説明

補修用ジャンパースリーブ

【課題】 ジャンパー電線同士の接続作業を短縮することができ、しかも接続部の連結強度を十分に確保することが可能なジャンパースリーブを提供する。
【解決手段】 導電性部材から構成される棒状のスリーブ本体11と、スリーブ本体11の軸方向の一端部に形成され、補修のために切断された一方のジャンパー電線108の端部が挿入可能な第1のスリーブ12穴と、第1のスリーブ穴12の外方に位置し、半径方向に圧縮可能な第1の圧縮部13と、スリーブ本体11の軸方向の他端部に形成され、補修のために切断された他方のジャンパー電線109の端部が挿入可能な第2のスリーブ穴14と、第2のスリーブ穴14の外方に位置し、半径方向に圧縮可能な第2の圧縮部15と、スリーブ本体11の第1の圧縮部13と第2の圧縮部15との間に形成され、補修のための切断によるジャンパー電線108、109の軸方向の長さの不足分を補足する長さを有する延長部16と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電線路に用いられるジャンパー電線同士を接続するための補修用ジャンパースリーブに関する。
【背景技術】
【0002】
架空送電線路においては、鉄塔に碍子を介して支持された送電線をジャンパー電線を用いて接続している。図7は、架空送電線路の一例を示している。図7に示すように、鉄塔101の腕金101aの一方には、碍子104および接続金具106を介して送電線102が支持されている。また、鉄塔101の腕金101aの他方には、碍子105および接続金具107を介して送電線103が支持されている。送電線102側の接続金具106には、ジャンパー電線108が接続されており、送電線103側の接続金具107には、ジャンパー電線109が接続されている。そして、ジャンパー電線108の端部とジャンパー電線109の端部は、ジャンパースリーブ110を介して接続されている。この状態では、ジャンパー電線の最下位部と鉄塔101の腕金101aとの間は、電気的絶縁性を確保するため所定距離Hに保たれている。
【0003】
図9は、ジャンパースリーブ110の詳細を示している。ジャンパースリーブ110には、送電線102が挿入されるスリーブ穴110aと、送電線103が挿入されるスリーブ穴110bが形成されている。スリーブ穴110aが位置する部位は、圧縮部110cに形成されており、スリーブ穴110bが位置する部位は、圧縮部110dに形成されている。圧縮部110cは、スリーブ穴110aにジャンパー電線108の端部を挿入した状態で、専用工具によって半径方向に圧縮されている。同様に、圧縮部110dは、スリーブ穴110bにジャンパー電線109の端部を挿入した状態で、専用工具によって半径方向に圧縮されている。
【0004】
図7に示すように、ジャンパースリーブ110によるジャンパー電線108、109の接続では、ジャンパー電線108、109とジャンパースリーブ110との接触抵抗が増加すると、ジャンパースリーブ110が異常発熱するという問題があり、ジャンパースリーブ110を交換する必要がある。図8は、異常発熱したジャンパースリーブ110を交換した後の状態を示しており、この場合は、ジャンパー電線の最下位部と鉄塔101の腕金101aとの間を所定距離Hに確保するため、ジャンパー電線108とジャンパー電線109との間に新たなジャンパー電線111を挿入し、2つの新たなジャンパースリーブ110を用いてジャンパー電線108とジャンパー電線109との接続作業を行う必要がある。
【0005】
従来から、ジャンパー電線同士を接続する技術の一例としてバイパススリーブが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このバイパススリーブでは、分割可能な一対のバイパス部材で圧縮スリーブを外側から囲み、バイパス部材の両端部を圧縮してリング体に形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平6−17119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、図8に示すジャンパー電線の接続には、つぎのような問題があった。すなわち、図8のジャンパー電線の接続では、2つのジャンパースリーブ110の圧縮作業が必要であり、図7の1個のジャンパースリーブ110を用いたジャンパー電線の接続に比べ倍の作業時間が必要になる。また、ジャンパースリーブ110を圧縮するための圧縮工具の移動および設置時間や追加するジャンパー線の長さ調整時間も必要となり、作業時間が著しく増加するという問題がある。さらに、停電時間に制約がある送電線路では、作業者の人数を増やす必要があり、作業費用が増加するという問題がある。
【0008】
ジャンパー電線の接続部分は、十分な連結強度を確保する必要があるが、特許文献1のバイパススリーブは、分割された2つのバイパス部材の端部を圧縮して一体化させるため、連結強度の面で信頼性に欠けるという問題がある。
【0009】
そこで本発明は、ジャンパー電線同士の接続作業を短縮することができ、しかも接続部の連結強度を十分に確保することが可能なジャンパースリーブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、導電性部材から構成される棒状のスリーブ本体と、前記スリーブ本体の軸方向の一端部に形成され、補修のために切断された一方のジャンパー電線の端部が挿入可能な第1のスリーブ穴と、前記第1のスリーブ穴の外方に位置し、半径方向に圧縮可能な第1の圧縮部と、前記スリーブ本体の軸方向の他端部に形成され、補修のために切断された他方のジャンパー電線の端部が挿入可能な第2のスリーブ穴と、前記第2のスリーブ穴の外方に位置し、半径方向に圧縮可能な第2の圧縮部と、前記スリーブ本体の前記第1の圧縮部と前記第2の圧縮部との間に形成され、前記補修のための切断による前記ジャンパー電線の軸方向の長さの不足分を補足する長さを有する延長部と、を備えたことを特徴とする補修用ジャンパースリーブである。
【0011】
この発明によれば、スリーブ本体の延長部は、補修のための切断によるジャンパー電線の軸方向の長さの不足分を補足する長さを有するので、長さが短くなった一方のジャンパー電線と一方のジャンパー電線とを、1つのスリーブ本体で接続することが可能となる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の補修用ジャンパースリーブにおいて、前記延長部は、内部が中空に形成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の補修用ジャンパースリーブにおいて、前記延長部は、外径が前記第1の圧縮部および前記第2の圧縮部の外径よりも小に形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、切断によって長さ短くなった一方のジャンパー電線と他方のジャンパー電線とを、1つの補修用ジャンパースリーブで接続することが可能となるので、従来のように2つのジャンパースリーブを用いる必要がなく、ジャンパー電線同士の接続作業を短縮することができる。したがって、停電時間に制約がある送電線路でも、作業者の人数を増やす必要がなくなり、作業費用を低減することができる。また、スリーブ本体は従来技術のように分割構造を採用していないので、機械的強度を十分に高めることが可能となり、スリーブ本体とジャンパー電線との連結強度を十分に確保することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、スリーブ本体の延長部は、内部が中空に形成されているので、スリーブ本体の軽量化を図ることができ、送電鉄塔などの高所への持ち運びが容易となる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、スリーブ本体の延長部は、外径が第1の圧縮部および第2の圧縮部の外径よりも小に形成されているので、請求項2と同様に、スリーブ本体の軽量化を図ることができ、送電鉄塔などの高所への持ち運びが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1に係わる補修用ジャンパースリーブの正面図である。
【図2】図1の補修用ジャンパースリーブの側面図である。
【図3】図1の補修用ジャンパースリーブを用いたジャンパー電線の接続状態を示す正面図である。
【図4】図1の補修用ジャンパースリーブの圧縮部の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係わる補修用ジャンパースリーブの正面図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係わる補修用ジャンパースリーブの正面図である。
【図7】架空送電線路におけるジャンパー電線の接続状態を示す正面図である。
【図8】図7のジャンパースリーブを従来の作業方式によって交換した後のジャンパー電線の接続状態を示す正面図である。
【図9】図7および図8に示すジャンパースリーブの拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
つぎに、この発明の実施の形態について、図面を用いて詳しく説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1ないし図4は、本発明の実施の形態1を示している。図3は、架空送電線路の鉄塔101の上部を示している。鉄塔101の腕金101aの一方には、碍子104および接続金具106を介して送電線102が支持されている。また、鉄塔101の腕金101aの他方には、碍子105および接続金具107を介して送電線103が支持されている。送電線102と碍子104とを連結する接続金具106には、ジャンパー電線108が接続されている。ジャンパー電線108は、接続金具106から斜め下方に延びており、その端部は鉄塔101の腕金101aの下方に位置している。送電線103と碍子105とを連結する接続金具107には、ジャンパー電線109が接続されている。ジャンパー電線109は、接続金具107から斜め下方に延びており、その端部は鉄塔101の腕金101aの下方に位置している。一方のジャンパー電線108と他方のジャンパー線109は、送電線と同様に鋼線によって補強されたアルミニューム合金からなる電線から構成されている。一方のジャンパー電線108の切断端部と他方のジャンパー電線109の切断端部は、補修用ジャンパースリーブ1を介して接続されている。
【0020】
図1は、補修用ジャンパースリーブ1の詳細を示している。補修用ジャンパースリーブ1は、スリーブ本体11と、第1のスリーブ12穴と、第1の圧縮部13と、第2のスリーブ穴14と、第2の圧縮部15と、延長部16とから構成されている。スリーブ本体11は、軸心Pに沿って直線状に延びる棒状の導電部材から構成されている。導電部材としては、導電率が高く、かつ機械的強度の高いアルミニューム合金などが用いられている。スリーブ本体11の軸方向の全長L1および径は、ジャンパー電線108およびジャンパー電線109の太さを考慮した最適な値に設定されている。
【0021】
第1のスリーブ穴12は、スリーブ本体11の軸方向の一端部に形成されている。第1のスリーブ穴12は、スリーブ本体11の軸心Pに沿って直線状に延びており、軸方向の長さがL2となっている。第1のスリーブ穴12は、補修によって切断された一方のジャンパー電線108の端部が容易に挿入できるよう、径がジャンパー電線108の外径よりも若干大に形成されている。第1のスリーブ穴12の奥側には、ジャンパー電線106の先端部が当接可能な底部12aが形成されている。
【0022】
第1の圧縮部13は、スリーブ本体11における第1のスリーブ穴12の外方に位置している。第1の圧縮部13は、第1のスリーブ穴12と同様に軸方向の長さがL2に設定されている。第1の圧縮部13の軸方向端部は、先端に近づくにつれて小径となるテーパー部13aに形成されている。第1の圧縮部13は、油圧などを利用した専用工具(図示略)によって半径方向に圧縮可能となっている。
【0023】
第2のスリーブ穴14は、スリーブ本体11の軸方向の他端部に形成されている。第2のスリーブ穴14は、スリーブ本体11の軸心Pに沿って直線状に延びており、軸方向の長さがL3となっている。第2のスリーブ穴14は、補修によって切断された他方のジャンパー電線109の端部が容易に挿入できるよう、径がジャンパー電線109の外径よりも若干大に形成されている。第2のスリーブ穴14の奥側には、ジャンパー電線109の先端部が当接可能な底部14aが形成されている。
【0024】
第2の圧縮部15は、スリーブ本体11における第2のスリーブ穴14の外方に位置している。第2の圧縮部15は、第2のスリーブ穴14と同様に軸方向の長さがL3に設定されている。第2の圧縮部15の軸方向端部は、先端に近づくにつれて小径となるテーパー部15aに形成されている。第2の圧縮部15は、油圧などを利用した専用工具(図示略)によって半径方向に圧縮可能となっている。
【0025】
延長部16は、スリーブ本体11における第1の圧縮部13と第2の圧縮部15との間に形成されている。延長部16は、スリーブ本体11の軸心Pに沿って直線状に延びている。延長部16の径は、第1の圧縮部13と第2の圧縮部15の径と同一となっている。延長部16は、補修のための切断によるジャンパー電線108およびジャンパー線109の軸方向の長さの不足分を補足する長さを有しており、その長さはL4に設定されている。延長部16は、内部が中実に形成されており、他の部位よりも横断面積が大に確保されている。
【0026】
つぎに、補修用ジャンパースリーブ1を用いた架空送電線路の補修作業の手順および作用について説明する。
【0027】
図7は、補修前のジャンパー電線の接続状態を示している。図7に示すように、一方のジャンパー電線108の端部と他方のジャンパー電線108の端部は、ジャンパースリーブ110によって接続されている。ここで、ジャンパー電線108、109とジャンパースリーブ110との接触抵抗が増加した場合は、ジャンパー電線108、109を流れる電流によってジャンパースリーブ110が異常発熱することになる。そこで、ジャンパースリーブ110が接触抵抗の増加によって異常発熱した場合は、ジャンパースリーブ110を交換する必要がある。
【0028】
ジャンパースリーブ110を交換するための補修作業は、つぎの手順で行われる。まず、一方のジャンパー電線108におけるジャンパースリーブ110の近傍を切断工具(図示略)によって切断する。同様に、他方のジャンパー電線109におけるジャンパースリーブ110の近傍を切断工具によって切断する。これによって、異常発熱していたジャンパースリーブ110を送電線路から取り除くことが可能となる。
【0029】
つぎに、図3に示すように、補修のために端部が切断された一方のジャンパー電線108と他方のジャンパー電線109との接続作業を、補修用ジャンパースリーブ1を用いて行う。ここでは、最初に一方のジャンパー電線108の切断端部をスリーブ本体11の第1のスリーブ穴12に挿入し、ジャンパー電線108の切断端を第1のスリーブ穴12の底部12aに当接させる。この状態で、第1の圧縮部13を専用工具で半径方向に圧縮し、ジャンパー電線108とスリーブ本体11とを連結する。その後、他方のジャンパー電線109の切断端部をスリーブ本体11の第2のスリーブ穴14に挿入し、ジャンパー電線109の切断端を第2のスリーブ穴14の底部14aに当接させる。この状態で、第2の圧縮部15を専用工具で半径方向に圧縮し、ジャンパー電線109とスリーブ本体11とを連結する。
【0030】
図4は、第2の圧縮部15が半径方向に圧縮された状態を示している。図4に示すように、第2の圧縮部15は、断面形状が6角形となるように半径方向に圧縮されることにより、第2のスリーブ穴14の内面が他方のジャンパー電線109に密着し、スリーブ本体11と他方のジャンパー電線109は強固に連結される。同様に、第1の圧縮部13が半径方向に圧縮された状態では、第1のスリーブ穴12の内面が一方のジャンパー電線108に密着し、スリーブ本体11と一方のジャンパー電線108は強固に連結される。
【0031】
ここで、スリーブ本体11における延長部16は、補修のための切断による一方のジャンパー電線108および他方のジャンパー電線109の軸方向の長さの不足分を補足する長さを有しているので、新たなジャンパー電線を用いることなく、1つの補修用ジャンパースリーブ1よって一方のジャンパー電線108および他方のジャンパー電線109を接続することが可能となる。すなわち、スリーブ本体11の延長部16は、補修のための切断による一方のジャンパー電線108および他方のジャンパー電線109の軸方向の長さの不足分を補足する機能を有しているので、図3に示すように、新たなジャンパー電線を用いることなく、電気的絶縁を確保するのに必要なスリーブ本体11と鉄塔101の腕金101aとの間を所定距離Hに維持することができる。
【0032】
このように、切断によって長さが短くなった一方のジャンパー電線108と他方のジャンパー電線109とを、1つの補修用ジャンパースリーブ1で接続することが可能となるので、図8の従来作業のように2つのジャンパースリーブ110を用いる必要がなく、ジャンパー電線108、109同士の接続作業を短縮することができる。したがって、停電時間に制約がある送電線路でも、作業者の人数を増やす必要がなくなり、作業費用を低減することができる。また、スリーブ本体11の延長部16は、第1の圧縮部13と第2の圧縮部15の径と同一に形成されるので、上述の特許文献1のように、ジャンパー電線の接続部が半径方向外方に膨出することもなく、風に対する抵抗や雪付着量を小に抑えることが可能となる。そして、スリーブ本体11は従来技術のように分割構造を採用していないので、機械的強度を十分に高めることが可能となり、スリーブ本体11とジャンパー電線108、109との連結強度を十分に確保することができる。
【0033】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2を示している。実施の形態2が実施の形態1と異なるところは、延長部16の構造のみであり、その他の部分は実施の形態1に順ずるので、準じる部分に実施の形態1と同一の符号を付すことにより、準じる部分の説明を省略する。後述する他の実施の形態も同様とする。
【0034】
実施の形態2においては、延長部16は、外径が第1の圧縮部13および第2の圧縮部15の外径と同一となっており、内部が中空に形成されている。中空部17は、軸心Pに沿って軸方向に延びている。中空部17の軸方向の一方は、第1のスリーブ穴12の底部12aに開口している。中空部17の軸方向の他方は、第2のスリーブ穴14の底部14aに開口している。スリーブ本体11は、中空部17が形成されても、ジャンパー電線108、109との連結強度が十分に確保されるように、各部の断面積が所定値に設定されている。
【0035】
このように構成された実施の形態2においては、スリーブ本体11の延長部16は、内部が中空に形成されているので、実施の形態1に比べてスリーブ本体11の軽量化を図ることができ、送電鉄塔などの高所への持ち運びが容易となる。
【0036】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3を示している。実施の形態3においては、延長部16は、軸心Pに沿って軸方向に延びる円柱状に形成されており、外径Dが第1の圧縮部13および第2の圧縮部15の外径Dよりも小となっている。スリーブ本体11の延長部16は、ジャンパー電線108、109との連結強度が十分に確保されるように、断面積が所定値に設定されている。
【0037】
このように構成された実施の形態3においては、延長部16は、外径Dが第1の圧縮部13および第2の圧縮部15の外径Dよりも小に形成されているので、図5と同様に、スリーブ本体11の軽量化を図ることができ、送電鉄塔などの高所への持ち運びが容易となる。
【0038】
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の形態1では、第1の圧縮部13および第2の圧縮部15の圧縮後の断面形状を6角形としているが、断面形状は6角形以外であってもよく、円形やその他の多角形としてもよい。また、補修用ジャンパースリーブ1は、架空送電線路に用いられる場合を説明したが、架空送電線路に限定されることはなく、その他の電線路にも適用可能である。
【0039】
また、実施の形態1においては、ジャンパースリーブ110に異常発熱が生じた場合の補修作業を具体例として説明したが、補修用ジャンパースリーブ1は、ジャンパースリーブ110の異常発熱の場合に限定されることはなく、例えば送電線102、103を新たに張り替える場合や、2回線ある送電線のうち一方のみの回線の送電を停止し、他方の回線を使用して送電する場合の作業にも適用できる。
【符号の説明】
【0040】
1 補修用ジャンパースリーブ
11 スリーブ本体
12 第1のスリーブ穴
13 第1の圧縮部
14 第2のスリーブ穴
15 第2の圧縮部
16 延長部
17 中空部
101 鉄塔
108 ジャンパー電線
109 ジャンパー電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性部材から構成される棒状のスリーブ本体と、
前記スリーブ本体の軸方向の一端部に形成され、補修のために切断された一方のジャンパー電線の端部が挿入可能な第1のスリーブ穴と、
前記第1のスリーブ穴の外方に位置し、半径方向に圧縮可能な第1の圧縮部と、
前記スリーブ本体の軸方向の他端部に形成され、補修のために切断された他方のジャンパー電線の端部が挿入可能な第2のスリーブ穴と、
前記第2のスリーブ穴の外方に位置し、半径方向に圧縮可能な第2の圧縮部と、
前記スリーブ本体の前記第1の圧縮部と前記第2の圧縮部との間に形成され、前記補修のための切断による前記ジャンパー電線の軸方向の長さの不足分を補足する長さを有する延長部と、
を備えたことを特徴とする補修用ジャンパースリーブ。
【請求項2】
前記延長部は、内部が中空に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の補修用ジャンパースリーブ。
【請求項3】
前記延長部は、外径が前記第1の圧縮部および前記第2の圧縮部の外径よりも小に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の補修用ジャンパースリーブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−54895(P2013−54895A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192108(P2011−192108)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】