製品の検査システムおよび製品検査方法
製品検査システムおよびこれを利用する方法は、広範囲の製品が、所定の製品要求に適合するかどうかを検査するにあたり、特に人間の感覚や測定機器の手動処理による方法で検査チェックがなされるときに、検査員を支援するものである。コンピュータサーバは、検査員の行動に統制と規律を課すために、検査員と連携して利用される。このような統制は、繊維素材のタイプごとの製品要求条件適合について検査をするための標準化された順序の遵守と、検査員が検査結果を記録することができる可能な応答の制限と、ある製品要求条件適合の検査について無効時間を最小にさせることを含む。検査員は少なくとも一つの遠隔操作検査ステーションでコンピュータサーバと相互に連携する。この遠隔操作検査ステーションは、コンピュータモニタ、キーボード、ポインタ、好ましくは製品に貼付されたラベルの読み取りが可能なバーコードスキャナを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に製品の検査システムに関する。より詳しくは、繊維製品のコンピュータ化した検査システムおよびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の織物や縫い物および/又は編み物など、製品の製造において、製品が構成された後は、その製品は人間の肉眼で欠陥や異常があるかどうか検査される。検査は、典型的には適正に照明された領域を製品が通過することで行われる。この領域は、検査員が一つあるいは一連の不適合を見つけるために、製品を監視できる場所である。衣料のような製品の検査手続は、典型的に生地の色、織り地、染色あるいはプリント、パターンの方向、生地の光沢、縫合、ラベルの状況と位置、汚れの有無、生地の大きさなどについてなされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
不幸にもアセンブリラインが止まることは、非効率であり、製造の観点からコストが高くつく。検査員は絶対確実ではなく、未必的に、それぞれの製品についてなされるべき一連の観察について必要な検査ステップを見落とすかもしれない。さらに、検査プロセスは、単調で退屈なため、検査員に検査を急がせることにもなりかねない。その結果、許容できない欠陥を見落としかねない。したがって、検査の徹底の度合は、検査員の間で異なり、それは製品の品質に変動をきたすこととなる。
【0004】
検査システムおよびこれを利用する方法は、製品要求条件と製造された製品とが一致するかどうかを、特に人間の感覚や測定機器の手動処理による方法で検査チェックがなされるときに、検査する検査員を支援する。この検査システムは、特に熟練工が、生産工程において重要なパートであるところ(それゆえ変動があるのだが)においては、特に有用である。たとえば、衣料品、家庭用織物、靴、衣料装飾品、装身具類、手書き陶器類や類似の生産物などである。これらは、製品の品質を制御し確認するために、作られた品物のほとんどは検査の必要性があるところに特徴がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の検査システムは、好ましくは、少なくとも一つのステーションとコンピュータサーバからなるネットワークが、少なくとも検査員の行動に統制と規律を課すために、検査員と連携して利用される。このような統制は、事前に選択された繊維製品のタイプをチェックするための標準化された一貫性を遵守させたり、検査員が検査結果を記録することができる可能な応答の制限と、ある製品要求条件適合の検査について無駄な時間を最小にさせることを含む。検査員は少なくとも一つの遠隔操作検査ステーションでコンピュータサーバと相互に連携する。この遠隔操作検査ステーションには、コンピュータモニタ、キーボード、ポインタ、好ましくは製品のラベルを読み取り可能なバーコードスキャナを有する。
【0006】
好ましくは、検査されるべきそれぞれの製品につけられたラベルは、製品のタイプを示す識別子と検査される個々の製品特有の識別子を有する。これらの識別子は検査員により操作されてコンピュータに読み込まれる。サーバは、製品のタイプに対応して検査員が従うべき特有の検査手続を機械的にステーションにアップロードする。検査を必要とする製品の各項目は、適切な検査手続により網羅される。検査結果又はコメントとして、予め設定されたさまざまな選択肢を表示して、検査員にプロンプトで指示を求める。好ましくは、コンピュータは、検査のために選択された製品の特徴の観察について最小時間間隔がセットされた内部タイマを有する。検査員の計測や選択されたコメントに応じて、製品は次の処理サブルーチンに進んだり、やり直し作業のためにフラグされたり、あるいは検査の残りを中止して不合格品となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の目的、特徴および利点は、検査員の行動に統制と規律を課すためのコンピュータ化したシステムを含み、結果として、複数の検査員間の首尾一貫した検査結果を与える。その上、システムと方法は、生産品質と生産効率を向上し、簡単なリファレンスにより製品品質記録の整理を改善する。また、システムは強靱で、ポータブルであり、最小の人員で管理および維持できるので比較的安価である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図面を参照して詳細に説明する。図1は、製品の検査システム20を示す。この検査システム20は好ましくはポータブルであり、組み立てられたまたは製造された製品24の数多くの項目が要求条件に適合するかどうかの検査作業について、検査員30を支援する。特に人間の感覚あるいは測定機器の手動処理方法により検査がなされるところで、検査作業を支援する。コンピュータサーバあるいはサーバステーション26は、少なくとも一つの検査(または監査)ステーション28とインターフェースしており、各観察結果が記録される間、検査手続32を通して検査員30の行動を共同で統制する。
【0009】
検査システム20は、検査員の行動に統制と規律を図ることにより、通常の検査手続の精度を著しく改善する。これらの統制は次のことを含む。第1に、組み立てられたまたは製造された製品24の個別の要求条件検査のため、規格化された順序を遵守させること、第2に、検査員30が観察結果を記録する際、可能な応答を限定すること、第3に、製品24の項目が要求条件に適合するかどうかの検査に対して、無駄な時間を最小にすることである。検査プロセスにより厳格な統制を導入することで、検査員の注意から逃れた欠陥製品の可能性を著しく減少させる。
【0010】
検査ステーション28は、サーバ26と組み合わされるとき、スター型構成を形成するPOS(Point-Of-Sale)型システムである。サーバ26は、一般的に検査ステーション28よりもレベルの高い構成を有し、検査のためのテスト手続またはソフトウェア、及び検査データを記憶する。各検査ステーション28は、好ましくはサーバ26からアップロードされた検査手続32を実行するためにネットワークされたコンピュータ33、コンピュータモニタ34、英数字データを入力するためのキーボード36、製品に添付されたラベル39(図2で好適表示)から製品24を認識するバーコードスキャナ38、マウスのようなポインティング装置40、マイクロフォン装置42で好ましくは口頭のコメントを記録するためのレシーバ44を有するタイプのもの、を有する。モニタ34は、サーバ26と検査員30の間の相互作用をより容易にするタッチスクリーンタイプのものが好ましい。スキャナ38は、頑丈なCCD(charge-couple device(電荷結合素子))でRS232タイプのものが好ましい。検査システム20は、無停電のパワーサプライ45や、検査員30の規律遵守用として、コンピュータ33に内蔵された時計あるいは組み込まれたソフトウェアのタイマ49を装備する。サーバ26はまた、テープまたはディスクのバックアップシステム47を装備する。サーバ26を経由する通信ケーブル35が比較的単純にデザインできるので、各検査ステーション28は専用のコンピュータ33を有することが好ましい。しかしながら、通信リンクを追加することによって、コンピュータ33を省略して、サーバ26がプログラム実行機能を果たすよう変更してもよい。検査ステーション28がコンピュータ33を有していれば、検査ステーション28のコンピュータ33により、サーバがプログラムした実行機能が実行される。
【0011】
システムを起動するとき、各モニタ34(検査スクリーン)は、工場名、検査ステーション28の認識番号、日時を表示することが好ましい。各検査員30は、検査ステーション28に名前とパスワードを入力してログインした後、好ましくは検査員レベルの権限に応じて一定の使用権利を認められる。これらの権利は、管理者46によりコンピュータ33に割り当てられ、ロードされることが好ましい。
【0012】
図3〜15を参照する。検査手続32は、検査される製品24の各タイプに対し定義され、効率的で定められた順序においてあらゆる個々の製品項目を検査することを含む。例として、製品24は、衣料業界で製造される衣料品や織物である。製品(あるいは衣料品)24が検査のために到着すると、その製品タイプはスキャナ38経由で検査システム20に入力され、管理者46により事前に格納された適切な検査手続32がモニタ34に表示される。検査手続32は、好ましくは一連の連続したステップあるいはサブルーチンを有し、各ステップは衣料品の項目又は検査要求のひとつを指示する。例えば、図3は一の組み立てられた衣料製品に対して一連の寸法検査あるいはサブルーチン48を、図4は一連の客観的な表側テストのサブルーチン50を表し、図5は一連の主観的な表側の目視のサブルーチン52を、図6は一連の縁縫合検査のサブルーチン54と主観的な表側の縫製のサブルーチン56を、図7はラベルの素材や印字検査のサブルーチン58を、図8はラベルの清浄度やしわの検査のサブルーチン60を、図9は計測されるラベルの位置検査のサブルーチン62を、図10は詰め口位置の検査のサブルーチン64を、図11は一連の客観的な裏側テストのサブルーチン66を、図12は一連の主観的な裏側の目視のサブルーチン68を、図13は表地内部の清浄度のサブルーチン70を表す。
【0013】
図3を参照して詳しく説明する。検査員30がログインすることで検査システム20を初期化する(ステップ72)と、織物の検査手続32は開始する。検査員30が、管理者46により事前にプログラムされた必要な許可を得たと仮定すると、検査員は、(衣料)製品24のラベル39を配置し(ステップ74)、スキャナ38で、読み取られるべきラベル39のバーコード78を、読み取るか又は手入力する(ステップ76)。好ましくは、第1のラベル識別子あるいはバーコードは、購入注文番号、製品型番号、製造された衣料品のタイプやそのサイズを識別するために使用される製品種類コードを含む。第2のバーコードは衣料の製品24を製作したミシンオペレータを識別する。読み取られる他のバーコード番号は、検査される個々の衣料品特有の連続番号を与える。
【0014】
製品24が識別されると、次にコンピュータ33は、個々の製品の種類ごとに必要な検査手続(あるいは質問票)32を選択し(ステップ80)、もし、同じシリアル番号の直近の検査レポートがあれば、これを表示する(ステップ82)。その同じシリアル番号について前に検査がされていない場合は、すべてのルーティングフラグ84を0にセットする。もし衣料の製品24が前に検査されていたならば、コンピュータ33は、自動的に衣料の製品24を再検査するため、検査手続32の個々のサブルーチンに進めるが、前に検査され合格となったサブルーチンあるいはステップを省略する。前回の検査レポートから記録され、サーバ26からアップロードされた一連のルーティングフラグ84を読み取ることで、コンピュータ33は検査をどこに進めるかわかっている。前回の検査において修正可能な欠陥が発見された結果として、ある製品は、前回検査レポートを持つことになるが、前回指摘の修正可能な欠陥が実際に修正されたことを確認することが、後の検査の目的である。ルーティングフラグ84の目的は、後の検査中において検査手続32の実施フローを統制することである。例えば、個々の修正可能な欠陥は再び適切な順序で検査される一方、物理的な計測などのように異なる結果を生じることが考えにくいステップは繰り返されない。
【0015】
衣料の製品24が前に検査されたことがない場合、コンピュータ33は衣料の製品24を検査手続32のサブルーチン48に進める(ステップ86;NO)。そして、サブルーチン48は、幅などの衣料品計測を検査員30に対して入力するように求める(ステップ98)。コンピュータは、入力された寸法を、検査手続32の一部として事前にロードされた規格と比較する(ステップ100)。コンピュータは計測幅が事前に規定された許容範囲外であるか判定し(ステップ104)、もし計測幅が事前に規定された許容範囲外であるなら、検査員30に拒絶を知らせる。計測値が事前に規定された許容範囲外である場合は、その衣料品の機械的な拒絶の理由となり(ステップ108)、コンピュータ33は機械的に拒絶の理由を記録し、好ましくは拒絶チケットが印刷される(ステップ109)。検査員30は、追加のコメントを記録してもよい。図15で好適に示されているように、追加のコメントは、好ましくは(タッチスクリーン)モニタ34に表れる事前にプログラムされた選択肢からの選択でもよいし、キーボード36あるいはマイクロフォン42を用いて、検査員30が入力するためのカスタム入力領域を含んでもよい(ステップ133)。もし、衣料品の幅が、事前に規定された許容範囲内であれば、コンピュータは、他の寸法、例えば長さを計測し入力するよう検査員30に指示するために、サブループ110を続ける。こうして同じサブルーチン48は何度も繰り返される。すべての寸法を入力し、そのすべてが事前に規定された許容範囲内であるときは、衣料の製品24は、コンピュータ33によって、検査手続32のサブルーチン50に進められる。
【0016】
図4を参照する。客観的な表側テスト検査のサブルーチン50は、符号112で示されるサブループを有する。このサブループは、色彩の精度、パターン方向、光沢などに対して、個々の客観的な製品表側検査(ステップ114)を含む。これは、検査員が検査を急ぐことで検査の正確さが損なわれるステップの一つであるので、各検査ごと(ステップ114)に標準的で十分な時間が費やされることを確実にするため、各サブループ112について、コンピュータは内蔵のタイマ49をスタートする(ステップ96)。当該ステップ114のために事前にプログラムされた最小検査時間が経過するまで、モニタ34、ポインティングデバイスであるマウス40、キーボード36、(バーコード)スキャナ38あるいはマイクロフォン42による入力を受入れることを、コンピュータが拒絶することによって、次のサブループまたは検査ステップへの進行は妨げられる。各サブループ112の作業の間、検査員30は、衣料の製品24の表側を検分し、入力する(ステップ115)。例えば、計器読取りからの比色データ、パターン方向、あるいは光沢レベルの目視観察などである。このような検査は、好ましくはモニタ(スクリーン)34に便利良く表示される、事前にプログラムされた選択肢から選択され入力される。サブループ112のための内蔵のタイマ49が時間経過した後(ステップ102)、コンピュータ33はサブループ112に対する検査員の入力を受け付け、機械的に客観的表側テストデータが事前にプログラムされた規格内であるかどうか判定する。検査中の衣料の製品24が拒絶に値するとき(ステップ108)、拒絶であることの情報に併せて拒絶の理由が、衣料の製品24の検査記録に機械的に入力される。図15に好適に示されているとおり、検査員30は拒絶を知らされ、好ましくは事前にプログラムされた選択肢から拒絶の理由を選択することで(ステップ133)、コメントまたは理由を記録する(ステップ134)。この個々の拒絶された衣料の製品24についての検査手続32は中止され、拒絶チケットが印刷される(ステップ109)。各サブループ112で入力されたデータのすべてが規格内であれば、衣料の製品24は検査手続32のサブルーチン52に進む。
【0017】
図5を参照する。主観的な表側の目視検査サブルーチン52は、符号116で示されるサブループを含む。このサブループは、個々の主観的な製品の表側検査(ステップ118)を含むが、例えば、一つの組み立てられた衣料品において、染色欠陥、織り欠陥、汚れ跡などの検査が含まれる。サブルーチン50と同様、各主観的な表側検査ごと(ステップ118)に標準的で十分な時間が費やされることを確実にするため、各サブループ116について、コンピュータは内蔵のタイマ49をスタートする(ステップ96)。検査員30は、衣料の製品24の表側を検分し(ステップ118)、タイマが時間経過となった後(ステップ102)、検査員30は、衣料の製品24の個々の検査項目について合否の判定をコンピュータ33に入力する(ステップ120)。項目が合格の場合は、サブループ116は次の主観的な項目について繰り返し、項目が合格しない場合に、検査員30は、不合格(選択肢122)、重要でない欠陥(選択肢124)、縫製やり直し要求(選択肢126)、および/又はクリーニング要求(選択肢128)から選択するよう、プロンプトされる。
【0018】
サブルーチン52において、検査員30が不合格(選択肢122)を選ぶ場合、図15に好適に示されるとおり、コンピュータは表側のマップ表示及び欠陥のタイプを示すシンボルの選択を便利良く提供する(ステップ130)。そして、検査員30は、マップ上の欠陥の位置を示すために、マウス40を使い、マップ上にシンボルを選択してマップ上の欠陥の位置に印を付け(ステップ132)、そして(タッチスクリーン)モニタ34に表れる選択肢から理由を選択する(ステップ133)。コンピュータ33は、この拒絶理由データを記録し(ステップ134)、衣料の製品24は拒絶され(ステップ108)、そして拒絶チケットが印刷され(ステップ109)、こうしてテスト手続32の残りは中止される。
【0019】
サブルーチン52において、衣料の製品24は拒絶される(ステップ108)ことはないが、重要でない欠陥(選択肢124)を検査員30が選ぶ場合、衣料の製品24は拒絶されないかわりに、図15に好適に示されるとおり、コンピュータはマップ表示と欠陥のタイプを示すシンボルの選択肢を便利良く提供する(ステップ130)。そして、検査員30は、マウス40を使用し、欠陥のタイプを示すシンボルで、マップ上に欠陥のある位置を指定し、(タッチスクリーン)モニタ34に表示されるコメント又は理由の選択肢から最適なものを選択する(ステップ133)。コンピュータ33はこのマップ表示の欠陥データを記録し、製品26は、次のサブループ116に進められるか、またはサブルーチン52が完了しているならば、次のサブルーチン54に進められる。
【0020】
さらに、サブルーチン52において、検査員30が、縫製やり直し(選択肢126)又はクリーニング要求(選択肢128)を選ぶか、又はその両方を選ぶ場合、衣料の製品24は拒絶される(ステップ108)ことがないかわりに、最終検査の後、やり直し作業がフラグされる(ステップ84)。重要でない欠陥(選択肢124)の場合と同様、図15に好適に示されるとおり、表側のマップ表示、異なる欠陥のタイプを示すシンボルの選択肢、そして理由の選択肢(ステップ133)も、コンピュータは便利良く提供する(ステップ130)。そして、検査員30は、マウス40を使用し、欠陥のタイプを示すシンボルで、マップ上に欠陥のある場所を指定し(ステップ132)、(タッチスクリーン)モニタ34に表示される理由の選択肢から最適なものを選択する。コンピュータ33はこのマップ表示の欠陥データを記録し(ステップ134)、衣料の製品24は、適切にフラグされる(ステップ84)。そして、衣料の製品24は、次のサブループ116に進むか、サブルーチン52が完了しているならば、次のサブルーチン54に進む。
【0021】
図6を参照する。コンピュータは、タイマをスタートさせて(ステップ96)、検査手続32の縁縫合のサブルーチン54を始める。検査員30は、そして、適切な縫合について衣料の製品24を検分し(ステップ136)、タイマの時間経過後(ステップ102)、規格ごとに合格判定を入力する(ステップ138)。縁縫合が規格に適合しなければ(ステップ138;NO)、コンピュータ33は、図15に示すとおり、検査員30に対して、欠陥のある位置と事前にプログラムされた選択肢から最適な拒絶の理由を、記録するようプロンプトする。そして、コンピュータ33は、衣料の製品24を拒絶し(ステップ108)、拒絶チケットを印刷する(ステップ109)。縫合が規格に適合していれば(ステップ138;YES)、衣料の製品24はサブルーチン56に進む。
【0022】
再び図6を参照する。サブルーチン56は概ねサブルーチン52と同じである。ただし、サブルーチン52の主観的な表側の目視要求(ステップ118)が、縫合に対する主観的な目視の要求(ステップ140)に代えられていることを除く。サブルーチン52と同様、サブルーチン56は、サブループ142を含む。このサブループは、縫合の真直度、均一度、清浄度など縫合の項目について特定の検査をするためのものである。各縫合の項目について検査され、衣料の製品24が拒絶される(ステップ108)ことがないとされた後、この衣料の製品は、必要な場合はフラグされ(ステップ84)、そしてサブルーチン58に進められる。
【0023】
図7を参照する。コンピュータ33によりタイマをスタートして、サブルーチン58を始める(ステップ96)。検査員30は、ラベルの素材やバーコードの印字について目視検査をし(ステップ144)、そしてタイマが時間経過となれば(ステップ102)、検査員30はラベル39やバーコード78の印字が規格に適合しているかどうか判定する(ステップ146)。検査員30は、(タッチスクリーン)モニタ34で自分の判定を登録する。もし、規格に適合していないならば、図15に好適に示されているように、コンピュータ33は(タッチスクリーン)モニタ34に、マップと欠陥シンボルの選択肢を表示する(ステップ130)。検査員30は、マウス40を使用して、マップ上に欠陥のある位置を指定し、欠陥を表す事前にプログラムされたマップシンボルの一つを選択する。コンピュータ33は、この(マップ表示された)データとやり直しの理由を記録し(ステップ134)、衣料の製品24はルートフラグされ(ステップ84)、そして製品24は検査手続32のサブルーチン60へと進む。コンピュータ33により規定されそしてサーバ26からアップロードされた規格に、ラベル39が適合すると検査員30が判定するならば(ステップ146;YES)、衣料の製品24はフラグされることなく、サブルーチン60へと進む。
【0024】
図8を参照する。サブルーチン60は、概ねサブルーチン58と同様である。ただし、素材と印字について目視検査がされる(ステップ144)かわりに、ラベルがきれいかどうか、及びしわのない状態にあるかについて目視検査される(ステップ148)ことを除く。検査員30が、ラベルが規格に適合するか判定した後(ステップ150)、衣料の製品24は、サブルーチン62に進む。
【0025】
図9を参照する。検査員30は、ラベルの位置(ステップ152)を測定し、キーボード36で測定結果を入力する。コンピュータ33は、ラベル39がコンピュータ33により提供された事前にプログラムされた許容範囲内にあるかどうかを判定する(ステップ154)。もしラベル39が許容範囲内にないならば(ステップ154;NO)、コンピュータ33は、欠陥のタイプを記録し(ステップ106)、そして衣料の製品24をフラグし(ステップ84)、その製品はサブルーチン64に進められる。間違って配置されたラベルは、やり直しにより修正できる欠陥の類型の例として説明されるものであり、衣料の製品24が拒絶される理由にはならない。もしラベル39が許容範囲内にあれば(ステップ154;YES)、衣料の製品24はコンピュータ33によってフラグされることなく、サブルーチン64に進められる。
【0026】
図10を参照する。サブルーチン64は、組み立てられた衣料の製品24に詰め物が詰められる場合、特に適合する。サブルーチン64は、概ねサブルーチン62と同様である。ただし、ラベル位置の代わりに(ステップ152)、詰め口部の幅と位置が測定される(ステップ156)ことを除く。詰め口部の幅が、サーバ26からアップロードされた事前にプログラムされた許容範囲内であるかどうか、コンピュータは記録する(ステップ158)。詰め口部の幅が許容範囲内にない場合(ステップ158;NO)、コンピュータ33は欠陥のタイプを記録し(ステップ106)、衣料の製品24はコンピュータによりフラグされ(ステップ84)、そして衣料の製品24はコンピュータにより次のサブルーチン66へと進められる。この衣料の製品24の詰め口部の幅が許容範囲内にある場合(ステップ158;YES)、衣料の製品24はフラグされることなく、次のサブルーチン66へと進められる。
【0027】
図11を参照する。モニタ34は、検査員30に、検査テーブル159上の衣料の製品24を裏返しにする(ひっくり返す)ようプロンプトを表示して、検査員30は、裏返しが完了したら、(タッチスクリーン)モニタ34からコンピュータ33に入力する。サブルーチン66は、概ねサブルーチン50と同様である。ただし、衣料品が裏返されることから、検査員30が、衣料の製品24の表側の代わりに、一連の裏側の客観的検査(ステップ162)を行うことを除く。衣料の製品24が拒絶される(ステップ108)ことがないとなれば、コンピュータは、衣料の製品24をサブルーチン68へと進める。図12を参照する。サブルーチン68は、概ねサブルーチン52と同様である。ただし、衣料の製品が裏返されることから、検査員30が、衣料の製品24の表側の代わりに、一連の主観的な裏側の目視検査(ステップ164)を行うことを除く。衣料の製品24が拒絶される(ステップ108)ことがないとなると、衣料の製品24はフラグされて(ステップ84)又はされずに、コンピュータ33により次のサブルーチン70に進められる。
【0028】
図13を参照する。コンピュータ33によりタイマをスタートして、サブルーチン70を始める(ステップ96)。検査員30は衣料または表地の製品24の内側の清浄度について目視検査をし(ステップ166)、タイマが時間経過となると(ステップ102)、検査員は表地の内側がきれいであるか判定する(ステップ168)。きれいでなければ(ステップ168;NO)、コンピュータ33は欠陥のタイプを記録し、衣料の製品24はフラグされ(ステップ84)、そしてその衣料の製品はサブルーチン88に進められる。検査員30が表地の内側がきれいであると判定する場合(ステップ168;YES)、衣料の製品24は、フラグされることなく、サブルーチン88に進む。
【0029】
図14を参照する。サブルーチン88は、衣料の製品24がルートフラグされた(ステップ84)かどうかについてのコンピュータ33による判定からなる(ステップ90)。衣料の製品24についてルートフラグが立たない場合(ステップ90;NO)、衣料の製品24は合格品に進み(ステップ92)、合格チケットが印刷される(ステップ111)。衣料の製品24について、ルートフラグが立つ場合(ステップ90;YES)、衣料の製品は再生のルートに入る(ステップ94)が、それに伴い、マップ、必要な処置、縫製修理および/またはクリーニングを示すレポートが印刷される(ステップ113)。サーバソフトウェアに関するフラグ84は、バイナリ変数であることが好ましい。異なる一連のフラグ84の少なくとも一つが1に相当する場合、衣料の製品24についてルートフラグが立つ。フラグ84の設定は、次回検査時の参考のため、データベースレコードの一部として保存される。次回検査の期間に起動されるサブルーチンの順序は、値をセットして格納されたフラグに依存することになるからである。データベースレコード及び印刷された検査レポートは、発見された欠陥のタイプ、欠陥の位置、要求されるやり直し作業のタイプを示す(ステップ113)。前記例として、モニタ(スクリーン)34は、検査テーブル上にある直近の衣料の製品24の外観と、欠陥の位置を示す。欠陥の位置について表側と裏側のダイアグラムも、検査記録の一部として形成され、レポート印刷に含まれる(ステップ113)。欠陥の位置について特有の識別をするため、表側及び裏側は定義により明確に区別されるべきである。その定義とは、例えば、ラベル39の片側に印刷された特殊なテキストまたはグラフィックがあり、他方の側にはないなどである。衣料の製品は、やり直し作業(ステップ94)を求められる欠陥のタイプを1以上持つかもしれないので、欠陥の各タイプは、ダイアグラムに示されるとおり、欠陥の特徴や修正作業を識別できる独特のシンボルまたは符号が与えられる。
【0030】
追加の、および/又は、代替の手続きステップが、製品24、衣料品あるいは他のもののタイプに応じて、含まれてもよい。前記の構成や機能において同様の、適切なサブルーチンが含まれるならば、第1の例としては製品24に付属するアクセサリーの検査、または第2の例として包装の検査は、検査手続32全体に含まれてもよい。
【0031】
検査手続32におけるソフトウェアサブルーチン48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70のアセンブリは、サブルーチンの順序を都合よく再配列することを認めるような、十分に柔軟性をもつものでなければならない。したがって、生産と検査のために、製品24の新しいタイプが準備されるとき、検査手続32の試行は、すべての必要な製品規格が網羅されることによって、最も効率的な順序を決定するために実施される。そして、検査手続32のサブルーチンの順序は、経験的に決定される最も効率のよい検査手続32に従って、再整理される。
【0032】
ソフトウェアサブルーチン48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70は、織物製品に共通する項目についての共通の検査手続の例である。追加例は、ボタン穴の縫合検査、キルティングの縫合検査や刺繍糸の色検査のサブルーチンを含む。製品24の個別のタイプのために作られるそれぞれの適切なサブルーチンは、異なる製品タイプに後に有用であるが、それゆえにこれらのサブルーチンの包括的なライブラリは、製品の新しいタイプに対する新たな検査手続32が迅速に集成されることを可能にする。
【0033】
検査手続32のすべてではないにしても、いくつかのステップやサブルーチンは、徹底的に検査が行われれば多くの欠陥が見つけられるかもしれない拡張領域について、慎重な検査を要求する。しかし検査が急がされれば、いくつかの欠陥は見逃されるかもしれない。検査システム20は、タイマ49により最小検査時間を割り当てることで、慎重な検査ステップを通して、検査員30に検査を急ぎすぎることを防止しようとする。最小時間が経過するまで、検査システム20は、このステップの結論を示すいかなる入力も受け付けない。また、ステップの順序は検査員30によって変更することはできないので、このステップの判定は、すべての残りのステップをスタートする前に、行われなければならない。タイマ49は、検査手続32における直前のステップの判定を伝える入力により、スタートすることが好ましい(ステップ96)。タイマ49により割り当てられる最小時間は、検査される個別の製品24の大きさまたは複雑さによって、設定される。よって、より大型またはより複雑な製品は、より長い最小時間が要求される。
【0034】
いくつかのステップやサブルーチンは、検査員30に測定をするか、またはテストを行うよう要求する。検査員30の検査システム20に対する測定やテスト結果の入力は、そのステップあるいは作業の検査要求が達成されていることの十分な証拠として処理してもよい。このような場合、最良の実施形態は、作業遂行のために最小時間を課することを省略する。
【0035】
検査のおわりには、後続の生産管理者に知らせるため、レポートが印刷され、製品24に添付される。検査判定が製品24を拒絶するものであれば、すべての拒絶品目が分離のため簡単に識別されることを確実にするため、目立つ拒絶チケットが(製品)ラベル39に添付するものとして印刷される(ステップ109)。製品ルーティング変数またはフラグ84が、前述したとおり、やり直し作業の必要性を示すならば、印刷されたレポート(ステップ113)は要求される修正作業のタイプと欠陥の各タイプの位置を示す。検査員30によって、やり直し作業が求められないならば、レポートは、言及には値するが、やり直しを要求したりまたは拒絶(ステップ108)に値するほどのものではないとする結果について、検査員のコメントを示す。これらのコメントは、どちらとも決めにくい場合の取扱製品について、別の意見を求められるかもしれない第2の検査員30または監査員にとって、有用であろう。
【0036】
好ましくは、検査システム20は、システムの効用を高める追加の項目や特徴的なものを含む。例えば、検査員30が現在着手している作業、手続ステップ、サブルーチンは、モニタ(スクリーン)34上で、前後のすべての作業と対比して判別される。これは、前後のすべての作業が、ハーフトーンあるいは薄墨色で表示されることで判別される。この判別は、検査員30が着手中の作業に注意を集中することに役立つ。また、偶発的な選択による混乱を排除するため、検査員30は、モニタ(タッチスクリーンモニタ)34の取消(undo)ボタンで、現在のサブルーチンにおけるすべての入力をキャンセルしたり、現在のサブルーチンの初期状態に戻ることができる。さらに、検査手続32の進行は、音響信号に伴って行われ得る。例えば選択が確認されるときは必ずビーという音がするなどである。この音響信号は、直近の入力が受け入れられたことを検査員30に示すシステムの肯定応答である。検査ステーション28からの音響信号は、作業場管理者あるいは監督者46に対しても、検査が進行していることを知らせる。
【0037】
関連スクリーンディスプレイをスクロールアップしマウス40を使って、関心のあるこれまでの作業を示すことにより、すでに終わった検査作業に対する検査員の入力が見直されてもよい。検査員30に要望されるときは、前に選択された応答も、前に入力された関連コメントと同様、表示テキストのマウスオーバーの方法でのみディスプレイされてもよい。こうして、各々の前に選択された応答またはコメントは、作業ディスプレイチャートにおける個別の領域と関連づけられる。ポインティング装置であるマウス40により制御されるポインタでこの領域内に位置づけることにより、要求されたテキストが表示される。
【0038】
各検査ステーション28が自立、独立した存在として機能することができるかぎり、発明を実施するための最良の形態は、中央のサーバ26に対してハブ162を経由して結合される検査ステーションのスター型ネットワークを構成する。中央のサーバ26は、データの記憶と保護を提供する。また、以前の検査にどの検査ステーションが使用されたかにかかわらず、第2,第3,それ以上の検査のため、製品24がどの検査ステーション28で行われるかについても、サーバ26は検査に柔軟性をもたらす。
【0039】
本発明は、個別製品の品質データの収集や、個別製品が一構成要素となっている製品群の品質データの収集と分析により製造される各製品24の品質を、改善する。収集データの統計的分析は、例えば、どの製品特性が高い欠陥率を出す傾向にあるか、また、どのミシンオペレータが平均以上の欠陥率を出しているかを示し、さらに別の例として、この統計的分析は、製品監査のために引き続き行われる再検査により最もしっかり確証されるレポートを作成する検査員30を識別する。
【0040】
品質監査機能は、製品検査システム20と同様の装置を必要とし、監査のために選択された作業の数が、通常、監査に利用可能なすべての作業の100%以下であること以外は、検査手続32に従う。監査はあたかもその監査が最初の検査であるかのように、検査手続32全体に従う。監査レポートは、サーバファイルごとに保全され識別されるので、この監査レポートが同一項目についての前回検査レポートとは重複しない。監査ステーションのコンピュータ33は、すべての他の検査ステーションのコンピュータ33と同一のサーバ26とネットワークに、結合される。
【0041】
監査機能は、通常、梱包エリアの周辺に配置される。梱包エリアは、工場の生産物が積み出しの用意ができているところである。好ましくは、監査ステーション28は、特有のバーコード78により、どの製品24がどのカートンに梱包されるか記録する第2の役割を果たす。カートンも、そのカートンに添付されたバーコードラベルにより識別される。梱包に先立って、特有の製品バーコード78がスキャンされると、前回の検査手続32によりサーバ26に蓄積されたデータが、その品目が検査され合格品であることがまちがいないか検索する。未検査品または非合格品が梱包されるような場合、例えば、監督者46がパスワードを入力し、問題の製品を除去するまで、監査ステーションのコンピュータ33は使用できなくなるような警告モードが誘引される。監査ステーション28の好ましい二重の役割は、品質管理と積み出しに結びついていることである。データサーバ26は、カートンボックスの確認済み個数により、詳細な梱包リストを自動的に作成することができる。
【0042】
検査システム20は、検査された各製品24を独自に識別する方法と、検査記録の対象に割り振られた特有のバーコード78により検査記録を作成し記憶する方法を有する。このことは、二つの手続の一方または両方により調べられる検査の徹底を可能にする。第1の手続としては、工場の品質保証計画の結果として、重複の又は多重の検査が起こりうる。例えば、生産ラインの最終段階での実質上100%最終検査と、これに加えて積み出される前にランダムに選択された製品の監査のための手はずである。これらの多重検査は、前回検査の結果生じたレポートが対象製品24そのものと比較されることを可能にする。いかなる相違点も前回検査の欠陥を示し、特に関与検査員30に関して低い遂行能力を示す。
【0043】
第2の手続としては、管理者46または顧客は、既知の欠陥品を故意に生産ラインに撒いておき、当該欠陥製品が、積み荷されて運送されるエリアに到達する前に、各製品24特有のバーコード78によって欠陥製品は探し出され除去されることを確かめることができる。撒かれた欠陥品は、検査手続32実施の徹底の試金石となる。この検査手続32の中で発見できないことは、低い検査遂行能力を明らかに示す。
【0044】
ここに本発明を実施するための最良の形態を公表するが、他の実施形態も可能である。ここでは、すべての同等の実施可能形態、または発明の派生を言及したものではない。この中で使用される用語は、制限的ではなく、単に記述的なものであるが、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更があり得る。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態にかかる製品検査システムの構成を示す斜視図である。
【図2】検査を受ける製品のラベルの構成を示す斜視図である。
【図3】製品の一連の寸法検査を表すフローチャートの第1部分である。
【図4】一連の客観的な表側テストを表すフローチャートの第2部分である。
【図5】一連の主観的な表側の目視検査を表すフローチャートの第3部分である。
【図6】一連の縫合検査を表すフローチャートの第4部分である。
【図7】ラベル素材や印字検査を表すフローチャートの第5部分である。
【図8】ラベルの清浄度やしわの検査を表すフローチャートの第6部分である。
【図9】計測されるラベルの位置検査を表すフローチャートの第7部分である。
【図10】詰め口位置と幅計測の検査を表すフローチャートの第8部分である。
【図11】一連の客観的な裏側テストを表すフローチャートの第9部分である。
【図12】一連の主観的な裏側の目視検査を表すフローチャートの第10部分である。
【図13】内部の清浄度検査を表すフローチャートの第11部分である。
【図14】フラグされた場合の製品経路を表すフローチャートの第12部分である。
【図15】ソフトウェアにより制御されたサブルーチンの詳細とオペレータにインプットを要求するフローチャートの第13部分である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に製品の検査システムに関する。より詳しくは、繊維製品のコンピュータ化した検査システムおよびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の織物や縫い物および/又は編み物など、製品の製造において、製品が構成された後は、その製品は人間の肉眼で欠陥や異常があるかどうか検査される。検査は、典型的には適正に照明された領域を製品が通過することで行われる。この領域は、検査員が一つあるいは一連の不適合を見つけるために、製品を監視できる場所である。衣料のような製品の検査手続は、典型的に生地の色、織り地、染色あるいはプリント、パターンの方向、生地の光沢、縫合、ラベルの状況と位置、汚れの有無、生地の大きさなどについてなされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
不幸にもアセンブリラインが止まることは、非効率であり、製造の観点からコストが高くつく。検査員は絶対確実ではなく、未必的に、それぞれの製品についてなされるべき一連の観察について必要な検査ステップを見落とすかもしれない。さらに、検査プロセスは、単調で退屈なため、検査員に検査を急がせることにもなりかねない。その結果、許容できない欠陥を見落としかねない。したがって、検査の徹底の度合は、検査員の間で異なり、それは製品の品質に変動をきたすこととなる。
【0004】
検査システムおよびこれを利用する方法は、製品要求条件と製造された製品とが一致するかどうかを、特に人間の感覚や測定機器の手動処理による方法で検査チェックがなされるときに、検査する検査員を支援する。この検査システムは、特に熟練工が、生産工程において重要なパートであるところ(それゆえ変動があるのだが)においては、特に有用である。たとえば、衣料品、家庭用織物、靴、衣料装飾品、装身具類、手書き陶器類や類似の生産物などである。これらは、製品の品質を制御し確認するために、作られた品物のほとんどは検査の必要性があるところに特徴がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の検査システムは、好ましくは、少なくとも一つのステーションとコンピュータサーバからなるネットワークが、少なくとも検査員の行動に統制と規律を課すために、検査員と連携して利用される。このような統制は、事前に選択された繊維製品のタイプをチェックするための標準化された一貫性を遵守させたり、検査員が検査結果を記録することができる可能な応答の制限と、ある製品要求条件適合の検査について無駄な時間を最小にさせることを含む。検査員は少なくとも一つの遠隔操作検査ステーションでコンピュータサーバと相互に連携する。この遠隔操作検査ステーションには、コンピュータモニタ、キーボード、ポインタ、好ましくは製品のラベルを読み取り可能なバーコードスキャナを有する。
【0006】
好ましくは、検査されるべきそれぞれの製品につけられたラベルは、製品のタイプを示す識別子と検査される個々の製品特有の識別子を有する。これらの識別子は検査員により操作されてコンピュータに読み込まれる。サーバは、製品のタイプに対応して検査員が従うべき特有の検査手続を機械的にステーションにアップロードする。検査を必要とする製品の各項目は、適切な検査手続により網羅される。検査結果又はコメントとして、予め設定されたさまざまな選択肢を表示して、検査員にプロンプトで指示を求める。好ましくは、コンピュータは、検査のために選択された製品の特徴の観察について最小時間間隔がセットされた内部タイマを有する。検査員の計測や選択されたコメントに応じて、製品は次の処理サブルーチンに進んだり、やり直し作業のためにフラグされたり、あるいは検査の残りを中止して不合格品となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の目的、特徴および利点は、検査員の行動に統制と規律を課すためのコンピュータ化したシステムを含み、結果として、複数の検査員間の首尾一貫した検査結果を与える。その上、システムと方法は、生産品質と生産効率を向上し、簡単なリファレンスにより製品品質記録の整理を改善する。また、システムは強靱で、ポータブルであり、最小の人員で管理および維持できるので比較的安価である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図面を参照して詳細に説明する。図1は、製品の検査システム20を示す。この検査システム20は好ましくはポータブルであり、組み立てられたまたは製造された製品24の数多くの項目が要求条件に適合するかどうかの検査作業について、検査員30を支援する。特に人間の感覚あるいは測定機器の手動処理方法により検査がなされるところで、検査作業を支援する。コンピュータサーバあるいはサーバステーション26は、少なくとも一つの検査(または監査)ステーション28とインターフェースしており、各観察結果が記録される間、検査手続32を通して検査員30の行動を共同で統制する。
【0009】
検査システム20は、検査員の行動に統制と規律を図ることにより、通常の検査手続の精度を著しく改善する。これらの統制は次のことを含む。第1に、組み立てられたまたは製造された製品24の個別の要求条件検査のため、規格化された順序を遵守させること、第2に、検査員30が観察結果を記録する際、可能な応答を限定すること、第3に、製品24の項目が要求条件に適合するかどうかの検査に対して、無駄な時間を最小にすることである。検査プロセスにより厳格な統制を導入することで、検査員の注意から逃れた欠陥製品の可能性を著しく減少させる。
【0010】
検査ステーション28は、サーバ26と組み合わされるとき、スター型構成を形成するPOS(Point-Of-Sale)型システムである。サーバ26は、一般的に検査ステーション28よりもレベルの高い構成を有し、検査のためのテスト手続またはソフトウェア、及び検査データを記憶する。各検査ステーション28は、好ましくはサーバ26からアップロードされた検査手続32を実行するためにネットワークされたコンピュータ33、コンピュータモニタ34、英数字データを入力するためのキーボード36、製品に添付されたラベル39(図2で好適表示)から製品24を認識するバーコードスキャナ38、マウスのようなポインティング装置40、マイクロフォン装置42で好ましくは口頭のコメントを記録するためのレシーバ44を有するタイプのもの、を有する。モニタ34は、サーバ26と検査員30の間の相互作用をより容易にするタッチスクリーンタイプのものが好ましい。スキャナ38は、頑丈なCCD(charge-couple device(電荷結合素子))でRS232タイプのものが好ましい。検査システム20は、無停電のパワーサプライ45や、検査員30の規律遵守用として、コンピュータ33に内蔵された時計あるいは組み込まれたソフトウェアのタイマ49を装備する。サーバ26はまた、テープまたはディスクのバックアップシステム47を装備する。サーバ26を経由する通信ケーブル35が比較的単純にデザインできるので、各検査ステーション28は専用のコンピュータ33を有することが好ましい。しかしながら、通信リンクを追加することによって、コンピュータ33を省略して、サーバ26がプログラム実行機能を果たすよう変更してもよい。検査ステーション28がコンピュータ33を有していれば、検査ステーション28のコンピュータ33により、サーバがプログラムした実行機能が実行される。
【0011】
システムを起動するとき、各モニタ34(検査スクリーン)は、工場名、検査ステーション28の認識番号、日時を表示することが好ましい。各検査員30は、検査ステーション28に名前とパスワードを入力してログインした後、好ましくは検査員レベルの権限に応じて一定の使用権利を認められる。これらの権利は、管理者46によりコンピュータ33に割り当てられ、ロードされることが好ましい。
【0012】
図3〜15を参照する。検査手続32は、検査される製品24の各タイプに対し定義され、効率的で定められた順序においてあらゆる個々の製品項目を検査することを含む。例として、製品24は、衣料業界で製造される衣料品や織物である。製品(あるいは衣料品)24が検査のために到着すると、その製品タイプはスキャナ38経由で検査システム20に入力され、管理者46により事前に格納された適切な検査手続32がモニタ34に表示される。検査手続32は、好ましくは一連の連続したステップあるいはサブルーチンを有し、各ステップは衣料品の項目又は検査要求のひとつを指示する。例えば、図3は一の組み立てられた衣料製品に対して一連の寸法検査あるいはサブルーチン48を、図4は一連の客観的な表側テストのサブルーチン50を表し、図5は一連の主観的な表側の目視のサブルーチン52を、図6は一連の縁縫合検査のサブルーチン54と主観的な表側の縫製のサブルーチン56を、図7はラベルの素材や印字検査のサブルーチン58を、図8はラベルの清浄度やしわの検査のサブルーチン60を、図9は計測されるラベルの位置検査のサブルーチン62を、図10は詰め口位置の検査のサブルーチン64を、図11は一連の客観的な裏側テストのサブルーチン66を、図12は一連の主観的な裏側の目視のサブルーチン68を、図13は表地内部の清浄度のサブルーチン70を表す。
【0013】
図3を参照して詳しく説明する。検査員30がログインすることで検査システム20を初期化する(ステップ72)と、織物の検査手続32は開始する。検査員30が、管理者46により事前にプログラムされた必要な許可を得たと仮定すると、検査員は、(衣料)製品24のラベル39を配置し(ステップ74)、スキャナ38で、読み取られるべきラベル39のバーコード78を、読み取るか又は手入力する(ステップ76)。好ましくは、第1のラベル識別子あるいはバーコードは、購入注文番号、製品型番号、製造された衣料品のタイプやそのサイズを識別するために使用される製品種類コードを含む。第2のバーコードは衣料の製品24を製作したミシンオペレータを識別する。読み取られる他のバーコード番号は、検査される個々の衣料品特有の連続番号を与える。
【0014】
製品24が識別されると、次にコンピュータ33は、個々の製品の種類ごとに必要な検査手続(あるいは質問票)32を選択し(ステップ80)、もし、同じシリアル番号の直近の検査レポートがあれば、これを表示する(ステップ82)。その同じシリアル番号について前に検査がされていない場合は、すべてのルーティングフラグ84を0にセットする。もし衣料の製品24が前に検査されていたならば、コンピュータ33は、自動的に衣料の製品24を再検査するため、検査手続32の個々のサブルーチンに進めるが、前に検査され合格となったサブルーチンあるいはステップを省略する。前回の検査レポートから記録され、サーバ26からアップロードされた一連のルーティングフラグ84を読み取ることで、コンピュータ33は検査をどこに進めるかわかっている。前回の検査において修正可能な欠陥が発見された結果として、ある製品は、前回検査レポートを持つことになるが、前回指摘の修正可能な欠陥が実際に修正されたことを確認することが、後の検査の目的である。ルーティングフラグ84の目的は、後の検査中において検査手続32の実施フローを統制することである。例えば、個々の修正可能な欠陥は再び適切な順序で検査される一方、物理的な計測などのように異なる結果を生じることが考えにくいステップは繰り返されない。
【0015】
衣料の製品24が前に検査されたことがない場合、コンピュータ33は衣料の製品24を検査手続32のサブルーチン48に進める(ステップ86;NO)。そして、サブルーチン48は、幅などの衣料品計測を検査員30に対して入力するように求める(ステップ98)。コンピュータは、入力された寸法を、検査手続32の一部として事前にロードされた規格と比較する(ステップ100)。コンピュータは計測幅が事前に規定された許容範囲外であるか判定し(ステップ104)、もし計測幅が事前に規定された許容範囲外であるなら、検査員30に拒絶を知らせる。計測値が事前に規定された許容範囲外である場合は、その衣料品の機械的な拒絶の理由となり(ステップ108)、コンピュータ33は機械的に拒絶の理由を記録し、好ましくは拒絶チケットが印刷される(ステップ109)。検査員30は、追加のコメントを記録してもよい。図15で好適に示されているように、追加のコメントは、好ましくは(タッチスクリーン)モニタ34に表れる事前にプログラムされた選択肢からの選択でもよいし、キーボード36あるいはマイクロフォン42を用いて、検査員30が入力するためのカスタム入力領域を含んでもよい(ステップ133)。もし、衣料品の幅が、事前に規定された許容範囲内であれば、コンピュータは、他の寸法、例えば長さを計測し入力するよう検査員30に指示するために、サブループ110を続ける。こうして同じサブルーチン48は何度も繰り返される。すべての寸法を入力し、そのすべてが事前に規定された許容範囲内であるときは、衣料の製品24は、コンピュータ33によって、検査手続32のサブルーチン50に進められる。
【0016】
図4を参照する。客観的な表側テスト検査のサブルーチン50は、符号112で示されるサブループを有する。このサブループは、色彩の精度、パターン方向、光沢などに対して、個々の客観的な製品表側検査(ステップ114)を含む。これは、検査員が検査を急ぐことで検査の正確さが損なわれるステップの一つであるので、各検査ごと(ステップ114)に標準的で十分な時間が費やされることを確実にするため、各サブループ112について、コンピュータは内蔵のタイマ49をスタートする(ステップ96)。当該ステップ114のために事前にプログラムされた最小検査時間が経過するまで、モニタ34、ポインティングデバイスであるマウス40、キーボード36、(バーコード)スキャナ38あるいはマイクロフォン42による入力を受入れることを、コンピュータが拒絶することによって、次のサブループまたは検査ステップへの進行は妨げられる。各サブループ112の作業の間、検査員30は、衣料の製品24の表側を検分し、入力する(ステップ115)。例えば、計器読取りからの比色データ、パターン方向、あるいは光沢レベルの目視観察などである。このような検査は、好ましくはモニタ(スクリーン)34に便利良く表示される、事前にプログラムされた選択肢から選択され入力される。サブループ112のための内蔵のタイマ49が時間経過した後(ステップ102)、コンピュータ33はサブループ112に対する検査員の入力を受け付け、機械的に客観的表側テストデータが事前にプログラムされた規格内であるかどうか判定する。検査中の衣料の製品24が拒絶に値するとき(ステップ108)、拒絶であることの情報に併せて拒絶の理由が、衣料の製品24の検査記録に機械的に入力される。図15に好適に示されているとおり、検査員30は拒絶を知らされ、好ましくは事前にプログラムされた選択肢から拒絶の理由を選択することで(ステップ133)、コメントまたは理由を記録する(ステップ134)。この個々の拒絶された衣料の製品24についての検査手続32は中止され、拒絶チケットが印刷される(ステップ109)。各サブループ112で入力されたデータのすべてが規格内であれば、衣料の製品24は検査手続32のサブルーチン52に進む。
【0017】
図5を参照する。主観的な表側の目視検査サブルーチン52は、符号116で示されるサブループを含む。このサブループは、個々の主観的な製品の表側検査(ステップ118)を含むが、例えば、一つの組み立てられた衣料品において、染色欠陥、織り欠陥、汚れ跡などの検査が含まれる。サブルーチン50と同様、各主観的な表側検査ごと(ステップ118)に標準的で十分な時間が費やされることを確実にするため、各サブループ116について、コンピュータは内蔵のタイマ49をスタートする(ステップ96)。検査員30は、衣料の製品24の表側を検分し(ステップ118)、タイマが時間経過となった後(ステップ102)、検査員30は、衣料の製品24の個々の検査項目について合否の判定をコンピュータ33に入力する(ステップ120)。項目が合格の場合は、サブループ116は次の主観的な項目について繰り返し、項目が合格しない場合に、検査員30は、不合格(選択肢122)、重要でない欠陥(選択肢124)、縫製やり直し要求(選択肢126)、および/又はクリーニング要求(選択肢128)から選択するよう、プロンプトされる。
【0018】
サブルーチン52において、検査員30が不合格(選択肢122)を選ぶ場合、図15に好適に示されるとおり、コンピュータは表側のマップ表示及び欠陥のタイプを示すシンボルの選択を便利良く提供する(ステップ130)。そして、検査員30は、マップ上の欠陥の位置を示すために、マウス40を使い、マップ上にシンボルを選択してマップ上の欠陥の位置に印を付け(ステップ132)、そして(タッチスクリーン)モニタ34に表れる選択肢から理由を選択する(ステップ133)。コンピュータ33は、この拒絶理由データを記録し(ステップ134)、衣料の製品24は拒絶され(ステップ108)、そして拒絶チケットが印刷され(ステップ109)、こうしてテスト手続32の残りは中止される。
【0019】
サブルーチン52において、衣料の製品24は拒絶される(ステップ108)ことはないが、重要でない欠陥(選択肢124)を検査員30が選ぶ場合、衣料の製品24は拒絶されないかわりに、図15に好適に示されるとおり、コンピュータはマップ表示と欠陥のタイプを示すシンボルの選択肢を便利良く提供する(ステップ130)。そして、検査員30は、マウス40を使用し、欠陥のタイプを示すシンボルで、マップ上に欠陥のある位置を指定し、(タッチスクリーン)モニタ34に表示されるコメント又は理由の選択肢から最適なものを選択する(ステップ133)。コンピュータ33はこのマップ表示の欠陥データを記録し、製品26は、次のサブループ116に進められるか、またはサブルーチン52が完了しているならば、次のサブルーチン54に進められる。
【0020】
さらに、サブルーチン52において、検査員30が、縫製やり直し(選択肢126)又はクリーニング要求(選択肢128)を選ぶか、又はその両方を選ぶ場合、衣料の製品24は拒絶される(ステップ108)ことがないかわりに、最終検査の後、やり直し作業がフラグされる(ステップ84)。重要でない欠陥(選択肢124)の場合と同様、図15に好適に示されるとおり、表側のマップ表示、異なる欠陥のタイプを示すシンボルの選択肢、そして理由の選択肢(ステップ133)も、コンピュータは便利良く提供する(ステップ130)。そして、検査員30は、マウス40を使用し、欠陥のタイプを示すシンボルで、マップ上に欠陥のある場所を指定し(ステップ132)、(タッチスクリーン)モニタ34に表示される理由の選択肢から最適なものを選択する。コンピュータ33はこのマップ表示の欠陥データを記録し(ステップ134)、衣料の製品24は、適切にフラグされる(ステップ84)。そして、衣料の製品24は、次のサブループ116に進むか、サブルーチン52が完了しているならば、次のサブルーチン54に進む。
【0021】
図6を参照する。コンピュータは、タイマをスタートさせて(ステップ96)、検査手続32の縁縫合のサブルーチン54を始める。検査員30は、そして、適切な縫合について衣料の製品24を検分し(ステップ136)、タイマの時間経過後(ステップ102)、規格ごとに合格判定を入力する(ステップ138)。縁縫合が規格に適合しなければ(ステップ138;NO)、コンピュータ33は、図15に示すとおり、検査員30に対して、欠陥のある位置と事前にプログラムされた選択肢から最適な拒絶の理由を、記録するようプロンプトする。そして、コンピュータ33は、衣料の製品24を拒絶し(ステップ108)、拒絶チケットを印刷する(ステップ109)。縫合が規格に適合していれば(ステップ138;YES)、衣料の製品24はサブルーチン56に進む。
【0022】
再び図6を参照する。サブルーチン56は概ねサブルーチン52と同じである。ただし、サブルーチン52の主観的な表側の目視要求(ステップ118)が、縫合に対する主観的な目視の要求(ステップ140)に代えられていることを除く。サブルーチン52と同様、サブルーチン56は、サブループ142を含む。このサブループは、縫合の真直度、均一度、清浄度など縫合の項目について特定の検査をするためのものである。各縫合の項目について検査され、衣料の製品24が拒絶される(ステップ108)ことがないとされた後、この衣料の製品は、必要な場合はフラグされ(ステップ84)、そしてサブルーチン58に進められる。
【0023】
図7を参照する。コンピュータ33によりタイマをスタートして、サブルーチン58を始める(ステップ96)。検査員30は、ラベルの素材やバーコードの印字について目視検査をし(ステップ144)、そしてタイマが時間経過となれば(ステップ102)、検査員30はラベル39やバーコード78の印字が規格に適合しているかどうか判定する(ステップ146)。検査員30は、(タッチスクリーン)モニタ34で自分の判定を登録する。もし、規格に適合していないならば、図15に好適に示されているように、コンピュータ33は(タッチスクリーン)モニタ34に、マップと欠陥シンボルの選択肢を表示する(ステップ130)。検査員30は、マウス40を使用して、マップ上に欠陥のある位置を指定し、欠陥を表す事前にプログラムされたマップシンボルの一つを選択する。コンピュータ33は、この(マップ表示された)データとやり直しの理由を記録し(ステップ134)、衣料の製品24はルートフラグされ(ステップ84)、そして製品24は検査手続32のサブルーチン60へと進む。コンピュータ33により規定されそしてサーバ26からアップロードされた規格に、ラベル39が適合すると検査員30が判定するならば(ステップ146;YES)、衣料の製品24はフラグされることなく、サブルーチン60へと進む。
【0024】
図8を参照する。サブルーチン60は、概ねサブルーチン58と同様である。ただし、素材と印字について目視検査がされる(ステップ144)かわりに、ラベルがきれいかどうか、及びしわのない状態にあるかについて目視検査される(ステップ148)ことを除く。検査員30が、ラベルが規格に適合するか判定した後(ステップ150)、衣料の製品24は、サブルーチン62に進む。
【0025】
図9を参照する。検査員30は、ラベルの位置(ステップ152)を測定し、キーボード36で測定結果を入力する。コンピュータ33は、ラベル39がコンピュータ33により提供された事前にプログラムされた許容範囲内にあるかどうかを判定する(ステップ154)。もしラベル39が許容範囲内にないならば(ステップ154;NO)、コンピュータ33は、欠陥のタイプを記録し(ステップ106)、そして衣料の製品24をフラグし(ステップ84)、その製品はサブルーチン64に進められる。間違って配置されたラベルは、やり直しにより修正できる欠陥の類型の例として説明されるものであり、衣料の製品24が拒絶される理由にはならない。もしラベル39が許容範囲内にあれば(ステップ154;YES)、衣料の製品24はコンピュータ33によってフラグされることなく、サブルーチン64に進められる。
【0026】
図10を参照する。サブルーチン64は、組み立てられた衣料の製品24に詰め物が詰められる場合、特に適合する。サブルーチン64は、概ねサブルーチン62と同様である。ただし、ラベル位置の代わりに(ステップ152)、詰め口部の幅と位置が測定される(ステップ156)ことを除く。詰め口部の幅が、サーバ26からアップロードされた事前にプログラムされた許容範囲内であるかどうか、コンピュータは記録する(ステップ158)。詰め口部の幅が許容範囲内にない場合(ステップ158;NO)、コンピュータ33は欠陥のタイプを記録し(ステップ106)、衣料の製品24はコンピュータによりフラグされ(ステップ84)、そして衣料の製品24はコンピュータにより次のサブルーチン66へと進められる。この衣料の製品24の詰め口部の幅が許容範囲内にある場合(ステップ158;YES)、衣料の製品24はフラグされることなく、次のサブルーチン66へと進められる。
【0027】
図11を参照する。モニタ34は、検査員30に、検査テーブル159上の衣料の製品24を裏返しにする(ひっくり返す)ようプロンプトを表示して、検査員30は、裏返しが完了したら、(タッチスクリーン)モニタ34からコンピュータ33に入力する。サブルーチン66は、概ねサブルーチン50と同様である。ただし、衣料品が裏返されることから、検査員30が、衣料の製品24の表側の代わりに、一連の裏側の客観的検査(ステップ162)を行うことを除く。衣料の製品24が拒絶される(ステップ108)ことがないとなれば、コンピュータは、衣料の製品24をサブルーチン68へと進める。図12を参照する。サブルーチン68は、概ねサブルーチン52と同様である。ただし、衣料の製品が裏返されることから、検査員30が、衣料の製品24の表側の代わりに、一連の主観的な裏側の目視検査(ステップ164)を行うことを除く。衣料の製品24が拒絶される(ステップ108)ことがないとなると、衣料の製品24はフラグされて(ステップ84)又はされずに、コンピュータ33により次のサブルーチン70に進められる。
【0028】
図13を参照する。コンピュータ33によりタイマをスタートして、サブルーチン70を始める(ステップ96)。検査員30は衣料または表地の製品24の内側の清浄度について目視検査をし(ステップ166)、タイマが時間経過となると(ステップ102)、検査員は表地の内側がきれいであるか判定する(ステップ168)。きれいでなければ(ステップ168;NO)、コンピュータ33は欠陥のタイプを記録し、衣料の製品24はフラグされ(ステップ84)、そしてその衣料の製品はサブルーチン88に進められる。検査員30が表地の内側がきれいであると判定する場合(ステップ168;YES)、衣料の製品24は、フラグされることなく、サブルーチン88に進む。
【0029】
図14を参照する。サブルーチン88は、衣料の製品24がルートフラグされた(ステップ84)かどうかについてのコンピュータ33による判定からなる(ステップ90)。衣料の製品24についてルートフラグが立たない場合(ステップ90;NO)、衣料の製品24は合格品に進み(ステップ92)、合格チケットが印刷される(ステップ111)。衣料の製品24について、ルートフラグが立つ場合(ステップ90;YES)、衣料の製品は再生のルートに入る(ステップ94)が、それに伴い、マップ、必要な処置、縫製修理および/またはクリーニングを示すレポートが印刷される(ステップ113)。サーバソフトウェアに関するフラグ84は、バイナリ変数であることが好ましい。異なる一連のフラグ84の少なくとも一つが1に相当する場合、衣料の製品24についてルートフラグが立つ。フラグ84の設定は、次回検査時の参考のため、データベースレコードの一部として保存される。次回検査の期間に起動されるサブルーチンの順序は、値をセットして格納されたフラグに依存することになるからである。データベースレコード及び印刷された検査レポートは、発見された欠陥のタイプ、欠陥の位置、要求されるやり直し作業のタイプを示す(ステップ113)。前記例として、モニタ(スクリーン)34は、検査テーブル上にある直近の衣料の製品24の外観と、欠陥の位置を示す。欠陥の位置について表側と裏側のダイアグラムも、検査記録の一部として形成され、レポート印刷に含まれる(ステップ113)。欠陥の位置について特有の識別をするため、表側及び裏側は定義により明確に区別されるべきである。その定義とは、例えば、ラベル39の片側に印刷された特殊なテキストまたはグラフィックがあり、他方の側にはないなどである。衣料の製品は、やり直し作業(ステップ94)を求められる欠陥のタイプを1以上持つかもしれないので、欠陥の各タイプは、ダイアグラムに示されるとおり、欠陥の特徴や修正作業を識別できる独特のシンボルまたは符号が与えられる。
【0030】
追加の、および/又は、代替の手続きステップが、製品24、衣料品あるいは他のもののタイプに応じて、含まれてもよい。前記の構成や機能において同様の、適切なサブルーチンが含まれるならば、第1の例としては製品24に付属するアクセサリーの検査、または第2の例として包装の検査は、検査手続32全体に含まれてもよい。
【0031】
検査手続32におけるソフトウェアサブルーチン48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70のアセンブリは、サブルーチンの順序を都合よく再配列することを認めるような、十分に柔軟性をもつものでなければならない。したがって、生産と検査のために、製品24の新しいタイプが準備されるとき、検査手続32の試行は、すべての必要な製品規格が網羅されることによって、最も効率的な順序を決定するために実施される。そして、検査手続32のサブルーチンの順序は、経験的に決定される最も効率のよい検査手続32に従って、再整理される。
【0032】
ソフトウェアサブルーチン48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70は、織物製品に共通する項目についての共通の検査手続の例である。追加例は、ボタン穴の縫合検査、キルティングの縫合検査や刺繍糸の色検査のサブルーチンを含む。製品24の個別のタイプのために作られるそれぞれの適切なサブルーチンは、異なる製品タイプに後に有用であるが、それゆえにこれらのサブルーチンの包括的なライブラリは、製品の新しいタイプに対する新たな検査手続32が迅速に集成されることを可能にする。
【0033】
検査手続32のすべてではないにしても、いくつかのステップやサブルーチンは、徹底的に検査が行われれば多くの欠陥が見つけられるかもしれない拡張領域について、慎重な検査を要求する。しかし検査が急がされれば、いくつかの欠陥は見逃されるかもしれない。検査システム20は、タイマ49により最小検査時間を割り当てることで、慎重な検査ステップを通して、検査員30に検査を急ぎすぎることを防止しようとする。最小時間が経過するまで、検査システム20は、このステップの結論を示すいかなる入力も受け付けない。また、ステップの順序は検査員30によって変更することはできないので、このステップの判定は、すべての残りのステップをスタートする前に、行われなければならない。タイマ49は、検査手続32における直前のステップの判定を伝える入力により、スタートすることが好ましい(ステップ96)。タイマ49により割り当てられる最小時間は、検査される個別の製品24の大きさまたは複雑さによって、設定される。よって、より大型またはより複雑な製品は、より長い最小時間が要求される。
【0034】
いくつかのステップやサブルーチンは、検査員30に測定をするか、またはテストを行うよう要求する。検査員30の検査システム20に対する測定やテスト結果の入力は、そのステップあるいは作業の検査要求が達成されていることの十分な証拠として処理してもよい。このような場合、最良の実施形態は、作業遂行のために最小時間を課することを省略する。
【0035】
検査のおわりには、後続の生産管理者に知らせるため、レポートが印刷され、製品24に添付される。検査判定が製品24を拒絶するものであれば、すべての拒絶品目が分離のため簡単に識別されることを確実にするため、目立つ拒絶チケットが(製品)ラベル39に添付するものとして印刷される(ステップ109)。製品ルーティング変数またはフラグ84が、前述したとおり、やり直し作業の必要性を示すならば、印刷されたレポート(ステップ113)は要求される修正作業のタイプと欠陥の各タイプの位置を示す。検査員30によって、やり直し作業が求められないならば、レポートは、言及には値するが、やり直しを要求したりまたは拒絶(ステップ108)に値するほどのものではないとする結果について、検査員のコメントを示す。これらのコメントは、どちらとも決めにくい場合の取扱製品について、別の意見を求められるかもしれない第2の検査員30または監査員にとって、有用であろう。
【0036】
好ましくは、検査システム20は、システムの効用を高める追加の項目や特徴的なものを含む。例えば、検査員30が現在着手している作業、手続ステップ、サブルーチンは、モニタ(スクリーン)34上で、前後のすべての作業と対比して判別される。これは、前後のすべての作業が、ハーフトーンあるいは薄墨色で表示されることで判別される。この判別は、検査員30が着手中の作業に注意を集中することに役立つ。また、偶発的な選択による混乱を排除するため、検査員30は、モニタ(タッチスクリーンモニタ)34の取消(undo)ボタンで、現在のサブルーチンにおけるすべての入力をキャンセルしたり、現在のサブルーチンの初期状態に戻ることができる。さらに、検査手続32の進行は、音響信号に伴って行われ得る。例えば選択が確認されるときは必ずビーという音がするなどである。この音響信号は、直近の入力が受け入れられたことを検査員30に示すシステムの肯定応答である。検査ステーション28からの音響信号は、作業場管理者あるいは監督者46に対しても、検査が進行していることを知らせる。
【0037】
関連スクリーンディスプレイをスクロールアップしマウス40を使って、関心のあるこれまでの作業を示すことにより、すでに終わった検査作業に対する検査員の入力が見直されてもよい。検査員30に要望されるときは、前に選択された応答も、前に入力された関連コメントと同様、表示テキストのマウスオーバーの方法でのみディスプレイされてもよい。こうして、各々の前に選択された応答またはコメントは、作業ディスプレイチャートにおける個別の領域と関連づけられる。ポインティング装置であるマウス40により制御されるポインタでこの領域内に位置づけることにより、要求されたテキストが表示される。
【0038】
各検査ステーション28が自立、独立した存在として機能することができるかぎり、発明を実施するための最良の形態は、中央のサーバ26に対してハブ162を経由して結合される検査ステーションのスター型ネットワークを構成する。中央のサーバ26は、データの記憶と保護を提供する。また、以前の検査にどの検査ステーションが使用されたかにかかわらず、第2,第3,それ以上の検査のため、製品24がどの検査ステーション28で行われるかについても、サーバ26は検査に柔軟性をもたらす。
【0039】
本発明は、個別製品の品質データの収集や、個別製品が一構成要素となっている製品群の品質データの収集と分析により製造される各製品24の品質を、改善する。収集データの統計的分析は、例えば、どの製品特性が高い欠陥率を出す傾向にあるか、また、どのミシンオペレータが平均以上の欠陥率を出しているかを示し、さらに別の例として、この統計的分析は、製品監査のために引き続き行われる再検査により最もしっかり確証されるレポートを作成する検査員30を識別する。
【0040】
品質監査機能は、製品検査システム20と同様の装置を必要とし、監査のために選択された作業の数が、通常、監査に利用可能なすべての作業の100%以下であること以外は、検査手続32に従う。監査はあたかもその監査が最初の検査であるかのように、検査手続32全体に従う。監査レポートは、サーバファイルごとに保全され識別されるので、この監査レポートが同一項目についての前回検査レポートとは重複しない。監査ステーションのコンピュータ33は、すべての他の検査ステーションのコンピュータ33と同一のサーバ26とネットワークに、結合される。
【0041】
監査機能は、通常、梱包エリアの周辺に配置される。梱包エリアは、工場の生産物が積み出しの用意ができているところである。好ましくは、監査ステーション28は、特有のバーコード78により、どの製品24がどのカートンに梱包されるか記録する第2の役割を果たす。カートンも、そのカートンに添付されたバーコードラベルにより識別される。梱包に先立って、特有の製品バーコード78がスキャンされると、前回の検査手続32によりサーバ26に蓄積されたデータが、その品目が検査され合格品であることがまちがいないか検索する。未検査品または非合格品が梱包されるような場合、例えば、監督者46がパスワードを入力し、問題の製品を除去するまで、監査ステーションのコンピュータ33は使用できなくなるような警告モードが誘引される。監査ステーション28の好ましい二重の役割は、品質管理と積み出しに結びついていることである。データサーバ26は、カートンボックスの確認済み個数により、詳細な梱包リストを自動的に作成することができる。
【0042】
検査システム20は、検査された各製品24を独自に識別する方法と、検査記録の対象に割り振られた特有のバーコード78により検査記録を作成し記憶する方法を有する。このことは、二つの手続の一方または両方により調べられる検査の徹底を可能にする。第1の手続としては、工場の品質保証計画の結果として、重複の又は多重の検査が起こりうる。例えば、生産ラインの最終段階での実質上100%最終検査と、これに加えて積み出される前にランダムに選択された製品の監査のための手はずである。これらの多重検査は、前回検査の結果生じたレポートが対象製品24そのものと比較されることを可能にする。いかなる相違点も前回検査の欠陥を示し、特に関与検査員30に関して低い遂行能力を示す。
【0043】
第2の手続としては、管理者46または顧客は、既知の欠陥品を故意に生産ラインに撒いておき、当該欠陥製品が、積み荷されて運送されるエリアに到達する前に、各製品24特有のバーコード78によって欠陥製品は探し出され除去されることを確かめることができる。撒かれた欠陥品は、検査手続32実施の徹底の試金石となる。この検査手続32の中で発見できないことは、低い検査遂行能力を明らかに示す。
【0044】
ここに本発明を実施するための最良の形態を公表するが、他の実施形態も可能である。ここでは、すべての同等の実施可能形態、または発明の派生を言及したものではない。この中で使用される用語は、制限的ではなく、単に記述的なものであるが、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更があり得る。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態にかかる製品検査システムの構成を示す斜視図である。
【図2】検査を受ける製品のラベルの構成を示す斜視図である。
【図3】製品の一連の寸法検査を表すフローチャートの第1部分である。
【図4】一連の客観的な表側テストを表すフローチャートの第2部分である。
【図5】一連の主観的な表側の目視検査を表すフローチャートの第3部分である。
【図6】一連の縫合検査を表すフローチャートの第4部分である。
【図7】ラベル素材や印字検査を表すフローチャートの第5部分である。
【図8】ラベルの清浄度やしわの検査を表すフローチャートの第6部分である。
【図9】計測されるラベルの位置検査を表すフローチャートの第7部分である。
【図10】詰め口位置と幅計測の検査を表すフローチャートの第8部分である。
【図11】一連の客観的な裏側テストを表すフローチャートの第9部分である。
【図12】一連の主観的な裏側の目視検査を表すフローチャートの第10部分である。
【図13】内部の清浄度検査を表すフローチャートの第11部分である。
【図14】フラグされた場合の製品経路を表すフローチャートの第12部分である。
【図15】ソフトウェアにより制御されたサブルーチンの詳細とオペレータにインプットを要求するフローチャートの第13部分である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを受け取り、格納し、処理するものであって、少なくとも1つの検査手続のソフトウェアの設定、ロード及び実行を変更することに適切な少なくとも1つのコンピュータと、
前記少なくとも1つのコンピュータと電子的に通信し、物品識別子を入力するための入力装置及び、順番通りに検査員によって回答させ入力させる一連の質問を表示するモニタスクリーンを備えた第1の検査ステーションと、
前記少なくとも1つのコンピュータに組み込まれており、徹底的で完全な検査をもたらすサブルーチンによって指示された前記検査員による検査時間を引き延ばすために、前記少なくとも1つの検査手続のサブルーチンにより最小時間配分が命じられるときに起動されるタイマと、
を備えることを特徴とする製品の検査システム。
【請求項2】
前記検査ステーションは、英数字を入力するためのキーボードを備えることを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記モニタスクリーンは、前記少なくとも1つのコンピュータによりプロンプトされた選択肢から選択するためのタッチスクリーンインターフェースを備えることを特徴とする請求項2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記モニタスクリーンは、前記少なくとも1つのコンピュータによりプロンプトされた選択肢から選択するためのタッチスクリーンインターフェースを備えることを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項5】
前記入力装置は、前記製品に添付されたラベルからワーク識別子をスキャンするスキャナであることを特徴とする請求項3に記載の検査システム。
【請求項6】
前記スキャナは、RS232リンクを有する電荷結合素子であることを特徴とする請求項5に記載の検査システム。
【請求項7】
前記第1の検査ステーションの前記スキャナは、POS(Point-Of-Sale)型であることを特徴とする請求項5に記載の検査システム。
【請求項8】
第2の検査ステーションと、
前記少なくとも1つのコンピュータのコンピュータサーバと、
前記コンピュータサーバに前記第1と前記第2の検査ステーションをリンクするハブと、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の検査システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの検査手続のアップロードされた検査手続を前記コンピュータサーバから受け取り、前記検査手続を実行し、前記コンピュータサーバに検査データをダウンロードする、前記第1の検査ステーションに配置される前記少なくとも1つのコンピュータのうちの第1のコンピュータと、
前記少なくとも1つの検査手続のアップロードされた検査手続を前記コンピュータサーバから受け取り、前記検査手続を実行し、前記コンピュータサーバに検査データをダウンロードする、前記第2の検査ステーションに配置される前記少なくとも1つのコンピュータのうちの第2のコンピュータと、
を備えることを特徴とする請求項8に記載の検査システム。
【請求項10】
前記第1の検査ステーションは、前記少なくとも1つのコンピュータと通信する複数の検査ステーションの一つであることを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項11】
前記第1の検査ステーションは、前記モニタスクリーンに検査データを入力するためのポインティング装置を備えることを特徴とする請求項2に記載の検査システム。
【請求項12】
前記第1の検査ステーションは、前記検査員からの口頭のコメントを録音するためのマイクロフォンを備えることを特徴とする請求項11に記載の検査システム。
【請求項13】
前記製品は、織物であることを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項14】
前記製品は、織物であることを特徴とする請求項9に記載の検査システム。
【請求項15】
コンピュータと通信する検査ステーションにおいて検査員により製品の識別子と分類を入力するステップと、
識別された前記製品分類に対してコンピュータコードとして複数の順序だったステップを有する適切な検査手続を機械的に選択するステップと、
前に検査されていたならば、前記検査ステーションのモニタスクリーンに同一の識別子に対して直近の検査レポートを表示するステップと、
前記コンピュータにより前記検査手続の個別のサブルーチンに関して、タイマを起動するステップと、
各サブルーチンに従って前記コンピュータにより前記製品に対する個別の検査を実行するよう前記検査員に指示するステップと、
前記コンピュータにより前記タイマが経過するステップと、
個別のサブルーチンに従って前記検査ステーションにおいて前記検査員による検査結果を入力するステップと、
前記コンピュータにより格納された規格と前記検査結果を比較するステップと、
を含むことを特徴とする製品検査方法。
【請求項16】
前記検査員により検査データを入力するステップであって、
個別のサブルーチンのために前記コンピュータにより前記モニタスクリーン上で事前にプログラムされたコメントの選択肢を示すステップと、
前記検査員により選択肢の一つを選択するステップと、
前記コンピュータにより前記選択が格納されるステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載されている製品検査方法。
【請求項17】
前記検査結果を比較した後に前記コンピュータによる前記選択を処理するステップと、
前記検査データが合格基準に適合するかどうか、前記コンピュータにより判定するステップと、
前記検査データが合格でないならば、後のやり直し作業のために前記コンピュータにより前記製品をフラグするステップと、
前記コンピュータにより前記検査手続の次の連続したサブルーチンをスタートするステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載されている製品検査方法。
【請求項18】
個別のサブルーチンのために指定されたフラグに関して前記コンピュータからのデータをレポートするステップと、
前記製品をやり直しにするステップと、
前記検査手続を再スタートするステップと、
前回検査中にフラグされた個別のサブルーチンを再検査するステップと、
フラグされず、前回検査済みの連続したサブルーチンを前記コンピュータにより省略するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載されている製品検査方法。
【請求項19】
前記検査結果を個別の合格基準と比較した後、前記コンピュータにより前記選択を処理するステップと、
前記コンピュータにより前記規格に適合している場合、前記検査データを合格とするステップと、
前記検査手続の次に続くサブルーチンのため、前記コンピュータにより前記タイマを起動するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載されている製品検査方法。
【請求項20】
前記検査結果を比較した後、前記コンピュータにより前記選択を処理するステップと、
前記製品を拒絶するステップと、
前記コンピュータにより前記検査手続を中止するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載されている製品検査方法。
【請求項21】
前記検査員による検査データを入力するステップであって、
前記選択が格納されるステップの前に、前記コンピュータにより前記モニタスクリーン上で前記製品の事前にプログラムされたマップを示すステップと、
検査された欠陥に関して前記マップ上で位置を選択するよう前記検査員にポインティング装置を利用させるステップと、
位置を示された前記マップを前記コンピュータにより格納するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載されている製品検査方法。
【請求項1】
データを受け取り、格納し、処理するものであって、少なくとも1つの検査手続のソフトウェアの設定、ロード及び実行を変更することに適切な少なくとも1つのコンピュータと、
前記少なくとも1つのコンピュータと電子的に通信し、物品識別子を入力するための入力装置及び、順番通りに検査員によって回答させ入力させる一連の質問を表示するモニタスクリーンを備えた第1の検査ステーションと、
前記少なくとも1つのコンピュータに組み込まれており、徹底的で完全な検査をもたらすサブルーチンによって指示された前記検査員による検査時間を引き延ばすために、前記少なくとも1つの検査手続のサブルーチンにより最小時間配分が命じられるときに起動されるタイマと、
を備えることを特徴とする製品の検査システム。
【請求項2】
前記検査ステーションは、英数字を入力するためのキーボードを備えることを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記モニタスクリーンは、前記少なくとも1つのコンピュータによりプロンプトされた選択肢から選択するためのタッチスクリーンインターフェースを備えることを特徴とする請求項2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記モニタスクリーンは、前記少なくとも1つのコンピュータによりプロンプトされた選択肢から選択するためのタッチスクリーンインターフェースを備えることを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項5】
前記入力装置は、前記製品に添付されたラベルからワーク識別子をスキャンするスキャナであることを特徴とする請求項3に記載の検査システム。
【請求項6】
前記スキャナは、RS232リンクを有する電荷結合素子であることを特徴とする請求項5に記載の検査システム。
【請求項7】
前記第1の検査ステーションの前記スキャナは、POS(Point-Of-Sale)型であることを特徴とする請求項5に記載の検査システム。
【請求項8】
第2の検査ステーションと、
前記少なくとも1つのコンピュータのコンピュータサーバと、
前記コンピュータサーバに前記第1と前記第2の検査ステーションをリンクするハブと、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の検査システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの検査手続のアップロードされた検査手続を前記コンピュータサーバから受け取り、前記検査手続を実行し、前記コンピュータサーバに検査データをダウンロードする、前記第1の検査ステーションに配置される前記少なくとも1つのコンピュータのうちの第1のコンピュータと、
前記少なくとも1つの検査手続のアップロードされた検査手続を前記コンピュータサーバから受け取り、前記検査手続を実行し、前記コンピュータサーバに検査データをダウンロードする、前記第2の検査ステーションに配置される前記少なくとも1つのコンピュータのうちの第2のコンピュータと、
を備えることを特徴とする請求項8に記載の検査システム。
【請求項10】
前記第1の検査ステーションは、前記少なくとも1つのコンピュータと通信する複数の検査ステーションの一つであることを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項11】
前記第1の検査ステーションは、前記モニタスクリーンに検査データを入力するためのポインティング装置を備えることを特徴とする請求項2に記載の検査システム。
【請求項12】
前記第1の検査ステーションは、前記検査員からの口頭のコメントを録音するためのマイクロフォンを備えることを特徴とする請求項11に記載の検査システム。
【請求項13】
前記製品は、織物であることを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項14】
前記製品は、織物であることを特徴とする請求項9に記載の検査システム。
【請求項15】
コンピュータと通信する検査ステーションにおいて検査員により製品の識別子と分類を入力するステップと、
識別された前記製品分類に対してコンピュータコードとして複数の順序だったステップを有する適切な検査手続を機械的に選択するステップと、
前に検査されていたならば、前記検査ステーションのモニタスクリーンに同一の識別子に対して直近の検査レポートを表示するステップと、
前記コンピュータにより前記検査手続の個別のサブルーチンに関して、タイマを起動するステップと、
各サブルーチンに従って前記コンピュータにより前記製品に対する個別の検査を実行するよう前記検査員に指示するステップと、
前記コンピュータにより前記タイマが経過するステップと、
個別のサブルーチンに従って前記検査ステーションにおいて前記検査員による検査結果を入力するステップと、
前記コンピュータにより格納された規格と前記検査結果を比較するステップと、
を含むことを特徴とする製品検査方法。
【請求項16】
前記検査員により検査データを入力するステップであって、
個別のサブルーチンのために前記コンピュータにより前記モニタスクリーン上で事前にプログラムされたコメントの選択肢を示すステップと、
前記検査員により選択肢の一つを選択するステップと、
前記コンピュータにより前記選択が格納されるステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載されている製品検査方法。
【請求項17】
前記検査結果を比較した後に前記コンピュータによる前記選択を処理するステップと、
前記検査データが合格基準に適合するかどうか、前記コンピュータにより判定するステップと、
前記検査データが合格でないならば、後のやり直し作業のために前記コンピュータにより前記製品をフラグするステップと、
前記コンピュータにより前記検査手続の次の連続したサブルーチンをスタートするステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載されている製品検査方法。
【請求項18】
個別のサブルーチンのために指定されたフラグに関して前記コンピュータからのデータをレポートするステップと、
前記製品をやり直しにするステップと、
前記検査手続を再スタートするステップと、
前回検査中にフラグされた個別のサブルーチンを再検査するステップと、
フラグされず、前回検査済みの連続したサブルーチンを前記コンピュータにより省略するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載されている製品検査方法。
【請求項19】
前記検査結果を個別の合格基準と比較した後、前記コンピュータにより前記選択を処理するステップと、
前記コンピュータにより前記規格に適合している場合、前記検査データを合格とするステップと、
前記検査手続の次に続くサブルーチンのため、前記コンピュータにより前記タイマを起動するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載されている製品検査方法。
【請求項20】
前記検査結果を比較した後、前記コンピュータにより前記選択を処理するステップと、
前記製品を拒絶するステップと、
前記コンピュータにより前記検査手続を中止するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載されている製品検査方法。
【請求項21】
前記検査員による検査データを入力するステップであって、
前記選択が格納されるステップの前に、前記コンピュータにより前記モニタスクリーン上で前記製品の事前にプログラムされたマップを示すステップと、
検査された欠陥に関して前記マップ上で位置を選択するよう前記検査員にポインティング装置を利用させるステップと、
位置を示された前記マップを前記コンピュータにより格納するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載されている製品検査方法。
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図1】
【図2】
【公表番号】特表2008−501188(P2008−501188A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515114(P2007−515114)
【出願日】平成17年5月4日(2005.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/015482
【国際公開番号】WO2005/119565
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(506400454)アメリカン クオリティ アシュランス コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月4日(2005.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/015482
【国際公開番号】WO2005/119565
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(506400454)アメリカン クオリティ アシュランス コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
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