説明

親水性に変性されたポリカルボキシラートを含有する機械式食器洗浄のための洗浄調製物

本発明は、成分として
a) 次のものから成るコポリマー1〜20質量%
a1) アクリル酸及び/又はアクリル酸の水溶性塩50〜93モル%、
a2) メタクリル酸及び/又はメタクリル酸の水溶性塩5〜30モル%、及び
a3) 式Iの少なくとも1種の非イオン性モノマー2〜20モル%、
b) グリシン−N,N−二酢酸誘導体及びグルタミン酸−N,N−二酢酸及びその塩からなる群から選択される錯化剤1〜50質量%、
c) 弱く発泡性の非イオン性界面活性剤1〜15質量%、
d) 漂白剤及び場合により漂白活性剤0〜30質量%、
e) 他のビルダー0〜60質量%、
f) 酵素0〜8質量%、
g) 1種又は数種の更なる添加剤、例えばアニオン性又は両性イオン性界面活性剤、漂白触媒、アルカリキャリア、腐食防止剤、消泡剤、着色剤、香料、充填剤、有機溶剤及び水0〜50質量%、その際、成分a)からg)の合計は100質量%になる、
を含有する機械式食器洗浄のためのリン酸塩不含の洗浄調製物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、機械式食器洗浄のための洗浄調製物に関する。
【0002】
食器洗浄機中で食器類を洗浄する場合に、洗浄工程の間に食器類から、油脂成分を含有することもある極めて多様な食品の残りからなる汚れが除去される。この剥離された汚れ粒子及び成分は、更なる洗浄のために前記の機械の洗浄水中に循環される。この剥離された汚れ粒子は良好に分散及び乳化され、それにより被洗浄物に再び沈着しないことを保証しなければならない。
【0003】
市販されている多くの調製物はリン酸塩系である。この使用されたリン酸塩は、機械式食器洗浄において要求される多くの有益な特性を併せ持っているため、この適用のために理想的である。一方で、リン酸塩は水の硬度(つまり水の硬度の原因となるイオン、例えばカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの不溶性の塩)を分散させることができる。この課題は確かに機械のイオン交換体を介して達成することもできる。しかしながら機械式食器洗浄用の製品の大部分は、現在ではいわゆる3イン1調製物の形で提供されていて、この場合にイオン交換体の機能はもはや必要ない。この場合に、リン酸塩は大抵はホスホン酸塩と組み合わせて軟水化を行う。さらに、リン酸塩は剥離された汚れを分散させ、かつ被洗浄物への汚れの再沈着を抑制する。
【0004】
洗剤の場合には、環境的な理由から多くの国で完全にリン酸塩不含の系に移行されている。機械式食器洗浄のための製品に対しても、リン酸塩不含の製品に切り替えるべきかどうかが議論されている。しかしながら、90年代の中頃に市販されていたリン酸塩不含の製品は、洗浄結果に関して今日の要求をもはや満たしていない。今日では、消費者は汚れのない、水縞のない、くもりのない(belagfrei)かつ水斑のない食器類を期待している。かつ、付加的リンス剤又はイオン交換体用の再生塩を使用しないのが有利である。
【0005】
本発明の課題は、機械式食器洗浄のためのリン酸塩不含の洗浄調製物を提供することであった。本発明の課題は、特に、付加的なリンス剤を使用せずに水縞、くもり及び水斑なしの食器類を生じさせるこの種の調製物を提供することであった。
【0006】
DE 102 25 594 A1には、アルキレンオキシド単位含有コポリマーの洗剤及び洗浄剤中の使用並びに前記コポリマー含有洗剤及び洗浄剤が記載される。しかしながら前記ポリマーと錯化剤との組み合わせは記載されない。
【0007】
DE 102 33 834 A1には、アルキレンオキシド単位含有コポリマー1〜25質量%を含有する機械式食器洗浄剤が記載される。前述のポリマーの他に錯化剤を含有することができる食器洗浄剤も記載されるが、その際EDTAの使用が有利である。グリシン−N,N−二酢酸及びグルタミン酸−N,N−二酢酸及びその塩は挙げられていない。
【0008】
リン酸塩の代用は、所定の親水性に変性されたポリカルボキシラートを所定の錯化剤と組み合わせて使用することにより達成できることが明らかとなった。
【0009】
この場合、錯化剤は、洗浄水中に含まれるか又は食品の残りに含まれる水の硬度の原因となるイオン(カルシウムイオン及びマグネシウムイオン)を錯化するという課題を果たす。ポリカルボキシラートは同様にカルシウム結合能を有し、かつその他に、水の硬度から形成される難溶性の塩並びに洗浄液中に存在する汚染物質を分散することができる。意外にも、親水性に変性したポリカルボキシラートと組み合わせたMGDA及びGLDAがEDTAよりもより良好なくもり抑制性作用を示し、それにもかかわらずCaイオンのための錯形成定数はEDTAの錯形成定数よりも小さい。
【0010】
前記課題は、成分として
a) 次のものから成るコポリマー1〜20質量%
a1) アクリル酸及び/又はアクリル酸の水溶性塩50〜93モル%、
a2) メタクリル酸及び/又はメタクリル酸の水溶性塩5〜30モル%、及び
a3) 式(I)
【化1】

[可変部は以下の意味合いを有する:
1は、水素又はメチルを表し、
2は、化学的結合、又は非分枝状又は分枝状のC1〜C6−アルキレンを表し、
3は、同一か又は異なる非分枝状又は分枝状のC2〜C4−アルキレン基を表し、
4は、非分枝状又は分枝状のC1〜C6−アルキルを表し、
nは、3〜50を表す]
の非イオン性モノマー少なくとも1種2〜20モル%、
その際モノマーa1)〜a3)はランダムに又はブロック式に重合導入されている、
b) グリシン−N,N−二酢酸誘導体及びグルタミン酸−N,N−二酢酸及びその塩からなる群から選択される錯化剤1〜50質量%、有利には5〜40質量%、
c) 弱く起泡性の非イオン性界面活性剤1〜15質量%、有利に1〜10質量%、
d) 漂白剤及び場合により漂白活性剤0〜30質量%、有利に0〜20質量%、
e) 他のビルダー0〜60質量%、有利に0〜40質量%、
f) 酵素0〜8質量%、有利に0〜5質量%、
g) 1種又は数種の他の添加剤、例えばアニオン性又は両性イオン性界面活性剤、漂白触媒、アルカリキャリア、腐食防止剤、消泡剤、着色剤、香料、充填剤、有機溶剤及び水0〜50質量%、有利に0.1〜50質量%、
その際、成分a)からg)の合計は100質量%になる、
を含有する機械式食器洗浄のためのリン酸塩不含の洗浄調製物によって解決される。
【0011】
この調製物は、錠剤、粉剤、ゲル、カプセル、押出物又は溶液に加工することができる。これは家庭用調製物でも業務用調製物であってもよい。
【0012】
更に、前記課題は、機械式食器洗浄のための洗浄調製物中でビルダー系としてコポリマーa)及び錯化剤b)の組合せを使用することにより解決される。この場合、ビルダー系は、洗浄水中に含まれるか又は食品の残りに含まれる水の硬度の原因となるイオン(カルシウムイオン及びマグネシウムイオン)を錯化するという課題を果たす。
【0013】
更に、前記課題は、機械式食器洗浄のための洗浄調製物中でくもり抑制添加剤としてコポリマーa)及び錯化剤b)の組合せを使用することにより解決される。
【0014】
アルキレンオキシド単位含有コポリマーは、重合導入された成分(a1)及び(a2)としてアクリル酸又はメタクリル酸及び/又は前記酸の水溶性塩、殊にアルカリ金属塩、例えばカリウム塩及びなかんずくナトリウム塩、及びアンモニウム塩を含有する。
【0015】
本発明により使用することができるコポリマーに対するアクリル酸a1)の含量は、50〜93モル%、有利に65〜85モル%、特に有利に65〜75モル%である。
【0016】
メタクリル酸a2)は、本発明により使用することができるコポリマー中に5〜30モル%、特に10〜25モル%、なかんずく15〜25モル%含有されている。
【0017】
前記コポリマーは成分a3)として式(I)
【化2】

[式中、可変部は以下の意味合いを有する;
1は、水素又は有利にはメチルを表し、
2は、非分枝状又は分枝状のC1〜C6−アルキレン又は有利に化学結合を表し、
3は、同一か又は異なる非分枝状又は分枝状のC2〜C4−アルキレン基、なかんずくC2〜C3−アルキレン基、殊にエチレンを表し、
4は、非分枝状又は分枝状のC1〜C6−アルキル、有利にC1〜C2−アルキルを表し、
nは、3〜50、有利に5〜40、特に有利に10〜30を表す]
の非イオン性モノマーを含有する。
【0018】
モノマー(I)のための特に好適な例としては、次のものが挙げられる:メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリ(プロピレンオキシド−コ−エチレンオキシド)(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート及びエトキシポリ(プロピレンオキシド−コ−エチレンオキシド)(メタ)アクリレート、この場合には、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びメトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートが有利であり、メトキシポリエチレングリコールメタクリレートは、特に有利である。
【0019】
この場合、ポリアルキレングリコールは、3〜50個、殊に5〜40個、なかんずく10〜30個のアルキレンオキシド単位を含有する。
【0020】
本発明により使用することができるコポリマーに対する非イオン性モノマーa3)の割合は、2〜20モル%、特に5〜15モル%、なかんずく5〜10モル%である。
【0021】
本発明により使用することができるコポリマーは、一般に3000〜50000、有利に10000〜30000、特に有利に15000〜25000の平均分子量Mwを有する。
【0022】
前記コポリマーのK値は、通常、15〜40、殊に20〜35、なかんずく27〜30である(H. Fikentscher, Cellulose-Chemie, 第13巻, 第58〜64頁及び第71〜74頁(1932)の記載により25℃で1質量%の水溶液中で測定した)。
【0023】
本発明により使用することができるコポリマーは、モノマーのラジカル重合によって製造されてよい。この場合には、全ての公知のラジカル重合法により作業されてよい。塊状重合と共に、殊に溶液重合及び乳化重合の方法を挙げることができ、この場合には、溶液重合が好ましい。
【0024】
重合は、特に溶剤としての水中で実施される。しかし、この重合は、アルコール性溶剤中、殊にC1〜C4−アルコール、例えばメタノール、エタノール及びイソプロパノール又は前記溶剤と水との混合物中で行なわれてもよい。
【0025】
重合開始剤としては、熱的に崩壊する化合物ならびに光化学的に崩壊する化合物(光開始剤)が適当であり、この場合には、ラジカル形成化合物が適当である。熱的に活性化可能な重合開始剤は、20〜180℃、殊に50〜90゜の範囲内の崩壊温度を有する開始剤が好ましい。適した熱開始剤の例は、無機のペルオキソ化合物及びアゾ化合物である。前記開始剤は、還元性化合物との組み合わせで開始剤/調節剤系として使用されてよい。
【0026】
望ましい場合には、重合調整剤が使用されてもよい。当業者に公知の化合物、例えば硫黄化合物、例えばメルカプトエタノール、2−エチルヘキシルチオグリコラート、チオグリコール酸及びドデシルメルカプタンが適している。重合調整剤を使用する場合、この重合調整剤の使用量は、一般にモノマーa1)、a2)及びa3)に対して0.1〜15質量%、有利に0.1〜5質量%、特に有利に0.1〜2.5質量%である。
【0027】
重合温度は、一般に30〜200℃、有利に50〜150℃、特に有利に80〜120℃である。
【0028】
重合は、大気圧下で実施されてよいが、しかし、有利には、閉鎖された系中で発生される固有圧下で行なわれる。
【0029】
本発明により使用されるコポリマーa)を製造する場合、モノマーa1)、a2)及びa3)は、それ自体として使用されてよいが、しかし、モノマーa3)の製造の際に生じる反応混合物が使用されてもよい。即ち、例えばメトキシポリエチレングリコールメタクリレートの代わりにポリエチレングリコールモノメチルエーテルと過剰量のメタクリル酸とのエステル化の際に生じるモノマー混合物が使用されてよい。好ましくは、(1)アクリル酸、(2)メタクリル酸とポリエチレングリコールモノメチルエーテルとの混合物及び(3)ラジカル開始剤を並行して一緒に添加することにより、エステル化を重合混合物中で現場で実施してもよい。この場合には、場合によりエステル化のために必要な触媒、例えばメタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸が付加的に使用されてよい。
【0030】
本発明により使用されるコポリマーa)は、ポリマー類似の反応、例えばアクリル酸/メタクリル酸コポリマーとポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルとの反応によって製造されてもよい。しかし、好ましいのは、モノマーのラジカル共重合である。
【0031】
成分b)として本発明による洗浄調整物は、グリシン−N,N−二酢酸誘導体、グルタミン酸−N,N−二酢酸及びその塩からなる群から選択されている1種以上の錯化剤を含有する。有利な錯化剤b)は、メチルグリシン二酢酸及びグルタミン酸二酢酸、特に有利な錯化剤b)はメチルグリシン二酢酸又はその塩である。
【0032】
有利なグリシン−N,N−二酢酸誘導体はEP-A 0 845 456中に記載されている。適したグリシン−N,N−二酢酸誘導体は従って、一般式(II)
【化3】

[式中、
RはC1〜C12−アルキル、及び
Mはアルカリ金属、有利にはナトリウム又はカリウム、特に有利にはナトリウムを意味する]の化合物である。
【0033】
RはC1〜C12−アルキル残基、有利にはC1〜C6−アルキル残基、特に有利にはメチル残基又はエチル残基である。特に有利には、成分(b)として、メチルグリシン二酢酸(MGDA)のアルカリ金属塩が使用される。特にとりわけ有利には、メチルグリシン二酢酸の三ナトリウム塩が使用される。
【0034】
この種のグリシン−N,N−二酢酸誘導体の製造は公知であり、かつ例えばEP-A 0 845 456中に及びここに引用される文献中に記載されている。
【0035】
成分c)として、本発明による洗浄調製物は、弱起泡性の又は低起泡性の非イオン性界面活性剤を含有する。これらは一般的には、1〜15質量%、有利には1〜10質量%の割合で含有されている。
【0036】
適した非イオン性界面活性剤は、一般式(III)
1−(OCH2CHR2p(OCH2CHR3m−OR4 (III)
[式中、R1は線状の又は分枝した、6〜24個のC原子を有するアルキル残基であり、
2及びR3は相互に独立して水素又は線状の又は分枝した、1〜16個のC原子を有するアルキル残基である、
その際R2≠R3、及びR4は線状の又は分枝した、1〜8個のC原子を有するアルキル残基である、
p及びmは相互に独立して0〜300である]
の界面活性剤を含有する。p=1〜50でかつm=0〜30であるのが有利である。
【0037】
式(III)の界面活性剤はランダム式コポリマーでも1つ以上のブロックを有するブロックコポリマーであることもできる。
【0038】
更に、酸化エチレンと酸化プロピレンとから構成されたジブロックコポリマー及びマルチブロックコポリマーを使用することができ、これらは例えば商品名Pluronic(R)(BASF Aktiengesellschaft)又はTetronic(R)(BASF Corporation)で市販されている。更に、ソルビタンエステルと酸化エチレン及び/又は酸化プロピレンとからの反応生成物を使用することができる。同様にアミンオキシド又はアルキルグリコシドが適している。適当な非イオン性界面活性剤の概要は、EP-A 851 023並びにDE-A 198 19 187に示されている。
【0039】
この調製物は、更にアニオン性、カチオン性、両性又は両性イオン性の界面活性剤を含有することができ、有利に非イオン性界面活性剤と混合して含有することができる。適当なアニオン性及び両性イオン性界面活性剤は、同様にEP-A 851 023並びにDE-A 198 19 187に記載されている。適したカチオン性界面活性剤は例えば、C8〜C16−ジアルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物、ジアルコキシジメチルアンモニウムハロゲン化物又はイミダゾリニウム塩であり、これは長鎖のアルキル残基を有する。適した両性界面活性剤は例えば、第二級又は第三級アミンの誘導体、例えばC6〜C18−アルキルベタイン又はC6〜C15−アルキルスルホベタイン又はアミンオキシド、例えばアルキルジメチルアミンオキシドである。
【0040】
成分d)として、本発明による洗浄調製物は漂白剤及び場合により漂白活性剤を含有することができる。
【0041】
漂白剤は酸素系漂白剤と塩素系漂白剤とに分類される。酸素系漂白剤として、アルカリ金属過ホウ酸塩及びその水和物並びにアルカリ金属過炭酸塩が使用される。有利な漂白剤は、この場合、一水和物又は四水和物の形の過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム又は過炭酸ナトリウムの水和物である。
【0042】
同様に、酸素系漂白剤として過硫酸塩及び過酸化水素が使用できる。
【0043】
典型的な酸素系漂白剤は、有機過酸、例えば過安息香酸、ペルオキシ−アルファ−ナフトエ酸、ペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、フタルイミドペルオキシカプロン酸、1,12−ジペルオキシドデカン二酸、1,9−ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキソイソフタル酸又は2−デシルジペルオキシブタン−1,4−二酸でもある。
【0044】
更に、次の酸素系漂白剤も洗浄調製物中に使用することができる:
特許出願明細書のUS 5,422,028, US 5,294,362並びにUS 5,292,447に記載されているカチオン性ペルオキシ酸;
特許出願明細書のUS 5,039,447に記載されているスルホニルペルオキシ酸。
酸素漂白剤は、全体の洗浄調製物に対して、一般に0.5〜30質量%、有利に1〜20質量%、特に有利に3〜15質量%の量で使用される。
塩素系漂白剤並びに塩素系漂白剤とペルオキシド系漂白剤との組合せも同様に使用できる。公知の塩素系漂白剤は、例えば1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、N−クロロスルファミド、クロラミンT、ジクロラミンT、クロラミンB、N,N′−ジクロロベンゾイル尿素、パラトルエンスルホンジクロロアミド又はトリクロロエチルアミンである。有利な塩素系漂白剤は、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸マグネシウム、カリウムジクロロイソシアヌラート又はナトリウムジクロロジイソシアヌラートである。
【0045】
塩素系漂白剤は、全体の洗浄調製物に対して、一般に0.1〜20質量%、有利に0.2〜10質量%、特に有利に0.3〜8質量%の量で使用される。
【0046】
更に、少量の漂白剤安定化剤、例えばホスホナート、ボラート、メタボラート、メタシリカート又はマグネシウム塩を添加することができる。
【0047】
漂白活性剤は、過加水分解条件下で有利に1〜10個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキソカルボン酸及び/又は置換過安息香酸を生じる化合物である。適しているのは、1種又は数種のN−もしくはO−アシル基及び/又は場合により置換されたベンゾイル基を含有する化合物、例えば無水物、エステル、イミド、アシル化イミダゾール又はオキシムの種類からなる物質である。例えば、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、テトラアセチルメチレンジアミン(TAMD)、テトラアセチルグリコールウリル(TA−GU)、テトラアセチルヘキシレンジアミン(TAHD)、N−アシルイミド、例えばN−ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホナート、例えばn−ノナノイル−又はイソノナノイルオキシベンゼンスルホナート(n−もしくはiso−NOBS)、ペンタアセチルグルコース(PAG)、1,5−ジアセチル−2,2−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DADHT)又はイサト酸無水物(ISA)である。
【0048】
同様に漂白活性剤として、ニトリル第4級アンモニウム化合物、例えばN−メチルモルホリニウム−アセトニトリル塩(MMA−塩)又はトリメチルアンモニウムアセトニトリル塩(TMAQ−塩)が適している。
【0049】
有利な漂白剤活性剤は、複数箇所アシル化されたアルキレンジアミン、特に有利にTAED、N−アシルイミド、特に有利にNOSI、アシル化フェノールスルホナート、特に有利にn−又はiso−NOBS、MMA及びTMAQからなる群からのものである。
【0050】
更に、次の物質が洗浄調製物中の漂白活性剤として使用することができる:
カルボン酸無水物、例えばフタル酸無水物;アシル化された多価アルコール、例えばトリアセチン、エチレングリコールジアセタート又は2,5−ジアセトキシ−2,5−ジヒドロフラン;DE-A 196 16 693及びDE-A 196 16 767から公知のエノールエステル並びにアセチル化ソルビトール及びマンニトール、又はそれらのEP-A 525 239に記載された混合物;アシル化糖誘導体、特にペンタアセチルグルコース(PAG)、ペンタアセチルフルクトース、テトラアセチルキシロース及びオクタアセチルラクトース、並びにアセチル化された、場合によりN−アルキル化されたグルカミン及びグルコノラクトン、及び/又はN−アシル化されたラクタム、例えばN−ベンゾイルカプロラクタム、これらは刊行物WO 94/27 970, WO 94/28 102, WO 94/28 103, WO 95/00 626, WO 95/14 759並びにWO 95/17 498から公知である。
【0051】
DE-A 196 16 769に記載された親水性に置換されたアシルアセタール並びにDE-A 196 16 770及びWO 95/14 075に記載されたアシルラクタムは、慣用の漂白活性剤のDE-A 44 43 177から公知の組合せと同様に使用することができる。
【0052】
漂白活性剤は、全体の洗浄調製物に対して、一般に0.1〜10質量%、有利に1〜9質量%、特に有利に1.5〜8質量%の量で使用される。
【0053】
成分e)として、本発明による洗浄調製物は他のビルダーを含有することができる。水溶性及び非水溶性ビルダーを使用することができ、その主な課題はカルシウム及びマグネシウムの結合である。
【0054】
他のビルダーとして、次のものを使用することができる:
低分子量のカルボン酸並びにその塩、例えばアルカリ金属クエン酸塩、特に無水のクエン酸三ナトリウム又はクエン酸三ナトリウム二水和物、アルカリ金属コハク酸塩、アルカリ金属マロン酸塩、脂肪酸スルホナート、オキシジスクシナート、アルキル−又はアルケニルジスクシナート、グルコン酸、オキサジアセタート、カルボキシメチルオキシスクシナート、タルトラートモノスクシナート、タルトラートジスクシナート、タルトラートモノアセタート、タルトラートジアセタート、α−ヒドロキシプロピオン酸;
酸化されたデンプン、酸化された多糖;
ホモポリマー及びコポリマーのポリカルボン酸及びその塩、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、マレイン酸とアクリル酸とからのコポリマー;
単糖、オリゴ糖、多糖、アミノポリカルボキシラート及びポリアスパラギン酸へのモノエチレン性不飽和モノ−及び/又はジカルボン酸のグラフト重合体;
ホスホナート、例えば2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチレン(1,1−ジホスホン酸)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸又はジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸;
シリカート、例えば二ケイ酸ナトリウム及びメタケイ酸ナトリウム;
非水溶性ビルダー、例えばゼオライト及び結晶性層状シリカート。
【0055】
成分f)として、本発明による洗浄調製物は1種以上の酵素を含有する。洗浄剤の効率を向上するか又はより穏和な条件下で同じ品質の洗浄効果を保証するために、この洗浄剤には全体の調製物に対して0〜8質量%の酵素を添加することができる。最も頻繁に使用される酵素には、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ及びプロテアーゼが属する。さらに、例えばエステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ及びペルオキシダーゼも使用することができる。
【0056】
本発明による洗浄剤は、更に成分g)として、他の添加剤、例えばアニオン性又は両性イオン性の界面活性剤、漂白触媒、アルカリキャリア、腐食防止剤、消泡剤、着色剤、香料、充填剤、有機溶剤及び水を含有することができる。
【0057】
前記した慣用の漂白活性剤に対して付加的にもしくはそれに代わって、EP-A 446 982及びEP-A 453 003から公知のスルホンイミン及び/又は漂白を増強する遷移金属塩もしくは遷移金属錯体をいわゆる漂白活性剤として本発明による洗浄調製物中に含有させることもできる。
【0058】
挙げられた遷移金属化合物には、例えばDE-A 195 29 905から公知のマンガン−、鉄−、コバルト−、ルテニウム−又はモリブデン−サレン錯体、及びDE-A 196 20 267から公知のN−同族化合物、DE-A 195 36 082から公知のマンガン−、鉄−、コバルト−、ルテニウム−又はモリブデン−カルボニル錯体、DE-A 196 05 688中に記載された窒素含有のトリポッド型配位子を有するマンガン−、鉄−、コバルト−、ルテニウム−、モリブデン−、チタン−、バナジウム−及び銅−錯体、DE-A 196 20 411から公知のコバルト−、鉄−、銅−及びルテニウム−アミン錯体、DE-A 44 16 438に記載されたマンガン−、銅−及びコバルト−錯体、EP-A 272 030に記載されたコバルト−錯体、EP-A 693 550から公知のマンガン−錯体、EP-A 392 592から公知のマンガン−、鉄−、コバルト−及び銅−錯体及び/又はEP-A 443 651, EP-A 458 397, EP-A 458 398, EP-A 549 271, EP-A 549 272, EP-A 544 490及びEP-A 544 519に記載されたマンガン−錯体が属する。漂白活性剤と遷移金属−漂白触媒とからなる組合せは、例えばDE-A 196 13 103及びWO 95/27 775から公知である。
【0059】
1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン(TMTACN)を有する二座マンガン錯体、例えば[(TMTACN)2MnIVMnIV(μ−O)32+(PF6-2は、同様に有効な漂白触媒として適している。このマンガン錯体は、前記の刊行物中に同様に記載されている。
【0060】
漂白触媒として、有利にはマンガン塩及びマンガン錯体及びコバルト塩及びコバルト錯体からなるグループからなる漂白を増強する遷移金属錯体又は塩である。特に有利には、コバルト(アミン)錯体、コバルト(アセタト)錯体、コバルト(カルボニル)錯体、コバルト又はマンガンの塩化物、硫酸マンガン又は[(TMTACN)2MnIVMnIV(μ−O)32+(PF6-2である。
【0061】
漂白触媒は、全体の洗浄調製物に対して、0.0001〜5質量%、有利に0.0025〜1質量%、特に有利に0.01〜0.25質量%の量で使用することができる。
【0062】
洗浄調製物の他の成分として、アルカリキャリアが添加されていることができる。アルカリキャリアとして、アンモニウム−及び/又はアルカリ金属水酸化物、アンモニウム−及び/又はアルカリ金属炭酸塩、アンモニウム−及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩、アンモニウム−及び/又はアルカリ金属セスキ炭酸塩、アンモニウム−及び/又はアルカリ金属ケイ酸塩、アンモニウム−及び/又はアルカリ金属二ケイ酸塩、アンモニウム−及び/又はアルカリ金属メタケイ酸塩及び前記の物質の混合物が挙げられ、その際、有利にアンモニウム−及び/又はアルカリ金属炭酸塩及びアンモニウム−及び/又はアルカリ金属二ケイ酸塩、特に炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又はセスキ炭酸ナトリウム及びβ−及びδ−二ケイ酸ナトリウムNa2Si25yH2Oが使用される。
【0063】
腐食防止剤として、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ビスベンゾトリアゾール、アミノトリアゾール、アルキルアミノトリアゾール及び遷移金属塩又は−錯体の群からなる銀保護剤を使用することができる。ベンゾトリアゾール及び/又はアルキルアミノトリアゾールを使用するのが特に有利である。更に、洗浄調製物中に頻繁に、銀表面の腐食を明らかに抑制することができる活性塩素含有の薬剤が使用される。塩素不含の洗浄剤中には、有利に酸素含有及び窒素含有の有機レドックス活性化合物、例えば二価及び三価のフェノール、例えばヒドロキノン、ピロカテキン、ヒドロキシヒドロキノン、没食子酸、フロログルシン、ピロガロール及びこれらの化合物群の誘導体が使用される。塩状及び錯体状の無機化合物、例えば金属のMn、Ti、Zr、Hf、V、Co及びCeの塩を頻繁に使用することもできる。この場合、マンガン及び/又はコバルト−塩及び/又は−錯体の群、特に有利にコバルト(アミン)錯体、コバルト(アセタト)錯体、コバルト(カルボニル)錯体、コバルト又はマンガンの塩化物並びに硫酸マンガンの群から選択される遷移金属塩が有利である。同様に、洗浄物における腐食を低減するための亜鉛化合物又はビスマス化合物、特にガラスを使用することができる。
【0064】
パラフィン油及びシリコーン油を任意で消泡剤として及びプラスチック及び金属の表面の保護のために使用することができる。消泡剤は、一般に0.001質量%〜5質量%の割合で使用される。さらに、着色剤、例えばパテントブルー、保存剤、例えばケーソンCG(Kathon CG)、香水及びその他の香料を本発明による洗浄調製物に添加することもできる。
【0065】
適当な充填剤は、例えば硫酸ナトリウムである。
【0066】
本発明の主題は、機械式食器洗浄のための洗浄調製物における使用のための混合粉末又は混合顆粒であって、
a) 上記で定義したとおりの、成分a1)、a2)及び場合によりa3)及びa4)からなるコポリマー10〜95質量%、
b) グリシン−N,N−二酢酸誘導体及びグルタミン酸−N,N−二酢酸及びその塩からなる群から選択される、錯化剤5〜80質量%、
及び場合により
c) ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤又はこれらの混合物0〜20質量%からなる混合粉末又は混合顆粒でもある。
【0067】
成分c)として、ポリエチレングリコール、特に有利には平均分子量(分子量の質量平均)500〜30000g/molを有するポリエチレングリコールが使用されることができる。
【0068】
成分c)として使用されるポリエチレングリコールは、有利にはOH末端基及び/又はC1〜C6−アルキル末端基を有する。特に有利には、本発明による混合物中で成分c)として、OH−及び/又はメチレン末端基を有するポリエチレングリコールが使用される。
【0069】
有利には前記ポリエチレングリコールは分子量(分子量の質量平均)1000〜5000g/mol、特に有利には1200〜2000g/molを有する。
【0070】
適した化合物として、成分c)として非イオン性界面活性剤が使用されることができる。これは有利には、アルコキシル化第一級アルコール、アルコキシル化脂肪アルコール、アルキルグリコシド、アルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、アミンオキシド及びポリヒドロキシ脂肪酸アミドからなる群から選択されている。
【0071】
非イオン性界面活性剤として有利には、アルコキシル化、有利にはエトキシル化した、特には第一級アルコールであって有利には8〜18個のC原子及び平均で1〜12モルのエチレンオキシド(EO)をアルコール1モルあたり有し、アルコール残基が線状であるか又は有利には2位でメチル分枝していることができるか、又は線状及び分枝した残基を混合して含有することができるものが使用され、従ってこれは例えば通常はオキソアルコール残基において存在する。特にしかしながら、12〜18個のC原子を有する、天然由来のアルコールからの線状残基を有するアルコールエトキシラート、例えばヤシ−、パーム−、獣脂−又はオレイルアルコールからの、そして平均して2〜8個のEOをアルコール1モル当たり有するアルコールエトキシラートが有利である。有利なエトキシル化アルコールには、例えば、3EO、4EO又は7EOを有するC1214−アルコール、7EOを有するC911−アルコール、3EO、5EO、7EO又は8EOを有するC1315−アルコール、3EO、5EO又は7EOを有するC1218−アルコール、及びこれらの混合物、例えば3EOを有するC1214−アルコール及び7EOを有するC1214−アルコールからなる混合物が属する。ここに挙げたエトキシル化度は、特殊な生成物のために整数又は分数であることができる統計学的平均値である。有利なアルコールエトキシラートは、狭いホモログ分散を示す("narrow range ethoxylates", NRE)。
【0072】
本発明による混合粉末又は混合顆粒の製造は、成分a)、b)及びc)を粉末として混合、この混合物の加熱及び引き続く冷却−及び成形プロセスにおけるこの粉末特性の調整により行われる。
【0073】
更に、前記成分a)及びb)を既に溶融させた成分c)と一緒に造粒及び引き続き冷却することが可能である。引き続く凝固及び成形は、溶融仕上げ処理の公知の方法に応じて、例えば小球化により又は冷却ベルト上で、要求に応じて粉末特性の調整のための後続の工程、例えば粉砕及び篩い分けにより行われる。
【0074】
本発明による混合粉末又は混合顆粒は、成分a)、b)及びc)の溶媒中への溶解及び得られる混合物の噴霧乾燥により製造されることもでき、その際造粒化工程が引き続くことができる。この際成分a)〜c)は別個に溶解されることができ、その際この溶液は引き続き混合され、又は前記成分の粉末混合物が水中に溶解されることができる。溶媒として、成分a)、b)及びc)を溶解できる全ての溶媒が使用されることができ、有利には例えばアルコール及び/又は水、特に有利には水が使用される。
【0075】
本発明を以下の実施例につき詳説する。
【0076】
実施例
実施例1〜6及び比較例V1〜V9
コポリマー:コポリマー(成分a))の製造を以下のとおり、DE-A 102 25 594の実施例1に応じて行った:
窒素供給管、還流冷却器及び計量供給装置を備えた反応器中で、蒸留水619gと亜燐酸2.2gとの混合物を窒素供給下で攪拌しながら100℃の内部温度に加熱した。次に、並行して(1)アクリル酸123.3gと蒸留水368.6gとの混合物、(2)ペルオキソ二硫酸ナトリウム18.4gと蒸留水164.6gとの混合物、(3)水72.0gとメタクリル酸49.1gとメトキシポリエチレングリコールメタクリレート166.9g(Mw=1100)とからなる混合物及び(4)40質量%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液46gを連続的に5時間で添加した。100℃で2時間の後攪拌の後、反応混合物を室温に冷却し、50質量%の苛性ソーダ液190gを添加することによってpH値7.2に調節した。
【0077】
25.7質量%の固体含量及び27.2のK値を有するコポリマーの淡黄色の明澄な溶液(1質量%の水溶液、25℃)を得ることができた。
【0078】
コポリマー及び錯化剤からの本発明による組み合わせの試験のために以下の調製物を使用した(表1):
第1表:
【表1】

【0079】
この試験を下記の試験条件下で行った:
食器洗い機:Miele G 686 SC
洗浄過程:2回の洗浄工程 55℃ 標準(予備洗浄なし)
洗浄物:ナイフ(WMFテーブルナイフ (Tafelmesser Berlin,一体鋳造品)及びタル型ガラスコップ(Matador, Ruhr Kristall)、プラスチック皿(SAN-Teller Kayser);バラスト食器(Ballastgeschirr):6枚のデザート皿 黒色
すすぎ温度:65℃
水の硬度:14゜dH(250mg CaCO3/kgに相応)又は25゜dH(445mg CaCO3/kgに相応)。
【0080】
試験の一部ではIKWバラスト汚れ(Ballastschmutz)そのつど50gを(SOEFW-Journal, 124巻, 14/98, p. 1029に相応)、試験の開始時に洗浄機中に添加した。
【0081】
第2表中には、例1〜6の試験条件並びに比較例V1〜V9を挙げる:
第2表:
【表2】

【0082】
被洗浄物の評価は、洗浄後の18hに、ハロゲンスポットと開口絞りとを備えた黒色に塗装された照明箱中で、10(極めてよい)〜1(極めて悪い)の評価スケールを使用して視覚的色合わせによって行った。最高評点10は、くもりのないかつ水斑のない表面に相当し、評点<3からはくもり及び水斑は既に標準的な室内照明でも認識可能であり、つまり好ましくないと認められる。
【0083】
洗浄試験の結果は、次の第1表中に記載されている。
第3表:
【表3】

【0084】
この試験は、選択された錯化剤と組み合わせた本発明によるコポリマーの使用により、特にガラス及びステンレス鋼に対する皮膜形成が顕著に減少されることができることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分として
a) 次のものから成るコポリマー1〜20質量%
a1) アクリル酸及び/又はアクリル酸の水溶性塩50〜93モル%、
a2) メタクリル酸及び/又はメタクリル酸の水溶性塩5〜30モル%、
及び
a3) 式(I)
【化1】

[式中、可変部は、以下の意味を有する:
1は、水素又はメチルを表し、
2は、化学的結合、又は非分枝状又は分枝状のC1〜C6−アルキレンを表し、
3は、同一か又は異なる非分枝状又は分枝状のC2〜C4−アルキレン基を表し、
4は、非分枝状又は分枝状のC1〜C6−アルキルを表し、
nは3〜50を表す]
の少なくとも1種の非イオン性モノマー2〜20モル%、
その際モノマーa1)〜a3)はランダムに又はブロック式に重合導入されている、
b) グリシン−N,N−二酢酸誘導体及びグルタミン酸−N,N−二酢酸及びその塩からなる群から選択される錯化剤1〜50質量%、
c) 弱く発泡性の非イオン性界面活性剤1〜15質量%、
d) 漂白剤及び場合により漂白活性剤0〜30質量%、
e) 他のビルダー0〜60質量%、
f) 酵素0〜8質量%、
g) 1種又は数種の更なる添加剤、例えばアニオン性又は両性イオン性界面活性剤、漂白触媒、アルカリキャリア、腐食防止剤、消泡剤、着色剤、香料、充填剤、有機溶剤及び水0〜50質量%、
その際、成分a)からg)の合計は100質量%になる、
を含有する、機械式食器洗浄のためのリン酸塩不含の洗浄調製物。
【請求項2】
錯化剤b)がメチルグリシン二酢酸及び/又はその塩であることを特徴とする、請求項1記載のリン酸塩不含の洗浄調製物。
【請求項3】
機械式食器洗浄のための洗浄調製物における使用のための混合粉末又は混合顆粒であって、
a) 成分a1)、a2)及びa3)からなる請求項1に記載のコポリマー10〜95質量%、
b) グリシン−N,N−二酢酸誘導体及びグルタミン酸−N,N−二酢酸及びその塩からなる群から選択される錯化剤5〜80質量%、
c) ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤又はこれらの混合物0〜20質量%
からなる機械式食器洗浄のための洗浄調製物における使用のための混合粉末又は混合顆粒。
【請求項4】
成分a1)、a2)及びa3)からなる請求項1に記載のコポリマーと、グリシン−N,N−二酢酸誘導体、グルタミン酸−N,N−二酢酸及びその塩からなる群から選択される錯化剤b)との組み合わせの、機械式食器洗浄のための洗浄調製物中におけるくもり抑制添加剤としての使用。

【公表番号】特表2009−506183(P2009−506183A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528492(P2008−528492)
【出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【国際出願番号】PCT/EP2006/065711
【国際公開番号】WO2007/025944
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】