説明

複合シートの製造方法及び装置

【課題】運転開始直後から接合強度を高めて複合シートを製造できるほか、接合条件の変更を容易に行うことができる複合シートの製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、シート2とシート3とが部分的に接合されて多数の接合部が形成されているとともに、シート2には接合部以外の部分に凸状部が形成されている複合シート1の製造方法に関する。周面部に凹凸部を有するロール11及びロール12を互いの凹部と凸部とが対向するように回転させながら両ロールの間にシート2を供給し、シート2をロール11の周面部に沿わせてそのまま吸引保持して搬送した後に、シート3をシート2に重ね合わせるように供給し、ロール11と複数の互いに温度が異なるヒートロール13〜15とで複数回両シートを部分的に接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合シートの製造方法及び装置に関わり、特に、生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの吸収性物品用のシートに好適な複合シートの製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二枚のシートが部分的に接合されているとともに、一方のシートには凸状部が形成されている複合シートの製造装置に関する技術として、出願人は、下記特許文献1に記載の技術を提案している。
【0003】
上記技術の製造装置は、互いにかみ合う凹凸形状を有する二つのロール間にそれらのかみ合い部分に一方のシートを供給して凹凸形状を賦形した後、該シートを一方の賦形ロールの周面に保持した状態で他のシートとの接合位置まで移送する一方で、該賦形ロールとヒートロールとの間で両シートを供給し、これらのロールの間で両シートを接合すものである。
【0004】
一方、複数のシールロールを備えることで、多層・厚膜の熱融着シートの表層に悪影響を与えないシール温度でシールし、且つ十分なシール強度を確保できるようにした技術が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−111908号公報
【特許文献2】特開2000−255518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1及び特許文献2に記載の製造装置で連続的に複合シートを製造する場合、製造開始直後や再開直後において、シートの移動速度が遅い場合には、ヒートロールとの接触時間が長くなり、シートが溶融してしまうおそれがあった。また、シートが溶融しない温度に設定すると、十分なシール強度を得ることができなかった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、製造ラインの運転開始後から接合強度を高めて複合シートを製造できる、複合シートの製造方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1のシートと第2のシートとが部分的に接合されて多数の凹状部が形成されているとともに、第1のシートには凹状部以外の部分に凸状部が形成されている複合シートの製造方法であって、周面部に凹凸部を有する第1のロール及び第2のロールを互いの凹部と凸部とが対向するように回転させながら両ロールの間に第1のシートを供給し、第1のシートを第1のロールの周面部に沿わせてそのまま吸引保持して搬送した後に、第2のシートを第1のシートに重ね合わせるように供給し、第1のロールと複数の互いに温度が異なるヒートロールとで複数回両シートを部分的に接合する複合シートの製造方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0008】
また、本発明は、第1のシートと第2のシートとが部分的に接合されて多数の凹状部が形成されているとともに、第1のシートには凹状部以外の部分に凸状部が形成されている複合シートの製造装置であって、周面部に凹凸部を有し互いの凹部と凸部とが対向するように回転する第1のロール及び第2のロールを備えているとともに、第1のロールの周面部に配された複数のヒートロールとを備えており、前記各ヒートロールは、前記両シートの接合中及び両シートの進行停止中に、第1のロールから離間可能に設けられている複合シートの製造装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の複合シートの製造方法及び製造装置によれば、二枚のシートが部分的に接合されて多数の凹状部が形成されているとともに、一方のシートには凹状部以外の部分に凸状部が形成されている複合シートを、接合強度を高めて製造でき、製造ラインの低速時(製造ラインの起動時)や高速時においても熱融着シートに悪影響を与えない温度で十分なシール強度を確保することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の複合シートの製造装置(以下、製造装置ともいう。)を好ましい実施形態に基づいて、図1〜図5を参照しながら説明する。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の製造装置10は、シート2と、シート3とが部分的に接合されて多数の凹状部1Bが形成されているとともに、シート2には凹状部1B間に凸状部1Aが形成されている複合シート1を製造するための装置である。後述するように複合シート1には、凹状部1B内に接合部1C(図5参照)が形成されている。
【0012】
製造装置10は、周面部に凹凸部を有し互いの凹部と凸部と対向するように回転する第1のロール(以下、ロールともいう。)11及び第2ロール(以下、ロールともいう。)12と、ロール11とともにシート2、3を接合するヒートロール13〜15とを備えている。また、製造装置10は、シート2をロール11の周面部に沿わせてそのまま吸引保持させる吸引手段16を備えている。吸引手段16は、後述する吸引路及び吸気源を具備している。
【0013】
製造装置10においては、ヒートロール13〜15は、両シート2、3の接合中及び両シート2、3の進行停止中に、ロール11から離間可能に設けられている。
【0014】
また、製造装置10においては、ヒートロール13〜15は、ヒートロール13〜15をロール11の周面部に押しつけたときに、ロール11の回転軸に対して、押圧力が相殺される位置に配され、ロール11に均等に圧力を加えるようになされている。
【0015】
図2及び図3に示すように、ロール11は、平歯車からなる歯車111と歯車状のスペーサー112を複数枚組み合わせ、これらを回転軸113に同心状に取り付けてロール状に形成したものである。歯車111とスペーサー112は何れも同じ歯幅を有している。歯車111及びスペーサー112はその中心が開口しており、その開口部に回転軸113が挿入される。歯車111及びスペーサー112並びに回転軸113にはそれぞれ切り欠き部(図示せず)が形成されており、該切り欠き部にキー(図示せず)が挿入される。これによって歯車111、スペーサー112の空回りが防止される。
【0016】
スペーサー112の歯先円直径は、歯車111の歯先円直径よりも小さくなっている。また歯車111の歯数はスペーサー112の歯数の整数倍となっている。
【0017】
ロール11においては、1枚のスペーサー112に対してその両側にそれぞれ1枚ずつ歯車111が配されて、これらを一組とした歯車群110が複数組配されている。各歯車群110においては、歯車111及びスペーサー112は、それぞれの歯がロールの回転軸方向に並列するように配されている。これによって各歯車群110においては、ロール11の回転方向に沿って凸部11Aと凹部11Bとが交互に形成される。凸部11Aは、2枚の歯車及びスペーサーのそれぞれの歯がロール11の回転軸方向に並列して形成されたものであるか、或いは2枚の歯車111の歯がロールの回転軸方向に並列して形成されたものである。一方、凹部11Bは、2枚の歯車111の歯間で形成されたものである。凸部11Aの幅は、複合シート1の凸状部1AにおけるY方向の寸法を決定する。
【0018】
ロール11においては、歯車群110が二組以上用いられる。各歯車群110は、隣り合う歯車群110、110における凹凸部のピッチが互いに異なるように配される。本実施形態においては、隣り合う歯車群110どうしは凹凸部が半ピッチずれている。
【0019】
各歯車群110においては、2枚の歯車111間に、ロール11の回転方向に沿って、一定の間隔をおいて空隙部114が複数形成されている。各空隙部114は、2枚の歯車111と、これらの間に位置するスペーサー112とで形成されている。更に詳細には、各空隙部114は、2枚の歯車111の相対向する側面と、スペーサー112における隣り合う2つの歯によって画定される。従って空隙部114は、スペーサー112の歯数と同数形成されることになる。空隙部114は、先に述べた凹部11Bにおいて外部に向かって開口している。
【0020】
本実施形態では、空隙部114がシート2の下に配される以外に、シート2の両側よりも外側にも配されるように、歯車群110が組み込まれている。これにより、シート2の両側部に後述するように空隙部114から吸引力が作用し、シート2の両側部の折れ曲がりが防止される。
【0021】
歯車111には、回転軸113が挿入される中心の開口部を取り囲むように複数の開口部115が形成されている。各開口部115は同径であり、歯車の中心からそれぞれ等距離の位置に形成されている。隣り合う開口部115どうしと歯車の中心とがなす角度は何れも等しくなっている。各歯車111における開口部115の個数は、スペーサー112の歯数と同数になっている。そして、各歯車群110を組み付ける場合には、各開口部115が、スペーサー112における隣り合う歯間にそれぞれ位置するように、歯車111及びスペーサー112を配置する。このように各歯車群110を組み付け、更にそれぞれの歯車群110を凹凸部のピッチが互いに異なるように配した状態においては、それぞれの歯車111の開口115が、ロール11の回転軸方向に連なって、該回転軸方向に延びる複数の吸引路116がロール11の内部に形成される。そして各吸引路116は、先に述べた空隙部114と連通する。
【0022】
吸引路116の少なくとも一端は、ブロワや真空ポンプなどの吸気源(図示せず)に通じている。従って、吸気源を作動させて吸引操作を行うと、空隙部114から吸引路116を通じて吸引が行われる。本実施形態の製造装置10では、この吸引路116を通じた吸引は、ロール11とヒートロール13とによってシート2、3が最初に接合されるまで、及びロール11とヒートロール13〜15とによる両シートの接合が終了するまでシート2を吸引するようになしてある。即ち、ロール11の側面には、連通孔を有する遮蔽板(図示せず)が取り付けられており、この連通孔を介して吸引路116と前記吸気源とが連通される場合以外は、シート2に吸引力が及ばないようになしてある。このように接合終了まで吸引力を及ぼしておくことで、シート2のテンションが高かったり、テンションの変動がみられる場合でも、吸引エリアを延長することでロール11の周面からシートが浮くことを一層防止し、同じ位置をシールすることができる。
【0023】
本実施形態のロール11は特に小ピッチで小凸部を多数形成する場合に有効であり、小ピッチで且つ歯の大きさが小さい歯車である低モジュールな平歯車を用いても、スペーサーの112の歯幅を大きくしたり、また歯数を少なくしたりすることにより空隙部114を大きくできる。その結果、吸引孔の面積を充分に確保することができる。更に、歯車の組み合わせや幅を変更するだけの簡単な操作で、凸部のピッチや大きさを自由に変更できるという利点もある。
【0024】
図4に示すように、ロール11の回転軸には、ロール11の両側に位置するように、ロール11とヒートロール13〜15との接触時の衝撃を緩和するサイドリング17が取り付けられている。このようにロール11の両側にサイドリングが配されていると、接触時の衝撃を緩和することで、ロール11の個々の凸部の入り側にかかってくる衝撃を緩和することができ、装置の耐久性が向上する。
【0025】
図1に示したロール12は、ロール11の周面部の凹凸部に対応する凹凸部(凸部12A及び凹部12B)が形成されるように、ロール11と同様に複数の歯車群が組み合わされて形成されているが、各歯車及びスペーサーの歯先の円直径は、ロール11よりも小さく、その分歯の数が少なくなっている。ロール12には、ロール11のような吸引路は形成されていない。
【0026】
本実施形態においては、ロール11の凹部11Bへのロール12の凸部12Aによるシート2の押し込み位置において、ロール12の凸部12Aの先端部は、ロール11の凹部11Bに接触しないように隙間を有して配置される。また、ロール11とロール12は、これ以外の部分においても、非接触状態で回転するように配置される。
【0027】
図1に示したヒートロール13〜15は、加熱手段(図示せず)を備えており、その温度は、任意に設定される。そしてこの加熱手段で加熱された状態のヒートロール13の周面とロール11の凸部11Aとの間でシート2、3を挟持したときに、両シート2、3同士が熱融着されて接合され、接合部1Cが形成される。ヒートロール13〜15の温度は、製造する複合シートの接合部に応じて変更することができる。
【0028】
ヒートロール13〜15は、図示しないシリンダーユニット等の駆動機構によってロール11の周面部への当接・退避が行えるように設けられている。このため、シート2、3の接合中に製造ラインが急停止した場合にヒートロールを退避させたり、製造ラインの運転開始直後のラインの速度が遅い場合に、接合に要しないヒートロールは退避させたりすることで、ヒートロールの熱によるシートへの影響を防ぐことができる。また、図4に示したように、ヒートロール13には、ロール11の両側に取り付けられたサイドリング17の近傍に位置するように段部131が設けられている(本実施形態では、ロール11とサイドリング17の間に位置するように設けられている)。このように、ヒートロール13に段部131が設けられていると、接合しない領域のシートに与えるダメージを少なくすることができる。図には示していないが、製造装置10においては、ヒートロール14、15にも同様に段差が設けられている。
【0029】
なお、図には示していないが、製造装置10は、ロール11、12、ヒートロール13〜15を所定の回転速度で回転駆動させる駆動源を備えている。
【0030】
次に、本発明の複合シートの製造方法の好ましい実施形態を、前記製造装置10を使用した製造方法の一実施形態に基づいて説明する。
【0031】
上記製造装置10を使用した複合シート1の製造に当たっては、まず、製造装置10において、ロール11及びロール12を所定の回転速度で回転させながらそれらの間にシート2を供給し、凹凸形状を賦形した後、ロール11の周面に吸引路116を通じた吸引力によってシート2を吸引保持した状態でヒートロール13の周面まで移送する。
【0032】
そして、立体形状が賦形されたシート2と重ね合わせるようにシート3を供給し、以下に説明するように、ロール11とヒートロール13〜15との間で両シート2、3を熱融着させて部分的に繰り返し接合する。
【0033】
最初の接合に使用されるヒートロール13にはシート2を巻き掛けることが好ましい。後述するように、ヒートロール13を低い温度設定とした場合には、接触時間を多くすることで、接合に必要な熱量を確保することができる。
【0034】
ヒートロール13〜15の温度及びロール11からの接触・離間状態は、複合シート1の製造ラインの状況に応じて以下のように設定される。
【0035】
例えば、ヒートロール13〜15の温度を、両シートの進行方向に進むほど高くしておき、製造ラインの運転開始時或いは再開時のように、シートの移動速度が遅い場合には、温度の低いヒートロール13で最初に接合を行い、その後の温度の高いヒートロール14、15で接合強度を補うことができる。温度の高いヒートロール14、15は、接合時にのみロール11と接触し、それ以外の時は、ロール11から離間さておくことがシートに無用な熱損傷を与えない上で好ましい。
【0036】
また、例えば、両シート2、3の移動速度が一定速度に達するまでは、最初のヒートロール13のみで接合を行い、その後移動速度が一定速度に達した後は、ヒートロール14及び15で順次接合を行うこともできる。
【0037】
また、例えば、ヒートロール13、15は低温にし、ヒートロール14は高温にしておき、運転開始時や急停止時にはロール11とヒートロール13、15とでシートを接合して、ヒートロール14は離間させておき、一定速度(高速)に達したときに接合にヒートロール14をロール11に接触させるように移動させ、シートの接合を確実に行うこともできる。
【0038】
或いは、ヒートロール13〜15を順に高温にし、シートの移動速度の上昇に合わせて、順にロール11と接触させる位置に移動させて接合することもできる。このように、設定温度に応じて、ヒートロールの速度を基準とする動作タイミングを変えることで、材料物性に応じた、生産性を損なわない最適な運転条件を設定することができる。
【0039】
このようにして、図5に示すように、シート2とシート3とが部分的に接合部1Cが形成されて多数の凹状部1Bが形成されているとともに、シート2の凹状部1B間に内部が空洞の凸状部1Aが多数形成された複合シート1を製造する。図5に示すように、1つの凹状部1Bに対して、シート幅方向(Y方向)に沿って2つの接合部1Cが形成されている。
【0040】
凸状部1Aは、全体として稜線が丸みを帯びた扁平な直方体又は截頭四角錐体となっている。凸状部1Aはその高さHが、1〜10mm、特に3〜6mmであることが好ましい。また、シート長さ方向(X方向)における凸状部1Aの底部寸法Lは2〜30mm、特に2〜5mmであることが好ましく、シート幅方向(Y方向)における底部寸法は2〜30mm、特に2〜5mmであることが好ましい。凸状部1Aの底面積は4〜900mm2、特に4〜25mm2であることが好ましい。高さHは、接合部1Cからの高さである。
【0041】
接合部1Bの形態は、前記ロール12の凸部12Aの先端面に対応しており、平面視してほぼ矩形となっている。
【0042】
複合シート1においては、凸状部1Aと凹状部1Bとがシートの長さ方向(X方向)の列において交互に現れ、凸状部1Aは、前記ロール11の歯111のずれに応じてシートの長さ方向(X方向)にずれた千鳥配列となっている。凹状部1Bも、同様にシートの長さ方向にずれた千鳥配列となっている。このシートの長さ方向は、製造装置10による複合シート1の製造工程における流れ方向と一致している。
【0043】
複合シート1を構成するシート2、3には、この種の複合シートであって、吸収性物品の構成材料として使用される不織布、フイルム、不織布とフイルムのラミネートシート等のシートが使用される。不織布としては、エアスルー方式による不織布、ヒートロール不織布、レジンボンド不織布、エアレイド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布等が挙げられる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の製造装置10及びそれを使用した複合シート1の製造方法は、前述の特徴を有する複合シートを、接合強度を高めて製造できるほか、接合条件の変更を容易に行うことができるので、製造開始時から製品使用に応じた接合部の形成を行うことができる。
【0045】
本発明は前記実施形態に制限されない。
本発明の製造装置は、前記実施形態のように、賦形ロールを複数の歯車群の組み合わせで構成することが好ましいが、周面に凹凸部を有する一つのロールで構成することもできる。
【0046】
本発明の製造装置は、前記実施形態のように、六つの歯に変えて、四つの歯(凸部)で囲むようにして凹部を形成したものを使用することもできる。
【0047】
本発明の複合シートは、吸収性物品の表面シートや、吸収性物品の外装材等の他の構成部材、使い捨ての着衣用のシート等として好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の複合シートの製造装置の一実施形態における要部を複合シートの製造方法とともに示す模式図である。
【図2】図1に示す複合シートの製造装置における第1のロールの一形態を示す斜視図である。
【図3】第1のロールの歯車群の分解斜視図である。
【図4】第1のロールにヒートロールを押圧させた状態を示す模式図である。
【図5】本発明の複合シートの製造方法により製造される複合シートの一実施形態を模式的に示す斜視である。
【符号の説明】
【0049】
1 複合シート
1A 凸状部
1B 凹状部
1C 接合部
2 第1のシート
3 第2のシート
10複合シートの製造装置
11 第1のロール
11A 凸部(歯)
11B 凹部
12 第2のロール
12A 凸部
12B 凹部
13、14、15 ヒートロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシートと第2のシートとが部分的に接合されて多数の凹状部が形成されているとともに、第1のシートには前記凹状部以外の部分に凸状部が形成されている複合シートの製造方法であって、
周面部に凹凸部を有する第1のロール及び第2のロールを互いの凹部と凸部とが対向するように回転させながら両ロールの間に第1のシートを供給し、第1のシートを第1のロールの周面部に沿わせてそのまま吸引保持して搬送した後に、
第2のシートを第1のシートに重ね合わせるように供給し、第1のロールと複数の互いに温度が異なるヒートロールとで複数回両シートを部分的に接合する複合シートの製造方法。
【請求項2】
複数の前記ヒートロールの温度を、両シートの進行方向に進むほど高くする請求項1に記載の複合シートの製造方法。
【請求項3】
前記両シートを接合する最初のヒートロールは、他のヒートロールより温度を低くし、且つ前記第2のシートを巻きかける請求項1に記載の複合シートの製造方法。
【請求項4】
両シートの速度が所定速度以下のときは、最初のヒートロールのみで接合を行い、両シートの速度が所定速度に達した後に、他のヒートロールによる接合も行う請求項1に記載の複合シートの製造方法。
【請求項5】
第1のシートと第2のシートとが部分的に接合されて多数の凹状部が形成されているとともに、第1のシートには前記凹状部以外の部分に凸状部が形成されている複合シートの製造装置であって、
周面部に凹凸部を有し互いの凹部と凸部とが対向するように回転する第1のロール及び第2のロールを備えているとともに、第1のロールの周面部に配された複数のヒートロールとを備えており、
前記各ヒートロールは、前記両シートの接合中及び両シートの進行停止中に、第1のロールから離間可能に設けられている複合シートの製造装置。
【請求項6】
前記ヒートロールは、該ヒートロールを第1のロールの周面部に押しつけたときに、第1のロールの回転軸に対して、押圧力が相殺される位置に配されている請求項5に記載の複合シートの製造装置。
【請求項7】
前記ヒートロールの両側に第1のロールと接しない段部を有している請求項5に記載の複合シートの製造装置。
【請求項8】
両シートの速度が設定速度以下のときは、最初のヒートロールのみで接合を行い、両シートの速度が設定速度に達した後に、他のヒートロールによる接合も行うように、各ヒートロールが制御される請求項5に記載の複合シートの製造装置。
【請求項9】
第1のシートを第1のロールの周面部に沿わせてそのまま吸引保持させる吸引手段を備えており、前記吸引手段は、第1のシートと第2のシートとが最初に接合されるまで第1シートを吸引するように設けられている請求項5に記載の製造装置。
【請求項10】
第1のシートを第1のロールの周面部に沿わせてそのまま吸引保持させる吸引手段を備えており、前記吸引手段は、第1のロールと全ヒートロールとによる両シートの接合が終了するまで第1のシートを吸引するように設けられている請求項5に記載の製造装置。
【請求項11】
第1のロールの両側に衝撃緩和用のサイドリングを備えている請求項5に記載の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−154511(P2009−154511A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−338950(P2007−338950)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】