見守りサービスシステム、携帯端末、および携帯端末の位置管理方法
【課題】見守りサービスを実現するためにネットワークにかかる負荷を抑制できる見守りサービスシステム、携帯端末、および携帯端末の位置管理方法を提供すること。
【解決手段】代表者の携帯端末10aは、GPS機能により位置情報を取得し、周囲の所定範囲内にある各携帯端末10a,10bのRFIDタグからID情報を読み出す。そして、複数のID情報と、各ID情報に共通の位置情報を含む更新情報100を中継局30を介してサービスサーバ20に送信する。複数のID情報に対する位置情報が共通化されているので、更新情報100を送信する際にネットワークにかかる負荷も低減する。サービスサーバ20は、受信した更新情報100に含まれる各ID情報および位置情報をデータベース部22で管理し、見守り装置40からのサービス要求200に応じて位置情報を提供することによって見守りサービスが実現される。
【解決手段】代表者の携帯端末10aは、GPS機能により位置情報を取得し、周囲の所定範囲内にある各携帯端末10a,10bのRFIDタグからID情報を読み出す。そして、複数のID情報と、各ID情報に共通の位置情報を含む更新情報100を中継局30を介してサービスサーバ20に送信する。複数のID情報に対する位置情報が共通化されているので、更新情報100を送信する際にネットワークにかかる負荷も低減する。サービスサーバ20は、受信した更新情報100に含まれる各ID情報および位置情報をデータベース部22で管理し、見守り装置40からのサービス要求200に応じて位置情報を提供することによって見守りサービスが実現される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、児童の登下校など、携帯端末を携帯する者の行動を遠隔から見守るための見守りサービスを提供する見守りサービスシステム、携帯端末、および携帯端末の位置管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(Global Positioning System)機能付きの携帯端末を児童に携帯させ、学校などに設置された見守り装置が、携帯端末のGPS機能により測位された位置情報をネットワークを介して児童の携帯端末から受信することにより、携帯端末の位置情報を管理するようにしたシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このシステムでは、保護者などの観察者は、観察者の端末装置を用いて見守り装置に問い合わせることによって、児童が携帯する携帯端末の位置、すなわち児童がいる位置を知らせる見守りサービスを受けることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2008−3690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、個々の携帯端末が見守り装置に対して位置情報を送信するようになっているので、例えば、登下校の集団を構成する複数名の児童の位置を管理しようとする場合、ネットワークを介して各児童のそれぞれの携帯端末から見守り装置に位置情報が送信されることになる。すなわち、登下校の集団にN(Nは2以上の整数)名の児童がいる場合であれば、各児童の携帯端末から位置情報が送信されることになるため、位置情報がN回送信されることになる。このように、複数名のメンバーについて位置を管理しようとする場合、管理対象とする人数分の位置情報が送信されることになるので、ネットワーク上のトラフィック量が増大する。このため、ネットワークにかかる負荷が大きくなってしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]識別情報を記憶する無線タグが取り付けられた第1の携帯端末および第2の携帯端末と、前記第1の携帯端末と無線通信可能な通信基地局と、前記通信基地局とネットワークを介して接続され、前記第1の携帯端末および前記第2の携帯端末の各端末の識別情報を位置情報に対応付けて管理するサービスサーバと、見守り対象とする携帯端末の識別情報を指定して、当該識別情報に対応する携帯端末の位置情報を前記サービスサーバに照会することにより、見守りサービスを提供する見守り装置とを含む見守りサービスシステムであって、前記第1の携帯端末は、衛星信号に基づく測位により前記位置情報を取得する衛星測位手段と、前記無線タグとの無線通信を行う無線通信手段であって、当該無線通信手段から所定範囲内にある前記無線タグとの無線通信が可能な無線通信手段と、前記無線通信手段の無線通信により、前記所定範囲内にある各無線タグから前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記取得した各識別情報を前記通信基地局を介して前記サービスサーバに送信するとともに、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報として、前記測位された位置情報を前記サービスサーバに送信する情報送信手段とを備えることを特徴とする見守りサービスシステム。
【0007】
この構成によれば、第1の携帯端末に備わる無線通信手段から所定範囲内にある第1の携帯端末および第2の携帯端末の各識別情報とともに、第1の携帯端末に備わる衛星測位手段により測位された位置情報が、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報としてサービスサーバに送信される。複数の識別情報に対する位置情報が共通とされることにより、特に、第1の携帯端末および第2の携帯端末の各端末から見守り装置に位置情報を送信する場合に比べて、通信基地局、サービスサーバ間のネットワーク上のトラフィック量が低減する。したがって、見守りサービスを実現するために、ネットワークにかかる負荷を抑制することができる。例えば、登下校の集団に含まれる各児童を見守ることができる見守りサービスを、ネットワークへの小さい負荷で実現することが可能である。
【0008】
[適用例2]上記見守りサービスシステムにおいて、前記見守り装置は、前記見守り対象とする携帯端末の識別情報を含むサービス要求を、前記サービスサーバに送信するサービス要求送信手段を備え、前記サービスサーバは、前記サービス要求を受信するサービス要求受信手段と、前記通信基地局を介して前記第1の携帯端末から受信した識別情報および位置情報を管理する情報管理手段と、前記情報管理手段に管理された位置情報から、前記受信したサービス要求の識別情報に対応する位置情報を検索する検索手段と、検索結果の位置情報を前記見守り装置に送信する検索結果送信手段とを備え、前記見守り装置は、前記検索結果の位置情報を前記サービスサーバから受信する検索結果受信手段と、前記受信した検索結果の位置情報に基づき、前記見守り対象とした携帯端末の位置を通知する通知手段とをさらに備えることを特徴とする見守りサービスシステム。
【0009】
この構成によれば、見守り対象とする携帯端末の位置が見守り装置によって通知されるので、通知を受けた者は、見守り対象とした携帯端末の位置、すなわち、その携帯端末を携帯する者がいる位置を知って行動を見守ることができる。
【0010】
[適用例3]上記見守りサービスシステムにおいて、前記検索手段は、前記情報管理手段に管理された情報から、前記検索結果の位置情報に対応する、前記サービス要求の識別情報とは異なる他の識別情報をさらに検索し、前記検索結果送信手段は、前記検索結果の位置情報とともに、前記検索された他の識別情報を前記見守り装置に送信し、前記通知手段は、前記検索結果受信手段が受信した他の識別情報に基づいて、前記見守り対象とした携帯端末と同じ前記所定範囲内に携帯端末がある旨を通知することを特徴とする見守りサービスシステム。
【0011】
この構成によれば、見守り対象とした携帯端末の位置に加えて、その携帯端末と同じ所定範囲内に携帯端末がある旨が通知されるので、通知を受けた者は、見守り対象とした携帯端末を携帯する者の周囲に、携帯端末を携帯した者がいることを知ることができる。
【0012】
[適用例4]上記見守りサービスシステムにおいて、前記サービスサーバは、前記第1の携帯端末を携帯するメンバーおよび前記第2の携帯端末を携帯するメンバーが所属する集団における各メンバーを示すメンバー情報が登録されたメンバー情報登録手段と、前記メンバー情報に基づき、各メンバーが携帯する携帯端末の識別情報を、前記第1の携帯端末から受信したか否かを判断する判断手段と、いずれかのメンバーが携帯する携帯端末の識別情報を受信していない場合に、前記受信していない識別情報の携帯端末を携帯するメンバーの不在通知を、前記見守り装置に送信する不在通知送信手段とをさらに備え、前記見守り装置の通知手段は、前記不在通知の内容を通知することを特徴とする見守りサービスシステム。
【0013】
この構成によれば、集団に所属するメンバーのうちいずれかのメンバーが、第1の携帯端末からの所定範囲内にいない場合に、その見守り対象者の不在通知が見守り装置によって通知される。したがって、通知を受けた者は、集団に不在のメンバーを知ることができる。
【0014】
[適用例5]見守りサービスを提供するため、携帯端末の識別情報を位置情報に対応付けて管理するサービスサーバと、通信基地局を介して無線通信可能な携帯端末であって、識別情報を記憶する無線タグと、衛星信号に基づく測位により位置情報を取得する衛星測位手段と、前記無線タグとの無線通信を行う無線通信手段であって、当該無線通信手段から所定範囲内にある前記無線タグとの無線通信が可能な無線通信手段と、前記無線通信手段の無線通信により、前記所定範囲内にある各無線タグから前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記取得した各識別情報を前記通信基地局を介して前記サービスサーバに送信するとともに、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報として、前記測位された位置情報を前記サービスサーバに送信する情報送信手段とを備えることを特徴とする携帯端末。
【0015】
この構成によれば、所定範囲内にある各携帯端末の識別情報とともに、衛星測位手段により測位された位置情報が、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報としてサービスサーバに送信される。複数の識別情報に対する位置情報を共通とされるので、ネットワーク上のトラフィック量が低減する。
【0016】
[適用例6]識別情報を記憶する無線タグが取り付けられた第1の携帯端末および第2の携帯端末と、前記第1の携帯端末と無線通信可能な通信基地局と、前記通信基地局とネットワークを介して接続され、前記第1の携帯端末および前記第2の携帯端末の各端末の識別情報を位置情報に対応付けて管理するサービスサーバと、見守り対象とする携帯端末の識別情報を指定して、当該識別情報に対応する携帯端末の位置情報を前記サービスサーバに照会することにより、見守りサービスを提供する見守り装置とを含む見守りサービスシステムにおける携帯端末の位置管理方法であって、衛星信号に基づく測位により、前記第1の携帯端末の位置情報を取得する衛星測位ステップと、前記第1の携帯端末から所定範囲内にある各無線タグとの無線通信を前記第1の携帯端末が行うことにより、前記所定範囲内にある各無線タグから識別情報を取得する識別情報取得ステップと、前記取得した各識別情報を前記通信基地局を介して前記サービスサーバに送信するとともに、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報として、前記測位された位置情報を前記サービスサーバに送信する情報送信ステップとを有することを特徴とする携帯端末の位置管理方法。
【0017】
このようにすれば、第1の携帯端末から所定範囲内にある第1の携帯端末および第2の携帯端末の各識別情報とともに、第1の携帯端末に備わる衛星測位手段により測位された位置情報が、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報としてサービスサーバに送信される。複数の識別情報に対する位置情報が共通とされることにより、通信基地局、サービスサーバ間のネットワーク上のトラフィック量が低減するので、見守りサービスを実現するために、ネットワークにかかる負荷を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る見守りサービスシステムの構成を示した図である。図1に示すように、見守りサービスシステム1は、複数の携帯端末10(10a,10b)と、サービスサーバ20と、中継局(通信基地局)30と、見守り装置40とを備えている。なお、本見守りサービスシステム1は、観察者が、見守り装置40を用いてサービスサーバ20に問い合わせることにより、携帯端末10を携帯する者がいる位置を遠隔から知り、その者の行動を見守ることを可能とする見守りサービスを提供するものである。本実施形態では、集団登下校時の1つの集団に所属する各児童が携帯端末10を携帯し、各児童の保護者や教師などの観察者が、児童の登下校を見守る場合を例にして説明する。
【0020】
まず、児童に携帯される携帯端末10の構成について説明する。図2は、携帯端末10のハードウェア構成を示した図である。図2に示すように、携帯端末10は、CPU11と、RAM12と、ROM13と、GPS部14と、無線通信部(無線通信手段)15と、電源装置16とを備えている。この携帯端末の具体例としては、携帯電話やPHSなどの通信機器を挙げることができる。
【0021】
CPU11は、携帯端末10の制御装置であり、RAM12を用いて、ROM13に記憶されたプログラムを実行することにより、携帯端末10の動作を制御する。GPS部14は、測位衛星S(図1参照)からの衛星信号を受信する部分である。電源装置16は、携帯端末10の各部に電源を供給する装置である。
【0022】
また、携帯端末10には、RFIDタグ17が取り付けられている。このRFIDタグ17は、端末固有のID情報(識別情報)が予め記憶された不揮発性メモリ171、無線通信用のアンテナ172、制御用のICチップ(図示なし)などを有する。
【0023】
無線通信部15は、RFIDタグ17との無線通信を行うリーダ/ライタであり、無線通信可能な範囲は、無線通信部15に備わるアンテナ151を略中心として所定距離より近い範囲(以下、「通信可能範囲R(図1参照)」という)内である。すなわち、携帯端末10は、端末本体の周囲の通信可能範囲R内において、自身の携帯端末10を含む各携帯端末10に備わるRFIDタグ17との無線通信が可能になっている。また、無線通信部15は、通信可能範囲R内において中継局30との無線通信も可能である。そして、通信可能範囲Rが、例えば、集団登下校における1つの集団の大きさ程度の範囲となるように、無線通信部15が出力する電波の強弱は予め調整されている。
【0024】
ここで、複数の携帯端末10のうち、集団登下校の班長などの代表者が携帯する携帯端末10については、見守りサービスを実現するための特別な機能を発揮するよう、児童の保護者や学校の教師などの観察者によって、他の携帯端末10とは異なる設定がなされている。以下、代表者が携帯する携帯端末10を「代表者の携帯端末10a(第1の携帯端末)」といい、複数の携帯端末10のうち代表者の携帯端末10aを除く端末を「他の携帯端末10b(第2の携帯端末)」ともいうこととする。なお、代表者の携帯端末10aと他の携帯端末10bとのハードウェア構成はともに図2に示した同様の構成であり、機能が異なる。
【0025】
代表者の携帯端末10aの機能構成を図3に示す。図3に示すように、代表者の携帯端末10aは、測位部(衛星測位手段)50と、時刻情報取得部51と、ID情報取得部(識別情報取得手段)52と、更新情報送信部(情報送信手段)53とを有する。これらの機能構成は、CPU11が、ROM13に記憶されたプログラムを実行することにより機能する。
【0026】
測位部50は、GPS部14が受信した衛星信号に基づいて測位位置の緯度および経度を算出することにより、代表者の携帯端末10aの位置情報を取得する。時刻情報取得部51は、衛星信号に含まれる時刻情報に基づき、測位時の時刻情報を取得する。もっとも、時刻情報を取得する方法としては、これに限られることなく、例えば、携帯端末10に内蔵された時計を参照して、測位時の時刻情報を取得するようにしてもよい。
【0027】
ID情報取得部52は、無線通信部15の無線通信を利用して、通信可能範囲R内にある各RFIDタグ17からID情報を取得する。ここで、図1に示すように、通信可能範囲R内には、他の携帯端末10bのRFIDタグ17だけでなく、自身の携帯端末10aのRFIDタグ17も含まれている。このため、ID情報取得部52が、無線通信を利用してID情報を取得することにより、通信可能範囲Rの範囲内にある代表者の携帯端末10aおよび他の携帯端末10bの各端末のID情報が取得される。もっとも、代表者の携帯端末10aのID情報については、ID情報取得部52が、自身の端末装置に備わるRFIDタグ17のメモリからID情報を直接読み出すようにして取得してもよい。
【0028】
また、通信可能範囲R内に、集団に所属しない児童の携帯端末がある可能性もある。そこで、ID情報取得部52は、登下校時の集団に所属する各児童の携帯端末10のID情報が登録されたテーブル(図示なし)を参照して、通信可能範囲R内にある各RFIDタグ17から読み取ったID情報のうち、テーブルに登録済みのID情報を、該当するID情報として取得する。これにより、登下校時の集団に所属する児童のID情報だけが取得される。
【0029】
そして、更新情報送信部53は、無線通信部15の無線通信を利用して、取得された各ID情報、位置情報および時刻情報を含む更新情報100をサービスサーバ20を宛先として中継局30に送信する。
【0030】
次に、中継局30について説明する。中継局30は、携帯端末10、サービスサーバ20間の通信を中継するための通信設備であり、代表者の携帯端末10aとサービスサーバ20との通信を中継するため通学路付近など、街中の様々な場所に設けられている。この中継局30の具体例としては、インターネットなどのネットワークに接続された自動販売機、または電柱、公衆電話、街灯、信号機などに設置された通信設備などを挙げることができる。
【0031】
図1に示すように、中継局30は、更新情報受信部31と、通信中継部32とを有する。更新情報受信部31は、代表者の携帯端末10aから更新情報100を受信する。通信中継部32は、受信した更新情報100をネットワークを介してサービスサーバ20に送信することにより、代表者の携帯端末10a、サービスサーバ20間の通信を中継する。こうして、代表者の携帯端末10aから送信された更新情報100は、中継局30を介してサービスサーバ20に送信される。
【0032】
次に、サービスサーバ20について説明する。サービスサーバ20は、各携帯端末10a,10bの位置を一元管理する装置であり、例えば、見守りサービスを提供する携帯電話事業者のデータセンターなどに設置される。このサービスサーバ20は、更新情報受信部21と、データベース部(情報管理手段)22とを有する。更新情報受信部21は、代表者の携帯端末10aから送信された更新情報100を中継局30を介して受信する。そして、受信した更新情報100のID情報および位置情報は、データベース部22によって管理される。
【0033】
また、サービスサーバ20は、サービス要求受信部(サービス要求受信手段)23と、検索部(検索手段)24と、検索結果送信部(検索結果送信手段)25とをさらに有する。サービス要求受信部23は、後述するサービス要求200を見守り装置40から受信する。検索部24は、サービス要求200に指定された携帯端末10の位置情報をデータベース部22から検索する。そして、検索結果送信部25は、検索結果の位置情報を見守り装置40に送信する。すなわち、サービスサーバ20は、見守り装置40からのサービス要求200に応じて、指定された携帯端末10の位置情報を見守り装置40に送信する機能を有している。
【0034】
見守り装置40は、観察者に対して見守りサービスを実際に提供するための端末であり、操作部41と、サービス要求送信部(サービス要求送信手段)42と、検索結果受信部(検索結果受信手段)43と、表示パネル44と、通知部(通知手段)45とを有する。なお、この見守り装置40の具体例としては、児童の自宅や学校に設置されたパーソナルコンピュータなどの情報端末の他、観察者が携帯する携帯電話やPHSなどの携帯機器を挙げることができる。
【0035】
操作部41は、観察者によるユーザー操作の入力を受ける部分であり、キーボードやマウスなどの入力機器である。サービス要求送信部42は、操作部41へのユーザー操作に従って、見守り対象とする児童が携帯する携帯端末10のID情報を含むサービス要求200をサービスサーバ20に送信する。検索結果受信部43は、サービスサーバ20から検索結果の位置情報を受信する。
【0036】
通知部45は、検索結果の通知画面を表示パネル44に表示させることにより、検索結果の位置情報を観察者に通知する制御を行う。これにより、保護者などの観察者は、サービス要求200に応じた児童の位置情報を知ることができる。すなわち、観察者は児童の見守りサービスを受けることができる。
【0037】
以上に説明したように、本見守りサービスシステム1では、登下校の集団における代表者が所持する携帯端末10aが、通信可能範囲R内にある各携帯端末10のID情報を含む更新情報100をサービスサーバ20に送信することにより、サービスサーバ20によって登下校の集団に含まれる各児童がいる位置が管理される。そして、見守り装置40からのサービス要求200に応じて、サービスサーバ20が、児童の位置情報を見守り装置40に送信することによって、見守り装置40から観察者に見守りサービスが提供される。
【0038】
ここで、代表者の携帯端末10aが送信する更新情報100のデータ構造について説明する。図4は、更新情報100のデータ構造を示した図である。図4に示すように、更新情報100は、ID情報リストと、位置情報と、時刻情報とを含む構成となっている。ID情報リストには、通信可能範囲R内にある各携帯端末10から取得された複数のID情報が含まれている。位置情報は、代表者の携帯端末10aによって測位された位置情報(緯度情報および経度情報)であり、更新情報100においては、複数のID情報に対して1つの位置情報が共通に対応するようになっている。こうして、各ID情報に対応する位置情報を共通化することにより、更新情報100の情報量を低減している。なお、登下校時の1つの集団内においては、位置情報を共通に扱うこととしても、見守りサービスに要求される各携帯端末の位置精度は充分に満たすことができ、実用上の支障はない。
【0039】
また、更新情報100の時刻情報は、時刻情報取得部51が取得した測位時の時刻情報であり、時刻情報についても、複数のID情報に対して1つの時刻情報が共通に対応する。
【0040】
このように、複数の携帯端末10の各ID情報に共通するものとして位置情報を送信することにより、送信される更新情報100の情報量を低減することが、本見守りサービスシステム1の特徴の1つになっている。
【0041】
次に、上述した見守りサービスシステム1において行われる処理について、フローチャートに従って詳細に説明する。
【0042】
まず、更新情報100をサービスサーバ20に登録する際の処理について、図5のフローチャートに従って説明する。
【0043】
例えば、予め設定された時刻や所定時間ごとなどの所定のタイミング、サービスサーバ20から更新情報100の送信が要求されたとき、または代表者の携帯端末10aを携帯する児童が中継局30に近付き通信可能範囲R内に中継局30が入ったときなどに、図5の処理が開始される。処理が開始されると、まず、代表者の携帯端末10aの測位部50は、GPSによる測位を実施する(ステップS100)。ここでは、測位部50は、GPS部14に衛星信号を受信させ、受信した衛星信号に基づいて測位位置の緯度および経度を算出することにより、緯度情報および経度情報からなる位置情報を取得する。
【0044】
次に、時刻情報取得部51は、測位時の時刻情報を取得する(ステップS110)。そして、ID情報取得部52は、RFIDタグ17からID情報を読み出す無線通信を無線通信部15に行わせ、無線通信部15の通信可能範囲R内にある各携帯端末10からID情報を受信する(ステップS120)。これにより、無線通信部15の通信可能範囲R内にある代表者の携帯端末10aおよび他の携帯端末10bを含む各携帯端末10、すなわち登下校時の集団内にいる各児童の携帯端末10についてID情報が取得される。
【0045】
次に、更新情報送信部53は、無線通信部15の無線通信により、サービスサーバ20を宛先に指定して、取得したID情報、位置情報および時刻情報を含む更新情報100を中継局30に送信する(ステップS130)。なお、更新情報100を送信する際には、更新情報100に所定の圧縮処理を施し、更新情報100の情報量を低減するようにしてもよい。
【0046】
更新情報100を送信すると、代表者の携帯端末10aが行う図5の処理は終了する。上述した処理において、ステップS100の処理が衛星測位ステップ、ステップS120の処理が識別情報取得ステップ、ステップS130の処理が情報送信ステップに相当する。
【0047】
ここで、表者の携帯端末10aが更新情報100を送信したときに、図1に示すように、代表者の携帯端末10aの通信可能範囲R内に中継局30があった場合、中継局30側の処理において、更新情報受信部31は、代表者の携帯端末10aから更新情報100を受信する(ステップS200)。そして、通信中継部32が、受信した更新情報100を、指定された宛先のサービスサーバ20に送信することにより、更新情報100の通信が中継される(ステップS210)。
【0048】
そして、サービスサーバ20側の処理において、更新情報受信部21が、中継局30から更新情報100を受信すると(ステップS300)、データベース部22は、受信した更新情報100を追加登録する(ステップS310)。
【0049】
こうして、代表者の携帯端末10aから通信可能範囲R内にいる各児童の携帯端末10のID情報および位置情報が、サービスサーバ20のデータベース部22に新たに登録されることによって、データベース部22は、登下校時の集団に含まれる各児童の位置を管理した状態に更新される。
【0050】
なお、代表者の携帯端末10aが、例えば、時刻1、時刻2などの複数のタイミングで図5の処理を実行することによって、それぞれの時刻に更新情報100が送信された場合、サービスサーバ20は、受信したそれぞれの更新情報100に対して図5の処理を行う。これにより、図6に例として示すように、時刻1、時刻2のそれぞれについての更新情報100がデータベース部22に登録される。
【0051】
次に、本見守りサービスシステム1において、保護者などの観察者が、見守り装置40を用いて見守りサービスを受ける際の処理について図7のフローチャートに従って説明する。
【0052】
例えば、観察者が、見守り装置40の操作部41を操作して、見守りの対象とする児童について見守りサービスを受ける旨の指示を入力すると、図7の処理が開始される。処理が開始されると、まず、見守り装置40のサービス要求送信部42は、サービスサーバ20にサービス要求200を送信する(ステップS400)。なお、このサービス要求200には、見守り対象とする児童の携帯端末10に対応するID情報が指定されている。
【0053】
そして、サービスサーバ20側の処理において、サービス要求受信部23が、見守り装置40からサービス要求200を受信すると(ステップS500)、検索部24は、データベース部22に登録された位置情報および時刻情報のうちから、サービス要求200に指定されたID情報に該当する位置情報および時刻情報を検索する(ステップS510)。そして、検索結果送信部25は、検索結果の位置情報および時刻情報を、見守り装置40に送信する(ステップS520)。
【0054】
なお、図6に示したように、複数の時刻についての更新情報100がデータベース部22に登録されており、サービス要求200のID情報に対応する複数の位置情報があった場合、検索部24は、それぞれの時刻情報を参照することにより、複数の位置情報のうち最新の位置情報を検索する。そして、検索結果送信部25は、検索された最新の位置情報および時刻情報を見守り装置40に送信する。
【0055】
再び、見守り装置40側の処理に戻って、検索結果受信部43が、サービスサーバ20から検索結果の位置情報を受信すると(ステップS410)、通知部45は、受信した検索結果に含まれる位置情報に基づく通知画面を表示パネル44に表示させる。これにより、児童がいる位置が観察者に通知される(ステップS420)。
【0056】
図8は、通知画面の表示例を示した図である。図8に示すように、通知画面Gには、位置情報が示す位置の周辺地図が表示されるとともに、検索結果の位置情報に対応する地図上の位置には、児童がいることを示すアイコンAIが表示される。上述したように、無線通信部15の通信可能範囲R内に中継局30があるときに、携帯端末10から送信された更新情報100が中継局30に送信されるので、通知画面Gには、図8に破線にて示した自動販売機や電柱などの中継局30の周辺に児童がいるときの位置が表示されることになる。また、通知画面Gには、受信した時刻情報に基づいて、アイコンAIが示す位置に児童がいた時点の時刻が表示される。この通知画面Gを確認することによって、観察者は、児童がいる位置およびその位置にいたときの時刻を知ることができ、児童の登下校を見守ることができる。すなわち、観察者に対して見守りサービスが提供される。
【0057】
以上に述べたように、本実施形態の見守りサービスシステム1では、保護者や教師などの観察者は、見守りサービスを受けることによって、見守り装置40の設置場所にいながらにして、集団登下校中の児童がいる位置と、その位置にいたときの時刻を知ることができる。これにより、児童の保護者であれば自宅、教師であれば学校などの遠隔地から、集団登下校中の児童の行動を見守ることができる。
【0058】
また、図4に示したように、更新情報100には、複数のID情報に対して共通する1つの位置情報を含む構成となっており、複数のID情報に対する位置情報が共通化されているので、代表者の携帯端末10aがサービスサーバ20に更新情報100を送信する際に、実際に送信される情報の情報量が低減する。したがって、ネットワーク上を流れる更新情報100のトラフィック量が大幅に低減し、見守りサービスを実現するためにネットワークにかかる負荷を抑制することができる。また、見守りサービスを実現するための通信コストを抑制することもできる。
【0059】
同様に、更新情報100においては、複数のID情報に対して1つの時刻情報が対応するようになっているので、時刻情報を共通化した分についてもネットワーク上のトラフィック量を低減することができる。
【0060】
なお、登下校時の児童を見守りの対象とする場合であれば、登下校の時間帯は学校、地域によらずにほぼ同じであるため、登下校の時間帯になると、多数の集団のそれぞれにある代表者の携帯端末10aからいっせいに更新情報100が送信される可能性がある。本実施形態の見守りサービスシステム1では、このような特定の時間帯に、ネットワークに集中的にかかる負荷を抑制することができる。
【0061】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態における見守りサービスシステム1が提供する見守りサービスは、サービス要求200のID情報に対応する児童とともに、その周囲にいる児童の存在についても通知するものである。なお、第2の実施形態における見守りサービスシステム1の構成は第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態と同じ符号を付与して、詳細な説明を省略するものとする。また、更新情報100をサービスサーバ20に登録する際の図5の処理についても、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0062】
以下、第2の実施形態の見守りサービスシステム1において、観察者が、見守り装置40を用いて見守りサービスを受けようとする際の処理について、図9のフローチャートに従って説明する。
【0063】
図9の処理が開始されると、まず、見守り装置40のサービス要求送信部42は、児童が携帯する携帯端末10のID情報を含むサービス要求200をサービスサーバ20に送信する(ステップS600)。
【0064】
そして、サービスサーバ20側の処理において、サービス要求受信部23が、見守り装置40からのサービス要求200を受信すると(ステップS700)、検索部24は、データベース部22に登録された更新情報100のうちから、サービス要求200に指定されたID情報に該当する位置情報および時刻情報を検索する(ステップS710)。
【0065】
次に、検索部24は、データベース部22に登録された更新情報100のうちから、検索結果の位置情報および時刻情報と同じ位置情報および時刻情報に対応するID情報を検索する(ステップS720)。
【0066】
次に、検索結果送信部25は、ステップS710の検索により得られた位置情報およびステップS720の検索により得られたID情報を、見守り装置40に送信する(ステップS730)。
【0067】
再び、見守り装置40側の処理に戻って、検索結果受信部43が、サービスサーバ20から位置情報およびID情報を受信すると(ステップS610)、通知部45は、受信したID情報に対応する者を特定する(ステップS620)。ここでは、例えば、各児童が携帯する携帯端末10のID情報と、その児童の名称とを対応付けた所定のテーブル(図示なし)を参照することにより、ID情報に対応する者を特定する。そして、通知部45は、表示パネル44に通知画面を表示させることにより、観察者に対して児童がいる位置およびその周囲にいる児童を通知する(ステップS630)。
【0068】
図10は、第2の実施形態における通知画面の表示例を示した図である。図10に示すように、通知画面Gには、検索結果に含まれる位置情報に基づく位置に、サービス要求200に指定されたID情報の携帯端末10を携帯する児童を表すアイコンAIaに加えて、その児童の周辺にいる児童を表すアイコンAIbが表示される。そして、各アイコンAIa,AIbには、ステップS630において特定された児童の名前が表示される。
【0069】
図10を例に説明した通知画面Gを確認することによって、観察者は、登下校時の集団に所属する各児童が、集団内に実際にいることを確認して、各児童の登下校を見守ることができる。また、第1の実施形態と同様に、更新情報100の情報量を小さくしているので、第2の実施形態では、ネットワーク上のトラフィック量を低減して負荷を抑制しながら、複数の児童の登下校を見守ることができる見守りサービスが提供される。
【0070】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態における見守りサービスシステム1が提供する見守りサービスは、登下校の集団に不在の児童の保護者に対して児童がいない旨を知らせるものである。なお、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付与して、詳細な説明を省略する。
【0071】
図11は、第3の実施形態に係るサービスサーバの構成を示した図である。図11に示すように、サービスサーバ20は、第1の実施形態に示した構成に加えて、メンバー情報登録部(メンバー情報登録手段)26と、不在者判断部(判断手段)27と、不在通知送信部(不在通知送信手段)28とをさらに備えた構成となっている。メンバー情報登録部26には、登下校時の集団に所属する各メンバーのID情報を示すメンバー情報が予め登録されている。不在者判断部27は、携帯端末10から受信したID情報とメンバー情報とを照合して、集団登校の集団に不在となっている児童がいるか否かを判断する。そして、不在通知送信部28は、不在の児童がいた場合に、対応する見守り装置40に不在通知を送信する処理を行う。
【0072】
図12は、第3の実施形態の見守りサービスシステム1における処理の流れを示したフローチャートである。なお、図12のフローチャートに示すステップS800〜S830、ステップS900,S910の処理は、それぞれ、第1の実施形態におけるステップS100〜S130、ステップS200およびステップS210の処理と同様であるため説明を省略する。
【0073】
サービスサーバ20側の処理において、更新情報受信部21が、中継局30を介して代表者の携帯端末10aから更新情報100を受信した後(ステップS1000)、データベース部22が、受信した更新情報100を追加登録すると(ステップS1010)、不在者判断部27は、不在者がいるか否かを判断する(ステップS1020)。メンバー情報登録部26に登録されたメンバー情報に含まれる全てのID情報が、受信した更新情報100に含まれていれば、登下校の集団に所属する全ての児童が集団内にいることとなり「不在者なし」と判断されて(ステップS1020:No)、図12の処理は終了する。
【0074】
一方、メンバー情報に含まれるいずれかのID情報が、受信した更新情報100に含まれていなければ、登下校の集団に、所属する全ての児童が揃っていないことになるため、「不在者あり」と判断される(ステップS1020:Yes)。この場合、不在通知送信部28は、児童の保護者または学校の教師が所有する見守り装置40に対して、不在通知を送信する(ステップS1030)。
【0075】
見守り装置40が不在通知を受信すると(ステップS1100)、例えば、児童が登下校の集団にいない旨の画面を通知部45に表示させたり、その旨を伝える音声を出したりさせることにより、児童の不在を観察者に通知する(ステップS1110)。
【0076】
第3の実施形態では、児童の保護者などの観察者は、登下校の集団から児童がいなくなった場合に、その児童が集団にいない旨が通知される。これにより、観察者は、児童の登下校をより簡単に見守ることができるようになり、観察者にかかる負担が低減する。
【0077】
以上、第1の実施形態ないし第3の実施形態について説明したが、これに限られることなく、その趣旨を逸脱しない様々な形態としてもよい。以下、変形例について説明する。
【0078】
(変形例1)上記第1の実施形態ないし第3の実施形態では、集団登下校中の児童を見守る場合を例に説明したが、これに限られることなく、集団を構成する複数のメンバーであれば同様にして見守ることができる。例えば、旅行のツアーなどの集団を構成する各メンバーに携帯端末を携帯させることで、引率者などの観察者が各メンバーがいる位置を確認できるようにしてもよい。
【0079】
(変形例2)上記第1の実施形態ないし第3の実施形態では、他の携帯端末10bについてもGPS部14を有した構成としたが、他の携帯端末10bについてはGPS部14は必須の構成ではない。他の携帯端末10bについてはGPS部14を有しない構成とすることにより、見守りサービスシステムをより低コストで構築できるようになる。また、他の携帯端末10bは、児童が携帯するものであればよく、携帯電話などの通信機器に限られない。例えば、他の携帯端末10bは、RFIDタグ17が取り付けられた防犯用ブザーであってもよい。
【0080】
(変形例3)上記第1の実施形態では、サービス要求200のID情報に該当する複数組の位置情報および時刻情報がデータベース部22に登録されている場合、時刻情報に基づいて最新の位置情報を見守り装置に送信するようにした。第3の変形例としては、複数組の位置情報および時刻情報を見守り装置40に送信するようにしてもよい。この場合、図13に示すように、通知画面Gに、複数の位置情報に基づいて複数の位置に、児童がいる位置を示すアイコンAIを表示させるとともに、各アイコンAIには、時刻情報に基づいて児童がその位置にいたときの時刻を表示させるとよい。このようにすれば、観察者は、児童の登下校の経過を把握することができる。
【0081】
(変形例4)上記第1の実施形態ないし第3の実施形態では、中継局30、サービスサーバ20、および見守り装置40がインターネットに接続した形態であったが、これに限られない。例えば、中継局30、サービスサーバ20間については専用回線のネットワークを介して通信する形態であってもよいし、サービスサーバ20、見守り装置40間については携帯電話通信網によって通信する形態であってもよい。
【0082】
(変形例5)上記第1の実施形態ないし第3の実施形態では、自動販売機や電柱に設置された通信設備などの中継局を中継して、代表者の携帯端末10aからサービスサーバ20に更新情報を送信するようにしたが、携帯電話の通信基地局を中継するようにしてもよい。すなわち、代表者の携帯端末10aは、携帯電話の通信基地局から携帯電話通信網を介してサービスサーバ20に更新情報を送信してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】第1の実施形態に係る見守りサービスシステムの構成を示す図。
【図2】携帯端末のハードウェア構成を示す図。
【図3】携帯端末の機能構成を示す図。
【図4】更新情報のデータ構造を示した図。
【図5】更新情報をサービスサーバに登録する際の処理の流れを示すフローチャート。
【図6】データベース部に登録された更新情報を説明するための図。
【図7】見守り装置を用いて見守りサービスを受ける際の処理の流れを示すフローチャート。
【図8】通知画面の表示例を示す図。
【図9】第2の実施形態の見守りサービスシステムにおける処理の流れを示すフローチャート。
【図10】通知画面の表示例を示す図。
【図11】第3の実施形態におけるサービスサーバの構成を示す図。
【図12】見守りサービスシステムにおける処理の流れを示すフローチャート。
【図13】変形例を説明するための図。
【符号の説明】
【0084】
1…見守りサービスシステム、10…携帯端末、10a…第1の携帯端末としての代表者の携帯端末、10b…第2の携帯端末としての他の携帯端末、11…CPU、12…RAM、13…ROM、14…GPS部、15…無線通信手段としての無線通信部、16…電源装置、17…無線タグとしてのRFIDタグ、20…サービスサーバ、21…更新情報受信部、22…情報管理手段としてのデータベース部、23…サービス要求受信手段としてのサービス要求受信部、24…検索手段としての検索部、25…検索結果送信手段としての検索結果送信部、26…メンバー情報登録手段としてのメンバー情報登録部、27…判断手段としての不在者判断部、28…不在通知送信手段としての不在通知送信部、30…通信基地局としての中継局、31…更新情報受信部、32…通信中継部、40…見守り装置、41…操作部、42…サービス要求送信手段としてのサービス要求送信部、43…検索結果受信手段としての検索結果受信部、44…表示パネル、45…通知手段としての通知部、50…衛星測位手段としての測位部、51…時刻情報取得部、52…識別情報取得手段としてのID情報取得部、53…情報送信手段としての更新情報送信部、100…更新情報、S…測位衛星、G…通知画面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、児童の登下校など、携帯端末を携帯する者の行動を遠隔から見守るための見守りサービスを提供する見守りサービスシステム、携帯端末、および携帯端末の位置管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(Global Positioning System)機能付きの携帯端末を児童に携帯させ、学校などに設置された見守り装置が、携帯端末のGPS機能により測位された位置情報をネットワークを介して児童の携帯端末から受信することにより、携帯端末の位置情報を管理するようにしたシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このシステムでは、保護者などの観察者は、観察者の端末装置を用いて見守り装置に問い合わせることによって、児童が携帯する携帯端末の位置、すなわち児童がいる位置を知らせる見守りサービスを受けることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2008−3690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、個々の携帯端末が見守り装置に対して位置情報を送信するようになっているので、例えば、登下校の集団を構成する複数名の児童の位置を管理しようとする場合、ネットワークを介して各児童のそれぞれの携帯端末から見守り装置に位置情報が送信されることになる。すなわち、登下校の集団にN(Nは2以上の整数)名の児童がいる場合であれば、各児童の携帯端末から位置情報が送信されることになるため、位置情報がN回送信されることになる。このように、複数名のメンバーについて位置を管理しようとする場合、管理対象とする人数分の位置情報が送信されることになるので、ネットワーク上のトラフィック量が増大する。このため、ネットワークにかかる負荷が大きくなってしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]識別情報を記憶する無線タグが取り付けられた第1の携帯端末および第2の携帯端末と、前記第1の携帯端末と無線通信可能な通信基地局と、前記通信基地局とネットワークを介して接続され、前記第1の携帯端末および前記第2の携帯端末の各端末の識別情報を位置情報に対応付けて管理するサービスサーバと、見守り対象とする携帯端末の識別情報を指定して、当該識別情報に対応する携帯端末の位置情報を前記サービスサーバに照会することにより、見守りサービスを提供する見守り装置とを含む見守りサービスシステムであって、前記第1の携帯端末は、衛星信号に基づく測位により前記位置情報を取得する衛星測位手段と、前記無線タグとの無線通信を行う無線通信手段であって、当該無線通信手段から所定範囲内にある前記無線タグとの無線通信が可能な無線通信手段と、前記無線通信手段の無線通信により、前記所定範囲内にある各無線タグから前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記取得した各識別情報を前記通信基地局を介して前記サービスサーバに送信するとともに、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報として、前記測位された位置情報を前記サービスサーバに送信する情報送信手段とを備えることを特徴とする見守りサービスシステム。
【0007】
この構成によれば、第1の携帯端末に備わる無線通信手段から所定範囲内にある第1の携帯端末および第2の携帯端末の各識別情報とともに、第1の携帯端末に備わる衛星測位手段により測位された位置情報が、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報としてサービスサーバに送信される。複数の識別情報に対する位置情報が共通とされることにより、特に、第1の携帯端末および第2の携帯端末の各端末から見守り装置に位置情報を送信する場合に比べて、通信基地局、サービスサーバ間のネットワーク上のトラフィック量が低減する。したがって、見守りサービスを実現するために、ネットワークにかかる負荷を抑制することができる。例えば、登下校の集団に含まれる各児童を見守ることができる見守りサービスを、ネットワークへの小さい負荷で実現することが可能である。
【0008】
[適用例2]上記見守りサービスシステムにおいて、前記見守り装置は、前記見守り対象とする携帯端末の識別情報を含むサービス要求を、前記サービスサーバに送信するサービス要求送信手段を備え、前記サービスサーバは、前記サービス要求を受信するサービス要求受信手段と、前記通信基地局を介して前記第1の携帯端末から受信した識別情報および位置情報を管理する情報管理手段と、前記情報管理手段に管理された位置情報から、前記受信したサービス要求の識別情報に対応する位置情報を検索する検索手段と、検索結果の位置情報を前記見守り装置に送信する検索結果送信手段とを備え、前記見守り装置は、前記検索結果の位置情報を前記サービスサーバから受信する検索結果受信手段と、前記受信した検索結果の位置情報に基づき、前記見守り対象とした携帯端末の位置を通知する通知手段とをさらに備えることを特徴とする見守りサービスシステム。
【0009】
この構成によれば、見守り対象とする携帯端末の位置が見守り装置によって通知されるので、通知を受けた者は、見守り対象とした携帯端末の位置、すなわち、その携帯端末を携帯する者がいる位置を知って行動を見守ることができる。
【0010】
[適用例3]上記見守りサービスシステムにおいて、前記検索手段は、前記情報管理手段に管理された情報から、前記検索結果の位置情報に対応する、前記サービス要求の識別情報とは異なる他の識別情報をさらに検索し、前記検索結果送信手段は、前記検索結果の位置情報とともに、前記検索された他の識別情報を前記見守り装置に送信し、前記通知手段は、前記検索結果受信手段が受信した他の識別情報に基づいて、前記見守り対象とした携帯端末と同じ前記所定範囲内に携帯端末がある旨を通知することを特徴とする見守りサービスシステム。
【0011】
この構成によれば、見守り対象とした携帯端末の位置に加えて、その携帯端末と同じ所定範囲内に携帯端末がある旨が通知されるので、通知を受けた者は、見守り対象とした携帯端末を携帯する者の周囲に、携帯端末を携帯した者がいることを知ることができる。
【0012】
[適用例4]上記見守りサービスシステムにおいて、前記サービスサーバは、前記第1の携帯端末を携帯するメンバーおよび前記第2の携帯端末を携帯するメンバーが所属する集団における各メンバーを示すメンバー情報が登録されたメンバー情報登録手段と、前記メンバー情報に基づき、各メンバーが携帯する携帯端末の識別情報を、前記第1の携帯端末から受信したか否かを判断する判断手段と、いずれかのメンバーが携帯する携帯端末の識別情報を受信していない場合に、前記受信していない識別情報の携帯端末を携帯するメンバーの不在通知を、前記見守り装置に送信する不在通知送信手段とをさらに備え、前記見守り装置の通知手段は、前記不在通知の内容を通知することを特徴とする見守りサービスシステム。
【0013】
この構成によれば、集団に所属するメンバーのうちいずれかのメンバーが、第1の携帯端末からの所定範囲内にいない場合に、その見守り対象者の不在通知が見守り装置によって通知される。したがって、通知を受けた者は、集団に不在のメンバーを知ることができる。
【0014】
[適用例5]見守りサービスを提供するため、携帯端末の識別情報を位置情報に対応付けて管理するサービスサーバと、通信基地局を介して無線通信可能な携帯端末であって、識別情報を記憶する無線タグと、衛星信号に基づく測位により位置情報を取得する衛星測位手段と、前記無線タグとの無線通信を行う無線通信手段であって、当該無線通信手段から所定範囲内にある前記無線タグとの無線通信が可能な無線通信手段と、前記無線通信手段の無線通信により、前記所定範囲内にある各無線タグから前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記取得した各識別情報を前記通信基地局を介して前記サービスサーバに送信するとともに、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報として、前記測位された位置情報を前記サービスサーバに送信する情報送信手段とを備えることを特徴とする携帯端末。
【0015】
この構成によれば、所定範囲内にある各携帯端末の識別情報とともに、衛星測位手段により測位された位置情報が、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報としてサービスサーバに送信される。複数の識別情報に対する位置情報を共通とされるので、ネットワーク上のトラフィック量が低減する。
【0016】
[適用例6]識別情報を記憶する無線タグが取り付けられた第1の携帯端末および第2の携帯端末と、前記第1の携帯端末と無線通信可能な通信基地局と、前記通信基地局とネットワークを介して接続され、前記第1の携帯端末および前記第2の携帯端末の各端末の識別情報を位置情報に対応付けて管理するサービスサーバと、見守り対象とする携帯端末の識別情報を指定して、当該識別情報に対応する携帯端末の位置情報を前記サービスサーバに照会することにより、見守りサービスを提供する見守り装置とを含む見守りサービスシステムにおける携帯端末の位置管理方法であって、衛星信号に基づく測位により、前記第1の携帯端末の位置情報を取得する衛星測位ステップと、前記第1の携帯端末から所定範囲内にある各無線タグとの無線通信を前記第1の携帯端末が行うことにより、前記所定範囲内にある各無線タグから識別情報を取得する識別情報取得ステップと、前記取得した各識別情報を前記通信基地局を介して前記サービスサーバに送信するとともに、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報として、前記測位された位置情報を前記サービスサーバに送信する情報送信ステップとを有することを特徴とする携帯端末の位置管理方法。
【0017】
このようにすれば、第1の携帯端末から所定範囲内にある第1の携帯端末および第2の携帯端末の各識別情報とともに、第1の携帯端末に備わる衛星測位手段により測位された位置情報が、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報としてサービスサーバに送信される。複数の識別情報に対する位置情報が共通とされることにより、通信基地局、サービスサーバ間のネットワーク上のトラフィック量が低減するので、見守りサービスを実現するために、ネットワークにかかる負荷を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る見守りサービスシステムの構成を示した図である。図1に示すように、見守りサービスシステム1は、複数の携帯端末10(10a,10b)と、サービスサーバ20と、中継局(通信基地局)30と、見守り装置40とを備えている。なお、本見守りサービスシステム1は、観察者が、見守り装置40を用いてサービスサーバ20に問い合わせることにより、携帯端末10を携帯する者がいる位置を遠隔から知り、その者の行動を見守ることを可能とする見守りサービスを提供するものである。本実施形態では、集団登下校時の1つの集団に所属する各児童が携帯端末10を携帯し、各児童の保護者や教師などの観察者が、児童の登下校を見守る場合を例にして説明する。
【0020】
まず、児童に携帯される携帯端末10の構成について説明する。図2は、携帯端末10のハードウェア構成を示した図である。図2に示すように、携帯端末10は、CPU11と、RAM12と、ROM13と、GPS部14と、無線通信部(無線通信手段)15と、電源装置16とを備えている。この携帯端末の具体例としては、携帯電話やPHSなどの通信機器を挙げることができる。
【0021】
CPU11は、携帯端末10の制御装置であり、RAM12を用いて、ROM13に記憶されたプログラムを実行することにより、携帯端末10の動作を制御する。GPS部14は、測位衛星S(図1参照)からの衛星信号を受信する部分である。電源装置16は、携帯端末10の各部に電源を供給する装置である。
【0022】
また、携帯端末10には、RFIDタグ17が取り付けられている。このRFIDタグ17は、端末固有のID情報(識別情報)が予め記憶された不揮発性メモリ171、無線通信用のアンテナ172、制御用のICチップ(図示なし)などを有する。
【0023】
無線通信部15は、RFIDタグ17との無線通信を行うリーダ/ライタであり、無線通信可能な範囲は、無線通信部15に備わるアンテナ151を略中心として所定距離より近い範囲(以下、「通信可能範囲R(図1参照)」という)内である。すなわち、携帯端末10は、端末本体の周囲の通信可能範囲R内において、自身の携帯端末10を含む各携帯端末10に備わるRFIDタグ17との無線通信が可能になっている。また、無線通信部15は、通信可能範囲R内において中継局30との無線通信も可能である。そして、通信可能範囲Rが、例えば、集団登下校における1つの集団の大きさ程度の範囲となるように、無線通信部15が出力する電波の強弱は予め調整されている。
【0024】
ここで、複数の携帯端末10のうち、集団登下校の班長などの代表者が携帯する携帯端末10については、見守りサービスを実現するための特別な機能を発揮するよう、児童の保護者や学校の教師などの観察者によって、他の携帯端末10とは異なる設定がなされている。以下、代表者が携帯する携帯端末10を「代表者の携帯端末10a(第1の携帯端末)」といい、複数の携帯端末10のうち代表者の携帯端末10aを除く端末を「他の携帯端末10b(第2の携帯端末)」ともいうこととする。なお、代表者の携帯端末10aと他の携帯端末10bとのハードウェア構成はともに図2に示した同様の構成であり、機能が異なる。
【0025】
代表者の携帯端末10aの機能構成を図3に示す。図3に示すように、代表者の携帯端末10aは、測位部(衛星測位手段)50と、時刻情報取得部51と、ID情報取得部(識別情報取得手段)52と、更新情報送信部(情報送信手段)53とを有する。これらの機能構成は、CPU11が、ROM13に記憶されたプログラムを実行することにより機能する。
【0026】
測位部50は、GPS部14が受信した衛星信号に基づいて測位位置の緯度および経度を算出することにより、代表者の携帯端末10aの位置情報を取得する。時刻情報取得部51は、衛星信号に含まれる時刻情報に基づき、測位時の時刻情報を取得する。もっとも、時刻情報を取得する方法としては、これに限られることなく、例えば、携帯端末10に内蔵された時計を参照して、測位時の時刻情報を取得するようにしてもよい。
【0027】
ID情報取得部52は、無線通信部15の無線通信を利用して、通信可能範囲R内にある各RFIDタグ17からID情報を取得する。ここで、図1に示すように、通信可能範囲R内には、他の携帯端末10bのRFIDタグ17だけでなく、自身の携帯端末10aのRFIDタグ17も含まれている。このため、ID情報取得部52が、無線通信を利用してID情報を取得することにより、通信可能範囲Rの範囲内にある代表者の携帯端末10aおよび他の携帯端末10bの各端末のID情報が取得される。もっとも、代表者の携帯端末10aのID情報については、ID情報取得部52が、自身の端末装置に備わるRFIDタグ17のメモリからID情報を直接読み出すようにして取得してもよい。
【0028】
また、通信可能範囲R内に、集団に所属しない児童の携帯端末がある可能性もある。そこで、ID情報取得部52は、登下校時の集団に所属する各児童の携帯端末10のID情報が登録されたテーブル(図示なし)を参照して、通信可能範囲R内にある各RFIDタグ17から読み取ったID情報のうち、テーブルに登録済みのID情報を、該当するID情報として取得する。これにより、登下校時の集団に所属する児童のID情報だけが取得される。
【0029】
そして、更新情報送信部53は、無線通信部15の無線通信を利用して、取得された各ID情報、位置情報および時刻情報を含む更新情報100をサービスサーバ20を宛先として中継局30に送信する。
【0030】
次に、中継局30について説明する。中継局30は、携帯端末10、サービスサーバ20間の通信を中継するための通信設備であり、代表者の携帯端末10aとサービスサーバ20との通信を中継するため通学路付近など、街中の様々な場所に設けられている。この中継局30の具体例としては、インターネットなどのネットワークに接続された自動販売機、または電柱、公衆電話、街灯、信号機などに設置された通信設備などを挙げることができる。
【0031】
図1に示すように、中継局30は、更新情報受信部31と、通信中継部32とを有する。更新情報受信部31は、代表者の携帯端末10aから更新情報100を受信する。通信中継部32は、受信した更新情報100をネットワークを介してサービスサーバ20に送信することにより、代表者の携帯端末10a、サービスサーバ20間の通信を中継する。こうして、代表者の携帯端末10aから送信された更新情報100は、中継局30を介してサービスサーバ20に送信される。
【0032】
次に、サービスサーバ20について説明する。サービスサーバ20は、各携帯端末10a,10bの位置を一元管理する装置であり、例えば、見守りサービスを提供する携帯電話事業者のデータセンターなどに設置される。このサービスサーバ20は、更新情報受信部21と、データベース部(情報管理手段)22とを有する。更新情報受信部21は、代表者の携帯端末10aから送信された更新情報100を中継局30を介して受信する。そして、受信した更新情報100のID情報および位置情報は、データベース部22によって管理される。
【0033】
また、サービスサーバ20は、サービス要求受信部(サービス要求受信手段)23と、検索部(検索手段)24と、検索結果送信部(検索結果送信手段)25とをさらに有する。サービス要求受信部23は、後述するサービス要求200を見守り装置40から受信する。検索部24は、サービス要求200に指定された携帯端末10の位置情報をデータベース部22から検索する。そして、検索結果送信部25は、検索結果の位置情報を見守り装置40に送信する。すなわち、サービスサーバ20は、見守り装置40からのサービス要求200に応じて、指定された携帯端末10の位置情報を見守り装置40に送信する機能を有している。
【0034】
見守り装置40は、観察者に対して見守りサービスを実際に提供するための端末であり、操作部41と、サービス要求送信部(サービス要求送信手段)42と、検索結果受信部(検索結果受信手段)43と、表示パネル44と、通知部(通知手段)45とを有する。なお、この見守り装置40の具体例としては、児童の自宅や学校に設置されたパーソナルコンピュータなどの情報端末の他、観察者が携帯する携帯電話やPHSなどの携帯機器を挙げることができる。
【0035】
操作部41は、観察者によるユーザー操作の入力を受ける部分であり、キーボードやマウスなどの入力機器である。サービス要求送信部42は、操作部41へのユーザー操作に従って、見守り対象とする児童が携帯する携帯端末10のID情報を含むサービス要求200をサービスサーバ20に送信する。検索結果受信部43は、サービスサーバ20から検索結果の位置情報を受信する。
【0036】
通知部45は、検索結果の通知画面を表示パネル44に表示させることにより、検索結果の位置情報を観察者に通知する制御を行う。これにより、保護者などの観察者は、サービス要求200に応じた児童の位置情報を知ることができる。すなわち、観察者は児童の見守りサービスを受けることができる。
【0037】
以上に説明したように、本見守りサービスシステム1では、登下校の集団における代表者が所持する携帯端末10aが、通信可能範囲R内にある各携帯端末10のID情報を含む更新情報100をサービスサーバ20に送信することにより、サービスサーバ20によって登下校の集団に含まれる各児童がいる位置が管理される。そして、見守り装置40からのサービス要求200に応じて、サービスサーバ20が、児童の位置情報を見守り装置40に送信することによって、見守り装置40から観察者に見守りサービスが提供される。
【0038】
ここで、代表者の携帯端末10aが送信する更新情報100のデータ構造について説明する。図4は、更新情報100のデータ構造を示した図である。図4に示すように、更新情報100は、ID情報リストと、位置情報と、時刻情報とを含む構成となっている。ID情報リストには、通信可能範囲R内にある各携帯端末10から取得された複数のID情報が含まれている。位置情報は、代表者の携帯端末10aによって測位された位置情報(緯度情報および経度情報)であり、更新情報100においては、複数のID情報に対して1つの位置情報が共通に対応するようになっている。こうして、各ID情報に対応する位置情報を共通化することにより、更新情報100の情報量を低減している。なお、登下校時の1つの集団内においては、位置情報を共通に扱うこととしても、見守りサービスに要求される各携帯端末の位置精度は充分に満たすことができ、実用上の支障はない。
【0039】
また、更新情報100の時刻情報は、時刻情報取得部51が取得した測位時の時刻情報であり、時刻情報についても、複数のID情報に対して1つの時刻情報が共通に対応する。
【0040】
このように、複数の携帯端末10の各ID情報に共通するものとして位置情報を送信することにより、送信される更新情報100の情報量を低減することが、本見守りサービスシステム1の特徴の1つになっている。
【0041】
次に、上述した見守りサービスシステム1において行われる処理について、フローチャートに従って詳細に説明する。
【0042】
まず、更新情報100をサービスサーバ20に登録する際の処理について、図5のフローチャートに従って説明する。
【0043】
例えば、予め設定された時刻や所定時間ごとなどの所定のタイミング、サービスサーバ20から更新情報100の送信が要求されたとき、または代表者の携帯端末10aを携帯する児童が中継局30に近付き通信可能範囲R内に中継局30が入ったときなどに、図5の処理が開始される。処理が開始されると、まず、代表者の携帯端末10aの測位部50は、GPSによる測位を実施する(ステップS100)。ここでは、測位部50は、GPS部14に衛星信号を受信させ、受信した衛星信号に基づいて測位位置の緯度および経度を算出することにより、緯度情報および経度情報からなる位置情報を取得する。
【0044】
次に、時刻情報取得部51は、測位時の時刻情報を取得する(ステップS110)。そして、ID情報取得部52は、RFIDタグ17からID情報を読み出す無線通信を無線通信部15に行わせ、無線通信部15の通信可能範囲R内にある各携帯端末10からID情報を受信する(ステップS120)。これにより、無線通信部15の通信可能範囲R内にある代表者の携帯端末10aおよび他の携帯端末10bを含む各携帯端末10、すなわち登下校時の集団内にいる各児童の携帯端末10についてID情報が取得される。
【0045】
次に、更新情報送信部53は、無線通信部15の無線通信により、サービスサーバ20を宛先に指定して、取得したID情報、位置情報および時刻情報を含む更新情報100を中継局30に送信する(ステップS130)。なお、更新情報100を送信する際には、更新情報100に所定の圧縮処理を施し、更新情報100の情報量を低減するようにしてもよい。
【0046】
更新情報100を送信すると、代表者の携帯端末10aが行う図5の処理は終了する。上述した処理において、ステップS100の処理が衛星測位ステップ、ステップS120の処理が識別情報取得ステップ、ステップS130の処理が情報送信ステップに相当する。
【0047】
ここで、表者の携帯端末10aが更新情報100を送信したときに、図1に示すように、代表者の携帯端末10aの通信可能範囲R内に中継局30があった場合、中継局30側の処理において、更新情報受信部31は、代表者の携帯端末10aから更新情報100を受信する(ステップS200)。そして、通信中継部32が、受信した更新情報100を、指定された宛先のサービスサーバ20に送信することにより、更新情報100の通信が中継される(ステップS210)。
【0048】
そして、サービスサーバ20側の処理において、更新情報受信部21が、中継局30から更新情報100を受信すると(ステップS300)、データベース部22は、受信した更新情報100を追加登録する(ステップS310)。
【0049】
こうして、代表者の携帯端末10aから通信可能範囲R内にいる各児童の携帯端末10のID情報および位置情報が、サービスサーバ20のデータベース部22に新たに登録されることによって、データベース部22は、登下校時の集団に含まれる各児童の位置を管理した状態に更新される。
【0050】
なお、代表者の携帯端末10aが、例えば、時刻1、時刻2などの複数のタイミングで図5の処理を実行することによって、それぞれの時刻に更新情報100が送信された場合、サービスサーバ20は、受信したそれぞれの更新情報100に対して図5の処理を行う。これにより、図6に例として示すように、時刻1、時刻2のそれぞれについての更新情報100がデータベース部22に登録される。
【0051】
次に、本見守りサービスシステム1において、保護者などの観察者が、見守り装置40を用いて見守りサービスを受ける際の処理について図7のフローチャートに従って説明する。
【0052】
例えば、観察者が、見守り装置40の操作部41を操作して、見守りの対象とする児童について見守りサービスを受ける旨の指示を入力すると、図7の処理が開始される。処理が開始されると、まず、見守り装置40のサービス要求送信部42は、サービスサーバ20にサービス要求200を送信する(ステップS400)。なお、このサービス要求200には、見守り対象とする児童の携帯端末10に対応するID情報が指定されている。
【0053】
そして、サービスサーバ20側の処理において、サービス要求受信部23が、見守り装置40からサービス要求200を受信すると(ステップS500)、検索部24は、データベース部22に登録された位置情報および時刻情報のうちから、サービス要求200に指定されたID情報に該当する位置情報および時刻情報を検索する(ステップS510)。そして、検索結果送信部25は、検索結果の位置情報および時刻情報を、見守り装置40に送信する(ステップS520)。
【0054】
なお、図6に示したように、複数の時刻についての更新情報100がデータベース部22に登録されており、サービス要求200のID情報に対応する複数の位置情報があった場合、検索部24は、それぞれの時刻情報を参照することにより、複数の位置情報のうち最新の位置情報を検索する。そして、検索結果送信部25は、検索された最新の位置情報および時刻情報を見守り装置40に送信する。
【0055】
再び、見守り装置40側の処理に戻って、検索結果受信部43が、サービスサーバ20から検索結果の位置情報を受信すると(ステップS410)、通知部45は、受信した検索結果に含まれる位置情報に基づく通知画面を表示パネル44に表示させる。これにより、児童がいる位置が観察者に通知される(ステップS420)。
【0056】
図8は、通知画面の表示例を示した図である。図8に示すように、通知画面Gには、位置情報が示す位置の周辺地図が表示されるとともに、検索結果の位置情報に対応する地図上の位置には、児童がいることを示すアイコンAIが表示される。上述したように、無線通信部15の通信可能範囲R内に中継局30があるときに、携帯端末10から送信された更新情報100が中継局30に送信されるので、通知画面Gには、図8に破線にて示した自動販売機や電柱などの中継局30の周辺に児童がいるときの位置が表示されることになる。また、通知画面Gには、受信した時刻情報に基づいて、アイコンAIが示す位置に児童がいた時点の時刻が表示される。この通知画面Gを確認することによって、観察者は、児童がいる位置およびその位置にいたときの時刻を知ることができ、児童の登下校を見守ることができる。すなわち、観察者に対して見守りサービスが提供される。
【0057】
以上に述べたように、本実施形態の見守りサービスシステム1では、保護者や教師などの観察者は、見守りサービスを受けることによって、見守り装置40の設置場所にいながらにして、集団登下校中の児童がいる位置と、その位置にいたときの時刻を知ることができる。これにより、児童の保護者であれば自宅、教師であれば学校などの遠隔地から、集団登下校中の児童の行動を見守ることができる。
【0058】
また、図4に示したように、更新情報100には、複数のID情報に対して共通する1つの位置情報を含む構成となっており、複数のID情報に対する位置情報が共通化されているので、代表者の携帯端末10aがサービスサーバ20に更新情報100を送信する際に、実際に送信される情報の情報量が低減する。したがって、ネットワーク上を流れる更新情報100のトラフィック量が大幅に低減し、見守りサービスを実現するためにネットワークにかかる負荷を抑制することができる。また、見守りサービスを実現するための通信コストを抑制することもできる。
【0059】
同様に、更新情報100においては、複数のID情報に対して1つの時刻情報が対応するようになっているので、時刻情報を共通化した分についてもネットワーク上のトラフィック量を低減することができる。
【0060】
なお、登下校時の児童を見守りの対象とする場合であれば、登下校の時間帯は学校、地域によらずにほぼ同じであるため、登下校の時間帯になると、多数の集団のそれぞれにある代表者の携帯端末10aからいっせいに更新情報100が送信される可能性がある。本実施形態の見守りサービスシステム1では、このような特定の時間帯に、ネットワークに集中的にかかる負荷を抑制することができる。
【0061】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態における見守りサービスシステム1が提供する見守りサービスは、サービス要求200のID情報に対応する児童とともに、その周囲にいる児童の存在についても通知するものである。なお、第2の実施形態における見守りサービスシステム1の構成は第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態と同じ符号を付与して、詳細な説明を省略するものとする。また、更新情報100をサービスサーバ20に登録する際の図5の処理についても、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0062】
以下、第2の実施形態の見守りサービスシステム1において、観察者が、見守り装置40を用いて見守りサービスを受けようとする際の処理について、図9のフローチャートに従って説明する。
【0063】
図9の処理が開始されると、まず、見守り装置40のサービス要求送信部42は、児童が携帯する携帯端末10のID情報を含むサービス要求200をサービスサーバ20に送信する(ステップS600)。
【0064】
そして、サービスサーバ20側の処理において、サービス要求受信部23が、見守り装置40からのサービス要求200を受信すると(ステップS700)、検索部24は、データベース部22に登録された更新情報100のうちから、サービス要求200に指定されたID情報に該当する位置情報および時刻情報を検索する(ステップS710)。
【0065】
次に、検索部24は、データベース部22に登録された更新情報100のうちから、検索結果の位置情報および時刻情報と同じ位置情報および時刻情報に対応するID情報を検索する(ステップS720)。
【0066】
次に、検索結果送信部25は、ステップS710の検索により得られた位置情報およびステップS720の検索により得られたID情報を、見守り装置40に送信する(ステップS730)。
【0067】
再び、見守り装置40側の処理に戻って、検索結果受信部43が、サービスサーバ20から位置情報およびID情報を受信すると(ステップS610)、通知部45は、受信したID情報に対応する者を特定する(ステップS620)。ここでは、例えば、各児童が携帯する携帯端末10のID情報と、その児童の名称とを対応付けた所定のテーブル(図示なし)を参照することにより、ID情報に対応する者を特定する。そして、通知部45は、表示パネル44に通知画面を表示させることにより、観察者に対して児童がいる位置およびその周囲にいる児童を通知する(ステップS630)。
【0068】
図10は、第2の実施形態における通知画面の表示例を示した図である。図10に示すように、通知画面Gには、検索結果に含まれる位置情報に基づく位置に、サービス要求200に指定されたID情報の携帯端末10を携帯する児童を表すアイコンAIaに加えて、その児童の周辺にいる児童を表すアイコンAIbが表示される。そして、各アイコンAIa,AIbには、ステップS630において特定された児童の名前が表示される。
【0069】
図10を例に説明した通知画面Gを確認することによって、観察者は、登下校時の集団に所属する各児童が、集団内に実際にいることを確認して、各児童の登下校を見守ることができる。また、第1の実施形態と同様に、更新情報100の情報量を小さくしているので、第2の実施形態では、ネットワーク上のトラフィック量を低減して負荷を抑制しながら、複数の児童の登下校を見守ることができる見守りサービスが提供される。
【0070】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態における見守りサービスシステム1が提供する見守りサービスは、登下校の集団に不在の児童の保護者に対して児童がいない旨を知らせるものである。なお、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付与して、詳細な説明を省略する。
【0071】
図11は、第3の実施形態に係るサービスサーバの構成を示した図である。図11に示すように、サービスサーバ20は、第1の実施形態に示した構成に加えて、メンバー情報登録部(メンバー情報登録手段)26と、不在者判断部(判断手段)27と、不在通知送信部(不在通知送信手段)28とをさらに備えた構成となっている。メンバー情報登録部26には、登下校時の集団に所属する各メンバーのID情報を示すメンバー情報が予め登録されている。不在者判断部27は、携帯端末10から受信したID情報とメンバー情報とを照合して、集団登校の集団に不在となっている児童がいるか否かを判断する。そして、不在通知送信部28は、不在の児童がいた場合に、対応する見守り装置40に不在通知を送信する処理を行う。
【0072】
図12は、第3の実施形態の見守りサービスシステム1における処理の流れを示したフローチャートである。なお、図12のフローチャートに示すステップS800〜S830、ステップS900,S910の処理は、それぞれ、第1の実施形態におけるステップS100〜S130、ステップS200およびステップS210の処理と同様であるため説明を省略する。
【0073】
サービスサーバ20側の処理において、更新情報受信部21が、中継局30を介して代表者の携帯端末10aから更新情報100を受信した後(ステップS1000)、データベース部22が、受信した更新情報100を追加登録すると(ステップS1010)、不在者判断部27は、不在者がいるか否かを判断する(ステップS1020)。メンバー情報登録部26に登録されたメンバー情報に含まれる全てのID情報が、受信した更新情報100に含まれていれば、登下校の集団に所属する全ての児童が集団内にいることとなり「不在者なし」と判断されて(ステップS1020:No)、図12の処理は終了する。
【0074】
一方、メンバー情報に含まれるいずれかのID情報が、受信した更新情報100に含まれていなければ、登下校の集団に、所属する全ての児童が揃っていないことになるため、「不在者あり」と判断される(ステップS1020:Yes)。この場合、不在通知送信部28は、児童の保護者または学校の教師が所有する見守り装置40に対して、不在通知を送信する(ステップS1030)。
【0075】
見守り装置40が不在通知を受信すると(ステップS1100)、例えば、児童が登下校の集団にいない旨の画面を通知部45に表示させたり、その旨を伝える音声を出したりさせることにより、児童の不在を観察者に通知する(ステップS1110)。
【0076】
第3の実施形態では、児童の保護者などの観察者は、登下校の集団から児童がいなくなった場合に、その児童が集団にいない旨が通知される。これにより、観察者は、児童の登下校をより簡単に見守ることができるようになり、観察者にかかる負担が低減する。
【0077】
以上、第1の実施形態ないし第3の実施形態について説明したが、これに限られることなく、その趣旨を逸脱しない様々な形態としてもよい。以下、変形例について説明する。
【0078】
(変形例1)上記第1の実施形態ないし第3の実施形態では、集団登下校中の児童を見守る場合を例に説明したが、これに限られることなく、集団を構成する複数のメンバーであれば同様にして見守ることができる。例えば、旅行のツアーなどの集団を構成する各メンバーに携帯端末を携帯させることで、引率者などの観察者が各メンバーがいる位置を確認できるようにしてもよい。
【0079】
(変形例2)上記第1の実施形態ないし第3の実施形態では、他の携帯端末10bについてもGPS部14を有した構成としたが、他の携帯端末10bについてはGPS部14は必須の構成ではない。他の携帯端末10bについてはGPS部14を有しない構成とすることにより、見守りサービスシステムをより低コストで構築できるようになる。また、他の携帯端末10bは、児童が携帯するものであればよく、携帯電話などの通信機器に限られない。例えば、他の携帯端末10bは、RFIDタグ17が取り付けられた防犯用ブザーであってもよい。
【0080】
(変形例3)上記第1の実施形態では、サービス要求200のID情報に該当する複数組の位置情報および時刻情報がデータベース部22に登録されている場合、時刻情報に基づいて最新の位置情報を見守り装置に送信するようにした。第3の変形例としては、複数組の位置情報および時刻情報を見守り装置40に送信するようにしてもよい。この場合、図13に示すように、通知画面Gに、複数の位置情報に基づいて複数の位置に、児童がいる位置を示すアイコンAIを表示させるとともに、各アイコンAIには、時刻情報に基づいて児童がその位置にいたときの時刻を表示させるとよい。このようにすれば、観察者は、児童の登下校の経過を把握することができる。
【0081】
(変形例4)上記第1の実施形態ないし第3の実施形態では、中継局30、サービスサーバ20、および見守り装置40がインターネットに接続した形態であったが、これに限られない。例えば、中継局30、サービスサーバ20間については専用回線のネットワークを介して通信する形態であってもよいし、サービスサーバ20、見守り装置40間については携帯電話通信網によって通信する形態であってもよい。
【0082】
(変形例5)上記第1の実施形態ないし第3の実施形態では、自動販売機や電柱に設置された通信設備などの中継局を中継して、代表者の携帯端末10aからサービスサーバ20に更新情報を送信するようにしたが、携帯電話の通信基地局を中継するようにしてもよい。すなわち、代表者の携帯端末10aは、携帯電話の通信基地局から携帯電話通信網を介してサービスサーバ20に更新情報を送信してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】第1の実施形態に係る見守りサービスシステムの構成を示す図。
【図2】携帯端末のハードウェア構成を示す図。
【図3】携帯端末の機能構成を示す図。
【図4】更新情報のデータ構造を示した図。
【図5】更新情報をサービスサーバに登録する際の処理の流れを示すフローチャート。
【図6】データベース部に登録された更新情報を説明するための図。
【図7】見守り装置を用いて見守りサービスを受ける際の処理の流れを示すフローチャート。
【図8】通知画面の表示例を示す図。
【図9】第2の実施形態の見守りサービスシステムにおける処理の流れを示すフローチャート。
【図10】通知画面の表示例を示す図。
【図11】第3の実施形態におけるサービスサーバの構成を示す図。
【図12】見守りサービスシステムにおける処理の流れを示すフローチャート。
【図13】変形例を説明するための図。
【符号の説明】
【0084】
1…見守りサービスシステム、10…携帯端末、10a…第1の携帯端末としての代表者の携帯端末、10b…第2の携帯端末としての他の携帯端末、11…CPU、12…RAM、13…ROM、14…GPS部、15…無線通信手段としての無線通信部、16…電源装置、17…無線タグとしてのRFIDタグ、20…サービスサーバ、21…更新情報受信部、22…情報管理手段としてのデータベース部、23…サービス要求受信手段としてのサービス要求受信部、24…検索手段としての検索部、25…検索結果送信手段としての検索結果送信部、26…メンバー情報登録手段としてのメンバー情報登録部、27…判断手段としての不在者判断部、28…不在通知送信手段としての不在通知送信部、30…通信基地局としての中継局、31…更新情報受信部、32…通信中継部、40…見守り装置、41…操作部、42…サービス要求送信手段としてのサービス要求送信部、43…検索結果受信手段としての検索結果受信部、44…表示パネル、45…通知手段としての通知部、50…衛星測位手段としての測位部、51…時刻情報取得部、52…識別情報取得手段としてのID情報取得部、53…情報送信手段としての更新情報送信部、100…更新情報、S…測位衛星、G…通知画面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報を記憶する無線タグが取り付けられた第1の携帯端末および第2の携帯端末と、
前記第1の携帯端末と無線通信可能な通信基地局と、
前記通信基地局とネットワークを介して接続され、前記第1の携帯端末および前記第2の携帯端末の各端末の識別情報を位置情報に対応付けて管理するサービスサーバと、
見守り対象とする携帯端末の識別情報を指定して、当該識別情報に対応する携帯端末の位置情報を前記サービスサーバに照会することにより、見守りサービスを提供する見守り装置とを含む見守りサービスシステムであって、
前記第1の携帯端末は、
衛星信号に基づく測位により前記位置情報を取得する衛星測位手段と、
前記無線タグとの無線通信を行う無線通信手段であって、当該無線通信手段から所定範囲内にある前記無線タグとの無線通信が可能な無線通信手段と、
前記無線通信手段の無線通信により、前記所定範囲内にある各無線タグから前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記取得した各識別情報を前記通信基地局を介して前記サービスサーバに送信するとともに、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報として、前記測位された位置情報を前記サービスサーバに送信する情報送信手段とを備えることを特徴とする見守りサービスシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の見守りサービスシステムにおいて、
前記見守り装置は、
前記見守り対象とする携帯端末の識別情報を含むサービス要求を、前記サービスサーバに送信するサービス要求送信手段を備え、
前記サービスサーバは、
前記サービス要求を受信するサービス要求受信手段と、
前記通信基地局を介して前記第1の携帯端末から受信した識別情報および位置情報を管理する情報管理手段と、
前記情報管理手段に管理された位置情報から、前記受信したサービス要求の識別情報に対応する位置情報を検索する検索手段と、
検索結果の位置情報を前記見守り装置に送信する検索結果送信手段とを備え、
前記見守り装置は、
前記検索結果の位置情報を前記サービスサーバから受信する検索結果受信手段と、
前記受信した検索結果の位置情報に基づき、前記見守り対象とした携帯端末の位置を通知する通知手段とをさらに備えることを特徴とする見守りサービスシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の見守りサービスシステムにおいて、
前記検索手段は、前記情報管理手段に管理された情報から、前記検索結果の位置情報に対応する、前記サービス要求の識別情報とは異なる他の識別情報をさらに検索し、
前記検索結果送信手段は、前記検索結果の位置情報とともに、前記検索された他の識別情報を前記見守り装置に送信し、
前記通知手段は、前記検索結果受信手段が受信した他の識別情報に基づいて、前記見守り対象とした携帯端末と同じ前記所定範囲内に携帯端末がある旨を通知することを特徴とする見守りサービスシステム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の見守りサービスシステムにおいて、
前記サービスサーバは、
前記第1の携帯端末を携帯するメンバーおよび前記第2の携帯端末を携帯するメンバーが所属する集団における各メンバーを示すメンバー情報が登録されたメンバー情報登録手段と、
前記メンバー情報に基づき、各メンバーが携帯する携帯端末の識別情報を、前記第1の携帯端末から受信したか否かを判断する判断手段と、
いずれかのメンバーが携帯する携帯端末の識別情報を受信していない場合に、前記受信していない識別情報の携帯端末を携帯するメンバーの不在通知を、前記見守り装置に送信する不在通知送信手段とをさらに備え、
前記見守り装置の通知手段は、前記不在通知の内容を通知することを特徴とする見守りサービスシステム。
【請求項5】
見守りサービスを提供するため、携帯端末の識別情報を位置情報に対応付けて管理するサービスサーバと、通信基地局を介して無線通信可能な携帯端末であって、
識別情報を記憶する無線タグと、
衛星信号に基づく測位により位置情報を取得する衛星測位手段と、
前記無線タグとの無線通信を行う無線通信手段であって、当該無線通信手段から所定範囲内にある前記無線タグとの無線通信が可能な無線通信手段と、
前記無線通信手段の無線通信により、前記所定範囲内にある各無線タグから前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記取得した各識別情報を前記通信基地局を介して前記サービスサーバに送信するとともに、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報として、前記測位された位置情報を前記サービスサーバに送信する情報送信手段とを備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項6】
識別情報を記憶する無線タグが取り付けられた第1の携帯端末および第2の携帯端末と、
前記第1の携帯端末と無線通信可能な通信基地局と、
前記通信基地局とネットワークを介して接続され、前記第1の携帯端末および前記第2の携帯端末の各端末の識別情報を位置情報に対応付けて管理するサービスサーバと、
見守り対象とする携帯端末の識別情報を指定して、当該識別情報に対応する携帯端末の位置情報を前記サービスサーバに照会することにより、見守りサービスを提供する見守り装置とを含む見守りサービスシステムにおける携帯端末の位置管理方法であって、
衛星信号に基づく測位により、前記第1の携帯端末の位置情報を取得する衛星測位ステップと、
前記第1の携帯端末から所定範囲内にある各無線タグとの無線通信を前記第1の携帯端末が行うことにより、前記所定範囲内にある各無線タグから識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記取得した各識別情報を前記通信基地局を介して前記サービスサーバに送信するとともに、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報として、前記測位された位置情報を前記サービスサーバに送信する情報送信ステップとを有することを特徴とする携帯端末の位置管理方法。
【請求項1】
識別情報を記憶する無線タグが取り付けられた第1の携帯端末および第2の携帯端末と、
前記第1の携帯端末と無線通信可能な通信基地局と、
前記通信基地局とネットワークを介して接続され、前記第1の携帯端末および前記第2の携帯端末の各端末の識別情報を位置情報に対応付けて管理するサービスサーバと、
見守り対象とする携帯端末の識別情報を指定して、当該識別情報に対応する携帯端末の位置情報を前記サービスサーバに照会することにより、見守りサービスを提供する見守り装置とを含む見守りサービスシステムであって、
前記第1の携帯端末は、
衛星信号に基づく測位により前記位置情報を取得する衛星測位手段と、
前記無線タグとの無線通信を行う無線通信手段であって、当該無線通信手段から所定範囲内にある前記無線タグとの無線通信が可能な無線通信手段と、
前記無線通信手段の無線通信により、前記所定範囲内にある各無線タグから前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記取得した各識別情報を前記通信基地局を介して前記サービスサーバに送信するとともに、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報として、前記測位された位置情報を前記サービスサーバに送信する情報送信手段とを備えることを特徴とする見守りサービスシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の見守りサービスシステムにおいて、
前記見守り装置は、
前記見守り対象とする携帯端末の識別情報を含むサービス要求を、前記サービスサーバに送信するサービス要求送信手段を備え、
前記サービスサーバは、
前記サービス要求を受信するサービス要求受信手段と、
前記通信基地局を介して前記第1の携帯端末から受信した識別情報および位置情報を管理する情報管理手段と、
前記情報管理手段に管理された位置情報から、前記受信したサービス要求の識別情報に対応する位置情報を検索する検索手段と、
検索結果の位置情報を前記見守り装置に送信する検索結果送信手段とを備え、
前記見守り装置は、
前記検索結果の位置情報を前記サービスサーバから受信する検索結果受信手段と、
前記受信した検索結果の位置情報に基づき、前記見守り対象とした携帯端末の位置を通知する通知手段とをさらに備えることを特徴とする見守りサービスシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の見守りサービスシステムにおいて、
前記検索手段は、前記情報管理手段に管理された情報から、前記検索結果の位置情報に対応する、前記サービス要求の識別情報とは異なる他の識別情報をさらに検索し、
前記検索結果送信手段は、前記検索結果の位置情報とともに、前記検索された他の識別情報を前記見守り装置に送信し、
前記通知手段は、前記検索結果受信手段が受信した他の識別情報に基づいて、前記見守り対象とした携帯端末と同じ前記所定範囲内に携帯端末がある旨を通知することを特徴とする見守りサービスシステム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の見守りサービスシステムにおいて、
前記サービスサーバは、
前記第1の携帯端末を携帯するメンバーおよび前記第2の携帯端末を携帯するメンバーが所属する集団における各メンバーを示すメンバー情報が登録されたメンバー情報登録手段と、
前記メンバー情報に基づき、各メンバーが携帯する携帯端末の識別情報を、前記第1の携帯端末から受信したか否かを判断する判断手段と、
いずれかのメンバーが携帯する携帯端末の識別情報を受信していない場合に、前記受信していない識別情報の携帯端末を携帯するメンバーの不在通知を、前記見守り装置に送信する不在通知送信手段とをさらに備え、
前記見守り装置の通知手段は、前記不在通知の内容を通知することを特徴とする見守りサービスシステム。
【請求項5】
見守りサービスを提供するため、携帯端末の識別情報を位置情報に対応付けて管理するサービスサーバと、通信基地局を介して無線通信可能な携帯端末であって、
識別情報を記憶する無線タグと、
衛星信号に基づく測位により位置情報を取得する衛星測位手段と、
前記無線タグとの無線通信を行う無線通信手段であって、当該無線通信手段から所定範囲内にある前記無線タグとの無線通信が可能な無線通信手段と、
前記無線通信手段の無線通信により、前記所定範囲内にある各無線タグから前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記取得した各識別情報を前記通信基地局を介して前記サービスサーバに送信するとともに、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報として、前記測位された位置情報を前記サービスサーバに送信する情報送信手段とを備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項6】
識別情報を記憶する無線タグが取り付けられた第1の携帯端末および第2の携帯端末と、
前記第1の携帯端末と無線通信可能な通信基地局と、
前記通信基地局とネットワークを介して接続され、前記第1の携帯端末および前記第2の携帯端末の各端末の識別情報を位置情報に対応付けて管理するサービスサーバと、
見守り対象とする携帯端末の識別情報を指定して、当該識別情報に対応する携帯端末の位置情報を前記サービスサーバに照会することにより、見守りサービスを提供する見守り装置とを含む見守りサービスシステムにおける携帯端末の位置管理方法であって、
衛星信号に基づく測位により、前記第1の携帯端末の位置情報を取得する衛星測位ステップと、
前記第1の携帯端末から所定範囲内にある各無線タグとの無線通信を前記第1の携帯端末が行うことにより、前記所定範囲内にある各無線タグから識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記取得した各識別情報を前記通信基地局を介して前記サービスサーバに送信するとともに、各識別情報の携帯端末に共通の位置情報として、前記測位された位置情報を前記サービスサーバに送信する情報送信ステップとを有することを特徴とする携帯端末の位置管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図13】
【公開番号】特開2010−147536(P2010−147536A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319450(P2008−319450)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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