説明

補強構造が統合されたサンドイッチパネル及びその製造のための方法

本発明は、コア構造、特にハニカム形状のコア構造20と、航空機の機体フレーム内にフロア面を構成するためのコア構造20の両側に適用される平坦で平行なカバー層21,25とを伴うサンドイッチパネル19に関する。
本発明によれば、コア構造は、少なくとも1つの補強構造1,11,18が内部に統合される少なくとも1つの凹部22を有する。
特に、インターロッキング及び材料ロッキングの方式においてそこに接着的に結合され、凹部22内に組み込まれた補強構造1,11,18により、サンドイッチパネル19は、外形寸法なしに、特に、航空機構造において通常使用されるサンドイッチパネルと比較して、全体の高さの増加なしに、高い耐荷力を有する。したがって、重いコンポーネント、例えば、調理、衛生、又はウェットルームモジュールが、既知のハードポイントによってサンドイッチパネルに直接取り付けられるということを可能にする。さらに、サンドイッチパネルが通常使用されるフロアフレームに挿入され得るという理由から、キャビンの配置、特に、モジュールの位置は、柔軟な方式で、フロアフレームの高額な修正なしで変えられる。
加えて、本発明は、本発明によるサンドイッチパネル19の製造のための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コア構造、特に、ハニカム形状のコア構造と、航空機の機体エアフレーム内でフロア面を形成するための前記コア構造の両側に適用される平坦で平行なカバー層とを伴うサンドイッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
旅客機の機体フレームは、通常、とりわけ、歩行可能な床面を形成するために使用される少なくとも1つのフロアフレームを備えている。フロアフレームは、背後で互いに平行に、かつ、飛行の方向に対して横切って配置され、かつ機体フレーム構造の環状のフォーマに接続される複数のクロスバーからなる。機体フレームの長手方向において、とりわけ、乗客席のために使用され、しかも、フロアフレームの剛性を増加させるシートレール形状の部品が、相互に平行な間隔でクロスバー上に配置される。通常、シートレール形状の部品の間に挿入されるのは、一般に、約1cmの厚さのサンドイッチパネルによって構成される複数のフロアパネルである。フロアパネルは、一般に、カバー層によって両側で覆われるハニカム形状のコア構造を有する。カバー層が、例えば、ガラス繊維強化フェノール樹脂又は繊維強化エポキシ樹脂のような、繊維強化プラスチック材料で製造される一方で、フロアパネルのコア構造は、一般に、ノメックス(Nomex、登録商標)の紙によって構成される。
【0003】
快適さについて増加する乗客の要求をかなえるために、現代の航空機は、配置される調理室ブロックと同様に、複数の衛生施設及びウェットルームが乗客キャビンを通じて分配されて備え付けられている。衛生及び調理施設の範囲において、フロアパネル、すなわち下部のフロアフレームによって吸収されなければならない大きな荷重が加わり、機体フレーム内に伝達される。通常、選択されたポイントで、荷重がモジュールから下部構造内に伝達されることを許容し、加えて、その接続を介して耐久性の補償を許容する、いわゆる「ハードポイント」によって、調理及び衛生モジュールは、フロアフレームに接続される。
【0004】
従来技術によれば、調理、ウェットルーム及び衛生モジュールは、フロアパネルの下で、航空機の長手方向において2つのクロスバーの間に延びるサポートに取り付けられる。モジュールの「ハードポイント」は、例えば、これらのサポート内に直接的にねじ止めされる。
【0005】
しかしながら、この種の取り付けがあるところでは、モジュールの空間位置の変更は、フロアフレームへの大幅な改良を行うことによってのみ可能になる。それ故、変更されたキャビンのレイアウトにフロアフレームが適合されなければならないという理由から、大幅に高められた建設的な努力で、依頼者によって特に望まれる変更を実行することが可能なだけである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それ故、本発明の目的は、衛生、ウェットルーム及び/又は調理モジュールが直接的に取り付けられ、かつ、全体の高さを含む幾何学的な寸法が既知の標準的なフロアパネルと異ならないサンドイッチパネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の特徴を有するサンドイッチパネルによって達成される。
【0008】
少なくとも特定の範囲において、その内部に補強構造が統合される少なくとも1つの凹部を有するという事実により、大きな重量の調理、ウェットルーム又は衛生モジュールについて、さらなる支持手段なしで、本発明によって構成されるサンドイッチパネルに直接取り付けられるということが可能になる。フロアフレーム内への追加のサポートの挿入は必要なくなる。標準として使用されるフロアパネルと比較して、局部的に厚くなること又は上昇(ビード)がなくなる。
【0009】
それ故、航空機の乗客キャビンの配置、特に、フロアフレーム上の衛生及び調理モジュールの空間的な位置は、単純かつ急速な方式で変更できる。フロアフレームに沿う全ての範囲において、局部的に可変な及び自在な方式で、本発明によるサンドイッチパネルが配置されるということから、モジュールの変更された位置へのフロアフレームの大幅で構造的な適合は、もはや必要なくなる。サンドイッチパネルは、それ故、飛行の方向、すなわち、航空機の長手方向の軸(x軸)に対して平行で、ほぼ自由に配置され得る。コア構造内に局部的に統合される少なくとも1つの補強構造は、特に、垂直に、かつ、パネルの上側に平行に作用する力が吸収され得るように、サンドイッチパネルのコア構造を補強する。
【0010】
サンドイッチパネルの進歩は、少なくとも1つの補強構造が、少なくとも1つのコアとともに構成されるということを提供する。
【0011】
既知のサンドイッチパネルにおいて、コア構造の主な機能は、カバー層によって現実の荷重伝達が生じる間に、カバー層が互いに固定されている間隔を維持することである。補強構造をコア構造内に直接的に統合する結果として、本発明によるサンドイッチパネルは、パネル表面に対して垂直に作用する圧縮力も直接的に吸収できる。
【0012】
サンドイッチパネルのさらなる進歩は、コアについて、その強化繊維が特に± 45°のそれぞれの同一の延伸方向を有するプリプレグ材料を使用して構成される少なくとも1つのストリップとともに、少なくとも特定の範囲内で備えられるということを許容する。この手段は、コアの機械的強度、特に、そこでの剪断力を伝達する能力を改善する。
【0013】
使用されるプリプレグ材料は、好ましくは、いずれの場合にも、同一の繊維の延伸方向を伴う強化繊維の配置を有する細いストリップである。+45°及び−45°の交互の繊維方向を有する複数のこれらのプリプレグストリップが、主としてスラスト方向における高い積載能力を達成するためにコアのまわりに巻かれる。プリプレグ材料は、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂のような、硬化型プラスチックを伴って事前に含浸される強化繊維からなる。強化繊維は、特に炭素繊維、ガラス繊維及びアラミド(aramid、登録商標)繊維を含む。プリプレグ材料は、コアのラッピング作業が、自動化され、サンドイッチパネルのために既に利用可能な連続製造工程に統合され得るように、一般に、大きなローラに前もって保持され、そこから容易に引き離され得る。
【0014】
本発明のさらなる進歩は、少なくとも1つの補強構造が、少なくとも1つの2次元ブランクとともに、少なくとも特定の範囲内に備えられるということを許容し、前記少なくとも1つのブランクは、0°及び/又は90°の延伸方向を有する強化繊維のプリプレグ材料によって構成される。
【0015】
この構成は、覆われたコアもまた張力によって荷重がかけられ得るということを意味する。原則として、コアが、事前に含浸された強化繊維層に関し、折れがない状態で覆われ、隙間がない状態で配置されるということを許容する限り、コアは、サンドイッチパネル(フロアパネル)のために与えられる増大した荷重条件の要求に従って、いずれの場合も、±45、0°及び90°の延伸方向で所望の一連のプリプレグ材料によって覆われ得る。0°又は90°の繊維の方向を伴うプリプレグ材料のブランクは、一般に、曲がった被覆を回避するために、大きな幅により、コアの長手又は横の軸の方向においてのみ、コア上に配置され得る。代わりに、ブランクは、取り囲んでいる縁部を自由にして、コアの上側及び/又は下側における少なくとも特定の範囲に配置され得る。
【0016】
さらなる構成は、少なくとも1つの補強構造が、少なくとも特定の範囲内で、インターロッキングの形式において、コア構造の内側の凹部に導入され、凹部とともに材料結合を構成するということを提供する。
【0017】
これは、補強構造と周囲のサンドイッチパネルとの間の力の効果的な伝達を生み出す。コアが、まだ硬化されていないプリプレグ材料によって包まれるという事実により、凹部内に必ずしも結合されなければならないということではなくなる。しかしながら、代わりに、補強構造は、適切な接着によってコア構造に追加的に結合され得る。さらに、強度を増加するために、硬化型プラスチック材料を使用して構成される充填用コンパウンドが、コア構造の周囲の範囲内、すなわち、補強構造を取り囲む閉じたセルのハニカム内に導入され得る。理想的に、補強構造が、ほとんど完全なインターロッキングフィット及び材料結合において、周囲のコア構造内に嵌め込まれる、しかも厚さを厚くすること(ビード形状による上昇)が回避されるようにすべく、補強構造の高さは、残りのサンドイッチパネルにおけるコア構造の高さに可能な限り正確に対応する。
【0018】
サンドイッチパネルのさらなる有利な構成によれば、少なくとも1つのコアは、コア構造、特にハニカム形状のコア構造及び/又は硬質フォームとともに構成される。
【0019】
わずかな原料が準備されて保たれなければならないということから、残りのサンドイッチパネルのためにも使用されるハニカム形状のコア構造の使用は、単純化された製造工程を可能にする。特に有利な方式において、コアは、コア構造外に切り取られた部分とともに構成され得るが、この場合において、その部分の外寸法は、後で配置されるべき補強層の材料の厚さに対応する量によって減少されなければならない。これに関して、コアの表面形状は、サンドイッチパネルのコア構造の内側の凹部の表面形状にほぼ一致する。
【0020】
サンドイッチパネルのさらなる有利な進歩は、補強構造が、少なくとも2つの補強構造によって構成されるということを提供する。
【0021】
この構成は、複雑な表面形状を伴う補強構造が、単純な基本的形状を伴う少なくとも2つの補強構造を結合することによって形成され得るということを意味する。これらの単純形状を伴う補強構造のコアは、別々にみて、力の流れに関して最適化された延伸方向において必要な補強層によって覆われ又は包まれ得る。さらに、複雑な補強構造を単純な構造の複数の補強構造に分けることは、いかなる折れもなく、コア全体にわたってプリプレグストリップを覆わせることを容易にする。
【0022】
例えば、方形状を有するが、傾いた又は傾斜した台形の側面(いわゆる「方尖塔」)を伴うコアに、方形のコアを結合することによって、特に有利な方式において、後のサンドイッチパネル内において、ノッチストレスの発生が可能な限り回避される補強構造を構築することが可能になる。一般に、凹部は、矩形状を有するであろう。
【0023】
さらなる有利な構成は、少なくとも1つの補強構造が、少なくとも1つのストッパ、特に円筒状のストッパとともに備えられるということを可能にする。
【0024】
補強構造の内側では、この手段は、「ハードポイント」、例えば、インサート、両側のねじ締結片等についての統合範囲を与え、それによって、コンポーネント、例えば調理モジュールが、直接的に機械的にサンドイッチパネルに取り付けられるということを可能にする。ストッパは、一般に事前に組み立てられる。最初に未だ開いているコア構造内に補強構造が組み込まれかつ結合された後に、そして、上側のカバー層が適用された後に、圧力及び/又は温度の適用によって、ストッパを含む全体の配置が全て同時に硬化される。円筒形状のストッパは、対応する凹部又は孔が、補強構造内に備えられ得るように、10mmと200mmとの間の直径を有する。ストッパは、その後、±45°での強化繊維、及び、0°又は90°での繊維層を伴う一般に矩形の繊維状のブランクを伴うプリプレグストリップで覆われる。
【0025】
さらに、本発明の目的は、コア構造、特に、平坦で平行なカバー層が両側に備えられるハニカム形状のコア構造を伴って、サンドイッチパネル、特に請求項1から10によるサンドイッチパネルの製造のための請求項11による方法によって達成され、本方法は、
a)少なくとも1つの凹部をコア構造内に導入すること、
b)材料結合を生成している間に、インターロッキングの方式で、少なくとも特定の範囲内で、少なくとも1つの凹部に導入され得る少なくとも1つの補強構造を構成するために、繊維強化プリプレグ材料を使用して構成されるストリップを、少なくとも1つのコアに適用すること、
c)コア構造の両側にカバー層を適用すること、および、
d)圧力及び/又は温度を適用することによって、少なくとも1つの補強構造及びカバー層を硬化すること、のステップを備える。
【0026】
カバー層がコア構造の両側に適用される前に、コア構造内で、事前に形成される凹部内に少なくとも1つの補強構造が導入される、すなわち、未だ開いているサンドイッチパネル内に前記補強構造が導入されるという事実によって、少なくとも1つの補強構造をサンドイッチパネルに統合することが可能になる。もし求められる場合には、補強構造は、凹部内に結合され得る。同一平面上の組み込みにより、サンドイッチパネルの標準的な全体の高さを変えること、又は、荷重支持能力を増加させるためにサンドイッチパネルを局部的に厚くすることは、もはや必要なくなる。
【0027】
本方法によれば、ステップa)において、まず第1に、凹部がコア構造内で形成され、その深さは、補強構造の同一面での末端を達成するためにコア構造の全体の高さにわたって延びる。凹部は、ほとんどいかなる所望の幾何学形状をも有し得るが、通常は、垂直の縁部及び/又は少なくとも2つの反対に傾斜した又は傾いた縁部を伴う方形状である。次のステップb)において、ストリップ形状のプリプレグ材料を含む複数の補強層がコア上に設けられる。これに関して、望ましくは、それぞれの場合において、+45°又は−45°の異なる繊維方向を伴う少なくとも2つの異なるプリプレグストリップが、コア上に交互に巻かれる。
【0028】
その(支持)コア自体は、例えば、硬質フォーム材料から形成される。代わりに、コアはまた、サンドイッチパネル自体のコア構造を、すなわち、例えば、ハニカム形状のノメックス(Nomex、登録商標)の紙で構成するために使用される同じ材料から製造される。加えて、コアの上側及び/又は下側は、好ましくは、強化繊維が0°又は90°の延伸方向を有する更なる強化繊維層で覆われ得る。プリプレグストリップ内における強化繊維の延伸方向に関して、角度値は、それぞれの場合において、プリプレグストリップの長手方向の軸又は、それらの平行の外縁と、それぞれに考えられる強化繊維の長手方向の軸との間に存在する角度に関係する。プリプレグストリップがコア上に配置される配置又は被覆の角度は、そこから区別され得る。ストリップの長手方向の軸とコンポーネントの縁部との間で決定されるこの角度は、一定ではなく、かつ、配置場所によって変化し得る。
【0029】
その後、用意されるコアは、それ故、補強構造のインターロッキング及び材料結合の統合を達成するためにサンドイッチパネルのコア構造内における凹部内に組み入れられる。
【0030】
コアに隣接している、サンドイッチパネルの周囲のコア構造の範囲は、補強構造からコア構造への力の伝達を改良するために硬化型充填コンパウンドが備えられ得る。充填コンパウンドは、好ましくは、硬化型充填コンパウンド、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、又は他の方法において、選択的に繊維補強され又は安定化されたフェノール樹脂を使用して構成される。ステップc)において、コア構造の両側にカバー層が適用される。カバー層は、一般に、適切な接着によってコア構造に結合される。最後のステップd)において、全体の配置が硬化される。ステップd)の最後まで、補強構造、2つのカバー層及び選択的な充填コンパウンドは、硬化されない、すなわち、まだ延性状態である。
【0031】
本方法のさらなる有利な実施形態がさらなる請求項において設定される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、強化繊維層が適用された部品上のコアを伴う第1の方形状の補強構造の平面図である。
【図2】図2は、ほぼ台形状の断面形状を伴い、垂直方向下側でオフセット位置にある第2の補強構造を伴う図1に従う補強構造の側面図である。
【図3】図3は、図2にしたがって組み込まれた補強構造を伴う頂部が開いているサンドイッチパネルの部分の部分的な平面図である。
【図4】図4は、収容された取付要素(ハードポイント)を伴う円筒状のストッパを通じた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図において、同じ構造要素は、それぞれの場合において、同じ参照番号を有する。
【0034】
図1は、本発明によるサンドイッチパネルのコア構造に組み込まれるように備えられる第1の補強構造の平面図である。
【0035】
第1の方形状の補強構造1は、とりわけ、複数のハニカム状セル(いわゆる「ハニカム」)とともに構成され、かつストリップ3〜6が巻き付けられたコア2を備える。コア2は、その側面が全体的に内側に傾斜した(45°の角度で傾斜した)、方形状を有する。ストリップ3〜6は、硬化型の繊維強化プリプレグ材料から形成され、強化繊維は、異なる延伸方向を有する。頂部に巻き付けられるストリップ5,6が+45°の延伸方向を有する一方で、ストリップ3及び4は、−45°の延伸方向を有する強化繊維によって構成される。ストリップ3〜6は、プリプレグ材料から構成されるのと同様な繊維状のブランク7によって覆われ又は包まれる。ストリップ3〜6とは異なり、ブランク7内の強化繊維は、0°及び/又は90°の延伸方向を有する。
【0036】
さらに、直径90mmの円筒状のストッパ8が、コア2の中央範囲内に導入される。円筒状のストッパ8は、複数の円形状のカットアウトによって構成され、積層され、そして、繊維強化プリプレグ材料を含む。ストッパ8の高さは、サンドイッチパネルのビード変形(すなわち、厚さを厚くすること)を回避するように、コア2の高さに略一致する。補強構造1の横の周辺部に挿入されるのは、それぞれの場合に、19mmのより小さな直径であるが、ストッパ8と同じ高さの円形状のような3つのストッパであり、2つの上側の対向するストッパ9,10は、参照番号が付されている。ストッパ8は、特にハードポイントの、インサート、ねじ締結片等の取付部材(特に図4参照)の後の統合のために使用され、それによって、例えば、コンポーネントが、本発明によるサンドイッチパネルにねじ込まれることによって取り付けられるということが可能になり、同時に、耐久性補償を生み出す。
【0037】
図2は、ほぼ台形状の断面形状を伴い、垂直方向下側でオフセット位置にある第2の補強構造を伴う図1に従う補強構造の側面図である。
【0038】
これは、いかなる折れもなく、配置されるプリプレグ材料の強化繊維層が理想的に包まれ得てもなお、より複雑な(全体の)補強構造の形状を生じさせる。
【0039】
ストラップ3〜6は、コア2の外縁の周りに案内され、全ての側部においてそれを取り囲む。同じことがブランク7に適用される。
【0040】
第2の補強構造11は、方形状のコア12を伴って構成される。第1の補強構造1に対応して、コア12は、繊維方向が±45°及び0°及び/又は90°のプリプレグ材料の複数のストリップ13〜16及びブランク17によって全てまわりが覆われ又は包まれる。ストッパ8は、単により良い例示を提供するために互いに垂直方向にオフセットされて示されている2つの補強構造に対して貫通する。
【0041】
両方の補強構造1,11は、1つの補強構造18に結合され、かつ、製造されるサンドイッチパネルのコア構造内に対応して構成される凹部(図3参照)に一体化される。
【0042】
図2に示すように、台形の断面形状の第2の補強構造11が、そのより短い下側を伴って下側のカバー層に対して存在し、そのより長い上側とともに方形状の補強構造1に対して存在する一方で、方形状の第1の補強構造1が、サンドイッチパネルの上側のカバー層の一方側に存在するように、補強構造11は、一般に、サンドイッチパネルのコア構造の凹部内において、補強構造1の下に配置される。
【0043】
2つの補強構造1,11は、(全体の)補強構造18を構成し、第2の台形の補強構造11は、後のサンドイッチパネル内でノッチストレスを最小化する。さらに、プリプレグ材料は、分離された補強構造の周りに、より容易に覆われ又は配置され得る。
【0044】
図3は、図2にしたがって組み込まれた補強構造を伴う、頂部において開いているサンドイッチパネルの詳細な平面図を示す。
【0045】
コア構造20を伴うサンドイッチパネル19は、既に、カバー層12の下側に備えられているが、上側においては、上側のカバー層によっては未だ閉じられていない。第1および第2の補強構造1,11を結合することによって構成される複合補強構造18は、凹部22に挿入される。初期においてまだ硬化されていないプリプレグ材料の接着作用によって、両方の補強構造1,11が包まれることから、追加の接着結合は一般に必要とされない。凹部22は、最終のサンドイッチパネルの機械的な荷重許容量を減少させるような、生じうるギャップ又はキャビティをなくし、インターロッキング及び材料ロッキング(接着の)統合を達成するために、補強構造18の表面形状に正確に適合するように構成される。これに関して、非常に重要なのは、統合される補強構造18の高さが、可能な限り正確に、使用されるコア構造20の高さに対応することである。その結果、補強構造18と、縁部に沿って前記補強構造18を囲むコア2との間の「インターロッキング」結合が存在する。
【0046】
さらに、図3の例は、繊維方向が0°及び/又は90°の強化材料で構成される繊維状のプリプレグ材料によって構成される上側のブランク7を示す。コア構造20が補強構造18に隣接する範囲23内において、適切な充填コンパウンド24が、少なくともコア構造20の特定の範囲内または、そこのハニカム内に導入される。充填コンパウンドは、好ましくは、適切な場合、材料を機械的に強くするための補強とともに備えられる硬化型プラスチックによって構成される。さらに、ストッパ8は、ブランク7によって完全に覆われていることから、点線によって示される。
【0047】
図4は、大きな領域、中央のストッパの範囲において、両側に適用されるカバー層を伴うサンドイッチパネルを通じた断面図である。
【0048】
サンドイッチパネル19は、カバー層21,25とともに備えられる。そこに挿入されるストッパ8付きの補強構造18は、カバー層21,25の間に配置される。取付手段27を統合し又は取り付けるための段のある孔26が、ストッパ8に導入される。取付手段27は、互いに接続される2つのスリーブ28,29を備える。スリーブ28,29は、例えば、ねじ締結接続によって共に接続される。左側のスリーブ28は、さらなるコンポーネント、例えば調理モジュールを接続するために、ねじボルト(図示せず)がねじ込まれ得るねじ孔30を有する。
【0049】
本発明によってコア構造20内に統合される補強構造18の結果として、サンドイッチパネル19は、その外部の幾何学的寸法が、フロアパネルとして通常使用されるサンドイッチパネルの標準な寸法と比較して変化しないままである一方で、高い耐荷力を有する。
【0050】
本発明による方法を実行するために、第1のステップa)において,少なくとも1つの凹部22が、構成されるべきサンドイッチパネル19のコア構造内に形成される。少なくとも1つの補強構造1,11,18のインターロッキング及び材料ロッキングを理想的に行う統合を補償するために、凹部22は、可能な限り正確に形成される。凹部22は、例えば、CNC制御フライス盤を使用して形成され得る。原則として、後の補強構造1,11,18に関するコアとして凹部22を構成するために、加工されたカットアウトを使用することが可能である。
【0051】
ストッパを受ける凹部又は孔が、その後、用意されたコア2,12内に形成され得る。ストッパは、初期にまだ軟らかいプリプレグ材料の複数の重ね合わせられたカットアウト層を使用して構成され、ストッパは、例えば、10mmから200mmの間の直径を伴う円筒形状を有する。
【0052】
さらなるステップb)において、それぞれが繊維強化プリプレグ材料を用いて構成される複数のストリップ3〜6,13〜16が、コア2,13上に巻き付けられる。これらのコア2,12は、例えば、硬質フォーム又はサンドイッチパネル19のコア構造20を提供するために使用される材料に対応するコア構造材料を使用して構成され得る。配置工程において、繊維方向が+45°のストリップ及び繊維方向が−45°のストリップが、複数の巻線内のコア2,12の周りに交互に配置される。最後に、繊維方向が0°及び/又は90°のプリプレグ材料のブランク7が、コア2,12上に配置される。コア2,12は、理想的に、プリプレグ材料によって完全に囲まれている。その後に、用意された補強構造1,11,18は、凹部22内に導入される。補強構造1,11,18、すなわち、関係するハニカムに隣接するコア構造20の範囲は、選択的に、接続を改善するための硬化型プラスチック材料からなる充填コンパウンドで満たされる。例えば、補強構造1,11,18に組み込まれ、かつ、最大2.0cmの幅を有するコア構造20のストリップは、硬化型充填コンパウンドで可能な限り完全に満たされる。補強構造1,11,18はまた、選択的に、そこで、接着結合され得る。
【0053】
次のステップc)において、カバー層21,25は、コア構造20の両側に適用される。最後のステップd)において、適切な装置、例えば、加熱炉又はオートクレーブ内に圧力及び/又は温度を適用することによって、全体の構造が硬化される。原則として、凹部22がコア構造20内に形成される前に、カバー層21,25に一方のコア構造20を備えることが可能である。
【0054】
ステップd)における硬化工程の後に、孔又は段のある孔が、さらなるコンポーネントをサンドイッチパネルに接続するための取付要素を受けるためにストッパ内に形成される。取付要素の可能な例は、硬化されたストッパ内の孔内に固定できるインサート又締結ねじスリーブを含む。
【符号の説明】
【0055】
1…(第1の)補強構造、2…コア(ハニカムセル)、3…ストリップ(プリプレグ材料、繊維方向−45°)、4…ストリップ(プリプレグ材料、繊維方向−45°)、5…ストリップ(プリプレグ材料、繊維方向+45°)、6…ストリップ(プリプレグ材料、繊維方向+45°)、7…ブランク(プリプレグ材料、繊維方向0°/90°)、8…ストッパ(大)、9…ストッパ(小)、10…ストッパ(小)、11…(第2の)補強構造、12…コア(ハニカムセル)、13…ストリップ(プリプレグ材料、繊維方向−45°)、14…ストリップ(プリプレグ材料、繊維方向−45°)、15…ストリップ(プリプレグ材料、繊維方向+45°)、16…ストリップ(プリプレグ材料、繊維方向+45°)、17…ブランク(プリプレグ材料、繊維方向0°/90°)、18…補強構造(結合された)、19…サンドイッチパネル(フロアパネル)、20…コア構造、21…(第1の)カバー層、22…凹部、23…範囲、24…充填コンパウンド、25…(第2の)カバー層、26…段のある孔、27…取付手段、28…スリーブ、29…スリーブ、30…ねじ孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア構造、特にハニカム形状のコア構造(20)と、航空機の機体フレーム内にフロア面を構成するためにこのコア構造の両側に適用されるカバー層(21,25)とを伴うサンドイッチパネル(19)であって、
前記コア構造は、少なくとも1つの補強構造(1,11,18)が統合される少なくとも1つの凹部(22)を有することを特徴とするサンドイッチパネル。
【請求項2】
少なくとも1つの補強構造(1,11,18)が、少なくとも1つのコア(2,12)とともに構成されることを特徴とする請求項1に記載のサンドイッチパネル(19)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのコア(2,12)が、少なくとも特定の範囲内で、それぞれが同一の、特に±45°の延伸方向を有する強化繊維のプリプレグ材料で構成される少なくとも1つのストリップ(3−6,13−16)とともに備えられることを特徴とする請求項1又は2に記載のサンドイッチパネル(19)。
【請求項4】
少なくとも1つの補強構造(1,11,18)が、少なくとも特定の範囲内で、少なくとも1つの2次元ブランク(7,17)とともに備えられ、少なくとも1つのブランク(7,17)は、延伸方向が0°及び/又は90°を有する強化繊維のプリプレグ材料によって構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のサンドイッチパネル(19)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの補強構造(1,11,18)は、少なくとも特定の範囲内で、インターロッキングの方式において、コア構造(20)内での凹部(22)内に導入され得ることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のサンドイッチパネル(19)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのコア(2,12)が、コア構造、特にハニカム形状のコア構造、及び/又は硬質フォームとともに構成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のサンドイッチパネル(19)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの補強構造(18)は、少なくとも2つの補強構造(1,11)によって構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のサンドイッチパネル(19)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの補強構造(1,11,18)は、少なくとも1つのストッパ、特に少なくとも1つの円筒状のストッパ(8−10)とともに備えられることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のサンドイッチパネル(19)。
【請求項9】
少なくとも1つの更なるコンポーネント、特に少なくとも調理又は衛生モジュールをサンドイッチパネルに取り付けるための少なくとも1つの取付要素が、少なくとも1つのストッパ内に導入され得ることを特徴とする請求項8に記載のサンドイッチパネル(19)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのストッパ(8−10)は、繊維強化プラスチック材料、特にプリプレグ材料を使用して複数の平坦で平行に重ね合わされた円形の層とともに構築されることを特徴とする請求項8又は9に記載のサンドイッチパネル(19)。
【請求項11】
コア構造、特に平坦で平行なカバー層(21,25)が両側に備えられるハニカム形状のコア構造(20)を伴うサンドイッチパネル、特に請求項1から10のいずれか1項に記載のサンドイッチパネル(19)の製造のための方法であって、
a)少なくとも1つの凹部(22)をコア構造(20)内に導入すること、
b)材料結合を生成している間に、インターロッキングの方式で、少なくとも特定の範囲内で、少なくとも1つの凹部(22)に導入され得る少なくとも1つの補強構造(1,11,18)を構成するために、繊維強化プリプレグ材料を使用して構成されるストリップ(3−6,13−16)を、少なくとも1つのコア(2,12)に適用すること、
c)コア構造(20)の両側にカバー層(21,25)を適用すること、および、
d)圧力及び/又は温度を適用することによって、少なくとも1つの補強構造(1,11,18)及びカバー層(21,25)を硬化すること、
のステップを備える方法。
【請求項12】
少なくとも1つのストッパ(8−10)を挿入するために、少なくとも1つの凹部、特に少なくとも1つの孔が、少なくとも1つのコア(2,12)内に形成されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの補強構造(1,11,18)の少なくとも特定の範囲が、前記凹部(22)に接着で結合される請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの補強構造(1,11,18)が導入される前に、カバー層(21,25)が、サンドイッチパネル(19)のコア構造(20)に結合されることを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
硬化工程の最後で、孔、特に段のある孔(26)が少なくとも1つのストッパ(8)内に形成られることを特徴とする請求項11から14のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−501889(P2012−501889A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524329(P2011−524329)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際出願番号】PCT/EP2009/060778
【国際公開番号】WO2010/026054
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(511009721)エアバス オペレーションズ ゲーエムベーハー (6)
【氏名又は名称原語表記】AIRBUS OPERATIONS GMBH
【住所又は居所原語表記】Kreetslag 10,21129 Hamburg(DE)
【Fターム(参考)】