複数の多型部位を有するDNA配列の特異的増幅方法
【課題】HLAのように多型のある複数の領域が組み合わされた形で多数の対立遺伝子が構成されているDNA配列であっても識別でき、目的とする遺伝子を特異的に増幅できる方法を提供する。
【解決手段】複数の多型部位を有する特定の標的DNA配列を当該多型性の有無に応じて選択的に増幅する方法であって、前記標的DNA配列を含むと予測されるDNA試料に対してLoop-Mediated Isothermal Amplification (LAMP)法に基づく増幅反応を実施することを含み、前記LAMP法において使用されるプライマーの3'末端領域及び5'末端領域の少なくとも2つが、前記複数の多型部位の少なくとも2つに相当する塩基配列又はそれの相補的な配列を含むことを特徴とする方法。
【解決手段】複数の多型部位を有する特定の標的DNA配列を当該多型性の有無に応じて選択的に増幅する方法であって、前記標的DNA配列を含むと予測されるDNA試料に対してLoop-Mediated Isothermal Amplification (LAMP)法に基づく増幅反応を実施することを含み、前記LAMP法において使用されるプライマーの3'末端領域及び5'末端領域の少なくとも2つが、前記複数の多型部位の少なくとも2つに相当する塩基配列又はそれの相補的な配列を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の多型部位を有するDNAを、当該多型部位の有無に応じて特異的に増幅する方法及びその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の塩墓配列のDNAの存在の有無を調べることは、基礎研究、医学的研究、検査等において極めて有用である。例えば「個人差」の原因となる染色体DNAやミトコンドリアDNAの多型を調べることは疾患の易罹患性、医薬品の奏功性・副作用予測等において重要であり、ウイルスや細菌等の病原体遺伝子存在の有無を調べることも、医療や食品の領域において重要である。
【0003】
通常は、検体中のDNA量は少ないのでDNAの特定の領域だけを増幅した後に、プローブとのハイブリダイゼーションや塩基配列解析等により、目的とする塩基配列をもつDNAの存在の有無が調べられる。このような目的のために様々な方法が考案、開発されてきた。遺伝子増幅の方法としては、Polymerase Chain Reaction (PCR),Transcription Mediated Amplification(TMA),Nucleic Acid Sequence-Based Amplification (NASBA),Strand Displacement Amplification (SDA),等々がある。また、増幅後あるいは増幅申に目的とする塩基配列の有無を調べる方法としては、Sequence-Specific Primers (SSP)-PCR、PCR-RFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism)、PCR-SSO (Sequence-Specific Oligonucleotides)、Real Time PCR (TaqMan PCR等)、HPA (Hybridization Protection Assay)、INVADER assay等々がある。等温増幅法のLoop-Mediated Isothermal Amplification (LAMP)もその一つであり、増幅効率が非常に良く1時間以内に109コピーの標的遺伝子の増幅産物が得られると報告されている (非特許文献1)。
【0004】
さらに、増幅すべき標的配列に由来する塩基配列に対してハイブリダイズする工程を多く含むというLAMP法の特徴に基づいて、FIPおよびBIPの5'末端をSNP特異的な塩基とすることにより、標的塩基配列における変異及び/又は多型を検出する方法が提案され、当該方法は、「相補鎖合成の過程において、標的塩墓配列における堀墓配列を繰り返しチェックすることが可能な核酸の合成方法を利用して、標的塩基配列における変異や多型を検出することができる方法」であり、「標的塩基配列における変異や多型が反応生成物に正確に反映される」とされている (特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】国際公開第WO01/034838号パンフレット
【非特許文献1】Notomi T, 0kayama H,Masubuchi H,Yonekawa T, Watanabe K,Amino N,Hase T. Loop-mediated isothermal amplification of DNA. Nucleic Acids Res. 2000 Jun 15; 28(12):E63.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の方法においては、実際には1塩基変異を特異的に検出するプライマーセットをデザインすることは難しい。また、上記の方法によって1つのSNPsをFIP及びBIPの5'末端に配置することにより、当該SNPsの有無を検出することができるが、例えばHLAのように多型のある複数の領域が組み合わされた形で多数の対立遺伝子が構成されているDNA配列を標的とすると、多型のある領域をそれぞれ独立に調べることになり、例えばA_12/B_21という対立遺伝子の組み合わせとA_21/B_12の対立遺伝子の組み合わせは区別できない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため、本発明は、複数の多型部位を有する特定の標的DNA配列を当該多型性の有無に応じて選択的に増幅する方法であって、前記標的DNA配列を含むと 予測されるDNA試料に対してLoop-Mediated Isothermal Amplification (LAMP)法に基づく増幅反応を実施することを含み、前記LAMP法において使用されるプライマーの3'末端領域及び5'末端領域の少なくとも2つが、前記複数の多型部位の少なくとも2つに相当する堀基配列又はそれの相補的な配列を含むことを特徴とする方法を提供する。
【0008】
即ち、本発明の方法では、多型性や変異の領域が多いものでは (例えばHLA等)、FIPおよびBIPの5'末端のみならず、FTPおよびBIPの5'末端領域、3'末端領域、F3およびB3プライマーの3'末端領域に1塩基〜数塩基の多型や変異が位置するようにプライマーをデザインすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の方法によれば、多型性のある領域 (多型性を示す領域が多型を示す塩基と共通の塩基の数塩基から構成される場合は、末端の1塩基だけでなく共通の塩基を含めた数塩基 (1〜5塩基程度)から構成される領域)を、可能な限り多くのプライマーの末端領域(FIPおよびBIPの5'領域および3'領域、F3およびR3の3'領域、1oop primerの3'領域)に設定することにより、複数の共通した多型部位を持つアリルを特異的に増幅することができる。言い換えれば、同一DNA鎖上の多型 (ハプロタイプ)を同時に調べることが可能となる。
【0010】
例えぱHLAのように多型のある複数の領域が組み合わされた形で多数の対立遺伝子が構成されているDNA配列を標的とするような場合も、各プライマーの末端領域に多型を設定することにより区別することが可能となる。また、HLA等の場合、非常に多くの対立遺伝子が存在するので (各口一カスごとに少なくとも数十種類以上)、各プライマー未端領域の対応する多型の組み合わせを調整することにより、対立遺伝子のグループ分けを行い、その後に対立遺伝子を同定することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
まず、本発明の基礎となるLAMP法について簡単に述べる (詳細については、前記非特許文献1あるいは栄研化学株式会社のホームページ (http://www.loopamp.eiken.jp)を参照されたい)。この方法は、標的DNA配列を挟む2つの領域中の各々3力所の塩基配列に相補的な配列を有する4種類のプライマーを用いて標的DNA配列を増幅する方法である。即ち、図1(a)に示すような2本鎖DNA(標的DNA配列を含む)の試料を、標的DNA配列の3'末端側のF1cと実質的に同一な配列(F1c)とF2cと相補的な配列 (F2)とを有するプライマー (FIP)、標的DNA配列の5'末端側のB2と実質的に同一な配列(B2)とB1と相補的な配列(B1c)とを有するプライマ一 (BIP)、標的DNA配列の3'末端側のF3cと相補的な配列(F3)を有するプライマー(F3)、及び標的DNA配列の5'末端側のB3と実質的に同一な配列(B3)を有するプライマー(B3)といぅ4種類のプライマーを用いて標的DNA配列を増幅する方法である。
【0012】
LAMP法では、両末端に互いに相補的な配列 (F1とF1c、B1とB1c)を有するため、図1(b)に示すように、標的配列 (又はその相補的配列)の両側にループを形成したダンベル型の構造を介して増幅反応が進行するという特徴を有している。そして、ループ状の1本鎖部分 (BlとB2の間又はFlとF2の間)の領域に相補的な配列を持つループプライマー (各々、LPBスはLPFとする)を使用することにより、増幅効率を向上させることができる。
【0013】
PCR法では、ブライマーに由来する塩基配列がそのまま鋳型として利用されるため、一度ミスリード等が起こるとそれを修正することができず、標的DMA配列を繰り返しチェックすることはできない。これに対してLAMP法では、標的DNA配列に由来する塩基配列に対してハイブリダイズする工程を多く含むため、標的塩基配列のわずかな相違を正確に検出できるとされている。上記の特許文献1に記載された発明は、このようなLAMP法の特徴に基づいて、標的DNA配列における変異又は多型を検出する方法である。
【0014】
具体的には、プライマーFIP及びBIPの5'末端に変異/多型部位 (例えばSNPs)塩基がくるようにプライマーを設計する (図1(c)参照)。そして、DNA試料に含まれる標的DNA配列がプライマーと同一の (又は相補的な)塩基を有する場合には増幅反応が進行するが、異なる塩基を有する場合には増幅反応が進行しないことに基づいて変異/多型の検出(SNPsタイピング)が行なわれる。
しかしながら、このような方法では、標的DNA配列における1力所の変異/多型 (例えばSNPs)の有無しか検出することができない。
【0015】
本発明では、LAMP法におけるプライマーFIP及ぴBIPの5'末端に、標的DNA配列に存在する変異/多型部位 (第1の変異/多型部位)に相当する塩基配列を配置することに加えて、プライマーFIPおよぴBIPの3'領域、F3およびB3の3'領域、ループプライマー(LPB及びLPF)の3'領域の内の少なくとも1つ、好ましくは2つ以上に、標的DNA配列に存在する前記第1の変異/多型部位以外の変異/多型部位 (第nの変異/多型部位:nは2以上の整数)に相当する塩基配列が配置されるようにプライマー設計をすることにより、複数の変異/多型性部位を有する標的DNA配列を、複数のプライマーに配置した塩基配列の有無に応じて特異的に増幅させることができる。このような試みは従来になかったものであり、本発明者等は、多型のある領域が組み合わされた形で多数の対立遺伝子が構成されているHLAについて、実際に特異的増幅を実施し、対立遺伝子を特定の変異/多型部位の有無によってクループ分けすることに初めて成功した。
より詳細に説明すると、例えば、HLA領域に存在するDRBl遺伝子の場合、多型部位の有無及びその種類及び位置に基づいて以下の群に分類できる。
(第1群)DRBl*0101
(第2群)DRBl*1501,1502,1602
(第3群)DRBl*0301,1301,1302,1402,1403,1406
(第4群)DRBl*0401,0403,0404,0405,0406,0407,0410
(第5群)DRBl*1101,1307
(第6群)DRBl*1201,1202
(第7群)DRBl*1401,1405,1407
(第8群)DRBl*0701
(第9群)DRBl*0802,0803
(第10群)DRB1*0901
(第11群)DRBl*1001
【0016】
例として、上記第3群に属するDRBl*0301,1301,1302,1402,1403,1406のエクソン2における塩基配列 (図4参照)を、第7群に属するDRBl*1401,1405,1407の同領域の塩基配列 (図8参照)と比較してみる。第3群に属する遺伝子は、共通して96番目及び97番目の塩基が共にaであるのに対し、第7群に属する遺伝子は、共通して96番目及び97番目の塩基が共にtである。従って、前記特許文献1に記載された方法 (以下 「従来方法」という)では、当該96番目又は97番目の塩基がFIP及びBIPの5'末端にくるようにプライマーを設計しさえすれば、設定した何れかの群の遺伝子のみが選択的に増幅されることになる。
【0017】
しかしながら、例えば、上記第10群に属するDRBl*0901においても96番目及び97番目の塩基はaであるため、前記のプライマーセットを使用したのでは、第3群と第10群の遺伝子を識別することはできない。
これに対して、本発明では、第3群の遺伝子を選択的に増幅させるに当たり、FIP及びBIPの5'末端のみならず、F3及びB3プライマー並びにループプライマー(LF及びLB)の少なくとも1つに多型性部位を含ませることにより、複数の多型性部位を有する遺伝子群の選択的増幅の効率及び信頼性を格段に向上させることができる。
【0018】
本発明の考え方に基づいて、前記第1群から第11群のHLA-DRBl遺伝子を選択的に増幅するためのプライマー設計を図2から12に示した。その結果、各々の群に対して設定され得るプライマーセットの代表例を以下に示す。
(第1群)DRBl*0101
F3: TTCGTGTCCCCACAGCA
FIP: GACTCCTCTTGGTTATAGATGCATCT-TTCTTGTGGCAGCTTAAGTTTGAA
B3: CGCCTCTGCTCCAGGAG
BIP: CCGTGCGCTTCGACAGC-GCTGTTCCAGTACTCGGCAT
LF: GCTCCGTCCCATTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG
(第2群)DRBl*1501, 1502, 1602
F3: TGTCCCCACAGCACGT
FIP: GACTCCTCCTGGTTATAGAAGTATCTG-CCTGTGGCAGCCTAAGAGG
BIP: TCCGTGCGCTTCGACAG-TTCTGGCTGTTCCAGTACTCA
B3: GCGCCTGCTCCAGGAT 及びGCGCCTGTCTTCCAGGAGAG(混合物)
LF: GCTCCGTCCCATTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG 及びACGTGGGGGAGTTCCG (混合物)
【0019】
(第3群) DRBl*0301, 1301, 1302, 1402, 1403, 1406
F3: TTCGTGTCCCCACAGCA
FIP: TTCTCCTCCTGGTTATGGAAGTATC-CGTTTCTTGGAGTACTCTACGTCT
BIP: AACGTGCGCTTCGACAGC-CATCAGGCCGCCCCA
B3: GTCCTTCTGGCTGTTCCAGTA
LF: GCTCCGTCCCATTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG 及びACGTGGGGGAGTTCCG (混合物)
(第4群) DRBl*0401, 0403, 0404, 0405, 0406, 0407, 0410
F3: TCGTTCTTGTCCCCCCAG
FIP: GATAGAAGTATCTGTCCAGGAACCG-CGTTTCTTGGAGCAGGTTAAACAT
BIP: CACCAAGAGGAGTACGTGCG-GCCCCAGCTCCGTCAC
B3: TCGTTCTTGTCCCCCCAG
LF: CTCCGTCCCGTTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG
【0020】
(第5群) DRBl*1101, 1307
RF3: TTCGTGTCCCCACAGCA
FIP: TACTCCTCTTGGTTATAGAAGTATCTGTC-CGTTTCTTGGAGTACTCTACGTCT
BIP: TACGTGCGCTTCGACAGC-GTCCTTCTGGCTGTTCCAGTA
B3: CCGCCTGTCTTCCAGGAA
LF: GCTCCGTCCCATTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTTCCG
(第6群) DRBl*1201, 1202
F3: TTCGTGTCCCCCCAGC
FIP: GGAGCTCCTCCTGGTTATG-GAGTACTCTACGGGTGAGTGTT
BIP: CTCCTGCGCTTCGACAGC-TTCCAGGACTCGGCGAC
B3: CGGCGCGCCTGTCTT
LF: GCTCCGTCCCATTGAAGAAAT
LB: CTCCGTCCCGTTGAAGAAAT
【0021】
(第7群) DRB1*1401, 1405, 1407
F3: TTCGTGTCCCCACAGCA
FIP: AACTCCTCCTGGTTATGGAAGTATC-CGTTTCTTGGAGTACTCTACGTCT
BIP: TTCGTGCGCTTCGACAGC-GTCCTTCTGGCTGTTCCAGT
B3: CCGCCTCCGCTCCAG
LF: GCTCCGTCCCATTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG
(第8群) DRB1*0701
F3: TTGTGCCCCCACAGCA
FIP: AGTCTTTCCAGGAACTGCACC-GTTTCCTGTGGCAGGGTAAGTATA
BIP: CTCTTCTATAACCAGGAGGAGTTCG-ACAGGCCGCCCTAGCT
B3: TCCTTCTGGCTGTTCCAGG
LF: CTCCGTCCCGTTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG
【0022】
(第9群) DRB1*0802, 0803
F3: GTTCGTGTCCCCACAGCA
FIP: TACTCCTCTTGGTTATAGAAGTATCTGTC-CGTTTCTTGGAGTACTCTACGGG
BIP: TACGTGCGCTTCGACAGC-TGGCTGTTCCAGTACTCGG
B3: CCGCCTGTCTTCCAGGA
LF: GCTCCGTCCCATTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG
(第10群) DRB1*0901
F3: TTCGTGTCCCCCCAGC
FIP: TGCCTCTGTGCAGATACCG-CGTTTCTTGAAGCAGGATAAGTTTG
BIP: GGCATCTATAACCAAGAGGAGAAC-GTTCCAGGACTCGGCGA
B3: GCCTCCGCTCCAGGAAG
LF: CTCCGTCCCGTTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG
【0023】
(第11群) DRB1*1001
F3: TTCGTGTCCCCACAGCA
FIP: TACTCCTCTTGGTTATGGACGC-CGTTTCTTGGAGGAGGTTAAGTTT
BIP: TACGCGCGCTACGACAG-GCTGTTCCAGTACTCGGCAT
B3: GCCTCCGCTCCAGGAG
LF: CTCCGTCCCGTTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG
【0024】
同様に、HLA-DQBl遺伝子について、以下の群(第12群〜第20群)各々に対し、下記の代表的なプライマーセットを設定した。
(第12群) DQB1*0202
F3: CGCGTGCGTCTTGTGAG
B3: GTAGTTGTGTCTGCACACCC
FIP: AGCCCCAGCAGCGTCA-AGAAGCATCTATAACCGAGAAGAGAT
BIP: TGCCTGCCGCCGAGT-CACCGCCGCCCGTT
LP: ACGTCGCTGTCGAAGC
LB: CAGAAGGACATCCTGGAGAG
(第13群) DQB1*0301, DQB1*0302, DQB1*0303
F3: CGGAGCGCGTGCGT
B3: TCTGCACACCGTGTCCAA
FIP: GGCCCCAGCGGCGT-CTATAACCGAGAGGAGTACGCA
BIP: CGCCTGMCGCCGAGTAC-CTCCGCCCGGGTCCT
LP: ACGTCGCTGTCGAAGC
LB: GCCAGAAGGAAGTCCTGG
【0025】
(第14群) DQB1*0401, DQB1*0402
F3: TATAACCGAGAGGAGTACGCG
B3: CAAGGTCGTGCGGAGCT
FIP: ATTCCAGTACTCGGCGTCAAG-GCGACGTGGGGGTGTAT
BIP: TAGCCAGAAGGACATCCTGGA-CAACTGGTAGTTGTGTCTGCAT
LF: CCCCAGCGGCGTCAC
LB: CGGGCGTCGGTGGAC
(第15群) DQB1*0501
F3: CGTGTACCAGTTTAAGGGCC
B3: CAGGATCCCGCGGTACG
FIP: AACAGGCCGCCCCTGC-GCGGGGTGTGACCAGAC
BIP: TTGCCGAGTACTGGAACAGC-GTAGTTGTGTCTGCACACCC
LF: ACGTCGCTGTCGAAGC
LB: AGAAGGAAGTCCTGGAGGG
【0026】
(第16群) DQB1*0502
F3: CGTGTACCAGTTTAAGGGCC
B3: CAGGATCCCGCGGTACG
FIP: CTAGGCCGCCCCTGC-GCGGGGTGTGACCAGAC
BIP: AGCGCCGAGTACTGGAACA-CGTAGTTGTGTCTGCACACTC
LF: ACGTCGCTGTCGAAGC
LB: AGAAGGAAGTCCTGGAGGG
(第17群) DQB1*0503
F3: CGTGTACCAGTTTAAGGGCC
B3: CAGGATCCCGCGGTACG
FIP: TCAGGCCGCCCCTGC-GCGGGGTGTGACCAGAC
BIP: ACGCCGAGTACTGGAACAG-CGTAGTTGTGTCTGCACACTC
LF: ACGTCGCTGTCGAAGC
LB: AGAAGGAAGTCCTGGAGGG
【0027】
(第18群) DQB1*0601
F3: CGGAGCGCGTGCGTTA
B3: CCTCGTAGTTGTGTCTGCAC
FIP: GTCAGGCCGCCCCTG-CTATAACCGAGAGGAGGACGT
BIP: ACGCCGAGTACTGGAACAG-CCGTGTCCAACTCCGCT
LF: ACGTCGCTGTCGAAGC
LB: CAGAAGGACATCCTGGAGAG
(第19群) DQB1*0602, DQB1*0603
F3: GGAGCGCGTGCGTCT
B3: CAAGATCCCGCGGAACG
FIP: ATCAGGCCGCCCCTG-TCTATAACCGAGAGGAGTACGC
BIP: ATGCCGAGTACTGGAACAGC-TGCACACCGTGTCCAACT
LF: ACGTCGCTGTCGAAGC
LB: AGAAGGAAGTCCTGGAGGG
【0028】
(第20群) DQB1*0604, DQB1*0609
F3: AGCGCGTGCGTCTTGTA
B3: CAGGATCCCGCGGTACC
FIP: AACAGGCCGCCCCTG-AACCGAGAGGAGTACGCG
BIP: TTGCCGAGTACTGGAACAGC-GTAGTTGTGTCTGCACACCG
LF: ACGTCGCTGTCGAAGC
LB: GAAGTCCTGGAGAGGACCC
【0029】
同様に、HLA-A遺伝子について、以下の群(第21群〜第29群)各々に対し、下記の代表的なプライマーセットを設定した
(第21群) A*0101
F3: TCCCACTCCATGAGGTATTTCTT
B3: CAGGGTCCCCAGGTTCG
FIP: TTCTGGCTCGCGGCG-GCCCCGCTTCATCGCC
BIP: AGATGGAGCCGCGGGC-GTCTGTGAGTGGGCCTTCAT
LF: GCGTGTCGTCCACGTAG
LB: GGACCAGGAGACACGGAA
(第22群) A*0201, A*0203, A*0206, A*0207, A*0210, A*0218
F3: CCTCCGCGGGTACCAC
B3: CCGTTCTCCAGGTATCTGCG
PIP: TGCTTGGTGGTCTGAGCTG-CAAGGATTACATCGCCCTGAAA
BIP: ACAAGTGGGAGGCGGC-GCCACTCCACGCACGT
LF: GTCCAAGAGCGCAGGTC
LB: GAGAGCCTACCTGGAGGG
【0030】
(第23群) A*0301, A*0302
F3: CTCCGCGGGTACCGG
B3: CCAGGTATCTGCGGAGCC
FIP: CGCCATGTCCGCCGC-CAAGGATTACATCGCCCTGAAC
BIP: AAGCGCAAGTGGGAGGC-CTCCACGCACGTGCCA
LF: GTCCAAGAGCGCAGGTC
LB: GAGCAGTTGAGAGCCTACC 及び AGCAGCAGAGAGCCTACC (混合物)
(第24群) A*1101, A*1102
F3: GCGGGTACCGGCAGG
B3: GCCACTCCACGCACCG
FIP: TGCCATGTCCGCCGC-CAAGGATTACATCGCCCTGAAC
BIP: AGCTCAGATCACCAAGCGC-CCCTCCAGGTAGGCTCTCTG
LF: GTCCAAGAGCGCAGGTC
LB: AAGTGGGAGGCGGCC
【0031】
(第25群) A*2402, A*2404, A*2408
F3: CGCGGGTACCACCAGT
B3: GGTATCTGCGGAGCCCG
FIP: CGCCATGTCCGCCGC-CAAGGATTACATCGCCCTGAAA
BIP: GGCTCAGATCACCAAGCGC-CCCTCCAGGTAGGCTCTCTG
LF: GTCCAAGAGCGCAGGTC
LB: CCATGTGGCGGAGCAG
(第26群) A*2601, A*2602, A*2603, A*2605
F3: GGTACCAGCAGGACGCTT
B3: GCCACTCCACGCACCG
FIP: CGCCATGTCCGCCGC-CAAGGATTACATCGCCCTGAAC
BIP: GGCTCAGATCACCCAGCG-CCTCCAGGTAGGCTCTCCA
LF: GTCCAAGAGCGCAGGTC
LB: GGGAGACGGCCCATGA
【0032】
(第27群) A*3001
F3: CTTCCTCCGCGGGTATGAA
B3: GCGTCTCCTTCCCGTTCT
FIP: CAACGGGCCGCCTCC-CAAGGATTACATCGCCCTGAAC
BIP: TGGGCGGAGCAGTTGAG-AGGTATCTGCGGAGCCAC
LF: GTCCAAGAGCGCAGGTC
LB: CTACCTGGAGGGCACGT
(第28群) A*3101, A*3303
F3: CGCGGGTACCAGCAGG
B3: GTTCTCCAGGTATCTGCGGA
FIP: GGGTGATCTGAGCCGCC-GGCAAGGATTACATCGCCTT
BIP: CAGCGCAAGTGGGAGGC-GCCACTCCACGCACGT
LP: TCCAAGAGCGCAGGTC
LB: AGCAGTTGAGAGCCTACCT
【0033】
(第29群) A*6801
F3: CTCCGCGGGTACCGG
B3: CTGCGGAGCCACTCCA
FIP: GTCTGAGCTGCCATGTCCG-CAAGGATTACATCGCCCTGAAA
BIP: CCACCAAGCACAAGTGGGA-CCTCCAGGTAGGCTCTCC
LF: GTCCAAGAGCGCAGGTC
LB: CCATGTGGCGGAGCAG
【0034】
同様に、HLA-C遺伝子について、以下の群(第30群〜第38群)各々に対し、下記の代表的なプライマーセットを設定した
(第30群) Cw*0102, Cw*0103
F3: CTCCCACTCCATGAAGTATTTCTT
B3: CAGGCTCACTCGGTCAGT
FIP: CGGACTCGCGGCGT-TCCGTGTCCCGGCCT
BIP: GAGAGGGGAGCCGCG-CTGTGCCTGGCGCTTG
LF:CGTCCACGTAGCCCAC
LB: TGGGTGGAGCAGGAGG
(第31群) Cw*0302, Cw*0303, Cw*0304
F3: AGGATGTATGGCTGCGACG
B3: AGCCACTCCACGCACAG
FIP: CGTGTCCGCGGCGGT-CCTCCTCCGCGGGTATG
BIP: GGCGGCTCAGATCACCC-CCCTCCAGGTAGGCTCTCA
LF: CAGGGCGATGTAATCCTTG
LB: CGTGAGGCGGAGCAG
【0035】
(第32群) Cw*0401
F3: TGCGACCTGGGGCCG
B3: CCTCCAGGTAGGCTCTCC
FIP: ATCCTCGTTCAGGGCGATG-GCCTCCTCCGCGGGTATA
BIP: TCTGCGCTCCTGGACCG-CCGCCTCCCACTTGCG
LF: CGTCGTAGGCGAACTGGT
LB: GCGGCTCAGATCACCCA
(第33群) Cw*0502
F3: GGATGTATGGCTGCGACCT
B3: GCCACTCCACGCACGT
FIP: CTTGTCCGCGGCGGTC-TCCGCGGGTATAACCAGTT
BIP: AGGCGGCTCAGATCACCC-CCCTCCAGGTAGGCTCTCC
LF: CAGGGCGATGTAATCCTTG
LB: CGTGAGGCGGAGCAG
【0036】
(第34群) Cw*0602, Cw*0702, Cw*0704
F3: CCCACTCCATGAGGTATTTCG
B3: CAGGTTCACTCGGTCAGC
FIP: CGGACTCGCGGCGTC-GAGAGCCCCGCTTCATCT
BIP: GAGAGGGGAGCCSCGG-CTGGCGCTTGTACTTCTGTG
LP: CGTCCACGTAGCCCAC
LB: TGGGTGGAGCAGGAGG
(第35群) Cw*0801, Cw*0803
F3: GACCTGGGGCCCGAC
B3: GCCCTCCAGGTAGGCTC
FIP: CGTGTCCGCGGCGGT-CTCCGCGGGTATAACCAGTT
BIP: GGCGGCTCAGATCACCC-CAGCTGCTCCGCCGT
LF: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
【0037】
(第36群) Cw*1202, Cw*1203
F3: CCTCCAGAGGATGTACGGC
B3: TGCGGAGCCACTCCAC
FIP: CGTGTCCGCAGCGGT-CCGCGGGTATGACCAGTC
BIP: GGCGGCTCAGATCACCC-CCTCCAGGTAGGCTCTCCA
LF: CAGGGCGATGTAATCCTTG
LB: CGTGAGGCGGAGCAG
(第37群) Cw*1402, Cw*1403
F3: ACACCCTCCAGTGGATGTT
B3: CCTCCAGGTAGGCTCTCC
FIP: ATCCTCGTTCAGGGCGATG-GACCTGGGGCCCGAC
BIP: TCTGCGCTCCTGGACCG-GGCCGCCTCCCACTT
LF: CGTAGGCGGACTGGTCAT
LB: GCGGCTCAGATCACCCA
【0038】
(第38群) Cw*1502, Cw*1505
F3: CCATGAGGTATTTCTACACCGCT
B3: GCGCAGTTTCCGCAGGT
FIP: TGGACTCGCGGCGTCG-CCGCGGAGAGCCCCA
BIP: AAGAGGGGAGCCGCGG-TGTGCCTGGCGCTTGTAG
LF: CGTCCACGTAGCCCAC
LB: TGGGTGGAGCAGGAGG
【0039】
同様に、HLA-B遺伝子について、以下の群(第39群〜第57群)各々に対し、下記の代表的なプライマーセットを設定した
(第39群) B*1302, B*5401, B*5502, B*5601, B*5901 (exon 3)
F3: GGTCTCACACTTGGCAGAC
B3: CGCCCTCCAGGTAGGC
FIP: CGCGGTCCAGGAGCTC-CCGCGGGCATAACCAGTTA
BIP: GGCGGACACCGCGG-CTCAGCTGCTCCGCCA
LF: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: CACCCAGCTCAAGTGGGAG
(第40群) B*1501, B*1507, B*1511, B*4601, B*5603 (exon 3)
F3: CCAGGGTCTCACACCCTC
B3: GCCACTCCACGCACAG
FIP: CGTGTCCGCCGCGG-TCCTCCGCGGGCATG
BIP: GGCGGCTCAGATCACCC-CCTCCAGGTAGGCTCTCCA
LF: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
【0040】
(第41群) B*2701 (exon 3)
F3: GGTCTCACACCCTCCAGAAT
B3: AGCCACTCCACGCACTC
FIP: GGCGGTCCAGGAGCTC-CTCCTCCGCGGGTACC
BIP: CGCGGACACGGCGG-CTCAGCTGCTCCGCCA
LF: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
(第42群) B*3501, B*5701, B* 5801 (exon 3)
F3: GGCCAGGGTCTCACATCA
B3: GCCACTCCACGCACAG
FIP: TCAGGTCCTCGTTCAGGG-TCCTCCGCGGGCATG
BIP: AGCTCCTGGACCGCG-CTCAGCTGCTCCGCCA
LF: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
【0041】
(第43群) B*3701 (exon 3)
F3: ACACCATCCAGAGGATGTCT
B3: GCCACTCCACGCACGT
FIP: CGCGGTCCAGGAGCTC-GCCTCCTCCGCGGGT
LP: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
BIP: GGCGGACACCGCGG-CCTCCAGGTAGGCTCTGTC
(第44群) B*3802, B*3901, B*3902, B*3904, B*6701 (exon 3)
F3: ACACCCTCCAGAGGATGTAC
B3: CTGCGGAGCCACTCCA
FIP: GGTGTCCGCCGCGG-CGCGGGCATAACCAGTT
BIP: CGCGGCTCAGATCACCC-GTGCCCTCCAGGTAGGT
LF: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
【0042】
(第45群) B*4801, B*5504, B*4002 (exon 3)
F3: TCTCACACCCTCCAGAGC
B3: GGAGCCACTCCACGCAC
FIP: GCAGGTCCTCGTTCAGGG-CCGCGGGCATAACCAGTA
BIP: CGCTCCTGGACCGCC-CTCAGCTGCTCCGCCA
LF: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
(第46群) B*5101, B*5102, B*5201 (exon 3)
F3: GGTCTCACACTTGGCAGAC
B3: GCCACTCCACGCACAG
FIP: CGCGGTCCAGGAGCTC-CCGCGGGCATAACCAGTA
BIP: GGCGGACACCGCGG-CTCAGCTGCTCCGCCT
LF: GTAATCTTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
【0043】
(第47群) B*4402, B*4403 (exon 3)
F3: GGCCAGGGTCTCACATCA
B3: CCAGGTATCTGCGGAGCG
FIP: GGTGTCCGCCGCGG-TCCGCGGGTATGACCAGG
BIP: CGCGGCTCAGATCACCC-CCACGCACAGGCCCT
LP: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
(第48群) B*0702 (exon 3)
F3: TCTCACACCCTCCAGAGC
B3: AGCCACTCCACGCACTC
FIP: GGCGGTCCAGGAGCG-CGCGGGCATGACCAGTA
BIP: CGCGGACACGGCGG-CCGCTGCTCCGCCT
LP: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
【0044】
(第49群) B*1518 (exon 3)
F3: GTCTCACACCCTCCAGAGG
B3: AGCCACTCCACGCACTC
FIP:CGTGTCCGCCGCGG-GCGGGCATGACCAGTCC
BIP: GGCGGCTCAGATCACCC-CTCAGCTGCTCCGCCT
LF: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
(第50群) B*0702, B* 6701 (exon 2)
F3: CATGAGGTATTTCTACACCTCCG
B3: TCGGTCAGTCTGTGCCTG
FIP: CTCTCGGACTCGCGGC-GGAGCCCCGCTTCATCT
BIP: AGAGGAGCCGCGGGC-GGCCTTGTAGATCTGTGTGTT
LP: GCTGTCGAACCTCACGAAC
LB: GAGCAGGAGGGGCCG
【0045】
(第51群) B*1301, B*1302 (exon 2)
F3: GCCCCGCTTCATCACC
B3: TAGCGGAGCGCGGTG
FIP: GCCATCCTCGGACTCGT-GGCTACGTGGACGACACC
BIP: CCGGGCGCCATGGATA-AGTCTGTGTGTTGGTCTTGG
LF: GCTGTCGAACCTCACGAAC
LB: GAGCAGGAGGGGCCG
(第52群) B*1518, B*3904 (exon 2)
F3: TGAGGTATTTCTACACCGCCA
B3: TAGTAGCCGCGCAGGTTC
FIP: CTCTCGGACTCGCGGC-GGAGCCCCGCTTCATCT
BIP: AGAGGAGCCGCGGGC-AAGTCTGTGTGTTGGTCTTGC
LP: GCTGTCGAACCTCACGAAC
LB: GAGCAGGAGGGGCCG
【0046】
(第53群) B*4001, B*4002, B*4003, B*4006 (exon 2)
F3: CCCACTCCATGAGGTATTTCC
B3: GTAGCCGCGCAGGTTC
FIP: TTCCTCGGACTCGTGGC-AGCCCCGCTTCATCACC
BIP: AAGGAGCCGCGGGC-AAGTCTGTGTGTTGGTCTTGG
LF: GCTGTCGAACCTCACGAAC
LB: GAGCAGGAGGGGCCG
(第54群) B*4402, B*4403 (exon 2)
F3: TCCCACTCCATGAGGTATTTCT
B3: TAGCGGAGCGCGGTG
FIP: TTCCTCGGACTCGTGGC-AGCCCCGCTTCATCACC
BIP: AAGGAGCCGCGGGC-AAGTCTGTGTGTTGGTCTTGG
LF: GCTGTCGAACCTCACGAAC
LB: GAGCAGGAGGGGCCG
【0047】
(第55群) B*1501, B*1507, B*1511 (exon 2)
F3: TGAGGTATTTCTACACCGCCA
B3: TAGTAGCCGCGCAGGTTC
FIP: GCCATCCTCGGACTCGC-GCCCCGCTTCATCGCA
BIP: CCGGGCGCCATGGATA-CGGTAAGTCTGTGTGTTGGT
LF: GCTGTCGAACCTCACGAAC
LB: GAGCAGGAGGGGCCG
(第56群) B*2701 (exon 2)
F3: CCCACTCCATGAGGTATTTCC
B3: TAGCGGACCGCGGTG
FIP: CTCTCGGACTCGCGGC-AGCCCCGCTTCATCACC
BIP: AGAGGAGCCGCGGGC-CTGTGCCTTGGCCTTGC
LF: GCTGTCGAACCTCACGAAC
LB: GAGCAGGAGGGGCCG
【0048】
(第57群) B*3701 (exon 2)
F3: GAGGTATTTCCACACCTCCG
B3: GCAGGGTCCGCAGGTC
FIP: GTCCTCGGACTCGCGG-GGAGCCCCGCTTCATCT
BIP: CGGAGCCCCGGGCG-AGTCTGTGTGTTGGTCTTGG
LP: GCTGTCGAACCTCACGAAC
LB: GAGCAGGAGGGGCCG
【実施例】
【0049】
以下、実施例を参照して本発明を具体的に説明する。
(実施例1)HLA-DRB1アリルの群特異的増幅
図13〜23に記載したDRB1遺伝子群を含有する試料に対して、各々、前記第1群から第11群に対して設定したプライマーセットを用いて増幅を行ったところ、第1群から第11群に属する各アリルの特異的増幅がみられた。
なおLoop-Mediated Isothermal Amplification (LAMP)による増幅反応は以下の終濃度の組成で、65℃で行った。
【0050】
20 mM Tris-HCL(pH8.8)、10mM KCl、10mM (NH4)2SO4、0.1% Triton X-l00、1.6M Betain、 1.4mM each dNTP、8mM MgS04、Bst DNA Polymerase、1.6μM FIPプライマー、1.6μM BIPプライマー、0.8μM LFプライマー、0.8μM LBプライマー、0.2μM F3プライマー、0.2μM B3プライマー。
図13〜23に示した結果は、サイバ−グリーン存在下でLAMP法による対象アリル (例えば、図13においてはDRBl*0101)を含む試料を増幅した結果である。各図における縦軸は増幅した2本鎖DNAにインターカレートしたサイバ−グリ−ン由来の蛍光強度で、蛍光強度が強いほどDNAが増幅していることを示す。横軸のサイクル数はl cycleがl分に相当する。
【0051】
(実施例2)HLA-DQBlアリルの群特異的増幅
図24〜31に記載したHLA-DQBl遺伝子群を含有する試料に対して、各々、前記第12群から第20群 (第19群は除く)に対して設定したプライマーセットを用いて増幅を行ったところ、各群に属するアリルの特異的増幅がみられた。
なお、増幅反応は実施例1と同様の条件で実施し、結果は図13〜23と同様にして表示した。
【0052】
(実施例3)HLA-Aアリルの群特異的増幅
図32及び33に記載したHLA-A遺伝子群を含有する試料に対して、各々、前記第25群及び第27群に対して設定したプライマーセットを用いて増幅を行ったところ、各群に属するアリルの特異的増幅がみられた。
なお、増幅反応は実施例1と同様の条件で実施し、結果は図13〜23と同様にして表示した。
【0053】
(実施例4)HLA-Cwアリルの群特異的増幅
図34、35及び36に記載したHLA-Cw遺伝子群を含有する試料に対して、各々、前記第32群、第35群及び第38群に対して設定したプライマーセットを用いて増幅を行ったところ、各群に属するアリルの特異的増幅がみられた。
なお、増幅反応は実施例1と同様の条件で実施し、結果は図13〜23と同様にして表示した。
【0054】
(実施例5)HLA-Bアリルの群特異的増幅
図37〜43に記載したHLA-B遺伝子群を含有する試料に対して、各々、前記第39群、第40群、第43群、第44群、第46群、第47群及び第57群に対して設定したプライマーセットを用いて増幅を行ったところ、各群に属するアリルの特異的増幅がみられた。
なお、増幅反応は実施例1と同様の条件で実施し、結果は図13〜23と同様にして表示した。
【0055】
(比較例1)
前記第3群に属するDRBl*1402(及び1403)と、第7群に属するDRBl*1401(及び1405)とを用い、FIP及ぴBIPの5'末端のみに多型部位を配置したプライマーセットを使用して増幅反応を実施した(この方法は、前記従来方法に該当する)。
まず、DRBl*1402,1403、1401及び1405の塩基配列を図44に示す。次いで、図44に示すように、FIP及びBIPの5'末端に71番目の塩基が配置されるように各プライマーを設定した。これらのプライマーは、本発明に基づいて設定されたプライマーセット(図4及び図8)とは異なり、FIP及びBIPの5 '末端のみ(下記下線部)に多型性部位が存在する。
【0056】
具体的には、以下のプライマーセノトを準備した。
第7群(DRBl*1401)増幅のためのブライマーセット
F3: CCGCCTGTGTGACTGGA
FIP: GTCCAGGAACCGCACCC-TCGTGTCCCCACAGCAC
BIP: CAGATACTTCCATAACCAGGAGGA-CCCAGCTCCGTCACCG
B3: AGGTCCTTCTGGCTGTTCC
LF: CACTCAGACGTAGAGTACTCCAA
LB: CAGCGACGTGGGGGAG
第3群(DRBl*1402)増幅のためのプライマーセット
F3: CCGCCTGTGTGACTGGA
FIP: CTCCAGGAACCGCACCC-TCGTGTCCCCACAGCAC
BIP: GAGATACTTCCATAACCAGGAGGAG-CCCAGCTCCGTCACCG
B3: AGGTCCTTCTGGCTGTTCC
LF: CACTCAGACGTAGAGTACTCCAA
LB: CAGCGACGTGGGGGAG
【0057】
これらのプライマーセットにおいては、Tmをそろえるために第3群増幅のためのプライマーBIPのB1の3' 側を1塩基のばしてある。
なお、塩基配列の共通性から、DRBl*1401増幅のためのプライマーセットではDRBl*1405、DRBl*1407、DRBl*1402増幅のためのプライマーセットではDRBl*1403、DRBl*1406、DRBl*0301、DRBl*1301、DRBl*1302も増幅されると考えられる。
【0058】
これらのプライマーセットを用いて、実施例1に示した条件で遺伝子増幅を実施した。その結果、FIP及 びBIPの5' 末端のみが異なり、他は同じ配列になるようにデザインしたプ ライマーセットを用いて増幅を行った場合、それぞれの遺伝子を特異的に増幅することはできなかった(図45、図 46) 。
またDRBl*0803はどちらのプライマーセットでも増幅しているが、DRBl*14に比べ立ち上がりが遅く、一方 DRBl*0401は増幅されなかった。これらはプライマー部分の塩基配 列がDRB1*0803は DRBl*0401よりもDRBl*14との共通性が大きいためと考えられる(図 44) 。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】(a)LAMP法において使用されるプライマー等を示す説明図、(b)LAMP法において生成されるダンベル型構造を示す模式図、及び(c)LAMP法を用いた従来のSNPs検出方法を示す概略図である。
【図2】第1群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるプライマーの位置を示す図である。
【図3】第2群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるプライマーの位置を示す図である。
【図4】第3群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるプライマーの位置を示す図である。
【図5】第4群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるブライマーの位置を示す図である。
【図6】第5群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるブライマーの位置を示す図である。
【図7】第6群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるブライマーの位置を示す図である。
【図8】第7群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるプライマーの位置を示す図である。
【図9】第8群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるプライマーの位置を示す図である。
【図10】第9群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるプライマーの位置を示す図である。
【図11】第10群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるプライマーの位置を示す図である。
【図12】第11群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるプライマーの位置を示す図である。
【図13】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第1群 (DRB1*0101)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図14】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第2群 (DRB1*15)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図15】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第3群 (DRB1*1402)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図16】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第4群 (DRB1*0401)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図17】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第5群 (DRB1*1101)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図18】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第6群 (DRB1*1201)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図19】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第7群 (DRB1*1405)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図20】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第8群 (DRB1*0701)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図21】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第9群 (DRB1*0803)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図22】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第10群 (DRB1*0901)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図23】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第11群 (DRB1*1001)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図24】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第12群 (DQB1*0202)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図25】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第13群 (DQB1*0302)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図26】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第14群 (DQB1*0401)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図27】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第15群 (DQB1*0501)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図28】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第16群 (DQB1*0502)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図29】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第17群 (DQB1*0503)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図30】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第18群 (DQB1*0601)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図31】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第20群 (DQB1*0604)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図32】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第25群 (A*2402)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図33】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第27群 (A*3001)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図34】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第32群 (Cw*0401)アリルの特異的増幅を示すクラフである。
【図35】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第35群 (Cw*0801)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図36】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第38群 (Cw*l502)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図37】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第39群 (B*5401、B5901)アリルの特異的増幅を示すクラフである。
【図38】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第40群 (B*l501、B*4601)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図39】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第43群 (B*3701)アリル(exon3)の特異的増幅を示すグラフである。
【図40】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第44群 (B*6701)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図41】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第46群 (B*5101)アリルの特異的増幅を示すクラフである。
【図42】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第47群 (B*4403)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図43】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第57群 (B*3701)アリル(exon2)の特異的増幅を示すグラフである。
【図44】第3群及び第7群の遺伝子 (DRBl*1402、1403、1401及び1405)の塩基配列及び従来技術に基づいて設定したプライマーセットの位置を示す図である。
【図45】従来技術に基づくプライマーセットを用いた遺伝子増幅の結果を示すグラフである。
【図46】従来技術に基づくプライマーセットを用いた遺伝子増幅の結果を示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の多型部位を有するDNAを、当該多型部位の有無に応じて特異的に増幅する方法及びその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の塩墓配列のDNAの存在の有無を調べることは、基礎研究、医学的研究、検査等において極めて有用である。例えば「個人差」の原因となる染色体DNAやミトコンドリアDNAの多型を調べることは疾患の易罹患性、医薬品の奏功性・副作用予測等において重要であり、ウイルスや細菌等の病原体遺伝子存在の有無を調べることも、医療や食品の領域において重要である。
【0003】
通常は、検体中のDNA量は少ないのでDNAの特定の領域だけを増幅した後に、プローブとのハイブリダイゼーションや塩基配列解析等により、目的とする塩基配列をもつDNAの存在の有無が調べられる。このような目的のために様々な方法が考案、開発されてきた。遺伝子増幅の方法としては、Polymerase Chain Reaction (PCR),Transcription Mediated Amplification(TMA),Nucleic Acid Sequence-Based Amplification (NASBA),Strand Displacement Amplification (SDA),等々がある。また、増幅後あるいは増幅申に目的とする塩基配列の有無を調べる方法としては、Sequence-Specific Primers (SSP)-PCR、PCR-RFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism)、PCR-SSO (Sequence-Specific Oligonucleotides)、Real Time PCR (TaqMan PCR等)、HPA (Hybridization Protection Assay)、INVADER assay等々がある。等温増幅法のLoop-Mediated Isothermal Amplification (LAMP)もその一つであり、増幅効率が非常に良く1時間以内に109コピーの標的遺伝子の増幅産物が得られると報告されている (非特許文献1)。
【0004】
さらに、増幅すべき標的配列に由来する塩基配列に対してハイブリダイズする工程を多く含むというLAMP法の特徴に基づいて、FIPおよびBIPの5'末端をSNP特異的な塩基とすることにより、標的塩基配列における変異及び/又は多型を検出する方法が提案され、当該方法は、「相補鎖合成の過程において、標的塩墓配列における堀墓配列を繰り返しチェックすることが可能な核酸の合成方法を利用して、標的塩基配列における変異や多型を検出することができる方法」であり、「標的塩基配列における変異や多型が反応生成物に正確に反映される」とされている (特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】国際公開第WO01/034838号パンフレット
【非特許文献1】Notomi T, 0kayama H,Masubuchi H,Yonekawa T, Watanabe K,Amino N,Hase T. Loop-mediated isothermal amplification of DNA. Nucleic Acids Res. 2000 Jun 15; 28(12):E63.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の方法においては、実際には1塩基変異を特異的に検出するプライマーセットをデザインすることは難しい。また、上記の方法によって1つのSNPsをFIP及びBIPの5'末端に配置することにより、当該SNPsの有無を検出することができるが、例えばHLAのように多型のある複数の領域が組み合わされた形で多数の対立遺伝子が構成されているDNA配列を標的とすると、多型のある領域をそれぞれ独立に調べることになり、例えばA_12/B_21という対立遺伝子の組み合わせとA_21/B_12の対立遺伝子の組み合わせは区別できない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため、本発明は、複数の多型部位を有する特定の標的DNA配列を当該多型性の有無に応じて選択的に増幅する方法であって、前記標的DNA配列を含むと 予測されるDNA試料に対してLoop-Mediated Isothermal Amplification (LAMP)法に基づく増幅反応を実施することを含み、前記LAMP法において使用されるプライマーの3'末端領域及び5'末端領域の少なくとも2つが、前記複数の多型部位の少なくとも2つに相当する堀基配列又はそれの相補的な配列を含むことを特徴とする方法を提供する。
【0008】
即ち、本発明の方法では、多型性や変異の領域が多いものでは (例えばHLA等)、FIPおよびBIPの5'末端のみならず、FTPおよびBIPの5'末端領域、3'末端領域、F3およびB3プライマーの3'末端領域に1塩基〜数塩基の多型や変異が位置するようにプライマーをデザインすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の方法によれば、多型性のある領域 (多型性を示す領域が多型を示す塩基と共通の塩基の数塩基から構成される場合は、末端の1塩基だけでなく共通の塩基を含めた数塩基 (1〜5塩基程度)から構成される領域)を、可能な限り多くのプライマーの末端領域(FIPおよびBIPの5'領域および3'領域、F3およびR3の3'領域、1oop primerの3'領域)に設定することにより、複数の共通した多型部位を持つアリルを特異的に増幅することができる。言い換えれば、同一DNA鎖上の多型 (ハプロタイプ)を同時に調べることが可能となる。
【0010】
例えぱHLAのように多型のある複数の領域が組み合わされた形で多数の対立遺伝子が構成されているDNA配列を標的とするような場合も、各プライマーの末端領域に多型を設定することにより区別することが可能となる。また、HLA等の場合、非常に多くの対立遺伝子が存在するので (各口一カスごとに少なくとも数十種類以上)、各プライマー未端領域の対応する多型の組み合わせを調整することにより、対立遺伝子のグループ分けを行い、その後に対立遺伝子を同定することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
まず、本発明の基礎となるLAMP法について簡単に述べる (詳細については、前記非特許文献1あるいは栄研化学株式会社のホームページ (http://www.loopamp.eiken.jp)を参照されたい)。この方法は、標的DNA配列を挟む2つの領域中の各々3力所の塩基配列に相補的な配列を有する4種類のプライマーを用いて標的DNA配列を増幅する方法である。即ち、図1(a)に示すような2本鎖DNA(標的DNA配列を含む)の試料を、標的DNA配列の3'末端側のF1cと実質的に同一な配列(F1c)とF2cと相補的な配列 (F2)とを有するプライマー (FIP)、標的DNA配列の5'末端側のB2と実質的に同一な配列(B2)とB1と相補的な配列(B1c)とを有するプライマ一 (BIP)、標的DNA配列の3'末端側のF3cと相補的な配列(F3)を有するプライマー(F3)、及び標的DNA配列の5'末端側のB3と実質的に同一な配列(B3)を有するプライマー(B3)といぅ4種類のプライマーを用いて標的DNA配列を増幅する方法である。
【0012】
LAMP法では、両末端に互いに相補的な配列 (F1とF1c、B1とB1c)を有するため、図1(b)に示すように、標的配列 (又はその相補的配列)の両側にループを形成したダンベル型の構造を介して増幅反応が進行するという特徴を有している。そして、ループ状の1本鎖部分 (BlとB2の間又はFlとF2の間)の領域に相補的な配列を持つループプライマー (各々、LPBスはLPFとする)を使用することにより、増幅効率を向上させることができる。
【0013】
PCR法では、ブライマーに由来する塩基配列がそのまま鋳型として利用されるため、一度ミスリード等が起こるとそれを修正することができず、標的DMA配列を繰り返しチェックすることはできない。これに対してLAMP法では、標的DNA配列に由来する塩基配列に対してハイブリダイズする工程を多く含むため、標的塩基配列のわずかな相違を正確に検出できるとされている。上記の特許文献1に記載された発明は、このようなLAMP法の特徴に基づいて、標的DNA配列における変異又は多型を検出する方法である。
【0014】
具体的には、プライマーFIP及びBIPの5'末端に変異/多型部位 (例えばSNPs)塩基がくるようにプライマーを設計する (図1(c)参照)。そして、DNA試料に含まれる標的DNA配列がプライマーと同一の (又は相補的な)塩基を有する場合には増幅反応が進行するが、異なる塩基を有する場合には増幅反応が進行しないことに基づいて変異/多型の検出(SNPsタイピング)が行なわれる。
しかしながら、このような方法では、標的DNA配列における1力所の変異/多型 (例えばSNPs)の有無しか検出することができない。
【0015】
本発明では、LAMP法におけるプライマーFIP及ぴBIPの5'末端に、標的DNA配列に存在する変異/多型部位 (第1の変異/多型部位)に相当する塩基配列を配置することに加えて、プライマーFIPおよぴBIPの3'領域、F3およびB3の3'領域、ループプライマー(LPB及びLPF)の3'領域の内の少なくとも1つ、好ましくは2つ以上に、標的DNA配列に存在する前記第1の変異/多型部位以外の変異/多型部位 (第nの変異/多型部位:nは2以上の整数)に相当する塩基配列が配置されるようにプライマー設計をすることにより、複数の変異/多型性部位を有する標的DNA配列を、複数のプライマーに配置した塩基配列の有無に応じて特異的に増幅させることができる。このような試みは従来になかったものであり、本発明者等は、多型のある領域が組み合わされた形で多数の対立遺伝子が構成されているHLAについて、実際に特異的増幅を実施し、対立遺伝子を特定の変異/多型部位の有無によってクループ分けすることに初めて成功した。
より詳細に説明すると、例えば、HLA領域に存在するDRBl遺伝子の場合、多型部位の有無及びその種類及び位置に基づいて以下の群に分類できる。
(第1群)DRBl*0101
(第2群)DRBl*1501,1502,1602
(第3群)DRBl*0301,1301,1302,1402,1403,1406
(第4群)DRBl*0401,0403,0404,0405,0406,0407,0410
(第5群)DRBl*1101,1307
(第6群)DRBl*1201,1202
(第7群)DRBl*1401,1405,1407
(第8群)DRBl*0701
(第9群)DRBl*0802,0803
(第10群)DRB1*0901
(第11群)DRBl*1001
【0016】
例として、上記第3群に属するDRBl*0301,1301,1302,1402,1403,1406のエクソン2における塩基配列 (図4参照)を、第7群に属するDRBl*1401,1405,1407の同領域の塩基配列 (図8参照)と比較してみる。第3群に属する遺伝子は、共通して96番目及び97番目の塩基が共にaであるのに対し、第7群に属する遺伝子は、共通して96番目及び97番目の塩基が共にtである。従って、前記特許文献1に記載された方法 (以下 「従来方法」という)では、当該96番目又は97番目の塩基がFIP及びBIPの5'末端にくるようにプライマーを設計しさえすれば、設定した何れかの群の遺伝子のみが選択的に増幅されることになる。
【0017】
しかしながら、例えば、上記第10群に属するDRBl*0901においても96番目及び97番目の塩基はaであるため、前記のプライマーセットを使用したのでは、第3群と第10群の遺伝子を識別することはできない。
これに対して、本発明では、第3群の遺伝子を選択的に増幅させるに当たり、FIP及びBIPの5'末端のみならず、F3及びB3プライマー並びにループプライマー(LF及びLB)の少なくとも1つに多型性部位を含ませることにより、複数の多型性部位を有する遺伝子群の選択的増幅の効率及び信頼性を格段に向上させることができる。
【0018】
本発明の考え方に基づいて、前記第1群から第11群のHLA-DRBl遺伝子を選択的に増幅するためのプライマー設計を図2から12に示した。その結果、各々の群に対して設定され得るプライマーセットの代表例を以下に示す。
(第1群)DRBl*0101
F3: TTCGTGTCCCCACAGCA
FIP: GACTCCTCTTGGTTATAGATGCATCT-TTCTTGTGGCAGCTTAAGTTTGAA
B3: CGCCTCTGCTCCAGGAG
BIP: CCGTGCGCTTCGACAGC-GCTGTTCCAGTACTCGGCAT
LF: GCTCCGTCCCATTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG
(第2群)DRBl*1501, 1502, 1602
F3: TGTCCCCACAGCACGT
FIP: GACTCCTCCTGGTTATAGAAGTATCTG-CCTGTGGCAGCCTAAGAGG
BIP: TCCGTGCGCTTCGACAG-TTCTGGCTGTTCCAGTACTCA
B3: GCGCCTGCTCCAGGAT 及びGCGCCTGTCTTCCAGGAGAG(混合物)
LF: GCTCCGTCCCATTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG 及びACGTGGGGGAGTTCCG (混合物)
【0019】
(第3群) DRBl*0301, 1301, 1302, 1402, 1403, 1406
F3: TTCGTGTCCCCACAGCA
FIP: TTCTCCTCCTGGTTATGGAAGTATC-CGTTTCTTGGAGTACTCTACGTCT
BIP: AACGTGCGCTTCGACAGC-CATCAGGCCGCCCCA
B3: GTCCTTCTGGCTGTTCCAGTA
LF: GCTCCGTCCCATTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG 及びACGTGGGGGAGTTCCG (混合物)
(第4群) DRBl*0401, 0403, 0404, 0405, 0406, 0407, 0410
F3: TCGTTCTTGTCCCCCCAG
FIP: GATAGAAGTATCTGTCCAGGAACCG-CGTTTCTTGGAGCAGGTTAAACAT
BIP: CACCAAGAGGAGTACGTGCG-GCCCCAGCTCCGTCAC
B3: TCGTTCTTGTCCCCCCAG
LF: CTCCGTCCCGTTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG
【0020】
(第5群) DRBl*1101, 1307
RF3: TTCGTGTCCCCACAGCA
FIP: TACTCCTCTTGGTTATAGAAGTATCTGTC-CGTTTCTTGGAGTACTCTACGTCT
BIP: TACGTGCGCTTCGACAGC-GTCCTTCTGGCTGTTCCAGTA
B3: CCGCCTGTCTTCCAGGAA
LF: GCTCCGTCCCATTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTTCCG
(第6群) DRBl*1201, 1202
F3: TTCGTGTCCCCCCAGC
FIP: GGAGCTCCTCCTGGTTATG-GAGTACTCTACGGGTGAGTGTT
BIP: CTCCTGCGCTTCGACAGC-TTCCAGGACTCGGCGAC
B3: CGGCGCGCCTGTCTT
LF: GCTCCGTCCCATTGAAGAAAT
LB: CTCCGTCCCGTTGAAGAAAT
【0021】
(第7群) DRB1*1401, 1405, 1407
F3: TTCGTGTCCCCACAGCA
FIP: AACTCCTCCTGGTTATGGAAGTATC-CGTTTCTTGGAGTACTCTACGTCT
BIP: TTCGTGCGCTTCGACAGC-GTCCTTCTGGCTGTTCCAGT
B3: CCGCCTCCGCTCCAG
LF: GCTCCGTCCCATTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG
(第8群) DRB1*0701
F3: TTGTGCCCCCACAGCA
FIP: AGTCTTTCCAGGAACTGCACC-GTTTCCTGTGGCAGGGTAAGTATA
BIP: CTCTTCTATAACCAGGAGGAGTTCG-ACAGGCCGCCCTAGCT
B3: TCCTTCTGGCTGTTCCAGG
LF: CTCCGTCCCGTTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG
【0022】
(第9群) DRB1*0802, 0803
F3: GTTCGTGTCCCCACAGCA
FIP: TACTCCTCTTGGTTATAGAAGTATCTGTC-CGTTTCTTGGAGTACTCTACGGG
BIP: TACGTGCGCTTCGACAGC-TGGCTGTTCCAGTACTCGG
B3: CCGCCTGTCTTCCAGGA
LF: GCTCCGTCCCATTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG
(第10群) DRB1*0901
F3: TTCGTGTCCCCCCAGC
FIP: TGCCTCTGTGCAGATACCG-CGTTTCTTGAAGCAGGATAAGTTTG
BIP: GGCATCTATAACCAAGAGGAGAAC-GTTCCAGGACTCGGCGA
B3: GCCTCCGCTCCAGGAAG
LF: CTCCGTCCCGTTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG
【0023】
(第11群) DRB1*1001
F3: TTCGTGTCCCCACAGCA
FIP: TACTCCTCTTGGTTATGGACGC-CGTTTCTTGGAGGAGGTTAAGTTT
BIP: TACGCGCGCTACGACAG-GCTGTTCCAGTACTCGGCAT
B3: GCCTCCGCTCCAGGAG
LF: CTCCGTCCCGTTGAAGAAAT
LB: ACGTGGGGGAGTACCG
【0024】
同様に、HLA-DQBl遺伝子について、以下の群(第12群〜第20群)各々に対し、下記の代表的なプライマーセットを設定した。
(第12群) DQB1*0202
F3: CGCGTGCGTCTTGTGAG
B3: GTAGTTGTGTCTGCACACCC
FIP: AGCCCCAGCAGCGTCA-AGAAGCATCTATAACCGAGAAGAGAT
BIP: TGCCTGCCGCCGAGT-CACCGCCGCCCGTT
LP: ACGTCGCTGTCGAAGC
LB: CAGAAGGACATCCTGGAGAG
(第13群) DQB1*0301, DQB1*0302, DQB1*0303
F3: CGGAGCGCGTGCGT
B3: TCTGCACACCGTGTCCAA
FIP: GGCCCCAGCGGCGT-CTATAACCGAGAGGAGTACGCA
BIP: CGCCTGMCGCCGAGTAC-CTCCGCCCGGGTCCT
LP: ACGTCGCTGTCGAAGC
LB: GCCAGAAGGAAGTCCTGG
【0025】
(第14群) DQB1*0401, DQB1*0402
F3: TATAACCGAGAGGAGTACGCG
B3: CAAGGTCGTGCGGAGCT
FIP: ATTCCAGTACTCGGCGTCAAG-GCGACGTGGGGGTGTAT
BIP: TAGCCAGAAGGACATCCTGGA-CAACTGGTAGTTGTGTCTGCAT
LF: CCCCAGCGGCGTCAC
LB: CGGGCGTCGGTGGAC
(第15群) DQB1*0501
F3: CGTGTACCAGTTTAAGGGCC
B3: CAGGATCCCGCGGTACG
FIP: AACAGGCCGCCCCTGC-GCGGGGTGTGACCAGAC
BIP: TTGCCGAGTACTGGAACAGC-GTAGTTGTGTCTGCACACCC
LF: ACGTCGCTGTCGAAGC
LB: AGAAGGAAGTCCTGGAGGG
【0026】
(第16群) DQB1*0502
F3: CGTGTACCAGTTTAAGGGCC
B3: CAGGATCCCGCGGTACG
FIP: CTAGGCCGCCCCTGC-GCGGGGTGTGACCAGAC
BIP: AGCGCCGAGTACTGGAACA-CGTAGTTGTGTCTGCACACTC
LF: ACGTCGCTGTCGAAGC
LB: AGAAGGAAGTCCTGGAGGG
(第17群) DQB1*0503
F3: CGTGTACCAGTTTAAGGGCC
B3: CAGGATCCCGCGGTACG
FIP: TCAGGCCGCCCCTGC-GCGGGGTGTGACCAGAC
BIP: ACGCCGAGTACTGGAACAG-CGTAGTTGTGTCTGCACACTC
LF: ACGTCGCTGTCGAAGC
LB: AGAAGGAAGTCCTGGAGGG
【0027】
(第18群) DQB1*0601
F3: CGGAGCGCGTGCGTTA
B3: CCTCGTAGTTGTGTCTGCAC
FIP: GTCAGGCCGCCCCTG-CTATAACCGAGAGGAGGACGT
BIP: ACGCCGAGTACTGGAACAG-CCGTGTCCAACTCCGCT
LF: ACGTCGCTGTCGAAGC
LB: CAGAAGGACATCCTGGAGAG
(第19群) DQB1*0602, DQB1*0603
F3: GGAGCGCGTGCGTCT
B3: CAAGATCCCGCGGAACG
FIP: ATCAGGCCGCCCCTG-TCTATAACCGAGAGGAGTACGC
BIP: ATGCCGAGTACTGGAACAGC-TGCACACCGTGTCCAACT
LF: ACGTCGCTGTCGAAGC
LB: AGAAGGAAGTCCTGGAGGG
【0028】
(第20群) DQB1*0604, DQB1*0609
F3: AGCGCGTGCGTCTTGTA
B3: CAGGATCCCGCGGTACC
FIP: AACAGGCCGCCCCTG-AACCGAGAGGAGTACGCG
BIP: TTGCCGAGTACTGGAACAGC-GTAGTTGTGTCTGCACACCG
LF: ACGTCGCTGTCGAAGC
LB: GAAGTCCTGGAGAGGACCC
【0029】
同様に、HLA-A遺伝子について、以下の群(第21群〜第29群)各々に対し、下記の代表的なプライマーセットを設定した
(第21群) A*0101
F3: TCCCACTCCATGAGGTATTTCTT
B3: CAGGGTCCCCAGGTTCG
FIP: TTCTGGCTCGCGGCG-GCCCCGCTTCATCGCC
BIP: AGATGGAGCCGCGGGC-GTCTGTGAGTGGGCCTTCAT
LF: GCGTGTCGTCCACGTAG
LB: GGACCAGGAGACACGGAA
(第22群) A*0201, A*0203, A*0206, A*0207, A*0210, A*0218
F3: CCTCCGCGGGTACCAC
B3: CCGTTCTCCAGGTATCTGCG
PIP: TGCTTGGTGGTCTGAGCTG-CAAGGATTACATCGCCCTGAAA
BIP: ACAAGTGGGAGGCGGC-GCCACTCCACGCACGT
LF: GTCCAAGAGCGCAGGTC
LB: GAGAGCCTACCTGGAGGG
【0030】
(第23群) A*0301, A*0302
F3: CTCCGCGGGTACCGG
B3: CCAGGTATCTGCGGAGCC
FIP: CGCCATGTCCGCCGC-CAAGGATTACATCGCCCTGAAC
BIP: AAGCGCAAGTGGGAGGC-CTCCACGCACGTGCCA
LF: GTCCAAGAGCGCAGGTC
LB: GAGCAGTTGAGAGCCTACC 及び AGCAGCAGAGAGCCTACC (混合物)
(第24群) A*1101, A*1102
F3: GCGGGTACCGGCAGG
B3: GCCACTCCACGCACCG
FIP: TGCCATGTCCGCCGC-CAAGGATTACATCGCCCTGAAC
BIP: AGCTCAGATCACCAAGCGC-CCCTCCAGGTAGGCTCTCTG
LF: GTCCAAGAGCGCAGGTC
LB: AAGTGGGAGGCGGCC
【0031】
(第25群) A*2402, A*2404, A*2408
F3: CGCGGGTACCACCAGT
B3: GGTATCTGCGGAGCCCG
FIP: CGCCATGTCCGCCGC-CAAGGATTACATCGCCCTGAAA
BIP: GGCTCAGATCACCAAGCGC-CCCTCCAGGTAGGCTCTCTG
LF: GTCCAAGAGCGCAGGTC
LB: CCATGTGGCGGAGCAG
(第26群) A*2601, A*2602, A*2603, A*2605
F3: GGTACCAGCAGGACGCTT
B3: GCCACTCCACGCACCG
FIP: CGCCATGTCCGCCGC-CAAGGATTACATCGCCCTGAAC
BIP: GGCTCAGATCACCCAGCG-CCTCCAGGTAGGCTCTCCA
LF: GTCCAAGAGCGCAGGTC
LB: GGGAGACGGCCCATGA
【0032】
(第27群) A*3001
F3: CTTCCTCCGCGGGTATGAA
B3: GCGTCTCCTTCCCGTTCT
FIP: CAACGGGCCGCCTCC-CAAGGATTACATCGCCCTGAAC
BIP: TGGGCGGAGCAGTTGAG-AGGTATCTGCGGAGCCAC
LF: GTCCAAGAGCGCAGGTC
LB: CTACCTGGAGGGCACGT
(第28群) A*3101, A*3303
F3: CGCGGGTACCAGCAGG
B3: GTTCTCCAGGTATCTGCGGA
FIP: GGGTGATCTGAGCCGCC-GGCAAGGATTACATCGCCTT
BIP: CAGCGCAAGTGGGAGGC-GCCACTCCACGCACGT
LP: TCCAAGAGCGCAGGTC
LB: AGCAGTTGAGAGCCTACCT
【0033】
(第29群) A*6801
F3: CTCCGCGGGTACCGG
B3: CTGCGGAGCCACTCCA
FIP: GTCTGAGCTGCCATGTCCG-CAAGGATTACATCGCCCTGAAA
BIP: CCACCAAGCACAAGTGGGA-CCTCCAGGTAGGCTCTCC
LF: GTCCAAGAGCGCAGGTC
LB: CCATGTGGCGGAGCAG
【0034】
同様に、HLA-C遺伝子について、以下の群(第30群〜第38群)各々に対し、下記の代表的なプライマーセットを設定した
(第30群) Cw*0102, Cw*0103
F3: CTCCCACTCCATGAAGTATTTCTT
B3: CAGGCTCACTCGGTCAGT
FIP: CGGACTCGCGGCGT-TCCGTGTCCCGGCCT
BIP: GAGAGGGGAGCCGCG-CTGTGCCTGGCGCTTG
LF:CGTCCACGTAGCCCAC
LB: TGGGTGGAGCAGGAGG
(第31群) Cw*0302, Cw*0303, Cw*0304
F3: AGGATGTATGGCTGCGACG
B3: AGCCACTCCACGCACAG
FIP: CGTGTCCGCGGCGGT-CCTCCTCCGCGGGTATG
BIP: GGCGGCTCAGATCACCC-CCCTCCAGGTAGGCTCTCA
LF: CAGGGCGATGTAATCCTTG
LB: CGTGAGGCGGAGCAG
【0035】
(第32群) Cw*0401
F3: TGCGACCTGGGGCCG
B3: CCTCCAGGTAGGCTCTCC
FIP: ATCCTCGTTCAGGGCGATG-GCCTCCTCCGCGGGTATA
BIP: TCTGCGCTCCTGGACCG-CCGCCTCCCACTTGCG
LF: CGTCGTAGGCGAACTGGT
LB: GCGGCTCAGATCACCCA
(第33群) Cw*0502
F3: GGATGTATGGCTGCGACCT
B3: GCCACTCCACGCACGT
FIP: CTTGTCCGCGGCGGTC-TCCGCGGGTATAACCAGTT
BIP: AGGCGGCTCAGATCACCC-CCCTCCAGGTAGGCTCTCC
LF: CAGGGCGATGTAATCCTTG
LB: CGTGAGGCGGAGCAG
【0036】
(第34群) Cw*0602, Cw*0702, Cw*0704
F3: CCCACTCCATGAGGTATTTCG
B3: CAGGTTCACTCGGTCAGC
FIP: CGGACTCGCGGCGTC-GAGAGCCCCGCTTCATCT
BIP: GAGAGGGGAGCCSCGG-CTGGCGCTTGTACTTCTGTG
LP: CGTCCACGTAGCCCAC
LB: TGGGTGGAGCAGGAGG
(第35群) Cw*0801, Cw*0803
F3: GACCTGGGGCCCGAC
B3: GCCCTCCAGGTAGGCTC
FIP: CGTGTCCGCGGCGGT-CTCCGCGGGTATAACCAGTT
BIP: GGCGGCTCAGATCACCC-CAGCTGCTCCGCCGT
LF: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
【0037】
(第36群) Cw*1202, Cw*1203
F3: CCTCCAGAGGATGTACGGC
B3: TGCGGAGCCACTCCAC
FIP: CGTGTCCGCAGCGGT-CCGCGGGTATGACCAGTC
BIP: GGCGGCTCAGATCACCC-CCTCCAGGTAGGCTCTCCA
LF: CAGGGCGATGTAATCCTTG
LB: CGTGAGGCGGAGCAG
(第37群) Cw*1402, Cw*1403
F3: ACACCCTCCAGTGGATGTT
B3: CCTCCAGGTAGGCTCTCC
FIP: ATCCTCGTTCAGGGCGATG-GACCTGGGGCCCGAC
BIP: TCTGCGCTCCTGGACCG-GGCCGCCTCCCACTT
LF: CGTAGGCGGACTGGTCAT
LB: GCGGCTCAGATCACCCA
【0038】
(第38群) Cw*1502, Cw*1505
F3: CCATGAGGTATTTCTACACCGCT
B3: GCGCAGTTTCCGCAGGT
FIP: TGGACTCGCGGCGTCG-CCGCGGAGAGCCCCA
BIP: AAGAGGGGAGCCGCGG-TGTGCCTGGCGCTTGTAG
LF: CGTCCACGTAGCCCAC
LB: TGGGTGGAGCAGGAGG
【0039】
同様に、HLA-B遺伝子について、以下の群(第39群〜第57群)各々に対し、下記の代表的なプライマーセットを設定した
(第39群) B*1302, B*5401, B*5502, B*5601, B*5901 (exon 3)
F3: GGTCTCACACTTGGCAGAC
B3: CGCCCTCCAGGTAGGC
FIP: CGCGGTCCAGGAGCTC-CCGCGGGCATAACCAGTTA
BIP: GGCGGACACCGCGG-CTCAGCTGCTCCGCCA
LF: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: CACCCAGCTCAAGTGGGAG
(第40群) B*1501, B*1507, B*1511, B*4601, B*5603 (exon 3)
F3: CCAGGGTCTCACACCCTC
B3: GCCACTCCACGCACAG
FIP: CGTGTCCGCCGCGG-TCCTCCGCGGGCATG
BIP: GGCGGCTCAGATCACCC-CCTCCAGGTAGGCTCTCCA
LF: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
【0040】
(第41群) B*2701 (exon 3)
F3: GGTCTCACACCCTCCAGAAT
B3: AGCCACTCCACGCACTC
FIP: GGCGGTCCAGGAGCTC-CTCCTCCGCGGGTACC
BIP: CGCGGACACGGCGG-CTCAGCTGCTCCGCCA
LF: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
(第42群) B*3501, B*5701, B* 5801 (exon 3)
F3: GGCCAGGGTCTCACATCA
B3: GCCACTCCACGCACAG
FIP: TCAGGTCCTCGTTCAGGG-TCCTCCGCGGGCATG
BIP: AGCTCCTGGACCGCG-CTCAGCTGCTCCGCCA
LF: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
【0041】
(第43群) B*3701 (exon 3)
F3: ACACCATCCAGAGGATGTCT
B3: GCCACTCCACGCACGT
FIP: CGCGGTCCAGGAGCTC-GCCTCCTCCGCGGGT
LP: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
BIP: GGCGGACACCGCGG-CCTCCAGGTAGGCTCTGTC
(第44群) B*3802, B*3901, B*3902, B*3904, B*6701 (exon 3)
F3: ACACCCTCCAGAGGATGTAC
B3: CTGCGGAGCCACTCCA
FIP: GGTGTCCGCCGCGG-CGCGGGCATAACCAGTT
BIP: CGCGGCTCAGATCACCC-GTGCCCTCCAGGTAGGT
LF: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
【0042】
(第45群) B*4801, B*5504, B*4002 (exon 3)
F3: TCTCACACCCTCCAGAGC
B3: GGAGCCACTCCACGCAC
FIP: GCAGGTCCTCGTTCAGGG-CCGCGGGCATAACCAGTA
BIP: CGCTCCTGGACCGCC-CTCAGCTGCTCCGCCA
LF: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
(第46群) B*5101, B*5102, B*5201 (exon 3)
F3: GGTCTCACACTTGGCAGAC
B3: GCCACTCCACGCACAG
FIP: CGCGGTCCAGGAGCTC-CCGCGGGCATAACCAGTA
BIP: GGCGGACACCGCGG-CTCAGCTGCTCCGCCT
LF: GTAATCTTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
【0043】
(第47群) B*4402, B*4403 (exon 3)
F3: GGCCAGGGTCTCACATCA
B3: CCAGGTATCTGCGGAGCG
FIP: GGTGTCCGCCGCGG-TCCGCGGGTATGACCAGG
BIP: CGCGGCTCAGATCACCC-CCACGCACAGGCCCT
LP: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
(第48群) B*0702 (exon 3)
F3: TCTCACACCCTCCAGAGC
B3: AGCCACTCCACGCACTC
FIP: GGCGGTCCAGGAGCG-CGCGGGCATGACCAGTA
BIP: CGCGGACACGGCGG-CCGCTGCTCCGCCT
LP: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
【0044】
(第49群) B*1518 (exon 3)
F3: GTCTCACACCCTCCAGAGG
B3: AGCCACTCCACGCACTC
FIP:CGTGTCCGCCGCGG-GCGGGCATGACCAGTCC
BIP: GGCGGCTCAGATCACCC-CTCAGCTGCTCCGCCT
LF: TCCTTGCCGTCGTAGGC
LB: AGCGCAAGTGGGAGGC
(第50群) B*0702, B* 6701 (exon 2)
F3: CATGAGGTATTTCTACACCTCCG
B3: TCGGTCAGTCTGTGCCTG
FIP: CTCTCGGACTCGCGGC-GGAGCCCCGCTTCATCT
BIP: AGAGGAGCCGCGGGC-GGCCTTGTAGATCTGTGTGTT
LP: GCTGTCGAACCTCACGAAC
LB: GAGCAGGAGGGGCCG
【0045】
(第51群) B*1301, B*1302 (exon 2)
F3: GCCCCGCTTCATCACC
B3: TAGCGGAGCGCGGTG
FIP: GCCATCCTCGGACTCGT-GGCTACGTGGACGACACC
BIP: CCGGGCGCCATGGATA-AGTCTGTGTGTTGGTCTTGG
LF: GCTGTCGAACCTCACGAAC
LB: GAGCAGGAGGGGCCG
(第52群) B*1518, B*3904 (exon 2)
F3: TGAGGTATTTCTACACCGCCA
B3: TAGTAGCCGCGCAGGTTC
FIP: CTCTCGGACTCGCGGC-GGAGCCCCGCTTCATCT
BIP: AGAGGAGCCGCGGGC-AAGTCTGTGTGTTGGTCTTGC
LP: GCTGTCGAACCTCACGAAC
LB: GAGCAGGAGGGGCCG
【0046】
(第53群) B*4001, B*4002, B*4003, B*4006 (exon 2)
F3: CCCACTCCATGAGGTATTTCC
B3: GTAGCCGCGCAGGTTC
FIP: TTCCTCGGACTCGTGGC-AGCCCCGCTTCATCACC
BIP: AAGGAGCCGCGGGC-AAGTCTGTGTGTTGGTCTTGG
LF: GCTGTCGAACCTCACGAAC
LB: GAGCAGGAGGGGCCG
(第54群) B*4402, B*4403 (exon 2)
F3: TCCCACTCCATGAGGTATTTCT
B3: TAGCGGAGCGCGGTG
FIP: TTCCTCGGACTCGTGGC-AGCCCCGCTTCATCACC
BIP: AAGGAGCCGCGGGC-AAGTCTGTGTGTTGGTCTTGG
LF: GCTGTCGAACCTCACGAAC
LB: GAGCAGGAGGGGCCG
【0047】
(第55群) B*1501, B*1507, B*1511 (exon 2)
F3: TGAGGTATTTCTACACCGCCA
B3: TAGTAGCCGCGCAGGTTC
FIP: GCCATCCTCGGACTCGC-GCCCCGCTTCATCGCA
BIP: CCGGGCGCCATGGATA-CGGTAAGTCTGTGTGTTGGT
LF: GCTGTCGAACCTCACGAAC
LB: GAGCAGGAGGGGCCG
(第56群) B*2701 (exon 2)
F3: CCCACTCCATGAGGTATTTCC
B3: TAGCGGACCGCGGTG
FIP: CTCTCGGACTCGCGGC-AGCCCCGCTTCATCACC
BIP: AGAGGAGCCGCGGGC-CTGTGCCTTGGCCTTGC
LF: GCTGTCGAACCTCACGAAC
LB: GAGCAGGAGGGGCCG
【0048】
(第57群) B*3701 (exon 2)
F3: GAGGTATTTCCACACCTCCG
B3: GCAGGGTCCGCAGGTC
FIP: GTCCTCGGACTCGCGG-GGAGCCCCGCTTCATCT
BIP: CGGAGCCCCGGGCG-AGTCTGTGTGTTGGTCTTGG
LP: GCTGTCGAACCTCACGAAC
LB: GAGCAGGAGGGGCCG
【実施例】
【0049】
以下、実施例を参照して本発明を具体的に説明する。
(実施例1)HLA-DRB1アリルの群特異的増幅
図13〜23に記載したDRB1遺伝子群を含有する試料に対して、各々、前記第1群から第11群に対して設定したプライマーセットを用いて増幅を行ったところ、第1群から第11群に属する各アリルの特異的増幅がみられた。
なおLoop-Mediated Isothermal Amplification (LAMP)による増幅反応は以下の終濃度の組成で、65℃で行った。
【0050】
20 mM Tris-HCL(pH8.8)、10mM KCl、10mM (NH4)2SO4、0.1% Triton X-l00、1.6M Betain、 1.4mM each dNTP、8mM MgS04、Bst DNA Polymerase、1.6μM FIPプライマー、1.6μM BIPプライマー、0.8μM LFプライマー、0.8μM LBプライマー、0.2μM F3プライマー、0.2μM B3プライマー。
図13〜23に示した結果は、サイバ−グリーン存在下でLAMP法による対象アリル (例えば、図13においてはDRBl*0101)を含む試料を増幅した結果である。各図における縦軸は増幅した2本鎖DNAにインターカレートしたサイバ−グリ−ン由来の蛍光強度で、蛍光強度が強いほどDNAが増幅していることを示す。横軸のサイクル数はl cycleがl分に相当する。
【0051】
(実施例2)HLA-DQBlアリルの群特異的増幅
図24〜31に記載したHLA-DQBl遺伝子群を含有する試料に対して、各々、前記第12群から第20群 (第19群は除く)に対して設定したプライマーセットを用いて増幅を行ったところ、各群に属するアリルの特異的増幅がみられた。
なお、増幅反応は実施例1と同様の条件で実施し、結果は図13〜23と同様にして表示した。
【0052】
(実施例3)HLA-Aアリルの群特異的増幅
図32及び33に記載したHLA-A遺伝子群を含有する試料に対して、各々、前記第25群及び第27群に対して設定したプライマーセットを用いて増幅を行ったところ、各群に属するアリルの特異的増幅がみられた。
なお、増幅反応は実施例1と同様の条件で実施し、結果は図13〜23と同様にして表示した。
【0053】
(実施例4)HLA-Cwアリルの群特異的増幅
図34、35及び36に記載したHLA-Cw遺伝子群を含有する試料に対して、各々、前記第32群、第35群及び第38群に対して設定したプライマーセットを用いて増幅を行ったところ、各群に属するアリルの特異的増幅がみられた。
なお、増幅反応は実施例1と同様の条件で実施し、結果は図13〜23と同様にして表示した。
【0054】
(実施例5)HLA-Bアリルの群特異的増幅
図37〜43に記載したHLA-B遺伝子群を含有する試料に対して、各々、前記第39群、第40群、第43群、第44群、第46群、第47群及び第57群に対して設定したプライマーセットを用いて増幅を行ったところ、各群に属するアリルの特異的増幅がみられた。
なお、増幅反応は実施例1と同様の条件で実施し、結果は図13〜23と同様にして表示した。
【0055】
(比較例1)
前記第3群に属するDRBl*1402(及び1403)と、第7群に属するDRBl*1401(及び1405)とを用い、FIP及ぴBIPの5'末端のみに多型部位を配置したプライマーセットを使用して増幅反応を実施した(この方法は、前記従来方法に該当する)。
まず、DRBl*1402,1403、1401及び1405の塩基配列を図44に示す。次いで、図44に示すように、FIP及びBIPの5'末端に71番目の塩基が配置されるように各プライマーを設定した。これらのプライマーは、本発明に基づいて設定されたプライマーセット(図4及び図8)とは異なり、FIP及びBIPの5 '末端のみ(下記下線部)に多型性部位が存在する。
【0056】
具体的には、以下のプライマーセノトを準備した。
第7群(DRBl*1401)増幅のためのブライマーセット
F3: CCGCCTGTGTGACTGGA
FIP: GTCCAGGAACCGCACCC-TCGTGTCCCCACAGCAC
BIP: CAGATACTTCCATAACCAGGAGGA-CCCAGCTCCGTCACCG
B3: AGGTCCTTCTGGCTGTTCC
LF: CACTCAGACGTAGAGTACTCCAA
LB: CAGCGACGTGGGGGAG
第3群(DRBl*1402)増幅のためのプライマーセット
F3: CCGCCTGTGTGACTGGA
FIP: CTCCAGGAACCGCACCC-TCGTGTCCCCACAGCAC
BIP: GAGATACTTCCATAACCAGGAGGAG-CCCAGCTCCGTCACCG
B3: AGGTCCTTCTGGCTGTTCC
LF: CACTCAGACGTAGAGTACTCCAA
LB: CAGCGACGTGGGGGAG
【0057】
これらのプライマーセットにおいては、Tmをそろえるために第3群増幅のためのプライマーBIPのB1の3' 側を1塩基のばしてある。
なお、塩基配列の共通性から、DRBl*1401増幅のためのプライマーセットではDRBl*1405、DRBl*1407、DRBl*1402増幅のためのプライマーセットではDRBl*1403、DRBl*1406、DRBl*0301、DRBl*1301、DRBl*1302も増幅されると考えられる。
【0058】
これらのプライマーセットを用いて、実施例1に示した条件で遺伝子増幅を実施した。その結果、FIP及 びBIPの5' 末端のみが異なり、他は同じ配列になるようにデザインしたプ ライマーセットを用いて増幅を行った場合、それぞれの遺伝子を特異的に増幅することはできなかった(図45、図 46) 。
またDRBl*0803はどちらのプライマーセットでも増幅しているが、DRBl*14に比べ立ち上がりが遅く、一方 DRBl*0401は増幅されなかった。これらはプライマー部分の塩基配 列がDRB1*0803は DRBl*0401よりもDRBl*14との共通性が大きいためと考えられる(図 44) 。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】(a)LAMP法において使用されるプライマー等を示す説明図、(b)LAMP法において生成されるダンベル型構造を示す模式図、及び(c)LAMP法を用いた従来のSNPs検出方法を示す概略図である。
【図2】第1群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるプライマーの位置を示す図である。
【図3】第2群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるプライマーの位置を示す図である。
【図4】第3群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるプライマーの位置を示す図である。
【図5】第4群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるブライマーの位置を示す図である。
【図6】第5群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるブライマーの位置を示す図である。
【図7】第6群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるブライマーの位置を示す図である。
【図8】第7群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるプライマーの位置を示す図である。
【図9】第8群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるプライマーの位置を示す図である。
【図10】第9群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるプライマーの位置を示す図である。
【図11】第10群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるプライマーの位置を示す図である。
【図12】第11群のHLA-DRBl遺伝子を特異的に増幅するための本発明によるプライマーの位置を示す図である。
【図13】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第1群 (DRB1*0101)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図14】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第2群 (DRB1*15)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図15】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第3群 (DRB1*1402)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図16】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第4群 (DRB1*0401)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図17】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第5群 (DRB1*1101)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図18】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第6群 (DRB1*1201)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図19】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第7群 (DRB1*1405)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図20】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第8群 (DRB1*0701)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図21】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第9群 (DRB1*0803)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図22】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第10群 (DRB1*0901)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図23】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第11群 (DRB1*1001)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図24】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第12群 (DQB1*0202)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図25】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第13群 (DQB1*0302)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図26】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第14群 (DQB1*0401)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図27】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第15群 (DQB1*0501)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図28】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第16群 (DQB1*0502)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図29】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第17群 (DQB1*0503)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図30】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第18群 (DQB1*0601)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図31】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第20群 (DQB1*0604)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図32】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第25群 (A*2402)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図33】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第27群 (A*3001)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図34】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第32群 (Cw*0401)アリルの特異的増幅を示すクラフである。
【図35】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第35群 (Cw*0801)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図36】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第38群 (Cw*l502)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図37】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第39群 (B*5401、B5901)アリルの特異的増幅を示すクラフである。
【図38】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第40群 (B*l501、B*4601)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図39】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第43群 (B*3701)アリル(exon3)の特異的増幅を示すグラフである。
【図40】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第44群 (B*6701)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図41】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第46群 (B*5101)アリルの特異的増幅を示すクラフである。
【図42】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第47群 (B*4403)アリルの特異的増幅を示すグラフである。
【図43】ヒト末梢血から抽出したDNAを用いた第57群 (B*3701)アリル(exon2)の特異的増幅を示すグラフである。
【図44】第3群及び第7群の遺伝子 (DRBl*1402、1403、1401及び1405)の塩基配列及び従来技術に基づいて設定したプライマーセットの位置を示す図である。
【図45】従来技術に基づくプライマーセットを用いた遺伝子増幅の結果を示すグラフである。
【図46】従来技術に基づくプライマーセットを用いた遺伝子増幅の結果を示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の多型部位を有する特定の標的DNA配列を当該多型性の有無に応じて選択的に増幅する方法であって、
前記標的DNA配列を含むと予測されるDNA試料に対してLoop-MediatedIsothermal Amplification(LAMP)法に基づく増幅反応を実施することを含み、
前記LAMP法において使用されるプライマーの3'未端領域及び5'末端領域の少なくとも2つが、前記複数の多型部位の少なくとも2つに相当する塩基配列又はそれの相補的な配列を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記プライマーの3'末端領域及び5'末端領域が、FIP及びBIPの5'末端領域および3'領域、F3およびB3の3'領域から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記標的DNA配列がHLAアリルの塩基配列である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の増幅方法を用いて多型部位の有無を検出することを含む、HLAのタイピング方法。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の増幅方法を用いて多型部位の有無を検出することを含む、HLAアリルのグループ分け方法。
【請求項6】
複数の多型部位を有する特定の標的DNA配列を含むと予測されるDNA試料に対してloop-MediatedIsothermalAmplification(LAMP)法に基づく増幅反応を実施するためのプライマーセットであって、その3'末端領域及び5'末端領域の少なくとも2つが、前記複数の多型部位の少なくとも2つに相当する塩基配列又はそれの相補的な配列を含むプライマーセットを含む、前記標的DNA配列を前記多型性の有無に応じて選択的に増幅するためのキット。
【請求項7】
請求項6に記載のプライマーセットを含む、HLAタイピング又はHLAアリルグループ分けのための測定キット。
【請求項1】
複数の多型部位を有する特定の標的DNA配列を当該多型性の有無に応じて選択的に増幅する方法であって、
前記標的DNA配列を含むと予測されるDNA試料に対してLoop-MediatedIsothermal Amplification(LAMP)法に基づく増幅反応を実施することを含み、
前記LAMP法において使用されるプライマーの3'未端領域及び5'末端領域の少なくとも2つが、前記複数の多型部位の少なくとも2つに相当する塩基配列又はそれの相補的な配列を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記プライマーの3'末端領域及び5'末端領域が、FIP及びBIPの5'末端領域および3'領域、F3およびB3の3'領域から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記標的DNA配列がHLAアリルの塩基配列である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の増幅方法を用いて多型部位の有無を検出することを含む、HLAのタイピング方法。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の増幅方法を用いて多型部位の有無を検出することを含む、HLAアリルのグループ分け方法。
【請求項6】
複数の多型部位を有する特定の標的DNA配列を含むと予測されるDNA試料に対してloop-MediatedIsothermalAmplification(LAMP)法に基づく増幅反応を実施するためのプライマーセットであって、その3'末端領域及び5'末端領域の少なくとも2つが、前記複数の多型部位の少なくとも2つに相当する塩基配列又はそれの相補的な配列を含むプライマーセットを含む、前記標的DNA配列を前記多型性の有無に応じて選択的に増幅するためのキット。
【請求項7】
請求項6に記載のプライマーセットを含む、HLAタイピング又はHLAアリルグループ分けのための測定キット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【公開番号】特開2008−301725(P2008−301725A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−149817(P2007−149817)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(504383519)ジェノダイブファーマ株式会社 (5)
【出願人】(000125369)学校法人東海大学 (352)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(504383519)ジェノダイブファーマ株式会社 (5)
【出願人】(000125369)学校法人東海大学 (352)
【Fターム(参考)】
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