができる。ホスト装置が検出して識別した赤外線データ伝送を支援する装置に関するデータはホスト装置によってその記憶手段に蓄積される。
【0011】
赤外線データ伝送に適する新しい装置がコンピュータの近くに入ってきた場合には、対応する識別が行われる。ホスト装置は間をおいて問い合わせメッセージを送信し、このホスト装置の近くにある赤外線データ伝送に適する装置は応答メッセージを送り、これによりその装置が検出される。この応答メッセージはホスト装置により受信されて、例えばその装置のサービス・クラスを明らかにするために使われる。
【0012】
前述したIrDA規格に準拠するデータ伝送システムは、国際規格標準化機構ISOにより提供されているOSI(開放形システム相互接続:Open Systems Interconnection)と称される7層のサンドイッチ構造に基づいている。IrDA規格プロトコル・スタックは、前述のOSIサンドイッチ構造の最下層即ち物理層と、その上のデータ・リンク層と、次のネットワーク層と、最上層即ちアプリケーション層とを備える。
【0013】
物理層の具体的構成は装置毎にまちまちである。普通はIrDA-SIR仕様に準拠するデータ伝送が使用され、これによって115.2 kbit/sの速度を達成することができる。また、1.152Mbit/s 及び4Mbit/s の速度が定義されているもっと高速の赤外線データ伝送がIrDA規格(FIR, Fast Infra Red : 高速赤外線)について定義されている。
【0014】
データ・リンク層プロトコルを表示するためにIrLAP という略称が使用される。このプロトコルは、装置の識別と、信頼性を確保するサービスとを支援する。この装置で赤外線データ伝送が利用可能であることがこのプロトコル層で他の装置にも知らされる。
【0015】
ネットワーク層プロトコルを表示するためにIrLMP という略称が使用される。このプロトコルは、サービス・レベルでの接続確立と、種々のデータ伝送ストリームの多重化とを支援する。
【0016】
アプリケーション層は、装置で使われるアプリケーションに必要なサービスを含んでいる。どのIrDA装置でも必要な1つのサービスは、いわゆる情報アクセス・サービス(IAS)である。この情報アクセス・サービスは、いわゆるサーバ・サービスとクライアント・サービスとを含んでいる。クライアント・サービスは、ホスト装置がどのサービスを支援するかを知るためにサーバ・サービスに問い合わせをすることができる。サーバ・サービスは、デスクトップ形コンピュータの記憶手段に蓄積されているデータベースなどの局所的データベースから、問い合わせされた情報を検索する。このデータベースは、サービス固有の情報を含んでいる。
【0017】
図1に示されているシステムでは、ホスト装置はパーソナルコンピュータなどのデータ処理装置PCであり、その好適な実施例の1つが図3の具体的なブロック図に示されている。このデータ処理装置PCは、読み出し専用メモリROM、ランダムアクセスメモリRAM、書き込み可能な大容量記憶装置(ハードディスク)などの記憶手段2を含んでいる。また、データ処理装置PCはローカルエリア・リンクのデータ伝送手段3を有しており、これは、この場合にはIrDA規格に準拠する赤外線データ伝送手段であって、例えば送信機と受信機とを含んでいる。データ処理装置は、ディスプレイ4及びキーボード5を伴うユーザインターフェースUIも含んでいる。データ処理装置の機能を制御するために制御ユニット6が使用され、これは通常は中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラなどを含んでいる。データ処理装置PCの記憶手段2は、例えば書き込み可能な大容量記憶装置に、データ処理装置PCで種々の機能を達成するためのプログラム・コマンドを含むオペレーティングシステムを蓄積している。このオペレーティングシステムにより、ユーザは、データ処理装置PCの記憶手段2にインストールされているアプリケーション・プログラムを始動させるが、このこと自体は公知である。通常はオペレーティングシステムにはいわゆるデバイス・コントローラもロードされており、これによりキーボード5のキーを押す操作を調べて読み取り、例えばローカルエリア・リンクのデータ伝送手段3及びモデム7などの、データ処理装置PCの他の機能ブロックを制御することができる。モデム7により、データ処理装置を例えば地上線通信網8に接続することができ、これでデータ処理装置から例えばインターネット通信網を介して遠くの他のデータ処理装置へのデータ伝送接続を確立することができる。
【0018】
ディスプレイ4を制御するために、データ処理装置PCは、例えば所定の時間に所望の色及び明るさに基づいてディスプレイのピクセルを制御するために使われるピクセルのための信号を確立し、例えば画像全体を1秒間に75回更新するなど、間をおいてディスプレイ4のイメージ情報を更新し、所望のタイミング信号を確立する、などを目的とするグラフィック・ディスプレイ・コントローラ14(GDC)を備えている。ディスプレイ4の構造は、例えば、制御信号及び同期信号をどのように作るかに影響を及ぼす。公知のディスプレイの種類は、例えばブラウン管ディスプレイ(CRT)及び液晶ディスプレイ(LCD)である。しかし、本発明を適用するとき、ディスプレイのタイプは重要ではなくて、この関係でディスプレイについてこれ以上論じる必要はない。当業者は、所定の時間に使用されるディスプレイのタイプに応じて本発明の機能の説明を応用することができる。
【0019】
ディスプレイ・メモリ15に記憶されているイメージ情報は、グラフィック・ディスプレイ・コントローラ14によって読み出されて、ディスプレイ4を制御するのに必要な信号を作るために使われる。ディスプレイ・メモリ15の中のイメージ情報はバイナリ形式で、普通は色成分あたりに8ビットであり、これで各色成分(R,G,B)について256レベルの輝度(明るさ)を作ることが可能である。図3のデータ処理装置では、色成分のバイナリ数値をディスプレイ4に送信されるアナログ信号に変換するために3つのディジタル/アナログ(D/A)変換器16R、16G、16Bがグラフィック・ディスプレイ・コントローラと関連して構成されている。ディスプレイ・メモリ15は、好適には、各基本色について1つずつ、合計で3つの領域を含んでいる。各領域に、各ピクセルあたりに1バイトがある。それらのバイトは、通常は、第1バイトがディスプレイ4の左上隅のピクセルに対応し、次のバイトが水平方向に隣のピクセルに対応する、等々、となるように構成される。従って、最後のバイトはディスプレイ4の右下隅のピクセルに対応する。図を明瞭にするために、ディスプレイ・メモリは1ブロックとして図3に示されている。データ処理装置のディスプレイ・メモリ15と記憶手段2とは別々のブロックとして表示されているが、実際のアプリケーションでは同じメモリ回路を使って実現されても良く、それらのメモリ回路中の別の記憶スペースがディスプレイ・メモリのために取って置かれる。
【0020】
ディスプレイ4で表示される情報は次のように有利に更新される。即ち、データ処理装置のコントローラ6は、変更されるべきピクセルのアドレスと、そのピクセルの新しい色及び明るさのデータとを送り出す。グラフィック・ディスプレイ・コントローラ14は新しい値をディスプレイ・メモリ中のそれらのピクセルに対応する記憶場所に入れる。ディスプレイ4は、変更されているピクセルを更新するべき時になると更新されるが、そのこと自体は公知である。ディスプレイ4をフィールド毎に更新することもでき、その場合にはコントローラ6は、例えば変更されるべきフィールドの出発点(例えば左上隅のxy座標)と終末点(例えばそのフィールドの右下隅のxy座標)とをグラフィック・ディスプレイ・コントローラ14に送信する。更に、コントローラ6はこのフィールド中の各ピクセルについての新しい値もグラフィック・ディスプレイ・コントローラ14に送信する。あるアプリケーションではグラフィック・ディスプレイ・コントローラ14で計算を実行することが可能であり、その場合にはコントローラ6はパラメータをディスプレイ・コントローラ14に送信し、それに基づいてこのコントローラは変更されるべきピクセルとそれらについての新しい値とを計算する。これは、例えば、線や円などの規則的なパターンを描くために応用することができる。本明細書では、上記のフィールド毎に更新する方法はアイコンを更新するために使われ、その場合、アイコンを形成し更新するとき、フィールドはアイコンのサイズを有する。
【0021】
本明細書において装置固有のアイコンは種々の外部装置MS1,MS2,MS3の全てについて必ずしも異なっていなくても良く、例えば同じ外部装置モデルについて類似の装置固有のアイコンをデザインし、同じタイプの外部装置について類似の装置固有のアイコンをデザインし、あるいは同じ製造者の外部装置について類似のアイコンをデザインすることも可能である。特定の戦略を目的として作られた外部装置のために、あるいは特定の製造ロットの外部装置のために装置固有のアイコンを形成することもできる。
【0022】
図に描かれているシステムは、数台の無線通信装置MS1,MS2,MS3も示している。これらの無線通信装置MS1,MS2,MS3は異なっていて良いけれども、それらは全て一定の基本ブロックを内蔵していて、それに基づいて無線通信装置MS1,MS2,MS3に関して本発明の作用を理解することができる。無線通信装置と関連して主に第1無線通信装置MS1だけに言及するが、その代わりに他の無線通信装置MS2、MS3を用いることもできることは明らかである。
【0023】
図4は無線通信装置MS1の有利な実施例を示す具体的なブロック図である。これは、読み出し専用メモリ及びランダムアクセスメモリなどの記憶手段9と、第2のローカルエリア・リンク・データ伝送手段10とを有し、これは、この場合にはIrDA規格に準拠する赤外線データ伝送手段であり、これは例えば送信機及び受信機を含んでいる。無線通信装置MS1はディスプレイ11及びキーパッド12を伴うユーザインターフェースも含んでいる。無線通信装置MS1,MS2,MS3の機能を制御するために制御ユニット13が使われ、これは通常はマイクロプロセッサCPU(中央処理装置)、マイクロコントローラ、などを含む。また、図4は、移動通信網(図示されていない)とのデータ伝送接続を確立するための無線ユニット24と、オーディオ・ブロック25、受信機/スピーカ26、マイクロホン27などの、オーディオ信号を処理するための手段も示している。
【0024】
次に、本発明の1つの好適な実施例である方法の作用について説明する。ローカルエリア・リンクの制御アプリケーション・プログラムはデータ処理装置PCで始動される。このアプリケーション・プログラムはディスプレイ4上にアプリケーション情報ウィンドウ21を形成する。その例は図2の情報ウィンドウ21である。始動と関連して、付近にあるどの装置がローカルエリア・リンクに接続可能であるかがデータ処理装置PCで明らかにされている。それらの装置(この場合には第1および第2の無線通信装置MS1,MS2)から、アイコン22,23が情報ウィンドウ21に形成される。新しい装置がデータ処理装置PCに近い距離の所に持ち込まれる場合に、データ処理装置PCはその装置から送信されたメッセージを検出して装置識別プロセスを開始する。データ処理装置PCから、問い合わせメッセージが装置に送信される。この問い合わせメッセージを受け取った装置は回答を送り、それでこの装置は識別データを伝える。異なる数台の装置から送信される識別データを見つけだすために1つの問い合わせメッセージを使うことができ、その場合には各装置が異なる時にデータを送る。その回答メッセージは、IrDA規格に従って、装置のアドレスに関する情報(これはこの規格では32ビットを含む)を含んでいる。このアドレス・データはアプリケーション毎に違っていてもよく、また各装置が異なるアドレスを持つべきである。識別段階に関してこのアドレスを与えることもでき、その場合にはデータ処理装置PCは好適にはアドレスを確定して、そのアドレス・データを問題の装置に送る。回答メッセージは装置によって支援されるサービスに関する情報も含んでおり、それは少数の状態変数を含むフィールドである。それらの状態変数は、例えば、それが問題のテレコピヤーであるのか、モデムであるのか、電話機であるのか、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)であるのか、プリンタであるのか、などを伝えることができる。また、回答メッセージで装置について名前が設定され、それを装置のユーザは該装置の記憶手段に記憶させてある。その名前は通常は文字列である。受信された情報はデータ処理装置PCの記憶手段2に記憶される。問題の無線通信装置が前に識別されていないどうかも調べられ、その場合にはその無線通信装置のアイコンの情報がデータ処理装置の記憶手段に付け加えられる。アイコンの情報は無線通信装置の記憶手段9からローカルエリア・リンクを介して有利に送られる。この文脈で、この識別プロセスをもっと詳しく解説している、本出願と平行する特許出願に言及しておく。
【0025】
そのアイコン情報を検索する前に、データ処理装置PCは無線通信装置MS1,MS2,MS3などのIASデータベースで問題の無線通信装置がアイコン情報又はアイコン情報についての検索アドレスを含んでいるか否かを調べる。
【0026】
データ処理装置PCは無線通信装置のタイプのテーブルなどを有利に含んでおり、それは、ローカルエリア・リンクの作用範囲内にありあるいは前からその中にあった異なる各無線通信装置MS1,MS2,MS3に関する一定の基本情報を含んでいる。そのアイコン情報は好適にはその無線通信装置のタイプのテーブルと関連してデータ処理装置PCに記憶される。
【0027】
無線通信装置MS1,MS2,MS3のアイコン情報はグラフィック・ディスプレイ・コントローラ14に送信され、このコントローラはそれに応じてディスプレイ・メモリ15を更新する。アイコンの場所を、例えば、この目的のために情報ウィンドウ21の中に取ってあったスペースに選定することができる。
【0028】
ローカルエリア・リンクに入った無線通信装置MS1,MS2,MS3が既に前に識別されていて、そのアイコン22,23がロードされていたならば、この段階でそれが変化しているか否か調べることが可能である。これを、例えば、バージョン番号又はその他の対応する情報に基づいて実行することができる。アイコン22,23を、例えば、無線通信装置のバージョン更新と関連させて変更することができる。従って、本発明の方法は、データ処理装置PCのアイコン22,23を常に最新のバージョンに従って更新することを可能にする。
【0029】
あるアプリケーションでは無線通信装置の記憶手段9以外の記憶スペースからアイコン情報を検索することもできる。可能な検索場所としては、インターネット通信網、オフィスのローカルエリアネットワーク、あるいはフロッピー(登録商標)ディスクなどがある。この場合には、検索アドレスは無線通信装置の記憶媒体9に記憶されるが、それは例えばURLアドレス(ユニバーサル・リソース・ロケータ:Universal Resource Locator)であり、例えば「http://www.firm.com/icons/mobile.ico」であり、その中の「http」はインターネットで一般的に使われているデータ伝送プロトコルであるハイパーテキスト転送プロトコルを意味し、「www.firm.com. 」はファーム(firm)と称される会社のインターネット・ホームページ・サーバ・アドレスであり、"icons/mobile.ico"はこのサーバにおけるファイルの場所を定義している。データ処理装置PCで、モデム7と、地上線通信網8などの通信網とを介して、検索アドレスで与えられている場所へのデータ伝送接続を確立して、アイコン情報の検索及び更新を行うことができる。
【0030】
アイコン情報の表示形式はアプリケーション毎に異なっていてもよく、次の文字列は1つの例である。「10;0;5,5,0;10,10,0;10,10,0;7;1;255,127,0;255,127,0;10;3;0,0,255;0,255,0;255,0,0;0」。この文字列の例の中の数字は8ビットの情報を表しており、従って各数字は0から255までの値を得ることができる。この例では、アイコン情報において、アイコンを定義するプロセスはアイコンの頂部で始まって左から右へ、そして頂部から底部へと進むと仮定されている。アイコンの形は必ずしも規則的でなくてもよい。最初の数字は最初のラインを確定する図形の数を表し、それはここでは10である。次のバイト(0)は、そのアイコンについて確定されている場所に関しての第1ラインの始まりのポイントを表しており、それは例えばアプリケーション・プログラムで与えられる。これに続いて、数値0の色成分は暗くて数値255の色成分が最大の明るさを有するように、各色成分が3個の数字のグループで確定される。各グループにおいて、最初の数は赤色成分の明るさを表し、2番目の数は緑色成分の明るさを表し、3番目の数は青色成分の明るさを表す。この様に最初のラインは3つの色成分を含む。これに次のラインの情報、即ちそのラインを確定する図形の数(7)、そのラインの始まりのポイント(1)、及び色成分についての定義(2×3)、が続く。この後に3番目のラインの情報が続く。この例でのアイコン情報は、図形の数についての情報が0になったときに、換言すればアイコンを確定する第3ラインの後に、終わる。実際には、1つのアイコンを定義する情報は、上記の記述に関して多くの部分からなる。
【0031】
装置固有のアイコン情報が2つまたはそれより多い異なるアイコン情報エレメントから形成されるように本発明を応用してもよい。例えば、GSMシステムの無線通信装置では、加入者固有の証明カードSIM(Subscriber Identity Module:加入者識別モジュール)(図示されていない)が使われ、それに電話番号などの、加入者に固有の情報が記憶されている。従って、例えば、電話番号を無線通信装置に記憶されているアイコン情報と組み合わせることが可能であり、その場合、データ処理装置PCのディスプレイ4で表示される装置固有のアイコン、同じ外部装置の異なるユーザについて少し違うアイコンを表示することができる。例えばユーザの氏名など、この種のユーザ固有の情報を、少なくともノキア9000コミュニケータ(Nokia 9000 Communicator )に接続することのできるいわゆるビジネスカード形のカード(図示されていない)から検索することもできる。
【0032】
本発明は、上記の実施例だけに限定されるものではなくて、添付された請求項の範囲内で修正され得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】赤外線データ伝送に基づく短距離用データ伝送システムを示す図である。
【図2】グラフィック・ユーザインターフェースに従う情報ウィンドウを例示している図である。
【図3】電子データ処理装置を示す具体的なブロック図である。
【図4】無線局を示す具体的なブロック図である。
【符号の説明】
【0034】
PC データ処理装置
MS1,MS2,MS3 外部装置
22,23 装置固有アイコン
4 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理装置と外部装置との間で情報を伝送するためにローカルエリア・リンクを確立するステップと、
前記外部デバイスによって送信されたメッセージを、前記データ処理装置によって検出するステップと、
問い合わせメッセージを前記データ処理装置から前記外部装置へ送信して装置識別プロセスを開始するステップと、
を備える方法であって、
前記装置識別プロセス期間中、アイコン情報の記憶場所を示すアドレスを含む回答メッセージを前記外部装置から受信するステップと、
前記アドレスで表されている前記記憶場所から少なくともいくつかのアイコン情報を前記データ処理装置によって受信するステップと、
送信された前記アイコン情報に基づいて、前記データ処理装置のディスプレイにおける前記ピクセルの光学的特性を、前記アイコン情報に従ってアイコンを形成して前記ディスプレイ上に表示するために制御するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
第2の外部装置から受信された前記アイコン情報が前記第2の外部装置に記憶されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記外部装置が識別される段階で前記アイコン情報が検索され、検索された前記アイコン情報は前記データ処理装置に記憶されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記データ処理装置からインターネット通信網へのデータ伝送接続を確立することが可能である請求項1に記載の方法において、前記アイコン情報が前記インターネット通信網内の記憶場所に記憶され、URLアドレス等が前記外部装置に記憶されることを特徴とする方法。
【請求項5】
前記ディスプレイで表示される視覚情報はディスプレイ・メモリに記憶されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記アイコン情報は無線で前記データ処理装置に送信されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記アイコン情報は、2つまたはそれより多い記憶場所に記憶されたアイコン情報エレメントから形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記外部装置は無線通信装置であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
装置であって、
前記装置に関連するアイコンを形成するためにデータ処理装置に記憶されたアイコン情報の記憶場所アドレスと、
データ処理装置と前記装置との間にデータ伝送のためのローカルエリア・リンクを確立するための手段と、
装置識別プロセスを開始するために前記データ処理装置から問い合わせメッセージを受信する手段と、
を備える装置において、
装置識別プロセスを開始するために前記データ処理装置に回答メッセージを送信し、前記装置識別プロセス中に前記アイコン情報の前記記憶場所アドレスを前記データ処理装置に送信するための手段をさらに備えることを特徴とする装置。
【請求項10】
前記アイコン情報は少なくとも2つのアイコン情報エレメントを含んでいることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1つの前記アイコン情報エレメントは、ユーザ固有の無線通信装置情報を含んでいることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記アイコン情報は、前記装置の2つまたはそれより多い記憶場所に記憶されることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記無線通信装置であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
データ処理装置であって、
ディスプレイ、および前記ディスプレイのピクセルの光学的特性を変更するための手段と、
装置の装置固有のアイコン情報に基づいて、アイコンを前記ディスプレイ上に形成するための手段と、
前記データ処理装置と前記装置との間にデータ伝送のためのローカルエリア・リンクを確立するための手段と、
を備えるデータ処理装置において、
装置識別プロセスを開始するために問い合わせメッセージを前記装置へ送信する手段と、
前記装置から回答メッセージを受信し、前記装置識別プロセス期間中、アイコン情報の記憶アドレスを受信する手段と、
前記記憶アドレスによって示された記憶場所から少なくともいくつかのアイコン情報を受信する手段と、
を備え、
前記データ処理装置は、送信された前記アイコン情報に基づいて、前記ディスプレイにおける前記ピクセルの光学的特性を、前記アイコン情報に従ってアイコンを形成して前記ディスプレイ上に表示するために制御するよう構成されることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項15】
第2の外部装置から受信された前記アイコン情報を受信する手段を備えることを特徴とする請求項14に記載のデータ処理装置。
【請求項16】
通信ネットワークに対してデータ送信接続を設定する手段と、
前記外部装置に記憶された前記アドレスを使うことによって、前記通信ネットワークから前記アイコン情報を受信する手段と、
を備えることを特徴とする請求項14に記載のデータ処理装置。
【請求項17】
前記送信する手段は、無線送信機を備え、前記受信する手段は、無線受信機を備えることを特徴とする請求項14〜16のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項18】
前記アイコンを前記ディスプレイ上に形成するための手段は、2つまたはそれより多い記憶場所に記憶されたアイコン情報エレメントを使って前記アイコンを形成するよう構成されることを特徴とすることを特徴とする請求項14〜17のいずれか一項に記載のデータ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−80817(P2009−80817A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278219(P2008−278219)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【分割の表示】特願平11−47956の分割
【原出願日】平成11年2月25日(1999.2.25)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】