説明

複数ポンプ式液体容器

【課題】 シャンプー、リンス、ボディソープ等の複数のポンプ式液体容器を外容器で覆って一体にすると共に、各ポンプヘッドの押し間違いを防止できるようにした、複数ポンプ式液体容器を提供する。
【解決手段】 容器本体14の上部に設けられたポンプヘッド17を所定ストローク押し下げて内部のシャンプー等をノズル18から排出するポンプ式液体容器12と、該ポンプ式液体容器12を複数本収納して一体に保持する外容器13とからなる複数ポンプ式液体容器11であって、隣接して収納されるポンプ式液体容器12、12の互いのポンプヘッド17、17は、少なくともポンプヘッド17の押し下げストロークL1以上の高さの違いをもって配設した構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばシャンプー、リンス、ボディソープ等の複数の容器を外容器で覆って一体にした、複数ポンプ式液体容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のポンプ式液体容器としては、次のような構成の洗髪液入りダブル容器が知られている。このダブル容器は、円筒形の容器本体の内部に仕切部を設けて2つの液室を形成している。そして、各液室内の液体を排出するためのポンプを容器本体に別々に2つ設けている。また、2つのポンプは、ポンプヘッドの大きさをそれぞれ異ならせて形成している(特許文献1参照)。
【0003】
このような構成のダブル容器は、各液室にシャンプーとリンスとを別々に収納しておき、使用時にポンプヘッドを所定ストローク押し下げて液室内の液体をノズルから排出するのである。また、2つのポンプヘッドの大きさを異ならせることで、ポンプの押し間違いを防止している。
【特許文献1】実開平5−85303号公報(第1頁及び第2頁、図1及び図2)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この従来例のダブル容器においては、2つのポンプヘッドの位置が同じ高さであることから、一方のポンプヘッドを押すときに、誤って他方のポンプヘッドも一緒に押してしまうおそれがあるという問題点を有している。
【0005】
従って、従来例におけるダブル容器においては、ポンプヘッドの押し間違いを確実に防止できるようにすること等に解決しなければならない課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来例の課題を解決する具体的手段として本発明は、容器本体の上部に設けられたポンプヘッドを所定ストローク押し下げて内部の液体をノズルから排出するポンプ式液体容器と、該ポンプ式液体容器を複数本収納して一体に保持する外容器とからなる複数ポンプ式液体容器であって、隣接して収納されるポンプ式液体容器の互いのポンプヘッドは、少なくともポンプヘッドの押し下げストローク以上の高さの違いをもって配設したことを特徴とする複数ポンプ式液体容器を提供するものである。
【0007】
また、それぞれのポンプヘッドには、形状の異なる印を形成した構成としたものであり、そして、外容器の両サイドに収納されるポンプ式液体容器は、それぞれポンプヘッドを前記両サイド寄りの位置に設けた構成としたものであり、更に、外容器に収納されたポンプ式液体容器の底部は、前記外容器の内側に形成された保持手段で保持されている構成としたものであり、更にまた、外容器は、開閉自在に形成されており、且つ外容器に収納されるポンプ式液体容器は、出し入れ自在である構成としたものであり、また、外容器の側部には、前記ポンプ式液体容器の液体残量を確認するための確認孔が形成されている構成としたものであり、そして、外容器の底部には、排出口が形成されている構成としたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る複数ポンプ式液体容器は、隣接して収納されるポンプ式液体容器の互いのポンプヘッドを、少なくともポンプヘッドの押し下げストローク以上の高さの違いをもって配設したことによって、一方のポンプヘッドを手で押すときに、誤って他方のポンプヘッドも一緒に押してしまうというミスを防止できるという優れた効果を奏する。
【0009】
また、それぞれのポンプヘッドには、形状の異なる印を形成したことによって、ポンプヘッドを手のひらで触れれば収納されている液体の種類が判別できるので、洗髪時にポンプヘッドの押し間違いを防止できるという優れた効果を奏する。
【0010】
そして、外容器の両サイドに収納されるポンプ式液体容器は、それぞれポンプヘッドを前記両サイド寄りの位置に設けたことによって、ポンプヘッドの間隔が最大限に広がるので、ポンプヘッドの押し間違いを防止できると共に、使い易くなるという優れた効果を奏する。
【0011】
更に、外容器に収納されたポンプ式液体容器の底部は、前記外容器の内側に形成された保持手段で保持されていることによって、容器本体に加わる力が保持手段によって分散されるので安定的に保持できると共に、容器本体の破損等を防止できるという優れた効果を奏する。
【0012】
更にまた、外容器は、開閉自在に形成されており、且つ外容器に収納されるポンプ式液体容器は、出し入れ自在であることによって、容器本体の洗浄や液体の詰め替え作業が容易に行えるという優れた効果を奏する。
【0013】
また、外容器の側部には、前記ポンプ式液体容器の液体残量を確認するための確認孔が形成されていることによって、特に容器本体が透明性を有するように形成されている場合は、液体の残量を容易に確認できるので便利であるという優れた効果を奏する。
【0014】
そして、外容器の底部には、排出口が形成されていることによって、外容器と容器本体との間に侵入した液体等を排出口から排出できるので、衛生的であるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、図1は、複数ポンプ式液体容器11の斜視図であり、図2は、内部を表した状態の斜視図である。この複数ポンプ式液体容器11は、ポンプ式液体容器12と、このポンプ式液体容器12を複数本収納して一体に保持する外容器13とから構成される。
【0016】
ポンプ式液体容器12は、図3に示すように、容器本体14と、この容器本体14に設けられるポンプ15とからなる。
【0017】
容器本体14は、プラスチック等の合成樹脂材で所要形状に形成されると共に、上部に口部14aが形成されている。また、容器本体14は、望ましくは透明性を有するように形成されことがよい。つまり、容器本体14に収納される液体の残量が視認できる程度の透明性があれば、残量確認が容易にできて便利だからである。
【0018】
また、容器本体14の底部16は、所謂漏斗状に形成されており、底部16の最下部16aにシャンプー等の液体が集中して溜まるようになっている。
【0019】
ポンプ15は、ポンプヘッド17と、このポンプヘッド17に設けられるノズル18と、容器本体14の口部14aに取り付けるリング状のネジ式キャップ19と、容器本体14の内部に垂下するチューブ20とを有しており、このチューブ20の下端部20aが容器本体14の最下部16a近傍に位置するようになっている。
【0020】
このように構成されるポンプ15は、使用時にポンプヘッド17を所定ストローク押し下げることにより、容器本体14内のシャンプー等をチューブ20で吸い上げて、ノズル18から排出する仕組みになっている。従って、チューブ20の下端部20aが容器本体14の最下部16a近傍に位置することによって、シャンプー等をほぼ残らず吸引できることとなる。
【0021】
外容器13内に、隣接して収納されるポンプ式液体容器12の互いのポンプヘッド17、17の設置位置は、図2に示すように、少なくともポンプヘッド17の押し下げストロークL1以上の高さの違いを有するように構成されている。このように、ポンプヘッド17、17の設置位置に高さの違いを設けたことにより、一方のポンプヘッド17を手で押すときに、誤って他方のポンプヘッド17も一緒に押してしまうというミスを防止できることとなる。
【0022】
また、それぞれのポンプヘッド17、17には、形状の異なる印21、21が形成されている。このように、印21、21をそれぞれ異ならせることによって、ポンプヘッド17を手のひらで触れれば収納されている液体の種類が判別できるので、洗髪時にポンプヘッドの押し間違いを防止できる。
【0023】
外容器13の両サイド13aに収納されるポンプ式液体容器12は、図1及び図2に示すように、ポンプヘッド17を両サイド13a寄りの位置に設けている。つまり、ポンプヘッド17aを容器本体14の端部に寄せることによって(図3参照)、ポンプヘッド17、17の間隔L2を最大限に広げることができるので(図1参照)、ポンプヘッド17、17の押し間違いを防止できると共に、使い易くなる。
【0024】
外容器13は、プラスチック等の合成樹脂材で形成されると共に、複数本、例えば3本のポンプ式液体容器12を一体に覆って保持する所要の形状に形成されている。
【0025】
また、外容器13は、図4に示すように、側部及び上部に設けた切れ目22及び折れ目23を介して開閉自在に形成されると共に、複数本のポンプ式液体容器12を出し入れ自在に収納している。従って、任意のポンプ式液体容器12を取り出して洗浄やシャンプー等の詰め替え作業を容易に行える。
【0026】
閉状態にした外容器13は、図5に示すように、ネジ式キャップ19近傍において、ネジ式のリング32でロックできるように構成されている。また、リング32は、それぞれのポンプ式液体容器12によって色を異ならせることにより、リングの色で収納されている液体の種類が判別できるようにしてもよい。
【0027】
なお、外容器13の開閉状態は、図6に示すように、側部、上部及び底部に設けた切れ目28及び折れ目29を介して横方向に開閉自在に形成してもよい(図6矢印参照)。あるいは、図7に示すように、側部の周方向に設けた切れ目30から外容器13の一部を取外し可能に形成してもよい(図7矢印参照)。図7中の符号31は、外容器13の一部を取り外すときにノズルが18が引っ掛らないようにするための切欠部を示す。
【0028】
また、外容器13の内側における底部近傍には、図2及び図9に示すように、突部24(保持手段)が複数箇所に設けられており、容器本体14の底部16が突部24で保持されるようになっている。従って、容器本体14に加わる力が突部24によって分散されるので安定的に保持できると共に、容器本体の破損等を防止できる。
【0029】
外容器13の側部には、図8に示すように、ポンプ式液体容器12の液体残量を確認するための確認孔25が形成されている。従って、容器本体13が透明性を有する場合には、液体の残量を容易に確認できるので便利である。
【0030】
外容器13の底部26には、図2及び図9に示すように、排出口27が形成されている。この排出口によって、外容器13と容器本体14との間に侵入した液体等を排出口27から排出できるので衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る複数ポンプ式液体容器11の斜視図である。
【図2】同複数ポンプ式液体容器11の内部を表した状態の斜視図である。
【図3】ポンプ式液体容器12の断面図である。
【図4】外容器13の開状態を説明する、複数ポンプ式液体容器11の斜視図である。
【図5】リング32を分離した状態で、且つ複数ポンプ式液体容器11の内部を表した状態の斜視図である。
【図6】外容器13の他の実施例の開状態を説明する、複数ポンプ式液体容器11の内部を表した状態の斜視図である。
【図7】外容器13の他の実施例の開状態を説明する、複数ポンプ式液体容器11の内部を表した状態の斜視図である。
【図8】本発明に係る複数ポンプ式液体容器11の背面側を示し、内部を表した状態の斜視図である。
【図9】同複数ポンプ式液体容器11の要部の断面図である。
【符号の説明】
【0032】
11 複数ポンプ式液体容器
12 ポンプ式液体容器
13 外容器
13aサイド
14 容器本体
14a口部
15 ポンプ
16 底部
16a最下部
17 ポンプヘッド
18 ノズル
19 ネジ式キャップ
20 チューブ
20a下端部
21 印
22 切れ目
23 折れ目
24 突部(保持手段)
25 確認孔
26 底部
27 排出口
28 切れ目
29 折れ目
30 切れ目
31 切欠部
32 リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の上部に設けられたポンプヘッドを所定ストローク押し下げて内部の液体をノズルから排出するポンプ式液体容器と、該ポンプ式液体容器を複数本収納して一体に保持する外容器とからなる複数ポンプ式液体容器であって、
隣接して収納されるポンプ式液体容器の互いのポンプヘッドは、少なくともポンプヘッドの押し下げストローク以上の高さの違いをもって配設したことを特徴とする複数ポンプ式液体容器。
【請求項2】
それぞれのポンプヘッドには、形状の異なる印を形成したことを特徴とする請求項1に記載の複数ポンプ式液体容器。
【請求項3】
外容器の両サイドに収納されるポンプ式液体容器は、それぞれポンプヘッドを前記両サイド寄りの位置に設けたことを特徴とする請求項1に記載の複数ポンプ式液体容器。
【請求項4】
外容器に収納されたポンプ式液体容器の底部は、前記外容器の内側に形成された保持手段で保持されていることを特徴とする請求項1に記載の複数ポンプ式液体容器。
【請求項5】
外容器は、開閉自在に形成されており、且つ外容器に収納されるポンプ式液体容器は、出し入れ自在であることを特徴とする請求項1に記載の複数ポンプ式液体容器。
【請求項6】
外容器の側部には、前記ポンプ式液体容器の液体残量を確認するための確認孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の複数ポンプ式液体容器。
【請求項7】
外容器の底部には、排出口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の複数ポンプ式液体容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−27699(P2006−27699A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211472(P2004−211472)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(504276635)
【Fターム(参考)】