説明

複数の画像フレームを使用してパターンを読取るシステム、及び方法

本発明は、記号の複数の画像フレームを使用し、対応するデータを含む記号を復号するシステム、及び方法を提供する。これらのフレームの少なくとも一部は、種々の撮像パラメタ(例えば、向き、レンズズーム、開口など)を有し、フレームと例示的マルチ撮像アプリケーション(430)の組み合わせにより、各フレームの最も読取りやすい部分を1つに結合することができる。さらに、一枚の「最良」画像を選択することがある従来のシステムとは違い、例示的システム方法によれば、この結合された画像を、元になった記号の完全な読取可能画像(310)にすることができる。システム、及び方法の一実施形態は、記号の複数の画像フレームを取得する撮像アセンブリを含み、画像フレームの一部は、他の画像フレームとは異なる個別の撮像パラメタを有する。撮像アセンブリに接続されたプロセッサは、前記記号の複数の取得画像フレームを処理し、前記複数の画像フレームのうちの少なくとも一部から所定のコードデータを復号し、前記複数の画像フレームのうちの少なくとも一部から得られた前記所定のコードデータを結合し、前記記号により表される前記データセットの復号可能バージョンを定義する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、マシンビジョンを使用して、記号その他の所定のパターンを読取るシステム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[発明の背景]
マシンビジョンシステムは、カメラセンサを含む画像取得装置を使用して、被写体に関する情報を配信する。その後システムは、種々のアルゴリズムに従ってこの情報を解釈し、事前に計画された判断、及び/又は識別機能を実施する。可視光、及び近可視光領域において画像をセンサによって最も効率的に取得するために、被写体は通常、光で照らされる。
【0003】
画像センサを使用した記号読取り(一般に「バーコード」スキャン」とも呼ばれる)の例において、適切な照明が強く望まれている。記号読取りには、画像取得センサ(CMOSカメラ、CCD等)の狙いを、物体上の記号(「バーコード」)を含む位置に定め、その記号の画像を取得することが必要である。記号は、順序付けられた一群の文字、又は形状を表す一組の所定のパターンを含み、付属のデータプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)は、当該文字、又は形状から、物体に関する有用な情報(例えば、物体のシリアルナンバー、タイプ、モデル、価格など)を得ることができる。種々の形、及びサイズを有する記号/バーコードを使用することができる。物体のマーキング、及び識別に最も一般的に使用される記号タイプの2つは、種々の幅、及び間隔を有する垂直ストライプのラインからなるいわゆる一次元バーコードと、ドット、又は矩形の二次元アレイからなるいわゆる二次元バーコードである。
【0004】
背景として、図1は、ハンドヘルド動作に適したスキャナシステム100の一例を示している。ハンドヘルドスキャナ装置、又はハンドピース102の例が、図示されている。ハンドピース102は、グリップ部104、及び本体部106を含む。表面に例えば二次元バーコード132を有する物体に対し、適当な波長の光を適当な角度で差し向けるために、照明装置102が用意される。照明装置102は、この例ではライトパイプの形をしている。幻像として示されている画像形成システム151は、制御を受け、オンボード組み込みプロセッサ109へ画像データを伝送することができる。このプロセッサは、スキャナソフトウェアアプリケーション113を含み、当該アプリケーション113により照明は調節され、画像は取得され、画像データは、例示的バーコード記号132内の明るい要素と暗い要素の構成から得られる有用な情報(例えば、英数文字列)に変換される。
【0005】
復号された情報は、ケーブル111を介して、(例えば)ディスプレイ114、キーボード116、及びマウス118を有するPC、又は他のデータ記憶装置112へ伝送することができ、情報はそこに記憶され、適当なPCベースのアプリケーションを使用してさらに操作される場合がある。あるいは、ケーブル111は、スキャナアプリケーションにおけるインタフェース、及びコンピュータ112における適当なインタフェースに直接接続することもできる。この場合、リモートコンピュータベースのアプリケーション(図示せず)が、種々の画像解釈/復号、及び照明制御機能を必要に応じて実施する。携帯スキャナ装置の、組み込みプロセッサ、コンピュータ、又は他のプロセッサに関する具体的構成は、大きく変更可能である。例えば、無線接続を設けることにより、配線ケーブル111を全く必要としないようにしてもよい。同様に、図示のマイクロコンピュータは、他の装置で置き換えてもよく、例えば、オンボードプロセッサ、又は携帯情報端末その他の小型計算装置のような小型処理ユニットで置き換えてもよい。
【0006】
スキャナアプリケーション113は、スキャナ装置102からの入力に応答するように構成される場合がある。例えば、オペレータが、携帯スキャナ装置102のトリガ122をトグルさせると、(画像形成システム151内の)内部カメラ画像センサは、目標バーコード132を取り囲む対象領域の画像を取得する。図示の対象領域は、二次元記号132を含み、当該二次元記号132を使用して、物体を識別し、又は何らかの他の特性を識別することが出来る。識別その他の処理機能は、携帯スキャナ装置102からプロセッサ109へ伝送される画像データに基き、スキャナアプリケーション113によって実行される。記号132の読取り、及び復号の成功を示すプロセッサプロセッサ109からの信号に応答し、視覚インジケータ(図示せず)その他の表示を点灯させてもよい。
【0007】
記号その他の対象物を読取るとき、その基礎となる表面上にある特定の記号の形状は、特に問題となる。記号、及び/又はその他の読取対象が、対比色のインク、又は塗料を用いて平坦な表面上に印刷されている場合、その記号パターン全体を所与のセンサ、及びレンズ類、並びに適当な強度、及び角度の照明を使用して読取ることは、比較的簡単である。
【0008】
逆に、記号その他の対象物を、そのパターンを表面に直接エッチング、又はピーニングすることにより比較的不規則な表面上に形成し、及び/又は作成した場合、その記号からの取得画像は、表面のいたる所で大きな不規則性を示す場合がある。この例では、図1に詳細を示したように、物体130は円筒形表面を備え、その結果、記号132の取得画像は、外見上、その端部において色あせて見え、又は読み取れない。原因は、基礎となる円筒体表面の角度が連続的に変化することによる、光の様々な反射、及び/又は散乱である。このように、画像はその中央部において概ね読取ることが可能であるが、端部においてはあまり読取ることができず、又は読取ることができない。もちろん、形状、及び/又は表面仕上げによっては、取得画像に関する他の読取問題が発生することもある。
【0009】
表面、照明その他の変化が原因で、部分的に読取ることが出来ない記号が発生する他の事例を、図2に示す。この例では、システム200は、コンベヤ220を含むことがある可動ライン上の例示的物体210、212、214から、画像を取得する。この構成は、同じ譲受人に譲渡された「Method and Apparatus for Visual Detection and Inspection of Objects」と題するWilliam M. Silverによる係続中の米国特許出願公開第US20050275831A1号に記載されたものに類似する。この出願の教示は、参照により、広く本明細書に援用される。この構成では、マシンビジョン検出器230(又は、他の撮像装置)と、物体210、212、214との間に相対運動が発生し、その後、各物体、及び着目する特徴(記号240、242、及び244)が撮影される。検出器230の処理回路、又はリモートコンピュータ250に組み込まれたマシンビジョンアプリケーションは、着目する特徴/記号の画像を得る。図示のように、得られた画像252は、物体の表面形状が原因で部分的に読取ることが出来ず、従って、読取ることが出来ない。図示のマシンビジョン検出器は、着目する物体/特徴が視野を通過する際に、その物体/特徴の複数の画像を取得し、各画像を個別に使用して、検出機能、及び/又はトリガ機能を実施する場合がある。
【0010】
一般に、上記の各実施形態においては、記号から情報を導出するために、記号の単一の画像しか取得しない。画像中の色あせた領域その他読み取れない領域は、記号読取り不良の原因になる。この問題は、種々のタイプの照明を対象物に適用し、対象物から最も読取り易い画像を得ることにより、解消される場合がある。背景の詳細に関し、本件と同じ譲受人に譲渡されたいずれもLaurens W. Nunninkによる「Hand Held Symbology Reader Illumination Diffuser」と題する米国特許出願第11/014,478号、及び「Low Profile Illumination for Direct Part Mark Readers」と題する米国特許出願第11/019,763号は、特定の対象物を読取るための最良タイプの照明を可能にするために、明視野(広角)、及び暗視野(狭角)照明の伝送を改善する技術を提供し、その教示は参照により本明細書に明確に援用される。これらの技術は、特定の形の直接的明視野LED、並びに明視野光をより良好に拡散させるために明視野発光体と対象物との間に配置される円錐形、及び/又は平坦な形の拡散器を設けることを含む。上で援用した「Hand Held Symbology Reader Illumination Diffuser」はさらに、特定タイプの表面に対して適用可能な照明を改良するための特定色の使用を教示している。それでも、これらの技術は、種々の条件下でそれぞれ撮影された複数の取得画像の中から最良の画像(最も読取り易い画像)を選択することによる。
【0011】
一般に、単一の画像(又は複数の画像、ただしその場合、最も「良好」な単一の画像が選択される)を取得する一般的実施の結果、しばしば、画像の少なくとも一部が読取り難く、又は読取ることが出来ない画像が生成されることがある。従って、記号その他の所定の形の画像の読取りを可能にするシステム、及び方法であって、表面、照明、及び基礎となる表面に対する他の条件の変化により生じる色あせた領域/読み取れない領域その他の不規則性の存在を良好に解消するシステム、及び方法が求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
[発明の概要]
本発明は、データセットをそれぞれ含む記号を当該記号の複数の画像フレームを使用して復号するシステム、及び方法を提供することにより、従来技術の欠点を克服するものであり、その結果、フレームをマルチ画像アプリケーションと組み合わせ、各フレームの最も読取り易い部分を1つに結合することが可能になる。また、1つの「最良」画像を選択する従来のシステムとは違い、例示的システム方法によれば、その結合された表現を使用して、元の記号の読み取り可能な完全な画像を形成することが可能になる。一実施形態において、それらのフレームの少なくとも一部は、撮像パラメタ(例えば、向き、レンズズーム、開口など)を変えることによって特徴付けることができる。他の実施形態において、複数の画像フレームは、同じパラメタを使用して取得され、各画像の最も読取り易い幾つかの要素が1つに結合され、それによって、電子ノイズ等によって画像に生じる固有の変化を克服する。
【0013】
例示的実施形態によれば、物体上のデータセットを表す記号を復号するシステム、及び方法は、記号の複数の画像フレームを取得する撮像アセンブリを含む。撮像アセンブリに接続されたプロセッサは、記号の複数の取得画像フレームを処理し、複数の画像フレームの少なくとも一部から得られる所定のコードデータを結合することにより、その記号により表されるデータセットの復号可能バージョンを定義する。例示的実施形態において、マルチ撮像手順は、複数の画像フレームのそれぞれにおける所定のコードデータを復号する記号復号手順を含み、当該マルチ撮像手順はさらに、記号の復号の成功、又は失敗を、複数の画像フレームのそれぞれにおける所定のコードデータを結合したものが、その記号により表されるデータセット全体を定義するか否かに基いて判断するように構築、及び構成される。
【0014】
この実施形態において、マルチ撮像手順は、複数の画像フレームのうち、画像フレームの最大番号以下の所定数の画像フレームが復号され、データセット全体が定義されたときに、記号の復号に成功したことを示すようにさらに構築、及び構成される。撮像アセンブリは、記号に対し複数の異なる向きから、少なくとも一部の画像フレームを取得するように構築、及び構成され、従って、撮像パラメタは、複数の異なる向きをそれぞれ含む場合がある。一実施形態において、撮像アセンブリは、種々の向き/パラメタ設定で記号を走査し画像を取得する携帯読取装置であってもよいし、異なる向きに配置された複数の撮像装置であってもよく、あるいは実質的に静止した撮像アセンブリに対して記号/物体を動かし、物体が撮像アセンブリの視野を通過するときに撮像アセンブリにより画像を取得してもよい。
【0015】
下記の発明の説明では、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】既に説明した図1は、従来技術による、不規則な曲面上にある記号の読取りを試みる携帯記号読取システムを示す斜視図である。
【図2】既に説明した図2は、読取り装置/検出器に対し、コンベヤラインを下流へ移動する複数の物体のそれぞれにおける記号の読取りを試みる固定記号読取装置、又はマシンビジョン検出器を示す斜視図である。
【図3】物体の不規則な曲面上にある所定の記号の複数の画像フレームを取得する単一の携帯記号読取装置を示す斜視図である。
【図4】図3の実施形態による、物体上の記号から導出される複数の画像を結合する手順を示す概略図である。
【図5】本発明の例示的実施形態による、一群の「n」枚の取得画像フレームを結合する一般的手順を示すフロー図である。
【図6】図5の一般的手順において使用するために、各画像フレームからデータを取得する手順を示すフロー図である。
【図7】代替実施形態による、物体の不規則な曲面上にある所定の記号の複数の画像フレームをそれぞれ取得する複数の据え置き型記号読取装置を示す斜視図である。
【図8】代替実施形態による、第1のレンズ、及び/又は照明装置を使用して第1の画像を取得する携帯型、又は据え置き型の読取装置を示す斜視図である。
【図9】図8の実施形態による、第2のレンズ、及び/又は照明装置を使用して第2の画像を取得する携帯型、又は据え置き型の読取装置を示す斜視図である。
【図10】図8の実施形態による、第3のレンズ、及び/又は照明装置を使用して第3の画像を取得し、第1から第3の画像の組み合わせを使用し、関連記号を復号する携帯型、又は据え置き型の読取装置を示す斜視図である。
【図11】代替実施形態による、マルチ画像取得携帯読取装置を示す正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[詳細な説明]
図3、及び図4は、本発明の一実施形態による、物体312上に配置された記号を読取るための例示的構成、及び関連手順を示している。この例では、記号は、従来の「2D」バーコードである。バーコード310は、部品312その他の部品/プロセスに関連する英数字データ(及び、他のデータタイプ)を含む。バーコードは、インク、塗料、又はエッチングプロセスを使用して付着されることができる。この例では、バーコード310は、概ね円筒形の部品の表面に付着されている。表面が円筒形であることから、バーコード310は、表面の種々の部分について光を様々に反射する。すなわち、バーコードに対して広角照明を直接行った場合、場所によって読取可能な部分も発生すれば、読取不能な部分(一般に、その理由は、これらの部分からは光が十分に反射されないからである)も発生する。例えば印刷されたバーコードの場合、バーコードの正面は、両サイドに比べて読取りやすいであろう。逆に、エッチング、又はピーニングされたバーコードは、狭角照明を使用して比較的有効に読取ることができ、特に、バーコードを垂直に読取る場合に有効に読取ることができる。しかしながら、バーコード310の中央にそのような狭角照明を行った場合、中央部は非常に読取り易くなり、両サイドはあまり読み取れなくなるであろう。この例において、記号読取装置320は、広角照明、及び/又は狭角照明、あるいは、広角照明と狭角照明の組み合わせを使用可能な照明装置322を備えた従来の携帯装置である。
【0018】
バーコードを最大の精度、及び成功率で読取ることを可能にするために、この実施形態の読取装置は、単一の読取動作において複数の画像を取得することが可能な撮像アプリケーション430を含む。このアプリケーションは、独立した計算装置、又はプロセッサにおいて実行され、あるいは、読取装置自体に組み込まれるプロセッサの一部とされる場合もある。例示的実施形態において、無事に読み取られた画像は、同じく読取装置内に存在し、マルチ撮像アプリケーション(又はその一部)と協働する従来のバーコード位置特定復号アプリケーション432(複数の場合もあり)を使用して取得され、表示/復号されることができる。
【0019】
図4を詳しく参照すると、図示の読取装置320は、例えば、手持ちスウィープ動作(矢印410)により、複数の角度向きを通して動かされる。このスウィープ動作は、互いに交差する複数の方向において行うことができ、それによって読取装置320は、バーコード310を複数の異なる視点から見ることができる。この例では、3つの異なる向きのそれぞれについて一枚の画像が取得され、すなわち3枚の異なる画像が取得される。これらの取得画像はそれぞれ、品目420、422、及び424として示されている。図示のように、各個別の取得画像は、バーコードの一部を比較的読取可能な形で含む一方、残りの部分(例えば、426)は、あまり鮮明でなく、及び/又は概ね読取ることが出来ない。スウィープ動作における適当な向きの組み合わせを選択することにより、各画像420、422、及び424は、バーコード全体のうちの読取可能部分に相当するものとなり、それらを合わせたものは、コード全体のうちの復号可能バージョンを含むものとなる。後で詳しく説明するように、マルチ画像アプリケーション430は、バーコードの読取可能/復号可能部分を認識し、各画像から得られた部分を重ね合わせ、単一の復号可能な画像を導出し、その画像を表示装置440上に表示する。アプリケーション430はまず、各画像中のコードを探索し、解読しようと試み、アプリケーションは、復号された符号の特定部分がコード全体のうちの所与の部分に現れることを知っているので、画像間における整合は自然に得られる。すなわち、アプリケーションは、各画像における適当なコード部分を探索し、隣接画像間における相互に重なり合う部分を認識し、それらの部分を1つに結合することにより、連続したバーコードへの「記入」を試みる。それらのコード部分は、常に同じ相対位置に現れ、従って、3つの画像は実質的に互いに整合される。
【0020】
次に、図5、及び図6を参照すると、これらは、条件/向きを変えてそれぞれ取得された例示的記号コードの複数(N枚)の画像フレームを、その記号の単一の完全な復号可能表現に変換する一般的手順500を詳細に示している。手順500は、上で参照したマルチ撮像アプリケーション430の一部として使用される。当然ながら、記号を復号するために取得される画像の数は、大きく変更してもよい。例示的実施形態において、取得画像の数は、記号の復号を無事成功させるために何枚の画像フレームが必要になるかに応じて様々にセットされる場合がある。換言すれば、この手順は、コードの読取りに成功するまでに、もっと少ない数、又はもっと多い数の画像を取得する場合がある。最大数(N枚)の画像が取得された後、読取りは成功、又は失敗する。途中で読取りに成功したか否かに関わらず、数Nの画像を取得する場合もある。
【0021】
手順500において、画像フレーム1〜Nは、限定はしないが、例えばこの上下に記載した例示的読取装置のような任意の適当な記号読取装置、及び照明実施形態を使用して、ステップ510において取得される。画像フレームが取得された後、視野内のコードを探索するために、現在のフレーム(nとする)が、従来の記号復号ソフトウェアを使用して分析される(ステップ512)。最初の画像の場合、「n」は1に等しくなるようセットされる。コードが見付かった場合(判断ステップ514)、フレームnから得られるデータは516において分析され、FEATURE DATASETという名の値「n」が得られる。この値は、コードの読取可能部分を含む。
【0022】
なお、当然ながら、複数の画像フレームを処理する手順と、さらに別の画像フレームを得る手順は、並行して行うことができる。つまり、既に取得された画像の処理をシステムの一部において行う一方で、システムの他の部分において新たな画像を取得することができ、そのような新たな画像は(例えば、読取りに既に成功しているか否かに応じて)画像処理の対象とし、又はしないこともできる。従って、取得動作と処理動作の順序、及び頻度は、大きく変更してもよい。
【0023】
図6を参照すると、この図は、画像データフレーム「n」、及び該フレーム「n」内の位置を使用して、FEATURE DATASET「n」の値を得るための主手順ステップ516(図5)のサブステップの詳細を示している。代替実施形態として、種々の均等技術、及びプロセスを使用して、データを処理してもよい。図6は、一つの例示的手順を提供し、次に、この手順を詳しく説明する。サブステップ610において、コードを含むものとして識別された画像フレームの領域は、複数の重なり合わない下位領域に分割され、各下位領域は、(例えば)4×4のデータセルを含む。この例において、各データセルは、所与のデータコード値を表す個別のピクセル配置を表す。サブステップ612において、手順は、分割されたグループから初期(又は、次の)下位領域を選択する。次に、サブグループ614において、この下位領域についての飽和指数が選択される。下位領域についての飽和指数は、下位領域における、SATURATION GRAYSCALE THRESHOLDとして識別される所定の値以上のグレイレベルを有するピクセルの割合を表す。飽和指数が、SATURATION GRAYSCALE THRESHOLDより大きい指数であった場合(判断サブステップ616)、アレイFEATURE DATA RAW VALUES「n」は、その下位領域中の全てのデータセルを、不明とみなされるようにマーキングする(サブステップ618)。次に手順はサブステップ620へ分岐し、そこで、アレイFEATURE DATA RAW VALUES「n」を記入し、その下位領域中の全てのデータセルが、対応するセル位置から得られるサンプルグレイ値を有するものとしてマーキングされる。なお、飽和指数がSATURATION GRAYSCALE THRESHOLDの値よりも大きくなかった場合、判断サブステップ616はさらに、サブステップ620へも直接分岐する。サブステップ620の後、判断サブステップ622は、全ての下位領域の分析が完了したか否かを判断する。まだ分析が完了していなければ、手順は、サブステップ612へ分岐して戻り、コード内の次の下位領域(サブステップ610における分割に基く)について、上記のサブステップ(612、614、616、618、及び/又は620)が繰り返される。
【0024】
最後に、全ての下位領域の分析が完了したとき、判断サブステップ622は、サブステップ624へ分岐する。このとき手順は、アレイFEATURE DATA RAW VALUES「n」におけるデータセル値のヒストグラムを生成する。この導出されたヒストグラムは、不適正データとしてマーキングされたセルを含まない。次に、サブステップ626において、ヒストグラムから閾値Tが計算される。この閾値Tは実質的に、基礎となる記号コードを、ゼロ値(Tよりも小さなグレイスケールの場合)と1(T以上のグレイスケールの場合)のいずれかに2値化する。このサブステップ(626)は、周知の大津のアルゴリズムを使用して達成することができる。このアルゴリズムは、1979年3月発行、IEEE Transcript on Systems, Man and Cybernetics、第9巻、第62〜66頁において、「Threshold Selection Method from Gray Level Histograms」と題する大津N著の周知記事として参照され、この文献の教示は、さらなる背景として、参照により本明細書に明確に援用される。最後に、ステップ628において、手順は、FEATURE DATA RAW VALUES「n」、及び閾値Tを使用して、FEATURE DATASET「n」におけるデータセル値を計算する。一般にシステムは、M0、及びM1それぞれの値を、閾値Tを下回るヒストグラム分布の部分と、閾値Tを上回るヒストグラム分布の部分の平均グレイ値として計算することができる。ステップ628の手順は、コード中の各データセルについて、以下に例示するプログラム命令に従って達成される場合がある。
【0025】
【表1】

【0026】
ステップ516によるフレーム「n」から得られるデータの処理に関する下記のサブステップ628は完了し(サブステップ630)、手順500(図5を再度参照)は、ステップ518においてそのフレームについての処理を継続する。現在のフレーム「n」は含まないが、現在のフレーム「n」までのフレーム(従って、修飾子n−1)に蓄積された全てのFEATURE SETDATAデータを表すアレイCUMULATIVE FEATURE DATASET「n−1」が、手順500によって得られる。従って、このアレイは、複数の画像フレームから導出されたコード上の前回の累積データを表す。最初の画像フレーム(n=1)の場合、CUMULATIVE FEATURE DATASETは、ヌル値である。すなわち、最初の画像フレームには、何も累積データが結合されていない。以前のCUMULATIVE FEATURE DATA「n−1」が読み出された後、CUMULATIVE FEATURE DATA「n」についての新たな値を得るために、その値は、現在のFEATURE DATASET「n」に結合される(ステップ518)。
【0027】
CUMULATIVE FEATURE DATA「n」は、各データセルについて、値が「ゼロ」の信頼値を示すCumulative_confidence_0「n」と、各データセルについて、値が「1」の信頼値を示すCumulative_confidence_1「n」とからなる。このデータは、前回のフレーム(CUMULATIVE FEATURE DATA「n−1」で表される)から得られるデータを、現在のフレーム(FEATURE DATASET「n」で表される)から得られるデータと結合することによって算出される。この計算は、下記の例示的プログラム命令に従って実施される。
【0028】
【表2】

【0029】
次に、ステップ520に従って、現在値CUMULATIVE FEATURE DATA「n」を処理する。この処理には、所定のコードフォーマットから基礎データを生成する従来の復号ソフトウェア、又はカスタム復号ソフトウェアが使用される。上記ステップ518において、手順500は、複数のフレームにわたって各セルについて個別に「0」、及び「1」の証拠を蓄積する。各フレームの後、手順500は次に、下記の例示的プログラム命令、及び追加のステップに従って、その証拠に基く判断を試みる。
【0030】
【表3】

【0031】
2.次に、上で得たデータセル値(Data Cell Values)を使用して、コードの復号を試みる。データマトリクスコードのようなリードソロモンエラー訂正が可能な一部の記号の場合、値「不明」は、既知の削除として処理することが出来る。この方法を使用すれば、それらのコードを処理するために必要なエラー訂正能力を低く設定することができる。
【0032】
コードを読取ることができた場合(判断ステップ522)、復号は成功したものとみなされ524、成功は、オペレータに示される。
【0033】
判断ステップ514により、コードが、画像フレームnの中に見付からなかった場合、手順は次に、ステップ516へ分岐し、前回値CUMULATIVE FEATURE DATA「n」を、もしあればCUMULATIVE FEATURE DATA「nー1」にセットする。手順は次に、判断ステップ582へ分岐する。なお、その後のステップ520において復号に成功しなかった場合、判断ステップ522は、代わりにステップ528へ分岐する。それら2つの代替として、判断ステップ528は、シーケンス中の現在のフレームの数nが、最終フレーム、すなわちフレームの最大数Nに等しいか否かを尋ねてもよい。
【0034】
最終フレーム(N)であること(即ち、n=N)が分かった場合、手順500は、読取装置により取得することが可能なフレームの最大数を使用して、画像を復号することが出来ていない。従って、システムは、ステップ530において、復号に失敗したことを示す。より良好な画像結合の達成を試みるために、ユーザは、別の向き、照明、及び他のパラメタを選択し、復号を再試行することもできる。一方、nがNに等しくなかった場合、処理すべき次のフレームを選択するために、値nは1だけインクリメントされる(ステップ532)。次に、手順500は、そのインクリメントされた次のフレームnの中から読取可能なコードを探索するために、ステップ512へ分岐して戻る。次に、手順500は、N個のフレーム全てが終了条件を満たすまで(ステップ524、又は530)、上記ステップ514、516、518、520、522等を継続する。
【0035】
上で概ね説明したように、復号手順(例えば、図5、及び図6に示したようなもの)において使用される複数の画像フレームのそれぞれの取得は、様々な方法で達成することができる。例えば、複数の画像フレームは、図2に示したようなコードを有する通過物体から得ることが出来る。図7の例では、3つの独立した撮像装置710、712、及び714がそれぞれ、実質的に同時に画像/画像フレーム720、724、及び726をそれぞれ取得する。各装置710、712、及び714が、共通の配向平面に対してそれぞれ異なる角度A1、A2、及びA3を成すように位置決めされているので、各画像720、724、及び726は、撮影されたコード310の異なる態様を表す。なお、撮像装置710、712、及び714は、コードの上、下、又は横の位置に来るように、種々の平面を成すように傾けてもよい。上で説明したように、各画像720、724、及び727は、マルチ撮像アプリケーション730、及びコード探索復号アプリケーション732の一バージョンにより結合される。このアプリケーションは、上で説明した手順500の一バージョン、又はコード全体からの種々の取得部分を結合する他の適当な手順を実行することが出来る。手順の実行に成功すると、コード740全体の表示が達成される。
【0036】
図8〜図10は、本発明による復号システム、及び方法の他の実施形態の詳細を示している。この実施形態によれば、バーコード310に対して適当な向きに配置された単一の撮像装置、又は複数の撮像装置の使用が可能となる。図8において、撮像装置810は、任意の適当な設計、及び適当な性能を有する発光体812により提供される光を使用して、バーコード310の画像を取得する。撮像装置は、複数のパラメタ(例えば、焦点、ズーム、開口、コントラスト、及び/又は他の設定パラメタなど。所定の設定は、番号「1」814によって指定される。例えば、設定1は、第1「ズーム」設定を含む場合がある。)によって定義される。従って、取得画像822の中央部820は、良好なコントラスト、及び可読性を示す。この画像は、適当なメモリ828に記憶され、その後、マルチ撮像アプリケーション830、及び関連コード探索復号アプリケーション832の一バージョンへ転送される。撮像装置810に関して、両矢印850が示されている。この矢印は、撮像装置を、物体312の表面、及びそのバーコード310に対して任意の所望の向きに配置することが可能であることを示している。同様に、発光体812は任意選択であり、及び/又は、発光体(複数の場合もあり)は、バーコード310に対して任意の位置/向きに配置することができる。以下で詳しく説明するように、個々の取得画像について変更することが可能な可変パラメタの1つは、使用される照明の位置/向き、及び/又は、照明のタイプ(例えば、広角、及び狭角、異なる色など)である。
【0037】
図9によれば、次の画像が取得される。この実施形態では、撮像装置810のパラメタが、パラメタ設定2(914)を定義するように変更されており、それによって、図8の前回の画像における領域820(パラメタ設定1(814)を使用した場合)とは異なり、取得画像922の明確、かつ容易に復号可能な領域920が生成される。この新たな取得画像922はメモリ828へ転送され、マルチ撮像アプリケーション830による処理を受けることになる。
【0038】
図10において、撮像装置は、設定パラメタ3(1014)を有するように設定される。設定の結果、取得画像1022は再び変更され、その結果、新たな取得画像は、明瞭度/可読性のさらに異なる領域1020を示すものとなる。この画像フレーム1022は、メモリ828へ転送される。各画像フレームに対し正しいパラメタを設定することにより、3つの領域820、920、1020のを合わせたものは、バーコード全体の重ね合わせ(又は、連続/隣接)バージョンを形成し、当該重ね合わせバージョンは、概して、有効に読取/復号することができる。複数回の取得により得られる一群のフレームは、メモリ828へ転送され、そこで、そのフレーム、及び他のフレームは、マルチ撮像アプリケーションによって使用され(概ね上で説明した形で)、その後、表示される復号可能画像1040に結合される。
【0039】
なお、図10において、発光体812は無効化され(記号「X」の幻影1052により示されている)、(幻影として示されている)発光体1050は有効化されている。あるいは、発光体812(及び/又は、その放射光)は、この新たな位置へ再配向されている。これは、本発明に従って恐らく変更可能な多数の撮像パラメタの1つである。代替実施形態では、発光体812は維持され、撮像装置パラメタのみが変更される場合がある。
【0040】
図11に示されている他の実施形態によれば、携帯記号読取装置1110が得られる。この読取装置1110は、読取装置が有する撮像レンズ1120、1122、及び1124を取り囲む比較的従来型の設計の内蔵発光体1112を含む。読取装置1110によれば、3以上の画像を同時に取得し、又はそれらを高速連続撮影することが可能となる。一実施形態では、レンズ1120、1122、及び1124に光学結合された3つの個別の撮像装置(図示せず)を使用して、それぞれの画像が同時に取得される。各撮像装置は、異なる焦点設定、開口設定、向き、及び/又はパラメタ設定を有する。従って、各撮像装置により取得される画像は、別個のもので、かつ異なるものになる。記号の画像は、単一の向きにおいて取得することができ、あるいは、ユーザが読取装置を種々の向きに変化させる間に、各撮像装置が複数のフレームを取得してもよい。複数の撮像装置を使用することにより、取得プロセスを高速化することができる。他の実施形態では、読取装置の内部に単一の撮像装置(同じく図示せず)が使用され、読取装置の正面1140を回転(幻影矢印1142)させることにより、複数の特殊なレンズ1120、1120、1124を読取装置の正面にそれぞれ位置決めできるように構成される場合がある。これらのレンズはそれぞれ、撮像パラメタの異なるセットを備える。フェイス1142を回転させるために、モータ、その他のアクチュエータを使用する場合もある。さらに別の代替実施形態では、フェイスを静止させたまま内蔵撮像装置を回転させることができ、又は、同等の光学画像搬送手段を使用して、適当な時点で各レンズから撮像装置へ画像情報をルーティングすることが出来る。
【0041】
上記の説明は、複数の画像のうちの少なくとも一部が、例えば、異なる向き、開口、ズーム、照明のような画像間における個別の異なる撮像パラメタを使用して取得できることを想定しているが、記号によっては、一組の撮像パラメタ(すなわち、同様の向き、照明、及びカメラ設定から得られる全ての画像)を使用して概ね読取ることが可能な場合もある。従って、記号の単一の読取可能な表現を1つに結合する上記の原理は、全ての画像を、同じパラメタを使用して取得できる場合に適用することができる。この方法は、例えば、画像間に発生することがある種々の電子ノイズ、及び薄暗い状況において発生する複数の画像間における僅かな変化を克服する際に、特に有用である。これを説明するために、複数の画像の取得は、同じ撮像パラメタによって特徴付けられる画像の取得を含むことがある。
【0042】
当然ながら、本明細書に記載の種々の実施形態の1つによるシステム、及び方法は、より高い信頼性で記号を復号する、簡単に使用でき、かつ有効な技術を提供する。この技術は、読取り速度を大幅に増加させることもなければ、従来の読取装置に必要とされるハードウェア、又はソフトウェアを大幅に増加させ(又は、置き換え)ることもない。しかしながら、複数の画像を取得するが、一群の中から「最良」の画像のみを選択し、復号する従来の技術とは違い、例示するシステム、及び方法は、複数の画像のそれぞれにおいてコードの「最良の特徴」を得て、それらを1つにまとめることにより、より復号可能性の高い記号コードを得る。
【0043】
上記が、本発明の例示的実施形態の詳細な説明である。同様に、ここに提示した図面も、本発明の特定の実施形態に関する単なる例示として捉えるべきである。本発明の思想、及び範囲から外れることなく、種々の変更、及び追加を行うことが可能である。複数の機能を得るために、上に記載した種々の実施形態のそれぞれを、記載した他の実施形態と組み合わせることもできる。さらに、上記は、本発明の装置、及び方法に関する多数の個別の実施形態に関するものであるが、本明細書に記載したものは、本発明の原理の応用の単なる例示に過ぎない。例えば、種々の撮像パラメタを使用して複数の画像を取得する仕組みは、大きく変更してもよい。従って、読取装置、及び読取構成に関する上記の例は、網羅的なものとして捉えるべきではなく、本発明のこの態様に関する制限として捉えるべきでもない。同様に、種々のパラメタを使用して複数の画像を処理する特定の手順を図示説明したが、この手順は、例示的なものであり、当然ながら、他の手順を使用することも想定される。代替実施形態において、読取手順は、連続的/重なり合うコード部分の代わりに、基準、及び/又はパターンを認識するマシンビジョンツールを使用して、互いに整合された画像を使用することを必要とする場合がある。換言すれば、複数の画像は、最初にコード部分を探索し、復号を試みる代わりに、端部、及び/又は他の特徴に対して作用し、整合を提供するマシンビジョン広域整合ツールを使用し、単一の読取可能画像として結合される。広域整合の後、画像の復号は、例えば、従来の復号プロセスを使用して行うことができる。さらに、複数の向きのそれぞれにおける画像フレームの取得は、撮像装置を動かす代わりに(または、それとともに)、記号を種々の方法で動かすことによって達成することも可能であると考えられる。例えば、物体、及び/又は記号の移動は、上記のように直線的に行うことができ、あるいは、多軸ロボットのエンドエフェクタに握られた物体に対して行われるように、物体/記号を回転させ、ひねりを加えることも可能である。また、本明細書に記載するシステム、及び方法の手順は、ハードウェアとして実施しても、プログラム命令を含むコンピュータ読取可能媒体を含むソフトウェアとして実施してもよく、あるいは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実施してもよい。従って、本明細書の説明は、単なる例として捉えるべきであり、本発明の範囲を制限するものとして捉えるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体上のデータセットを表す記号を復号するシステムであって、
撮像アセンブリと、
前記撮像アセンブリに接続され、前記記号の複数の画像フレームを処理するように構成、及び配置されたマルチ撮像プロセスを含む、プロセッサと
を含み、
前記プロセッサは、前記複数の画像フレームのうちの少なくとも一部から所定のコードデータを復号し、前記複数の画像フレームの少なくとも一部から得られた前記所定のコードデータを結合し、前記記号により表される前記データセットの復号可能バージョンを定義するようにさらに構成、及び配置される、システム。
【請求項2】
前記マルチ撮像手順は、前記複数の画像フレームについて前記所定のコードデータを復号する記号復号手順を含み、
前記マルチ撮像手順は、前記複数の画像フレームのそれぞれにおける前記所定のコードデータの結合が、前記記号により表されるデータセット全体を定義するか否かに基いて、前記記号の復号の成功、又は失敗を判断するようにさらに構成、及び配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記マルチ撮像手順は、前記複数の画像フレームのうちの、画像フレームの最大数以下の所定数の画像フレームが復号され、前記データセット全体が定義されたときに、前記記号の復号の成功を示すようにさらに構成、及び配置される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の画像フレームの少なくとも1つが、前記複数の画像フレームのうちの他の画像フレームとは異なる別個の撮像パラメタによって特徴付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記撮像アセンブリは、前記記号に対する複数の異なる向きから前記画像フレームの少なくとも一部を取得するように構成、及び配置され、前記撮像パラメタは、前記複数の向きのそれぞれを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記撮像アセンブリは、携帯記号読取装置に配置される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記撮像アセンブリは、前記記号に対して異なる向きに配置された複数の撮像装置を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記記号は、実質的に静止した前記撮像アセンブリに対して移動し、前記画像フレームはそれぞれ、前記撮像アセンブリに対する複数の向きのそれぞれにおいて取得される、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記撮像アセンブリは、向き以外の複数の所定の撮像パラメタのそれぞれに基いて、前記複数の画像の少なくとも一部を取得するように構成、及び配置される、請求項4に記載のシステム。
【請求項10】
前記撮像パラメタは、レンズ焦点、レンズ開口、レンズズーム、照明タイプ、及び照明向きの中から少なくとも1つを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
物体上のデータセットを表す記号を復号する方法であって、
前記記号の複数の画像フレームを取得するステップと、
前記複数の画像フレームのそれぞれを処理し、前記複数の画像フレームのうちの少なくとも一部から所定のコードデータを復号し、前記複数の画像フレームのうちの少なくとも一部から得られた前記所定のコードデータを結合し、前記記号により表される前記データセットを復号可能バージョンを定義するステップと
を含む方法。
【請求項12】
前記処理するステップは、
前記複数の画像フレームのそれぞれにおいて前記所定のコードデータを復号し、前記複数の画像フレームのそれぞれにおける前記所定のコードデータの結合が、前記記号により表されるデータセット全体を十分に定義するか、又は十分に定義しないかにそれぞれ基いて、前記記号の復号の成功、又は失敗を判断することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記処理するステップは、
前記複数の画像フレームのうちの、画像フレームの最大数以下の所定数の画像フレームが復号され、前記データセット全体が定義されたときに、前記記号の復号の成功を示すことをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記画像フレームの少なくとも一部が、前記複数の画像フレームのうちの他の画像フレームとは異なる個々の撮像パラメタによって特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記取得するステップは、前記記号に対して複数の異なる向きから前記画像フレームの少なくとも一部を含み、前記撮像パラメタは、前記複数の異なる向きのそれぞれを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記取得するステップは、携帯記号読取装置を使用して実施される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記取得するステップは、前記記号に対して異なる向きに配置された複数の撮像装置のそれぞれを使用して前記画像フレームを取得することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記取得するステップは、実質的に静止した撮像アセンブリに対して物体を動かし、当該撮像アセンブリによって前記取得するステップを実施し、前記撮像アセンブリに対する複数の向きのそれぞれにおいて、前記画像フレームをそれぞれ取得することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記取得するステップは、向き以外の複数の所定の撮像パラメタのそれぞれに基いて、前記複数の画像の少なくとも一部を取得することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記撮像パラメタは、レンズ焦点、レンズ開口、レンズズーム、照明タイプ、及び照明向きのうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
物体上のデータセットを表す記号を復号するシステムであって、
撮像アセンブリと、
前記撮像アセンブリに接続され、前記記号の複数の画像フレームを処理するように構成、及び配置されたマルチ撮像プロセスを含む、プロセッサと
を含み、
前記複数の画像フレームのうちの少なくとも1つが、もう一組の複数の画像フレームとは異なる別個の撮像パラメタによって特徴付けられ、
前記プロセッサは、前記複数の画像フレームの少なくとも一部から所定のコードデータを復号し、前記複数の画像フレームの少なくとも一部から得られた前記所定のコードデータを結合し、前記記号により表される前記データセットの復元可能バージョンを定義するようにさらに構成、及び配置される、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−503748(P2011−503748A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534135(P2010−534135)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/083191
【国際公開番号】WO2009/064759
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(504382671)コグネックス・コーポレイション (16)
【Fターム(参考)】