説明

複数投与の流体源を有する流体送達システム

【課題】流体送達システムを提供すること。
【解決手段】流体送達システム(400A)は、概して流体源または他の流体送達構成要素が複数の流体目標(318)に対して再使用されることを可能にすることに関し、少なくとも1つの滅菌帯(316)および少なくとも1つの流体目標(318)と流体的に相互に接続可能である少なくとも1つの流体源(314)を含む。この滅菌帯(316)は、流体目標(318)からの逆流によって流体送達システム(400A)に入る汚染物を無力にするように試みる1つもしくはそれ以上の滅菌システムを含み得る。1つのそのような滅菌システム(500A〜D)は、容器(502a〜d)と、使用と使用の間に容器(502a〜d)を滅菌するフラッシュシステム(520)とを含む。別の滅菌システム(600)は、汚染物を撲滅する能力のあるエネルギ源(602)の出力に露出される流れ経路(604)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本特許出願は、35 U.S.C.§119(e)のもとで、名称が「FLUID DELIVERY SYSTEM WITH MULTI−DOSE FLUID SOURCE」であり、2007年11月19日に出願された、係属中の米国仮特許出願第60/988,858号に対する優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して流体送達システムに関し、より詳細には、複数投与の流体源を用いることに適応した流体送達システムに1つもしくはそれ以上の滅菌帯を組み込むことに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
医療造影剤は比較的高価な製品である。工場充填済の注射器またはバイアルは、個々の造影剤投与量を使用する場所まで移動させるために用いられ得る。この場合、注入処置後に(例えば、患者間の相違、撮像条件間の相違、またはその両方に基づき)一定量の造影剤が残ることが普通である。残りの造影剤はすべて、典型的には廃棄物として処分される。少なくとも、複数の注入処置用に造影剤を供給するために用いられ得る造影剤の大量保管容器を利用することが提案されてきた。造影剤は非経口薬でありがちであり、そして患者に流体接続されたとき汚染が流体送達システム内に伝えられ得るので、複数の患者のための複数投与の造影剤供給源を用いるときに滅菌が関心事となり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(概要)
本発明は、概して流体の送達に関係する滅菌機能を提供することに関する。本発明の第1および第2の局面は、概してエネルギ源出力を利用する滅菌機能を提供することに関する。本発明の第3および第4の局面は、概して、流体源と流体目標との間のどこかにおいて中間チャンバまたは中間容器を利用する滅菌機能を提供することに関する。本発明の第5および第6の局面は、流体に露出される表面を「ぬぐう動作(wiping action)」または類似のことを利用する滅菌機能に関し、表面は患者に送達され得る流体に露出され、ぬぐう動作は滅菌要素または滅菌媒体によって提供される。これらの様々な局面の各々はここで、より詳細に検討される。
【0005】
本発明の第1の局面は、流体貯槽と、インゼクタと、エネルギ源とを有する流体送達システムによって実施される。第1の流れ経路は、流体源から流体目標に延びる。インゼクタは、第1の流れ経路と少なくとも流体的に相互に接続可能である。第1の流れ経路の少なくとも一部は、エネルギ源からの出力に露出される。この露出は、第1の流れ経路を通過する流体の汚染レベルを少なくとも低減するために利用され得る(例えば、汚染物が流体目標から流体貯槽および/またはインゼクタに戻るように移動する可能性を減少させるために)。
【0006】
本発明の第1の局面に関係して示される特徴の様々な改良が存在する。さらなる特徴もまた同様に、本発明の第1の局面に組み込まれ得る。これらの改良および追加の特徴は、個々にまたは任意の組み合わせで存在し得る。以下の論議そして本発明の第2の局面の導入まではこの第1の局面に関する。
【0007】
第1の流れ経路は、例えば少なくとも1つの導管の形態かまたはそうでなければ少なくとも1つの導管によって画定される形態などの任意の適切な方法で画定され得る。各導管は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプ(例えば、医療チューブ)であり得る。一実施形態において、第1の流れ経路は、任意の適切な方法で取り外し可能に相互に接続される第1の導管部と第2の導管部とを含み、第1の導管部は第2の導管部から流体目標に延び、第1の導管部は使い捨て用品の形態であり、第2の導管部は複数の流体送達処置のために再使用可能である(例えば、多数の流体目標を有する使用のために)。第1の導管部の少なくとも一部は、エネルギ源の出力に露出され得る。
【0008】
エネルギ源は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであり得る。一実施形態は、ヒータの形態であるエネルギ源を有する。別の実施形態は、1つもしくはそれ以上の波長で放射線を放出する放射源の形態であるエネルギ源を有する。第1の導管部の少なくとも約5インチまたは13センチメートルをエネルギ源からの出力に露出させることは、流体送達システムを通って流体貯槽および/またはインゼクタに戻るように移動することが可能な、流体目標からの汚染物の可能性をさらに減少させ得る。
【0009】
本発明の第2の局面は、流体を送達する方法によって実施される。流体経路は、流体貯槽から第1の流体目標に延びる。流体は流体貯槽に貯蔵され、この流体の少なくとも一部は、流体貯槽から排出(discharge)されるかまたは放出(release)される。流体貯槽から排出された流体の第1の投与量は、上記の流れ経路を介して第1の流体目標に送達される。流れ経路の少なくとも一部は、エネルギ源出力に露出される(例えば、第1の流体目標から流体貯槽に戻るように移動する汚染物の可能性を減少させ得る)。
【0010】
本発明の第2の局面に関係して示される特徴の様々な改良が存在する。さらなる特徴もまた同様に、本発明の第2の局面に組み込まれ得る。これらの改良および追加の特徴は、個々にまたは任意の組み合わせで存在し得る。以下の論議そして本発明の第3の局面の導入まではこの第2の局面に関する。エネルギ源からの出力は、任意の適切なタイプまたは複数のタイプの組み合わせであり得る。エネルギ源出力であって、その出力に対して流れ経路の少なくとも一部が露出される、エネルギ源出力は、放射線(例えば、ガンマ放射線)の形態であり得る。任意の適切な波長または複数の波長の組み合わせの放射線が、利用され得る(例えば、紫外線、赤外線)。エネルギ源出力として熱もまた利用され得、この熱は任意の適切な方法で生成され得る。一実施形態は、流れ経路の露出された部分内において少なくとも約104°Fまたは40℃まで流体を加熱することを伴う。
【0011】
エネルギ源出力に露出される流れ経路の長さは、露出帯を通って進み流体貯槽に到達することが可能な汚染物の可能性をさらに減少させるように選択され得る。一実施形態において、エネルギ源出力に露出されるべき流れ経路の長さと共に、エネルギ源出力(例えば、投与量または投与速度)の1つもしくはそれ以上の局面は、流れ経路のこの露出された部分を全部通って進むことが可能な汚染物の可能性を実質的に減少させるように選択され得る。一実施形態において、エネルギ源出力に露出される流れ経路の長さは、少なくとも約5インチまたは13センチメートルである。
【0012】
エネルギ源出力に流れ経路の少なくとも一部を露出することに関連する利益のうちの1つは、流体貯槽が複数の流体目標および/または複数の流体送達処置のために使用可能であるように十分な量の流体を含み得ることである。一実施形態において、第1の流体目標は、流体貯槽から切断される(例えば、物理的かつ/または流体的に)。流体貯槽内の流体の少なくとも一部は、流体貯槽から排出されるかまたは放出される。第2の流体目標は、流体貯槽に接続される。流体貯槽から排出された流体の第2の投与量は、第2の流体目標に送達される。第2の流体目標への流体の第2の投与量のこの送達に関係して、任意の適切なシーケンスが利用され得る。例えば、第2の投与のための流体は、第1の流体目標が流体貯槽から切断された(例えば、物理的かつ/または流体的に)後に、流体貯槽から排出または放出され得る。第2の流体目標は、第1の流体目標が流体貯槽から切断された後に、流体貯槽に接続され得る。
【0013】
本発明の第3の局面は、流体貯槽と、第1の容器と、インゼクタと、フラッシュシステムとを有する流体送達システムによって実施され、ここでインゼクタはフラッシュシステムの一部ではない。第1の容器は流体容器と流体的に相互に接続され得、インゼクタは流体貯槽および第1の容器のうちの少なくとも1つに流体的に相互に接続され得、フラッシュシステムは第1の容器に流体的に相互に接続され得る。インゼクタは導管を通る流体目標への流れを向けるように動作され得る。
【0014】
本発明の第3の局面に関係して示される特徴の様々な改良が存在する。さらなる特徴もまた同様に、本発明の第3の局面に組み込まれ得る。これらの改良および追加の特徴は、個々にまたは任意の組み合わせで存在し得る。以下の論議そして本発明の第4の局面の導入まではこの第3の局面に関する。フラッシュシステムは、フラッシュ源およびフラッシュレセプタクルの形態であり得、その各々は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであり得る。例えば、フラッシュレセプタクルは、任意の適切な形態の単一のフラッシュ媒体または2つもしくはそれ以上のフラッシュ媒体の組み合わせを利用し得、ここで各フラッシュ媒体は、任意の適切な機能または複数の機能(例えば、滅菌)の組み合わせを提供し得る。代表的なフラッシュ媒体は、アルコールと、蒸気と、ETO(エチレンオキシド)と、滅菌流体と、水と、空気と、不活性ガスまたは複数の不活性ガスの組み合わせと、漂白剤と、過酸化水素水と、酸素と、これらの任意の組み合わせとを含むが、これらに限定されない。フラッシュレセプタクルは、任意の適切な容器(container)、貯蔵容器(storage vessel)もしくは類似のもの、または単に配水管もしくは類似のものの形態であり得る。
【0015】
流体貯槽は、任意の適切な方法で選択可能に、第1の容器に流体的に相互に接続されそして第1の容器から流体的に隔離され得る。第1の容器は、任意の適切な方法で選択可能に、第1のフラッシュ源に流体的に相互に接続されそして第1のフラッシュ源から流体的に隔離され得る。流体目標は、任意の適切な方法で選択可能に、第1の容器に流体的に相互に接続されそして第1の容器から流体的に隔離され得る。フラッシュレセプタクルは、任意の適切な方法で選択可能に、第1の容器に流体的に相互に接続されそして第1の容器から流体的に隔離され得る。例えば、1つもしくはそれ以上の弁(例えば、逆止め弁、絞り弁、ゲート弁、電磁弁)、流れ制御デバイス、または類似のものが、上記対の構造間の流体連絡の所望の「状態」に関係して利用され得る。
【0016】
第1の容器の中にかつ第1の容器からフラッシュ媒体を向けるために(例えば、滅菌機能を提供するために)、多数の構成が存在する。別の言い方をすると、フラッシュシステムは、様々な方法で流体送達システムに一体化され得る。フラッシュシステムの代表的な一体化がここで検討される。
【0017】
第1の実施形態において、第1の容器は、第1の入口ポートと第1の出口ポートとを含み、流体貯槽およびフラッシュ源の各々は、第1の入口ポートに流体的に相互に接続され得、流体目標およびフラッシュレセプタクルの各々は、第1の出口ポートに流体的に相互に接続され得る。流体貯槽およびフラッシュ源の両方とも、第1の入口ポートを介して第1の容器と物理的に相互に接続されたままであり得、それでもなお第1の容器から流体的に隔離されるかまたは第1の容器に流体的に接続され得る(例えば、1つもしくはそれ以上の弁、流れ制御デバイス、または類似のものによって)。第1の入口ポートはまた、流体貯槽から物理的に切断され、フラッシュ源に物理的に接続され得、これらの構造をそれぞれ流体的に隔離し、流体的に相互に接続し得、逆もまた同様である。同様に、流体目標およびフラッシュレセプタクルの両方とも、第1の出口ポートを通って第1の容器と物理的に相互に接続されたままであり得、それでもなお第1の容器から流体的に隔離されるかまたは第1の容器に流体的に接続され得る(例えば、1つもしくはそれ以上の弁、流れ制御デバイス、または類似のものによって)。第1の出口ポートはまた、流体貯槽から物理的に切断され、フラッシュレセプタクルに物理的に接続され得、これらの構造をそれぞれ流体的に隔離し、流体的に相互に接続し得、逆もまた同様である。流体貯槽、流体目標、フラッシュ源、およびフラッシュレセプタクルの各々は、任意の適切な方法で第1の容器と流体的に相互に接続され、第1の容器から流体的に隔離され得る。いずれの場合においても、少なくとも1つのフラッシュ媒体は、フラッシュ源から第1の入口ポートを通って第1の容器の中に向けられ得、一方、流体貯槽および流体目標は各々、第1の容器から流体的に隔離される。フラッシュ媒体は、第1の出口ポートを通って第1の容器から出て、フラッシュレセプタクルの中に向けられ得、一方、流体貯槽および流体目標は各々、第1の容器から流体的に隔離される。
【0018】
第2の実施形態において、第1の容器は、第1の出口ポートと共に、第1の入口ポートと第2の入口ポートとを含む。第1の入口ポートは流体貯槽に流体的に相互に接続可能であり、一方、第2の入口ポートはフラッシュ源に流体的に相互に接続可能である。流体目標およびフラッシュレセプタクルの両方は、第1の出口ポートと流体的に相互に接続され得る。流体目標およびフラッシュレセプタクルは、第1の出口ポートを通って第1の容器と物理的に相互に接続されたままであり得、それでもなお第1の容器から流体的に隔離されるかまたは第1の容器に流体的に接続され得る(例えば、1つもしくはそれ以上の弁、流れ制御デバイス、または類似のものによって)。第1の出口ポートはまた、流体貯槽から物理的に切断され、フラッシュレセプタクルに物理的に接続され得、これらの構造をそれぞれ流体的に隔離し、流体的に相互に接続し得、逆もまた同様である。流体貯槽、流体目標、フラッシュ源、およびフラッシュレセプタクルの各々は、任意の適切な方法で第1の容器と流体的に相互に接続され、第1の容器から流体的に隔離され得る。いずれの場合においても、少なくとも1つのフラッシュ媒体は、フラッシュ源から第1の入口ポートを通って第1の容器の中に向けられ得、一方、流体貯槽および流体目標は各々、第1の容器から流体的に隔離される。フラッシュ媒体は、第1の出口ポートを通って第1の容器から出て、フラッシュレセプタクルの中に向けられ得、一方、流体貯槽および流体目標は各々、第1の容器から流体的に隔離される。
【0019】
第3の実施形態において、第1の容器は、第1の出口ポートおよび第2の出口ポートの外に、第1の入口ポートと第2の入口ポートとを含む。第1の入口ポートは流体貯槽に流体的に相互に接続され得、一方、第2の入口ポートはフラッシュ源に流体的に相互に接続され得る。第1の出口ポートは流体目標に流体的に相互に接続され得、一方、第2の出口ポートはフラッシュ源に流体的に相互に接続され得る。第2の入口ポートおよび第2の出口ポートは、フラッシュポートとして特徴づけられ得る。流体貯槽、流体目標、フラッシュ源、およびフラッシュレセプタクルの各々は、任意の適切な方法で第1の容器と流体的に相互に接続され、第1の容器から流体的に隔離され得る。いずれの場合においても、少なくとも1つのフラッシュ媒体は、フラッシュ源から第2の入口ポートを通って第1の容器の中に向けられ得、一方、流体貯槽および流体目標は各々、第1の容器から流体的に隔離される。フラッシュ媒体は、第2の出口ポートを通って第1の容器から出て、フラッシュレセプタクルの中に向けられ得、一方、流体貯槽および流体目標は各々、第1の容器から流体的に隔離される。
【0020】
第4の実施形態において、第1の容器は、第1の入口ポートと、第1の出口ポートと、フラッシュポートとを含み、流体貯槽は第1の入口ポートに流体的に相互に接続され得、流体目標は第1の出口ポートと流体的に相互にされ得、フラッシュ源およびフラッシュレセプタクルの各々は、フラッシュポートと流体的に相互に接続され得る。流体貯槽、流体目標、フラッシュ源、およびフラッシュレセプタクルの各々は、任意の適切な方法で第1の容器と流体的に相互に接続され、第1の容器から流体的に隔離され得る。いずれの場合においても、少なくとも1つのフラッシュ媒体は、フラッシュ源からフラッシュポートを通って第1の容器の中に向けられ得、一方、流体貯槽および流体目標は各々、第1の容器から流体的に隔離される。フラッシュ媒体は、第1のフラッシュポートを通って第1の容器から出て、フラッシュレセプタクルの中に向けられ得、一方、流体貯槽および流体目標は各々、第1の容器から流体的に隔離される。
【0021】
任意の適切な機能および複数の機能の組み合わせは、第1の容器の洗い流しによって提供され得る。第1の容器の任意の適切な数の洗い流しが行われ得る。一実施形態において、第1の容器が滅菌された後に、清浄な水および/または空気/不活性ガスは、第1の容器を洗い流すために用いられ得る。第1の容器は、適切な滅菌媒体を用いて第1の容器を洗い流すこと、エネルギ源(例えば、熱、γ放射線、紫外光、赤外光、およびこれらの任意の組み合わせ)の出力に第1の容器を露出すること、またはこの両方によるなどの任意の適切な方法で滅菌され得る。第2の例において、第1の容器は、その内部表面が物理的に接触されることなく滅菌され得る。
【0022】
本発明の第4の局面は、流体を送達する方法によって実施される。第1の流体量は、流体貯槽から第1の容器に向けられる。第1の投与量は第1の流体目標に送達され、該第1の投与量は該第1の流体量の少なくとも一部である。第1の投与量が回収されるかまたは第1の容器から排出された後に、第1の容器に残る任意の最初の第1の流体量の少なくとも一部は、第1の容器から除去され得る(例えば、第1の容器を「排出させる(drain)」試みがなされ得る)。第2の流体量は、流体貯槽から第1の容器の中に向けられる。第2の投与量は第2の流体目標に送達され、ここで第2の投与量は第2の流体量の少なくとも一部である。従って、第4の局面は、複数の流体目標への流体の連続的送達を包含する。
【0023】
本発明の第4の局面に関係して示される特徴の様々な改良が存在する。さらなる特徴もまた同様に、本発明の第4の局面に組み込まれ得る。これらの改良および追加の特徴は、個々にまたは任意の組み合わせで存在し得る。以下の論議そして本発明の第5の局面の導入まではこの第4の局面に関する。第2の流体量における第1の流体量は、同じ量かまたは異なる量であり得る。第1の投与量および第2の投与量は、同じ量かまたは異なる量であり得る。第1の投与量は、第1の流体量の全部であることを含む第1の流体量の任意の部分であり得る。第2の投与量は、第2の流体量の全部であることを含む第2の流体量の任意の部分であり得る。
【0024】
第1の容器内の第1の流体量の任意の残りは、第1の投与量が第1の容器から除去された後に第1の容器内にあり得る残りであるが、任意の適切な方法で第1の容器から除去され得る。この残りの少なくとも一部は、第1の容器から回収され流体貯槽の中に戻るように向けられ得る。第1の容器は、第1の流体目標と流体的に相互に接続可能である出口ポートを含み得、第1の流体目標は、残りの少なくとも一部が、第1の流体目標に進むことなくこの出口ポートを通って第1の容器から排出され得るように、この出口ポートから切断されるかまたは少なくとも流体的に隔離され得る。第1の容器は、第1の容器を少なくとも部分的に排出させるために利用され得る別個のブリード(bleed)ポート(例えば、第2の出口ポート)と共に、第1の流体目標と流体的に相互に接続可能である出口ポートを含み得る。第1の流体量の任意の残りを除去するために、適切な流体が第1の容器を通って向けられ得る。第1の容器を「排出させる」ことを試みるために、前述のことの任意の適切な組み合わせが利用され得る。
【0025】
第1の流体量の任意のどの残りの少なくとも一部が除去されるかまたは第1の容器から排出された後に(例えば、第3の局面に従って)、第1の容器は任意の適切な方法で洗い流され得る。第1の容器のどの洗い流しも、第3の局面に関係して上記に論議された方法で任意の適切な機能または複数の機能の組み合わせを提供し得る。第1の容器のどの洗い流しも、第3の局面に関係して上記に論議された方法で任意の適切な機能または複数の機能の組み合わせを提供し得る(例えば、第1の容器の洗い流しおよび/または第1の容器のエネルギ源出力への露出)。
【0026】
フラッシュ媒体は、第1の容器を介して向けられ得、この場合、第1の容器は、このフラッシュ媒体のいずれをも流体貯槽または第1の流体目標のどれにも前進させることなく、第1の流体目標において流体貯槽の各々に物理的に相互に接続されたままである。流体貯槽および第1の流体目標の各々は、第1の容器から流体的に隔離され得、その後、フラッシュ媒体は、第1の容器の中に導入されるか、または第1の容器から排出され得る。第1の実施形態において、流体貯槽は第1の容器の入口ポートから流体的に隔離され、第1の流体目標は第1の容器の出口ポートから流体的に隔離され、その後フラッシュ媒体は、入口ポートを通って第1の容器の中に導入され、出口ポートを通って第1の容器から排出される。第2の実施形態において、流体貯槽は第1の容器の第1の入口ポートから流体的に隔離され、第1の流体目標は第1の容器の出口ポートから流体的に隔離され、その後フラッシュ媒体は、第2の入口ポートを通って第1の容器の中に導入され、出口ポートを通って第1の容器から排出される。第3の実施形態において、流体貯槽は第1の容器の入口ポートから流体的に隔離され、第1の流体目標は第1の容器の出口ポートから流体的に隔離され、その後フラッシュ媒体は、第1のフラッシュポートを通って第1の容器の中に導入され、第2のフラッシュポートを通って第1の容器から排出される。第4の実施形態において、流体貯槽は第1の容器の入口ポートから流体的に隔離され、第1の流体目標は第1の容器の出口ポートから流体的に隔離され、その後フラッシュ媒体は、共通のフラッシュポートを通って、第1の容器の中に導入され、第1の容器から排出される。
【0027】
本発明の第5の局面は、流れ制御デバイスとして特徴づけられ得るものによって実施される。この流れ制御デバイスは、ハウジングとプランジャとを含む。プランジャの少なくとも一部は、ハウジング内に可動に配置される。第1および第2のシールは、プランジャに取り付けられかつプランジャに沿って間隔を空けて置かれ、さらにハウジングの内部表面と係合する。第1の滅菌物質は、第1のシールと第2のシールとの間に含まれる。
【0028】
本発明の第5の局面に関係して示される特徴の様々な改良が存在する。さらなる特徴もまた同様に、本発明の第5の局面に組み込まれ得る。これらの改良および追加の特徴は、個々にまたは任意の組み合わせで存在し得る。以下の論議そして本発明の第6の局面の導入まではこの第5の局面に関する。流れ制御デバイスは、流体貯槽を含む流体送達システムによって組み込まれ得る。この流体貯槽からの流体は、流れ制御デバイスに向けられ得る。流れ制御デバイスからの排出または出力は、流体目標に向けられ得る。一実施形態において流れ制御デバイスは、流体貯槽からの流体の流れに関して「通過」タイプである。
【0029】
第1および第2のシールは、多くの適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであり得る。一実施形態において、第1のシールおよび第2のシールは、Oリングの形態である。第1のシールと第2のシールとの間の適切なスペーシングが利用され得る。第1のシールおよび第2のシールは、ハウジングに対してプランジャと共に動き得る。そのようなものとして、第1のシールと第2のシールとの間に保持される第1の滅菌物質は、同様にハウジングに対してプランジャと共に動き得る。ハウジングの内部表面に沿って第1の滅菌物質を動かすことは、内部表面の係合された部分を「ぬぐい」、汚染に対処し得る。
【0030】
第1の滅菌物質は、ハウジングの内部表面と係合し得る。フレーズ「ハウジングの内部表面と係合すること」または類似のフレーズは、内部表面の任意の部分と係合することを包含し、内部表面の全体と係合することを含む。第1の滅菌物質は、内部表面の任意の部分と係合することを包含し、内部表面の全体と係合することを含む。第1の滅菌物質は、任意の適切なタイプおよび/または形態であり得る。第1の滅菌物質は、滅菌液、固体、または滅菌液がしみ込まされるかまたは滅菌液を含む他の担体の形態であり得る。滅菌液は、スポンジ、布、多孔性材料、親水性材料、およびこれらの任意の組み合わせによって組み込まれるかまたはこれらのものと一体化され得る。
【0031】
流れ制御デバイスは、注射器の形態であり得る。この場合、ハウジングは注射器バレルの形態であり得、プランジャの少なくとも一部は注射器バレル内に配置され得る。プランジャは、注射器バレルの端部を越えて延び得、手動であり得る。別のオプションは、注射器がパワーインゼクタと共に使用するように適合され、パワーインゼクタの駆動装置は、任意の適切な方法でプランジャに相互に接続され、注射器バレルに対してプランジャを動かし得る(例えば、注射器バレルから流体排出を提供する)。
【0032】
流れ制御デバイスは、プランジャと係合する少なくとも1つの付勢部材を含み得る。任意のそのような付勢部材は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであり得る。任意の適切な数の付勢部材が利用され得る。一実施形態において、プランジャは、流れ制御デバイスの開放位置(例えば、「開放」位置は、流れ制御デバイスを介して流れることを可能にする位置)から離れ、そして流れ制御デバイスの閉鎖位置(例えば、「閉鎖」位置は、流れ制御デバイスを介して流れることを可能にしない位置)の方に付勢される。例えば、プランジャは、流れ制御デバイスから出る流れに適応しない位置に付勢され得る。
【0033】
第3のシールおよび第4のシールは、プランジャに、かつプランジャに沿って間隔を空けて取り付けられ得る。第3のシールおよび第4のシールはハウジングの内部表面と係合し得、第2の滅菌物質は第3のシールと第4のシールとの間に含まれ得る。第1の滅菌物質に関係して上記に論議された特徴は、第2の滅菌物質に同様に適用可能である。第1の滅菌物質および第2の滅菌物質は同じであり得るが、必ずしもその必要はない。第3のシールおよび第4のシールは、ハウジングに対してプランジャと共に動き得る。そのようなものとして、第3のシールと第4のシールとの間に保持される第2の滅菌物質は、同様にハウジングに対してプランジャと共に動き得る。ハウジングの内部表面に沿って第2の滅菌物質を動かすことは、内部表面の係合された部分を「ぬぐい」、汚染に対処し得る。
【0034】
第1のシールおよび第2のシールは第1のシールペアを画定し得、一方、上記の第3のシールおよび第4のシールは第2のシールペアを画定し得る。第1のシールペアおよび第2のシールペアは、プランジャに沿って任意の適切な距離の間隔を空けて置かれ得る。一実施形態において、流れ制御デバイスから出る流れのない位置にプランジャがある場合、第1のシールペアは、少なくとも概して、流れ制御デバイスの方かまたは流れ制御デバイスへの入口に配置され得、第2のシールペアは、少なくとも概して、流れ制御デバイスの方かまたは流れ制御デバイスの出口に配置され得る。
【0035】
ハウジングは、選択的に流体連絡し得る、第1の流れ通路および第2の流れ通路を含み得る。一実施形態において、第1の流れ通路および第2の流れ通路は、プランジャが第1の位置(例えば、流れ制御デバイスから出る流れのない、流れ制御デバイスの閉鎖位置)にあるとき、流体的に互いに隔離され得る。一実施形態において、第1の通路および第2の通路は、プランジャが第2の位置(例えば、流れ制御デバイスから出る流れがある、流れ制御デバイスの開放位置)にあるとき、流体的に連絡し得る。
【0036】
第5のシールは上記の第1のシールペアと第2のシールペアとの間にある位置においてプランジャに取り付けられ得、この第5のシールはハウジングの内部表面と係合可能である。第5のシールと第1のシールペアおよび第2のシールペアとの間の任意の適切なスペーシングは利用され得る。この第5のシールは、プランジャが第1の位置(例えば、流れ制御デバイスから出る流れのない、流れ制御デバイスの閉鎖位置)にあるとき、上記の第1の流れ通路と第2の流れ通路との間の流体連絡をふさぎ得る。プランジャを第2の位置に動かすことは、第1の流れ通路と第2の流れ通路との間の流体連絡を確立し得る(例えば、流れ制御デバイスから出る流れがある、流れ制御デバイスの開放位置)。すなわち、プランジャを第2の位置に動かすことは、第5のシールが第1の流れ通路と第2の流れ通路との間にもはや配置されていなく第1の流れ通路と第2の流れ通路と間の流体連絡を確立するように、第5のシールを動かし得る。
【0037】
流れ制御デバイスは、分離可能かまたは取り外し可能にハウジングと係合されるキャップを含み得る。このキャップは、取り外され得、流れ制御デバイスが流体目標と流体的に相互に接続可能であるコネクタなどの別の構造に流体的に相互に接続されることを可能にし得る。このコネクタは、チューブセットまたは流れ制御デバイスから流体目標(例えば、患者)に延びる類似のものの一部であり得る。
【0038】
上記のコネクタは、ねじ切りの係合によるなど任意の適切な方法で分離可能かまたは取り外し可能にハウジングに相互に接続され得る。コネクタは、第3の流れ通路を含み得る。流れ制御デバイスとコネクタを相互に接続することは、コネクタの第3の流れ通路と流れ制御デバイスの上記の第1の流れ通路および第2の流れ通路を流体的に相互に接続し得る。一実施形態において、コネクタは、任意の適切な構成の第1の部材(例えば、この種の第2の固定されたプランジャ)を含む。第3の流れ通路は、側壁から第1の部材の内部部分に延び得る。第6のシールおよび第7のシールは、第3の流れ通路がこれらの第6のシールと第7のシールとの間の位置において第1の部材の側壁と交差するような位置において、第1の部材に、かつ第1の部材に沿って間隔を空けて取り付けられ得る。
【0039】
上記コネクタは、任意の適切なカバーまたはキャップ(ピールオフストリップ(peel−off strip)または類似のもの)を利用し得る。このカバーまたはキャップは、コネクタが流れ制御デバイスと相互に接続されているとき取り外され得る。コネクタの第1の部材は流れ制御デバイスの内部の中に向けられ得、その結果、上記の第6のシールおよび第7のシールはハウジングの内部表面と係合する。ハウジングに対してコネクタを前進させることは、コネクタの第1の部材をプランジャと係合させ得、その結果、プランジャは、「閉鎖位置」から「開放位置」に動かされ、該「開放位置」において、流れは、流れ制御デバイスを通ってコネクタの中に、次いで流体目標に進む(例えば、コネクタが取り付けられているチューブを経由して)。例えば、流れ制御デバイスにコネクタを取り付けることは、流れ制御デバイスの上記の第1の流れ通路と第2の流れ通路との間の流体の連絡を確立し得、また、コネクタの第3の流れ通路と流れ制御デバイスの第1の流れ通路および第2の流れ通路との間の流体の連絡を確立し得る。
【0040】
本発明の第6の局面は、流体を送達する方法によって実施される。流体は流れ制御デバイスに提供され得、この流れ制御デバイスは、導管の少なくとも一部を画定する内部表面を有するハウジングを含む。滅菌要素は、内部表面の少なくとも一部に沿って動かされ得る。流体は、流れ制御デバイスから排出され得る。流れ制御デバイスから排出される少なくとも一部の流体は、滅菌要素によって接触された導管の一部分を通って流れる。
【0041】
本発明の第6の局面に関係して示される特徴の様々な改良が存在する。さらなる特徴もまた同様に、本発明の第6の局面に組み込まれ得る。これらの改良および追加の特徴は、個々にまたは任意の組み合わせで存在し得る。以下の論議は、別に示されない限り、第6の局面に関する。流体は、任意の適切な方法で流れ制御デバイスに提供され得る。一実施形態において、流れ制御デバイスは注射器の形態であり、流体は、任意の適切な方法でこの注射に充填され得る。一実施形態において、流体は、流れ制御デバイスと流体貯槽を流体的に相互に接続することによって、流れ制御デバイスに提供される。この流体貯槽は、例えば複数の流体目標のために複数の流体投与量を含み得る。第1の流体投与量は、流体貯槽から回収され、流れ制御デバイスの中に充填され、かつ/または流れ制御デバイスを通過させられ得、流れ制御デバイスから(例えば、第1の流体目標に)排出させられ得る。第2の流体投与量は、第1の流体投与量が流れ制御デバイスから排出された後に、流体貯槽から回収され、流れ制御デバイスの中に充填され、かつ/または流れ制御デバイスを通過させられ得、流れ制御デバイスから(例えば、第2の流体目標に)排出させられ得る。第1および第2の投与量の必ずしも全部がどの一時においても流れ制御デバイス内に含まれる必要がないことは理解されるべきである。
【0042】
滅菌要素は、導管内に配置されるプランジャに取り付けられ得る。プランジャは、任意の適切な方法で導管内に動かされ得、該導管は同様に、導管の内部表面に沿って滅菌要素を動かし得る。滅菌要素は、少なくとも概して、第1の位置と第2の位置との間で可動であることとして特徴づけられ得、流れ制御デバイスは、流れ制御デバイスを通って延び、少なくとも上記の導管を含む流れ経路を有することとして特徴づけられ得る。流れ制御デバイスを通る流れ経路の少なくとも一部は、第1の位置にある滅菌要素によってふさがれ得、流れ制御デバイスを通る流れ経路は、滅菌要素が第2の位置にある場合、開放であり得る。一実施形態において、流れ制御デバイスの少なくとも一部は、流れ経路の少なくとも一部がふさがれる位置に付勢される。
【0043】
第1の流体目標は、流れ制御デバイスに流体的に相互に接続され得る。第1の滅菌要素の動きは、第1の流体目標と流れ制御デバイスとの間の流体の相互接続の確立に応答するかまたは該相互接続の確立によって引き起こされ得る。流体が流れ制御デバイスを通って第1の流体目標に提供された後に、第1の流体目標は流れ制御デバイスから切断され得る。この切断は、滅菌要素が導管に対して動くようにさせる。滅菌要素は、流れ制御デバイスからの流体出力を終結させることに関連する位置に動き得る。いずれの場合においても、そして流れ制御デバイスからの第1の流体目標の切断に続いて、第2の流体目標は、流れ制御デバイスに流体的に相互に接続され得る。流れ制御デバイスと第2の流体目標を流体的に相互に接続することは、導管に対して滅菌要素を再び動かし得る。一旦、第2の流体目標と流れ制御デバイスとの間に十分な相互接続が存在すると、流体は、流れ制御デバイスから出て、第2の流体目標の方に向けられ得る。一実施形態において、流れ制御デバイスから第1の流体目標および第2の流体目標の各々に提供される流体は、共通の流体貯槽から受容される。
【0044】
目標側部コネクタは、流れ制御デバイスと連結され得、目標側部コネクタは、流体目標と流体的に相互に接続可能であり得る。目標側部コネクタの開放端部は、流れ制御デバイスと係合される前に密閉され(sealed)得る。流れ制御デバイスの開放端部は、目標側部コネクタと係合される前に密閉され得る。これらのシールの各々は、目標側部コネクタと流れ制御デバイスとが連結されるように除去され得る。目標側部コネクタと流れ制御デバイスとを連結することは、流れ制御デバイスに関連する導管に対して滅菌要素を動かし得る。
【0045】
本発明の上記の第1〜第6の局面の各々に関係して示される特徴の様々な改良が存在する。さらなる特徴もまた同様に、本発明の上記の第1〜第6の局面の各々に組み込まれ得る。これらの改良および追加の特徴は、第1〜第6の局面の各々に関係して個々にまたは任意の所望の組み合わせで存在し得る。すなわち、論議される以下の特長の各々は、別に指定されない限り、任意の他の特徴または複数の特徴の組み合わせと共に用いられることを必要としない。
【0046】
利用される任意の流体貯槽は、任意のサイズ、形状、構成、および/またはタイプであり得る。複数の流体貯槽も同様に利用され得る。造影剤、放射性医薬品、食塩水、およびこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な流体は、利用される任意の流体貯槽内に貯蔵され得る。一実施形態において、複数の流体投与量は、流体貯槽に貯蔵される。「投与量(dose)」は、複数の流体目標の各々に送達されるように意図される所定の流体量の形態であり得る。各投与量は、同じ流体量であり得るか、または同じ流体量ではない場合がある。
【0047】
任意の流体目標は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであり得る。一実施形態は、患者の形態である流体目標を有する。別の実施形態は、動物の形態である流体目標を有する。いずれの場合においても、流体は、任意の適切な方法で流体目標に送達され得る。例えば、流体は、特定の流体目標の中に注入され得る。流体はまた、特定の流体目標に局部的に送達され得る。
【0048】
インゼクタは、流体目標への流体の流れを作るために用いられ得、このインゼクタは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであり得る。一実施形態は、手動ユニットの形態であるインゼクタを有する(例えば、手動操作可能な注射器)。別の実施形態は、パワーインゼクタの形態であるインゼクタ(例えば、パワーヘッドに相互に接続可能であり、パワーヘッドの動作によって駆動される注射器)を有する。複数のインゼクタもまた、利用され得、任意の適切な配置に置かれ得る。
【0049】
任意のパワーインゼクタは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであり得る。任意のそのようなパワーインゼクタは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプの1つもしくはそれ以上の注射器プランジャドライバを利用し得、そのような注射器プランジャドライバの各々は、少なくとも二方向の動きが可能である(例えば、流体を排出するための第1の方向の動き、後の流体排出動作のために流体の充填を行うかまたは後の流体排出動作のための位置に戻るための第2の方向の動き)。パワーインゼクタは任意の適切な用途に用いられ得、該任意の適切な用途において、任意の適切な医療用途(例えば、コンピュータ断層撮影法またはCT撮影法、磁気共鳴映像またはMRI、SPECT撮影法、PET撮影法、X線撮影法、血管撮影法、光学撮影法、超音波撮影法)を含むがこれらに限定されない任意の適切な方法で(例えば、患者などの流体目標の中への注入による)、1つもしくはそれ以上の流体の送達が望まれる。パワーインゼクタは、適切な撮影システム(例えば、CTスキャナ)などの任意の構成要素または複数の構成要素の組み合わせと結合して用いられ得る。例えば、情報(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)は、パワーインゼクタと1つもしくはそれ以上の他の構成要素との間に伝えられ得る。任意の適切な数の注射器は任意の適切な方法(例えば、分離可能に、前部装填、後部装填、側部装填)でパワーインゼクタに一体化され得、任意の適切な流体はパワーインゼクタの所与の注射器から排出され得、そして任意の適切な流体は任意の適切な方法で(例えば、順次に、同時に)複数の注射器パワーインゼクタ構成から排出され得、またはこれらの組み合わせである。一実施形態において、パワーインゼクタの動作によって注射器から排出される流体は導管に向けられ、この導管は、任意の適切な方法で注射器と流体的に相互に接続され、所望の場所に流体を向ける(例えば、注入のために患者に)。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
流体貯槽と、
該流体貯槽から流体目標に延びる第1の流れ経路と、
該第1の流れ経路と流体的に相互に接続されるインゼクタと、
エネルギ源であって、該第1の流れ経路の少なくとも一部は該エネルギ源の出力に露出される、エネルギ源と
を備えている、流体送達システム。
(項目2)
上記流体貯槽は、造影剤を含む、項目1に記載の流体送達システム。
(項目3)
上記流体貯槽は、複数の流体送達処置に適応させるためにある量の流体を備えている、項目1〜2のうちのいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目4)
上記第1の流れ経路は、少なくとも1つの導管を備えている、項目1〜3のうちのいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目5)
上記第1の流れ経路は、取り外し可能に相互に接続される、第1の導管部および第2の導管部を備え、該第1の導管部は、該第2の導管部から流体目標に延び、使い捨てであり、該第2の導管部は、複数の流体送達処置のために再使用可能である、項目1〜4のうちのいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目6)
上記第1の導管部の少なくとも一部は、上記エネルギ源の上記出力に露出される、項目5に記載の流体送達システム。
(項目7)
上記インゼクタは、パワーインゼクタを備えている、項目1〜6のうちのいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目8)
上記インゼクタは、手動注射器を備えている、項目1〜6のうちのいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目9)
上記エネルギ源は、少なくとも1つのヒータを備えている、項目1〜8のうちのいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目10)
上記エネルギ源は、放射線源を備えている、項目1〜8のうちのいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目11)
上記第1の流れ経路の少なくとも約13センチメールは、上記エネルギ源からの上記出力に露出される、項目1〜10のうちのいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目12)
流体貯槽に貯蔵されている流体を送達する方法であって、
該流体貯槽から該流体の少なくとも一部を排出するステップと、
第1の流体目標に第1の流体投与量を送達するステップであって、該排出ステップからの該流体は該第1の流体投与量を含む、ステップと、
流れ経路の少なくとも一部分をエネルギ源出力に露出するステップであって、該流れ経路は該流体貯槽から該第1の流体目標に延びる、ステップと
を包含する、方法。
(項目13)
上記流体貯槽は造影剤を含み、それにより、該第1の投与量は造影剤を含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
上記送達ステップは、パワーインゼクタを用いることを包含する、項目12〜13のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
上記送達ステップは、注射器を手動で操作することを包含する、項目12〜13のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
上記露出するステップは、上記流れ経路の上記少なくとも一部分を加熱することを包含する、項目12〜15のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
上記露出するステップは、上記流れ経路の上記少なくとも一部分を少なくとも約40℃の温度まで加熱することを包含する、項目12〜15のいずれか1項に記載の方法。
(項目18)
上記露出するステップは、上記流れ経路の上記少なくとも一部分を放射することを包含する、項目12〜15のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
上記露出するステップは、上記第1の投与量を送達する上記ステップ後に実行される、項目12〜18のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
上記第1の流体目標を上記流体貯槽から流体的に隔離するステップと、
上記排出するステップを繰り返すステップと、
第2の流体目標を上記流体貯槽に流体的に接続するステップと、
第2の流体投与量を該第2の流体目標に送達するステップであって、該排出するステップを繰り返すステップからの該流体は、該第2の流体投与量を含む、ステップと
をさらに包含する、項目12〜19のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
流体貯槽と、
該流体貯槽と流体的に相互に接続可能な第1の容器と、
該流体貯槽および該第1の容器のうちの少なくとも1つに流体的に相互に接続可能なインゼクタと、
該第1の容器と流体的に相互に接続可能なフラッシュシステムであって、該インゼクタは該フラッシュシステムの一部ではない、フラッシュシステムと、
該インゼクタから延びる導管であって、該導管を通る流れは流体目標に向けられ得る、導管と
を備えている、流体送達システム。
(項目22)
上記流体貯槽は造影剤を含む、項目21に記載の流体送達システム。
(項目23)
上記流体貯槽は、複数の流体送達処置に適応するある量の流体を含む、項目21〜22のいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目24)
上記インゼクタは、パワーインゼクタを備えている、項目21〜23のうちのいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目25)
上記インゼクタは、手動注射器を備えている、項目21〜23のうちのいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目26)
上記フラッシュシステムは、各々が上記第1の容器と流体的に相互に接続可能であるフラッシュ源とフラッシュレセプタクルとを備えている、項目21〜25のうちのいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目27)
上記第1の容器は、
上記流体貯槽および上記フラッシュ源の各々と流体的に相互に接続可能な第1の入口ポートと、
上記流体目標および上記フラッシュレセプタクルの各々と流体的に相互に接続可能な第1の出口ポートであって、該第1の容器は、該流体貯槽から流体的に隔離され、該第1の入口ポートを通って該フラッシュ源と流体的に相互に接続され得、該第1の容器は、該流体目標から流体的に隔離され、該第1の出口ポートを通って該フラッシュレセプタクルに流体的に接続され得、該フラッシュ源からのフラッシュ媒体は、該流体貯槽および該流体目標の各々がすべて該第1の容器から流体的に隔離されている状態で、該第1の入口ポートを通って該第1の容器の中に向けられ得、該第1の出口ポートを通って該第1の容器から出るように向けられ得る、第1の出口ポートと
を備えている、項目26に記載の流体送達システム。
(項目28)
上記第1の容器は、
上記流体貯槽と流体的に相互に接続可能な第1の入口ポートと、
上記フラッシュ源と流体的に相互に接続可能な第2の入口ポートと、
上記流体目標および上記フラッシュレセプタクルの各々と流体的に相互に接続可能な第1の出口ポートであって、該フラッシュ源からのフラッシュ媒体は、該流体貯槽および該流体目標の各々がすべて該第1の容器から流体的に隔離されている状態で、該第2の入口ポートを通って該第1の容器の中に向けられ得、該第1の容器から該第1の出口ポートを通って該フラッシュレセプタクルに向けられ得る、第1の出口ポートと
を備えている、項目26に記載の流体送達システム。
(項目29)
上記第1の容器は、
上記流体貯槽と流体的に相互に接続可能な第1の入口ポートと、
上記フラッシュ源と流体的に相互に接続可能な第2の入口ポートと、
上記流体目標と流体的に相互に接続可能な第1の出口ポートと、
上記フラッシュレセプタクルと流体的に相互に接続可能な第2の出口ポートであって、該フラッシュ源からのフラッシュ媒体は、該流体貯槽および該流体目標の各々が該第1の容器から流体的に隔離されている間中、該第2の入口ポートを通って該第1の容器の中に向けられ得、該第1の容器から該第2の出口ポートを通って該フラッシュレセプタクルに向けられ得る、第2の出口ポートと
を備えている、項目26に記載の流体送達システム。
(項目30)
上記第1の容器は、
上記流体貯槽と流体的に相互に接続可能な第1の入口ポートと、
上記フラッシュ源および上記フラッシュレセプタクルの各々と流体的に接続可能なフラッシュポートと、
上記流体目標と流体的に相互に接続可能な第1の出口ポートであって、該フラッシュ源からのフラッシュ媒体は、該流体貯槽および該流体目標の各々が該第1の容器から流体的に隔離されている間中、該フラッシュポートを通って該第1の容器の中に向けられ得、該第1の容器から該第フラッシュポートを通って該フラッシュレセプタクルに向けられ得る、第1の出口ポートと
を備えている、項目26に記載の流体送達システム。
(項目31)
上記フラッシュシステムは、アルコールと、水蒸気と、ETOと、水と、空気と、不活性ガスと、複数の不活性ガスの組み合わせと、漂白剤と、過酸化水素水と、酸素と、これらの組み合わせとから成る群から選択される流体を備えている、項目21〜30のうちのいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目32)
エネルギ源をさらに備え、上記第1の容器の少なくとも一部は、該エネルギ源の出力に露出される、項目21〜31のいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目33)
上記エネルギ源は、放射線源を備えている、項目32に記載の流体送達システム。
(項目34)
上記出力は、熱、γ放射線、紫外光、赤外光、およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、項目32に記載の流体送達システム。
(項目35)
滅菌システムをさらに備え、該滅菌システムからの出力は、上記第1の容器内の中身と物理的に接触することなく、該中身と少なくとも動作可能にインタフェースする、項目21〜31のいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目36)
流体貯槽から第1の容器の中に第1の流体量を向けるステップと、
第1の流体目標に第1の投与量を送達するステップであって、該第1の流体量は該第1の投与量を含む、ステップと、
該第1の投与量を送達するステップ後に該第1の容器から該第1の流体量の任意の残りの少なくとも一部分を除去するステップと、
該流体貯槽から該第1の容器の中に第2の流体量を向けるステップと、
第2の流体目標に第2の投与量を送達するステップであって、該第2の流体量は該第2の投与量を含む、ステップと
を包含する、流体を送達する方法。
(項目37)
上記流体貯槽は、造影剤を含み、それにより、上記第1および第2の流体量は各々造影剤を含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
各上記送達するステップは、パワーインゼクタを用いることを包含する、項目36〜37のいずれか1項に記載の方法。
(項目39)
各上記送達するステップは、注射器を手動で操作することを包含する、項目36〜37のいずれか1項に記載の方法。
(項目40)
上記除去するステップは、上記第1の容器内の上記第1の流体量の残りの少なくとも一部分を回収し、上記流体貯槽の中に戻すことを包含する、項目36〜39のいずれか1項に記載の方法。
(項目41)
上記第1の容器は、上記第1の流体目標と流体的に相互に接続可能である出口ポートを備え、上記除去するステップは、該第1の容器の該出口ポートと該第1の流体目標との間の流体接続を切断することを包含する、項目36〜39のいずれか1項に記載の方法。
(項目42)
上記第1の容器は、出口ポートと別個の出血ポートとを備え、該出口ポートは上記第1の流体目標と流体的に相互に接続可能であり、上記除去するステップは該出血ポートを通って該第1の容器から流体を排出することを包含する、項目36〜39のいずれか1項に記載の方法。
(項目43)
上記除去するステップは、上記流体貯槽以外の供給源から上記第1の容器の中に第2の流体を導入することを包含する、項目36〜39のいずれか1項に記載の方法。
(項目44)
上記除去するステップ後に上記第1の容器を洗浄するステップをさらに包含する、項目36〜43のいずれか1項に記載の方法。
(項目45)
上記洗浄するステップは、上記フラッシュ媒体のいずれも上記流体貯槽に進ませることなく、さらに該フラッシュ媒体のいずれも上記第1の流体目標に進ませることなく、上記第1容器が該流体貯槽および該第1の流体目標の各々と物理的に相互に接続可能である状態のままで、フラッシュ媒体を該第1の容器を通過させる、項目44に記載の方法。
(項目46)
上記洗浄するステップは、上記第1の容器から上記流体貯槽を流体的に隔離することと、該第1の容器から上記第1の流体目標を流体的に隔離することと、該第1の容器の中にフラッシュ媒体を導入することと、該第1の容器から該フラッシュ媒体を排出することとを包含し、該フラッシュ媒体を導入するステップおよび該フラッシュ媒体を排出ステップは各々、該流体貯槽が該第1の容器から隔離されていて、該第1の流体目標が該第1の容器から流体的に隔離されている状態で実行される、項目44に記載の方法。
(項目47)
上記洗浄するステップは、上記流体貯槽が上記入口ポートから流体的に隔離されている状態で、上記第1の容器の入口ポートから該流体貯槽を流体的に隔離することと、該第1の容器の出口ポートから該第1の流体目標を流体的に隔離することと、該入口ポートを通って該第1の容器の中にフラッシュ媒体を導入することと、該第1の流体目標が該出口ポートから流体的に隔離されている状態で、該第1の容器から該出口ポートを通って該フラッシュ媒体を排出することとを包含する、項目44に記載の方法。
(項目48)
上記流体貯槽は、上記第1の容器の第1の入口ポートに流体的に相互に接続可能であり、上記第1の流体目標は、該第1の容器の出口ポートに流体的に相互に接続可能であり、上記洗浄するステップは、該流体貯槽が該第1の入口ポートから流体的に隔離されている状態で、該出口ポートから該第1の流体目標を流体的に隔離することと、該第1の容器の第2の入口ポートの中にフラッシュ媒体を導入することと、該第1の流体目標が該出口ポートから流体的に隔離されている状態で、該第1の容器から該出口ポートを通って該フラッシュ媒体を排出することとを包含する、項目44に記載の方法。
(項目49)
上記流体貯槽は、上記第1の容器の入口ポートに流体的に相互に接続可能であり、上記第1の流体目標は、該第1の容器の出口ポートに流体的に相互に接続可能であり、上記洗浄するステップは、該流体貯槽が該入口ポートから流体的に隔離されていて、該第1の流体目標が該出口ポートから流体的に隔離されている状態で、該入口ポートから該流体貯槽を流体的に隔離することと、該出口ポートから該第1の流体目標を流体的に隔離することと、該第1の容器の第1のフラッシュポートの中にフラッシュ媒体を導入することと、該流体貯槽が該入口ポートから流体的に隔離されていて、該第1の流体目標が該出口ポートから流体的に隔離されている状態で、該第1の容器から該第1の容器の第2のフラッシュポートを通って該フラッシュ媒体を排出することとを包含する、項目44に記載の方法。
(項目50)
上記流体貯槽は、上記第1の容器の入口ポートに流体的に相互に接続可能であり、上記第1の流体目標は、該第1の容器の出口ポートに流体的に相互に接続可能であり、上記フラッシュステップは、該流体貯槽が該入口ポートから流体的に隔離されていて、該第1の流体目標が該出口ポートから流体的に隔離されている状態で、該第1の容器の第1のフラッシュ部分の中にフラッシュ媒体を導入することと、該第1の容器から該第1のフラッシュ部分を通って該フラッシュ媒体を排出することとを包含する、項目44に記載の方法。
(項目51)
上記第1の容器の少なくとも一部分をエネルギ源出力に露出するステップをさらに包含する、項目36〜50のいずれか1項に記載の方法。
(項目52)
上記エネルギ源出力は、γ放射線、光、赤外光、およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、項目51に記載の方法。
(項目53)
内部表面を備えているハウジングと、
該ハウジング内に移動可能に配置されるプランジャと、
該プランジャに取り付けられ、該プランジャに沿って間隔を空けて置かれた第1のシールおよび第2のシールであって、該第1のシールおよび第2のシールは該ハウジングの該内部表面と係合する、第1のシールおよび第2のシールと、
該第1のシールと該第2のシールとの間に含まれる第1の滅菌物質と
を備えている、流れ制御デバイス。
(項目54)
上記第1の滅菌物質は、滅菌液、滅菌液がしみ込んだ固体、滅菌ガス、およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、項目53に記載の流れ制御デバイス。
(項目55)
上記固体は、スポンジ、布、多孔性材料、親水性材料、およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、項目54に記載の流れ制御デバイス。
(項目56)
上記ハウジングは、注射器バレルを備えている、項目53〜55のいずれか1項に記載の流れ制御デバイス。
(項目57)
上記プランジャは、上記注射器バレルの端部を超えて延び、該プランジャは手動である、項目56に記載の流れ制御デバイス。
(項目58)
項目53〜56のいずれか1項に記載の上記流れ制御デバイスと駆動装置とを備えているパワーインゼクタであって、該駆動装置は、上記プランジャと相互に接続可能であり、該プランジャを前進させ、上記ハウジングからの流体排出を提供する、パワーインゼクタ。
(項目59)
上記ハウジングと取り外し可能に係合するキャップをさらに備えている、項目53〜55のいずれか1項に記載の流れ制御デバイス。
(項目60)
上記プランジャと係合する付勢部材をさらに備えている、項目53〜55および項目59のいずれか1項に記載の流れ制御デバイス。
(項目61)
上記付勢部材は、上記流れ制御デバイスに対して開放位置から閉鎖位置の方に離れるように上記プランジャを付勢する、項目60に記載の流れ制御デバイス。
(項目62)
上記プランジャに取り付けられ、該プランジャに沿って間隔を空けて置かれた第3のシールおよび第4のシールであって、該第3のシールおよび第4のシールは上記第1のシールおよび第2のシールから間隔を空けて置かれ、該第3のシールおよび該第4のシールは上記ハウジングの内部表面と係合する、第3のシールおよび第4のシールと、
該第3のシールと該第4のシールとの間に含まれる第2の滅菌物質と
をさらに備えている、項目53〜55および項目59〜61のいずれか1項に記載の流れ制御デバイス。
(項目63)
第1のシールのペアは上記第1および第2のシールを備え、第2のシールのペアは上記第3および第4のシールを備え、上記流れ制御デバイスは、該第1のシールのペアと該第2のシールのペアとの間にある上記プランジャに取り付けられ、上記ハウジングの上記内部表面に係合可能である第5のシールをさらに備えている、項目62に記載の流れ制御デバイス。
(項目64)
上記ハウジングは第1の流れ通路と第2の流れ通路とを備え、上記プランジャが第1の位置にあるとき、上記第5のシールは該第1の流れ通路と該第2の流れ通路との間の流体連絡を塞ぎ、該プランジャを第2の位置に動かすことは、該第1の流れ通路と該第2の流れ通路との間の流体連絡を確立する、項目63に記載の流れ制御デバイス。
(項目65)
上記ハウジングは第1の流れ通路と第2の流れ通路とを備え、上記第5のシールは、上記プランジャが第1の位置にあるとき、該第1の流れ通路と該第2の流れ通路との間の位置において該ハウジングの上記内部表面と係合させられ、該プランジャを第2の位置に動かすことは、該第1の流れ通路と第2の流れ通路との間の流体連絡を確立するように、該第5のシールが該第1のシール通路と該第2のシール通路との間にはもはやない位置に該第5のシールを動かす、項目63に記載の流れ制御デバイス。
(項目66)
上記ハウジングは、選択的に流体連絡する第1の流れ通路と第2の流れ通路とを備えている、項目53〜55および項目59〜63のいずれか1項に記載の流れ制御デバイス。
(項目67)
上記ハウジングは、第1の流れ通路と第2の流れ通路とを備え、該第1の流れ通路および該第2の流れ通路は、上記プランジャが第1の位置にあるとき流体的に隔離され、該プランジャを第2の位置に動かすことは、該第1の流れ通路と第2の流れ通路との間の流体連絡を確立する、項目53〜55および項目59〜63のいずれか1項に記載の流れ制御デバイス。
(項目68)
流体目標と、該流体目標と流体的に相互に接続可能なコネクタと、項目64〜67のいずれか1項に記載の流れ制御デバイスとを備えている流体送達システムであって、該コネクタは、上記ハウジングに取り外し可能に相互に接続可能であり、第3の流れ通路を備え、該コネクタを該流れ制御デバイスに相互に接続することは、上記第1の流れ通路と、上記第2の通路と、該第3の流れ通路とを流体的に相互に接続する、流体送達システム。
(項目69)
上記コネクタは、第1の部材をさらに備え、該第1の部材は同様に側壁を備え、上記第3の流れ通路は、該側壁と交差し、該第1の部材内に延びる、項目68に記載の流体送達システム。
(項目70)
上記第1の部材に取り付けられ、該第1の部材に沿って間隔を空けて置かれた第6のシールおよび第7のシールをさらに備え、該第3の流れ通路は該第6のシールと該第7のシールとの間において上記側壁と交差する、項目69に記載の流体送達システム。
(項目71)
上記第1の部材は、上記コネクタを上記流れ制御デバイスに相互に接続し、上記第1、第2、および第3の流れ通路を流体的に相互に接続するとき、該流れ制御デバイスの上記プランジャと係合し、該プランジャを動かす、項目69〜70のいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目72)
上記第6および第7のシールは、上記コネクタを上記流れ制御デバイスに相互に接続し、上記第1、第2、および第3の流れ通路を流体的に相互に接続するとき、該流れ制御デバイスの上記ハウジングの上記内部表面と係合する、項目70〜71のいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目73)
上記コネクタは、ピールオフ保護カバーをさらに備えている、項目68〜72のいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目74)
流体貯槽をさらに備えている、項目68〜73のいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目75)
流体貯槽と、項目53〜57および項目59〜67のいずれか1項に記載の流れ制御デバイスとを備えている、流体送達システム。
(項目76)
上記流体貯槽は、造影剤を備えている、項目74〜75のいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目77)
上記流体貯槽は、複数の注入処置に適応するある量の流体を備えている、項目74〜76のいずれか1項に記載の流体送達システム。
(項目78)
流体を送達する方法であって、
流れ制御デバイスに流体を提供するステップであって、該流れ制御デバイスは、導管を画定する内部表面を有するハウジングを備えている、ステップと、
該内部表面の少なくとも一部に沿って滅菌要素を動かすステップと、
該滅菌要素を動かすステップ後に該導管の少なくとも一部を通って流すことによって、該流れ制御デバイスから該流体の少なくとも一部を排出するステップと
を包含する、方法。
(項目79)
上記流体は、造影剤、放射性医薬品、食塩水、およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、項目78に記載の方法。
(項目80)
上記提供するステップは、注射器に充填することを包含する、項目78〜79のいずれか1項に記載の方法。
(項目81)
上記提供するステップは、上記流れ制御デバイスに流体貯槽を流体的に相互に接続することを包含し、該流体貯槽は、複数の流体投与量を備えている、項目78〜80のいずれか1項に記載の方法。
(項目82)
上記提供するステップは、上記流れ制御デバイスに第1の流体投与量を充填することを包含する、項目78〜81のいずれか1項に記載の方法。
(項目83)
上記滅菌要素を動かすステップは、上記導管内においてプランジャを動かすことを包含し、該滅菌要素は該プランジャに取り付けられる、項目78〜82のいずれか1項に記載の方法。
(項目84)
上記滅菌要素を動かすステップの少なくとも一部は、上記排出ステップの前に実行される、項目78〜83のいずれか1項に記載の方法。
(項目85)
上記滅菌要素を動かすステップの少なくとも一部は、上記排出ステップ中に実行される、項目78〜84のいずれか1項に記載の方法。
法。
(項目86)
上記滅菌要素を動かすステップの少なくとも一部は、上記排出ステップの前に実行され、該滅菌要素を動かすステップの少なくとも一部は、該排出ステップ中に実行される、項目78〜83のいずれか1項に記載の方法。
(項目87)
上記滅菌要素は第1の位置と第2の位置との間で可動であり、上記流れ制御デバイスを通る流れ経路の少なくとも一部は該第1の位置にある該滅菌要素によって塞がれ、該流れ経路は上記導管を備え、該流れ制御デバイスを通る該流れ経路は該滅菌要素が該第2の位置にあるとき開いている、項目78〜86のいずれか1項に記載の方法。
(項目88)
上記滅菌要素を動かすステップは、上記第1の位置から上記第2の位置に上記滅菌要素を動かすことを包含する、項目87に記載の方法。
(項目89)
上記流れ制御デバイスを通る流れ経路の少なくとも一部を塞ぐことに関連する位置に該流れ制御デバイスを付勢するステップをさらに包含し、該流れ経路は上記導管を備えている、項目78〜88のいずれか1項に記載の方法。
(項目90)
上記流れ制御デバイスは手動注射器を備え、上記排出ステップは該手動注射器を操作することを包含する、項目78〜89のいずれか1項に記載の方法。
(項目91)
上記流れ制御デバイスはパワーインゼクタのパワーヘッドに取り付けられたパワーインゼクタ注射器を備え、上記排出するステップは該パワーインゼクタを操作することを包含する、項目78〜89のいずれか1項に記載の方法。
(項目92)
上記排出するステップの前に、上記導管を通る流体の流れに対する障害を除去するステップをさらに包含する、項目78〜91のいずれか1項に記載の方法。
(項目93)
上記流れ制御デバイスに第1の流体目標を流体的に相互に接続するステップをさらに包含し、該滅菌要素を動かすステップは、該流体的に相互に接続するステップに応答する、項目78〜92のいずれか1項に記載の方法。
(項目94)
上記排出するステップ後に上記流れ制御デバイスから上記第1の流体目標を流体的に切断するステップと、
該流体的に切断するステップに応答して、第2の上記滅菌要素を動かすステップを実行するステップと、
該流体的に切断するステップに応答して、該導管を通る任意の流体の流れを終結させるステップと
をさらに包含する、項目93に記載の方法。
(項目95)
上記終結するステップ後に第2の上記提供するステップを実行するステップと、
該終結するステップ後に上記流れ制御デバイスに第2の流体目標を流体的に相互に接続するステップと、
該第2の流体目標を流体的に相互に接続するステップに応答して、第3の上記滅菌要素を動かすステップを実行するステップと、
該第3の該滅菌要素を動かすステップを実行した後に該流れ制御デバイスから該流体の少なくとも一部を排出するステップと
をさらに包含する、項目94に記載の方法。
(項目96)
上記提供するステップの各々は、一般的な流体貯槽から流体を受け入れることを包含する、項目95に記載の方法。
(項目97)
上記排出するステップの前に上記流れ制御デバイスに目標の側面コネクタを結合するステップであって、該目標の側面コネクタは流体目標と流体的に相互に接続可能である、ステップをさらに包含する、項目78〜92のいずれか1項に記載の方法。
(項目98)
上記流体的に相互に接続するステップは、上記流れ制御デバイスに目標の側面コネクタを結合することを包含する、項目93〜96のいずれか1項に記載の方法。
(項目99)
上記方法は、
第1の取り外し可能キャップによって上記目標の側面コネクタの開放端部を密閉するステップと、
上記結合するステップの前に該第1の取り外し可能キャップを取り外すステップと
をさらに包含する、項目97〜98のいずれか1項に記載の方法。
(項目100)
第2の取り外し可能キャップによって上記流れ制御デバイスの開放端部を密閉するステップと、
上記結合するステップの前に該第2の取り外し可能キャップを取り外すステップと
をさらに包含する、項目97〜99のいずれか1項に記載の方法。
(項目101)
上記滅菌要素を動かすステップは、上記結合するステップに応答する、項目97〜100のいずれか1項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、パワーインゼクタの一実施形態の概略図である。
【図2A】図2Aは、ポータブルスタンドマウントのデュアルヘッドパワーインゼクタの一実施形態の斜視図である。
【図2B】図2Bは、図2Aのパワーインゼクタによって用いられるパワーヘッドの、拡大され部分的に分解された斜視図である。
【図2C】図2Cは、図2Aのパワーインゼクタによって用いられる注射器プランジャ駆動アセンブリの一実施形態の概略図である。
【図3A】図3Aは、パワーインゼクタを利用する流体送達システムの一実施形態の斜視図である。
【図3B】図3Bは、手作動注射器を利用する流体送達システムの一実施形態の斜視図である。
【図4A】図4Aは、少なくとも1つの滅菌帯を利用する流体送達システムの一実施形態の概略図である。
【図4B】図4Bは、流体貯槽およびインゼクタの一仕組みと共に、少なくとも1つの滅菌帯を利用する流体送達システムの別の実施形態の概略図である。
【図4C】図4Cは、流体貯槽およびインゼクタの別の仕組みと共に、少なくとも1つの滅菌帯を利用する流体送達システムの別の実施形態の概略図である。
【図5A】図5Aは、中間チャンバを利用し、かつ図4A〜図4Cの流体送達システムに組み込まれ得る滅菌システムの一実施形態の概略図である。
【図5B】図5Bは、中間チャンバを利用し、かつ図4A〜図4Cの流体送達システムに組み込まれ得る滅菌システムの別の実施形態の概略図である。
【図5C】図5Cは、中間チャンバを利用し、かつ図4A〜図4Cの流体送達システムに組み込まれ得る滅菌システムの別の実施形態の概略図である。
【図5D】図5Dは、中間チャンバを利用し、かつ図4A〜図4Cの流体送達システムに組み込まれ得る滅菌システムの別の実施形態の概略図である。
【図6】図6は、エネルギ源を利用し、かつ図4A〜図4Cの流体送達システムに組み込まれ得る滅菌システムの一実施形態の概略図である。
【図7A】図7Aは、自己滅菌流れ制御を利用し、かつ図4A〜図4Cの流体送達システムに組み込まれ得る滅菌システムの一実施形態の概略図である。
【図7B】図7Bは、図7Aの滅菌システムと連結して用いられる患者側コネクタの一実施形態の概略図である。
【図7C】図7Cは、図7Bの患者側コネクタが係合された状態の図7Aの滅菌システムを示す。
【図8】図8は、自己滅菌流れ制御デバイスを利用し、かつ図4A〜図4Cの流体送達システムに組み込まれ得る滅菌システムの別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
(詳細な説明)
図1は、パワーヘッド12を有するパワーインゼクタ10の一実施形態の概略図を提示する。1つもしくはそれ以上のグラフィカルユーザインタフェースまたはGUI 11は、パワーヘッド12に関連づけられ得る。各GUI 11は、1)任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであり得、2)任意の適切な方法でパワーヘッド12と動作可能に相互に接続され得、3)任意の適切な場所に配置され得、4)次の機能のうちの1つまたは任意の組み合わせを提供するように構成され得る。すなわち、パワーインゼクタ10の動作の1つもしくはそれ以上の局面を制御すること、パワーインゼクタ10の動作に関連する1つもしくはそれ以上のパラメータを入力/編集すること、および(例えば、パワーインゼクタ10の動作に関連する)適切な情報を表示すること、または5)上記のことの任意の組み合わせである。任意の適切な数のGUI 11が利用され得る。一実施形態において、パワーインゼクタ10は、GUI 11を含み、該GUI 11は、パワーヘッド12から分離しているがパワーヘッド12と通信するコンソールによって組み込まれる。別の実施形態において、パワーインゼクタ10は、パワーヘッド12の一部であるGUI 11を含む。さらに別の実施形態において、パワーインゼクタ10はパワーヘッド12と通信する分離したコンソール上の1つのGUI 11を利用し、また、パワーヘッド12上にある別のGUI 11を利用する。各GUI 11は同じ機能または複数の機能のセットを提供し得るか、または複数のGUI 11はそれぞれの機能に関係する少なくとも一部の点において異なり得る。
【0052】
注射器28は、このパワーヘッド12に取り付けられ得、パワーインゼクタ10の一部であると考えられ得る。一部の注入処置は、比較的高い圧力が注射器28内に生成されるという結果になり得る。この点に関して、圧力ジャケット26内に注射器28を配置することが望まれ得る。圧力ジャケット26は典型的にはパワーヘッド12に取り付けられ、それに続いて、圧力ジャケット26内に注射器28を配置する。同じ圧力ジャケット26は、典型的にはパワーヘッド12に取り付けられたままである。なぜなら、複数の注入処置のために、様々な注射器28が圧力ジャケット26内に配置され、圧力ジャケット26から取り外されるからである。パワーインゼクタ10が低圧力注入のために構成され/利用される場合、パワーインゼクタ10は圧力ジャケット26を除去し得る。いずれの場合においても、注射器28から排出される流体は導管38の中に向けられ得、導管38は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであり得、任意の適切な方法で注射器28と流体的に相互に接続され得、任意の適切な場所(例えば、患者)に流体を向け得る。
【0053】
パワーヘッド12は注射器プランジャ駆動アセンブリ14を含み、注射器プランジャ駆動アセンブリ14は、注射器28とインタフェースし、注射器28から流体を排出する。この注射器プランジャ駆動アセンブリ14は、駆動出力18(例えば、回転可能な駆動ねじ)を動力で動かす駆動源16(例えば、適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプのモータ、オプションの伝動装置など)を含む。ラム20は、駆動出力18によって適切な経路に沿って(例えば、軸方向に)前進させられ得る。ラム20はカプラ22を含み得、カプラ22は以下に論議される方法で注射器28の対応する部分とインタフェースする。
【0054】
注射器28はプランジャまたはピストン32を含み、プランジャまたはピストン32は、注射器バレル30内に可動に配置される(例えば、両方向に向かう矢印Bと一致する軸に沿った軸方向の往復運動に)。プランジャ32はカプラ34を含み得る。この注射器プランジャカプラ34は、ラムカプラ22と相互に接続し得、注射器プランジャ駆動アセンブリ14が注射器バレル30内に注射器プランジャ32を引き込むことを可能にし得る。注射器プランジャカプラ34はシャフト36aの形態であり得、シャフト36aはヘッドまたはボタン36bと共に注射器プランジャ32の本体から延びる。しかしながら、注射器プランジャカプラ34は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであり得る。
【0055】
注射器プランジャ32の引き込みは、その後の注入または排出のために注射器バレル30の中への流体の充填に適応させるために利用され得るか、その後の注入または排出のために注射器バレル30の中に実際に流体を引き寄せるために利用され得るか、または任意の他の適切な目的のために利用され得る。特定の構成は、注射器プランジャ駆動アセンブリ14が注射器プランジャ32を引き込むことができることを必要としない場合があり、この場合、ラムカプラ22および注射器プランジャ34は必要でない場合がある。ラムカプラ22および注射器プランジャ34が利用されるときでさえ、これらの要素は、ラム20が注射器プランジャ32を前進させ、注射器28から流体を排出するとき、結合され得るか、または結合されない場合がある(例えば、ラム20は注射器プランジャカプラ34または注射器プランジャ32の近位端を単に「プッシュオン」し得る)ようにあり得る。任意の適切な寸法または複数の寸法の組み合わせにおける任意の単一の動作または複数の動作の組み合わせは、ラムカプラ22および注射器プランジャカプラ34を結合状態または結合条件に配置するか、ラムカプラ22および注射器プランジャカプラ34を結合しない状態または結合しない条件に配置するか、またはその両方ために用いられ得る。
【0056】
注射器28は、任意の適切な方法でパワーヘッド12に取り付けられ得る。例えば、注射器28は、パワーヘッド12に直接に取り付けられるように構成され得る。例示される実施形態において、ハウジング24は、パワーヘッド12に適切に取り付けられ、注射器28とパワーヘッド12との間のインタフェースを提供する。このハウジング24は、1つもしくはそれ以上の構成の注射器28が取り付けられ得るアダプタの形態であり得、この場合、注射器28に対する少なくとも1つの構成は、そのようないかなるアダプタも用いることなく、パワーヘッド12に直接に取り付けられ得る。ハウジング24はまた、1つもしくはそれ以上の構成の注射器28が取り付けられ得るフェースプレートの形態であり得る。この場合、注射器28をパワーヘッド12に取り付けるためにフェースプレートが必要であり、注射器28は、フェースプレートなしにパワーヘッド12に取り付けられない場合があり得る。圧力ジャケット26が用いられているとき、圧力ジャケット26は、注射器28に関係して本明細書において論議される様々な方法でパワーヘッド12に取り付けられ得、注射器28は、次いでその後に圧力ジャケット26に取り付けられる。
【0057】
注射器28を取り付けるとき、ハウジング24は、パワーヘッド12に対して固定された位置に取り付けられ得、そして固定された位置のままであり得る。別のオプションは、ハウジング24とパワーヘッド12とを可動に相互に接続し、注射器28を取り付けるように適応することである。例えば、ハウジング24は、両方向に向かう矢印Aを含む平面内を動き得、ラムカプラ22と注射器プランジャカプラ34との間における1つもしくはそれ以上の結合状態または結合条件、および結合しない状態または条件を提供し得る。
【0058】
1つの特定のパワーインゼクタ構成は、図2Aに例示され、参照数字40によって識別され、そして少なくともおおよそ図1のパワーインゼクタ10に従う。パワーインゼクタ40は、ポータブルスタンド48に取り付けられたパワーヘッド50を含む。パワーインゼクタ40のための一対の注射器86a、86bは、パワーヘッド50に取り付けられる。流体は、パワーインゼクタ40の動作中に注射器86a、86bから排出され得る。
【0059】
ポータブルスタンド48は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであり得る。車輪、ローラ、キャスタまたは類似のものが、スタンド48をポータブルにするために利用され得る。パワーヘッド50は、ポータブルスタンド48に対して固定された位置に維持され得る。しかしながら、パワーヘッド50の位置が少なくともある方法でポータブルスタンド48に対して調整可能であることが望まれ得る。例えば、注射器86a、86bのうちの1つもしくはそれ以上の中に流体を充填するとき、ポータブルスタンド48に対して1つの位置にパワーヘッド50を有すること、および注入処置の実行のためにポータブルスタンド48に対して異なる位置にパワーヘッド50を有することが望まれ得る。この点において、パワーヘッド50は、任意の適切な方法でポータブルスタンド48に可動に相互に接続され得る(例えば、パワーヘッド50は少なくとも特定の動作範囲にわたって旋回され得、その後望ましい位置に維持され得るように)。
【0060】
パワーヘッド50が流体を提供する任意の適切な方法で支持され得ることは理解されるべきである。例えば、パワーヘッド50は、ポータブル構造に取り付けられる代わりに、サポートアセンブリと相互に接続され得、該サポートアセンブリは同様に適切な構造(例えば、天井、壁、床)に取り付けられる。パワーヘッド50のための任意のサポートアセンブリは、少なくとも一部の箇所において位置的に調整可能であり得る(例えば、1つもしくはそれ以上の支持部であって、もう一つの他の支持部に対して再配置され得る、支持部を有することによって)か、または固定された位置に維持され得る。さらに、パワーヘッド50は、固定された位置に維持されるか、またはサポートアセンブリに対して調整可能であることのいずれかであるように、任意のそのようなサポートアセンブリに一体化され得る。
【0061】
パワーヘッド50は、グラフィカルユーザインタフェースまたはGUI 52を含む。このGUI 52は、以下の機能のうちの1つまたは以下の機能の任意の組み合わせを提供するように構成され得る。すなわち、パワーインゼクタ40の動作の1つもしくはそれ以上の局面を制御すること、パワーインゼクタ40の動作に関連する1つもしくはそれ以上のパラメータを入力/編集すること、および適切な情報を表示すること(例えば、パワーインゼクタ40の動作に関連する情報)である。パワーインゼクタ40はまた、コンソール42とパワーパック46とを含み得、コンソール42およびパワーパック46は各々、任意の適切な方法で(例えば、1つもしくはそれ以上のケーブルを介して)、パワーヘッド50と通信し得るか、診察室もしくは任意の他の場所においてテーブルに配置され得るかもしくは電子機器ラックに取り付けられ得るか、またはその両方であり得る。パワーパック46は、以下のもののうちの1つもしくはそれ以上を任意の適切な組み合わせで含み得る。すなわち、インゼクタ40用電源、コンソール42とパワーヘッド50との間の通信を提供するインタフェース回路、リモートコンソール、リモートハンドまたはフット制御スイッチなどのリモートユニットにパワーインゼクタ40を接続することを可能にする回路、または他の相手先商標製造会社(OEM)のリモートコントロール接続部(例えば、パワーインゼクタ40の動作が撮像システムのx線露出と同期することを可能にする)、および任意の他の適切な構成要素である。コンソール42は、タッチスクリーンディスプレイ44を含み得、タッチスクリーンディスプレイ44は、同様に以下の機能のうちの1つもしくはそれ以上の機能を任意の適切な組み合わせで提供し得る。すなわち、オペレータがパワーインゼクタ40の動作の1つもしくはそれ以上の局面を遠隔制御することを可能にすること、オペレータがパワーインゼクタ40の動作に関連する1つもしくはそれ以上のパラメータを入力/編集することを可能にすること、オペレータがパワーインゼクタ40の自動化動作のプログラム(これは、後にオペレータによる開始時にパワーインゼクタ40によって自動的に実行され得る)を指定および格納することを可能にすること、およびパワーインゼクタ40に関係し、パワーインゼクタ40の動作の任意の局面を含む任意の適切な情報を表示することである。
【0062】
パワーヘッド50との注射器86a、86bの一体化に関する様々な細部は、図2Bに提示される。注射器86a、86bの各々は、同じ一般的な構成要素を含む。注射器86aは、注射器バレル88a内に可動に配置されるプランジャまたはピストン90aを含む。パワーヘッド50の動作によって軸100a(図2A)に沿ったプランジャ90aの動きは、注射器86aのノズル89aを通って注射器バレル88a内から流体を排出する。適切な導管(図示されていない)は、典型的には、任意の適切な方法でノズル89aに流体的に相互に接続され、所望の場所(例えば、患者)に流体を向ける。同様に、注射器86bは、注射器バレル88b内に可動に配置されるプランジャまたはピストン90bを含む。パワーヘッド50の動作による軸100b(図2A)に沿ったプランジャ90bの動きは、注射器86bのノズル89bを通って注射器バレル88b内から流体を排出する。適切な導管(図示されていない)は、典型的には、任意の適切な方法でノズル89bに流体的に相互に接続され、所望の場所(例えば、患者)に流体を向ける。
【0063】
注射器86aは、中間フェースプレート102aを介してパワーヘッド50と相互に接続される。このフェースプレート102aは、クレードル104を含み、クレードル104は、注射器バレル88aの少なくとも一部を支持し、任意の追加の機能または複数の機能の組み合わせを提供し/それに適応し得る。マウンティング82aは、フェースプレート102aとインタフェースするためにパワーヘッド50に対して固定される。注射器86aのための注射器プランジャ駆動アセンブリ56の各部分であるラム74のラムカプラ76は、パワーヘッド50に取り付けられるとき、フェースプレート102aの近くに位置を決められる。注射器プランジャ駆動アセンブリ56に関する詳細は、図2Cに関係してより詳細に以下に論議される。概して、ラムカプラ76は、注射器86aの注射器プランジャ90aに結合され得、ラムカプラ76およびラム74は次いで、パワーヘッド50に対して動かされ、軸100a(図2A)に沿って注射器プランジャ90aを動かし得る。ラムカプラ76が、注射器プランジャ90aを動かして、注射器86aのノズル89aを通って流体を排出するとき、ラムカプラ76は、注射器プランジャ90aと係合するが、実際には結合しない場合があり得る。
【0064】
フェースプレート102aは、少なくともおよそ、軸100a、100bに直交する平面内において動かされ得(それぞれ、注射器プランジャ90a、90bの動きに関連し、図2Aに例示される)、軸100a、100bの両方とも、パワーヘッド50上のフェースプレート102aのマウンティング82aにフェースプレート102aを取り付け、パワーヘッド50のフェースプレート102aのマウンティング82aからフェースプレート102aを取り外し得る。フェースプレート102aは、パワーヘッド50の注射器プランジャ90aに対応するラムカプラ76に注射器プランジャ90aを結合するために用いられ得る。この点において、フェースプレート102aは、一対のハンドル106aを含む。概して、そして注射器86aがフェースプレート102a内に最初に位置を決められると、ハンドル106aは、少なくともおよそ、軸100a、100bに直交する平面内において注射器86aを動かし/平行移動させるように同様に動かされ得る(それぞれ、注射器プランジャ90a、90bの動きに関連し、図2Aに例示される)。ハンドル106aを1つの位置に動かすことは、少なくともおよそ下方に注射器86aを動かし/平行移動させ(フェースプレート102aに対して)、注射器86aの注射器プランジャ90aを注射器プランジャ90aの対応するラムカプラ76に結合する。ハンドル106aを別の位置に動かすことは、少なくともおよそ上方に注射器86aを動かし/平行移動させ(フェースプレート102aに対して)、注射器86aの注射器プランジャ90aの結合を注射器プランジャ90aの対応するラムカプラ76から外す。
【0065】
注射器86bは、中間フェースプレート102bを介してパワーヘッド50と相互に接続される。マウンティング82bは、フェースプレート102bとインタフェースするためにパワーヘッド50に配置され、パワーヘッド50に対して固定される。注射器86bのための注射器プランジャ駆動アセンブリ56の各部分であるラム74のラムカプラ76は、パワーヘッド50に取り付けられるとき、フェースプレート102bの近くに位置を決められる。注射器プランジャ駆動アセンブリ56に関する詳細は、再び図2Cに関係してより詳細に以下に論議される。概して、ラムカプラ76は、注射器86bの注射器プランジャ90bに結合され得、ラムカプラ76およびラム74は次いで、パワーヘッド50に対して動かされ得、軸100b(図2A)に沿って注射器プランジャ90bを動かし得る。ラムカプラ76が、注射器プランジャ90bを動かし、注射器86bのノズル89bを通って流体を排出するとき、注射器プランジャ90bと係合するが、実際には結合しないようにあり得る。
【0066】
フェースプレート102bは、少なくともおよそ、軸100a、100bに直交する平面内において動かされ得(それぞれ、注射器プランジャ90a、90bの動きに関連し、図2Aに例示される)、軸100a、100bの両方とも、パワーヘッド50のマウンティング82bにフェースプレート102bを取り付け、パワーヘッド50のフェースプレート102bのマウンティング82bからフェースプレート102bを取り外すためのものであり得る。フェースプレート102bはまた、パワーヘッド50の注射器プランジャ90bに対応するラムカプラ76に注射器プランジャ90bを結合するために用いられ得る。この点において、フェースプレート102bは、ハンドル106bを含み得る。注射器86bは、概して、そして注射器86bがフェースプレート102b内に最初に位置を決められると、注射器86bの長軸100b(図2A)に沿ってかつフェースプレート102bに対して回転させられ得る。この回転は、ハンドル106bを動かすことによってか、注射器86bを掴んで、注射器86bを回すことによってか、またはその両方によって、達成され得る。いずれの場合においても、この回転は、少なくともおよそ、軸100a、100bに直交する平面内に注射器86bおよびフェースプレート102bの両方を動かし/平行移動させる(それぞれ、注射器プランジャ90a、90bの動きに関連し、図2Aに例示される)。注射器86bを一方向に動かすことは、少なくともおよそ下方に注射器86bおよびフェースプレート102bを動かし/平行移動させ、注射器プランジャ90bを注射器プランジャ90bの対応するラムカプラ76に結合する。注射器86bを反対の方向に動かすことは、少なくともおよそ上方に注射器86bおよびフェースプレート102bを動かし/平行移動させ、注射器86bの注射器プランジャ90bの結合を注射器プランジャ90bの対応するラムカプラ76から外す。
【0067】
図2Bに例示されるように、注射器プランジャ90bは、プランジャ本体92と注射器プランジャカプラ94とを含む。この注射器プランジャカプラ94はシャフト98を含み、シャフト98はプランジャ本体92から間隔を空けて置かれたヘッド96と共にプランジャ本体92から延びる。ラムカプラ76の各々は、ラムカプラ76のフェース上の小さい方のスロットの後ろに位置を決められる大きい方のスロットを含む。注射器プランジャカプラ94のヘッド96は、ラムカプラ76の大きい方のスロット内に位置を決められ得、注射器プランジャ90bおよび注射器プランジャ90bの対応するラムカプラ76が結合状態または結合条件にあるとき、注射器プランジャカプラ94のシャフト98はラムカプラ76のフェース上の小さい方のスロットを通って延び得る。注射器プランジャ90aは、注射器プランジャカプラ94に対応するラムカプラ76とインタフェースするために類似する注射器プランジャカプラ94を含み得る。
【0068】
パワーヘッド50は、パワーインゼクタ40の場合に注射器86a、86bから流体を排出するために利用される。すなわち、パワーヘッド50は、注射器86a、86bの各々から流体を排出する推進力を提供する。注射器プランジャ駆動アセンブリとして特徴づけられ得るものの一実施形態が、図2Cに例示され、参照数字56によって識別され、そして注射器86a、86bの各々から流体を排出するパワーヘッド50によって利用され得る。別個の注射器プランジャ駆動アセンブリ56は、注射器86a、86bの各々のためにパワーヘッド50の中に組み込まれ得る。この点において、そして図2A〜図2Bに戻り参照すると、パワーヘッド50は、注射器プランジャ駆動アセンブリ56の各々を別々に制御する際に用いられる手動ノブ80aと80bとを含み得る。
【0069】
最初にそして図2Cの注射器プランジャ駆動アセンブリ56に関係して、注射器プランジャ駆動アセンブリ56の個々の構成要素の各々は、任意の適切なサイズ、形状、構成および/またはタイプであり得る。注射器プランジャ駆動アセンブリ56は、出力シャフト60を有するモータ58を含む。駆動ギア62は、モータ58の出力シャフト60に取り付けられ、モータ58の出力シャフト60と共に回転する。駆動ギア62は、被駆動ギア64と係合するか、または少なくとも係合可能である。この被駆動ギア64は、駆動ねじまたはシャフト66に取り付けられ、駆動ねじまたはシャフト66と共に回転する。駆動ねじ66が周りを回転する軸は、参照数字68によって識別される。1つもしくはそれ以上のベアリング72は、駆動ねじ66を適切に支持する。
【0070】
キャリッジまたはラム74は、駆動ねじ66に可動に取り付けられる。概して、一方向の駆動ねじ66の回転は、対応する注射器86a/bの方向に駆動ねじ66に沿って(そしてそれによって軸68に沿って)ラム74を軸方向に前進させ、一方、反対方向の駆動ねじ66の回転は、対応する注射器86a/bから離れるように駆動ねじ66に沿って(そしてそれによって軸68に沿って)ラム74を軸方向に前進させる。この点において、駆動ねじ66の少なくとも一部の周囲は、ラム74の少なくとも一部とインタフェースするらせん状のねじ切り70を含む。ラム74はまた、駆動ねじ66の回転中にラム74が回転しないようにする適切なブッシング78内に可動に取り付けられる。従って、駆動ねじ66の回転は、駆動ねじ66の回転方向によって決定される方向にラム74の軸方向の動きを提供する。
【0071】
ラム74はカプラ76を含み、カプラ76は対応する注射器86a/bの注射器プランジャ90a/bの注射器プランジャカプラ94に分離可能に結合され得る。ラムカプラ76と注射器プランジャカプラ94とが適切に結合されているとき、注射器プランジャ90a/bは、ラム74と共に動く。図2Cは、注射器86a/bがラム74に結合されることなく注射器86a/bの対応する軸100a/bに沿って動かされ得る構成を例示する。注射器プランジャ90a/bのヘッド96がラムカプラ76に整列させられるが、軸68がなおも図2Cのずれた構成であるように、注射器86a/bが注射器86a/bの対応する軸100a/bに沿って移動されるとき、注射器86a/bは、ラム74が沿って動く軸68に直交する平面内において平行移動され得る。このことは、上記の方法でラムカプラ76と注射器プランジャカプラ96との間の結合された係合を確立する。
【0072】
図1および図2A〜図2Cのパワーインゼクタ10、40の各々は、流体が被験体(例えば、患者)の中に注入される医療撮像用途を含むがこれに限定されない任意の適切な用途に用いられ得る。パワーインゼクタ10、40の代表的な医療描写用途は、コンピュータ断層撮影法またはCT撮影法と、磁気共鳴映像またはMRIと、SPECT撮影法と、PET撮影法と、X線撮影法と、血管撮影法と、光学撮影法と、超音波撮影法とを含むがこれらに限定されない。パワーインゼクタ10、40の各々は、単独にまたは1つもしくはそれ以上の他の構成要素と組み合わせて用いられ得る。パワーインゼクタ10、40の各々は、1つもしくはそれ以上の構成要素に動作可能に相互に接続され得、その結果、例えばパワーインゼクタ10、40と1つもしくはそれ以上の他の構成要素との間で情報が伝えられ得る(例えば、走査遅延情報、注入開始信号、注入速度)。
【0073】
シングルヘッド構成(1つの注射器用)とデュアルヘッド構成(2つの注射器用)とを含むがこれらに限定されない任意の数の注射器がパワーインゼクタ10、40の各々によって利用され得る。複数の注射器構成の場合、各パワーインゼクタ10、40は、任意の適切な方法でそして任意のタイミング順序に従って様々な注射器から流体を排出し得る(例えば、2つもしくはそれ以上の注射器からの順次排出、2つもしくはそれ以上の注射器からの同時排出、またはこれらの任意の組み合わせ)。パワーインゼクタ10、40の各々によって利用される各々のそのような注射器は、例えば造影剤、放射性医薬品、または食塩水である任意の適切な流体を含み得る。パワーインゼクタ10、40の各々によって利用される各々のそのような注射器は、任意の適切な方法で取り付けられ得る(例えば、後部充填構成が利用され得るし、前部充填構成が利用され得る)。
【0074】
様々な医療処置および獣医学処置を含むがこれらに限定されない多くの用途は、1つもしくはそれ以上の投与量の流体が被験体もしくは患者、またはより一般的には流体目標に送達されることを必要とする。図3Aは、そのような用途または任意の他の適切な用途に用いられ得る流体送達システム300Aの一実施形態の斜視図を提示する。流体貯槽302は、流体目標318およびインゼクタ306aの両方と流体的に相互に接続可能であり、この場合インゼクタ306aはパワーインゼクタの形態である。流体貯槽302は、単一の流体または異なる複数の流体(例えば、造影剤、放射性医薬品、食塩水、および任意のこれらの組み合わせ)の組み合わせを含む任意の適切な流体を含み得る。流体目標318は、任意の適切な方法の注入によることを含むがこれに限定されない任意の適切な方法で流体貯槽302から流体を受容し得る。パワーインゼクタ306aは、(例えば、図1のパワーインゼクタ10および図2Aのパワーインゼクタ40に関する上記の論議に少なくともおおよそ従う)任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであり得、パワーヘッド310を含む。従って、パワーヘッド310は単一の注射器312を有して描かれているが、インゼクタ306aは(例えば、図2Aのパワーインゼクタ40に従う)デュアルヘッド構成であり得る。
【0075】
流体送達システム300Aは、参照数字307によって識別される、一般的に「チュービングセット(tubing set)」呼ばれるものまたは類似のものを含む。チュービングセット307は、流体貯槽302と、パワーインゼクタ306aと、流体目標318とを流体的に相互に接続する。チュービングセット307は、再使用可能部309として特徴づけられ得るものと、使い捨て部308として特徴づけられ得るものも同様に含む。チュービングセット307は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであり得るか、任意の適切な配置に置かれた任意の適切な導管もしくは複数の導管の組み合せを利用し得るか、任意の適切な方法で、任意の適切な機能もしくは複数の機能を提供する1つもしくはそれ以上の構成要素を組み込み得るか、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。
【0076】
1つもしくはそれ以上の指向性流れ制御デバイス304が、チュービングセット307の全体において任意の適切な場所に組み込まれ得る。例えば、1つもしくはそれ以上の指向性流れ制御デバイス304は、注射器312の充填中か、その後、流体目標318の中への流体の注入中か、またはその両方の最中に流体の流れを制御するために用いられ得る。流体送達システム300Aによって用いられる指向性流れ制御デバイス304の各々は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであり得る。一実施形態において、指向性流れ制御デバイス304は、注入中における流体貯槽302の中への流体の逆流、または注射器312の充填中における流体目標318からの流体の逆流の可能性を減少させるように適応した逆止め弁の形態であり得る。
【0077】
図3Bは、今説明された同じ構成要素の多くを有するが、手動の注射器の形態であるインゼクタ306bを有する流体送達システム300Bの別の実施形態の斜視図である。これらおよび他の実施形態において、流体は、流体貯槽302から取り出されて、次いでチュービングセット307を介して流体目標318に提供される。図3A〜図3Bに描かれる流体貯槽302は別個の構成要素として描かれているが、他の実施形態において、流体貯槽302は、充填済注射器の形態であり得るか、またはそうでなければ任意の適切なタイプのインゼクタ(例えば、インゼクタ306a、注射器306b)に一体化され得る。流体貯槽302は、標準化された量の流体を含み得、該標準化された量は所与の流体目標318によって必要とされる全量より多くあり得る。
【0078】
図3Aおよび図3Bの流体送達システム300Aおよび300Bの各々によって用いられるチュービングセット307は、それぞれ再び、使い捨て部308と再使用可能部309とを含む。概して、1つもしくはそれ以上の滅菌帯はチュービングセット307の全体に分配され得、その結果、チュービングセット307の再使用可能部309は、それぞれの流体送達システム300A、300Bのすべての上流の構成要素と同様に、複数の流体目標318に流体を提供するために用いられ得る(例えば、連続ベースで)。このことは次いで、流体貯槽302が複数の流体投与量を含むことを可能にする。少なくとも1つのそのような滅菌帯を組み込む様々な流体送達システムは、図4A〜図4Cに関係して以下に検討される。これらの滅菌帯において用いられ得る滅菌システムの様々な実施形態は、図5ADおよび図6〜図8に関係して以下に検討される。多くの流体システム構成要素は、図3A〜図3Bの流体送達システム300A、300Bに1つもしくはそれ以上の滅菌帯を組み込むことなく、典型的には、流体目標318ごとのベースで変更され、捨てられる。このことは、例えば、全体のチュービングセット307と、流体貯槽302と、図3Aの注射器312と、図3Bのインゼクタ/注射器306bとを、流体目標318から出る汚染物質に露出され得る他の流体経路構成要素と共に、含み得る。流体貯槽302が、捨てられ、引き続きの流体目標318のために取り替えられるとき、流体貯槽302内の流体はどれも、典型的には廃棄される。少なくとも特定の例において、捨てられた流体は、高価な製品(例えば、造影剤)であり得る。
【0079】
図4Aは、チュービングセット307によって少なくとも1つの滅菌帯316および流体目標318に流体的に相互に接続される流体源314を有する流体送達システム400Aの一実施形態の略図を提示する。流体源314は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであり得る。様々な実施形態において、流体源314は、単独でまたは送達デバイスと組み合せて流体貯槽を含み得、ここで送達デバイスは、流体が流体目標318に到達する前に少なくとも1つの滅菌帯316を通って流体を向け得るインゼクタまたは他の機構を含む。流体貯槽および送達デバイスは、図3A〜図3Bの流体貯槽302およびインゼクタ306a、306bなどの別個の構成要素であり得るか、または単一のユニットに一体化され得る。任意の分離した流体貯槽および送達デバイスは、滅菌帯316および/または流体目標318に対して任意の適切な配置に置かれ得る。様々な実施形態において、流体送達システム400Aは、複数の流体源314、滅菌帯316、および/または流体目標318を含み得る。
【0080】
任意の適切な数の滅菌帯316が、利用され得る。いずれの場合においても、チュービングセット307は、概して流体目標318と少なくとも1つの滅菌帯316(例えば、最も隣接した滅菌帯316)との間に配置される使い捨て部308と、概して流体源314と少なくとも1つの滅菌帯316(例えば、最も隣接した滅菌帯316)との間に配置される再使用可能部309とを有する。各滅菌帯316は少なくとも1つの滅菌システムを含み、該少なくとも1つの滅菌システムは、チュービングセット307を通って逆流し、流体源314に到達する、流体目標318からの汚染物質の可能性を減少させ、従って流体源314が複数の流体目標318のために再使用されることを可能にすることによって廃棄物を減少させる。
【0081】
図4Bは、流体送達システム400Bの別の実施形態を例示し、流体送達システム400Bは、チュービングセット307によって1つもしくはそれ以上の滅菌帯316および1つの流体目標318に流体的に相互に接続される2つの流体源314を有する。チュービングセット307は、少なくとも流体目標318から少なくとも1つの滅菌帯316(例えば、最も隣接した滅菌帯316)に延びる使い捨て部308と、流体源314のうちの少なくとも1つから少なくとも1つの滅菌帯316(例えば、最も隣接した滅菌帯316)に延びる再使用可能部309もまた含む。一実施形態において、2つの流体源314は、それぞれ流体貯槽302とインゼクタ306とを含み、ここでインゼクタ306は、パワーインゼクタ、手動注射器、または上記のように任意の他の適切な送達デバイスの形態であり得る。流体は、流体貯槽302から少なくとも1つの滅菌帯316(例示される実施形態において単一の滅菌帯316)を通ってインゼクタ306に到達する。インゼクタ306は次いで、少なくとも1つの滅菌帯316(例示される実施形態において単一の滅菌帯316)を通り、流体目標318に到達するように流体を向ける。流体送達システム400Bは、複数の滅菌帯316のうちの1つのみを用いることを含む任意の適切な数の滅菌帯316を利用し得る。いずれの場合においても、各滅菌帯316は少なくとも1つの滅菌システムを含み、該少なくとも1つの滅菌システムは、チュービングセット307を通って逆流し、流体貯槽302を含む流体源314に到達する、流体目標318からの汚染物質の可能性を減少させ、従って流体貯槽302が複数の流体目標のために再使用されることを可能にすることによって廃棄物を減少させる。インゼクタ306と流体目標318との間の滅菌帯316を利用する実施形態において、インゼクタ306の構成要素はまた、流体目標318から出る汚染から保護され得る。
【0082】
図4Cは、流体送達システム400Cの別の実施形態を示し、流体送達システム400Cは、チュービングセット307によって複数の流体源314および1つもしくはそれ以上の滅菌帯316に流体的に相互に接続される流体目標318を有し、ここで各滅菌帯316は、上記のように少なくとも1つの滅菌システムを含む。チュービングセット307は再び、少なくとも流体目標318から少なくとも1つの滅菌帯316に延びる使い捨て部308を含む。チュービングセット307はまた、1つもしくはそれ以上の再使用可能部309を有し、ここで再使用可能部309は、複数の流体源314のうちの少なくとも1つから、少なくとも、流体源314と、もしあれば流体目標318との間に配置される滅菌帯316までも延びる。図4Bの流体送達システム400Bにおけるように、複数の流体源314は、それぞれ流体貯槽302とインゼクタ306とを含む。第1の段階において、流体は、流体貯槽302から、オプションで1つもしくはそれ以上の滅菌帯316を通過してインゼクタ306に流れ得る。次の段階において、流体は、インゼクタ306から、オプションで1つもしくはそれ以上の滅菌帯316を通過して流体目標318に流れ得る。例示される実施形態は3つの滅菌帯316を用いるが、流体送達システム400Cは任意の適切な数の滅菌帯を含むように適合され得る(例えば、1つのみまたは2つの滅菌帯316を用いる)。流体送達システム400Cにどの滅菌帯316が含まれるかに従って、1つまたは両方の流体源314が流体目標318から出る汚染から保護され得る。
【0083】
図5A〜図5Dは、上記の図3A〜図3Bおよび図4A〜図4Cの流体送達システム300A〜Bおよび400A〜C、または任意の他の適切な流体送達システムによって用いられ得る滅菌システムの様々な実施形態を例示する。まず図5Aを参照すると、中間チャンバ滅菌システム500Aは、フラッシュ(flush)システム520と容器502aとを含む。フラッシュシステム520は、フラッシュ源508とフラッシュレセプタクル510との両方を含み、フラッシュ源508およびフラッシュレセプタクル510は各々、それぞれ第1の入口ポート504および第1の出口ポート506を介して容器502aに流体的に相互に接続可能である。フラッシュ源508は、アルコールと、水蒸気と、ETOと、滅菌流体と、水と、空気と、不活性ガスと、複数の不活性ガスの組み合わせと、漂白剤と、過酸化水素水と、酸素と、任意の適切な乾燥剤と、これらの任意の組み合わせとを含むが、これらに限定されない任意の適切なフラッシュ媒体を含み得る。フラッシュ源508は、単一のフラッシュ媒体または2つもしくはそれ以上の異なるフラッシュ媒体の組み合わせを利用し得、該媒体は、フラッシュ源508によって任意の適切な方法および任意の適切な順序で送達され得る。各フラッシュ媒体は、任意の適切な機能または複数の機能の組み合わせを提供し得る。複数のフラッシュ媒体は、任意の適切な基準で容器502aを介して向けられ得る。
【0084】
フラッシュ源508は、本明細書において言及された機能を提供する任意の適切な構成で有りあり得る。フラッシュレセプタクル510もまた、例えば、保管容器もしくは廃棄物排水管または類似のものの形態などの任意の構成であり得る。容器502aの第1の入口ポート504および/または第1の出口ポート506は、任意の追加のポートも同様に、例えば、逆止め弁システムを用いて受動的に動作するように配置され得る。代わりに、該ポートは、プッシュポートまたはツイストポートなどの手動の構成要素を利用し得るか、または電磁弁作動システムまたは他の自動システムを用い得る。容器502aのポート504、506は、任意の他の容器ポートも同様に、どの流れ制御機能も組み込む必要はない。代わりに、流れ制御機能は、弁または任意の導管の中に組み込まれた類似のものによって提供され得る。中間チャンバ滅菌システム500Aはまた、1つもしくはそれ以上の流れ調節器を用い、フラッシュ源508、フラッシュレセプタクル510、流体源314、および/または流体目標318に容器502aを流体的に相互に接続し、そしてそれらから容器502aを切断/隔離することを容易にし得る。そのような流れ調節器の各々は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであり得、1つもしくはそれ以上の信号に基づくかまたはこれらの方法の任意の組み合わせを用いて、受動的、自動的に、手動で動作するように設計され得る。
【0085】
滅菌システム500Aの場合における流体送達段階中に、第1の入口ポート504は流体源流れ調節器512aを介して流体源314に流体的に相互に接続され、第1の出口ポート506は流体目標調節器512bを介して流体目標318に流体的に相互に接続される。フラッシュ源流れ調節器512cおよびフラッシュレセプタクル流れ調節器512dは、閉鎖位置のままであり、その結果、フラッシュ源508およびフラッシュレセプタクル510から流体的に切断されるかまたは隔離される。それによって第1の流体量は、流体源314から容器502aの中に向けられ得、その後、第1の流体量の少なくとも一部は、容器502aから流体目標318に向けられ得る。
【0086】
所望の量の流体が流体目標318に送達された後に、流体目標318への流体の流れは、任意の適切な方法で終結させられ得る(例えば、流体目標流れ調節器512bによって)。さらに容器502a内の流体量は、残りの流体の少なくとも一部を流体源314に戻すように流れの方向を逆にすることによって、減少させられ得るか、または容器502aは残りの流体を空にされ得る。この技術を用いる実施形態において、流体目標318からの流体の逆流を防ぐことが必要であり得、このことは、例えば、第1の出口ポート506および/または流体目標流れ調節器512bを閉じ、流体目標318から容器502aを流体的に切断するかまたは隔離することによって、達成され得る。さらにまたは代わりに、容器502aは、流体目標流れ調節器512bを閉じるかまたはそうでなければ流体目標318から容器502aを流体的に切断するかもしくは隔離すること、フラッシュレセプタクル流れ調節器512dを開くこと、および次いで第1の出力ポート506を通ってフラッシュレセプタクル510の中に任意の残りの流体を抜き取ることによって、空にされ得る。別の局面において、1つもしくはそれ以上の流れ調節器は、流体源314および流体目標318から容器502aを流体的に切断するかまたは隔離し、フラッシュ源508およびフラッシュレセプタクル510に容器502aを流体的に接続するように構成され得る。容器502aは次いで、フラッシュ源508から第1の入口ポート504を通って容器502aの中にフラッシュ媒体を向け、容器502aから出て第1の出口ポート506を通って、フラッシュレセプタクル510の中にフラッシュ媒体を向けることによって、洗浄され(flushed)得る。
【0087】
中間チャンバ滅菌システム500Bの別の実施形態は、図5Bに描かれ、図5Aの容器502aのすべての特徴プラス第2の入口ポート514を有する容器502bを含む。フラッシュ源508とフラッシュレセプタクル510とを含むフラッシュシステム520は、容器502bと流体的に接続可能であるが、図5Aに提示される配置とは異なる配置である(そしてそれによって、フラッシュシステム520を識別するために上付き記号「i」が利用される)。フラッシュ源508は、第2の入口ポート514に流体的に相互に接続され、第2の入口ポート514は、1つもしくはそれ以上の流れ調節器を用い、第1の入口ポート504を流体源314およびフラッシュ源508のうちの1つに選択的に相互に接続する必要性を除去し得る。流体が流体目標318に送達されている間、第1の入口ポート504および第1の出口ポート506ならびに流体目標流れ調節器512bは開いており、一方、第2の入口ポート514およびフラッシュレセプタクル流れ調節器512dは閉じたままである。容器502bは次いで、第1の出口ポート506および/または流体目標流れ調節器512bを閉じることによって、流体目標318から流体的に切断されるかまたは隔離され得、その後、容器502b内の残りの流体の少なくとも一部は、上記のように流体源314の中に戻され、空にされ得る。さらにまたは代わりに、容器502bは、第1の出口ポート506およびフラッシュレセプタクル流れ調節器512dを開いた後にかつ流体流れ調節器512bを閉じた後に、フラッシュレセプタクル510の中に移され得る。一旦、第1の出口ポート506を介して容器502bを離れる流れは、流体目標318からフラッシュレセプタクル510に再度向けられ、容器502b内の残りの流体の少なくとも一部が除去されるかどうかまたは何の方法で除去されるかに関わらず、第1の入口ポート504は閉じられ得、第2の入口ポート514は開かれ得る。容器502bは次いで、少なくとも概して図5Aの実施形態に関して論議された方法で、フラッシュ源508から第2の入口ポート514を通って容器502bの中に少なくとも1つのフラッシュ媒体を向けることによって、滅菌され得る。
【0088】
別の実施形態において、中間チャンバ滅菌システム500Cは、図5Cに示されるように、図5Bの容器502bのすべての特徴プラス第2の出口ポート516を有する容器502cを含む。フラッシュ源508とフラッシュレセプタクル510とを含むフラッシュシステム520iiは、容器502cと流体的に接続可能であるが、図5A〜図5Bに提示される配置とは異なる配置である(そしてそれによって、フラッシュシステム520iiを識別するために上付き記号「ii」が利用される)。この構成は、容器502cが外部の流れ調節器の必要なく流体源314および流体目標318かまたはフラッシュ源508およびフラッシュレセプタクル510のいずれかと選択的な流体連絡をすることを可能にする。流体が流体目標318に送達された後に、容器502cは、任意の適切な方法によって、流体目標318から流体的に切断されるかまたは隔離され得る。容器502c内の残りの流体の少なくとも一部は、まず第2の入口ポート514(例えば、フラッシュポート)ならびに第1の出口ポート506および第2の出口ポート516(例えば、第2の出口ポート516はフラッシュポートを呼ばれ得る)を閉じ、第1の入口ポート504を開くことによって、上記のように除去され、流体源314の中に向けられ得る。さらにまたは代わりに、容器502c内の残りの流体の少なくとも一部は、まず第1の入口ポート504および第1の出口ポート506を閉じ、第2の出口ポート516を開いた後に、フラッシュレセプタクルの中に向けられ得る。容器502cは、少なくとも概して図5Aの実施形態に関して上で論議された方法で、第2の入口ポート514をさらに開き、次いでフラッシュ源508から第2の入口ポート514を通って容器502cの中に少なくとも1つのフラッシュ媒体を向け、容器502cから出て第2の出口ポート516を通って、フラッシュレセプタクル510の中に少なくとも1つのフラッシュ媒体を向けることによって、洗浄され得る。
【0089】
図5Dは中間チャンバ滅菌システム500Dの別の実施形態を例示し、中間チャンバ滅菌システム500Dは、第1の入口ポート504を有する容器502dと、第1の出口ポート506と、フラッシュポート518とを含み、ここでフラッシュポート518は、フラッシュ源508およびフラッシュレセプタクル510と選択的に流体連絡する。フラッシュ源508とフラッシュレセプタクル510とを含むフラッシュシステム520iiiは、容器502dと流体的に接続可能であるが、図5A〜図5Cに提示される配置とは異なる配置である(そしてそれによって、フラッシュシステム520iiiを識別するために上付き記号「iii」が利用される)。流体が流体目標318に送達された後に、容器502dは、流体目標318から流体的に切断されるかまたは隔離され得る。容器502d内の残りの流体の少なくとも一部は次いで、フラッシュポート518および第1の出口ポート506を閉じ、次いで第1の入口ポート504を介して流体源314に残りの流体の少なくとも一部を戻すように向けることによって、除去され得る。代わりにまたはさらに、容器502d内の残りの流体の少なくとも一部は、第1の入口ポート504および第1の出口ポート506を閉じ、フラッシュ源流れ調節器512cを閉じ、そしてフラッシュレセプタクル流れ調節器512dを開いた後に、フラッシュポート518を介してフラッシュレセプタクル510の中に向けられ得る。容器502dを洗浄することは、フラッシュ源508からフラッシュポート518を介して容器502dの中に少なくとも1つのフラシュ媒体を向け、次いで容器502dからこのフラッシュ媒体を除去し、同じフラッシュポート518を介して該フラッシュ媒体を出し、フラッシュレセプタクル510に同じフラッシュ媒体を向けることを伴い得る。このプロセス中、流れ調節器512c、512dは、交互に開かれそして閉じられ、フラッシュポート518と、必要に応じてフラッシュ源508またはフラッシュレセプタクル510との間に流体連絡を確立し得る。代わりに、流れ調節器512c、512dは、一定方向性を持ち得、その結果、流れ調節器512c、512dの各々は、図5Dにおいて矢印で示されるように、流体が一方向にのみ流れることを可能にする。
【0090】
図5A〜図5Dの容器502a〜dのためのポートの各々は、流れ制御機能(例えば、弁)を組み込み得るかまたは組み込まない場合がある。図5A〜図5Dの実施形態に関係して言及された様々な構成要素の流体の切断または隔離は、言及された構成要素間の流体連絡を確立し得るように、任意の適切な方法で実現され得る。容器502a〜dの各々を洗い流すことは、一般的なフラッシュ媒体または2つもしくはそれ以上のフラッシュ媒体の組み合わせを用いて1回もしくはそれ以上繰り返され得る。少なくとも1つのフラッシュ動作は、関連する容器502a〜dに対する滅菌機能を提供し得る。例えば、容器502a〜dを滅菌することは、まず容器502a〜dをアルコールで洗浄し、次に容器502a〜dを水で洗浄し、そして最後に容器502a〜dを不活性ガスまたは他の乾燥剤で洗浄することを含み得るが、これに限定されない。
【0091】
1つもしくはそれ以上の中間チャンバ滅菌システム500A〜Dは、上記の流体送達システム400A〜Cの任意の1つもしくはそれ以上の滅菌帯316に位置を決められ得る。従って、前述の論議は、流体源314および流体目標318に容器502a〜dを流体的に相互に接続すること、ならびに流体源314および流体目標318から容器502a〜dを流体的に切断または隔離することに言及したが、それらの接続は間接的であり得ることが理解される。例えば、中間チャンバ滅菌システム500A〜Dが図4Bの流体送達システム400Bの2つの流体源314の間に位置を定められた滅菌帯316において用いられるとき、中間チャンバ滅菌システム500A〜Dは、インゼクタ306に直接に接続され得、流体目標318には間接的にのみ接続され得る。
【0092】
図6は、上記の図3A〜図3Bおよび図4A〜図4Cの流体送達システム300A〜Bおよび400A〜C、または任意の他の適切な流体送達システムによって用いられ得る滅菌システム600の別の実施形態を例示する。滅菌システム600はエネルギ源602と流れ経路604とを含み、ここで、長さLを有する、流れ経路604の少なくとも一部がエネルギ源602の出力に露出され得る。エネルギ源602は、熱、放射線、または他の放射性エネルギの供給源であって、これに限定されない供給源を含み得、該供給源は、例えば、流れ経路604を通過する流体に存在するバクテリアまたは他の汚染物を無力にしかつ/または除去することによって、特定レベルの露出が与えられる流れ経路604における流体の汚染レベルを低減する能力がある(例えば、熱、γ放射線、紫外放射線、赤外光およびこれらの任意の組み合わせ)。汚染レベルを低減することは、特定の露出時間の間、ある温度または放射量に流体を露出することを包含し得、ここで、特定の露出時間は、少なくとも、許容可能程度の確実性で許容可能レベルまで汚染の低減を確実にするほど十分長い。汚染は、汚染が流体を通って拡散するかまたはそうでなければ隣接した物質の要素に広がり得る最大伝播速度をさらに有し得る。長さLに対する最大値は次いで、汚染の最大伝播速度に特定の露出時間を掛けることによって計算され得る。流体目標318の方向から流れ経路604の露出された部分に入る汚染は、流体源314の方向に露出された部分を越えて伝播することを防がれるべきである。滅菌システム600は1つもしくはそれ以上の滅菌帯316において利用され得、その結果、流体源314と流体目標318との間を流れる流体は、流れ経路604を通過し、それによってエネルギ源602の出力に露出される。このように、流体目標318から流体送達システム400A〜Cに入る汚染物は、流体源314に浸透することを防がれるべきである。
【0093】
図7A〜図7Cは、上記の図3A〜図3Bおよび図4A〜図4Cの流体送達システム300A〜Bおよび400A〜C、または任意の他の適切な流体送達システムによって用いられ得る滅菌システムの別の実施形態の概略図(例えば、破断図)を提示する。自己滅菌流れ制御デバイス700は、内部表面705を有するハウジング704内に可動に配置されるプランジャ702を含む。この内部表面705は、流体流れのための導管または流れ経路を画定し得るか、流れ制御デバイス700内の流体とインタフェースし得るか、またはその両方を行い得る。第1のシール706および第2のシール708は、プランジャ702に、かつプランジャ702に沿って間隔を空けて取り付けられ、ハウジング704の内部表面705と係合する。第1の滅菌物質710は、第1のシール706と第2のシール708との間に含まれ、その結果、第1のシール706および第2のシール708を通る汚染物はどれも第1の滅菌物質710と遭遇する。さらに、第3のシール712および第4のシール714は、第1のシール706および第2のシール708からある距離をおいて、プランジャ702に、かつプランジャ702に沿って間隔を空け、取り付けられる。第2の滅菌物質716は、第3のシール712と第4のシール714との間に配置され得る。第1の滅菌物質710および第2の滅菌物質714はまた、ハウジング704の内部表面705と係合し、その結果、ハウジング704内においてプランジャ702を動かすことは、内部表面705の少なくとも一部に沿って滅菌物質710、716をぬぐい、内部表面705上の汚染物を処理する。滅菌物質710、716の各々は、滅菌液、滅菌ゲル、滅菌ガス、およびこれらの任意の組み合わせ、またはスポンジ、布、多孔性物質、親水性物質、および、適切な特性を有する任意の適切な薬剤がしみ込まされたそれらのものの任意の組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。
【0094】
自己滅菌流れ制御デバイス700はまた、第1の流れ通路718と第2の流れ通路720とを有し、ここで、第1の流れ通路718は、流体源314と流体的に相互に接続され得る。第1のシール706および第2のシール708によって画定されるシールペアと第3のシール712および第4のシール714によって画定されるシールペアとの間のプランジャ702に取り付けられる第5のシール728は、図7Aに例示されるように、プランジャ702が閉鎖位置にあるとき、第1の流れ通路718と第2の流れ通路720との間の流体連絡を塞ぐように場所を定められる。従って、第1の流れ通路718に入る流体722は、自己滅菌流れ制御デバイス700が閉鎖位置にある状態で、第5のシール728までのみ流れる。自己滅菌流れ制御デバイス700はまた、プランジャ702とハウジング704の端部壁724との間に係合される付勢部材726を含み、ここで、付勢部材726は、図7Aの閉鎖位置の方にプランジャ702を付勢する。付勢部材726は、図7Aにおいてスプリングとして表されているが、図7の閉鎖位置にプランジャを付勢する任意の適切な方法が(例えば、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプの1つもしくはそれ以上の付勢部材を用いて)自己滅菌流れ制御デバイス700によって利用され得ることは理解されるべきである。
【0095】
図7Aの自己滅菌流れ制御デバイス700はまた、キャップ730を含む。キャップ730は、ハウジング704の端部に取り外し可能に取り付けられる。一実施形態においてキャップ730は、ハウジング704の端部に場所を定められる螺旋状のねじ切り732にねじ込む。しかしながら、キャップ730が任意の適切な方法でハウジング704と取り外し可能にインタフェースし得ることは理解されるべきである。
【0096】
図7Bは、図7Aの自己滅菌流れ制御デバイス700と連結して用いられるための流体目標側面コネクタ740の概略図(例えば、破断図)である。コネクタハウジング742は、第1の部材746を含み、第6のシール748および第7のシール750が第1の部材746に取り付けられる。第3の流れ通路752は、第6のシール748と第7のシール750との間の第1の部材746の側壁747と交差し、第1の部材746を通って延び、その結果、第3の流れ通路752は、流体目標318と流体的に相互に接続され得る。保護カバー744は、コネクタハウジング742の端部に取り外し可能に取り付けられ、ここで、保護カバー744は、ピールオフ(peel−off)カバーまたは任意の適切なカバーとして実装され得る。コネクタハウジング742に保護カバー744を取り外し可能に取り付ける任意の方法が利用され得る。目標側面コネクタ740はまた、コネクタハウジング742の内壁756に場所を定められる螺旋状ねじ切り754を有し、ハウジング704の端部上の螺旋状のねじ切り732とねじ込み可能に係合し得る。しかしながら、自己滅菌流れ制御デバイス700に流体目標側面コネクタ740を結合させるための任意の適切な方法が利用され得る。
【0097】
保護カバー744がコネクタハウジング742から取り外された後に(図7B)、そしてキャップ730が自己滅菌流れ制御デバイス700のハウジング704から取り外された後に(図7A)、流体目標側面コネクタ740は、図7Cに示されるように、自己滅菌流れ制御デバイス700に相互に接続され得る。自己滅菌流れ制御デバイス700に流体目標側面コネクタ740を結合することによって、流体目標側面コネクタ740の第1の部材746は、自己滅菌流れ制御デバイス700のプランジャ702と係合し、図7Aの閉鎖位置から離れるように自己滅菌流れ制御デバイス700のプランジャ702を押し、それによって内部表面705の部分に沿って滅菌物質710、716をぬぐい、流体が流体目標318に送達される前に内部表面705上のどの汚染物をも処理する。一旦流体目標側面コネクタ740が自己滅菌流れ制御デバイス700と完全に係合されると、プランジャ702は、図7Cのプランジャ702の開放位置に配置され、その結果、第5のシール728は、自己滅菌流れ制御デバイス700の第1のフロー通路718と第2のフロー通路720との間の流体連絡をもはや塞がない。さらに、流体目標側面コネクタ740の第3のフロー通路752はこのとき、自己滅菌流れ制御デバイス700の第2の流れ通路720に整列し、その結果、第1の流れ通路718、第2の流れ通路720、および第3の流れ通路752は、連続的流れ経路758を形成する。流体目標側面コネクタ740の第6のシール748および第7のシール750は、自己滅菌流れ制御デバイス700のハウジング704の内部表面705と係合し、流体目標側面コネクタ740の第3の流れ通路752の中に流体を導く。このようにして、流体源314から自己滅菌流れ制御デバイス700に入る流体722は、連続的流れ経路758を通って流体目標318の方に流れ得る。
【0098】
一旦所望の量の流体が流体目標318に送達されると、または所望の量の流体が流体目標318に送達された後に、流体目標側面コネクタ740は自己滅菌流れ制御デバイス700から切断され得る。目標側面コネクタ740を取り外すことによって、付勢部材726が図7Aに例示される閉鎖位置にプランジャ702を戻すように動かすことを可能にする。プランジャ702のこの動作によって、同様に滅菌物質710、716は再びハウジング704の内部表面705の部分に沿ってぬぐわれ、それによって流体目標318に流体を送達した後に、内部表面705に残されたどの汚染物も処理する。
【0099】
図8は、自己滅菌流れ制御デバイス800の別の実施形態の略図(例えば、破断図)であり、自己滅菌流れ制御デバイス800は図7A〜図7Cの自己滅菌流れ制御デバイス700の滅菌原理の少なくとも一部を少なくとも概して利用する。図7A〜図7Cの実施形態および図8の実施形態間の対応する構成要素は、同じ参照数字で識別される。少なくともある点で異なるそれらの対応する構成要素は、「シングルプライム」符号によってさらに識別される。自己滅菌流れ制御デバイス800は、内部表面705’を有するハウジング704’内に可動に配置されるプランジャ702’を含む。第1のシール706および第2のシール708は、プランジャ702’に取り付けられ、プランジャ702’に沿って間隔を空けて置かれ、ハウジング704’の内部表面705’と係合する。滅菌物質710は、第1のシール706と第2のシール708との間に含まれ、その結果、第1のシール706および第2のシール708を通ろうとする汚染物は、どれも滅菌物質710に遭遇する。滅菌物質710はまた、ハウジング704’の内部表面705’と係合し、その結果、ハウジング704’内においてプランジャ702’を動かすことは、内部表面705’の少なくとも一部に沿って滅菌物質710をぬぐい、内部表面705’上の汚染物を処理する。
【0100】
例示された実施形態において、自己滅菌流れ制御デバイス800は概して注射器として構成され、ここで、ハウジング704’は、注射器のバレルを形成し、ノズル760をさらに含む。プランジャ702’は、ハウジング704’の端部を越えて延び得、プランジャ702’を手動で前進させるためのハンドル762を含み得るがこれに限定されない。代わりに、プランジャ702’は、図2B〜図2Cの注射器プランジャカプラ94を含めることによるなど、パワーインゼクタにプランジャ702’を結合する任意の手段を含み得る。自己滅菌流れ制御デバイス800に充填することは、プランジャ702を引き込み、ノズル760を通ってハウジング704’の中に流体を引くか、またはそうでなければ流体が流れ込むことを可能にすることを伴い得、一方、自己滅菌流れ制御デバイス800を排出することは、プランジャ702を前進させ、ノズル760を通って流体を吐き出すことを含む。従って、ハウジング704’の内部表面705’の少なくとも一部分は、プランジャ702’の前進による注入の前および/または後ごとに滅菌処理を受ける。
【0101】
図5A〜図8の滅菌システム500A〜Dおよび600、700、および800の各々またはこれらの任意の組み合わせは、図3A〜図3Bおよび図4A〜図4Cの流体送達システム300A〜Bおよび400A〜Cのそれぞれ、または流体目標318から1つもしくはそれ以上の流体源314への可能性のある戻り汚染を低減するのに適切な任意の他の流体送達システムの中に組み込まれ得る。さらに上記に説明された滅菌システムの要素は、他の実施形態を作るように組み合わされ得、例えば、図6のエネルギ源602は、容器502a〜d内の汚染を低減する追加または代替の方法として、図5A〜図5Dの中間チャンバ滅菌システム500A〜Dの任意の容器502a〜dとインタフェースするように構成され得る。いずれの場合においても、流体は、汚染物が流体源314に浸透する危険が少ない状態で流体目標318に提供され、その結果、流体源314は、次の流体目標318のために再使用され得る。チュービングセット307の再使用可能部309などの、流体目標318から滅菌帯316の反対に位置を定められる他の流体送達構成要素はまた、連続的流体目標318のために再使用される汚染から十分に保護され得る。多くの結果として生じる利点のうちの一部は、包装費の低減と、連続的流体目標318間に交換される部品の減少による処置時間の短縮と、流体廃棄物の減少と、高価な物質または高純度物質のより安全な送達とを含み得る。
【0102】
本発明の前述の説明は、例示および説明の目的のために提示された。さらに、本説明は本明細書に開示された形態に本発明を限定することは意図されない。従って、上記教示と同等の変形および修正ならびに関連技術の技能および知識は、本発明の範囲内である。本明細書において上記に説明された実施形態は、本発明を実施する、既知の最良の方式を説明し、他の当業者がそのようなまたは他の実施形態において、そして本発明の特定の用途または使用法によって必要とされる様々な修正によって、本発明を利用することを可能にすることがさらに意図される。添付の特許請求の範囲が先行技術によって許容される程度まで代替の実施形態を含むように解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体貯槽とインゼクタとを備えている流体供給源と、
該流体供給源と流体的に相互に接続可能な第1の容器と、
該第1の容器と流体的に相互に接続可能なフラッシュシステムであって、該インゼクタは該フラッシュシステムの一部ではない、フラッシュシステムと、
該第1の容器から流体目標に延びる導管であって、第1の構成において、該流体供給源からの流体は、該第1の容器に向けられ、該第1の容器から流体的に隔離されている間には、該流体目標の供給のために、第1の容器から外れるように向けられ、第2の構成において、該フラッシュシステムは、該流体供給源および該流体目標がともに該第1の容器か
ら流体的に隔離される間に、フラッシュ媒体を該第1の容器を通るように向ける、導管と
を備えている、流体送達システム。
【請求項2】
前記流体貯槽は造影剤を含む、請求項1に記載の流体送達システム。
【請求項3】
前記流体貯槽は、複数の流体送達処置に適応するある量の流体を含む、請求項1〜2のいずれか1項に記載の流体送達システム。
【請求項4】
前記インゼクタは、パワーインゼクタを備えている、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の流体送達システム。
【請求項5】
前記インゼクタは、手動注射器を備えている、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の流体送達システム。
【請求項6】
前記フラッシュシステムは、各々が前記第1の容器と流体的に相互に接続可能であるフラッシュ源とフラッシュレセプタクルとを備え、該フラッシュ源は前記フラッシュ媒体を備えている、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の流体送達システム。
【請求項7】
前記第1の容器は、
前記流体貯槽および前記フラッシュ源の各々と流体的に相互に接続可能な第1の入口ポートと、
前記流体目標および前記フラッシュレセプタクルの各々と流体的に相互に接続可能な第1の出口ポートであって、該第1の容器は、該流体貯槽から流体的に隔離され、該第1の入口ポートを通って該フラッシュ源と流体的に相互に接続され得、該第1の容器は、該流体目標から流体的に隔離され、該第1の出口ポートを通って該フラッシュレセプタクルに流体的に接続され得、該フラッシュ源からの該フラッシュ媒体は、該流体貯槽および該流体目標の各々がすべて該第1の容器から流体的に隔離されている状態で、該第1の入口ポートを通って該第1の容器の中に向けられ得、該第1の出口ポートを通って該第1の容器から出るように向けられ得る、第1の出口ポートと
を備えている、請求項6に記載の流体送達システム。
【請求項8】
前記第1の容器は、
前記流体貯槽と流体的に相互に接続可能な第1の入口ポートと、
前記フラッシュ源と流体的に相互に接続可能な第2の入口ポートと、
前記流体目標および前記フラッシュレセプタクルの各々と流体的に相互に接続可能な第1の出口ポートであって、該フラッシュ源からのフラッシュ媒体は、該流体貯槽および該流体目標の各々がすべて該第1の容器から流体的に隔離されている状態で、該第2の入口ポートを通って該第1の容器の中に向けられ得、該第1の容器から該第1の出口ポートを通って該フラッシュレセプタクルに向けられ得る、第1の出口ポートと
を備えている、請求項6に記載の流体送達システム。
【請求項9】
前記第1の容器は、
前記流体貯槽と流体的に相互に接続可能な第1の入口ポートと、
前記フラッシュ源と流体的に相互に接続可能な第2の入口ポートと、
前記流体目標と流体的に相互に接続可能な第1の出口ポートと、
前記フラッシュレセプタクルと流体的に相互に接続可能な第2の出口ポートであって、該フラッシュ源からのフラッシュ媒体は、該流体貯槽および該流体目標の各々が該第1の容器から流体的に隔離されている間中、該第2の入口ポートを通って該第1の容器の中に向けられ得、該第1の容器から該第2の出口ポートを通って該フラッシュレセプタクルに向けられ得る、第2の出口ポートと
を備えている、請求項6に記載の流体送達システム。
【請求項10】
前記第1の容器は、
前記流体貯槽と流体的に相互に接続可能な第1の入口ポートと、
前記フラッシュ源および前記フラッシュレセプタクルの各々と流体的に接続可能なフラッシュポートと、
前記流体目標と流体的に相互に接続可能な第1の出口ポートであって、該フラッシュ源からのフラッシュ媒体は、該流体貯槽および該流体目標の各々が該第1の容器から流体的に隔離されている間中、該フラッシュポートを通って該第1の容器の中に向けられ得、該第1の容器から該第フラッシュポートを通って該フラッシュレセプタクルに向けられ得る、第1の出口ポートと
を備えている、請求項6に記載の流体送達システム。
【請求項11】
前記フラッシュ媒体は、アルコールと、水蒸気と、ETOと、水と、空気と、不活性ガスと、複数の不活性ガスの組み合わせと、漂白剤と、過酸化水素水と、酸素と、これらの組み合わせとから成る群から選択される流体を備えている、請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載の流体送達システム。
【請求項12】
エネルギ源をさらに備え、前記第1の容器の少なくとも一部は、該エネルギ源の出力に露出される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の流体送達システム。
【請求項13】
前記エネルギ源は、放射線源を備えている、請求項12に記載の流体送達システム。
【請求項14】
前記出力は、熱、γ放射線、紫外光、赤外光、およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項12に記載の流体送達システム。
【請求項15】
滅菌システムをさらに備え、該滅菌システムからの出力は、前記第1の容器内の中身と物理的に接触することなく、該中身と少なくとも動作可能にインタフェースする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の流体送達システム。
【請求項16】
流体貯槽から第1の容器の中に第1の流体量を向けるステップと、
第1の流体目標に第1の投与量を送達するステップであって、該第1の流体量は該第1の投与量を含む、ステップと、
該第1の投与量を送達するステップ後に該第1の容器から該第1の流体量の任意の残りの少なくとも一部分を除去するステップと、
該流体貯槽から該第1の容器の中に第2の流体量を向けるステップと、
第2の流体目標に第2の投与量を送達するステップであって、該第2の流体量は該第2の投与量を含む、ステップと
を包含する、流体を送達する方法。
【請求項17】
前記流体貯槽は、造影剤を含み、それにより、前記第1および第2の流体量は各々造影剤を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
各前記送達するステップは、パワーインゼクタを用いることを包含する、請求項16〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
各前記送達するステップは、注射器を手動で操作することを包含する、請求項16〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記除去するステップは、前記第1の容器内の前記第1の流体量の残りの少なくとも一部分を回収し、前記流体貯槽の中に戻すことを包含する、請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の容器は、前記第1の流体目標と流体的に相互に接続可能である出口ポートを備え、前記除去するステップは、該第1の容器の該出口ポートと該第1の流体目標との間の流体接続を切断することを包含する、請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の容器は、出口ポートと別個の出血ポートとを備え、該出口ポートは前記第1の流体目標と流体的に相互に接続可能であり、前記除去するステップは該出血ポートを通って該第1の容器から流体を排出することを包含する、請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記除去するステップは、前記流体貯槽以外の供給源から前記第1の容器の中に第2の流体を導入することを包含する、請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記除去するステップ後に前記第1の容器を洗浄するステップをさらに包含する、請求項16〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記洗浄するステップは、前記フラッシュ媒体のいずれも前記流体貯槽に進ませることなく、さらに該フラッシュ媒体のいずれも前記第1の流体目標に進ませることなく、前記第1容器が該流体貯槽および該第1の流体目標の各々と物理的に相互に接続可能である状態のままで、フラッシュ媒体を該第1の容器を通過させる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記洗浄するステップは、前記第1の容器から前記流体貯槽を流体的に隔離することと、該第1の容器から前記第1の流体目標を流体的に隔離することと、該第1の容器の中にフラッシュ媒体を導入することと、該第1の容器から該フラッシュ媒体を排出することとを包含し、該フラッシュ媒体を導入するステップおよび該フラッシュ媒体を排出ステップは各々、該流体貯槽が該第1の容器から隔離されていて、該第1の流体目標が該第1の容器から流体的に隔離されている状態で実行される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記洗浄するステップは、前記流体貯槽が前記入口ポートから流体的に隔離されている状態で、前記第1の容器の入口ポートから該流体貯槽を流体的に隔離することと、該第1の容器の出口ポートから該第1の流体目標を流体的に隔離することと、該入口ポートを通って該第1の容器の中にフラッシュ媒体を導入することと、該第1の流体目標が該出口ポートから流体的に隔離されている状態で、該第1の容器から該出口ポートを通って該フラッシュ媒体を排出することとを包含する、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記流体貯槽は、前記第1の容器の第1の入口ポートに流体的に相互に接続可能であり、前記第1の流体目標は、該第1の容器の出口ポートに流体的に相互に接続可能であり、前記洗浄するステップは、該流体貯槽が該第1の入口ポートから流体的に隔離されている状態で、該出口ポートから該第1の流体目標を流体的に隔離することと、該第1の容器の第2の入口ポートの中にフラッシュ媒体を導入することと、該第1の流体目標が該出口ポートから流体的に隔離されている状態で、該第1の容器から該出口ポートを通って該フラッシュ媒体を排出することとを包含する、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記流体貯槽は、前記第1の容器の入口ポートに流体的に相互に接続可能であり、前記第1の流体目標は、該第1の容器の出口ポートに流体的に相互に接続可能であり、前記洗浄するステップは、該流体貯槽が該入口ポートから流体的に隔離されていて、該第1の流体目標が該出口ポートから流体的に隔離されている状態で、該入口ポートから該流体貯槽を流体的に隔離することと、該出口ポートから該第1の流体目標を流体的に隔離することと、該第1の容器の第1のフラッシュポートの中にフラッシュ媒体を導入することと、該流体貯槽が該入口ポートから流体的に隔離されていて、該第1の流体目標が該出口ポートから流体的に隔離されている状態で、該第1の容器から該第1の容器の第2のフラッシュポートを通って該フラッシュ媒体を排出することとを包含する、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記流体貯槽は、前記第1の容器の入口ポートに流体的に相互に接続可能であり、前記第1の流体目標は、該第1の容器の出口ポートに流体的に相互に接続可能であり、前記フラッシュステップは、該流体貯槽が該入口ポートから流体的に隔離されていて、該第1の流体目標が該出口ポートから流体的に隔離されている状態で、該第1の容器の第1のフラッシュ部分の中にフラッシュ媒体を導入することと、該第1の容器から該第1のフラッシュ部分を通って該フラッシュ媒体を排出することとを包含する、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の容器の少なくとも一部分をエネルギ源出力に露出するステップをさらに包含する、請求項26〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記エネルギ源出力は、γ放射線、光、赤外光、およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項31に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−16618(P2012−16618A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−231165(P2011−231165)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【分割の表示】特願2010−534059(P2010−534059)の分割
【原出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(595181003)マリンクロッド エルエルシー (203)
【Fターム(参考)】