説明

製造方法

【課題】レジスト組成物用の酸発生剤等として用いられる塩の製造方法の提供。
【解決手段】有機塩基の存在下、式(II)


[式中、Q及びQは、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す。]で表される化合物と式(III)


[式中、Zは有機カチオンを表し、Xはアニオンを表す。]で表される塩と水とを反応させる式(I)


で表される塩の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト組成物用の酸発生剤等として用いられる塩の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
式(I)

[式中、Q及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。Zは有機カチオンを表す。]
で示される塩(以下、塩(I)と記載することがある。)の製造方法としては、例えば、下式に示す製造方法が知られている(特許文献1)。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−257078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から知られる上記製造方法では、目的の塩(I)は無機塩(上式の場合はNaCl)との混合物として得られ、それらを分離して十分に満足できる収率で塩(I)のみを取得することは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の発明を含む。
[1]有機塩基の存在下、式(II)

[式中、Q及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
で表される化合物と式(III)

[式中、Zは有機カチオンを表し、Xはアニオンを表す。]
で表される塩と水とを反応させる式(I)

[式中、Q、Q、Y及びZは、それぞれ上記と同じ意味を表す。]
で表される塩の製造方法。
[2]式(III)におけるXが、ハロゲン化物イオン又はRSO(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)である[1]記載の製造方法。
[3]有機塩基が、トリアルキルアミンである[1]又は[2]記載の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の製造方法によれば、従来よりも良好な収率で、無機塩を含まない塩(I)を製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】
上記式(I)及び式(II)中、Q及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。Q1及びQ2としては、トリフルオロメチル基又はフッ素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
【0009】
上記式(I)及び式(II)中、Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基のうち、炭素数1〜6のアルキル基を含む基又は炭素数3〜12の脂環式炭化水素基を含む基が好ましく、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基を含む基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基と炭素数3〜12の脂環式炭化水素基とを含む基がさらに好ましい。
【0010】
上記Yで表される炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子(但し、フッ素原子を除く)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアシル基、グリシジルオキシ基又は−(CH2j−O−CO−Rb1で表される基(式中、Rb1は、炭素数1〜16の炭化水素基を表す。jは、0〜4の整数を表す。)が挙げられる。ここでいう芳香族炭化水素基及びアラルキル基は、アルキル基、ハロゲン原子又はヒドロキシ基等の置換基をさらに有していてもよい。
【0011】
上記Yで表される炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基に含まれる脂環式炭化水素基のうち、かかる置換基を有するものとしては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0012】

【0013】

【0014】
上記Yで表される炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。脂環式炭化水素基を構成するメチレン基が、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わった基としては例えば、環状エーテル基(脂環式炭化水素基を構成するメチレン基の1つ又は2つが酸素原子に置き換わった基)、環状ケトン基(脂環式炭化水素基を構成するメチレン基の1つ又は2つがカルボニル基に置き換わった基)、スルトン環基(脂環式炭化水素基を構成するメチレン基のうち隣り合う2つのメチレン基が、それぞれ、酸素原子及びスルホニル基に置き換わった基)及びラクトン環基(脂環式炭化水素基を構成するメチレン基のうち隣り合う2つのメチレン基が、それぞれ、酸素原子及びカルボニル基に置き換わった基)等が挙げられる。
【0015】
リソグラフィ技術を用いた半導体の微細加工に用いられるレジスト組成物に含まれる酸発生剤としての塩(I)の性能の観点から、上記Yで表される炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基に含まれる脂環式炭化水素基としては、以下の式(Y1)、式(Y2)、式(Y3)、式(Y4)及び式(Y5)のいずれかで表される脂環式炭化水素基が好ましく、これらのうち、式(Y1)、式(Y2)、式(Y3)及び式(Y5)のいずれかで表される脂環式炭化水素基がより好ましく、式(Y1)及び式(Y2)のいずれかで表される脂環式炭化水素基がさらに好ましい。これらの脂環式炭化水素基を構成する水素原子は、上記Yで表される炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基で置換されていてもよく、ヒドロキシ基で置換されていることが好ましい。

(式(Y1)〜式(Y5)中、*は結合手を表す。)
【0016】
リソグラフィ技術を用いた半導体の微細加工に用いられるレジスト組成物に含まれる酸発生剤としての塩(I)の性能の観点から、Yで表される炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基としては、ヒドロキシアダマンチルメチル基が好ましい。
【0017】
上記式(I)及び式(II)において、*−C(Q)(Q)−CO−O−Y[式中、Q、Q及びYは、それぞれ上記と同じ意味を表し、*はSOF又はSOとの結合手を表す。]で表される構造の好適例を具体的に示すと、式(b1−1−1)、式(b1−1−2)、式(b1−1−3)、式(b1−1−4)、式(b1−1−5)、式(b1−1−6)、式(b1−1−7)、式(b1−1−8)及び式(b1−1−9)〔以下、「式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)」のように表記する。〕で表される構造が挙げられる。この式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)のいずれかで表される構造において、Lb1は単結合又は炭素数1〜6のアルキレン基であり、単結合又はメチレン基が好ましい。また、Rb2及びRb3は、それぞれ独立に、上記Yで表される炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基として定義したものであり、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。

【0018】
式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)のいずれかで表される構造を有するスルホン酸アニオン(塩(I)のアニオン部分)の具体例としては、特開2010−204646号公報に記載されているスルホン酸アニオンを挙げることができる。
【0019】
上記*−C(Q)(Q)−CO−O−Y(式中、Q、Q、Y及び*は、それぞれ上記と同じ意味を表す。)で表される構造として、Yが式(Y1)又は式(Y2)で表される脂環式炭化水素基を含む基である具体例を挙げる。Yが無置換の脂環式炭化水素基を含む基である構造としては、以下の式(b1−s−1)〜式(b1−s−9)のいずれかで表される構造が挙げられる。

【0020】
Yがヒドロキシ基を有する脂環式炭化水素基を含む基である構造としては、以下の式(b1−s−10)〜式(b1−s−18)のいずれかで表されるものが挙げられる。

【0021】
Yが環状ケトン基を含む基である構造としては、以下の式(b1−s−19)〜式(b1−s−29)のいずれかで表される構造が挙げられる。

【0022】

【0023】
Yが芳香族炭化水素基を含む基である構造としては、以下の式(b1−s−30)〜式(b1−s−35)のいずれかで表される構造が挙げられる。

【0024】
Yが、前記ラクトン環基又は前記スルホン酸環基を含む基である構造としては、以下の式(b1−s−36)〜式(b1−s−41)のいずれかで表される構造が挙げられる。

【0025】
また、Yがアルキル基である構造としては、以下の式(b1−s−42)で表される構造が挙げられる。

【0026】
上記式(II)で表される化合物(以下、化合物(II)と記載することがある。)としては、上記各構造における*がSOFと結合した構造の化合物が挙げられる。
【0027】
化合物(II)は、例えば、Inorganic Chemistry, 1991, 30(25), 4821-6に記載された方法に準じて合成することができる。
【0028】
また、化合物(II)は、例えば下式(II−a)で表される化合物と下式(II−b)で表される化合物とを、塩基存在下、溶剤中でエステル交換反応させることにより製造することができる。塩基としては、チタニウムイソプロポキシド等が挙げられる。溶媒としては、クロロホルム、n−ヘプタン等が挙げられる。反応温度は、5℃以上、溶剤の沸点以下の範囲が好ましく、20℃以上、溶剤の沸点以下の範囲がより好ましく、溶剤の還流温度条件下がさらに好ましい。式(II−a)で表される化合物の一つであるフルオロスルホニル(ジフルオロ)酢酸メチル(Q及びQが共にフッ素原子)は、市販品として入手可能である。式(II−b)で表される化合物としては、3−ヒドロキシメチルアダマンタン−1−オール等が挙げられ、市販品を用いてもよいし、任意の公知の方法により製造して用いてもよい。

[式中、Q、Q及びYは、それぞれ上記と同じ意味を表す。]
【0029】
さらに、化合物(II)は、例えば下式(J−a)で表される化合物と下式(II−b)で表される化合物とを、酸存在下、溶剤中で脱水反応させることにより製造することもできる。酸としては、硫酸等が挙げられる。溶媒としては、ジクロロエタン、クロロホルム等が挙げられる。反応温度は、5℃以上、溶剤の沸点以下の範囲が好ましく、20℃以上、溶剤の沸点以下の範囲がより好ましく、溶剤の還流温度条件下がさらに好ましい。式(J−a)で表される化合物の一つであるフルオロスルホニル(ジフルオロ)酢酸(Q及びQが共にフッ素原子)は、市販品として入手可能である。

[式中、Q、Q及びYは、それぞれ上記と同じ意味を表す。]
【0030】
上記式(I)及び式(III)中、Zで表される有機カチオンとしては、例えば有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、有機ベンゾチアゾリウムカチオン及び有機ホスホニウムカチオン等の有機オニウムカチオン等が挙げられる。リソグラフィ技術を用いた半導体の微細加工に用いられるレジスト組成物に含まれる酸発生剤としての塩(I)の性能の観点から、これらの中でも、有機スルホニウムカチオン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、以下の式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表されるカチオンがより好ましい。

【0031】
式(b2−1)〜式(b2−4)において、
b4〜Rb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。該アルキル基は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜36のアルキル基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。Rb4、Rb5及びRb6から選ばれる2つが一緒になって、イオウ原子を含む環を形成してもよい。
【0032】
b4、Rb5及びRb6から選ばれる2つが一緒になって形成してもよい環としては、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよく、イオウ原子を1以上含むものであれば、さらに、1以上のイオウ原子及び/又は1以上の酸素原子を含んでいてもよい。該環としては、炭素数3〜18の環が好ましく、炭素数4〜13の環がより好ましい。
【0033】
b7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。m2が2以上である場合、複数のRb7は互いに同一であっても異なってもよく、n2が2以上である場合、複数のRb8は互いに同一であっても異なってもよい。
【0034】
b9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜36のアルキル基又は炭素数3〜36の脂環式炭化水素基を表すか、Rb9とRb10とが互いに結合し、それらがともに結合している硫黄原子とともに3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成するか、している。かかる環を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
b11は、水素原子、炭素数1〜36のアルキル基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、Rb12は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表すか、Rb11とRb12とが互いに結合し、それらがそれぞれ結合している炭素原子とともに、4員環〜12員環(好ましくは4員環〜7員環)を形成するか、している。かかる環を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
b9〜Rb12のうち、アルキル基は、好ましくは炭素数1〜12であり、脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜36、より好ましくは炭素数4〜12である。また、芳香族炭化水素基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数2〜13のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0035】
b13〜Rb18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
b11は、硫黄原子又は酸素原子を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上であるとき、複数のRb13は同一又は異なっていてもよく、p2が2以上であるとき、複数のRb14は同一又は異なっていてもよく、q2が2以上であるとき、複数のRb15は同一又は異なっていてもよく、r2が2以上であるとき、複数のRb16は同一又は異なっていてもよく、s2が2以上であるとき、複数のRb17は同一又は異なっていてもよく、t2が2以上であるとき、複数のRb18は同一又は異なっていてもよい。
【0036】
好ましいアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基又は2−エチルヘキシル基である。
好ましい脂環式炭化水素基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基又はイソボルニル基である。
好ましい芳香族炭化水素基は、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基又はナフチル基である。
芳香族炭化水素基で置換されたアルキル基としては、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。
b9及びRb10とが互いに結合し、それらがともに結合している硫黄原子とともに形成する環としては、例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環、1,4−オキサチアン−4−イウム環等が挙げられる。
b11とRb12とが互いに結合し、それらがそれぞれ結合している炭素原子とともに形成する環としては、例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環等が挙げられる。
【0037】
式(b2−1)〜式(b2−4)で表される有機カチオンの具体例は、特開2010−204646号公報に記載されたものを挙げることができる。
【0038】
上述の有機カチオンの中でも、リソグラフィ技術を用いた半導体の微細加工に用いられるレジスト組成物に含まれる酸発生剤としての塩(I)の性能の観点から、上記式(b2−1)で表される有機カチオンが好ましく、以下の式(b2−1−1)で表される有機カチオン〔以下、「カチオン(b2−1−1)」という場合がある。〕がより好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=0である。)又はトリトリルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=1であり、Rb19、Rb20及びRb21がいずれもメチル基である。)がさらに好ましい。

【0039】
式(b2−1−1)中、Rb19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、Rb19、Rb20及びRb21から選ばれる2つが一緒になって単結合、−O−又は炭素数1〜4の2価の脂肪族炭化水素基を表し、イオウ原子を含む環を形成してもよい。
かかる炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数4〜18の脂環式炭化水素基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基がより好ましい。また、かかる炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数存在するRb19は互いに同一であっても相異なっていてもよく、w2が2以上のとき、複数存在するRb20は互いに同一であっても相異なっていてもよく、x2が2以上のとき、複数存在するRb21は互いに同一であっても相異なっていてもよい。
【0040】
ここで、好適な有機カチオンであるカチオン(b2−1−1)の具体例を示す。

【0041】

【0042】

【0043】

【0044】
カチオン(b2−1−1)のうち、イオウ原子を含む環が形成されたカチオンの具体例としては、以下のものが挙げられる。

【0045】
カチオン(b2−1)のうち、イオウ原子を含む環が形成されたカチオンの具体例としては、以下のものが挙げられる。

【0046】
カチオン(b2−2)としては、以下のものが挙げられる。

【0047】
また、有機カチオンとしては、式(b2−3)で表される有機カチオンのうち、以下の有機カチオンも好適である。

【0048】
上記式(III)中、Xで表されるアニオンとしては、ハロゲン化物イオン又はRSO(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)が挙げられ、中でも、塩化物イオン、臭化物イオン又はCHSOが好ましい。
【0049】
上記式(III)で表される塩(以下、塩(III)と記載することがある。)は、上記ZとXとの組み合わせである。ZとXとは任意に組み合わせることができ、反応性や所望の塩(I)の種類等に応じて、適宜選択できる。中でも、トリフェニルスルホニウム メチルスルフェート、トリフェニルスルホニウム クロライド、トリフェニルスルホニウム ブロミドが好ましい。塩(III)は、市販のものを用いてもよいし、任意の公知の方法により製造して用いてもよい。
【0050】
塩(III)の使用量は、化合物(II)1モルに対して、1.0〜1.5モルの範囲が好ましく、1.0〜1.1モルの範囲がより好ましい。
【0051】
水は、工業用水、水道水、蒸留水、イオン交換水等が使用できる。その使用量は、化合物(II)1モルに対して1モル以上であればよく、溶媒を兼ねて大過剰量用いてもよい。化合物(II)1質量部に対し、1〜10質量部の範囲が好ましく、2〜5質量部の範囲がより好ましい。
【0052】
有機塩基としては、下記式(N−1)で表される化合物が挙げられる。

[式(N−1)中、
N1、RN2及びRN3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換されてもよいフェニル基、置換されてもよい炭素数7〜12のアラルキル基、置換されてもよいナフチル基又は置換されてもよい炭素数5〜10のヘテロ芳香環基を表す。]
【0053】
中でも、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のトリアルキルアミン、ジエチルアミン等のジアルキルアミン、モノエチルアミン等のモノアルキルアミン、アンモニア及び下記で表される化合物が好ましく、トリアルキルアミンがより好ましい。

【0054】
有機塩基の使用量は、塩(III)1モルに対して、1〜5モルの範囲が好ましく、1.1〜3モルの範囲がより好ましい。
【0055】
本発明において、化合物(II)と塩(III)と水との反応は有機塩基の存在下で行われるが、さらに有機溶媒の存在下で行われることが好ましい。かかる有機溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素溶媒、酢酸エチル等のエステル溶剤等が挙げられ、中でも、ハロゲン化炭化水素溶媒が好ましい。有機塩基の使用量は、化合物(II)と塩(III)との合計1質量部に対して、1〜10モルの範囲が好ましく、2〜5モルの範囲がより好ましい。
【0056】
反応温度は、用いる有機溶媒の種類等にもよるが、5℃以上、100℃以下(有機溶媒の沸点が100℃未満の場合は、有機溶媒の沸点以下)の範囲が好ましく、10〜50℃の範囲がより好ましく、20〜40℃の範囲がさらに好ましい。反応時間は、反応終点を追跡することにより適宜決めることができ、通常1分〜24時間の範囲である。
【0057】
本発明の製造方法は、必要により有機溶媒の存在下で、化合物(II)と塩(III)と水と有機塩基とを混合することにより実施される。それらの混合順序は特に限定されるものではないが、塩(III)と水と有機溶媒との混合物中に化合物(II)を加えていくことにより実施することが好ましい。
【0058】
反応終了後の混合物中には、通常、塩(I)が含まれる。かかる混合物に、分液、濃縮、晶析(貧溶媒との混合や冷却晶析等)、ろ過等の通常の後処理を施すことにより、塩(I)を単離することができる。単離された塩(I)は、さらに洗浄、再結晶等の通常の精製処理により精製してもよい。
【0059】
かくして得られる塩(I)は、式(I)に表されるように、スルホン酸アニオンと有機カチオンとの組合せである。該スルホン酸アニオンとは、例えば、上記式(b1−s−1)〜式(b1−s−42)で表される構造における*がSOと結合した構造のアニオンであり、該有機カチオンとは、例えば、上記式(b2−c−1)〜式(b2c−24)で表されるカチオンであり、これらは任意に組み合わせることができる。該スルホン酸アニオン及び該有機カチオンの組み合わせを表1及び2に示す。なお、表1及び2において、*−C(Q)(Q)−CO−O−Y[式中、Q、Q及びYは、それぞれ上記と同じ意味を表す。]で表される構造として式(b1−s−1)で表される構造を含むスルホン酸アニオン等を、その式番号に応じて「(b1−s−1)」等と表し、式(b2−c−1)で表される有機カチオン等を、その式番号に応じて、「(b2−c−1)」等と表すことにする。
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
リソグラフィ技術を用いた半導体の微細加工に用いられるレジスト組成物に含まれる酸発生剤としての塩(I)の性能の観点から、さらに好ましい塩(I)を具体的に示す。このような塩(I)は、以下の式(I−1)、式(I−2)、式(I−3)、式(I−4)、式(I−5)、式(I−6)、式(I−7)、式(I−8)、式(I−9)、式(I−10)、式(I−11)、式(I−12)、式(I−13)、式(I−14)、式(I−15)、式(I−16)、式(I−17)、式(I−18)、式(I−19)及び式(I−20)のいずれかで表されるものである。中でも、式(I−2)、式(I−3)、式(I−6)、式(I−7)、式(I−11)、式(I−12)、式(I−13)、式(I−14)、式(I−18)、式(I−19)及び(I−20)のいずれかで表されるものがより好ましい。また、すでに述べたように、Yが置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基を含む基が好ましいので、この点では、式(I−2)、式(I−3)、(I−6)、式(I−7)、(I−11)、式(I−18)、式(I−19)及び式(I−20)のいずれかで表されるものがより好ましい。
【0063】

【0064】

【0065】

【0066】

【実施例】
【0067】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例、製造例及び比較例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり質量基準である。
【0068】
化合物及び塩の定量は、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgilent製LC/MSD型又はLC/MSD TOF型)を用いて行った。
【0069】
製造例1:式(II−2)で表される化合物の製造

式(H−1)で表される化合物40.00部とクロロホルム240部とを混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、式(II−1)で表される化合物46.38部及びチタニウムイソプロポキシド1.25部を添加し、更に63℃で6時間還流しながらメタノールを留去した。得られた反応物にシリカゲル12.50部を添加攪拌後、ろ過した。得られたろ液を濃縮した後、濃縮物にn−ヘプタン300部を添加した後、濃縮した。得られた濃縮物に、n−ヘプタン100部を添加し、23℃で6時間撹拌後、濾過することにより、式(II−2)で表される化合物69.47部を得た。
【0070】
製造例2:式(II−6)で表される化合物の製造

式(J−6)で表される化合物15.00部、式(H−6)で表される化合物8.79部、濃硫酸0.104部及びジクロロエタン150部を混合し、85℃で6時間還流しながら脱水した。得られた反応物に、5%炭酸水素ナトリウム水溶液86.95部を添加攪拌後分液し、有機層を回収した。回収された有機層に、イオン交換水86.95部を添加攪拌後分液し、有機層を回収した。この水洗を4回行った。得られた有機層を濃縮することにより、式(II−6)で表される化合物15.11部を得た。
【0071】
製造例3:式(II−19)で表される化合物の製造

式(II−6)で表される化合物5.00部とテトラヒドロフラン50部とを混合し、23℃で30分間攪拌した後、−40℃に冷却した。得られた混合物に、1M−水素化ホウ素のテトラヒドロフラン溶液15.32mlを40分かけて滴下した後、−40℃で24時間攪拌した。その後、0℃まで昇温した後、イオン交換水50部及びクロロホルム150部を添加攪拌後、分液し、有機層を回収した。回収された有機層に、イオン交換水150部を添加攪拌後分液し、有機層を回収した。この水洗を2回行った。得られた有機層を濃縮することにより、式(II−19)で表される化合物3.80部を得た。
【0072】
実施例1:式(I−2)で表される塩の製造

式(III−1)で表される塩20.00部、クロロホルム100部、イオン交換水60部及びトリエチルアミン13.51部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、製造例1で得た式(II−2)で表される化合物22.52部をクロロホルム78.04部に溶解した溶液を30分かけて滴下し、更に23℃で1時間撹拌した後、分液して有機層を回収した。回収された有機層にイオン交換水60部を添加攪拌後分液し、有機層を回収した。この水洗を4回行った。得られた有機層を濃縮した後、濃縮物にアセトニトリル100部を添加した後、濃縮した。得られた濃縮物に、アセトニトリル27.32部及びtert−ブチルメチルエーテル257.52部を添加し、撹拌後、濾過することにより、式(I−2)で表される塩26.48部(式(II−1)で表される化合物に対する収率76.1%、式(III−1)で表される塩に対する収率82.3%)を得た。
【0073】
実施例2:式(I−3)で表される塩の製造

式(III−2)で表される塩20.00部、クロロホルム100部、イオン交換水60部及びトリエチルアミン12.15部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、製造例1で得た式(II−2)で表される化合物20.25部をクロロホルム70.15部に溶解した溶液を30分かけて滴下し、更に23℃で1時間撹拌した後、分液して有機層を回収した。回収された有機層にイオン交換水60部を添加攪拌後分液し、有機層を回収した。この水洗を4回行った。得られた有機層を濃縮した後、濃縮物にアセトニトリル100部を添加した後、濃縮した。得られた濃縮物に、アセトニトリル26.40部及びtert−ブチルメチルエーテル253.83部を添加し、撹拌後、濾過することにより、式(I−3)で表される塩28.91部(式(II−1)で表される化合物に対する収率75.8%、式(III−2)で表される塩に対する収率81.9%)を得た。
【0074】
実施例3:式(I−18)で表される塩の製造

式(III−18)で表される塩20.00部、クロロホルム100部、イオン交換水60部及びトリエチルアミン10.03部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、製造例1で得た式(II−2)で表される化合物16.72部をクロロホルム66.88部に溶解した溶液を30分かけて滴下し、更に23℃で1時間撹拌した後、分液して有機層を回収した。回収された有機層にイオン交換水50部を添加攪拌後分液し、有機層を回収した。この水洗を5回行った。得られた有機層を濃縮した後、濃縮物にアセトニトリル100部を添加した後、濃縮した。得られた濃縮物に、酢酸エチル30部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣にtert−ブチルメチルエーテル30部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解し、濃縮することにより、式(I−18)で表される塩23.84部(式(II−1)で表される化合物に対する収率76.0%、式(III−18)で表される塩に対する収率82.1%)を得た。
【0075】
実施例4:式(I−6)で表される塩の製造

式(III−1)で表される塩20.00部、クロロホルム100部、イオン交換水60部及びトリエチルアミン13.51部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、製造例1で得た式(II−6)で表される化合物20.50部をクロロホルム71.76部に溶解した溶液を30分かけて滴下し、更に23℃で1時間撹拌した後、分液して有機層を回収した。回収された有機層にイオン交換水50部を添加攪拌後分液し、有機層を回収した。この水洗を4回行った。得られた有機層を濃縮した後、濃縮物にアセトニトリル100部を添加した後、濃縮した。得られた濃縮物に、酢酸エチル30部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣にtert−ブチルメチルエーテル30部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解し、濃縮することにより、式(I−6)で表される塩25.89部(式(J−6)で表される化合物に対する収率72.3%、式(III−1)で表される塩に対する収率82.6%)を得た。
【0076】
実施例5:式(I−19)で表される塩の製造

式(III−1)で表される塩20.00部、クロロホルム100部、イオン交換水60部及びトリエチルアミン13.51部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、製造例1で得た式(II−6)で表される化合物20.63部をクロロホルム72.19部に溶解した溶液を30分かけて滴下し、更に23℃で1時間撹拌した後、分液して有機層を回収した。回収された有機層にイオン交換水50部を添加攪拌後分液し、有機層を回収した。この水洗を4回行った。得られた有機層を濃縮した後、濃縮物にアセトニトリル100部を添加した後、濃縮した。得られた濃縮物に、酢酸エチル30部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣にtert−ブチルメチルエーテル30部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解し、濃縮することにより、式(I−19)で表される塩25.21部(式(II−6)で表される化合物に対する収率60.5%、式(III−1)で表される塩に対する収率80.2%)を得た。
【0077】
比較例1:式(I−2)で表される塩の製造

式(II−1)で表される化合物100部とイオン交換水150部との混合物に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。得られた混合物を100℃で3時間還流し、冷却後、これを濃塩酸88部で中和した。得られた溶液を濃縮することにより式(H−2)で表される塩164.4部(無機塩(NaCl)含有、純度62.7%)を得た。得られた式(H−2)で表される塩1.9部(純度62.7%)とN,N−ジメチルホルムアミド9.5部との混合物に、1,1’−カルボニルジイミダゾール1.0部を添加し、2時間撹拌して式(H−2)で表される塩を含む溶液を調製した。
一方、式(H−1)で表される化合物1.1部とN,N−ジメチルホルムアミド5.5部との混合物に、水素化ナトリウム0.2部を添加し、2時間撹拌した。得られた溶液に、前記の式(H−2)で表される塩を含む溶液を添加した。得られた溶液を15時間撹拌し、式(H−3)で表される塩を含む溶液を得た。
【0078】

上記で得た式(H−3)で表される塩含む溶液に、クロロホルム17.2部及び式(III−1)で表される塩を含む水溶液(14.8%)2.9部を添加した。15時間撹拌した後、分液して有機層を回収した。次いで、残った水層をクロロホルム6.5部で抽出することにより有機層を回収した。さらに残った水層に、前記の抽出操作を繰り返して行い、さらに有機層を回収した。前記の各有機層を合せた後、イオン交換水で洗浄し、その後、得られた有機層を濃縮した。濃縮物にtert−ブチルメチルエーテル5.0部を添加し、撹拌後、濾過することにより白色固体として式(I−2)で表される塩0.2部(式(II−1)で表される化合物に対する収率5.5%、式(H−2)で表される化合物に対する収率5.5%、式(III−1)で表される塩に対する収率23%)を得た。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の製造方法によれば、アルカリ金属を使用することなく、また、アルカリ金属を使用する場合より高い収率で目的の塩を製造することができる。本発明の製造方法により得られる塩は、例えば、リソグラフィ技術を用いた半導体の微細加工に用いられるレジスト組成物に含まれる酸発生剤として使用し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機塩基の存在下、式(II)

[式中、Q及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
で表される化合物と式(III)

[式中、Zは有機カチオンを表し、Xはアニオンを表す。]
で表される塩と水とを反応させる式(I)

[式中、Q、Q、Y及びZは、それぞれ上記と同じ意味を表す。]
で表される塩の製造方法。
【請求項2】
式(III)におけるXが、ハロゲン化物イオン又はRSO(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)である請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
有機塩基が、トリアルキルアミンである請求項1又は2記載の製造方法。

【公開番号】特開2012−176932(P2012−176932A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−264372(P2011−264372)
【出願日】平成23年12月2日(2011.12.2)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】