説明

製袋充填機

【課題】連続式の製袋充填機において各種長さを有する製品袋及びヘッダを同一の包装材により連設した連包袋からなる包装品を得る。
【解決手段】連続して搬送される筒状フィルム13に対し所定間隔毎にエンドシール2を施して、製品袋とヘッダとを一つに連設した連包袋1を得る製袋充填機において、コントローラは、シール動作周期が一定になるようにエンドシール機構7を駆動制御するとともに、データ入力手段で入力された製品袋の設定個数と製品袋及びヘッダの設定長さとに関する設定長さの差に応じて、製品袋の設定長さとヘッダの設定長さとのうち一方を基準長さとし、その基準長さから得られるフィルム13の搬送速度を基準搬送速度とし、他方の長さに対応するフィルム13の搬送速度を基準搬送速度に対して変速するようにフィルム送り機構6を駆動制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば縦形製袋充填機などにおいて、物品を充填した複数の製品袋に空袋からなるヘッダを連設した連包袋を製造する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の縦形製袋充填機(例えば下記特許文献1等参照)においては、フィルムロールから繰り出された帯状フィルムを製袋した筒状フィルムが下方へ間欠的に搬送され、その筒状フィルムの搬送を停止させた状態で、その筒状フィルムに対し長手方向の縦シールが施されるとともに、その筒状フィルムの搬送方向と交差する方向にエンドシールされた袋部の上方の開放部から菓子類等のばら物食品などからなる物品が所定量単位で供給され、その袋部の開放部に対し一対のエンドシールとそれらの間のミシン目とが施される。この動作を複数回繰り返すと、搬送方向で所定間隔毎に形成された各エンドシール間に物品が充填された複数の製品袋が連設される。その後、物品供給装置による物品の供給を休止して筒状フィルムをヘッダ長さだけ搬送した後にその搬送を停止させた状態で、その袋部の開放部に対し一対のエンドシールが施されるとともに、そのエンドシール間において切断される。従って、製品袋の搬送方向最終端側にヘッダを連続させた連包袋を同一包装材により製造することができる。
【0003】
このような間欠式の縦形製袋充填機においては、筒状フィルムの搬送停止期間に合わせてエンドシール並びにミシン目の形成または切断等の動作を夫々独立して行えるようになっている。
【0004】
上記した間欠式の製袋充填機に対して、筒状フィルムが連続して搬送される際に筒状フィルムに所定間隔毎にエンドシールを施す連続式の製袋充填機も知られている。
このような連続式の製袋充填機においては、筒状フィルムの送り機構やエンドシール機構をそれぞれサーボモータ等の可変速モータで駆動するようにしており、筒状フィルムの搬送に合わせて所定のタイミングでエンドシールが施されるようにそれらの可変速モータを同期駆動させるようにしている。
【特許文献1】特許第2798601号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような各可変速モータを同期駆動させる連続式の製袋充填機に、前述の間欠作動式による製袋充填機での連包袋製造に係る各作動機構の駆動制御方式を適用し得ない。
【0006】
この発明は、連続式の製袋充填機において各種長さを有する製品袋及びヘッダを同一の包装材により連設した連包袋を製造することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
後記実施形態の図面(図1〜6)の符号を援用して本発明を説明する。
請求項1の発明にかかる製袋充填機は、フィルム送り機構6により連続して搬送される筒状フィルム13に対しその搬送方向Xと交差する方向へ所定間隔毎にエンドシール機構7によりエンドシールを施して、物品が充填された複数の製品袋P1〜P5の一端に空袋となるヘッダHを連設した連包袋1からなる包装品を得ることができ、前記製品袋P1〜P5の個数と前記製品袋P1〜P5及びヘッダHの長さLP1〜LP5,LHとに関するデータを入力するデータ入力手段25と、下記の制御手段(コントローラ24)とを備えている。この制御手段24においては、前記エンドシール機構7によるシール動作周期が一定になるようにエンドシール機構7の駆動手段21,22を駆動制御するとともに、前記データ入力手段25からの入力データに基づき得られる製品袋P1〜P5とヘッダHとの設定長さLP1〜LP5,LHの差に応じて、製品袋P1〜P5とヘッダHとのうち一方の設定長さLP1〜LP5,LHを基準長さとし、その基準長さから得られるフィルム13の基準搬送速度V0に対し、製品袋P1〜P5とヘッダHとの他方の設定長さLP1〜LP5,LHに対応するフィルム搬送速度Vを変速するようにフィルム送り機構6の駆動手段17を駆動制御する。従って、フィルム13を連続搬送する製袋充填機において製品袋P1〜P5とヘッダHとが所望の長さLP1〜LP5,LHに設定された連包袋1を得ることができる。
【0008】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明において、前記制御手段24は、前記エンドシール機構7の筒状フィルム13に対するエンドシール時期E以外においてフィルム搬送速度Vを変速するようにフィルム送り機構6の駆動手段17を駆動制御する。製品袋P1〜P5またはヘッダHの長さLP1〜LP5,LHの変化に対して筒状フィルム13を変速した場合でもエンドシール機構7が筒状フィルム13を挟持してエンドシールする時間は変化することがないので、シールに悪影響が及ぶことがない。また、フィルム搬送速度Vを変速してもエンドシール機構7の動作をそれに応じて変更制御する必要がないので、複雑な制御とならず、また駆動手段17の負荷増加を防止できる。
【0009】
請求項2の発明を前提とする請求項3の発明において、前記製品袋P1〜P5とヘッダHとのいずれか一方の長い設定長さLP1〜LP5,LHを基準長さとして前記フィルム13の基準搬送速度Vが設定され、前記制御手段24は、製品袋P1〜P5の設定長さLP1〜LP5とヘッダHの設定長さLHとで短い設定長さLP1〜LP5,LHとなる他方に対応するフィルム搬送速度Vを前記フィルム13の基準搬送速度V0から減速するようにフィルム送り機構6の駆動手段17を駆動制御する。従って、フィルム搬送速度Vは常に低速側に制御されるので、駆動手段17には常に低負荷側に作用して良好な運転ができる。
【0010】
請求項3の発明を前提とする請求項4の発明において、前記ヘッダHよりも長い設定長さLP1〜LP5となる製品袋P1〜P5を基準長さとして前記フィルム13の基準搬送速度V0が設定され、前記制御手段24は、製品袋P1〜P5に対応したフィルム搬送速度Vに対してヘッダHに対応するフィルム13の搬送速度を減速するようにフィルム送り機構6の駆動手段17を駆動制御する。連包袋1の一般的な実施形態では、フィルム消費量の無駄防止や見栄えの問題等からヘッダHの長さLHの方が短く設定され、長い製品袋P1〜P5に対してヘッダHに対するフィルム搬送速度Vを減速するので、請求項3の発明と同様な効果がある。
【0011】
請求項4の発明を前提とする請求項5の発明において、一つに連設する連包袋1は設定長さLP1〜LP5の異なる複数の製品袋P1〜P5を有し、そのうち最大設定長さとなる製品袋P1〜P5を最大設定基準長さとして前記フィルム13の基準搬送速度V0が設定される。常に最も長い袋について基準長さとして設定するので、請求項3の発明と同様な効果がある。
【0012】
請求項4または請求項5の発明を前提とする請求項6の発明において、前記製品袋P1〜P5へ物品供給手段5から供給される物品を検出する物品検出手段19を備え、前記制御手段24は、この物品検出手段19により検出した物品カウント値が前記データ入力手段25で入力された製品袋P1〜P5の設定個数に達した際に物品供給手段5への物品供給要求信号を休止し、ヘッダHの設定長さLHに対応して筒状フィルム13の搬送速度Vを減速するようにフィルム送り機構6の駆動手段17を駆動制御する。物品検出数をカウントするのみの制御とすることで制御を簡単なものとすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、製品袋P1〜P5の設定個数と製品袋P1〜P5及びヘッダHにおける搬送方向Xの設定長さLP1〜LP5,LHとに関する値をデータ入力手段25で入力することで、エンドシール機構7によるシール動作周期を一定にしたまま、筒状フィルム13の搬送速度Vを変速して、製品袋P1〜P5の長さLP1〜LP5やヘッダHの長さLHを簡単に変更することができる。従って、縦形製袋充填機や横形製袋充填機を問わず、フィルム搬送を連続的に行うものにおいて各種長さLP1〜LP5,LHを有する製品袋P1〜P5及びヘッダHを同一の包装材により連設した連包袋1からなる包装品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態として縦形製袋充填機を採用した場合について図面を参照して説明する。
図2は製袋充填機により得られる連包袋1を示し、所定間隔毎に離間して形成されるエンドシール2間に物品が所定量ずつ充填された製品袋(第1製品袋P1、第2製品袋P2、第3製品袋P3、第4製品袋P4、第5製品袋P5)が複数連設されているとともに、その製品袋(第5製品袋P5)の一端にはエンドシール2間に物品が充填されずに空袋となった一つのヘッダHが連設されている。各製品袋(第1製品袋P1と第2製品袋P2、第2製品袋P2と第3製品袋P3、第3製品袋P3と第4製品袋P4、第4製品袋P4と第5製品袋P5)間及び製品袋(第5製品袋P5)とヘッダHとの間に隣接して形成される一対のエンドシール2間にはそれぞれ易切離加工3の不連続な切れ目(主にミシン目等)が施され、連包袋1の始端となる製品袋(第1製品袋P1)と連包袋1の終端となるヘッダHとの各開放端側がそれぞれ切断縁3aとなっている。ヘッダHには連包袋1の販売時等において引掛具に引掛け可能な引掛孔4(例えば円弧状の切込み線を入れたもの)が形成されている。各製品袋P1〜P5の長さ(第1製品袋P1で切断縁3aと易切離加工3との間の長さLP1、第2製品袋P2から第5製品袋P5については易切離加工3の形成ピッチLP2,LP3,LP4,LP5)はそれぞれ同一寸法に設定されている。また、ヘッダHの長さ(切断縁3aと切断可能線3との間の長さLH)は各製品袋P1〜P5の長さLP1〜LP5よりも短い寸法に設定されている。連包袋1の全長Lは各製品袋P1〜P5の長さLP1〜LP5の和LP(各製品袋の全長)にヘッダHの長さLHを加えたものである。
【0015】
このような連包袋1からなる包装品を製造する縦形製袋充填機においては、図1(a)(b)で概略的に示すように、物品供給手段5と、フィルム送り機構6と、エンドシ−ル機構7と、帯状フィルム10をフィルム供給源から移送するフィルム引出し機構8との夫々が設けられている。
【0016】
前記フィルム引出し機構8では、フィルム供給源であるフィルムロール9から繰り出された帯状フィルム10が複数のガイドローラに巻掛け案内されて製袋手段12に至る。製袋手段12までに至る帯状フィルム10の引出し経路にはレジマーク検出手段11が配設される。この帯状フィルム10には、使用するフィルムに商品名その他のデザインをヘッダHや製品袋P1〜P5に施した印刷フィルムが採用されるのに対応して、図3(a)に示すように、レジマーク10aが前記連包袋1の全長Lの間隔に対応したピッチで印刷されている。このレジマーク検出手段11はこのレジマーク10aを検出するマークセンサ11aを備えている。
【0017】
前記フィルム送り機構6では、この製袋手段12により得られた筒状フィルム13が案内筒14の外周に巻かれて下方へ案内され、その案内筒14の外周で、筒状フィルム13が一対の送りベルト15により吸引保持されて下方へ連続的に搬送されるとともに、筒状フィルム13の搬送方向Xの重合両縁部がセンターシーラ16より連続的にシールされる。この一対の送りベルト15は第一の駆動手段としての第一可変速モータ17(サーボモータ)により回転駆動する。
【0018】
前記物品供給手段5における組合せ式はかり等からなる計量手段18から案内筒14に向けて投入された物品が物品検出手段19における光電センサ等からなる物品センサ19aにより検出される。
【0019】
前記エンドシ−ル機構7は、案内筒14の下方において一対のエンドシ−ラ20が互いに開閉するとともに昇降するように構成されており、両エンドシ−ラ20が下降しながら互いに閉じて筒状フィルム13を挟持し、その挟持状態で前記フィルム送り機構6による筒状フィルム13の搬送速度Vと同じ速度で下降して筒状フィルム13にエンドシ−ル2を施した後互いに開き、両エンドシ−ラ20がその最下降位置において相互に最も離間するように開いた状態となって最上昇位置に向けて移動する。この両エンドシ−ラ20は、第二の駆動手段としての第二可変速モータ21(サーボモータ)により開閉し、第三の駆動手段としての第三可変速モータ22(サーボモータ)により昇降する。このエンドシ−ル機構7においては、両エンドシ−ラ20の挟持状態で、前記各易切離加工3(ミシン目等)の形成と切断とをその突出量を変化させることで行い得るカッター(図示せず)がエンドシ−ラ20に内装されているとともに、前記引掛孔4をヘッダHに形成するためのナイフとアンビルとからなる切込形成手段23がエンドシ−ラ20の下方位置に取着されている。この切込形成手段23により形成される引掛孔4については、本実施形態のような円弧状の切込み、その他引掛具に応じた各種穴形状に設定されて、また半抜穴とする切込形成に代えて、抜き穴としてもよく、その場合にはエア吸引等により抜き穴屑を回収する切屑回収手段を設けることが好ましい。
【0020】
図4に示すように、制御手段としてのコントローラ24の入力側には前記レジマーク検出手段11のマークセンサ11aと前記物品検出手段19の物品センサ19aとが接続されているとともに、このコントローラ24の出力側には前記フィルム送り機構6の第一可変速モータ17と前記エンドシ−ル機構7の第二可変速モータ21及び第三可変速モータ22とが接続され、そのほかこのコントローラ24の入力側にはデータ入力手段25が接続されている。運転準備操作でこのデータ入力手段25により、包装品種の設定とその包装品種毎に包装機の各種作動機構の動作設定を行うために所定データを入力するとともに、夫々の製品袋P1〜P5が同一長さLP1〜LP5である場合には製品袋P1〜P5の1個あたりの長さLP1〜LP5とその個数とヘッダHの長さLHとを入力する。そのほか、連包袋1の全長LとヘッダHの長さLHと製品袋P1〜P5の個数との組合わせとして入力可能であったり、連包袋1の全長Lと各製品袋P1〜P5の夫々の長さLP1〜LP5とを入力したりしてもよい。このようなヘッダHまたは製品袋P1〜P5の入力を省略した長さについてはその他の入力値によって算出するようにすればよい。各製品袋P1〜P5の長さLP1〜LP5は同一値または相違した値として夫々入力されるものであってもよい。なお、その際の包装品種毎の設定については必要に応じて採用されるものであればよい。それらの入力データはコントローラ24の記憶部で記憶される。なお、データ入力手段25により入力される連包袋1についての種々の長さに関する値は包装品としての実袋長さあるいはその使用フィルム長に関連した数値データを入力するものであるが、その他の適宜数値データ等を入力するようにしてもよい。
【0021】
このような縦形製袋充填機においては、データ入力手段25や物品検出手段19の物品センサ19aやフィルム引出し機構8のレジマーク検出手段11のマークセンサ11aなどからの入力信号に基づき、コントローラ24がフィルム送り機構6の第一可変速モータ17やエンドシ−ル機構7の第二可変速モータ21及び第三可変速モータ22などを駆動制御し、フィルム引出し機構8、フィルム送り機構6及びエンドシ−ル機構7と物品供給手段5とを同期駆動させるとともに連包袋1からなる包装品を得るために図5に示すフローチャートに従って連動制御する。
【0022】
コントローラ24は、ステップS1において、物品供給OK信号を発信して物品供給手段5に物品の投入を要求する。ステップS2において、物品供給手段5から案内筒14に向けて投入された物品を物品検出手段19の物品センサ19aにより検出する。投入された物品は案内筒14を経て予めエンドシ−ルされて上部が開放する筒状フィルム13の袋底部に至るまで落下供給されるとともに、コントローラ24は、その物品検出信号を受けて、ステップS3において、フィルム送り機構6の第一可変速モータ17やエンドシ−ル機構7の第二可変速モータ21及び第三可変速モータ22が一つの製品袋を得るのに必要な駆動信号を出力する。フィルム引出し機構8においてフィルムロール9から引き出された一製品袋分に相当する帯状フィルム10が製袋手段12に向けて繰り出され、フィルム送り機構6の送りベルトによって一製品袋分に対応する長さ分についての筒状フィルム13がエンドシ−ル機構7へ向けて図6に示すフィルム搬送速度V(基準搬送速度V0)で搬送される。この基準搬送速度V0については、データ入力手段25により入力された各製品袋P1〜P5の長さLP1〜LP5に対応したフィルム長さに関するデータと包装処理能力(所定時間当たりの包装数)とに基づき設定される。
【0023】
エンドシ−ル機構7においては、両エンドシ−ラ20が一定のシール動作周期で前述した開閉と昇降とを行って図6に示すシ−ル時期Eについて筒状フィルム13を挟持して該筒状フィルム13の搬送速度Vと同じ速度でその搬送方向Xに向けて移動することにより、筒状フィルム13の搬送方向Xと交差する方向に二条のエンドシール2を施すとともに、その両エンドシール2間において易切離加工3を施す。コントローラ24は、ステップS4において、データ入力手段25で入力した製品袋P1〜P5の数(本実施形態では5個)に対応した物品供給数に達したか否かを物品センサ19aの検出数をカウントして判断し、そのカウント値に達していない場合にステップS1〜S3を繰り返す。従って、製品袋P1〜P5の設定個数に対応するだけの各エンドシール2及び各易切離加工3が連続搬送される筒状フィルム13に所定間隔毎に施され、製品袋P1〜P5内に物品充填されて易切離加工3により連設した複数の製品袋P1〜P5が得られる。なお、製品袋数分の判断に関しては、このような物品センサ19aの検出数のカウントに代えて、例えば、データ入力手段25で入力された各製品袋P1〜P5の長さLP1〜LP5の和LPに対応したフィルム送り量をフィルム送り機構6の第一可変速モータ17であるサーボモータに付設されたエンコーダパルスを積算する等、フィルム送り量から全製品袋P1〜P5のフィルム搬送が終了したか否かを判断すること、あるいはエンドシーラ20の作動回数をカウントする等その他の種々の代替方法を採用することができる。コントローラ24は、ステップS4において物品検出手段19の物品センサ19aにより検出した物品カウント値がデータ入力手段25で入力された製品袋P1〜P5の設定個数に達したと判断した場合に、ステップS5において物品供給手段5への物品供給要求信号を休止する。従って、物品供給手段5から筒状フィルム13への物品の供給が停止される。
【0024】
次に、コントローラ24は、ステップS6において、フィルム送り機構6の第一可変速モータ17の変速制御信号を出力するとともに、エンドシ−ラ20を製品袋P1〜P5と同じ動作周期で昇降動並びに開閉動させるための制御信号を第二可変速モ−タ21と第三可変速モ−タ22との夫々に継続して出力する。また、フィルム送り機構6において筒状フィルム13は、図6に示すエンドシ−ル時期Eの前すなわちエンドシ−ラ20の上昇期間における変速期間Cで製品袋P1〜P5に対して設定された基準搬送速度V0よりも低速となるフィルム搬送速度V(減速度VD)まで減速制御される。すなわち、エンドシ−ル機構7における両エンドシ−ラ20が筒状フィルム13を挟持しているシール時期Eの期間外において筒状フィルム13の搬送速度Vは減速制御され、またその時のエンドシ−ル機構7の動作周期は製品袋P1〜P5と同じ動作周期に設定されているので、製品袋P1〜P5よりも短い長さLHのヘッダHとなる空袋を得ることができる。このようにエンドシ−ル時期E以外に筒状フィルム13の変速が行われるので、筒状フィルム13を挟持して筒状フィルム13の搬送方向Xに向けて移動する両エンドシ−ラ20の速度(本実施形態では下降速度)を筒状フィルム13の変速に合わせて変化させる必要がなく、制御が複雑にならず、またシール時間を一定に保つことができる。前記減速度VDについては、互いに同一である各製品袋P1〜P5の長さLP1〜LP5に対応してデータ入力手段25により入力された設定長さデータと、ヘッダHの長さLHに対応してデータ入力手段25により入力された設定長さデータとの差に応じて得ることができる。前記フィルム送り機構6が前記の如く駆動制御され、またエンドシ−ル機構7の第二可変速モ−タ21と第三可変速モ−タ22との夫々が制御されてエンドシ−ラ20の開閉と昇降とが一往復動されることで、ヘッダHに対応するエンドシール2が筒状フィルム13に施されるとともに、切込形成手段23のパンチングナイフが突出するように作動して引掛孔4も施される。また、両エンドシ−ラ20により形成される二条のエンドシ−ル2の離間する中央部がカッターの作動により切断されて5個の製品袋P1〜P5とヘッダHとが連設した連包袋1を得ることができる。
【0025】
この実施形態にかかる連包袋1は同一長さLP1〜LP5の各製品袋P1〜P5とそれよりも短い長さLHに設定された空袋で形成された一つのヘッダHとからなり、各製品袋P1〜P5の長さLP1〜LP5を基準にして前記筒状フィルム13の搬送速度V(基準搬送速度V0)を設定している。この連包袋1については、各製品袋P1〜P5の長さLP1〜LP5を互いに異なるものにしてそれらの製品袋P1〜P5の長さLP1〜LP5やヘッダHの長さLHを変更することもできる。その際、基準搬送速度V0の設定の基準となる基準長さを複数の製品袋P1〜P5またはヘッダHとのいずれかより任意に決定し、その基準長さとの差に応じて前記筒状フィルム13の搬送速度Vを増減するように設定する。そして、基準長さよりも短い場合には減速し、基準長さよりも長い場合に増速するようにすればよい。例えば、各製品袋P1〜P5の長さLP1〜LP5が互いに異なる場合には最大長さの袋を基準長さとして筒状フィルム13の搬送速度Vを基準搬送速度V0に設定することが好ましい。
【0026】
本実施形態では、データ入力手段25により各製品袋P1〜P5の設定個数と各製品袋P1〜P5及びヘッダHの設定長さLP1〜LP5,LHとに関するデータをデータ入力
手段25により入力すれば、コントローラ24がフィルム送り機構6の第一可変速モータ17やエンドシール機構7の第二可変速モータ21及び第三可変速モータ22を駆動制御し、エンドシール機構7の両エンドシ−ラ20によるシール動作周期を一定にしたまま、各製品袋P1〜P5及びヘッダHの設定長さLP1〜LP5,LHに応じてフィルム送り機構6で筒状フィルム13の搬送速度Vを変速(減速または増速)して、各製品袋P1〜P5の長さLP1〜LP5やヘッダHの長さLHを簡単に変更することができる。従って、各種長さLP1〜LP5,LHを有する製品袋P1〜P5及びヘッダHを同一の包装材により連設した連包袋1を容易に得ることができる。
【0027】
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ 前記実施形態では、帯状フィルム10にレジマーク10aを連包袋1の全長Lに対応した間隔で印刷してこのレジマーク10aをレジマーク検出手段11のマークセンサ11aにより検出し、そのマークセンサ11aからのレジマーク検出信号に基づき、筒状フィルムの搬送速度Vを増減補正する等の公知の各種方式によって印刷模様合せ制御するものである。これに代えて、図3(b)に示すように、帯状フィルム10の幅の一側方に設けたレジマーク10a以外に、他側方に複数の製品袋毎のレジマーク10bを各製品袋P1〜P5の長さLP1〜LP5に対応した間隔で印刷して各製品袋毎のレジマーク10bをレジマーク検出手段11のマークセンサ11bにより検出し、それらのマークセンサ11a,11bからのレジマーク検出信号に基づき、ヘッダHと製品袋P1〜P5との夫々において前記と同様に印刷模様合せ制御するようにしてもよい。また、図3(c)に示すように、帯状フィルム10の一側方に設けた前記レジマーク10aにヘッダHの長さLHに対応した間隔分互いに離間した位置でレジマーク10bを印刷して一つの連包袋1について前記ヘッダHと複数の製品袋P1〜P5の全長との2回の印刷模様合せ制御するようにしてもよい。このように一つの連包袋1について複数回の印刷模様合せを行うことにより、印刷模様合せを精度良く行うことができる。
【0028】
・ 前記実施形態では縦形製袋充填機に適用する場合で例示したが、横形製袋充填機において物品供給コンベヤにより物品を所定間隔ごとに供給する際にヘッダに対する物品の供給を休止してから空袋を得るようにすれば、本発明を横形製袋充填機にも適用することができる。
【0029】
・ 前記実施形態のエンドシ−ル機構7では両エンドシ−ラ20が第二可変速モータ21により開閉するとともに第三可変速モータ22により昇降させるようにしたが、その開閉と昇降とを一つのモータにより行う方式や、位置固定された一対の回転軸に夫々エンドシーラを設けた回転シール方式、あるいはシール体を開閉する駆動手段として第二可変速モータ21からなるサーボモータをエアシリンダ等のリニアアクチュエータにより駆動する方式等、フィルムの連続搬送中にエンドシ−ルを施し得る公知の各種方式を採用可能である。
【0030】
・ 前記実施形態では各製品袋P1〜P5やヘッダHを互いに区画する部分に易切離加工3としてミシン目を形成しているが、その区画部分にノッチ等の切込みを形成する易切離加工3と切断容易な材質や処理が施された筒状フィルム13との組合わせとにより切離し可能にしてもよい。また、必要に応じてこのような易切離加工3を省略してもよい。
【0031】
・ 前記実施形態ではヘッダHに引掛孔4を形成する切込形成手段23設けているが、ヘッド部を吊り下げて販売しない等など引掛孔4の要否その他必要に応じてこのような切込形成手段23を省略してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(a)は本実施形態にかかる縦形製袋充填機を概略的に示す正面図であり、(b)は同じく概略的に示す側面図である。
【図2】上記縦形製袋充填機により製造される連包袋を示す斜視図である。
【図3】(a)は上記縦形製袋充填機における帯状フィルム送り機構のレジマーク検出手段の一例を示す斜視図であり、(b)(c)はそれぞれこのレジマーク検出手段の別例を示す斜視図である。
【図4】上記縦形製袋充填機における概略的電気ブロック回路図である。
【図5】上記縦形製袋充填機におけるフローチャートである。
【図6】上記縦形製袋充填機におけるタイムチャートである。
【符号の説明】
【0033】
1…連包袋、2…エンドシール,5…物品供給手段、6…フィルム送り機構、7…エンドシール機構、13…筒状フィルム、17…フィルム送り機構の駆動手段としての第一可変速モータ、19…物品検出手段、21…エンドシール機構の駆動手段としての第二可変速モータ、22…エンドシール機構の駆動手段としての第三可変速モータ、24…制御手段としてのコントローラ、25…データ入力手段、P1〜P5…製品袋、LP1〜LP5…製品袋の長さ、H…ヘッダ、LH…ヘッダの長さ、E…エンドシール機構のシール時期、C…変速期間、V…筒状フィルムの搬送速度、V0…筒状フィルムの基準搬送速度、VD…筒状フィルムの減速度、X…筒状フィルムの搬送方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム送り機構により連続して搬送される筒状フィルムに対しその搬送方向と交差する方向へ所定間隔毎にエンドシール機構によりエンドシールを施して、物品が充填された複数の製品袋の一端に空袋となるヘッダを連設した連包袋からなる包装品を得る製袋充填機において、
前記製品袋の個数と前記製品袋及びヘッダの長さとに関するデータを入力するデータ入力手段と、
前記エンドシール機構によるシール動作周期が一定になるようにエンドシール機構の駆動手段を駆動制御するとともに、前記データ入力手段からの入力データに基づき得られる製品袋とヘッダとの設定長さの差に応じて、製品袋とヘッダとのうち一方の設定長さを基準長さとし、その基準長さから得られるフィルムの基準搬送速度に対し、製品袋とヘッダとの他方の設定長さに対応するフィルム搬送速度を変速するようにフィルム送り機構の駆動手段を駆動制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする製袋充填機。
【請求項2】
前記制御手段は、前記エンドシール機構の筒状フィルムに対するエンドシール時期以外においてフィルム搬送速度を変速するようにフィルム送り機構の駆動手段を駆動制御することを特徴とする請求項1に記載の製袋充填機。
【請求項3】
前記製品袋とヘッダとのいずれか一方の長い設定長さを基準長さとして前記フィルムの基準搬送速度が設定され、
前記制御手段は、製品袋の設定長さとヘッダの設定長さとで短い設定長さとなる他方に対応するフィルム搬送速度を前記フィルムの基準搬送速度から減速するようにフィルム送り機構の駆動手段を駆動制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の製袋充填機。
【請求項4】
前記ヘッダよりも長い設定長さとなる製品袋を基準長さとして前記フィルムの基準搬送速度が設定され、
前記制御手段は、製品袋に対応したフィルム搬送速度に対してヘッダに対応するフィルムの搬送速度を減速するようにフィルム送り機構の駆動手段を駆動制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の製袋充填機。
【請求項5】
一つに連設する連包袋は設定長さの異なる複数の製品袋を有し、そのうち最大設定長さとなる製品袋を基準長さとして前記フィルムの基準搬送速度が設定されることを特徴とする請求項4に記載の製袋充填機。
【請求項6】
前記製品袋へ物品供給手段から供給される物品を検出する物品検出手段を備え、前記制御手段は、この物品検出手段により検出した物品カウント値が前記データ入力手段で入力された製品袋の設定個数に達した際に物品供給手段への物品供給要求信号を休止し、ヘッダの設定長さに対応して筒状フィルムの搬送速度を減速するようにフィルム送り機構の駆動手段を駆動制御することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の製袋充填機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−83894(P2009−83894A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−254862(P2007−254862)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】