説明

複眼光学系及びそれを用いた光学装置

【課題】 広角であり歪曲収差の発生が少なく、解像力の高い複眼光学系及びそれを用いた光学装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の複眼光学系1は、少なくとも2つのレンズ群より構成される個眼2を複数個有し、前記個眼2同士を非平行に配列し、曲面上又は多面体上に像を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広角の撮像光学系及びそれを用いた光学装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
広角の撮像光学系は、内視鏡、カプセル内視鏡、監視カメラ、ロボットの眼等に採用される撮像装置に用いられている。しかし、そのような撮像光学系として、従来のように共軸系広角レンズを用いた場合、周辺部に形成される像が縮小されて写る負の歪曲収差が発生してしまうという欠点があった。
【0003】
この欠点を解決する方法として、複眼光学系を用いることが特許文献1、2及び非特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特公平6−14141号公報
【特許文献2】特開昭58−219522号公報
【非特許文献1】「SCIENCE VOL 312 28 APRIL 2006」 557〜561頁 The American Association for the Advancement of Science出版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1、2及び非特許文献1に記載されているような複眼光学系を用いた場合、複眼を構成する個眼の視野が重複してしまうため、解像力が低いと言う欠点があった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、広角であり歪曲収差の発生が少なく、解像力の高い複眼光学系及びそれを用いた光学装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の複眼光学系は、少なくとも2つのレンズ群より構成される個眼を複数個有し、前記個眼同士を非平行に配列し、曲面上又は多面体上に像を形成した。
【0007】
また、上記の目的を達成するために、本発明の光学装置は、複数の個眼を有する複眼光学系と撮像面が曲面形状又は多面体形状を有する撮像素子を組み合わせた。
【発明の効果】
【0008】
本発明の複眼光学系及びそれを用いた光学装置によれば、広角であっても従来のように歪曲収差の発生が少なく、解像力の高い像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図示した実施例に基づき、本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本実施例に係る光学装置を示す模式図である。図2は、図1の本実施例の複眼光学系を構成する個眼の拡大図である。
【0011】
まず、図1を用いて、本実施例の複眼光学系1の構成を説明する。複眼光学系1は、複数の個眼2により構成されている。また、それらの個眼2は、その光軸Lが点Qにおいて交わるように、放射状に配置されている。なお、個眼2の像面となる位置には、点Qを球心とする球面状の撮像面を有する撮像素子3が配置されている。また、個眼2は3群のレンズにより構成されている。
【0012】
本実施例及び後述する他の実施例に用いられる撮像素子3は、CCDやC−MOS撮像素子等である。そして、その撮像面の形状は、撮像面上に形成される像面の形状にほぼ一致していれば良いため、球面状に限らず、曲面や、非球面や、自由曲面であっても構わない。さらに、多面体形状であっても構わない。なお、そのような形状の撮像面を有する撮像素子を作製するためには、ボール半導体や有機半導体等を用いると良い。
【0013】
本実施例において、個眼2により結像され撮像素子3により撮影された像は、撮像素子3から信号処理回路9に送信され、映像信号に変換される。そのようにして得られた映像信号は、画像処理装置10により処理される。その後、処理された映像信号に基いて、表示装置11に画像が表示される。
【0014】
なお、本実施例の複眼光学系1は、構成する個眼2の数が多いほど、より広角の撮影を行うことが可能である。また、本願の光学装置に共通して言えることであるが、画像処理を行わない場合には、画像処理装置10はなくても良い。
【0015】
次に、図1及び図2を用いて、本実施例の複眼光学系1を構成する個眼2について説明する。なお、物体面は点Qを球心とする球面であると仮定する。
【0016】
複眼光学系1を構成する個眼2は、物体側から順に、対物レンズ2aと、フィールドレンズ2bと、リレーレンズ2cとにより構成されている。なお、対物レンズ2aの側面からリレーレンズ2cの側面には、隔壁4が配置されている。
【0017】
物体面5上にある物体6を観察する場合、まず、対物レンズ2aにより、その物体6の倒立像6aが、フィールドレンズ2b上に形成される。そして、その倒立像6aの倒立した像、つまり、物体6の正立像6bが、リレーレンズ2cにより、撮像素子3の撮像面上に形成される。本実施例の場合には、このように複数の個眼2により形成される各々の物体像はいずれも正立像であるため、それらの像を互いになめらかにつなげることができる。
【0018】
また、本実施例の個眼2は、以下の条件式(1)を満足するように構成されている。

ただし、
1 : 球心から物体面までの距離
2 : 球心から像面までの距離
β : 個眼の倍率
β1 : 対物レンズの倍率
β2 : リレーレンズの倍率
である。
【0019】
従って、本実施例の複眼光学系1を用いた場合には、複眼光学系1の複数の個眼2により、物体面5における物体6のβ倍の大きさの像が、撮像素子3の撮像面上に形成されることになる。
【0020】
球心Qから物体面5が十分遠い位置にある場合、すなわち、球心Qから撮像素子3の撮像面までの距離、対物レンズ2aの焦点距離及びリレーレンズ2cの焦点距離と比較して、球心Qから物体面5までの距離が十分に大きい場合には、以下の条件式(2)及び(3)が成り立つ。

ただし、
1 : 対物レンズの焦点距離
である。
【0021】
なお、上記実施例1の光学装置に用いる複眼光学系1は、以下のように構成しても良い。
【0022】
上記実施例1の複眼光学系1は、対物レンズ2a、フィールドレンズ2b及びリレーレンズ2cはそれぞれ単レンズにより構成されているが、複数のレンズからなるレンズ群により構成しても構わない。また、対物レンズ2a、フィールドレンズ2b及びリレーレンズ2cは、屈折率が分布した不均質レンズにより構成しても構わない。なお、不均質レンズにより構成する場合は、レンズ同士が結合されていても構わない。
【0023】
また、上記実施例1の複眼光学系1は、対物レンズ2aの側面からリレーレンズ2cの側面にかけて光を遮断する隔壁4を配置することにより、隣接する他の個眼2からの光の入り込みによるゴースト、フレア等の発生を防止している。なお、フィールドレンズ2bは、光束が像面まで通過できる場合には、なくても良い。
【0024】
また、上記実施例1の複眼光学系1は、一つの個眼2により形成される像を、撮像素子3の複数の画素により撮像するように構成すると、得られる画像の解像度が向上する。
【0025】
また、上記実施例1の複眼光学系1は、実用上は画像の多少のボケは許容されるため、上記の条件式(1)ではなく、以下の条件式(4)を満たすように、個眼2を構成してもかまわない。

ただし、
1 : 球心から物体面までの距離
2 : 球心から像面までの距離
β : 個眼の倍率
である。
【0026】
さらに、上記実施例1の複眼光学系1は、複眼光学系1に用いられる撮像素子3の画素が粗い場合等においては、上記の条件式(4)ではなく、以下の条件式(5)を満たすように、個眼2を構成しても構わない。

ただし、
1 : 球心から物体面までの距離
2 : 球心から像面までの距離
β : 個眼の倍率
である。
【0027】
また、上記実施例1の複眼光学系1を構成する個眼2は、以下の条件式(6)が成り立つ場合がある。

ただし、
1 : 球心から物体面までの距離
2 : 球心から像面までの距離
β : 個眼の倍率
である。
【0028】
この場合、ある個眼2により撮像される範囲は、隣接する他の個眼2により撮像される範囲と、一部において重なることになる。そのような場合には、画像処理装置10によって、それぞれの個眼2により形成された像同士をつなぎ合わせる処理を行えば良い。なお、このような場合には、リレーレンズ2cと撮像素子3との間にも、隔壁を備えると良い。
【0029】
また、上記実施例1の複眼光学系1を構成する個眼2は、以下の条件式(7)が成り立つ場合がある。

ただし、
1 : 球心から物体面までの距離
2 : 球心から像面までの距離
β : 個眼の倍率
である。
【0030】
この場合、ある個眼2により形成される像と、隣接する他の個眼2により形成される像とが重なり合うことになる。そのような場合には、画像処理装置10によって、重なりあった像を分離させ後、つなぎ合わせる処理を行えば、なお良い。
【0031】
なお、画像処理装置10により、個眼2により形成された画像の処理を行う場合には、上記の条件式(4)、(5)を満たすように個眼2を構成しなくても良い。
【0032】
最後に、本実施例に係る複眼光学系1の数値データを示す。
球心から対物レンズまでの距離 : R = 1.5mm
球心から物体面までの距離 : R1 = 10mm
球心から像面までの距離 : R2 = 0.5mm
個眼の焦点距離 : f = −0.5mm
対物レンズの焦点距離 : f1 = 0.5mm
リレーレンズの焦点距離 : f2 = 0.125mm
フィールドレンズの焦点距離 : f3 =1/(f1-1+(2×f2-1
= 0.1667mm
対物レンズの直径 : D = 0.16mm
フィールドレンズの最小必要直径 : D3 = 0.05318mm
個眼のFナンバー : Fno = 3.125
対物レンズのFナンバー : Fno1 = 3.125
個眼の倍率 : β = 0.05
対物レンズの倍率 : β1 ≒ −0.05
リレーレンズの倍率 : β2 = −1
個眼の視野角 : ΔΦ = tan-1(2×f2/Fno/(2×f2+R2))
=6.089度
複眼光学系の視野角 : 2ω = 180度
個眼の像高 :IH = f1×tan(ΔΦ/2) = 0.02659mm
複眼光学系を構成する個眼の個数:N=2π/(0.000239×ΔΦ2
≒ 709
なお、1ピクセルが直径0.03mmとすれば、
1つの個眼に含まれる画素数 : Nk = π×IH2/(π×0.00152
≒ 314
複眼光学系に含まれる画素の総数 : Np = 709×314 =222626
である。
【0033】
また、上記実施例1の光学装置には、以下に示すような構成を有する複眼光学系を用いても良い。
【0034】
図3は、本発明の光学装置に用いられる複眼光学系の他の構成例を示す部分拡大図である。図3に示す複眼光学系1’は、個眼2’、2’’、2’’’・・・を互いに非平行となるように配置されて構成されており、上記実施例1の光学装置に用いた複眼光学系1とは異なり、それらの光軸L’、L’’、L’’’・・・は、特定の一点において交わらない。また、個眼2’、2’’、2’’’・・・の像面には、撮像面が凸面の自由曲面形状である撮像素子3’が配置されている。
【0035】
なお、個眼2’、2’’2’’’・・・は、図3に示すように、光軸L’、L’’、L’’’・・・が複数の点で交わるように配置しても構わないし、光軸同士が互いにねじれの関係となるように配置しても構わない。これは、いずれの場合であっても、画像処理により、各個眼により形成される画像を適宜つなぎ合わせれば、一つの広角の画像を得ることができるからである。
【0036】
また、個眼2’、2’’、2’’’・・・は、必ずしも互いに同一の構造や特性を有していなくても構わない。例えば、それぞれの視野角が異なるように構成しても良いし、構成するレンズの大きさ等が異なっても構わない。
【実施例2】
【0037】
図4は、光ファイバーを用いた本発明に係る光学装置を示す模式図である。
【0038】
本実施例の光学装置は、上記実施例1の光学装置に用いたものと同様の複眼光学系1を用いて構成されている。本実施例の光学装置は、上記実施例1とは異なり、複眼光学系1と撮像面の形状が平面である撮像素子3’’との間に、物体側から順に、入射端7aが放射状に形成された光ファイバー7の束、レンズ8、が配置されている。また、この光学装置は、信号処理回路9、画像処理装置10、表示装置11を備えている。
【0039】
本実施例の光学装置では、まず、複眼光学系1から出射された光は、光ファイバー7の入射端7aに入射する。そして、その光は光ファイバー7の出射端7bから出射され、レンズ8により、撮像素子3’’上に像を形成する。その後、撮像素子3’’により撮影された像は、信号処理回路9に送信されて映像信号に変換され、画像処理装置10により処理され、表示装置11に画像として表示される。
【0040】
なお、本実施例においては、光導波路の一例として光ファイバー7を用いているが、他の光導波路を用いても良い。
【実施例3】
【0041】
図5は、本発明に係る光学装置であるカプセル内視鏡を示す模式図である。
【0042】
本実施例のカプセル内視鏡12は、カプセルの両端の透明な部材により形成されているドーム部12aの内部に、上記実施例1、2に用いたものと同様の複眼光学系1と、撮像素子3とが配置されている。また、電源12bや、信号処理回路9等は、二つのドーム部12aの間に配置されている。なお、光源として照明用白色LED12cが配置されている。画像処理装置10と表示装置11は、カプセル内視鏡12の外部に配置されている。
【0043】
このカプセル内視鏡12により撮影され得られた像は、まず、カプセル内視鏡12内部に配置されている信号処理回路9により映像信号に変換される。その後、その映像信号は、無線によりカプセル内視鏡12の外部に配置されている画像処理装置10に送信されて処理され、表示装置11に画像として表示される。
【0044】
なお、このようなカプセル内視鏡12に、複眼光学系1を用いる場合、各複眼光学系1の視野角は180度を超える範囲を撮影することができるように構成することが好ましく、この構成例においては、視野角は210度となるように構成されている。
【実施例4】
【0045】
図6は、本発明に係る光学装置である電子内視鏡の先端部周辺を示す模式図である。
【0046】
本実施例の電子内視鏡13は、先端に、上記実施例1〜3に用いたものと同様の複眼光学系1と、撮像素子3が配置されている。また、複眼光学系1の周囲には、光源として照明用白色LED13aが配置されている。
【0047】
この電子内視鏡13により撮影され得られた像は、撮像素子3から不図示の信号処理回路に送信され、映像信号に変換される。そのようにして得られた映像信号は、不図示の画像処理装置により処理される。その後、処理された映像信号に基いて、不図示の表示装置に画像が表示される。なお、本願で述べる曲面には多面体も含むものとする。
【0048】
最後に、上記の説明において用いた用語の定義を以下に述べる。
【0049】
光学装置とは、光学系または光学素子を含む装置のことである。光学装置単体で機能しなくても良い。つまり、装置の一部でも良い。
【0050】
光学装置には、撮像装置、観察装置、表示装置、照明装置、信号処理装置等が含まれる。
【0051】
撮像装置の例としては、フィルムカメラ、デジタルカメラ、PDA(携帯情報端末)用デジタルカメラ、ロボットの眼、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ、テレビカメラ、動画記録装置、電子動画記録装置、カムコーダ、VTRカメラ、携帯電話のデジタルカメラ、携帯電話のテレビカメラ、電子内視鏡、カプセル内視鏡、車載カメラ、人工衛星のカメラ、惑星探査機のカメラ、宇宙探査機のカメラ、監視装置のカメラ、各種センサーの眼、録音装置のデジタルカメラ、人工視覚、レーザ走査型顕微鏡等がある。デジタルカメラ、カード型デジタルカメラ、テレビカメラ、VTRカメラ、動画記録カメラ、携帯電話のデジタルカメラ、携帯電話のテレビカメラ、車載カメラ、人工衛星のカメラ、惑星探査機のカメラ、宇宙探査機のカメラ、録音装置のデジタルカメラ等はいずれも電子撮像装置の一例である。
【0052】
観察装置の例としては、顕微鏡、望遠鏡、眼鏡、双眼鏡、ルーペ、ファイバースコープ、ファインダー、ビューファインダー、コンタクトレンズ、眼内レンズ、人工視覚等がある。
【0053】
表示装置の例としては、液晶ディスプレイ、ビューファインダー、ゲームマシン(ソニー社製プレイステーション)、ビデオプロジェクター、液晶プロジェクター、頭部装着型画像表示装置(head mounted display:HMD)、PDA、携帯電話、人工視覚等がある。
【0054】
照明装置の例としては、カメラのストロボ、自動車のヘッドライト、内視鏡の照明、内視鏡光源、顕微鏡光源等がある。
【0055】
信号処理装置の例としては、携帯電話、パソコン、ゲームマシン、光ディスクの読取・書込装置、光計算機の演算装置、光インターコネクション装置、光情報処理装置、PDA等がある。
【0056】
なお、信号処理装置には、情報発信装置が含まれる。情報発信装置とは、携帯電話、固定式の電話、ゲームマシン、テレビ、ラジカセ、ステレオ等のリモコンや、パソコン、パソコンのキーボード、マウス、タッチパネル等の何らかの情報を入力し、送信することができる装置を指す。撮像装置のついたテレビモニター、パソコンのモニター、ディスプレイも含むものとする。
【0057】
撮像素子は、例えばCCD、C−MOS、撮像管、固体撮像素子、写真フィルム等を指す。
【0058】
以上の本発明の複眼光学系及びそれを用いた光学装置は、特許請求の範囲の記載の他に、例えば次のように構成することができる。
【0059】
(1) 少なくとも3つのレンズ群より構成される個眼を複数個有し、前記個眼同士を非平行に配列し、曲面状に像を形成することを特徴とする複眼光学系。
【0060】
(2) 前記像が正立像であることを特徴とする請求項1又は上記(1)に記載の複眼光学系。
【0061】
(3) 前記像が物体に向かって凸面形状であることを特徴とする請求項1又は上記(1)に記載の複眼光学系。
【0062】
(4) 以下の条件式(5)を満たすことを特徴とする請求項1又は上記(1)に記載の複眼光学系。

ただし、
1 : 球心から物体面までの距離
2 : 球心から像面までの距離
β : 個眼の倍率
である。
【0063】
(5) 前記像の面に光導波路の入射端を配置したことを特徴とする請求項1又は上記(1)に記載の複眼光学系。
【0064】
(6) 前記レンズ群の間に隔壁を設けたことを特徴とする請求項1又は上記(1)に記載の複眼光学系。
【0065】
(7) 前記撮像素子が半導体により構成されていることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【0066】
(8) 前記撮像素子が有機半導体により構成されていることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【0067】
(9) 前記撮像素子がボール半導体により構成されていることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【0068】
(10) 前記撮像素子の撮像面が凸面形状であることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【0069】
(11) 前記個眼の一つにより形成される像が撮像素子の複数の画素により撮像されることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【0070】
(12) 請求項1又は上記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の複眼光学系と、撮像面が曲面形状を有する撮像素子とを組み合わせたことを特徴とする光学装置。
【0071】
(13) 前記個眼により形成された複数の像をつなぎ合わせ一つの像とする処理を行う画像処理装置を有することを特徴とする請求項2又は上記(7)乃至(11)のいずれか1項に記載の光学装置。
【0072】
(14) 前記個眼により形成された複数の像をつなぎ合わせ一つの像とする処理を行う画像処理装置を有することを特徴とする上記(12)に記載の光学装置。
【0073】
(15) 以下の条件式(6)を満たすことを特徴とする上記(13)又は(14)に記載の光学装置。

ただし、
1 : 球心から物体面までの距離
2 : 球心から像面までの距離
β : 個眼の倍率
である。
【0074】
(16) 以下の条件式(7)を満たすことを特徴とする上記(13)又は(14)に記載の光学装置。

ただし、
1 : 球心から物体面までの距離
2 : 球心から像面までの距離
β : 個眼の倍率
である。
【0075】
(17) 前記光学装置が内視鏡であることを特徴とする請求項2又は上記(7)乃至(16)のいずれか1項に記載の光学装置。
【0076】
(18) 前記光学装置がカプセル内視鏡であることを特徴とする請求項2又は上記(7)乃至(16)のいずれか1項に記載の光学装置。
【0077】
(19) 上記(5)に記載の光学系と、撮像面の形状が平面の撮像素子とを組み合わせたことを特徴とする光学装置。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施例1に係る光学装置を示す模式図である。
【図2】図1の複眼光学系を構成する個眼の拡大図である。
【図3】本発明の実施例1に係る光学装置の複眼光学系の他の構成例を示す部分拡大図である。
【図4】本発明の実施例2に係る光ファイバーを用いた光学装置を示す模式図である。
【図5】本発明の実施例3に係る光学装置であるカプセル内視鏡を示す模式図である。
【図6】本発明の実施例4に係る光学装置である電子内視鏡の先端部周辺を示す模式図である。
【符号の説明】
【0079】
1 複眼光学系
2、2’、2’’、2’’’ 個眼
2a 対物レンズ
2b フィールドドレンズ
2c リレーレンズ
3、3’、3’’ 撮像素子
4 隔壁
5 物体面
6 物体
6a 物体の倒立像
6b 物体の正立像
7 光ファイバー
7a 光ファイバーの入射端
7b 光ファイバーの射出端
8 レンズ
9 信号処理回路
10 画像処理装置
11 表示装置
12 カプセル内視鏡
12a ドーム部
12b 電源
12c、13a 照明用白色LED
13 電子内視鏡
L、L’、L’’、L’’’ 個眼の光軸
Q 撮像素子の球心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのレンズ群より構成される個眼を複数個有し、前記個眼同士を非平行に配列し、曲面上又は多面体上に像を形成することを特徴とする複眼光学系。
【請求項2】
複数の個眼を有する複眼光学系と撮像面が曲面形状又は多面体形状を有する撮像素子を組み合わせた光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−83398(P2008−83398A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263372(P2006−263372)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】