説明

複数の物質を基板に放出するインクジェット装置及び方法

本発明は、複数の物質を基板に放出するためのインクジェット装置を提供し、この装置は、少なくとも1つのプリントヘッドを有し、このプリントヘッドは、基板に対して位置決め可能であり、飛沫を吐き出すように設けられた少なくとも1つのノズルを有する。このインクジェット装置は、基板に対する少なくとも1つのプリントヘッドの制限された量の動きにおいて予め規定されたパターンにて基板に複数の物質を堆積することができるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物質を基板へ放出するためのインクジェット装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、インクジェット装置及び複数の物質を基板に放出するための方法を開示する。特に診断のために、非常に高精度で正確な方法で特定の予め規定されたパターンに応じて複数の異なる物質が位置づけられる基板が必要とされる。この複数の物質は、大抵は、当該基板において多数の生化学的テスト又は反応を行うために基板上に堆積させられる。信頼性の高い再現可能な方法でこのテスト又は反応を行うことを可能にするためには、精度の高いインクジェット装置及び印刷方法を提供することは重要である。したがって、本発明によるインクジェット装置及び方法は、基板への物質の印刷処理に適用されるのが好ましく、当該印刷処理が、物質の飛沫が予め規定されたパターンに応じて基板に正しく位置づけられたかどうかの問題に関して非常に信頼性の高いものでなければならないものである。さらに、本発明によるインクジェット装置及び方法は、特定のパターンにより当該基板に複数の物質を放出することによって生物学的検定法の基板を製造するために用いるのが好ましい。
【0003】
特定のパターンにより基板に複数の物質を放出することによって生物学的検定法の基板を製造する方法は、例えば米国特許出願に係る文献のUS2005/0221279A1に開示されている。ここでの方法は、光学アレイを提供すること及び1つ又は複数の硬いピン印刷器具を用いて当該光学アレイに1つ又は複数のインジケータ化学作用を接触印刷することを含む化学センサを製造するものを記述している。この方法は、所与のパターン及び幅広い範囲のマイクロドット幾何学的配置形状で多数の異なる材料を高精度に印刷する手段を提供する。
【0004】
この既知のインクジェット装置及び方法は良好な態様で基板に物質を印刷することを可能にするものの、これらの製造速度は、比較的に低い。これは、生物学的検定法の基板の経済的な製造にとっては複数の異なる物質を用いて確実な自動化された印刷処理が必須である用途に対して特に、印刷又はインクジェット装置の適用可能性を大きく制限するものである。実際、特に生物学的検定法の基板に対しては、一方において当該印刷処理の信頼性及び精度を犠牲にすることなく、可能な限り短い製造時間で複数の物質を製造することを可能とすることは重要である。さらに、達成可能な特定の印刷パターン(ドット間ピッチ、流体数)に対する順応性は、製造時間に関して非常に有利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、印刷するための複数の異なる印刷流体又は物質を扱うとともに増加された製造速度及び高い信頼性で複数の物質を基板に放出するためのインクジェット装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、複数の物質を基板に放出するためのインクジェット装置及び方法により、そして本発明によるインクジェット装置の使用により達成される。そのために本インクジェット装置は、基板に対して位置づけ可能で、かつ物質のうちの1つのものの飛沫を吐き出すように設けられた少なくとも1つのノズルを有する少なくとも1つのプリントヘッドを有し、これにより、当該インクジェット装置は、複数の物質が基板に対しての少なくとも1つのプリントヘッドの概して1つの動きによる予め規定されたパターンにより基板に堆積されることができるように構成される。これら方策によって、今度は多数の基板を製造することが可能となり、これら基板の各々には、比較的に短い時間でしかも所望レベルの信頼性及び精度で多数の異なる物質が設けられる。
【0007】
本発明によれば、本インクジェット装置は、基板に対して1つ又は複数のプリントヘッドの限定された量の動きにより当該基板を製造することを可能にする。これにより、インクジェット装置は、基板にわたりプリントヘッドの通過の間に同時に多くの物質を堆積することができることが分かる。この動きの量は、基板の詳細事項に依存することは明らかであるが、好ましくは10よりも低いのが良く、より好ましくは5より低いのが良く、最も好ましいのは約1とすることである。好ましくは、このような動き又は通過は、概して連続的であるのが良く、これにより、当該動きは、基本的に専ら1つの方向においてこの方向から大きく外れることなく生じることが分かる。この方向を、以下では印刷方向とも称する。この好適な実施例によれば、当該インクジェット装置は、例えば、当該印刷方向において、全体に連続的な動きの他にも、連続的な開始〜停止の動きも生成することができる。
【0008】
本発明によれば、本インクジェット装置は、当該物質のうちの1つのものの飛沫を吐き出すように設けられた少なくとも1つのノズルを有する。このため、本インクジェット装置のこの少なくとも1つのプリントヘッドは、トランスデューサが設けられる。このトランスデューサは、機械的な流体音波をプリントヘッドにかける(好ましくは電気機械的な)トランスデューサである。この少なくとも1つのプリントヘッドは、印刷すべき液体すなわち印刷すべき物質が少なくとも一部充填されるほぼ閉じられた容積体とするのが好ましい。このプリントヘッドには、印刷すべき物質を含む貯蔵部を少なくとも有する充填手段が設けられ、そして好ましくは、少しの真空圧力の下でプリントヘッドを保持するための手段も有するのが良い。貯蔵部への接続ラインは、貯蔵部からプリントヘッドへ物質を吸引することを可能にする。プリントヘッドにはさらに、作動パルスによりプリントヘッドに含まれる液体の少なくとも一部が追い出され又は吐き出されることを可能としプリントヘッドの外側に当該液体の飛沫を形成する開口又はダクトが設けられる。以下では、この開口又はダクトを、本発明の内容においてはノズルとも呼ぶことにする。
【0009】
本発明によるインクジェット装置の好適実施例によれば、インクジェット装置は、マルチノズルプリントヘッドと、異なる物質を各ノズルに供給するための充填手段とを有する。これにより、基板に印刷すべき好ましくは全ての異なる物質で当該インクジェット装置のプリントヘッドを充填することができる。例えば、基板に16個の異なる物質が設けられるべきものである場合、プリントヘッドには、少なくとも16のノズルが設けられ、これにより、少なくとも16の充填手段が、それ自身の物質を当該少なくとも16個のノズルの各々に供給するように設けられる。
【0010】
本発明による特に好適なインクジェット装置において、当該インクジェット装置には、基板へのプリントヘッドの相対移動の方向、すなわち印刷方向と角度を形成することができるように当該マルチノズルプリントヘッドを位置づけるための手段が設けられる。この実施例により、概してあらゆる所望のパターンの堆積物質を基板に作り込むことができる。実際には印刷方向に対するプリントヘッドの角度を変更することによって、異なるパターンを容易に得ることができる。この実施例において、基板当たり可能な堆積の総数は、プリントヘッド当たりのノズル数のみにより限定される。
【0011】
本発明によるインクジェット装置のさらに好適な実施例において、当該基板は、基板に対するプリントヘッドの相対移動の方向と角度を形成するよう位置調整可能である。これにより、さらに多くのパターンの堆積物質を基板に作り込む可能性が提供される。しかも、プリントヘッドの動きがなされる前、間又は後において基板の角度を変更することにより基板の異なる領域に対して異なるパターンを提供することも可能である。
【0012】
本発明によるインクジェット装置のさらに好適な実施例は、複数のプリントヘッドと、それ自身の物質を各プリントヘッドに供給するための充填手段とを有する。この実施例は、異なるパターンの堆積を生成するために物質のうちの1つのものを変えるために、古い物質を含むプリントヘッド及び/又は充填手段を新しい物質を含むプリントヘッド及び/又は充填手段に置き換えることしか必要としない、という付加的な利点を有する。これは、印刷処理に順応性を加えるものであり、さらに、例えばクリーニングのようなオフラインの動作を行うことができる。
【0013】
本インクジェット装置の特に好適な実施例は、基板に対するプリントヘッドの相対移動の方向、すなわち印刷方向に交互に位置づけられるプリントヘッドを有する。これにより、プリントヘッドが所望の順序で実装されることのできるキャリアをインクジェット装置に設けることができる。このようにして、インクジェット装置に、生成すべきパターンに応じて構成される集積化マルチノズルプリントヘッドを設けることができるようになる。
【0014】
さらに一層好適なのは、基板に対するプリントヘッドの相対移動の方向に直角な方向におけるプリントヘッドは、それ自身の物質が供給されたプリントヘッドの各ノズルが、動きの方向において、その飛沫が基板に位置づけられる予定の基板位置に位置合わせされるように、位置合わせさせられる。このようにして、それ自身のプリントヘッドによってのみ各物質を堆積することが可能となり、頻繁なクリーニングの必要性をなくし、さらには誤印刷その他のエラーのリスクを減少させ、製造速度を上げることになる。
【0015】
本発明のインクジェット装置の他の好適実施例は、複数のプリントヘッドと各プリントヘッドにそれ自身の物質を供給するための充填手段とを有し、プリントヘッドが、基板に対するプリントヘッドの相対移動の方向において交互に位置づけられ、プリントヘッドの各々が複数のノズルを有することを特徴としている。これにより、1つの単一プリントヘッドから複数の飛沫を吐き出すことができる。この実施例において、マルチノズルプリントヘッドの全てのノズルを駆動する必要がない。1つの物質を含むプリントヘッドとともに、全てのノズルに物質が充填されるのが好ましい。また、選択した数のノズルのみを充填することもできるが、そこでは、プリントヘッドのハードウェアが適応させられるべきものとなり、好適なソリューションではない。物質が充填される全てのノズルとともに、個別のノズルタイミングにより個別に各ノズルを駆動することができる。このようにして、飛沫だけが、駆動されるノズルから噴出される。どちらかと言えば、これらノズルは、移動の方向において、その飛沫が基板に位置づけられるべきところの基板箇所と位置合わせされて、発射又は駆動させられるのが好ましい。この実施例は、異なるパターンの堆積が必要であるとき、駆動されるノズルを変更することしか必要でない、という付加的な利点がある。より多くの堆積が必要な場合、付加的なマルチノズルプリントヘッドを設けてもよい。殆どのケースにおいて、マルチノズルプリントヘッドにおける堆積のパターンのピッチは、ノズルの所望ピッチに等しくなるよう選択される。マルチノズルプリントヘッドのピッチを所望のピッチに適合するため、印刷方向に対して1つ又は複数のマルチノズルプリントヘッドを回転することを可能にする位置決め手段をインクジェット装置に設けることもできる。このようにして、プリントヘッドのピッチよりも小さい全ての可能なピッチを得ることができる。単に1つおきに(或いは、当該ピッチの所望のサイズによっては、2つおき若しくは3つおきに又はその他の数の間隔で)ノズルを用いることにより、そしてプリントヘッドを印刷方向に対する角度で配置することにより、プリントヘッドのピッチよりも大きいピッチも得ることができる。
【0016】
本発明によれば、非常に好ましいのは、インクジェット装置がさらにプリントテーブル及び印刷ブリッジと、第1の方向に沿ってプリントテーブルに対して移動可能に固定プレートの形態を採る基板キャリアを備えるステージとを有し、可動プリントヘッドホルダに実装された少なくとも1つのプリントヘッドが第1の方向と角度を形成するよう印刷ブリッジに対して回転可能となるように印刷ブリッジに実装されるようにしたインクジェット装置を用いることである。これにより、物質の飛沫を適用の広い領域に印刷又は放出することができ、大きな基板又は個々の基板が1つのバッチとして印刷可能なので、印刷される製品の製造をきわめてコスト効率良く行うことができる。この実施例においては、異なる基板を持つトレイは一度にそろって印刷可能である。プリントテーブルは1つの方向に移動し、プリントヘッドホルダは他の方向に移動する。幾つかのケースにおいて、プリントテーブルは、双方の方向に移動することもできる。このようにすることによって、基板を持つトレイ全体は、全ての物質を具備することが可能となる。必要とされる製造時間は、大抵はバッチサイズにより限定される。相対的に言って、バッチサイズが小さいほど、位置合わせ、クリーニング、充填及び当該ノイズの他の動作を行うために、より多くの時間がかかることになる。
【0017】
さらにもっと好適なのは、印刷ブリッジがプリントテーブルに対して固定され、基板キャリアが第1の方向において印刷ブリッジに対して移動可能であり、プリントヘッドホルダが第1の方向と角度を形成するよう印刷ブリッジに対して回転可能であるようにしたインクジェット装置を提供することである。基板キャリアを移動可能とし、少なくとも1つのプリントヘッドを固定位置に維持することによって、非常に高い製造レートを達成することができる。基板キャリアをプリントテーブルに対して可動なものにする幾つかの手段を想定することができる。少なくとも1つのプリントヘッドに対して印刷可能基板を移動することを可能にする好ましいオプションは、本発明のインクジェット装置に、例えばエンドレスベルトコンベアのような実質的連続移動手段を設けることである。連続ライン製造(エンドレスベルトコンベア)により、基板は、プリントヘッドの下を動くのに対し、プリントヘッドは動かない。これにより、非常に高い製造レートとなる。但し、他のオプションも、当業者には想定可能である。
【0018】
本発明によるインクジェット装置の他の好適実施例は、固定プレートが第1の方向と角度φを形成するよう印刷ブリッジに対して回転可能であることを特徴としている。これにより、より精密な堆積パターンで基板を製造することができる。この点で、第2の方向において印刷ブリッジに対して移動可能なプリントヘッドホルダをインクジェット装置に設けるのが一層好ましく、最も好ましいのは第1及び第2の方向が互いに直交しているものである。
【0019】
本発明によれば、当該基板を、平坦基板、構造化基板又は多孔性基板とするのが好ましい。より好ましくは、当該基板を、ナイロン膜、ニトロセルロース又はPVDF基板、又は被覆多孔性基板とするのが良い。この基板は、好ましくは多孔質のものとするのが良いので、スポット又は飛沫は、当該表面上に存在するだけではなく、当該膜の中に通ることもある。
【0020】
本発明のさらに他の実施例においては、当該基板は、複数の基板領域を有し、各基板領域は、膜ホルダにより保持される分離した膜とされるのが好ましい。これにより、本発明のインクジェット装置を用いることによって複数の分離した膜を高い製造速度で生産することができる。
【0021】
本発明は、特定の印刷可能物質に限定されない。但し、好ましくは、この印刷可能物質は、異なる分子又は異なる化合物、特に生体分子が存在する水のような液体の揮発性溶剤を有する。種々の添加剤、例えばグリセロールなどのアルコール、洗剤などを、飛沫及びスポット形成特性を改善するために付加することができる。
【0022】
本発明はまた、上述したようなインクジェット装置を用いて、基板に複数の物質を放出することにより生物学的検定法の基板を製造するための方法も含むものであり、そのインクジェット装置は、基板に対して位置決め可能であり、飛沫を排出するために設けられた少なくとも1つのノズルを有する少なくとも1つのプリントヘッドを有し、複数の物質が、基板に対して概して少なくとも1つのプリントヘッドの1つの動きにおいて予め規定されたパターンで当該基板に堆積されるようにしている。この方法の利点は、本インクジェット装置の説明の内容から明らかであり当該内容において既に説明しているところであり、それ故、ここでは繰り返さない。
【0023】
特に好適な方法は、本インクジェット装置が、マルチノズルプリントヘッド及び異なる物質を各ノズルに供給するための充填手段を有し、その充填されたマルチノズルプリントヘッド及び/又は基板が互いに相対移動させられ、これにより、当該ノズルのプリントヘッドが、基板に対する当該プリントヘッドの相対移動の方向と角度を形成するよう位置づけられ、プリントヘッドがその物質を放出して予め規定されたパターンを生成するようにしている。
【0024】
さらにもっと好適な方法は、複数のプリントヘッドと各プリントヘッドにその所有の物質を供給するための充填手段とを有し、充填されたプリントヘッド及び/又は基板は、互いに相対移動させられ、これにより、プリントヘッドが基板に対するプリントヘッドの相対移動の方向において交互に位置づけられ、また、基板に対するプリントヘッドの相対移動の方向に直角な方向におけるプリントヘッドが、プリントヘッドの各ノズルがその飛沫が基板に位置づけられる予定の基板箇所と当該動きの方向において位置合わせされ、プリントヘッドがそれらの物質を放出して当該予め規定されたパターンを生成するように位置合わせされる。
【0025】
本発明による方法のさらに好適な実施例は、プリントヘッドの各々が、複数のノズルを有し、当該ノズルのうちの少なくとも幾つかが飛沫を噴射するように駆動させられるインクジェット装置を用いる。さらにもっと好適な方法では、当該基板は、当該基板に対する当該プリントヘッドの相対移動の方向と角度を形成するよう位置づけられる。
【0026】
本発明はまた、本発明による発明のインクジェット装置の使用も含むものであり、当該基板は、生化学的反応体及び/又は核酸及び/又はポリペプチド及び/又は蛋白質及び/又は細胞を有する。このような目的のために本発明のインクジェット装置を用いることによって、多量の膜を含むことのできる基板に、実質的にエラーがなく比較的に高い製造速度で、沢山の物質を非常に正確に印刷することができる。
【0027】
本発明はまた、生物学的分析のための複数の物質を有する検定基板であって本発明のインクジェット装置及び方法により得ることのできる検定基板にも関する。
【0028】
本発明のこれら特性、特徴及び利点、並びにその他の特性、特徴及び利点は、例示として本発明の原理を示している添付図面に関連してなされる以下の詳細な説明から明らかとなる。この説明は、本発明の範囲を限定することなく、専ら例示の目的のためになされている。以下に引用する参照の図は、添付図面を指すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図において、要素のうちの幾つかのもののサイズは、誇張され、例示の目的のために一律の縮尺に従っていない場合がある。
【0030】
単数名詞を指すときに不定冠詞又は定冠詞(例えば「1つの」、「1の」、「その」といったもの)が用いられる場合、これは、他の何かを特別に言及している場合を除き、その名詞の複数を含むものである。
【0031】
さらに、詳細な説明及び請求項における「第1」、「第2」、「第3」などの文言は、同様の要素どうしを区別するために用いられており、必ずしも順次的又は時系列的な順序を示すためのものではない。こうして用いられる文言が適切な状況の下で交換可能であり、ここで説明する本発明の実施例がここで説明又は例示されるもの以外の順序で動作可能であることに留意されたい。
【0032】
さらに、詳細な説明及び請求項における「上部」、「底部」、「上方」及び「下方」などの文言は、便宜的に用いられており、必ずしも相対位置を示すためのものではない。こうして用いられる文言は、適切な状況の下で交換可能であり、ここで説明される本発明の実施例がここで説明又は例示されるもの以外の方向付けで動作可能であることに留意されたい。
【0033】
なお、この詳細な説明及び請求項において用いられる「有する」なる文言は、その目的語に挙げられる手段に限定されるものと解釈するべきではなく、それ以外の要素又はステップを排除するものではないことに留意されたい。したがって、「手段A及びBを有する装置」という表現の範囲は、構成部A及びBだけからなる要素に限定されるべきではない。これは、本発明について、当該装置のその専ら関連するものの構成部がA及びBであることを意味するのである。
【0034】
図1には、本発明によるインクジェット装置10の概略的上面図が示される。印刷テーブル50において、固定プレート55は、固定プレート55のX方向における動きを可能とする線形ステージ上に取り付けられている。本発明による好適実施例において、固定プレート55は、X方向に対して角φにわたり回転させられることも可能である。この固定プレート55において、膜41を備えた多数の膜ホルダ44が位置づけられる。膜41の全体を基板40と称する。膜ホルダ44は、いずれかの形状、例えば、図6に示されるような矩形を呈するものとすることができるが、好ましくはリング44とするのが良い。丸い膜41は、このリングへと溶着させられる。したがって、印刷の後、散在させられた膜41を備えたリング44は共に、最終製品を構成する。印刷ブリッジ51は、プリントテーブル50に対して堅く取り付けられる。印刷ブリッジ51は、可動プリントヘッドホルダ51´を担持する。固定プレート55を備えたステージは、第1の方向、すなわちX方向に沿って移動可能である。プリントヘッド20は、プリントヘッドホルダ51´に取り付けられ、好ましくは、印刷ブリッジ51に対して第2の方向、すなわちY方向に沿って移動可能とされる。本発明による好適実施例において、プリントヘッドホルダ51´は、X方向に対して角度θにわたり回転可能でもある(例えば図6参照)。本発明によれば、第1の方向(X方向)と第2の方向(Y方向)とが直交していることが好ましい。これにより、プリントヘッド20は、プリントテーブル50の或る特定の領域にわたり移動可能であり、プリントヘッド20又はプリントヘッド20の近くにある貯蔵部(図7参照)に蓄積された物質の飛沫を放出することができる。膜41は、レジストレーションプレート55とも呼ばれる固定プレート55に、X方向の均等距離及びY方向の均等距離にて取り付けられる。X方向の距離は、Y方向の距離と異なるものとしてもよい。
【0035】
基板40は、伝染病の検出のために用いられる生物学的活性膜により形成可能である。このような疾病の診断は、印刷処理の非常に高い確実性を必要とする。蛍光性パターンの読み取りは、病気を直接、特定の捕捉プローブの位置に関係づける。したがって、複数の異なる物質からの正しい物質の印刷のための信頼性の非常に高い処理を持つことが絶対に必要である。多くの捕捉プローブが多くの基板に印刷されなければならないので、印刷処理は、短い時間で多くの基板を製造することが可能となるのがよい。本発明によるインクジェット装置及び方法は、このような処理を提供する。
【0036】
印刷テーブル50は、花崗岩のテーブルの形態で設けられるのが好ましい。或いは、他の非常に重い材料を用いることができる。本発明によれば、印刷テーブル50は、ほんの僅かの振動妨害のある環境で構成されるのが好ましい。精細線形ステージは、花崗岩テーブル(印刷テーブル50)に対して取り付けられ、このステージに取り付けられた固定プレート55は、第1の方向(X方向)に定義上移動する。他の精細線形ステージは、ブリッジ51上に取り付けられ第2の方向(Y方向)において定義上プリントヘッドホルダ51´を案内する。
【0037】
図2には、個別の基板膜ホルダ44及び固定プレート55の一部の断面の概略図が示される。膜ホルダ44は、1つの膜41を担持する。全ての膜41は、共に、基板40を形成する(図2では、これを示すためにアッコラードを用いている)。1つの膜41はまた、基板領域41と呼ぶことができる。各個々の膜ホルダ44は、花崗岩テーブル(印刷テーブル)50に対してX方向における線形の動きを可能にする線形ステージ上に固定に取り付けられた固定プレート55に位置づけられる。基板40すなわち各膜41において、複数の基板箇所42が設けられ、個々のドット(図2において参照符号22により概略的に示される)が互いに或る距離をおいて位置づけられることができるようにしている。ドットは、プリントヘッドにより分配供給された1つの飛沫から形成され、或いは、同じ物質の複数の飛沫から構成されるようにすることができる。したがって、基板箇所42の各々に異なる種類の物質を分配又は位置づけすることができる。
【0038】
図3において、ノズル21,25を具備するプリントヘッド20が概略的に示される。プリントヘッド20は、トランスデューサ24を有する。トランスデューサ24は、圧電トランスデューサ24とするのが好ましい。一般に、プリントヘッド20の内部に機械的な波を供給することの可能な電気機械トランスデューサ24は、トランスデューサ24として用いることができる。トランスデューサ24は、制御ユニット(図示せず)により供給される起動パルス(図示せず)により作動させられることが可能である。プリントヘッド20には、検出ユニット25又は検出手段25を設けることができ、かかる検出手段は、トランスデューサ24の振る舞いを検出し、このとき当該トランスデューサは、プリントヘッド20及び/又はプリントヘッド20内部の流体又は物質23を伴うプリントヘッド20の振る舞いにより作用を受けている。このような検出は、印刷処理の過程に関する情報のソースとして役立つものとなる。プリントヘッド20はさらに、物質23が供給されて通過することのできるさらなるダクト又はスロットル28を具備する。
【0039】
本発明によれば、複数の物質23をプリントヘッド20の内部に供給することができる。これは、例えば、真空ポンプ(図示せず)が接続されることのできるプリントヘッド20の他のダクト60(図示せず)によって行われる。プリントヘッドが動いてノズル21が物質23の貯蔵部61の内部に保持され真空ポンプが作動させられるようになると、物質23をプリントヘッド20の中に吸い込むことができる。物質23を印刷するため、トランスデューサ24は、作動パルスにより作動させられ、飛沫22がプリントヘッド20のノズル21から吐き出されるようにしている。
【0040】
図4には、膜41又は基板領域41の一部がその上部から示されている。基板領域41上には、複数の基板箇所42,42a,42bが規定される。基板箇所42,42a,42bは、本発明によるインクジェット装置10により飛沫22が位置づけられる予定の箇所に相当する。また、同じ物質の複数の飛沫を1つの単一基板箇所42に配置することもできる。プリントヘッド20により吐き出され基板40に着地した飛沫22は、互いの基板箇所42,42a,42bの対応の距離43´(又はピッチ)よりも小さい平均直径43をもって基板箇所42,42a,42bの近辺の或る特定のドット領域又はスポットをカバーすることになる。基板領域41において、例えば130個のスポット又は基板箇所42が設けられ、ここでは飛沫22を印刷することができ、各飛沫が例えば1nl前後の体積を必要としている。スポット又は飛沫22の直径43は、例えば200μmであり、これらは例えば400μmのピッチのパターンで配置される。勿論、例えば、300μm又は200μm、100μm又は10μmの小さめのピッチしか必要としないより多く(最大1000個)のそして比較的小さいスポットを提供することができる。例えば、全ての物質23が単一のプリントヘッドに含まれる場合、1つの単一プリントヘッド20により130個のスポットが印刷される。各物質につき1つのプリントヘッドの場合、少なくとも物質の数の総数のプリントヘッドにより130個のスポットが印刷される。例えば、固定プレート55上には、膜ホルダ44の140ピースが配列され、これらがインクジェット装置20により印刷の1つのバッチで処理される。飛沫スポットのピッチ43´は、本発明により10ないし500μmの範囲で設けられる。飛沫22のスポットの直径43は、実際のピッチ43´の約20%ないし70%の範囲にある。飛沫22の体積は、スポットの好ましいサイズや、用いられている基板40の材料に適合させられなければならない(例えば、基板が塗布された物質を強力に又は弱めに吸収する場合による)。代表的には、飛沫22の体積は、約0.001nlから10nlである。また、本発明によれば、基板にわたるプリントヘッドの後続の通過において同じスポット箇所に多数の物質を堆積することも可能である。
【0041】
図5には、本発明のインクジェット装置及び方法により得ることのできる基板領域41の上面図が示される。この図示の実施例において、複数の基板箇所42が小さな円によって表されている。必須ではないが、診断の目的のために基板領域41の膜を用いるため、これら異なる基板箇所42に沢山の異なる物質を位置づけることが可能である。同様に、基板箇所42とこれらに対応する物質の1つのグループ42´の中での完結したセットのテストを行うために、基板箇所42の幾つかのグループ42´を規定することができる。
【0042】
図6には、本発明のインクジェット装置10の第1の実施例が概略的にかつ部分的に示されている(プリントヘッド20と基板41だけが示されている)。好適なインクジェット装置10は、複数のノズル(22,22a,22b,…)を備えた線形アレイプリントヘッド20と各ノズル(22,22a,22b,…)に異なる物質(23,23a,23b,…)を供給する充填手段(図示せず)とを有する。線形アレイプリントヘッドの他に、例えば積層型線形アレイプリントヘッドなど、他のタイプのプリントヘッドを用いてもよい。プリントヘッド20には、基板(41,41a)に印刷すべき全ての異なる物質(23,23a,23b,…)が充填される。図6には、8つの異なる物質(23,23a,23b,…)が示される。したがって、プリントヘッド20は、少なくとも8つのノズルが設けられ、これにより、少なくとも8つの充填手段が、それ自身所持する物質を当該少なくとも8つのノズルの各々に供給するよう設けられる。図では2つの基板41しか示していないが、多くの基板41が印刷ブリッジ51及び/又は固定プレート55の1つの動きで印刷可能であることが明らかである。インクジェット装置10には、マルチノズルプリントヘッド20が基板41に対するプリントヘッド20の相対移動の方向、すなわち多くの場合X方向に一致することになる印刷方向と角度θを形成することが可能なようにマルチノズルプリントヘッド20を位置づけるための手段がさらに設けられる。図6に示されるように、基板(41,41a)は、印刷方向と角度φを形成するよう位置合わせ可能である。この角度θ及び/又はφを変えることによって、基板(41,41a)への沢山の異なるパターンの堆積物質(23,23a,23b,…)を簡単に得ることができる。
【0043】
図7は、インクジェット装置10のさらに好適な実施例に関係したものである。この実施例において、複数の単一ノズルプリントヘッド(20,20a,20b,…)及び各プリントヘッドにそれ自身の物質を供給するための充填手段(図示せず)が設けられる。プリントヘッド(20,20a,20b,…)は、基板(41,41a)に対するプリントヘッド(20,20a,20b,…)の相対移動の方向すなわちX方向に順々に位置づけられる。プリントヘッド(20,20a,20b,…)は、所望の順番でキャリア(図示せず)に取り付けられるのが好ましい。プリントヘッド(20,20a,20b,…)は、それ自身の対応する物質(23,23a,23b,…)が設けられたプリントヘッドの各ノズル(22,22a,22b,…)が基板(41,41a)にその飛沫が位置づけられる予定の基板箇所と位置合わせされるように、X方向に直角な方向(Y方向と呼ぶ)において位置合わせされる。図7において、これら位置は、それぞれ(23,23a,23b,…)によって示される。ノズル位置と投射された飛沫箇所との間のこの位置合わせは、点線により概略的に示される。
【0044】
図8は、本発明のインクジェット装置10の他の好適な実施例を示しており、これには、複数の線形アレイプリントヘッド(20,20a,20b,…)と、各プリントヘッド(20,20a,20b,…)に各自が所持する物質()を供給するための充填手段(図示せず)とが設けられる。プリントヘッド(20,20a,20b,…)は、X方向において順々に位置づけられ、各々は、複数のノズル(22,221,222,…,22a,221a,222a,…)を有する。図8に示されるように、各プリントヘッドは、各自所持する物質を含む。プリントヘッド20は物質23を含み、プリントヘッド20aが物質23aを含み、…といった具合である。プリントヘッド(20,20a,20b,…)毎に、基板上に対応の物質(23,…)を発射しなければならないノズル(22,…)のみが駆動可能である。X方向において、その飛沫が基板に位置づけられる予定の基板箇所と位置合わせされるそうしたノズルのみが駆動される。例えば、プリントヘッド20において、ノズル222,223及び224だけが駆動される。ノズル22,221及び225は、駆動されないか、或いは当該充填手段に接続されない。同様に、プリントヘッド20dにおいて、ノズル221d及び222dだけが駆動されるとともに、ノズル22d及び223dから225dが駆動されないか又は当該充填手段に接続されない。これはノズルの選択的な発射を得るための好適な方法ではあるが、本発明の範囲内で他の方法も想定可能である。例えば、発射する必要のある物質23をノズルに装填することだけを行うことができ、或いは物質23を全てのノズルに装填し発射する必要のないそうしたノズルを遮断することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明のインクジェット装置の実施例を概略的に示す上面図。
【図2】基板領域及び膜ホルダを通じる概略断面図。
【図3】ノズル及び検出手段を備えるプリントヘッドを示す概略図。
【図4】膜ホルダと共に基板領域の一部を示す概略図。
【図5】膜ホルダを備える完成した膜を示す概略図。
【図6】本発明によるマルチノズル線形アレイプリントヘッド及び基板を概略的に示す上面図。
【図7】本発明による複数のシングルノズルプリントヘッド及び基板を概略的に示す上面図。
【図8】最後に本発明による複数のマルチノズル線形アレイプリントヘッド及び基板を概略的に示す上面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物質を基板に放出するためのインクジェット装置であって、少なくと1つのプリントヘッドを有し、このプリントヘッドは、前記基板に対して位置づけ可能であり、飛沫を噴出するために設けられた少なくとも1つのノズルを有し、
前記基板に対して少なくとも1つのプリントヘッドの制限された量の動きにより予め規定されたパターンにて前記基板に前記複数の物質を堆積することができるように構成された装置。
【請求項2】
請求項1に記載のインクジェット装置であって、マルチノズルプリントヘッドと各ノズルに異なる物質を供給する充填手段とを有する装置。
【請求項3】
請求項2に記載のインクジェット装置であって、前記マルチノズルプリントヘッドは、前記基板に対するプリントヘッドの相対移動の方向と角度を形成するよう位置づけ可能である、装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のインクジェット装置であって、前記基板は、前記基板に対するプリントヘッドの相対移動の方向と角度を形成するよう位置づけ可能である、装置。
【請求項5】
請求項1に記載のインクジェット装置であって、複数のプリントヘッドと、各プリントヘッドにその所持する物質を供給する充填手段とを有する装置。
【請求項6】
請求項5に記載のインクジェット装置であって、前記プリントヘッドは、前記基板に対するプリントヘッドの相対移動の方向において順々に位置づけられる、装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のインクジェット装置であって、前記基板に対する前記プリントヘッドの相対移動の方向に直角な方向におけるプリントヘッドは、その所持する物質が供給されるプリントヘッドの各ノズルが当該移動の方向において、その飛沫が前記基板において位置づけられる予定の基板箇所と位置合わせさせられるよう、位置合わせさせられる、装置。
【請求項8】
請求項5ないし7のうちいずれか1つに記載のインクジェット装置であって、前記プリントヘッドの各々は、複数のノズルを有する、装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のうちいずれか1つに記載のインクジェット装置であって、印刷テーブル及び印刷ブリッジと、第1の方向(X方向)に沿い前記印刷テーブルに対して移動可能な基板キャリアを備えたステージと、前記印刷ブリッジに実装された可動プリントヘッドホルダに実装された少なくとも1つのプリントヘッドであって当該少なくとも1つのプリントヘッドが前記第1の方向と角度θを形成するよう前記印刷ブリッジに対して回転可能なようにしているプリントヘッドと、をさらに有する装置。
【請求項10】
請求項9に記載のインクジェット装置であって、前記印刷ブリッジは、前記印刷テーブルに対して固定され、前記基板キャリアは、前記第1の方向(X方向)において前記印刷ブリッジに対して移動可能であり、前記プリントヘッドホルダは、前記第1の方向と角度θを形成するよう前記印刷ブリッジに対して回転可能である、装置。
【請求項11】
請求項9に記載のインクジェット装置であって、前記基板キャリアは、前記第1の方向(X方向)に対して角度φを形成するよう前記印刷ブリッジに対して回転可能である、装置。
【請求項12】
請求項9ないし11のうちいずれか1つに記載のインクジェット装置であって、前記プリントヘッドホルダは、第2の方向(Y方向)において前記印刷ブリッジに対して移動可能である、装置。
【請求項13】
請求項10に記載のインクジェット装置であって、前記第1の方向(X方向)及び前記第2の方向(Y方向)は、相互に直交している、装置。
【請求項14】
請求項1ないし13のうちいずれか1つに記載のインクジェット装置であって、前記基板は、平坦基板、構造化基板、被覆基板、多孔性膜又はナイロン膜である、装置。
【請求項15】
請求項1ないし14のうちいずれか1つに記載のインクジェット装置であって、前記基板は、複数の基板領域を有し、各基板領域は、膜ホルダにより保持される分離した膜である、装置。
【請求項16】
インクジェット装置を用いて複数の物質を基板に放出することにより生物学的検定基板を製造する方法であって、当該インクジェット装置は、少なくとも1つのプリントヘッドを有し、このプリントヘッドは、前記基板に対して位置づけ可能であり、飛沫を吐き出すように設けられた少なくとも1つのノズルを有し、
前記複数の物質は、前記基板に対して前記少なくとも1つのプリントヘッドの制限された量の動きにより予め規定されたパターンにて前記基板に堆積させられる、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記インクジェット装置は、マルチノズルプリントヘッドと各ノズルに異なる物質を供給する充填手段とを有し、その充填させられたマルチノズルプリントヘッド及び/又は前記基板は、互いに相対的に移動させられ、これにより、前記ノズルプリントヘッドは、前記基板に対するプリントヘッドの相対移動の方向と角度θを形成するよう位置づけられ、前記プリントヘッドは、前記予め規定されたパターンを生成するようその物質を放出する、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、前記インクジェット装置は、複数のプリントヘッドと各プリントヘッドにその所持する物質を供給するための充填手段とを
有し、その充填させられたプリントヘッド及び/又は前記基板は、互いに相対的に移動させられ、これにより、前記プリントヘッドは、前記基板に対する前記プリントヘッドの相対移動の方向において順々に位置づけられ、前記基板に対する前記プリントヘッドの相対移動の方向に直角な方向における前記プリントヘッドは、前記プリントヘッドの各ノズルがその移動の方向においてその飛沫が前記基板に位置づけられる予定の前記基板箇所と位置合わせさせられ、前記プリントヘッドが前記予め規定されたパターンを生成するよう各自の物質を放出するように位置合わせさせられる、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、前記プリントヘッドの各々は、複数のノズルを有し、当該ノズルの少なくとも幾つかに、物質が供給される、方法。
【請求項20】
請求項16ないし19のうちいずれか1つに記載の方法であって、前記基板は、前記基板に対するプリントヘッドの相対移動の方向と角度φを形成するよう位置づけられる、方法。
【請求項21】
請求項1ないし15のうちいずれか1つに記載のインクジェット装置の使用方法であって、前記物質は、生化学反応体及び/又は核酸及び/又はポリペプチド及び/又は蛋白質を有する、使用方法。
【請求項22】
請求項16ないし20のうちいずれか1つに記載の方法により得ることの可能な生物学的分析のための複数の基板を有する分析用基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−523243(P2009−523243A)
【公表日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549964(P2008−549964)
【出願日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際出願番号】PCT/IB2007/050087
【国際公開番号】WO2007/080548
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】