説明

複合材料及びその生産方法

本発明は、複合材料を生産する方法に関する。構造化されたゾル−ゲル層が、ガラス又はガラス−セラミック基板上へ付与される。続いて、更なる層が、PVD法によって付与される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材料、特にガラス又はガラス−セラミック基板及びコーティングを含む複合材料に関する。特に、基板は、少なくとも部分的に透明である。本発明は更に、特にガラス又はガラス−セラミック基板に基づく複合材料を生産する方法に関する。本発明は更に、装飾的外観を有するガラス−セラミック物品、特にガラス−セラミック流し台上面(cooktops)、オーブン窓、建築用艶出し(architectural glazing)、家電におけるガラスの応用等に関する。
【背景技術】
【0002】
特に流し台上面のような透明なガラス−セラミックの底面での装飾用コーティングは、従来から既知である。
【0003】
例えば、印刷インク又はラッカー、例えばシリコーン塗料が使用され得る。ラッカー系に金属粒子を使用すると、コーティングは金属の外観を有し得る。この目的で、通常、厚さ数ミクロンを有する層を付与する必要があり、それにより、コーティングされた領域はもはや、それを通して例えばバックライト又はディスプレイが目に見えるものであった透明な外観を示さなくなる。
【0004】
さらに、金属様ラッカーを使用すると、創作上の自由度が限定されることが通常であり、多くの用途で、金属の外観が、平滑な金属の表面の外観に正確に対応することは必ずしも望ましくはない。また、金属の顔料は多くの場合より大きくて、均質なカラー画像を作り出すことを可能にしないため、より低いミクロン範囲でのパターンとかかるラッカー系との組合せは多くの場合、困難である。特に、他の表面又はキッチン用品、例えば(電磁誘導)流し台上面との色順応を達成することが望ましい。
【0005】
例えば、キッチンエリアでは、艶消しステンレス鋼の外観を有する表面が一般的に使用される。この目的で、例えばホイルを使用してもよい。しかしながら、かかるホイルは多くの場合、高品質の外観を提供することができず、それらは、特に50℃を超える温度にさらされると、剥離及び変色する傾向にある。
【0006】
代替的には、ステンレス鋼シートを使用してもよい。しかしながら、これらは比較的高価であり、ガラス−セラミック基板とステンレス鋼表面との間の継ぎ目のない移行が通常は不可能である。さらに、湿気及び汚れが層の間に浸透する可能性があり、それによりその外観がかなり悪化する。
【0007】
既知の装飾層は多くの場合、外側コーティングとして使用するのに必要とされる必須の引っ掻き抵抗性を提供することができない。ガラス−セラミック物品の底面上に金属様コーティングを使用する場合、ガラス−セラミック物品自体が多くの場合に色かぶりを有するため、多くの場合で黄色を帯びた又は赤色を帯びた色かぶりの印象が生じる。
【0008】
さらに、従来の金属層は、それらの伝導性に起因して、多くの場合容量ディスプレイ若しくは同様の機能を有するディスプレイ及び/又はタッチディスプレイ用途における使用に適していないという欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、高レベルの創作上の自由度を有する装飾用コーティングを付与する簡素かつ安価な方法を提供することであり、ここでかかる装飾用コーティングは特に、高い温度抵抗性を示すものとする。
【0010】
本発明の別の目的は、基板への良好な接着性及び高レベルの引っ掻き抵抗性を有する装飾用層を提供することである。また、付与された層は、基板の強度を損なわないものとなる。
【0011】
さらに、本発明の一実施形態は、ディスプレイ及び/又はタッチディスプレイの性能を有する層を提供する目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、少なくとも2つの層を有する複合材料を生産する方法によって、及び独立請求項のいずれかに記載の複合材料によって、既に達成されている。
【0013】
本発明の好ましい実施形態及び改良形態は、各々の従属請求項で記述される。
【0014】
本発明は、少なくとも2つの層を有する複合材料を生産する方法に関する。
【0015】
特に、熱衝撃に抵抗性を有し、5×10−6−1以下、好ましくは4×10−6−1(20℃で)以下の熱膨張係数(CTE)を有し、少なくとも部分的に透明であるガラス又はガラス−セラミック複合材料が使用される。
【0016】
これは、可視範囲において高い透過率を示す材料、並びに低い透過率しか有さないほぼ不透明な材料であり得る。
【0017】
ガラス又はガラス−セラミック基板の代わりに、本発明の一実施形態によれば、プラスチック基板、特に透明プラスチック基板を使用することが想定される。
【0018】
本発明によれば、パターン化されたゾル−ゲル層、即ち少なくとも部分的に無機の層が、液相プロセスを使用して付与される。
【0019】
次に、更なる層が、PVD堆積プロセス又はCVD堆積プロセスにより、特にPVDプロセスによりパターン化された層上へ堆積される。
【0020】
本発明者らは、パターンを規定するゾル−ゲル層及び堆積される(例えば、色を規定する)層を組み合わせることによって、事実上無制限の創作上の自由がもたらされ得ることを見出した。
【0021】
特に、堆積される更なる層は、着色層又は金属の外観を有する層、特に金属層であってもよい。
【0022】
したがって、好ましくは、更なる層に基づき装飾物が基板へ付与される。
【0023】
より高温で着色された外観又は金属の外観を有する薄い金属酸化物層を形成する、溶解金属樹脂酸塩を通常含む艶出しカラーを使用することも可能である。
【0024】
さらに、ラッカーを含有する金属又は金属酸化物を使用することが可能である。
【0025】
パターン化されたゾル−ゲル層は、好ましくは透明であり、例えばスクリーン印刷プロセスによって付与され得る。本発明の一実施形態では、ゾル−ゲル層は、エンボシングツール、特にエンボシングスタンプ又はローラを使用してパターン化される。
【0026】
上記方法の当該実施形態の利点は、それがマスターパターン、例えば艶消し金属表面のマスターパターンからほぼ任意の質感を複製し、それをゾル−ゲル層に移行させるのを可能にすることである。続いて付与される更なる層は、パターン化されたゾル−ゲル層のパターンに従うか、又はそれを満たす。
【0027】
かかる方法は、例えば下記工程を含む:
【0028】
まず、スタンプが生産され、これに関してマスターが必要とされる。艶消しステンレス鋼表面に関しては、これは、例えば、所望のパターンを有するシート金属又は金属片であり得る。マスターは、グリース及び糸くずを含まないように洗浄され得る。
【0029】
次に、ポリマー塊、特にシリコーン成形コンパウンドをマスター上へ注いで、硬化させる。硬化は、例えば重合により、好ましくは加熱下で遂行され得る。場合によって生じる泡は、真空により系から除去され得る。続いて、硬化されたポリマースタンプは、マスター鋳型から外されて、ここで実際のエンボシングプロセスのための準備が整う。スタンプは、複数回使用することができ、即ちエンボシング操作後に、スタンプは、例えば水、エタノール又はイソプロパノールのような洗浄剤を使用して洗浄してもよく、その結果再利用することができる。
【0030】
次に、ガラス又はガラス−セラミック基板は、ゾル−ゲル層でコーティングされる。ゾル−ゲル層は、非晶質粒子及び/又はハイブリッド粒子及び/又は結晶状粒子を含んでいてもよい。粒子の組成を適切に選択することによって、層の屈折率は、基板の屈折率に、及び/又は覆っている層の屈折率に適合させることができる。パターン化された層に関して得られ得る屈折率は、1.2〜1.8、好ましくは1.4〜1.65の範囲である。屈折率の適合は、堆積される層が基板の色かぶりを補正するのに役立つ場合に特に重要である。ゾル−ゲル層の利点は、それを事実上任意の既知の液体コーティング技法によって付与することができることである。好ましくは、ゾル−ゲル層は、スクリーン印刷プロセスによって付与される。その利点は、装飾層を供給することを意図しない領域を、コーティングされる領域から除外することができること、並びに層の粗さ、不均一性及び/又は汚染に関する精巧な検査がこれらの領域では省略することができることである。
【0031】
用いられるゾルの種類に応じて、ゾルは、特に光化学プロセスを使用して、例えばUV放射によって、又は熱的に、又はIR放射を使用してエンボス加工前に予め硬化してもよい。
【0032】
次に、ゾル−ゲル層は、連続様式で又は静止様式で、ポリマーエンボシングスタンプを使用してエンボス加工してもよい。エンボシングスタンプは同様に、それが本発明の1つの実施の形態に従って想定されるように、ゾル−ゲル層が提供され得る。好ましくは、スタンプの規定圧力下で、配置は、熱的に及び/又は光化学的に、好ましくは光化学的に硬化され得る。別の実施の形態では、毛細管力に起因して、スタンプへ自動的に引き寄せられるゾルが使用される。特定の実施形態では、エンボシングプロセスは、チキソトロピックプロセスであり得る。
【0033】
ポリマーエンボシングスタンプの除去時に、特に層厚さ0.01mm〜1mmを有するパターン化された層が示される。
【0034】
パターンは、エンボシングスタンプのパターンによって予め規定され、ほぼ任意のパターン、例えば周期的パターン又はランダムパターンが可能である。スタンプを使用すると、ほとんど任意の表面プロファイル、例えば木製表面、エッチングされた表面等が複製され得る。
【0035】
パターンの深さは、100nm〜1mmの範囲内で様々な値であり得る。付与されたパターン化された層は、少なくとも1つの後続の更なる層の質感を規定する。
【0036】
本発明の好ましい実施の形態では、パターン化された層は、最終生成物の所望の温度抵抗性に応じて、例えば50℃〜1000℃、好ましくは100℃〜500℃の温度で硬化される。ゾルの有機構成成分が少なくとも部分的に除去される場合であっても、パターンは維持される、即ち層は、ほとんど純粋に無機であるか、又は部分的に有機であり、特に高温安定性Si−メチル基及び/又はSi−フェニル基を含み得る。
【0037】
しかしながら、温度及び使用するゾルに応じて、特にナノ粒子がゾルへ添加されるか否か及びその量に応じて、パターンの深さがマスターの深さと比較して減少することが起こり得る。その結果、最大60%のパターンの深さの低減が結果として起こり得る。これを、1つのマスターを用いた場合に様々なパターンの深さを得ることが可能であるように選択的に調節することができる。
【0038】
得られたパターン化されたゾル−ゲル層は、1.2〜1.8、好ましくは1.4〜1.65の範囲の屈折率を有し得る。層は多孔質であってもよく、即ち層は、10nm以下、好ましくは5nm以下、より好ましくは3nm以下の孔半径を有するメソ細孔及び/又はミクロ細孔を有する。孔のほとんどが、ボトルネック形状であり、孔半径は、出口半径よりも大きい。層は好ましくは、5%〜50%、より好ましくは15%〜30%の多孔率を示す。孔半径及び総多孔率は、偏光解析ポロシメトリによって、又は窒素吸収測定により決定することができる。
【0039】
層の多孔率は、コーティング材料及び空気の混合物を通じて、屈折率の適合を達成するのにも寄与し得る。
【0040】
使用され得るゾル−ゲル前駆物質は特に、SiOのような酸化物ナノ粒子を特に含む、加水分解されかつ縮合されたエポキシ又はメタクリレート官能基化アルコキシシランである。ナノ粒子は好ましくは、分散液として、特にアルコール系分散液として添加される。このことにより、収縮を25%以下に減少させることが可能である。
【0041】
特に不規則な形状の繊維状粒子、特に酸化ケイ素粒子が使用され得る。その直径は、5nm〜15nmの範囲であってもよく、長さは5nm〜150nmである。
【0042】
他の実施形態では、種々のサイズ、特に5nm〜125nmのサイズの球状粒子の混合物が添加される。それにより、特により大きな粒子画分及びより小さな粒子画分を使用する場合に、自己集合を誘起することが可能である。
【0043】
代替的な実施形態では、自己集合性ゾル−ゲルが使用される。これは、特に0.1μm〜1μmの範囲のサイズを有する種々の拡散(diffuser)粒子が添加される自己集合性層であり、粒子サイズの差異によって、遅くとも層の乾燥及び縮合中に配置されて、その結果規定の粗さを有するパターンが生じ、それは例えば拡散層として、又は滑り防止効果を有する層として機能し得る。
【0044】
いわゆる自己集合性ゾルを使用したコーティングはまた、連続的なコスト効率が高くかつ生産の準備が整っている付与プロセスを提供する。それに使用されるゾルはまた、好ましくは非晶質ナノ粒子及び/又はハイブリッドナノ粒子及び/又は結晶状ナノ粒子を含む。さらに、それは好ましくは、特に0.1μm〜1μmの範囲のサイズを有する或る比率の質感を規定する無機粒子を含む。これらの粒子は、例えば散乱粒子として役立ち得る。種々の粒子サイズの選択により、層の表面の粗さ及び散乱特性が調節され得る。自己集合性ゾル−ゲル層はまた、例えばスクリーン印刷によって付与され得る。
【0045】
自己集合性ゾルの使用は、艶消し仕上げをした表面を有することが望ましい用途、特に装飾用途に特に適している。
【0046】
次に、更なる層は、蒸気ベースの堆積プロセス、好ましくはPVDプロセス又はCVDプロセス、より好ましくはスパッタリングプロセスを使用して付与される。この層は、表面全体にわたって付与してもよく、又は小区分の感覚でパターン化してもよい。後者の場合、本技術分野で既知の技法、例えば剥離フィルム等が用いられる。
【0047】
多くの場合、PVD(物理蒸着)及びCVD(化学蒸着)は、特に簡素な様式で基板上へ標的又は前駆材料を移行させることが可能である。スパッタリングプロセスでは、金属標的を使用する場合、材料は、適切である場合には気体Oを供給することによって酸化してもよく、その結果酸化物層が付与され得る。かかるプロセスはまた、他の添加剤を用いて達成してもよく、いわゆる反応性スパッタリングと称される。
【0048】
酸化物の他に、窒化物又は元素層を同様に使用してもよい。特に、以下の元素又は化合物が使用され得る:Si、Ge、Al、Mn、Fe、Zn、Ni、Cr、Ti、Mo、Ag、NiCr、NiCrSi(いわゆるThermax(商標)ステンレス鋼)及び/又はそれらの合金若しくは組合せ。
【0049】
別の実施の形態では、金属の外観を有する金属クラスタが、ナノ粒子状物質形態で、スパッタリングされた層において導入又は包埋される。
【0050】
特に本発明のこの実施形態で問題が多いのは、ガラス−セラミックのいわゆる黄色度指数(Yellowness index)及び特に金属の層の熱抵抗性に起因した、得られた複合材料の考え得る色ずれ(color deviation)である。というのは、100℃を超える温度負荷は、酸化を引き起こすことがあるためである。
【0051】
本発明者らは、堆積プロセスにより付与される少なくとも1つの更なる層が、色彩調節層として役立ち得る、即ち例えばガラス−セラミック基板の黄色度を補正し得ることを見出した。
【0052】
適切な色彩調節層を選択することによって、特にガラス−セラミックの着色透過率(colored transmittance)とともにn>1.55の分散(dispersion)を有する層を選択する場合、顕色、又は特定の他の色かぶり(例えば、青色)を伴わずに一様な透過率が達成され得る。無色の外観又は色彩調節された外観は、特に透過と理解されるべきであり、ここで白色光を透過させる場合、透過した光、即ち通過した光は、L色空間におけるa軸及び/又はb軸上で、20未満、好ましくは10未満の絶対値を有する。したがって、複合材料の好ましい実施の形態は、任意の色かぶりを示さず、緑色を帯びてもおらず、赤色を帯びてもおらず、又は青色を帯びてもおらず、又は黄色を帯びてもいない。
【0053】
例えば、このことは、例えば40nm〜500nmの範囲、特に75nm〜97nmの範囲の厚さを有するSi層又はSiO層によって達成され得る。
【0054】
単一層の他に、以下の材料の2層系又は多層系を使用して、ガラス−セラミックの固有の色を低減させてもよい:Si、SiO、TiO、ZrO、Y、MgF、Al、Nb、Ta、CeO及び/又はSiO
【0055】
高屈折率層及び低屈折率層、例えば酸化チタン及び酸化ケイ素の組合せが同様に考えられる。
【0056】
本発明の別の実施の形態では、特に金属様層上、特に金属層又は金属酸化物層上に付与される場合、着色層は、更なる気体バリアとして役立ってもよく、その結果、最大800℃の熱抵抗性を確実なものとする。
【0057】
熱応力下で、基板の色かぶりを補正するための層が変更されないか、又はごく僅かにしか変更されないことを確実なものとするために、任意に少なくとも1つの更なる層、好ましくはバリア層が、高いイオンエネルギーでスパッタリングされ、基板は、スパッタリング前に加熱される。典型的なイオンエネルギーはここで、10eVよりも高く、好ましくは20evよりも高く、基板の加熱温度は、100℃〜600℃、好ましくは200℃〜400℃の範囲である。
【0058】
多くの金属のコーティングが、大気圧では高い熱応力下で分解し得るため、バリア層としての更なる層は、着色用若しくは色調補正用の層上で及び/又は金属の層上で有用である。ここで、この層は、硬質材料コーティングとして形成され得る。
【0059】
それは、例えば、ケイ素、アルミニウム、チタン、スズ、ジルコニウム、セリウム又はその酸化物若しくは窒化物若しくは酸窒化物を含んでいてもよい。特に、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素及び窒化ケイ素は、バリア層に対して想定される。耐久性のある保護を確実なものとするために、50nm〜500nm、好ましくは100nm〜250nmの範囲の厚さを有するバリア層が適切である。
【0060】
本発明の別の実施の形態では、更なる層が、ガラス−セラミック基板とゾル−ゲル層との間に供給されて、この層は特に、同様にPVDプロセス、特にスパッタリングプロセスによって付与される。この層は好ましくは、5×10−6−1未満のCTEを示す。
【0061】
上記層は、ゾル−ゲル層及び任意の更なる層にとって接着促進層として役立つ。この層はまた、本発明の1つの実施の形態に従って想定されるように、着色してもよく、したがって色彩調節層として役立ち得る。
【0062】
本発明の改良形態では、タッチ可能な層を提供するために、特にコントロールパネルの後方で容量性及び/又は誘導性スイッチを使用する場合、高い抵抗率を有する薄層が付与される。純粋な金属層は通常、透明度が多くの用途に関して非常に高くなるように薄く作製する必要があるため、ケイ素又はゲルマニウムのような半導体材料がこの目的で使用され得る。特に、室温で1×10Ωmm/m、好ましくは1×10Ωmm/mを超える抵抗率を示す半導体材料が使用される。
【0063】
このようにして、例えば、ステンレス鋼(特に、艶消しステンレス鋼)の外観を有するタッチ可能な不透明層が提供される。同様にドープ型の半導体材料、例えばアルミニウム、ホウ素又はリンを含むものも考えられる。
【0064】
本発明の改良形態において提供されるように、油、水、接着剤、酸又は糖化合物に対する層構造の抵抗性を改善するために、特に1つ又は複数の好ましくは温度安定性ゾル−ゲル層及び/又はガラス融剤(flux)及び/又はフェニル若しくはメチルポリシロキサン層による密封コーティングが付与され得る。さらに、層は、無機充填剤、特に焼成若しくは沈殿無機材料によって、並びに/又はマイカ及び/若しくはグラファイト及び/若しくは無機顔料、特に黒色顔料によって着色され得る。驚くべきことに、かかる密封コーティングを有する層構造は、本技術分野で既知のボッシュ・シーメンス家庭用電化製品試験(BSH)において300gを超える、好ましくは500gを超える引っ掻き抵抗性に適合し得る。
【0065】
さらに、少なくとも部分的に無機の層又は堆積される層は、複合材料の表面硬度を増強するのに役立ち得る。
【0066】
本発明の一実施形態では、複合材料は、少なくとも部分的に透明であり、その結果、例えば赤外線センサが複合材料の後方に配置され得る。好ましくは、この領域に密封コーティングは存在しない。
【0067】
本発明による層構造は、ガラス−セラミック物品の強度を変更させないことが見出された。
【0068】
PVD法及びCVD法は、比較的低い基板温度でさえ、層の堆積を可能にするため、本発明はまた、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリオレフィン、特に環状オレイン共重合体のような透明プラスチックに適している。白物家電(例えば、キッチン用品)の分野における使用の他に、本発明による複合材料はまた、室内で、また建築用艶出しのために使用してもよく、家電における用途もまた考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】概略的に示される例示的な実施形態を参照して、金属の外観を有する複合材料を生産する方法について詳述する図である。
【図2】概略的に示される例示的な実施形態を参照して、金属の外観を有する複合材料を生産する方法について詳述する図である。
【図3】概略的に示される例示的な実施形態を参照して、金属の外観を有する複合材料を生産する方法について詳述する図である。
【図4】概略的に示される例示的な実施形態を参照して、金属の外観を有する複合材料を生産する方法について詳述する図である。
【図5】概略的に示される例示的な実施形態を参照して、金属の外観を有する複合材料を生産する方法について詳述する図である。
【図6】艶消しステンレス鋼の外観を有する複合材料を生産する方法の1つの例示的な実施形態のフローチャートを概略的に示す図である。
【図7】基板の色かぶり(color cast)を補正するための着色層を有しない複合材料の透過曲線を示す図である。
【図8】基板の色かぶりを補正するための着色層を有する複合材料の透過曲線を示す図である。
【図9】ステンレス鋼の外観を有するガラス−セラミックコーティングに関する例示的な層構造を示す図である。
【図10】ステンレス鋼の外観を有するタッチ可能なガラス−セラミックコーティングに関する例示的な層構造を示す図である。
【図11】熱応力を加えた後の幾つかの層構造の顕色(color appearance)を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図1は、基板2を含む複合材料1を示し、基板2上に、ゾル−ゲル層3が、その区分でパターン化される層として付与される。
【0071】
図2で示されるように、ゾル−ゲル層3は、層上へ押し付けられるエンボシングツール4を使用してパターン化される。
【0072】
パターン化されたゾル−ゲル層3は、図3に示される。好ましくは、エンボス加工されたパターンは、艶消しステンレス鋼表面の質感に類似している。
【0073】
続いて、図4に示されるように、金属層5は、スパッタリングプロセスを使用して、パターン化されたゾル−ゲル層3上へ付与され、その結果が、金属の外観を有するコーティングである。
【0074】
基板の色かぶりを修正するために、パターン化された層と金属層との間に別の層を付与してもよく、このことにより、実質的に無色の透過率及び/又は所望の色彩調節が導かれる。
【0075】
エンボシングツールとして、例えば、エンボシングスタンプが使用され得る。
【0076】
ゾル−ゲル層は、例えば液体コーティングにより、ガラス又はガラス−セラミック基板上へ付与され得る。好ましくは、ゾル−ゲル層は、非晶質粒子及び/又はハイブリッド粒子及び/又は結晶状粒子を含む。粒子及びゾルを通じて、基板2の屈折率又は更なる覆っている層(図示せず)の屈折率に対する層の屈折率の適合がもたらされ得る。
【0077】
好ましくは、ゾル−ゲル層3は、スクリーン印刷プロセスを使用して付与される。したがって、パターン化しない領域は、コーティングされる領域から除外することができ、例えばディスプレイ又はコントロールパネルに必要とされる空き領域には、ゾル−ゲル層が供給されず、これらの領域における層の粗さ、不均一性及び/又は汚染に関する精巧な検査が排除される。
【0078】
本発明の一実施形態では、ゾル−ゲル層3は、特に光化学プロセスを使用して予め硬化される。
【0079】
エンボシングツール4は、好ましくはエンボシングスタンプとして形成され、それは、特にローラ又は平面エンボシングスタンプの形態で、規定圧力下でゾル−ゲル層上へ連続的に押し付けられる。本発明の一実施形態では、ゾル−ゲル層3は、特に熱的に又は光化学的に、エンボス加工中に硬化される。特に、比較的低い粘性のゾルが使用される場合、特に大きな力を有するエンボシングスタンプを適用する必要はなく、むしろゾルは、ほぼ自動的にエンボシングスタンプの生地(texture)へ引き込まれる。エンボシングスタンプとゾルとの間に泡が生じる場合、泡は、ローラを使用して除去され得るか、又は真空によって支援され得る。
【0080】
特に三次元表面プロファイルとして理解されるパターンとして、周期的パターン及びランダムパターン、特にライン、艶消し表面、光散乱層、エッチングされた表面、増強された触感(haptic)を提供するのに役立つ質感、及びピラミッド、逆ピラミッド、立方体、球体等のような簡素な幾何学形状が使用され得る。
【0081】
1つの特定の実施形態では、パターン化されたゾル−ゲル層は、続いて堆積される層の質感、特に本発明に従って堆積される金属含有層の質感、及び任意に同様に後に続く更なる層又は中間層の質感を規定する。
【0082】
金属層5が供給されるパターン化されたゾル−ゲル層3は、とりわけ最終生成物の必要とされる温度抵抗性に応じて、50℃〜1000℃、好ましくは100℃〜800℃の温度で硬化される。
【0083】
ゾル−ゲル層の有機構成成分が完全に焼去される場合でさえも、パターンは維持される。
【0084】
パターンの深さは、温度、及び使用されるゾル−ゲル(特に、粒子を含む)に応じて、エンボシングツールのパターンと比較して、0%〜60%減少する。必要に応じて、これは、実際に望ましいパターンの深さよりも大きいパターンの深さを有するエンボシングツールを使用することによって、補正され得る。
【0085】
図6は、本質的な方法工程の概略的なフローチャートを示す。
【0086】
まず、ゾル−ゲル層が付与される。付与されたゾル−ゲル層は、エンボシングスタンプを使用してパターン化されて、同時にUV光を使用して硬化される。続いて、エンボシングスタンプが除去されて、次に複合材料が熱的に硬化される。
【0087】
最終的に、ステンレス鋼層がスパッタリングプロセスにより付与される。望ましい場合、更なる層を付与してもよい。
【0088】
詳細には、本発明による複合材料は、例えば下記のとおりに生産され得る。
【実施例】
【0089】
実施例1:
容器中に、22.3g(0.08mol)のGPTES(グリジジルオキシプロピルトリエトキシシラン)に4.1g(0.02mol)のTEOS(テトラエトキシシラン)を供給して、0.344gのPTSA(p−トルエンスルホン酸)が溶解された2.3gの水で加水分解する。
【0090】
2分間攪拌した後、110gのイソプロパノール中の不規則形状のSiOナノ粒子の15質量%アルコール系分散液を、この加水分解産物へ添加する。ナノ粒子は、例えば直径5nm〜15nm及び長さ30nm〜150nmを有する繊維状形状を有する。この溶液へ、13gのエチレングリコールモノエチルエーテルを添加して、高揮発性溶媒をロータリーエバポレータ中で100mbar及び浴温度50℃で除去する。次に、1gのエチレングリコールモノエチルエーテル中の0.6gの陽イオン性光開始剤であるIrgacure(商標)250をエンボシングゾルへ添加する。187メッシュを使用したスクリーン印刷により、このラッカー系の層を、ソーダ石灰ガラスの一面へ付与し得る。
【0091】
溶媒を室温〜50℃で乾燥除去した後、空気循環を用いて又は用いずに、パターン化されたシリコーンスタンプ(PDMS)を適用して、続いて層を、UVランプを使用して、スタンプを通して硬化させる。スタンプを除去する際に、エンボシングスタンプのパターンは、ナノ粒子で官能基化されたコーティングへ移行させた。
【0092】
任意に、次に層を300℃〜500℃の温度で熱的に硬化してもよい。好ましい加熱速度は3K/分であり、保持時間は、500℃で1時間である。層の最終的な厚さは、2μm〜3μmの範囲である。
【0093】
次に、ステンレス鋼層は、スパッタリングプロセスにより厚さ少なくとも100nmで付与される。
【0094】
このようにして、艶消しステンレス鋼の外観を有する温度安定性複合材料が提供される。
【0095】
実施例2:
容器中に、16.7g(0.06mol)のGPTES(グリジジルオキシプロピルトリエトキシシラン)に4.1g(0.02mol)のTEOS(テトラエトキシシラン)及び3.56g(0.02mol)のMTEOS(メチルトリエトキシシラン)を供給して、0.344gのPTSA(p−トルエンスルホン酸)が溶解された2.3gの水で加水分解する。
【0096】
2分間攪拌した後、44gのイソプロパノール中の直径40nm〜50nmを有する球状に成形されたSiOナノ粒子の30質量%アルコール系分散液及び11gの直径10nm〜15nmを有する球状SiOナノ粒子のアルコール系分散液の混合物を、この加水分解産物へ添加する。16gのエチレングリコールモノエチルエーテルをこの溶液へ添加して、高揮発性溶媒をロータリーエバポレータ中で100mbar及び浴温度50℃で除去する。続いて、1gのエチレングリコールモノエチルエーテル中の0.6gの陽イオン性光開始剤であるIrgacure(商標)250をエンボシングゾルへ添加する。
【0097】
187メッシュを使用したスクリーン印刷により、このラッカー系の層を、透明なガラス−セラミック基板の一面へ付与し得る。
【0098】
溶媒を室温〜50℃で乾燥除去した後、空気循環を用いて又は用いずに、パターン化されたシリコーンスタンプ(PDMS)を適用して、続いて硬化を、UVランプを使用して、スタンプを通して達成する。スタンプを除去する際に、スタンプのパターンは、ナノ粒子で官能基化されたラッカーへ移行させた。
【0099】
任意に、次に層を300℃〜500℃の温度で熱的に硬化してもよい。好ましい加熱速度は3K/分であり、保持時間は、500℃で1時間である。層の最終的な厚さは、1.5μmである。
【0100】
次に、スパッタリングプロセスを使用して、まず色彩調節SiN層を厚さ80nmで付与して、続いて、ステンレス鋼層を最小厚さ100nmで、続いてトップ層としてSiOバリア層を付与する。
【0101】
このようにして、透過において色かぶりを有さず(即ち、ここで基板の黄色度が補正される)かつ高い引っ掻き抵抗性を示す複合材料が提供される。さらに、金属の層は、酸化から保護される。
【0102】
図7は、既知のコーティングされていないガラス−セラミック基板の透過曲線を示す。x軸8は、単位nmで波長を示し、y軸9は、単位%で透過率7を示す。
【0103】
透過率は、400nmで僅かに91.5%を超えるものから、650nmでの92.5%まで連続的に増加することが観察され得る。したがって、ガラス−セラミック材料は黄色を帯びている。
【0104】
図8は、図7と同様に、色彩調節層でコーティングされたガラス−セラミック基板の透過曲線を示す。
【0105】
400nm〜750nmの波長範囲における透過曲線7は、約93%で実質的に伸長しており、即ち複合材料は目に見える顕色を有しないことが観察され得る。
【0106】
この例示的な実施形態では、色彩調節は、可視範囲全体における透過率を実質的に同じレベルへと導くことによって達成された。
【0107】
代わって、色彩調節層の個々のピークに基づいて、ヒトの目には実質的に無色であるスペクトル分布、特にL色空間におけるa軸及びb軸の両方上で10未満の絶対値をとるものを有する所望の非定常透過曲線を達成することが同様に考えられることは理解されよう。
【0108】
図9は、金属の外観、特に艶消しステンレス鋼の外観を有する複合材料の例示的な層構造を示す。
【0109】
ガラス又はガラス−セラミック基板上に、まずパターン化されたゾル−ゲル層を付与した後、色調補正用の層を付与する。この層上に、金属層が堆積される。
【0110】
本発明のこの実施形態は、底面をコーティングするのに、又は観察者から離れて面する側上での層構造の使用に特に適している。
【0111】
パターン化されたゾル−ゲル層は、後続の層のパターンを規定するように機能する。この実施形態では、ガラス又はガラス−セラミック基板の黄色の色調補正用の層が、金属層とパターン化された層との間に配置される。
【0112】
しかしながら、色調補正用の層が、ガラス−セラミック基板とパターン化されたゾル−ゲル層との間に配置される別の実施形態も同様に考えられることは理解されよう。
【0113】
図10は、ステンレス鋼の外観を有するタッチ可能な底面コーティングを特に対象とする代替的な層構造を示す。また、この実施形態では、まずパターン化されたゾル−ゲル層がガラス−セラミック基板上に付与される。続いて、色調補正に役立つ窒化ケイ素層が付与される。
【0114】
金属の外観を創出するために、この実施形態では、半導体層がケイ素層に続き、その高い電気抵抗に起因して、複合材料の後方に容量性切り替え要素を取り付けることも可能である。
【0115】
次に、別の窒化ケイ素層が続き、これは、例えばガラス−セラミック流し台上面又はオーブンのぞき窓用に、複合材料の十分な温度抵抗性を確実なものとする。
【0116】
図11の表は、温度応力を加える前及び後の幾つかの複合材料の色彩の印象を示す。
【0117】
ガラス−セラミック基板に付与され、かつ金属の外観を有する層構造が表中に列挙され、ここでまず窒化ケイ素層は、色彩調節層として種々の厚さで付与されて、続いてその上へ、厚さ300nmのステンレス鋼層及びバリア層として厚さ300nmの酸化ケイ素層が付与された。
【0118】
応力を加えていない状態の、及び490℃の熱応力を加えた後のL色空間の座標が示される。窒化ケイ素層の厚さを増加させるにつれて、輝度(L軸)は僅かに増加する傾向にあることが観察され得る。a軸上及びb軸上での絶対値は、応力を加えていないサンプル及び490℃の温度で応力を加えたサンプルの両方に関して、常に8未満である。
【0119】
さらに、色調変化dEの最大表示レベルは約2.5であり、即ち複合材料の顕色は、熱への暴露後でさえ、変化しなかったか、又は目に見える変化はほとんどなかったことが観察され得る。
【0120】
本発明は、非常に簡素な様式で、事実上任意の外観を有する温度抵抗性複合材料を生産することを可能とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの層を有する複合材料、特にガラス又はガラスセラミック複合材料の生産方法であって、
5×10−6−1以下の熱膨張係数αを有する基板を準備する工程、
パターン化されたゾル−ゲル層を前記基板上へ付与する工程であって、粒子を該ゾル−ゲル層に使用される材料へ添加する工程、
前記パターン化されたゾル−ゲル層を熱的に硬化させる工程、及び
堆積プロセスを使用して、少なくとも1つの更なる層を付与する工程
を含むことを特徴とする生産方法。
【請求項2】
前記の更なる層をPVDプロセス又はCVDプロセスにより堆積させる請求項1に記載の複合材料の生産方法。
【請求項3】
前記の更に堆積させる層が、着色層又は金属の外観を有する層である請求項1又は2に記載の複合材料の生産方法。
【請求項4】
前記の更に堆積させる層が、少なくとも1つの半導体材料を含む層である請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合材料の生産方法。
【請求項5】
パターン化される層を、パターン化前に、特に熱的に又は光化学プロセスを使用して予め硬化させる請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合材料の生産方法。
【請求項6】
ナノ粒子、特に平均粒径0.1μm〜1μmを有するナノ粒子を、前記パターン化された層に使用される前記材料に添加する請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合材料の生産方法。
【請求項7】
前記パターン化された層を、50℃〜1000℃、好ましくは100℃〜500℃で熱的に硬化させる請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合材料の生産方法。
【請求項8】
前記パターン化された層を、エンボシングツール、特にエンボシングスタンプ又はローラを使用して生産する請求項1〜7のいずれか一項に記載の複合材料の生産方法。
【請求項9】
前記パターン化された層の前駆物質に対する粒子の体積分率が、0.1〜0.9、好ましくは0.5〜0.8の範囲内である請求項1〜8のいずれか一項に記載の複合材料の生産方法。
【請求項10】
自己集合性ゾル−ゲルを使用する請求項1〜9のいずれか一項に記載の複合材料の生産方法。
【請求項11】
少なくとも2つの層を有する複合材料の生産方法、特に請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法であって、
パターン化されたゾル−ゲル層を基板上へ付与する工程、及び
堆積プロセスを使用して、少なくとも1つの更なる層を付与する工程
を含む生産方法。
【請求項12】
特に5×10−6−1以下の熱膨張係数αを有し、その上に少なくとも部分的に無機の層が堆積される基板、特にガラス又はガラスセラミック基板を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法により特に生産可能であるか、又は生産された複合材料であって、前記の少なくとも部分的に無機の層がパターン化されて、更なる層が前記無機の層上に堆積され、該更なる層がPVDプロセス又はCVDプロセスにより堆積されたことを特徴とする複合材料。
【請求項13】
前記の少なくとも部分的に無機の層が多孔質である請求項12に記載の複合材料。
【請求項14】
前記の少なくとも部分的に無機の層の強度及び/又はPVDプロセス若しくはCVDプロセスにより堆積された前記層の強度が少なくとも等しく、好ましくは前記基板の強度よりも大きい請求項12又は13に記載の複合材料。
【請求項15】
前記の少なくとも部分的に無機の層の屈折率が、1.2〜1.8、好ましくは1.4〜1.65の範囲内であり、かつ/又はPVDプロセス若しくはCVDプロセスにより堆積される前記層の屈折率が、1.2〜2.2、好ましくは1.8〜2.1の範囲内である請求項12〜14のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項16】
前記の少なくとも部分的に無機の層が、高温安定性Si−メチル基及び/又はSi−フェニル基を含む請求項12〜15のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項17】
400nm〜750nmの波長範囲で、前記複合材料が、最小値が最大値と0.6%未満だけ異なる透過曲線を示す請求項12〜16のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項18】
前記基板が、前記複合材料が実質的に無色の透過率を有するように、前記の更なる層の着色透過率により補正される着色透過率を示す請求項12〜17のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項19】
前記複合材料が、白色光をそれを通して透過させる場合に、該透過する光がL色空間におけるa軸及び/又はb軸上で20未満、好ましくは10未満の絶対値を有するように設計された請求項12〜18のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項20】
前記の少なくとも部分的に無機のパターン化された層のパターンの深さが、0.05μm〜2mm、好ましくは100nm〜1mmの範囲内である請求項12〜19のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項21】
前記の少なくとも部分的に無機の層が、0.01mm〜1mmの厚さを有する請求項12〜20のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項22】
前記の更なる層が、10nm〜100μm、好ましくは50nm〜50μm、より好ましくは80nm〜30μmの厚さを有する請求項12〜21のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項23】
前記の更なる層が、半導体材料を含み、かつ1×10Ωmm/mより大きい室温での抵抗率、好ましくは1×10Ωmm/mを示す請求項12〜22のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項24】
請求項12〜23のいずれか一項に記載の複合材料を含むキッチン用品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−517196(P2013−517196A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548382(P2012−548382)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/EP2011/000141
【国際公開番号】WO2011/085996
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】