親水性シアニン染料
【課題】溶液における染料凝集を阻止し得、デンドリマーを形成しやすくさせ、800nmを越えて吸収または放射し得、望ましい光学物理特性を有し、組織特異的ターゲッティング能力が賦与されている染料を提供すること。
【解決手段】本発明は、腫瘍検出を促進するための低分子量生体分子‐染料コンジュゲートの組成物、および前記組成物の製造方法に関するものである。本発明組成物は、染料分子の蛍光効率を保ち、溶液中では凝集せず、スターバストデンドリマーを形成し、近赤外線領域(800nmを越える)での光線を吸収または放射し得、そして組織特異的とされ得る。
【解決手段】本発明は、腫瘍検出を促進するための低分子量生体分子‐染料コンジュゲートの組成物、および前記組成物の製造方法に関するものである。本発明組成物は、染料分子の蛍光効率を保ち、溶液中では凝集せず、スターバストデンドリマーを形成し、近赤外線領域(800nmを越える)での光線を吸収または放射し得、そして組織特異的とされ得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2000年1月18日付け出願番号第09/484319号の一部継続出願である。
【0002】
(発明の分野)
この発明は、概して診断および治療用、特に腫瘍の視覚化および検出用の生物活性分子とのシアニン染料バイオコンジュゲートの組成物に関するものである。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
電磁スペクトルの可視および近赤外線領域における光を吸収および放射する幾つかの染料は、生物適合性があり、モル吸光率が高く、および/または蛍光量子収量が高い故に最近様々な生物医学的適用例に使用されている。造影剤としての染料に関連した光学モダリティーの高い感度は核医学の場合と相応しており、電離放射線の望ましくない作用を伴うことなく器官および組織の視覚化が可能となる。
【0004】
近赤外線(NIR)領域における吸収および放射が強いシアニン染料は、生物組織がこの領域では光学的に透過性であるため特に有用である(B.C.Wilson、Opticalproperties of tissues(「組織の光学特性」)、Encyclopedia of Human Biology、1991、5、587−597)。例えば、NIR領域で吸収および放射するインドシアニングリーンは、心拍出量、肝機能および肝臓血流量をモニターするのに使用されており(Y‐L.Heら、Measurementof blood volume using indocyanine green measured with pulse-spectrometry: Itsreproducibility and reliability(「パルス分光法で測定される インドシアニングリーンを用いた血液量の測定:その再現性および信頼性」)、CriticalCare Medicine、1998、26(8)、1446−1451、J.Caesarら、The use of Indocyanine green inthe measurement of hepatic blood flow and as a test of hepatic function(「肝臓血流量測定および肝機能検査におけるインドシアニングリーンの使用」)、Clin.Sci.1961、21、43−57)、そしてその官能性誘導体は、診断目的用に生体分子をコンジュゲートするのに使用されている(R.B.Mujumdarら、Cyaninedye labeling reagents: Sulfoindocyanine succinimidyl esters(「シアニン染料標識試薬:スルホインドシアニンスクシニミジルエステル類」)、BioconjugateChemistry、1993、4(2)、105−111、米国特許第5453505号、WO98/48846、WO98/22146、WO96/17628、WO98/48838)。
【0005】
シアニン染料誘導体の使用における主たる欠点は、肝臓によるこれらの染料の急速なクリアランスにより生じる肝胆汁性毒性に関する可能性である(G.R.Cherrickら、Indocyanine green: Observations on its physicalproperties,plasmadecay,and hepatic extraction(「インドシアニングリーン:その物理特性、血漿崩壊および肝臓抽出に関する観察」)、J.ClinicalInvestigation、1960、39、592−600)。これは、溶解状態のシアニン染料が凝集体を形成する傾向があり、それらが肝臓のクッパー細胞により吸収され得ることに関連している。
【0006】
この問題を回避する様々な試みはこれまでのところあまり有効ではなかった。典型的には、親水性ペプチド、ポリエチレングリコールまたはオリゴサッカリドコンジュゲートが使用されたが、これらは長期循環性産物を生じるため、結局は肝臓により依然としてクリアランスされる。現行のシアニンおよびインドシアニン染料系に伴なう別の大きな問題点は、これらの染料の吸収および放射特性における大きな変化を誘発する能力の範囲にそれらが限界を示すことである。様々なヘテロ原子および環状部分をこれらの染料のポリエン鎖に組込む試みはこれまでに為されているが(L.Strekowskiら、Substitution reactions of a nucleofugal group inhetamethine cyanine dyes(「ヘタメチンシアニン染料における離核基の置換反応」)、J.Org.Chem.、1992、57、4578−4580、N.NarayananおよびG.Patonay、A new method for the synthesis of heptamethine cyanine dyes:Synthesisof new near infrared fluorescent labels(「ヘプタメチンシアニン染料の新規合成方法:新規近赤外線蛍光標識の合成」)、J.Org.Chem.、1995、60、2391−2395、米国特許第5732104号、同5672333号および同5709845号)、生成した染料系は、特に光音響的診断適用が非常に敏感である830nmを越える、吸収および放射最大値に大した差異は示さない。それらはまた、肝臓吸収を促進する突起した疎水性コアを有する。さらに、ほとんどのシアニン染料は、生物医学適用に有用である、スターバーストデンドリマーの形成能を有していない。
【0007】
腫瘍検出目的の場合、多くの慣用的染料は、正常および異常の両組織に対する傷害効果が高いためインビトロ適用例には有用である。他の染料は、特定器官または組織に関する特異性を欠くため、体の特異領域に染料を送達させるためには生物活性担体、例えばタンパク質、ペプチド、炭水化物などに結合されなければならない。近赤外線染料および染料−生体分子コンジュゲートの用途に関する幾つかの試験が既に発表されている(G.Patonayおよび M.D.Antoine、Near-Infrared Fluorogenic Labels:NewApproach to an Old Problem(「近赤外線蛍光原標識:古い問題への新規取組み方法」)、Analytical Chemistry、1991、63:321A−327Aおよびそれらの参考文献:M.Brinkley、ABrief Survey of Methods for Preparing Protein Conjugates with Dyes, Haptens,andCross-Linking Reagents(「染料、ハプテンおよび架橋試薬によるタンパク質コンジュゲートの製造方法の簡単な概観」)、Perspectivesin Bioconjugate Chemistry1993、59−70頁、C.Meares(編)、ACSパブリケーション、ワシントンDC、J.Slavik、FluorescentProbes in Cellular and Molecular Biology、1994、CRCプレス、インコーポレイテッド、米国特許第5453505号、WO98/48846、WO98/22146、WO96/17628、WO98/48838)。
【0008】
特に興味深いのは、送達ビークルとしての抗体または他の大型タンパク質担体、例えばトランスフェリンによる腫瘍細胞のターゲッティングである(A.Beckerら、“Transferrin Mediated Tumor Delivery of Contrast Mediafor Optical Imaging and Magnetic Resonance Imaging”(「光学的画像法および磁気共鳴画像法用造影剤のトランスフェリン仲介腫瘍送達」)、生物医学的光学集会、1月23−29日、1999年、サンホセ、カリフォルニア)。上記方法は、核医学適用において広範に使用されている。染料の分子体積は担体よりかなり小さいため、その主たる利点は担体の組織特異性の保持である。しかしながら、この方法は、腫瘍細胞への高分子量バイオコンジュゲートの拡散が極めて望ましくないという点で幾つかの深刻な限界を有しており、さらに固形腫瘍では正味正の圧力が加わることにより複雑になる(R.K.Jain、Barriersto Drug Delivery in Solid Tumors(「固形腫瘍における薬剤送達に対する障害」)、Scientific American 1994、271:58−65)。さらに、一般に多くの染料および特にシアニン染料は、水性媒質中で凝集体を形成することにより蛍光クエンチングを誘導する傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、溶液における染料凝集を阻止し得、デンドリマーを形成しやすくさせ、800nmを越えて吸収または放射し得、望ましい光学物理特性を有し、組織特異的ターゲッティング能力が賦与されている染料が要望される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要約)
本発明は、腫瘍検出を促進するための低分子量生体分子‐染料コンジュゲートの組成物、および前記組成物の製造方法に関するものである。本発明組成物は、染料分子の蛍光効率を保ち、溶液中では凝集せず、スターバストデンドリマーを形成し、近赤外線領域(800nmを越える)での光線を吸収または放射し得、そして組織特異的とされ得る。
【0011】
一態様において、本発明組成物は、一般式1
【化4】
[式中、W3およびX3は、同一または異なり得、−CR1R2、−O−、−NR3、−S−および−Seから成る群から選ばれ、Y3は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Bm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z3は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Dm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A1は単または二重結合であり、B1、C1およびD1は、同一または異なり得、−O−、−S−、−Se−、−P−、−CR1R2、−CR1、アルキル、NR3および−C=Oから成る群から選ばれ、A1、B1、C1およびD1は、一緒になって6−〜12−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜12−員複素環状環を形成し得、a3およびb3は独立して0〜5であり、R1〜R4およびR29〜R37は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C20アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、サッカリド、ペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して生物活性ペプチド、タンパク質、細胞、抗体、抗体フラグメント、サッカリド、グリコペプチド、ペプチド擬似物質、薬剤、薬剤ミミック、ホルモン、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜20であり、並びにbおよびdは独立して1〜100である]
で示されるシアニン染料を含む。
【0012】
第二態様において、本発明組成物は、一般式2
【化5】
[式中、W4およびX4は、同一または異なり得、−CR1R2、−O−、−NR3、−S−および−Seから成る群から選ばれ、Y4は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Bm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z4は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Dm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A2は単または二重結合であり、B2、C2およびD2は、同一または異なり得、−O−、−S−、−Se−、−P−、−CR1R2、−CR1、アルキル、NR3および−C=Oから成る群から選ばれ、A2、B2、C2およびD2は、一緒になって6−〜12−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜12−員複素環状環を形成し得、a4およびb4は独立して0〜5であり、R1〜R4およびR45〜R57は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C20アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、サッカリド、ペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して生物活性ペプチド、タンパク質、細胞、抗体、抗体フラグメント、サッカリド、グリコペプチド、ペプチド擬似物質、薬剤、薬剤ミミック、ホルモン、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜20であり、並びにbおよびdは独立して1〜100である]
で示されるシアニン染料を含む。
【0013】
第三の態様において、本発明組成物は、一般式3
【化6】
[式中、W5およびX5は、同一または異なり得、−CR1R2、−O−、−NR3、−S−および−Seから成る群から選ばれ、Y5は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Bm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z5は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Dm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A3は単または二重結合であり、B3、C3およびD3は、同一または異なり得、−O−、−S−、−Se−、−P−、−CR1R2、−CR1、アルキル、NR3および−C=Oから成る群から選ばれ、A3、B3、C3およびD1は、一緒になって6−〜12−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜12−員複素環状環を形成し得、a5は独立して0〜5であり、R1〜R4およびR58〜R66は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C20アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、サッカリド、ペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して生物活性ペプチド、タンパク質、細胞、抗体、抗体フラグメント、サッカリド、グリコペプチド、ペプチド擬似物質、薬剤、薬剤ミミック、ホルモン、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜20であり、並びにbおよびdは独立して1〜100である]
で示されるシアニン染料を含む。
【0014】
第四の態様において、本発明組成物は、一般式4
【化7】
[式中、W6およびX6は、同一または異なり得、−CR1R2、−O−、−NR3、−S−および−Seから成る群から選ばれ、Y6は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Bm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z6は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Dm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A4は単または二重結合であり、B4、C4およびD4は、同一または異なり得、−O−、−S−、−Se−、−P−、−CR1R2、−CR1、アルキル、NR3および−C=Oから成る群から選ばれ、A4、B4、C4およびD4は、一緒になって6−〜12−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜12−員複素環状環を形成し得、a6は独立して0〜5であり、R1〜R4およびR67〜R79は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C20アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、サッカリド、ペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHまたは−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して生物活性ペプチド、タンパク質、細胞、抗体、抗体フラグメント、サッカリド、グリコペプチド、ペプチド擬似物質、薬剤、薬剤ミミック、ホルモン、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜20であり、並びにbおよびdは独立して1〜100である]
で示されるシアニン染料を含む。
【0015】
下記の図面、詳細な説明および実施例を考えに入れると、本発明はさらに正しく認識されるはずである。
【0016】
(図面の簡単な説明)
この特許の書類は、少なくとも一通のカラー図面を含む。カラー図面(複数も可)を伴なうこの特許のコピーは、特許庁に請求し、必要な料金を払えば提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ビスカルボン酸シアニン染料の合成に関する反応経路を示す。
【図2】テトラカルボン酸シアニン染料の合成に関する反応経路を示す。
【図3】ポリヒドロキシカルボン酸染料の合成に関する反応経路を示す。
【図4】非凝集性シアニン染料の合成に関する反応経路を示す。
【図5】長波長吸収性染料の合成に関する反応経路を示す。
【図6】シアニン染料バイオコンジュゲートの合成に関する反応経路を示す。
【図7】様々な腫瘍をもつラットへのインドシアニングリーン(ICG)注射の2分および30分後における画像を表す。
【図8】膵臓小葉癌(CA20948)に罹ったラットにおけるICG(図8A)およびサイテート1(図8B)の取込みの比較を示す。
【図9】サイテート1注射後45分(図9A)および27時間(図9B)における膵臓小葉癌(CA20948)に罹ったラットの画像を示す。
【図10】サイテート1による注射の約24時間後における膵臓小葉癌(CA20948)に罹ったラットから摘出された個々の器官の画像である。
【図11】注射後22時間のAR42−J腫瘍担持ラットにおけるボンベシネートの画像である。
【図12】正常ラットの血液からのサイテート1のクリアランスプロフィールである。
【図13】膵臓腫瘍担持ラットの血液からのサイテート1のクリアランスプロフィールである。
【図14】正常ラットの血液からのサイテート2のクリアランスプロフィールである。
【図15】膵臓腫瘍担持ラットの血液からのサイテート2のクリアランスプロフィールである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、ビスカルボン酸シアニン染料の合成に関する反応経路を示す。
【0019】
図2は、テトラカルボン酸シアニン染料の合成に関する反応経路を示す。
【0020】
図3は、ポリヒドロキシカルボン酸染料の合成に関する反応経路を示す。
【0021】
図4は、非凝集性シアニン染料の合成に関する反応経路を示す。
【0022】
図5は、長波長吸収性染料の合成に関する反応経路を示す。
【0023】
図6は、シアニン染料バイオコンジュゲートの合成に関する反応経路を示す。
【0024】
図7A−Fは、様々な腫瘍をもつラットへのインドシアニングリーン(ICG)注射の2分および30分後における画像を表す。
【0025】
図8A−Bは、膵臓小葉癌(CA20948)に罹ったラットにおけるICG(図8A)およびサイテート1(図8B)の取込みの比較を示す。
【0026】
図9A−Bは、サイテート1注射後45分(図9A)および27時間(図9B)における膵臓小葉癌(CA20948)に罹ったラットの画像を示す。
【0027】
図10は、サイテート1による注射の約24時間後における膵臓小葉癌(CA20948)に罹ったラットから摘出された個々の器官の画像である。
【0028】
図11は、注射後22時間のAR42−J腫瘍担持ラットにおけるボンベシネートの画像である。
【0029】
図12は、正常ラットの血液からのサイテート1のクリアランスプロフィールである。
【0030】
図13は、膵臓腫瘍担持ラットの血液からのサイテート1のクリアランスプロフィールである。
【0031】
図14は、正常ラットの血液からのサイテート2のクリアランスプロフィールである。
【0032】
図15は、膵臓腫瘍担持ラットの血液からのサイテート2のクリアランスプロフィールである。
【0033】
図16は、正常ラットの血液からのサイテート4のクリアランスプロフィールである。
【0034】
(発明の詳細な説明)
式1〜4で示される染料を含む本発明の新規組成物は、現在文献に報告されているものを凌ぐ顕著な利点を呈する。これらの本発明染料は、分子内および分子間の規則正しい疎水性相互作用を阻止することにより溶液中での凝集を阻止するスターバーストデンドリマーを形成し、生物活性分子を形成し易くするため染料発色団の近位に多重結合部位を有する。堅固で伸長した発色団バックボーンの存在により、それらの蛍光量子収量が高められ、それらの最大吸収が800nm以上に伸ばされる。これらの染料への生体分子のコンジュゲーションは、容易に達成できるものである。
【0035】
本発明のバイオコンジュゲートはまた、互いに極めて近接している1〜10個の受容体ターゲッティング基を組込むことによりシアニンおよびインドシアニン染料構造の対称的性質を利用しており、その結果協同効果により受容体結合が大いに促進され得る。従って、1個またはそれ以上のターゲッティングドメインを含む幾つかのシアニン染料が製造され、生物活性についてインビボで試験されている。
【0036】
式1〜4で示される本発明の染料−バイオコンジュゲートは、様々な生物医学的適用に有用である。これらには、臓器の断層撮影法、臓器機能のモニター、冠動脈造影、蛍光内視鏡検査、検出、イメージング(画像化)および腫瘍の治療、レーザー支援誘導手術、光音響的方法および音蛍光方法があるが、これらに限定されるわけではない。
【0037】
前述の生物医学適用の幾つかを達成する実施態様を下記に示す。本発明の新規染料は、当業界で公知の方法に従い製造され、図1−5で説明されている。
【0038】
図1は、ビス−カルボン酸シアニン染料に関する合成図を示しており、図式中、A=CH2またはCH2OCH2、R=COOH、R’=COOH、NHFmoc;CO2t−Bu、SO3、R1=R2=H(式1)またはR1、R2=縮合フェニル(式2)。
【0039】
図2は、テトラカルボン酸シアニン染料に関する合成図を示しており、図式中、A=CH2またはCH2OCH2、R1=R2=H(式1)またはR1、R2=縮合フェニル(式2)。
【0040】
図3は、ポリヒドロキシカルボン酸シアニン染料に関する合成図を示している。
【0041】
図4は、非凝集性シアニン染料に関する合成図を示している。
【0042】
図5は、長波長吸収性の調整可能なシアニン染料に関する合成図を示している。
【0043】
一態様において、本発明バイオコンジュゲートは、式1[ただし、W3およびX3は、同一または異なり得、−C(CH3)2、−C((CH2)aOH)CH3、−C((CH2)aOH)2、−C((CH2)aCO2H)CH3、−C((CH2)aCO2H)2、−C((CH2)aNH2)CH3、C((CH2)aNH2)2、C((CH2)aNR3R4)2、−NR3、および−S−から成る群から選ばれ、Y3は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z3は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A1は単または二重結合であり、B1、C1およびD1は、独立して−O−、−S−、NR3、(CH2)a−CR1R2、および−CR1から成る群から選ばれ、A1、B1、C1およびD1は、一緒になって6−〜10−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜10−員複素環状環を形成し得、a3およびb3は独立して0〜3であり、R1〜R4およびR29〜R37は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C12アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C12ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、モノまたはオリゴサッカリド、2〜30個のアミノ酸単位を有するペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して2〜30個のアミノ酸単位を含む生物活性ペプチド、抗体、モノまたはオリゴサッカリド、グリコペプチド、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜10であり、並びにbおよびdは独立して1〜30である]を有する。
【0044】
第二の態様において、本発明バイオコンジュゲートは、一般式2[ただし、W4およびX4は、同一または異なり得、−C(CH3)2、−C((CH2)aOH)CH3、−C((CH2)aOH)2、−C((CH2)aCO2H)CH3、−C((CH2)aCO2H)2、−C((CH2)aNH2)CH3、C((CH2)aNH2)2、C((CH2)aNR3R4)2、−NR3、および−S−から成る群から選ばれ、Y4は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z4は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A2は単または二重結合であり、B2、C2およびD2は、独立して−O−、−S−、NR3、(CH2)a−CR1R2、および−CR1から成る群から選ばれ、A2、B2、C2およびD2は、一緒になって6−〜10−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜10−員複素環状環を形成し得、a4およびb4は独立して0〜3であり、R1〜R4およびR45〜R57は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C12アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C12ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、モノまたはオリゴサッカリド、2〜30個のアミノ酸単位を有するペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して2〜30個のアミノ酸単位を含む生物活性ペプチド、抗体、モノまたはオリゴサッカリド、グリコペプチド、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜10であり、並びにbおよびdは独立して1〜30である]を有する。
【0045】
第三の態様において、本発明バイオコンジュゲートは、一般式3[ただし、W5およびX5は、同一または異なり得、−C(CH3)2、−C((CH2)aOH)CH3、−C((CH2)aOH)2、−C((CH2)aCO2H)CH3、−C((CH2)aCO2H)2、−C((CH2)aNH2)CH3、C((CH2)aNH2)2、C((CH2)aNR3R4)2、−NR3、および−S−から成る群から選ばれ、Y5は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z5は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A3は単または二重結合であり、B3、C3およびD3は、独立して−O−、−S−、NR3、(CH2)a−CR1R2、および−CR1から成る群から選ばれ、A3、B3、C3およびD3は、一緒になって6−〜10−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜10−員複素環状環を形成し得、a5は0〜3であり、R1〜R4およびR58〜R66は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C12アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C12ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、モノまたはオリゴサッカリド、2〜30個のアミノ酸単位を有するペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して2〜30個のアミノ酸単位を含む生物活性ペプチド、抗体、モノまたはオリゴサッカリド、グリコペプチド、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜10であり、並びにbおよびdが独立して1〜30である]を有する。
【0046】
第四の態様において、本発明バイオコンジュゲートは、一般式4[ただし、W6およびX6は、同一または異なり得、−C(CH3)2、−C((CH2)aOH)CH3、−C((CH2)aOH)2、−C((CH2)aCO2H)CH3、−C((CH2)aCO2H)2、−C((CH2)aNH2)CH3、−C((CH2)aNH2)2、C((CH2)aNR3R4)2、−NR3、および−S−から成る群から選ばれ、Y6は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z6は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A4は単または二重結合であり、B4、C4およびD4は、独立して−O−、−S−、NR3、(CH2)a−CR1R2、および−CR1から成る群から選ばれ、A4、B4、C4およびD4は、一緒になって6−〜10−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜10−員複素環状環を形成し得、a6は0〜3であり、R1〜R4およびR67〜R79は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C12アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C12ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、モノまたはオリゴサッカリド、2〜30個のアミノ酸単位を有するペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して2〜30個のアミノ酸単位を含む生物活性ペプチド、抗体、モノまたはオリゴサッカリド、グリコペプチド、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜10であり、並びにbおよびdは独立して1〜30である]を有する。
【0047】
この発明はまた、固相または液中合成方法により本発明染料をペプチドまたは生体分子にコンジュゲートする方法に関するものである。図6は、固体支持体における自動ペプチド合成法を用いて、図1−5のシアニン染料を組込むバイオコンジュゲートの合成図を示すもので、式中、A=CH2またはCH2OCH2、R1=R2=H(式1)またはR1、R2=縮合フェニル(式2)、AA=アミノ酸、R=CONHペプチド、R'=R(ビスコンジュゲート)またはCOOH(モノコンジュゲート)、P=固体支持体、P'=存在または不存在はR'の定義により異なる。
【0048】
この発明はまた、蛍光クエンチングの阻止方法に関するものである。シアニン染料は一般に水性媒質中で凝集体を形成し、蛍光クエンチングを誘導することが知られている。染料中における疎水性コアの存在が蛍光クエンチングを誘発する場合、生物適合性有機溶媒、例えば1−50%ジメチルスルホキシド(DMSO)を加えると、凝集が阻止されることにより蛍光が回復し、インビボ臓器視覚化が可能となった。
【0049】
本発明染料−生体分子コンジュゲートは、腫瘍または他の異常の検出および処置を目的とした光学断層撮影法、内視鏡検査、光音響的および音蛍光的適用法に使用される。
【0050】
染料‐生体分子コンジュゲートはまた、限局性治療にも使用される。これは、ポルフィリンまたは他のレーザー光学治療剤をバイオコンジュゲートに結合させ、適当な波長の光線を照射して薬剤を活性化し、そして異常を検出および/または処置することにより行われ得る。
【0051】
本発明コンジュゲートはまた、腹腔鏡検査時の例えばソマトスタチンサブタイプ2(SST−2)陽性腫瘍の極微小転移検出用レーザー支援誘導手術、およびアテローム性硬化斑および血餅の診断を目的とした、コンジュゲートの血液クリアランスプロフィールをモニターすることによる、腫瘍および他の異常の存在検出に使用され得る。
【0052】
本発明組成物は、経腸および非経口投与用診断および治療組成物に製剤化され得る。これらの組成物は、意図された投与型に適した慣用的医薬用担体および賦形剤と一緒に有効量の染料を含む。例えば、非経口製剤は、有利には滅菌水溶液または懸濁液中に本発明薬剤を含む。非経口組成物は、直接注射されるかまたは大量の全身投与用非経口組成物と混合され得る。上記溶液はまた、医薬的に許容し得る緩衝液を含み得、所望により電解質、例えば塩化ナトリウムを含んでいてもよい。
【0053】
当業界で熟知されている通り、経腸投与用製剤は広範に変化し得る。一般に、上記製剤は液体であり、水溶液または懸濁液中に有効量の本発明薬剤を含む。上記経腸組成物は、所望により緩衝液、界面活性剤、揺変剤などを含み得る。経口投与用組成物はまた、香味料およびそれらの感覚刺激性の質を高める他の成分を含み得る。
【0054】
診断組成物は、所望の増強を達成するのに有効な量で投与される。上記用量は、使用される特定染料、画像化される臓器または組織、使用されている画像化設備などにより広範に変化し得る。本発明の診断組成物は、常法で使用される。組成物は、患者、典型的には温血動物に全身的または画像化すべき臓器または組織へ局所的に投与され得、次いで患者をイメージング法にかける。
【0055】
本発明組成物および方法は、多様な光学物理および化学特性を有する新規シアニンおよびインドシアニン染料の合成および用途にとって重要な方法を表す。この組合わせはまた、小分子ターゲッティング基を用いて光学的方法により腫瘍を画像化するための重要な方法を表す。下記実施例で本発明についてさらに詳述するが、それらは説明として示されたもので、いかなる意味でも本発明の範囲を制限する意図はないものとする。
【実施例】
【0056】
(実施例)
実施例1
ビス(エチルカルボキシメチル)インドシアニン染料の合成(図1、R1、R2=縮合フェニル、A=CH2、n=1およびR=R'=CO2H)
1,2−ジクロロベンゼン(40mL)中1,1,2−トリメチル−[1H]−ベンゾ[e]インドール(9.1g、43.58ミリモル)および3−ブロモプロピオン酸(10.0g、65.37ミリモル)から成る混合物を12時間110℃で加熱した。溶液を室温に冷却し、得られた赤色残留物を濾過し、アセトニトリル:ジエチルエーテル(1:1)混合物で洗浄した。得られた固体を真空乾燥すると、10g(64%)の明褐色粉末が得られた。この固体の一部(6.0g、16.56ミリモル)、グルタコンアルデヒドジアニルモノ塩酸塩(2.36g、8.28ミリモル)および酢酸ナトリウムトリ水和物(2.93g、21.53ミリモル)をエタノール(150mL)中で90分間還流させた。溶媒を濃縮後、40mLの2NHCl水溶液を残留物に加えた。混合物を遠心分離し、上清を傾瀉した。上清がほぼ無色になるまでこの手順を反復した。約5mLの水:アセトニトリル(3:2)混合物を固体残留物に加え、凍結乾燥すると、2gの濃緑色フレークが得られた。化合物の純度は、1H−NMRおよび液体クロマトグラフィー−質量分光学的方法(LC−MS)により確立された。
【0057】
実施例2
ビス(ペンチルカルボキシメチル)インドシアニン染料の合成(図1、R1、R2=縮合フェニル、A=CH2、n=4およびR=R'=CO2H)
1,2−ジクロロベンゼン(250mL)中1,1,2−トリメチル−[1H]−ベンゾ[e]インドール(20g、95.6ミリモル)および6−ブロモヘキサン酸(28.1g、144.1ミリモル)から成る混合物を12時間110℃で加熱した。緑色溶液を室温に冷却し、形成された褐色固体沈澱物を濾過により集めた。1,2−ジクロロベンゼンおよびジエチルエーテルで固体を洗浄後、得られた褐色粉末(24g、64%)を室温で真空乾燥した。この固体の一部(4.0g、9.8ミリモル)、グルタコンアルデヒドジアニルモノ塩酸塩(1.4g、5ミリモル)および酢酸ナトリウムトリ水和物(1.8g、12.9ミリモル)をエタノール(80mL)中で1時間還流させた。溶媒を濃縮後、20mLの2NHCl水溶液を残留物に加えた。混合物を遠心分離し、上清を傾瀉した。上清がほぼ無色になるまでこの手順を反復した。約5mLの水:アセトニトリル(3:2)混合物を固体残留物に加え、凍結乾燥すると、約2gの濃緑色フレークが得られた。化合物の純度は、1H−NMRおよびLC−MSにより確立された。
【0058】
実施例3
ビスエチルカルボキシメチルインドシアニン染料の合成(図1、R1、R2=H、A=CH2、n=1およびR=R'=CO2H)
この化合物は実施例1と同じ要領で製造されたが、ただし出発材料として1,1,2−トリメチルインドールを使用した。
【0059】
実施例4
ビス(エチルカルボキシメチル)インドシアニン染料の合成(図1、R1、R2=縮合フェニル、A=CH2、n=1およびR=R'=CO2H)
この化合物は実施例1と同じ要領で製造されたが、ただし、ブロモプロピオン酸の代わりにω−ブロモヘキサオキシエチレングリコールプロピオリル酸を使用し、反応は1,2−ジメトキシプロパン中で行なわれた。
【0060】
実施例5
ビスエチルカルボキシメチルインドシアニン染料の合成(図2、R1、R2=縮合フェニル、A=CH2、およびn=0)
50mlのジメチルホルムアミドおよびベンジルブロモアセテート(16.0g、70ミリモル)の溶液を、100mlの三頚フラスコ中で攪拌した。固体重炭酸カリウム(7.8g、78ミリモル)を加えた。フラスコをアルゴンによりパージングし、氷浴で0℃に冷却した。攪拌混合物にエタノールアミン(1.9g、31ミリモル)および4mlのジメチルホルムアミドの溶液を5分間かけて滴下した。滴下完了後、混合物を0℃で1時間攪拌した。氷浴を除去し、混合物を室温で一夜攪拌した。反応混合物を100mlのメチレンクロリドおよび100mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液間に分配した。層を分離し、メチレンクロリド層を100mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液で再洗浄した。水層を合わせ、25mlのメチレンクロリドで2回抽出した。メチレンクロリド層を合わせ、100mlの食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。メチレンクロリドを約35℃で吸引装置により減圧除去し、そして残存しているジメチルホルムアミドを約45℃で真空除去した。粗物質を真空ラインで一夜室温で放置した。
【0061】
次いで、粗物質を100mlのメチレンクロリドに室温で溶かした。トリフェニルホスフィン(8.91g、34ミリモル)を加え、攪拌しながら溶かした。アルゴンでのパージングを開始し、混合物を氷浴で0℃に冷却した。N−ブロモスクシンイミド(6.05g、34ミリモル)を2分間にわたって分割して加えた。混合物を0℃で1.5時間攪拌した。メチレンクロリドを真空除去すると、紫色油状物が得られた。この油状物を一定して手動攪拌しながら200mlのエーテルで磨砕した。この期間中、油状物は非常に粘稠性になった。エーテル溶液を傾瀉し、油状物を100mlのエーテルで磨砕した。エーテル溶液を傾瀉し、油状物を再び100ml分量のエーテルで磨砕した。エーテルを傾瀉し、エーテル溶液を合わせ、約2時間放置することにより、トリフェニルホスフィンオキシドを結晶化させた。エーテル溶液を結晶から傾瀉し、固体を100mlのエーテルで洗浄した。体積が約25mlとなるまで合わせたエーテル抽出物の体積を真空により低減化した。これを0℃で一夜放置した。エーテル(10ml)を冷混合物に加え、混合して固体を懸濁させた。混合物を45gのシリカゲルのカラムで濾過し、エーテルで溶離し、そして75mlフラクションを集めた。薄層クロマトグラフィーにより測定された、生成物を含むフラクションをプールし、エーテルを真空除去した。この結果、粗生成物10.1gが得られた。この物質を、9:1ヘキサン:エーテルに変えながら、ヘキサンによるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにかけた。生成物含有フラクションをプールし、溶媒を真空除去した。この結果、7.4g(57%収率)の純粋生成物が得られた。
【0062】
10%パラジウム炭素(1g)および150mlのメタノール中ベンジルエステル(10g)の溶液から成る混合物を2時間25psiで水素化分解した。混合物をセライトで濾過し、残留物をメタノールで洗浄した。溶媒を濃縮すると、定量的収率で粘稠性油状物が得られた。
【0063】
ブロミドと1,1,2−トリメチル−[1H]−ベンゾ[e]インドールとの反応を実施例1と同じ要領で実施した。
【0064】
実施例6
ビス(エチルカルボキシメチルジヒドロキシル)インドシアニン染料(図3)
ヒドロキシ−インドール化合物は、公知方法(P.L.Southwickら、「蛍光性バイオラベル用中間体としての(2,3,3−トリメチル−3−H−インドール−5−イル)酢酸誘導体の一ポットフィッシャー合成」(Onepot Fischer synthsis of (2,3,3-trimethyl-3-H-Iindol-5-yl)-acetic acidderivatives as intermediates for fluorescent biolabels)、Org.Prep.Proced.Int.Briefs、1988、20(3)、279−284)により容易に製造される。室温で30分間および還流温度で1分間酢酸(50mL)中p−カルボキシメチルフェニルヒドラジン塩酸塩(30ミリモル、1当量)および1,1−ビス(ヒドロキシメチル)プロパノン(45ミリモル、1.5当量)の反応により、固体残留物として(3,3−ジヒドロキシメチル−2−メチル−3−H−インドール−5−イル)酢酸が得られる。実施例5記載の要領で製造された3−ブロモプロピル−N,N−ビス(カルボキシメチル)アミンと中間体インドールとの反応および後続のインドール中間体とグルタコンアルデヒドジアニルモノ塩酸塩(実施例1参照)との反応により、目的生成物が得られる。
【0065】
実施例7
ビス(プロピルカルボキシメチル)インドシアニン染料の合成(図4)
文献に記載(G.A.ReynoldsおよびK.H.Drexhage、「赤外線で吸収する安定したヘプタメチンピリリウム染料」(Stable heptamethine pyrylium dyes thatabsorb in the infrared)、J.Org.Chem.1977、42(5)、885−888)の要領で中間体2−クロロ−1−ホルミル−3−ヒドロキシメチレンシクロヘキサンを製造した。等量(各々40mL)のジメチルホルムアミド(DMF)およびジクロロメタンを混合し、溶液をアセトン−ドライアイス浴中で−10℃に冷却した。アルゴン雰囲気下、ジクロロメタン中オキシ塩化リン(40mL)を冷DMF溶液に滴下した後、10gのシクロヘキサノンを加えた。生成した溶液を室温に温まるまで放置し、6時間還流させた。室温に冷却後、混合物を氷冷水中に注ぎ、12時間4℃で貯蔵した。濾過後、黄色粉末約8gが得られた。インドール中間体と環状ジアルデヒドの縮合は、実施例1記載の要領で実施される。さらにビスイソプロピリデンアセタール保護モノサッカリドによる染料の官能化は、文献に記載された方法により達成された(J.H.Flanaganら、時間経過順識別法を用いたDNA配列決定適用における塩基‐招集(コーリング)用近赤外線重原子修飾蛍光染料(Nearinfrared heavy-atom-modified fluorescent dyes for base-calling inDNA-sequencing application using temporaldiscrimination)、Anal.Chem.、1998、70(13)、2676−2684)。
【0066】
実施例8
ビス(エチルカルボキシメチル)インドシアニン染料の合成(図5)
これらの染料は、実施例7記載の要領で製造される。これらの染料は赤外線領域で吸収する。図5に示された典型的な実例は、1036nmでの予測吸収最大値を有する。
【0067】
実施例9
ペプチドの合成
下記方法は、オクトレオテートの合成を目的とする。オクトレオテートのアミノ酸配列は、D−Phe−Cys'−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys'−Thr(配列番号1)(ただし、Cys'は2個のシステインアミノ酸間における分子内ジスルフィド結合の存在を示す)である。この発明の他のペプチドは、場合によっては軽微な修飾を伴ない得る類似方法により製造された。
【0068】
オクタペプチドは、アプライド・バイオシステムズ(432AモデルのSYNERGYペプチド・シンセサイザー)から市販されているペプチド合成装置を用いた自動フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)固相ペプチド合成法により製造された。最初のペプチドカートリッジは、25マイクロモル割合でFmoc−Thrによる前荷重ワン樹脂を含んでいた。後続のカートリッジは、次のアミノ酸:Cys(Acm)、Thr(t−Bu)、Lys(Boc)、Trp(Boc)およびTyr(t−Bu)に関する側鎖保護基を伴うFmoc保護アミノ酸を含んでいた。アミノ酸カートリッジをペプチド合成装置に置き、C−末端からN−末端位置へ生成物を合成させた。カップリング反応は、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)/N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の存在下において75マイクロモルの保護アミノ酸により実施された。ジメチルホルムアミド中20%ピペリジンによりFmoc保護基を除去した。合成完了後、チオール基をトリフルオロ酢酸タリウムにより閉環し、6時間トリフルオロ酢酸(85%):水(5%):フェノール(5%):チオアニソール(5%)を含む開裂混合物により固体支持体から生成物を開裂した。ペプチドをt−ブチルメチルエーテルにより沈澱させ、水:アセトニトリル(2:3)混合物により凍結乾燥した。ペプチドをHPLCにより精製し、LC/MSにより分析した。
【0069】
オクトレオチド、D−Phe−Cys'−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys'−Thr−OH(配列番号2)(ただし、Cys'は2個のシステインアミノ酸間における分子内ジスルフィド結合の存在を示す)は、同じ手順により製造された。
【0070】
ボンベシン類似体は同じ手順により製造されたが、トリフルオロ酢酸タリウムによる閉環は必要とされなかった。側鎖脱保護および樹脂からの開裂は、各々50μLのエタンジチオール、チオアニソールおよび水、および850μLのトリフルオロ酢酸により実施された。2種の類似体が製造された:Gly−Ser−Gly−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−Met−NH2(配列番号3)およびGly−Asp−Gly−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−Met−NH2(配列番号4)。
【0071】
コレシストキニンオクタペプチド類似体は、閉環段階を伴わずにオクトレオテートの場合と同じ要領で製造された。3種の類似体が製造された:Asp−Tyr−Met−Gly−Trp−Met−Asp−Phe−NH2(配列番号5)、Asp−Tyr−Nle−Gly−Trp−Nle−Asp−Phe−NH2(配列番号6)、およびD−Asp−Tyr−Nle−Gly−Trp−Nle−Asp−Phe−NH2(配列番号7)(ただし、Nleはノルロイシンである)。
【0072】
ニューロテンシン類似体、D−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Ile−Leu(配列番号8)は、閉環段階を伴わずにオクトレオテートと同様にして製造された。
【0073】
実施例10
ペプチド−染料コンジュゲートの合成(図6)
下記方法は、オクトレオテート−シアニン染料コンジュゲートの合成に関するものであるが、他のペプチド−染料コンジュゲートの合成にも類似方法が使用される。
【0074】
オクトレオテートは実施例9記載の要領で製造されたが、ペプチドは固体支持体から開裂されず、PheのN−末端Fmoc基は保持されていた。チオール基はトリフルオロ酢酸タリウムにより閉環され、Pheを脱保護することにより遊離アミンが脱離された。ビスエチルカルボキシメチルインドシアニン染料(53mg、75マイクロモル)が、DMSO(375μL)中HBTU/HOBtの0.2モル溶液、およびDMSO(375μL)中ジイソプロピルエチルアミンの0.2モル溶液から成る活性化試薬に加えられた。約30分で活性化は完了し、樹脂結合ペプチド(25マイクロモル)を染料に加えた。室温で3時間カップリング反応を実施した。混合物を濾過し、固体残留物をDMF、アセトニトリルおよびTHFで洗浄した。緑色残留物を乾燥後、ペプチドが樹脂から開裂され、85%トリフルオロ酢酸、2.5%水、2.5%チオアニソールおよび2.5%フェノールの混合物により側鎖保護基が除去された。樹脂を濾過し、冷t−ブチルメチルエーテル(MTBE)を用いて染料−ペプチドコンジュゲートを沈澱させ、これをアセトニトリル:水(2:3)混合物に溶かし、凍結乾燥した。生成物をHPLCにより精製すると、モノオクトレオテート−ビスエチルカルボキシメチルインドシアニン染料(サイテート1、80%)およびビスオクトレオテート−ビスエチルカルボキシメチルインドシアニン染料(サイテート2、20%)が得られた。モノオクトレオテートコンジュゲートは、反応時間を2時間に減らすことによりビスコンジュゲートに対しほぼ独占的(>95%)に得られる。しかしながら、これはまた、不完全反応を誘発するため、非染料コンジュゲートペプチドによる受容体の飽和を回避するためには染料コンジュゲートから遊離オクトレオテートを注意深く分離しなければならない。
【0075】
オクトレオテート−ビスペンチルカルボキシメチルインドシアニン染料は、若干の修正を加えながらも上記と同じ要領で製造された。ビスペンチルカルボキシメチルインドシアニン染料(60mg、75マイクロモル)が、DMSO(400μL)中HBTU/HOBtの0.2モル溶液、およびDMSO(400μL)中ジイソプロピルエチルアミンの0.2モル溶液から成る活性化試薬に加えられた。約30分で活性化は完了し、樹脂結合ペプチド(25マイクロモル)を染料に加えた。室温で3時間反応を実施した。混合物を濾過し、固体残留物をDMF、アセトニトリルおよびTHFで洗浄した。緑色残留物を乾燥後、ペプチドが樹脂から開裂され、85%トリフルオロ酢酸、2.5%水、2.5%チオアニソールおよび2.5%フェノールの混合物により側鎖保護基が除去された。樹脂を濾過し、冷t−ブチルメチルエーテル(MTBE)を用いて染料−ペプチドコンジュゲートを沈澱させ、これをアセトニトリル:水(2:3)混合物に溶かし、凍結乾燥した。生成物をHPLCにより精製すると、オクトレオテート−1,1,2−トリメチル−[1H]−ベンゾ[e]インドールプロピオン酸コンジュゲート(10%)、モノオクトレオテート−ビスペンチルカルボキシメチルインドシアニン染料(サイテート3、60%)およびビスオクトレオテート−ビスペンチルカルボキシメチルインドシアニン染料(サイテート4、30%)が得られた。
【0076】
実施例11
ジメチルスルホキシド(DMSO)中におけるペプチド−染料コンジュゲートの製剤
染料−ペプチドコンジュゲートは、水中では可溶性に乏しく、可溶化剤または共溶媒の添加を必要とする。1−20%水性エタノールをコンジュゲートに加えると、インビトロ蛍光強度が部分的にクエンチングされ、インビボでは完全に蛍光はクエンチングされた(コンジュゲートは電荷結合素子(CCD)カメラにより検出されなかった)。1−50%のDMSOを加えることにより、インビトロおよびインビボでのコンジュゲートの蛍光強度は再確立または増強された。染料の蛍光は1週間にわたって強いままであった。DMSO製剤は、この発明用に使用された実験動物にとって認容性良好であった。
【0077】
実施例12
インドシアニングリーン(ICG)による膵管腺癌(DSL6A)のイメージング
非侵襲性インビボ蛍光イメージング装置を用いて、動物モデルにおいて腫瘍検出用に開発された造影剤の効率を評価した。名目波長780nmおよび名目電力40mWのレーザーマックス・インコーポレイテッドのレーザーダイオードを使用した。検出装置は、ローデンストック10mmF2レンズ(ストック#542.032.002.20)を装着したプリンストン・インスツルメントRTE/CCD−1317−K/2型CCDカメラであった。造影剤から放射された蛍光のみが画像化されるように、830nm干渉レンズ(CVIレーザー・コーポレーション、部品#F10−830−4−2)をCCDインプットレンズの正面に固定した。典型的な例では、動物の画像を造影剤の注射前に撮った。それに続いてこの画像を注射後画像から差し引いた(ピクセル単位で)。しかしながら、一旦動物が試料領域から除かれ、注射の数時間後に撮られる画像用に後の時点で戻されると、バックグラウンドサブトラクションは決して為されなかった。
【0078】
固体(ドナー)移植片からの材料を導入することによりDSL6A腫瘍を雄ルイスラットの左脇腹領域に誘導すると、腫瘍は約14日で触診可能となった。筋肉内注射により0.8mL/kgでキシラジン:ケタミン:アセプロマジン、1.5:1.5:0.5により動物に麻酔をかけた。腫瘍領域(左脇腹)の毛を剃って、腫瘍および周囲表面領域を露出させた。コックの栓およびヘパリン化食塩水を含む注射器2本を備えた21ゲージ蝶形物をラットの後方尾部静脈へ設置した。蝶形装置によるICG投与前に静脈の開通性をチェックした。各動物に水中ICGの0.42mg/mL溶液500μLを与えた。
【0079】
図7A−Bは、ICG(5.4μm)の0.5mL水溶液のボーラス注射後2分(図7A)および30分(図7B)時点での腫瘍画像である。テトラカルボン酸シアニン染料は、図2(ただし、A=CH2またはCH2OCH2、R1=R2=H(式1)またはR1、R2=縮合フェニル(式2))に示された要領で合成された。
【0080】
図面は、指示された時点で測定された蛍光強度の偽色彩画像であり、画像は腫瘍および周囲小領域に制約されている。示されている通り、腫瘍における染料強度はICG注射後30分で顕著に減少した。
【0081】
実施例13
インドシアニングリーン(ICG)による前立腺癌(R3327−H)のイメージング
使用されたイメージング装置および方法は実施例12の場合と同様である。前立腺腫瘍(ダニングR3327−H)を、固体移植片から雄の若年コペンハーゲンラットの左脇腹領域に誘導した。これらの腫瘍は非常にゆっくりと増大し、触診できる塊は移植の4−5ヶ月後に存在した。図7C−Dは、注射の2分後(図7C)および30分後(図7D)に画像化された前立腺癌腫(R3327−H)誘導ラットの画像である。
【0082】
図面は、指示された時点で測定された蛍光強度の偽色彩画像であり、画像は腫瘍および周囲小領域に制約されている。示されている通り、腫瘍における染料強度はICG注射後30分で顕著に減少した。
【0083】
実施例14
インドシアニングリーン(ICG)によるラット膵臓小葉癌(CA20948)のイメージング
使用されるイメージング装置および方法は実施例12の場合と同様である。固体移植片技術により左脇腹領域にSST−2受容体を発現するラット膵臓小葉癌(CA20948)を誘導したところ、触診可能な塊は移植の9日後に検出された。注射の2および3分後に得られた画像は図7E−Fに示されている。図7E−Fは、注射の2分後(図7E)および30分後(図7F)に画像化されたSST−2受容体を発現する膵臓小葉癌(CA20948)が誘導されたラットの画像である。
【0084】
図面は、指示された時点で測定された蛍光強度の偽色彩画像であり、画像は腫瘍および周囲小領域に制約された。示されている通り、腫瘍における染料強度はICG注射後30分で顕著に減少し、ほとんど存在していなかった。
【0085】
実施例15
サイテート1によるラット膵臓小葉癌(CA20948)のイメージング
使用されたイメージング装置および方法は実施例12の場合と同様であるが、ただし各動物には水中25%ジメチルスルホキシドのサイテート1溶液の1.0mg/mL溶液500μlを与えた。
【0086】
固体移植技術により左脇腹領域にSST−2受容体を発現するラット膵臓小葉癌(CA20948)を誘導したところ、触診できる塊は移植の24日後に検出された。画像は注射後の様々な時点で得られた。腫瘍への取込みは2分で見られたが、最大となったのは約5分後であった。
【0087】
図8A−Bは、CA20948セルライン誘導ラットにおける45分時点でのICGおよびサイテート1の取込み比較を示す。45分までにICGはほぼ一掃されたが(図8A)、サイテート1はまだ強い状態である(図8B)。この染料蛍光は注射後数時間の間腫瘍において強い状態のままであった。
【0088】
実施例16
インドシアニングリーンによるイメージングと比較したサイテート1によるラット膵臓小葉癌(CA20948)のイメージング
インドシアニングリーン(ICG)を用い、CCDカメラ装置を用いて3種の異なるセルラインを光学的に画像化した。セルラインのうちの2種、DSL6/A(膵臓)およびダニングR3327H(前立腺)は、時間経過に伴い腫瘍への緩慢な薬剤の灌流を示し、各々について妥当な画像が得られた。第三のライン、CA20948(膵臓)は、注射の僅か30分後には存在しない軽微ではあるが一時的な灌流を示した。これは、他の2腫瘍ラインと比べてこのラインにはICGの非特異的局在性の無いことを示していたことから、この型の腫瘍に関する異なる血管構造が示唆された(図7A−F参照)。最初の2腫瘍ライン(DSL6/AおよびR3327H)は、同じくソマトスタチン(SST−2)受容体に富むCA20948ほど高度に血管化されてはいない。従って、この腫瘍モデルにおける染料の検出および保持は、受容体依存的特異性の優れた指標である。
【0089】
オクトレオテートは、ソマトスタチン(SST−2)受容体をターゲッティングすることが知られているため、シアノ−オクトレオテート(サイテート1およびサイテート2)が製造された。サイテート1は、CA20948ルイスラットモデルで評価された。CCDカメラ装置を用いると、この染料の局在性は注射の45分後に腫瘍で(矢印により示されている)観察された(図9A)。注射後27時間の時点で、動物を再び画像化した(図9B)。腫瘍視覚化は容易に観察された(矢印により示されている)ことから、CA20948腫瘍ラインに存在するSST−2受容体に関するこの薬剤の特異性を示していた。
【0090】
個々の臓器をサイテート1投与の約24時間後に除去し、画像化した。図10に示されている通り、サイテート1の高い取込みが膵臓、腎傍および腫瘍組織において観察され、心臓、筋肉、脾臓および肝臓はそれよりかなり低い取込みを示した。これらのデータは、同じモデル系における放射性標識オクトレオテートと完全な相関関係を示す(M. de Jongら、Cancer Res.1998、58、437−441)。
【0091】
実施例17
ボンベシネートによるラット膵臓小葉癌(AR42−J)のイメージング
AR42−Jセルラインは、外分泌ラット膵臓小葉癌から誘導される。それは、連続培養で培養されるかまたは無胸腺ヌードマウス、SCIDマウスまたはルイスラットにおいてインビボで維持され得る。このセルラインは、コレシストキニン(CCK)、表皮成長因子(EGF)、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)、ソマトスタチン(SST−2)およびボンベシンを含む多様なホルモン受容体を発現することが知られているため、インビトロ受容体検定法にとって特に魅力的である。
【0092】
このモデルでは、CA20948ラットモデルに関して記載した方法と同様にして固体腫瘍材料を用いて雄のルイスラットに移植した。触診可能な塊は移植の7日後に存在しており、移植の10−12日後にイメージング試験を動物で行ったところ、塊は約2−2.5gに達していた。
【0093】
図11は、ボンベシネートの注射後22時間時点における、実施例16に記載された、AR42−J腫瘍担持ラットにおけるボンベシネートの画像である。図11に示されている通り、腫瘍におけるバイオコンジュゲートの特異的局在性(矢印により示されている)が観察された。
【0094】
実施例18
ペプチド染料コンジュゲートの血液クリアランスプロフィールのモニター
染料発色団の励起に適当な波長のレーザーを、光ファイバー束の一端に向け、他端をラットの耳から数ミリメートルのところに配置した。第2の光ファイバー束もまた、同じ耳付近に配置することにより、放射された蛍光を検出し、他端をデータ収集用オプティックス(光学機器)およびエレクトロニクス(電子機器)へ指向させた。収集オプティックストレインにおける干渉フィルター(IF)を用いて、染料発色団にとって適当な波長の放射された蛍光を選択した。
【0095】
スプラーグ‐ドーリーまたはフィッシャー344ラットをこれらの試験で使用した。体重1kg当たり1.35gの用量で腹腔内注射によるウレタン投与により動物に麻酔をかけた。動物が所望の麻酔段階に達した後、12"管を備えた21ゲージ蝶形物を各動物の側面尾部静脈に設置し、ヘパリン化食塩水で洗い流した。動物を加熱パッドに置き、全試験中常に暖かく保った。左耳たぶをガラス製顕微鏡スライドに貼付することにより動きおよび振動を低減化した。
【0096】
光ファイバーから送達された入射レーザー光線を貼付された耳に集中させた。次いで、データ収集を開始し、そして試験薬剤投与前に蛍光のバックグラウンド読取り値を得た。サイテート1または2の場合、ペプチド−染料コンジュゲートを、側面尾部静脈におけるボーラス注射により、典型的には0.5〜2.0mLを動物に投与した。この手順を正常および腫瘍担持ラットにおいて幾つかのペプチドコンジュゲートにより反復した。正常および腫瘍担持動物におけるペプチド染料コンジュゲートの血液クリアランスをモニターする方法としての代表的プロフィールは図12〜16に示されている。一区画モデル用の標準シグマプロットソフトウェアプログラムを用いてデータを分析した。
【0097】
サイテート1または2で処理したラットでは、蛍光シグナルは、ピーク値まで急速に増加した。次いで、シグナルは、血流から一掃されたコンジュゲートとしての時間の関数として減少した。図12は、780nmで励起後に830nmでモニターされた正常ラット血液からのサイテート1のクリアランスプロフィールを示す。図13は、同じく780nmで励起後に830nmでモニターされた膵臓腫瘍(CA20948)担持ラット血液からのサイテート1のクリアランスプロフィールを示す。
【0098】
図14は、正常ラット血液からのサイテート2のクリアランスプロフィールを示し、図15は、780nmで励起後に830nmでモニターされた膵臓腫瘍(CA20948)担持ラット血液からのサイテート2のクリアランスプロフィールを示す。
【0099】
図16は、780nmで励起後に830nmでモニターされた正常ラット血液からのサイテート4のクリアランスプロフィールを示す。
【0100】
本明細書に示され、記載されている本発明の具体例は、当技術分野に習熟した本発明者らの実施態様に過ぎず、何らかの意味で限定しているわけではないものと理解すべきである。従って、本発明の精神および請求の範囲から逸脱することなく、それらの実施態様に対し様々な変化、修飾または改変を加えるかまたはそれらの手段に訴えることもあり得る。引用された参考文献は、出典明示により本明細書の一部とする。
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1) 式
【化1】
[式中、W3およびX3は、独立して−CR1R2、−O−、−NR3、−S−および−Seから成る群から選ばれ、Y3は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Bm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z3は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Dm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A1は単または二重結合であり、B1、C1およびD1は、独立して−O−、−S−、−Se−、−P−、−CR1R2、−CR1、アルキル、NR3および−C=Oから成る群から選ばれ、A1、B1、C1およびD1は、一緒になって6−〜12−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜12−員複素環状環を形成し得、a3およびb3は独立して0〜5であり、R1〜R4およびR29〜R37は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C20アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、サッカリド、ペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して生物活性ペプチド、タンパク質、細胞、抗体、抗体フラグメント、サッカリド、グリコペプチド、ペプチド擬似物質、薬剤、薬剤ミミック、ホルモン、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜20であり、並びにbおよびdは独立して1〜100の範囲で変化する]
で示される化合物。
(項目2) W3およびX3が、独立して−C(CH3)2、−C((CH2)aOH)CH3、−C((CH2)aOH)2、−C((CH2)aCO2H)CH3、−C((CH2)aCO2H)2、−C((CH2)aNH2)CH3、C((CH2)aNH2)2、C((CH2)aNR3R4)2、−NR3、および−S−から成る群から選ばれ、Y3が、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z3が、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A1が単または二重結合であり、B1、C1およびD1が、独立して−O−、−S−、NR3、(CH2)a−CR1R2、および−CR1から成る群から選ばれ、A1、B1、C1およびD1が、一緒になって6−〜10−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜10−員複素環状環を形成し得、a3およびb3が独立して0〜3であり、R1〜R4およびR29〜R37が、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C12アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C12ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、モノまたはオリゴサッカリド、2〜30個のアミノ酸単位を有するペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmが、独立して2〜30個のアミノ酸単位を含む生物活性ペプチド、抗体、モノまたはオリゴサッカリド、グリコペプチド、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcが、独立して1〜10であり、並びにbおよびdが独立して1〜30である、項目1記載の化合物。
(項目3) W3およびX3が各々C((CH2)OH)2であり、Y3が−(CH2)2−CONH−Bmであり、Z3が−(CH2)2−CONH−Dmであり、A1が単結合であり、A1、B1、C1およびD1が一緒になって6員炭素環状環を形成し、a3およびb3が各々1であり、R29がガラクトースであり、R30〜R37が各々水素であり、Bmがオクトレオテートであり、Dmがボンベシンである、項目2記載の化合物。
(項目4) 診断または治療処置の遂行方法であって、式
【化2】
[式中、W3およびX3は、独立して−CR1R2、−O−、−NR3、−S−および−Seから成る群から選ばれ、Y3は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Bm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z3は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Dm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A1は単または二重結合であり、B1、C1およびD1は、独立して−O−、−S−、−Se−、−P−、−CR1R2、−CR1、アルキル、NR3および−C=Oから成る群から選ばれ、A1、B1、C1およびD1は、一緒になって6−〜12−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜12−員複素環状環を形成し得、a3およびb3は独立して0〜5であり、R1〜R4およびR29〜R37は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C20アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、サッカリド、ペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して生物活性ペプチド、タンパク質、細胞、抗体、抗体フラグメント、サッカリド、グリコペプチド、ペプチド擬似物質、薬剤、薬剤ミミック、ホルモン、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜20であり、並びにbおよびdは独立して1〜100である]で示される化合物の治療有効量、および組成物を形成するための医薬的に許容し得る担体または賦形剤を個体に投与し、光線を用いて化合物を活性化させ、そして診断または治療処置を遂行することを含む方法。
(項目5) W3およびX3が、独立して−C(CH3)2、−C((CH2)aOH)CH3、−C((CH2)aOH)2、−C((CH2)aCO2H)CH3、−C((CH2)aCO2H)2、−C((CH2)aNH2)CH3、C((CH2)aNH2)2、C((CH2)aNR3R4)2、−NR3、および−S−から成る群から選ばれ、Y3が、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z3が、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A1が単または二重結合であり、B1、C1およびD1が、独立して−O−、−S−、NR3、(CH2)a−CR1R2、および−CR1から成る群から選ばれ、A1、B1、C1およびD1が、一緒になって6−〜10−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜10−員複素環状環を形成し得、a3およびb3が独立して0〜3であり、R1〜R4およびR29〜R37が、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C12アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C12ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、モノまたはオリゴサッカリド、2〜30個のアミノ酸単位を有するペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmが、独立して2〜30個のアミノ酸単位を含む生物活性ペプチド、抗体、モノまたはオリゴサッカリド、グリコペプチド、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcが、独立して1〜10であり、並びにbおよびdが独立して1〜30である化合物の治療有効量を個体に投与することを含む、項目4記載の方法。
(項目6) W3およびX3が各々C((CH2)OH)2であり、Y3が−(CH2)2−CONH−Bmであり、Z3が−(CH2)2−CONH−Dmであり、A1が単結合であり、A1、B1、C1およびD1が一緒になって6員炭素環状環を形成し、a3およびb3が各々1であり、R29がガラクトースであり、R30〜R37が各々水素であり、Bmがオクトレオテートであり、Dmがボンベシン(7−14)である化合物の治療有効量を個体に投与することを含む、項目5記載の方法。
(項目7) 上記処置に350−1300nm領域の波長の光線が使用される、項目4記載の方法。
(項目8) 診断的処置が光学断層撮影法である、項目4記載の方法。
(項目9) 診断的処置が蛍光内視鏡検査法である、項目4記載の方法。
(項目10) さらに蛍光、吸光度および光散乱から成る群から選択され、その場合350−1300nm領域の波長の光線が使用される方法により上記化合物の血液クリアランスプロフィールをモニターすることを含む、項目4記載の方法。
(項目11) 上記処置がさらに造影および治療を含み、上記造影および治療が、吸収、光散乱、光音響および音蛍光技術から成る群から選択される、項目4記載の方法。
(項目12) 上記処置により、アテローム硬化斑および血餅が診断され得る、項目4記載の方法。
(項目13) 上記処置が限局性治療の実施を含む、項目4記載の方法。
(項目14) 上記治療処置がレーザー光学治療を含む、項目4記載の方法。
(項目15) 治療的処置が、微小転移巣を検出するためのレーザー支援誘導手術を含む、項目4記載の方法。
(項目16) さらにインビボまたはインビトロ蛍光クエンチングを阻止するために組成物に対し1〜50パーセント濃度で生物適合性有機溶媒を加えることを含む、項目4記載の方法。
(項目17) 1〜50パーセントのジメチルスルホキシドを含む媒質に上記化合物を溶かす、項目16記載の方法。
(項目18) 式
【化3】
[式中、W3およびX3は、独立して−CR1R2、−O−、−NR3、−S−および−Seから成る群から選ばれ、Y3は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Bm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z3は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Dm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A1は単または二重結合であり、B1、C1およびD1は、独立して−O−、−S−、−Se−、−P−、−CR1R2、−CR1、アルキル、NR3および−C=Oから成る群から選ばれ、A1、B1、C1およびD1は、一緒になって6−〜12−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜12−員複素環状環を形成し得、a3およびb3は独立して0〜5であり、R1〜R4およびR29〜R37は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C20アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、サッカリド、ペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して生物活性ペプチド、タンパク質、細胞、抗体、抗体フラグメント、サッカリド、グリコペプチド、ペプチド擬似物質、薬剤、薬剤ミミック、ホルモン、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜20であり、並びにbおよびdは独立して1〜100の範囲で変化する]で示されるシアニン染料バイオコンジュゲートおよび医薬的に許容し得る担体または賦形剤を含む組成物。
(項目19) W3およびX3が、独立して−C(CH3)2、−C((CH2)aOH)CH3、−C((CH2)aOH)2、−C((CH2)aCO2H)CH3、−C((CH2)aCO2H)2、−C((CH2)aNH2)CH3、C((CH2)aNH2)2、C((CH2)aNR3R4)2、−NR3、および−S−から成る群から選ばれ、Y3が、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z3が、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A1が単または二重結合であり、B1、C1およびD1が、独立して−O−、−S−、NR3、(CH2)a−CR1R2、および−CR1から成る群から選ばれ、A1、B1、C1およびD1が、一緒になって6−〜10−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜10−員複素環状環を形成し得、a3およびb3が独立して0〜3であり、R1〜R4およびR29〜R37が、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C12アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C12ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、モノまたはオリゴサッカリド、2〜30個のアミノ酸単位を有するペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmが、独立して2〜30個のアミノ酸単位を含む生物活性ペプチド、抗体、モノまたはオリゴサッカリド、グリコペプチド、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcが、独立して1〜10であり、並びにbおよびdが独立して1〜30である、項目18記載の組成物。
(項目20) W3およびX3が各々C((CH2)OH)2であり、Y3が−(CH2)2−CONH−Bmであり、Z3が−(CH2)2−CONH−Dmであり、A1が単結合であり、A1、B1、C1およびD1が一緒になって6員炭素環状環を形成し、a3およびb3が各々1であり、R29がガラクトースであり、R30〜R37が各々水素であり、Bmがオクトレオテートであり、Dmがボンベシン(7−14)である、項目19記載の組成物。
(配列表)
【数1】
【数2】
【数3】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2000年1月18日付け出願番号第09/484319号の一部継続出願である。
【0002】
(発明の分野)
この発明は、概して診断および治療用、特に腫瘍の視覚化および検出用の生物活性分子とのシアニン染料バイオコンジュゲートの組成物に関するものである。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
電磁スペクトルの可視および近赤外線領域における光を吸収および放射する幾つかの染料は、生物適合性があり、モル吸光率が高く、および/または蛍光量子収量が高い故に最近様々な生物医学的適用例に使用されている。造影剤としての染料に関連した光学モダリティーの高い感度は核医学の場合と相応しており、電離放射線の望ましくない作用を伴うことなく器官および組織の視覚化が可能となる。
【0004】
近赤外線(NIR)領域における吸収および放射が強いシアニン染料は、生物組織がこの領域では光学的に透過性であるため特に有用である(B.C.Wilson、Opticalproperties of tissues(「組織の光学特性」)、Encyclopedia of Human Biology、1991、5、587−597)。例えば、NIR領域で吸収および放射するインドシアニングリーンは、心拍出量、肝機能および肝臓血流量をモニターするのに使用されており(Y‐L.Heら、Measurementof blood volume using indocyanine green measured with pulse-spectrometry: Itsreproducibility and reliability(「パルス分光法で測定される インドシアニングリーンを用いた血液量の測定:その再現性および信頼性」)、CriticalCare Medicine、1998、26(8)、1446−1451、J.Caesarら、The use of Indocyanine green inthe measurement of hepatic blood flow and as a test of hepatic function(「肝臓血流量測定および肝機能検査におけるインドシアニングリーンの使用」)、Clin.Sci.1961、21、43−57)、そしてその官能性誘導体は、診断目的用に生体分子をコンジュゲートするのに使用されている(R.B.Mujumdarら、Cyaninedye labeling reagents: Sulfoindocyanine succinimidyl esters(「シアニン染料標識試薬:スルホインドシアニンスクシニミジルエステル類」)、BioconjugateChemistry、1993、4(2)、105−111、米国特許第5453505号、WO98/48846、WO98/22146、WO96/17628、WO98/48838)。
【0005】
シアニン染料誘導体の使用における主たる欠点は、肝臓によるこれらの染料の急速なクリアランスにより生じる肝胆汁性毒性に関する可能性である(G.R.Cherrickら、Indocyanine green: Observations on its physicalproperties,plasmadecay,and hepatic extraction(「インドシアニングリーン:その物理特性、血漿崩壊および肝臓抽出に関する観察」)、J.ClinicalInvestigation、1960、39、592−600)。これは、溶解状態のシアニン染料が凝集体を形成する傾向があり、それらが肝臓のクッパー細胞により吸収され得ることに関連している。
【0006】
この問題を回避する様々な試みはこれまでのところあまり有効ではなかった。典型的には、親水性ペプチド、ポリエチレングリコールまたはオリゴサッカリドコンジュゲートが使用されたが、これらは長期循環性産物を生じるため、結局は肝臓により依然としてクリアランスされる。現行のシアニンおよびインドシアニン染料系に伴なう別の大きな問題点は、これらの染料の吸収および放射特性における大きな変化を誘発する能力の範囲にそれらが限界を示すことである。様々なヘテロ原子および環状部分をこれらの染料のポリエン鎖に組込む試みはこれまでに為されているが(L.Strekowskiら、Substitution reactions of a nucleofugal group inhetamethine cyanine dyes(「ヘタメチンシアニン染料における離核基の置換反応」)、J.Org.Chem.、1992、57、4578−4580、N.NarayananおよびG.Patonay、A new method for the synthesis of heptamethine cyanine dyes:Synthesisof new near infrared fluorescent labels(「ヘプタメチンシアニン染料の新規合成方法:新規近赤外線蛍光標識の合成」)、J.Org.Chem.、1995、60、2391−2395、米国特許第5732104号、同5672333号および同5709845号)、生成した染料系は、特に光音響的診断適用が非常に敏感である830nmを越える、吸収および放射最大値に大した差異は示さない。それらはまた、肝臓吸収を促進する突起した疎水性コアを有する。さらに、ほとんどのシアニン染料は、生物医学適用に有用である、スターバーストデンドリマーの形成能を有していない。
【0007】
腫瘍検出目的の場合、多くの慣用的染料は、正常および異常の両組織に対する傷害効果が高いためインビトロ適用例には有用である。他の染料は、特定器官または組織に関する特異性を欠くため、体の特異領域に染料を送達させるためには生物活性担体、例えばタンパク質、ペプチド、炭水化物などに結合されなければならない。近赤外線染料および染料−生体分子コンジュゲートの用途に関する幾つかの試験が既に発表されている(G.Patonayおよび M.D.Antoine、Near-Infrared Fluorogenic Labels:NewApproach to an Old Problem(「近赤外線蛍光原標識:古い問題への新規取組み方法」)、Analytical Chemistry、1991、63:321A−327Aおよびそれらの参考文献:M.Brinkley、ABrief Survey of Methods for Preparing Protein Conjugates with Dyes, Haptens,andCross-Linking Reagents(「染料、ハプテンおよび架橋試薬によるタンパク質コンジュゲートの製造方法の簡単な概観」)、Perspectivesin Bioconjugate Chemistry1993、59−70頁、C.Meares(編)、ACSパブリケーション、ワシントンDC、J.Slavik、FluorescentProbes in Cellular and Molecular Biology、1994、CRCプレス、インコーポレイテッド、米国特許第5453505号、WO98/48846、WO98/22146、WO96/17628、WO98/48838)。
【0008】
特に興味深いのは、送達ビークルとしての抗体または他の大型タンパク質担体、例えばトランスフェリンによる腫瘍細胞のターゲッティングである(A.Beckerら、“Transferrin Mediated Tumor Delivery of Contrast Mediafor Optical Imaging and Magnetic Resonance Imaging”(「光学的画像法および磁気共鳴画像法用造影剤のトランスフェリン仲介腫瘍送達」)、生物医学的光学集会、1月23−29日、1999年、サンホセ、カリフォルニア)。上記方法は、核医学適用において広範に使用されている。染料の分子体積は担体よりかなり小さいため、その主たる利点は担体の組織特異性の保持である。しかしながら、この方法は、腫瘍細胞への高分子量バイオコンジュゲートの拡散が極めて望ましくないという点で幾つかの深刻な限界を有しており、さらに固形腫瘍では正味正の圧力が加わることにより複雑になる(R.K.Jain、Barriersto Drug Delivery in Solid Tumors(「固形腫瘍における薬剤送達に対する障害」)、Scientific American 1994、271:58−65)。さらに、一般に多くの染料および特にシアニン染料は、水性媒質中で凝集体を形成することにより蛍光クエンチングを誘導する傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、溶液における染料凝集を阻止し得、デンドリマーを形成しやすくさせ、800nmを越えて吸収または放射し得、望ましい光学物理特性を有し、組織特異的ターゲッティング能力が賦与されている染料が要望される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要約)
本発明は、腫瘍検出を促進するための低分子量生体分子‐染料コンジュゲートの組成物、および前記組成物の製造方法に関するものである。本発明組成物は、染料分子の蛍光効率を保ち、溶液中では凝集せず、スターバストデンドリマーを形成し、近赤外線領域(800nmを越える)での光線を吸収または放射し得、そして組織特異的とされ得る。
【0011】
一態様において、本発明組成物は、一般式1
【化4】
[式中、W3およびX3は、同一または異なり得、−CR1R2、−O−、−NR3、−S−および−Seから成る群から選ばれ、Y3は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Bm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z3は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Dm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A1は単または二重結合であり、B1、C1およびD1は、同一または異なり得、−O−、−S−、−Se−、−P−、−CR1R2、−CR1、アルキル、NR3および−C=Oから成る群から選ばれ、A1、B1、C1およびD1は、一緒になって6−〜12−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜12−員複素環状環を形成し得、a3およびb3は独立して0〜5であり、R1〜R4およびR29〜R37は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C20アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、サッカリド、ペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して生物活性ペプチド、タンパク質、細胞、抗体、抗体フラグメント、サッカリド、グリコペプチド、ペプチド擬似物質、薬剤、薬剤ミミック、ホルモン、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜20であり、並びにbおよびdは独立して1〜100である]
で示されるシアニン染料を含む。
【0012】
第二態様において、本発明組成物は、一般式2
【化5】
[式中、W4およびX4は、同一または異なり得、−CR1R2、−O−、−NR3、−S−および−Seから成る群から選ばれ、Y4は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Bm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z4は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Dm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A2は単または二重結合であり、B2、C2およびD2は、同一または異なり得、−O−、−S−、−Se−、−P−、−CR1R2、−CR1、アルキル、NR3および−C=Oから成る群から選ばれ、A2、B2、C2およびD2は、一緒になって6−〜12−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜12−員複素環状環を形成し得、a4およびb4は独立して0〜5であり、R1〜R4およびR45〜R57は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C20アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、サッカリド、ペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して生物活性ペプチド、タンパク質、細胞、抗体、抗体フラグメント、サッカリド、グリコペプチド、ペプチド擬似物質、薬剤、薬剤ミミック、ホルモン、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜20であり、並びにbおよびdは独立して1〜100である]
で示されるシアニン染料を含む。
【0013】
第三の態様において、本発明組成物は、一般式3
【化6】
[式中、W5およびX5は、同一または異なり得、−CR1R2、−O−、−NR3、−S−および−Seから成る群から選ばれ、Y5は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Bm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z5は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Dm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A3は単または二重結合であり、B3、C3およびD3は、同一または異なり得、−O−、−S−、−Se−、−P−、−CR1R2、−CR1、アルキル、NR3および−C=Oから成る群から選ばれ、A3、B3、C3およびD1は、一緒になって6−〜12−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜12−員複素環状環を形成し得、a5は独立して0〜5であり、R1〜R4およびR58〜R66は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C20アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、サッカリド、ペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して生物活性ペプチド、タンパク質、細胞、抗体、抗体フラグメント、サッカリド、グリコペプチド、ペプチド擬似物質、薬剤、薬剤ミミック、ホルモン、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜20であり、並びにbおよびdは独立して1〜100である]
で示されるシアニン染料を含む。
【0014】
第四の態様において、本発明組成物は、一般式4
【化7】
[式中、W6およびX6は、同一または異なり得、−CR1R2、−O−、−NR3、−S−および−Seから成る群から選ばれ、Y6は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Bm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z6は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Dm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A4は単または二重結合であり、B4、C4およびD4は、同一または異なり得、−O−、−S−、−Se−、−P−、−CR1R2、−CR1、アルキル、NR3および−C=Oから成る群から選ばれ、A4、B4、C4およびD4は、一緒になって6−〜12−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜12−員複素環状環を形成し得、a6は独立して0〜5であり、R1〜R4およびR67〜R79は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C20アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、サッカリド、ペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHまたは−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して生物活性ペプチド、タンパク質、細胞、抗体、抗体フラグメント、サッカリド、グリコペプチド、ペプチド擬似物質、薬剤、薬剤ミミック、ホルモン、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜20であり、並びにbおよびdは独立して1〜100である]
で示されるシアニン染料を含む。
【0015】
下記の図面、詳細な説明および実施例を考えに入れると、本発明はさらに正しく認識されるはずである。
【0016】
(図面の簡単な説明)
この特許の書類は、少なくとも一通のカラー図面を含む。カラー図面(複数も可)を伴なうこの特許のコピーは、特許庁に請求し、必要な料金を払えば提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ビスカルボン酸シアニン染料の合成に関する反応経路を示す。
【図2】テトラカルボン酸シアニン染料の合成に関する反応経路を示す。
【図3】ポリヒドロキシカルボン酸染料の合成に関する反応経路を示す。
【図4】非凝集性シアニン染料の合成に関する反応経路を示す。
【図5】長波長吸収性染料の合成に関する反応経路を示す。
【図6】シアニン染料バイオコンジュゲートの合成に関する反応経路を示す。
【図7】様々な腫瘍をもつラットへのインドシアニングリーン(ICG)注射の2分および30分後における画像を表す。
【図8】膵臓小葉癌(CA20948)に罹ったラットにおけるICG(図8A)およびサイテート1(図8B)の取込みの比較を示す。
【図9】サイテート1注射後45分(図9A)および27時間(図9B)における膵臓小葉癌(CA20948)に罹ったラットの画像を示す。
【図10】サイテート1による注射の約24時間後における膵臓小葉癌(CA20948)に罹ったラットから摘出された個々の器官の画像である。
【図11】注射後22時間のAR42−J腫瘍担持ラットにおけるボンベシネートの画像である。
【図12】正常ラットの血液からのサイテート1のクリアランスプロフィールである。
【図13】膵臓腫瘍担持ラットの血液からのサイテート1のクリアランスプロフィールである。
【図14】正常ラットの血液からのサイテート2のクリアランスプロフィールである。
【図15】膵臓腫瘍担持ラットの血液からのサイテート2のクリアランスプロフィールである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、ビスカルボン酸シアニン染料の合成に関する反応経路を示す。
【0019】
図2は、テトラカルボン酸シアニン染料の合成に関する反応経路を示す。
【0020】
図3は、ポリヒドロキシカルボン酸染料の合成に関する反応経路を示す。
【0021】
図4は、非凝集性シアニン染料の合成に関する反応経路を示す。
【0022】
図5は、長波長吸収性染料の合成に関する反応経路を示す。
【0023】
図6は、シアニン染料バイオコンジュゲートの合成に関する反応経路を示す。
【0024】
図7A−Fは、様々な腫瘍をもつラットへのインドシアニングリーン(ICG)注射の2分および30分後における画像を表す。
【0025】
図8A−Bは、膵臓小葉癌(CA20948)に罹ったラットにおけるICG(図8A)およびサイテート1(図8B)の取込みの比較を示す。
【0026】
図9A−Bは、サイテート1注射後45分(図9A)および27時間(図9B)における膵臓小葉癌(CA20948)に罹ったラットの画像を示す。
【0027】
図10は、サイテート1による注射の約24時間後における膵臓小葉癌(CA20948)に罹ったラットから摘出された個々の器官の画像である。
【0028】
図11は、注射後22時間のAR42−J腫瘍担持ラットにおけるボンベシネートの画像である。
【0029】
図12は、正常ラットの血液からのサイテート1のクリアランスプロフィールである。
【0030】
図13は、膵臓腫瘍担持ラットの血液からのサイテート1のクリアランスプロフィールである。
【0031】
図14は、正常ラットの血液からのサイテート2のクリアランスプロフィールである。
【0032】
図15は、膵臓腫瘍担持ラットの血液からのサイテート2のクリアランスプロフィールである。
【0033】
図16は、正常ラットの血液からのサイテート4のクリアランスプロフィールである。
【0034】
(発明の詳細な説明)
式1〜4で示される染料を含む本発明の新規組成物は、現在文献に報告されているものを凌ぐ顕著な利点を呈する。これらの本発明染料は、分子内および分子間の規則正しい疎水性相互作用を阻止することにより溶液中での凝集を阻止するスターバーストデンドリマーを形成し、生物活性分子を形成し易くするため染料発色団の近位に多重結合部位を有する。堅固で伸長した発色団バックボーンの存在により、それらの蛍光量子収量が高められ、それらの最大吸収が800nm以上に伸ばされる。これらの染料への生体分子のコンジュゲーションは、容易に達成できるものである。
【0035】
本発明のバイオコンジュゲートはまた、互いに極めて近接している1〜10個の受容体ターゲッティング基を組込むことによりシアニンおよびインドシアニン染料構造の対称的性質を利用しており、その結果協同効果により受容体結合が大いに促進され得る。従って、1個またはそれ以上のターゲッティングドメインを含む幾つかのシアニン染料が製造され、生物活性についてインビボで試験されている。
【0036】
式1〜4で示される本発明の染料−バイオコンジュゲートは、様々な生物医学的適用に有用である。これらには、臓器の断層撮影法、臓器機能のモニター、冠動脈造影、蛍光内視鏡検査、検出、イメージング(画像化)および腫瘍の治療、レーザー支援誘導手術、光音響的方法および音蛍光方法があるが、これらに限定されるわけではない。
【0037】
前述の生物医学適用の幾つかを達成する実施態様を下記に示す。本発明の新規染料は、当業界で公知の方法に従い製造され、図1−5で説明されている。
【0038】
図1は、ビス−カルボン酸シアニン染料に関する合成図を示しており、図式中、A=CH2またはCH2OCH2、R=COOH、R’=COOH、NHFmoc;CO2t−Bu、SO3、R1=R2=H(式1)またはR1、R2=縮合フェニル(式2)。
【0039】
図2は、テトラカルボン酸シアニン染料に関する合成図を示しており、図式中、A=CH2またはCH2OCH2、R1=R2=H(式1)またはR1、R2=縮合フェニル(式2)。
【0040】
図3は、ポリヒドロキシカルボン酸シアニン染料に関する合成図を示している。
【0041】
図4は、非凝集性シアニン染料に関する合成図を示している。
【0042】
図5は、長波長吸収性の調整可能なシアニン染料に関する合成図を示している。
【0043】
一態様において、本発明バイオコンジュゲートは、式1[ただし、W3およびX3は、同一または異なり得、−C(CH3)2、−C((CH2)aOH)CH3、−C((CH2)aOH)2、−C((CH2)aCO2H)CH3、−C((CH2)aCO2H)2、−C((CH2)aNH2)CH3、C((CH2)aNH2)2、C((CH2)aNR3R4)2、−NR3、および−S−から成る群から選ばれ、Y3は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z3は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A1は単または二重結合であり、B1、C1およびD1は、独立して−O−、−S−、NR3、(CH2)a−CR1R2、および−CR1から成る群から選ばれ、A1、B1、C1およびD1は、一緒になって6−〜10−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜10−員複素環状環を形成し得、a3およびb3は独立して0〜3であり、R1〜R4およびR29〜R37は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C12アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C12ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、モノまたはオリゴサッカリド、2〜30個のアミノ酸単位を有するペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して2〜30個のアミノ酸単位を含む生物活性ペプチド、抗体、モノまたはオリゴサッカリド、グリコペプチド、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜10であり、並びにbおよびdは独立して1〜30である]を有する。
【0044】
第二の態様において、本発明バイオコンジュゲートは、一般式2[ただし、W4およびX4は、同一または異なり得、−C(CH3)2、−C((CH2)aOH)CH3、−C((CH2)aOH)2、−C((CH2)aCO2H)CH3、−C((CH2)aCO2H)2、−C((CH2)aNH2)CH3、C((CH2)aNH2)2、C((CH2)aNR3R4)2、−NR3、および−S−から成る群から選ばれ、Y4は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z4は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A2は単または二重結合であり、B2、C2およびD2は、独立して−O−、−S−、NR3、(CH2)a−CR1R2、および−CR1から成る群から選ばれ、A2、B2、C2およびD2は、一緒になって6−〜10−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜10−員複素環状環を形成し得、a4およびb4は独立して0〜3であり、R1〜R4およびR45〜R57は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C12アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C12ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、モノまたはオリゴサッカリド、2〜30個のアミノ酸単位を有するペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して2〜30個のアミノ酸単位を含む生物活性ペプチド、抗体、モノまたはオリゴサッカリド、グリコペプチド、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜10であり、並びにbおよびdは独立して1〜30である]を有する。
【0045】
第三の態様において、本発明バイオコンジュゲートは、一般式3[ただし、W5およびX5は、同一または異なり得、−C(CH3)2、−C((CH2)aOH)CH3、−C((CH2)aOH)2、−C((CH2)aCO2H)CH3、−C((CH2)aCO2H)2、−C((CH2)aNH2)CH3、C((CH2)aNH2)2、C((CH2)aNR3R4)2、−NR3、および−S−から成る群から選ばれ、Y5は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z5は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A3は単または二重結合であり、B3、C3およびD3は、独立して−O−、−S−、NR3、(CH2)a−CR1R2、および−CR1から成る群から選ばれ、A3、B3、C3およびD3は、一緒になって6−〜10−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜10−員複素環状環を形成し得、a5は0〜3であり、R1〜R4およびR58〜R66は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C12アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C12ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、モノまたはオリゴサッカリド、2〜30個のアミノ酸単位を有するペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して2〜30個のアミノ酸単位を含む生物活性ペプチド、抗体、モノまたはオリゴサッカリド、グリコペプチド、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜10であり、並びにbおよびdが独立して1〜30である]を有する。
【0046】
第四の態様において、本発明バイオコンジュゲートは、一般式4[ただし、W6およびX6は、同一または異なり得、−C(CH3)2、−C((CH2)aOH)CH3、−C((CH2)aOH)2、−C((CH2)aCO2H)CH3、−C((CH2)aCO2H)2、−C((CH2)aNH2)CH3、−C((CH2)aNH2)2、C((CH2)aNR3R4)2、−NR3、および−S−から成る群から選ばれ、Y6は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z6は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A4は単または二重結合であり、B4、C4およびD4は、独立して−O−、−S−、NR3、(CH2)a−CR1R2、および−CR1から成る群から選ばれ、A4、B4、C4およびD4は、一緒になって6−〜10−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜10−員複素環状環を形成し得、a6は0〜3であり、R1〜R4およびR67〜R79は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C12アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C12ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、モノまたはオリゴサッカリド、2〜30個のアミノ酸単位を有するペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して2〜30個のアミノ酸単位を含む生物活性ペプチド、抗体、モノまたはオリゴサッカリド、グリコペプチド、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜10であり、並びにbおよびdは独立して1〜30である]を有する。
【0047】
この発明はまた、固相または液中合成方法により本発明染料をペプチドまたは生体分子にコンジュゲートする方法に関するものである。図6は、固体支持体における自動ペプチド合成法を用いて、図1−5のシアニン染料を組込むバイオコンジュゲートの合成図を示すもので、式中、A=CH2またはCH2OCH2、R1=R2=H(式1)またはR1、R2=縮合フェニル(式2)、AA=アミノ酸、R=CONHペプチド、R'=R(ビスコンジュゲート)またはCOOH(モノコンジュゲート)、P=固体支持体、P'=存在または不存在はR'の定義により異なる。
【0048】
この発明はまた、蛍光クエンチングの阻止方法に関するものである。シアニン染料は一般に水性媒質中で凝集体を形成し、蛍光クエンチングを誘導することが知られている。染料中における疎水性コアの存在が蛍光クエンチングを誘発する場合、生物適合性有機溶媒、例えば1−50%ジメチルスルホキシド(DMSO)を加えると、凝集が阻止されることにより蛍光が回復し、インビボ臓器視覚化が可能となった。
【0049】
本発明染料−生体分子コンジュゲートは、腫瘍または他の異常の検出および処置を目的とした光学断層撮影法、内視鏡検査、光音響的および音蛍光的適用法に使用される。
【0050】
染料‐生体分子コンジュゲートはまた、限局性治療にも使用される。これは、ポルフィリンまたは他のレーザー光学治療剤をバイオコンジュゲートに結合させ、適当な波長の光線を照射して薬剤を活性化し、そして異常を検出および/または処置することにより行われ得る。
【0051】
本発明コンジュゲートはまた、腹腔鏡検査時の例えばソマトスタチンサブタイプ2(SST−2)陽性腫瘍の極微小転移検出用レーザー支援誘導手術、およびアテローム性硬化斑および血餅の診断を目的とした、コンジュゲートの血液クリアランスプロフィールをモニターすることによる、腫瘍および他の異常の存在検出に使用され得る。
【0052】
本発明組成物は、経腸および非経口投与用診断および治療組成物に製剤化され得る。これらの組成物は、意図された投与型に適した慣用的医薬用担体および賦形剤と一緒に有効量の染料を含む。例えば、非経口製剤は、有利には滅菌水溶液または懸濁液中に本発明薬剤を含む。非経口組成物は、直接注射されるかまたは大量の全身投与用非経口組成物と混合され得る。上記溶液はまた、医薬的に許容し得る緩衝液を含み得、所望により電解質、例えば塩化ナトリウムを含んでいてもよい。
【0053】
当業界で熟知されている通り、経腸投与用製剤は広範に変化し得る。一般に、上記製剤は液体であり、水溶液または懸濁液中に有効量の本発明薬剤を含む。上記経腸組成物は、所望により緩衝液、界面活性剤、揺変剤などを含み得る。経口投与用組成物はまた、香味料およびそれらの感覚刺激性の質を高める他の成分を含み得る。
【0054】
診断組成物は、所望の増強を達成するのに有効な量で投与される。上記用量は、使用される特定染料、画像化される臓器または組織、使用されている画像化設備などにより広範に変化し得る。本発明の診断組成物は、常法で使用される。組成物は、患者、典型的には温血動物に全身的または画像化すべき臓器または組織へ局所的に投与され得、次いで患者をイメージング法にかける。
【0055】
本発明組成物および方法は、多様な光学物理および化学特性を有する新規シアニンおよびインドシアニン染料の合成および用途にとって重要な方法を表す。この組合わせはまた、小分子ターゲッティング基を用いて光学的方法により腫瘍を画像化するための重要な方法を表す。下記実施例で本発明についてさらに詳述するが、それらは説明として示されたもので、いかなる意味でも本発明の範囲を制限する意図はないものとする。
【実施例】
【0056】
(実施例)
実施例1
ビス(エチルカルボキシメチル)インドシアニン染料の合成(図1、R1、R2=縮合フェニル、A=CH2、n=1およびR=R'=CO2H)
1,2−ジクロロベンゼン(40mL)中1,1,2−トリメチル−[1H]−ベンゾ[e]インドール(9.1g、43.58ミリモル)および3−ブロモプロピオン酸(10.0g、65.37ミリモル)から成る混合物を12時間110℃で加熱した。溶液を室温に冷却し、得られた赤色残留物を濾過し、アセトニトリル:ジエチルエーテル(1:1)混合物で洗浄した。得られた固体を真空乾燥すると、10g(64%)の明褐色粉末が得られた。この固体の一部(6.0g、16.56ミリモル)、グルタコンアルデヒドジアニルモノ塩酸塩(2.36g、8.28ミリモル)および酢酸ナトリウムトリ水和物(2.93g、21.53ミリモル)をエタノール(150mL)中で90分間還流させた。溶媒を濃縮後、40mLの2NHCl水溶液を残留物に加えた。混合物を遠心分離し、上清を傾瀉した。上清がほぼ無色になるまでこの手順を反復した。約5mLの水:アセトニトリル(3:2)混合物を固体残留物に加え、凍結乾燥すると、2gの濃緑色フレークが得られた。化合物の純度は、1H−NMRおよび液体クロマトグラフィー−質量分光学的方法(LC−MS)により確立された。
【0057】
実施例2
ビス(ペンチルカルボキシメチル)インドシアニン染料の合成(図1、R1、R2=縮合フェニル、A=CH2、n=4およびR=R'=CO2H)
1,2−ジクロロベンゼン(250mL)中1,1,2−トリメチル−[1H]−ベンゾ[e]インドール(20g、95.6ミリモル)および6−ブロモヘキサン酸(28.1g、144.1ミリモル)から成る混合物を12時間110℃で加熱した。緑色溶液を室温に冷却し、形成された褐色固体沈澱物を濾過により集めた。1,2−ジクロロベンゼンおよびジエチルエーテルで固体を洗浄後、得られた褐色粉末(24g、64%)を室温で真空乾燥した。この固体の一部(4.0g、9.8ミリモル)、グルタコンアルデヒドジアニルモノ塩酸塩(1.4g、5ミリモル)および酢酸ナトリウムトリ水和物(1.8g、12.9ミリモル)をエタノール(80mL)中で1時間還流させた。溶媒を濃縮後、20mLの2NHCl水溶液を残留物に加えた。混合物を遠心分離し、上清を傾瀉した。上清がほぼ無色になるまでこの手順を反復した。約5mLの水:アセトニトリル(3:2)混合物を固体残留物に加え、凍結乾燥すると、約2gの濃緑色フレークが得られた。化合物の純度は、1H−NMRおよびLC−MSにより確立された。
【0058】
実施例3
ビスエチルカルボキシメチルインドシアニン染料の合成(図1、R1、R2=H、A=CH2、n=1およびR=R'=CO2H)
この化合物は実施例1と同じ要領で製造されたが、ただし出発材料として1,1,2−トリメチルインドールを使用した。
【0059】
実施例4
ビス(エチルカルボキシメチル)インドシアニン染料の合成(図1、R1、R2=縮合フェニル、A=CH2、n=1およびR=R'=CO2H)
この化合物は実施例1と同じ要領で製造されたが、ただし、ブロモプロピオン酸の代わりにω−ブロモヘキサオキシエチレングリコールプロピオリル酸を使用し、反応は1,2−ジメトキシプロパン中で行なわれた。
【0060】
実施例5
ビスエチルカルボキシメチルインドシアニン染料の合成(図2、R1、R2=縮合フェニル、A=CH2、およびn=0)
50mlのジメチルホルムアミドおよびベンジルブロモアセテート(16.0g、70ミリモル)の溶液を、100mlの三頚フラスコ中で攪拌した。固体重炭酸カリウム(7.8g、78ミリモル)を加えた。フラスコをアルゴンによりパージングし、氷浴で0℃に冷却した。攪拌混合物にエタノールアミン(1.9g、31ミリモル)および4mlのジメチルホルムアミドの溶液を5分間かけて滴下した。滴下完了後、混合物を0℃で1時間攪拌した。氷浴を除去し、混合物を室温で一夜攪拌した。反応混合物を100mlのメチレンクロリドおよび100mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液間に分配した。層を分離し、メチレンクロリド層を100mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液で再洗浄した。水層を合わせ、25mlのメチレンクロリドで2回抽出した。メチレンクロリド層を合わせ、100mlの食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。メチレンクロリドを約35℃で吸引装置により減圧除去し、そして残存しているジメチルホルムアミドを約45℃で真空除去した。粗物質を真空ラインで一夜室温で放置した。
【0061】
次いで、粗物質を100mlのメチレンクロリドに室温で溶かした。トリフェニルホスフィン(8.91g、34ミリモル)を加え、攪拌しながら溶かした。アルゴンでのパージングを開始し、混合物を氷浴で0℃に冷却した。N−ブロモスクシンイミド(6.05g、34ミリモル)を2分間にわたって分割して加えた。混合物を0℃で1.5時間攪拌した。メチレンクロリドを真空除去すると、紫色油状物が得られた。この油状物を一定して手動攪拌しながら200mlのエーテルで磨砕した。この期間中、油状物は非常に粘稠性になった。エーテル溶液を傾瀉し、油状物を100mlのエーテルで磨砕した。エーテル溶液を傾瀉し、油状物を再び100ml分量のエーテルで磨砕した。エーテルを傾瀉し、エーテル溶液を合わせ、約2時間放置することにより、トリフェニルホスフィンオキシドを結晶化させた。エーテル溶液を結晶から傾瀉し、固体を100mlのエーテルで洗浄した。体積が約25mlとなるまで合わせたエーテル抽出物の体積を真空により低減化した。これを0℃で一夜放置した。エーテル(10ml)を冷混合物に加え、混合して固体を懸濁させた。混合物を45gのシリカゲルのカラムで濾過し、エーテルで溶離し、そして75mlフラクションを集めた。薄層クロマトグラフィーにより測定された、生成物を含むフラクションをプールし、エーテルを真空除去した。この結果、粗生成物10.1gが得られた。この物質を、9:1ヘキサン:エーテルに変えながら、ヘキサンによるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにかけた。生成物含有フラクションをプールし、溶媒を真空除去した。この結果、7.4g(57%収率)の純粋生成物が得られた。
【0062】
10%パラジウム炭素(1g)および150mlのメタノール中ベンジルエステル(10g)の溶液から成る混合物を2時間25psiで水素化分解した。混合物をセライトで濾過し、残留物をメタノールで洗浄した。溶媒を濃縮すると、定量的収率で粘稠性油状物が得られた。
【0063】
ブロミドと1,1,2−トリメチル−[1H]−ベンゾ[e]インドールとの反応を実施例1と同じ要領で実施した。
【0064】
実施例6
ビス(エチルカルボキシメチルジヒドロキシル)インドシアニン染料(図3)
ヒドロキシ−インドール化合物は、公知方法(P.L.Southwickら、「蛍光性バイオラベル用中間体としての(2,3,3−トリメチル−3−H−インドール−5−イル)酢酸誘導体の一ポットフィッシャー合成」(Onepot Fischer synthsis of (2,3,3-trimethyl-3-H-Iindol-5-yl)-acetic acidderivatives as intermediates for fluorescent biolabels)、Org.Prep.Proced.Int.Briefs、1988、20(3)、279−284)により容易に製造される。室温で30分間および還流温度で1分間酢酸(50mL)中p−カルボキシメチルフェニルヒドラジン塩酸塩(30ミリモル、1当量)および1,1−ビス(ヒドロキシメチル)プロパノン(45ミリモル、1.5当量)の反応により、固体残留物として(3,3−ジヒドロキシメチル−2−メチル−3−H−インドール−5−イル)酢酸が得られる。実施例5記載の要領で製造された3−ブロモプロピル−N,N−ビス(カルボキシメチル)アミンと中間体インドールとの反応および後続のインドール中間体とグルタコンアルデヒドジアニルモノ塩酸塩(実施例1参照)との反応により、目的生成物が得られる。
【0065】
実施例7
ビス(プロピルカルボキシメチル)インドシアニン染料の合成(図4)
文献に記載(G.A.ReynoldsおよびK.H.Drexhage、「赤外線で吸収する安定したヘプタメチンピリリウム染料」(Stable heptamethine pyrylium dyes thatabsorb in the infrared)、J.Org.Chem.1977、42(5)、885−888)の要領で中間体2−クロロ−1−ホルミル−3−ヒドロキシメチレンシクロヘキサンを製造した。等量(各々40mL)のジメチルホルムアミド(DMF)およびジクロロメタンを混合し、溶液をアセトン−ドライアイス浴中で−10℃に冷却した。アルゴン雰囲気下、ジクロロメタン中オキシ塩化リン(40mL)を冷DMF溶液に滴下した後、10gのシクロヘキサノンを加えた。生成した溶液を室温に温まるまで放置し、6時間還流させた。室温に冷却後、混合物を氷冷水中に注ぎ、12時間4℃で貯蔵した。濾過後、黄色粉末約8gが得られた。インドール中間体と環状ジアルデヒドの縮合は、実施例1記載の要領で実施される。さらにビスイソプロピリデンアセタール保護モノサッカリドによる染料の官能化は、文献に記載された方法により達成された(J.H.Flanaganら、時間経過順識別法を用いたDNA配列決定適用における塩基‐招集(コーリング)用近赤外線重原子修飾蛍光染料(Nearinfrared heavy-atom-modified fluorescent dyes for base-calling inDNA-sequencing application using temporaldiscrimination)、Anal.Chem.、1998、70(13)、2676−2684)。
【0066】
実施例8
ビス(エチルカルボキシメチル)インドシアニン染料の合成(図5)
これらの染料は、実施例7記載の要領で製造される。これらの染料は赤外線領域で吸収する。図5に示された典型的な実例は、1036nmでの予測吸収最大値を有する。
【0067】
実施例9
ペプチドの合成
下記方法は、オクトレオテートの合成を目的とする。オクトレオテートのアミノ酸配列は、D−Phe−Cys'−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys'−Thr(配列番号1)(ただし、Cys'は2個のシステインアミノ酸間における分子内ジスルフィド結合の存在を示す)である。この発明の他のペプチドは、場合によっては軽微な修飾を伴ない得る類似方法により製造された。
【0068】
オクタペプチドは、アプライド・バイオシステムズ(432AモデルのSYNERGYペプチド・シンセサイザー)から市販されているペプチド合成装置を用いた自動フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)固相ペプチド合成法により製造された。最初のペプチドカートリッジは、25マイクロモル割合でFmoc−Thrによる前荷重ワン樹脂を含んでいた。後続のカートリッジは、次のアミノ酸:Cys(Acm)、Thr(t−Bu)、Lys(Boc)、Trp(Boc)およびTyr(t−Bu)に関する側鎖保護基を伴うFmoc保護アミノ酸を含んでいた。アミノ酸カートリッジをペプチド合成装置に置き、C−末端からN−末端位置へ生成物を合成させた。カップリング反応は、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)/N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の存在下において75マイクロモルの保護アミノ酸により実施された。ジメチルホルムアミド中20%ピペリジンによりFmoc保護基を除去した。合成完了後、チオール基をトリフルオロ酢酸タリウムにより閉環し、6時間トリフルオロ酢酸(85%):水(5%):フェノール(5%):チオアニソール(5%)を含む開裂混合物により固体支持体から生成物を開裂した。ペプチドをt−ブチルメチルエーテルにより沈澱させ、水:アセトニトリル(2:3)混合物により凍結乾燥した。ペプチドをHPLCにより精製し、LC/MSにより分析した。
【0069】
オクトレオチド、D−Phe−Cys'−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys'−Thr−OH(配列番号2)(ただし、Cys'は2個のシステインアミノ酸間における分子内ジスルフィド結合の存在を示す)は、同じ手順により製造された。
【0070】
ボンベシン類似体は同じ手順により製造されたが、トリフルオロ酢酸タリウムによる閉環は必要とされなかった。側鎖脱保護および樹脂からの開裂は、各々50μLのエタンジチオール、チオアニソールおよび水、および850μLのトリフルオロ酢酸により実施された。2種の類似体が製造された:Gly−Ser−Gly−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−Met−NH2(配列番号3)およびGly−Asp−Gly−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−Met−NH2(配列番号4)。
【0071】
コレシストキニンオクタペプチド類似体は、閉環段階を伴わずにオクトレオテートの場合と同じ要領で製造された。3種の類似体が製造された:Asp−Tyr−Met−Gly−Trp−Met−Asp−Phe−NH2(配列番号5)、Asp−Tyr−Nle−Gly−Trp−Nle−Asp−Phe−NH2(配列番号6)、およびD−Asp−Tyr−Nle−Gly−Trp−Nle−Asp−Phe−NH2(配列番号7)(ただし、Nleはノルロイシンである)。
【0072】
ニューロテンシン類似体、D−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Ile−Leu(配列番号8)は、閉環段階を伴わずにオクトレオテートと同様にして製造された。
【0073】
実施例10
ペプチド−染料コンジュゲートの合成(図6)
下記方法は、オクトレオテート−シアニン染料コンジュゲートの合成に関するものであるが、他のペプチド−染料コンジュゲートの合成にも類似方法が使用される。
【0074】
オクトレオテートは実施例9記載の要領で製造されたが、ペプチドは固体支持体から開裂されず、PheのN−末端Fmoc基は保持されていた。チオール基はトリフルオロ酢酸タリウムにより閉環され、Pheを脱保護することにより遊離アミンが脱離された。ビスエチルカルボキシメチルインドシアニン染料(53mg、75マイクロモル)が、DMSO(375μL)中HBTU/HOBtの0.2モル溶液、およびDMSO(375μL)中ジイソプロピルエチルアミンの0.2モル溶液から成る活性化試薬に加えられた。約30分で活性化は完了し、樹脂結合ペプチド(25マイクロモル)を染料に加えた。室温で3時間カップリング反応を実施した。混合物を濾過し、固体残留物をDMF、アセトニトリルおよびTHFで洗浄した。緑色残留物を乾燥後、ペプチドが樹脂から開裂され、85%トリフルオロ酢酸、2.5%水、2.5%チオアニソールおよび2.5%フェノールの混合物により側鎖保護基が除去された。樹脂を濾過し、冷t−ブチルメチルエーテル(MTBE)を用いて染料−ペプチドコンジュゲートを沈澱させ、これをアセトニトリル:水(2:3)混合物に溶かし、凍結乾燥した。生成物をHPLCにより精製すると、モノオクトレオテート−ビスエチルカルボキシメチルインドシアニン染料(サイテート1、80%)およびビスオクトレオテート−ビスエチルカルボキシメチルインドシアニン染料(サイテート2、20%)が得られた。モノオクトレオテートコンジュゲートは、反応時間を2時間に減らすことによりビスコンジュゲートに対しほぼ独占的(>95%)に得られる。しかしながら、これはまた、不完全反応を誘発するため、非染料コンジュゲートペプチドによる受容体の飽和を回避するためには染料コンジュゲートから遊離オクトレオテートを注意深く分離しなければならない。
【0075】
オクトレオテート−ビスペンチルカルボキシメチルインドシアニン染料は、若干の修正を加えながらも上記と同じ要領で製造された。ビスペンチルカルボキシメチルインドシアニン染料(60mg、75マイクロモル)が、DMSO(400μL)中HBTU/HOBtの0.2モル溶液、およびDMSO(400μL)中ジイソプロピルエチルアミンの0.2モル溶液から成る活性化試薬に加えられた。約30分で活性化は完了し、樹脂結合ペプチド(25マイクロモル)を染料に加えた。室温で3時間反応を実施した。混合物を濾過し、固体残留物をDMF、アセトニトリルおよびTHFで洗浄した。緑色残留物を乾燥後、ペプチドが樹脂から開裂され、85%トリフルオロ酢酸、2.5%水、2.5%チオアニソールおよび2.5%フェノールの混合物により側鎖保護基が除去された。樹脂を濾過し、冷t−ブチルメチルエーテル(MTBE)を用いて染料−ペプチドコンジュゲートを沈澱させ、これをアセトニトリル:水(2:3)混合物に溶かし、凍結乾燥した。生成物をHPLCにより精製すると、オクトレオテート−1,1,2−トリメチル−[1H]−ベンゾ[e]インドールプロピオン酸コンジュゲート(10%)、モノオクトレオテート−ビスペンチルカルボキシメチルインドシアニン染料(サイテート3、60%)およびビスオクトレオテート−ビスペンチルカルボキシメチルインドシアニン染料(サイテート4、30%)が得られた。
【0076】
実施例11
ジメチルスルホキシド(DMSO)中におけるペプチド−染料コンジュゲートの製剤
染料−ペプチドコンジュゲートは、水中では可溶性に乏しく、可溶化剤または共溶媒の添加を必要とする。1−20%水性エタノールをコンジュゲートに加えると、インビトロ蛍光強度が部分的にクエンチングされ、インビボでは完全に蛍光はクエンチングされた(コンジュゲートは電荷結合素子(CCD)カメラにより検出されなかった)。1−50%のDMSOを加えることにより、インビトロおよびインビボでのコンジュゲートの蛍光強度は再確立または増強された。染料の蛍光は1週間にわたって強いままであった。DMSO製剤は、この発明用に使用された実験動物にとって認容性良好であった。
【0077】
実施例12
インドシアニングリーン(ICG)による膵管腺癌(DSL6A)のイメージング
非侵襲性インビボ蛍光イメージング装置を用いて、動物モデルにおいて腫瘍検出用に開発された造影剤の効率を評価した。名目波長780nmおよび名目電力40mWのレーザーマックス・インコーポレイテッドのレーザーダイオードを使用した。検出装置は、ローデンストック10mmF2レンズ(ストック#542.032.002.20)を装着したプリンストン・インスツルメントRTE/CCD−1317−K/2型CCDカメラであった。造影剤から放射された蛍光のみが画像化されるように、830nm干渉レンズ(CVIレーザー・コーポレーション、部品#F10−830−4−2)をCCDインプットレンズの正面に固定した。典型的な例では、動物の画像を造影剤の注射前に撮った。それに続いてこの画像を注射後画像から差し引いた(ピクセル単位で)。しかしながら、一旦動物が試料領域から除かれ、注射の数時間後に撮られる画像用に後の時点で戻されると、バックグラウンドサブトラクションは決して為されなかった。
【0078】
固体(ドナー)移植片からの材料を導入することによりDSL6A腫瘍を雄ルイスラットの左脇腹領域に誘導すると、腫瘍は約14日で触診可能となった。筋肉内注射により0.8mL/kgでキシラジン:ケタミン:アセプロマジン、1.5:1.5:0.5により動物に麻酔をかけた。腫瘍領域(左脇腹)の毛を剃って、腫瘍および周囲表面領域を露出させた。コックの栓およびヘパリン化食塩水を含む注射器2本を備えた21ゲージ蝶形物をラットの後方尾部静脈へ設置した。蝶形装置によるICG投与前に静脈の開通性をチェックした。各動物に水中ICGの0.42mg/mL溶液500μLを与えた。
【0079】
図7A−Bは、ICG(5.4μm)の0.5mL水溶液のボーラス注射後2分(図7A)および30分(図7B)時点での腫瘍画像である。テトラカルボン酸シアニン染料は、図2(ただし、A=CH2またはCH2OCH2、R1=R2=H(式1)またはR1、R2=縮合フェニル(式2))に示された要領で合成された。
【0080】
図面は、指示された時点で測定された蛍光強度の偽色彩画像であり、画像は腫瘍および周囲小領域に制約されている。示されている通り、腫瘍における染料強度はICG注射後30分で顕著に減少した。
【0081】
実施例13
インドシアニングリーン(ICG)による前立腺癌(R3327−H)のイメージング
使用されたイメージング装置および方法は実施例12の場合と同様である。前立腺腫瘍(ダニングR3327−H)を、固体移植片から雄の若年コペンハーゲンラットの左脇腹領域に誘導した。これらの腫瘍は非常にゆっくりと増大し、触診できる塊は移植の4−5ヶ月後に存在した。図7C−Dは、注射の2分後(図7C)および30分後(図7D)に画像化された前立腺癌腫(R3327−H)誘導ラットの画像である。
【0082】
図面は、指示された時点で測定された蛍光強度の偽色彩画像であり、画像は腫瘍および周囲小領域に制約されている。示されている通り、腫瘍における染料強度はICG注射後30分で顕著に減少した。
【0083】
実施例14
インドシアニングリーン(ICG)によるラット膵臓小葉癌(CA20948)のイメージング
使用されるイメージング装置および方法は実施例12の場合と同様である。固体移植片技術により左脇腹領域にSST−2受容体を発現するラット膵臓小葉癌(CA20948)を誘導したところ、触診可能な塊は移植の9日後に検出された。注射の2および3分後に得られた画像は図7E−Fに示されている。図7E−Fは、注射の2分後(図7E)および30分後(図7F)に画像化されたSST−2受容体を発現する膵臓小葉癌(CA20948)が誘導されたラットの画像である。
【0084】
図面は、指示された時点で測定された蛍光強度の偽色彩画像であり、画像は腫瘍および周囲小領域に制約された。示されている通り、腫瘍における染料強度はICG注射後30分で顕著に減少し、ほとんど存在していなかった。
【0085】
実施例15
サイテート1によるラット膵臓小葉癌(CA20948)のイメージング
使用されたイメージング装置および方法は実施例12の場合と同様であるが、ただし各動物には水中25%ジメチルスルホキシドのサイテート1溶液の1.0mg/mL溶液500μlを与えた。
【0086】
固体移植技術により左脇腹領域にSST−2受容体を発現するラット膵臓小葉癌(CA20948)を誘導したところ、触診できる塊は移植の24日後に検出された。画像は注射後の様々な時点で得られた。腫瘍への取込みは2分で見られたが、最大となったのは約5分後であった。
【0087】
図8A−Bは、CA20948セルライン誘導ラットにおける45分時点でのICGおよびサイテート1の取込み比較を示す。45分までにICGはほぼ一掃されたが(図8A)、サイテート1はまだ強い状態である(図8B)。この染料蛍光は注射後数時間の間腫瘍において強い状態のままであった。
【0088】
実施例16
インドシアニングリーンによるイメージングと比較したサイテート1によるラット膵臓小葉癌(CA20948)のイメージング
インドシアニングリーン(ICG)を用い、CCDカメラ装置を用いて3種の異なるセルラインを光学的に画像化した。セルラインのうちの2種、DSL6/A(膵臓)およびダニングR3327H(前立腺)は、時間経過に伴い腫瘍への緩慢な薬剤の灌流を示し、各々について妥当な画像が得られた。第三のライン、CA20948(膵臓)は、注射の僅か30分後には存在しない軽微ではあるが一時的な灌流を示した。これは、他の2腫瘍ラインと比べてこのラインにはICGの非特異的局在性の無いことを示していたことから、この型の腫瘍に関する異なる血管構造が示唆された(図7A−F参照)。最初の2腫瘍ライン(DSL6/AおよびR3327H)は、同じくソマトスタチン(SST−2)受容体に富むCA20948ほど高度に血管化されてはいない。従って、この腫瘍モデルにおける染料の検出および保持は、受容体依存的特異性の優れた指標である。
【0089】
オクトレオテートは、ソマトスタチン(SST−2)受容体をターゲッティングすることが知られているため、シアノ−オクトレオテート(サイテート1およびサイテート2)が製造された。サイテート1は、CA20948ルイスラットモデルで評価された。CCDカメラ装置を用いると、この染料の局在性は注射の45分後に腫瘍で(矢印により示されている)観察された(図9A)。注射後27時間の時点で、動物を再び画像化した(図9B)。腫瘍視覚化は容易に観察された(矢印により示されている)ことから、CA20948腫瘍ラインに存在するSST−2受容体に関するこの薬剤の特異性を示していた。
【0090】
個々の臓器をサイテート1投与の約24時間後に除去し、画像化した。図10に示されている通り、サイテート1の高い取込みが膵臓、腎傍および腫瘍組織において観察され、心臓、筋肉、脾臓および肝臓はそれよりかなり低い取込みを示した。これらのデータは、同じモデル系における放射性標識オクトレオテートと完全な相関関係を示す(M. de Jongら、Cancer Res.1998、58、437−441)。
【0091】
実施例17
ボンベシネートによるラット膵臓小葉癌(AR42−J)のイメージング
AR42−Jセルラインは、外分泌ラット膵臓小葉癌から誘導される。それは、連続培養で培養されるかまたは無胸腺ヌードマウス、SCIDマウスまたはルイスラットにおいてインビボで維持され得る。このセルラインは、コレシストキニン(CCK)、表皮成長因子(EGF)、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)、ソマトスタチン(SST−2)およびボンベシンを含む多様なホルモン受容体を発現することが知られているため、インビトロ受容体検定法にとって特に魅力的である。
【0092】
このモデルでは、CA20948ラットモデルに関して記載した方法と同様にして固体腫瘍材料を用いて雄のルイスラットに移植した。触診可能な塊は移植の7日後に存在しており、移植の10−12日後にイメージング試験を動物で行ったところ、塊は約2−2.5gに達していた。
【0093】
図11は、ボンベシネートの注射後22時間時点における、実施例16に記載された、AR42−J腫瘍担持ラットにおけるボンベシネートの画像である。図11に示されている通り、腫瘍におけるバイオコンジュゲートの特異的局在性(矢印により示されている)が観察された。
【0094】
実施例18
ペプチド染料コンジュゲートの血液クリアランスプロフィールのモニター
染料発色団の励起に適当な波長のレーザーを、光ファイバー束の一端に向け、他端をラットの耳から数ミリメートルのところに配置した。第2の光ファイバー束もまた、同じ耳付近に配置することにより、放射された蛍光を検出し、他端をデータ収集用オプティックス(光学機器)およびエレクトロニクス(電子機器)へ指向させた。収集オプティックストレインにおける干渉フィルター(IF)を用いて、染料発色団にとって適当な波長の放射された蛍光を選択した。
【0095】
スプラーグ‐ドーリーまたはフィッシャー344ラットをこれらの試験で使用した。体重1kg当たり1.35gの用量で腹腔内注射によるウレタン投与により動物に麻酔をかけた。動物が所望の麻酔段階に達した後、12"管を備えた21ゲージ蝶形物を各動物の側面尾部静脈に設置し、ヘパリン化食塩水で洗い流した。動物を加熱パッドに置き、全試験中常に暖かく保った。左耳たぶをガラス製顕微鏡スライドに貼付することにより動きおよび振動を低減化した。
【0096】
光ファイバーから送達された入射レーザー光線を貼付された耳に集中させた。次いで、データ収集を開始し、そして試験薬剤投与前に蛍光のバックグラウンド読取り値を得た。サイテート1または2の場合、ペプチド−染料コンジュゲートを、側面尾部静脈におけるボーラス注射により、典型的には0.5〜2.0mLを動物に投与した。この手順を正常および腫瘍担持ラットにおいて幾つかのペプチドコンジュゲートにより反復した。正常および腫瘍担持動物におけるペプチド染料コンジュゲートの血液クリアランスをモニターする方法としての代表的プロフィールは図12〜16に示されている。一区画モデル用の標準シグマプロットソフトウェアプログラムを用いてデータを分析した。
【0097】
サイテート1または2で処理したラットでは、蛍光シグナルは、ピーク値まで急速に増加した。次いで、シグナルは、血流から一掃されたコンジュゲートとしての時間の関数として減少した。図12は、780nmで励起後に830nmでモニターされた正常ラット血液からのサイテート1のクリアランスプロフィールを示す。図13は、同じく780nmで励起後に830nmでモニターされた膵臓腫瘍(CA20948)担持ラット血液からのサイテート1のクリアランスプロフィールを示す。
【0098】
図14は、正常ラット血液からのサイテート2のクリアランスプロフィールを示し、図15は、780nmで励起後に830nmでモニターされた膵臓腫瘍(CA20948)担持ラット血液からのサイテート2のクリアランスプロフィールを示す。
【0099】
図16は、780nmで励起後に830nmでモニターされた正常ラット血液からのサイテート4のクリアランスプロフィールを示す。
【0100】
本明細書に示され、記載されている本発明の具体例は、当技術分野に習熟した本発明者らの実施態様に過ぎず、何らかの意味で限定しているわけではないものと理解すべきである。従って、本発明の精神および請求の範囲から逸脱することなく、それらの実施態様に対し様々な変化、修飾または改変を加えるかまたはそれらの手段に訴えることもあり得る。引用された参考文献は、出典明示により本明細書の一部とする。
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1) 式
【化1】
[式中、W3およびX3は、独立して−CR1R2、−O−、−NR3、−S−および−Seから成る群から選ばれ、Y3は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Bm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z3は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Dm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A1は単または二重結合であり、B1、C1およびD1は、独立して−O−、−S−、−Se−、−P−、−CR1R2、−CR1、アルキル、NR3および−C=Oから成る群から選ばれ、A1、B1、C1およびD1は、一緒になって6−〜12−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜12−員複素環状環を形成し得、a3およびb3は独立して0〜5であり、R1〜R4およびR29〜R37は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C20アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、サッカリド、ペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して生物活性ペプチド、タンパク質、細胞、抗体、抗体フラグメント、サッカリド、グリコペプチド、ペプチド擬似物質、薬剤、薬剤ミミック、ホルモン、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜20であり、並びにbおよびdは独立して1〜100の範囲で変化する]
で示される化合物。
(項目2) W3およびX3が、独立して−C(CH3)2、−C((CH2)aOH)CH3、−C((CH2)aOH)2、−C((CH2)aCO2H)CH3、−C((CH2)aCO2H)2、−C((CH2)aNH2)CH3、C((CH2)aNH2)2、C((CH2)aNR3R4)2、−NR3、および−S−から成る群から選ばれ、Y3が、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z3が、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A1が単または二重結合であり、B1、C1およびD1が、独立して−O−、−S−、NR3、(CH2)a−CR1R2、および−CR1から成る群から選ばれ、A1、B1、C1およびD1が、一緒になって6−〜10−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜10−員複素環状環を形成し得、a3およびb3が独立して0〜3であり、R1〜R4およびR29〜R37が、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C12アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C12ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、モノまたはオリゴサッカリド、2〜30個のアミノ酸単位を有するペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmが、独立して2〜30個のアミノ酸単位を含む生物活性ペプチド、抗体、モノまたはオリゴサッカリド、グリコペプチド、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcが、独立して1〜10であり、並びにbおよびdが独立して1〜30である、項目1記載の化合物。
(項目3) W3およびX3が各々C((CH2)OH)2であり、Y3が−(CH2)2−CONH−Bmであり、Z3が−(CH2)2−CONH−Dmであり、A1が単結合であり、A1、B1、C1およびD1が一緒になって6員炭素環状環を形成し、a3およびb3が各々1であり、R29がガラクトースであり、R30〜R37が各々水素であり、Bmがオクトレオテートであり、Dmがボンベシンである、項目2記載の化合物。
(項目4) 診断または治療処置の遂行方法であって、式
【化2】
[式中、W3およびX3は、独立して−CR1R2、−O−、−NR3、−S−および−Seから成る群から選ばれ、Y3は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Bm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z3は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Dm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A1は単または二重結合であり、B1、C1およびD1は、独立して−O−、−S−、−Se−、−P−、−CR1R2、−CR1、アルキル、NR3および−C=Oから成る群から選ばれ、A1、B1、C1およびD1は、一緒になって6−〜12−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜12−員複素環状環を形成し得、a3およびb3は独立して0〜5であり、R1〜R4およびR29〜R37は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C20アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、サッカリド、ペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して生物活性ペプチド、タンパク質、細胞、抗体、抗体フラグメント、サッカリド、グリコペプチド、ペプチド擬似物質、薬剤、薬剤ミミック、ホルモン、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜20であり、並びにbおよびdは独立して1〜100である]で示される化合物の治療有効量、および組成物を形成するための医薬的に許容し得る担体または賦形剤を個体に投与し、光線を用いて化合物を活性化させ、そして診断または治療処置を遂行することを含む方法。
(項目5) W3およびX3が、独立して−C(CH3)2、−C((CH2)aOH)CH3、−C((CH2)aOH)2、−C((CH2)aCO2H)CH3、−C((CH2)aCO2H)2、−C((CH2)aNH2)CH3、C((CH2)aNH2)2、C((CH2)aNR3R4)2、−NR3、および−S−から成る群から選ばれ、Y3が、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z3が、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A1が単または二重結合であり、B1、C1およびD1が、独立して−O−、−S−、NR3、(CH2)a−CR1R2、および−CR1から成る群から選ばれ、A1、B1、C1およびD1が、一緒になって6−〜10−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜10−員複素環状環を形成し得、a3およびb3が独立して0〜3であり、R1〜R4およびR29〜R37が、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C12アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C12ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、モノまたはオリゴサッカリド、2〜30個のアミノ酸単位を有するペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmが、独立して2〜30個のアミノ酸単位を含む生物活性ペプチド、抗体、モノまたはオリゴサッカリド、グリコペプチド、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcが、独立して1〜10であり、並びにbおよびdが独立して1〜30である化合物の治療有効量を個体に投与することを含む、項目4記載の方法。
(項目6) W3およびX3が各々C((CH2)OH)2であり、Y3が−(CH2)2−CONH−Bmであり、Z3が−(CH2)2−CONH−Dmであり、A1が単結合であり、A1、B1、C1およびD1が一緒になって6員炭素環状環を形成し、a3およびb3が各々1であり、R29がガラクトースであり、R30〜R37が各々水素であり、Bmがオクトレオテートであり、Dmがボンベシン(7−14)である化合物の治療有効量を個体に投与することを含む、項目5記載の方法。
(項目7) 上記処置に350−1300nm領域の波長の光線が使用される、項目4記載の方法。
(項目8) 診断的処置が光学断層撮影法である、項目4記載の方法。
(項目9) 診断的処置が蛍光内視鏡検査法である、項目4記載の方法。
(項目10) さらに蛍光、吸光度および光散乱から成る群から選択され、その場合350−1300nm領域の波長の光線が使用される方法により上記化合物の血液クリアランスプロフィールをモニターすることを含む、項目4記載の方法。
(項目11) 上記処置がさらに造影および治療を含み、上記造影および治療が、吸収、光散乱、光音響および音蛍光技術から成る群から選択される、項目4記載の方法。
(項目12) 上記処置により、アテローム硬化斑および血餅が診断され得る、項目4記載の方法。
(項目13) 上記処置が限局性治療の実施を含む、項目4記載の方法。
(項目14) 上記治療処置がレーザー光学治療を含む、項目4記載の方法。
(項目15) 治療的処置が、微小転移巣を検出するためのレーザー支援誘導手術を含む、項目4記載の方法。
(項目16) さらにインビボまたはインビトロ蛍光クエンチングを阻止するために組成物に対し1〜50パーセント濃度で生物適合性有機溶媒を加えることを含む、項目4記載の方法。
(項目17) 1〜50パーセントのジメチルスルホキシドを含む媒質に上記化合物を溶かす、項目16記載の方法。
(項目18) 式
【化3】
[式中、W3およびX3は、独立して−CR1R2、−O−、−NR3、−S−および−Seから成る群から選ばれ、Y3は、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Bm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z3は、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−(CH2)b−CONH−Dm、(CH2)a−N(R3)−(CH2)c−NHCO−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−N(R3)−CH2−(CH2OCH2)d−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A1は単または二重結合であり、B1、C1およびD1は、独立して−O−、−S−、−Se−、−P−、−CR1R2、−CR1、アルキル、NR3および−C=Oから成る群から選ばれ、A1、B1、C1およびD1は、一緒になって6−〜12−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜12−員複素環状環を形成し得、a3およびb3は独立して0〜5であり、R1〜R4およびR29〜R37は、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C20アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、サッカリド、ペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmは、独立して生物活性ペプチド、タンパク質、細胞、抗体、抗体フラグメント、サッカリド、グリコペプチド、ペプチド擬似物質、薬剤、薬剤ミミック、ホルモン、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcは、独立して1〜20であり、並びにbおよびdは独立して1〜100の範囲で変化する]で示されるシアニン染料バイオコンジュゲートおよび医薬的に許容し得る担体または賦形剤を含む組成物。
(項目19) W3およびX3が、独立して−C(CH3)2、−C((CH2)aOH)CH3、−C((CH2)aOH)2、−C((CH2)aCO2H)CH3、−C((CH2)aCO2H)2、−C((CH2)aNH2)CH3、C((CH2)aNH2)2、C((CH2)aNR3R4)2、−NR3、および−S−から成る群から選ばれ、Y3が、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、Z3が、−(CH2)a−CONH−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Dm、−(CH2)a−NHCO−Dm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Dm、−(CH2)a−NR3R4および−CH2(CH2OCH2)b−CH2NR3R4から成る群から選ばれ、A1が単または二重結合であり、B1、C1およびD1が、独立して−O−、−S−、NR3、(CH2)a−CR1R2、および−CR1から成る群から選ばれ、A1、B1、C1およびD1が、一緒になって6−〜10−員炭素環状環または所望により1個またはそれ以上の酸素、窒素または硫黄原子を含んでいてもよい6−〜10−員複素環状環を形成し得、a3およびb3が独立して0〜3であり、R1〜R4およびR29〜R37が、独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C12アリール、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C12ポリヒドロキシアリール、C1−C10アミノアルキル、モノまたはオリゴサッカリド、2〜30個のアミノ酸単位を有するペプチド、−CH2(CH2OCH2)b−CH2−OH、−(CH2)a−CO2H、−(CH2)a−CONH−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−CONH−Bm、−(CH2)a−NHCO−Bm、−CH2−(CH2OCH2)b−CH2−NHCO−Bm、−(CH2)a−OHおよび−CH2−(CH2OCH2)b−CO2Hから成る群から選ばれ、BmおよびDmが、独立して2〜30個のアミノ酸単位を含む生物活性ペプチド、抗体、モノまたはオリゴサッカリド、グリコペプチド、金属キレート剤、放射性または非放射性金属錯体、およびエコー源性剤から成る群から選択され、aおよびcが、独立して1〜10であり、並びにbおよびdが独立して1〜30である、項目18記載の組成物。
(項目20) W3およびX3が各々C((CH2)OH)2であり、Y3が−(CH2)2−CONH−Bmであり、Z3が−(CH2)2−CONH−Dmであり、A1が単結合であり、A1、B1、C1およびD1が一緒になって6員炭素環状環を形成し、a3およびb3が各々1であり、R29がガラクトースであり、R30〜R37が各々水素であり、Bmがオクトレオテートであり、Dmがボンベシン(7−14)である、項目19記載の組成物。
(配列表)
【数1】
【数2】
【数3】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載される発明。
【請求項1】
本明細書中に記載される発明。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図9】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図9】
【図11】
【公開番号】特開2011−116773(P2011−116773A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−47019(P2011−47019)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【分割の表示】特願2001−552799(P2001−552799)の分割
【原出願日】平成13年1月17日(2001.1.17)
【出願人】(595181003)マリンクロッド・インコーポレイテッド (203)
【氏名又は名称原語表記】Mallinckrodt INC.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47019(P2011−47019)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【分割の表示】特願2001−552799(P2001−552799)の分割
【原出願日】平成13年1月17日(2001.1.17)
【出願人】(595181003)マリンクロッド・インコーポレイテッド (203)
【氏名又は名称原語表記】Mallinckrodt INC.
【Fターム(参考)】
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