説明

補助電源装置

【課題】 携帯機器と併せての携行を容易にした補助電源装置を提供する。
【解決手段】 本発明に係る補助電源装置10は、電気が蓄えられる補助用リチウムイオン二次電池18と、補助用リチウムイオン二次電池18に蓄えられた電気を給電可能な携帯電話機50への取り付けが可能なストラップ60を取り付けるための取付孔30とを備えるため、携帯電話機50に取り付けられたストラップ60を、取付孔30により補助電源装置10に取り付けることで、この補助電源装置10を容易に携帯電話機50と併せて携行することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補助電源装置に関し、特に携帯機器に適用するための補助電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のリチウムイオン二次電池の高機能化により、リチウムイオン二次電池により駆動される携帯電話機、PDA、ノートパソコン等の様々な携帯機器の需要が拡大している。このような携帯機器のうち携帯電話機を例に考えてみると、携帯電話機を使用している(すなわち、音声通話やデータ通信をおこなっている)際に携帯電話機に内蔵されたリチウムイオン二次電池(以下、主電源装置と称す。)からの電力供給が途絶えると、その携帯電話機が使用できない状態になってしまう。そのため、継続的に使用したい場合には、携帯電話機の電池切れの警告サインが表示されている間に(すなわち、電池切れになる前に)携帯電話機(の主電源装置)の充電をおこなう必要がある。
【0003】
携帯電話機等の携帯機器の充電は、一般的には、各携帯機器専用の充電器を携帯機器に取り付けて、家庭用のAC電源を利用しておこなう。ただし、家庭内やオフィス内であればそのような充電器を使用することもできるが野外などのその他の場所では使用できない。
【0004】
そこで、携帯機器に内蔵された主電源装置とは別の補助電源装置であって、出先であっても携帯機器に充電することができる補助電源装置が、例えば、下記特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2003−70177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ただし、上記補助電源装置であっても、携帯機器と補助電源装置とを別々に携行している場合には、携帯機器の予期せぬ電池切れに確実に対処することができない。具体的には、補助電源装置を常時カバンの中に入れておいたとして、そのカバンをどこかに置き忘れたり紛失したりした場合には、携帯機器を補助電源装置で充電することができない事態等が起こりうる。
【0006】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、携帯機器と併せての携行を容易にした補助電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る補助電源装置は、電気が蓄えられる蓄電部と、蓄電部に蓄えられた電気を給電可能な携帯機器への取り付けが可能なストラップを取り付けるための取付手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
この補助電源装置においては、ストラップを取り付けるための取付手段が備えられている。そして、このストラップは、補助電源装置の蓄電部に蓄えられた電気を給電可能な携帯機器への取り付けが可能となっている。そのため、携帯機器に取り付けられたストラップを、取付手段により補助電源装置に取り付けることで、この補助電源装置を容易に携帯機器と併せて携行することができる。
【0009】
また、蓄電部が二次電池であることが好ましい。この場合、蓄電部の電気が減っても、充電することにより、補助電源装置を繰り返し使用することができる。
【0010】
また、蓄電部が内蔵された本体部を備え、本体部に取付手段が設けられていることが好ましい。この場合、実用に即した取付手段が本体部に設けられる。
【0011】
また、取付手段が本体部を貫通するように設けられた取付孔であることが好ましい。この場合、この取付孔にストラップやその連結具を通すことで、ストラップが補助電源装置に取り付けられる。
【0012】
また、取付手段が本体部に外設された把手部であることが好ましい。この把手部にストラップやその連結具を通すことで、ストラップが補助電源装置に取り付けられる。
【0013】
また、取付手段が面ファスナーであることが好ましい。この場合、面ファスナーの一方を本体部に取り付け、他方をストラップを取り付けることで、ストラップが補助電源装置に取り付けられる。
【0014】
また、携帯機器に接続されて、蓄電部に蓄えられた電気を携帯機器へ給電する第1のコネクタ部を備えることが好ましい。この場合、携帯機器への給電にコネクタが必要な場合であっても、補助電源装置から携帯機器への給電をおこなうことができる。
【0015】
また、第1のコネクタ部を介して、携帯機器に蓄えられた電気が蓄電部へ給電されることが好ましい。この場合、携帯機器から補助電源装置への給電(すなわち、補助電源装置の充電)が可能である場合に、携帯機器から補助電源装置への給電をおこなうことができる。
【0016】
また、本体部と第1のコネクタ部とが一体的であることが好ましい。この場合、本体部と第1のコネクタ部とが別体である場合に比べて、補助電源装置の持ち運びが容易となる。
【0017】
また、充電器に接続されて、充電器から蓄電部へ給電する第2のコネクタ部をさらに備えることが好ましい。この場合、充電器から補助電源装置への給電(すなわち、補助電源装置の充電)にコネクタが必要な場合であっても、充電器から補助電源装置への給電をおこなうことができる。
【0018】
また、本体部と第2のコネクタ部とが一体的であることが好ましい。この場合、本体部と第2のコネクタ部とが別体である場合に比べて、補助電源装置の持ち運びが容易となる。
【0019】
また、第1のコネクタ部は、携帯機器の差込ジャックに適合するように出っ張っており、第1のコネクタ部に被せられるキャップをさらに備えることが好ましい。この場合、第1のコネクタ部の損傷をキャップにより防止することができる。
【0020】
また、蓄電部の電圧が携帯機器の定格電圧と略同一であることが好ましい。この場合、補助電源装置から携帯機器への給電、若しくは、携帯機器から補助電源装置への給電の際に、別途DC−DCコンバータを準備する必要がない。
【0021】
また、蓄電部の少なくとも一部の表面、若しくは本体部の少なくとも一部の表面に装飾面が設けられていてもよい。
【0022】
また、充電器から蓄電部及び携帯機器の両方へ同時に給電してもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、携帯機器と併せての携行を容易にした補助電源装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明に係る補助電源装置を実施するにあたり最良と思われる形態について詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
(第1実施形態)
【0025】
本発明の第1実施形態に係る補助電源装置10は、図1に示すように、携帯機器の一つである携帯電話機50に補助用電力を供給するためのものである。
【0026】
携帯電話機50は、携帯電話機50を駆動するためのメイン用リチウムイオン二次電池52と、このメイン用リチウムイオン二次電池52を充電する補助電源装置10が接続される差込ジャック54とを備えている。また、この携帯電話機50は、携帯電話機としての機能を発現させるために必要な制御回路56に加え、図示は省略するが、ディスプレイ、キーボード、マイク、スピーカ、充電放電制御回路等を備えている。
【0027】
この携帯電話機50には、ストラップ60が取り付けられている。ストラップ60は、コイルバネ状のコード部62と、その両端に固定された開閉可能な取付リング64A,64Bとで構成されている。そして、ストラップ60の一方の取付リング64Aが、携帯電話機50のストラップ取付部58に通されるようにして装着されて、ストラップ60が携帯電話機50に取付られている。
【0028】
続いて、補助電源装置10について説明する。
【0029】
補助電源装置10は、本体部12とコネクタ(第1のコネクタ部)14とで構成されており、例えば、20mm×40mm×2mm厚さのサイズである。コネクタ14は、携帯電話機50に接続される部分であり、本体部12に一体的に設けられている。コネクタ14は、上述した携帯電話機50の差込ジャック54に適合するように、筐体16の一側面から突出するように出っ張っている。本体部12は、プラスチックや金属で構成された筐体16と、この筐体16内に収容された補助用リチウムイオン二次電池(蓄電部)18及び充電放電制御回路20とによって主に構成されている。
【0030】
以下、補助電源装置10の回路構成について図2を参照しつつ説明する。
【0031】
補助電源装置10は、携帯電話機50に接続される外部端子対22A,22Bをコネクタ14内に有している。そして、外部端子対22A,22Bの一方の端子22Aは、本体部12に内蔵された補助用リチウムイオン二次電池18の正極と温度ヒューズ24を介して電気的に接続されており、他方の端子22Bは、その補助用リチウムイオン二次電池18の負極と電気的に接続されている。なお、温度ヒューズ24は、予め設定された温度(例えば、90℃)になったらラインを遮断するものである。
【0032】
さらに、この回路には、補助用リチウムイオン二次電池18と携帯電話機50との間における充電及び放電の制御をおこなう充電放電制御回路20が、補助用リチウムイオン二次電池18に対して並列接続されている。この充電放電制御回路20は、補助用リチウムイオン二次電池18から携帯電話機50への過放電を防止するために、補助用リチウムイオン二次電池18の電圧が所定の最低しきい値を下回ったら回路を遮断して放電を中止させると共に、携帯電話機50から補助用リチウムイオン二次電池18への過充電を防止するために補助用リチウムイオン二次電池18の電圧が所定の最大しきい値を上回ったら回路を遮断して充電を中止させるものである。
【0033】
補助用リチウムイオン二次電池18は、公知のリチウムイオン二次電池を採用することができる。また、補助用リチウムイオン二次電池18のサイズは、携帯電話機50に比べて十分に小さく且つ軽量である。さらに、補助用リチウムイオン二次電池18の電圧は、携帯電話機50の定格電圧(例えば、3.7V)と同一である。
【0034】
ここで、上述した携帯電話機50と補助電源装置10とは、携帯電話機50側の充電放電制御回路と補助電源装置10側の充電放電制御回路20との協働により、補助電源装置10から携帯電話機50への給電、及び、携帯電話機50から補助電源装置10への給電が可能となっている。そして、携帯電話機50と補助電源装置10との間における充電では、上述したとおり補助用リチウムイオン二次電池18の電圧と携帯電話機50の電圧とが同じであるため、別途DC−DCコンバータを準備する必要がない。
【0035】
上述した本体部12には、本発明における取付手段として、その厚さ方向に貫通された取付孔30が設けられている。そして、この取付孔30に、上述したストラップ60のもう一方の取付リング64B(連結具)が取り付けられている。それにより、このストラップ60を介して携帯電話機50と補助電源装置10とが連結されている。なお、この取付孔30にストラップ60のコード部62を通し、両方の取付リング64A,64Bを携帯電話機50のストラップ取付部58に装着して、携帯電話機50と補助電源装置10とを連結させてもよい。
【0036】
以上で説明したように、補助電源装置10は、携帯電話機50への取り付けが可能なストラップ60を取り付けるための取付孔30を備えているため、以上のように携帯電話機50に取り付けられたストラップ60を取付孔30により補助電源装置10に取り付けることで、補助電源装置10を容易に携帯電話機50と併せて携行できるようになっている。その結果、携帯電話機50を補助電源装置10で充電することができない事態を未然に回避でき、携帯電話機50の予期せぬ電池切れにいかなる場合でも対処することが可能である。加えて、取付孔30を備えることで、市販の多種多様な携帯電話機用ストラップを容易に取り付けることができる。
【0037】
また、補助用リチウムイオン二次電池18が内蔵された本体部12に取付手段(すなわち、取付孔30)を設けているため、補助用リチウムイオン二次電池18に直接取付手段を設ける場合よりも、より実用に即した取付手段が設けられる。さらに、補助電源装置10は二次電池である補助用リチウムイオン二次電池18を本発明における蓄電部として備えているため、蓄電部の電気が減っても、充電することにより、補助電源装置10を繰り返し使用することができる。
【0038】
なお、補助電源装置10には携帯電話機50に接続されるコネクタ14が備わっているため、携帯電話機50への給電や充電にコネクタが必要な場合であっても、補助電源装置10から携帯電話機50への給電や充電をおこなうことができる。さらに、補助電源装置10においては、携帯電話機50に蓄えられた電気をコネクタ14を介して補助用リチウムイオン二次電池18へ給電することができるため、上述した実施形態のように携帯電話機50から補助電源装置10への給電(すなわち、補助電源装置10の充電)が可能である場合には、携帯電話機50から補助電源装置10への給電をおこなうことができる。
【0039】
その上、補助電源装置10のように小型化及び軽量化が図られた補助電源装置では、ストラップの装飾品としても取り扱うことも可能である。
【0040】
上述した補助電源装置10は、図3〜図5に示すような補助電源装置10A〜10Gに適宜変更可能である。図3(a)には、環状の本体部12を有する補助電源装置10Aが示されており、この本体部12の中心孔30Aに上述したストラップ60のコード部62や取付リング64Bを通すことでストラップ60が補助電源装置10Aに取り付けられ、この中心孔30Aが本発明における取付手段として機能する。また、図3(b)には、側面に把手部32が外設された本体部12を有する補助電源装置10Bが示されており、この把手部32に上述したストラップ60のコード部62や取付リング64Bを通すことでストラップ60が補助電源装置10Bに取り付けられ、この把手部32が本発明における取付手段として機能する。さらに、図3(c)には、本体部12とコネクタ14とが別体である補助電源装置10Cが示されている。ただし、補助電源装置の持ち運びが容易となる点においては、本体部12とコネクタ14とは一体的であることが好ましい。
【0041】
図4(a)には、本体部12の上面12aに面ファスナー34が装着された補助電源装置10Dが示されている。この面ファスナー34の一方(フック側34A)は本体部12に取り付けられており、他方(ループ側34B)はストラップ60に取り付けられている。それにより、ストラップ60が補助電源装置10Dに取り付けられて、この面ファスナー34が本発明における取付手段として機能している。図4(b)には、補助用リチウムイオン二次電池18Aとコネクタ14とを有する補助電源装置10Eが示されている。この補助電源装置10Eは、上述したような本体部12を備えておらず、補助用リチウムイオン二次電池18Aにコネクタ14が取り付けられた構成となっている。この補助用リチウムイオン二次電池18Aは、樹脂やAlのラミネートパックでシールドされたタイプの補助用リチウムイオン二次電池であり、そのラミネートパックの縁部に取付孔30が設けられている。この補助電源装置10Eにおいては、上述した本体部12を備える補助電源装置10,10A〜10Dのさらなる小型/軽量化が実現可能である。
【0042】
図5(a)には、本体部12の上面12aの略全面に装飾面Sが設けられた補助電源装置10Fが示されている。この装飾面Sには、装飾文字が印刷されている。なお、この装飾面Sは、本体部12の表面であれば上面12aに限定されず、また表面の一部でも全部でもよい。図5(b)には、補助用リチウムイオン二次電池18の上面18aの一部に装飾面Sが設けられた補助電源装置10Gが示されている。この装飾面Sには、文字が印刷されている。なお、この装飾面Sは、補助用リチウムイオン二次電池18の表面であれば上面18aに限定されず、また表面の一部でも全部でもよい。上述した補助電源装置10Fや補助電源装置10Gにように装飾面Sが設けられた補助電源装置は、ストラップの装飾品として使用する際の装飾性が向上する。なお、装飾面Sは、文字やイラスト、キャラクタ、模様、絵柄等が表示された面である。
(第2実施形態)
【0043】
図6に示した本発明の第2実施形態に係る補助電源装置10Hも、上述した第1の実施形態に係る補助電源装置10と同様に携帯電話機50に補助用電力を供給するためのものであるが、充電器70により充電可能な点で補助電源装置10と異なっている。すなわち、補助電源装置10Hは、充電器70に接続されるコネクタ(第2のコネクタ部)36を有し、コネクタ14は携帯電話機50への給電のみをおこなう。
【0044】
ここで、補助電源装置10Hを充電する充電器70は、上述した携帯電話機50の充電も可能な充電器であり、交流電源ACに接続するためのプラグ72と、補助電源装置10H及び携帯電話機50に適した電流/電圧に変換する充電制御回路74と、補助電源装置10H及び携帯電話機50に接続可能な充電コネクタ76とを備えている。
【0045】
以下、補助電源装置10Hの回路構成について図7を参照しつつ説明する。
【0046】
補助電源装置10Hは、上述した補助電源装置10の外部端子対22A,22Bの他に、充電器70に接続される外部端子対26A,26Bをコネクタ36内に有している。この外部端子対26A,26Bの一方の端子26Aは、補助用リチウムイオン二次電池18の正極と温度ヒューズ24を介して電気的に接続されており、他方の端子26Bは、補助用リチウムイオン二次電池18の負極と電気的に接続されている。なお、端子26Aから補助用リチウムイオン二次電池18の正極に向かうラインにはダイオード28が設けられている。この回路構成により、補助電源装置10Hは、必要に応じて、充電器70から補助用リチウムイオン二次電池18及び携帯電話機50の両方へ同時に給電することが可能となっている。
【0047】
以上で説明した補助電源装置10Hにおいても、その本体部12に取付孔30が設けられている。そのため、携帯電話機50に取り付けられたストラップ60を取付孔30により補助電源装置10Hに取り付けることで、第1実施形態に係る補助電源装置10と同様に、補助電源装置10Hを容易に携帯電話機50と併せて携行できるようになっている。その結果、この補助電源装置10Hにおいても、携帯電話機50を補助電源装置10Hで充電することができない事態を未然に回避でき、携帯電話機50の予期せぬ電池切れにいかなる場合でも対処することが可能である。
【0048】
また、補助電源装置10Hには充電器70に接続されるコネクタ36が備わっているため、充電器70から補助電源装置10Hへの給電(すなわち、補助電源装置10Hの充電)にコネクタが必要な場合であっても、充電器70から補助電源装置10Hへの給電をおこなうことができる。さらに、本体部12とコネクタ36とが一体的となっているため、本体部12とコネクタ36とが別体である場合に比べて、補助電源装置10Hの持ち運びが容易となっている。
【0049】
なお、補助電源装置10Hは、図6に示したように、携帯電話機50の差込ジャック54に適合するように出っ張っているコネクタ14に被せられるキャップ38を備えていてもよい。このキャップ38により、コネクタ14の損傷や、ごみ等の付着によるコネクタ14内におけるショートが防止できる。上述した補助電源装置10等にこのキャップ38を適用できることは言うまでもない。
(第3実施形態)
【0050】
図8に示した本発明の第3実施形態に係る補助電源装置10Iも、上述した第1の実施形態に係る補助電源装置10と同様に携帯電話機50に補助用電力を供給するためのものであるが、携帯電話機50の接点端子対54Aを用いて充電する点で補助電源装置10と異なっている。すなわち、補助電源装置10Iは、携帯電話機50の接点端子対54Aに接続される突起端子対(第1のコネクタ部)42A,42Bを備えている。そして、この突起端子対42A,42Bは、第1実施形態に係る回路の外部端子対22A,22Bに対応している。なお、補助電源装置10Iと携帯電話機50との間での充電時に、補助電源装置10Iと携帯電話機50とを安定に固定しておくために、補助電源装置10Iには携帯電話機50の差込ジャック54に差し込まれるダミーコネクタ40が設けられている。なお、突起端子対42A,42Bは通常は本体部12内に収容されており、ダミーコネクタ4が差込ジャック54に差し込まれたときだけ本体部12から露出するような機構であってもよい。
【0051】
そして、補助電源装置10Iの本体部12も、上述した補助電源装置10Bの把手部32と同等の円環状把手部44が本発明の取付手段として外装されている。従って、この第3実施形態に係る補助電源装置10Iにおいても、第1実施形態及び第2実施形態に係る補助電源装置と同様に、補助電源装置10Iを容易に携帯電話機50と併せて携行できるようになっている。その結果、この補助電源装置10Iにおいても、携帯電話機50を補助電源装置10Iで充電することができない事態を未然に回避でき、携帯電話機50の予期せぬ電池切れにいかなる場合でも対処することが可能である。
【0052】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、携帯機器は、携帯電話機に限らず、携帯可能な電子機器であってストラップが取り付け可能なものであれば、例えば、カメラ、ノートパソコン、PDA等であってもよい。また、ストラップは、コイルバネ状のコード部を有するものに限らず、公知の様々な形状(ひも状等)や素材(プラスチック、革、ゴム等)のものに適宜変更することができる。さらに、補助電源装置のコネクタの形状は特に限定されず、携帯機器のコネクタ及び充電器のコネクタに応じて適宜変形可能である。
【0053】
また、補助電源装置の本体部の形状は、直方体の箱形形状に限らず、多角断面や星形断面を有する形状や、動物やアニメのキャラクタを模した形状に適宜変更可能である。補助電源装置の本体部の装飾についても、本体部表面への文字/イラストの印刷や、取付孔/把手部の変形等により、様々な態様に変更できる。蓄電部は、リチウムイオン二次電池に限らず、公知の様々な電池に適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1実施形態に係る補助電源装置を示した図である。
【図2】図1に示した補助電源装置の回路構成を示した図である。
【図3】図1に示した補助電源装置とは異なる態様の補助電源装置を示した平面図である。
【図4】図1に示した補助電源装置とは異なる態様の補助電源装置を示した側面図である。
【図5】図1に示した補助電源装置とは異なる態様の補助電源装置を示した側面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る補助電源装置を示した図である。
【図7】図6に示した補助電源装置の回路構成を示した図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る補助電源装置を示した図である。
【符号の説明】
【0055】
10,10A〜10I…補助電源装置、12…本体部、14,36…コネクタ、18,18A…補助用リチウムイオン二次電池、20…充電放電制御回路、30…取付孔、30A…中心孔、32…把手部、34…面ファスナー、38…キャップ、42A,42B…突起端子対、44…把手部、50…携帯電話機、60…ストラップ、64A,64B…取付リング、70…充電器、S…装飾面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気が蓄えられる蓄電部と、
前記蓄電部に蓄えられた電気を給電可能な携帯機器への取り付けが可能なストラップを取り付けるための取付手段と
を備える、補助電源装置。
【請求項2】
前記蓄電部が二次電池である、請求項1に記載の補助電源装置。
【請求項3】
前記蓄電部が内蔵された本体部を備え、前記本体部に前記取付手段が設けられている、請求項1又は2に記載の補助電源装置。
【請求項4】
前記取付手段が前記本体部を貫通するように設けられた取付孔である、請求項3に記載の補助電源装置。
【請求項5】
前記取付手段が前記本体部に外設された把手部である、請求項3に記載の補助電源装置。
【請求項6】
前記取付手段が面ファスナーである、請求項3に記載の補助電源装置。
【請求項7】
前記携帯機器に接続されて、前記蓄電部に蓄えられた電気を前記携帯機器へ給電する第1のコネクタ部を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の補助電源装置。
【請求項8】
前記第1のコネクタ部を介して、前記携帯機器に蓄えられた電気が前記蓄電部へ給電される、請求項7に記載の補助電源装置。
【請求項9】
前記本体部と前記第1のコネクタ部とが一体的である、請求項7又は8に記載の補助電源装置。
【請求項10】
充電器に接続されて、前記充電器から前記蓄電部へ給電する第2のコネクタ部をさらに備える、請求項2〜9のいずれか一項に記載の補助電源装置。
【請求項11】
前記本体部と前記第2のコネクタ部とが一体的である、請求項10に記載の補助電源装置。
【請求項12】
前記第1のコネクタ部は、前記携帯機器の差込ジャックに適合するように出っ張っており、前記第1のコネクタ部に被せられるキャップをさらに備える、請求項7〜11のいずれか一項に記載の補助電源装置。
【請求項13】
前記蓄電部の電圧が前記携帯機器の定格電圧と略同一である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の補助電源装置。
【請求項14】
前記蓄電部の少なくとも一部の表面には装飾面が設けられている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の補助電源装置。
【請求項15】
前記本体部の少なくとも一部の表面には装飾面が設けられている、請求項3〜13のいずれか一項に記載の補助電源装置。
【請求項16】
前記充電器から、前記蓄電部及び前記携帯機器の両方へ同時に給電する、請求項10に記載の補助電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−124374(P2007−124374A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−315084(P2005−315084)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【出願人】(594176969)株式会社オーシマ・デザイン設計 (7)
【Fターム(参考)】