説明

複素環化合物



(式中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基等、Xは、置換基を有していてもよいアミノ基、Y及びYは、窒素原子等)で示される複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩を有効成分として含有する医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は新規複素環化合物に関する。より詳細には、各種炎症疾患に有用な複素環化合物に関する。
【背景技術】
TNF−αは、マクロファージ、マクロファージ系細胞(クッパー細胞及びマイクログリア)、好中球、好塩基球、好酸球、リンパ球、NK細胞、LAK細胞、肥満細胞、骨髄細胞、線維芽細胞、アストロサイト、ケラチノサイト等から産生される炎症性サイトカインであり、多くの疾患の発症病理に深く関与していることが近年明らかとなり、過剰なTNF−αを制御する新しい治療方法の確立の可能性が報告されている(例えば、ブラックら(Black et al.)著,「アニューアル レポーツ イン メディシナル ケミストリー(Annual Reports in Medicinal Chemistry)」,(米国),1997年,第32号,p.241−250参照)。
TNF−αと病理との関連については、例えば敗血症、敗血症性ショック及び多臓器障害(multiple organ dysfunction syndrome,MODS)を含む全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome)は、TNF−α、インターロイキン1β、インターロイキン6等の炎症性サイトカインの異常な産生が原因と考えられており、TNF−αの中和により血中のインターロイキン1βとインターロイキン6の上昇が抑えられる(例えば、トレイシーら(Tracey et al.)著,「ネイチャー(Nature)」,(英国),1987年,第330号,p.662−664参照)。
また、TNF−α欠損動物において、肥満により誘発されるインスリン抵抗性が改善されるという報告があり、TNF−αとインスリン非依存性糖尿病(non−insulin dependent diabetes mellitus,NIDDM)との関係が示唆されている(例えば、ウイサルら(Uysal et al.)著,「ネイチャー(Nature)」,(英国),1997年,第389号,p.610−614参照)。
一方、自己免疫疾患の領域においても、TNF−αが神経細胞やオリゴデンドロサイトを障害し、神経変性や脱髄のエフェクターとしての役割を果たしていることが明らかとなっている(例えば、錫村著,「医学のあゆみ」,医歯薬出版株式会社,1998年,第185号,p.931−935参照)。
さらに、慢性関節リウマチ患者の関節液中に大量のTNF−αが検出されることも報告されている(例えば、ザクソンら(Saxne et al.)著,「アースライティス アンド ルーマティズム(Arthritis & Rheumatism)」,(米国),1998年,第31号,p.1041−1045参照)。
この他にもクローン病、劇症肝炎、悪液質、骨吸収病、心筋梗塞、アレルギー性疾患、成人呼吸窮迫症候群の原因としてもTNF−αの関与が指摘されている。
TNF−αは、種々の疾患の発症及び増悪に密接に関係しており、TNF−αの作用を抑制することができれば、それらの疾患を治療することが可能になると考えられる。
現在ステロイド性ホルモン剤や非ステロイド性抗炎症剤が一部の炎症性疾患に適用されているが、いずれもその作用点が多岐にわたり、特異的なTNF−α抑制作用でないため、有害な副作用が誘発されるおそれがある。特にステロイド剤の副作用は医療上の問題となっている。また、ホスホジエステラーゼ阻害作用を有する薬剤がTNF−α産生を抑制するということを示す、インビトロ実験による報告がある。しかしながらその生体内での効力は非常に弱く臨床応用は困難であると考えられている(例えば、錫村著,「医学のあゆみ」,医歯薬出版株式会社,1998年,第185号,p.931−935参照)。さらにペプチド性高分子化合物であるTNF−α抗体や可溶性TNF−α受容体を用いた治療は慢性関節リウマチ及びクローン病等で良好な臨床結果を得ているが、一部の患者を除き、その治療効果に長期持続性は見られない。
かかる現状から、TNF−αの異常な産生に起因すると考えられる各種疾患の予防・治療用であって、特異的にTNF−α産生を抑制し、且つ生体内で優れた治療効果を示す薬剤の開発が望まれていた。
一方、これまでに複素環化合物として、例えば、

で示される化合物が報告されているが(例えば、モハメド ヒルミー エルナグディら(Mohamed Hilmy Elnagdi et al.)著,「ジャーナル オヴ ケミカル ソサエティー パーキン(Journal of Chemical Society Perkin)紀要I(Transaction I)」,(英国),1982年,p.2667−2670参照)、かかる文献には生物活性に関する記載はない。また、

で示される化合物が報告されているが(例えば特開昭61−60687号公報参照)、かかる文献には除草剤としての活性が記載されているのみでTNF−α産生阻害作用に関する記載はない。
本発明の目的は、TNF−α産生を阻害する活性を有する新規な化合物、及び新規なTNF−α産生阻害剤ならびに該新規化合物の医薬用途を提供することである。
【発明の開示】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、TNF−α産生阻害作用を有する新規な化合物を得ることに成功した。そして、これらの化合物が生体内でも優れたTNF−α産生抑制能、あるいは炎症性疾患モデルでの治療効果を有することを見出して本発明を完成するに至った。即ち本発明は下記の通りである。
(1)一般式(I)

[式中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキルアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキルアルキル基、A−B−(式中、Aは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基を表し、Bは酸素原子又は硫黄原子を表す)、及び

(式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基を表す)のいずれかを表し、
Xは、置換基を有していてもよいアミノ基を表し、
及びYは、窒素原子、炭素原子のいずれかを表す。
但し、Y及びYは同時に炭素原子を表すことはない]
で示される複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
(2)一般式(I)中、
及びYが、窒素原子である、上記(1)記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
(3)一般式(I)中、
Rが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキルアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキルアルキル基のいずれかである、上記(1)記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
(4)一般式(I)中、
Rが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキルアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキルアルキル基のいずれかであり、Y及びYが、窒素原子である、上記(1)記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
(5)一般式(I)中、
Rが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキルアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基のいずれかである、上記(1)記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
(6)一般式(I)中、
Rが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキルアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基のいずれかであり、Y及びYが、窒素原子である、上記(1)記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
(7)一般式(I)中、
Rが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキルアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基のいずれかであり、Y及びYが、窒素原子であり、Xがアミノ基である、上記(1)記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
(8)一般式(I)中、
Rが置換基を有していてもよいアラルキル基であり、Y及びYが、窒素原子であり、Xがアミノ基である、上記(1)記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩を有効成分として含有する医薬組成物。
(10)TNF−α産生阻害剤である上記(1)〜(8)のいずれかに記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
(11)TNF−αの産生を阻害することが有効な疾患の予防・治療用である上記(9)記載の医薬組成物。
(12)クローン病、潰瘍性大腸炎、敗血症、慢性関節リウマチ及び自己免疫疾患からなる群より選ばれる少なくとも1種の予防・治療用である、上記(9)記載の医薬組成物。
さらに本発明は、一般式(I)で表される化合物の有効量を患者に投与することを含む、TNF−αの産生を阻害することが有効な疾患の予防・治療方法、ならびにTNF−αの産生を阻害することが有効な疾患の予防・治療用の医薬を製造する為の一般式(I)で表される化合物の使用に関する。さらに本発明は、一般式(I)で表される化合物、及び該化合物を、TNF−αの産生を阻害することが有効な疾患の予防・治療に使用し得るか又は使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージをも提供する。
【図面の簡単な説明】
図1は、ラットアジュバント関節炎モデルにおける薬効(関節腫脹抑制)試験の結果を表すグラフである。アジュバント注入された左後肢の容積変化を測定した。本発明化合物の投与により関節腫脹が顕著に抑制された。
発明の詳細な説明
本発明において、「TNF−αの産生を阻害することが有効な疾患」とは、TNF−α活性の上昇が不都合な疾患であり、TNF−α活性を阻害することにより該疾患の徴候及び/又は進行を緩和し得ると期待される疾患である。具体的には、該疾患に罹患した患者におけるTNF−αの存在が、該疾患の病態生理の原因であること若しくは該疾患の悪化に寄与する要因であることが示されているか、あるいはその疑いがある疾患である。そのような疾患としては、敗血症性ショック、敗血症、内毒素性ショック、乏血性ショック(hemodynamic shock)、後乏血性再潅流障害(post ischemic reperfusion injury)、髄膜炎(meningitis)、乾癬(psoriasis)、うっ血性心不全(congestive cardiomyopathy)、線維症(fibrosis)、肝炎(hepatitis)、インスリン非依存性糖尿病(non−insulin dependent diabetes mellitus,NIDDM)、移植片の拒絶反応(graft rejection)、対宿主性移植片病(graft versus host disease)、癌、悪液質(cachexia)、自己免疫疾患(全身性紅斑性狼瘡(systemic lupus erythematosus)、リウマチ性疾患、アレルギー、多発性硬化症、自己免疫性ブドウ膜炎、ネフローゼ症候群、I型糖尿病(IDDM)等)、関節炎(慢性関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、その他の関節炎)、炎症性骨疾患、骨吸収病、ベーチェット症候群(Behcet’s syndrome)、感染性疾患(AIDSにおける日和見感染症、大脳マラリア、ミコバクテリア感染症等)、クローン病、潰瘍性大腸炎、結節性紅斑らい(ENL in leprosy)、放射線による障害(radiation damage)、及び高酸素による肺胞の損傷等、特に、クローン病、潰瘍性大腸炎、敗血症、慢性関節リウマチ、自己免疫疾患等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明において「TNF−αの産生を阻害する」とは、マクロファージ、マクロファージ系細胞(クッパー細胞及びマイクログリア)、好中球、好塩基球、好酸球、リンパ球、NK細胞、LAK細胞、肥満細胞、骨髄細胞、線維芽細胞、アストロサイト、ケラチノサイト等のTNF−α産生細胞からのTNF−αの分泌が抑制されれば、その作用機序は特に限定されず、遺伝子レベルで発現を抑制しても、また、蛋白質レベルで発現を抑制してもよい。TNF−αの産生阻害は、細胞培養上清又は血清のサンドイッチELISA法(免疫実験操作法I・II 右田俊介、紺田進、本庶佑、濱岡利之編 南江堂、1995)による測定等公知の手法を用いて確認することができる。
本発明において、一般式(I)で示される複素環化合物が投与される「対象」としては、特に限定されないが、ヒトを含む哺乳動物(例えばヒト、サル、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ等)、該哺乳動物から採取された組織、細胞(採取後に培養された組織、細胞、それらを用いて再構成された組織等も含む)等が含まれるが、好ましくはヒト、ヒトから採取された組織及び細胞である。
本発明において、「患者」の動物種はヒトを含む前記哺乳動物であれば特に限定されないが、好ましくはヒトである。また、「患者」は疾患を罹患している個体及び将来疾患を罹患する可能性のある個体を含む。
本発明は、一般式(I)で示される複素環化合物の新規な用途、特に医薬としての用途を提供するものである。より具体的にはTNF−α産生阻害剤並びにTNF−αの異常な産生、活性に起因していると思われる各種疾患の予防・治療用医薬組成物としての用途を提供するものである。
以下、本明細書における各官能基の定義について具体的に説明する。
「置換基を有していてもよいアルキル基」とは、1〜5個の置換基で置換されていてもよいアルキル基を意味する。ここで「アルキル基」とは炭素数1〜10の直鎖または分岐状のアルキル基を意味し、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−ヘプチル基、n−オクチル基、2−オクチル基、n−ノナニル基、2−ノナニル基、n−デカニル基、2−デカニル基等が挙げられる。「置換基」としては、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシル基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。各置換基の詳細な定義は後述する。
「置換基を有していてもよいシクロアルキル基」とは、1〜5個の置換基で置換されていてもよいシクロアルキル基を意味する。ここで「シクロアルキル基」とは、炭素数3〜7の環状のアルキル基を意味し、具体的にはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。「置換基」としては、ハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシル基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリール基、アリールチオ基、スルホ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。各置換基の詳細な定義は後述する。
「置換基を有していてもよいシクロアルキルアルキル基」とは、1〜5個の置換基で置換されていてもよいシクロアルキルアルキル基を意味する。ここで「シクロアルキルアルキル基」とは、アルキル基(前述と同義)にシクロアルキル基(前述と同義)が置換したものであって、具体的には、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチルメチル基等が挙げられる。「置換基」としてはハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、アミノカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシル基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。各置換基の詳細な定義は後述する。
「置換基を有していてもよいアリール基」とは、1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール基を意味する。ここで「アリール基」とは、炭索数6〜14の単環〜三環性のアリール基を意味し、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基等が挙げられる。「置換基」としてはハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、アルキレンジオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシル基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。各置換基の詳細な定義は後述する。
「置換基を有していてもよいアラルキル基」とは、1〜5個の置換基で置換されていてもよいアラルキル基を意味する。ここで「アラルキル基」とは、アルキル基(前述と同義)にアリール基(前述と同義)が置換したものであって、アルキル基とアリール基は一緒になって環を形成してもよく、具体的には、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリチル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、2−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基、ビフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられ、また、環を形成する場合しては、ベンゾシクロブテニル基、インダニル基等が挙げられる。「置換基」としてはハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、アルキレン基、アリール基、アラルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキレンジオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシル基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。各置換基の詳細な定義は後述する。
「置換基を有していてもよいヘテロアリール基」とは、1〜5個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール基を意味する。ここで「ヘテロアリール基」とは、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子から選ばれる1〜5個のヘテロ原子を有し、且つ縮合環を形成してもよい炭素数1〜13の芳香族複素環基を意味し、具体的にはピロリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、トリアジニル基、インドリル基、キノリル基等の芳香族複素環基である。「置換基」としてはハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシル基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。各置換基の詳細な定義は後述する。
「置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基」とは、1〜5個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基を意味する。ここで「ヘテロアリールアルキル基」とは、ヘテロアリール基(前述と同義)で置換されたアルキル基(前述と同義)であって、具体的には、フリルメチル基、チエニルメチル基、ピロリルメチル基、オキサゾリルメチル基、チアゾリルメチル基、イミダゾリルメチル基、ピラゾリルメチル基、ピリジルメチル基、ピリダジニルメチル基、ピリミジニルメチル基、ピラジニルメチル基等が挙げられる。「置換基」としてはハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシル基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。各置換基の詳細な定義は後述する。
「置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基」とは、1〜5個の置換基で置換されていてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基を意味する。ここで「環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基」とは、少なくとも1個のヘテロ原子(酸素原子、窒素原子、硫黄原子等)を含有するシクロアルキル基(前述と同義;炭素数3〜7の環状のアルキル基)を意味し、具体的には、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基、ピペリジル基、テトラヒドロピラニル基、モルホリニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペラジニル基、キヌクリジニル基等が挙げられる。「置換基」としてはハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシル基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。各置換基の詳細な定義は後述する。
「置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキルアルキル基」とは、1〜5個の置換基で置換されていてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキルアルキル基を意味する。ここで「環内にヘテロ原子を含むシクロアルキルアルキル基」とは、環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基(前述と同義)で置換されたアルキル基(前述と同義)を意味し、具体的には、ピロリジニルメチル基、テトラヒドロフラニルメチル基、テトラヒドロチオフェニルメチル基、ピペリジルメチル基、ピラニルメチル基、モルホリニルメチル基、イミダゾリジニルメチル基、ピラゾリジニルメチル基、ピペラジニルメチル基、キヌクリジニルメチル基、ピペリジノメチル基、モルホリノメチル基等が挙げられる。「置換基」としてはハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシル基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。各置換基の詳細な定義は後述する。
「置換基を有していてもよいアミノ基」とは1〜3個の置換基で置換されていてもよいアミノ基を意味する。「置換基」としてはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基等が挙げられる。2個以上の置換基が一緒になって結合し環を形成していてもよい。各置換基の詳細な定義は後述する。
各置換基の定義について以下に説明する。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。
「アルキル基」は、前述と同義であり、炭素数1〜10の直鎖又は分岐状アルキル基を意味する。
「アルコキシ基」とは、炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のアルコキシ基を意味し、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
「アルコキシカルボニル基」とは、炭素数2〜5の直鎖又は分岐状のアルコキシカルボニル基を意味し、具体的にはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
「置換基を有していてもよいアミノ基」は前述と同義である。
「アシル基」とは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のアルキル基、又はシクロアルキル基、若しくはアリール基、アルケニル基(アルキル基(当該アルキル基は前記「アルキル基」で述べたもののうち炭素数2以上のものが挙げられる)の任意の位置に、1個以上の二重結合を有する基を意味し、具体的にはビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等が挙げられる)を構成要素として有するアシル基を意味する。炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のアルキル基としては、前記「アルキル基」で述べたもののうち炭素数6以下のものが挙げられる。シクロアルキル基及びアリール基はそれぞれ上述のものが挙げられる。該アシル基中のアルキル部、シクロアルキル部、アリール部はそれぞれ置換基を有していてもよく、かかる置換基としてはそれぞれ前述のものが挙げられる。アシル基としては、具体的にはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、イソブチロイル基、バレロイル基、イソバレロイル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基等が挙げられる。
「置換基を有していてもよいカルバモイル基」とは、1〜5個の置換基で置換されていてもよいカルバモイル基を意味し、「置換基」としては、アルキル基(前述と同義)、シクロアルキル基(前述と同義)、アリール基(前述と同義)、アラルキル基(前述と同義)、アシル基(前述と同義)等が挙げられる。
「アルキルチオ基」とは、炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のアルキル基(前述と同義)で置換されたチオ基を意味し、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、tert−ペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、2−ペンチルチオ基、3−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、2−ヘキシルチオ基等が挙げられる。
「アリールチオ基」とは、置換されていてもよいアリール基(前述と同義)で置換されたチオ基を意味し、具体的にはフェニルチオ基、ナフチルチオ基、アントリルチオ基、フェナントリルチオ基、ビフェニルチオ基等が挙げられる。
「アルキルスルホニル基」とは、炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のアルキル基(前述と同義)で置換されたスルホニル基を意味し、具体的にはメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基、n−ペンチルスルホニル基、イソペンチルスルホニル基、tert−ペンチルスルホニル基、ネオペンチルスルホニル基、2−ペンチルスルホニル基、3−ペンチルスルホニル基、n−ヘキシルスルホニル基、2−ヘキシルスルホニル基等が挙げられる。
「アリールスルホニル基」とは、置換されていてもよいアリール基(前述と同義)で置換されたスルホニル基を意味し、具体的にはフェニルスルホニル基、トルエンスルホニル基、ナフチルスルホニル基、アントリルスルホニル基、フェナントリルスルホニル基、ビフェニルスルホニル基等が挙げられる。
「アルキレン基」とは炭素数1〜8の直鎖又は分岐状のアルキレン基を意味し、具体的にはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ジメチルメチレン基、ジメチルトリメチレン基等である。
「アルキレンジオキシ基」とは、炭素数1〜8の直鎖又は分岐状のアルキレン基(前述と同義)を構成要素として有するアルキレンジオキシ基を意味し、具体的にはメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基等が挙げられる。
「ハロゲン化アルキル基」とは1〜3個のハロゲン原子(前述と同義)で置換されたアルキル基(前述と同義)であって、具体的にはクロロメチル基、クロロエチル基、ジクロロメチル基、ジクロロエチル基、トリクロロメチル基、トリクロロエチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、ジブロモメチル基、ジブロモエチル基、トリブロモメチル基、トリブロモエチル、フルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基等が挙げられ、好ましくは、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリフルオロメチル基等のトリハロメチル基である。
「アリール基」は前述と同義であるが、好ましくはフェニル基及びベンジル基である。
「アリールオキシ基」は、アリール基(前述と同義)を構成要素として有するアリールオキシ基を意味し、具体的にはフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基等が挙げられる。好ましくはフェノキシ基である。
「置換基を有していてもよいアミノ基」において、2個以上の置換基が結合して形成する環としては、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等が挙げられる。
一般式(I)において、Rの好ましい例としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキルアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基、A−B−〔式中、Aは、置換基を有していてもよいアルキル基(前述と同義)、置換基を有していてもよいシクロアルキル基(前述と同義)、置換基を有していてもよいアリール基(前述と同義)、置換基を有していてもよいヘテロアリール基(前述と同義)、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基(前述と同義)を表し、Bは酸素原子又は硫黄原子を表す〕、及び一般式(II)

〔式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基(前述と同義)、置換基を有していてもよいシクロアルキル基(前述と同義)、置換基を有していてもよいアリール基(前述と同義)、置換基を有していてもよいヘテロアリール基(前述と同義)、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基(前述と同義)を表す〕
が挙げられる。
一般式(I)におけるA−B−としては、例えば、2,6−ジクロロフェノキシ基、2−クロロ−6−メトキシフェノキシ基、2−クロロ−6−フルオロフェノキシ基、2,6−ジクロロチオフェノキシ基、2−クロロ−6−メトキシチオフェノキシ基、2−クロロ−6−フルオロチオフェノキシ基が挙げられ、好ましくは2−クロロ−6−フルオロフェノキシ基、2−クロロ−6−フルオロチオフェノキシ基が挙げられる。
一般式(II)において、好ましい例としては、2,6−ジクロロアニリノ基、2−クロロ−6−メトキシアニリノ基、2−クロロ−6−フルオロアニリノ基が挙げられ、特に好ましくは、2−クロロ−6−フルオロアニリノ基が挙げられる。
特に好ましくは、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基、A−B−、上記一般式(II)が挙げられる。
一般式(I)におけるRの好ましい例としては、ペンチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロプロピルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、2,6−ジクロロフェニル基、2−クロロ−6−メトキシフェニル基、2−クロロ−6−フルオロフェニル基、2−ブロモベンジル基、2−クロロベンジル基、4−トリフルオロメチルベンジル基、2,6−ジクロロベンジル基、2−クロロ−6−メトキシベンジル基、2−クロロ−6−フルオロベンジル基、2−クロロ−6−ニトロベンジル基、2,6−ジフルオロベンジル基、3,4−ジクロロベンジル基、2,6−ジクロロ−3−ニトロベンジル基、フリルメチル基、チエニルメチル基、ピロリルメチル基、ピリジルメチル基、ピリミジニルメチル基、2,6−ジクロロフェノキシ基、2−クロロ−6−メトキシフェノキシ基、2−クロロ−6−フルオロフェノキシ基、2,6−ジクロロチオフェノキシ基、2−クロロ−6−メトキシチオフェノキシ基、2−クロロ−6−フルオロチオフェノキシ基、2,6−ジクロロアニリノ基、2−クロロ−6−メトキシアニリノ基、2−クロロ−6−フルオロアニリノ基が挙げられ、特に好ましくは、2−ブロモベンジル基、2−クロロベンジル基、4−トリフルオロメチルベンジル基、2,6−ジクロロベンジル基、2−クロロ−6−メトキシベンジル基、2−クロロ−6−フルオロベンジル基、2−クロロ−6−ニトロベンジル基、2,6−ジフルオロベンジル基、3,4−ジクロロベンジル基、2,6−ジクロロ−3−ニトロベンジル基が挙げられる。
一般式(I)において、Xは、置換基を有してもよいアミノ基(前述と同義)を表すが、好ましくは、メチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ピロリジノ基、アミノ基が挙げられ、特に好ましくは、アミノ基が挙げられる。
一般式(I)において、Y及びYの好ましい組み合わせは、Y及びY共に窒素原子の場合とY及びYのいずれか一方が窒素原子である場合が挙げられ、特に好ましい組み合わせは、Y及びY共に窒素原子の場合が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物は、各種異性体としても存在する。即ち、一般式(I)で表される化合物には、一あるいは複数の不斉中心を有する場合があり、純粋な光学異性体、部分的に精製されている光学異性体、ラセミ混合物、及び純粋なジアステレオマー、部分的に精製されているジアステレオマー、これらの混合物等のすべてが包含される。また、一般式(I)で表される化合物には、互変異性体等の構造異性体及び幾何異性体が存在し、かかる異性体も本発明の範囲内である。
互変異性体としては、例えば、下記の構造が挙げられる。

(式中Rは前述と同義)
「製薬上許容され得る塩」とは、前述の一般式(I)で示される化合物(その異性体も含む)とともに形成される無毒性の塩であれば如何なるものであってもよいが、例えば、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩等の無機酸の付加塩;ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、グリコール酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、メチルマレイン酸塩、フマル酸塩、アジピン酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、ケイ皮酸塩、アスコルビン酸塩、サリチル酸塩、2−アセトキシ安息香酸塩、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩等の有機酸の付加塩;メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ヒドロキシベンゼンスルホン酸塩、ジヒドロキシベンゼンスルホン酸塩等の有機スルホン酸の付加塩;アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等の酸性アミノ酸の付加塩;ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機塩基の付加塩;リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸の付加塩等を挙げることができる。また、場合によっては水やアルコール等との溶媒和物(水和物も含む)であってもよい。
一般式(I)で示される本発明化合物は、ヒトをはじめウシ、ウマ、イヌ、マウス、ラット等の哺乳動物に対し優れたTNF−α産生阻害作用を有し、従って、各種TNF−αの産生を阻害することが有効な疾患、例えば、敗血症性ショック、敗血症、内毒素性ショック、乏血性ショック(hemodynamic shock)、後乏血性再潅流障害(post ischemic reperfusion injury)、髄膜炎(meningitis)、乾癬(psoriasis)、うっ血性心不全(congestive cardiomyopathy)、線維症(fibrosis)、肝炎(hepatitis)、インスリン非依存性糖尿病(non−insulin dependent diabetes mellitus,NIDDM)、移植片の拒絶反応(graft rejection)、対宿主性移植片病(graft versus host disease)、癌、悪液質(cachexia)、自己免疫疾患(全身性紅斑性狼瘡(systemic lupus erythematosus)、リウマチ性疾患、アレルギー、多発性硬化症、自己免疫性ブドウ膜炎、ネフローゼ症候群、I型糖尿病(IDDM)等)、関節炎(慢性関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、その他の関節炎)、炎症性骨疾患、骨吸収病、ベーチェット症候群(Behcet’s syndrome)、感染性疾患(AIDSにおける日和見感染症、大脳マラリア、ミコバクテリア感染症等)、クローン病、潰瘍性大腸炎、結節性紅斑らい(ENL in leprosy)、放射線による障害(radiation damage)、及び高酸素による肺胞の損傷等、特に、クローン病、潰瘍性大腸炎、敗血症、慢性関節リウマチ、自己免疫疾患等の治療剤として期待される。尚、本発明において、単に治療剤という場合でも、当該治療には、予防、症状の軽減、症状の減退、進行停止等、あらゆる管理が含まれるものとする。
一般式(I)で示される本発明化合物、その異性体、溶媒和物若しくは製薬上許容し得る塩を、通常、それ自体公知の薬理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤、増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、乳化剤、芳香剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味剤、溶解補助剤、その他の添加剤等と混合して錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、坐剤、注射剤、点眼剤、液剤、カプセル剤、トローチ剤、エアゾール剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤等の形態により経口又は非経口的に投与することができる。
固体製剤とする場合は、添加剤、たとえば、ショ糖、乳糖、セルロース糖、D−マンニトール、マルチトール、デキストラン、デンプン類、寒天、アルギネート類、キチン類、キトサン類、ペクチン類、トランガム類、アラビアゴム類、ゼラチン類、コラーゲン類、カゼイン、アルブミン、リン酸カルシウム、ソルビトール、グリシン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グリセリン、ポリエチレングリコール、炭酸水素ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク等が用いられる。さらに、錠剤は必要に応じて通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、腸溶性コーティング錠、フィルムコーティング錠あるいは二層錠、多層錠とすることができる。
半固体製剤とする場合は、動植物性油脂(オリーブ油、トウモロコシ油、ヒマシ油等)、鉱物性油脂(ワセリン、白色ワセリン、固形パラフィン等)、ロウ類(ホホバ油、カルナバロウ、ミツロウ等)、部分合成若しくは全合成グリセリン脂肪酸(ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等)エステル等が用いられる。
液体製剤とする場合は、添加剤、たとえば塩化ナトリウム、グルコース、ソルビトール、グリセリン、オリーブ油、プロピレングリコール、エチルアルコール等が挙げられる。特に注射剤とする場合は、無菌の水溶液、たとえば生理食塩水、等張液、油性液、たとえばゴマ油、大豆油が用いられる。また、必要により適当な懸濁化剤、たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウム、非イオン性界面活性剤、溶解補助剤、たとえば安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等を併用してもよい。さらに、点眼剤とする場合は水性液剤又は水溶液が挙げられ、特に、無菌の注射用水溶液が挙げられる。この点眼用液剤には緩衝剤、等張化剤、溶解補助剤、保存剤、粘稠剤、キレート剤、pH調整剤、芳香剤のような各種添加剤を適宜添加してもよい。
また、本発明化合物はヒト用医薬としての使用は勿論、動物用医薬としても使用可能である。
投与量は、疾患の種類及び程度、投与する化合物並びに投与経路、患者(投与対象)の年齢、性別、体重等により適宜設定する。
本発明の一般式(I)で表される化合物、その異性体、溶媒和物及びそれらの製薬上許容され得る塩は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。例えば以下の合成法に従って製造することができるが、これらに限定されるものではなく、所望に応じて適宜修飾できる。かかる修飾としては、アルキル化、アシル化、アミノ化、イミノ化、ハロゲン化、還元、酸化等が挙げられ、通常当分野で用いられる反応又は方法が利用される。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料もしくは中間体の段階で適当な保護基(容易に当該官能基に転化可能な基)に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。このような官能基としては例えばアミノ基、水酸基、カルボキシル基等であり、それらの保護基としては例えばグリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、「プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)(第2版)」に記載の保護基等を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。このような方法では、当該官能基を導入して反応を行った後、必要に応じて保護基を除去することにより、所望の化合物を得ることができる。
合成法:

(式中、R’が、それぞれ置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基及び環内にヘテロ原子を含むシクロアルキルアルキル基のいずれかを示す)
対応するニトリル化合物(1)をアミジン化合物(3)に変換[例えば、Pinner法や日本化学会編「実験化学講座(第4版)」20巻(1992年)(丸善)等に記載の方法により行うことができる]した後、2−アミノ−1,1,3−トリシアノ−1−プロペン(4)と反応させピリミジン環(5)を構築する。反応はトルエン等の芳香族炭化水素類のように反応に不活性な有機溶媒中、有機塩基(例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミン)の存在下、加熱して行われる。最後に(5)を酸性条件下で環化させることにより、目的化合物(Ia)を得る。反応は塩酸等の酸性の溶媒中(1,4−ジオキサン等の極性有機溶媒との混合溶媒としても良い)、加熱下に行われる。
(Ia:式(I)において、Rが、それぞれ置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基及び環内にヘテロ原子を含むシクロアルキルアルキル基のいずれかであり、Y及びYが共に窒素原子であり、Xがアミノ基である化合物)
上記製法により得られた種々の本発明化合物及び中間体は、更に、アルキル化、アシル化、ハロゲン化、求核置換等の各反応に付すことにより、置換基を有しているアミノ基をもつ種々の本発明化合物及び中間体へと変換できる。アルキル化、求核置換反応は、例えば日本化学会編「実験化学講座(第4版)」20巻(1992年)(丸善)等に記載の方法により、アシル化は、例えば日本化学会編「実験化学講座(第4版)」22巻(1992年)(丸善)等に記載の方法により、ハロゲン化は例えば日本化学会編「実験化学講座(第4版)」19巻(1992年)(丸善)等に記載の方法により行うことができる。
また、本発明の一般式(I)で表される化合物の原料化合物(1)は、例えば下記合成系路図に示される公知の反応を用いて常法により製造できる。
芳香族カルボン酸、アルデヒドからの合成:

(式中、R”は、それぞれ置換基を有していてもよい、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基及び環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基のいずれかを示す)
対応するカルボン酸、アルデヒドを還元[例えば、日本化学会編「実験化学講座(第4版)」26巻(1992年)(丸善)等に記載の方法により行うことができる]して得られるアルコールの水酸基を脱離基(例えば、ハロゲン原子、メタンスルホニル基、トルエンスルホニル基等)に変換[例えば、日本化学会編「実験化学講座(第4版)」19、24巻(1992年)(丸善)等に記載の方法により行うことができる]した後、金属シアン化物等と反応させる[例えば、日本化学会編「実験化学講座(第4版)」20巻(1992年)(丸善)等に記載の方法により行うことができる]ことにより、化合物(1a)(原料化合物(1)において、R’が、それぞれ置換基を有していてもよい、シクロアルキルアルキル基、アラルキル基、ヘテロアリールアルキル基及び環内にヘテロ原子を含むシクロアルキルアルキル基のいずれかである化合物)を得る。
トルエン型化合物からの合成:

(式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表す)
対応するトルエン型化合物のベンジル位をハロゲン化[例えば、日本化学会編「実験化学講座(第4版)」19巻(1992年)(丸善)等に記載の方法により行うことができる]し、金属シアン化物等と反応させる[例えば、日本化学会編「実験化学講座(第4版)」20巻(1992年)(丸善)等に記載の方法により行うことができる]ことにより、化合物(1b)(原料化合物(1)において、R’が置換基を有していてもよいアラルキル基又は置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基である)を得る。
【実施例】
以下、本発明を実施例にて具体的且つ詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。各実施例で製造される化合物の構造は表1〜表11に後述する。また、一部の実施例についての製造方法等を以下更に詳述する。
【実施例1】
工程1
ベンジルシアニド(1g,8.5mmol)を4規定塩酸ジオキサン溶液10ml、エタノール2mlに溶解し、室温で2日間攪拌した。溶媒を留去して得られた粗製物をエタノール10mlに溶解し、炭酸アンモニウム2gを加え、一晩攪拌した。炭酸アンモニウムをろ過後、溶媒を留去して粗製物を得た。得られた粗製物のうち、442mgにトルエン5ml、ジイソプロピルエチルアミン(0.7ml,4mmol)、2−アミノ−1,1,3−トリシアノ−1−プロペン(264mg,2mmol)を加え、110℃で一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製しニトリル中間体を得た。
工程2
工程1で得られたニトリル中間体(60mg,0.24mmol)を濃塩酸2ml、ジオキサン2mlに溶解し、80℃で2時間攪拌後、溶媒を留去し、得られた結晶を水で洗浄することにより実施例1化合物(17mg,26%)を得た。
MS(ESI)m/z:269(M+H)+;H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ 3.91(2H,s),5.38(1H,s),7.24−7.36(6H,m),8.84(1H,s),9.24(1H,s),11.29(1H,s),13.12(1H,s).
【実施例11】
工程1
2−メトキシベンジルシアニド(1g,6.8mmol)を4規定塩酸ジオキサン溶液10ml、エタノール2mlに溶解し、室温で2日間攪拌した。溶媒を留去して得られた粗製物をエタノール10mlに溶解し、炭酸アンモニウム1.0gを加え、一晩攪拌した。炭酸アンモニウムをろ過後、溶媒を留去して得られた粗製物にトルエン10ml、ジイソプロピルエチルアミン(1.2ml,7.3mmol)、2−アミノ−1,1,3−トリシアノ−1−プロペン(510mg,4.2mmol)を加え、110℃で2時間攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製しニトリル中間体60mgを得た。
工程2
工程1で得られたニトリル中間体(60mg,0.21mmol)を濃塩酸2ml、ジオキサン2mlに溶解し、80℃で2時間攪拌後、溶媒を留去し、得られた結晶を水で洗浄することにより実施例4化合物(15mg,24%)を得た。
MS(ESI)m/z 299(M+H)+;H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ 3.80(2H,s),4.98(1H,s),6.91(1H,dd),6.98(1H,dd),7.19(1H,dd),7.24(1H,dd),8.41(1H,s),9.19(1H,s),10.46(1H,s),12.23(1H,s).
工程3
工程2で得られた化合物5mgにジクロロメタン2ml、1M三臭化ホウ素ジクロロメタン溶液を1ml加え、室温で一晩攪拌した。溶媒を留去して得られた粗製物をオクタドデシル基化学結合型シリカゲルを充填剤とする逆相高速液体クロマトグラフィーに付し、トリフルオロ酢酸を0.1%(v/v)含有する、水とアセトニトリルの混合溶液で溶出し、得られた目的のフラクションを凍結乾燥することにより、実施例11化合物を得た。
MS(ESI)m/z:285(M+H)+
【実施例22】
工程1
2−ニトロベンジルシアニド(1g,6.2mmol)を4規定塩酸ジオキサン溶液10ml、エタノール2mlに溶解し、室温で2日間攪拌した。溶媒を留去して得られた粗製物をエタノール10mlに溶解し、炭酸アンモニウム1.0gを加え、一晩攪拌した。炭酸アンモニウムをろ過後、溶媒を留去して得られた粗製物にトルエン10ml、ジイソプロピルエチルアミン(1.2ml,7.3mmol)、2−アミノ−1,1,3−トリシアノ−1−プロペン(510mg,4.2mmol)を加え、110℃で2時間攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製しニトリル中間体70mgを得た。
工程2
工程1で得られたニトリル中間体(70mg,0.21mmol)を濃塩酸2ml、ジオキサン2mlに溶解し、80℃で2時間攪拌後、溶媒を留去し、得られた結晶を水で洗浄することにより実施例5化合物(21mg,32%)を得た。
MS(ESI)m/z 314(M+H)+;H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ 4.28(2H,s),4.94(1H,s),7.57(2H,dd),7.72(1H,dd),8.10(1H,d),8.21(1H,s),9.11(1H,s),10.40(1H,s),12.34(1H,s).
工程3
工程2で得られた化合物40mgをエタノール10mlに溶解し、パラジウム炭素10mgを加え、水素存在下2時間攪拌した。溶媒を留去して得られた粗製物を実施例11と同様な操作を行い、実施例22化合物を得た。
MS(ESI)m/z:284(M+H)+;H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ 3.77(2H,s),5.06(1H,s),6.78−7.17(5H,m),8.03(1H,s),8.58(1H,s),9.19(1H,s),10.78(1H,s).
【実施例38】
工程1
2−クロロ−6−メトキシトルエン(5g,32mmol)をベンゼン100mlに溶解し、N−ブロモサクシイミド(6.8g,38mmol)、過安息香酸5mgを加え、80℃で一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。得られた粗製物をジメチルスルホキシド100mlに溶解し、シアン化ナトリウム(1.86g,38mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製しニトリル中間体(4.3g,23.8mmol)を得た。
工程2
工程1で得られたニトリル中間体(4.3g,23.8mmol)を出発原料として実施例1と同様の方法に従い、実施例38化合物を得た。
MS(ESI)m/z:333(M+H)+;H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ 3.91(2H,s),5.38(1H,s),7.24−7.36(6H,m),8.84(1H,s),9.24(1H,s),11.29(1H,s),13.12(1H,s).
【実施例43】
工程1
2−クロロ−4,5メチレンジオキシベンジルクロライド(2.5g,12.1mmol)をジメチルスルホキシド10mlに溶解し、シアン化ナトリウム(720mg,14.5mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製しニトリル中間体(2.0g,10.3mmol)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ 3.73(2H,s),6.01(2H,s),6.88(1H,s),6.95(1H,s).
工程2
工程1で得られたニトリル中間体(2.0g,10.3mmol)を出発原料として実施例1と同様の方法に従い、実施例43化合物を得た。
MS(ESI)m/z:347(M+H)+;H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ 4.03(2H,s),5.59(1H,s),6.06(2H,s),7.07(2H,d),8.98(1H,s),9.28(1H,s),11.72(1H,s),13.38(1H,s).
【実施例53】
工程1
2−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.5g,9.6mmol)にアセトニトリル70ml、炭酸カリウム(1.7g,12.3mmol)、ヨウ化メチル(0.71ml、12.3mmol)を加え、50℃で一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。得られた粗製物をエタノール30mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(433mg,9.6mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。得られた粗製物をチオニルクロライド5mlに溶解し、室温で4時間攪拌後、酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し、得られた粗製物をジメチルスルホキシド30mlに溶解し、シアン化ナトリウム(470mg,9.6mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製しニトリル中間体(770mg,4.25mmol)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ 3.76(2H,s),3.81(3H,s),6.84(1H,dd),6.96(1H,d),7.38(1H,d).
工程2
工程1で得られたニトリル中間体(770mg,4.25mmol)を出発原料として実施例1と同様の方法に従い、実施例53化合物を得た。
MS(ESI)m/z:333(M+H)+
【実施例54】
工程1
2−クロロ−3,4−ジメトキシベンズアルデヒド(2.5g,12.4mmol)をエタノール50mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(930mg,25mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。得られた粗製物をチオニルクロライド5mlに溶解し、室温で4時間攪拌後、酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し、得られた粗製物をジメチルスルホキシド30mlに溶解し、シアン化ナトリウム(610mg,12.4mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製しニトリル中間体(830mg,3.93mmol)を得た。
工程2
工程1で得られたニトリル中間体(830mg,3.93mmol)を出発原料として実施例1と同様の方法に従い、実施例54化合物を得た。
MS(ESI)m/z:363(M+H)+;H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ 3.68(3H,s),3.77(1H,s),3.96(2H,s),5.01(1H,s),7.01(1H,d),7.11(1H,s),8.41(1H,s),9.16(1H,s),10.51(1H,s),12.38(1H,s).
【実施例55】
工程1
2−クロロ−3−メチル安息香酸(2.5g,14.5mmol)をテトラヒドロフラン100mlに溶解し、氷冷下、トリエチルアミン(2.6ml,19mmol)、クロロ蟻酸エチル(1.7ml,17.5mmol)を加え、30分間攪拌した。氷を3カケラ加え、水素化ホウ素ナトリウム(1.2g,29mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。得られた粗製物をチオニルクロライド5mlに溶解し、室温で4時間攪拌後、酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し、得られた粗製物をジメチルスルホキシド30mlに溶解し、シアン化ナトリウム(720mg,14.5mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製しニトリル中間体(1.1g,6.67mmol)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ 2.42(3H,s),3.83(2H,s),7.06−7.38(3H,m).
工程2
工程1で得られたニトリル中間体(1.1g,6.67mmol)を出発原料として実施例1と同様の方法に従い、実施例55化合物を得た。
MS(ESI)m/z:317(M+H)+;H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ 2.34(3H,s),4.10(1H,s),5.38(1H,s),7.20−7.39(3H,m),8.73(1H,s),9.25(1H,s),11.17(1H,s),12.91(1H,s).
【実施例74】
工程1
2−クロロベンズアルデヒド(1.4g,10mmol)をテトラヒドロフラン50mlに溶解し、水素化ナトリウム(416mg,10.4mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。シアノメチルホスホノエチル(1.8g,10.2mmol)を加え、50℃で一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。得られた粗製物を酢酸エチル20mlに溶解し、パラジウム炭素100mgを加え、水素存在下室温で、5時間攪拌した。セライト濾過後得られたニトリル中間体を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ 2.68(2H,dd),3.09(2H,dd),7.20−7.41(4H,m).
工程2
工程1で得られたニトリル中間体出発原料として実施例1と同様の方法に従い、実施例74化合物を得た。
MS(ESI)m/z:317(M+H)+
【実施例77】
工程1
2−クロロ−6−ヒドロキシトルエン(1.38g,7.9mmol)をジメチルホルムアミド70mlに溶解し、ヨウ化エチル(0.93ml,11mmol)、炭酸カリウム(1.74g,12.6mmol)を加え、一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物をベンゼン100mlに溶解し、N−ブロモサクシイミド(1.9g,10.7mmol)、過安息香酸5mgを加え、80℃で一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。得られた粗製物をジメチルスルホキシド10mlに溶解し、シアン化ナトリウム(250mg,5mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製しニトリル中間体(0.8g,4.1mmol)を得た。
工程2
工程1で得られたニトリル中間体(0.8g,4.1mmol)を出発原料として実施例1と同様の方法に従い、実施例77化合物を得た。
MS(ESI)m/z:347(M+H)+
【実施例80】
工程1
2,6−ジクロロ−3−ニトロ安息香酸(5.0g,21.3mmol)をテトラヒドロフラン100mlに溶解し、氷冷下、1Mボランテトラヒドロフラン84mlを加え、2日間加熱還流した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を酢酸エチル100mlに溶解し、パラジウム炭素400mgを加え、水素存在下、室温で6時間攪拌した。セライト濾過後、溶媒を留去し、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製しアニリン誘導体(1.4g,7.3mmol)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ 4.14(2H,br),4.95(2H,s),6.80(1H,d),7.16(1H,d).
工程2
工程1で得られたアニリン誘導体(1.4g,7.3mmol)をジメチルホルムアミド50mlに溶解し、メチルアイオダイド(1.4ml,22mmol)、炭酸カリウム(3.0g,22mmol)を加え、一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し、粗製物を続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製しジメチルアニリン誘導体(1.1g,5.0mmol)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ 2.80(6H,s),4.96(2H,d),7.01(1H,d),7.25(1H,d).
工程3
工程2で得られたジメチルアニリン誘導体(1.1g,5.0mmol)をチオニルクロライド5mlに溶解し、室温で2時間攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物をジメチルスルホキシド20mlに溶解し、シアン化ナトリウム(245mg,5mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製しニトリル中間体(1g,4.4mmol)を得た。
工程4
工程3で得られたニトリル中間体(1g,4.4mmol)を出発原料として実施例1と同様の方法に従い、実施例80化合物を得た。
MS(ESI)m/z:380(M+H)+;H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ 2.69(6H,s),4.22(2H,s),5.01(1H,s),7.15(1H,d),7.40(1H,d),8.40(1H,s),9.17(1H,s),10.57(1H,s),12.50(1H,s).
【実施例84】
工程1
2−クロロ−3−メチル−6−フルオロベンジルアルコール(2.0g,13.2mmol)をチオニルクロライド5mlに溶解し、室温で4時間攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製しベンジルクロライド誘導体(1.4g,7.3mmol)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ 2.24(3H,s),4.78(2H,s),7.13(2H,s).
工程2
工程1で得られたベンジルクロライド誘導体(1.4g,7.3mmol)をジメチルスルホキシド20mlに溶解し、シアン化カリウム(568mg,8.75mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製しニトリル中間体(0.9g,4.9mmol)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ 2.24(3H,s),3.83(2H,s),7.17(2H,s).
工程3
工程2で得られたニトリル中間体(0.9g,4.9mmol)を出発原料として実施例1と同様の方法に従い、実施例84化合物を得た。
MS(ESI)m/z:335(M+H)+;H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ 2.21(3H,s),4.17(2H,s),5.64(1H,s),7.21−7.36(2H,m),8.97(1H,s),9.28(1H,s),11.77(1H,s),13.63(1H,s).
以下、上記実施例に記載の方法と同様にして表1〜表11に示す実施例化合物を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。
表中、次に示す略号を用いる。Ex:実施例番号、Syn:製造法(数字は同様に製造した実施例番号を示す。)、Dat:物理化学的データ、Me:メチル基、Ph:フェニル基。











(実験例)
実験例1:マウス腹腔マクロファージからのTNF−α産生若しくは産生阻害試験
ICRマウス(雄、5〜7週齢、日本チャールスリバー)の腹腔内より腹腔細胞を回収し、96−well half plate(Costar3696)に1ウェル当り1X10cellsの密度でまきこんた。培地は、10%牛胎仔血清含有RPMI−1640を用い、当該培地を用いて各試薬を調製した。マウスGM−CSF(Peprotech)及びマウスIFN−γ(Peprotech)はそれぞれ終濃度10ng/mlで、リポポリサッカライド(E.coli 0111:B4 LPS、DIFCO、lot 99078)は終濃度5ng/mlで、本発明化合物は終濃度300μMより3倍希釈で8段の希釈系列で添加し、16時間培養した。培養上清中に分泌されたTNF−αの濃度をマウスTNF−α ELISA定量キット(Pharmingen社製、#2673KI)を用い450nmでの吸光度をV−max kinetic microplate reader(Molecular Devices)で測定した。その結果、本発明の化合物群は、リポポリサッカライド刺激によって産生されるTNF−α量を減少させた。
実験例2:ラットアジュバント関節炎を用いた薬効試験
常法に従い、3mg/mlのM.tuberculosis死菌(DIFCO、 lot 165308)を含むlight mineral oil(SIGMA)を50μl、LEWISラット(雌、7週齢、日本チャールスリバー)の左後肢の足裏皮下に注入し、関節炎を発症誘導した。試験化合物は100%のポリエチレングリコール(分子量400、SIGMA)を投与媒体として、各群4匹のラットに強制経口投与を行った。試験化合物(実施例化合物3)について、40mg/kg及び120mg/kg体重の薬物ドーズで、発症誘導24時間後から3日間1日3回の投与を行った。関節炎の指標としては、後肢容積変化を測定した。後肢容積はボリュームメーター TK−105(ユニコム社、日本)を用い、後肢体毛生え際までの水浸容積として測定した。投与開始時(発症誘導後24時間後)の測定値を0として比較した。本発明化合物の投与により関節腫脹が顕著に抑制された。
結果を図1に示す。
【産業上の利用可能性】
一般式(I)で表される本発明の化合物群は、優れたTNF−α産生抑制作用、更に慢性炎症病態に対する優れた薬効を有する。従ってTNF−αの異常な産生によってもたらされる種々の疾患の予防・治療に有用である。
本出願は、日本で出願された特願2002−316900を基礎としており、それらの内容は本明細書に全て包含されるものである。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)

[式中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキルアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキルアルキル基、A−B−(式中、Aは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基を表し、Bは酸素原子又は硫黄原子を表す)、及び

(式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基を表す)のいずれかを表し、Xは、置換基を有していてもよいアミノ基を表し、
及びYは、窒素原子、炭素原子のいずれかを表す。
但し、Y及びYは同時に炭素原子を表すことはない]
で示される複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
【請求項2】
一般式(I)中、
及びYが、窒素原子である、請求項1記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
【請求項3】
一般式(I)中、
Rが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキルアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキルアルキル基のいずれかである、請求項1記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
【請求項4】
一般式(I)中、
Rが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキルアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキル基、置換基を有していてもよい環内にヘテロ原子を含むシクロアルキルアルキル基のいずれかであり、Y及びYが、窒素原子である、請求項1記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
【請求項5】
一般式(I)中、
Rが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキルアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基のいずれかである、請求項1記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
【請求項6】
一般式(I)中、
Rが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキルアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基のいずれかであり、Y及びYが、窒素原子である、請求項1記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
【請求項7】
一般式(I)中、
Rが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキルアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基のいずれかであり、Y及びYが、窒素原子であり、Xがアミノ基である、請求項1記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
【請求項8】
一般式(I)中、
Rが置換基を有していてもよいアラルキル基であり、Y及びYが、窒素原子であり、Xがアミノ基である、請求項1記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項10】
TNF−α産生阻害剤である請求項1〜8のいずれか1項に記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩。
【請求項11】
TNF−αの産生を阻害することが有効な疾患の予防・治療用である請求項9記載の医薬組成物。
【請求項12】
クローン病、潰瘍性大腸炎、敗血症、慢性関節リウマチ及び自己免疫疾患からなる群から選ばれる少なくとも1種の予防・治療用である、請求項9記載の医薬組成物。
【請求項13】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩を対象に投与することを含む、TNF−α産生の阻害方法。
【請求項14】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩の有効量を患者に投与することを含む、TNF−αの産生を阻害することが有効な疾患の予防・治療方法。
【請求項15】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩の有効量を患者に投与することを含む、クローン病、潰瘍性大腸炎、敗血症、慢性関節リウマチ及び自己免疫疾患からなる群から選ばれる少なくとも1種の予防・治療方法。
【請求項16】
TNF−α産生阻害剤を製造する為の、請求項1〜8のいずれか1項に記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩の使用。
【請求項17】
TNF−αの産生を阻害することが有効な疾患の予防・治療用の医薬を製造する為の、請求項1〜8のいずれか1項に記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩の使用。
【請求項18】
クローン病、潰瘍性大腸炎、敗血症、慢性関節リウマチ及び自己免疫疾患からなる群から選ばれる少なくとも1種の予防・治療用の医薬を製造する為の、請求項1〜8のいずれか1項に記載の複素環化合物、その異性体、溶媒和物又はそれらの製薬上許容され得る塩の使用。
【請求項19】
請求項9〜12のいずれか1項に記載の医薬組成物又は剤、及び該医薬組成物又は剤を、TNF−αの産生を阻害することが有効な疾患の予防・治療に使用し得るか又は使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージ。

【国際公開番号】WO2004/039806
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【発行日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−548059(P2004−548059)
【国際出願番号】PCT/JP2003/013808
【国際出願日】平成15年10月29日(2003.10.29)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】