説明

補給用現像剤

【課題】高温環境下での使用においても、補給用現像剤容器からのトナー及びキャリアの補給性能を十分に確保することができ、補給口近傍でのトナー融着によるトナー顆粒の発生を抑制することのできる補給用現像剤を提供する。
【解決手段】補給用現像剤容器100が、円筒状の容器本体1と、容器本体1の開放端部1cを覆い、周面に容器本体1内の内部に連通する補給口21を有するカバー部材2とを備える。容器本体1は、カバー部材2に対して軸回りに回転することにより、補給用現像剤を補給口21側に搬送させる第1のガイド部11を有し、容器本体1の開放端部1cには、カバー部材2の内面より内側で、開放端部1cから補給口21まで延出し、容器本体1の回転に同期して回転する攪拌爪31が設けられている。補給用現像剤は、結着樹脂と、着色剤と、直鎖又は分岐パラフィンワックスとを含むトナーと、体積平均粒径が20〜80μmのキャリアとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補給用現像剤に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式による画像形成装置においては、感光体等の像担持体に形成された静電潜像に現像装置から現像剤を供給して、像担持体に形成された静電潜像を現像する。そして、現像装置内における現像剤中のトナーの量が減少した場合には、現像装置に付設されたトナー容器からトナーが補給されるようになっている。
一方、近年、消費電力の低減化、プリントの高速化、画像形成媒体の多様化、高画質化などに対応するために、従来の温度より低い温度でトナー画像の定着を行うことができるという、いわゆる低温定着性が要求されている。
しかしながら、熱帯地方など高温環境下での使用においては、トナーが収容されたトナー容器中で未使用のトナー同士がくっつくブロッキング呼ばれる現象が起き易く、トナーの流動性が悪くなるためトナー容器の補給口付近でトナーがトナー容器の内壁に堆積して、補給口を塞いでしまうという問題が生じていた。また、トナーが融着することで生じたトナー顆粒が現像されることにより、転写抜けが発生し、画像品質が劣化するという問題が生じていた。
そこで、トナー容器を回転させてトナーを現像装置に補給する機構を備えた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。このトナー容器では、ボトル本体に形成されたトナー補給用の開口部を開閉するキャップを有し、キャップに弾性ほぐし部材を設けて、弾性ほぐし部材によってボトル本体の開口部でのトナー凝集等の防止及びトナーの排出を良好にしている。
一方、トナー容器を回転させずに固定した状態で現像装置にトナーを供給し、トナー用外添剤を選択することで、トナー容器中の流動性や耐ブロッキング性を良好にした技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3836974号
【特許文献2】特開2008−233609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のトナー容器では、キャップを開栓することによってボトル本体の開口部において、ほぐし部材によってトナーが攪拌されて、開口部からトナーが排出されるようになっているが、開口部から排出されたトナーは、さらにキャップを支持する支持壁に形成された補給口を介して現像装置に補給される構成となっている。そのため、開口部から排出されたトナーは、支持壁に形成された補給口近傍で堆積したり、トナー同士が融着することがある。そのため、トナー補給性を十分確保することができず、トナー顆粒の発生が生じることがある。また、上記特許文献1の場合、キャリアについては何等言及されておらず、現像装置内のキャリアが劣化した場合にもキャリアを補給して対応することが望まれている。
一方、上記特許文献2の場合、トナー容器は回転しない機構であり、また、トナー補給口が小さいため、トナー補給性の確保が不十分であり、トナー顆粒の発生も問題とされている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、高温環境下での使用においても、補給用現像剤容器からのトナー及びキャリアの補給性能を十分に確保することができ、また、補給口近傍でのトナー融着によるトナー顆粒の発生を抑制することのできる補給用現像剤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一の態様によれば、補給用現像剤容器に充填されて、トナーとキャリアを含む補給用現像剤であって、
前記補給用現像剤容器が、円筒状の容器本体と、当該容器本体の開放端部を覆い、周面に前記容器本体内の内部に連通し、補給用現像剤を外部に補給するための補給口を有するカバー部材とを備え、
前記容器本体は、前記カバー部材に対して軸回りに回転することにより、当該容器本体内の補給用現像剤を前記補給口側に搬送させる第1の搬送手段を有し、
前記容器本体の前記開放端部には、前記カバー部材の内面より内側に配置され、前記開放端部から前記補給口まで延出し、前記容器本体の回転に同期して回転する攪拌爪が設けられており、
前記トナーは、結着樹脂と、着色剤と、直鎖又は分岐パラフィンワックスとを含み、
前記キャリアの体積平均粒径が20〜80μmであることを特徴とする補給用現像剤が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、高温環境下での使用においても、補給用現像剤容器からのトナー及びキャリアの補給性能を十分に確保することができ、また、補給口近傍でのトナー融着によるトナー顆粒の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】補給用現像剤容器の外観斜視図である。
【図2】図1の補給用現像剤容器を長手方向に沿って切断した際の断面図である。
【図3】図2の一部を示した要部断面図である。
【図4】図3におけるほぐし部材を除いた状態の要部断面図である。
【図5】図1において補給用現像剤容器を径方向に沿って切断した際の断面図である。
【図6】搬送補助部材の外観斜視図である。
【図7】デジタル画像形成装置の内部構成を示す図である。
【図8】従来例を示すためのもので、補給用現像剤容器の長手方向に沿って切断した際の要部断面図である。
【図9】従来例を示すためのもので、搬送補助部材の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の補給用現像剤は、トナーとキャリアを含み、トナーは、結着樹脂と、着色剤と、直鎖又は分岐パラフィンワックスとを含み、キャリアの体積平均粒径が20〜80μmである。
また、この補給用現像剤を充填する補給用現像剤容器が、円筒状の容器本体と、当該容器本体の開放端部を覆い、周面に容器本体内の内部に連通し、補給用現像剤を外部に補給するための補給口を有するカバー部材とを備える。容器本体は、カバー部材に対して軸回りに回転することにより、当該容器本体内の補給用現像剤を補給口側に搬送させる第1の搬送手段を有する。そして、容器本体の開放端部には、カバー部材の内面より内側に配置され、開放端部から補給口まで延出し、容器本体の回転に同期して回転する攪拌爪が設けられている。
このように、キャリアを含有した上記補給用現像剤と、これを充填する上記補給用現像剤容器とを組み合わせることで、高温環境下での使用により補給用現像剤容器中で流動性が悪くなった補給用現像剤を攪拌爪によって解砕し、補給口での停滞を防止することができ、補給性能を十分に確保することができる。また、補給用現像剤が、直鎖又は分岐パラフィンワックスを含むトナーと、平均粒径が25〜80μmのキャリアとを含有するので、カバー部材と攪拌爪との間に形成される隙間でキャリアがスペーサーとして働き、トナー融着によるトナー顆粒の発生を抑制することができる。その結果、転写抜けの発生を抑制し、画像品質が向上する。
以下、補給用現像剤、補給用現像剤容器、画像形成装置について具体的に説明する。
【0009】
[補給用現像剤]
本発明に係る補給用現像剤は、補給用現像剤容器に充填されて、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤である。
トナーは、結着樹脂と、着色剤と、直鎖又は分岐パラフィンワックスとを含む。
【0010】
<ワックス>
本発明のトナーに含まれるワックスとしては、直鎖または分岐パラフィンワックスが用いられる。
直鎖パラフィンワックスとは、石油の減圧蒸留留出油から分離精製される炭素数20〜40の直鎖状炭化水素を主成分とするものである。分岐パラフィンワックスとは、石油の減圧蒸留残渣油又は重質留出油から分離精製される炭素数30〜60の分枝鎖状炭化水素を主成分とするものである。好ましいワックスとしては、トナー融着によるトナー顆粒の発生を抑制する効果がより高い点で、分岐パラフィンワックスである。
【0011】
<結着樹脂>
トナーの結着樹脂としては、特に限定されない。好ましく用いられるのは、スチレン-ブチルアクリレート共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル共重合体、ポリエステル、ポリエステルポリオール、ウレタン変性ポリエステル、ウレア変性ポリエステルであり、特に好ましいのはポリエステルである。スチレン-ブチルアクリレートの好ましい共重合比は、耐熱保管性の観点からモノマーの質量基準で65:35〜85:15が好ましい。スチレン-ブチルアクリレートは、アクリル酸、メタクリル酸なども共重合した3元共重合体を用いてもよい。
ポリエステル樹脂の場合は、酸価40mgKOH/g、水酸基価60mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価は、トナー用樹脂に良く用いられる物性で、樹脂に残存するカルボキシル基、スルホン酸基を中和するために用いたKOH量で表す。酸価、水酸基価は定法により測定可能である。
【0012】
<着色剤>
本発明に用いられる着色剤は、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。具体的な着色剤を以下に示す。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、さらにマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
また、マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
また、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0013】
<トナーの製造方法>
本発明のトナーを製造する方法としては、着色剤担持樹脂粒子およびトナー結着樹脂などの構成成分を加熱溶融させ混練、冷却、粉砕、分級して製造する粉砕法、トナー結着樹脂を得るための重合性単量体、油溶性重合開始剤、および着色剤担持樹脂粒子などを水系媒体中で乳化分散後、加熱して重合させる懸濁重合法、トナー結着樹脂を得るための重合性単量体および着色剤担持樹脂粒子などを水系媒体中で乳化分散させ、これに水溶性重合開始剤を添加し加熱して重合させる乳化重合法、乳化重合法により製造したトナー結着樹脂よりなる微粒子(以下、「トナー結着樹脂微粒子」ともいう。)および着色剤担持樹脂粒子などを水系媒体中で分散後、凝集剤を添加し加熱して微粒子を凝集させる乳化重合凝集法などを挙げることができる。
トナー粒子中に離型剤を含有させる方法としては、結着樹脂微粒子を離型剤を含有するものとして構成する方法や、トナー粒子を形成する塩析、凝集、融着する工程において、水系媒体中に離型剤微粒子が分散されてなる分散液を添加し、結着樹脂微粒子と着色剤微粒子と離型剤微粒子とを塩析、凝集、融着させる方法などを挙げることができ、これらの方法を組み合わせてもよい。
【0014】
<キャリア>
本発明の補給用現像剤に含まれるキャリア(磁性体粒子)としては、鉄粉、マグネタイト、各種フェライト系粒子又はそれらを樹脂中に分散したものを挙げることができる。好ましくはマグネタイトや各種フェライト系粒子である。フェライトとしては銅、亜鉛、ニッケル、マンガン等の重金属を含有するフェライトやアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有する軽金属フェライトが好ましく、特に好ましくはアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有する軽金属フェライトである。
この磁性体粒子の組成としては、Li、Na等のアルカリ金属及び/又はMg、Ca、Sr、Baのアルカリ土類金属を含有するものであり、下記組成を有するものである。
(M2O)(Fe231−x 或いは(MO)(Fe2O3)1−x
更に、このM2O及び/又はFe23の一部をアルカリ土類金属酸化物で置換したものであっても良い。Mとしては前述のLi、Na等のアルカリ金属及び/又はMg、Ca、Sr、Baのアルカリ土類金属を示す。また、xとしては30mole%以下、好ましくは18mole%以下であり、更に置換されるアルカリ土類金属及び/又はアルカリ金属酸化物は1〜10mole%が好ましい。更に好ましくは3〜15mole%である。この軽金属フェライト或いはマグネタイトが好ましい理由としては、単に近年で盛んとなっている廃棄物、環境汚染問題のみでは無く、これらに加えてキャリア自体を軽量化することができ、トナーに対するストレスを軽減することができる利点を有しているからである。
【0015】
本発明のキャリアの被覆層形成に好適な樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニル及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体やスチレン−アクリル酸共重合体等の共重合体;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変成樹脂(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成樹脂);ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂等である。なお、トナーのスペント化防止の点で好ましい樹脂は、シリコーン樹脂又はその変成樹脂あるいはフッ素樹脂であり、特に前者が好ましい。
【0016】
キャリアの粒子径としては、体積平均粒径で20〜80μmが好ましく、特に好ましくは25〜60μmである。平均粒径が20〜80μmのキャリアを含有することで、後述するカバー部材2の内周面2aと撹拌爪31の外周面3bとの間の隙間S部分においてスペーサーとして働き、トナー融着によるトナー顆粒の発生を抑制することができる。19μm以下では、キャリアがスペーサーとして十分な効果を発揮せず、81μm以上ではキャリアが大きいため、カバー部材2の内周面2aと撹拌爪31の外周面3bとの間の隙間S部分で摩擦が起きやすく、キャリア破砕が生じてしまう(図5参照)。
【0017】
更に、キャリア自体が有する磁化特性としては、飽和磁化で2.5×10-5〜15.0×10-5Wb・m/kgが好ましい。
キャリアの体積平均粒径は、湿式分散器を備えてなるレーザー回折式粒度分布測定装置「HELOS」(シンパテック社製)により測定される体積基準の平均粒径である。飽和磁化は、「直流磁化特性自動記録装置3257−35」(横河電気株式会社製)により測定される。
本発明の補給用現像剤中に含まれるトナーとキャリアの割合は、95:5〜75:25の範囲が好ましく、さらには90:10〜80:20の範囲とすることが好ましい。
【0018】
次に、本発明の補給用現像剤が充填される補給用現像剤容器について説明する。
[補給用現像剤容器]
補給用現像剤容器は、上述のトナーとキャリアを含む二成分現像剤が充填されており、画像形成装置の現像装置に装着されて、現像装置内のトナーの消費に応じて、補給用現像剤容器から現像装置に補給用現像剤が補給される。現像装置では、トナーとキャリアが目標の混合比になるように混合・攪拌され、補給用現像剤容器は当該補給用現像剤容器内の補給用現像剤が補給されて空になった場合、現像装置に新たな補給用現像剤容器が装着されて交換される。
【0019】
以下、補給用現像剤容器の構成について図面を参照して具体的に説明する。
図1は、補給用現像剤容器の外観斜視図である。
補給用現像剤容器100は、補給用現像剤が充填される容器本体1と、当該容器本体1に着脱自在に設けられ、周面に容器本体1内に充填された補給用現像剤を後述する画像形成装置内の現像装置に補給するための補給口21を有するカバー部材2と、を備えている。
【0020】
図2は、図1の補給用現像剤容器を長手方向に沿って切断した際の断面図、図3は、図2の一部を示した要部断面図である。
容器本体1は、一端が閉塞され他端が開放された長尺な円筒形状であり、円筒形状の軸方向の中心を回転軸として軸回りに回転可能となっている。容器本体1の内周面1aには、当該容器本体1の閉塞端部1d側から開放端部1c側に向けて凸形状の第1のガイド部11(第1の搬送手段)が螺旋状に連続して形成されている。この螺旋凸形状の第1のガイド部11の間隔は、閉塞端部1d側から開放端部1c側に向けて徐々に幅狭となるように形成されている。
したがって、容器本体1が、固定されたカバー部材2に対して回転軸回りに回転することにより、容器本体1に充填された補給用現像剤が第1のガイド部11に沿って回転しつつ、容器本体1の開放端部1c側へと搬送されるようになっている。
なお、容器本体1を回転駆動させる回転機構としては、例えば、容器本体1の閉塞端部1dに取り付けられるモーター等の駆動源(図示しない)が挙げられる。
【0021】
カバー部材2は、一端が閉塞され他端が開放された円筒形状であり、容器本体1の開放端部1cに外嵌されようになっており、容器本体1に対して着脱自在である。
カバー部材2の外周面には、カバー部材2の内部に連通して、容器本体1内の補給用現像剤を外部に排出して補給するための補給口21が形成されている。
また、カバー部材2の内側で閉塞端面2dの中央(底面中央)には、当該閉塞端面2dから容器本体1側に向けて延在するほぐし部材22が設けられている。
ほぐし部材22は、平板状をなし、カバー部材2を容器本体1に装着した際に、後述する搬送補助部材3の内側に配置されるようになっている。詳細には、ほぐし部材22は、搬送補助部材3の奥側端部の近傍まで延在している。
したがって、容器本体1がカバー部材2(ほぐし部材22)に対して回転することにより、容器本体1の開放端部1cに搬送された補給用現像剤が、ほぐし部材22に接触して攪拌されることにより、補給用現像剤の停滞を防止し、トナー融着によるトナー顆粒を解砕することができる。
また、カバー部材2の外周面には、補給口21を開閉するためのシャッター部材23が取り付けられている。シャッター部材23は、図7に示す画像形成装置10内の現像装置440に装着した際に自動的に補給口21を開放し、非装着時には補給口21を自動的に閉鎖する。
【0022】
容器本体1の開放端部1cには、搬送補助部材3が内嵌されている。搬送補助部材3は、容器本体1の回転に同期して回転するようになっている。
図4は、図3におけるほぐし部材を除いた状態の要部断面図、図5は、図1において補給用現像剤容器を径方向に沿って切断した際の断面図、図6は、搬送補助部材の外観斜視図である。
搬送補助部材3は、両端が開放した円筒形状である。搬送補助部材3の両端面のうちカバー部材2側の端面(開放端部1c側の端面)には、一対の平板状の攪拌爪31が一体形成されている。攪拌爪31は、搬送補助部材3のカバー部材2側の端面からカバー部材2の補給口21まで延在し、カバー部材2の内周面2aに沿っている。
詳細には、攪拌爪31の先端は、カバー部材2の内側の閉塞端面2d近傍で、当該閉塞端面2dに当接しない程度まで延出している(図4参照)。
また、攪拌爪31の厚さは、搬送補助部材3の厚さと略同じで、攪拌爪31の内周面及び外周面は、それぞれ搬送補助部材3の内周面3a及び外周面3bに沿って面一となっている(図6参照)。
さらに、搬送補助部材3を容器本体1の開放端部1cに内嵌して装着した状態で、搬送補助部材3(攪拌爪31)の外周面3bとカバー部材2の内周面2aとの間には、補給用現像剤のキャリアとトナーを混合を促しつつ、外周面3bとカバー部材2の内周面2aとの間が互いに当接しない程度の隙間Sが形成されるようになっている(図5参照)。
【0023】
したがって、容器本体1の回転により、同期回転した攪拌爪31は、当該攪拌爪31の周囲に流れ込んできた補給用現像剤を攪拌し、また、カバー部材2の内周面2aや補給口21付近に堆積した補給用現像剤を剥ぎ落としたり、補給用現像剤中の融着したトナー顆粒を解砕する。また、攪拌爪31は、容器本体1の開放端部1cから補給口21まで延出しているので、これによって良好な補給用現像剤の搬送性能が得られる。さらに、攪拌爪31は、カバー部材2の内周面2aに沿った平板状であるので、回転時に攪拌爪31にかかるトナー抵抗が小さくなり、容器本体1の回転駆動のための負荷トルクを小さく抑えることができ、駆動源であるモーターのサイズや消費電力などのコストアップを抑えることができる。
【0024】
搬送補助部材3の内周面3aには、凸形状の第2のガイド部32(第2の搬送手段)が螺旋状に形成されている。
この螺旋凸形状の第2のガイド部32によって、補給口21付近でのさらに良好な補給用現像剤の搬送性能を得ることができる。また、容器本体1とは別部材である搬送補助部材3に、この第2のガイド部32を形成しているので、第2のガイド部32の螺旋凸形状の形状自由度が増す。さらに、搬送補助部材3は、両端が開口した円筒形状であることから、補給用現像剤の取り込み口の開口面積を大きくすることができ、容器本体1で融着したトナー顆粒であってもカバー部材2の内部まで確実に搬送されて、攪拌爪31によって解砕することができる。また、取り込み口の開口面積を大きくすることによって、カバー部材2のほぐし部材22を大きく形成することが可能となる。
【0025】
以上のような補給用現像剤容器100を、図7の画像形成装置10の現像装置440に装着すると、駆動源(図示しない)によって容器本体1が回転され、容器本体1の回転に同期して搬送補助部材3も回転する。この回転によって、容器本体1内の補給用現像剤が第1のガイド部11に沿って開放端部1c側へと搬送される。そして、搬送された補給用現像剤は、容器本体1の開放端部1c側において搬送補助部材3の第2のガイド部32に沿ってさらに搬送されるとともに、ほぐし部材22で攪拌されて、補給口21から排出されて現像装置440へ補給される。このとき、カバー部材2の内周面2aや補給口21付近に堆積した補給用現像剤は、攪拌爪31によって剥ぎ落とされ、融着したトナー顆粒も解砕されて、補給口21から現像装置440へ確実に補給される。
【0026】
なお、上記補給用現像剤容器100は、上述したものに限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記第1のガイド部11や第2のガイド部32は螺旋凸形状であるとしたが、これに限らずフィン形状であっても良い。
また、上記攪拌爪31は、容器本体1とは別部材である搬送補助部材3に一体形成されているとしたが、これに限らず、容器本体1の開放端部1cに直接形成されていても良い。
【0027】
[画像形成装置]
上記補給用現像剤容器が装着される現像装置を備えた画像形成装置としては、例えば、図7に示すデジタル画像形成装置が挙げられる。図7は、デジタル画像形成装置の内部構成を示す図である。
この画像形成装置10は、下部に複数の転写材容器本体20を有している。転写材容器本体20の上方には画像形成部40と中間転写ベルト50が設置されており、装置本体の上部には原稿読取部30が設置されている。
転写材容器本体20は、装置前面側(図7における紙面手前側)に引き出し可能となっている。
画像形成部40は、Y、M、C、Kの各色毎のトナー像を形成するための4組の画像形成手段400Y、400M、400C、400Kを有している、画像形成手段400Y、400M、400C、400Kは、この順で上から下方向に直線状に配列されており、各々同じ構成となっている。画像形成手段400Yを例にとって構成を説明すると、画像形成手段400Yは反時計方向に回転する感光体410、スコロトロン帯電手段420、露光手段430及び現像装置440を有する。
クリーニング手段450は、感光体410の最下部に対向した領域を含んで配置されている。
【0028】
装置本体の中央部に位置する中間転写ベルト50は、無端状であり、適宜の体積抵抗率を有する。また、中間転写ベルト50は、例えば、編成ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した半導電性フィルム基体の外側に、フッ素コーティングを行った2層から構成されている。また、シリコンゴムあるいはウレタンゴム等に導電材料を分散したものもあり得る。
一次転写電極510は、中間転写ベルト50を挟んで感光体410と対向する位置に設置されている。
【0029】
このような画像形成装置1を使用したカラー画像を形成するプロセスについて説明する。
感光体410がメインモータ(図示せず)により駆動され、感光体410の表面が電源(図示せず)により電圧供給され、スコロトロン帯電手段420の放電により正極性に帯電される(本実施例では+800V)。次に、露光手段430により画像情報に応じた光書込がなされ、感光体410上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像が現像装置440を通過すると、現像装置440内で正極性に帯電されたトナーが正極性現像バイアスの印加により潜像画像の部分に付着し、感光体410上にトナー像が形成される。形成されたトナー像は感光体410と圧着する中間転写ベルト50に転写される。転写後に残留した感光体410上のトナーはクリーニング手段450により清掃される。
画像形成手段400Y、400M、400C及び400K各々で形成されたトナー像は、中間転写ベルト50に重複して転写されることにより、中間転写ベルト50上にカラー画像が形成される。
転写材Pは転写材容器本体20により1枚ずつ排出され、レジストローラ60の位置まで搬送される。レジストローラ60により転写材Pの先端が整列された後、中間転写ベルト50上のトナー像と画像位置が一致するタイミングで、転写材Pがレジストローラ60より給送される。レジストローラ60により給送された転写材Pは、ガイド板より案内され、中間転写ベルト50と転写部70により形成された転写ニップ部へ送り込まれる。
ローラにより構成される転写部70は転写材Pを中間転写ベルト50側へ押圧している。トナーと逆極性のバイアス(−500V)が転写部70に印可されることにより、静電気力の作用で、中間転写ベルト50上のトナー像を転写材Pへ転写させる。
転写材Pは、除電針からなる分離手段(図示せず)により除電されて中間転写ベルト50から分離され、定着装置80へ送られる。その結果、トナー像が転写材Pへ定着され、トナー像が形成された転写材Pが画像形成装置外へ排出される。
【0030】
なお、定着装置80は、いわゆる接触加熱方式のものを挙げることができる。例えば、図7の定着装置80では、加圧ローラ81と発熱ベルト82を介して内部に配置されている弾性体ローラ83により形成されたニップ部Nに、未定着トナー像が形成された転写材Pが挿入され、トナー像を定着する。
【実施例】
【0031】
〔トナー1の製造〕
《スチレンアクリル樹脂1の製造》
スチレン100重量部よりなり分子量最大値3,600、ガラス転移点62℃であるA成分50重量部と、スチレン73重量部とn−ブチルアクリレート25重量部とアクリル酸2重量部よりなり分子量最大値100,000、ガラス転移点52℃であるB成分20重量部と、スチレン80重量部とn−ブチルアクリレート20重量部よりなり分子量最大値600,000、ガラス転移点60℃であるC成分の25重量部を、キシレン中に溶解混合した。この樹脂溶液を減圧乾燥しスチレンアクリル樹脂1を得た。
【0032】
《トナー1の製造》
次に、以下の材料をヘンシェルミキサで20分間混合した後、2軸混練押出機 115℃設定で混練し、ジェット式粉砕機、風力分級機をもちいて、体積基準のメジアン径7.0μmのトナーを得た。このトナー100重量部と疎水性シリカR−805(アエロジル社)0.6重量部をヘンシェルミキサで混合し、これをトナー1とした。
スチレンアクリル樹脂1 10000質量部
C.I.ピグメントブルー15:3(シアン色材) 750質量部
直鎖パラフィンワックス(日本精蝋(株)製:HNP−9 融点75℃) 400質量部
【0033】
〔トナー2の製造〕
《ポリエステル樹脂1の製造》
ネオペンチルグリコール 132g
エチレングリコール 60g
テレフタル酸 279g
ジブチルスズラウレート 1.5g
上記の試料を、温度計、ステンレススチール製撹拌棒、ガラス製窒素導入管、および流下式コンデンサを備えた容量2リットルのガラス製4つ口フラスコ内に入れ、マントルヒータ中で窒素雰囲気中において常圧下170℃で撹拌しつつ5時間反応後、210℃で反応を続行させた。ASTM E28−51Tに準ずる軟化点の値に変化が認められなくなった時点で、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸無水物108gに添加し、210℃にて反応を続行させ、ASTM E28−51Tに準ずる軟化点より反応の進行を追跡し、軟化点が所定の温度に達した時、反応を停止し、室温まで冷却しポリエステル樹脂1を得た。
【0034】
《トナー2の製造》
以下の材料をヘンシェルミキサで20分間混合した後、2軸混練押出機 115℃設定で混練し、ジェット式粉砕機、風力分級機をもちいて、体積基準のメジアン径7.0μmのトナーを得た。このトナー100重量部と疎水性シリカR−805(アエロジル社)0.6重量部をヘンシェルミキサで混合し、これをトナー2とした。
ポリエステル樹脂1 10000質量部
C.I.ピグメントブルー15:3(シアン色材) 750質量部
直鎖パラフィンワックス(日本精蝋(株)製:HNP−9 融点75℃) 400質量部
【0035】
〔トナー3の製造〕
離型剤を分岐パラフィンワックス(日本精蝋(株)製:HNP−0190 融点80℃) 400質量部に変更する以外は、トナー2の製造と同様にして、トナー3を製造した。
【0036】
〔トナー4の製造〕
離型剤を分岐パラフィンワックス(日本精蝋(株)製:HiMic−1090 融点80℃) 400質量部に変更する以外は、トナー2の製造と同様にして、トナー4を製造した。
【0037】
〔トナー5の製造〕
離型剤をエステルワックス(ベヘン酸ベヘニル 融点70℃) 400質量部に変更する以外は、トナー2の製造と同様にして、トナー5を製造した。
【0038】
〔現像剤の製造〕
《現像剤1〜3の製造》
トナー1〜3に対して、それぞれシリコーンを被覆した体積平均粒径30μmのフェライトキャリアをトナー濃度が7%になるよう混合することにより、現像剤1〜3を調製した。
【0039】
《現像剤4の製造》
トナー4に対して、シリコーンを被覆した体積平均粒径50μmのフェライトキャリアをトナー濃度が7%になるよう混合することにより、現像剤4を調製した。
【0040】
《現像剤5の製造》
トナー3に対して、シリコーンを被覆した体積平均粒径15μmのフェライトキャリアをトナー濃度が7%になるよう混合することにより、現像剤5を調製した。
【0041】
《現像剤6の製造》
トナー3に対して、シリコーンを被覆した体積平均粒径85μmのフェライトキャリアをトナー濃度が7%になるよう混合することにより、現像剤6を調製した。
【0042】
《現像剤7の製造》
トナー5に対して、シリコーンを被覆した体積平均粒径30μmのフェライトキャリアをトナー濃度が7%になるよう混合することにより、現像剤7を調製した。
【0043】
《現像剤8の製造》
トナー5に対して、シリコーンを被覆した体積平均粒径85μmのフェライトキャリアをトナー濃度が7%になるよう混合することにより、現像剤8を調製した。
【0044】
〔補給用現像剤の製造〕
《補給用現像剤1〜3の製造(本発明)》
トナー1〜3に対して、それぞれシリコーンを被覆した体積平均粒径30μmのフェライトキャリアをキャリア濃度が15%になるよう混合することにより、補給用現像剤1〜3を調製した。
【0045】
《補給用現像剤4の製造(本発明)》
トナー4に対して、シリコーンを被覆した体積平均粒径50μmのフェライトキャリアをキャリア濃度が15%になるよう混合することにより、補給用現像剤4を調製した。
【0046】
《補給用現像剤5の製造(比較例)》
トナー3に対して、シリコーンを被覆した体積平均粒径15μmのフェライトキャリアをキャリア濃度が15%になるよう混合することにより、補給用現像剤5を調製した。
【0047】
《補給用現像剤6の製造(比較例)》
トナー3に対して、シリコーンを被覆した体積平均粒径85μmのフェライトキャリアをキャリア濃度が15%になるよう混合することにより、補給用現像剤6を調製した。
【0048】
《補給用現像剤7の製造(比較例)》
トナー5に対して、シリコーンを被覆した体積平均粒径30μmのフェライトキャリアをキャリア濃度が15%になるよう混合することにより、補給用現像剤7を調製した。
【0049】
《補給用現像剤8の製造(比較例)》
トナー5に対して、シリコーンを被覆した体積平均粒径85μmのフェライトキャリアをキャリア濃度が15%になるよう混合することにより、補給用現像剤8を調製した。
【0050】
〔トナーの特性評価〕
画像形成装置としては、フルカラー複合機「bizhub Pro C353」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)社製)をトリクル現像方式に改造したものを準備した。製造した現像剤1〜8、補給用現像剤1〜8、補給用現像剤容器(図1〜図6、図8〜図9)を、下記表1に示す組み合わせにて、特性評価を行った。
【0051】
ここで、図8〜図9に示す従来の補給用現像剤容器100Aについて説明する。
従来の補給用現像剤容器100Aは、図1〜図6の本発明の補給用現像剤容器100と異なり、ほぐし部材22を備えておらず、搬送補助部材3に攪拌爪31が設けられていない。具体的に、搬送補助部材3Aは、容器本体1Aの開放端部1cAに配置されてカバー部材2Aの内側に連通する補給用現像剤の流出口33Aと、この流出口33Aから容器本体1Aの奥側に向けて延出する2つの筒状部34Aと、を備えている。2つの筒状部34Aのうち一方は、容器本体1Aの内周面1aA上方に向けて先細となるように延出し、他方は、容器本体1Aの内周面1aA下方に向けて先細となるように延出している。2つの筒状部34Aの内面には、それぞれ容器本体1Aの内側に連通する補給用現像剤の流入口35Aが形成されている。また、2つの筒状部34Aの内側は、互いに連通している。そして、容器本体1A内の補給用現像剤が各流入口35Aを通って各筒状部34Aの内側に流れ込み、その後、流出口33Aからカバー部材2Aの内側へと補給用現像剤が流れ、補給口21Aから外部に排出されるようになっている。このように従来の搬送補助部材3Aでは、流入口35A側と流出口33A側とで補給用現像剤の取り込み口が絞られているので、流入口35Aや流出口33Aにおいて補給用現像剤中のトナー同士が融着し易くなっている。
【0052】
(トナー補給性)
トナー補給性の評価は、プリント環境条件30℃、80%RHでの50万枚プリントを行い、その間のトナー補給口の状態を観察し、下記ランクで評価した。
◎:問題なくトナーが補給される
○:トナー補給口にブロック体が発生しており、トナーが徐々に崩れ、補給される(実用上問題なし)
×:トナー補給口にブロック体が発生しており、全く補給されない(実用上問題あり)
【0053】
(転写抜け性)
転写抜け性の評価は、プリント環境条件30℃、80%RHでの50万枚プリントを行い、得られたプリント画像を下記ランクで評価した。
◎:転写抜けの発生なく良好
○:転写抜けがやや見られる(実用上問題なし)
×:転写抜けが発生(実用上問題あり)
結果を下記表1に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
表1の結果より、実施例1〜4では、比較例1〜5に比較して補給性能及び転写抜け性能が良好であることが認められる。すなわち、本発明のように、直鎖又は分岐パラフィンワックスを含んだトナーと、体積平均粒径が20〜80μmのキャリアとを含んだ補給用現像剤と、上記図1〜図6に示す補給用現像剤容器を組み合わせて使用することにより、補給性能及び転写抜け性能を向上させることができる。
また、特に分岐パラフィンワックスを含んだトナーを使用した補給用現像剤3は、直鎖パラフィンワックスを含んだトナーを使用した補給用現像剤2に比較して上記性能がより良好であることがわかる。
【符号の説明】
【0056】
1 容器本体
1c 開放端部
1d 閉塞端部
11 第1のガイド部
2 カバー部材
3 搬送補助部材
21 補給口
22 ほぐし部材
31 攪拌爪
32 第2のガイド部
100 補給用現像剤容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
補給用現像剤容器に充填されて、トナーとキャリアを含む補給用現像剤であって、
前記補給用現像剤容器が、円筒状の容器本体と、当該容器本体の開放端部を覆い、周面に前記容器本体内の内部に連通し、補給用現像剤を外部に補給するための補給口を有するカバー部材とを備え、
前記容器本体は、前記カバー部材に対して軸回りに回転することにより、当該容器本体内の補給用現像剤を前記補給口側に搬送させる第1の搬送手段を有し、
前記容器本体の前記開放端部には、前記カバー部材の内面より内側に配置され、前記開放端部から前記補給口まで延出し、前記容器本体の回転に同期して回転する攪拌爪が設けられており、
前記トナーは、結着樹脂と、着色剤と、直鎖又は分岐パラフィンワックスとを含み、
前記キャリアの体積平均粒径が20〜80μmであることを特徴とする補給用現像剤。
【請求項2】
前記トナーに含まれるワックスが、分岐パラフィンワックスであることを特徴とする請求項1に記載の補給用現像剤。
【請求項3】
前記攪拌爪は、前記カバー部材の内面近傍で当該内面に沿って延出する平板形状をなしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の補給用現像剤。
【請求項4】
前記第1の搬送手段は、前記容器本体の内面に形成されて、前記容器本体の閉塞端部から前記攪拌爪の近傍まで到達する螺旋凸形状又はフィン形状の第1のガイド部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の補給用現像剤。
【請求項5】
前記容器本体の前記開放端部に、当該開放端部に内嵌される搬送補助部材が設けられ、
前記搬送補助部材の前記開放端部側の端部に、前記攪拌爪が取り付けられており、
前記搬送補助部材は、前記容器本体の回転に同期して前記搬送補助部材が回転することにより、当該容器本体内の補給用現像剤を前記補給口側に搬送させる第2の搬送手段を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の補給用現像剤。
【請求項6】
前記第2の搬送手段は、前記搬送補助部材の内面に形成されて、前記攪拌爪の近傍に到達する螺旋凸形状又はフィン形状の第2のガイド部であることを特徴とする請求項5に記載の補給用現像剤。
【請求項7】
前記カバー部材の内面には、当該内面から前記容器本体の内側に延出するほぐし部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の補給用現像剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−33130(P2013−33130A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169161(P2011−169161)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】