説明

角度検出器

【課題】 顧客サイドでの部品組み付け工程を簡素化することが可能な角度検出器を提供する。
【解決手段】 磁性部材Hと、この磁性部材Hとともに回動する第1の歯車3jを有し操作グリップ2の操作量に応じて磁性部材H及び第1の歯車3jを回動させる第1の回動部材3と、磁性部材Hの回動動作に伴う磁界強度の変化を検出する磁気検出手段6と、第1の歯車3jに連結される第2の歯車8cを有し第1の回動部材3の回動中心軸R1とは異なる他の回動中心軸R2を中心として回動する第2の回動部材8と、磁性部材Hと第1,第2の回動部材3,8と磁気検出手段6とを収納する枠体9と、一方の端部12aが第2の回動部材8に固定されるとともに他方の端部12bが枠体9に固定され、操作グリップ2を初期位置に付勢する弾性部材12と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二輪車や自動車を代表とする各種車両に搭載される被操作部材の操作位置(回動角)を検出手段にて検出する角度検出器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の角度検出器にあっては、例えば下記特許文献1に記載されているものが知られている。この特許文献1に記載の角度検出器は、操作グリップ(被操作部材)の回動操作に同期して回動する第1ギヤを前記操作グリップに連結される操作棒に配設するとともに、前記第1ギヤと噛み合う第2ギヤを有する回動軸を前記操作棒の回動中心軸とは異なる他の回動中心軸上に配設し、前記回動軸にポテンショメータを連結し、前記操作グリップの回動操作力が前記第1,第2ギヤを介して前記回動軸並びに前記ポテンショメータに伝達されることで、前記操作グリップの回動操作量に応じた出力電圧を前記ポテンショメータにより発生させ、この出力電圧に基づいて車両の走行速度が決定されるものである。なお、この場合、前記操作グリップを初期位置に付勢するコイルスプリングが、前記操作棒を取り巻くように、その一端が前記第1ギヤと前記第2ギヤを有する前記回動軸と前記ポテンショメータとからなる駆動機構を収納する枠体に固定され、他端が前記操作棒に固定されている。
【特許文献1】実用新案登録第2517442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1に記載の角度検出器の場合、前記操作グリップを初期位置に付勢するためのコイルスプリングと、前記駆動機構を収納する前記枠体(この場合、上下に分割された上側枠体及び下側枠体)とを、それぞれ別部品として顧客に供給し、顧客サイドにて前記コイルスプリングを前記枠体及び前記操作棒に固定した後、前記上側枠体及び前記下側枠体で前記操作グリップを挟み付けるように前記両枠体を前記コイルスプリング付き前記操作グリップに固定してから、最終完成品をユーザーに提供する必要があることから、この顧客サイドでの部品組み付け工程を簡素化することが望まれていた。
そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、顧客サイドでの部品組み付け工程を簡素化することが可能な角度検出器の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、被操作部材の操作量に応じて回動する第1の駆動部を有する磁性部材と、この磁性部材の回動動作に伴う磁界強度の変化を検出する磁気検出手段と、前記第1の駆動部に連結される第2の駆動部を有し前記磁性部材の回動中心軸とは異なる他の回動中心軸を中心として回動する回動部材と、前記磁性部材と前記磁気検出手段と前記回動部材とを収納する空洞部を有する枠体と、一方の端部が前記回動部材に固定されるとともに他方の端部が前記枠体に固定され、前記被操作部材を初期位置に付勢する弾性部材と、を備えてなることを特徴とする。
【0005】
また本発明は、磁性部材と、この磁性部材とともに回動する第1の駆動部を有し被操作部材の操作量に応じて前記磁性部材及び前記第1の駆動部を回動させる第1の回動部材と、前記磁性部材の回動動作に伴う磁界強度の変化を検出する磁気検出手段と、前記第1の駆動部に連結される第2の駆動部を有し前記第1の回動部材の回動中心軸とは異なる他の回動中心軸を中心として回動する第2の回動部材と、前記磁性部材と前記第1,第2の回動部材と前記磁気検出手段とを収納する空洞部を有する枠体と、一方の端部が前記第2の回動部材に固定されるとともに他方の端部が前記枠体に固定され、前記被操作部材を初期位置に付勢する弾性部材と、を備えてなることを特徴とする。
【0006】
また本発明は、摺動接点が摺動する抵抗体とこの抵抗体とともに回動する第1の駆動部とを有し、被操作部材の操作量に応じて前記抵抗体及び前記第1の駆動部を回動させる第1の回動部材と、前記第1の駆動部に連結される第2の駆動部を有し、前記第1の回動部材の回動中心軸とは異なる他の回動中心軸を中心として回動する第2の回動部材と、前記第1,第2の回動部材を収納する空洞部を有する枠体と、一方の端部が前記第2の回動部材に固定されるとともに他方の端部が前記枠体に固定され、前記被操作部材を初期位置に付勢する弾性部材と、を備えてなることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、前記磁性部材は、磁石からなることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記磁性部材は、一対の磁性体と、この一対の磁性体間に配設される一対のスペーサ部材とからなることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記磁気検出手段が、前記一対の磁性体と前記一対のスペーサ部材とで形成される閉磁気回路の内部に配設されてなることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記枠体は、前記空洞部に連通する貫通部と、この貫通部を覆うように配設されるカバー部材とを備え、前記カバー部材によって前記弾性部材の弾性力を調整可能としたことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記カバー部材と前記枠体のうちどちらか一方の所定箇所に位置決め部を形成するとともに、他方に前記位置決め部が位置決めされる少なくとも2つの被位置決め部を形成し、前記位置決め部と前記被位置決め部とが熱溶着もしくは接着剤によって固定されてなることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記カバー部材と前記枠体のうちどちらか一方の所定箇所に係止部を有する弾性片を少なくとも2つ形成するとともに、他方に前記各係止部が係止される被係止部を形成してなることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記枠体の所定箇所にネジが螺合する螺合部を形成するとともに、前記カバー部材に前記螺合部に連通する孔部を形成し、前記孔部を貫通する前記ネジを前記螺合部に螺合させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、初期の目的を達成でき、顧客サイドでの部品組み付け工程を簡素化することが可能な角度検出器を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1実施形態)以下、添付図面に基づいて本発明の第1実施形態を説明する。図1〜図3はそれぞれ本発明の第1実施形態を示すもので、以下、これらに基づいて本発明の第1実施形態を例えば二輪車に搭載されるハンドルバーに回動可能に設けられた操作グリップの操作量(回動角)を検出する角度検出器に適用した場合について説明する。
【0016】
図1,図2において、本実施形態による角度検出器Aは、二輪車に搭載されるアルミニウムや鉄等からなる筒状のハンドルバー1に回動可能に取り付けられた操作グリップ(被操作部材)2と、この操作グリップ2の回動操作に同期して回動する後述する第1の歯車を有する第1の回動部材3と、この第1の回動部材3を狭持する一対の磁性体(ヨーク)4と、第1の回動部材3の後述する2つの貫通孔部に各々埋設され一対の磁性体4とで閉磁気回路を形成する一対の磁石(スペーサ部材)5と、前記閉磁気回路の内部に配設され前記閉磁気回路の内部に生じる漏洩磁界を検出するための磁気検出手段6と、この磁気検出手段6の搭載された回路基板7と、前記第1の歯車と噛み合う後述する第2の歯車を有し第1の回動部材3の回動に伴い回動する第2の回動部材8と、各回動部材3,8や磁性体4、磁石5等を収納する枠体9とから主に構成されている。
【0017】
操作グリップ2は、ポリアセタール等の合成樹脂材料からなり、図2中、右方に位置する二輪車のハンドルバー1の外周部を覆うように取り付けられ、枠体9の後述する空間領域内に収納される第1の鍔部2aと、この第1の鍔部2aの右方において第1の鍔部2aとは所定間隔隔てて並設される第2の鍔部2bとを備え、第2の鍔部2bは、枠体9と後述するラバーグリップ10との間に介在する構成となっている。そして、本実施形態では、第1の鍔部2aの外周部2cの所要部が、第1の回動部材3の後述する環状溝部と嵌め合わされることで、操作グリップ2の操作量(回動操作)に応じて第1の回動部材3が回動する構成となっている。ここで、前記所要部とは、図1中、点線T1で示す外周部2c部分のことを指す。従って、第1の鍔部2aにおける外周部2cの前記所要部は、操作グリップ2の回動操作力を第1の回動部材3に伝達するための回転(回動)伝達部としての機能を有している。
【0018】
なお、2d,2eは、第1の鍔部2aの外周部2cから外側に向けて、相対する方向に突出形成された一対のフランジであり、このうち、図1中、上方に位置するフランジ2dの一方の側面には、操作グリップ2が初期位置に戻った際(つまり、操作グリップ2の回動操作が解除された際)に、枠体9の後述する上側枠体の回動規制部と当接する傾斜面からなる当接面2fが形成されている。また、この場合、一対のフランジ2d,2eは、第1の回動部材3の両端部を支持する支持部材としての機能を有している。
【0019】
また、図2中、鍔部2aの右方には、操作グリップ2の外周部を覆うようにゴム材からなるラバーグリップ10が取り付けられ、このラバーグリップ10は、二輪車を運転する運転者が把持し得る把持部10aを備えている。従って、前記運転者が把持部10aを把持して、把持部10aを回動操作すると、この回動操作力はラバーグリップ10を介して操作グリップ2に伝わり、これにより操作グリップ2の鍔部2aにおける外周部2bの前記所要箇所には、第1の回動部材3を回動させるための回動力が作用するようになっている。
【0020】
第1の回動部材3は、合成樹脂材料からなり、操作グリップ2の前記所要部を覆うように略半円環板状に形成される。かかる第1の回動部材3は、第1の回動部材3の基部となる半円環形状のベース部3aの両端部側面中央から外方に突出し、且つベース部3aよりも肉薄の一対のフランジ部3bを備えている。各フランジ部3bには、その表裏面に磁性体4の一方の端部を各々載置すべく切り欠き形成された第1,第2の載置部3c,3dと、各載置部3c,3d間において各磁石5を配設(埋設)すべく形成された円形の貫通孔部3eとが形成されている。
【0021】
なお、3fは、操作グリップ2における外周部2cの前記所要部と嵌合する略凹部形状からなる環状溝部であり、かかる環状溝部3fは、この場合、ベース部3aの内壁面だけではなく、各フランジ部3bの内壁面にも連続形成されている。さらに、本実施形態では、操作グリップ2側であって、ベース部3aの長手方向に沿い延びる一側面3gには、ベース部3aの外形形状に対応するように略半円環板状の延長部3hが連続形成されており、この延長部3hの外周側(各載置部3c,3d側)には、適宜数の連続歯が形成されたギヤ等からなり、第2の回動部材8の前記第2の歯車と噛み合う第1の歯車(第1の駆動部)3jが形成されている。
【0022】
かかる第1の回動部材3は、各貫通孔部3eに埋設される各磁石5の磁気的結合力により各磁性体4を保持するものである。このことは、言い換えると、第1の回動部材3が、各磁性体4及び各磁石5を保持することが可能な保持体(ホルダ)であることを意味している。
【0023】
なお、各貫通孔部3eに隣接する各載置部3c,3d表裏面には、各磁性体4に設けた孔(図示せず)に対応する位置に溶着ピン(図示せず)が各々突出形成されており、前記各溶着ピンを前記各孔に貫通させ、前記各孔から突出する前記各溶着ピンの貫通端部をそれぞれ熱溶着することで、第1の回動部材3と各磁性体4とが固着されるため、操作グリップ2の回動操作に応じて、第1の回動部材3と各磁性体4、並びに各磁性体4を磁気結合してなる磁石5が全て同時に回動することになる。
【0024】
磁性体4は、略半円環板状からなる第1の磁性体4aと、この第1の磁性体4aと同一形状、同一板厚であって、第1の磁性体4aとは所定の一定間隔を有して対向するように配設される第2の磁性体4bとからなる。各磁性体4a,4bは、ともに鉄等の金属材からなり、打ち抜き加工等により形成され、各磁性体4a,4bにおける前記一方の端面は、切り欠き形成された段部からなる第1の回動部材3の第1の載置部3c上にそれぞれ載置されるとともに、各磁性体4a,4bにおける前記他方の端部は同様に切り欠き形成された段部からなる第1の回動部材3の第2の載置部3d上にそれぞれ載置されている。
【0025】
磁石5は、略円板状(略円柱形状)に成形された第1の磁石5aと、この第1の磁石5と同一形状、同一板厚の第2の磁石5bとからなり、各磁石5a,5bは第1の回動部材3の貫通孔部3eにそれぞれ埋設され、その磁力(前記磁気的結合力)によって各磁性体4a,4bを磁気的に結合保持してなるものであり、各磁石5a,5bと各磁性体4a,4bとで磁性部材(磁気ヘッド)Hを構成している。この場合、各磁石5a,5bは、例えばサマリウム−コバルト等の磁性材料からなり、対向配置される各磁性体4a,4bにおける両端部の間においてN極、S極が互いに反対向きをなすように着磁されているため、各磁性体4a,4bと各磁石5a,5bとにより閉磁気回路が形成されることになる。
【0026】
具体的には、図3に示すように第1の磁石5aは、第1の磁性体4a側がN極、第2の磁性体4b側がS極となるように着磁され、これとは逆に、第2の磁石5bは、第2の磁性体4b側がN極、第1の磁性体4a側がS極となるように着磁されており、各磁石5a,5bの発する磁場が、各磁性体4a,4bに各々誘導されることで、図3中、矢印で示す方向には各磁性体4a,4bと各磁石5a,5bとで略ループ状の閉磁気回路Mが形成されるようになっている。
【0027】
なお、各磁石5a,5bの形状は、円柱形状に限らず、任意の形状を採用することができ、例えば略四角柱形状(略直方体形状)や円筒形状としてもよい。この場合、各磁石5a,5bを埋設する各貫通孔部3eの形状も、各磁石5a,5bの外形形状に対応して設ける必要がある。
【0028】
磁気検出手段6は、ホールIC,MR素子(半導体磁気抵抗素子)等の検出素子からなり、各磁性体4a,4b間に位置しており、各磁性体4a,4b並びにこれを磁気結合してなる各磁石5a,5bの移動(回動)に伴う前記漏洩磁界の変化を電気信号に変換し、かかる電気信号を後述する電気コードを通じて外部に出力するものである。なお、本実施形態の場合、磁気検出手段6は、各磁石5a,5bの回動軌道上に配設されているものの、回動する各磁石5a,5bとは常時、当接(接触)しないようになっている。
【0029】
回路基板7は、ガラスエポキシ等の絶縁材料からなる略矩形状の基板に所定の配線パターンが形成されており、磁性体4と枠体9の後述する下側枠体との間に配設され、磁気検出手段6及びコンデンサ等からなる図示しない電子部品等が半田等により電気的に固定されている。かかる回路基板7には、磁気検出手段6からの前記電気信号を図示しない外部制御部であるエンジンコントロールユニットに伝達するための複数の電気コード11が備えられ、各電気コード11は、回路基板7の所定箇所に半田により電気的に接続され、前記エンジンコントロールユニットと接続される。
【0030】
そして、本実施形態の場合、回路基板7並びに磁気検出手段6は、図示しないハウジング内に収納された後、前記ハウジング内にエポキシ樹脂等からなる図示しない封止部材を充填することで配設固定される。また、前記ハウジングは、枠体9の前記下側枠体と熱溶着等により固着されている。
【0031】
第2の回動部材8は、合成樹脂材料からなり、断面略凸形状に形成され、略円板状の底部8aと、この底部8aの略中央部から前方に突出する略円柱形状の突出部8bとを備え、底部8aの外周部には、適宜数の連続歯が形成されたギヤ等からなり、第1の回動部材3の第1の歯車3jと並設された状態で第1の歯車3jと噛み合う第2の歯車(第2の駆動部)8cが形成されている。
【0032】
また、8dは、突出部8bの形成される方向とは反対側となる底部8a背面の略中央部に形成された凸形状からなる第1の突起部であり、8eは、突出部8b前面の略中央部に形成された凸形状からなる第2の突起部であり、各突起部8d,8eが、枠体9の前記下側枠体に開口形成される後述する第1,第2の位置決め孔にそれぞれ位置決めされることで、第2の回動部材8が枠体9に対して回動可能に保持されるようになっている。この際、第2の回動部材8は、その長手方向(突出部8bの突出方向)が操作グリップ2(ハンドルバー1)の長手方向(回動中心軸R1)に対して略平行となるように枠体9に配設される。
【0033】
なお、12は、突出部8bを取り囲むように配設される金属製のコイルスプリング等からなる弾性部材であり、この弾性部材12は、底部8a側に延びる一方の端部12aが底部8aに設けられた略円形の貫通孔8fと、この貫通孔8fに連通するように枠体9の前記下側枠体に開口形成される後述する第1の孔部とを貫通し、前記下側枠体に位置決めされる。一方、第2の突起部8eの突出方向に延びる弾性部材12の他方の端部12bは、枠体9の前記下側枠体に開口形成される後述する第2の孔部を貫通し、一方の端部12aと同様に前記下側枠体に位置決めされる。
【0034】
枠体9は、アルミニウム等の非磁性金属材料をはじめとする各種金属材料もしくは合成樹脂材料からなる上側枠体9aと下側枠体9bとに分割形成され、上側枠体9aと下側枠体9bとの間に形成される空間領域は、第1の回動部材3,磁性体4,磁石5,磁気検出手段6,回路基板7並びに第2の回動部材8の各部材を収納する空洞部を形成している。上側枠体9aは、所定間隔を隔てて対向配置される一対の半円状平板部9c,9dと、各半円状平板部9c,9dの曲面側開口を塞ぐ曲面壁部9eとから主に構成されている。なお、9fは、操作グリップ2の回動操作解除時に操作グリップ2に設けた当接面2fが当接することで、操作グリップ2の回動を規制する回動規制部であり、この回動規制部9fは、曲面壁部9eに一体的に形成されている。
【0035】
一方、下側枠体9bは、所定間隔を隔てて対向配置される一対の略矩形状からなる第1,第2の平板部9g,9hと、ハンドルバー1側となる各平板部9g,9hの上部側開口を除いた他の開口である下部側開口及び一対の側部側開口を塞ぐ略「コ」字形状の壁部9iとから主に構成されている。
【0036】
この場合、第1の平板部9gには、第2の回動部材8の第1の突起部8dを位置決め固定するための第1の位置決め孔9jと、弾性部材12の一方の端部12aを位置決め固定するための第1の孔部9kとが形成され、同様に第2の平板部9hには、第2の回動部材8の第2の突起部8eを位置決め固定するための第2の位置決め孔9mと、弾性部材12の他方の端部12bを位置決め固定するための第2の孔部9nとが形成されている。なお、上側枠体9a,下側9bは、非磁性金属材料からなる図示しないボルト等の適宜固定手段によって固定される。以上の各部により、角度検出器Aが構成される。
【0037】
かかる実施形態によれば、操作グリップ2の回動操作に応じて、第1の回動部材3と各磁性体4と各磁石5とが、各枠体9a,9bとハンドルバー1とにより形成される空洞領域(前記空洞部)を操作グリップ2(ハンドルバー1)の回動中心軸R1を中心として所定角度回動できるようになっている。従って、磁性体4と磁石5とで形成される閉磁気回路Mが移動するので、閉磁気回路M内部に生じる前記漏洩磁界の変化(出力電圧の変化)を磁気検出手段6で検出できる。すなわち、磁気検出手段6から出力される前記出力電圧により操作グリップ2の操作位置(回動角)を検出できる。
【0038】
さらに、本実施形態によれば、第1の回動部材3に一体形成され、回動中心軸R1を中心として回動する延長部3hの外周部には、第2の回動部材8の第2の歯車8cと並設された状態で第2の歯車8cと連結噛合される第1の歯車3jが形成されているため、第1の回動部材3の回動に従い回動する第2の回動部材8(第2の歯車8c)は、操作グリップ2の回動中心軸R1とは異なる他の回動中心軸R2を中心として所定角度回動できるようになっている。従って、第2の回動部材8と枠体9とで固定された弾性部材12には、前記運転者による操作グリップ2(第1,第2の回動部材3,8)の所定角度の回動に応じて、操作グリップ2を前記初期位置に付勢する抵抗力(弾性力)が作用する構成となっている。なお、弾性部材12は、操作グリップ2を前記初期位置に付勢できるものであれば、コイルスプリング以外のあらゆる形式の弾性部材を適用することが可能である。
【0039】
以上のように本実施形態では、一対の磁性体4間に一対の磁石5を配設し、一対の磁性体4と一対の磁石5とで閉磁気回路Mを形成してなる磁性部材Hとこの磁性部材Hとともに回動する第1の歯車3jとを有し、操作グリップ2の操作量に応じて磁性部材H及び第1の歯車3jを回動中心軸R1を中心として回動させる第1の回動部材3と、第1の回動部材3の回動に伴い閉磁気回路Mの内部に生じる前記漏洩磁界の変化を検出する磁気検出手段6と、第1の歯車3jに連結される第2の歯車8cを有し、回動中心軸R1とは異なる他の回動中心軸R2を中心として回動する第2の回動部材8と、第1,第2の回動部材3,8及び磁気検出手段6を収納する枠体9と、一方の端部12aが第2の回動部材8に固定されるとともに他方の端部12bが枠体9に固定され、操作グリップ2を前記初期位置に付勢する弾性部材12と、を備えてなるものである。従って、各回動部材3,8、磁性部材H、磁気検出手段6や電気コード11等の搭載された回路基板7、並びに弾性部材12からなる各部が、上側枠体9aと下側枠体9bとの内部に予め収納された状態で、顧客に供給されることになるため、従来のように顧客サイドにおける弾性部材の操作グリップへの組み付け工程(弾性部材の一端を操作グリップの操作棒に固定して、他方を枠体に固定する工程)が不要となり、顧客サイドでの部品組み付け工程を簡素化することができる。
【0040】
また本実施形態では、閉磁気回路M(つまり、磁性部材H)を形成するにあたり、一対の磁性体4としてヨークを採用し、一対のスペーサ部材5として磁石を採用した場合について説明したが、例えば一対の磁性体4を磁石により構成し、一対のスペーサ部材5を鉄等の金属材料もしくは合成樹脂材料により構成し、このように前記磁石からなる一対の磁性体4と前記金属材料(前記合成樹脂材料)からなる一対のスペーサ部材5とで閉磁気回路Mを形成してもよい。
【0041】
(第2実施形態)次に、本発明の第2実施形態を図4,図5に基づいて説明するが、前述した第1実施形態と同一もしくは相当個所には同一の符号を用いてその詳細な説明は省略する。本第2実施形態が前記第1実施形態と比べて異なる点は、枠体9における下側枠体9bの第2の平板部9hにおいて、弾性部材(コイルスプリング)12に対応する位置に弾性部材12の外形形状よりも若干、大き目の略円形の貫通孔からなる貫通部20を形成し、この貫通部20に連通する空間部21aを有する筒状部21を貫通部20を取り巻くように第2の平板部9hに一体形成し、且つ貫通部20と対向する筒状部21の開口端部21bに略円板状の蓋体からなるカバー部材22を装着した点である。
【0042】
筒状部21は、図4,図5に示すようにその内部に第2の回動部材8の突起部8bとこの突起部8bを取り巻く弾性部材12とを挿通させる挿通部からなる空間部21aと、この空間部21aにおける貫通部20とは反対側に開口形成された開口端部21bとを備えている。この開口端部21b側となる筒状部21の先端部21cには、カバー部材22の後述する一対の位置決め部をそれぞれ固着するための切り欠き形成された溝部等からなる被位置決め部21dが設けられており、本実施形態の場合、被位置決め部21dは、筒状部21の先端部21cに沿うように等間隔に4個形成されている。なお、貫通部20は、筒状部21の空間部21aだけではなく、枠体9の前記空洞部にも連通している。
【0043】
カバー部材22は、例えば合成樹脂材料からなり、略円板形状からなる基部22aと、この基部22aの外周面から外側に向けて相対する方向に突出形成された凸部等からなる一対の位置決め部22bとを有している。なお、22cは、カバー部材22の略中央部に形成され、第2の突起部8eを位置決め固定するための位置決め孔(第2の位置決め孔)であり、22dは、弾性部材12の他方の端部12bを位置決め固定するための孔部(第2の孔部)である。なお、この場合、カバー部材22は枠体9の一構成部品であるものとする。
【0044】
以下、かかる構成における弾性部材12及びカバー部材22の筒状部21(枠体9)への組み付け例を説明する。まず、前記第1実施形態と同様に弾性部材12の一方の端部12aを第2の回動部材8の貫通孔8f及び枠体9における下側枠体9bの第1の孔部9kに貫通させることで、一方の端部12aが第2の回動部材8及び枠体9に位置決め固定される。次に、第2の突起部8eをカバー部材22の位置決め孔22cに嵌めこむとともに弾性部材12の他方の端部12bをカバー部材22の孔部22dに貫通させ、他方の端部12bがカバー部材22に位置決め固定された状態のまま、カバー部材22の一対の位置決め部22bを筒状部21の先端部21cに形成された2組の一対の被位置決め部21dのうち相対する方向に位置する一対の被位置決め部21eにそれぞれ嵌め合わせる。最後に、各位置決め部22bが各被位置決め部21eに各々凹凸嵌合された状態で、両者を熱溶着または接着剤等によって固定する。以上により、弾性部材12を位置決め固定してなるカバー部材22が枠体9に対して固着される。
【0045】
なお、このように弾性部材12の位置決め固定されたカバー部材22を枠体9に固着するにあたって、弾性部材12が操作グリップ2を前記初期位置に戻そうとするようなある程度の所定の抵抗力(弾性力)を有するように第2の回動部材8並びにカバー部材22を通じて枠体9に固定されていることは言うまでもない。
【0046】
また、弾性部材12の前記抵抗力をより高めたい場合には、弾性部材12の他方の端部12bを孔部22cに位置決め固定した状態で、カバー部材22を弾性部材12の前記抵抗力が高くなる方向に力を加えながら回動させて、カバー部材22の一対の位置決め部22bを、各被位置決め部21dのうち一対の被位置決め部21eではなく相対する方向に位置する他の一対の被位置決め部21fにそれぞれ嵌め合わせて、両者を熱溶着固定すればよい。
【0047】
従って、かかる第2実施形態によれば、前記運転者が操作グリップ2を前記初期位置から所定角度回動させると、この操作グリップ2の回動に同期して第1の回動部材3が回動するとともに、第1の回動部材3の第1の歯車3jと噛み合う第2の歯車8c(第2の回動部材8)も回動し、このように第2の歯車8cが回動することに伴い、第2の回動部材8と枠体9(カバー部材22)とに固定された弾性部材12には操作グリップ2を前記初期位置に戻そうとする前記抵抗力が作用する構成となる。
【0048】
この際、前記抵抗力は、カバー部材22の一対の位置決め部22bを、4個の各被位置決め部21dのうち前述したように一対の被位置決め部21eに固定させた場合と、この一対の被位置決め部21eとは異なる位置にある他の一対の被位置決め部21fに固定させた場合とで変化することになるから、操作グリップ2回動時における前記運転者の操作グリップ把持力を容易に調整することが可能となり、商品性の高い角度検出器を提供することができる。なお、被位置決め部21dの個数を4個より多くする、例えば8個にすれば、弾性部材12の前記抵抗力をより細かく調整(微調整)することができる。また、前記第1実施形態と同様に、各回動部材3,8、磁気ヘッドM、磁気検出手段6や電気コード11等の搭載された回路基板7に加えて弾性部材12が、上側枠体9aと下側枠体9bとカバー部材22の内部に予め収納でされた状態で、顧客に供給されることになるため、従来のように顧客サイドにおける弾性部材の操作グリップへの組み付け工程(弾性部材の一端を操作グリップの操作棒に固定して、他方を枠体に固定する工程)が不要となり、顧客サイドでの部品組み付け工程を簡素化することができる。
【0049】
また本第2実施形態では、枠体9における下側枠体9bの第2の平板部9hに弾性部材12を取り巻く筒状部21を一体形成するとともに、筒状部21の先端部21cに設けた被位置決め部21dに弾性部材12の前記弾性力を調整するための位置決め部22bを固定し、カバー部材22によって筒状部21の開口端部21bを塞いだ例について説明したが、筒状部21やカバー部材22の形状はあらゆる形状を採用することができ、例えば筒状部21に代えて弾性部材12を挿通させるようにくり抜かれた略四角柱形状等からなる角柱部材を採用し、且つカバー部材22の外形形状を前記角柱部材の外形形状と略同一の板状部材としてもよい。なお、この場合、第2の平板部9hに開口形成される貫通部20の形状、並びに前記角柱部材において貫通部20に連通し、弾性部材12を挿通させるためにくり抜かれる部分の形状は、カバー部材22側から見たときに弾性部材12を取り囲むような略円形状あるいは略四角形状等からなる貫通孔を採用することが可能である。また、必要に応じて筒状部21を廃止して、貫通部20の周囲に一対の位置決め部22bが位置決めされる溝部等からなる2組の一対の被位置決め部21dを設ける構成とし、弾性部材12の前記抵抗力を調整するようにしてもよい。
【0050】
また本第2実施形態では、弾性部材12の前記抵抗力を調整するにあたり、カバー部材22に一対の位置決め部22bを形成するとともに、枠体9に一対の位置決め部22bが位置決めされる2組の一対の被位置決め部21dを形成し、各位置決め部22bを所定の被位置決め部21dに固定した例について説明したが、例えば図6に示すように枠体9における筒状部21の先端部21cに相対する方向に位置する凸形状からなる一対の位置決め部23を形成するとともに、カバー部材22の外縁部に貫通孔等からなる4つのの被位置決め部24を等間隔に形成し、一対の位置決め部23を4つの被位置決め部24のうち相対する方向に位置する一対の被位置決め部24aに貫通させて、各被位置決め部24aから突出する各位置決め部23の突出端部と各被位置決め部24aとを熱溶着または接着剤にて固定することで弾性部材12の前記抵抗力を調整することも可能である。なお、前述した位置決め部22b,23の個数は1個でもよく、この場合、被位置決め部21d,24の個数は2個以上であればよい。
【0051】
また本第2実施形態では、弾性部材12の前記抵抗力を調整するにあたり、カバー部材22の基部22a外周部に設けた一対の位置決め部22bと、筒状部21の先端部21cに設けた2組の一対の被位置決め部21dのうち所定の一対の被位置決め部21dとが、熱溶着または接着剤からなる固定手段によって固定された場合について説明したが、弾性部材12の前記抵抗力が調整可能であれば位置決め部22bと被位置決め部21dとの固定手段は任意である。具体的には、一例として図7に示すように基部22a外周部における相対する箇所に、基部22a外周部から基部22aの板厚方向に延在するフック部からなる係止部25aを有する弾性片25をそれぞれ形成するとともに、筒状部21の外周壁に一対の係止部25aが係止される環状溝部等からなる被係止部26を形成し、各係止部25aを被係止部26の所定箇所に係止することで、弾性部材12の前記抵抗力を調整することも可能である。
【0052】
また、他の例として、図示は省略するが、筒状部21の先端部21cに沿ってネジが螺合する螺合部を例えば等間隔に4箇所設け、カバー部材22の外周部に前記ネジが貫通する一対の孔部を設け、カバー部材22の前記一対の孔部を4つの前記螺合部のうち一対の前記螺合部に連通させた状態で、前記ネジを前記一対の孔部にそれぞれ貫通させて、さらに前記一対の孔部から突出する前記ネジの端部を前記一対の螺合部にそれぞれ螺合させることで、弾性部材12の前記抵抗力を調整することも可能である。なお、この場合、カバー部材22に形成される前記孔部は2つではなく1つとしてもよい。なお、さらなる他の例として、図8に示すように筒状部21を廃止して、貫通部20の周囲において相対する箇所に、第2の平板部9hの前面からカバー部材22側に延在するフック部からなる係止部27aを有する弾性片27をそれぞれ形成し、被係止部28であるカバー部材22における基部22a外周部の所定箇所を第2の平板部9hと係止部27aとの間に係止する構成とすることで、弾性部材12の前記抵抗力を調整することも可能である。
【0053】
また前記各実施形態では、磁性部材Hが、一対のヨーク(磁性体)4と、一対の磁石5とで構成されている例について説明したが、例えばヨーク4の外形形状と略同一形状からなり、一方の端部がN極、他方の端部がS極に着磁された単一の磁石のみで磁性部材Hを構成し、第1の回動部材3の回動に同期して一方の載置部3c上に載置される前記単一の磁石を回動させ、前記単一の磁石の回動動作に伴う磁界強度の変化を磁気検出手段6にて検出し、磁気検出手段6からの出力される前記磁界強度により操作グリップ2の操作位置を検出することも可能である。さらに、この場合、前記単一の磁石と第1の回動部材3とを磁性材料からなる磁性部材として一体成形し、操作グリップ2の回動操作に同期して前記単一の磁石と第1の回動部材3とが一体成形された前記磁性部材を回動させ、さらにこの磁性部材に備えられる第1の駆動部3jの回動に伴い、第1の駆動部3jと連結される第2の駆動部8c(回動部材8)を回動駆動させる構成としてもよい。なお、各駆動部3j,8cは歯車に限らず、カム等により形成することも可能である。
【0054】
また前記各実施形態では、操作グリップ2の操作量を、互いに接触していない磁性部材Hと磁気検出手段6とを用いて検出する、所謂非接触式の角度検出器に適用した場合について説明したが、例えば磁性部材Hを廃止して、第1の回動部材3の所定箇所にカーボン等からなる抵抗体を略「コ」字形状に印刷形成し、前記抵抗体において互いに向かい合う前記抵抗体上に金属材料からなる一対の摺動接点をそれぞれ接触させ、第1の回動部材3の回動に応じて固定部材である前記摺動接点と接触しながら前記抵抗体が回動することで、電気抵抗値が変化し、前記電気抵抗値により操作グリップ2の回動角を検出する、所謂接触式の角度検出器にも適用することができる。
【0055】
なお前記各実施形態では、枠体9が上側枠体9aと下側枠体9bとに分割形成されている例について説明したが、例えば上側枠体9aの曲面壁部9eと下側枠体9bの壁部9iとが当接する複数の当接部分のうち、1つの当接部分(具体的には、図2中、操作グリップ2におけるフランジ2eの外周面付近に位置する1つの当接部分)が一体的に形成された枠体9を採用することも可能である。なお、この場合、前記1つの当接部分の外壁面にV字形状等からなる溝部を施すことで、前記1つの当接部分の肉厚を他の枠体9部分の肉厚よりも肉薄に形成する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1実施形態による角度検出器の概観図を示す図である。
【図2】図1中、B−B断面図である。
【図3】同実施形態による磁性部材を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態による角度検出器の概観図を示す図である。
【図5】同第2実施形態によるカバー部材と枠体の一部を示す斜視図である。
【図6】同第2実施形態によるカバー部材と枠体との固定状態を示す図である。
【図7】同第2実施形態によるカバー部材と枠体との他の固定状態を示す図である。
【図8】同第2実施形態によるカバー部材と枠体との他の固定状態を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
A 角度検出器
1 ハンドルバー
2 操作グリップ(被操作部材)
3 第1の回動部材
3j 第1の歯車(第1の駆動部)
4 磁性体
5 磁石
6 磁気検出手段
8 第2の回動部材
8c 第2の歯車(第2の駆動部)
9 枠体
9a 上側枠体
9b 下側枠体
12 弾性部材
12a 一方の端部
12b 他方の端部
H 磁性部材
M 閉磁気回路
R1,R2 回動中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被操作部材の操作量に応じて回動する第1の駆動部を有する磁性部材と、
この磁性部材の回動動作に伴う磁界強度の変化を検出する磁気検出手段と、
前記第1の駆動部に連結される第2の駆動部を有し前記磁性部材の回動中心軸とは異なる他の回動中心軸を中心として回動する回動部材と、
前記磁性部材と前記磁気検出手段と前記回動部材とを収納する空洞部を有する枠体と、
一方の端部が前記回動部材に固定されるとともに他方の端部が前記枠体に固定され、前記被操作部材を初期位置に付勢する弾性部材と、
を備えてなることを特徴とする角度検出器。
【請求項2】
磁性部材と、
この磁性部材とともに回動する第1の駆動部を有し被操作部材の操作量に応じて前記磁性部材及び前記第1の駆動部を回動させる第1の回動部材と、
前記磁性部材の回動動作に伴う磁界強度の変化を検出する磁気検出手段と、
前記第1の駆動部に連結される第2の駆動部を有し前記第1の回動部材の回動中心軸とは異なる他の回動中心軸を中心として回動する第2の回動部材と、
前記磁性部材と前記第1,第2の回動部材と前記磁気検出手段とを収納する空洞部を有する枠体と、
一方の端部が前記第2の回動部材に固定されるとともに他方の端部が前記枠体に固定され、前記被操作部材を初期位置に付勢する弾性部材と、
を備えてなることを特徴とする角度検出器。
【請求項3】
摺動接点が摺動する抵抗体とこの抵抗体とともに回動する第1の駆動部とを有し、被操作部材の操作量に応じて前記抵抗体及び前記第1の駆動部を回動させる第1の回動部材と、
前記第1の駆動部に連結される第2の駆動部を有し、前記第1の回動部材の回動中心軸とは異なる他の回動中心軸を中心として回動する第2の回動部材と、
前記第1,第2の回動部材を収納する空洞部を有する枠体と、
一方の端部が前記第2の回動部材に固定されるとともに他方の端部が前記枠体に固定され、前記被操作部材を初期位置に付勢する弾性部材と、
を備えてなることを特徴とする角度検出器。
【請求項4】
前記磁性部材は、磁石からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の角度検出器。
【請求項5】
前記磁性部材は、一対の磁性体と、この一対の磁性体間に配設される一対のスペーサ部材とからなることを特徴とする請求項2記載の角度検出器。
【請求項6】
前記磁気検出手段が、前記一対の磁性体と前記一対のスペーサ部材とで形成される閉磁気回路の内部に配設されてなることを特徴とする請求項5記載の角度検出器。
【請求項7】
前記枠体は、前記空洞部に連通する貫通部と、この貫通部を覆うように配設されるカバー部材とを備え、前記カバー部材によって前記弾性部材の弾性力を調整可能としたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1つに記載の角度検出器。
【請求項8】
前記カバー部材と前記枠体のうちどちらか一方の所定箇所に位置決め部を形成するとともに、他方に前記位置決め部が位置決めされる少なくとも2つの被位置決め部を形成し、前記位置決め部と前記被位置決め部とが熱溶着もしくは接着剤によって固定されてなることを特徴とする請求項7記載の角度検出器。
【請求項9】
前記カバー部材と前記枠体のうちどちらか一方の所定箇所に係止部を有する弾性片を少なくとも2つ形成するとともに、他方に前記各係止部が係止される被係止部を形成してなることを特徴とする請求項7記載の角度検出器。
【請求項10】
前記枠体の所定箇所にネジが螺合する螺合部を形成するとともに、前記カバー部材に前記螺合部に連通する孔部を形成し、前記孔部を貫通する前記ネジを前記螺合部に螺合させたことを特徴とする請求項7記載の角度検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−248275(P2007−248275A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−72445(P2006−72445)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】