褥瘡改善具
【課題】通気性及び放湿性が保たれ、肩や骨盤などに高い圧力がかからず、褥瘡を防止できる。
【解決手段】褥瘡改善具は、直角三角柱状であり、この三角柱状の大きい二つの面の表裏でほぼ同じ位置に、表裏からの縫合によって凹溝11が形成され、この凹溝11は、この二つの面の傾斜方向にほぼ沿っているまたは斜めに沿っているにもかかわらず、凹溝11の両底の表裏の間隔がほぼ一定である。褥瘡改善具及び本体1の短辺面4に近い太い個所では、凹溝11は深くなるので、この部分に人体が当接しても、凹溝11が塞がれてしまうことがなく、通気性及び放湿性が保たれ、褥瘡が防止される。また三角柱状のため、病人などの下に入れたとき、仰向けでもなく、真横でもなく、程よい姿勢に保つことができ、肩や骨盤などに高い圧力がかからず、褥瘡が防止される。
【解決手段】褥瘡改善具は、直角三角柱状であり、この三角柱状の大きい二つの面の表裏でほぼ同じ位置に、表裏からの縫合によって凹溝11が形成され、この凹溝11は、この二つの面の傾斜方向にほぼ沿っているまたは斜めに沿っているにもかかわらず、凹溝11の両底の表裏の間隔がほぼ一定である。褥瘡改善具及び本体1の短辺面4に近い太い個所では、凹溝11は深くなるので、この部分に人体が当接しても、凹溝11が塞がれてしまうことがなく、通気性及び放湿性が保たれ、褥瘡が防止される。また三角柱状のため、病人などの下に入れたとき、仰向けでもなく、真横でもなく、程よい姿勢に保つことができ、肩や骨盤などに高い圧力がかからず、褥瘡が防止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、褥瘡改善具に関し、特に長い時間同じ姿勢を維持して、体の一部に長時間圧迫がかかってできる、褥瘡(床ずれ)の防止または治療などの改善するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、病人または障害を持つ人など体を動かすのに不自由する人が長期にわたって寝たきりなど同じ姿勢を維持すると、衣類または寝具などに対して体の一部が長時間にわたって圧迫され、この圧迫部位に褥瘡または床ずれと呼ばれる壊そが生じることがある。この様な褥瘡を改善する治療具が考えられている。例えば以下のものである。
【0003】
【特許文献1】WO2004/037149号公報
【特許文献2】特開平7−313585号公報
【特許文献3】特開2008−110096号公報
【特許文献4】特開2005−179697号公報
【特許文献5】特開2003−319977号公報
【特許文献6】特開2007−270394号公報
【特許文献7】特開2005−179808号公報
【特許文献8】特開2004−107800号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本件発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、このような褥瘡を簡単な改善具で防止したり治療したりするなど、褥瘡を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の褥瘡改善具は、 弾力性を有する素材からなる本体と、 この本体の外表面のうち、面積の最も大きい二つの面であって、一方の面に対して他方の面が傾斜した少なくとも二つの面と、 この二つの面に形成された複数の凹んだ通気及び通光を保つ凹溝であって、上記二つの面の表裏でほぼ同じ位置に設けられた凹溝であり、この二つの面の傾斜方向にほぼ沿っているまたは斜めに沿っているにもかかわらず、凹溝の両底の間の間隔がほぼ一定である凹溝とを備えた。
【発明の効果】
【0006】
これにより、褥瘡改善具が傾斜しているので、病人または障害を持つ人など体を動かすのに不自由する人(以下「病人」などという)の背中などと布団などとの間に差し込んで、病人などに、褥瘡が発生せず、予防・防止でき、悪化しないまたは治療できる(以下「褥瘡の改善」などという)、ちょうどよい傾斜に体の向きを変えることができる。
【0007】
病人などを仰向けから真横に向きを変えると、肩や骨盤などの体の一部に高い圧力がかかり、新たな褥瘡の原因となってしまう。これを防ぐためには、側臥位の傾きは、5度乃至45度、望ましくは7.5度乃至30度、より望ましくは9度乃至15度あたりがよく、本発明の褥瘡改善具によってこの角度を達成できる。また、上記凹溝で通気性が保たれ、褥瘡の発生の防止または褥瘡の悪化・拡大が防止される。
【0008】
さらに、褥瘡改善具及び本体の太い個所では、凹溝は深くなるので、この部分に人体が当接しても、凹溝が塞がれてしまうことがなく、褥瘡改善具及び本体の通気性、通光性及び上記放湿性が保たれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)褥瘡改善具10の構造
図1〜図4は褥瘡改善具の外観及び断面を示す。褥瘡改善具10の内部を構成する本体1は、発泡ウレタン、スポンジなど、クッション性、発泡性、伸縮性、弾力性または/及び可撓性を有する素材からなる。この本体1は三角柱を横向きにした形状をしており、断面は直角三角形である。この直角三角形の直角を挟む二辺の内長い方の辺(以下「底辺」という)に沿った面を底辺面2と呼ぶ。また上記直角の対辺である斜辺に沿った面を斜辺面3と呼ぶ。
【0010】
これら底辺面2と斜辺面3との二つの面は、上記本体1の外表面のうち、面積の最も大きい二つの面であって、一方の面に対して他方の面が傾斜している。上記底辺面2と斜辺面3、つまり上記面積の最も大きい二つの面の傾斜角度は、荷重が無い状態で、10度となっている。しかし、場合によって、5度乃至45度、望ましくは7.5度乃至30度、より望ましくは9度乃至15度でもよい。
【0011】
上記褥瘡改善具10は上記傾斜が大きくなるように複数積層されることも可能であり、この大きくなった傾斜角度は、ほぼ20度、ほぼ30度、ほぼ40度、…は可能となっている。上記底辺面2と斜辺面3とが挟む角に当たる部分は切り取られ、平坦となり、この平坦な角部分の幅は5〜20mmほどとなっている。上記直角三角形のもっとも短い辺を短辺面4と呼ぶ。この短辺面4の幅は50〜100mmほどとなっている。
【0012】
上記本体1の表面にはアパタイト光触媒塗料(光触媒チタンアパタイト、フッ化アパタイト被覆酸化チタンなど)が塗布されていて、抗菌作用(殺菌、除菌、滅菌、減菌も含む)及び光触媒作用を有する。この塗布は、スプレーガン、ローラー刷毛などで行われる。アパタイト光触媒は、従来の二酸化チタンなどの光触媒素材に比べて、より小さいウィルス・微生物・雑菌、例えばエンテロトキシンなども吸着して除去できる。
【0013】
本体1は発泡ウレタン、スポンジなどの発泡性であるため、表面に非常に細かな凹凸があり、この凹凸に上記アパタイト光触媒塗料がまんべんなく、しかも凹凸が埋められることなく、塗布される。この場合の粘度、密度、固まるまでのゲルタイムは、以下の通りである。
【0014】
この場合のアパタイト光触媒塗料の密度(=比重)は1.00〜1.20g/ml、望ましくは1.08〜1.14g/ml、より望ましくは1.10〜1.12であり、粘度は1.0〜9.0dPa・S、望ましくは1.5〜6.0dPa・S、より望ましくは2.0〜4.5dPa・Sであり、揺変度は3.5〜10.0、望ましくは4.5〜8.5であり、より望ましくは5.0〜7.0、酸価は10〜25mgKOH/g、望ましくは12〜20mgKOH/gであり、固まるまでの時間であるゲルタイムは10〜50分、望ましくは15〜40分、より望ましくは20〜30分である。
【0015】
エアーガンを用いて塗布する場合のアパタイト光触媒塗料の粘度は3〜24ポイズ、望ましくは6〜15ポイズ、より望ましくは9〜12ポイズであり、揺変度は3.5〜9.5であり、望ましくは4.5〜8.0であり、より望ましくは5.0〜6.5であり、固まるまでの時間であるゲルタイムは10〜50分、望ましくは15〜40分、より望ましくは20〜30分である。
【0016】
刷毛塗りまたはローラー塗りによって塗布する場合のアパタイト光触媒塗料の粘度は9〜33ポイズ、望ましくは15〜24ポイズ、より望ましくは18〜21ポイズであり、揺変度は4.0〜10.0であり、望ましくは5.0〜8.5であり、より望ましくは5.5〜7.0であり、固まるまでの時間であるゲルタイムは10〜50分、望ましくは15〜40分、より望ましくは20〜30分である。
【0017】
このように本体1表面の細かい凹凸に上記アパタイト光触媒塗料がまんべんなく、しかも凹凸が埋められることなく、塗布されると、アパタイト光触媒が空気・外気に触れる表面積が格段に広くなり、褥瘡を起こす雑菌・微生物・ウィルス等の褥瘡原因物を吸着して除去できる。
【0018】
上記直角三角形柱状の本体1の外形面に沿った形の袋状に織られた外布5内に、上記本体1が収納され、本体1の表面は外布5で覆われている。この外布5は、パイルを有する通気を保つ布となっている。
【0019】
この外布5の上記短辺面4側の中央には長手方向に沿ってファスナー6が設けられている。このファスナー6を開いて、外布5の中に本体1が入れられる。このファスナー6の閉じられる位置の外側には方形状のゴムカバー7が縫い付けられている。このゴムカバー7の内側にファスナー6のホック8が収納され、ホック8が人体に当たっても痛くない。
【0020】
外布5の素材は、竹から作られた竹繊維(バンブー繊維)からなり、抗菌、消臭、吸湿(湿気の吸収)、調湿(湿気/湿度の自動調整)、放湿(湿気の排出)、遠赤外線発生、静電気が発生しにくいなどの性質を有する。また竹繊維は、光沢性、発色性、熱の放射性にも優れている。さらに、竹繊維は、染色性、発色性に優れ、着心地、肌触りもよい。
【0021】
調湿作用は内側の湿度が上がると湿気を外に排出し、内側の湿度が下がると外気の湿気を吸収する作用であって、内側の湿度を一定に保つ作用である。この外布5の外面/表面には多数のパイルが形成され、隙間が十分に有るように織られ、タオルのようにパイルで埋め尽くされているので、通気性及び吸湿性にも優れている。
【0022】
この外布5で覆われた本体1の斜辺面3から底辺面2へかけて糸で直線状に縫われ、この斜辺面3と底辺面2との二つの面の表裏のほぼ同じ位置で凹溝11が形成される。この凹溝11は、方形状の斜辺面3及び底辺面2を直角に横切るように複数平行に形成されている。
【0023】
この凹溝11の両底は、表裏の間がほぼ等間隔に、互いに糸でキルティング状に縫合される。すなわち、この二つの面の傾斜方向にほぼ沿っているまたは斜めに沿っているにもかかわらず、凹溝11の両底の表裏の間隔はほぼ一定となる。この凹溝11によって、人体と本褥瘡改善具10表面とに隙間ができるので、上記外布5の放湿効果は発揮され低下せず、この放湿によって褥瘡が改善される。
【0024】
言い換えると、褥瘡改善具10及び本体1の短辺面4に近い太い個所でも、短辺面4と反対側の薄い個所でも、斜辺面3及び底辺面2の表裏の両凹溝11の間隔はほぼ一定となる。また、褥瘡改善具10及び本体1の短辺面4に近い太い個所では、凹溝11は深くなり、短辺面4と反対側の薄い個所では、凹溝11は浅くなる。
【0025】
このように、褥瘡改善具10及び本体1の短辺面4に近い太い個所では、凹溝11は深くなるので、この部分に人体が当接しても、凹溝11が塞がれてしまうことがなく、通気性及び上記放湿性が保たれる。この凹溝11の底では、上記糸は細長い方形状に縫合され、凹溝11の底の幅が広くなり、凹溝11の幅も広くなり、通気性及び上記放湿性が向上する。
【0026】
上記凹溝11は、凹んでいて、この凹溝11の底の幅がある程度あるので、通気性及び放湿性が保たれるほか、通光性も保たれる。この通光性によって、上記本体1の光触媒作用が発揮される。この場合、本体1を覆う外布5はパイルがあってもメッシュ状で透光性があり、本体1の光触媒作用が低下しない。
【0027】
上記凹溝11は、上記の平行のもののほか、上記凹溝11に斜めまたは直角に交差するさらなる凹溝11が形成されても良い。この場合でも、凹溝11の両底の表裏の間隔はほぼ一定とされる。これにより、斜辺面3と底辺面2との二つの面の傾斜方向に斜めに沿っているにもかかわらず、凹溝11の両底の表裏の間隔はほぼ一定となる。
【0028】
上記凹溝11は、褥瘡改善具10及び本体1の周縁、短辺面4まで到達しておらず、褥瘡改善具10及び本体1の外周縁に沿って、凹溝11が形成されていない。これにより、人体の当接圧力が大きくなり易い、褥瘡改善具10及び本体1の外周縁の人体当接による凹みを減少できる。
【0029】
図5〜図6は褥瘡改善具10の使用状態を示す。上記褥瘡改善具10は傾斜が大きくなるように複数例えば3つ積層され、この大きくなった傾斜角度がほぼ30度とされ、頭、肩、背中、腰、尻、大腿、下腿の下などに直接若しくは布団またはマットレスの下に差し込まれる。これにより、病人などを、褥瘡を改善できる、ちょうどよい傾斜に体の向きを変えることができる。
【0030】
病人などを仰向けから真横に向きを変えると、肩や骨盤などに高い圧力がかかり、新たな褥瘡の原因となってしまう。上記30度ぐらいがちょうどよい。この角度30度は、20度でも、10度でもよい。また、5度乃至45度、望ましくは7.5度乃至30度、より望ましくは9度乃至15度でもよい。
【0031】
所定時間経過したら、上記褥瘡改善具10を引き抜いて、左右反対側に差し込まれる。これにより、病人などが長い時間同じ姿勢のままとならず、体の一部に長時間圧迫がかからず、褥瘡(床ずれ)の防止または治療などの改善ができる。
【0032】
このような褥瘡改善具10は、上述のように左右交互に入れ替えるのではなく、左右両方に差し込まれても良い。これにより、病人などの中心部分長時間圧迫がかからず、中心部分の褥瘡(床ずれ)の防止または治療などの改善ができる。
【0033】
このような褥瘡改善具10は、車椅子に座る人の人体と車椅子との間、例えば、腰の横・後、背中、臀部の横・後・下、大腿の横・下などに挟むこともできる。以上の場合に、重ねる褥瘡改善具10の数を増減すれば、積層される褥瘡改善具10の傾斜角度を任意に変更でき、褥瘡を改善できる最適な傾斜を実現できる。
【0034】
(2)第二実施形態
図7〜図8は第二実施形態を示す。上記短辺面4の長手方向に沿った両端縁に沿って、布製の帯状の連結紐12(固定具)が縫合されて連結されており、この連結紐12の両端が、短辺面4の両端縁の両角隅に縫合されている。
【0035】
この2つの連結紐12、12を互いに結ぶと、褥瘡改善具10はほぼ円筒状に湾曲した状態で固定される。この場合、上記短辺面4は上記円筒の上面または下面の一部を環状に構成し、この湾曲した円筒はテーパー状に太さが漸次薄くまたは細く若しくは厚くまたは太く変化していく。
【0036】
このような円筒状に湾曲固定された褥瘡改善具10は、上腕、前腕、腕全体、大腿、下腿、脚全体等の四肢に巻きつけられる。これにより、四肢の防寒、保温、加温、血行促進、抗菌作用、光触媒作用、通気性、放湿性、褥瘡改善を達成できる。
【0037】
この巻き付けにおいて、太い短辺面4側を手または足に近い方に位置させると、血行が悪くなり易い手または足の血行を促進できる。また、この巻き付けにおいて、太い短辺面4側を手または足に近い方に位置させると、四肢の胴体に近い方を布団上面から浮き上がらせて、血管の圧迫を防いで血行を良くするとともに、胴体に近い個所などに高い圧力がかかるのを防ぎ、褥瘡を防止できる。
【0038】
上記連結紐12(固定具)の両端のうち片方のみ、短辺面4の角隅に縫合されてもよい。両端が縫合されても、連結紐12の長さが十分であれば、連結紐12どうしを結ぶことができる。
【0039】
(3)第三実施形態
図9〜図10は第三実施形態を示す。この実施形態では、3つの褥瘡改善具10が連結されて、折り畳んだり、伸ばしたりできる。2つの褥瘡改善具10の底辺面2及び斜辺面3がなす頂角辺縁同士が縫合などによって連結される。またこの連結された2つの褥瘡改善具10の内の片方の褥瘡改善具10の短辺面4と底辺面2とがなす直角辺縁と他の褥瘡改善具10の直角辺縁同士が縫合などによって連結される。
【0040】
以上のように、本褥瘡改善具10は、面積の最も大きい互いに傾斜した斜辺面3以外の個所で複数連結されて、互いに折り畳み可能となっている。このような連結された褥瘡改善具10を展開して伸ばすと、ほどよい凹凸が形成されて、後頭部、背中、腰、大腿付近にフィットして、体の背面側の一部に高い圧力がかからず、褥瘡を防止できる。
【0041】
また、上記連結された3つの褥瘡改善具10を折り畳むと、傾斜が大きくなるように複数積層されることになり、この大きくなった傾斜角度がほぼ30度となる。この折り畳んで積層された褥瘡改善具10は、上述のように頭、肩、背中、腰、尻、大腿、下腿の下などに直接若しくは布団またはマットレスの下に差し込まれる。これにより、病人などを、褥瘡を改善できる、ちょうどよい傾斜に体の向きを変えて、褥瘡を防止または改善できる。
【0042】
(4)第四実施形態
図11〜図12は第四実施形態を示す。この実施形態では、上記本体1と外布5との間に板状の立体構造編物16が挟まれている。この立体構造編物16は、隙間が多いにも関わらず、圧力がかかっても、この隙間があまり塞がれず撓まない構造となっている。
【0043】
この立体構造編物16は、上記ウレタン等からなる本体1より固く撓みにくく、本体1より空隙率が高くて隙間が多く、本体1より薄い。また、この立体構造編物16は、外布5より固く撓みにくく、外布5より空隙率が高くて隙間が多く、外布5より厚い。
【0044】
以上のように、立体構造編物16は、上記ウレタン等からなる本体1より固く撓みにくく、本体1より空隙率が高くて隙間が多いので、人体が当接して本体1が撓んで圧縮されても、立体構造編物16の圧縮/撓みは本体1より小さいので、褥瘡改善具10と当接している人体との間に隙間が維持され、通気性及び放湿性が保たれ、褥瘡が防止される。
【0045】
このような立体構造編物16の構造は、特開2007−270394号公報、特開2005−179808号公報、特開2004−107800号公報に示される。これらの公報に記載されていることは、本願発明の詳細な説明にも記載されているものとする。
【0046】
このような立体構造編物16は、表裏二層の編地17、17と、この二層の編地17、17の間を連結するフィラメント18…よりなっている。この表裏二層の編地17、17は、六角形の集合体のハニカム構造、三角形の集合体の構造、四角形の集合体の碁盤格子構造等に編まれる。
【0047】
このフィラメント18…は、上記表裏二層の編地17、17の間を連結荒れるように編まれる。このフィラメント18…は、「X字状」「V字状」「逆V字状」「M字状」「N字状」「W字状」「K字状」「Y字状」「A字状」「逆A字状」「□状」「□の中にXのある状態」「I字状(多数平行フィラメント18…)」などの構造をなし、圧力がかかっても表裏二層が接触しにくい構造となっている。
【0048】
このような構造をなすフィラメント18…は上記X字状などであっても、フィラメント18…どうしは連結されず分離独立されているが、連結されていてもよい。図12の例では、フィラメント18は、「X字状」の例が示されている。これにより、上述のように、立体構造編物16は本体1より固く撓みにくくなり、人体が当接して本体1が撓んで圧縮されても、隙間が維持され、通気性及び放湿性が保たれ、褥瘡が防止される。
【0049】
しかも、このフィラメント18…同士の間隔/隙間は、フィラメント18…自身の太さより数倍乃至十数倍、場合によって数倍乃至数十倍、さらに場合によって数倍乃至百数十倍ほどある。これにより、上述のように、立体構造編物16は、本体1より空隙率が高くて隙間が多くなり、人体が当接して本体1が撓んで圧縮されても、隙間が維持され、通気性及び放湿性が保たれる。
【0050】
このような立体構造編物16は、上記底辺面2及び斜辺面3に渡って、本体1と外布5との間に積層される。この底辺面2及び斜辺面3には、凹溝11が設けられているので、この凹溝11に人体が当接しても、凹溝11がさらにより塞がれなくなり、通気性及び放湿性が保たれ、褥瘡が防止される。
【0051】
このような立体構造編物16は、短辺面4にも積層されてもよいし、側面13、13に積層されてもよい。これにより、より通気性及び放湿性が向上し、褥瘡がより防止される。また、立体構造編物16は、凹溝11の付近のみに積層されてもよいし、底辺面2、斜辺面3、短辺面4、側面13、13の一部のみに積層されてもよい。さらに、立体構造編物16は底辺面2に無くてもよいし、斜辺面3に無くてもよい。これにより、立体構造編物16を節約できる。
【0052】
このような立体構造編物16は、外布5の外側に積層されてもよい。これにより、通気性及び放湿性が向上し、褥瘡が防止される。また、外布5の一部または全部は省略されてもよい。これにより、外布5を節約できる。この場合、立体構造編物16が、外布5と同じ抗菌、消臭、吸湿(湿気の吸収)、調湿(湿気/湿度の自動調整)、放湿(湿気の排出)、遠赤外線発生、静電気が発生しにくいなどの性質をもつ成分が配合されてもよい。
【0053】
この外布5が省略された場合、立体構造編物16は上述のように、空隙率が高くて隙間が多いので、本体1より投光性も非常に高く、本体1表面に光触媒成分が塗布されているので、この光触媒作用が向上する。
【0054】
上記立体構造編物16、本体1、外布5はその一部または全部が複数層とされ、これらが順番に積層されてもよい。これにより、通気性及び放湿性がより向上し、褥瘡がより防止される。
【0055】
図8の第二実施形態において、上述の立体構造編物16が積層されていると、筒状の褥瘡改善具10の内側に立体構造編物16によって、通気性及び放湿性が保たれ、褥瘡が防止される。
【0056】
図10の第三実施形態において、上述の立体構造編物16が積層されていると、立体構造編物16は、本体1より撓みにくいので、複数重ねられた褥瘡改善具10が撓みにくくなり、複数重ねられた褥瘡改善具10によって形成される傾斜角度が維持され、褥瘡をより防止できる。
【0057】
上述の各実施形態(実施例)において、当該実施形態(実施例)で記載されていないことは、他の実施形態(実施例)の記載されている内容が参照及び引用される。本願明細書及び特許請求の範囲においては、上記複数の実施形態(実施例)にわたって、各部または一部を入れ替えた実施形態(実施例)も、上記各実施形態(実施例)として記載されているものである。
【0058】
(5)他の実施の形態
本発明は、上記実施例に限定されず、種々変更可能である。例えば、凹溝11は直線状ではなく、ジグザグ状、サインカーブ状、矩形波状、三角波状、台形波状など、直線状でなくてもよい。凹溝11の底の幅は一定であったが、漸次太くなったり、漸次細くなったり、太い細いが交互になったりして、変化してもよい。
【0059】
例えば、褥瘡改善具10及び本体1の短辺面4に近い太い個所では、凹溝11の底が太くなってもよい。この部分に人体が当接しても、凹溝11がさらに塞がれてしまうことがなく、通気性及び上記放湿性がより保たれる。
【0060】
凹溝11は、糸のほか、高周波溶着によるものなど、斜辺面3と底辺面2との両凹溝11の底の間隔が一定にできればどのような形成によってもよい。斜辺面3と底辺面2との凹溝11の両位置は一致していなくてもよく、ずれていてもよい。この場合、凹溝11の位置がずれた二つの褥瘡改善具10が積層されて一体化される。
【0061】
斜辺面3と底辺面2との両凹溝11の底の間隔が一定ではなく、漸次太くなったり、漸次薄くなったり、太い薄いが交互になったりして、変化してもよい。凹溝11は互いに平行ではなく、ランダムに交差するように形成されてもよい。
【0062】
凹溝11は、褥瘡改善具10及び本体1の周縁、短辺面4まで到達していてもよい。これにより、通気性、通光性及び放湿性が向上する。外布5の一部または全部は無くて、本体1だけで褥瘡改善具10が構成されてもよい。ファスナー6は無くても良い。凹溝11の一部又は全部は無くてもよい。
【0063】
上記褥瘡改善具10及び本体1の形状は直角三角形柱状であったが、断面は二等辺三角形、正三角形、不等辺三角形、方形、多角形、円形、楕円形などでもよく、三角錐、四角錐、多角形錐、円錐、楕円錐、三角錐台、四角錐台、多角形錐台、円錐台、楕円錐台、球形、卵形などでもよい。
【0064】
本体1は、クッション性、発泡性、伸縮性、弾力性または/及び可撓性が無くてもよく、発泡ウレタン以外のクッション、小さいクッションの集合体、綿、羽毛、布、蕎麦がら、微小パイル、紙などでもよい。
【0065】
外布5は抗菌作用のほか光触媒作用のある布が用いられてもよい。これにより、光触媒作用がより向上する。しかし、上記実施形態のように光触媒作用のある本体1が外布5で覆われれば、本体1の光触媒素材が剥離しにくく、光触媒作用が劣化しない。外布5のパイルは無くても良く、織られた布のほか、不織布、編み物などでもよく、外布5は、布のほか、網、紙、樹脂布などでもよい。
【0066】
本体1の上記発泡ウレタン素材などの製造中に光触媒素材が混合されてもよい。光触媒作用本体1の光触媒作用は無くても良いし、抗菌作用はなくてもよい。外布5の光触媒作用は無くても良いし、抗菌作用はなくてもよい。本体1の抗菌作用のある素材、光触媒作用のある素材は、上述の素材に限られず、別の素材が用いられてもよい。 本体1又は外布5には、遠赤外線発生作用があっても良いし、消臭効果(防臭効果、吸臭効果、減臭効果を含む)があっても良いし、吸熱効果があっても良い。
【0067】
本体1又は外布5は、シャインアップ(株式会社クラレの製品)、「サニター30」(株式会社クラレの製品)、バンブー繊維、キチンキトサン繊維、ディスメルでもよいし、「ロンウェーブ」(株式会社クラレの製品)、「富士山溶岩シーツ」(おとぎの国http://store。shopping.yahoo.co.jp/otogino/ba0612.html)、繊維にカキタンニン成分を含むまたは付着された布などでもよい。
【0068】
上記連結紐12は、係止着脱自在な面ファスナーでも良いし、ボタン、スナップ、ファスナー、フック、ホックなど、褥瘡改善具10を湾曲固定できれば何でもよい。連結紐12は、短辺面4の4つの角隅に4つ縫合されてもよいし、底辺面2と斜辺面3となす辺の両端に縫合されてもよい。
【0069】
連結紐12は、三角柱状の褥瘡改善具10のどこの辺に縫合されてもよいし、三角柱状の褥瘡改善具10のどこの面に縫合されてもよい。これらの連結紐12…はいずれが結ばれてもよく、褥瘡改善具10の湾曲状態は、底辺面2及び斜辺面3がなす辺と短辺面4とが接近するように、つまり上記側面13、13が上記円筒の上面または下面の一部を環状に構成するように湾曲されてもよい。
【0070】
上記ファスナー6、ゴムカバー7、ホック8の一部または全部は無くてもよいし、短辺面4の中央ではなく、短辺面4の辺縁に沿って形成されてもよいし、三角柱状の褥瘡改善具10の辺又は面のいずれに形成されてもよい。ファスナー6、ゴムカバー7、ホック8が無いときには、当該個所の外布5が縫合されたり、重ね合わされたりする。
【0071】
連結される褥瘡改善具10は3つではなく、2つ、4つ、5つ以上でも良い。褥瘡改善具10の連結個所は、上記頂角辺縁同士、直角辺縁同士のほか、短辺面4と斜辺面3とがなす斜角辺縁同士でもよいし、直角辺縁と頂角辺縁、斜角辺縁と頂角辺縁、斜角辺縁と直角辺縁とが連結されても良いし、さらに、これらの辺縁と側面13の周縁の3つの辺縁のいずれかとが連結されてもよし、側面13の周縁の3つの辺縁のいずれか同士が連結されてもよい。
【0072】
さらには、上記各辺縁と底辺面2、短辺面4または側面13とが連結されても良い。これらの場合でも、折り畳み及び展開が可能となる。このような連結は、上記縫合のほか、着脱自在な面ファスナー、ボタン、スナップ、ファスナー、フック、ホック、紐などによってもよい。これにより、褥瘡改善具10を単独でも複数連結しても使用できる。
【0073】
(6)他の発明の効果
[1]弾力性を有する素材からなる本体と、 この本体の外表面のうち、面積の最も大きい二つの面であって、一方の面に対して他方の面が傾斜した少なくとも二つの面と、 この二つの面に形成された複数の凹んだ通気及び通光を保つ凹溝であって、上記二つの面の表裏でほぼ同じ位置に設けられた凹溝であり、この二つの面の傾斜方向にほぼ沿っているまたは斜めに沿っているにもかかわらず、凹溝の両底の表裏の間隔がほぼ一定である凹溝とを備えたことを特徴とする褥瘡改善具。
【0074】
[2]上記二つの面の傾斜角度は、荷重が無い状態で、5度乃至45度、望ましくは7.5度乃至30度、より望ましくは9度乃至15度であることを特徴とする請求項1記載の褥瘡改善具。これにより、肩や骨盤などの体の一部に高い圧力がかかり褥瘡の発生し易い、仰向けまたは真横ではなく、傾斜した状態に病人等を保つことができる。
【0075】
[3]上記褥瘡改善具は上記傾斜が大きくなるように複数積層され、この大きくなった傾斜角度がほぼ30度となることを特徴とする請求項2記載の褥瘡改善具。 これにより、肩や骨盤などの体の一部に高い圧力がかかり褥瘡の発生し易い、仰向けまたは真横ではなく、傾斜した状態に病人等を保つことができる。
【0076】
[4]上記二つの面の表裏でほぼ同じ位置に設けられた凹溝の両底は、表裏の間がほぼ等間隔に、互いに糸で縫合されていることを特徴とする請求項1記載の褥瘡改善具。 これにより、凹溝によって、人体と本褥瘡改善具表面とに隙間ができ、外布の放湿効果は発揮され低下せず、この放湿によって褥瘡が改善される。
【0077】
[5]上記凹溝は、褥瘡改善具または本体の周縁まで達しておらず、褥瘡改善具または本体の外周縁に沿って、凹溝が形成されていないことを特徴とする請求項1記載の褥瘡改善具。 これにより、人体の当接圧力が大きくなり易い、褥瘡改善具または本体の外周縁の人体当接による凹みを減少できる。
【0078】
[6]上記凹溝の付近には、上記本体より撓みにくく、本体より空隙率が高くて隙間が多く、本体より透光性の高い立体構造編物が設けられていることを特徴とする請求項5記載の褥瘡改善具。これにより、人体が当接して本体が撓んで圧縮されても、立体構造編物の圧縮/撓みは本体より小さく、隙間が多くて維持されるので、褥瘡改善具と当接している人体との間に隙間が維持され、通気性及び放湿性が保たれ、褥瘡が防止される。また、この立体構造編物は透光性が高いので、本体に光触媒作用がある場合にこれが向上する。
【0079】
[7]上記本体の表面は細かい凹凸が形成され光触媒作用または抗菌作用のある素材が付着され、本体の表面は、パイルを有する通気及び透光を保つ外布で覆われていることを特徴とする請求項4記載の褥瘡改善具。 これにより、本体表面積を大きくして、光触媒作用または抗菌作用をより強く発揮させ、しかもこの光触媒作用または抗菌作用を外布で保護して劣化しないようにできる。
【0080】
[7−2]上記本体または/及び布は、抗菌作用がある素材または光触媒作用がある素材からなることを特徴とする請求項5記載の褥瘡改善具。 これにより、褥瘡を発生させる菌の発生・増殖をおさえて、褥瘡を改善できる。
【0081】
[8]上記褥瘡改善具は、上記面積の最も大きい互いに傾斜した面以外の個所で複数連結されて、互いに折り畳み可能となっていることを特徴とする請求項3記載の褥瘡改善具。 これにより、連結された褥瘡改善具を折り畳んで積層したり、展開して伸ばしたりして、病人などの状態及び個所にあわせて種々形態を変更できる。
【0082】
[9]上記褥瘡改善具はほぼ円筒状に湾曲した状態で固定する固定具を備え、この円筒状に湾曲固定された状態かつ厚さが漸次変化する状態で四肢に巻きつけられることを特徴とする請求項1記載の褥瘡改善具。 これにより、血行が悪くなり易い手または足の血行を促進できる。また、四肢の胴体に近い方を布団上面から浮き上がらせて、血管の圧迫を防いで血行を良くするとともに、胴体に近い個所などに高い圧力がかかるのを防ぎ、褥瘡を防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
通気性及び放湿性が保たれ、肩や骨盤などに高い圧力がかからず、褥瘡を防止できる。褥瘡改善具は、直角三角柱状であり、この三角柱状の大きい二つの面の表裏でほぼ同じ位置に、表裏からの縫合によって凹溝11が形成され、この凹溝11は、この二つの面の傾斜方向にほぼ沿っているまたは斜めに沿っているにもかかわらず、凹溝11の両底の表裏の間隔がほぼ一定である。
【0084】
褥瘡改善具及び本体1の短辺面4に近い太い個所では、凹溝11は深くなるので、この部分に人体が当接しても、凹溝11が塞がれてしまうことがなく、通気性及び放湿性が保たれ、褥瘡が防止される。また三角柱状のため、病人などの下に入れたとき、仰向けでもなく、真横でもなく、程よい姿勢に保つことができ、肩や骨盤などに高い圧力がかからず、褥瘡が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】褥瘡改善具の外観を示す。
【図2】褥瘡改善具の断面を示す。
【図3】褥瘡改善具の断面(図2と直交する方向)を示す。
【図4】褥瘡改善具の短辺面4を示す。
【図5】褥瘡改善具の使用状態を示す。
【図6】褥瘡改善具の使用状態を示す。
【図7】褥瘡改善具を湾曲させる第二実施形態を示す。
【図8】褥瘡改善具を湾曲させる第二実施形態を示す。
【図9】褥瘡改善具を連結した第三実施形態を示す。
【図10】褥瘡改善具を連結した第三実施形態を示す。
【図11】立体構造編物16を積層した第四実施形態を示す。
【図12】立体構造編物16を積層した第四実施形態を示す。
【符号の説明】
【0086】
1…本体、2…底辺面、
3…斜辺面、4…短辺面、
5…外布、6…ファスナー、
7…ゴムカバー、8…ホック、
10…褥瘡改善具、11…凹溝、
12…連結紐(固定具)、13…側面、
16…立体構造編物、17…編地、
18…フィラメント。
【技術分野】
【0001】
本発明は、褥瘡改善具に関し、特に長い時間同じ姿勢を維持して、体の一部に長時間圧迫がかかってできる、褥瘡(床ずれ)の防止または治療などの改善するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、病人または障害を持つ人など体を動かすのに不自由する人が長期にわたって寝たきりなど同じ姿勢を維持すると、衣類または寝具などに対して体の一部が長時間にわたって圧迫され、この圧迫部位に褥瘡または床ずれと呼ばれる壊そが生じることがある。この様な褥瘡を改善する治療具が考えられている。例えば以下のものである。
【0003】
【特許文献1】WO2004/037149号公報
【特許文献2】特開平7−313585号公報
【特許文献3】特開2008−110096号公報
【特許文献4】特開2005−179697号公報
【特許文献5】特開2003−319977号公報
【特許文献6】特開2007−270394号公報
【特許文献7】特開2005−179808号公報
【特許文献8】特開2004−107800号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本件発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、このような褥瘡を簡単な改善具で防止したり治療したりするなど、褥瘡を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の褥瘡改善具は、 弾力性を有する素材からなる本体と、 この本体の外表面のうち、面積の最も大きい二つの面であって、一方の面に対して他方の面が傾斜した少なくとも二つの面と、 この二つの面に形成された複数の凹んだ通気及び通光を保つ凹溝であって、上記二つの面の表裏でほぼ同じ位置に設けられた凹溝であり、この二つの面の傾斜方向にほぼ沿っているまたは斜めに沿っているにもかかわらず、凹溝の両底の間の間隔がほぼ一定である凹溝とを備えた。
【発明の効果】
【0006】
これにより、褥瘡改善具が傾斜しているので、病人または障害を持つ人など体を動かすのに不自由する人(以下「病人」などという)の背中などと布団などとの間に差し込んで、病人などに、褥瘡が発生せず、予防・防止でき、悪化しないまたは治療できる(以下「褥瘡の改善」などという)、ちょうどよい傾斜に体の向きを変えることができる。
【0007】
病人などを仰向けから真横に向きを変えると、肩や骨盤などの体の一部に高い圧力がかかり、新たな褥瘡の原因となってしまう。これを防ぐためには、側臥位の傾きは、5度乃至45度、望ましくは7.5度乃至30度、より望ましくは9度乃至15度あたりがよく、本発明の褥瘡改善具によってこの角度を達成できる。また、上記凹溝で通気性が保たれ、褥瘡の発生の防止または褥瘡の悪化・拡大が防止される。
【0008】
さらに、褥瘡改善具及び本体の太い個所では、凹溝は深くなるので、この部分に人体が当接しても、凹溝が塞がれてしまうことがなく、褥瘡改善具及び本体の通気性、通光性及び上記放湿性が保たれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)褥瘡改善具10の構造
図1〜図4は褥瘡改善具の外観及び断面を示す。褥瘡改善具10の内部を構成する本体1は、発泡ウレタン、スポンジなど、クッション性、発泡性、伸縮性、弾力性または/及び可撓性を有する素材からなる。この本体1は三角柱を横向きにした形状をしており、断面は直角三角形である。この直角三角形の直角を挟む二辺の内長い方の辺(以下「底辺」という)に沿った面を底辺面2と呼ぶ。また上記直角の対辺である斜辺に沿った面を斜辺面3と呼ぶ。
【0010】
これら底辺面2と斜辺面3との二つの面は、上記本体1の外表面のうち、面積の最も大きい二つの面であって、一方の面に対して他方の面が傾斜している。上記底辺面2と斜辺面3、つまり上記面積の最も大きい二つの面の傾斜角度は、荷重が無い状態で、10度となっている。しかし、場合によって、5度乃至45度、望ましくは7.5度乃至30度、より望ましくは9度乃至15度でもよい。
【0011】
上記褥瘡改善具10は上記傾斜が大きくなるように複数積層されることも可能であり、この大きくなった傾斜角度は、ほぼ20度、ほぼ30度、ほぼ40度、…は可能となっている。上記底辺面2と斜辺面3とが挟む角に当たる部分は切り取られ、平坦となり、この平坦な角部分の幅は5〜20mmほどとなっている。上記直角三角形のもっとも短い辺を短辺面4と呼ぶ。この短辺面4の幅は50〜100mmほどとなっている。
【0012】
上記本体1の表面にはアパタイト光触媒塗料(光触媒チタンアパタイト、フッ化アパタイト被覆酸化チタンなど)が塗布されていて、抗菌作用(殺菌、除菌、滅菌、減菌も含む)及び光触媒作用を有する。この塗布は、スプレーガン、ローラー刷毛などで行われる。アパタイト光触媒は、従来の二酸化チタンなどの光触媒素材に比べて、より小さいウィルス・微生物・雑菌、例えばエンテロトキシンなども吸着して除去できる。
【0013】
本体1は発泡ウレタン、スポンジなどの発泡性であるため、表面に非常に細かな凹凸があり、この凹凸に上記アパタイト光触媒塗料がまんべんなく、しかも凹凸が埋められることなく、塗布される。この場合の粘度、密度、固まるまでのゲルタイムは、以下の通りである。
【0014】
この場合のアパタイト光触媒塗料の密度(=比重)は1.00〜1.20g/ml、望ましくは1.08〜1.14g/ml、より望ましくは1.10〜1.12であり、粘度は1.0〜9.0dPa・S、望ましくは1.5〜6.0dPa・S、より望ましくは2.0〜4.5dPa・Sであり、揺変度は3.5〜10.0、望ましくは4.5〜8.5であり、より望ましくは5.0〜7.0、酸価は10〜25mgKOH/g、望ましくは12〜20mgKOH/gであり、固まるまでの時間であるゲルタイムは10〜50分、望ましくは15〜40分、より望ましくは20〜30分である。
【0015】
エアーガンを用いて塗布する場合のアパタイト光触媒塗料の粘度は3〜24ポイズ、望ましくは6〜15ポイズ、より望ましくは9〜12ポイズであり、揺変度は3.5〜9.5であり、望ましくは4.5〜8.0であり、より望ましくは5.0〜6.5であり、固まるまでの時間であるゲルタイムは10〜50分、望ましくは15〜40分、より望ましくは20〜30分である。
【0016】
刷毛塗りまたはローラー塗りによって塗布する場合のアパタイト光触媒塗料の粘度は9〜33ポイズ、望ましくは15〜24ポイズ、より望ましくは18〜21ポイズであり、揺変度は4.0〜10.0であり、望ましくは5.0〜8.5であり、より望ましくは5.5〜7.0であり、固まるまでの時間であるゲルタイムは10〜50分、望ましくは15〜40分、より望ましくは20〜30分である。
【0017】
このように本体1表面の細かい凹凸に上記アパタイト光触媒塗料がまんべんなく、しかも凹凸が埋められることなく、塗布されると、アパタイト光触媒が空気・外気に触れる表面積が格段に広くなり、褥瘡を起こす雑菌・微生物・ウィルス等の褥瘡原因物を吸着して除去できる。
【0018】
上記直角三角形柱状の本体1の外形面に沿った形の袋状に織られた外布5内に、上記本体1が収納され、本体1の表面は外布5で覆われている。この外布5は、パイルを有する通気を保つ布となっている。
【0019】
この外布5の上記短辺面4側の中央には長手方向に沿ってファスナー6が設けられている。このファスナー6を開いて、外布5の中に本体1が入れられる。このファスナー6の閉じられる位置の外側には方形状のゴムカバー7が縫い付けられている。このゴムカバー7の内側にファスナー6のホック8が収納され、ホック8が人体に当たっても痛くない。
【0020】
外布5の素材は、竹から作られた竹繊維(バンブー繊維)からなり、抗菌、消臭、吸湿(湿気の吸収)、調湿(湿気/湿度の自動調整)、放湿(湿気の排出)、遠赤外線発生、静電気が発生しにくいなどの性質を有する。また竹繊維は、光沢性、発色性、熱の放射性にも優れている。さらに、竹繊維は、染色性、発色性に優れ、着心地、肌触りもよい。
【0021】
調湿作用は内側の湿度が上がると湿気を外に排出し、内側の湿度が下がると外気の湿気を吸収する作用であって、内側の湿度を一定に保つ作用である。この外布5の外面/表面には多数のパイルが形成され、隙間が十分に有るように織られ、タオルのようにパイルで埋め尽くされているので、通気性及び吸湿性にも優れている。
【0022】
この外布5で覆われた本体1の斜辺面3から底辺面2へかけて糸で直線状に縫われ、この斜辺面3と底辺面2との二つの面の表裏のほぼ同じ位置で凹溝11が形成される。この凹溝11は、方形状の斜辺面3及び底辺面2を直角に横切るように複数平行に形成されている。
【0023】
この凹溝11の両底は、表裏の間がほぼ等間隔に、互いに糸でキルティング状に縫合される。すなわち、この二つの面の傾斜方向にほぼ沿っているまたは斜めに沿っているにもかかわらず、凹溝11の両底の表裏の間隔はほぼ一定となる。この凹溝11によって、人体と本褥瘡改善具10表面とに隙間ができるので、上記外布5の放湿効果は発揮され低下せず、この放湿によって褥瘡が改善される。
【0024】
言い換えると、褥瘡改善具10及び本体1の短辺面4に近い太い個所でも、短辺面4と反対側の薄い個所でも、斜辺面3及び底辺面2の表裏の両凹溝11の間隔はほぼ一定となる。また、褥瘡改善具10及び本体1の短辺面4に近い太い個所では、凹溝11は深くなり、短辺面4と反対側の薄い個所では、凹溝11は浅くなる。
【0025】
このように、褥瘡改善具10及び本体1の短辺面4に近い太い個所では、凹溝11は深くなるので、この部分に人体が当接しても、凹溝11が塞がれてしまうことがなく、通気性及び上記放湿性が保たれる。この凹溝11の底では、上記糸は細長い方形状に縫合され、凹溝11の底の幅が広くなり、凹溝11の幅も広くなり、通気性及び上記放湿性が向上する。
【0026】
上記凹溝11は、凹んでいて、この凹溝11の底の幅がある程度あるので、通気性及び放湿性が保たれるほか、通光性も保たれる。この通光性によって、上記本体1の光触媒作用が発揮される。この場合、本体1を覆う外布5はパイルがあってもメッシュ状で透光性があり、本体1の光触媒作用が低下しない。
【0027】
上記凹溝11は、上記の平行のもののほか、上記凹溝11に斜めまたは直角に交差するさらなる凹溝11が形成されても良い。この場合でも、凹溝11の両底の表裏の間隔はほぼ一定とされる。これにより、斜辺面3と底辺面2との二つの面の傾斜方向に斜めに沿っているにもかかわらず、凹溝11の両底の表裏の間隔はほぼ一定となる。
【0028】
上記凹溝11は、褥瘡改善具10及び本体1の周縁、短辺面4まで到達しておらず、褥瘡改善具10及び本体1の外周縁に沿って、凹溝11が形成されていない。これにより、人体の当接圧力が大きくなり易い、褥瘡改善具10及び本体1の外周縁の人体当接による凹みを減少できる。
【0029】
図5〜図6は褥瘡改善具10の使用状態を示す。上記褥瘡改善具10は傾斜が大きくなるように複数例えば3つ積層され、この大きくなった傾斜角度がほぼ30度とされ、頭、肩、背中、腰、尻、大腿、下腿の下などに直接若しくは布団またはマットレスの下に差し込まれる。これにより、病人などを、褥瘡を改善できる、ちょうどよい傾斜に体の向きを変えることができる。
【0030】
病人などを仰向けから真横に向きを変えると、肩や骨盤などに高い圧力がかかり、新たな褥瘡の原因となってしまう。上記30度ぐらいがちょうどよい。この角度30度は、20度でも、10度でもよい。また、5度乃至45度、望ましくは7.5度乃至30度、より望ましくは9度乃至15度でもよい。
【0031】
所定時間経過したら、上記褥瘡改善具10を引き抜いて、左右反対側に差し込まれる。これにより、病人などが長い時間同じ姿勢のままとならず、体の一部に長時間圧迫がかからず、褥瘡(床ずれ)の防止または治療などの改善ができる。
【0032】
このような褥瘡改善具10は、上述のように左右交互に入れ替えるのではなく、左右両方に差し込まれても良い。これにより、病人などの中心部分長時間圧迫がかからず、中心部分の褥瘡(床ずれ)の防止または治療などの改善ができる。
【0033】
このような褥瘡改善具10は、車椅子に座る人の人体と車椅子との間、例えば、腰の横・後、背中、臀部の横・後・下、大腿の横・下などに挟むこともできる。以上の場合に、重ねる褥瘡改善具10の数を増減すれば、積層される褥瘡改善具10の傾斜角度を任意に変更でき、褥瘡を改善できる最適な傾斜を実現できる。
【0034】
(2)第二実施形態
図7〜図8は第二実施形態を示す。上記短辺面4の長手方向に沿った両端縁に沿って、布製の帯状の連結紐12(固定具)が縫合されて連結されており、この連結紐12の両端が、短辺面4の両端縁の両角隅に縫合されている。
【0035】
この2つの連結紐12、12を互いに結ぶと、褥瘡改善具10はほぼ円筒状に湾曲した状態で固定される。この場合、上記短辺面4は上記円筒の上面または下面の一部を環状に構成し、この湾曲した円筒はテーパー状に太さが漸次薄くまたは細く若しくは厚くまたは太く変化していく。
【0036】
このような円筒状に湾曲固定された褥瘡改善具10は、上腕、前腕、腕全体、大腿、下腿、脚全体等の四肢に巻きつけられる。これにより、四肢の防寒、保温、加温、血行促進、抗菌作用、光触媒作用、通気性、放湿性、褥瘡改善を達成できる。
【0037】
この巻き付けにおいて、太い短辺面4側を手または足に近い方に位置させると、血行が悪くなり易い手または足の血行を促進できる。また、この巻き付けにおいて、太い短辺面4側を手または足に近い方に位置させると、四肢の胴体に近い方を布団上面から浮き上がらせて、血管の圧迫を防いで血行を良くするとともに、胴体に近い個所などに高い圧力がかかるのを防ぎ、褥瘡を防止できる。
【0038】
上記連結紐12(固定具)の両端のうち片方のみ、短辺面4の角隅に縫合されてもよい。両端が縫合されても、連結紐12の長さが十分であれば、連結紐12どうしを結ぶことができる。
【0039】
(3)第三実施形態
図9〜図10は第三実施形態を示す。この実施形態では、3つの褥瘡改善具10が連結されて、折り畳んだり、伸ばしたりできる。2つの褥瘡改善具10の底辺面2及び斜辺面3がなす頂角辺縁同士が縫合などによって連結される。またこの連結された2つの褥瘡改善具10の内の片方の褥瘡改善具10の短辺面4と底辺面2とがなす直角辺縁と他の褥瘡改善具10の直角辺縁同士が縫合などによって連結される。
【0040】
以上のように、本褥瘡改善具10は、面積の最も大きい互いに傾斜した斜辺面3以外の個所で複数連結されて、互いに折り畳み可能となっている。このような連結された褥瘡改善具10を展開して伸ばすと、ほどよい凹凸が形成されて、後頭部、背中、腰、大腿付近にフィットして、体の背面側の一部に高い圧力がかからず、褥瘡を防止できる。
【0041】
また、上記連結された3つの褥瘡改善具10を折り畳むと、傾斜が大きくなるように複数積層されることになり、この大きくなった傾斜角度がほぼ30度となる。この折り畳んで積層された褥瘡改善具10は、上述のように頭、肩、背中、腰、尻、大腿、下腿の下などに直接若しくは布団またはマットレスの下に差し込まれる。これにより、病人などを、褥瘡を改善できる、ちょうどよい傾斜に体の向きを変えて、褥瘡を防止または改善できる。
【0042】
(4)第四実施形態
図11〜図12は第四実施形態を示す。この実施形態では、上記本体1と外布5との間に板状の立体構造編物16が挟まれている。この立体構造編物16は、隙間が多いにも関わらず、圧力がかかっても、この隙間があまり塞がれず撓まない構造となっている。
【0043】
この立体構造編物16は、上記ウレタン等からなる本体1より固く撓みにくく、本体1より空隙率が高くて隙間が多く、本体1より薄い。また、この立体構造編物16は、外布5より固く撓みにくく、外布5より空隙率が高くて隙間が多く、外布5より厚い。
【0044】
以上のように、立体構造編物16は、上記ウレタン等からなる本体1より固く撓みにくく、本体1より空隙率が高くて隙間が多いので、人体が当接して本体1が撓んで圧縮されても、立体構造編物16の圧縮/撓みは本体1より小さいので、褥瘡改善具10と当接している人体との間に隙間が維持され、通気性及び放湿性が保たれ、褥瘡が防止される。
【0045】
このような立体構造編物16の構造は、特開2007−270394号公報、特開2005−179808号公報、特開2004−107800号公報に示される。これらの公報に記載されていることは、本願発明の詳細な説明にも記載されているものとする。
【0046】
このような立体構造編物16は、表裏二層の編地17、17と、この二層の編地17、17の間を連結するフィラメント18…よりなっている。この表裏二層の編地17、17は、六角形の集合体のハニカム構造、三角形の集合体の構造、四角形の集合体の碁盤格子構造等に編まれる。
【0047】
このフィラメント18…は、上記表裏二層の編地17、17の間を連結荒れるように編まれる。このフィラメント18…は、「X字状」「V字状」「逆V字状」「M字状」「N字状」「W字状」「K字状」「Y字状」「A字状」「逆A字状」「□状」「□の中にXのある状態」「I字状(多数平行フィラメント18…)」などの構造をなし、圧力がかかっても表裏二層が接触しにくい構造となっている。
【0048】
このような構造をなすフィラメント18…は上記X字状などであっても、フィラメント18…どうしは連結されず分離独立されているが、連結されていてもよい。図12の例では、フィラメント18は、「X字状」の例が示されている。これにより、上述のように、立体構造編物16は本体1より固く撓みにくくなり、人体が当接して本体1が撓んで圧縮されても、隙間が維持され、通気性及び放湿性が保たれ、褥瘡が防止される。
【0049】
しかも、このフィラメント18…同士の間隔/隙間は、フィラメント18…自身の太さより数倍乃至十数倍、場合によって数倍乃至数十倍、さらに場合によって数倍乃至百数十倍ほどある。これにより、上述のように、立体構造編物16は、本体1より空隙率が高くて隙間が多くなり、人体が当接して本体1が撓んで圧縮されても、隙間が維持され、通気性及び放湿性が保たれる。
【0050】
このような立体構造編物16は、上記底辺面2及び斜辺面3に渡って、本体1と外布5との間に積層される。この底辺面2及び斜辺面3には、凹溝11が設けられているので、この凹溝11に人体が当接しても、凹溝11がさらにより塞がれなくなり、通気性及び放湿性が保たれ、褥瘡が防止される。
【0051】
このような立体構造編物16は、短辺面4にも積層されてもよいし、側面13、13に積層されてもよい。これにより、より通気性及び放湿性が向上し、褥瘡がより防止される。また、立体構造編物16は、凹溝11の付近のみに積層されてもよいし、底辺面2、斜辺面3、短辺面4、側面13、13の一部のみに積層されてもよい。さらに、立体構造編物16は底辺面2に無くてもよいし、斜辺面3に無くてもよい。これにより、立体構造編物16を節約できる。
【0052】
このような立体構造編物16は、外布5の外側に積層されてもよい。これにより、通気性及び放湿性が向上し、褥瘡が防止される。また、外布5の一部または全部は省略されてもよい。これにより、外布5を節約できる。この場合、立体構造編物16が、外布5と同じ抗菌、消臭、吸湿(湿気の吸収)、調湿(湿気/湿度の自動調整)、放湿(湿気の排出)、遠赤外線発生、静電気が発生しにくいなどの性質をもつ成分が配合されてもよい。
【0053】
この外布5が省略された場合、立体構造編物16は上述のように、空隙率が高くて隙間が多いので、本体1より投光性も非常に高く、本体1表面に光触媒成分が塗布されているので、この光触媒作用が向上する。
【0054】
上記立体構造編物16、本体1、外布5はその一部または全部が複数層とされ、これらが順番に積層されてもよい。これにより、通気性及び放湿性がより向上し、褥瘡がより防止される。
【0055】
図8の第二実施形態において、上述の立体構造編物16が積層されていると、筒状の褥瘡改善具10の内側に立体構造編物16によって、通気性及び放湿性が保たれ、褥瘡が防止される。
【0056】
図10の第三実施形態において、上述の立体構造編物16が積層されていると、立体構造編物16は、本体1より撓みにくいので、複数重ねられた褥瘡改善具10が撓みにくくなり、複数重ねられた褥瘡改善具10によって形成される傾斜角度が維持され、褥瘡をより防止できる。
【0057】
上述の各実施形態(実施例)において、当該実施形態(実施例)で記載されていないことは、他の実施形態(実施例)の記載されている内容が参照及び引用される。本願明細書及び特許請求の範囲においては、上記複数の実施形態(実施例)にわたって、各部または一部を入れ替えた実施形態(実施例)も、上記各実施形態(実施例)として記載されているものである。
【0058】
(5)他の実施の形態
本発明は、上記実施例に限定されず、種々変更可能である。例えば、凹溝11は直線状ではなく、ジグザグ状、サインカーブ状、矩形波状、三角波状、台形波状など、直線状でなくてもよい。凹溝11の底の幅は一定であったが、漸次太くなったり、漸次細くなったり、太い細いが交互になったりして、変化してもよい。
【0059】
例えば、褥瘡改善具10及び本体1の短辺面4に近い太い個所では、凹溝11の底が太くなってもよい。この部分に人体が当接しても、凹溝11がさらに塞がれてしまうことがなく、通気性及び上記放湿性がより保たれる。
【0060】
凹溝11は、糸のほか、高周波溶着によるものなど、斜辺面3と底辺面2との両凹溝11の底の間隔が一定にできればどのような形成によってもよい。斜辺面3と底辺面2との凹溝11の両位置は一致していなくてもよく、ずれていてもよい。この場合、凹溝11の位置がずれた二つの褥瘡改善具10が積層されて一体化される。
【0061】
斜辺面3と底辺面2との両凹溝11の底の間隔が一定ではなく、漸次太くなったり、漸次薄くなったり、太い薄いが交互になったりして、変化してもよい。凹溝11は互いに平行ではなく、ランダムに交差するように形成されてもよい。
【0062】
凹溝11は、褥瘡改善具10及び本体1の周縁、短辺面4まで到達していてもよい。これにより、通気性、通光性及び放湿性が向上する。外布5の一部または全部は無くて、本体1だけで褥瘡改善具10が構成されてもよい。ファスナー6は無くても良い。凹溝11の一部又は全部は無くてもよい。
【0063】
上記褥瘡改善具10及び本体1の形状は直角三角形柱状であったが、断面は二等辺三角形、正三角形、不等辺三角形、方形、多角形、円形、楕円形などでもよく、三角錐、四角錐、多角形錐、円錐、楕円錐、三角錐台、四角錐台、多角形錐台、円錐台、楕円錐台、球形、卵形などでもよい。
【0064】
本体1は、クッション性、発泡性、伸縮性、弾力性または/及び可撓性が無くてもよく、発泡ウレタン以外のクッション、小さいクッションの集合体、綿、羽毛、布、蕎麦がら、微小パイル、紙などでもよい。
【0065】
外布5は抗菌作用のほか光触媒作用のある布が用いられてもよい。これにより、光触媒作用がより向上する。しかし、上記実施形態のように光触媒作用のある本体1が外布5で覆われれば、本体1の光触媒素材が剥離しにくく、光触媒作用が劣化しない。外布5のパイルは無くても良く、織られた布のほか、不織布、編み物などでもよく、外布5は、布のほか、網、紙、樹脂布などでもよい。
【0066】
本体1の上記発泡ウレタン素材などの製造中に光触媒素材が混合されてもよい。光触媒作用本体1の光触媒作用は無くても良いし、抗菌作用はなくてもよい。外布5の光触媒作用は無くても良いし、抗菌作用はなくてもよい。本体1の抗菌作用のある素材、光触媒作用のある素材は、上述の素材に限られず、別の素材が用いられてもよい。 本体1又は外布5には、遠赤外線発生作用があっても良いし、消臭効果(防臭効果、吸臭効果、減臭効果を含む)があっても良いし、吸熱効果があっても良い。
【0067】
本体1又は外布5は、シャインアップ(株式会社クラレの製品)、「サニター30」(株式会社クラレの製品)、バンブー繊維、キチンキトサン繊維、ディスメルでもよいし、「ロンウェーブ」(株式会社クラレの製品)、「富士山溶岩シーツ」(おとぎの国http://store。shopping.yahoo.co.jp/otogino/ba0612.html)、繊維にカキタンニン成分を含むまたは付着された布などでもよい。
【0068】
上記連結紐12は、係止着脱自在な面ファスナーでも良いし、ボタン、スナップ、ファスナー、フック、ホックなど、褥瘡改善具10を湾曲固定できれば何でもよい。連結紐12は、短辺面4の4つの角隅に4つ縫合されてもよいし、底辺面2と斜辺面3となす辺の両端に縫合されてもよい。
【0069】
連結紐12は、三角柱状の褥瘡改善具10のどこの辺に縫合されてもよいし、三角柱状の褥瘡改善具10のどこの面に縫合されてもよい。これらの連結紐12…はいずれが結ばれてもよく、褥瘡改善具10の湾曲状態は、底辺面2及び斜辺面3がなす辺と短辺面4とが接近するように、つまり上記側面13、13が上記円筒の上面または下面の一部を環状に構成するように湾曲されてもよい。
【0070】
上記ファスナー6、ゴムカバー7、ホック8の一部または全部は無くてもよいし、短辺面4の中央ではなく、短辺面4の辺縁に沿って形成されてもよいし、三角柱状の褥瘡改善具10の辺又は面のいずれに形成されてもよい。ファスナー6、ゴムカバー7、ホック8が無いときには、当該個所の外布5が縫合されたり、重ね合わされたりする。
【0071】
連結される褥瘡改善具10は3つではなく、2つ、4つ、5つ以上でも良い。褥瘡改善具10の連結個所は、上記頂角辺縁同士、直角辺縁同士のほか、短辺面4と斜辺面3とがなす斜角辺縁同士でもよいし、直角辺縁と頂角辺縁、斜角辺縁と頂角辺縁、斜角辺縁と直角辺縁とが連結されても良いし、さらに、これらの辺縁と側面13の周縁の3つの辺縁のいずれかとが連結されてもよし、側面13の周縁の3つの辺縁のいずれか同士が連結されてもよい。
【0072】
さらには、上記各辺縁と底辺面2、短辺面4または側面13とが連結されても良い。これらの場合でも、折り畳み及び展開が可能となる。このような連結は、上記縫合のほか、着脱自在な面ファスナー、ボタン、スナップ、ファスナー、フック、ホック、紐などによってもよい。これにより、褥瘡改善具10を単独でも複数連結しても使用できる。
【0073】
(6)他の発明の効果
[1]弾力性を有する素材からなる本体と、 この本体の外表面のうち、面積の最も大きい二つの面であって、一方の面に対して他方の面が傾斜した少なくとも二つの面と、 この二つの面に形成された複数の凹んだ通気及び通光を保つ凹溝であって、上記二つの面の表裏でほぼ同じ位置に設けられた凹溝であり、この二つの面の傾斜方向にほぼ沿っているまたは斜めに沿っているにもかかわらず、凹溝の両底の表裏の間隔がほぼ一定である凹溝とを備えたことを特徴とする褥瘡改善具。
【0074】
[2]上記二つの面の傾斜角度は、荷重が無い状態で、5度乃至45度、望ましくは7.5度乃至30度、より望ましくは9度乃至15度であることを特徴とする請求項1記載の褥瘡改善具。これにより、肩や骨盤などの体の一部に高い圧力がかかり褥瘡の発生し易い、仰向けまたは真横ではなく、傾斜した状態に病人等を保つことができる。
【0075】
[3]上記褥瘡改善具は上記傾斜が大きくなるように複数積層され、この大きくなった傾斜角度がほぼ30度となることを特徴とする請求項2記載の褥瘡改善具。 これにより、肩や骨盤などの体の一部に高い圧力がかかり褥瘡の発生し易い、仰向けまたは真横ではなく、傾斜した状態に病人等を保つことができる。
【0076】
[4]上記二つの面の表裏でほぼ同じ位置に設けられた凹溝の両底は、表裏の間がほぼ等間隔に、互いに糸で縫合されていることを特徴とする請求項1記載の褥瘡改善具。 これにより、凹溝によって、人体と本褥瘡改善具表面とに隙間ができ、外布の放湿効果は発揮され低下せず、この放湿によって褥瘡が改善される。
【0077】
[5]上記凹溝は、褥瘡改善具または本体の周縁まで達しておらず、褥瘡改善具または本体の外周縁に沿って、凹溝が形成されていないことを特徴とする請求項1記載の褥瘡改善具。 これにより、人体の当接圧力が大きくなり易い、褥瘡改善具または本体の外周縁の人体当接による凹みを減少できる。
【0078】
[6]上記凹溝の付近には、上記本体より撓みにくく、本体より空隙率が高くて隙間が多く、本体より透光性の高い立体構造編物が設けられていることを特徴とする請求項5記載の褥瘡改善具。これにより、人体が当接して本体が撓んで圧縮されても、立体構造編物の圧縮/撓みは本体より小さく、隙間が多くて維持されるので、褥瘡改善具と当接している人体との間に隙間が維持され、通気性及び放湿性が保たれ、褥瘡が防止される。また、この立体構造編物は透光性が高いので、本体に光触媒作用がある場合にこれが向上する。
【0079】
[7]上記本体の表面は細かい凹凸が形成され光触媒作用または抗菌作用のある素材が付着され、本体の表面は、パイルを有する通気及び透光を保つ外布で覆われていることを特徴とする請求項4記載の褥瘡改善具。 これにより、本体表面積を大きくして、光触媒作用または抗菌作用をより強く発揮させ、しかもこの光触媒作用または抗菌作用を外布で保護して劣化しないようにできる。
【0080】
[7−2]上記本体または/及び布は、抗菌作用がある素材または光触媒作用がある素材からなることを特徴とする請求項5記載の褥瘡改善具。 これにより、褥瘡を発生させる菌の発生・増殖をおさえて、褥瘡を改善できる。
【0081】
[8]上記褥瘡改善具は、上記面積の最も大きい互いに傾斜した面以外の個所で複数連結されて、互いに折り畳み可能となっていることを特徴とする請求項3記載の褥瘡改善具。 これにより、連結された褥瘡改善具を折り畳んで積層したり、展開して伸ばしたりして、病人などの状態及び個所にあわせて種々形態を変更できる。
【0082】
[9]上記褥瘡改善具はほぼ円筒状に湾曲した状態で固定する固定具を備え、この円筒状に湾曲固定された状態かつ厚さが漸次変化する状態で四肢に巻きつけられることを特徴とする請求項1記載の褥瘡改善具。 これにより、血行が悪くなり易い手または足の血行を促進できる。また、四肢の胴体に近い方を布団上面から浮き上がらせて、血管の圧迫を防いで血行を良くするとともに、胴体に近い個所などに高い圧力がかかるのを防ぎ、褥瘡を防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
通気性及び放湿性が保たれ、肩や骨盤などに高い圧力がかからず、褥瘡を防止できる。褥瘡改善具は、直角三角柱状であり、この三角柱状の大きい二つの面の表裏でほぼ同じ位置に、表裏からの縫合によって凹溝11が形成され、この凹溝11は、この二つの面の傾斜方向にほぼ沿っているまたは斜めに沿っているにもかかわらず、凹溝11の両底の表裏の間隔がほぼ一定である。
【0084】
褥瘡改善具及び本体1の短辺面4に近い太い個所では、凹溝11は深くなるので、この部分に人体が当接しても、凹溝11が塞がれてしまうことがなく、通気性及び放湿性が保たれ、褥瘡が防止される。また三角柱状のため、病人などの下に入れたとき、仰向けでもなく、真横でもなく、程よい姿勢に保つことができ、肩や骨盤などに高い圧力がかからず、褥瘡が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】褥瘡改善具の外観を示す。
【図2】褥瘡改善具の断面を示す。
【図3】褥瘡改善具の断面(図2と直交する方向)を示す。
【図4】褥瘡改善具の短辺面4を示す。
【図5】褥瘡改善具の使用状態を示す。
【図6】褥瘡改善具の使用状態を示す。
【図7】褥瘡改善具を湾曲させる第二実施形態を示す。
【図8】褥瘡改善具を湾曲させる第二実施形態を示す。
【図9】褥瘡改善具を連結した第三実施形態を示す。
【図10】褥瘡改善具を連結した第三実施形態を示す。
【図11】立体構造編物16を積層した第四実施形態を示す。
【図12】立体構造編物16を積層した第四実施形態を示す。
【符号の説明】
【0086】
1…本体、2…底辺面、
3…斜辺面、4…短辺面、
5…外布、6…ファスナー、
7…ゴムカバー、8…ホック、
10…褥瘡改善具、11…凹溝、
12…連結紐(固定具)、13…側面、
16…立体構造編物、17…編地、
18…フィラメント。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾力性を有する素材からなる本体と、
この本体の外表面のうち、面積の最も大きい二つの面であって、一方の面に対して他方の面が傾斜した少なくとも二つの面と、
この二つの面に形成された複数の凹んだ通気及び通光を保つ凹溝であって、上記二つの面の表裏でほぼ同じ位置に設けられた凹溝であり、この二つの面の傾斜方向にほぼ沿っているまたは斜めに沿っているにもかかわらず、凹溝の両底の表裏の間隔がほぼ一定である凹溝とを備えたことを特徴とする褥瘡改善具。
【請求項2】
上記二つの面の傾斜角度は、荷重が無い状態で、5度乃至45度、望ましくは7.5度乃至30度、より望ましくは9度乃至15度であることを特徴とする請求項1記載の褥瘡改善具。
【請求項3】
上記褥瘡改善具は上記傾斜が大きくなるように複数積層され、この大きくなった傾斜角度がほぼ30度となることを特徴とする請求項2記載の褥瘡改善具。
【請求項4】
上記二つの面の表裏でほぼ同じ位置に設けられた凹溝の両底は、表裏の間がほぼ等間隔に、互いに糸で縫合されていることを特徴とする請求項1記載の褥瘡改善具。
【請求項5】
上記凹溝は、褥瘡改善具または本体の周縁まで達しておらず、褥瘡改善具または本体の外周縁に沿って、凹溝が形成されていないことを特徴とする請求項1記載の褥瘡改善具。
【請求項6】
上記凹溝の付近には、上記本体より撓みにくく、本体より空隙率が高くて隙間が多く、本体より透光性の高い立体構造編物が設けられていることを特徴とする請求項5記載の褥瘡改善具。
【請求項7】
上記本体の表面は細かい凹凸が形成され光触媒作用または抗菌作用のある素材が付着され、本体の表面は、パイルを有する通気及び透光を保つ外布で覆われていることを特徴とする請求項4記載の褥瘡改善具。
【請求項8】
上記褥瘡改善具は、上記面積の最も大きい互いに傾斜した面以外の個所で複数連結されて、互いに折り畳み可能となっていることを特徴とする請求項3記載の褥瘡改善具。
【請求項9】
上記褥瘡改善具はほぼ円筒状に湾曲した状態で固定する固定具を備え、この円筒状に湾曲固定された状態かつ厚さが漸次変化する状態で四肢に巻きつけられることを特徴とする請求項1記載の褥瘡改善具。
【請求項1】
弾力性を有する素材からなる本体と、
この本体の外表面のうち、面積の最も大きい二つの面であって、一方の面に対して他方の面が傾斜した少なくとも二つの面と、
この二つの面に形成された複数の凹んだ通気及び通光を保つ凹溝であって、上記二つの面の表裏でほぼ同じ位置に設けられた凹溝であり、この二つの面の傾斜方向にほぼ沿っているまたは斜めに沿っているにもかかわらず、凹溝の両底の表裏の間隔がほぼ一定である凹溝とを備えたことを特徴とする褥瘡改善具。
【請求項2】
上記二つの面の傾斜角度は、荷重が無い状態で、5度乃至45度、望ましくは7.5度乃至30度、より望ましくは9度乃至15度であることを特徴とする請求項1記載の褥瘡改善具。
【請求項3】
上記褥瘡改善具は上記傾斜が大きくなるように複数積層され、この大きくなった傾斜角度がほぼ30度となることを特徴とする請求項2記載の褥瘡改善具。
【請求項4】
上記二つの面の表裏でほぼ同じ位置に設けられた凹溝の両底は、表裏の間がほぼ等間隔に、互いに糸で縫合されていることを特徴とする請求項1記載の褥瘡改善具。
【請求項5】
上記凹溝は、褥瘡改善具または本体の周縁まで達しておらず、褥瘡改善具または本体の外周縁に沿って、凹溝が形成されていないことを特徴とする請求項1記載の褥瘡改善具。
【請求項6】
上記凹溝の付近には、上記本体より撓みにくく、本体より空隙率が高くて隙間が多く、本体より透光性の高い立体構造編物が設けられていることを特徴とする請求項5記載の褥瘡改善具。
【請求項7】
上記本体の表面は細かい凹凸が形成され光触媒作用または抗菌作用のある素材が付着され、本体の表面は、パイルを有する通気及び透光を保つ外布で覆われていることを特徴とする請求項4記載の褥瘡改善具。
【請求項8】
上記褥瘡改善具は、上記面積の最も大きい互いに傾斜した面以外の個所で複数連結されて、互いに折り畳み可能となっていることを特徴とする請求項3記載の褥瘡改善具。
【請求項9】
上記褥瘡改善具はほぼ円筒状に湾曲した状態で固定する固定具を備え、この円筒状に湾曲固定された状態かつ厚さが漸次変化する状態で四肢に巻きつけられることを特徴とする請求項1記載の褥瘡改善具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−224324(P2011−224324A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195874(P2010−195874)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(300011999)ブルネエズ株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(300011999)ブルネエズ株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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