複合成分カートリッジ
【課題】個々の構成成分が不用意に分配あるいは混合されることを回避し、閉塞部材が開位置及び閉塞位置との間で自由に動くことができる分配装置を提供する。
【解決手段】複合成分素材を混合及び分配するための分配装置であって、複数のチャンバ2,3を有した複合成分カートリッジ1と、長手軸線を有したミキサー部材と、ミキサー部材の上に配置可能なミキサーハウジング10とを備える。各チャンバはミキサーハウジング10に固定された閉塞部材によって閉塞可能な分配開口を有する。ミキサーハウジング10は接続部材によってカートリッジ1に軸方向移動可能に接続されている。接続部材は回転部材20であり、該回転部材20、ミキサーハウジング10、及びカートリッジ1が、回転部材20の回転によってミキサーハウジング10とカートリッジ1との間に軸線方向の相対移動が生じるよう構成された協働作用部材を有する。
【解決手段】複合成分素材を混合及び分配するための分配装置であって、複数のチャンバ2,3を有した複合成分カートリッジ1と、長手軸線を有したミキサー部材と、ミキサー部材の上に配置可能なミキサーハウジング10とを備える。各チャンバはミキサーハウジング10に固定された閉塞部材によって閉塞可能な分配開口を有する。ミキサーハウジング10は接続部材によってカートリッジ1に軸方向移動可能に接続されている。接続部材は回転部材20であり、該回転部材20、ミキサーハウジング10、及びカートリッジ1が、回転部材20の回転によってミキサーハウジング10とカートリッジ1との間に軸線方向の相対移動が生じるよう構成された協働作用部材を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の「おいて書き部」に記載した複合成分素材 (multi-component masses) を混合及び分配する分配装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には複合成分素材を混合及び分配するために装置が開示されている。この装置はカートリッジを備えており、カートリッジは、構成成分を収納するために並設された少なくとも二つのシリンダ状チャンバと、構成成分を絞り出すために個々に設けられたピストンとを有している。これらチャンバは、キャップの円形内面によってカバーされかつロック(閉塞)される出口開口を有している。このキャップは、混合コイルを囲んでカーブした出口チューブを備えている。混合コイルは可撓性を有しており、それぞれ前記出口チューブの方向に曲線を描いている。混合コイルは、カートリッジヘッドのシリンダ状突出部に形成された横壁に取り付けられている。横壁は、回転に対して前記キャップの凹部に保持されている。キャップは、構成成分からの圧力を付与して閉塞位置から吊り上げられ、かつ分配開口が解放される。ここで、出口開口を出た構成成分は前記横壁によって互いに分離され、このため個々の構成成分は、容易には他の構成成分のチャンバに到達することはできない。前記横壁は、キャップの開口位置ではもはや前記凹部に係合せず、このためキャップは(つまり前記出口チューブも)、当該出願人の望む方向に回転することができる。キャップの開放位置、さらにはロック(閉塞)位置を固定するため、前記シリンダ状突出部は、対応する前記凹部に係合可能な環状膨出部を有しており、キャップは、それのみが、構成成分からの圧力によってロック位置から開放位置に跳ね上がる。
【0003】
分配チューブを備えたキャップを混合コイル上に載置することは、分配チューブを適当な分配位置へ回転させる場合があること、またそれに接続された可撓性を備えた混合コイルを使用する必要があること、などから面倒である。さらに、混合コイルの構造は機械的ダメージに対して敏感であるため、かかる敏感な可撓性混合構造は注意深く分配チューブ内に設置しなければならず、ここにおいてまた操作者は、前記シリンダ状突出部に前記キャップが正しく着座しているか注意を払わなければならない。また、キャップが開放位置と閉塞位置との間を移動することにより、キャップが傾いて混合コイルが損傷を受ける恐れがある。
【0004】
特許文献2には、複合カートリッジへの分配チューブの設置を容易にするためのアダプタを備えた分配装置が特許文献2に開示されている。ここで、アダプタはスプレー本体とミキサーユニットとの間に配置されたものであり、アダプタはスプレー本体に交換可能に、またミキサーユニットはアダプタに交換可能に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許第10254409号公開公報 (DE 102 54 409 A1)
【特許文献2】独国実用新案第202006004738号公報 (DE 20 2006 004 738 U1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
周知の分配装置は、混合コイルにダメージを与えることなく、簡単な方法で、分配チューブをスプレー部分にきれいに配することができない。また、分配チューブがスプレー部分にきれいに載置されないため、構成成分がシリンジから押し出された際にスプレー部分と分配チューブとの接続部で横にはみ出すという欠点がある。
【0007】
本発明の目的は、複合成分素材の混合及び分配のための簡単に構成された分配装置、しかも、上述の欠点を回避し、個々の構成成分が不用意に分配あるいは混合されることを回避し、かつ閉塞部材が開位置及びロック(閉塞)位置との間で自由に動くことができる分配装置を提供することである。
【0008】
上記の目的は、請求項1に記載した特徴を有した分配装置によって達成される。本発明の有利な実施形態及びより現実的な構成は引用請求項に記載してある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る複合成分質量物を混合及び分配するための分配装置は、複数の特にシリンダ状のチャンバを有した複合成分カートリッジ又は複合成分シリンジを有している。これら複合成分カートリッジ又は複合成分シリンジとしては、特に、2つのチャンバを有した二重カートリッジ又は二重シリンジが好ましい。以下の実施形態においては全て、これらのカートリッジを「複合成分カートリッジ」として記載する。前記チャンバは、前記カートリッジの内部空間が円形シリンダ状に形成可能であり、かつ断面楕円形あるいは多角形とすることができることを意味する。充填された状態においてチャンバはそれぞれ、充填素材の流体構成成分を含んでいる。この充填素材は、チャンバ内で自由に変位可能なカートリッジピストンによって周囲環境から分離される。カートリッジピストンは、前記チャンバ内容物を周囲環境から流体シール状態に閉塞するシール部材を有している。前記複合成分カートリッジの前記チャンバ内の構成成分は分配プランジャによって分配される。分配プランジャは、カートリッジピストンが前記チャンバ内で移動できるよう対応のカートリッジピストンと協働する。
【0010】
複合成分カートリッジはまた、シリンダ状チャンバの一端側に出口部として機能する構造を有している。ここで、この出口部は、例えば、個々のチャンバの管状形状の完結性及び/又は出口部のシリンダ形状といったことに関連している。この出口部は前記回転キャップとオーバーラップすることができ、かつ、各構成成分のための分配開口をミキサー側に有している。これはすなわち、個々の構成成分が出口部の混合側まで互いに分離した状態に保たれ、構成成分が前以て混合されてしまうことが防止されることを意味する。従って分配開口は、前記回転キャップによって液密状態に保持され、これにより構成成分は、複合成分カートリッジのチャンバ内により長期にわたり貯留され、かつ該複合成分カートリッジ内で搬送される。
【0011】
この分配装置はまた、複合成分カートリッジと一体的に形成された細長い混合部材と、該混合部材の上部に設けられたミキサーハウジングとを有する。一実施形態による混合部材は、複合成分カートリッジと一体に形成されている。すなわち、複合成分カートリッジと混合部材とは単体のものとして構成されている。
【0012】
複合成分カートリッジの各チャンバは、ミキサーハウジングによって画定された閉塞部材によって閉じることのできる分配開口を有している。前記混合部材の外面及び前記ミキサーハウジングの内面は、ミキサーハウジングが、ミキサー部材に対しミキサー部材の長手軸線方向にのみ変位可能とする協働ガイド部材を有している。ミキサーハウジングは、接続部材により、複合成分カートリッジに軸線方向移動可能に接続されている。この複合成分カートリッジは、前記分配開口をロック(閉塞)する閉側位置から、それらを開放する分配装置へと搬送され得る。
【0013】
前記ガイド部材は特に、前記ミキサーハウジング及び前記ミキサー部材が、前記閉塞位置と前記分配位置との間で、これら二位置間の全行程を互いに軸線方向にのみ移動可能となるように構成されている。前記接続部材は回転部材であり、該回転部材、前記ミキサーハウジング、及び前記複合成分カートリッジは、前記回転部材の回転によってミキサーハウジングと複合成分カートリッジとが相対移動するように構成された協働作用部材を有している。
【0014】
好ましくは、前記ミキサー部材及び前記複合成分カートリッジは一体のものから形成され、同じ材料から構成されている。これに関し、ミキサー部材は複合成分カートリッジの前記出口部に所定の形態を形成し、ミキサー部材は、その目的のため、前記カートリッジの前記分配開口間に位置している。ミキサー部材は、好ましくは形状安定性を有したもので、かつ、複合成分カートリッジから突出するように、少なくとも室温では固体形態をなす。そのためミキサー部材は、断面が楕円形又は多角形のシリンダ状又は球面状の部材である。好ましくは、ミキサー部材はシリンダ状であり、かつ矩形断面を有したものである。この特定の実施形態では、ミキサー部材及びミキサーハウジングの製作時において、ミキサーハウジングがミキサー部材上への誤った組み付けがなされることが防止されるという優位点を有している。この点に関し、ミキサー部材は長手方向に閉塞された2つのミキサー壁を備え、他の二つの外側長手方向壁は開放された構成とされているとさらに好ましい。
【0015】
前記ミキサー部材は長手方向中間軸線を備えている。以下では、この軸線を長手軸線とも称する場合もある。複合成分カートリッジのチャンバの該長手中間軸線は、好ましくは、全て互いに平行に延びている。さらに好ましくは、分配装置は、前記チャンバの長手中間軸線及び前記ミキサー部材の前記長手軸線が互いに全て平行であるように構成されている。以下の説明においては、ミキサー部材の長手軸線の方向は常に該分配装置の軸線方向であるものとする。
【0016】
この分配装置はまた、前記ミキサー部材の上部に装着可能なミキサーハウジングを備える。該ミキサーハウジングは、好ましくは、円錐状テーパ―とされた出口領域を有し、該出口領域は、複合成分カートリッジの前記出口部から離れた端部に分配開口を有する。ミキサーハウジングは、カートリッジ側端部に、チャンバの分配開口の少なくとも一つをロック(閉塞)するための閉塞部材を有する。閉塞部材としては、好ましくは、ミキサーハウジングに画定された閉塞プラグが用いられる。該閉塞プラグは、特にミキサーハウジングに形成された閉塞部材として画定されている。従って、閉塞プラグ及びミキサーハウジングは、好ましくは、同一材料から一体ものとして形成されている。
【0017】
前記複合成分カートリッジ、前記ミキサー部材、及び前記ミキサーハウジングは、好ましくは同一材料からできている。材料としては特にプラスチックが適合し、形状安定性のある実質的に剛体に成形され得る全てのプラスチックを用いることができる。特に好ましいのは、ポリプロピレン(PP),ポリオキシメチレン(POM),アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)である。
【0018】
本発明に従う分配装置の第一実施形態では、ミキサーハウジングのミキサー部材を含む前記内面が、ミキサー部材に対しぴったりと適合する形態を有している。ここで、ミキサーハウジングの軸方向移動を確実なものとするためミキサー部材には最小の遊びが存在する。この点に関し、ミキサー部材におけるミキサーハウジングの移動がミキサー部材の長手軸線に沿ってのみ可能とすることを確実にするために、ミキサーハウジングの内面及びミキサー部材の外壁の形状適合に類似した形態が所要の軸方向ガイド部材を形成する。
【0019】
本発明に従う分配装置の別の実施形態では、ミキサー部材における前記ミキサーハウジングの軸線方向の変位のための前記ガイド部材は、ミキサーハウジングにおいてミキサー部材とぴったりと適合するようには形成されておらず、むしろ、少なくとも一つの軸方向に延在する舌部とグルーブとの組合せ配置によって形成されている。ここで、軸方向に延びた只一つの舌部・グルーブ組合せ構造を用いることができるが、個別的に配され軸方向に延在した複数の舌部・グルーブ組合せ構造を用いることもできる。グルーブをミキサー部材に設け、ミキサーハウジングに舌状形状を形成するか、あるいはこの第2の例では、前記グルーブをミキサーハウジングの前記内側に配置し、ミキサー部材の前記外壁に舌状形態を形成してもよい。
【0020】
ミキサー部材は、接続部材によって複合成分カートリッジに軸線方向変位可能に接続されている。この点に関し重要なことは、チャンバの分配開口のための成形された前記閉塞プラグを有したミキサーハウジングが、前記分配開口を閉塞する位置からそれらを開放する分配位置まで移動可能であるということである。また、前記軸方向ガイド部材が、前記ミキサーハウジング及び前記ミキサー部材が互いに、前記閉塞位置と分配位置との間を軸線方向のみに移動できるように、かつこられ2位置間の全行程を移動できるように構成されていることも重要である。
【0021】
複合成分カートリッジを前記ミキサーハウジングに接続する前記回転部材は、特には回転キャップである。該回転キャップは、複合成分カートリッジ又はミキサーハウジングに対して回転可能であるが、前記軸線方向に対しては固定されている。該回転キャップは、ミキサーハウジング及び囲繞壁を介してガイドするための凹部が中心に形成された蓋を持ったキャップ状部材である。この蓋は特に、実質的に回転対象形のものとされている。前記囲繞壁は特に開口境界領域 (open boundary region) を有している。
【0022】
別の実施形態では、前記回転部材はネジナットとすることができ、且つ、前記ミキサーハウジング又は複合成分カートリッジはそれと協働する螺旋 (winding) とすることができる。
【0023】
前記回転部材の取付け、すなわち特に複合成分カートリッジ又はミキサーハウジングにおける前記回転キャップの取付けは、例えばスナップ及びロック接続あるいはバヨネット接続によってなされる。
【0024】
スナップ及びロック接続は、好ましくは、回転キャップが、複合成分カートリッジの外面又はミキサーハウジングの外面に、少なくとも一部を取り囲む環形ビード状凹部、及びこれらに対応して少なくとも一部を取り囲む環形のモールディング又はグルーブを有して形成される。
【0025】
前記外面は特に前記出口部の外面である。
【0026】
前記回転キャップの前記自由境界は、膨出形状とされた前記凹部を、複合成分カートリッジ又はミキサーハウジングの出口部において、前記環形モールディング又はグルーブ上へ装着するために弾性変形可能とされている。
【0027】
前記回転キャップは、複合成分カートリッジの前記閉塞位置及び/又は分配位置に、特にバヨネット結合によって固定することができる。
【0028】
有利な実施形態によれば、前記回転キャップは、ミキサー部材の長手方向に螺旋状に形成された回転キャップスロットを有し、かつ、ミキサーハウジングは、前記回転キャップスロットと協働するガイド部材、特にハウジングボタンを有している。有利な実施形態の変形例によれば、さらなるスロット部材が、回転キャップの長手軸線に対して垂直な平面内で前記回転キャップの少なくとも一端に接続され、前記ガイド部材と共にバヨネット固定構造を形成する。
【0029】
さらに有利な実施形態によれば、ミキサーハウジングは、その外面にミキサー部材の長手方向に螺旋状に延びるハウジンググルーブを有し、かつ、前記回転キャップはガイド部材、特には前記ハウジンググルーブと協働する回転キャップボタンを有する。
【0030】
さらに有利な形態の変形例によれば、さらなるグルーブ要素が、ミキサーハウジングの長手軸線に対して垂直な平面内で前記ハウジンググルーブの少なくとも一端に接続され、前記グルーブ要素が前記ガイド部材と共にバヨネット固定構造を形成している。
【0031】
前記回転キャップスロット又は前記ハウジンググルーブは、前記回転キャップの、前記ミキサー部材の長手軸線回りでの前記閉塞位置から前記分配位置までの回転が、円周360°に対する270°又はそれ以下、特には90°〜180°となるよう優位に形成されている。
【0032】
ミキサーハウジングと複合成分カートリッジとの間の、前記閉塞位置から前記分配位置までの、軸線方向の前記相対移動は、好ましくは0.5mmから4mm、特には1mmから3mmである。
【0033】
前記回転キャップの外面には、手動によるトルク伝達を向上させるために、軸線方向に延びた回転ウィング又は軸線方向に延びた溝を全周に配設することができる。
【0034】
特に、ミキサー部材及びミキサーハウジングは協働コード化手段を有しており、これによりミキサーハウジングは、ミキサー部材上の所定位置にのみ載置される。
【0035】
前記複合成分カートリッジは、前記ミキサーハウジングと重畳されるよう形成されたミキサー側端部に出口部を有し、かつ、混合すべき構成成分を前記チャンバから排出する間にミキサーハウジングと複合成分カートリッジとの間から構成成分が漏えいするのを防止するために、前記出口部の外面及び/又は前記ミキサーハウジングの内面がシール手段を備えている。
【0036】
本発明による複合成分カートリッジは、複合成分カートリッジの出口部におけるミキサーハウジングの位置決め及び移動を可能とするため、ミキサー部材の有利な実施形態に従うミキサーハウジングの軸線方向移動のためのガイド部材として構成することができる。ミキサーハウジングを該ミキサーハウジングの開位置及び/又は閉位置への固定を確実にするために、本発明の有利な実施形態では、出口部及び/又はチャンバの外壁及び/又はミキサーハウジングに付加的な作用手段、特にラッチ用ノーズ、及びこれに対応するラッチ用グルーブを設けることができる。これにより、構成成分を障害なく分配できる一方で、チャンバをシール状態に閉塞することができ、よって、構成成分のチャンバ内での乾燥又は早期硬化の発生を防止できる。チャンバの分配開口は、特に有利にはミキサーハウジングに配された対応のシール部材によって、シール状態に閉塞することが可能である。さらに、前記ラッチ用のノーズ及びラッチ用グルーブは、使用者がミキサーハウジングを適正な位置に置く操作の助けとなる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明の更なる特徴及び優位点は図面を参照した好ましい実施形態の以下の説明により明らかとされる。図において、
【図1】ミキサーハウジング及び分配プランジャが取り付けられた複合成分カートリッジの三次元図である。
【図2】図1に示した複合成分カートリッジの断面図である。
【図3】図1に示した複合成分カートリッジの分配サイドの縦断面図である。
【図4】図3に従う回転キャップとミキサーハウジング及び分配ネックとの接続状態を示す詳細図である。
【図5】複合成分カートリッジ、回転キャップ、及びミキサーハウジングの分配側を示す三次元図である。
【図6】取り付けられたミキサーハウジングを回転キャップの無い状態で示す概略図である。
【図7】図6を、閉位置にある回転キャップ付きで示した図である。
【図8】分配装置の第2実施形態を示す図である。
【図9】第2実施形態によるミキサーハウジング及び回転キャップの詳細図である。
【図10】第2実施形態による回転キャップの詳細図である。
【図11】第2実施形態によるミキサーハウジングの断面図である。
【図12】第2実施形態によるミキサーハウジングを一部断面で示す図である。
【図13】分配装置の第3実施形態を示す図である。
【図14】第3実施形態によるミキサーハウジング及び回転キャップの詳細図である。
【図15】第3実施形態による回転キャップの詳細図である。
【図16】第4実施形態によるミキサーハウジングの断面図である。
【図17】分配装置の第4実施形態である。
【図18】第4実施形態によるミキサーハウジング及び回転キャップの詳細図である。
【図19】第4実施形態によるミキサーハウジングの断面図である。
【図20】図19の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は本発明の好ましい実施形態による、複合成分素材 (multi-component masses) の混合及び分配のための分配装置を示している。図1に示す如く二重シリンジ構成とされた複合成分カートリッジ1は、実質的にシリンダ状とされかつ接続固定された、異なる構成成分を受け入れるための2つのチャンバ2,3を有したコンテナを備えている。本例において前記構成成分は二成分接着剤の二つの成分であり、これらは、接着対象の上に分配される直前にのみ互いに混合されるものである。ただし、前記チャンバには他の構成成分、例えば歯科的に適用される形成素材といったものも収容可能である。原理的には、該複合成分カートリッジは、少量を一度のみ塗布するようなあらゆる場合に適している。
【0039】
該複合成分カートリッジは入口端40及び出口端50を備える。入口端40は入口開口41,42を備えており、これら入口開口41,42によってチャンバ2,3には対応する構成成分が充填される。出口端50は、図3に示すように出口部5を備える。チャンバ2,3から構成成分を押し出すために、該複合成分カートリッジは分配プランジャ4を備える。該分配プランジャは、図1に示す複合成分カートリッジの前記入口端40の下方から押される。分配プランジャは、前記チャンバ2,3の各々に対応し、これらチャンバの内壁に沿って移動可能なピストン部材を備える。チャンバ内にある構成成分は、これらピストンが出口部5の方向に動くことによって前記出口部5の方向に押される。出口部5は図3に示すように分配開口9,29を備える。
【0040】
チャンバ2,3の出口部50には、分配チューブとして構成されたミキサーハウジング10が設けられている。図1に示すミキサーハウジングは、実質的に方形断面とされるとともに、該ミキサーハウジングを通る経路中で混合された排出すべき構成成分を分配するための分配開口12を有している。該ミキサーハウジングは、この例では図示していないが、ミキサー部材30を備えている。該ミキサー部材は、以下、該部材を示す図3を参照して詳細に説明される。該ミキサー部材は前記出口部5に一体物として接続されている。これは、該ミキサー部材が、該複合成分カートリッジの一部として単一工程で製作されることを意味する。
【0041】
前記ミキサーハウジングは、前記ミキサー部材上に装着さら、かつ、図1に閉位置で示された、対応構成の回転部材内に保持される。図1に示す回転部材は回転キャップ20として構成されている。該回転キャップは、複合成分カートリッジ1又はミキサーハウジング10に対して回転することができる。
【0042】
図2は、複合成分カートリッジにおける前記出口端50及びミキサーハウジング10の一部の断面を示している。出口端50は回転キャップ20によって覆われている。回転キャップ20は、前記ミキサーハウジング10が挿入される開口を有した基部を備えたカップ状部材である。カバー部材が、自由境界領域21内に開口している前記基部に接続されている。少なくとも一つの回転ウィング22が前記カバー部材及び/又は前記自由端領域21に取り付けられている。この回転ウィング22によって、前記ミキサーハウジング10を回転させる際に使用者が回転キャップを回転させること及び/又は回転キャップを保持することが容易となっている。
【0043】
前記回転キャップ20はミキサーハウジング10を保持しており、該ミキサーハウジング10は、カラー11として構成された入口端を有している。該カラー11は、前記回転キャップ20によって広く覆われており、回転キャップスロット24から覗くほんの一部のみを見ることができる。カラー11の外側カバー面にハウジングボタン14が設けられている。該ハウジングボタン14は、前記ミキサーハウジング10又は前記回転キャップ20が回転した際、前記回転キャップスロット24によって規定されたトラック(軌道)に沿って変位することができる。ハウジングボタンとしては、回転キャップスロットに適合する形状を有し、回転キャップとハウジングボタンとの相対移動を妨げることのない任意の突出形状を採用することができる。特に、このハウジングボタンの幅は回転キャップスロットの幅よりも小さいものとされている。
【0044】
図3は、前記複合成分カートリッジ1の出口端50及び前記ミキサーハウジング10を断面で示したもので、この図から明らかなように、複合成分カートリッジ1の出口部5には、多数の偏向要素を有したミキサー部材30が設けられている。ミキサー部材30は複合成分カートリッジ1と一体的に形成されている。この軸線方向に沿ったミキサー部材30は、該ミキサー部材30の上に被せられたミキサーハウジング10を有する。該ミキサーハウジング10及び前記ミキサー部材30は前記回転キャップ20によって画定されている。
【0045】
前記チャンバ2,3は、前記出口部5内では、前記出口開口9,29に向けてダクト状に延出している。ミキサーハウジングが図6に示す開位置にあるとき、構成成分は、チャンバ2,3から、前記分配開口9,29を介して、上述のように取り付けられた前記ミキサーハウジング10によって形成された上述の混合空間に計量分配される。
【0046】
分配開口9,29の各々は、ミキサーハウジング10に画定された閉塞部材16,26によって閉じられる。これら閉塞部材は特に閉鎖プラグとして構成することができる。ミキサー部材30の外面及びミキサーハウジング10の内壁は協働ガイド部材を有している。該協働ガイド部材によって、ミキサーハウジング10は、ミキサー部材30に対しミキサー部材30の長手軸線32に沿った方向のみに変位可能とされている。前記ミキサー部材は複合成分カートリッジ1に、接続部材によって軸線方向移動可能に接続されている。ここで、複合成分カートリッジ1は、前記分配開口9,29を閉じるロック位置から、それら分配開口を開放する分配位置9,29に移動可能とされている。前記ガイド部材は、前記ミキサーハウジング10及び前記ミキサー部材30が、互いに前記ロック位置と分配位置との間で軸線方向のみに移動可能であるように、かつこれら2つの位置間の全行程において移動可能であるように構成されている。
【0047】
前記回転部材20、ミキサーハウジング10、及び複合成分カートリッジ1は協働作用部材14,24を備えている。該協働作用部材は、前記回転部材20の回転によって、ミキサーハウジング10と複合成分カートリッジ1との間の軸線方向相対移動が生ずるように構成されている。該作用部材は特に、ハウジングボタン14又はキャップビード (cap bead) として構成されている。
【0048】
前記回転キャップ20は、スナップ接続15によって前記出口5又は前記外壁に取り付けられている。該スナップ接続15は回転キャップの自由境界領域21に存在する。自由境界領域21は、その内側にグルーブを有し、前記チャンバ2,3の前記出口部5又は前記外壁における関連した突出部と係わり合う。好ましくは、この自由境界領域は弾性を有しており、前記出口部又は前記外壁を取り付けるべく軸線方向へ力を加えたときに小さなたわみが生ずるようになっている。
【0049】
図4は図3の一部を示したもので、前記相互作用部材18,19及びスナップ接続15を詳細に示している。図3において既に示したものと同一構成要素には同一符号を付してある。このため図3は、部分的に示された分配開口9内に開いた分配ネック部8の一部を示している。前記分配開口9は、この図示例では、前記ミキサーハウジング10の構成要素である閉鎖プラグ16によって閉じられる。ミキサーハウジング10は、分配ネック部の上部に位置したミキサーハウジングカラー11を備える。ミキサーハウジング10は、第1シール突出部6及び第2シール突出部7を介して前記分配ネック部8に液密的に接続されており、このためチャンバ2内に存在している構成成分は閉状態においてはこれらチャンバから飛び出すことはない。
【0050】
ミキサーハウジング10は軸線方向、すなわち実質的に前記ミキサー部材30の長手軸線方向32の方向に移動することができ、その目的のために前記回転キャップ20が設けられている。回転キャップ20は、少なくとも環形の一部を成した膨出部を形成する窪み18を有している。複合成分カートリッジ1の外面17には、それに対応して少なくとも環形の一部を成した形状部19又はグルーブが形成されており、かつ、前記回転キャップ20の前記自由境界領域21は、前記膨出部を形成する窪み18を、複合成分カートリッジ1又は前記ミキサーハウジング10の前記環形形状部19又はグルーブ上に組み付けるために弾性変形する。
【0051】
また、該回転キャップ20にスナップ接続を設けることにより、前記ミキサーハウジング10が複合成分カートリッジ1から不用意に、例えば開ける際に、外れることが防止されている。前記複合成分カートリッジ、特に前記チャンバ2,3の外壁又は出口部5は、その分配側端部にラッチ用突出部19を有している。ラッチ用突出部は弾性を備えた前記作用部材、すなわちこの実施形態では回転キャップ20の前記自由境界領域21の前記膨出部を形成した窪み18、によって、前記ミキサーハウジング10及び前記回転キャップ20を載置する際に外側に押されることができる。膨出部を備えた窪み18が該ラッチ用突出部19と接触して、ミキサーハウジング10を装着した後に外れることが防止される。
【0052】
前記ミキサーハウジングカラー11の前記内側には、ミキサーハウジング19の閉塞位置において前記分配開口9,29を密閉閉塞するために、2つの実質的に環形の閉塞部材16,26が設けられている。該閉塞部材は、分配側に対して内側に向かうテーパ状とされ、かつ断面切頭円錐状とされている。前記閉塞部材16,26は、その特徴的な形状によって分配開口9,29をロック(閉塞)できる。そこで、前記閉塞部材16,26が分配開口9,29から引っ込むためには、閉状態におけるシール能力を保証する力よりも大きな力が必要となる。
【0053】
ミキサーハウジング10及びミキサー部材30の前記ガイドは、互いに適合するその方形の内面及び/又は外面形状により確立されている。すなわち図示の実施形態では、ミキサー部材30の断面及びミキサーハウジング10の断面は双方共に方形とされている。構成成分が、ミキサー部材30を介して可能な限り完全に押されることができるように、ミキサーハウジング10の内側形状とミキサー部材30の外側形状との間の寸法は可能な限り小さくされ、それでもミキサーハウジング10は動くことが可能でなければならない。さらに、外部から明確に視認できる識別手段、例えばミキサーハウジングカラー11及び複合成分カートリッジ1の前記分配ネック部8の楕円形状によって、ミキサーハウジング10がミキサー部材30上に誤った状態で組み付けられることが防止されている。ミキサー部材30が形状安定性材料よりなるので、ミキサーハウジング10を複合成分カートリッジの長手軸線方向に確実にガイドできる。
【0054】
本発明の他の実施形態によれば、ミキサー部材30の外側形状及びミキサーハウジング10の内側形状は矩形状であり、すなわちこれらは実質的に矩形断面を有したものとなっており、このこと自体で、ミキサーハウジング10が回転することなく確実にガイドされるものとなっている。さらに、このような実施形態において、ミキサーハウジング10が、ミキサー部材30上の、前記閉塞部材16,26による前記分配開口9,29に対するシール及び接触が確実となる位置に置かれることが有利である。この場合、ミキサーハウジング10のミキサーハウジングカラー11及び複合成分カートリッジ1の分配ネック8は、その他の断面形状、例えば円形断面とすることもできる。その場合でも、ミキサー部材30の特定な形状によって、分配開口9,29と閉塞部材16,26とは互いに常時接触したものとなる。
【0055】
図5は、上記とは異なるミキサー部材30、変更された回転キャップ20、並びに他の構成例による閉塞部材16,26を示した変形実施形態を示す。図1ないし図4について説明した上述のものと同一構成要素には同一符号を付してある。ミキサー部材30におけるミキサーハウジング10の軸線方向移動のためのガイド部材は、ミキサーハウジング10の内壁13及びミキサー部材30の外壁31の形状安定的形態によって形成されており、ここで、ミキサー部材30の少なくとも外面31、及びミキサーハウジング10のミキサー部材30を囲む内面30は、それぞれ多角形、特に矩形の断面、又は楕円形断面を有している。
【0056】
図5に示す別の実施形態にあって、該分配装置は開状態で示されており、チャンバ2,3内に存在する構成成分の混合体である充填物質はミキサーハウジング10の分配開口12から分配され得る。カートリッジ1及び/又はそのミキサー部材30に対するミキサーハウジング10の軸線方向移動は、前記回転キャップ20を回転させることで生ずる。この実施形態の場合、ハウジングボタン14はミキサーハウジングカラー11には取り付けられておらず、対応する回転キャップスロット24に接触する突出部37に取り付けられている。該突出部37は、前記閉塞部材16,26を支持するミキサーハウジングの接続片38から延出している。閉塞部材16,26は、該接続片38における前記カートリッジ1を向く側に配設されている。前記閉塞部材16,26の断面積は、開状態のときよりも閉状態のときの方が大きい。開状態では、対応する構成成分は対応の閉塞部材を通過して流れることができる。図5に示すように、閉塞部材はボール状をしている。
【0057】
図6は複合成分カートリッジ1に設けられた前記ミキサーハウジング10を回転キャップなしで示す概略図である。この図においては、ハウジングボタン14として構成された前記作用部材を見ることができる。複数のハウジングボタンをミキサーハウジングカラー11の外側カバー面に取り付けることができる。図5では、互いに対向配置された2つのハウジングボタン14を示した。さらに、前記突出部37は、前記接続片38からミキサーハウジング10の方向に延出するシリンダ状環形部材と示している。
【0058】
図7は、図6を、閉位置にある回転キャップが取り付けられた状態で示したものである。閉塞位置では、図5に示した前記閉塞部材16,26は、対応する分配開口9,29に接触する。従ってハウジングボタン14は、複合成分カートリッジ1の最も近くに、すなわち図7に示す位置における回転キャップスロット24の下端に位置にしている。
【0059】
回転キャップはカバー面に縦溝23を有する。この代わりに、図1ないし図4の実施形態に示したような回転ウィングを設けることも可能である。
【0060】
図8ないし図11は変形例を示すもので、ミキサーハウジング10のミキサー部材30における軸線方向移動のガイドが、前記軸線方向に延在する舌部とグルーブとの組合せ構造によって形成されている。
【0061】
図8は分配装置の第2の実施形態を示すもので、上述の要素と同様の機能を有するものには同じ符号を付すものとする。以下では、先の第1実施形態との相違点のみを説明する。それ以外の点は第1実施形態で説明されている。
【0062】
図9は第2実施形態によるミキサーハウジング及び回転キャップの詳細を示す。ミキサーハウジング10は、断面が実質的に円形又は楕円形の実質的に円筒形チューブの形状をしている。ミキサーハウジング10はガイド部材33を有している。ミキサーハウジングは、このガイド部材に沿って、ミキサー部材30に対し、共通の長手軸線32の方向に変位可能である。
【0063】
図10は第2実施形態による回転キャップ20の詳細を示す。この回転キャップ20には回転ウィング22が設けられている。またこの回転キャップは、図1ないし図4に示したようにカップ状部材であり、図2に示したように、ベース60、及び、回転キャップスロット24を有したカバー部材61を備えている。但し、回転キャップスロット24は、第1実施形態とは対照的に、スリット要素64として形成された延長部を有している。このスリット要素64はハウジングボタンと共にバヨネット固定構造を形成している。スリット要素64はカバー部材61の周囲の一部に延び、かつ回転キャップ20の長手軸線と垂直となる面内に配置されている。
【0064】
図11は第2実施形態によるミキサーハウジングの断面図である。ミキサー部材30は、ミキサーハウジング10のガイド部材33のグルーブ34内に受け入れられている。また、そのようなグルーブ34を複数設けることもできる。特に第1グルーブ34及び第2グルーブ35が設けられ、これらは互いに鏡像対象的に配置されている。本実施形態では、その対称面は、ミキサー部材30の長手軸線32に沿って存在し、かつミキサー部材の中壁36に対して垂直である。
【0065】
図12は第2実施形態の変形例で、ミキサー部材は方形の断面を有している。またこの変形例においては、回転キャップスロット24は、ハウジングボタンに対するバヨネット固定構造を形成するスロット要素64を有する。
【0066】
回転部材20は、全ての実施形態と同様、回転可能であり、複合成分カートリッジ1に、軸線回り回転可能に取り付けられている。回転部材20は、スナップ及びロック接続15によって複合成分カートリッジ1又はミキサーハウジング10に取り付けられている。
【0067】
図13は分配装置の第3実施形態を示しており、回転キャップ20がバヨネット固定構造を有し、これによって複合成分カートリッジ1に取り付けられている。ここでのバヨネット固定構造は上述した実施形態におけるものとは異なる。少なくとも一つの別のスロット要素が、前記ガイド部材と共にバヨネット固定構造を形成している回転キャップ20の長手軸線と垂直となる面内で、回転キャップスロット24の少なくとも一端に接続されている。
【0068】
図14は第3実施形態によるミキサーハウジング10及び回転キャップの一部を示したものである。回転キャップ20は、回転キャップスロット24と、バヨネット固定構造に関わる更なるスロット要素70とを有している。さらに、回転キャップは、バヨネット固定構造の一部であるフランジ71を有している。
【0069】
図15は第3実施形態による回転キャップの断面図を、また図16はフランジ70をバヨネット固定構造と共に示す詳細図である。図15に示す実施形態によれば、ミキサー部材30はカートリッジ1と一体に構成されている。カートリッジ1は出口部5に開口する2つのチャンバ2,3を備える。出口部は、対応する分配開口9,29に通じる分配ダクトを備え、かつ対応の構成成分が流通するダクトを形成する。該ダクトの断面は通常は対応するチャンバの断面よりも小さい。
【0070】
ミキサーハウジング10がミキサー部材30上に設けられ、かつ、閉鎖プラグ16,26が対応の分配開口9,29をロック(閉鎖)するように該カートリッジの出口部の上部に設けられる。図4に示したように、出口部5の分配ネック8の外壁には、第1シール突出部6及び第2シール突出部7が設けられている。この位置において前記チャンバ2,3は液密的に閉塞され、これにより分配開口9,29から構成成分が飛び出ることはない。
【0071】
回転キャップ20はミキサーハウジング10及びミキサーハウジングカラー11上で、フランジ71に接触するまでガイドされる。回転キャップは、そのカバー面61に各ハウジングボタン14のためのスロット部材70を有し、これにより回転キャップ20がミキサーハウジングカラー上に設けられる。回転キャップは、カートリッジ1のフランジ71に対する所定の位置に設けられる。この位置は前記スロット要素70によって規定される。図16は図15を詳細に示しており、回転キャップがハウジングボタン14上でガイドされ得る位置にあるスロット要素が示されている。カバー面61には延長部72が形成されており、これにより回転キャップは、該延長部72の内壁に沿って、ハウジングボタン14でガイドされる。
【0072】
図15の右側に示す変形では、カバー面61は、延長部ではなく、凹所73を有している。この変形例においては、延長部72の変形例を示す図の左側、あるいは図14にも見られるような回転キャップのカバー面の内径の変化は生じない。
【0073】
回転キャップは、僅かな回転によって、ハウジングボタン14が回転キャップスロット24によって規定されたトラックに沿って変位できるよう回転キャップスロットの方向に動かされる。回転方向は、図5の実施形態の左側及び図14において当接部74によって規定されている。ハウジングボタン14が回転キャップスロットの前記トラック内に受け入れられるように回転キャップがフランジ71に対して回転されると直ぐに、とり囲んでいる回転キャップフランジ75がフランジ71の作用部材76と接触し、これにより、回転キャップはフランジ71にロスのない方法で保持される。ハウジングボタン14(よってこの場合ミキサーハウジング10も)は、回転キャップがさらに回転することでカートリッジから離れていく。ハウジングボタン14が回転キャップスロット24の最も高い位置にあるときには分配開口9,29は開いている(図14参照)。この位置において、構成成分を開いた分配開口9,29からミキサー部材30内に入れることが可能であり、かつ、カートリッジのチャンバから構成成分の分配が行われる。
【0074】
図17は分配装置の第4実施形態を示すもので、回転キャップスロットが、異なる2つの開口位置をとることのできる回転キャップスロットを有している。
【0075】
図18は第4実施形態によるミキサーハウジング及び回転キャップの詳細を示す。回転キャップは、カバー面62と接続された更なるカバー面61を有する。カバー面62はカバー面61よりも大きい内径を有している。カバー面61はリフト63を介してカバー面62に接続されている。カバー面62は回転キャップスロット84を備えており、これに沿ってボタン部材85が、回転キャップスロット84によって規定されたトラックに沿って移動可能となっている。
【0076】
前記ミキサーハウジング10は、既に説明した実施形態と同じようにミキサー部材30上でガイドされ、かつカートリッジの分配ネック8のところに設けられる。これに続き、回転キャップ20がミキサーハウジング10上で、該カートリッジ1の出口端50の方向に動かされる。回転キャップは前記カバー面62に凹所86を有し、該凹所によってボタン部材85がガイドされる。図18の図示例では、回転キャップは、ボタン部材85が回転キャップスロット84の上端に接するまで下方に移動する。この状態において、カートリッジ1の分配開口は閉じられている。
【0077】
カートリッジから構成成分を分配するためには、回転キャップを左又は右に回転させる。ボタン部材85は回転キャップスロット84により規定されたトラックにそって滑動し、これによりミキサーハウジング10が動き、分配開口が解放される。
【0078】
図19は、第4実施形態による回転キャップ20の断面で、閉塞部材16,26によって分配開口9,29がロックされた図18に示した位置にある回転ウィング22に沿った断面で示した図である。また、ミキサーハウジング10はミキサーハウジングカラー11を備える。該カラー11は先の実施形態とは異なり、取り囲みミキサーハウジングフランジ88を備える。該ミキサーハウジングフランジ88は、取り囲み回転キャップグルーブ86内に接触している。ここで、回転キャップはミキサーハウジングに対して回転可能となっているが、図示のミキサーハウジング10に対して軸線方向には移動できないようになっている。特に図20は、図19の実施形態によるミキサーハウジング及び回転キャップの詳細を示している。
【0079】
前記ボタン部材85はカートリッジ1の壁部に取り付けられている。
【0080】
図示されない他の実施形態によれば、回転部材20は、ミキサー部材30の長手軸線方向に螺旋状に延びる回転キャップスロット24を備え、かつ、ミキサーハウジング10は該回転キャップスロット24と協働するガイド部材を有している。
【0081】
ミキサーハウジング10は、その外面25に、ミキサー部材30の長手方向に螺旋状に延びたハウジンググルーブを有しており、かつ、回転キャップ20は該ハウジンググルーブと協働するガイド部材を有している。
【0082】
回転キャップスロット24又はハウジンググルーブは、特に回転キャップ20のミキサー部材30の長手軸線回りの閉塞位置から分配位置への回転角度が全周360°に対して270°以下、特に90°〜180°ように構成されている。
【0083】
チャンバ2,3から混合すべき構成成分を押し出す間に、ミキサーハウジング10と複合成分カートリッジ1の間から混合すべき構成成分が漏出することを防止するために、前記出口部5の外面51及び/又は前記ミキサーハウジング10の内壁はシール手段を有することができる。
【0084】
上述した各実施形態によるミキサーハウジングは透明又は半透明のものとすることができる。この場合、ミキサーが十分に満足のいく混合を生じて分配しているかを視認しながらの操作が可能となる。これは特に異なる色の構成成分が混合されているときに有利である。また、ミキサーハウジングは、その材料として特にポリプロピレン又はポリスチロールが用いられている場合には不透明とすることもできる。
【符号の説明】
【0085】
1 複合成分カートリッジ
2 チャンバ
3 チャンバ
9 分配開口
10 ミキサーハウジング
13 内壁
14 ハウジングボタン(協働作用部材)
20 回転部材
24 回転キャップスロット(協働作用部材)
29 分配開口
30 ミキサー部材
31 外壁
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の「おいて書き部」に記載した複合成分素材 (multi-component masses) を混合及び分配する分配装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には複合成分素材を混合及び分配するために装置が開示されている。この装置はカートリッジを備えており、カートリッジは、構成成分を収納するために並設された少なくとも二つのシリンダ状チャンバと、構成成分を絞り出すために個々に設けられたピストンとを有している。これらチャンバは、キャップの円形内面によってカバーされかつロック(閉塞)される出口開口を有している。このキャップは、混合コイルを囲んでカーブした出口チューブを備えている。混合コイルは可撓性を有しており、それぞれ前記出口チューブの方向に曲線を描いている。混合コイルは、カートリッジヘッドのシリンダ状突出部に形成された横壁に取り付けられている。横壁は、回転に対して前記キャップの凹部に保持されている。キャップは、構成成分からの圧力を付与して閉塞位置から吊り上げられ、かつ分配開口が解放される。ここで、出口開口を出た構成成分は前記横壁によって互いに分離され、このため個々の構成成分は、容易には他の構成成分のチャンバに到達することはできない。前記横壁は、キャップの開口位置ではもはや前記凹部に係合せず、このためキャップは(つまり前記出口チューブも)、当該出願人の望む方向に回転することができる。キャップの開放位置、さらにはロック(閉塞)位置を固定するため、前記シリンダ状突出部は、対応する前記凹部に係合可能な環状膨出部を有しており、キャップは、それのみが、構成成分からの圧力によってロック位置から開放位置に跳ね上がる。
【0003】
分配チューブを備えたキャップを混合コイル上に載置することは、分配チューブを適当な分配位置へ回転させる場合があること、またそれに接続された可撓性を備えた混合コイルを使用する必要があること、などから面倒である。さらに、混合コイルの構造は機械的ダメージに対して敏感であるため、かかる敏感な可撓性混合構造は注意深く分配チューブ内に設置しなければならず、ここにおいてまた操作者は、前記シリンダ状突出部に前記キャップが正しく着座しているか注意を払わなければならない。また、キャップが開放位置と閉塞位置との間を移動することにより、キャップが傾いて混合コイルが損傷を受ける恐れがある。
【0004】
特許文献2には、複合カートリッジへの分配チューブの設置を容易にするためのアダプタを備えた分配装置が特許文献2に開示されている。ここで、アダプタはスプレー本体とミキサーユニットとの間に配置されたものであり、アダプタはスプレー本体に交換可能に、またミキサーユニットはアダプタに交換可能に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許第10254409号公開公報 (DE 102 54 409 A1)
【特許文献2】独国実用新案第202006004738号公報 (DE 20 2006 004 738 U1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
周知の分配装置は、混合コイルにダメージを与えることなく、簡単な方法で、分配チューブをスプレー部分にきれいに配することができない。また、分配チューブがスプレー部分にきれいに載置されないため、構成成分がシリンジから押し出された際にスプレー部分と分配チューブとの接続部で横にはみ出すという欠点がある。
【0007】
本発明の目的は、複合成分素材の混合及び分配のための簡単に構成された分配装置、しかも、上述の欠点を回避し、個々の構成成分が不用意に分配あるいは混合されることを回避し、かつ閉塞部材が開位置及びロック(閉塞)位置との間で自由に動くことができる分配装置を提供することである。
【0008】
上記の目的は、請求項1に記載した特徴を有した分配装置によって達成される。本発明の有利な実施形態及びより現実的な構成は引用請求項に記載してある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る複合成分質量物を混合及び分配するための分配装置は、複数の特にシリンダ状のチャンバを有した複合成分カートリッジ又は複合成分シリンジを有している。これら複合成分カートリッジ又は複合成分シリンジとしては、特に、2つのチャンバを有した二重カートリッジ又は二重シリンジが好ましい。以下の実施形態においては全て、これらのカートリッジを「複合成分カートリッジ」として記載する。前記チャンバは、前記カートリッジの内部空間が円形シリンダ状に形成可能であり、かつ断面楕円形あるいは多角形とすることができることを意味する。充填された状態においてチャンバはそれぞれ、充填素材の流体構成成分を含んでいる。この充填素材は、チャンバ内で自由に変位可能なカートリッジピストンによって周囲環境から分離される。カートリッジピストンは、前記チャンバ内容物を周囲環境から流体シール状態に閉塞するシール部材を有している。前記複合成分カートリッジの前記チャンバ内の構成成分は分配プランジャによって分配される。分配プランジャは、カートリッジピストンが前記チャンバ内で移動できるよう対応のカートリッジピストンと協働する。
【0010】
複合成分カートリッジはまた、シリンダ状チャンバの一端側に出口部として機能する構造を有している。ここで、この出口部は、例えば、個々のチャンバの管状形状の完結性及び/又は出口部のシリンダ形状といったことに関連している。この出口部は前記回転キャップとオーバーラップすることができ、かつ、各構成成分のための分配開口をミキサー側に有している。これはすなわち、個々の構成成分が出口部の混合側まで互いに分離した状態に保たれ、構成成分が前以て混合されてしまうことが防止されることを意味する。従って分配開口は、前記回転キャップによって液密状態に保持され、これにより構成成分は、複合成分カートリッジのチャンバ内により長期にわたり貯留され、かつ該複合成分カートリッジ内で搬送される。
【0011】
この分配装置はまた、複合成分カートリッジと一体的に形成された細長い混合部材と、該混合部材の上部に設けられたミキサーハウジングとを有する。一実施形態による混合部材は、複合成分カートリッジと一体に形成されている。すなわち、複合成分カートリッジと混合部材とは単体のものとして構成されている。
【0012】
複合成分カートリッジの各チャンバは、ミキサーハウジングによって画定された閉塞部材によって閉じることのできる分配開口を有している。前記混合部材の外面及び前記ミキサーハウジングの内面は、ミキサーハウジングが、ミキサー部材に対しミキサー部材の長手軸線方向にのみ変位可能とする協働ガイド部材を有している。ミキサーハウジングは、接続部材により、複合成分カートリッジに軸線方向移動可能に接続されている。この複合成分カートリッジは、前記分配開口をロック(閉塞)する閉側位置から、それらを開放する分配装置へと搬送され得る。
【0013】
前記ガイド部材は特に、前記ミキサーハウジング及び前記ミキサー部材が、前記閉塞位置と前記分配位置との間で、これら二位置間の全行程を互いに軸線方向にのみ移動可能となるように構成されている。前記接続部材は回転部材であり、該回転部材、前記ミキサーハウジング、及び前記複合成分カートリッジは、前記回転部材の回転によってミキサーハウジングと複合成分カートリッジとが相対移動するように構成された協働作用部材を有している。
【0014】
好ましくは、前記ミキサー部材及び前記複合成分カートリッジは一体のものから形成され、同じ材料から構成されている。これに関し、ミキサー部材は複合成分カートリッジの前記出口部に所定の形態を形成し、ミキサー部材は、その目的のため、前記カートリッジの前記分配開口間に位置している。ミキサー部材は、好ましくは形状安定性を有したもので、かつ、複合成分カートリッジから突出するように、少なくとも室温では固体形態をなす。そのためミキサー部材は、断面が楕円形又は多角形のシリンダ状又は球面状の部材である。好ましくは、ミキサー部材はシリンダ状であり、かつ矩形断面を有したものである。この特定の実施形態では、ミキサー部材及びミキサーハウジングの製作時において、ミキサーハウジングがミキサー部材上への誤った組み付けがなされることが防止されるという優位点を有している。この点に関し、ミキサー部材は長手方向に閉塞された2つのミキサー壁を備え、他の二つの外側長手方向壁は開放された構成とされているとさらに好ましい。
【0015】
前記ミキサー部材は長手方向中間軸線を備えている。以下では、この軸線を長手軸線とも称する場合もある。複合成分カートリッジのチャンバの該長手中間軸線は、好ましくは、全て互いに平行に延びている。さらに好ましくは、分配装置は、前記チャンバの長手中間軸線及び前記ミキサー部材の前記長手軸線が互いに全て平行であるように構成されている。以下の説明においては、ミキサー部材の長手軸線の方向は常に該分配装置の軸線方向であるものとする。
【0016】
この分配装置はまた、前記ミキサー部材の上部に装着可能なミキサーハウジングを備える。該ミキサーハウジングは、好ましくは、円錐状テーパ―とされた出口領域を有し、該出口領域は、複合成分カートリッジの前記出口部から離れた端部に分配開口を有する。ミキサーハウジングは、カートリッジ側端部に、チャンバの分配開口の少なくとも一つをロック(閉塞)するための閉塞部材を有する。閉塞部材としては、好ましくは、ミキサーハウジングに画定された閉塞プラグが用いられる。該閉塞プラグは、特にミキサーハウジングに形成された閉塞部材として画定されている。従って、閉塞プラグ及びミキサーハウジングは、好ましくは、同一材料から一体ものとして形成されている。
【0017】
前記複合成分カートリッジ、前記ミキサー部材、及び前記ミキサーハウジングは、好ましくは同一材料からできている。材料としては特にプラスチックが適合し、形状安定性のある実質的に剛体に成形され得る全てのプラスチックを用いることができる。特に好ましいのは、ポリプロピレン(PP),ポリオキシメチレン(POM),アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)である。
【0018】
本発明に従う分配装置の第一実施形態では、ミキサーハウジングのミキサー部材を含む前記内面が、ミキサー部材に対しぴったりと適合する形態を有している。ここで、ミキサーハウジングの軸方向移動を確実なものとするためミキサー部材には最小の遊びが存在する。この点に関し、ミキサー部材におけるミキサーハウジングの移動がミキサー部材の長手軸線に沿ってのみ可能とすることを確実にするために、ミキサーハウジングの内面及びミキサー部材の外壁の形状適合に類似した形態が所要の軸方向ガイド部材を形成する。
【0019】
本発明に従う分配装置の別の実施形態では、ミキサー部材における前記ミキサーハウジングの軸線方向の変位のための前記ガイド部材は、ミキサーハウジングにおいてミキサー部材とぴったりと適合するようには形成されておらず、むしろ、少なくとも一つの軸方向に延在する舌部とグルーブとの組合せ配置によって形成されている。ここで、軸方向に延びた只一つの舌部・グルーブ組合せ構造を用いることができるが、個別的に配され軸方向に延在した複数の舌部・グルーブ組合せ構造を用いることもできる。グルーブをミキサー部材に設け、ミキサーハウジングに舌状形状を形成するか、あるいはこの第2の例では、前記グルーブをミキサーハウジングの前記内側に配置し、ミキサー部材の前記外壁に舌状形態を形成してもよい。
【0020】
ミキサー部材は、接続部材によって複合成分カートリッジに軸線方向変位可能に接続されている。この点に関し重要なことは、チャンバの分配開口のための成形された前記閉塞プラグを有したミキサーハウジングが、前記分配開口を閉塞する位置からそれらを開放する分配位置まで移動可能であるということである。また、前記軸方向ガイド部材が、前記ミキサーハウジング及び前記ミキサー部材が互いに、前記閉塞位置と分配位置との間を軸線方向のみに移動できるように、かつこられ2位置間の全行程を移動できるように構成されていることも重要である。
【0021】
複合成分カートリッジを前記ミキサーハウジングに接続する前記回転部材は、特には回転キャップである。該回転キャップは、複合成分カートリッジ又はミキサーハウジングに対して回転可能であるが、前記軸線方向に対しては固定されている。該回転キャップは、ミキサーハウジング及び囲繞壁を介してガイドするための凹部が中心に形成された蓋を持ったキャップ状部材である。この蓋は特に、実質的に回転対象形のものとされている。前記囲繞壁は特に開口境界領域 (open boundary region) を有している。
【0022】
別の実施形態では、前記回転部材はネジナットとすることができ、且つ、前記ミキサーハウジング又は複合成分カートリッジはそれと協働する螺旋 (winding) とすることができる。
【0023】
前記回転部材の取付け、すなわち特に複合成分カートリッジ又はミキサーハウジングにおける前記回転キャップの取付けは、例えばスナップ及びロック接続あるいはバヨネット接続によってなされる。
【0024】
スナップ及びロック接続は、好ましくは、回転キャップが、複合成分カートリッジの外面又はミキサーハウジングの外面に、少なくとも一部を取り囲む環形ビード状凹部、及びこれらに対応して少なくとも一部を取り囲む環形のモールディング又はグルーブを有して形成される。
【0025】
前記外面は特に前記出口部の外面である。
【0026】
前記回転キャップの前記自由境界は、膨出形状とされた前記凹部を、複合成分カートリッジ又はミキサーハウジングの出口部において、前記環形モールディング又はグルーブ上へ装着するために弾性変形可能とされている。
【0027】
前記回転キャップは、複合成分カートリッジの前記閉塞位置及び/又は分配位置に、特にバヨネット結合によって固定することができる。
【0028】
有利な実施形態によれば、前記回転キャップは、ミキサー部材の長手方向に螺旋状に形成された回転キャップスロットを有し、かつ、ミキサーハウジングは、前記回転キャップスロットと協働するガイド部材、特にハウジングボタンを有している。有利な実施形態の変形例によれば、さらなるスロット部材が、回転キャップの長手軸線に対して垂直な平面内で前記回転キャップの少なくとも一端に接続され、前記ガイド部材と共にバヨネット固定構造を形成する。
【0029】
さらに有利な実施形態によれば、ミキサーハウジングは、その外面にミキサー部材の長手方向に螺旋状に延びるハウジンググルーブを有し、かつ、前記回転キャップはガイド部材、特には前記ハウジンググルーブと協働する回転キャップボタンを有する。
【0030】
さらに有利な形態の変形例によれば、さらなるグルーブ要素が、ミキサーハウジングの長手軸線に対して垂直な平面内で前記ハウジンググルーブの少なくとも一端に接続され、前記グルーブ要素が前記ガイド部材と共にバヨネット固定構造を形成している。
【0031】
前記回転キャップスロット又は前記ハウジンググルーブは、前記回転キャップの、前記ミキサー部材の長手軸線回りでの前記閉塞位置から前記分配位置までの回転が、円周360°に対する270°又はそれ以下、特には90°〜180°となるよう優位に形成されている。
【0032】
ミキサーハウジングと複合成分カートリッジとの間の、前記閉塞位置から前記分配位置までの、軸線方向の前記相対移動は、好ましくは0.5mmから4mm、特には1mmから3mmである。
【0033】
前記回転キャップの外面には、手動によるトルク伝達を向上させるために、軸線方向に延びた回転ウィング又は軸線方向に延びた溝を全周に配設することができる。
【0034】
特に、ミキサー部材及びミキサーハウジングは協働コード化手段を有しており、これによりミキサーハウジングは、ミキサー部材上の所定位置にのみ載置される。
【0035】
前記複合成分カートリッジは、前記ミキサーハウジングと重畳されるよう形成されたミキサー側端部に出口部を有し、かつ、混合すべき構成成分を前記チャンバから排出する間にミキサーハウジングと複合成分カートリッジとの間から構成成分が漏えいするのを防止するために、前記出口部の外面及び/又は前記ミキサーハウジングの内面がシール手段を備えている。
【0036】
本発明による複合成分カートリッジは、複合成分カートリッジの出口部におけるミキサーハウジングの位置決め及び移動を可能とするため、ミキサー部材の有利な実施形態に従うミキサーハウジングの軸線方向移動のためのガイド部材として構成することができる。ミキサーハウジングを該ミキサーハウジングの開位置及び/又は閉位置への固定を確実にするために、本発明の有利な実施形態では、出口部及び/又はチャンバの外壁及び/又はミキサーハウジングに付加的な作用手段、特にラッチ用ノーズ、及びこれに対応するラッチ用グルーブを設けることができる。これにより、構成成分を障害なく分配できる一方で、チャンバをシール状態に閉塞することができ、よって、構成成分のチャンバ内での乾燥又は早期硬化の発生を防止できる。チャンバの分配開口は、特に有利にはミキサーハウジングに配された対応のシール部材によって、シール状態に閉塞することが可能である。さらに、前記ラッチ用のノーズ及びラッチ用グルーブは、使用者がミキサーハウジングを適正な位置に置く操作の助けとなる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明の更なる特徴及び優位点は図面を参照した好ましい実施形態の以下の説明により明らかとされる。図において、
【図1】ミキサーハウジング及び分配プランジャが取り付けられた複合成分カートリッジの三次元図である。
【図2】図1に示した複合成分カートリッジの断面図である。
【図3】図1に示した複合成分カートリッジの分配サイドの縦断面図である。
【図4】図3に従う回転キャップとミキサーハウジング及び分配ネックとの接続状態を示す詳細図である。
【図5】複合成分カートリッジ、回転キャップ、及びミキサーハウジングの分配側を示す三次元図である。
【図6】取り付けられたミキサーハウジングを回転キャップの無い状態で示す概略図である。
【図7】図6を、閉位置にある回転キャップ付きで示した図である。
【図8】分配装置の第2実施形態を示す図である。
【図9】第2実施形態によるミキサーハウジング及び回転キャップの詳細図である。
【図10】第2実施形態による回転キャップの詳細図である。
【図11】第2実施形態によるミキサーハウジングの断面図である。
【図12】第2実施形態によるミキサーハウジングを一部断面で示す図である。
【図13】分配装置の第3実施形態を示す図である。
【図14】第3実施形態によるミキサーハウジング及び回転キャップの詳細図である。
【図15】第3実施形態による回転キャップの詳細図である。
【図16】第4実施形態によるミキサーハウジングの断面図である。
【図17】分配装置の第4実施形態である。
【図18】第4実施形態によるミキサーハウジング及び回転キャップの詳細図である。
【図19】第4実施形態によるミキサーハウジングの断面図である。
【図20】図19の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は本発明の好ましい実施形態による、複合成分素材 (multi-component masses) の混合及び分配のための分配装置を示している。図1に示す如く二重シリンジ構成とされた複合成分カートリッジ1は、実質的にシリンダ状とされかつ接続固定された、異なる構成成分を受け入れるための2つのチャンバ2,3を有したコンテナを備えている。本例において前記構成成分は二成分接着剤の二つの成分であり、これらは、接着対象の上に分配される直前にのみ互いに混合されるものである。ただし、前記チャンバには他の構成成分、例えば歯科的に適用される形成素材といったものも収容可能である。原理的には、該複合成分カートリッジは、少量を一度のみ塗布するようなあらゆる場合に適している。
【0039】
該複合成分カートリッジは入口端40及び出口端50を備える。入口端40は入口開口41,42を備えており、これら入口開口41,42によってチャンバ2,3には対応する構成成分が充填される。出口端50は、図3に示すように出口部5を備える。チャンバ2,3から構成成分を押し出すために、該複合成分カートリッジは分配プランジャ4を備える。該分配プランジャは、図1に示す複合成分カートリッジの前記入口端40の下方から押される。分配プランジャは、前記チャンバ2,3の各々に対応し、これらチャンバの内壁に沿って移動可能なピストン部材を備える。チャンバ内にある構成成分は、これらピストンが出口部5の方向に動くことによって前記出口部5の方向に押される。出口部5は図3に示すように分配開口9,29を備える。
【0040】
チャンバ2,3の出口部50には、分配チューブとして構成されたミキサーハウジング10が設けられている。図1に示すミキサーハウジングは、実質的に方形断面とされるとともに、該ミキサーハウジングを通る経路中で混合された排出すべき構成成分を分配するための分配開口12を有している。該ミキサーハウジングは、この例では図示していないが、ミキサー部材30を備えている。該ミキサー部材は、以下、該部材を示す図3を参照して詳細に説明される。該ミキサー部材は前記出口部5に一体物として接続されている。これは、該ミキサー部材が、該複合成分カートリッジの一部として単一工程で製作されることを意味する。
【0041】
前記ミキサーハウジングは、前記ミキサー部材上に装着さら、かつ、図1に閉位置で示された、対応構成の回転部材内に保持される。図1に示す回転部材は回転キャップ20として構成されている。該回転キャップは、複合成分カートリッジ1又はミキサーハウジング10に対して回転することができる。
【0042】
図2は、複合成分カートリッジにおける前記出口端50及びミキサーハウジング10の一部の断面を示している。出口端50は回転キャップ20によって覆われている。回転キャップ20は、前記ミキサーハウジング10が挿入される開口を有した基部を備えたカップ状部材である。カバー部材が、自由境界領域21内に開口している前記基部に接続されている。少なくとも一つの回転ウィング22が前記カバー部材及び/又は前記自由端領域21に取り付けられている。この回転ウィング22によって、前記ミキサーハウジング10を回転させる際に使用者が回転キャップを回転させること及び/又は回転キャップを保持することが容易となっている。
【0043】
前記回転キャップ20はミキサーハウジング10を保持しており、該ミキサーハウジング10は、カラー11として構成された入口端を有している。該カラー11は、前記回転キャップ20によって広く覆われており、回転キャップスロット24から覗くほんの一部のみを見ることができる。カラー11の外側カバー面にハウジングボタン14が設けられている。該ハウジングボタン14は、前記ミキサーハウジング10又は前記回転キャップ20が回転した際、前記回転キャップスロット24によって規定されたトラック(軌道)に沿って変位することができる。ハウジングボタンとしては、回転キャップスロットに適合する形状を有し、回転キャップとハウジングボタンとの相対移動を妨げることのない任意の突出形状を採用することができる。特に、このハウジングボタンの幅は回転キャップスロットの幅よりも小さいものとされている。
【0044】
図3は、前記複合成分カートリッジ1の出口端50及び前記ミキサーハウジング10を断面で示したもので、この図から明らかなように、複合成分カートリッジ1の出口部5には、多数の偏向要素を有したミキサー部材30が設けられている。ミキサー部材30は複合成分カートリッジ1と一体的に形成されている。この軸線方向に沿ったミキサー部材30は、該ミキサー部材30の上に被せられたミキサーハウジング10を有する。該ミキサーハウジング10及び前記ミキサー部材30は前記回転キャップ20によって画定されている。
【0045】
前記チャンバ2,3は、前記出口部5内では、前記出口開口9,29に向けてダクト状に延出している。ミキサーハウジングが図6に示す開位置にあるとき、構成成分は、チャンバ2,3から、前記分配開口9,29を介して、上述のように取り付けられた前記ミキサーハウジング10によって形成された上述の混合空間に計量分配される。
【0046】
分配開口9,29の各々は、ミキサーハウジング10に画定された閉塞部材16,26によって閉じられる。これら閉塞部材は特に閉鎖プラグとして構成することができる。ミキサー部材30の外面及びミキサーハウジング10の内壁は協働ガイド部材を有している。該協働ガイド部材によって、ミキサーハウジング10は、ミキサー部材30に対しミキサー部材30の長手軸線32に沿った方向のみに変位可能とされている。前記ミキサー部材は複合成分カートリッジ1に、接続部材によって軸線方向移動可能に接続されている。ここで、複合成分カートリッジ1は、前記分配開口9,29を閉じるロック位置から、それら分配開口を開放する分配位置9,29に移動可能とされている。前記ガイド部材は、前記ミキサーハウジング10及び前記ミキサー部材30が、互いに前記ロック位置と分配位置との間で軸線方向のみに移動可能であるように、かつこれら2つの位置間の全行程において移動可能であるように構成されている。
【0047】
前記回転部材20、ミキサーハウジング10、及び複合成分カートリッジ1は協働作用部材14,24を備えている。該協働作用部材は、前記回転部材20の回転によって、ミキサーハウジング10と複合成分カートリッジ1との間の軸線方向相対移動が生ずるように構成されている。該作用部材は特に、ハウジングボタン14又はキャップビード (cap bead) として構成されている。
【0048】
前記回転キャップ20は、スナップ接続15によって前記出口5又は前記外壁に取り付けられている。該スナップ接続15は回転キャップの自由境界領域21に存在する。自由境界領域21は、その内側にグルーブを有し、前記チャンバ2,3の前記出口部5又は前記外壁における関連した突出部と係わり合う。好ましくは、この自由境界領域は弾性を有しており、前記出口部又は前記外壁を取り付けるべく軸線方向へ力を加えたときに小さなたわみが生ずるようになっている。
【0049】
図4は図3の一部を示したもので、前記相互作用部材18,19及びスナップ接続15を詳細に示している。図3において既に示したものと同一構成要素には同一符号を付してある。このため図3は、部分的に示された分配開口9内に開いた分配ネック部8の一部を示している。前記分配開口9は、この図示例では、前記ミキサーハウジング10の構成要素である閉鎖プラグ16によって閉じられる。ミキサーハウジング10は、分配ネック部の上部に位置したミキサーハウジングカラー11を備える。ミキサーハウジング10は、第1シール突出部6及び第2シール突出部7を介して前記分配ネック部8に液密的に接続されており、このためチャンバ2内に存在している構成成分は閉状態においてはこれらチャンバから飛び出すことはない。
【0050】
ミキサーハウジング10は軸線方向、すなわち実質的に前記ミキサー部材30の長手軸線方向32の方向に移動することができ、その目的のために前記回転キャップ20が設けられている。回転キャップ20は、少なくとも環形の一部を成した膨出部を形成する窪み18を有している。複合成分カートリッジ1の外面17には、それに対応して少なくとも環形の一部を成した形状部19又はグルーブが形成されており、かつ、前記回転キャップ20の前記自由境界領域21は、前記膨出部を形成する窪み18を、複合成分カートリッジ1又は前記ミキサーハウジング10の前記環形形状部19又はグルーブ上に組み付けるために弾性変形する。
【0051】
また、該回転キャップ20にスナップ接続を設けることにより、前記ミキサーハウジング10が複合成分カートリッジ1から不用意に、例えば開ける際に、外れることが防止されている。前記複合成分カートリッジ、特に前記チャンバ2,3の外壁又は出口部5は、その分配側端部にラッチ用突出部19を有している。ラッチ用突出部は弾性を備えた前記作用部材、すなわちこの実施形態では回転キャップ20の前記自由境界領域21の前記膨出部を形成した窪み18、によって、前記ミキサーハウジング10及び前記回転キャップ20を載置する際に外側に押されることができる。膨出部を備えた窪み18が該ラッチ用突出部19と接触して、ミキサーハウジング10を装着した後に外れることが防止される。
【0052】
前記ミキサーハウジングカラー11の前記内側には、ミキサーハウジング19の閉塞位置において前記分配開口9,29を密閉閉塞するために、2つの実質的に環形の閉塞部材16,26が設けられている。該閉塞部材は、分配側に対して内側に向かうテーパ状とされ、かつ断面切頭円錐状とされている。前記閉塞部材16,26は、その特徴的な形状によって分配開口9,29をロック(閉塞)できる。そこで、前記閉塞部材16,26が分配開口9,29から引っ込むためには、閉状態におけるシール能力を保証する力よりも大きな力が必要となる。
【0053】
ミキサーハウジング10及びミキサー部材30の前記ガイドは、互いに適合するその方形の内面及び/又は外面形状により確立されている。すなわち図示の実施形態では、ミキサー部材30の断面及びミキサーハウジング10の断面は双方共に方形とされている。構成成分が、ミキサー部材30を介して可能な限り完全に押されることができるように、ミキサーハウジング10の内側形状とミキサー部材30の外側形状との間の寸法は可能な限り小さくされ、それでもミキサーハウジング10は動くことが可能でなければならない。さらに、外部から明確に視認できる識別手段、例えばミキサーハウジングカラー11及び複合成分カートリッジ1の前記分配ネック部8の楕円形状によって、ミキサーハウジング10がミキサー部材30上に誤った状態で組み付けられることが防止されている。ミキサー部材30が形状安定性材料よりなるので、ミキサーハウジング10を複合成分カートリッジの長手軸線方向に確実にガイドできる。
【0054】
本発明の他の実施形態によれば、ミキサー部材30の外側形状及びミキサーハウジング10の内側形状は矩形状であり、すなわちこれらは実質的に矩形断面を有したものとなっており、このこと自体で、ミキサーハウジング10が回転することなく確実にガイドされるものとなっている。さらに、このような実施形態において、ミキサーハウジング10が、ミキサー部材30上の、前記閉塞部材16,26による前記分配開口9,29に対するシール及び接触が確実となる位置に置かれることが有利である。この場合、ミキサーハウジング10のミキサーハウジングカラー11及び複合成分カートリッジ1の分配ネック8は、その他の断面形状、例えば円形断面とすることもできる。その場合でも、ミキサー部材30の特定な形状によって、分配開口9,29と閉塞部材16,26とは互いに常時接触したものとなる。
【0055】
図5は、上記とは異なるミキサー部材30、変更された回転キャップ20、並びに他の構成例による閉塞部材16,26を示した変形実施形態を示す。図1ないし図4について説明した上述のものと同一構成要素には同一符号を付してある。ミキサー部材30におけるミキサーハウジング10の軸線方向移動のためのガイド部材は、ミキサーハウジング10の内壁13及びミキサー部材30の外壁31の形状安定的形態によって形成されており、ここで、ミキサー部材30の少なくとも外面31、及びミキサーハウジング10のミキサー部材30を囲む内面30は、それぞれ多角形、特に矩形の断面、又は楕円形断面を有している。
【0056】
図5に示す別の実施形態にあって、該分配装置は開状態で示されており、チャンバ2,3内に存在する構成成分の混合体である充填物質はミキサーハウジング10の分配開口12から分配され得る。カートリッジ1及び/又はそのミキサー部材30に対するミキサーハウジング10の軸線方向移動は、前記回転キャップ20を回転させることで生ずる。この実施形態の場合、ハウジングボタン14はミキサーハウジングカラー11には取り付けられておらず、対応する回転キャップスロット24に接触する突出部37に取り付けられている。該突出部37は、前記閉塞部材16,26を支持するミキサーハウジングの接続片38から延出している。閉塞部材16,26は、該接続片38における前記カートリッジ1を向く側に配設されている。前記閉塞部材16,26の断面積は、開状態のときよりも閉状態のときの方が大きい。開状態では、対応する構成成分は対応の閉塞部材を通過して流れることができる。図5に示すように、閉塞部材はボール状をしている。
【0057】
図6は複合成分カートリッジ1に設けられた前記ミキサーハウジング10を回転キャップなしで示す概略図である。この図においては、ハウジングボタン14として構成された前記作用部材を見ることができる。複数のハウジングボタンをミキサーハウジングカラー11の外側カバー面に取り付けることができる。図5では、互いに対向配置された2つのハウジングボタン14を示した。さらに、前記突出部37は、前記接続片38からミキサーハウジング10の方向に延出するシリンダ状環形部材と示している。
【0058】
図7は、図6を、閉位置にある回転キャップが取り付けられた状態で示したものである。閉塞位置では、図5に示した前記閉塞部材16,26は、対応する分配開口9,29に接触する。従ってハウジングボタン14は、複合成分カートリッジ1の最も近くに、すなわち図7に示す位置における回転キャップスロット24の下端に位置にしている。
【0059】
回転キャップはカバー面に縦溝23を有する。この代わりに、図1ないし図4の実施形態に示したような回転ウィングを設けることも可能である。
【0060】
図8ないし図11は変形例を示すもので、ミキサーハウジング10のミキサー部材30における軸線方向移動のガイドが、前記軸線方向に延在する舌部とグルーブとの組合せ構造によって形成されている。
【0061】
図8は分配装置の第2の実施形態を示すもので、上述の要素と同様の機能を有するものには同じ符号を付すものとする。以下では、先の第1実施形態との相違点のみを説明する。それ以外の点は第1実施形態で説明されている。
【0062】
図9は第2実施形態によるミキサーハウジング及び回転キャップの詳細を示す。ミキサーハウジング10は、断面が実質的に円形又は楕円形の実質的に円筒形チューブの形状をしている。ミキサーハウジング10はガイド部材33を有している。ミキサーハウジングは、このガイド部材に沿って、ミキサー部材30に対し、共通の長手軸線32の方向に変位可能である。
【0063】
図10は第2実施形態による回転キャップ20の詳細を示す。この回転キャップ20には回転ウィング22が設けられている。またこの回転キャップは、図1ないし図4に示したようにカップ状部材であり、図2に示したように、ベース60、及び、回転キャップスロット24を有したカバー部材61を備えている。但し、回転キャップスロット24は、第1実施形態とは対照的に、スリット要素64として形成された延長部を有している。このスリット要素64はハウジングボタンと共にバヨネット固定構造を形成している。スリット要素64はカバー部材61の周囲の一部に延び、かつ回転キャップ20の長手軸線と垂直となる面内に配置されている。
【0064】
図11は第2実施形態によるミキサーハウジングの断面図である。ミキサー部材30は、ミキサーハウジング10のガイド部材33のグルーブ34内に受け入れられている。また、そのようなグルーブ34を複数設けることもできる。特に第1グルーブ34及び第2グルーブ35が設けられ、これらは互いに鏡像対象的に配置されている。本実施形態では、その対称面は、ミキサー部材30の長手軸線32に沿って存在し、かつミキサー部材の中壁36に対して垂直である。
【0065】
図12は第2実施形態の変形例で、ミキサー部材は方形の断面を有している。またこの変形例においては、回転キャップスロット24は、ハウジングボタンに対するバヨネット固定構造を形成するスロット要素64を有する。
【0066】
回転部材20は、全ての実施形態と同様、回転可能であり、複合成分カートリッジ1に、軸線回り回転可能に取り付けられている。回転部材20は、スナップ及びロック接続15によって複合成分カートリッジ1又はミキサーハウジング10に取り付けられている。
【0067】
図13は分配装置の第3実施形態を示しており、回転キャップ20がバヨネット固定構造を有し、これによって複合成分カートリッジ1に取り付けられている。ここでのバヨネット固定構造は上述した実施形態におけるものとは異なる。少なくとも一つの別のスロット要素が、前記ガイド部材と共にバヨネット固定構造を形成している回転キャップ20の長手軸線と垂直となる面内で、回転キャップスロット24の少なくとも一端に接続されている。
【0068】
図14は第3実施形態によるミキサーハウジング10及び回転キャップの一部を示したものである。回転キャップ20は、回転キャップスロット24と、バヨネット固定構造に関わる更なるスロット要素70とを有している。さらに、回転キャップは、バヨネット固定構造の一部であるフランジ71を有している。
【0069】
図15は第3実施形態による回転キャップの断面図を、また図16はフランジ70をバヨネット固定構造と共に示す詳細図である。図15に示す実施形態によれば、ミキサー部材30はカートリッジ1と一体に構成されている。カートリッジ1は出口部5に開口する2つのチャンバ2,3を備える。出口部は、対応する分配開口9,29に通じる分配ダクトを備え、かつ対応の構成成分が流通するダクトを形成する。該ダクトの断面は通常は対応するチャンバの断面よりも小さい。
【0070】
ミキサーハウジング10がミキサー部材30上に設けられ、かつ、閉鎖プラグ16,26が対応の分配開口9,29をロック(閉鎖)するように該カートリッジの出口部の上部に設けられる。図4に示したように、出口部5の分配ネック8の外壁には、第1シール突出部6及び第2シール突出部7が設けられている。この位置において前記チャンバ2,3は液密的に閉塞され、これにより分配開口9,29から構成成分が飛び出ることはない。
【0071】
回転キャップ20はミキサーハウジング10及びミキサーハウジングカラー11上で、フランジ71に接触するまでガイドされる。回転キャップは、そのカバー面61に各ハウジングボタン14のためのスロット部材70を有し、これにより回転キャップ20がミキサーハウジングカラー上に設けられる。回転キャップは、カートリッジ1のフランジ71に対する所定の位置に設けられる。この位置は前記スロット要素70によって規定される。図16は図15を詳細に示しており、回転キャップがハウジングボタン14上でガイドされ得る位置にあるスロット要素が示されている。カバー面61には延長部72が形成されており、これにより回転キャップは、該延長部72の内壁に沿って、ハウジングボタン14でガイドされる。
【0072】
図15の右側に示す変形では、カバー面61は、延長部ではなく、凹所73を有している。この変形例においては、延長部72の変形例を示す図の左側、あるいは図14にも見られるような回転キャップのカバー面の内径の変化は生じない。
【0073】
回転キャップは、僅かな回転によって、ハウジングボタン14が回転キャップスロット24によって規定されたトラックに沿って変位できるよう回転キャップスロットの方向に動かされる。回転方向は、図5の実施形態の左側及び図14において当接部74によって規定されている。ハウジングボタン14が回転キャップスロットの前記トラック内に受け入れられるように回転キャップがフランジ71に対して回転されると直ぐに、とり囲んでいる回転キャップフランジ75がフランジ71の作用部材76と接触し、これにより、回転キャップはフランジ71にロスのない方法で保持される。ハウジングボタン14(よってこの場合ミキサーハウジング10も)は、回転キャップがさらに回転することでカートリッジから離れていく。ハウジングボタン14が回転キャップスロット24の最も高い位置にあるときには分配開口9,29は開いている(図14参照)。この位置において、構成成分を開いた分配開口9,29からミキサー部材30内に入れることが可能であり、かつ、カートリッジのチャンバから構成成分の分配が行われる。
【0074】
図17は分配装置の第4実施形態を示すもので、回転キャップスロットが、異なる2つの開口位置をとることのできる回転キャップスロットを有している。
【0075】
図18は第4実施形態によるミキサーハウジング及び回転キャップの詳細を示す。回転キャップは、カバー面62と接続された更なるカバー面61を有する。カバー面62はカバー面61よりも大きい内径を有している。カバー面61はリフト63を介してカバー面62に接続されている。カバー面62は回転キャップスロット84を備えており、これに沿ってボタン部材85が、回転キャップスロット84によって規定されたトラックに沿って移動可能となっている。
【0076】
前記ミキサーハウジング10は、既に説明した実施形態と同じようにミキサー部材30上でガイドされ、かつカートリッジの分配ネック8のところに設けられる。これに続き、回転キャップ20がミキサーハウジング10上で、該カートリッジ1の出口端50の方向に動かされる。回転キャップは前記カバー面62に凹所86を有し、該凹所によってボタン部材85がガイドされる。図18の図示例では、回転キャップは、ボタン部材85が回転キャップスロット84の上端に接するまで下方に移動する。この状態において、カートリッジ1の分配開口は閉じられている。
【0077】
カートリッジから構成成分を分配するためには、回転キャップを左又は右に回転させる。ボタン部材85は回転キャップスロット84により規定されたトラックにそって滑動し、これによりミキサーハウジング10が動き、分配開口が解放される。
【0078】
図19は、第4実施形態による回転キャップ20の断面で、閉塞部材16,26によって分配開口9,29がロックされた図18に示した位置にある回転ウィング22に沿った断面で示した図である。また、ミキサーハウジング10はミキサーハウジングカラー11を備える。該カラー11は先の実施形態とは異なり、取り囲みミキサーハウジングフランジ88を備える。該ミキサーハウジングフランジ88は、取り囲み回転キャップグルーブ86内に接触している。ここで、回転キャップはミキサーハウジングに対して回転可能となっているが、図示のミキサーハウジング10に対して軸線方向には移動できないようになっている。特に図20は、図19の実施形態によるミキサーハウジング及び回転キャップの詳細を示している。
【0079】
前記ボタン部材85はカートリッジ1の壁部に取り付けられている。
【0080】
図示されない他の実施形態によれば、回転部材20は、ミキサー部材30の長手軸線方向に螺旋状に延びる回転キャップスロット24を備え、かつ、ミキサーハウジング10は該回転キャップスロット24と協働するガイド部材を有している。
【0081】
ミキサーハウジング10は、その外面25に、ミキサー部材30の長手方向に螺旋状に延びたハウジンググルーブを有しており、かつ、回転キャップ20は該ハウジンググルーブと協働するガイド部材を有している。
【0082】
回転キャップスロット24又はハウジンググルーブは、特に回転キャップ20のミキサー部材30の長手軸線回りの閉塞位置から分配位置への回転角度が全周360°に対して270°以下、特に90°〜180°ように構成されている。
【0083】
チャンバ2,3から混合すべき構成成分を押し出す間に、ミキサーハウジング10と複合成分カートリッジ1の間から混合すべき構成成分が漏出することを防止するために、前記出口部5の外面51及び/又は前記ミキサーハウジング10の内壁はシール手段を有することができる。
【0084】
上述した各実施形態によるミキサーハウジングは透明又は半透明のものとすることができる。この場合、ミキサーが十分に満足のいく混合を生じて分配しているかを視認しながらの操作が可能となる。これは特に異なる色の構成成分が混合されているときに有利である。また、ミキサーハウジングは、その材料として特にポリプロピレン又はポリスチロールが用いられている場合には不透明とすることもできる。
【符号の説明】
【0085】
1 複合成分カートリッジ
2 チャンバ
3 チャンバ
9 分配開口
10 ミキサーハウジング
13 内壁
14 ハウジングボタン(協働作用部材)
20 回転部材
24 回転キャップスロット(協働作用部材)
29 分配開口
30 ミキサー部材
31 外壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合成分素材を混合及び分配するための分配装置であって、
複数のチャンバ(2,3)を有した複合成分カートリッジ(1)又は複合成分シリンジと、長手軸線を有したミキサー部材(30)と、該ミキサー部材(30)の上に配置可能なミキサーハウジング(10)とを備え、前記ミキサー部材及び前記複合成分カートリッジ(1)は一つの部材として形成され、各チャンバ(2,3)は前記ミキサーハウジング(10)に固定された閉塞部材(16)によって閉塞可能な分配開口(9,29)を有し、前記ミキサー部材(30)の外面及び前記ミキサーハウジング(10)の内壁は、前記ミキサーハウジング(10)が前記ミキサー部材(30)に対し該ミキサー部材(30)の前記長手軸線に沿った移動のみを可能とする協働ガイド部材を有し、かつ前記ミキサーハウジング(10)は接続部材によって前記複合成分カートリッジ(1)に軸方向移動可能に接続されており、該複合成分カートリッジ(1)が、前記分配開口(9,29)を閉塞する閉塞位置から、それら分配開口を開放する分配位置まで移動可能とされてなる分配装置において、
前記ガイド部材は、前記ミキサーハウジング(10)及び前記ミキサー部材(30)が互いに前記閉塞位置及び前記分配位置並びにこれら両位置間の全行程において前記軸線方向にのみ移動可能となるよう構成され、かつ、前記接続部材は回転部材(20)であり、該回転部材(20)、前記ミキサーハウジング(10)、及び前記複合成分カートリッジは、前記回転部材(20)が回転することによって前記ミキサーハウジング(10)と前記複合成分カートリッジ(1)との間に軸線方向の相対移動が生じるよう構成された協働作用部材(14,24)を有してなる、分配装置。
【請求項2】
請求項1記載の分配装置において、前記ミキサー部材(30)に対する前記ミキサーハウジング(10)の前記軸線方向移動のための前記ガイド部材は、前記ミキサーハウジング(10)の前記内壁(13)及び前記ミキサー部材(30)の前記外壁(31)の形状適合的な形態により形成され、特に少なくとも前記ミキサー部材(30)の前記外壁(31)及び、前記ミキサー部材(30)を囲む前記ミキサーハウジング(10)の前記内壁(13)はそれぞれ多角形、特には矩形の断面、又は楕円断面を有していることを特徴とする分配装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の分配装置において、前記ミキサー部材(30)における前記ミキサーハウジング(10)の軸線方向の移動のための前記ガイド部材は、軸線方向に延在する少なくとも一つの舌片とグルーブとの組合せ配置によって形成されてなる分配装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか1項記載の分配装置において、前記回転部材(20)は、前記複合成分カートリッジ(1)に回転自在に、但し前記軸線方向に対しては回転可能かつ移動不可能に取り付けられてなる分配装置。
【請求項5】
請求項4記載の分配装置において、前記回転部材(20)は、スナップ・ロック接続(15)によって前記複合成分カートリッジ(1)又は前記ミキサーハウジング(10)に取り付けられている分配装置。
【請求項6】
請求項4記載の分配装置において、前記回転部材(20)は、バヨネット接続によって前記複合成分カートリッジ(1)又は前記ミキサーハウジング(10)に回転可能にかつ軸線方向不動に取り付けられてなる分配装置。
【請求項7】
請求項4ないし6の何れか1項記載の分配装置において、前記回転部材が回転キャップ(20)であり、該回転キャップは、前記ミキサーハウジング(10)のためのガイドのための中央に位置した凹所及び周壁を有したカバーを備えている、分配装置。
【請求項8】
請求項7記載の分配装置において、前記回転キャップ(20)が自由境界領域(21)に、少なくとも環形の一部を形成する環形ビード状凹部(18)を有するとともに、前記複合成分カートリッジ(1)又は前記ミキサーハウジング(10)の前記外面(17,25)に、少なくとも環形の一部を形成する環形モールディング(19)又は対応するグルーブを有し、かつ、前記回転キャップ(20)の前記自由境界領域(21)は、前記膨出形凹部(18)を前記複合成分カートリッジ(1)又は前記ミキサーハウジング(10)の前記環形モールディング(19)又はグルーブ上に配置できるように弾性変形可能である分配装置。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか1項記載の分配装置において、前記回転部材(20)は前記複合成分カートリッジの閉塞位置及び/又は分配位置に固定可能とされている分配装置。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか1項記載の分配装置において、前記回転部材(20)が、前記ミキサー部材(30)の長手軸線方向に螺旋状に形成された回転キャップスロット(24)を有し、かつ、前記ミキサーハウジング(10)が該回転キャップスロット(24)と協働するガイド部材を有してなる分配装置。
【請求項11】
請求項10記載の分配装置において、更なるスロット要素が、前記回転キャップ(20)の前記長手軸線と垂直な面内で、前記回転キャップスロットの少なくとも一方の端部に接続され、前記ガイド部材と共にバヨネット固定構造を形成している分配装置。
【請求項12】
請求項1ないし11の何れか1項記載の分配装置において、前記ミキサーハウジング(10)が外面(25)に軸線方向に螺旋状に形成されたハウジンググルーブを有し、かつ、前記回転キャップ(20)が該ハウジンググルーブと協働するガイド部材を有している分配部材。
【請求項13】
請求項12記載の分配装置において、更なるスロット要素が、前記ミキサーハウジング(10)の前記長手軸線と垂直な面内で、前記ハウジンググルーブの少なくとも一方の端部に接続され、前記グルーブ要素が前記ガイド部材と共にバヨネット固定構造を形成している分配装置。
【請求項14】
請求項10ないし13の何れか1項記載の分配装置において、前記回転キャップスロット(24)又は前記ハウジンググルーブは、前記回転キャップ(20)の、前記ミキサー部材(30)の長手軸線回りでの前記閉塞位置から前記分配位置までの回転が、全周360°に対して270°又はそれ以下、特には90°〜180°となるよう形成されている分配装置。
【請求項15】
請求項1ないし14の何れか1項記載の分配装置において、前記複合成分カートリッジ(1)が、ミキサー側端部に前記ミキサーハウジング(10)と重畳されるよう形成された出口部(5)を有し、かつ、混合すべき構成成分を前記チャンバ(2,3)から排出する間にミキサーハウジング(10)と複合成分カートリッジ(1)との間から構成成分が漏洩するのを防止するために、前記出口部(5)の外面(51)及び/又は前記ミキサーハウジング(10)の内面(13)がシール手段(6,7)を備えている分配装置。
【請求項1】
複合成分素材を混合及び分配するための分配装置であって、
複数のチャンバ(2,3)を有した複合成分カートリッジ(1)又は複合成分シリンジと、長手軸線を有したミキサー部材(30)と、該ミキサー部材(30)の上に配置可能なミキサーハウジング(10)とを備え、前記ミキサー部材及び前記複合成分カートリッジ(1)は一つの部材として形成され、各チャンバ(2,3)は前記ミキサーハウジング(10)に固定された閉塞部材(16)によって閉塞可能な分配開口(9,29)を有し、前記ミキサー部材(30)の外面及び前記ミキサーハウジング(10)の内壁は、前記ミキサーハウジング(10)が前記ミキサー部材(30)に対し該ミキサー部材(30)の前記長手軸線に沿った移動のみを可能とする協働ガイド部材を有し、かつ前記ミキサーハウジング(10)は接続部材によって前記複合成分カートリッジ(1)に軸方向移動可能に接続されており、該複合成分カートリッジ(1)が、前記分配開口(9,29)を閉塞する閉塞位置から、それら分配開口を開放する分配位置まで移動可能とされてなる分配装置において、
前記ガイド部材は、前記ミキサーハウジング(10)及び前記ミキサー部材(30)が互いに前記閉塞位置及び前記分配位置並びにこれら両位置間の全行程において前記軸線方向にのみ移動可能となるよう構成され、かつ、前記接続部材は回転部材(20)であり、該回転部材(20)、前記ミキサーハウジング(10)、及び前記複合成分カートリッジは、前記回転部材(20)が回転することによって前記ミキサーハウジング(10)と前記複合成分カートリッジ(1)との間に軸線方向の相対移動が生じるよう構成された協働作用部材(14,24)を有してなる、分配装置。
【請求項2】
請求項1記載の分配装置において、前記ミキサー部材(30)に対する前記ミキサーハウジング(10)の前記軸線方向移動のための前記ガイド部材は、前記ミキサーハウジング(10)の前記内壁(13)及び前記ミキサー部材(30)の前記外壁(31)の形状適合的な形態により形成され、特に少なくとも前記ミキサー部材(30)の前記外壁(31)及び、前記ミキサー部材(30)を囲む前記ミキサーハウジング(10)の前記内壁(13)はそれぞれ多角形、特には矩形の断面、又は楕円断面を有していることを特徴とする分配装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の分配装置において、前記ミキサー部材(30)における前記ミキサーハウジング(10)の軸線方向の移動のための前記ガイド部材は、軸線方向に延在する少なくとも一つの舌片とグルーブとの組合せ配置によって形成されてなる分配装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか1項記載の分配装置において、前記回転部材(20)は、前記複合成分カートリッジ(1)に回転自在に、但し前記軸線方向に対しては回転可能かつ移動不可能に取り付けられてなる分配装置。
【請求項5】
請求項4記載の分配装置において、前記回転部材(20)は、スナップ・ロック接続(15)によって前記複合成分カートリッジ(1)又は前記ミキサーハウジング(10)に取り付けられている分配装置。
【請求項6】
請求項4記載の分配装置において、前記回転部材(20)は、バヨネット接続によって前記複合成分カートリッジ(1)又は前記ミキサーハウジング(10)に回転可能にかつ軸線方向不動に取り付けられてなる分配装置。
【請求項7】
請求項4ないし6の何れか1項記載の分配装置において、前記回転部材が回転キャップ(20)であり、該回転キャップは、前記ミキサーハウジング(10)のためのガイドのための中央に位置した凹所及び周壁を有したカバーを備えている、分配装置。
【請求項8】
請求項7記載の分配装置において、前記回転キャップ(20)が自由境界領域(21)に、少なくとも環形の一部を形成する環形ビード状凹部(18)を有するとともに、前記複合成分カートリッジ(1)又は前記ミキサーハウジング(10)の前記外面(17,25)に、少なくとも環形の一部を形成する環形モールディング(19)又は対応するグルーブを有し、かつ、前記回転キャップ(20)の前記自由境界領域(21)は、前記膨出形凹部(18)を前記複合成分カートリッジ(1)又は前記ミキサーハウジング(10)の前記環形モールディング(19)又はグルーブ上に配置できるように弾性変形可能である分配装置。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか1項記載の分配装置において、前記回転部材(20)は前記複合成分カートリッジの閉塞位置及び/又は分配位置に固定可能とされている分配装置。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか1項記載の分配装置において、前記回転部材(20)が、前記ミキサー部材(30)の長手軸線方向に螺旋状に形成された回転キャップスロット(24)を有し、かつ、前記ミキサーハウジング(10)が該回転キャップスロット(24)と協働するガイド部材を有してなる分配装置。
【請求項11】
請求項10記載の分配装置において、更なるスロット要素が、前記回転キャップ(20)の前記長手軸線と垂直な面内で、前記回転キャップスロットの少なくとも一方の端部に接続され、前記ガイド部材と共にバヨネット固定構造を形成している分配装置。
【請求項12】
請求項1ないし11の何れか1項記載の分配装置において、前記ミキサーハウジング(10)が外面(25)に軸線方向に螺旋状に形成されたハウジンググルーブを有し、かつ、前記回転キャップ(20)が該ハウジンググルーブと協働するガイド部材を有している分配部材。
【請求項13】
請求項12記載の分配装置において、更なるスロット要素が、前記ミキサーハウジング(10)の前記長手軸線と垂直な面内で、前記ハウジンググルーブの少なくとも一方の端部に接続され、前記グルーブ要素が前記ガイド部材と共にバヨネット固定構造を形成している分配装置。
【請求項14】
請求項10ないし13の何れか1項記載の分配装置において、前記回転キャップスロット(24)又は前記ハウジンググルーブは、前記回転キャップ(20)の、前記ミキサー部材(30)の長手軸線回りでの前記閉塞位置から前記分配位置までの回転が、全周360°に対して270°又はそれ以下、特には90°〜180°となるよう形成されている分配装置。
【請求項15】
請求項1ないし14の何れか1項記載の分配装置において、前記複合成分カートリッジ(1)が、ミキサー側端部に前記ミキサーハウジング(10)と重畳されるよう形成された出口部(5)を有し、かつ、混合すべき構成成分を前記チャンバ(2,3)から排出する間にミキサーハウジング(10)と複合成分カートリッジ(1)との間から構成成分が漏洩するのを防止するために、前記出口部(5)の外面(51)及び/又は前記ミキサーハウジング(10)の内面(13)がシール手段(6,7)を備えている分配装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−187577(P2012−187577A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−41235(P2012−41235)
【出願日】平成24年2月28日(2012.2.28)
【出願人】(509287946)ズルツァー ミックスパック アーゲー (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月28日(2012.2.28)
【出願人】(509287946)ズルツァー ミックスパック アーゲー (14)
【Fターム(参考)】
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