説明

製造制御システム

【課題】技術的専門性の異なる業務領域の業務や知識を連携、結合し、プロセス制御に関わる機能が効果的に相互動作する方法を提供する。
【解決手段】第1の業務モジュールと、第2の業務モジュールは異なる業務領域業務領域で共用する業務機能部品呼出部を介して、業務機能部品や、他の業務モジュールを呼び出し、業務の一部を移譲する。この際、業務機能部品呼び出し付帯情報を呼び出し先に送付する。業務を委譲された業務機能部品、他の業務モジュールは結果を委譲先に返送する。この結果を受け、第1の業務モジュールは業務機能部品呼び出し付帯情報を更新し、次の処理に関わる業務機能部品を呼び出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造制御業務、特に製造制御業務に関わる複数の業務分野の知識を統合し、業務を連携させる製造制御業務に関する。
【背景技術】
【0002】
製造制御分野の従来技術の内、一例として半導体装置の製造のプロセス制御分野における一例として、SEMIスタンダードE133(非特許文献1)が存在する。このSEMIスタンダードE133では、以下を目的として、各機能あるいは各機能と外部とのインターフェース仕様を定義する。
【0003】
「R2R制御(R2R:実処理間制御)、フォルトディテクション(FD:障害検出)、フォルトクラシフィケーション(FC:障害分類)、フォルトプレディクション(FP:障害予測)、統計プロセス管理手法(SPC)等のプロセス制御システム(PCS)の統合実装を現状、並びに将来の工場側で効果的に設置するには、プロセス制御システムのインターフェースを規定することが必要である。これは、(1)上記の機能間で、(2)依存関係のある上記以外の工場内のシステム(装置データ収集系を含む)が効果的に相互動作し、データを共有することを可能にするためである。」(SEMI−JE133−00−1109Nより引用)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】SEMIスタンダード SEMI−JE133−00−1109N
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、非特許文献1においては、プロセス制御システムの機能間の相互動作を実現するための具体的な方法が必要であるが、上記スタンダードは、機能間のインターフェースについては規定しているが、機能間の相互動作の具体的な実現方法は規定していない。
【0006】
また、製造制御業務に関わる業務間において、相互の機能連動や相互の情報交換といった相互動作を実現する具体的な方法を明らかにする必要がある。
【0007】
特に半導体装置の製造においては、プロセス制御と言っても、回路の設計・調整、プロセスの設計・調整、装置の設計・調整、製品の処理条件の調整などのそれぞれの業務において、それぞれ原理の異なる技術的な専門性が必要となる。これらを俯瞰して調整を実施することは現実的には難しい。
【0008】
本発明の目的は、技術的専門性の異なる業務領域の業務や知識を連携、結合し、プロセス制御に関わる機能が効果的に相互動作する方法を提供することにある。
【0009】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
【0011】
本発明の代表的な実施の形態に関わる製造制御システムは、第1の業務領域に含まれる第1の業務モジュールと、第2の業務領域に含まれる第2の業務モジュールと、業務機能部品呼出部と、を含み、第1の業務モジュールと第2の業務モジュールは自身の処理を実行する際に、前記業務機能部品呼出部を介して必要な業務機能部品を呼び出すことを特徴とする。
【0012】
この製造制御システムにおいて、第1の業務モジュールは業務機能部品呼出部を介して第2の業務モジュールを呼び出すことを特徴としても良い。
【0013】
この製造制御システムにおいて、第1の業務モジュールが必要な業務機能部品を呼び出す方法と、第1の業務モジュールが前記第2の業務モジュールを呼び出す方法が、共通のフォーマットで行われることを特徴としても良い。
【0014】
この製造制御システムにおいて、第1の業務モジュールまたは第2の業務モジュールの呼び出し時に、業務呼び出し付帯情報を業務機能部品呼出部に送出し、業務機能部品呼出部は受信した業務呼び出し付帯情報に基づき必要な業務機能部品を呼び出すことを特徴としても良い。
【0015】
この製造制御システムにおいて、第2の業務モジュール及び必要な業務機能部品は実行結果を前記第1の業務モジュールに返送し、第1の業務モジュールは業務呼び出し付帯情報を更新し、第1の業務モジュールは更新後の業務呼び出し付帯情報を業務機能部品呼出部に出力することを特徴としても良い。
【0016】
この製造制御システムにおいて、さらに業務呼出部を有し、使用される装置などの状態の変化、工程の進捗などに基づき業務呼出部が第1の業務モジュールを起動することを特徴としても良い。
【0017】
この製造制御システムにおいて、第1の業務モジュールの起動時に業務呼出部がウェハ付帯情報を第1の業務モジュールに出力し、第1の業務モジュールはウェハ付帯情報に基づき業務呼び出し付帯情報を生成することを特徴としても良い。
【0018】
この製造制御システムにおいて、業務呼び出し付帯情報生成時に包括的業務情報を利用することを特徴としても良い。
【発明の効果】
【0019】
本発明に関わる製造制御システムを用いる事で、業務ドメインの共通ヘッダとして振舞う業務機能部品呼出部を介して、情報の授受・共有することが可能となる。
【0020】
本発明に関わる製造制御システムを用いる事で、ある処理条件決定業務が別のウェハ監視業務を呼び出し、ウェハ監視業務が結果を処理条件決定業務に返送するように、業務の一部委譲監査を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施の形態に基づく半導体プロセス業務の一部の業務を実施するシステムの例を示す概念図である。
【図2】業務呼出部が生成するウェハ付帯情報についての概念図である。
【図3】処理条件決定業務に対して出力する業務呼び出し付帯情報についての概念図である。
【図4】本発明に関わる業務間での業務の一部委譲監査を行う処理の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明する。しかし、特に明示した場合を除き、それは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部又は全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものでなく、特定の数以上でも以下でも良い。
【0023】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合を除き、必ずしも必須のものでないことは言うまでもない。
【0024】
以下、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に基づく半導体プロセス業務の一部の業務を実施するシステムの例を示す概念図である。
【0026】
本図に関わる半導体プロセス業務は、製品品質管理業務領域10と装置品質管理業務領域20の2つの業務領域に区分される。
【0027】
製品品質管理業務領域10は、製品の品質を計測、維持、向上する業務領域である。製品品質管理業務領域10内には、処理条件決定業務210、ウェハ監視業務220、業務機能部品呼出部400が含まれる。
【0028】
処理条件決定業務210は、半導体製造ラインにおいてウェハの処理条件を決定する業務ならびに該業務を遂行するモジュールである。この際、処理条件決定業務210は、自身が有する処理条件決定業務の業務手順110に従って処理を行う。
【0029】
半導体製造のプロセス加工工程では、あるウェハのある工程における処理条件を、当該工程よりも上流のプロセス加工工程において該ウェハに施された処理の結果により決定することがある。また、当該工程において、該ウェハを加工するプロセス加工装置の状態により、処理を決定することもある。さらには該ウェハに施された処理の結果と当該工程において該ウェハを加工するプロセス加工装置の状態の両方により処理条件を決定することもある(分岐の判断)。
【0030】
処理条件決定業務210における、上記処理条件の決定の基本的な考え方を以下に示す。処理条件は、目標加工量とプロセス加工装置の加工性能の比率に基づき算定される。目標加工量は、各工程における処理について定義した工程フローマスタ上にあらかじめ登録される当該工程の処理完了後の目標ウェハ状態と、現時点のウェハ状態の差異に基づき算定される。さらに、現時点のウェハ状態はウェハ監視業務により把握される。プロセス加工装置の加工性能は、装置監視業務により算定される。
【0031】
従って、ウェハの処理条件を算定する際に、処理条件決定業務210とウェハ監視業務220と装置監視業務230は、相互に連動する必要がある。
【0032】
ウェハ監視業務220は、半導体製造ラインにおいてウェハに施された処理によりウェハがどのような状態になったかを監視する業務並び該業務を遂行するモジュールである。ウェハ監視業務230は、プロセスの加工工程と検査工程の一方、もしくは両方からウェハ状態確認データ収集を行い、データ加工をすることでウェハに施された処理を算出する。算出した結果は、状態判断を行い、異常と判断されれば基準外の処置を行うこともある。
【0033】
装置品質管理業務領域20は、装置の品質を計測、維持、向上する業務領域である。ここでは装置品質管理業務領域20で求められる技術的専門性は製品品質管理業務領域10で求められる技術的専門性と異なるものであるとする。装置品質管理業務領域20内には装置監視業務230が含まれる。
【0034】
装置監視業務230は、半導体製造ラインにおいてウェハに処理を施すプロセス加工性能を監視する業務ならびに該業務を遂行するモジュールである。装置監視業務230は装置監視業務の業務手順130を有し、これに従って、業務機能部品呼出部400を介して業務機能部品を呼び出すこととなる。
【0035】
業務機能部品呼出部400は、処理条件決定業務210及びウェハ監視業務220の下位に当たる関数等の処理の呼び出しを行う業務モジュールである。業務機能部品呼出部400は、製品品質管理業務領域10の処理条件決定業務210、ウェハ監視業務220だけでなく装置品質管理業務領域20内の装置監視業務230や図示しない他のモジュールからも呼び出される汎用業務モジュールである。呼び出しを受けた業務機能部品呼出部400がどのような処理を行うかは後述する。
【0036】
業務機能部品11、13、15、16、21、22、23、24、25、31、32、33、34、35は、業務機能部品呼出部400からの呼び出しに応じて処理を実行する単機能モジュールである。処理条件決定業務210のように全ての処理に対して業務機能部品が割り当てられるわけではない。例えば処理条件決定業務210が行う現時点のウェハ状態把握112の場合には、呼び出すのはウェハ監視業務220となる。従ってこの処理のためには、独立した業務機能部品は存在しない。
【0037】
起動信号500は、所定の処理を要求された所定の上位モジュールが定められた処理を本システムに要求するためのトリガ信号である。
【0038】
処理条件問い合わせ900によって生じる起動信号500の入力をトリガとして、業務呼出部600は、業務呼び出しマスタ710を呼びに出し、その結果呼び出す業務についての情報を取得し、適切な処理条件決定業務210を起動する。
【0039】
包括的業務情報700は、製品品質管理業務領域10と装置品質管理業務領域20で行われる業務に必要な情報の群である。
【0040】
包括的業務情報700には、業務呼び出しマスタ710、業務機能部品呼び出しマスタ720、工程フローマスタ730が含まれる。
【0041】
業務呼び出しマスタ710は、業務呼出部600の問い合わせに応じて呼び出す製品品質管理業務領域10についての情報を提供するためのマスタモジュールである。
【0042】
業務機能部品呼び出しマスタ720は、業務機能部品呼出部400からの問い合わせに従って、呼び出す業務機能部品についての情報を提供するマスタモジュールである。
【0043】
工程フローマスタ730は、業務機能部品呼び出しマスタ720ないし、各業務機能部品から対応する業務に関する情報を提供するためのマスタモジュールである。具体例としては、図1では業務機能部品11が工程フローマスタ730に対して、各工程における処理完了後の目標ウェハ状態を参照している。
【0044】
処理条件問い合わせ900は、外部のモジュール(例えば業務ドメイン所属者が用いる端末)から当該システムに対して発せられる処理実行要求信号である。
【0045】
次に上記の個別要素の説明を踏まえ、全体の処理の流れを説明する。
【0046】
処理条件問い合わせ900により、起動信号500が生成される。さらに起動信号500により、業務呼出部600が起動される。
【0047】
起動信号500を受信した業務呼出部600は、業務呼び出しマスタ710を参照して呼び出す業務に付いての情報を取得する。業務呼び出しマスタ710を参照する際に、業務呼出部600はウェハの付帯情報を生成する。図2は、業務呼出部600が生成するウェハ付帯情報についての概念図である。
【0048】
呼び出す業務についての情報を取得すると、業務呼出部600は、処理条件決定業務210を呼び出すに先立ち、業務呼び出し付帯情報を作成する。図3は、処理条件決定業務210に対して出力する業務呼び出し付帯情報についての概念図である。図2と図3を対比しても明らかな通り、ウェハ付帯情報にいくつかの情報を追加することで業務呼び出し付帯情報となっている。しかし、ウェハ付帯情報に存在しても、業務呼び出し付帯情報には不要な情報が存在する場合には業務呼出部600が削除しても良い。
【0049】
業務呼出部600から呼び出され図3の業務呼び出し付帯情報を受信した処理条件決定業務210は、自身の有する処理条件決定業務の業務手順110に従って、最初の業務機能部品11を呼び出す。図1では、目標ウェハ状態取得111が処理条件決定業務210の最初の処理であり、最初の業務機能部品11は当該工程処理完了後の目標ウェハ状態731の取得になると思われる。
【0050】
この業務機能部品11の呼び出しに際し、処理条件決定業務210は業務機能部品呼出部400に対して図3の業務呼び出し付帯情報を出力する。業務呼び出し付帯情報を受け取った業務機能部品呼出部400は、包括的業務情報700内の業務機能部品呼び出しマスタ720を参照し、呼び出す業務機能部品(ここでは業務機能部品11)についての情報を取得する。
【0051】
業務機能部品呼出部400が業務機能部品呼び出しマスタ720を参照する際には、当該工程処理完了後の目標ウェハ状態取得111から与えられた業務機能部品呼び出し付帯情報を用い、適切な業務機能部品についての情報を取得する。具体的には、1)処理条件決定業務210から送信された業務呼び出し付帯情報を業務機能部品呼出部400に送信し、2)業務機能部品呼出部400は受け取った業務呼び出し付帯情報から業務機能部品呼び出しマスタ720の呼び出す業務機能部品を特定し、3)特定した業務機能部品を業務機能部品呼出部400が起動し、4)起動した業務機能部品に業務呼び出し付帯情報を送信し、5)起動した業務機能部品は受信した業務呼び出し付帯情報を参照して必要な情報を工程フローマスタ730から取得する等の処理を行う、という手順になる。
【0052】
図1の例では、業務機能部品11は、工程フローマスタ730中の各工程における処理完了後の目標ウェハ状態731を取得する。この結果を業務機能部品呼出部400経由で、処理条件決定業務210に戻すまでが上記の5)となる。これにより図1の処理条件決定業務210の最初の処理である当該工程処理完了後の目標ウェハ状態取得111が完了する。
【0053】
この目標ウェハ状態取得111が完了すると、次の処理である現時点のウェハ状態の取得112に処理条件決定業務210の処理が移行する。
【0054】
処理条件決定業務210は、目標ウェハ状態取得111のとき同様、業務機能部品呼出部400に対して、業務呼び出し付帯情報を送信し、業務機能部品の特定、起動を促す。この際、業務呼び出し付帯情報は目標ウェハ状態取得111の結果から処理条件決定業務210が作製したものを用いることとなる。
【0055】
業務機能部品呼出部400は、業務機能部品呼び出しマスタ720を参照し、呼び出すべき業務機能部品についての情報を取得する。業務機能部品呼出部400が業務機能部品呼び出しマスタ720を参照する際には、現時点のウェハ状態把握112を処理する処理条件決定業務210から与えられた業務機能部品呼び出し付帯情報を用いて、呼び出す業務機能部品「など」についての情報を取得する。図1の場合には、ウェハの状態把握であるため、個別の業務機能部品ではなくウェハ監視業務220が呼び出されることとなる。
【0056】
このように個別の業務機能部品とウェハ監視業務220などを同じように呼び出すためには、業務の呼び出し方と業務機能部品の呼び出し方を揃えておき、さらには、業務呼び出し付帯情報と業務機能部品呼び出し付帯情報を揃えておき、業務機能部品呼出部400が業務手順を呼び出すことを可能とすべきである。
【0057】
呼び出されたウェハ監視業務220は、処理条件決定業務(1)210の例を以って説明したのと同様に作業が順次実施されていき、最後にウェハ状態把握125が実施され、把握されたウェハ状態が追記された業務機能部品呼び出し付帯情報を処理結果とする。そしてこの処理結果を、業務機能部品呼出部400経由で現時点のウェハ状態把握1122を処理する処理条件決定業務210に返送し、業務を完了する。
【0058】
この際、ウェハ監視業務220を定期的に起動しておき、業務機能部品呼出部400から呼び出されたときに、あらかじめ把握しておいたウェハ状態を追記した業務機能部品呼び出し付帯情報を出力として業務機能部品呼出部400に与えることもできる。このとき、ウェハ状態に影響を与える情報の内、更新すべき情報が無いかどうか確認し、更新情報があれば、ウェハ監視業務を実施することもできる。
【0059】
また、上記では処理条件決定業務210からウェハ監視業務220を呼び出すことを説明したが、処理条件決定業務210から装置監視業務230を呼び出すことも可能である。この後同じように、処理条件決定業務210は当該工程目標加工量の算出113から当該工程処理装置処理条件指示116まで逐次処理を行い、処理条件決定業務210を完了する。
【0060】
このように、業務ドメインの共通ヘッダとして振舞う業務機能部品呼出部400を介することで、情報を授受・共有することが可能となる。
【0061】
また上記の、処理条件決定業務210がウェハ監視業務220を呼び出し、ウェハ監視業務220が結果を処理条件決定業務210に返送するように、業務の一部委譲監査を行うことが可能となる。図4は、本発明に関わる業務間での業務の一部委譲監査を行う処理の概念図である。この図を見ても分かるとおり、担当分野間の権限の委譲(業務間での業務の一部委譲監査)や、職務間の権限の委譲(職級間での業務の一部委譲監査)も上記で言う「業務の一部委譲」に含まれる。
【0062】
また、業務機能部品呼出部400の挙動または業務機能部品呼出部400が参照する包括的業務情報700の内容を変更することで、全ての処理に対して変更内容の反映を行うことが可能となり、情報及びソフトウェアの更新を業務ドメインの相違に関わらず一括して行うことが可能となる。
【0063】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、半導体製造工場における製造制御業務、特に製造制御業務に関わる複数の業務分野の知識を統合し、業務を連携させる製造制御業務に適用可能である。
【符号の説明】
【0065】
10…製品品質管理業務領域、20…装置品質管理業務領域、
11、13、15、16、21、22、23、24、25、31、32、33、34、35…業務機能部品、
110…処理条件決定業務の業務手順、
111…当該工程処理完了後の目標ウェハ状態取得、
112…現時点のウェハ状態把握、113…当該工程目標加工量の算出、
114…処理予定加工装置の加工性能算出、
115…当該工程処理装置処理条件算定、116…当該工程処理装置処理条件指示、
120…ウェハ監視業務の業務手順、125…ウェハ状態把握、
130…装置監視業務の業務手順、
210…処理条件決定業務、
220…ウェハ監視業務、230…装置監視業務、
400…業務機能部品呼出部、500…起動信号、600…業務呼出部、
700…包括的業務情報、710…業務呼び出しマスタ、
720…業務機能部品呼び出しマスタ、730…工程フローマスタ、
900…処理条件問い合わせ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の業務領域に含まれる第1の業務モジュールと、
第2の業務領域に含まれる第2の業務モジュールと、
業務機能部品呼出部と、を含む製造制御システムであって、
前記第1の業務モジュールと前記第2の業務モジュールは自身の処理を実行する際に、前記業務機能部品呼出部を介して必要な業務機能部品を呼び出すことを特徴とする製造制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の製造制御システムにおいて、
前記第1の業務モジュールは前記業務機能部品呼出部を介して前記第2の業務モジュールを呼び出すことを特徴とする製造制御システム。
【請求項3】
請求項2に記載の製造制御システムにおいて、
前記第1の業務モジュールが前記必要な業務機能部品を呼び出す方法と、前記第1の業務モジュールが前記第2の業務モジュールを呼び出す方法が、共通のフォーマットで行われることを特徴とする製造制御システム。
【請求項4】
請求項1に記載の製造制御システムにおいて、
前記第1の業務モジュールまたは前記第2の業務モジュールの呼び出し時に、業務呼び出し付帯情報を前記業務機能部品呼出部に送出し、
前記業務機能部品呼出部は受信した前記業務呼び出し付帯情報に基づき前記必要な業務機能部品を呼び出すことを特徴とする製造制御システム。
【請求項5】
請求項4に記載の製造制御システムにおいて、
前記第2の業務モジュール及び前記必要な業務機能部品は実行結果を前記第1の業務モジュールに返送し、
前記第1の業務モジュールは前記業務呼び出し付帯情報を更新し、
前記第1の業務モジュールは前記更新後の業務呼び出し付帯情報を前記業務機能部品呼出部に出力することを特徴とする製造制御システム。
【請求項6】
請求項4に記載の製造制御システムにおいて、
さらに業務呼出部を有し、
使用される装置などの状態の変化、工程の進捗などに基づき前記業務呼出部が前記第1の業務モジュールを起動することを特徴とする製造制御システム。
【請求項7】
請求項6に記載の製造制御システムにおいて、
前記第1の業務モジュールの起動時に前記業務呼出部がウェハ付帯情報を前記第1の業務モジュールに出力し、前記第1の業務モジュールは前記ウェハ付帯情報に基づき前記業務呼び出し付帯情報を生成することを特徴とする製造制御システム。
【請求項8】
請求項7に記載の製造制御システムにおいて、
前記業務呼び出し付帯情報生成時に包括的業務情報を利用することを特徴とする製造制御システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−33313(P2013−33313A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167987(P2011−167987)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「次世代半導体材料・プロセス基盤(MIRAI)プロジェクト」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】