観測用クレーン
【課題】観測用クレーンにおいて、フレームの起倒に応じた観測機器の吊り索の自由長の変動を抑制することで作業性の向上を図る。
【解決手段】第１門型フレーム２１の基端部を観測船１１の観測室１３に第１水平軸３２ａ，３２ｂをもって回動自在に支持し、第１油圧シリンダ２２ａ，２２ｂにより回動可能とし、第２門型フレーム２３の基端部を第１門型フレーム２１の先端部に第２水平軸３４ａ，３４ｂをもって回動自在に支持し、第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂにより回動可能とし、一端部がウインチに巻き取られたケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃを第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３の長手方向に沿って付設し、他端部を第２門型フレーム２３の先端部から垂下して観測機器１６を吊り下げ可能とする。
【解決手段】第１門型フレーム２１の基端部を観測船１１の観測室１３に第１水平軸３２ａ，３２ｂをもって回動自在に支持し、第１油圧シリンダ２２ａ，２２ｂにより回動可能とし、第２門型フレーム２３の基端部を第１門型フレーム２１の先端部に第２水平軸３４ａ，３４ｂをもって回動自在に支持し、第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂにより回動可能とし、一端部がウインチに巻き取られたケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃを第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３の長手方向に沿って付設し、他端部を第２門型フレーム２３の先端部から垂下して観測機器１６を吊り下げ可能とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、海洋調査船、海洋観測船、海洋研究船、測量船などにおいて、船上で各種の観測・採取機器を海洋に投入または引き揚げ可能な観測用クレーンに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
海洋観測船などは、デッキに各種の観測機器を海洋に投入または引き揚げするための観測用クレーンが搭載されている。この観測用クレーンは、デッキ上の舷側に門型フレームが起倒自在に設けられると共に油圧シリンダにより起倒可能とされ、船舶側のウインチから引き出されたケーブルまたはロープがシーブを介して門型フレームの先端部に案内され、ここから下方に案内されて構成されている。従って、ケーブル等の先端に観測機器を吊り下げ、油圧シリンダを作動して門型フレームを起倒することで、海洋に対して観測機器の投入や引き揚げを実行することができる。
【０００３】
このような観測用クレーンとしては、例えば、下記特許文献１に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特許第３６１５９８６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上述した従来の観測用クレーンを用いて観測機器を海洋に投入する場合、作業者は、デッキ上で門型フレームの先端部から垂下するケーブル等の先端に観測機器を連結した後、油圧シリンダにより門型フレームを海洋側に振り出すことで、観測機器を海洋側に移動して投入している。ところが、門型フレームをデッキ側から海洋側に振り出すとき、門型フレームの先端部の位置（ケーブルを案内するシーブの位置）がデッキ側から海洋側に移動するため、門型フレームの先端部にあるシーブからケーブル等を介して吊り下げた観測機器の吊り索の自由長が変化してしまう。即ち、門型フレームをデッキ側から海洋側に振り出すと、船舶側のウインチから門型フレームの先端部にあるシーブまでのケーブル等の長さが長くなり、その長くなった分だけ観測機器の吊り索の自由長が短くなってしまう。
【０００６】
このようにケーブル等により観測機器を吊り下げた状態で、門型フレームの起倒に伴って観測機器の吊り索の自由長が変動すると、この観測機器に揺れが発生し、周辺部材との接触により破損等が発生してしまうおそれがある。そのため、従来は、門型フレームの起倒動作に伴ってウインチを作動し、ケーブル等の繰り出し・巻き揚げ量を調整することで観測機器の吊り索の自由長が変動しないようにしている。しかし、観測機器の吊り索の自由長を一定に維持するようにウインチを作動制御することは面倒であり、作業性がよくないという問題があった。
【０００７】
本発明は上述した課題を解決するものであり、フレームの起倒に応じた観測機器の吊り索の自由長の変動を抑制することで作業性の向上を図る観測用クレーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記の目的を達成するための本発明の観測用クレーンは、基端部が船舶上に第１水平軸をもって回動自在に支持される第１門型フレームと、該第１門型フレームを回動可能とする第１駆動装置と、基端部が前記第１門型フレームの先端部に第２水平軸をもって回動自在に支持される第２門型フレームと、該第２門型フレームを回動可能とする第２駆動装置と、前記第１門型フレーム及び前記第２門型フレームの長手方向に沿って付設されると共に一端部が船舶上に設置されるウインチに巻き取られて他端部が前記第２門型フレームの先端部から垂下して観測機器を吊り下げ可能な索と、を備えることを特徴とするものである。
【０００９】
従って、第１門型フレームの先端部に第２門型フレームを回動自在に連結し、索を第１門型フレーム及び第２門型フレームの長手方向に沿って付設し、第２門型フレームの先端部から垂下して観測機器を吊り下げ可能とすることで、第１門型フレーム及び第２門型フレームを回動しても、索がその長手方向にほとんど移動することはなく、フレームの起倒に応じた観測機器の吊り策の自由長の変動を抑制することができ、その結果、作業性の向上を図ることができる。
【００１０】
本発明の観測用クレーンでは、前記第１門型フレームの基端部側に設けられる第１シーブと、前記第１門型フレームと前記第２門型フレームとの連結部側に設けられる第２シーブと、前記第２門型フレームの先端部側に設けられる第３シーブとが設けられ、前記索は、前記第１シーブから前記第２シーブを介して前記第３シーブに案内されることを特徴としている。
【００１１】
従って、第１門型フレーム及び第２門型フレームの端部にシーブを装着して索を支持することで、索を第１門型フレーム及び第２門型フレームの長手方向に沿って容易に付設することができる。
【００１２】
本発明の観測用クレーンでは、前記第１シーブと前記第２シーブと前記第３シーブは、前記第１門型フレーム及び前記第２門型フレームにおける幅方向の中間部に直線状をなして配列されることを特徴としている。
【００１３】
従って、各フレームの基端部を作業甲板より一つ上層の甲板に設置すると、各フレームの脚部のない広いスペースで、索に対する観測機器の着脱作業を行うことができ、作業性や安全性を向上することができる。
【００１４】
本発明の観測用クレーンでは、前記第２門型フレームは、前記第１門型フレームに対して前記第２水平軸により海洋側に折れ曲がり可能であり、前記第２シーブは、前記第１門型フレームと前記第２門型フレームとの連結部における折れ曲がる内側に設けられることを特徴としている。
【００１５】
従って、索を第１門型フレームと第２門型フレームとが折れ曲がる内側に設けることで、索の配置構造の簡素化を可能とすることができる。
【００１６】
本発明の観測用クレーンでは、前記第１門型フレームと前記第２門型フレームとの回動支点は、前記第２シーブの回転中心と、前記第２シーブにおける前記索の案内経路との間に設定されることを特徴としている。
【００１７】
従って、第１門型フレームや第２門型フレームが回動しても、その回動に伴って索がその長手方向にほとんど移動することはなく、フレームの起倒に応じた観測機器の吊り索の自由長の変動を容易に抑制することができる。
【００１８】
本発明の観測用クレーンでは、前記第１門型フレームと前記第２門型フレームとの回動支点は、前記第２シーブの回転中心とほぼ同位置に設定されることを特徴としている。
【００１９】
従って、フレームの起倒に応じた観測機器の吊り索の自由長の変動を抑制することができると共に、構造の複雑化を抑制することができる。
【００２０】
本発明の観測用クレーンでは、前記索は、前記第１門型フレーム及び前記第２門型フレームにおける幅方向の中間部に複数設けられることを特徴としている。
【００２１】
従って、異なる種類の観測機器を海洋に対して効率良く投入することができ、作業性を向上することができる。
【発明の効果】
【００２２】
本発明の観測用クレーンによれば、第１門型フレームの先端部に第２門型フレームを回動自在に連結し、索を第１門型フレーム及び第２門型フレームの長手方向に沿って付設し、第２門型フレームの先端部から垂下して観測機器を吊り下げ可能とするので、フレームの起倒に応じた観測機器の吊り索の自由長の変動を抑制することができ、その結果、作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】図１は、本発明の一実施例に係る観測用クレーンを表す概略側面図である。
【図２】図２は、本実施例の観測用クレーンを表す概略平面図である。
【図３−１】図３−１は、本実施例の観測用クレーンにおけるアーム連結位置とシーブ装着位置との関係を説明するための概略図である。
【図３−２】図３−２は、本実施例の観測用クレーンにおけるアーム連結位置とシーブ装着位置を表す概略図である。
【図４】図４は、本実施例の観測用クレーンにおける作動を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【００２４】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る観測用クレーンの好適な実施例を詳細に説明する。なお、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
【実施例】
【００２５】
図１は、本発明の一実施例に係る観測用クレーンを表す概略側面図、図２は、本実施例の観測用クレーンを表す概略平面図、図３−１は、本実施例の観測用クレーンにおけるアーム連結位置とシーブ装着位置との関係を説明するための概略図、図３−２は、本実施例の観測用クレーンにおけるアーム連結位置とシーブ装着位置を表す概略図、図４は、本実施例の観測用クレーンにおける作動を表す概略図である。
【００２６】
本実施例の観測用クレーン（中折式観測用クレーン）において、図１及び図２に示すように、観測船（船舶）１１は、舷側に作業甲板１２が設けられ、その作業甲板１２上に観測室１３が設けられており、この観測室１３の屋根部に観測用クレーン１４が設置されている。
【００２７】
この観測用クレーン１４は、第１門型フレーム２１と、第１駆動装置としての第１油圧シリンダ２２ａ，２２ｂと、第２門型フレーム２３と、第２駆動装置としての第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂと、ケーブル（索）２５ａ，２５ｂ，２５ｃとから構成されている。
【００２８】
第１門型フレーム２１は、左右一対の脚部２１ａ，２１ｂと、この脚部２１ａ，２１ｂを連結する梁部２１ｃとから構成されている。この第１門型フレーム２１は、基端部、つまり、各脚部２１ａ，２１ｂの下端部が観測室１３の固定された左右一対の固定ブラケット３１ａ，３１ｂに第１水平軸３２ａ，３２ｂをもって回動自在に支持されている。この場合、第１水平軸３２ａ，３２ｂは、観測船１１の前後方向に沿うと共に観測室１３の屋根部と略水平な軸心を有している。
【００２９】
第２門型フレーム２３は、第１門型フレーム２１と同様に、左右一対の脚部２３ａ，２３ｂと、この脚部２３ａ，２３ｂを連結する梁部２３ｃとから構成されている。この第２門型フレーム２３は、基端部、つまり、各脚部２３ａ，２３ｂの下端部が第１門型フレーム２１における梁部２１ｃの左右端部に固定された固定ブラケット３３ａ，３３ｂに第２水平軸３４ａ，３４ｂをもって回動自在に支持されている。この場合、第２水平軸３４ａ，３４ｂは、第１水平軸３２ａ，３２ｂと同様に、観測船１１の前後方向に沿うと共に観測室１３の屋根部と略水平な軸心を有している。
【００３０】
第１門型フレーム２１は、各脚部２１ａ，２１ｂと梁部２１ｃとがほぼ直交することで正面視が下向きのコ字形状をなしているが、第２門型フレーム２３は、脚部２３ａ，２３ｂの上端側が接近するように傾斜してから梁部２３ｃと鈍角をもつて連結することで正面視がＡ字形状をなしている。
【００３１】
第１油圧シリンダ２２ａ，２２ｂは、第１門型フレーム２１の各脚部２１ａ，２１ｂに対応して設けられており、基端部が固定ブラケット３１ａ，３１ｂに連結軸３５ａ，３５ｂにより回動自在に支持されている。そして、各第１油圧シリンダ２２ａ，２２ａは、図示しない油圧制御装置により油圧が給排されることで同期して伸縮可能なピストンロッド３６ａ，３６ｂを有し、このピストンロッド３６ａ，３６ｂの先端部が第１門型フレーム２１における各脚部２１ａ，２１ｂに固定された連結ブラケット３７ａ，３７ｂに連結軸３８ａ，３８ｂにより回動自在に支持されている。
【００３２】
第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂは、各門型フレーム２１，２３の各脚部２１ａ，２１ｂ，２３ａ，２３ｂに対応して設けられており、基端部が第１門型フレーム２１における各脚部２１ａ，２１ｂに固定された連結ブラケット３９ａ，３９ｂに連結軸４０ａ，４０ｂにより回動自在に支持されている。そして、各第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂは、図示しない油圧制御装置により油圧が給排されることで同期して伸縮可能なピストンロッド４１ａ，４１ｂを有し、このピストンロッド４１ａ，４１ｂの先端部が第２門型フレーム２３における各脚部２３ａ，２３ｂに固定された連結ブラケット４２ａ，４２ｂに連結軸４３ａ，４３ｂにより回動自在に支持されている。
【００３３】
従って、第１門型フレーム２１は、第１油圧シリンダ２２ａ，２２ｂの作動により観測室１３側を基点として回動することができ、第２門型フレーム２３は、第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂの作動により第１門型フレーム２１の先端部側を基点として回動することができる。即ち、第１油圧シリンダ２２ａ，２２ｂを作動することで、第１門型フレーム２１は、観測室１３上に起立した状態と、海洋側に倒れた状態との間で回動することができる。また、第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂを作動することで、第２門型フレーム２３は、第１門型フレーム２１とほぼ直線状をなす状態と、海洋側に折れ曲がった状態との間で回動することができる。
【００３４】
ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃは、第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３の長手方向に沿って付設されると共に、一端部が船舶の観測室１３上に設置される図示しないウインチに巻き取られ、他端部が第２門型フレーム２３の先端部（梁部２３ｃ）から垂下して観測機器１６を吊り下げ可能となっている。本実施例にて、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃは、第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３における幅方向の中間部、つまり、各脚部２１ａ，２１ｂ，２３ａ，２３ｂの間に複数（ここでは、３本）設けられている。
【００３５】
即ち、第１シーブ５１ａ，５１ｂ，５１ｃは、ほぼ同形状をなし、第１門型フレーム２１の基端部側、つまり、観測室１３上であって第１門型フレーム２１における脚部２１ａ，２１ｂの間に固定されたブラケット５２ａ，５２ｂ，５２ｃに回転軸５３ａ，５３ｂ，５３ｃにより回転自在に支持されている。第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃは、ほぼ同形状をなし、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との連結部側、つまり、第１門型フレーム２１における梁部２１ｃに固定されたブラケット５５ａ，５５ｂ，５５ｃに回転軸５６ａ，５６ｂ，５６ｃにより回転自在に支持されている。
【００３６】
第３シーブ５７ａ，５７ｂ，５７ｃは、ほぼ同形状をなし、第２門型フレーム２３の先端部側、つまり、第２門型フレーム２３における梁部２３ｃに支持されたブラケット５８ａ，５８ｂ，５８ｃに回転軸５９ａ，５９ｂ，５９ｃにより回転自在に支持されている。ここで、ブラケット５８ａ，５８ｂ，５８ｃは、梁部２３ｃに対してその長手方向、つまり、船体の前後方向に所定角度回動自在であることから、第３シーブ５７ａ，５７ｂ，５７ｃは、観測機器１６が連結される側のケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの移動に対して追従可能な首振りシーブとなっている。
【００３７】
この場合、第１シーブ５１ａと第２シーブ５４ａと第３シーブ５７ａは、第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３における幅方向の中間部に直線状をなして配列されている。また、第１シーブ５１ｂと第２シーブ５４ｂと第３シーブ５７ｂ並びに第１シーブ５１ｃと第２シーブ５４ｃと第３シーブ５７ｃも同様の配列となっている。また、第１シーブ５１ａ，５１ｂ，５１ｃは、第１水平軸３２ａ，３２ｂの近傍で、且つ、海洋側とは反対の船舶（ウインチ）側に位置している。また、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃは、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との連結部における折れ曲がりの内側に位置している。更に、第３シーブ５７ａ，５７ｂ，５７ｃは、第２門型フレーム２３の梁部２３ｃにおける下方、つまり、海面側に位置している。
【００３８】
そして、船体側から繰り出される３本のケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃは、第１シーブ５１ａ，５１ｂ，５１ｃに下方から所定角度巻き付けられた後、第１門型フレーム２１の長手方向に沿って上方に配索される。その後、各ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃは、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃの上方に所定角度巻き付けられた後、第２門型フレーム２３の長手方向に沿って上方に配索され、第３シーブ５７ａ，５７ｂ，５７ｃの上方に所定角度巻き付けられた後に垂下し、先端部に観測機器１６を連結可能となっている。
【００３９】
なお、この観測機器１６とは、ＣＴＤ観測装置、ピストンコアラ型採泥器、汎用機器などであり、各種機器に応じて使用するケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃが選択される。
【００４０】
ところで、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との回動支点は、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃの回転中心と、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃにおけるケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの案内経路との間に設定されることが望ましい。この場合、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との回動支点は、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃにおけるケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの案内経路上に設定されることが最適である。
【００４１】
但し、第１門型フレーム２１、第２門型フレーム２３、第２水平軸３４ａ，３４ｂ、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃなどの構造や配置上、本実施例では、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との回動支点は、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃの回転中心とほぼ同位置に設定されている。
【００４２】
この点を詳細に説明すると、図３−１に示すように、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３は、第２水平軸３４ａ，３４ｂにより回動自在に支持されていることから、両者の回動支点はＯ１である。また、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃは、第１門型フレーム２１における梁部２１ｃのブラケット５５ａ，５５ｂ，５５ｃに回転軸５６ａ，５６ｂ，５６ｃにより回転自在に支持されていることから、この回転中心は、Ｏ２である。更に、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃにおけるケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの案内経路は、Ｒ１である。但し、この第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃにおけるケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの案内経路Ｒ１は、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との折れ曲がり角度により変動する。
【００４３】
この場合、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との回動支点Ｏ１が、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃの回転中心Ｏ２と、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃにおけるケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの案内経路Ｒ１との間にあることが望ましく、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃにおけるケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの案内経路Ｒ１上にあることが最適である。即ち、回動支点Ｏ１が案内経路Ｒ１上にあると、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との折れ曲がり角度に対して、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃがその長手方向に移動することがない。また、回動支点Ｏ１が回転中心Ｏ２と案内経路Ｒ１との間にあると、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との折れ曲がり角度に対して、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃがその長手方向に移動する量が少なく、観測機器１６の上下動に対する揺れが許容される範囲である。
【００４４】
しかし、上記のように回動支点Ｏ１を案内経路Ｒ１上に設定することは、クレーンの構造上での色々な制約により実現が難しい。本実施例では、図３−２に示すように、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との回動支点Ｏ１を、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃの回転中心Ｏ２とほぼ同位置に設定している。従って、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との折れ曲がり角度に対して、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃが長手方向に移動する量を最小限とし、観測機器１６の上下動に対する揺れを抑制できる一方で、構造の複雑化が防止される。
【００４５】
ここで、上述した本実施例の観測用クレーン１４の作動について説明する。
【００４６】
観測船１１が航行しており、観測用クレーン１４を使用していないときは、図１に二点鎖線で示すように、第２門型フレーム２３を折り畳み、作業甲板１２の上方の位置に格納している。
【００４７】
観測船１１が停止し、観測用クレーン１４を使用して観測機器１６を海洋に投入するときには、図４に実線で示すように、第１油圧シリンダ２２ａ，２２ｂを作動し、第１門型フレーム２１をほぼ直立状態とすると共に、第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂを作動し、第２門型フレーム２３を先端部が作業甲板１２の上方に位置するように回動する。ここで、作業者は、ウインチを操作し、例えば、ケーブル２５ａを繰り出し、先端部を作業甲板１２上に載置されている観測機器１６に連結する。
【００４８】
そして、作業者は、第１油圧シリンダ２２ａ，２２ｂを伸張作動し、第１門型フレーム２１が海洋側に倒れるように回動すると共に、第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂを伸張作動し、第２門型フレーム２３が水平となるように回動する。
【００４９】
このとき、第１門型フレーム２１や第２門型フレーム２３が回動しても、ケーブル２５ａが各シーブ５１ａ，５４ａ，５７ａにより第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３に沿って配索されていることから、このケーブル２５ａは、その長手方向に沿ってほとんど移動しない。そのため、第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３の回動に伴ってウインチを操作する必要はなく、観測機器１６の吊り索の自由長の変動が抑制される。つまり、観測機器１６は、作業甲板１２上に載置されているときと、海洋上に吊り下げられているときで、その吊り索の自由長がほとんど変動せず、移動による揺れを極力少なくすることができる。
【００５０】
なお、第１門型フレーム２１や第２門型フレーム２３を回動することで、ケーブル２５ａに吊り下げられている観測機器１６を海洋上に移動したら、作業者は、ウインチを操作してケーブル２５ａを繰り出すことで、観測機器１６を海中に投入することができる。
【００５１】
このように本実施例の観測用クレーンにあっては、第１門型フレーム２１の基端部を観測船１１の観測室１３に第１水平軸３２ａ，３２ｂをもって回動自在に支持し、第１油圧シリンダ２２ａ，２２ｂにより回動可能とし、第２門型フレーム２３の基端部を第１門型フレーム２１の先端部に第２水平軸３４ａ，３４ｂをもって回動自在に支持し、第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂにより回動可能とし、一端部がウインチに巻き取られたケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃを第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３の長手方向に沿って付設し、他端部を第２門型フレーム２３の先端部から垂下して観測機器１６を吊り下げ可能としている。
【００５２】
従って、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃが第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３の長手方向に沿って付設されていることで、第１門型フレーム２１や第２門型フレーム２３を回動しても、このケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃがその長手方向にほとんど移動することはなく、各門型フレーム２１，２３の起倒に応じた観測機器１６の吊り索の自由長の変動を抑制することができ、その結果、作業性の向上を図ることができる。
【００５３】
また、本実施例の観測用クレーンでは、第１門型フレーム２１の基端部側に設けられる第１シーブ５１ａ，５１ｂ，５１ｃと、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との連結部側に設けられる第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃと、第２門型フレーム２３の先端部側に設けられる第３シーブ５７ａ，５７ｂ，５７ｃとを設け、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃを第１シーブ５１ａ，５１ｂ，５１ｃから第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃを介して第３シーブ５７ａ，５７ｂ，５７ｃに案内している。従って、第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３の端部に各シーブ５１ａ，５１ｂ，５１ｃ，５４ａ，５４ｂ，５４ｃ，５７ａ，５７ｂ，５７ｃを装着してケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃを支持することで、このケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃを第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３の長手方向に沿って容易に付設することができる。
【００５４】
また、本実施例の観測用クレーンでは、第１シーブ５１ａ，５１ｂ，５１ｃと第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃと第３シーブ５７ａ，５７ｂ，５７ｃを、第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３における幅方向の中間部に直線状をなして配列している。従って、各シーブ５１ａ，５１ｂ，５１ｃ，５４ａ，５４ｂ，５４ｃ，５７ａ，５７ｂ，５７ｃを各門型フレーム２１，２３における幅方向の中間部に設けることで、同じ位置でケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃを配索することとなり、各門型フレーム２１，２３の脚部２１ａ，２１ｂ，２３ａ，２３ｂのない広いスペースで、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃに対する観測機器１６の着脱作業を行うことができ、作業性や安全性を向上することができる。
【００５５】
また、本実施例の観測用クレーンでは、第２門型フレーム２３を第１門型フレーム２１に対して第２水平軸３４ａ，３４ｂにより海洋側に折れ曲がり可能とし、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃを第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との連結部における折れ曲がり側に設けている。従って、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの配索構造の簡素化を可能とすることができる。
【００５６】
また、本実施例の観測用クレーンでは、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との回動支点Ｏ１を、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃの回転中心Ｏ２と、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃにおけるケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの案内経路Ｒ１との間に設定している。従って、第１門型フレーム２１や第２門型フレーム２３が回動しても、その回動に伴ってケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃがその長手方向にほとんど移動することはなく、各門型フレーム２１，２３の起倒に応じた観測機器１６の吊り索の自由長の変動を容易に抑制することができる。
【００５７】
また、本実施例の観測用クレーンでは、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との回動支点Ｏ１を、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃの回転中心Ｏ２とほぼ同位置に設定している。従って、各門型フレーム２１，２３の起倒に応じた観測機器１６の吊り索の自由長の変動を抑制することができると共に、構造の複雑化を抑制することができる。この場合、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３を連結する第２水平軸３４ａ，３４ｂと、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃを支持する回転軸５６ａ，５６ｂ，５６ｃを同軸とすると、更なる構造の簡素化を可能とすることができる。
【００５８】
また、本実施例の観測用クレーンでは、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃを、第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３における幅方向の中間部に複数設けている。従って、異なる種類の観測機器１６を海洋に対して効率良く投入することができ、作業性を向上することができる。
【００５９】
なお、上述した実施例では、観測用クレーン１４を観測船１１の右舷に設けたが、この設置場所は右舷に限定されるものではなく、左舷や船尾であってもよい。
【００６０】
また、一組のシーブを３つから構成したが、４つ以上としてもよい。また、ケーブルを３本配索したが、２本以下でも、４本以上でもよい。
【産業上の利用可能性】
【００６１】
本発明に係る観測用クレーンは、第１門型フレーム及び第２門型フレームの長手方向に沿ってケーブルを付設することで、フレームの起倒に応じた観測機器の吊り索の自由長の変動を抑制することで作業性の向上を図るものであり、いずれの観測用クレーンにも適用することができる。
【符号の説明】
【００６２】
１１ 観測船（船舶）
１２ 作業甲板
１３ 観測室
１４ 観測用クレーン
２１ 第１門型フレーム
２２ａ，２２ｂ 第１油圧シリンダ（第１駆動装置）
２３ 第２門型フレーム
２４ａ，２４ｂ 第２油圧シリンダ（第２駆動装置）
２５ａ，２５ｂ，２５ｃ ケーブル（索）
３２ａ，３２ｂ 第１水平軸
３４ａ，３４ｂ 第２水平軸
５１ａ，５１ｂ，５１ｃ 第１シーブ
５４ａ，５４ｂ，５４ｃ 第２シーブ
５７ａ，５７ｂ，５７ｃ 第３シーブ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、海洋調査船、海洋観測船、海洋研究船、測量船などにおいて、船上で各種の観測・採取機器を海洋に投入または引き揚げ可能な観測用クレーンに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
海洋観測船などは、デッキに各種の観測機器を海洋に投入または引き揚げするための観測用クレーンが搭載されている。この観測用クレーンは、デッキ上の舷側に門型フレームが起倒自在に設けられると共に油圧シリンダにより起倒可能とされ、船舶側のウインチから引き出されたケーブルまたはロープがシーブを介して門型フレームの先端部に案内され、ここから下方に案内されて構成されている。従って、ケーブル等の先端に観測機器を吊り下げ、油圧シリンダを作動して門型フレームを起倒することで、海洋に対して観測機器の投入や引き揚げを実行することができる。
【０００３】
このような観測用クレーンとしては、例えば、下記特許文献１に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特許第３６１５９８６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上述した従来の観測用クレーンを用いて観測機器を海洋に投入する場合、作業者は、デッキ上で門型フレームの先端部から垂下するケーブル等の先端に観測機器を連結した後、油圧シリンダにより門型フレームを海洋側に振り出すことで、観測機器を海洋側に移動して投入している。ところが、門型フレームをデッキ側から海洋側に振り出すとき、門型フレームの先端部の位置（ケーブルを案内するシーブの位置）がデッキ側から海洋側に移動するため、門型フレームの先端部にあるシーブからケーブル等を介して吊り下げた観測機器の吊り索の自由長が変化してしまう。即ち、門型フレームをデッキ側から海洋側に振り出すと、船舶側のウインチから門型フレームの先端部にあるシーブまでのケーブル等の長さが長くなり、その長くなった分だけ観測機器の吊り索の自由長が短くなってしまう。
【０００６】
このようにケーブル等により観測機器を吊り下げた状態で、門型フレームの起倒に伴って観測機器の吊り索の自由長が変動すると、この観測機器に揺れが発生し、周辺部材との接触により破損等が発生してしまうおそれがある。そのため、従来は、門型フレームの起倒動作に伴ってウインチを作動し、ケーブル等の繰り出し・巻き揚げ量を調整することで観測機器の吊り索の自由長が変動しないようにしている。しかし、観測機器の吊り索の自由長を一定に維持するようにウインチを作動制御することは面倒であり、作業性がよくないという問題があった。
【０００７】
本発明は上述した課題を解決するものであり、フレームの起倒に応じた観測機器の吊り索の自由長の変動を抑制することで作業性の向上を図る観測用クレーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記の目的を達成するための本発明の観測用クレーンは、基端部が船舶上に第１水平軸をもって回動自在に支持される第１門型フレームと、該第１門型フレームを回動可能とする第１駆動装置と、基端部が前記第１門型フレームの先端部に第２水平軸をもって回動自在に支持される第２門型フレームと、該第２門型フレームを回動可能とする第２駆動装置と、前記第１門型フレーム及び前記第２門型フレームの長手方向に沿って付設されると共に一端部が船舶上に設置されるウインチに巻き取られて他端部が前記第２門型フレームの先端部から垂下して観測機器を吊り下げ可能な索と、を備えることを特徴とするものである。
【０００９】
従って、第１門型フレームの先端部に第２門型フレームを回動自在に連結し、索を第１門型フレーム及び第２門型フレームの長手方向に沿って付設し、第２門型フレームの先端部から垂下して観測機器を吊り下げ可能とすることで、第１門型フレーム及び第２門型フレームを回動しても、索がその長手方向にほとんど移動することはなく、フレームの起倒に応じた観測機器の吊り策の自由長の変動を抑制することができ、その結果、作業性の向上を図ることができる。
【００１０】
本発明の観測用クレーンでは、前記第１門型フレームの基端部側に設けられる第１シーブと、前記第１門型フレームと前記第２門型フレームとの連結部側に設けられる第２シーブと、前記第２門型フレームの先端部側に設けられる第３シーブとが設けられ、前記索は、前記第１シーブから前記第２シーブを介して前記第３シーブに案内されることを特徴としている。
【００１１】
従って、第１門型フレーム及び第２門型フレームの端部にシーブを装着して索を支持することで、索を第１門型フレーム及び第２門型フレームの長手方向に沿って容易に付設することができる。
【００１２】
本発明の観測用クレーンでは、前記第１シーブと前記第２シーブと前記第３シーブは、前記第１門型フレーム及び前記第２門型フレームにおける幅方向の中間部に直線状をなして配列されることを特徴としている。
【００１３】
従って、各フレームの基端部を作業甲板より一つ上層の甲板に設置すると、各フレームの脚部のない広いスペースで、索に対する観測機器の着脱作業を行うことができ、作業性や安全性を向上することができる。
【００１４】
本発明の観測用クレーンでは、前記第２門型フレームは、前記第１門型フレームに対して前記第２水平軸により海洋側に折れ曲がり可能であり、前記第２シーブは、前記第１門型フレームと前記第２門型フレームとの連結部における折れ曲がる内側に設けられることを特徴としている。
【００１５】
従って、索を第１門型フレームと第２門型フレームとが折れ曲がる内側に設けることで、索の配置構造の簡素化を可能とすることができる。
【００１６】
本発明の観測用クレーンでは、前記第１門型フレームと前記第２門型フレームとの回動支点は、前記第２シーブの回転中心と、前記第２シーブにおける前記索の案内経路との間に設定されることを特徴としている。
【００１７】
従って、第１門型フレームや第２門型フレームが回動しても、その回動に伴って索がその長手方向にほとんど移動することはなく、フレームの起倒に応じた観測機器の吊り索の自由長の変動を容易に抑制することができる。
【００１８】
本発明の観測用クレーンでは、前記第１門型フレームと前記第２門型フレームとの回動支点は、前記第２シーブの回転中心とほぼ同位置に設定されることを特徴としている。
【００１９】
従って、フレームの起倒に応じた観測機器の吊り索の自由長の変動を抑制することができると共に、構造の複雑化を抑制することができる。
【００２０】
本発明の観測用クレーンでは、前記索は、前記第１門型フレーム及び前記第２門型フレームにおける幅方向の中間部に複数設けられることを特徴としている。
【００２１】
従って、異なる種類の観測機器を海洋に対して効率良く投入することができ、作業性を向上することができる。
【発明の効果】
【００２２】
本発明の観測用クレーンによれば、第１門型フレームの先端部に第２門型フレームを回動自在に連結し、索を第１門型フレーム及び第２門型フレームの長手方向に沿って付設し、第２門型フレームの先端部から垂下して観測機器を吊り下げ可能とするので、フレームの起倒に応じた観測機器の吊り索の自由長の変動を抑制することができ、その結果、作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】図１は、本発明の一実施例に係る観測用クレーンを表す概略側面図である。
【図２】図２は、本実施例の観測用クレーンを表す概略平面図である。
【図３−１】図３−１は、本実施例の観測用クレーンにおけるアーム連結位置とシーブ装着位置との関係を説明するための概略図である。
【図３−２】図３−２は、本実施例の観測用クレーンにおけるアーム連結位置とシーブ装着位置を表す概略図である。
【図４】図４は、本実施例の観測用クレーンにおける作動を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【００２４】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る観測用クレーンの好適な実施例を詳細に説明する。なお、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
【実施例】
【００２５】
図１は、本発明の一実施例に係る観測用クレーンを表す概略側面図、図２は、本実施例の観測用クレーンを表す概略平面図、図３−１は、本実施例の観測用クレーンにおけるアーム連結位置とシーブ装着位置との関係を説明するための概略図、図３−２は、本実施例の観測用クレーンにおけるアーム連結位置とシーブ装着位置を表す概略図、図４は、本実施例の観測用クレーンにおける作動を表す概略図である。
【００２６】
本実施例の観測用クレーン（中折式観測用クレーン）において、図１及び図２に示すように、観測船（船舶）１１は、舷側に作業甲板１２が設けられ、その作業甲板１２上に観測室１３が設けられており、この観測室１３の屋根部に観測用クレーン１４が設置されている。
【００２７】
この観測用クレーン１４は、第１門型フレーム２１と、第１駆動装置としての第１油圧シリンダ２２ａ，２２ｂと、第２門型フレーム２３と、第２駆動装置としての第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂと、ケーブル（索）２５ａ，２５ｂ，２５ｃとから構成されている。
【００２８】
第１門型フレーム２１は、左右一対の脚部２１ａ，２１ｂと、この脚部２１ａ，２１ｂを連結する梁部２１ｃとから構成されている。この第１門型フレーム２１は、基端部、つまり、各脚部２１ａ，２１ｂの下端部が観測室１３の固定された左右一対の固定ブラケット３１ａ，３１ｂに第１水平軸３２ａ，３２ｂをもって回動自在に支持されている。この場合、第１水平軸３２ａ，３２ｂは、観測船１１の前後方向に沿うと共に観測室１３の屋根部と略水平な軸心を有している。
【００２９】
第２門型フレーム２３は、第１門型フレーム２１と同様に、左右一対の脚部２３ａ，２３ｂと、この脚部２３ａ，２３ｂを連結する梁部２３ｃとから構成されている。この第２門型フレーム２３は、基端部、つまり、各脚部２３ａ，２３ｂの下端部が第１門型フレーム２１における梁部２１ｃの左右端部に固定された固定ブラケット３３ａ，３３ｂに第２水平軸３４ａ，３４ｂをもって回動自在に支持されている。この場合、第２水平軸３４ａ，３４ｂは、第１水平軸３２ａ，３２ｂと同様に、観測船１１の前後方向に沿うと共に観測室１３の屋根部と略水平な軸心を有している。
【００３０】
第１門型フレーム２１は、各脚部２１ａ，２１ｂと梁部２１ｃとがほぼ直交することで正面視が下向きのコ字形状をなしているが、第２門型フレーム２３は、脚部２３ａ，２３ｂの上端側が接近するように傾斜してから梁部２３ｃと鈍角をもつて連結することで正面視がＡ字形状をなしている。
【００３１】
第１油圧シリンダ２２ａ，２２ｂは、第１門型フレーム２１の各脚部２１ａ，２１ｂに対応して設けられており、基端部が固定ブラケット３１ａ，３１ｂに連結軸３５ａ，３５ｂにより回動自在に支持されている。そして、各第１油圧シリンダ２２ａ，２２ａは、図示しない油圧制御装置により油圧が給排されることで同期して伸縮可能なピストンロッド３６ａ，３６ｂを有し、このピストンロッド３６ａ，３６ｂの先端部が第１門型フレーム２１における各脚部２１ａ，２１ｂに固定された連結ブラケット３７ａ，３７ｂに連結軸３８ａ，３８ｂにより回動自在に支持されている。
【００３２】
第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂは、各門型フレーム２１，２３の各脚部２１ａ，２１ｂ，２３ａ，２３ｂに対応して設けられており、基端部が第１門型フレーム２１における各脚部２１ａ，２１ｂに固定された連結ブラケット３９ａ，３９ｂに連結軸４０ａ，４０ｂにより回動自在に支持されている。そして、各第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂは、図示しない油圧制御装置により油圧が給排されることで同期して伸縮可能なピストンロッド４１ａ，４１ｂを有し、このピストンロッド４１ａ，４１ｂの先端部が第２門型フレーム２３における各脚部２３ａ，２３ｂに固定された連結ブラケット４２ａ，４２ｂに連結軸４３ａ，４３ｂにより回動自在に支持されている。
【００３３】
従って、第１門型フレーム２１は、第１油圧シリンダ２２ａ，２２ｂの作動により観測室１３側を基点として回動することができ、第２門型フレーム２３は、第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂの作動により第１門型フレーム２１の先端部側を基点として回動することができる。即ち、第１油圧シリンダ２２ａ，２２ｂを作動することで、第１門型フレーム２１は、観測室１３上に起立した状態と、海洋側に倒れた状態との間で回動することができる。また、第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂを作動することで、第２門型フレーム２３は、第１門型フレーム２１とほぼ直線状をなす状態と、海洋側に折れ曲がった状態との間で回動することができる。
【００３４】
ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃは、第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３の長手方向に沿って付設されると共に、一端部が船舶の観測室１３上に設置される図示しないウインチに巻き取られ、他端部が第２門型フレーム２３の先端部（梁部２３ｃ）から垂下して観測機器１６を吊り下げ可能となっている。本実施例にて、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃは、第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３における幅方向の中間部、つまり、各脚部２１ａ，２１ｂ，２３ａ，２３ｂの間に複数（ここでは、３本）設けられている。
【００３５】
即ち、第１シーブ５１ａ，５１ｂ，５１ｃは、ほぼ同形状をなし、第１門型フレーム２１の基端部側、つまり、観測室１３上であって第１門型フレーム２１における脚部２１ａ，２１ｂの間に固定されたブラケット５２ａ，５２ｂ，５２ｃに回転軸５３ａ，５３ｂ，５３ｃにより回転自在に支持されている。第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃは、ほぼ同形状をなし、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との連結部側、つまり、第１門型フレーム２１における梁部２１ｃに固定されたブラケット５５ａ，５５ｂ，５５ｃに回転軸５６ａ，５６ｂ，５６ｃにより回転自在に支持されている。
【００３６】
第３シーブ５７ａ，５７ｂ，５７ｃは、ほぼ同形状をなし、第２門型フレーム２３の先端部側、つまり、第２門型フレーム２３における梁部２３ｃに支持されたブラケット５８ａ，５８ｂ，５８ｃに回転軸５９ａ，５９ｂ，５９ｃにより回転自在に支持されている。ここで、ブラケット５８ａ，５８ｂ，５８ｃは、梁部２３ｃに対してその長手方向、つまり、船体の前後方向に所定角度回動自在であることから、第３シーブ５７ａ，５７ｂ，５７ｃは、観測機器１６が連結される側のケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの移動に対して追従可能な首振りシーブとなっている。
【００３７】
この場合、第１シーブ５１ａと第２シーブ５４ａと第３シーブ５７ａは、第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３における幅方向の中間部に直線状をなして配列されている。また、第１シーブ５１ｂと第２シーブ５４ｂと第３シーブ５７ｂ並びに第１シーブ５１ｃと第２シーブ５４ｃと第３シーブ５７ｃも同様の配列となっている。また、第１シーブ５１ａ，５１ｂ，５１ｃは、第１水平軸３２ａ，３２ｂの近傍で、且つ、海洋側とは反対の船舶（ウインチ）側に位置している。また、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃは、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との連結部における折れ曲がりの内側に位置している。更に、第３シーブ５７ａ，５７ｂ，５７ｃは、第２門型フレーム２３の梁部２３ｃにおける下方、つまり、海面側に位置している。
【００３８】
そして、船体側から繰り出される３本のケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃは、第１シーブ５１ａ，５１ｂ，５１ｃに下方から所定角度巻き付けられた後、第１門型フレーム２１の長手方向に沿って上方に配索される。その後、各ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃは、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃの上方に所定角度巻き付けられた後、第２門型フレーム２３の長手方向に沿って上方に配索され、第３シーブ５７ａ，５７ｂ，５７ｃの上方に所定角度巻き付けられた後に垂下し、先端部に観測機器１６を連結可能となっている。
【００３９】
なお、この観測機器１６とは、ＣＴＤ観測装置、ピストンコアラ型採泥器、汎用機器などであり、各種機器に応じて使用するケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃが選択される。
【００４０】
ところで、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との回動支点は、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃの回転中心と、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃにおけるケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの案内経路との間に設定されることが望ましい。この場合、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との回動支点は、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃにおけるケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの案内経路上に設定されることが最適である。
【００４１】
但し、第１門型フレーム２１、第２門型フレーム２３、第２水平軸３４ａ，３４ｂ、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃなどの構造や配置上、本実施例では、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との回動支点は、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃの回転中心とほぼ同位置に設定されている。
【００４２】
この点を詳細に説明すると、図３−１に示すように、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３は、第２水平軸３４ａ，３４ｂにより回動自在に支持されていることから、両者の回動支点はＯ１である。また、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃは、第１門型フレーム２１における梁部２１ｃのブラケット５５ａ，５５ｂ，５５ｃに回転軸５６ａ，５６ｂ，５６ｃにより回転自在に支持されていることから、この回転中心は、Ｏ２である。更に、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃにおけるケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの案内経路は、Ｒ１である。但し、この第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃにおけるケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの案内経路Ｒ１は、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との折れ曲がり角度により変動する。
【００４３】
この場合、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との回動支点Ｏ１が、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃの回転中心Ｏ２と、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃにおけるケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの案内経路Ｒ１との間にあることが望ましく、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃにおけるケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの案内経路Ｒ１上にあることが最適である。即ち、回動支点Ｏ１が案内経路Ｒ１上にあると、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との折れ曲がり角度に対して、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃがその長手方向に移動することがない。また、回動支点Ｏ１が回転中心Ｏ２と案内経路Ｒ１との間にあると、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との折れ曲がり角度に対して、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃがその長手方向に移動する量が少なく、観測機器１６の上下動に対する揺れが許容される範囲である。
【００４４】
しかし、上記のように回動支点Ｏ１を案内経路Ｒ１上に設定することは、クレーンの構造上での色々な制約により実現が難しい。本実施例では、図３−２に示すように、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との回動支点Ｏ１を、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃの回転中心Ｏ２とほぼ同位置に設定している。従って、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との折れ曲がり角度に対して、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃが長手方向に移動する量を最小限とし、観測機器１６の上下動に対する揺れを抑制できる一方で、構造の複雑化が防止される。
【００４５】
ここで、上述した本実施例の観測用クレーン１４の作動について説明する。
【００４６】
観測船１１が航行しており、観測用クレーン１４を使用していないときは、図１に二点鎖線で示すように、第２門型フレーム２３を折り畳み、作業甲板１２の上方の位置に格納している。
【００４７】
観測船１１が停止し、観測用クレーン１４を使用して観測機器１６を海洋に投入するときには、図４に実線で示すように、第１油圧シリンダ２２ａ，２２ｂを作動し、第１門型フレーム２１をほぼ直立状態とすると共に、第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂを作動し、第２門型フレーム２３を先端部が作業甲板１２の上方に位置するように回動する。ここで、作業者は、ウインチを操作し、例えば、ケーブル２５ａを繰り出し、先端部を作業甲板１２上に載置されている観測機器１６に連結する。
【００４８】
そして、作業者は、第１油圧シリンダ２２ａ，２２ｂを伸張作動し、第１門型フレーム２１が海洋側に倒れるように回動すると共に、第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂを伸張作動し、第２門型フレーム２３が水平となるように回動する。
【００４９】
このとき、第１門型フレーム２１や第２門型フレーム２３が回動しても、ケーブル２５ａが各シーブ５１ａ，５４ａ，５７ａにより第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３に沿って配索されていることから、このケーブル２５ａは、その長手方向に沿ってほとんど移動しない。そのため、第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３の回動に伴ってウインチを操作する必要はなく、観測機器１６の吊り索の自由長の変動が抑制される。つまり、観測機器１６は、作業甲板１２上に載置されているときと、海洋上に吊り下げられているときで、その吊り索の自由長がほとんど変動せず、移動による揺れを極力少なくすることができる。
【００５０】
なお、第１門型フレーム２１や第２門型フレーム２３を回動することで、ケーブル２５ａに吊り下げられている観測機器１６を海洋上に移動したら、作業者は、ウインチを操作してケーブル２５ａを繰り出すことで、観測機器１６を海中に投入することができる。
【００５１】
このように本実施例の観測用クレーンにあっては、第１門型フレーム２１の基端部を観測船１１の観測室１３に第１水平軸３２ａ，３２ｂをもって回動自在に支持し、第１油圧シリンダ２２ａ，２２ｂにより回動可能とし、第２門型フレーム２３の基端部を第１門型フレーム２１の先端部に第２水平軸３４ａ，３４ｂをもって回動自在に支持し、第２油圧シリンダ２４ａ，２４ｂにより回動可能とし、一端部がウインチに巻き取られたケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃを第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３の長手方向に沿って付設し、他端部を第２門型フレーム２３の先端部から垂下して観測機器１６を吊り下げ可能としている。
【００５２】
従って、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃが第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３の長手方向に沿って付設されていることで、第１門型フレーム２１や第２門型フレーム２３を回動しても、このケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃがその長手方向にほとんど移動することはなく、各門型フレーム２１，２３の起倒に応じた観測機器１６の吊り索の自由長の変動を抑制することができ、その結果、作業性の向上を図ることができる。
【００５３】
また、本実施例の観測用クレーンでは、第１門型フレーム２１の基端部側に設けられる第１シーブ５１ａ，５１ｂ，５１ｃと、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との連結部側に設けられる第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃと、第２門型フレーム２３の先端部側に設けられる第３シーブ５７ａ，５７ｂ，５７ｃとを設け、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃを第１シーブ５１ａ，５１ｂ，５１ｃから第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃを介して第３シーブ５７ａ，５７ｂ，５７ｃに案内している。従って、第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３の端部に各シーブ５１ａ，５１ｂ，５１ｃ，５４ａ，５４ｂ，５４ｃ，５７ａ，５７ｂ，５７ｃを装着してケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃを支持することで、このケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃを第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３の長手方向に沿って容易に付設することができる。
【００５４】
また、本実施例の観測用クレーンでは、第１シーブ５１ａ，５１ｂ，５１ｃと第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃと第３シーブ５７ａ，５７ｂ，５７ｃを、第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３における幅方向の中間部に直線状をなして配列している。従って、各シーブ５１ａ，５１ｂ，５１ｃ，５４ａ，５４ｂ，５４ｃ，５７ａ，５７ｂ，５７ｃを各門型フレーム２１，２３における幅方向の中間部に設けることで、同じ位置でケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃを配索することとなり、各門型フレーム２１，２３の脚部２１ａ，２１ｂ，２３ａ，２３ｂのない広いスペースで、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃに対する観測機器１６の着脱作業を行うことができ、作業性や安全性を向上することができる。
【００５５】
また、本実施例の観測用クレーンでは、第２門型フレーム２３を第１門型フレーム２１に対して第２水平軸３４ａ，３４ｂにより海洋側に折れ曲がり可能とし、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃを第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との連結部における折れ曲がり側に設けている。従って、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの配索構造の簡素化を可能とすることができる。
【００５６】
また、本実施例の観測用クレーンでは、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との回動支点Ｏ１を、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃの回転中心Ｏ２と、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃにおけるケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃの案内経路Ｒ１との間に設定している。従って、第１門型フレーム２１や第２門型フレーム２３が回動しても、その回動に伴ってケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃがその長手方向にほとんど移動することはなく、各門型フレーム２１，２３の起倒に応じた観測機器１６の吊り索の自由長の変動を容易に抑制することができる。
【００５７】
また、本実施例の観測用クレーンでは、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３との回動支点Ｏ１を、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃの回転中心Ｏ２とほぼ同位置に設定している。従って、各門型フレーム２１，２３の起倒に応じた観測機器１６の吊り索の自由長の変動を抑制することができると共に、構造の複雑化を抑制することができる。この場合、第１門型フレーム２１と第２門型フレーム２３を連結する第２水平軸３４ａ，３４ｂと、第２シーブ５４ａ，５４ｂ，５４ｃを支持する回転軸５６ａ，５６ｂ，５６ｃを同軸とすると、更なる構造の簡素化を可能とすることができる。
【００５８】
また、本実施例の観測用クレーンでは、ケーブル２５ａ，２５ｂ，２５ｃを、第１門型フレーム２１及び第２門型フレーム２３における幅方向の中間部に複数設けている。従って、異なる種類の観測機器１６を海洋に対して効率良く投入することができ、作業性を向上することができる。
【００５９】
なお、上述した実施例では、観測用クレーン１４を観測船１１の右舷に設けたが、この設置場所は右舷に限定されるものではなく、左舷や船尾であってもよい。
【００６０】
また、一組のシーブを３つから構成したが、４つ以上としてもよい。また、ケーブルを３本配索したが、２本以下でも、４本以上でもよい。
【産業上の利用可能性】
【００６１】
本発明に係る観測用クレーンは、第１門型フレーム及び第２門型フレームの長手方向に沿ってケーブルを付設することで、フレームの起倒に応じた観測機器の吊り索の自由長の変動を抑制することで作業性の向上を図るものであり、いずれの観測用クレーンにも適用することができる。
【符号の説明】
【００６２】
１１ 観測船（船舶）
１２ 作業甲板
１３ 観測室
１４ 観測用クレーン
２１ 第１門型フレーム
２２ａ，２２ｂ 第１油圧シリンダ（第１駆動装置）
２３ 第２門型フレーム
２４ａ，２４ｂ 第２油圧シリンダ（第２駆動装置）
２５ａ，２５ｂ，２５ｃ ケーブル（索）
３２ａ，３２ｂ 第１水平軸
３４ａ，３４ｂ 第２水平軸
５１ａ，５１ｂ，５１ｃ 第１シーブ
５４ａ，５４ｂ，５４ｃ 第２シーブ
５７ａ，５７ｂ，５７ｃ 第３シーブ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
基端部が船舶上に第１水平軸をもって回動自在に支持される第１門型フレームと、
該第１門型フレームを回動可能とする第１駆動装置と、
基端部が前記第１門型フレームの先端部に第２水平軸をもって回動自在に支持される第２門型フレームと、
該第２門型フレームを回動可能とする第２駆動装置と、
前記第１門型フレーム及び前記第２門型フレームの長手方向に沿って付設されると共に一端部が船舶上に設置されるウインチに巻き取られて他端部が前記第２門型フレームの先端部から垂下して観測機器を吊り下げ可能なケーブルと、
を備えることを特徴とする観測用クレーン。
【請求項２】
前記第１門型フレームの基端部側に設けられる第１シーブと、前記第１門型フレームと前記第２門型フレームとの連結部側に設けられる第２シーブと、前記第２門型フレームの先端部側に設けられる第３シーブとが設けられ、前記ケーブルは、前記第１シーブから前記第２シーブを介して前記第３シーブに案内されることを特徴とする請求項１に記載の観測用クレーン。
【請求項３】
前記第１シーブと前記第２シーブと前記第３シーブは、前記第１門型フレーム及び前記第２門型フレームにおける幅方向の中間部に直線状をなして配列されることを特徴とする請求項２に記載の観測用クレーン。
【請求項４】
前記第２門型フレームは、前記第１門型フレームに対して前記第２水平軸により海洋側に折れ曲がり可能であり、前記第２シーブは、前記第１門型フレームと前記第２門型フレームとの連結部における折れ曲がる内側に設けられることを特徴とする請求項２または３に記載の観測用クレーン。
【請求項５】
前記第１門型フレームと前記第２門型フレームとの回動支点は、前記第２シーブの回転中心と、前記第２シーブにおける前記ケーブルの案内経路との間に設定されることを特徴とする請求項２から４のいずれか一つに記載の観測用クレーン。
【請求項６】
前記第１門型フレームと前記第２門型フレームとの回動支点は、前記第２シーブの回転中心とほぼ同位置に設定されることを特徴とする請求項５に記載の観測用クレーン。
【請求項７】
前記ケーブルは、前記第１門型フレーム及び前記第２門型フレームにおける幅方向の中間部に複数設けられることを特徴とする請求項１から６のいずれか一つに記載の観測用クレーン。
【請求項１】
基端部が船舶上に第１水平軸をもって回動自在に支持される第１門型フレームと、
該第１門型フレームを回動可能とする第１駆動装置と、
基端部が前記第１門型フレームの先端部に第２水平軸をもって回動自在に支持される第２門型フレームと、
該第２門型フレームを回動可能とする第２駆動装置と、
前記第１門型フレーム及び前記第２門型フレームの長手方向に沿って付設されると共に一端部が船舶上に設置されるウインチに巻き取られて他端部が前記第２門型フレームの先端部から垂下して観測機器を吊り下げ可能なケーブルと、
を備えることを特徴とする観測用クレーン。
【請求項２】
前記第１門型フレームの基端部側に設けられる第１シーブと、前記第１門型フレームと前記第２門型フレームとの連結部側に設けられる第２シーブと、前記第２門型フレームの先端部側に設けられる第３シーブとが設けられ、前記ケーブルは、前記第１シーブから前記第２シーブを介して前記第３シーブに案内されることを特徴とする請求項１に記載の観測用クレーン。
【請求項３】
前記第１シーブと前記第２シーブと前記第３シーブは、前記第１門型フレーム及び前記第２門型フレームにおける幅方向の中間部に直線状をなして配列されることを特徴とする請求項２に記載の観測用クレーン。
【請求項４】
前記第２門型フレームは、前記第１門型フレームに対して前記第２水平軸により海洋側に折れ曲がり可能であり、前記第２シーブは、前記第１門型フレームと前記第２門型フレームとの連結部における折れ曲がる内側に設けられることを特徴とする請求項２または３に記載の観測用クレーン。
【請求項５】
前記第１門型フレームと前記第２門型フレームとの回動支点は、前記第２シーブの回転中心と、前記第２シーブにおける前記ケーブルの案内経路との間に設定されることを特徴とする請求項２から４のいずれか一つに記載の観測用クレーン。
【請求項６】
前記第１門型フレームと前記第２門型フレームとの回動支点は、前記第２シーブの回転中心とほぼ同位置に設定されることを特徴とする請求項５に記載の観測用クレーン。
【請求項７】
前記ケーブルは、前記第１門型フレーム及び前記第２門型フレームにおける幅方向の中間部に複数設けられることを特徴とする請求項１から６のいずれか一つに記載の観測用クレーン。
【図１】
【図２】
【図３−１】
【図３−２】
【図４】
【図２】
【図３−１】
【図３−２】
【図４】
【公開番号】特開２０１２−４５９８８（Ｐ２０１２−４５９８８Ａ）
【公開日】平成２４年３月８日（２０１２．３．８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１８７６５３（Ｐ２０１０−１８７６５３）
【出願日】平成２２年８月２４日（２０１０．８．２４）
【出願人】（０００００６２０８）三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】（３０４０３９０６５）カヤバ システム マシナリー株式会社 (185)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年３月８日（２０１２．３．８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年８月２４日（２０１０．８．２４）
【出願人】（０００００６２０８）三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】（３０４０３９０６５）カヤバ システム マシナリー株式会社 (185)
【Ｆターム（参考）】
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