説明

装身具

【課題】貴金属装身による精神的効果にあわせて素材に基づく理学的効果を身近に奏して健康と美容の増進を図ろうとするもの。
【解決手段】ナノセラミックス微粒子と熱硬化性樹脂を混合し、この混合物に50℃前後の熱を加えて熱硬化性樹脂を軟化し、振動を加えて撹拌しながら焼結型に流し込み、120℃〜200℃の温度で焼結してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノセラミックス微粒子を用いた装身具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遠赤外線を放射する物質としては、シリカ、アルミナ、セラミックス、ナノセラミックス等の物質が知られている。これらの物質のなかで、シリカは6〜14の遠赤外線を放射することが知られ、これらは、医療方面では、癌の激痛緩和、ポリープ、肝炎、潰瘍痛等の治療に有効であり、また腰痛、肩凝り、リューマチ、関節炎、神経痛、アトピー性皮膚炎等の治療にも有効であり、また製造業では、マット、安眠まくら、靴敷等に利用されて健康グッズに、土地・農地では、酸化還元作用による地場改良、建設では、コンクリートの中和剤、家庭では冷蔵庫の脱臭・鮮度維持、環境施設では、河川の浄化、汚水・排水の処理、殺菌除菌効果があることが知られ、またその遠赤外線放射による活性化水の利用による農業・畜産でも多大な成育、飼育効果があることが知られるものである。
【0003】
本願発明者は、特開2002−255635を開示している。この発明において、発明者は装身具の製造に関して、その原料にシリカ原石を用いることを発明したが、その後、研究を重ねて試行錯誤した結果、ナノセラミックス微粒子を用いることにより、さらに効果があることを発明した。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2002−255635公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本案の目的は、上記のように画期的な遠赤外線放射効果を装身具に利用し、貴金属装身による精神的効果にあわせて素材に基づく理学的効果を身近に奏して健康と美容の増進を図ろうとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
而して本発明の特徴は、ナノセラミックス微粒子と熱硬化性樹脂を混合し、この混合物に50℃前後の熱を加えて熱硬化性樹脂を軟化し、振動を加えて撹拌しながら焼結型に流し込み、120℃〜200℃の温度で焼結してなる装身具を提供することにある。
【0006】
また、ナノセラミックス微粒子及び粒子径0.1〜50μmのシリカ原石の粉末体と熱硬化性樹脂を混合し、この混合物に50℃前後の熱を加えて熱硬化性樹脂を軟化し、振動を加えて撹拌しながら装身具本体に形成した窪部または欠所に流し込み、流動しない状態に固化した後、焼結型に入れて120℃〜200℃の温度で焼結することも本発明の特徴である。
【0007】
また、シリカ原石の粉末体と熱硬化性樹脂との重量比が2:1〜1:5で混合することも本発明の特徴である。
【0008】
熱硬化性樹脂は、エポキシ系樹脂,フェノール系樹脂,メラミン系樹脂,尿素系樹脂,ウレタン系樹脂であることも本発明の特徴である。
【発明の効果】
【0009】
また本発明の応用分野は広く、現在判明しているだけでも以下の分野であるが、これにとどまらず、人類の生活と共にある凡ゆる分野で優れた効果を発揮するのであって、将来の新たなる分野で使用される可能性を充分含んでいる。
【0010】
例えば、本発明は医薬の分野にあって、特に大腸癌や小腸癌や皮膚癌など、各種癌の発生を未然に防止でき、脳疾患や神経疾患や脳血管障害や肺疾患や、消化管粘膜障害や、肝疾患や腎疾患さらには、眼疾患や、皮膚疾患や、糖尿病疾患、免疫疾患にも優れた効果がある。
【0011】
他に生活病などの分野としては、糖尿病や細胞障害や、皮膚の老化を防ぎ、過酸化脂質、中性脂肪の拡大を防ぐ効果がある。
【0012】
また血管を綺麗にし、コレステロールの増加を抑え高血圧を防ぐ結果、心筋梗塞、狭心症や、脳梗塞や、脳内出血を防ぎ、抗潰症を防ぐ。また、近頃話題の花粉症やアトピーやストレスの解消の生活習慣病の分野や、電磁波の悪影響を抑制し、不眠症や冷え症を防ぐ効果がある。
【0013】
特に、本発明ナノセラミック微粒子の利用分野は、医薬として水等に混合して飲用するほか、PH調節剤など、粉状錠剤,軟化剤としてもよい。
【0014】
また、近頃は各種健康グッズが持て囃されているが、たとえば身体に直接触れるブレスレットや、指輪や、ネックレスや、イヤリングや、ピアスなどの装飾品に熔着したり、貼付あるいは埋設したりするとよい。さらには、本発明ナノセラミック微粒子を衣服などに用いる布の行程の際に加えるなども効果的である。
【0015】
さらに、装身具において装着者の肌と接触もしくは対応する部分がナノセラミックス微粒子体粉末と樹脂と焼結体であるから、ナノセラミックス微粒子体粉末による遠赤外線を照射し、その赤外線放射効果と、貴金属装身による理学的および精神的な効果を奏して健康と美容の増進を図ることができるものである。
【0016】
語句の説明
本案でナノセラミックス微粒子とは、ナノ状のセラミックスからなる微粒子のことをいう。またセラミックスとは、一般に無機物質を原料として熱処理によって得られる製品のことであり、そのような製品を製造する工業のことをさす。一般に、耐熱性・耐薬品性、また高い電気絶縁性をもつが、半導体特性をもつものもあり、情報通信・精密機械・医用などの分野で新素材として利用されるものである。
【実施例】
【0017】
以下、この発明の遠赤外線照射が行える装身具の実施例として図1および図2に示すナノセラミックス丸玉装身具1を説明すると、先ずシリコンで丸玉装身具1の成形型(図示しない)を作成する。
【0018】
つぎに、ナノセラミックスを粒子径が1〜10μmの粉末体の粉末に加工する。このナノセラミックス粉末と熱硬化性樹脂の実施例として一液性エポキシ樹脂とを混合割合1:3、すなわち、ナノセラミックス粉末約0.3gに対して一液性エポキシ配合樹脂約0.9gを混合して混合物とし、この混合物に熱(約50℃)を加えて軟化し、軟化した混合物を前記シリコン成形型に注入する。そして、成形型に注入後、混合物中の泡を取り除く為に振動を加え撹拌する。
【0019】
その後、電気炉に入れ約170℃の熱を加え20分から30分焼き固めてナノセラミックス焼結体1aを設ける。このナノセラミックス焼結体1aを自然乾燥後、リューターで研磨し、またその中心に穴1a1を開け、全体を、パフで艶出しをしてパーツに仕上げてナノセラミックス丸玉装身具1を設けてなるものである。なお、ナノセラミックス粉末体の粒子径は0.1〜50μmで選択できるものである。
【0020】
また熱硬化性樹脂の実施例としては、前記エポキシ樹脂の他にフェノール系樹脂等を用いることができる。また、ナノセラミックスの粉末体と熱硬化性樹脂との重量比を2:1〜1:5で選択できるものである。また、形状、表面模様、表面宝石施飾、貴金属施飾についても行え、前記実施例の外観に限定するものではない。
【0021】
次に、この発明の遠赤外線照射が行える装身具の実施例として図3および図4に示すナノセラミックス微粒子を用いた指輪2を説明すると、先ず、指輪本体2aの製作について説明すると、指輪本体2aの製造に先だって、宝飾品として指輪本体2aのデザインの作成をする。
【0022】
その原型のデザインは、表面の形状、施飾宝石の種類、大きさ、配置状況と、内径面に形成する窪部について行う。つぎに、その原型デザイン(図示しない)をシルバー素材により手作りにて指輪本体(図示しない)を製作する。このシルバー素材手作原型に基づきシリコンゴムを使用してゴム型を作成する。そのゴム型によりロストワックス型を、所要個数を作成し、その数個のワックス型を、ロストワックス芯体と一体に接続しツリー(図示しない)を形成する。このツリーの周囲に石膏を流し入れて固める。
【0023】
その後、釜に入れて焼き、中のツリーのワックスを溶かして石膏型を作成する。この出来た石膏型に地金、すなわち、実施例の18金を溶かし注入して鋳造する。
【0024】
その後、石膏を取り除きツリーを取り出し、指輪原体を切り取って仮研磨仕上げをして、図3および図4に示すような表面外観と内径面2a1が窪部3a、3b、3cの如く所要の間隔で適宜幅と深さに形成される指輪本体3aを、いわゆるロストワックス法と呼ばれる製造方法により製造する。
【0025】
つぎに、粒子径が約3.5μmのナノセラミックス粉末体と熱硬化性樹脂の一例として一液性エポキシ配合樹脂を重量比1:2の割合で混合し、この混合物に熱(約50℃)を加え樹脂を軟化し、混合物を前記指輪本体2aの内径面2a1の窪部3a、3b、3cに順次に流し込み、その流し込み時、泡を取り除く為に振動を加えて撹拌する。
【0026】
その後、電気炉に入れ約170℃の熱を加え20分から30分焼き固め、自然冷却後リューターで研磨し、パフで艶出しその他の仕上げ加工を施してナノセラミックス微粒子を用いた指輪2の内径面2a1にナノセラミックス焼結体4a、4b、4cを配備して完成するものである。
【0027】
なお、ナノセラミックス粉末体の粒子径は0.1〜50μmで選択できるものである。また熱硬化性樹脂の実施例としては、前記エポキシ樹脂の他にフェノール系樹脂等を用いることができる。また、ナノセラミックスの粉末体と熱硬化性樹脂との重量比を2:1〜1:5で選択できるものである。
【0028】
また、混合物を流し込みまたは注入する部分は指輪本体2aの窪部3a、3b、3cに限定されるものではなく、図示しないが欠所であってもよいものである。そしてナノセラミックス焼結体は着用者の対応接触面であることが望ましいものである。
【0029】
前記実施例は、装身具の一例としてナノセラミックス微粒子を用いた指輪2を説明したが、ブレスレット、ペンダント等でも実施できるものである。また指輪本体2aの資材についても18金に限定するものでなく、プラチナ、シルバーその他であってもよいものである。また、形状、表面模様、表面宝石施飾、貴金属施飾についても行え、前記実施例の外観に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】ナノセラミックス丸玉焼結体を示した外観図である。
【図2】ナノセラミックス丸玉装身具の一部切り欠きを示した外観図である。
【図3】本発明に係るナノセラミックス微粒子を用いて作成した指輪本体を示した縦断面図である。
【図4】本発明に係るナノセラミックス微粒子を用いて作成した指輪本体を示した外観斜視図である。
【図5】超微粒子本発明ナノ状のセラミック超微粒子の磁性特性グラフ。
【図6】本発明装飾具であるブレスレットを嵌めた時の、身体に与える好影響を示すサーモグラフィックの写真である。
【図7】本発明装飾具であるネックレスを嵌めた時の、身体に与える好影響を示すサーモグラフィックの写真である。
【図8】誘発足蹠浄腫に対する炎症、鎮痛、抑制効果のグラフ。
【符号の説明】
【0031】
1 ナノセラミックス丸玉装身具
1a ナノセラミックス焼結体
1a1 穴
2 ナノセラミックス微粒子を用いた指輪
2a 指輪本体
2a1 内径面
3a 窪部
3b 窪部
3c 窪部
4a ナノセラミックス焼結体
4b ナノセラミックス焼結体
4c ナノセラミックス焼結体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノセラミックス微粒子と熱硬化性樹脂を混合し、この混合物に50℃前後の熱を加えて熱硬化性樹脂を軟化し、振動を加えて撹伴しながら焼結型に流し込み、120℃〜200℃の温度で焼結してなる装身具。
【請求項2】
ナノセラミックス微粒子及び粒子径0.1〜50μmのシリカ原石の粉末体と熱硬化性樹脂を混合し、この混合物に50℃前後の熱を加えて熱硬化性樹脂を軟化し、振動を加えて撹伴しながら装身具本体に形成した窪部または欠所に流し込み、流動しない状態に固化した後、焼結型に入れて120℃〜200℃の温度で焼結してなる装身具。
【請求項3】
熱硬化性樹脂は、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ウレタン系樹脂である請求項1または請求項2の装身具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−263(P2006−263A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177888(P2004−177888)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(501255402)株式会社ヒロセキャスティング (7)
【Fターム(参考)】