説明

製品トレイ内に保持された情報表示体を利用する製品包装体

製品トレイと、トレイ内に取り付けることができる情報表示体と、を有する製品包装体。情報表示体は製品トレイ内で保持することができ、製品はトレイ内で情報表示体の上に配置される。トレイは、保管又は輸送の途中での損傷から製品を保護することができるだけでなく、表示中に向上された外観を提供することができる。情報表示体は、消費者に情報を伝達することができるだけでなく、製品トレイからの製品の取り外しを補助することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般的には製品包装体であって、具体的には包装体と、情報表示体を組み込むことができるトレイを含むディスプレイユニットと、に関する。
【背景技術】
【0002】
製品の包装は、製品及び消費者に最も有益となる包装の種類において多くの変化がある分野である。製品の包装は、特定の製品を選ぶための消費者の決定において重要な要素となり得る。製品の包装は、消費者の注意を引くこと及びおそらく製品の特徴について消費者に情報を提供することによって、消費者の決定に影響を与えることができる。製品の包装のこの情報的側面は、包装それ自体との組み合わせにおいて情報表示体によって提供され得る。製品の包装のさらなる利益は、表示又は輸送の途中での損傷から製品を保護することである。十分なレベルの保護を提供する一方で使いやすい包装を提供することが望ましい。この使いやすさは、包装体への又は包装体からの製品の簡単な配置及び取り外しをしばしば要求する。これらの機能のすべての組み合わせを実行する製品包装体が強く望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
具体的には、ライターのような製品について、頑丈な包装体の中で製品に保護を提供することと同時に、消費者の注意が引き付けられ、製品又は関連製品についての情報が容易に伝達されるように、消費者へ製品を提示することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願は、機器の保管及び表示のための装置に関し、装置はその中に画成された凹部を持つトレイを備え、保管及び表示のために凹部内に機器が堅固に配置されるように、凹部の寸法は機器の寸法とほぼ一致する。装置は、凹部に結合され得る情報表示体を更に備え、情報表示体の第1の部分はトレイの凹部内に配置され、情報表示体の第2の部分はトレイの外側に延びる。
【0005】
更なる開示内容は、機器を保管又は表示することができる製品包装体であって、その中に画成された凹部を有するトレイを備え、凹部は、底面と、底面の対向する側部から垂直に延びる第1及び第2の側壁であって機器の厚さと等しいかまたはより大きい高さを有する第1及び第2の側壁と、底面の対向する端部から延びる第1及び第2の端壁と、を備え、第1及び第2の端壁は、各々が第1及び第2の側壁に結合され、底面から角度をつけて延びる内面であって台形形状を有するような内面を有する、製品包装体である。
【0006】
更に、開示内容は、機器を保管及び表示することができる製品包装体であって、上面を有するトレイと、機器を受けるためにトレイ内に画成された第1の凹部であって凹床面を有する第1の凹部と、トレイ内に画成された第2の凹部と、を備え、第2の凹部は、第1の凹部の凹床面内に画成された更なる凹領域とトレイの上面内に画成された第1及び第2の凹面領域とを備える、製品包装体である。装置はトレイに結合され得る情報表示体を更に備え、情報表示体は折り畳み部とその折り畳み部に結合されたフラップ部とを備え、情報表示体の部分は第2の凹部の更なる凹領域内に配置され、情報表示体のフラップ部はトレイの凹面領域内に配置され得る。
【0007】
本願の特徴及び利点のより十分な理解のために、添付図面に沿って詳細な説明に参照が付される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本願のトレイの第1実施形態の斜視図である。
【図2】図2は、図1のトレイの端面図である。
【図3】図3は、図1のトレイの側面図である。
【図4】図4は、図1のトレイの上部平面図である。
【図5】図5は、図1のトレイの下部平面図である。
【図6】図6は、本願の情報表示体の第1実施形態を保持する、図1のトレイの斜視図である。
【図7】図7は、図6の情報表示体及びトレイの分解図である。
【図8】図8は、本願のトレイの第2実施形態の斜視図である。
【図8a】図8aは、トレイの代表的な実施例を示す図である。
【図9】図9は、図8に示すトレイ及び箱の分解図である。
【図10】図10は、図8に示すトレイ及び情報表示体の一実施形態の分解図である。
【図11】図11は、トレイの第2実施形態の上部平面図である。
【図12】図12は、図11のトレイの端面図である。
【図13】図13は、図11のトレイの側面図である。
【図14】図14は、図11のトレイの下部平面図である。
【図15】図15は、本願の情報表示体の第2実施形態の斜視図である。
【図16】図16は、トレイによって保持される図15の情報表示体と一体となった、図11のトレイの上部平面図である。
【図16a】図16aは、トレイの代表的な実施例を示す図である。
【図17】図17は、図16のトレイ及び情報表示体の組立品の側面図である。
【図18】図18は、図16の18−18線に沿った断面図である。
【図18a】図18aは、トレイの代表的な実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付され最初に図1〜7を参照する図において、参照符号10は、保管又は表示される情報表示体及び製品又は機器(図示せず)を保持するために用いられ得るトレイの第1実施形態を示す。トレイ10のこの特定の実施形態は、ライターのような矩形状の製品の保管及び表示に適している。
【0010】
トレイ10は一般に、プラスチックのような、成形された半硬質材料の一体品で出来ている。いくつかの実施形態では、しかしながら、トレイ10は取り外し可能に結合された部品から構成され得る。トレイ10の上側は、製品に対する損傷を防ぐ他に、製品を表示するためのトレイ10の美観を向上させる目的で、ベルベット、布、又はフェルトのように柔らかい[柔軟な?]材料で覆うことができる。柔らかい材料のカバーは、製品がトレイ10内に配置されたときにより堅固なフィット感を提供するという利点をも有し得る。
【0011】
図1を参照すると、トレイ10のこの実施形態は2つの側壁12a及び12bを有するように表されている。これらの2つの側壁は、凹部14の対向する側にある。凹部14は、トレイ10内に保管又は表示される製品又は機器の寸法とほぼ合う寸法となっており、凹床面16、2つの同じような寸法であって凹床面16の対向する側の側壁12a及び12b、及び、凹床面16の対向する側において2つの同じような寸法で外側に傾斜した端壁20a及び20bによって画成されている。端壁20a及び20bは、凹床面から角度をつけて延びており、それゆえ端壁が凹床面から上方に立ち上がるにつれて端壁の幅が増大する台形形状を呈する。いくつかの実施形態では、端壁は垂直であり矩形状を有する。いくつかの実施形態では、側壁12a及び12bのどちらの端部にも、トレイ10内の製品のより堅固な配置を可能とする、凹部14から突出する稜線部22がある。これらの突出する稜線部22は、それがトレイによって保持されたときの製品又は機器のすべり又はずれを防ぐことを助ける。トレイのいくつかの実施形態はまた、トレイ10から製品の取り出しを補助することができる取り出し手段の挿入を可能とする、側壁12a及び12b内の溝24a及び24bを含む。
【0012】
さらに図1を参照すると、トレイ10の外側は、2つの側壁12a及び12b並びに2つの外側端壁28a及び28bにより画成される。いくつかの実施形態では、トレイ10の長さ及び幅は、トレイ10が矩形の箱の中にフィットするものであり、保管のために覆われるか又は表示のために覆われないままとし得る。従って、トレイ10の長さ及び幅は、トレイ10が箱の内側でフィットできるように箱の長さ及び幅よりわずかに小さい。いくつかの実施形態では箱は下部及び上部からなり、又は他の実施形態では単一部分のみを含む。箱が上部及び下部を有する場合、トレイ10は箱の下部内に配置される。箱の上部は、トレイ10の周囲の筐体を形成するために下部の上に配置される。この構成では、封された箱は製品の輸送に適する。
【0013】
いくつかの実施形態では、トレイ10の外側端壁28a及び28bは、その中に画成され、箱へ又は箱からのトレイの取り外し又は配置において補助することができる配置又は取り外しの手段を使用できるような、1つ以上の窪み30を含む。他の実施形態では、これらの窪み30は、外側端壁28a及び28b内のこれらの位置に加えて又は置き換えて、側壁12a及び12bの外側に画成することもできる。
【0014】
図2は、いくつかの実施形態において現れるトレイ10の端面図を示す。この図は、さらに外側端壁28b上の窪み30の存在をも示している。この特定の実施形態の対称性の特徴により、この図は外側端壁28aを示す反対側の端部にて見た場合にも同様である。この実施形態では、外側端壁28bの高さは側壁12a及び12bの高さより小さいことに留意されたい。この構成は、情報表示体60(さらに下の方に記載されている)に対して、トレイ10内に配置されてトレイ10の端壁20a及び20bを越えて延びることを可能とする。トレイ10の端壁20a及び20bを越えて延びる情報表示体60の部分は容易に掴むことができ、トレイ10からの表示体60の取り外しを容易にする。加えて、トレイ10内で情報表示体60の上に製品が配置される場合、トレイ10の端壁20a及び20bを超えて延びる表示体の部分を掴むこと及び上方に持ち上げることによって、製品をトレイからより容易に取り外すこともでき、従って、製品を取り外すために取り外し手段を使用すること又はトレイ10を逆さまにひっくり返すことの必要性をなくすことができる。
【0015】
図3は、いくつかの実施形態で現れるトレイ10の側面図を示す。この側面図は側壁12bを示す。この実施形態では、側壁12a及び12bの長さ及び高さは、それぞれ、トレイ10内で保管又は表示される製品の長さ及び深さより大きいか又は等しい。これは、トレイ10内で保持されたときの製品の損傷からのより良好な保護を提供する。重ねて、この特定の実施形態におけるトレイの対称性により、この図は側壁12aを示す反対側にて見る場合にも同様である。
【0016】
図4は、トレイ10の上部平面図である。この図は、トレイ10の矩形形状と、対応する凹床面16の矩形形状と、を示す。この実施形態における凹床面16の矩形形状は、トレイ10に保持される矩形形状の機器と一致する。凹床面16の寸法は、トレイ10内に保管又は表示される機器がトレイ10内に配置されたときに、凹床面16のほとんど又はすべてが覆われるような寸法である。いくつかの実施形態では、突出する稜線部22は、トレイ10内で製品が堅固にフィットするよう、トレイ10内で製品を保持することができる。突出する稜線部22はまた、トレイ10内に置かれた製品のすべり又は移動を最小化することができる。いくつかの実施形態に含まれる溝24a及び24bは、側壁12a及び12bの内側にて切欠きとしてこの図に現れており、トレイ10からの製品の取り外しを補助するために、トレイと製品との間への取り外し手段の挿入を可能とする。いくつかの実施形態では、ここに示される端壁20a及び20bの台形形状は、情報表示体60の特定の実施形態の端部タブ64a及び64bの形状と合っている。
【0017】
図5は、トレイ10の下部平面図である。この図に示されているように、布又はフェルトのようなトレイの上側を覆う柔軟な材料で下側をも覆う必要はない。柔軟なカバー材料の1つの利点は、表示のためのトレイ10の外観を向上させることと同様に損傷から製品を保護することである。いくつかの実施形態では、製品がトレイ10内に置かれるときに下側と接触しないため、及び製品がトレイ10内に表示されるときに下側が見えないため、トレイ10の上側と同様の柔らかい材料で下側を覆うことは有利ではない。図5はまた、トレイ10が、半硬質材料の中空成形品であり得ることを示している。いくつかの実施形態では、トレイ10は材料の固体片であり得るが、しかしながら、図5におけるこの実施形態に示された中空構造は、低減された重量及びより低い材料コストの利益をもたらす。トレイ10は、トレイ10内に保持される製品の形状に従って、様々な形状及び外形に成形されることができると理解される。例えば、トレイ10は、およそ同じ形状の機器に合うように円形、八角形又は楕円としてもよい。
【0018】
図6は、情報表示体60の第1実施形態を保持するトレイ10の斜視図である。いくつかの実施形態では、情報表示体60は中央矩形部62並びに2つの端部タブ64a及び64bから構成されている。いくつかの実施形態では、中央矩形部62並びに2つの端部タブ64a及び64bは、折り畳み可能な材料の単一品から構成されており、情報を表示することができる。そのような材料は、ボール紙のような紙ベースであるか、又はプラスチック若しくはプラスチック様の基材ともすることができる。各々の端部タブ及び中央矩形部62の共有部には折り目が位置していてもよい。これは、端壁20a及び20bの斜面に合うよう、端部タブ64a及び64bが上方に折り曲げられることを可能とする。この実施形態では、表示体の中央矩形部62は、トレイ10の凹床面16の寸法と実質的に合う大きさである。これは、情報表示体60が凹部14内に堅固にフィットすることを可能とする。いくつかの実施形態では、端部タブ64a及び64bの台形形状は、トレイ10の内側端壁20a及び20bの台形形状とほぼ合っている。いくつかの実施形態におけるタブの大きさは、タブ64a及び64bの各々が端壁20a及び20bの長さを超えて拡がるような大きさである。図2を参照したときに説明したように、端壁20a及び20bの端部を越えて延びる端部タブ64a及び64bの部分は用意に掴むことができ、トレイ10からの情報表示体60の取り外しを容易にする。加えて、トレイ10内で情報表示体60の上に製品が配置されると、端壁20a及び20bを越えて延びる端部タブ64a及び64bの一方又は両方の部分を掴み上方に持ち上げることによって、製品はトレイ10からより容易に取り外すことができ、従って、製品を取り外すために取り外し手段の使用又はトレイ10をひっくり返す必要がなくなる。再び図6を参照すると、トレイ10内に表示又は保管される製品は、トレイ10の凹部14内で情報表示体60の上に配置することができる。
【0019】
図7は、トレイ10から取り外された情報表示体60の分解図を示す。図は、凹床面16の上にある情報表示体60の中央矩形部62を配置する、トレイ10の凹部14内にどのようにして情報表示体60が挿入されるかを示している。情報表示体60の端部タブ64a及び64bは、端壁20a及び20bの上にそれぞれ配置される。
【0020】
情報表示体60は、図6を参照して説明したようにトレイ10からの製品のより容易な取り外しを可能とする目的を果たすことができる。いくつかの実施形態では、情報表示体60はまた、消費者に情報を提供する役目を果たすことができる。情報表示体60のすべてのセクションは、製造者の名称又はロゴ、製品の名称又はロゴ、製品の特徴、及び広告のような、消費者に有益な情報又は画像を印刷することができる。この実施形態における表示体60の構成の利点の1つは、端部タブ64a及び64bに印刷されたいかなる情報も製品がトレイ10内で表示体60の上に配置されたときになお見えること、及び、それゆえになおトレイ内にある製品とともにメッセージ又は情報を観察者に伝達できることである。端部タブ64a及び64bの視認性は、内側端壁20a及び20bの傾斜した構造によるものである。これらの傾斜は、トレイ10内の製品及び表示体60を固定するのと同時に、トレイ10の上方から端部タブ64a及び64bを視認可能とする。
【0021】
図8〜18は、本願明細書の第2実施形態を示す。この実施形態は、細長いライター又は筆記具のような細長い製品の表示及び保管に適している。
【0022】
図8を参照すると、この実施形態はトレイ80、情報表示体82及び箱84から構成されている。表示体82はここではトレイ80内に挿入されて示されている。そして、トレイ80は箱84に保持されて示されている。
【0023】
図9は、箱84からのトレイ80の取り外しを示す。この実施形態では、箱84の寸法は、箱84の壁の内側にトレイ80が堅固にフィットするような寸法である。
【0024】
図10は、トレイ80の保持から取り外された情報表示体82を示す。トレイ80のこの実施形態は、第1の凹部102を囲む上面100を有する。上面100はまた、その中に画成され、情報表示体82がトレイ80に保持されるときに情報表示体82の部分の配置位置に相当する、2つの凹面領域104a及び104bを有する。別の実施形態では、2つの凹面領域104a及び104bは、図10に示されるような台形形状よりむしろ矩形形状を有する。加えて、2つの凹面領域104a及び104bの深さは、第1の凹部102と、トレイ80の外壁112と、の間で一定である。トレイの第1の凹部102は、凹床面106、及び、凹床面106を囲むとともに凹床面106と上面100との間に縦方向に延びる内壁108を備える。図10における第1の凹部102は矩形断面の輪郭を有するように描かれているが、第1の凹部102は、第1の凹部102の幅が上部より底部で小さいテーパ状断面の輪郭を有していてもよい。テーパ状断面を持つトレイ80の代表的な実施例は図18aに示されている。この実施形態は、第1の凹部102内に配置された機器の移動に対して追加の固定を提供する。更に別の実施形態では、移動に対して機器を更に固定するために、凹部102の内壁108上にオスの移動止めを配置することができる。オスの移動止めを持つトレイ80の代表的な実施例は図8a及び図16aに示されている。
【0025】
凹床面106は、その中に画成され、凹床面106の床レベルからわずかに窪んでいる、更なる凹領域110を有する。更なる凹領域110並びに2つの凹面領域104a及び104bを含む第2の凹部は、情報表示体82がトレイ80内に保持される位置に一致する。更なる凹領域110並びに2つの凹面領域104a及び104bの寸法及び形状は、表示体82がトレイ80内に配置されるときに表示体82の部分が対応する凹領域の範囲内にあるように、表示体82の寸法及び形状と一致する。いくつかの実施形態では、第1の凹部102の寸法は、長さ、幅及び深さによって画成されており、トレイ80内に保管又は表示されまた長さ、幅及び深さによって画成される製品の寸法とほぼ合っている。いくつかの実施形態では、トレイ80は、上面100の外縁部から縦方向に延びてトレイ80の全ての側を囲む外壁112から構成されている。そのような実施形態では、外壁112の深さは凹部102の深さと等しいか又はより大きい。
【0026】
図10に示すように、開示のこの実施形態の利点は、情報表示体82がトレイ80の凹部内に配置でき所定の位置で保持できることである。製品は、その結果トレイ80の第1の凹部102内で表示体82の上に配置することができる。製品は保管又は表示のためにトレイ80内の所定の位置に堅固に保持される。情報表示体82は、トレイ80からの製品の容易な取り外しを手助けする役目を果たす。製品がトレイ80内で情報表示体82の上に配置されたとき、トレイ80から表示体82及び製品の両方を取り外すために、1以上の点で表示体82を掴んで表示体82を上方に持ち上げることによって製品を容易に取り外しできる。いくつかの実施形態では、製品に対する損傷を防ぐとともに製品の表示のためのトレイ80の美観を向上させるため、トレイ80は布又はフェルトのような柔軟な材料で覆われる。
【0027】
図11は、トレイ80の上部平面図を示す。この図は、上面100がどのように第1の凹部102を囲んでいるかを更に示している。いくつかの実施形態では、トレイ80、及びそれゆえ上面102の長さ及び幅は、トレイ80内に配置される製品の長さ及び幅を超える。図11はまた、凹面領域104a及び104bがどのように上面100の外縁部112から上面100の内縁部114へ架かるかを示している。いくつかの実施形態では、凹面領域104a及び104b並びに更なる凹領域110の形状及び寸法は、トレイ80に保持される表示体82の部分の形状及び寸法とほぼ合っている。この実施形態では、凹面領域104a及び104bは、凹面領域内にある情報表示体82の部分の台形形状と合うような台形形状を有する。情報表示体82がトレイ80内に配置されたとき、凹面領域104a及び104b並びに更なる凹領域110は、情報表示体82を所定の位置で保持すること及びそのずれ又はすべりを防ぐことを補助する役目を果たす。
【0028】
図12はトレイ80の端面図を示す。いくつかの実施形態では、外壁112の高さは第1の凹部102の深さより大きいか又は等しくなるように設計されている。図13はトレイ80の側面図を示す。この図は、凹面領域104bのわずかな深さを示している。この凹面領域は、情報表示体82がトレイ80によって保持されるときに配置される場所に相当する。いくつかの実施形態では、凹面領域104bのテーパ状の幅は、凹面領域104b内に配置される表示体82の部分のテーパ状の幅とほぼ等しい。
【0029】
図14はトレイ80の下部平面図を示す。この実施形態は半硬質材料の中空成形品であるように表されている。この特徴を採用することは、この中空構造が低減された重量及び低材料コストの利益を提供するので、実施形態にとって有利である。しかしながら、いくつかの実施形態ではトレイ80は材料の固体片から構成されていてもよい。トレイ80内で保持される製品の形状に応じて、トレイ80が様々な形状及び外形に成形され得ると理解される。例えば、トレイ80は、ほぼ同じ形状の機器と合うように、円形、八角形又は楕円形の形状であってもよい。
【0030】
図15は情報表示体82の斜視図である。いくつかの実施形態では、表示体82は情報を表示可能な折り畳みできる材料の単一品で構成されている。そのような材料は、ボール紙のような紙ベースであるか、又はプラスチック若しくはプラスチック様の基材ともすることができる。いくつかの実施形態では、情報表示体82は矩形の凹底部150並びに2つの矩形の側部152a及び152bを備える。表示体の材料は、矩形の凹底部150と矩形の側部152a及び152bの各々との共有部に沿って折り目になっており、矩形の側部152a及び152bが矩形の凹底部150からほぼ垂直に上方へ折られることを可能とする。いくつかの実施形態では、表示体のこの折り畳める部分、150、152a及び152bは、トレイ80の第1の凹部102内にフィットするであろう。具体的には、表示体82の矩形の凹底部150は、トレイ80の更なる凹領域110と位置が合い且つトレイ80の更なる凹領域110の内側にある。前述したように、トレイ80の第1の凹部102は矩形の輪郭よりもむしろテーパ状の断面の輪郭を有する。この実施形態では、底部150並びに側部152a及び152bは、図15及び11に示す矩形よりむしろテーパ状となった断面の輪郭を有する。この実施形態は、第1の凹部102内に配置された機器の移動に対して追加の固定を提供する。
【0031】
いくつかの実施形態では、表示体82は更に2つの表面タブ154a及び154bから構成される。表示体82がトレイ80の保持にて配置されるとき、表面タブ154a及び154bの各々は、それぞれ凹面領域104a及び104bの1つの中にある。従って、いくつかの実施形態では、表面タブ154a及び154bの形状は、凹面領域104a及び104bの形状とほぼ合っているであろう。これは、トレイ80内に配置されたときにずれ又はすべりから表示体82を更に固定する役目を果たす。そして、前述したように、2つの表面タブ154a及び154bは台形形状よりむしろ矩形形状を有することとしてもよい。表示体の材料は、矩形の側部152a及び152bと表面タブ154a及び154bとのの共有側に沿って折り目になっており、表示体82がトレイ80内に配置されたときに、凹面領域104a及び104bに対して表面タブ154a及び154bが平らに置かれることを可能とする。
【0032】
いくつかの実施形態では、表面タブ154a及び154bを含む表示体82のフラップ部は、更に2つの外側フラップ156a及び156bから構成されている。表示体の材料は、表面タブ154a及び154bと外側フラップ156a及び156bとの共有側に沿って折り目になっており、表示部82がトレイ80内に配置されるときに外側フラップ156a及び156bが下方に折られてトレイ80の外壁112に対して平らに置かれることを可能とする。トレイ80が箱84内に配置されるとき、外側フラップ156a及び156bは、トレイ80の表面に対して平らにて表示体82を更に固定する役目を果たす。これは、外側フラップ156a及び156bがトレイの外壁112と箱84の内面との間にフィットするよう折り畳まれることで実現される。表示体82の構成は、トレイ80と相補的であると理解されるべきであり、従って表示体82がトレイ内に配置されたときに堅固なフィット感を提供する。
【0033】
表示体60の第1実施形態のように、情報表示体82は、図10を参照して説明したようなトレイ80からの製品のより容易な取り外しを可能とする。いくつかの実施形態では、情報表示体82はまた、消費者に情報を提供する役目を果たす。情報表示体82のすべての部分は、製造者の名称又はロゴ、製品の名称又はロゴ、製品の特徴、及び広告のような、消費者に有益な情報を印刷することができる。情報表示体82のこの実施形態の構造の利点の1つは、表面タブ154a及び154bに印刷されたいかなる情報も製品がトレイ80内で表示体82の上に配置されたときになお見えること、及び、それゆえになおトレイ80内にある製品とともにメッセージ又は情報を観察者に伝達できることである。
【0034】
図16は、表示体82を保持するトレイ80の上部平面図である。この図は、表示体82がトレイ80によって保持されたときの、表示体82の表面タブ154a及び154b並びに矩形の凹底部150の視認性を示す。従って、表示体82は、製品がトレイ80内に保持されないときに消費者に観察される情報を印刷することができる。表面タブ154a及び154bは、製品がトレイ内に配置されるか又はトレイ80から取り外されるときに見ることができるであろう。
【0035】
図17は、表示体82がトレイ80内に配置されたときのトレイ80の側面図を示す。いくつかの実施形態では、表示体82の外側フラップ156bは、外壁112に対して平らに折り畳まれる。この構成は、トレイ80の表面に対して表示体82を固定するのに役立つ。具体的には、表示体82を保持するトレイ80が箱84内に配置されたときに外側フラップ156a及び156bはトレイ80と箱84との間に固定され、従って、表示体82を所定の位置に保持するのに更に役立つ。そのような実施形態では、外側フラップ156a及び156bの深さは、外壁112の深さより小さいか又は等しい。
【0036】
図18は、図16のトレイ80内に保持された表示体82の18−18線に沿った断面図である。この図は、いくつかの実施形態においてトレイ80の表面に対する全ての側に表示体82がどのように平らに置かれているかを示す。トレイ80は縞模様の領域によって示されており、表示部82はトレイ80の上に配置された表示体の細い外形線によって示されている。いくつかの実施形態では、トレイ80内に保管又は表示される製品は、第1の凹部102内であってトレイ80の第1の凹部内に保持された表示体82の部分の上に配置されると理解される。
【0037】
本発明の幅広さ及び範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれによっても限定されないと理解されるべきであるが、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従ってのみ定義されるべきである。また、説明した実施形態において利点及び特徴が提供されるが、上記利点のいずれか又は全てを達成する工程及び構造に特許請求の範囲の適用を制限するものではない。
【0038】
なお、ここに示した節の見出は、37 CFR 1.77(米国連邦法第37号 1.77条)で示唆される一貫性を持たすため、あるいは組織的な手掛かりを提供するために付与されている。これらの見出しは、本明細書に提示された特許請求の範囲に記載された発明を限定したり、特徴付けたりするものではない。特に例を示せば、その見出しが“技術分野”に言及していたとしても、特許請求の範囲は、この見出しの下で、いわゆる技術分野を説明するために選択された言葉によって限定されることはない。さらに言えば、“背景技術”に記載された技術は、本明細書に記載されたいかなる発明に対しても、先行技術として解釈されることはない。同様に、“概要”は、ここに見られる特許請求の範囲に記載された発明の特徴描写として取り扱われることはない。また、本明細書で、“発明”を単数形で示した記載は、本明細書中の新規性のあるポイントが1件しかないと言おうとするものではない。本明細書と関連する複数の特許請求の範囲の数の範囲の複数の発明が提示されて、その特許請求の範囲は、保護されるべき発明とその等価物を定義している。結局、その特許請求の範囲の射程は、本明細書に示されたそれ自身の効果を考慮して判断されるべきであり、そこに示された見出しを考慮すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側寸法を有する機器を保管及び表示するための装置において、
トレイであって、その中に凹部が画成されており、前記機器が前記凹部内に堅固に配置されるように、前記凹部の寸法が前記外側寸法とほぼ一致するトレイと、
第1及び第2の部分を備える情報表示体であって、第1の部分は前記トレイの前記凹部の内側にフィットするような寸法を有し、前記第1の部分がその中に配置されたときに前記情報表示体の前記第2の部分は前記トレイの前記凹部の外側に延びる、情報表示体と、を備える、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
箱であって、前記トレイを前記箱の中に堅固に配置できるように、前記トレイの外側寸法とほぼ一致する内側寸法を有する箱を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記箱は上部と下部とを更に備え、前記上部は前記下部上に配置されるカバーを形成し、それによって前記トレイの周囲に筐体を形成する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記トレイの上面は、柔軟な材料の層で覆われている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記情報表示体の前記第2の部分は、前記第1の部分に結合された折り畳み可能な端部タブを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記機器はライターであり、前記製品包装体はほぼ矩形の外側寸法を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
機器を保管又は表示することができる製品包装体において、
トレイであって、その中に画成された凹部を有し、前記凹部が、
底面と、
前記底面の対向する側から垂直に延びており、前記機器の厚さと等しいか又はより大きい高さを有する第1及び第2の側壁と、
前記底面の対向する端部から延びており、前記第1及び第2の側壁を結合するとともに前記底面から角度をつけて延びる内面を有し、前記内面が台形形状を有する、第1及び第2の端壁と、
を備えるトレイを備える、製品包装体。
【請求項8】
前記トレイに結合された情報表示体を更に備え、前記情報表示体の少なくとも1つの部分が前記凹部の内側にフィットする、請求項7に記載の製品包装体。
【請求項9】
前記機器は矩形形状であり、前記底面の有する長さ及び幅は前記機器の前記長さ及び幅とほぼ合う、請求項7に記載の製品包装体。
【請求項10】
前記第1及び第2の端壁は、
第1及び第2の内側端壁であって、各々が上縁部及び下縁部を有し、各々の前記下縁部が前記底面の対向する端部に結合された、第1及び第2の内側端壁と、
第1及び第2の外側端壁であって、各々が上縁部及び下縁部を有し、前記第1の外側端壁の前記上縁部は前記第1の内側端壁の前記上縁部と結合しており、前記第2の外側端壁の前記上縁部は前記第2の内側端壁の前記上縁部と結合している、第1及び第2の外側端壁と、
を備える、請求項7に記載の製品包装体。
【請求項11】
前記情報表示体は、
前記凹部の内側に堅固に配置できるような外側寸法を有する矩形部と、
前記矩形部に結合されており、前記矩形部が前記凹部の内側に配置されたときに前記凹部の内側から前記凹部の外側に延びる寸法を有する、第1及び第2の端部タブと、
を備える、請求項8に記載の製品包装体。
【請求項12】
前記第1及び第2の端部タブは、前記第1及び第2の側壁の前記内面の前記台形形状に一致する形状を有する、請求項11に記載の製品包装体。
【請求項13】
箱であって、前記トレイを前記箱内に堅固に配置できるように、前記トレイの外側寸法とほぼ一致する内側寸法を有する箱を更に備える、請求項7に記載の製品包装体。
【請求項14】
前記箱は上部及び下部を更に備え、前記上部は前記下部上に配置されるカバーを形成し、それによって前記トレイの周囲に筐体を形成する、請求項13に記載の製品包装体。
【請求項15】
前記トレイの前記上面は柔軟な材料の層で覆われている、請求項7に記載の製品包装体。
【請求項16】
前記第1及び第2の側壁の少なくとも一方はその中に画成された少なくとも1つの溝を備え、前記溝は取り外し手段を受けることができる、請求項7に記載の製品包装体。
【請求項17】
前記第1及び第2の端壁の少なくとも一方は、前記第1及び第2の端壁の少なくとも一方の前記外面の中に画成された1又は複数の窪みを備える、請求項7に記載の製品包装体。
【請求項18】
前記情報表示体は折り畳み可能な材料で構成されている、請求項8に記載の製品包装体。
【請求項19】
前記第1及び第2の側壁は、1又は複数の突出する稜線部を更に備える、請求項7に記載の製品包装体。
【請求項20】
前記機器はライターである、請求項7に記載の製品包装体。
【請求項21】
機器を保管又は表示することができる製品包装体において、
トレイであって、
上面と、
前記機器を受ける前記トレイ内に画成されており、凹床面を有する第1の凹部と、
前記トレイ内に画成されており、前記第1の凹部の前記凹床面内に画成された更なる凹領域と、前記トレイの前記上面内に画成された第1及び第2の凹面領域と、を備える、第2の凹部と、
折り畳み部と前記折り畳み部に結合されたフラップ部とを備える情報表示体であって、前記情報表示体の前記折り畳み部は前記第2の凹部の前記更なる凹領域の内側にフィットする寸法を有し、前記情報表示体の前記フラップ部は前記トレイの前記凹面領域の内側にフィットする寸法を有する、情報表示体と、
を備えるトレイを備える、製品包装体。
【請求項22】
前記トレイは1又は複数の内壁を更に備える、請求項21に記載の製品包装体。
【請求項23】
前記トレイは1又は複数の外壁を更に備える、請求項21に記載の製品包装体。
【請求項24】
箱であって、前記トレイを前記箱内に堅固に配置できるように、前記トレイの外側寸法とほぼ一致する内側寸法を有する箱を備える、請求項21に記載の製品包装体。
【請求項25】
前記箱は上部及び下部を更に備え、前記上部は前記下部上に配置されるカバーを形成し、それによって前記トレイの周囲に筐体を形成する、請求項24に記載の製品包装体。
【請求項26】
前記トレイの上面は柔軟な材料の層で覆われている、請求項21に記載の製品包装体。
【請求項27】
前記1又は複数の内壁の少なくとも一方はその中に画成された少なくとも1つの溝を含み、前記溝は取り外し手段を受けることができる、請求項22に記載の製品包装体。
【請求項28】
前記情報表示体の前記折り畳み部は、
矩形の凹底部と、
2つの矩形の側部と、
を更に備える、請求項21に記載の製品包装体。
【請求項29】
前記情報表示体の各フラップ部は、
表面タブと、
外側フラップと、
を更に備える、請求項21に記載の製品包装体。
【請求項30】
前記機器はライター又は筆記具である、請求項21に記載の製品包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図8a】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図16a】
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【図17】
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【図18】
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【図18a】
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【公表番号】特表2013−518780(P2013−518780A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552124(P2012−552124)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【国際出願番号】PCT/US2011/023820
【国際公開番号】WO2011/097530
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(508117787)ジッポー マニファクチャリング カンパニー (3)
【Fターム(参考)】