解除防止構造を備えた結合装置
【課題】1対の結合具の同心的な相互接近後のこれらの一方の周方向への相対回転により夫々の軸方向で相互離間方向に相互結合され結合解除にはこれら結合具の軸方向の相互接近後の他方の周方向へ相対回転させる結合装置における相互結合間の意図しない捩り力による上記相互結合の解除防止構造を備えた結合装置を提供することである。
【解決手段】相互が同構成で同心的な軸方向接近後の相互の一方の周方向回転により相互結合する1対の筒状結合具本体12と、夫々の結合具本体に収容されているライナー22と、を備え、さらに、結合具本体は、結合具本体の内周面とライナーの外周面とに保持された複数の球180により、ライナーに対して回動自在である。
【解決手段】相互が同構成で同心的な軸方向接近後の相互の一方の周方向回転により相互結合する1対の筒状結合具本体12と、夫々の結合具本体に収容されているライナー22と、を備え、さらに、結合具本体は、結合具本体の内周面とライナーの外周面とに保持された複数の球180により、ライナーに対して回動自在である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、解除防止装置を備えた結合装置に関係している。
【背景技術】
【0002】
相互に同じ構造を有していて、相互に同軸に配置した後に相互に接近させることのみで相互に結合される1対の結合具を備えている結合装置が、日本国特許第3107507号明細書により知られている。
【0003】
この特許に係わる結合装置の構造について、図15乃至図17を参照しながら詳細に説明する。図15には、相互に分離された状態の1対の結合具10a,10bの斜視図が示されている。図16には、図15の1対の結合具10a,10bの側面図が示されており、ここにおいて一方の結合具10bは縦断面にされている。
【0004】
1対の結合具10a,10bの夫々は、筒形状の結合具本体12を備えている。結合具本体12の一端面には、周方向に相互に等間隔に離間した複数の位置に複数の突部14が形成されている。複数の突部14の夫々は、結合具本体12の長手方向中心線の延出方向と同じ方向で外方に向い突出している。
【0005】
複数の突部14の夫々において一方の周方向を向いた側面14aは、上記長手方向中心線の延出方向と同じ方向に延出している。一方の側面14aには、夫々の突部14の突出端に隣接した位置に上記一方の周方向に向い突出した係止駒部16が形成されている。
【0006】
図17には、1対の結合具10a,10bが相互に結合された状態における突部14が拡大して示されている。図17中に良く示されているように、係止駒部16は突部14の突出方向とは反対方向を向いている係止面16aを含んでいる。係止面16aは、係止駒部16の根元側が係止駒部16の円周方向突出側よりも突部14の突出方向において外方に位置するよう傾斜されている。突部14の一方の側面14aにおける係止面16aの根元位置には、略U字形状の断面を有した応力緩和溝18が形成されている。応力緩和溝18は、係止面16aに負荷された応力が係止面16aの根元に集中するのを防止する。
【0007】
複数の突部14の夫々において他方の周方向を向いた側面14bは、突部14の根元側が突部14の突出端側に比べ隣接する突部14に接近するよう傾斜されている。傾斜した他方の側面14bの所定の位置には、付勢ユニット18が設置されている。付勢ユニット18は、傾斜した他方の側面14bの上記所定の位置に埋設された底付き円筒形状ケース18aを含んでいる。円筒形状ケース18aの内部空間中には、圧縮コイルスプリング18b及び球18cが収容されている。圧縮コイルスプリング18bは球18cをケース18aの開口に向い付勢している。上記開口の直径は球18cの直径よりも僅かに小さく設定されているので、付勢されている球18cは上記開口から外部に飛び出さない。
【0008】
結合具本体12の外周面には、工具係合溝20が形成されている。
【0009】
結合具本体12の内周面において突部14側には筒状のライナー22が固定されている。突部14側に位置しているライナー22の一端部は結合具本体12の複数の突部14に取り囲まれ、結合具本体12の複数の突部14の夫々の突出端と基端との間に突出している。ライナー22の上記一端部の突出端面には円環状のシール部材24が取り付けられている。結合具本体12の内周面において突部14側とは反対側は、結合具本体12に取り付けられる棒状部材または管状部材の端部が固定される棒状または管状部材固定部26として構成されている。この図15乃至図17中に示されている従来例では、管状部材固定部26に消防用ホース28の一端部が固定されている。
【0010】
上述した如く構成されている従来の結合装置の1対の結合具10a,10bを相互に結合させるには、先ず最初に、一方の結合具10aの複数の突部14が他方の結合具10bの複数の突部14の間の複数の凹部に対向するよう相互に同心的に配置される。次に、1対の結合具10a,10bを相互に接近させて、一方の結合具10aの複数の突部14を他方の結合具10bの複数の突部14の間の複数の凹部に挿入させる。一方の結合具10aの複数の突部14の突出端面が他方の結合具10bの複数の突部14の間の複数の凹部の底面に到達する直前に、一方の結合具10aの複数の突部14の夫々の傾斜した他方の側面14b中の付勢ユニット18の球18cが他方の結合具10bの複数の突部14の夫々の傾斜した他方の側面14b中の付勢ユニット18の球18cに当接する。そして、付勢ユニット18は、1対の結合具10a,10bを夫々の長手方向及び円周方向において相互に離れるよう付勢する。この結果、一方の結合具10aの複数の突部14の夫々の円周方向突出端面が他方の結合具10bの複数の突部14の夫々の円周方向突出端面に当接する。この状態で上記付勢力に抗して1対の結合具10a,10bを相互にさらに接近させると、一方の結合具10aの複数の突部14の夫々の円周方向突出端面と他方の結合具10bの複数の突部14の夫々の円周方向突出端面とが相互に摺動し、最後に、図17中に示されているように、一方の結合具10aの複数の突部14の夫々の係止駒部16の傾斜した係止面16aが他方の結合具10bの複数の突部14の夫々の係止駒部16の傾斜した係止面16aに係止される。この係止は、上述した付勢力により保持される。
【0011】
この時、一方の結合具10aのライナー22のシール部材24は他方の結合具10bのライナー22のシール部材24に当接し、相互間の隙間を密封する。
【0012】
1対の結合具10a,10bが上述した如くして相互に結合されている間に消防用ホース28中に加圧された水が流された場合には、加圧された水が1対の結合具10a,10bの夫々のライナー22のシール部材24をライナー22の半径方向の外方に向い押圧する。この結果、1対の結合具10a,10bのライナー22は、ライナー22の長手方向中心線に沿い相互に離間する方向に押圧される。この長手方向の押圧力は、一方の結合具10aの複数の突部14の夫々の係止駒部16の傾斜した係止面16aと他方の結合具10bの複数の突部14の夫々の係止駒部16の傾斜した係止面16aとの係止を強化する。
【0013】
相互に結合されている1対の結合具10a,10bを分離するには、消防用ホース28中への加圧された水の供給が停止されて加圧された水によるシール部材24の押圧が停止されている間に、付勢ユニット18の付勢力に抗して一方の結合具10aに対し他方の結合具10bを相対的に接近させ、その状態で相対的に回転させる。この結果、一方の結合具10aの複数の突部14の夫々の係止駒部16の傾斜した係止面16aと他方の結合具10bの複数の突部14の夫々の係止駒部16の傾斜した係止面16aとの係止が解除される。これに続いて、付勢ユニット18の付勢力が1対の結合具10a,10bをこれらの長手方向中心線に沿い相互に離間するよう付勢する。
【0014】
1対の結合具10a,10bが相互に結合されている間に相互間の隙間に入り込んだ例えば砂粒のような異物により、1対の結合具10a,10bを分離する為に必要な1対の結合具10a,10bの上述した如き相対的な長手方向移動及び回転が人力により不可能になることがまれに生じる。この場合には、1対の結合具10a,10bの夫々の外周面の工具係合溝20に適切な工具を係合させることにより、このような工具を使用して1対の結合具10a,10bを分離する為に必要な1対の結合具10a,10bの上述した如き相対的な長手方向移動及び回転を強制的に生じさせることが出来る。
【0015】
上述した如く構成されている従来の1対の結合具10a,10bは、構造が簡単でありながら相互の結合作業及び結合解除作業を容易にしている。相互に結合されている1対の結合具10a,10bは、結合具本体12に取り付けられる棒状部材または管状部材が上述した消防用ホース28のようなある程度の大きさの捩じり力を吸収してしまうような材料で構成されている場合には、1対の結合具10a,10bが相互に結合されているとともに加圧された水が供給されていない間に棒状部材または管状部材に捩じり力が負荷された時でも、付勢ユニット18の付勢力により相互の結合は維持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】日本国特許第3107507号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、棒状部材または管状部材が上述した消防用ホース28のようなある程度の大きさの捩じり力を吸収してしまうような材料で構成されていない場合には、付勢ユニット18の付勢力よりも大きな捩じり力が棒状部材に負荷された時、又は管状部材に加圧された流体が供給されていない間に付勢ユニット18の付勢力よりも大きな捩じり力が管状部材に負荷された時、1対の結合具10a,10bに相互結合が解除されてしまうことがあった。
【0018】
この発明は、このような事情の下でなされ、この発明の目的は、1対の結合具を相互に結合する場合には1対の結合具を同心的に配置した後に相互に接近させることにより付勢ユニットの付勢力により1対の結合具が1対の結合具の周方向に相対的に回転された状態で夫々の軸方向に沿い相互に離間する方向に相互に結合され、また1対の結合具の相互の結合を解除する場合には、付勢ユニットの付勢力に抗して1対の結合具を上記軸方向に沿い相互に接近させた状態で上記周方向に相対的に回転させるような、上述したような特許に係る結合装置であって、1対の結合具が相互に結合されている間に1対の結合具の少なくとも一方に付勢ユニットの付勢力よりも大きなねじり力を負荷された場合でも、1対の結合具の相互結合の解除を確実に防止することが出来る解除防止構造を備えている結合装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この発明の概念に従った解除防止構造を備えた結合装置は:
夫々が同心的に相互に対向して配置され、相互に同じ構成を有した筒状の1対の結合具本体と;そして、
夫々の結合具本体に収容されているライナーと;
を備えていて、
1対の結合具本体は、夫々の対向面上の同じ直径の同心円上に所定の間隔で相互に離間した複数の位置から夫々の長手方向中心線に沿い延出した複数の突部を含んでおり、複数の突部において一方の周方向に向いた側面上には突部の突出端側から上記一方の周方向に向い突出した係止駒部が設けられていて、係止駒部は突部の突出方向とは反対方向を向いた係止面を有しており、
1対の結合具本体は相互に同心的に対向した状態で相互に接近されて一方の結合具本体の複数の突起を他方の結合具本体の複数の突部の間の複数の凹所中に挿入し、さらに、1対の結合具本体が相対的に回転されて一方の結合具本体の複数の突部の係止面が他方の結合具本体の複数の突部の係止面に対面し、1対の結合具本体が相互に離間する方向において一方の結合具本体の複数の突部の係止面が他方の結合具本体の複数の突部の係止面に係止され、
少なくとも一方の結合具本体は、少なくとも一方の結合具本体の内周面とライナーの外周面とに保持された複数の球により、ライナーに対して回動自在である、
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
この様な構成に従った解除防止構造を備えている結合装置によれば、1対の結合具を相互に結合する場合には1対の結合具を同心的に配置した後に相互に接近させることにより付勢ユニットの付勢力により1対の結合具が1対の結合具の周方向に相対的に回転された状態で夫々の軸方向に沿い相互に離間する方向に相互に結合され、また1対の結合具の相互の結合を解除する場合には、付勢ユニットの付勢力に抗して1対の結合具を上記軸方向に沿い相互に接近させた状態で上記周方向に相対的に回転させるような、上述したような特許に係る結合装置であって、1対の結合具が相互に結合されている間に1対の結合具の少なくとも一方に付勢ユニットの付勢力よりも大きなねじり力を負荷された場合でも、1対の結合具の相互結合の解除を確実に防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(A)は、第1の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の半断面図であり、ここにおいて解除防止構造のライナーは解除防止位置に配置されておらず;そして、 (B)は、図1の(A)の解除防止構造を備えている結合装置を解除防止構造のライナーが解除防止位置に配置されている状態で示す半断面図である。
【図2】(A)は、図1の解除防止構造のライナーの半断面図であり;そして、 (B)は、図1の解除防止構造のライナーの変形例の半断面図である。
【図3】(A)は、第2の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の側面図であり、ここにおいて解除防止構造の解除防止帯は解除位置に配置されていて;そして、 (B)は、図3の(A)の解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の正面図であり、ここにおいて解除防止構造の解除防止帯の解除位置は実線で、また解除防止位置は2点鎖線で示されている。
【図4】(A)は、第3の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の側面図であり、ここにおいて解除防止構造の解除防止帯は解除位置に配置されていて;そして、 (B)は、図4の(A)の解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の正面図であり、ここにおいて解除防止構造の解除防止帯の解除位置は実線で、また解除防止位置は2点鎖線で示されている。
【図5】(A)は、第4の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の側面図であり、ここにおいて解除防止構造の解除防止帯は解除位置に配置されていて;そして、 (B)は、図5の(A)の解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の正面図であり、ここにおいて解除防止構造の解除防止帯の解除位置は実線で、また解除防止位置は2点鎖線で示されている。
【図6】(A)は、第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第5の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の縦断面図であり;そして、 (B)は、第5の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具のもう1つの縦断面図であり、図6の(B)の縦断面は図6の(A)の縦断面から90°回転した位置にある。
【図7】(A)は、第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第6の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の縦断面図であり;そして、 (B)は、図7の(A)の一方の結合具の結合具本体の正面図である。
【図8】(A)は、第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第7の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の側面図であり; (B)は、図8の(A)の一方の結合具の正面図であり;そして、 (C)及び(D)は、図8の(A)の一方の結合具の解除防止構造の解除防止弾性帯が解除防止前状態から解除防止状態に移行する間の変化を図8の(A)のVIII−VIII線に沿った断面で示す断面図である。
【図9】(A)は、第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第8の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一部の拡大図であり; (B)は、図9の(A)の結合装置の一方の結合具に設けられている解除防止ピンの操作部材の拡大図であり;そして、 (C)は、図9の(A)の結合装置の他方の結合具に設けられている解除防止ピン収納凹所を示す他方の結合具の一部の正面図である。
【図10】第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第9の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一部の拡大図である。
【図11】第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第10の実施の形態に従った本発明の解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の半断面図である。
【図12】(A)は、第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第11の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の縦断面図であり;そして、 (B)は、図12の(A)の一方の結合具の一部の拡大図である。
【図13】(A)は、第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第12の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の一部の拡大図であり;そして、 (B)は、図13の(A)のXIII−XIII線に沿った一方の結合具の一部の断面図である。
【図14】(A)は、第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第13の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の一部の拡大図であり;そして、 (B)は、図14の(A)のXIV−XIV線に沿った一方の結合具の一部の断面図である。
【図15】本発明の基礎となった従来の結合装置を1対の結合具を分離して示す斜視図である。
【図16】図15の1対の結合具の一方の側面図及び他方の縦断面である。
【図17】相互に結合された1対の結合具の係止駒部を上記相互の結合を維持する付勢機構とともに拡大して示す図であり、ここにおいて付勢機構は断面にされている。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1の実施の形態]
まず最初に、図1の(A)乃至図2の(A)を参照しながら第1の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。
【0023】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0024】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具30a,30bは相互に同じ構成の結合具本体12を備えている。図15において、一方の結合具30aの複数の突部14の係止駒部16が他方の結合具30bの複数の突部14の係止駒部16に係止されていて、1対の結合具30a,30bは相互に結合されている。
【0025】
一方の結合具30aの結合具本体12に収容されている解除防止構造の筒状のライナー32は、複数の突部14側に大きな径を有した大径部32aを有しており、また複数の突部14とは反対側に小さな径を有した小径部32bを有している。大径部32aは結合具本体12の対応する内周面に対し周方向及び長手方向中心線に対し摺動可能であり、小径部32bは結合具本体12の対応する内周面に対し羅合されている。
【0026】
結合具本体12において複数の突部14とは反対側に突出した小径部32bの外端は固定部材34の固定台座34aに固定されている。この実施の形態では固定部材34は例えばポンプのケーシングであり、また固定台座34aは例えばポンプの吐水口金である。
【0027】
従って、一方の結合具30aの結合具本体12はライナー32の外周面上で一方又は他方に回動されることによりライナー32の長手方向中心線に沿い固定台座34aから遠ざかる方向又は接近する方向に直線移動される。
【0028】
一方の結合具30aの結合具本体12の外周面には上記回動を容易にする為の取っ手36が取り付けられている。
【0029】
固定台座34aに向う方向への一方の結合具30aの結合具本体12の直線移動は、一方の結合具30aの結合具本体12に対面した固定台座34aの端面に一方の結合具30aの結合具本体12が図2中に示されているように当接することにより規制されている。また、固定台座34aから離れる方向への一方の結合具30aの結合具本体12の直線移動は、一方の結合具30aの結合具本体12の内周面においてライナー32の大径部32aが摺接する部分と小径部32bが羅合した部分との境界にある段部が図1中にライナー32の外周面において大径部32aと小径部32bとの境界にある段部に当接することにより規定されている。
【0030】
そして、一方の結合具30aの結合具本体12が固定台座34aから図1の(A)中に示されているように最も遠ざかった時、その時の一方の結合具30aの結合具本体12の位置を解除位置とし、一方の結合具30aの結合具本体12が固定台座34aに対し図1の(B)中に示されているように最も接近した時、その時の一方の結合具30aの結合具本体12の位置を解除防止位置とする。
【0031】
他方の係合具30bの結合具本体12に収容されている筒状のライナー38もまた、複数の突部14側に大きな径を有した大径部38aを有しており、また複数の突部14とは反対側に小さな径を有した小径部38bを有している。大径部38aは結合具本体12の対応する内周面に対し周方向及び長手方向中心線に対し摺動可能であり、小径部38bは結合具本体12の対応する内周面に対し羅合されている。
【0032】
結合具本体12において複数の突部14とは反対側に突出した小径部38bの外端部には、1対の結合具30a及び30bによって固定具34の固定台座34aに対し結合させるべき被固定部材40を固定する為の固定部材42が固定されている。小径部38bの外端部に固定された固定部材42は、他方の係合具30bの結合具本体12に対するライナー38の軸方向移動及び周方向への回動を規制している。
【0033】
この実施の形態では、被固定部材40は環状のパイプであり、パイプは部材40に負荷された捩じり力をあまり吸収することなく他方の結合具30bの結合具本体12にかなりの程度伝達する。
【0034】
一方の結合具30aの結合具本体12が図1の(A)中に示されている解除位置に配置されている間には、1対の結合具30a及び30bを相互に同心的に配置した後に一方の結合具30aの結合具本体12の複数の突部14を一方の結合具30aの結合具本体12の複数の突部14の間の複数の凹部に挿入するよう1対の結合具30a及び30bを相互に接近させるだけで、一方の結合具30aの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16に対して他方の結合具30bの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16を、図15乃至図17を参照して前述した従来の1対の結合具10a,10bの結合具本体12と同様に、容易に相互に係止させることが出来る。この結果、この実施の形態の1対の結合具30a,30bは図1の(A)中に示されているように相互に結合され、付勢ユニット18の付勢力により相互の結合が保たれる。
【0035】
なおこの時には、一方の結合具30aのライナー32の大径部32aの突出端面上の環状のシール部材24に対して他方の結合具30bのライナー38の大径部38aの突出端面上の環状のシール部材24が同心的に当接されて相互間の隙間を密封するが、環状のシール部材24はその弾性によりさらに圧縮が可能である。
【0036】
また、上述した相互の結合を解除するには、図15乃至図17を参照して前述した従来の1対の結合具10a,10bの結合具本体12と同様に、1対の結合具30a,30bの結合具本体12を付勢ユニット18の付勢力に抗して相互に一旦接近させた後に一方の結合具30aの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16に対して他方の結合具30bの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16を周方向に離間させるよう相対に回転させるだけでよい。
【0037】
しかしながら、一方の結合具30aの結合具本体12が図1の(A)中に示されている解除位置に配置されている間における1対の結合具30a,30bの結合具本体12の相互結合は、図15乃至図17を参照して前述した従来の1対の結合具10a,10bの結合具本体12の相互結合の場合と同様に、以下のような場合に解除されてしまう。即ち、1対の結合具30a,30bのライナー32,38中に加圧された流体が供給されておらずライナー32,38の環状のシール部材24が相互に軸方向において押し合っていない間に、他方の結合具30bの固定部材42に固定されている部材40に付勢ユニット18の付勢力とは逆の方向に上記付勢力よりも大きな捩じり力が負荷されて一方の結合具30aに対して他方の結合具30bが付勢ユニット18の付勢力に抗して回動された場合である。
【0038】
このような現象を防止する為に、この第1の実施の形態では、図1の(A)に示されている如く解除位置に配置されている一方の結合具30aに対し他方の結合具30bが相互に結合されている間に、一方の結合具30aをライナー32上で回動させて図1の(A)に示す解除位置から図1の(B)に示す解除防止位置へと直線移動させる。そして、この時の一方の結合具30aの回動方向は一方の結合具30aの結合具本体1の複数の突部14の係止駒部16が他方の結合具30bの結合具本体1の隣接した複数の突部14の係止駒部16に周方向において接近する方向である。
【0039】
一方の結合具30aが図1の(B)に示す解除防止位置に配置されると、図1の(A)に示されている解除位置に配置されていた場合に比べると固定台座34aに向い接近される。その結果として、一方の結合具30aと相互に結合した状態で軸方向に一方の結合具30aとともに移動する他方の結合具30bのライナー38は、一方の結合具30aの固定されているライナー32に向い軸方向に沿い接近し、ライナー32,38の環状のシール部材24が相互に軸方向において強く押し合うようになる。このことは、一方の結合具30aの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16と他方の結合具30bの結合具本体12の隣接した複数の突部14の係止駒部16との軸方向及び周方向における相互の係止を強化する結果となる。さらには、他方の結合具30bの固定部材42に固定されている部材40に付勢ユニット18の付勢力とは逆の方向に上記付勢力よりも大きな捩じり力が負荷されても、一方の結合具30aに対して他方の結合具30bが付勢ユニット18の付勢力に抗して回動されることがなく、1対の結合具30a,30bの相互の結合解除が防止される。
【0040】
この結合解除防止を開放するには、一方の結合具30aをライナー32上で回動させて図1の(B)に示す解除防止位置から図1の(B)に示す解除位置へと直線移動させるだけで良い。
【0041】
この実施の形態はさらに、一方の結合具30aの結合具本体12の回動を選択的に阻止する回動阻止手段43を備えている。回動阻止手段43は、一方の結合具30aの結合具本体12に隣接した固定部材34の固定台座34aの外周面に固定された支持体43aと、支持体43aに出没可能に支持された選択回動阻止部材43bと、を含んでいる。選択回動阻止部材43bは、図1の(A)中に示されているように支持体43a中に引き込まれ一方の結合具30aの結合具本体12の取っ手36の回動軌跡中に突出しない退避位置と、図1の(B)中に示されているように支持体43aから一方の結合具30aの結合具本体12の取っ手36の回動軌跡中に突出した突出位置と、の間で選択的に移動可能である。
【0042】
この実施の形態において、選択回動阻止部材43bの退避位置と突出位置との間の移動は、支持体43aにおいて選択回動阻止部材43bの退避位置と突出位置との間の移動方向に沿い延出したスリット43c中に挿入されて選択回動阻止部材43bに固定された操作摘み43dを手動操作することにより行なうことが出来る。支持体43aと選択回動阻止部材43bとの間には、選択回動阻止部材43bを退避位置と突出位置に選択的に保持する為の図示しない選択保持手段を設けることができる。このような選択保持手段としては、例えばクリック機構をあげることができる。
【0043】
図1の(B)中に示されているように、突出位置の選択回動阻止部材43bは、一方の結合具30aの結合具本体12が図1の(B)中に示されている解除防止位置に配置された時の取っ手36に対し、一方の結合具30aの結合具本体12が図1の(B)中に示されている解除防止位置に配置された時の取っ手36が図1の(A)中に示されている一方の結合具30aの結合具本体12の解除位置に向う方向に隣接している。即ち、突出位置の選択回動阻止部材43bは、一方の結合具30aの結合具本体12が図1の(B)中に示されている解除防止位置から図1の(A)中に示されている解除位置に向うよう回動されると、取っ手36が衝突し、上記回動を阻止する。一方の結合具30aの結合具本体12を図1の(B)中に示されている解除防止位置から図1の(A)中に示されている解除位置に向うよう回動させるには、回動阻止手段43の選択回動阻止部材43bを図1の(B)中に示されている突出位置から図1の(A)中に示されている退避位置に移動させれば良い。
【0044】
[第1の実施の形態の変形例]
他方の結合具30bの固定部材42に固定されている部材40に流体を流す必要が無い場合、一方の結合具30aのライナー32又は他方の結合具30bのライナー38の少なくとも1つを図2の(B)中に示す如く同じ外形寸法を有しているが中実な構成のライナー42に交換し、さらにライナー42の大径部42aにいて小径部42bとは反対側を向いている端面に弾性材料の弾性部材44を固定することも出来る。
【0045】
なお、ライナー32が解除防止位置に配置されている間における一方の結合具30aのライナー32と他方の結合具30bのライナー38との間の密封に問題が生じないのであれば、ライナー32,38の夫々の対向面に弾性を有したシール部材24や弾性部材44を設ける必要はない。
【0046】
[第2の実施の形態]
次に、図3の(A)及び(B)を参照しながら第2の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。
【0047】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0048】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に第1の結合要素100が設けられている。一方の結合具10aの外周面にはさらに、第1の結合要素100と結合可能な第2の結合要素102を有していて、第1の結合要素100に第2の結合要素102を結合させた解除防止位置と第1の結合要素100に対する第2の結合要素102の結合を解除させた解除位置との間で移動可能な解除防止部材104が1対設けられている。
【0049】
この実施の形態では、1対の解除防止部材104は帯状の基材106を含んでいて、基材106の一端部が固定部材108により一方の結合具10aの外周面に対し回動自在又は折り曲げ可能に固定されている。1対の解除防止部材104の夫々の基材106の他端部が、図3の(B)中に2点鎖線で示されているように、1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に上記外周面に対面する基材106の第1の表面に第2の結合要素102が取り付けられている。1対の解除防止部材104の夫々の基材106の他端部が上述したように1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に上記外周面とは反対側を向く基材106の第2の表面には第3の結合要素110が取り付けられている。
【0050】
この実施の形態では、第1の結合要素100及び第2の結合要素102は相互に協働して分離可能に結合される例えばベルクロ(商標名)のような面ファスナーにより構成することが出来る。第3の結合要素110は、相互に協働して分離可能に結合される例えばベルクロ(商標名)のような面ファスナーにより構成することが出来るし、スナップ式ボタンにより構成することも出来る。
【0051】
1対の解除防止部材104の夫々は、1対の結合具10a,10bが図3の(A)中に示されている如く相互に結合されている間に、1対の解除防止部材104の夫々の基材106の他端部が、図3の(B)中に2点鎖線で示されているように、1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に、一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16の係止面(図15乃至図17中に参照符号16aで指摘されている)と他方の結合具10bの複数の突部14の係止駒部16の係止面(図15乃至図17中に参照符号16aで指摘されている)との係止位置、即ち係止部位、を越えて、この実施の形態では上記係止位置の中心Cを越えて、一方の結合具10aの結合具本体12から他方の結合具10aの結合具本体12の側に突出しない。
【0052】
図3の(A)や(B)中に実線で示されているように、1対の解除防止部材104の夫々の基材106の他端部が上述したように1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面から分離して配置された時、1対の解除防止部材104の夫々の基材106の第3の結合要素110を相互に結合させることにより1対の解除防止部材104を上述した分離位置に容易に保持することが出来る。この間には、1対の結合具10a,10bを相互に結合させる為に、1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させることが出来るし、さらには一方の結合具10aの複数の突部14の複数の係止駒部16と他方の結合具10bの複数の突部14の複数の係止駒部16とを相互に係止させるよう1対の結合具10a,10bを相対的に回動させることも出来る。またこの逆に、相互に結合されている1対の結合具10a,10bを相互に分離させる為に必要な1対の結合具10a,10bの相対的な回動を許容する。即ち、上述した分離位置は、1対の解除防止部材104の解除位置である。
【0053】
1対の解除防止部材104が上述した分離位置、即ち解除位置、に配置されている間に図3の(A)中に示されているように1対の結合具10a,10bが相互に結合された後に、1対の解除防止部材104の夫々の基材106の他端部が、図3の(B)中に2点鎖線で示されているように、1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置させると、1対の解除防止部材104の夫々の基材106の第2の結合要素102を上記外周面上の第1の結合要素100に結合させることが出来る。
【0054】
この結果、相互結合解除の為の1対の結合具10a,10bの相対的な回動が防止されるので、上述した重複位置は1対の解除防止部材104の解除防止位置である。
【0055】
相互に結合されている1対の結合具10a,10bを分離したい時、1対の解除防止部材104を分離位置、即ち解除位置、へと移動させれば良い。
【0056】
そして、図3の(B)中に実線で示されている分離位置、即ち解除位置、に配置されている1対の解除防止部材104は、例えば一方の結合具10aを他方の結合具10bに対し相対的に回転させたり軸方向に相互に遠ざけるよう移動させるなどの1対の結合具10a,10bを分離させる作業を容易にする為の取っ手として使用することができる。
【0057】
相互結合解除の為の1対の結合具10a,10bの相対的な回動が防止出来るのであれば、1対の結合具10a,10bの少なくとも一方に設ける解除防止部材104の数は1つであっても良い。しかしながら、上述したように分離位置、即ち解除位置、に配置されている解除防止部材104を1対の結合具10a,10bを分離させる作業を容易にする為の取っ手として使用する場合には、解除防止部材104は上述したように1対あった方が好ましい。
【0058】
また、1対の結合具10a,10bの他方にも、上記少なくとも一方と同様に、解除防止部材104を設けることが出来るし、1対の結合具10a,10bの夫々に解除防止部材104を複数個設けることも出来る。しかしながら、1対の結合具10a,10bの夫々に解除防止部材104を設ける場合には、一方の結合具10aの解除防止部材104と他方の結合具10bの解除防止部材104とが相互に干渉しないようにする必要がある。
【0059】
更には、1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に設けられる第1の結合要素100も、解除防止部材104が設けられている1対の結合具10a,10bの一方以外の他方に少なくとも1つで良い。当然のことながら、解除防止部材104が1対の結合具10a,10bの他方にも設けられている場合には、1対の結合具10a,10bの一方の結合具本体12の外周面に少なくとも1つ第1の結合要素100を設ける必要がある。
【0060】
[第3の実施の形態]
次に、図4の(A)及び(B)を参照しながら第3の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。
【0061】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0062】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの少なくとも一方の結合具本体12の外周面に帯状の解除防止部材112が1対設けられている。この実施の形態では、1対の解除防止部材112は帯状の基材114を含んでいて、基材114の一端部が固定部材116により一方の結合具10aの外周面に対し回動自在又は折り曲げ可能に固定されている。この結果として、1対の解除防止部材112の夫々の基材114は、一方の結合具本体12の外周面に沿わせられた係合防止位置と、上記外周面から分離した解除位置との間で移動可能である。
【0063】
1対の解除防止部材112の夫々の基材114の他端部が、図4の(B)中に2点鎖線で示されているように、上記少なくとも一方の結合具10aの結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に上記外周面に対面する基材114の第1の表面に解除防止突起118が設けられている。1対の解除防止部材112の夫々の基材114の他端部が上述したように上記少なくとも一方の結合具10aの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に上記外周面とは反対側を向く基材114の第2の表面には結合要素119が取り付けられている。
【0064】
この実施の形態では、結合要素119は、相互に協働して分離可能に結合される例えばベルクロ(商標名)のような面ファスナーにより構成することが出来るし、スナップ式ボタンにより構成することも出来る。
【0065】
1対の解除防止部材112の夫々は、1対の結合具10a,10bが図4の(A)中に示されている如く相互に結合されている間に、1対の解除防止部材112の夫々の基材114の他端部が、図4の(B)中に2点鎖線で示されているように、1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に、一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16の係止面(図15乃至図17中に参照符号16aで指摘されている)と他方の結合具10bの複数の突部14の係止駒部16の係止面(図15乃至図17中に参照符号16aで指摘されている)との係止位置、即ち係止部位、を越えて、この実施の形態では上記係止位置の中心Cを越えて、一方の結合具10aの結合具本体12から他方の結合具10bの結合具本体12の側に突出しない。
【0066】
図4の(A)や(B)中に実線で示されているように、1対の解除防止部材112の夫々の基材114の他端部が上述したように少なくとも一方の結合具10aの夫々の結合具本体12の外周面から分離して配置された時、1対の解除防止部材112の夫々の基材114の結合要素119を相互に結合させることにより1対の解除防止部材112を上述した分離位置に容易に保持することが出来る。この間には、1対の結合具10a,10bを相互に結合させる為に、1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させることが出来るし、さらには一方の結合具10aの複数の突部14の複数の係止駒部16と他方の結合具10bの複数の突部14の複数の係止駒部16とを相互に係止させるよう1対の結合具10a,10bを相対的に回動させることも出来る。またこの逆に、相互に結合されている1対の結合具10a,10bを相互に分離させる為に必要な1対の結合具10a,10bの相対的な回動を許容する。即ち、上述した分離位置は、1対の解除防止部材112の解除位置である。
【0067】
1対の解除防止部材112が上述した分離位置、即ち解除位置、に配置されている間に図4の(A)中に示されているように1対の結合具10a,10bが相互に結合されると、1対の結合具10a,10bが相互に結合された時には、一方の結合具10aの複数の突部14において複数の係止駒部16とは反対側の側面14bと一方の結合具10aの複数の突部14の間に挿入されている他方の結合具10bの複数の突部14において複数の係止駒部16とは反対側の側面14bとの間に隙間が生じる。この間に、1対の解除防止部材112の夫々の基材114の他端部を、図4の(B)中に2点鎖線で示されているように、1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置させると、即ち、1対の解除防止部材112を解除防止位置に配置すると、上記隙間に1対の解除防止部材112の夫々の基材114の解除防止突起118を挿入させることが出来る。
【0068】
解除防止位置において1対の解除防止部材112の他端部の解除防止突起118は、1対の結合具10a,10bの相互結合解除の為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させた時に、他方の結合具10bの複数の突部14の上記反対側の側面14bに当接することにより、相互結合解除の為の1対の結合具10a,10bの相対的な回動を防止する。
【0069】
相互に結合されている1対の結合具10a,10bを分離したい時は、1対の解除防止部材112を解除位置に移動させれば良い。
【0070】
そして、図4の(B)中に実線で示されている分離位置、即ち解除位置、に配置されている1対の解除防止部材112は、例えば一方の結合具10aを他方の結合具10bに対し相対的に回動させたり軸方向に相互に遠ざけるよう移動させるなどの1対の結合具10a,10bを分離させる作業を容易にする為の取っ手として使用することができる。
【0071】
1対の結合具10a,10bの少なくとも一方に設ける解除防止部材112の数は1つであっても良い。しかしながら、上述したように分離位置、即ち解除位置、に配置されている解除防止部材112を1対の結合具10a,10bを分離させる作業を容易にする為の取っ手として使用する場合には、解除防止部材112は上述したように1対あった方が好ましい。
【0072】
また、1対の結合具10a,10bの他方にも、上記少なくとも一方と同様に、解除防止部材112を設けることが出来るし、1対の結合具10a,10bの夫々に解除防止部材112を複数個設けることも出来る。しかしながら、1対の結合具10a,10bの夫々に解除防止部材112を設ける場合には、一方の結合具10aの解除防止部材112と他方の結合具10bの解除防止部材112とが相互に干渉しないようにする必要がある。
【0073】
[第4の実施の形態]
次に、図5の(A)及び(B)を参照しながら第4の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。
【0074】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0075】
さらに、この実施の形態において、図4の(A)及び(B)を参照しながら前述した第3の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の構成部材と同様な構成には前述した第3の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0076】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの少なくとも一方の結合具本体12の外周面に帯状の解除防止部材112’が1対設けられている。この実施の形態では、1対の解除防止部材112’は帯状の基材114を含んでいて、基材114の一端部が固定部材116により一方の結合具10aの外周面に対し回動自在又は折り曲げ可能に固定されている。この結果として、1対の解除防止部材112’の夫々の基材114は、一方の結合具本体12の外周面に沿わせられた係合防止位置と、上記外周面から分離した解除位置との間で移動可能である。
【0077】
1対の解除防止部材112’の夫々の基材114の他端部が、図5の(B)中に2点鎖線で示されているように、上記少なくとも一方の結合具10aの結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に上記外周面に対面する基材114の第1の表面に解除防止突起118’が設けられている。1対の解除防止部材112’の夫々の基材114の他端部が上述したように上記少なくとも一方の結合具10aの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に上記外周面とは反対側を向く基材114の第2の表面には結合要素119が取り付けられている。
【0078】
この実施の形態では、結合要素119は、相互に協働して分離可能に結合される例えばベルクロ(商標名)のような面ファスナーにより構成することが出来るし、スナップ式ボタンにより構成することも出来る。
【0079】
1対の解除防止部材112’の夫々は、1対の結合具10a,10bが図5の(A)中に示されている如く相互に結合されている間に、1対の解除防止部材112’の夫々の基材114の他端部が、図5の(B)中に2点鎖線で示されているように、1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に、一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16の係止面(図15乃至図17中に参照符号16aで指摘されている)と他方の結合具10bの複数の突部14の係止駒部16の係止面(図15乃至図17中に参照符号16aで指摘されている)との係止位置、即ち係止部位、を越えて、この実施の形態では上記係止位置の中心Cを越えて、一方の結合具10aの結合具本体12から他方の結合具10bの結合具本体12の側に突出しない。
【0080】
図5の(A)や(B)中に実線で示されているように、1対の解除防止部材112’の夫々の基材114の他端部が上述したように少なくとも一方の結合具10aの夫々の結合具本体12の外周面から分離して配置された時、1対の解除防止部材112’の夫々の基材114の結合要素119を相互に結合させることにより1対の解除防止部材112’を上述した分離位置に容易に保持することが出来る。この間には、1対の結合具10a,10bを相互に結合させる為に、1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させることが出来るし、さらには一方の結合具10aの複数の突部14の複数の係止駒部16と他方の結合具10bの複数の突部14の複数の係止駒部16とを相互に係止させるよう1対の結合具10a,10bを相対的に回動させることも出来る。またこの逆に、相互に結合されている1対の結合具10a,10bを相互に分離させる為に必要な1対の結合具10a,10bの相対的な回動を許容する。即ち、上述した分離位置は、1対の解除防止部材112’の解除位置である。
【0081】
1対の解除防止部材112’が上述した分離位置、即ち解除位置、に配置されている間に図5の(A)中に示されているように1対の結合具10a,10bが相互に結合されると、1対の結合具10a,10bが相互に結合された時には、一方の結合具10aの複数の突部14の突出端面と、これら突出端面に対向した他方の結合具10bの複数の突部14の間の複数の凹所の底面との間に1対の結合具10a,10bの長手方向中心線である軸心に沿った方向に隙間が生じる。また同時に、一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所の底面と、これら底面に対向した他方の結合具10bの複数の突部14の突出端面との間に1対の結合具10a,10bの長手方向中心線である軸心に沿った方向に隙間が生じる。
【0082】
この実施の形態では、図5の(A)中に示されているように、他方の結合具10bの複数の突部14の中の2つの突出端面に対向した一方の結合具10aの複数の凹所の中の2つの底面に係合凹所118’’が形成されている。係合凹所118’’は上記2つの底面の夫々及び一方の結合具10aの結合具本体12の外周面における上記底面との隣接部位に開口している。
【0083】
そして次に、1対の解除防止部材112’の夫々の基材114の他端部が、図5の(B)中に2点鎖線で示されているように、1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置されると、即ち、1対の解除防止部材112’を解除防止位置に配置すると、上記軸心に沿った方向の隙間(軸方向隙間)及び一方の結合具10aの複数の凹所の中の2つの底面に対応している係合凹所118’’に1対の解除防止部材112’の夫々の基材114の解除防止突起118’を挿入させることが出来る。
【0084】
解除防止位置において1対の解除防止部材112’の他端部の解除防止突起118’は、1対の結合具10a,10bの相互結合解除の為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させることにより上記軸方向隙間を無くすよう上記軸心に沿った方向に移動させようとした時に、上記相互結合解除の為の1対の結合具10a,10bの相対的な上記軸心に沿った方向の移動(軸方向移動)を防止する。
【0085】
相互に結合されている1対の結合具10a,10bを分離したい時は、1対の解除防止部材112’を解除位置に移動させれば良い。
【0086】
そして、図5の(B)中に実線で示されている分離位置、即ち解除位置、に配置されている1対の解除防止部材112’は、例えば一方の結合具10aを他方の結合具10bに対して相対的に回動させたり軸方向に相互に遠ざけるよう移動させるなどの1対の結合具10a,10bを分離させる作業を容易にする為の取っ手として使用することができる。
【0087】
1対の結合具10a,10bの少なくとも一方に設ける解除防止部材112’の数は1つであっても良い。しかしながら、上述したように分離位置、即ち解除位置、に配置されている解除防止部材112’を1対の結合具10a,10bを分離させる作業を容易にする為の取っ手として使用する場合には、解除防止部材112’は上述したように1対あった方が好ましい。
【0088】
また、1対の結合具10a,10bの他方にも、上記少なくとも一方と同様に、解除防止部材112’を設けることが出来るし、1対の結合具10a,10bの夫々に解除防止部材112’を複数個設けることも出来る。しかしながら、1対の結合具10a,10bの夫々に解除防止部材112’を設ける場合には、一方の結合具10aの解除防止部材112’と他方の結合具10bの解除防止部材112’とが相互に干渉しないようにする必要がある。
【0089】
図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造は、図15乃至図17中に示されていた従来の構造の1対の結合具10a,10bに対して適用されていたが、以下に図6乃至図14を参照しながら説明される第5乃至第13の実施の形態に従った解除防止構造を備えた結合装置にもさらに適用可能である。
【0090】
以下に図6乃至図14を参照しながら第5乃至第13の実施の形態に従った解除防止構造を備えた結合装置について詳細に説明するが、これら第5乃至第13の実施の形態に従った解除防止構造を備えた結合装置に適用可能な第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造は、図3乃至図5を参照しながら詳細に前述したので、第5乃至第13の実施の形態に従った解除防止構造を備えた結合装置について図6乃至図14を参照しながら詳細に説明する間には説明の重複を避けるために説明を省略する。
【0091】
図6乃至図14に示される第5乃至第13の実施の形態に従った解除防止構造を備えた結合装置に対し、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用することは、いわゆる当業者であれば容易に実行可能である。
【0092】
[第5の実施の形態]
次に、図6の(A)及び(B)を参照しながら第5の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。この第5の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0093】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0094】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの夫々は、結合具本体12及びライナー22を保持したホルダー部材120を備えている。ホルダー部材120は結合具本体12の外周面を回転可能に保持している。これは、ホルダー部材120の内周面の環状溝及び結合具本体12の外周面の環状溝に保持した複数の球122によって結合具本体12の外周面を保持することによりもたらされている。結合具本体12の内周面にはライナー22の大径部が回転可能及び軸方向に移動可能に収容されている。ホルダー部材120はまた、その内周面においてライナー22の小径部を軸方向に移動可能に保持している。これは、ライナー22の小径部の外周面に軸方向に延出して形成されている案内溝124中に、ホルダー部材120の内周面から突出された案内ピン126が挿入されていることによりもたらされている。
【0095】
ライナー22とホルダー部材120との間にはライナー22を結合具本体12の突部14の突出方向とは逆の方向に付勢する付勢機構128が介在されている。
【0096】
この実施例では、付勢機構128は、ライナー22の外周面で大径部と小径部との境界の段部と案内ピン126とに両端が固定された引っ張りコイルばねにより構成されている。
【0097】
結合具本体12とライナー22との間には結合具本体12の一方向又は他方向への回動によりライナー22を上記軸方向に移動させる回転運動・直線運動変換機構130が介在されている。この実施の形態では、回転運動・直線運動変換機構130は、ライナー22の外周面で大径部と小径部との境界の段部に形成されたカム溝132と、結合具本体12の内周面からカム溝132中に突出されたカムピン134と、で構成されている。カム溝132は上記段部から結合具本体12の突部14の突出方向に向うにつれて周方向の幅が狭くなる略三角形状をしている。従って、通常の状態では、カム溝132は、図6の(A)中に良く示されているように、その頂点をカムピン134に当接させている。
【0098】
ホルダー部材120と結合具本体12との間にはさらに、結合具本体12の回転を選択的に停止させる選択回転停止機構136が介在されている。この実施の形態において選択回転停止機構136は、ホルダー部材120の外周面から結合具本体12の外表面に対向したホルダー部材120の内周面の領域までホルダー部材120中を延出した例えばゴムのような押圧膨張部材により構成されている。
【0099】
上述した如く構成されている第5の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置は、1対の結合部10a,10bを相互に同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させることが出来るし、さらには一方の結合具10aの複数の突部14の複数の係止駒部16と他方の結合具10bの複数の突部14の複数の係止駒部16とを相互に係止させるよう1対の結合具10a,10bを相対的に回動させることも出来る。
【0100】
しかしながら、この逆に、相互に結合されている1対の結合具10a,10bを相互に分離させる為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させようとすると、1対の結合具10a,10bの結合具本体12は共に対応するホルダー部材120中で対応するホルダー部材120及びライナー22に対し自由に回転してしまい、1対の結合具10a,10bの相互結合が解除されない。しかも、上記回転は結合具本体12のカムピン134によるライナー22のカム溝132の側壁の押圧を生じさせる。この結果、ライナー22は付勢機構128の付勢力に抗して結合具本体12の突部14の突出方向への直線移動を生じさせ、1対の結合具10a,10bのライナー22の突出端面のシール部材24が互いに強く押し合うようになる。そして、1対の結合具10a,10bが軸方向に沿い相互に分離する方向において、一方の結合具10aの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16の係止面16aに対する他方の結合具10bの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16の係止面16aが係止する圧力が高まり、1対の結合具10a,10bの相互結合の解除がますます困難になる。
【0101】
1対の結合具10a,10bの相互結合を解除するには、1対の結合具10a,10bの夫々のホルダー部材120の外周面に露出している選択回転停止機構136の押圧膨張部材を押圧する。押圧された押圧膨張部材は、結合具本体12の外表面に対向したホルダー部材120の内周面の領域から結合具本体12の外表面に向い膨張し、結合具本体12の外表面との間に大きな摩擦力を発揮させて、ホルダー部材120に対する結合具本体12の自由な回転を阻止する。
【0102】
この間に、相互に結合されている1対の結合具10a,10bを相互に分離させる為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させることが出来る。
【0103】
なお、付勢機構128や回転運動・直線運動変換機構130や選択回転停止機構136は、1対の結合具10a,10bの夫々において夫々の周方向における複数の任意の位置に設けることが出来る。
【0104】
そして前述したように、この実施の形態に従った1対の結合具10a,10bに対しては、その一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【0105】
[第6の実施の形態]
次に、図7の(A)及び(B)を参照しながら第6の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。この第6の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0106】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0107】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの夫々は、結合具本体12及びライナー22を保持したホルダー部材140を備えている。
【0108】
ホルダー部材140は結合具本体12の外周面を回転可能に保持している。これは、ホルダー部材140の内周面の環状溝及び結合具本体12の外周面の環状溝に保持した複数の球142によって結合具本体12の外周面を保持することによりもたらされている。結合具本体12の内周面はライナー22の外周面に対しても相対的に回転可能であり、ライナー22はホルダー部材120の内周面に固定されている。
【0109】
即ち、結合具本体12はホルダー部材140中でホルダー部材140とホルダー部材140に固定されているライナー22との両者に対し回動可能である。
【0110】
解除防止部材収容溝144が結合具本体12の複数の突部14の少なくとも1つの突部14の根元に形成されていて、解除防止部材収容溝144の周方向における一端は上記少なくとも1つの突部14において係止駒部16が設けられているのとは反対側の側面14bに開口されている。
【0111】
ホルダー部材140は、結合具本体12がホルダー部材140に対して相対的に一方向及び他方向に回動することにより、解除防止部材収容溝144中に退避した解除位置と解除防止部材収容溝144中から解除防止部材収容溝144が開口している凹所内に突出した解除防止位置との間で周方向に移動可能である解除防止部材146を備えている。
【0112】
ホルダー部材140の内表面と結合具本体12の外表面との間には、付勢機構148が介在されている。付勢機構148は、ホルダー部材140に対して結合具本体12を常に一方向に向い回動するよう付勢している。この実施の形態ではホルダー部材140の内表面と結合具本体12の外表面において周方向に相互に離間した2つの位置で両端部が固定されている引っ張りコイルばねにより、付勢機構148が構成されている。付勢機構148により付勢されている結合具本体12の解除防止部材収容溝144中に、通常はホルダー部材140の解除防止部材146が収容されている。
【0113】
ホルダー部材140と結合具本体12との間にはさらに、結合具本体12の回転を選択的に停止させる選択回転停止機構149が介在されている。この実施の形態において選択回転停止機構149は、ホルダー部材140の外周面から結合具本体12の外表面に対向したホルダー部材140の内周面の領域までホルダー部材140中を延出した例えばゴムのような押圧膨張部材により構成されている。
【0114】
ホルダー部材140の解除防止部材146が解除位置に配費されている間には、1対の結合具10a,10bを相互に結合させる為に、1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させることが出来るし、さらには一方の結合具10aの複数の突部14の複数の係止駒部16と他方の結合具10bの複数の突部14の複数の係止駒部16とを相互に係止させるよう1対の結合具10a,10bを相対的に回動させることも出来る。
【0115】
しかしながら、1対の結合具10a,10bの相互結合を解除する為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させようとすると、ホルダー部材140に対して結合具本体12が付勢機構148の付勢力に抗して回動する。これによって、ホルダー部材140の解除防止部材146が防止部材収容溝144中に退避した解除位置から防止部材収容溝144が開口している凹所内に突出した解除防止位置へと、上述した如く回動した結合具本体12に対し相対的に周方向に移動させられる。解除防止位置の解除防止部材146は、相互に結合している1対の結合具10a,10bの他方の結合具10bの対応する突部14の突出端面と上記凹所の底面との間の隙間に介在する。
【0116】
この結果として、一方の結合具10aの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16と他方の結合具10bの結合具本体12の隣接した複数の突部14の係止駒部16との軸方向における係止を解除する為に必要な1対の結合具10a,10bを軸方向において相互に接近させる移動が不可能になる。従って、1対の結合具10a,10bの相互結合を解除する為に必要な1対の結合具10a,10bの相対的な回動が不可能になる。
【0117】
1対の結合具10a,10bの相互結合を解除するには、1対の結合具10a,10bの相互結合を解除する為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させる以前に、1対の結合具10a,10bの夫々のホルダー部材140の外周面に露出している選択回転停止機構149の押圧膨張部材を押圧する。押圧された押圧膨張部材は、結合具本体12の外表面に対向したホルダー部材140の内周面の領域から結合具本体12の外表面に向い膨張し、結合具本体12の外表面との間に大きな摩擦力を発揮させて、ホルダー部材140に対する結合具本体12の自由な回転を阻止する。
【0118】
この間に、相互に結合されている1対の結合具10a,10bを相互に分離させる為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させると、ホルダー部材140と一緒に結合具本体12も回動する。これにより、ホルダー部材140に対し結合具本体12が付勢機構148の付勢力に抗して相対的に回動することがなく、ホルダー部材140の解除防止部材146が防止部材収容溝144中に退避した解除位置から前述の解除防止位置へは移動しない。したがって、1対の結合具10a,10bの相互結合を解除する為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させることが出来、上記相互結合が解除される。
【0119】
ホルダー部材140の解除防止部材146及び結合具本体12の防止部材収容溝144は、一方の結合具10aと同様に、他方の結合具10aにも設けることが出来るし、1対の結合具10a,10bの夫々において結合具本体12の複数の突部14及びこれら突部14の間の複数の凹所に対応した位置であれば、任意の個数設けることが出来る。
【0120】
そして前述したように、この実施の形態に従った1対の結合具10a,10bに対しては、その一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【0121】
[第7の実施の形態]
次に、図8の(A)乃至(D)を参照しながら第7の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。この第7の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0122】
なお、この実施の形態において、図41乃至図43を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0123】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの少なくとも一方の結合具本体12の外周面に、解除防止構造の帯状の板ばねにより構成されている解除防止部材150が設けられている。解除防止部材150は、一方の結合具10aの結合具本体12の外周面に一端部が例えば固定ピンのような固定部材152により固定されている。解除防止部材150は上記一端部から周方向に結合具本体12の外周面に沿い複数の突部14をまたぐよう延出している。解除防止部材150の延出した他端部には、結合具本体12の複数の突部14の間の複数の凹所の1つの中に突入した解除防止突起150aが形成されている。解除防止突起150aは、上記1つの凹所に対面している1つの突部14において付勢ユニット18が設置されている表面14bに隣接して配置されている。解除防止部材150の他端部にはさらに、上記凹所とは反対側に向い立ち上げられている操作部150bが設けられている。
【0124】
解除防止部材150は上記一端部と上記他端部との間で上記1つの凹所中に突入した駆動突部150cを有している。駆動突部150cは、上記1つの凹所に対面しているもう1つの突部14の係止駒部16の突出端面において係止面16aに隣接している。駆動突部150cにおいてもう1つの突部14の突出方向に向いた駆動表面150dは、図8の(C)中に示されている如く、解除防止部材150から上記1つの凹所の底面に向い傾斜した傾斜面により構成されている。
【0125】
解除防止部材150は自身の弾性力により、図8の(A)及び図8の(B)中に示されている如く、一方の結合具本体12の外周面に沿わされた解除防止位置に配置されている。
【0126】
1対の結合具10a,10bを相互に結合させる為に、1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させると、図8の(D)中に示されている如く、他方の結合具10bの対応する突部14の突出端が解除防止位置の解除防止部材150の駆動突部150cの駆動表面150dに衝突する。そして、対応する突部14は解除防止部材150を自身の弾性力に抗して上記外周面から持ち上げて上記外周面から分離し図8の(D)中に示されている解除位置へと移動させる。解除位置では、解除防止部材150の他端部の解除防止突起150aも上記1つの凹所中から持ち上げられて上記1つの凹所中から抜き出される。
【0127】
この結果、一方の結合具10aの複数の突部14の複数の係止駒部16と他方の結合具10bの複数の突部14の複数の係止駒部16とを相互に係止させることが出来る。このように、1対の結合具10a,10bが相互に結合された時には、解除防止部材150の駆動突部150cは上記1つの凹所中に挿入された他方の結合具10bの1つの突部14において係止駒部16が設けられている側面14a上の応力緩和溝18中に突入される。上述した相互結合時には、一方の結合具10aの複数の突部14において複数の係止駒部16とは反対側の側面14bと一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に挿入されている他方の結合具10bの複数の突部14において複数の係止駒部16とは反対側の側面14bとの間に隙間が生じる。この隙間に解除防止部材150の他端部の解除防止突起150aが落ち込んで、解除防止部材150は自身の弾性力により、図8の(A)及び(B)中に示されている如く結合具本体12の外周面上に沿わされた解除防止位置に復帰する。
【0128】
解除防止位置において解除防止部材150の他端部の解除防止突起150aは、1対の結合具10a,10bの相互結合解除の為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させた時に、他方の結合具10bの複数の突部14の上記反対側の側面14bに当接することにより、相互結合解除の為の1対の結合具10a,10bの相対的な回動を防止する。
【0129】
相互に結合されている1対の結合具10a,10bを分離したい時、解除防止部材150の他端部の操作部150bを指で摘み持ち上げることにより、解除防止部材150を結合具本体12の外周面上から持ち上げ分離した解除位置に移動させれば良い。
【0130】
なお、解除防止部材150は他方の結合具10bの結合具本体12の外周面上にも上述したように設けることが出来るし、1対の結合具10a,10bの夫々において結合具本体12の外周面上の所望の複数の位置にも設けることも出来る。
【0131】
さらに、1対の結合具10a,10bの一方に解除防止部材150を上述したように設け、他方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。或いは、これとは逆に、1対の結合具10a,10bの他方に解除防止部材150を上述したように設け、一方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。また、1対の結合具10a,10bの両方に解除防止部材150を上述したように設け、一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【0132】
[第8の実施の形態]
次に、図9の(A)乃至(C)を参照しながら第8の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。この第8の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0133】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0134】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの少なくとも一方の結合具本体12に、解除防止構造の解除防止部材160が設けられている。解除防止部材160は、一方の結合具10aの結合具本体12において複数の突部14の相互間の複数の凹所の1つの底面に隣接した位置に一方の結合具10aの軸方向に移動可能に設けられている。解除防止部材160の軸方向への移動は、移動範囲規制機構162により所定の範囲に規制されている。この実施の形態では、移動範囲規制機構162は、上記外周面において上記隣接した位置に形成されていて上記軸方向に延出した案内孔162aと、案内孔162a中に挿入された解除防止部材160の案内部材162bと、を含んでいる。案内部材162bには上記外周面上で操作機構の操作部材164が固定されている。
【0135】
案内部材162bが案内孔162bの延出方向の両端部に配置された時には、解除防止部材160は解除防止位置と解除位置とに配置される。
【0136】
解除防止位置において解除防止部材160は上記1つの凹所の底面から上記1つの凹所中に突出しており、解除位置において解除防止部材160は上記1つの凹所の底面から実質的に上記1つの凹所中に突出しない。
【0137】
解除防止部材160は付勢機構166により解除防止位置に向い付勢されている。この実施の形態において付勢機構166は、一方の結合具10aの結合具本体12において上記隣接した位置に設けられている圧縮コイルばねにより構成されている。
【0138】
他方の結合具10bの結合具本体12の複数の突部14の夫々の突出端面には、夫々の突部14において係止駒部16が設けられているのとは反対側の側面14bに隣接した領域に解除防止凹部167が形成されている。
【0139】
解除防止部材160が付勢機構166の付勢力により解除防止位置に配置されている間に、1対の結合具10a,10bを相互に結合させる為に、1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させると、図9の(A)中に2点鎖線で示されている如く、解除防止部材160の突出端面に、他方の結合具10bの対応する突部14の突出端面において係止駒部16が設けられている側面14aに隣接した領域が当接する。この後、他方の結合具10bの対応する突部14は上記突出端面の領域で解除防止部材160を付勢機構166の付勢力に抗して解除位置に移動させる。さらに1対の結合具10a,10bの夫々の複数の突部14の付勢機構18の付勢力により、一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16に対し他方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16が図9の(A)中に実線で示されている如く係止するよう、1対の結合具10a,10bが相対的に回動される。
【0140】
1対の結合具10a,10bが相互に連結された時には、他方の結合具10aの上記対応する突部14の突出端面の解除防止凹部167が解除位置の解除防止部材160の突出端面に対向し、解除防止部材160は付勢機構166の付勢力により図9の(A)中に実線で示されている如く解除防止凹部167中に突出する。この時の解除防止部材160の位置は解除防止位置である。
【0141】
解除防止位置において解除防止部材160の突出端部は、1対の結合具10a,10bの相互結合解除の為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させた時に、図9の(A)中に点線で示されているように他方の結合具10bの対応する突部14の突出端面の解除防止凹部167の周方向壁に当接することにより、相互結合解除の為の1対の結合具10a,10bの相対的な回動を防止する。
【0142】
相互に結合されている1対の結合具10a,10bを分離したい時、解除防止部材160を操作機構164により付勢機構166の付勢力に抗して解除防止凹部167中の解除防止位置から解除位置に移動させれば良い。これによって、相互に結合されている1対の結合具10a,10bを相互に分離させる為に必要な1対の結合具10a,10bの相対的な回動が許容される。
【0143】
なお、解除防止部材160及び移動範囲規制機構162を他方の結合具10bの結合具本体12にも上述したように設けることが出来るし、また、解除防止凹部167を一方の結合具10bの結合具本体12の複数の突部14の突出端面に形成することも出来る。さらに、1対の結合具10a,10bの夫々において解除防止部材160及び移動範囲規制機構162を結合具本体12において複数の突部14の間の複数の凹所に対応した所望の複数の位置に設けることも出来るし、同時に1対の結合具10a,10bの夫々において解除防止凹部167を結合具本体12において複数の突部14の突出端面に形成することが出来る。
【0144】
さらに、1対の結合具10a,10bの一方に解除防止部材160及び移動範囲規制機構162を上述したように設け、他方に解除防止凹部167を上述したように設ける他に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。或いは、これとは逆に、1対の結合具10a,10bの他方に解除防止部材160及び移動範囲規制機構162を上述したように設け、一方に解除防止凹部167を上述したように設ける他に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。また、1対の結合具10a,10bの両方に解除防止部材160及び移動範囲規制機構162と解除防止凹部167を上述したように設け、一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【0145】
[第9の実施の形態]
次に、図10を参照しながら第9の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。この第9の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0146】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0147】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの少なくとも一方の結合具本体12に、解除防止構造の解除防止部材170が設けられている。解除防止部材170は、一方の結合具10aの結合具本体12において複数の突部14の相互間の複数の凹所の1つの底面に隣接した位置に一方の結合具10aの軸方向に移動可能に設けられている。解除防止部材170の軸方向への移動は、移動範囲規制機構172により所定の範囲に規制されている。この実施の形態では、移動範囲規制機構172は、上記外周面において上記隣接した位置に形成されていて上記軸方向に延出した案内孔172aと、案内孔172a中に挿入された解除防止部材170の案内部材172bと、を含んでいる。案内部材172bには上記外周面上で操作機構の操作部材174が固定されている。
【0148】
案内部材174が案内孔172bの延出方向の両端部に配置された時には、解除防止部材170は解除防止位置と解除位置とに配置される。
【0149】
解除防止位置において解除防止部材170は上記1つの凹所の底面から上記1つの凹所中に突出しており、解除位置において解除防止部材170は上記1つの凹所の底面から実質的に上記1つの凹所中に突出しない。
【0150】
解除防止部材170は付勢機構176により解除防止位置に向い付勢されている。この実施の形態において付勢機構176は、一方の結合具10aの結合具本体12において上記隣接した位置に設けられている圧縮コイルばねにより構成されている。
【0151】
解除防止部材170が付勢機構176の付勢力により解除防止位置に配置されている間に、1対の結合具10a,10bを相互に結合させる為に、1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させると、図10中に2点鎖線で示されている如く、解除防止部材170の突出端面に、他方の結合具10bの対応する突部14の突出端面が当接する。この後、他方の結合具10bの対応する突部14は上記突出端面で解除防止部材170を付勢機構176の付勢力に抗して解除位置に移動させる。さらに1対の結合具10a,10bの夫々の複数の突部14の付勢機構18の付勢力により、一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16に対し他方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16が図10中に実線で示されている如く係止するよう、1対の結合具10a,10bが相対的に回動される。
【0152】
1対の結合具10a,10bが相互に連結された時には、解除防止部材170は付勢機構176の付勢力により図10中に実線で示されている如く、1対の結合具本体10a,10bが相互に結合されている間における少なくとも一方の結合具本体10aの複数の突部14の間の複数の凹所の少なくとも1つとそこに挿入されている他方の結合具本体10bの複数の突部14の中の少なくとも1つとの間の夫々の係止駒部16が設けられている側面14aとは反対側の側面14b間の隙間に突出する。この時の解除防止部材170の位置は解除防止位置である。そして、上記相互結合を解除する為に必要な1対の結合具本体10a,10bの相対的な回動を規制する。この間には、相互に連結されている1対の結合具10a,10bに対し相互連結解除の為に必要な相対的な回動を生じさせることが出来ない。
【0153】
相互に結合されている1対の結合具10a,10bを分離したい時、解除防止部材170を操作機構174により付勢機構176の付勢力に抗して図10中に示されている解除防止位置から解除位置に移動させれば良い。これによって、相互に結合されている1対の結合具10a,10bを相互に分離させる為に必要な1対の結合具10a,10bの相対的な回動が許容される。
【0154】
なお、解除防止部材170及び移動範囲規制機構172を他方の結合具10bの結合具本体12にも上述したように設けることが出来る。さらに、1対の結合具10a,10bの夫々において解除防止部材170及び移動範囲規制機構172を結合具本体12において複数の突部14の間の複数の凹所に対応した所望の複数の位置に設けることも出来る。
【0155】
さらに、1対の結合具10a,10bの一方に解除防止部材170及び移動範囲規制機構172を上述したように設け、他方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。或いは、これとは逆に、1対の結合具10a,10bの他方に解除防止部材170及び移動範囲規制機構172を上述したように設け、一方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。また、1対の結合具10a,10bの両方に解除防止部材170及び移動範囲規制機構172を上述したように設け、一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【0156】
[第10の実施の形態]
次に、図11を参照しながら第10の実施の形態に従った本発明の解除防止構造を備えている結合装置について説明する。この第10の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0157】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0158】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの夫々は、結合具本体12及びライナー22を備えている。結合具本体12はライナー22の外周面上に回転自在に保持されている。これは、結合具本体12の内周面の環状溝及びライナー14の外周面の環状溝に保持した複数の球180によって結合具本体12の内周面を保持することによりもたらされている。ライナー22の外周面上で結合具本体12から離れた位置には、ライナー14に他の図示しない部材を固定する為の固定要素182が接続されている。
【0159】
第10の実施の形態に従った結合装置の1対の結合具10a,10bは、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の1対の結合具10a,10bと同様に容易に相互に連結させることが出来る。即ち、1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させる。さらに1対の結合具10a,10bの夫々の複数の突部14の付勢機構18の付勢力により、一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16に対し他方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16が係止するよう、1対の結合具10a,10bが相対的に回動される。
【0160】
1対の結合具10a,10bが相互に連結されている間に固定要素182を介してライナ22に負荷された捩じり力は相互に連結されている1対の結合具10a,10bに伝達されないし、1対の結合具10a,10bの結合具本体12に負荷された一方向又は他方向のみの回転力も1対の結合具10a,10bを相互に分離させるのに必要な1対の結合具10a,10bの結合具本体12の相対的な回転を生じさせない。
【0161】
相互に連結されているこの実施例の1対の結合具10a,10bの相互連結を解除するには、1対の結合具10a,10bの結合具本体12を同時に保持し、相互連結を解除の為に必要な1対の結合具10a,10bの相対的な回動を強制的に生じさせなければならない。この相対的な回動を強制的に行なわせるのを容易にする為に、1対の結合具10a,10bの結合具本体12の外終面に例えばローレット加工のような摩擦増大処理を施したり、図示しない工具を着脱自在に係合させる為の工具係合凹所を形成することが出来る。
【0162】
さらに、1対の結合具10a,10bの一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【0163】
[第11の実施の形態]
次に、図12の(A)及び(B)を参照しながら第11の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。この第11の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0164】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0165】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの少なくとも一方は、結合具本体12がライナー22を結合具本体12の軸方向に移動可能に収容している。結合具本体12において周方向に相互に等間隔で離間した複数の位置に解除防止機構190のカム状解除防止部材190aが配置されている。カム状解除防止部材190aは結合具本体12の外表面において上記複数の位置に形成された貫通孔中に収容されていて、上記外表面に対し交差する面内で回動するよう回転中心軸190bにより結合具本体12に支持されている。カム状解除防止部材190aからは、上記貫通孔を介して操作機構の操作レバー190cが外部空間中に延出している。操作レバー190cは回転中心軸190bを中心にして結合具本体12の軸方向に沿い揺動可能である。
【0166】
ライナー22の外周面には環状溝192が形成されていて、環状溝192中にカム状解除防止部材190aが嵌合されている。操作レバー190cが、結合具本体12の外周面から離れて上記外周面から立ち上げられた位置から、図12の(A)及び(B)中に示されているように、結合具本体12の複数の突部14の突出方向とは逆の方向に向い倒されて結合具本体12の外周面に沿うよう横たわらせられた位置に配置されると、カム状解除防止部材190aに駆動されてライナー22は結合具本体12中で上記突出方向に向い直線移動する。この時のカム状解除防止部材190aの位置は解除防止位置である。
【0167】
これとは逆に、操作レバー190cが、図12の(A)及び(B)中に示されている横たわり位置から上記立ち上がり位置へと回動されると、カム状解除防止部材190aに駆動されてライナー22は結合具本体12中で上記突出方向とは反対方向に直線移動する。この時のカム状解除防止部材190aの位置は解除位置である。
【0168】
1対の結合具10a,10bを相互に連結させる時、操作レバー190cが上記立ち上がり位置に配置されてカム状解除防止部材190aは解除位置に配置される。この間に1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させる。さらに1対の結合具10a,10bの夫々の複数の突部14の付勢機構18の付勢力により、一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16に対し他方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16が係止するよう、1対の結合具10a,10bが相対的に回動される。そして、1対の結合具10a,10bが相互に連結される。
【0169】
この後、操作レバー190cが、図12の(A)及び(B)中に示されている横たわり位置に配置され、カム状解除防止部材190aは解除防止位置に配置される。この結果、相互に連結されている1対の結合具10a,10b中のライナー22は夫々の突出端面のシール部材24を介して相互に強制的に当接されて、それぞれを軸方向に沿い相互に離れる方向に向かわせる力を発生させる。この力は、上記軸方向に沿って1対の結合具10a,10bが相互に遠ざかる方向における一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16と他方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16との相互の係止を強化する。この間には、相互に連結されている1対の結合具10a,10bに対し相互連結解除の為に必要な相対的な回動を生じさせることが出来ない。
【0170】
1対の結合具10a,10bの相互連結解除の為に必要な相対的な回動を許容させるには、操作レバー190cを、図12の(A)及び(B)中に示されている横たわり位置から上記立ち上がり位置へと回動させれば良い。
【0171】
なお、解除防止機構190を他方の結合具10bの結合具本体12にも上述したように設けることが出来る。
【0172】
さらに、1対の結合具10a,10bの一方に解除防止機構190を上述したように設け、他方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。或いは、これとは逆に、1対の結合具10a,10bの他方に解除防止機構190を上述したように設け、一方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。また、1対の結合具10a,10bの一方又は他方に解除防止機構190を上述したように設け、一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【0173】
[第12の実施の形態]
次に、図13の(A)及び(B)を参照しながら第12の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。この第12の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0174】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0175】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの少なくとも一方の結合具本体12において周方向に相互に等間隔で離間した複数の位置に解除防止機構200の回転式解除防止部材200aが配置されている。回転式解除防止部材200aは結合具本体12の外表面において上記複数の位置に形成された貫通孔中に収容されていて、上記外表面に対し交差する面内で回動するよう回転中心軸200bにより結合具本体12に支持されている。回転式解除防止部材200aからは、上記貫通孔を介して操作機構の操作レバー200cが外部空間中に延出している。操作レバー200cは回転中心軸200bを中心にして結合具本体12の軸方向に沿い揺動可能である。
【0176】
操作レバー200cが、結合具本体12の外周面から離れて上記外周面から立ち上げられた位置から、図13の(A)及び(B)中に示されているように、結合具本体12の複数の突部14の突出方向とは逆の方向に向い倒されて結合具本体12の外周面に沿うよう横たわらせられた位置に配置されると、回転式解除防止部材200aの一部が結合具本体12の複数の突部14の間の複数の凹所の少なくとも1つの底面から複数の突部14の突出方向に向い突出する。この時の回転式解除防止部材200aの位置は解除防止位置である。
【0177】
これとは逆に、操作レバー200cが、図13の(A)及び(B)中に示されている横たわり位置から上記立ち上がり位置へと回動されると、回転式解除防止部材200aの一部が上記少なくとも1つの底面から実質的に突出しないよう引っ込む。この時の回転式解除防止部材200aの位置は解除位置である。
【0178】
1対の結合具10a,10bを相互に連結させる時、操作レバー200cが上記立ち上がり位置に配置されて回転式解除防止部材200aは解除位置に配置される。この間に1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させる。さらに1対の結合具10a,10bの夫々の複数の突部14の付勢機構18の付勢力により、一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16に対し他方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16が係止するよう、1対の結合具10a,10bが相対的に回動される。そして、1対の結合具10a,10bが相互に連結される。
【0179】
この後、操作レバー200cが、図13の(A)及び(B)中に示されている横たわり位置に配置され、回転式解除防止部材200aは解除防止位置に配置される。この結果、一方の結合具10aの結合具本体12の複数の突部14の間の複数の凹所中の少なくとも1つの底面から突出した回転式解除防止部材200aの一部が、上記複数の凹所中に挿入されている他方の結合具10aの複数の突部14の中の対応する突部14の突出端面に当接又は接近する。
【0180】
そして、回転式解除防止部材200aの一端部が相互に結合している1対の結合具10a,10bの他方の結合具10bの解除防止部材70の一端部が相互に結合している1対の結合具10a,10bの他方の結合具10bの対応する突部14の突出端面を一方の結合具10aの対応する凹所の底面から遠ざけるよう押圧するか、又は、上記他方の結合具10bの対応する突部14の突出端面が一方の結合具10aの対応する凹所の底面に接近するのを防止する。
【0181】
この結果として、一方の結合具10aの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16と他方の結合具10bの結合具本体12の隣接した複数の突部14の係止駒部16との軸方向及び周方向における相互の係止が強化されるか、又は弱化されない結果となる。この間には、相互に連結されている1対の結合具10a,10bに対し相互連結解除の為に必要な相対的な回動を生じさせることが出来ない。
【0182】
1対の結合具10a,10bの相互連結解除の為に必要な相対的な回動を許容させるには、操作レバー200cを、図13の(A)及び(B)中に示されている横たわり位置から上記立ち上がり位置へと回動させれば良い。
【0183】
回転式解除防止部材200aは、一方の結合具10aと同様に、他方の結合具10aにも設けることが出来る。
【0184】
さらに、1対の結合具10a,10bの一方に解除防止機構200を上述したように設け、他方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。或いは、これとは逆に、1対の結合具10a,10bの他方に解除防止機構200を上述したように設け、一方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。また、1対の結合具10a,10bの一方又は他方に解除防止機構200を上述したように設け、一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【0185】
[第13の実施の形態]
図14の(A)及び(B)には第13の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置が示されている。この第13の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0186】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0187】
また、第13の実施の形態の構成の大部分は、図13の(A)及び(B)を参照しながら前述した第12の実施の形態の構成の大部分と同である。そして、第13の実施の形態の作用及び効果は第12の実施の形態の作用及び効果と実質的には同じである。したがって、第13の実施の形態において第12の実施の形態の構成部材と同様な構成部材には第12の実施の形態において使用されていた200番台の参照符号に代えて、210番台の参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0188】
第13の実施の形態の構成が第12の実施の形態の構成と異なることのみを説明すると、第12の実施の形態において回転式解除防止部材200aが収容されていた結合具本体12の貫通孔の縦断面形状である。第13の実施の形態の解除防止部材収容貫通孔は、図14の(B)中に示されている如く、結合具本体12において、解除防止位置の回転式解除防止部材210aの一部が突出する突部14側の開口と、操作レバー210cが延出する外周面側の開口と、が連続している。これに対し第12の実施の形態の解除防止部材収容貫通孔は、図13の(B)中に示されている如く、結合具本体12において、解除防止位置の回転式解除防止部材200aの一部が突出する突部14側の開口に仕切り壁が存在していて、突部14側の開口と操作レバー200cが延出する外周面側の開口とが連続していない。上記仕切り壁は、第12の実施の形態の解除防止部材収容貫通孔の強度を、第13の実施の形態の解除防止部材収容貫通孔の強度よりも向上させている。
【0189】
さらに、1対の結合具10a,10bの一方に解除防止機構210を上述したように設け、他方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。或いは、これとは逆に、1対の結合具10a,10bの他方に解除防止機構210を上述したように設け、一方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。また、1対の結合具10a,10bの一方又は他方に解除防止機構210を上述したように設け、一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0190】
本発明の、解除防止構造を備えた結合装置は、相互に同じ構造を有していて相互に同軸に配置した後に相互に接近させることのみで相互に結合される1対の結合具を備えている結合装置が使用者の意思に反して結合を解除することを確実に防止することが出来る。そして、流体を流すパイプを相互に着脱可能に結合する為に使用することが出来るのはもちろんのこと、複数の構造用パイプや中実軸を相互に着脱可能に結合する為にも使用することが出来る。
【符号の説明】
【0191】
10a,10b…結合具、12…結合具本体、14…突部、14a…側面、16…係止駒部、16a…係止面、22…ライナー、30a,30b…結合具、32…ライナー、34…固定部材、38…ライナー、40…被固定部材、42…ライナー、43…選択回動阻止手段、100…第1の結合要素、102…第2の結合要素、104…解除防止部材、112,112’…解除防止部材、118,118’…解除防止突起、120…ホルダー部材、128…付勢機構、130…回転運動・直線運動変換機構、136…選択回転停止機構、140…ホルダー部材、146…解除防止部材、148…付勢機構、150…解除防止部材、150a…解除防止突起、160…解除防止部材、164…操作部材(操作機構)、166…付勢機構、167…解除防止凹部、170…解除防止部材、174…操作部材(操作機構)、176…付勢機構、190a…カム状解除防止部材、190c…操作レバー(操作機構)、200a…回転式解除防止部材、200c…操作レバー(操作機構)、210a…回転式解除防止部材、210c…操作レバー(操作機構)。
【技術分野】
【0001】
この発明は、解除防止装置を備えた結合装置に関係している。
【背景技術】
【0002】
相互に同じ構造を有していて、相互に同軸に配置した後に相互に接近させることのみで相互に結合される1対の結合具を備えている結合装置が、日本国特許第3107507号明細書により知られている。
【0003】
この特許に係わる結合装置の構造について、図15乃至図17を参照しながら詳細に説明する。図15には、相互に分離された状態の1対の結合具10a,10bの斜視図が示されている。図16には、図15の1対の結合具10a,10bの側面図が示されており、ここにおいて一方の結合具10bは縦断面にされている。
【0004】
1対の結合具10a,10bの夫々は、筒形状の結合具本体12を備えている。結合具本体12の一端面には、周方向に相互に等間隔に離間した複数の位置に複数の突部14が形成されている。複数の突部14の夫々は、結合具本体12の長手方向中心線の延出方向と同じ方向で外方に向い突出している。
【0005】
複数の突部14の夫々において一方の周方向を向いた側面14aは、上記長手方向中心線の延出方向と同じ方向に延出している。一方の側面14aには、夫々の突部14の突出端に隣接した位置に上記一方の周方向に向い突出した係止駒部16が形成されている。
【0006】
図17には、1対の結合具10a,10bが相互に結合された状態における突部14が拡大して示されている。図17中に良く示されているように、係止駒部16は突部14の突出方向とは反対方向を向いている係止面16aを含んでいる。係止面16aは、係止駒部16の根元側が係止駒部16の円周方向突出側よりも突部14の突出方向において外方に位置するよう傾斜されている。突部14の一方の側面14aにおける係止面16aの根元位置には、略U字形状の断面を有した応力緩和溝18が形成されている。応力緩和溝18は、係止面16aに負荷された応力が係止面16aの根元に集中するのを防止する。
【0007】
複数の突部14の夫々において他方の周方向を向いた側面14bは、突部14の根元側が突部14の突出端側に比べ隣接する突部14に接近するよう傾斜されている。傾斜した他方の側面14bの所定の位置には、付勢ユニット18が設置されている。付勢ユニット18は、傾斜した他方の側面14bの上記所定の位置に埋設された底付き円筒形状ケース18aを含んでいる。円筒形状ケース18aの内部空間中には、圧縮コイルスプリング18b及び球18cが収容されている。圧縮コイルスプリング18bは球18cをケース18aの開口に向い付勢している。上記開口の直径は球18cの直径よりも僅かに小さく設定されているので、付勢されている球18cは上記開口から外部に飛び出さない。
【0008】
結合具本体12の外周面には、工具係合溝20が形成されている。
【0009】
結合具本体12の内周面において突部14側には筒状のライナー22が固定されている。突部14側に位置しているライナー22の一端部は結合具本体12の複数の突部14に取り囲まれ、結合具本体12の複数の突部14の夫々の突出端と基端との間に突出している。ライナー22の上記一端部の突出端面には円環状のシール部材24が取り付けられている。結合具本体12の内周面において突部14側とは反対側は、結合具本体12に取り付けられる棒状部材または管状部材の端部が固定される棒状または管状部材固定部26として構成されている。この図15乃至図17中に示されている従来例では、管状部材固定部26に消防用ホース28の一端部が固定されている。
【0010】
上述した如く構成されている従来の結合装置の1対の結合具10a,10bを相互に結合させるには、先ず最初に、一方の結合具10aの複数の突部14が他方の結合具10bの複数の突部14の間の複数の凹部に対向するよう相互に同心的に配置される。次に、1対の結合具10a,10bを相互に接近させて、一方の結合具10aの複数の突部14を他方の結合具10bの複数の突部14の間の複数の凹部に挿入させる。一方の結合具10aの複数の突部14の突出端面が他方の結合具10bの複数の突部14の間の複数の凹部の底面に到達する直前に、一方の結合具10aの複数の突部14の夫々の傾斜した他方の側面14b中の付勢ユニット18の球18cが他方の結合具10bの複数の突部14の夫々の傾斜した他方の側面14b中の付勢ユニット18の球18cに当接する。そして、付勢ユニット18は、1対の結合具10a,10bを夫々の長手方向及び円周方向において相互に離れるよう付勢する。この結果、一方の結合具10aの複数の突部14の夫々の円周方向突出端面が他方の結合具10bの複数の突部14の夫々の円周方向突出端面に当接する。この状態で上記付勢力に抗して1対の結合具10a,10bを相互にさらに接近させると、一方の結合具10aの複数の突部14の夫々の円周方向突出端面と他方の結合具10bの複数の突部14の夫々の円周方向突出端面とが相互に摺動し、最後に、図17中に示されているように、一方の結合具10aの複数の突部14の夫々の係止駒部16の傾斜した係止面16aが他方の結合具10bの複数の突部14の夫々の係止駒部16の傾斜した係止面16aに係止される。この係止は、上述した付勢力により保持される。
【0011】
この時、一方の結合具10aのライナー22のシール部材24は他方の結合具10bのライナー22のシール部材24に当接し、相互間の隙間を密封する。
【0012】
1対の結合具10a,10bが上述した如くして相互に結合されている間に消防用ホース28中に加圧された水が流された場合には、加圧された水が1対の結合具10a,10bの夫々のライナー22のシール部材24をライナー22の半径方向の外方に向い押圧する。この結果、1対の結合具10a,10bのライナー22は、ライナー22の長手方向中心線に沿い相互に離間する方向に押圧される。この長手方向の押圧力は、一方の結合具10aの複数の突部14の夫々の係止駒部16の傾斜した係止面16aと他方の結合具10bの複数の突部14の夫々の係止駒部16の傾斜した係止面16aとの係止を強化する。
【0013】
相互に結合されている1対の結合具10a,10bを分離するには、消防用ホース28中への加圧された水の供給が停止されて加圧された水によるシール部材24の押圧が停止されている間に、付勢ユニット18の付勢力に抗して一方の結合具10aに対し他方の結合具10bを相対的に接近させ、その状態で相対的に回転させる。この結果、一方の結合具10aの複数の突部14の夫々の係止駒部16の傾斜した係止面16aと他方の結合具10bの複数の突部14の夫々の係止駒部16の傾斜した係止面16aとの係止が解除される。これに続いて、付勢ユニット18の付勢力が1対の結合具10a,10bをこれらの長手方向中心線に沿い相互に離間するよう付勢する。
【0014】
1対の結合具10a,10bが相互に結合されている間に相互間の隙間に入り込んだ例えば砂粒のような異物により、1対の結合具10a,10bを分離する為に必要な1対の結合具10a,10bの上述した如き相対的な長手方向移動及び回転が人力により不可能になることがまれに生じる。この場合には、1対の結合具10a,10bの夫々の外周面の工具係合溝20に適切な工具を係合させることにより、このような工具を使用して1対の結合具10a,10bを分離する為に必要な1対の結合具10a,10bの上述した如き相対的な長手方向移動及び回転を強制的に生じさせることが出来る。
【0015】
上述した如く構成されている従来の1対の結合具10a,10bは、構造が簡単でありながら相互の結合作業及び結合解除作業を容易にしている。相互に結合されている1対の結合具10a,10bは、結合具本体12に取り付けられる棒状部材または管状部材が上述した消防用ホース28のようなある程度の大きさの捩じり力を吸収してしまうような材料で構成されている場合には、1対の結合具10a,10bが相互に結合されているとともに加圧された水が供給されていない間に棒状部材または管状部材に捩じり力が負荷された時でも、付勢ユニット18の付勢力により相互の結合は維持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】日本国特許第3107507号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、棒状部材または管状部材が上述した消防用ホース28のようなある程度の大きさの捩じり力を吸収してしまうような材料で構成されていない場合には、付勢ユニット18の付勢力よりも大きな捩じり力が棒状部材に負荷された時、又は管状部材に加圧された流体が供給されていない間に付勢ユニット18の付勢力よりも大きな捩じり力が管状部材に負荷された時、1対の結合具10a,10bに相互結合が解除されてしまうことがあった。
【0018】
この発明は、このような事情の下でなされ、この発明の目的は、1対の結合具を相互に結合する場合には1対の結合具を同心的に配置した後に相互に接近させることにより付勢ユニットの付勢力により1対の結合具が1対の結合具の周方向に相対的に回転された状態で夫々の軸方向に沿い相互に離間する方向に相互に結合され、また1対の結合具の相互の結合を解除する場合には、付勢ユニットの付勢力に抗して1対の結合具を上記軸方向に沿い相互に接近させた状態で上記周方向に相対的に回転させるような、上述したような特許に係る結合装置であって、1対の結合具が相互に結合されている間に1対の結合具の少なくとも一方に付勢ユニットの付勢力よりも大きなねじり力を負荷された場合でも、1対の結合具の相互結合の解除を確実に防止することが出来る解除防止構造を備えている結合装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この発明の概念に従った解除防止構造を備えた結合装置は:
夫々が同心的に相互に対向して配置され、相互に同じ構成を有した筒状の1対の結合具本体と;そして、
夫々の結合具本体に収容されているライナーと;
を備えていて、
1対の結合具本体は、夫々の対向面上の同じ直径の同心円上に所定の間隔で相互に離間した複数の位置から夫々の長手方向中心線に沿い延出した複数の突部を含んでおり、複数の突部において一方の周方向に向いた側面上には突部の突出端側から上記一方の周方向に向い突出した係止駒部が設けられていて、係止駒部は突部の突出方向とは反対方向を向いた係止面を有しており、
1対の結合具本体は相互に同心的に対向した状態で相互に接近されて一方の結合具本体の複数の突起を他方の結合具本体の複数の突部の間の複数の凹所中に挿入し、さらに、1対の結合具本体が相対的に回転されて一方の結合具本体の複数の突部の係止面が他方の結合具本体の複数の突部の係止面に対面し、1対の結合具本体が相互に離間する方向において一方の結合具本体の複数の突部の係止面が他方の結合具本体の複数の突部の係止面に係止され、
少なくとも一方の結合具本体は、少なくとも一方の結合具本体の内周面とライナーの外周面とに保持された複数の球により、ライナーに対して回動自在である、
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
この様な構成に従った解除防止構造を備えている結合装置によれば、1対の結合具を相互に結合する場合には1対の結合具を同心的に配置した後に相互に接近させることにより付勢ユニットの付勢力により1対の結合具が1対の結合具の周方向に相対的に回転された状態で夫々の軸方向に沿い相互に離間する方向に相互に結合され、また1対の結合具の相互の結合を解除する場合には、付勢ユニットの付勢力に抗して1対の結合具を上記軸方向に沿い相互に接近させた状態で上記周方向に相対的に回転させるような、上述したような特許に係る結合装置であって、1対の結合具が相互に結合されている間に1対の結合具の少なくとも一方に付勢ユニットの付勢力よりも大きなねじり力を負荷された場合でも、1対の結合具の相互結合の解除を確実に防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(A)は、第1の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の半断面図であり、ここにおいて解除防止構造のライナーは解除防止位置に配置されておらず;そして、 (B)は、図1の(A)の解除防止構造を備えている結合装置を解除防止構造のライナーが解除防止位置に配置されている状態で示す半断面図である。
【図2】(A)は、図1の解除防止構造のライナーの半断面図であり;そして、 (B)は、図1の解除防止構造のライナーの変形例の半断面図である。
【図3】(A)は、第2の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の側面図であり、ここにおいて解除防止構造の解除防止帯は解除位置に配置されていて;そして、 (B)は、図3の(A)の解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の正面図であり、ここにおいて解除防止構造の解除防止帯の解除位置は実線で、また解除防止位置は2点鎖線で示されている。
【図4】(A)は、第3の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の側面図であり、ここにおいて解除防止構造の解除防止帯は解除位置に配置されていて;そして、 (B)は、図4の(A)の解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の正面図であり、ここにおいて解除防止構造の解除防止帯の解除位置は実線で、また解除防止位置は2点鎖線で示されている。
【図5】(A)は、第4の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の側面図であり、ここにおいて解除防止構造の解除防止帯は解除位置に配置されていて;そして、 (B)は、図5の(A)の解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の正面図であり、ここにおいて解除防止構造の解除防止帯の解除位置は実線で、また解除防止位置は2点鎖線で示されている。
【図6】(A)は、第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第5の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の縦断面図であり;そして、 (B)は、第5の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具のもう1つの縦断面図であり、図6の(B)の縦断面は図6の(A)の縦断面から90°回転した位置にある。
【図7】(A)は、第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第6の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の縦断面図であり;そして、 (B)は、図7の(A)の一方の結合具の結合具本体の正面図である。
【図8】(A)は、第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第7の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の側面図であり; (B)は、図8の(A)の一方の結合具の正面図であり;そして、 (C)及び(D)は、図8の(A)の一方の結合具の解除防止構造の解除防止弾性帯が解除防止前状態から解除防止状態に移行する間の変化を図8の(A)のVIII−VIII線に沿った断面で示す断面図である。
【図9】(A)は、第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第8の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一部の拡大図であり; (B)は、図9の(A)の結合装置の一方の結合具に設けられている解除防止ピンの操作部材の拡大図であり;そして、 (C)は、図9の(A)の結合装置の他方の結合具に設けられている解除防止ピン収納凹所を示す他方の結合具の一部の正面図である。
【図10】第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第9の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一部の拡大図である。
【図11】第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第10の実施の形態に従った本発明の解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の半断面図である。
【図12】(A)は、第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第11の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の縦断面図であり;そして、 (B)は、図12の(A)の一方の結合具の一部の拡大図である。
【図13】(A)は、第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第12の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の一部の拡大図であり;そして、 (B)は、図13の(A)のXIII−XIII線に沿った一方の結合具の一部の断面図である。
【図14】(A)は、第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造が適用される第13の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の一方の結合具の一部の拡大図であり;そして、 (B)は、図14の(A)のXIV−XIV線に沿った一方の結合具の一部の断面図である。
【図15】本発明の基礎となった従来の結合装置を1対の結合具を分離して示す斜視図である。
【図16】図15の1対の結合具の一方の側面図及び他方の縦断面である。
【図17】相互に結合された1対の結合具の係止駒部を上記相互の結合を維持する付勢機構とともに拡大して示す図であり、ここにおいて付勢機構は断面にされている。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1の実施の形態]
まず最初に、図1の(A)乃至図2の(A)を参照しながら第1の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。
【0023】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0024】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具30a,30bは相互に同じ構成の結合具本体12を備えている。図15において、一方の結合具30aの複数の突部14の係止駒部16が他方の結合具30bの複数の突部14の係止駒部16に係止されていて、1対の結合具30a,30bは相互に結合されている。
【0025】
一方の結合具30aの結合具本体12に収容されている解除防止構造の筒状のライナー32は、複数の突部14側に大きな径を有した大径部32aを有しており、また複数の突部14とは反対側に小さな径を有した小径部32bを有している。大径部32aは結合具本体12の対応する内周面に対し周方向及び長手方向中心線に対し摺動可能であり、小径部32bは結合具本体12の対応する内周面に対し羅合されている。
【0026】
結合具本体12において複数の突部14とは反対側に突出した小径部32bの外端は固定部材34の固定台座34aに固定されている。この実施の形態では固定部材34は例えばポンプのケーシングであり、また固定台座34aは例えばポンプの吐水口金である。
【0027】
従って、一方の結合具30aの結合具本体12はライナー32の外周面上で一方又は他方に回動されることによりライナー32の長手方向中心線に沿い固定台座34aから遠ざかる方向又は接近する方向に直線移動される。
【0028】
一方の結合具30aの結合具本体12の外周面には上記回動を容易にする為の取っ手36が取り付けられている。
【0029】
固定台座34aに向う方向への一方の結合具30aの結合具本体12の直線移動は、一方の結合具30aの結合具本体12に対面した固定台座34aの端面に一方の結合具30aの結合具本体12が図2中に示されているように当接することにより規制されている。また、固定台座34aから離れる方向への一方の結合具30aの結合具本体12の直線移動は、一方の結合具30aの結合具本体12の内周面においてライナー32の大径部32aが摺接する部分と小径部32bが羅合した部分との境界にある段部が図1中にライナー32の外周面において大径部32aと小径部32bとの境界にある段部に当接することにより規定されている。
【0030】
そして、一方の結合具30aの結合具本体12が固定台座34aから図1の(A)中に示されているように最も遠ざかった時、その時の一方の結合具30aの結合具本体12の位置を解除位置とし、一方の結合具30aの結合具本体12が固定台座34aに対し図1の(B)中に示されているように最も接近した時、その時の一方の結合具30aの結合具本体12の位置を解除防止位置とする。
【0031】
他方の係合具30bの結合具本体12に収容されている筒状のライナー38もまた、複数の突部14側に大きな径を有した大径部38aを有しており、また複数の突部14とは反対側に小さな径を有した小径部38bを有している。大径部38aは結合具本体12の対応する内周面に対し周方向及び長手方向中心線に対し摺動可能であり、小径部38bは結合具本体12の対応する内周面に対し羅合されている。
【0032】
結合具本体12において複数の突部14とは反対側に突出した小径部38bの外端部には、1対の結合具30a及び30bによって固定具34の固定台座34aに対し結合させるべき被固定部材40を固定する為の固定部材42が固定されている。小径部38bの外端部に固定された固定部材42は、他方の係合具30bの結合具本体12に対するライナー38の軸方向移動及び周方向への回動を規制している。
【0033】
この実施の形態では、被固定部材40は環状のパイプであり、パイプは部材40に負荷された捩じり力をあまり吸収することなく他方の結合具30bの結合具本体12にかなりの程度伝達する。
【0034】
一方の結合具30aの結合具本体12が図1の(A)中に示されている解除位置に配置されている間には、1対の結合具30a及び30bを相互に同心的に配置した後に一方の結合具30aの結合具本体12の複数の突部14を一方の結合具30aの結合具本体12の複数の突部14の間の複数の凹部に挿入するよう1対の結合具30a及び30bを相互に接近させるだけで、一方の結合具30aの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16に対して他方の結合具30bの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16を、図15乃至図17を参照して前述した従来の1対の結合具10a,10bの結合具本体12と同様に、容易に相互に係止させることが出来る。この結果、この実施の形態の1対の結合具30a,30bは図1の(A)中に示されているように相互に結合され、付勢ユニット18の付勢力により相互の結合が保たれる。
【0035】
なおこの時には、一方の結合具30aのライナー32の大径部32aの突出端面上の環状のシール部材24に対して他方の結合具30bのライナー38の大径部38aの突出端面上の環状のシール部材24が同心的に当接されて相互間の隙間を密封するが、環状のシール部材24はその弾性によりさらに圧縮が可能である。
【0036】
また、上述した相互の結合を解除するには、図15乃至図17を参照して前述した従来の1対の結合具10a,10bの結合具本体12と同様に、1対の結合具30a,30bの結合具本体12を付勢ユニット18の付勢力に抗して相互に一旦接近させた後に一方の結合具30aの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16に対して他方の結合具30bの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16を周方向に離間させるよう相対に回転させるだけでよい。
【0037】
しかしながら、一方の結合具30aの結合具本体12が図1の(A)中に示されている解除位置に配置されている間における1対の結合具30a,30bの結合具本体12の相互結合は、図15乃至図17を参照して前述した従来の1対の結合具10a,10bの結合具本体12の相互結合の場合と同様に、以下のような場合に解除されてしまう。即ち、1対の結合具30a,30bのライナー32,38中に加圧された流体が供給されておらずライナー32,38の環状のシール部材24が相互に軸方向において押し合っていない間に、他方の結合具30bの固定部材42に固定されている部材40に付勢ユニット18の付勢力とは逆の方向に上記付勢力よりも大きな捩じり力が負荷されて一方の結合具30aに対して他方の結合具30bが付勢ユニット18の付勢力に抗して回動された場合である。
【0038】
このような現象を防止する為に、この第1の実施の形態では、図1の(A)に示されている如く解除位置に配置されている一方の結合具30aに対し他方の結合具30bが相互に結合されている間に、一方の結合具30aをライナー32上で回動させて図1の(A)に示す解除位置から図1の(B)に示す解除防止位置へと直線移動させる。そして、この時の一方の結合具30aの回動方向は一方の結合具30aの結合具本体1の複数の突部14の係止駒部16が他方の結合具30bの結合具本体1の隣接した複数の突部14の係止駒部16に周方向において接近する方向である。
【0039】
一方の結合具30aが図1の(B)に示す解除防止位置に配置されると、図1の(A)に示されている解除位置に配置されていた場合に比べると固定台座34aに向い接近される。その結果として、一方の結合具30aと相互に結合した状態で軸方向に一方の結合具30aとともに移動する他方の結合具30bのライナー38は、一方の結合具30aの固定されているライナー32に向い軸方向に沿い接近し、ライナー32,38の環状のシール部材24が相互に軸方向において強く押し合うようになる。このことは、一方の結合具30aの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16と他方の結合具30bの結合具本体12の隣接した複数の突部14の係止駒部16との軸方向及び周方向における相互の係止を強化する結果となる。さらには、他方の結合具30bの固定部材42に固定されている部材40に付勢ユニット18の付勢力とは逆の方向に上記付勢力よりも大きな捩じり力が負荷されても、一方の結合具30aに対して他方の結合具30bが付勢ユニット18の付勢力に抗して回動されることがなく、1対の結合具30a,30bの相互の結合解除が防止される。
【0040】
この結合解除防止を開放するには、一方の結合具30aをライナー32上で回動させて図1の(B)に示す解除防止位置から図1の(B)に示す解除位置へと直線移動させるだけで良い。
【0041】
この実施の形態はさらに、一方の結合具30aの結合具本体12の回動を選択的に阻止する回動阻止手段43を備えている。回動阻止手段43は、一方の結合具30aの結合具本体12に隣接した固定部材34の固定台座34aの外周面に固定された支持体43aと、支持体43aに出没可能に支持された選択回動阻止部材43bと、を含んでいる。選択回動阻止部材43bは、図1の(A)中に示されているように支持体43a中に引き込まれ一方の結合具30aの結合具本体12の取っ手36の回動軌跡中に突出しない退避位置と、図1の(B)中に示されているように支持体43aから一方の結合具30aの結合具本体12の取っ手36の回動軌跡中に突出した突出位置と、の間で選択的に移動可能である。
【0042】
この実施の形態において、選択回動阻止部材43bの退避位置と突出位置との間の移動は、支持体43aにおいて選択回動阻止部材43bの退避位置と突出位置との間の移動方向に沿い延出したスリット43c中に挿入されて選択回動阻止部材43bに固定された操作摘み43dを手動操作することにより行なうことが出来る。支持体43aと選択回動阻止部材43bとの間には、選択回動阻止部材43bを退避位置と突出位置に選択的に保持する為の図示しない選択保持手段を設けることができる。このような選択保持手段としては、例えばクリック機構をあげることができる。
【0043】
図1の(B)中に示されているように、突出位置の選択回動阻止部材43bは、一方の結合具30aの結合具本体12が図1の(B)中に示されている解除防止位置に配置された時の取っ手36に対し、一方の結合具30aの結合具本体12が図1の(B)中に示されている解除防止位置に配置された時の取っ手36が図1の(A)中に示されている一方の結合具30aの結合具本体12の解除位置に向う方向に隣接している。即ち、突出位置の選択回動阻止部材43bは、一方の結合具30aの結合具本体12が図1の(B)中に示されている解除防止位置から図1の(A)中に示されている解除位置に向うよう回動されると、取っ手36が衝突し、上記回動を阻止する。一方の結合具30aの結合具本体12を図1の(B)中に示されている解除防止位置から図1の(A)中に示されている解除位置に向うよう回動させるには、回動阻止手段43の選択回動阻止部材43bを図1の(B)中に示されている突出位置から図1の(A)中に示されている退避位置に移動させれば良い。
【0044】
[第1の実施の形態の変形例]
他方の結合具30bの固定部材42に固定されている部材40に流体を流す必要が無い場合、一方の結合具30aのライナー32又は他方の結合具30bのライナー38の少なくとも1つを図2の(B)中に示す如く同じ外形寸法を有しているが中実な構成のライナー42に交換し、さらにライナー42の大径部42aにいて小径部42bとは反対側を向いている端面に弾性材料の弾性部材44を固定することも出来る。
【0045】
なお、ライナー32が解除防止位置に配置されている間における一方の結合具30aのライナー32と他方の結合具30bのライナー38との間の密封に問題が生じないのであれば、ライナー32,38の夫々の対向面に弾性を有したシール部材24や弾性部材44を設ける必要はない。
【0046】
[第2の実施の形態]
次に、図3の(A)及び(B)を参照しながら第2の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。
【0047】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0048】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に第1の結合要素100が設けられている。一方の結合具10aの外周面にはさらに、第1の結合要素100と結合可能な第2の結合要素102を有していて、第1の結合要素100に第2の結合要素102を結合させた解除防止位置と第1の結合要素100に対する第2の結合要素102の結合を解除させた解除位置との間で移動可能な解除防止部材104が1対設けられている。
【0049】
この実施の形態では、1対の解除防止部材104は帯状の基材106を含んでいて、基材106の一端部が固定部材108により一方の結合具10aの外周面に対し回動自在又は折り曲げ可能に固定されている。1対の解除防止部材104の夫々の基材106の他端部が、図3の(B)中に2点鎖線で示されているように、1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に上記外周面に対面する基材106の第1の表面に第2の結合要素102が取り付けられている。1対の解除防止部材104の夫々の基材106の他端部が上述したように1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に上記外周面とは反対側を向く基材106の第2の表面には第3の結合要素110が取り付けられている。
【0050】
この実施の形態では、第1の結合要素100及び第2の結合要素102は相互に協働して分離可能に結合される例えばベルクロ(商標名)のような面ファスナーにより構成することが出来る。第3の結合要素110は、相互に協働して分離可能に結合される例えばベルクロ(商標名)のような面ファスナーにより構成することが出来るし、スナップ式ボタンにより構成することも出来る。
【0051】
1対の解除防止部材104の夫々は、1対の結合具10a,10bが図3の(A)中に示されている如く相互に結合されている間に、1対の解除防止部材104の夫々の基材106の他端部が、図3の(B)中に2点鎖線で示されているように、1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に、一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16の係止面(図15乃至図17中に参照符号16aで指摘されている)と他方の結合具10bの複数の突部14の係止駒部16の係止面(図15乃至図17中に参照符号16aで指摘されている)との係止位置、即ち係止部位、を越えて、この実施の形態では上記係止位置の中心Cを越えて、一方の結合具10aの結合具本体12から他方の結合具10aの結合具本体12の側に突出しない。
【0052】
図3の(A)や(B)中に実線で示されているように、1対の解除防止部材104の夫々の基材106の他端部が上述したように1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面から分離して配置された時、1対の解除防止部材104の夫々の基材106の第3の結合要素110を相互に結合させることにより1対の解除防止部材104を上述した分離位置に容易に保持することが出来る。この間には、1対の結合具10a,10bを相互に結合させる為に、1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させることが出来るし、さらには一方の結合具10aの複数の突部14の複数の係止駒部16と他方の結合具10bの複数の突部14の複数の係止駒部16とを相互に係止させるよう1対の結合具10a,10bを相対的に回動させることも出来る。またこの逆に、相互に結合されている1対の結合具10a,10bを相互に分離させる為に必要な1対の結合具10a,10bの相対的な回動を許容する。即ち、上述した分離位置は、1対の解除防止部材104の解除位置である。
【0053】
1対の解除防止部材104が上述した分離位置、即ち解除位置、に配置されている間に図3の(A)中に示されているように1対の結合具10a,10bが相互に結合された後に、1対の解除防止部材104の夫々の基材106の他端部が、図3の(B)中に2点鎖線で示されているように、1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置させると、1対の解除防止部材104の夫々の基材106の第2の結合要素102を上記外周面上の第1の結合要素100に結合させることが出来る。
【0054】
この結果、相互結合解除の為の1対の結合具10a,10bの相対的な回動が防止されるので、上述した重複位置は1対の解除防止部材104の解除防止位置である。
【0055】
相互に結合されている1対の結合具10a,10bを分離したい時、1対の解除防止部材104を分離位置、即ち解除位置、へと移動させれば良い。
【0056】
そして、図3の(B)中に実線で示されている分離位置、即ち解除位置、に配置されている1対の解除防止部材104は、例えば一方の結合具10aを他方の結合具10bに対し相対的に回転させたり軸方向に相互に遠ざけるよう移動させるなどの1対の結合具10a,10bを分離させる作業を容易にする為の取っ手として使用することができる。
【0057】
相互結合解除の為の1対の結合具10a,10bの相対的な回動が防止出来るのであれば、1対の結合具10a,10bの少なくとも一方に設ける解除防止部材104の数は1つであっても良い。しかしながら、上述したように分離位置、即ち解除位置、に配置されている解除防止部材104を1対の結合具10a,10bを分離させる作業を容易にする為の取っ手として使用する場合には、解除防止部材104は上述したように1対あった方が好ましい。
【0058】
また、1対の結合具10a,10bの他方にも、上記少なくとも一方と同様に、解除防止部材104を設けることが出来るし、1対の結合具10a,10bの夫々に解除防止部材104を複数個設けることも出来る。しかしながら、1対の結合具10a,10bの夫々に解除防止部材104を設ける場合には、一方の結合具10aの解除防止部材104と他方の結合具10bの解除防止部材104とが相互に干渉しないようにする必要がある。
【0059】
更には、1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に設けられる第1の結合要素100も、解除防止部材104が設けられている1対の結合具10a,10bの一方以外の他方に少なくとも1つで良い。当然のことながら、解除防止部材104が1対の結合具10a,10bの他方にも設けられている場合には、1対の結合具10a,10bの一方の結合具本体12の外周面に少なくとも1つ第1の結合要素100を設ける必要がある。
【0060】
[第3の実施の形態]
次に、図4の(A)及び(B)を参照しながら第3の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。
【0061】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0062】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの少なくとも一方の結合具本体12の外周面に帯状の解除防止部材112が1対設けられている。この実施の形態では、1対の解除防止部材112は帯状の基材114を含んでいて、基材114の一端部が固定部材116により一方の結合具10aの外周面に対し回動自在又は折り曲げ可能に固定されている。この結果として、1対の解除防止部材112の夫々の基材114は、一方の結合具本体12の外周面に沿わせられた係合防止位置と、上記外周面から分離した解除位置との間で移動可能である。
【0063】
1対の解除防止部材112の夫々の基材114の他端部が、図4の(B)中に2点鎖線で示されているように、上記少なくとも一方の結合具10aの結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に上記外周面に対面する基材114の第1の表面に解除防止突起118が設けられている。1対の解除防止部材112の夫々の基材114の他端部が上述したように上記少なくとも一方の結合具10aの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に上記外周面とは反対側を向く基材114の第2の表面には結合要素119が取り付けられている。
【0064】
この実施の形態では、結合要素119は、相互に協働して分離可能に結合される例えばベルクロ(商標名)のような面ファスナーにより構成することが出来るし、スナップ式ボタンにより構成することも出来る。
【0065】
1対の解除防止部材112の夫々は、1対の結合具10a,10bが図4の(A)中に示されている如く相互に結合されている間に、1対の解除防止部材112の夫々の基材114の他端部が、図4の(B)中に2点鎖線で示されているように、1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に、一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16の係止面(図15乃至図17中に参照符号16aで指摘されている)と他方の結合具10bの複数の突部14の係止駒部16の係止面(図15乃至図17中に参照符号16aで指摘されている)との係止位置、即ち係止部位、を越えて、この実施の形態では上記係止位置の中心Cを越えて、一方の結合具10aの結合具本体12から他方の結合具10bの結合具本体12の側に突出しない。
【0066】
図4の(A)や(B)中に実線で示されているように、1対の解除防止部材112の夫々の基材114の他端部が上述したように少なくとも一方の結合具10aの夫々の結合具本体12の外周面から分離して配置された時、1対の解除防止部材112の夫々の基材114の結合要素119を相互に結合させることにより1対の解除防止部材112を上述した分離位置に容易に保持することが出来る。この間には、1対の結合具10a,10bを相互に結合させる為に、1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させることが出来るし、さらには一方の結合具10aの複数の突部14の複数の係止駒部16と他方の結合具10bの複数の突部14の複数の係止駒部16とを相互に係止させるよう1対の結合具10a,10bを相対的に回動させることも出来る。またこの逆に、相互に結合されている1対の結合具10a,10bを相互に分離させる為に必要な1対の結合具10a,10bの相対的な回動を許容する。即ち、上述した分離位置は、1対の解除防止部材112の解除位置である。
【0067】
1対の解除防止部材112が上述した分離位置、即ち解除位置、に配置されている間に図4の(A)中に示されているように1対の結合具10a,10bが相互に結合されると、1対の結合具10a,10bが相互に結合された時には、一方の結合具10aの複数の突部14において複数の係止駒部16とは反対側の側面14bと一方の結合具10aの複数の突部14の間に挿入されている他方の結合具10bの複数の突部14において複数の係止駒部16とは反対側の側面14bとの間に隙間が生じる。この間に、1対の解除防止部材112の夫々の基材114の他端部を、図4の(B)中に2点鎖線で示されているように、1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置させると、即ち、1対の解除防止部材112を解除防止位置に配置すると、上記隙間に1対の解除防止部材112の夫々の基材114の解除防止突起118を挿入させることが出来る。
【0068】
解除防止位置において1対の解除防止部材112の他端部の解除防止突起118は、1対の結合具10a,10bの相互結合解除の為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させた時に、他方の結合具10bの複数の突部14の上記反対側の側面14bに当接することにより、相互結合解除の為の1対の結合具10a,10bの相対的な回動を防止する。
【0069】
相互に結合されている1対の結合具10a,10bを分離したい時は、1対の解除防止部材112を解除位置に移動させれば良い。
【0070】
そして、図4の(B)中に実線で示されている分離位置、即ち解除位置、に配置されている1対の解除防止部材112は、例えば一方の結合具10aを他方の結合具10bに対し相対的に回動させたり軸方向に相互に遠ざけるよう移動させるなどの1対の結合具10a,10bを分離させる作業を容易にする為の取っ手として使用することができる。
【0071】
1対の結合具10a,10bの少なくとも一方に設ける解除防止部材112の数は1つであっても良い。しかしながら、上述したように分離位置、即ち解除位置、に配置されている解除防止部材112を1対の結合具10a,10bを分離させる作業を容易にする為の取っ手として使用する場合には、解除防止部材112は上述したように1対あった方が好ましい。
【0072】
また、1対の結合具10a,10bの他方にも、上記少なくとも一方と同様に、解除防止部材112を設けることが出来るし、1対の結合具10a,10bの夫々に解除防止部材112を複数個設けることも出来る。しかしながら、1対の結合具10a,10bの夫々に解除防止部材112を設ける場合には、一方の結合具10aの解除防止部材112と他方の結合具10bの解除防止部材112とが相互に干渉しないようにする必要がある。
【0073】
[第4の実施の形態]
次に、図5の(A)及び(B)を参照しながら第4の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。
【0074】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0075】
さらに、この実施の形態において、図4の(A)及び(B)を参照しながら前述した第3の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の構成部材と同様な構成には前述した第3の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0076】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの少なくとも一方の結合具本体12の外周面に帯状の解除防止部材112’が1対設けられている。この実施の形態では、1対の解除防止部材112’は帯状の基材114を含んでいて、基材114の一端部が固定部材116により一方の結合具10aの外周面に対し回動自在又は折り曲げ可能に固定されている。この結果として、1対の解除防止部材112’の夫々の基材114は、一方の結合具本体12の外周面に沿わせられた係合防止位置と、上記外周面から分離した解除位置との間で移動可能である。
【0077】
1対の解除防止部材112’の夫々の基材114の他端部が、図5の(B)中に2点鎖線で示されているように、上記少なくとも一方の結合具10aの結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に上記外周面に対面する基材114の第1の表面に解除防止突起118’が設けられている。1対の解除防止部材112’の夫々の基材114の他端部が上述したように上記少なくとも一方の結合具10aの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に上記外周面とは反対側を向く基材114の第2の表面には結合要素119が取り付けられている。
【0078】
この実施の形態では、結合要素119は、相互に協働して分離可能に結合される例えばベルクロ(商標名)のような面ファスナーにより構成することが出来るし、スナップ式ボタンにより構成することも出来る。
【0079】
1対の解除防止部材112’の夫々は、1対の結合具10a,10bが図5の(A)中に示されている如く相互に結合されている間に、1対の解除防止部材112’の夫々の基材114の他端部が、図5の(B)中に2点鎖線で示されているように、1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置された時に、一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16の係止面(図15乃至図17中に参照符号16aで指摘されている)と他方の結合具10bの複数の突部14の係止駒部16の係止面(図15乃至図17中に参照符号16aで指摘されている)との係止位置、即ち係止部位、を越えて、この実施の形態では上記係止位置の中心Cを越えて、一方の結合具10aの結合具本体12から他方の結合具10bの結合具本体12の側に突出しない。
【0080】
図5の(A)や(B)中に実線で示されているように、1対の解除防止部材112’の夫々の基材114の他端部が上述したように少なくとも一方の結合具10aの夫々の結合具本体12の外周面から分離して配置された時、1対の解除防止部材112’の夫々の基材114の結合要素119を相互に結合させることにより1対の解除防止部材112’を上述した分離位置に容易に保持することが出来る。この間には、1対の結合具10a,10bを相互に結合させる為に、1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させることが出来るし、さらには一方の結合具10aの複数の突部14の複数の係止駒部16と他方の結合具10bの複数の突部14の複数の係止駒部16とを相互に係止させるよう1対の結合具10a,10bを相対的に回動させることも出来る。またこの逆に、相互に結合されている1対の結合具10a,10bを相互に分離させる為に必要な1対の結合具10a,10bの相対的な回動を許容する。即ち、上述した分離位置は、1対の解除防止部材112’の解除位置である。
【0081】
1対の解除防止部材112’が上述した分離位置、即ち解除位置、に配置されている間に図5の(A)中に示されているように1対の結合具10a,10bが相互に結合されると、1対の結合具10a,10bが相互に結合された時には、一方の結合具10aの複数の突部14の突出端面と、これら突出端面に対向した他方の結合具10bの複数の突部14の間の複数の凹所の底面との間に1対の結合具10a,10bの長手方向中心線である軸心に沿った方向に隙間が生じる。また同時に、一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所の底面と、これら底面に対向した他方の結合具10bの複数の突部14の突出端面との間に1対の結合具10a,10bの長手方向中心線である軸心に沿った方向に隙間が生じる。
【0082】
この実施の形態では、図5の(A)中に示されているように、他方の結合具10bの複数の突部14の中の2つの突出端面に対向した一方の結合具10aの複数の凹所の中の2つの底面に係合凹所118’’が形成されている。係合凹所118’’は上記2つの底面の夫々及び一方の結合具10aの結合具本体12の外周面における上記底面との隣接部位に開口している。
【0083】
そして次に、1対の解除防止部材112’の夫々の基材114の他端部が、図5の(B)中に2点鎖線で示されているように、1対の結合具10a,10bの夫々の結合具本体12の外周面に重複するよう配置されると、即ち、1対の解除防止部材112’を解除防止位置に配置すると、上記軸心に沿った方向の隙間(軸方向隙間)及び一方の結合具10aの複数の凹所の中の2つの底面に対応している係合凹所118’’に1対の解除防止部材112’の夫々の基材114の解除防止突起118’を挿入させることが出来る。
【0084】
解除防止位置において1対の解除防止部材112’の他端部の解除防止突起118’は、1対の結合具10a,10bの相互結合解除の為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させることにより上記軸方向隙間を無くすよう上記軸心に沿った方向に移動させようとした時に、上記相互結合解除の為の1対の結合具10a,10bの相対的な上記軸心に沿った方向の移動(軸方向移動)を防止する。
【0085】
相互に結合されている1対の結合具10a,10bを分離したい時は、1対の解除防止部材112’を解除位置に移動させれば良い。
【0086】
そして、図5の(B)中に実線で示されている分離位置、即ち解除位置、に配置されている1対の解除防止部材112’は、例えば一方の結合具10aを他方の結合具10bに対して相対的に回動させたり軸方向に相互に遠ざけるよう移動させるなどの1対の結合具10a,10bを分離させる作業を容易にする為の取っ手として使用することができる。
【0087】
1対の結合具10a,10bの少なくとも一方に設ける解除防止部材112’の数は1つであっても良い。しかしながら、上述したように分離位置、即ち解除位置、に配置されている解除防止部材112’を1対の結合具10a,10bを分離させる作業を容易にする為の取っ手として使用する場合には、解除防止部材112’は上述したように1対あった方が好ましい。
【0088】
また、1対の結合具10a,10bの他方にも、上記少なくとも一方と同様に、解除防止部材112’を設けることが出来るし、1対の結合具10a,10bの夫々に解除防止部材112’を複数個設けることも出来る。しかしながら、1対の結合具10a,10bの夫々に解除防止部材112’を設ける場合には、一方の結合具10aの解除防止部材112’と他方の結合具10bの解除防止部材112’とが相互に干渉しないようにする必要がある。
【0089】
図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造は、図15乃至図17中に示されていた従来の構造の1対の結合具10a,10bに対して適用されていたが、以下に図6乃至図14を参照しながら説明される第5乃至第13の実施の形態に従った解除防止構造を備えた結合装置にもさらに適用可能である。
【0090】
以下に図6乃至図14を参照しながら第5乃至第13の実施の形態に従った解除防止構造を備えた結合装置について詳細に説明するが、これら第5乃至第13の実施の形態に従った解除防止構造を備えた結合装置に適用可能な第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造は、図3乃至図5を参照しながら詳細に前述したので、第5乃至第13の実施の形態に従った解除防止構造を備えた結合装置について図6乃至図14を参照しながら詳細に説明する間には説明の重複を避けるために説明を省略する。
【0091】
図6乃至図14に示される第5乃至第13の実施の形態に従った解除防止構造を備えた結合装置に対し、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用することは、いわゆる当業者であれば容易に実行可能である。
【0092】
[第5の実施の形態]
次に、図6の(A)及び(B)を参照しながら第5の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。この第5の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0093】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0094】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの夫々は、結合具本体12及びライナー22を保持したホルダー部材120を備えている。ホルダー部材120は結合具本体12の外周面を回転可能に保持している。これは、ホルダー部材120の内周面の環状溝及び結合具本体12の外周面の環状溝に保持した複数の球122によって結合具本体12の外周面を保持することによりもたらされている。結合具本体12の内周面にはライナー22の大径部が回転可能及び軸方向に移動可能に収容されている。ホルダー部材120はまた、その内周面においてライナー22の小径部を軸方向に移動可能に保持している。これは、ライナー22の小径部の外周面に軸方向に延出して形成されている案内溝124中に、ホルダー部材120の内周面から突出された案内ピン126が挿入されていることによりもたらされている。
【0095】
ライナー22とホルダー部材120との間にはライナー22を結合具本体12の突部14の突出方向とは逆の方向に付勢する付勢機構128が介在されている。
【0096】
この実施例では、付勢機構128は、ライナー22の外周面で大径部と小径部との境界の段部と案内ピン126とに両端が固定された引っ張りコイルばねにより構成されている。
【0097】
結合具本体12とライナー22との間には結合具本体12の一方向又は他方向への回動によりライナー22を上記軸方向に移動させる回転運動・直線運動変換機構130が介在されている。この実施の形態では、回転運動・直線運動変換機構130は、ライナー22の外周面で大径部と小径部との境界の段部に形成されたカム溝132と、結合具本体12の内周面からカム溝132中に突出されたカムピン134と、で構成されている。カム溝132は上記段部から結合具本体12の突部14の突出方向に向うにつれて周方向の幅が狭くなる略三角形状をしている。従って、通常の状態では、カム溝132は、図6の(A)中に良く示されているように、その頂点をカムピン134に当接させている。
【0098】
ホルダー部材120と結合具本体12との間にはさらに、結合具本体12の回転を選択的に停止させる選択回転停止機構136が介在されている。この実施の形態において選択回転停止機構136は、ホルダー部材120の外周面から結合具本体12の外表面に対向したホルダー部材120の内周面の領域までホルダー部材120中を延出した例えばゴムのような押圧膨張部材により構成されている。
【0099】
上述した如く構成されている第5の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置は、1対の結合部10a,10bを相互に同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させることが出来るし、さらには一方の結合具10aの複数の突部14の複数の係止駒部16と他方の結合具10bの複数の突部14の複数の係止駒部16とを相互に係止させるよう1対の結合具10a,10bを相対的に回動させることも出来る。
【0100】
しかしながら、この逆に、相互に結合されている1対の結合具10a,10bを相互に分離させる為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させようとすると、1対の結合具10a,10bの結合具本体12は共に対応するホルダー部材120中で対応するホルダー部材120及びライナー22に対し自由に回転してしまい、1対の結合具10a,10bの相互結合が解除されない。しかも、上記回転は結合具本体12のカムピン134によるライナー22のカム溝132の側壁の押圧を生じさせる。この結果、ライナー22は付勢機構128の付勢力に抗して結合具本体12の突部14の突出方向への直線移動を生じさせ、1対の結合具10a,10bのライナー22の突出端面のシール部材24が互いに強く押し合うようになる。そして、1対の結合具10a,10bが軸方向に沿い相互に分離する方向において、一方の結合具10aの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16の係止面16aに対する他方の結合具10bの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16の係止面16aが係止する圧力が高まり、1対の結合具10a,10bの相互結合の解除がますます困難になる。
【0101】
1対の結合具10a,10bの相互結合を解除するには、1対の結合具10a,10bの夫々のホルダー部材120の外周面に露出している選択回転停止機構136の押圧膨張部材を押圧する。押圧された押圧膨張部材は、結合具本体12の外表面に対向したホルダー部材120の内周面の領域から結合具本体12の外表面に向い膨張し、結合具本体12の外表面との間に大きな摩擦力を発揮させて、ホルダー部材120に対する結合具本体12の自由な回転を阻止する。
【0102】
この間に、相互に結合されている1対の結合具10a,10bを相互に分離させる為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させることが出来る。
【0103】
なお、付勢機構128や回転運動・直線運動変換機構130や選択回転停止機構136は、1対の結合具10a,10bの夫々において夫々の周方向における複数の任意の位置に設けることが出来る。
【0104】
そして前述したように、この実施の形態に従った1対の結合具10a,10bに対しては、その一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【0105】
[第6の実施の形態]
次に、図7の(A)及び(B)を参照しながら第6の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。この第6の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0106】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0107】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの夫々は、結合具本体12及びライナー22を保持したホルダー部材140を備えている。
【0108】
ホルダー部材140は結合具本体12の外周面を回転可能に保持している。これは、ホルダー部材140の内周面の環状溝及び結合具本体12の外周面の環状溝に保持した複数の球142によって結合具本体12の外周面を保持することによりもたらされている。結合具本体12の内周面はライナー22の外周面に対しても相対的に回転可能であり、ライナー22はホルダー部材120の内周面に固定されている。
【0109】
即ち、結合具本体12はホルダー部材140中でホルダー部材140とホルダー部材140に固定されているライナー22との両者に対し回動可能である。
【0110】
解除防止部材収容溝144が結合具本体12の複数の突部14の少なくとも1つの突部14の根元に形成されていて、解除防止部材収容溝144の周方向における一端は上記少なくとも1つの突部14において係止駒部16が設けられているのとは反対側の側面14bに開口されている。
【0111】
ホルダー部材140は、結合具本体12がホルダー部材140に対して相対的に一方向及び他方向に回動することにより、解除防止部材収容溝144中に退避した解除位置と解除防止部材収容溝144中から解除防止部材収容溝144が開口している凹所内に突出した解除防止位置との間で周方向に移動可能である解除防止部材146を備えている。
【0112】
ホルダー部材140の内表面と結合具本体12の外表面との間には、付勢機構148が介在されている。付勢機構148は、ホルダー部材140に対して結合具本体12を常に一方向に向い回動するよう付勢している。この実施の形態ではホルダー部材140の内表面と結合具本体12の外表面において周方向に相互に離間した2つの位置で両端部が固定されている引っ張りコイルばねにより、付勢機構148が構成されている。付勢機構148により付勢されている結合具本体12の解除防止部材収容溝144中に、通常はホルダー部材140の解除防止部材146が収容されている。
【0113】
ホルダー部材140と結合具本体12との間にはさらに、結合具本体12の回転を選択的に停止させる選択回転停止機構149が介在されている。この実施の形態において選択回転停止機構149は、ホルダー部材140の外周面から結合具本体12の外表面に対向したホルダー部材140の内周面の領域までホルダー部材140中を延出した例えばゴムのような押圧膨張部材により構成されている。
【0114】
ホルダー部材140の解除防止部材146が解除位置に配費されている間には、1対の結合具10a,10bを相互に結合させる為に、1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させることが出来るし、さらには一方の結合具10aの複数の突部14の複数の係止駒部16と他方の結合具10bの複数の突部14の複数の係止駒部16とを相互に係止させるよう1対の結合具10a,10bを相対的に回動させることも出来る。
【0115】
しかしながら、1対の結合具10a,10bの相互結合を解除する為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させようとすると、ホルダー部材140に対して結合具本体12が付勢機構148の付勢力に抗して回動する。これによって、ホルダー部材140の解除防止部材146が防止部材収容溝144中に退避した解除位置から防止部材収容溝144が開口している凹所内に突出した解除防止位置へと、上述した如く回動した結合具本体12に対し相対的に周方向に移動させられる。解除防止位置の解除防止部材146は、相互に結合している1対の結合具10a,10bの他方の結合具10bの対応する突部14の突出端面と上記凹所の底面との間の隙間に介在する。
【0116】
この結果として、一方の結合具10aの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16と他方の結合具10bの結合具本体12の隣接した複数の突部14の係止駒部16との軸方向における係止を解除する為に必要な1対の結合具10a,10bを軸方向において相互に接近させる移動が不可能になる。従って、1対の結合具10a,10bの相互結合を解除する為に必要な1対の結合具10a,10bの相対的な回動が不可能になる。
【0117】
1対の結合具10a,10bの相互結合を解除するには、1対の結合具10a,10bの相互結合を解除する為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させる以前に、1対の結合具10a,10bの夫々のホルダー部材140の外周面に露出している選択回転停止機構149の押圧膨張部材を押圧する。押圧された押圧膨張部材は、結合具本体12の外表面に対向したホルダー部材140の内周面の領域から結合具本体12の外表面に向い膨張し、結合具本体12の外表面との間に大きな摩擦力を発揮させて、ホルダー部材140に対する結合具本体12の自由な回転を阻止する。
【0118】
この間に、相互に結合されている1対の結合具10a,10bを相互に分離させる為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させると、ホルダー部材140と一緒に結合具本体12も回動する。これにより、ホルダー部材140に対し結合具本体12が付勢機構148の付勢力に抗して相対的に回動することがなく、ホルダー部材140の解除防止部材146が防止部材収容溝144中に退避した解除位置から前述の解除防止位置へは移動しない。したがって、1対の結合具10a,10bの相互結合を解除する為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させることが出来、上記相互結合が解除される。
【0119】
ホルダー部材140の解除防止部材146及び結合具本体12の防止部材収容溝144は、一方の結合具10aと同様に、他方の結合具10aにも設けることが出来るし、1対の結合具10a,10bの夫々において結合具本体12の複数の突部14及びこれら突部14の間の複数の凹所に対応した位置であれば、任意の個数設けることが出来る。
【0120】
そして前述したように、この実施の形態に従った1対の結合具10a,10bに対しては、その一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【0121】
[第7の実施の形態]
次に、図8の(A)乃至(D)を参照しながら第7の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。この第7の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0122】
なお、この実施の形態において、図41乃至図43を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0123】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの少なくとも一方の結合具本体12の外周面に、解除防止構造の帯状の板ばねにより構成されている解除防止部材150が設けられている。解除防止部材150は、一方の結合具10aの結合具本体12の外周面に一端部が例えば固定ピンのような固定部材152により固定されている。解除防止部材150は上記一端部から周方向に結合具本体12の外周面に沿い複数の突部14をまたぐよう延出している。解除防止部材150の延出した他端部には、結合具本体12の複数の突部14の間の複数の凹所の1つの中に突入した解除防止突起150aが形成されている。解除防止突起150aは、上記1つの凹所に対面している1つの突部14において付勢ユニット18が設置されている表面14bに隣接して配置されている。解除防止部材150の他端部にはさらに、上記凹所とは反対側に向い立ち上げられている操作部150bが設けられている。
【0124】
解除防止部材150は上記一端部と上記他端部との間で上記1つの凹所中に突入した駆動突部150cを有している。駆動突部150cは、上記1つの凹所に対面しているもう1つの突部14の係止駒部16の突出端面において係止面16aに隣接している。駆動突部150cにおいてもう1つの突部14の突出方向に向いた駆動表面150dは、図8の(C)中に示されている如く、解除防止部材150から上記1つの凹所の底面に向い傾斜した傾斜面により構成されている。
【0125】
解除防止部材150は自身の弾性力により、図8の(A)及び図8の(B)中に示されている如く、一方の結合具本体12の外周面に沿わされた解除防止位置に配置されている。
【0126】
1対の結合具10a,10bを相互に結合させる為に、1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させると、図8の(D)中に示されている如く、他方の結合具10bの対応する突部14の突出端が解除防止位置の解除防止部材150の駆動突部150cの駆動表面150dに衝突する。そして、対応する突部14は解除防止部材150を自身の弾性力に抗して上記外周面から持ち上げて上記外周面から分離し図8の(D)中に示されている解除位置へと移動させる。解除位置では、解除防止部材150の他端部の解除防止突起150aも上記1つの凹所中から持ち上げられて上記1つの凹所中から抜き出される。
【0127】
この結果、一方の結合具10aの複数の突部14の複数の係止駒部16と他方の結合具10bの複数の突部14の複数の係止駒部16とを相互に係止させることが出来る。このように、1対の結合具10a,10bが相互に結合された時には、解除防止部材150の駆動突部150cは上記1つの凹所中に挿入された他方の結合具10bの1つの突部14において係止駒部16が設けられている側面14a上の応力緩和溝18中に突入される。上述した相互結合時には、一方の結合具10aの複数の突部14において複数の係止駒部16とは反対側の側面14bと一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に挿入されている他方の結合具10bの複数の突部14において複数の係止駒部16とは反対側の側面14bとの間に隙間が生じる。この隙間に解除防止部材150の他端部の解除防止突起150aが落ち込んで、解除防止部材150は自身の弾性力により、図8の(A)及び(B)中に示されている如く結合具本体12の外周面上に沿わされた解除防止位置に復帰する。
【0128】
解除防止位置において解除防止部材150の他端部の解除防止突起150aは、1対の結合具10a,10bの相互結合解除の為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させた時に、他方の結合具10bの複数の突部14の上記反対側の側面14bに当接することにより、相互結合解除の為の1対の結合具10a,10bの相対的な回動を防止する。
【0129】
相互に結合されている1対の結合具10a,10bを分離したい時、解除防止部材150の他端部の操作部150bを指で摘み持ち上げることにより、解除防止部材150を結合具本体12の外周面上から持ち上げ分離した解除位置に移動させれば良い。
【0130】
なお、解除防止部材150は他方の結合具10bの結合具本体12の外周面上にも上述したように設けることが出来るし、1対の結合具10a,10bの夫々において結合具本体12の外周面上の所望の複数の位置にも設けることも出来る。
【0131】
さらに、1対の結合具10a,10bの一方に解除防止部材150を上述したように設け、他方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。或いは、これとは逆に、1対の結合具10a,10bの他方に解除防止部材150を上述したように設け、一方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。また、1対の結合具10a,10bの両方に解除防止部材150を上述したように設け、一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【0132】
[第8の実施の形態]
次に、図9の(A)乃至(C)を参照しながら第8の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。この第8の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0133】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0134】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの少なくとも一方の結合具本体12に、解除防止構造の解除防止部材160が設けられている。解除防止部材160は、一方の結合具10aの結合具本体12において複数の突部14の相互間の複数の凹所の1つの底面に隣接した位置に一方の結合具10aの軸方向に移動可能に設けられている。解除防止部材160の軸方向への移動は、移動範囲規制機構162により所定の範囲に規制されている。この実施の形態では、移動範囲規制機構162は、上記外周面において上記隣接した位置に形成されていて上記軸方向に延出した案内孔162aと、案内孔162a中に挿入された解除防止部材160の案内部材162bと、を含んでいる。案内部材162bには上記外周面上で操作機構の操作部材164が固定されている。
【0135】
案内部材162bが案内孔162bの延出方向の両端部に配置された時には、解除防止部材160は解除防止位置と解除位置とに配置される。
【0136】
解除防止位置において解除防止部材160は上記1つの凹所の底面から上記1つの凹所中に突出しており、解除位置において解除防止部材160は上記1つの凹所の底面から実質的に上記1つの凹所中に突出しない。
【0137】
解除防止部材160は付勢機構166により解除防止位置に向い付勢されている。この実施の形態において付勢機構166は、一方の結合具10aの結合具本体12において上記隣接した位置に設けられている圧縮コイルばねにより構成されている。
【0138】
他方の結合具10bの結合具本体12の複数の突部14の夫々の突出端面には、夫々の突部14において係止駒部16が設けられているのとは反対側の側面14bに隣接した領域に解除防止凹部167が形成されている。
【0139】
解除防止部材160が付勢機構166の付勢力により解除防止位置に配置されている間に、1対の結合具10a,10bを相互に結合させる為に、1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させると、図9の(A)中に2点鎖線で示されている如く、解除防止部材160の突出端面に、他方の結合具10bの対応する突部14の突出端面において係止駒部16が設けられている側面14aに隣接した領域が当接する。この後、他方の結合具10bの対応する突部14は上記突出端面の領域で解除防止部材160を付勢機構166の付勢力に抗して解除位置に移動させる。さらに1対の結合具10a,10bの夫々の複数の突部14の付勢機構18の付勢力により、一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16に対し他方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16が図9の(A)中に実線で示されている如く係止するよう、1対の結合具10a,10bが相対的に回動される。
【0140】
1対の結合具10a,10bが相互に連結された時には、他方の結合具10aの上記対応する突部14の突出端面の解除防止凹部167が解除位置の解除防止部材160の突出端面に対向し、解除防止部材160は付勢機構166の付勢力により図9の(A)中に実線で示されている如く解除防止凹部167中に突出する。この時の解除防止部材160の位置は解除防止位置である。
【0141】
解除防止位置において解除防止部材160の突出端部は、1対の結合具10a,10bの相互結合解除の為に1対の結合具10a,10bを相対的に回動させた時に、図9の(A)中に点線で示されているように他方の結合具10bの対応する突部14の突出端面の解除防止凹部167の周方向壁に当接することにより、相互結合解除の為の1対の結合具10a,10bの相対的な回動を防止する。
【0142】
相互に結合されている1対の結合具10a,10bを分離したい時、解除防止部材160を操作機構164により付勢機構166の付勢力に抗して解除防止凹部167中の解除防止位置から解除位置に移動させれば良い。これによって、相互に結合されている1対の結合具10a,10bを相互に分離させる為に必要な1対の結合具10a,10bの相対的な回動が許容される。
【0143】
なお、解除防止部材160及び移動範囲規制機構162を他方の結合具10bの結合具本体12にも上述したように設けることが出来るし、また、解除防止凹部167を一方の結合具10bの結合具本体12の複数の突部14の突出端面に形成することも出来る。さらに、1対の結合具10a,10bの夫々において解除防止部材160及び移動範囲規制機構162を結合具本体12において複数の突部14の間の複数の凹所に対応した所望の複数の位置に設けることも出来るし、同時に1対の結合具10a,10bの夫々において解除防止凹部167を結合具本体12において複数の突部14の突出端面に形成することが出来る。
【0144】
さらに、1対の結合具10a,10bの一方に解除防止部材160及び移動範囲規制機構162を上述したように設け、他方に解除防止凹部167を上述したように設ける他に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。或いは、これとは逆に、1対の結合具10a,10bの他方に解除防止部材160及び移動範囲規制機構162を上述したように設け、一方に解除防止凹部167を上述したように設ける他に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。また、1対の結合具10a,10bの両方に解除防止部材160及び移動範囲規制機構162と解除防止凹部167を上述したように設け、一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【0145】
[第9の実施の形態]
次に、図10を参照しながら第9の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。この第9の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0146】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0147】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの少なくとも一方の結合具本体12に、解除防止構造の解除防止部材170が設けられている。解除防止部材170は、一方の結合具10aの結合具本体12において複数の突部14の相互間の複数の凹所の1つの底面に隣接した位置に一方の結合具10aの軸方向に移動可能に設けられている。解除防止部材170の軸方向への移動は、移動範囲規制機構172により所定の範囲に規制されている。この実施の形態では、移動範囲規制機構172は、上記外周面において上記隣接した位置に形成されていて上記軸方向に延出した案内孔172aと、案内孔172a中に挿入された解除防止部材170の案内部材172bと、を含んでいる。案内部材172bには上記外周面上で操作機構の操作部材174が固定されている。
【0148】
案内部材174が案内孔172bの延出方向の両端部に配置された時には、解除防止部材170は解除防止位置と解除位置とに配置される。
【0149】
解除防止位置において解除防止部材170は上記1つの凹所の底面から上記1つの凹所中に突出しており、解除位置において解除防止部材170は上記1つの凹所の底面から実質的に上記1つの凹所中に突出しない。
【0150】
解除防止部材170は付勢機構176により解除防止位置に向い付勢されている。この実施の形態において付勢機構176は、一方の結合具10aの結合具本体12において上記隣接した位置に設けられている圧縮コイルばねにより構成されている。
【0151】
解除防止部材170が付勢機構176の付勢力により解除防止位置に配置されている間に、1対の結合具10a,10bを相互に結合させる為に、1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させると、図10中に2点鎖線で示されている如く、解除防止部材170の突出端面に、他方の結合具10bの対応する突部14の突出端面が当接する。この後、他方の結合具10bの対応する突部14は上記突出端面で解除防止部材170を付勢機構176の付勢力に抗して解除位置に移動させる。さらに1対の結合具10a,10bの夫々の複数の突部14の付勢機構18の付勢力により、一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16に対し他方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16が図10中に実線で示されている如く係止するよう、1対の結合具10a,10bが相対的に回動される。
【0152】
1対の結合具10a,10bが相互に連結された時には、解除防止部材170は付勢機構176の付勢力により図10中に実線で示されている如く、1対の結合具本体10a,10bが相互に結合されている間における少なくとも一方の結合具本体10aの複数の突部14の間の複数の凹所の少なくとも1つとそこに挿入されている他方の結合具本体10bの複数の突部14の中の少なくとも1つとの間の夫々の係止駒部16が設けられている側面14aとは反対側の側面14b間の隙間に突出する。この時の解除防止部材170の位置は解除防止位置である。そして、上記相互結合を解除する為に必要な1対の結合具本体10a,10bの相対的な回動を規制する。この間には、相互に連結されている1対の結合具10a,10bに対し相互連結解除の為に必要な相対的な回動を生じさせることが出来ない。
【0153】
相互に結合されている1対の結合具10a,10bを分離したい時、解除防止部材170を操作機構174により付勢機構176の付勢力に抗して図10中に示されている解除防止位置から解除位置に移動させれば良い。これによって、相互に結合されている1対の結合具10a,10bを相互に分離させる為に必要な1対の結合具10a,10bの相対的な回動が許容される。
【0154】
なお、解除防止部材170及び移動範囲規制機構172を他方の結合具10bの結合具本体12にも上述したように設けることが出来る。さらに、1対の結合具10a,10bの夫々において解除防止部材170及び移動範囲規制機構172を結合具本体12において複数の突部14の間の複数の凹所に対応した所望の複数の位置に設けることも出来る。
【0155】
さらに、1対の結合具10a,10bの一方に解除防止部材170及び移動範囲規制機構172を上述したように設け、他方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。或いは、これとは逆に、1対の結合具10a,10bの他方に解除防止部材170及び移動範囲規制機構172を上述したように設け、一方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。また、1対の結合具10a,10bの両方に解除防止部材170及び移動範囲規制機構172を上述したように設け、一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【0156】
[第10の実施の形態]
次に、図11を参照しながら第10の実施の形態に従った本発明の解除防止構造を備えている結合装置について説明する。この第10の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0157】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0158】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの夫々は、結合具本体12及びライナー22を備えている。結合具本体12はライナー22の外周面上に回転自在に保持されている。これは、結合具本体12の内周面の環状溝及びライナー14の外周面の環状溝に保持した複数の球180によって結合具本体12の内周面を保持することによりもたらされている。ライナー22の外周面上で結合具本体12から離れた位置には、ライナー14に他の図示しない部材を固定する為の固定要素182が接続されている。
【0159】
第10の実施の形態に従った結合装置の1対の結合具10a,10bは、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の1対の結合具10a,10bと同様に容易に相互に連結させることが出来る。即ち、1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させる。さらに1対の結合具10a,10bの夫々の複数の突部14の付勢機構18の付勢力により、一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16に対し他方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16が係止するよう、1対の結合具10a,10bが相対的に回動される。
【0160】
1対の結合具10a,10bが相互に連結されている間に固定要素182を介してライナ22に負荷された捩じり力は相互に連結されている1対の結合具10a,10bに伝達されないし、1対の結合具10a,10bの結合具本体12に負荷された一方向又は他方向のみの回転力も1対の結合具10a,10bを相互に分離させるのに必要な1対の結合具10a,10bの結合具本体12の相対的な回転を生じさせない。
【0161】
相互に連結されているこの実施例の1対の結合具10a,10bの相互連結を解除するには、1対の結合具10a,10bの結合具本体12を同時に保持し、相互連結を解除の為に必要な1対の結合具10a,10bの相対的な回動を強制的に生じさせなければならない。この相対的な回動を強制的に行なわせるのを容易にする為に、1対の結合具10a,10bの結合具本体12の外終面に例えばローレット加工のような摩擦増大処理を施したり、図示しない工具を着脱自在に係合させる為の工具係合凹所を形成することが出来る。
【0162】
さらに、1対の結合具10a,10bの一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【0163】
[第11の実施の形態]
次に、図12の(A)及び(B)を参照しながら第11の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。この第11の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0164】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0165】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの少なくとも一方は、結合具本体12がライナー22を結合具本体12の軸方向に移動可能に収容している。結合具本体12において周方向に相互に等間隔で離間した複数の位置に解除防止機構190のカム状解除防止部材190aが配置されている。カム状解除防止部材190aは結合具本体12の外表面において上記複数の位置に形成された貫通孔中に収容されていて、上記外表面に対し交差する面内で回動するよう回転中心軸190bにより結合具本体12に支持されている。カム状解除防止部材190aからは、上記貫通孔を介して操作機構の操作レバー190cが外部空間中に延出している。操作レバー190cは回転中心軸190bを中心にして結合具本体12の軸方向に沿い揺動可能である。
【0166】
ライナー22の外周面には環状溝192が形成されていて、環状溝192中にカム状解除防止部材190aが嵌合されている。操作レバー190cが、結合具本体12の外周面から離れて上記外周面から立ち上げられた位置から、図12の(A)及び(B)中に示されているように、結合具本体12の複数の突部14の突出方向とは逆の方向に向い倒されて結合具本体12の外周面に沿うよう横たわらせられた位置に配置されると、カム状解除防止部材190aに駆動されてライナー22は結合具本体12中で上記突出方向に向い直線移動する。この時のカム状解除防止部材190aの位置は解除防止位置である。
【0167】
これとは逆に、操作レバー190cが、図12の(A)及び(B)中に示されている横たわり位置から上記立ち上がり位置へと回動されると、カム状解除防止部材190aに駆動されてライナー22は結合具本体12中で上記突出方向とは反対方向に直線移動する。この時のカム状解除防止部材190aの位置は解除位置である。
【0168】
1対の結合具10a,10bを相互に連結させる時、操作レバー190cが上記立ち上がり位置に配置されてカム状解除防止部材190aは解除位置に配置される。この間に1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させる。さらに1対の結合具10a,10bの夫々の複数の突部14の付勢機構18の付勢力により、一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16に対し他方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16が係止するよう、1対の結合具10a,10bが相対的に回動される。そして、1対の結合具10a,10bが相互に連結される。
【0169】
この後、操作レバー190cが、図12の(A)及び(B)中に示されている横たわり位置に配置され、カム状解除防止部材190aは解除防止位置に配置される。この結果、相互に連結されている1対の結合具10a,10b中のライナー22は夫々の突出端面のシール部材24を介して相互に強制的に当接されて、それぞれを軸方向に沿い相互に離れる方向に向かわせる力を発生させる。この力は、上記軸方向に沿って1対の結合具10a,10bが相互に遠ざかる方向における一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16と他方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16との相互の係止を強化する。この間には、相互に連結されている1対の結合具10a,10bに対し相互連結解除の為に必要な相対的な回動を生じさせることが出来ない。
【0170】
1対の結合具10a,10bの相互連結解除の為に必要な相対的な回動を許容させるには、操作レバー190cを、図12の(A)及び(B)中に示されている横たわり位置から上記立ち上がり位置へと回動させれば良い。
【0171】
なお、解除防止機構190を他方の結合具10bの結合具本体12にも上述したように設けることが出来る。
【0172】
さらに、1対の結合具10a,10bの一方に解除防止機構190を上述したように設け、他方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。或いは、これとは逆に、1対の結合具10a,10bの他方に解除防止機構190を上述したように設け、一方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。また、1対の結合具10a,10bの一方又は他方に解除防止機構190を上述したように設け、一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【0173】
[第12の実施の形態]
次に、図13の(A)及び(B)を参照しながら第12の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置について説明する。この第12の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0174】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0175】
この実施の形態では、相互に結合される1対の結合具10a,10bの少なくとも一方の結合具本体12において周方向に相互に等間隔で離間した複数の位置に解除防止機構200の回転式解除防止部材200aが配置されている。回転式解除防止部材200aは結合具本体12の外表面において上記複数の位置に形成された貫通孔中に収容されていて、上記外表面に対し交差する面内で回動するよう回転中心軸200bにより結合具本体12に支持されている。回転式解除防止部材200aからは、上記貫通孔を介して操作機構の操作レバー200cが外部空間中に延出している。操作レバー200cは回転中心軸200bを中心にして結合具本体12の軸方向に沿い揺動可能である。
【0176】
操作レバー200cが、結合具本体12の外周面から離れて上記外周面から立ち上げられた位置から、図13の(A)及び(B)中に示されているように、結合具本体12の複数の突部14の突出方向とは逆の方向に向い倒されて結合具本体12の外周面に沿うよう横たわらせられた位置に配置されると、回転式解除防止部材200aの一部が結合具本体12の複数の突部14の間の複数の凹所の少なくとも1つの底面から複数の突部14の突出方向に向い突出する。この時の回転式解除防止部材200aの位置は解除防止位置である。
【0177】
これとは逆に、操作レバー200cが、図13の(A)及び(B)中に示されている横たわり位置から上記立ち上がり位置へと回動されると、回転式解除防止部材200aの一部が上記少なくとも1つの底面から実質的に突出しないよう引っ込む。この時の回転式解除防止部材200aの位置は解除位置である。
【0178】
1対の結合具10a,10bを相互に連結させる時、操作レバー200cが上記立ち上がり位置に配置されて回転式解除防止部材200aは解除位置に配置される。この間に1対の結合具10a,10bを同心的に配置した状態で相互に接近させることにより一方の結合具10aの複数の突部14の間の複数の凹所中に他方の結合具10bの複数の突部14を挿入させる。さらに1対の結合具10a,10bの夫々の複数の突部14の付勢機構18の付勢力により、一方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16に対し他方の結合具10aの複数の突部14の係止駒部16が係止するよう、1対の結合具10a,10bが相対的に回動される。そして、1対の結合具10a,10bが相互に連結される。
【0179】
この後、操作レバー200cが、図13の(A)及び(B)中に示されている横たわり位置に配置され、回転式解除防止部材200aは解除防止位置に配置される。この結果、一方の結合具10aの結合具本体12の複数の突部14の間の複数の凹所中の少なくとも1つの底面から突出した回転式解除防止部材200aの一部が、上記複数の凹所中に挿入されている他方の結合具10aの複数の突部14の中の対応する突部14の突出端面に当接又は接近する。
【0180】
そして、回転式解除防止部材200aの一端部が相互に結合している1対の結合具10a,10bの他方の結合具10bの解除防止部材70の一端部が相互に結合している1対の結合具10a,10bの他方の結合具10bの対応する突部14の突出端面を一方の結合具10aの対応する凹所の底面から遠ざけるよう押圧するか、又は、上記他方の結合具10bの対応する突部14の突出端面が一方の結合具10aの対応する凹所の底面に接近するのを防止する。
【0181】
この結果として、一方の結合具10aの結合具本体12の複数の突部14の係止駒部16と他方の結合具10bの結合具本体12の隣接した複数の突部14の係止駒部16との軸方向及び周方向における相互の係止が強化されるか、又は弱化されない結果となる。この間には、相互に連結されている1対の結合具10a,10bに対し相互連結解除の為に必要な相対的な回動を生じさせることが出来ない。
【0182】
1対の結合具10a,10bの相互連結解除の為に必要な相対的な回動を許容させるには、操作レバー200cを、図13の(A)及び(B)中に示されている横たわり位置から上記立ち上がり位置へと回動させれば良い。
【0183】
回転式解除防止部材200aは、一方の結合具10aと同様に、他方の結合具10aにも設けることが出来る。
【0184】
さらに、1対の結合具10a,10bの一方に解除防止機構200を上述したように設け、他方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。或いは、これとは逆に、1対の結合具10a,10bの他方に解除防止機構200を上述したように設け、一方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。また、1対の結合具10a,10bの一方又は他方に解除防止機構200を上述したように設け、一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【0185】
[第13の実施の形態]
図14の(A)及び(B)には第13の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置が示されている。この第13の実施の形態に従った解除防止構造を備えている結合装置に対しては、図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造をさらに適用可能である。
【0186】
なお、この実施の形態において、図15乃至図17を参照しながら前述した従来の結合装置の構成部材と同様な構成には前述した従来の結合装置の構成部材に付せられていた参照符号と同じ参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0187】
また、第13の実施の形態の構成の大部分は、図13の(A)及び(B)を参照しながら前述した第12の実施の形態の構成の大部分と同である。そして、第13の実施の形態の作用及び効果は第12の実施の形態の作用及び効果と実質的には同じである。したがって、第13の実施の形態において第12の実施の形態の構成部材と同様な構成部材には第12の実施の形態において使用されていた200番台の参照符号に代えて、210番台の参照符号を付し詳細な説明は省略する。
【0188】
第13の実施の形態の構成が第12の実施の形態の構成と異なることのみを説明すると、第12の実施の形態において回転式解除防止部材200aが収容されていた結合具本体12の貫通孔の縦断面形状である。第13の実施の形態の解除防止部材収容貫通孔は、図14の(B)中に示されている如く、結合具本体12において、解除防止位置の回転式解除防止部材210aの一部が突出する突部14側の開口と、操作レバー210cが延出する外周面側の開口と、が連続している。これに対し第12の実施の形態の解除防止部材収容貫通孔は、図13の(B)中に示されている如く、結合具本体12において、解除防止位置の回転式解除防止部材200aの一部が突出する突部14側の開口に仕切り壁が存在していて、突部14側の開口と操作レバー200cが延出する外周面側の開口とが連続していない。上記仕切り壁は、第12の実施の形態の解除防止部材収容貫通孔の強度を、第13の実施の形態の解除防止部材収容貫通孔の強度よりも向上させている。
【0189】
さらに、1対の結合具10a,10bの一方に解除防止機構210を上述したように設け、他方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。或いは、これとは逆に、1対の結合具10a,10bの他方に解除防止機構210を上述したように設け、一方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。また、1対の結合具10a,10bの一方又は他方に解除防止機構210を上述したように設け、一方又は他方又は両方に図3乃至図5を参照しながら前述した第2乃至第4の実施の形態に従った解除防止構造のいずれかをさらに適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0190】
本発明の、解除防止構造を備えた結合装置は、相互に同じ構造を有していて相互に同軸に配置した後に相互に接近させることのみで相互に結合される1対の結合具を備えている結合装置が使用者の意思に反して結合を解除することを確実に防止することが出来る。そして、流体を流すパイプを相互に着脱可能に結合する為に使用することが出来るのはもちろんのこと、複数の構造用パイプや中実軸を相互に着脱可能に結合する為にも使用することが出来る。
【符号の説明】
【0191】
10a,10b…結合具、12…結合具本体、14…突部、14a…側面、16…係止駒部、16a…係止面、22…ライナー、30a,30b…結合具、32…ライナー、34…固定部材、38…ライナー、40…被固定部材、42…ライナー、43…選択回動阻止手段、100…第1の結合要素、102…第2の結合要素、104…解除防止部材、112,112’…解除防止部材、118,118’…解除防止突起、120…ホルダー部材、128…付勢機構、130…回転運動・直線運動変換機構、136…選択回転停止機構、140…ホルダー部材、146…解除防止部材、148…付勢機構、150…解除防止部材、150a…解除防止突起、160…解除防止部材、164…操作部材(操作機構)、166…付勢機構、167…解除防止凹部、170…解除防止部材、174…操作部材(操作機構)、176…付勢機構、190a…カム状解除防止部材、190c…操作レバー(操作機構)、200a…回転式解除防止部材、200c…操作レバー(操作機構)、210a…回転式解除防止部材、210c…操作レバー(操作機構)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
夫々が同心的に相互に対向して配置され、相互に同じ構成を有した筒状の1対の結合具本体と;そして、
夫々の結合具本体に収容されているライナーと;
を備えていて、
1対の結合具本体は、夫々の対向面上の同じ直径の同心円上に所定の間隔で相互に離間した複数の位置から夫々の長手方向中心線に沿い延出した複数の突部を含んでおり、複数の突部において一方の周方向に向いた側面上には突部の突出端側から上記一方の周方向に向い突出した係止駒部が設けられていて、係止駒部は突部の突出方向とは反対方向を向いた係止面を有しており、
1対の結合具本体は相互に同心的に対向した状態で相互に接近されて一方の結合具本体の複数の突起を他方の結合具本体の複数の突部の間の複数の凹所中に挿入し、さらに、1対の結合具本体が相対的に回転されて一方の結合具本体の複数の突部の係止面が他方の結合具本体の複数の突部の係止面に対面し、1対の結合具本体が相互に離間する方向において一方の結合具本体の複数の突部の係止面が他方の結合具本体の複数の突部の係止面に係止され、
少なくとも一方の結合具本体は、少なくとも一方の結合具本体の内周面とライナーの外周面とに保持された複数の球により、ライナーに対して回動自在である、
ことを特徴としている解除防止構造を備えた結合装置。
【請求項1】
夫々が同心的に相互に対向して配置され、相互に同じ構成を有した筒状の1対の結合具本体と;そして、
夫々の結合具本体に収容されているライナーと;
を備えていて、
1対の結合具本体は、夫々の対向面上の同じ直径の同心円上に所定の間隔で相互に離間した複数の位置から夫々の長手方向中心線に沿い延出した複数の突部を含んでおり、複数の突部において一方の周方向に向いた側面上には突部の突出端側から上記一方の周方向に向い突出した係止駒部が設けられていて、係止駒部は突部の突出方向とは反対方向を向いた係止面を有しており、
1対の結合具本体は相互に同心的に対向した状態で相互に接近されて一方の結合具本体の複数の突起を他方の結合具本体の複数の突部の間の複数の凹所中に挿入し、さらに、1対の結合具本体が相対的に回転されて一方の結合具本体の複数の突部の係止面が他方の結合具本体の複数の突部の係止面に対面し、1対の結合具本体が相互に離間する方向において一方の結合具本体の複数の突部の係止面が他方の結合具本体の複数の突部の係止面に係止され、
少なくとも一方の結合具本体は、少なくとも一方の結合具本体の内周面とライナーの外周面とに保持された複数の球により、ライナーに対して回動自在である、
ことを特徴としている解除防止構造を備えた結合装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−91117(P2010−91117A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13597(P2010−13597)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【分割の表示】特願2003−314525(P2003−314525)の分割
【原出願日】平成15年9月5日(2003.9.5)
【出願人】(391001169)櫻護謨株式会社 (40)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【分割の表示】特願2003−314525(P2003−314525)の分割
【原出願日】平成15年9月5日(2003.9.5)
【出願人】(391001169)櫻護謨株式会社 (40)
【Fターム(参考)】
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